JP4663144B2 - キャスト塗被紙およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、キャスト鏡面仕上げ後のワインダー処理工程、搬送工程等後工程において白紙光沢度の低下が少なく、面状に優れ、且つインキ乾燥性や耐ブロッキング性、操業性に優れたキャスト塗被紙に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般のコート紙より高い白紙光沢度と、鏡面様の面状を有するキャスト塗被紙は、用途別に大別すると、(1)一般印刷用途、(2)高級ショッピングバッグやブックカバー等に使用される袋用途、(3)粘着ラベルの上紙として使用される粘着ラベル用途、(4)塩ビレザーやウレタン工程紙の原紙として使用される工程紙用途、(5)インクジェットプリンター用紙に使用されるインクジェット用途等に分けられる。
【0003】
キャスト塗被紙は高い白紙光沢度が要求される他、求められる品質はそれぞれの用途で異なり、オフセット印刷に使用される一般印刷用途では、面状や印刷表面強度、インキ乾燥性等印刷適性が要求される。袋用途では、特に強い紙力と印刷表面強度が要求される。粘着ラベル用途では、凸版印刷が主体であり一般に強い表面強度は必要ないが、ピンホールのない良好な面状や耐水性(耐ブロッキング性)が要求される。また、印刷後巻き取った状態で印刷面のインキが剥離紙に付着し取られるケースがあるためインキ乾燥性が速いことが望まれる。工程紙用途では、ピンホールのない良好な面状が要求され、インクジェット用途では、インクの吸収性、画像再現性等各種インクジェット適性が要求される。
【0004】
一方キャスト塗被紙の製造方法も、原紙表面に塗被液を塗被した後、塗被層を湿潤状態のまま直ちにフォーミングロールによってキャストドラムに圧着させる直接法と、塗被液を塗被した後、塗被層を凝固浴に通し変形可能な可塑性を持ったゲル状態に凝固させた後、キャストドラムに圧着させる凝固法と、塗被液を塗被した後一旦乾燥させて乾燥塗被面を得、その後塗被面を水または適当な再湿潤液で再湿可塑化させ、キャストドラムに圧着させる再湿潤法に大別される。
【0005】
直接法は、湿潤塗被層がキャストドラムに圧着された際、塗料中の水分が急激に沸騰して塗被層を破壊し、無数の微細なピンホールを発生させてしまうため、特にピンホールのない良好な面状が要求される粘着ラベル用途や工程紙用途には好ましくなく、生産速度が上がらないなどの操業性の問題がある。
【0006】
再湿潤法は、塗被層を一旦乾燥された塗被層を再湿潤するために可塑化の度合が他の方法に比べて低い。そのため、塗被層が加熱ドラム面に均一に密着されず、低速度下での操業においては比較的均一な強光沢の塗被紙が得られるものの、高速度操業になるに従って、光沢ムラやピンホールの斑点等が発生し、塗被面の均質性に劣る問題がある。
【0007】
凝固法は、再湿潤法のように塗被層を一旦乾燥固化することなく、可塑性のあるゲル状態で凝固した後、キャストドラムに圧着、乾燥させるために嵩高く、ポーラスで軟らかい塗被層を形成する特徴がある。したがって、この凝固法で製造したキャスト塗被紙は、キャストドラムの鏡面を写し取り易いため表面性に優れ、直接法や再湿潤法よりも利点がある。しかし一方で、塗被層が軟らかいため、外的な圧力に対して変形し易く、例えば、任意の幅にカットして巻き取りを製品化するワインダー処理工程において、ワインダードラムに押し付けられて一定の加圧下で巻き取られる際、塗被層が変形して白紙光沢度が低下する問題点がある。また巻き取られる際に、幅方向で紙厚が厚い部分は巻径が厚くなり、余計な集中加重を受けるため、その部分だけ白紙光沢度が著しく低下する問題が生じる。その他、ワインダー処理後においても、包装工程や製品の搬送、運搬工程においても製品巻き取りを転がすことは避けられないが、その際にも圧力を受けて塗被層が変形して、白紙光沢度が低下する場合も起こる。近年では、より荷重のかからない状態で、かつ低張力下で軟らかく巻き取りを巻き取ることができるワインダーが使用されるようになってきたため、白紙光沢度低下の問題もかなり改善されるようになってきたが、特に凝固法で製造したキャスト塗被紙では、依然としてワインダー処理工程、あるいはそれ以後の工程において、紙の幅方向の不均一性に起因する不均一な白紙光沢度低下が問題となっている。
