JP4661027B2 - 雑音光除去装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
【0002】
【従来の技術】
近年、波長分割多重(WDM;Wavelength Division Multiplexing)により伝送容量を増大させた光伝送システムでは、長距離の光伝送を行うために、例えば、エルビウムドープ光ファイバ増幅器(EDFA;Er-doped optical fiber amplifier)等を用いて構成される光中継器の数を増やしたり、あるいは、ラマン増幅器の導入により中継距離を延ばしたりする手法が用いられている。
【0003】
上記の光増幅は、伝送による信号光強度の減衰を補うために行われるものであるが、EDFA等による光増幅の際には、自然放出(ASE;Amplified Spontaneous Emission)光が、ラマン増幅器による光増幅の際には、ラマン散乱による自然放出(ASS;Amplified Spontaneous Scattering)光がそれぞれ発生し、増幅された信号光に混入して出力される。これらのASE光やASS光は信号光と無関係の雑音光であり、光増幅の度に信号光に混入し蓄積される。したがって、光中継器等による光増幅を繰り返すと、雑音光も蓄積され、光SN比(OSNR;Optical Signal-Noise Ratio)が劣化する。OSNRの劣化は、光受信器における信号光の識別特性劣化、すなわち伝送される信号品質の劣化へとつながるので、雑音光の蓄積は、光中継器の多段中継による伝送距離の長距離化を制約する要因となっている。
【0004】
上記のASE光やASS光によるOSNRの劣化への対処方法として、所要の中継回数ごとに、WDM信号光を各チャンネルの光信号に多重分離した後、再度合波して多重化し送信する手法や、WDM信号光を多重分離した後、電気信号に変換し、再度変調を行った信号光を生成し送信する手法がある。これらの手法により雑音光成分を除去することができるが、例えば、WDM信号光のチャンネルごとの強度差を調整するための光可変減衰器が必要となる等の複雑な装置構成となるので、光伝送システムを長距離化する際の、大きなコスト上昇要因となる。
【0005】
また、ASE光やASS光によるOSNRの劣化への別の対処方法として、誘導ブルリアン散乱(SBS;Stimulated Brillouin Scattering)を利用し、WDM信号光より雑音光成分を直接除去する手法が知られている(例えば特許文献1)。
【0006】
図5は、この従来技術による雑音光除去装置を示したものである。図5に示される雑音光除去装置3は、入力端子10と出力端子16との間に、光アイソレータ11、光カプラ(CPL)17、ダミー伝送路13、無反射終端(TERM)18、光増幅器(AMP)19を備えて構成される。
【0007】
光カプラ17は3つのポートを有し、図5で左側に位置する第1ポートP1に光アイソレータ11が接続され、図5で右側に位置する第2ポートP2にダミー伝送路13が接続され、図5で左下側に位置する第3ポートP3に光増幅器19が接続されており、光アイソレータ11から第1ポートP1を介して入力される光を第2ポートP2を通ってダミー伝送路13に伝達すると共に、ダミー伝送路13からの戻り光を第2ポートP2を介して入力して2分岐し、第1ポートP