【0008】
キャスト塗被紙に求められる品質、操業性を改善する対策として、塗工液中に使用するラテックスを改善する試みが検討されてきている。
例えば、特開昭61-47895号公報では、モノマー中のスチレン含有量が24〜79%で、ゲル含量が45〜70%であるラテックスを使用することによりフクレ、ドラムピック、ピンホールに優れた塗工紙を提供する手法を認めている。しかし、耐ブロッキング性に劣り、特に凝固法特有の問題点であるワインダー処理工程以後に初めて発生する白紙光沢度低下を抑えることができなかった。また、特開昭62-850945号公報には、モノマー中のスチレン含有量が34〜69%で、ゲル含量が80〜95%であるラテックスを使用することにより白紙光沢、耐ブロッキング性に優れた塗工紙を提供する手法を認めている。しかしながら、インキ乾燥性の改善や、特に凝固法特有の問題点であるワインダー処理工程以後に初めて発生する白紙光沢度低下を改善することが不十分であった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
以上のような状況に鑑み、本発明は、特に凝固法で生産されたキャスト塗被紙において、キャスト鏡面仕上げ後のワインダー処理工程、搬送工程等後工程において白紙光沢度の低下が少なく面状に優れ、インキ乾燥性や耐ブロッキング性、操業性に優れたキャスト塗被紙及びその製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、種々検討を重ねた結果、原紙の少なくとも一方の面に、顔料及び接着剤を主成分とする塗被液を塗被した後、湿潤状態にある塗被層をキャストドラム鏡面に圧着、乾燥してなるキャスト塗被紙において、接着剤として、スチレンモノマー40〜60重量%、ガラス転移温度が−15〜0℃で、且つゲル含量が70%を超えて90%以下であるスチレン・ブタジエン系共重合体ラテックスを含有するキャスト塗被紙及びその製造方法によって、本発明に到達した。本発明においては、特に凝固法で生産されたキャスト塗被紙について、キャスト鏡面仕上げ後のワインダー処理工程、搬送工程等後工程における白紙光沢度の低下が少なく面状に優れ、インキ乾燥性や耐ブロッキング性、操業性に優れたキャスト塗被紙を得ることができた。
【0011】
本発明者等は、前記のごとくワインダー処理工程以後の白紙光沢度低下を押さえる手段として、塗被層の変形性を抑え、更に面状に優れ、インキ乾燥性や耐ブロッキング性、操業性も良好にするためには、共重合体ラテックスのスチレン配合量、ガラス転移温度、ゲル含量のそれぞれ最適な範囲を規定することが有効であることを見いだした。
【0012】
本発明においては、スチレンブタジエン系共重合体ラテックスとして、スチレンモノマーを40〜60重量%の範囲内にすることが必要である。 スチレンモノマーが40重量%より少ない場合には、ラテックス皮膜強度が軟らかくなり、変形し易くなるためワインダー処理工程以後での白紙光沢度が低下した。また耐水強度が低下し耐ブロッキング性も劣った。一方、スチレンモノマーが60重量%を越える場合には、ラテックス皮膜強度は更に高くなり、ワインダー処理工程以後での白紙光沢度の低下はより少なくなるが、操業時にキャストドラムからの離型性(剥離性)が悪化し、ドラムピックが多発し操業性が低下した。スチレン・ブタジエン系共重合体ラテックスのガラス転移温度は、−15〜0℃であることが重要である。ガラス転移温度が−15℃より低い場合には、ワインダー処理工程以後での白紙光沢度が低下し、0℃より高い場合には、インキ乾燥性が遅くなった。また、スチレン・ブタジエン系共重合体ラテックスのゲル含量は、70〜90%であることが重要である。ゲル含量が70%以下の場合には耐ブロッキング性が劣り、90%を越えるとラテックス皮膜強度が低下し、ピンホールやドラムピックが多発し操業性が低下した。本発明のゲル含量は、好ましくは75〜90%である。
【0013】
また、本発明の共重合体ラテックスは、モノマーとしてアクリロニトリルを1〜20重量%含有することが好ましく、より好ましくは1〜10重量%含有する。1重量%未満の場合、ピンホールやドラムピックが多発し易く、ワインダー処理工程以後での白紙光沢度が低下する傾向にあった。20重量%を超えるとインキ乾燥性が遅くなる傾向にあった。
【0014】
本発明においては、インキ乾燥性と表面強度を良好にするために、共重合体ラテックスを顔料100重量部に対して、10〜30重量部配合することが好ましく、より好ましくは18〜24重量部である。
【0015】
また、本発明においては、更に接着剤としてカゼインを顔料100重量部に対して1〜8重量部が好ましく、より好ましくは3〜8重量部が好ましい。カゼインが1重量未満の場合、ドラムピック等が発生し、操業性が低下し易い。カゼインが8重量部を越えるとインキ乾燥性が遅くなり、劣る傾向にある。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明に使用する顔料としては、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリン、クレー、酸化亜鉛、タルク、シリカ、サチンホワイト、二酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、プラスチックピグメント等を1種以上使用することができる。
【0017】
本発明に使用する接着剤としては、スチレン・ブタジエン系共重合体ラテックス以外に、カゼイン、大豆蛋白や合成蛋白、ポリビニルアルコール、酸化デンプン、エステル化デンプン等のデンプン類、カルボキシルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体澱粉、ポリビニルピロリドン、ゼラチン、スチレン−アクリル樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、尿素樹脂、アルキッド樹脂、ウレタン樹脂、ポリエチレン等の中から適宜選択して使用することができ、1種以上を併用しても良い。
【0018】
本発明の塗被液には、分散剤、離型剤、増粘剤、保水剤、消泡剤、防腐剤、耐水化剤等の通常使用される各種助剤を使用しても良い。離型剤としてはステアリン酸カルシウム等脂肪酸もしくは高級脂肪酸の金属塩、脂肪酸アミド、高級アルコール、ワックスエマルジョン、ポリエチレンエマルジョン、ノニオン系界面活性剤等を使用することができる。
【0019】
本発明で使用するキャスト用原紙としては、一般の印刷用塗被紙やキャスト塗被紙に用いられる坪量50〜400g/m2の原紙であり、目的により上質紙、中質紙を選択して使用する。また原紙の片面あるいは両面に、一般の顔料と接着剤を有する塗被液を塗被した塗被紙も原紙として使用できる。
【0020】
キャスト用原紙に塗被液を塗被する方式としては、ブレードコーター、エアナイフコーター、ロールコーター、コンマコーター、ブラッシュコーター、キスコーター、スクイズコーター、カーテンコーター、バーコーター、グラビアコーター等の公知の塗工機を用いた方法の中から適宜選択することができる。キャスト用原紙への塗被量は、原紙の片面当たり固形分で15〜35g/m2の範囲で塗被するのが好ましい。
【0021】
かくして原紙上に形成された塗被層は、湿潤状態で加熱された鏡面ドラムに圧接・乾燥されて製造される。湿潤状態の塗被層を鏡面ドラムに圧着・乾燥する方法としては、塗被後の未乾燥状態のままキャストドラムに圧着する直接法、塗被後に凝固液で塗被層をゲル状態にして圧着する凝固法、あるいは塗被後一旦乾燥した塗被層に再湿潤液により可塑化して圧着する再湿潤法を用いることができる。
【0022】
本発明においては、特に湿潤状態の塗被層を凝固液でゲル化させて鏡面ドラムに圧着・乾燥する凝固法が、嵩高で表面性に優れ、ワインダー処理工程等での白紙光沢度を抑える効果に優れるため好ましい。この場合の凝固液としては、凝固剤を水溶液等に溶解したものでああり、凝固剤としては、ギ酸、酢酸、リンゴ酸、イタコン酸、アクリル酸、クエン酸、乳酸、塩酸、硫酸、炭酸、ほう酸等の酸、及びこれらのカルシウム、亜鉛、バリウム、鉛、カリウム、ナトリウム、カドミウム、アルミニウム等との塩、及びほう砂等を使用することができるが一般的であるが、ギ酸塩を使用することが好ましく、その中でもギ酸に酸化亜鉛を混合したものが好ましい。また凝固液中にも塗被液中に用いた各種離型剤を適宜使用することが可能である。
【0023】
本発明のキャスト塗被紙は、製品水分を1〜4%にすることが好ましい。製品水分が1%未満の場合、カール等が発生し操業性に劣る傾向にある。また、4%を超えるとドラムピックが発生し、操業性に劣る傾向にある。
【0024】
また、本発明のキャスト塗被紙は、特に粘着用ラベル用途に適しており、その他の用途にも利用することができる。
【0025】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に示すが、これらによって本発明は何等制約を受けるものではない。なお、例中の部および%はそれぞれ重量部および重量%を示す。
〈品質評価方法〉
(1)ラテックスガラス転移温度
20℃、65%(相対湿度)でラテックスフィルムを作成し、その20mgを示差走査熱量測定装置(DSC 6200R:セイコーインスツルメンツ(株)製)で昇温速度5℃/min、測定温度0〜100℃で得られる特性曲線から算出した。
(2)ラテックスのゲル含量
ラテックス約0.3gをスライドグラス上に薄く広げ、50℃の乾燥機でフィルムとなるまで乾燥する。ラテックスフィルムを約50mlのトルエン中に一昼夜浸せきし、ガラスフィルターでろ過後、ろ液を105℃の乾燥機で乾燥して、トルエン可溶分の重量を測定する。ここで得られたトルエン可溶分の重量から、次式によりゲル含量を算出する。
ゲル含量(%)=(乾燥フィルム重量−トルエン可溶分重量)×100/乾燥フィルム重量
(3)白紙光沢度低下評価
ワインダー処理前後の白紙光沢度をJIS P-8142に従い角度75°で測定した。
(4)インキ乾燥性
RI−II型印刷機(明製作所製)を用い、東洋インキ製TKマークVニュー617(墨)を使用し、インキ量0.5ml一定で印刷後、45秒後に印刷サンプルを転写紙(上質コ−ト紙)に転写する。転写紙の白色度の低下度合いを目視で相対評価した。白色度の低下度合いの大きいものはインキ乾燥性が遅く劣る。
【0026】
◎=インキ乾燥性非常に優れる。
○=インキ乾燥性優れる。
△=インキ乾燥性劣る。
【0027】
×=インキ乾燥性著しく劣る。
(5)耐ブロッキング性:
ガラス板にラップを貼り固定する。その上に試料を両面テープで貼り付ける。試料を貼り付けたガラス板を実験台上に置き、40cm離れた場所から霧吹きを用いて5回霧を吹きかける。その上から別に用意したラップを貼ったガラス板を置き、その上に1.0kgのおもりを乗せて1時間恒温室内で放置した後ガラス板をはがす。
【0028】
試料がブロッキングした状態を目視で相対評価した。
◎=ブロッキングほとんど発生しない。
○=ブロッキングわずかに発生する。
【0029】
△=ブロッキング発生多い。
×=ブロッキング発生が著しい。
(6)操業性評価:
15時間連続操業した時点において、キャスト塗被層の一部がキャストドラム表面に取られ微小なピンホール(ドラムピック)が発生している状態を目視で相対評価した。
【0030】
◎=ドラムピックなし。
○=ドラムピックがわずかに発生する。
△=ドラムピックの発生多い。
【0031】
×=ドラムピックの発生が著しい。
[実施例1]
カオリン70部及び軽質炭酸カルシウム30部を分散剤を用いて水に分散させ固形分濃度60%の顔料スラリーを調製した。これに消泡剤としてトリブチルフォスフェート0.2部を加え、アンモニアを用いて溶解したカゼイン水溶液(固形分濃度18%)5部及び、モノマー中のスチレン含有量が42%、アクリロニトリル含有量が7%、ガラス転移温度が−12℃、ゲル含量が75%であるスチレン・ブタジエン系共重合体ラテックス20部を加え、離型剤としてワックスエマルジョンを2部、ポリエチレンエマルジョンを0.5部を配合し、最後に水、アンモニアを加えて固形分濃度50%、pHを10に調整した。
【0032】
また凝固液として、ギ酸カルシウム水溶液に、絶乾当たりギ酸カルシウム100%に対し酸化亜鉛45%、ギ酸61%(有機酸塩中の有機酸亜鉛46%)を配合し、離型剤としてワックスエマルジョン0.3部及びノニオン系乳化剤0.2部添加した後、固形分濃度15%の凝固液を調製した。
【0033】
上記の方法により調製した塗被液を用い、坪量69g/m2の広葉樹晒しクラフトパルプ単独配合原紙の片面に、乾燥塗被量が20g/m2となるように塗被液をロールコータで塗被し、湿潤状態にある塗被層を凝固液に接触させて塗被層を凝固させた後、直径750mmのプレスロールと表面温度105℃、直径3000mmのキャストドラムにプレス圧150kg/cmで圧着し、乾燥後テークオフロールでキャストドラムから剥離してキャスト塗被紙を得た。キャスト塗被紙の製品水分は3.0%であった。
[実施例2]
モノマー中のスチレン含有量が55%、ガラス転移温度が−5℃、ゲル含量が85%であるスチレン・ブタジエン系共重合体ラテックスを使用した以外は実施例1と同様にキャスト塗被紙を得た。
[比較例1]
モノマー中のスチレン含有量が35%であるスチレン・ブタジエン系共重合体ラテックスを使用した以外は実施例1と同様にキャスト塗被紙を得た。
[比較例2]
モノマー中のスチレン含有量が70%であるスチレン・ブタジエン系共重合体ラテックスを使用した以外は実施例1と同様にキャスト塗被紙を得た。
[比較例3]
ガラス転移温度が−20℃であるスチレン・ブタジエン系共重合体ラテックスを使用した以外は実施例1と同様キャスト塗被紙を得た。
[比較例4]
ガラス転移温度が5℃であるスチレン・ブタジエン系共重合体ラテックスを使用した以外は実施例1と同様にキャスト塗被紙を得た。
[比較例5]
ゲル含量が65%であるスチレン・ブタジエン系共重合体ラテックスを使用した以外は実施例1と同様にキャスト塗被紙を得た。
[比較例6]
ゲル含量が95%であるスチレン・ブタジエン系共重合体ラテックスを使用した以外は実施例1と同様にキャスト塗被紙を得た。
【0034】
以上の結果を表1に示した。
【0035】
【表1】
【0036】
表1から明らかなように、実施例1、2は、ワインダー前後での白紙光沢度低下幅が少なく、ワインダー処理後においても高い白紙光沢度を維持している。また、耐ブロッキング性、インキ乾燥性、操業性にも優れる。
【0037】
これに対して比較例1は、ワインダー処理後に白紙光沢度が大きく低下し、耐ブロッキング性に劣る。比較例2は、操業性が劣る。比較例3は、ワインダー処理後に白紙光沢度が大きく低下する。比較例4は、インキ乾燥性が劣る。比較例5は、耐ブロッキング性が劣る。比較例6は、操業性が劣る。
【0038】
【発明の効果】
本発明により、特に凝固法で生産されたキャスト塗被紙において、キャスト鏡面仕上げ後のワインダー処理工程、搬送工程等後工程において白紙光沢度の低下が少なく面状に優れ、インキ乾燥性や耐ブロッキング性、操業性に優れたキャスト塗被紙を得ることができる。
Claims (3)
- 原紙の少なくとも一方の面に、顔料及び接着剤を主成分とする塗被液を塗被し、湿潤状態にある塗被層を凝固液で凝固させた後、キャストドラム鏡面に圧着してなるキャスト塗被紙において、接着剤として、スチレンモノマー40〜60重量%及びアクリロニトリルモノマー1〜20重量%を含有し、ガラス転移温度が−15〜0℃で、且つゲル含量が70%を超えて90%以下であるスチレン・ブタジエン系共重合体ラテックスを含有することを特徴とするキャスト塗被紙。
- 接着剤としてカゼインが顔料100重量部に対して3〜8重量部含有することを特徴とする請求項1に記載のキャスト塗被紙。
- 原紙の少なくとも一方の面に、顔料及び接着剤を主成分とする塗被液を塗被し、湿潤状態にある塗被層を凝固液で凝固させた後、キャストドラム鏡面に圧着、乾燥してなるキャスト塗被紙の製造方法であって、スチレンモノマー40〜60重量%及びアクリロニトリルモノマー1〜20重量%を含有し、ガラス転移温度が−15〜0℃で、且つゲル含量が70〜90%であるスチレン・ブタジエン系共重合体ラテックスを接着剤として含有する塗被液を塗被する上記方法。
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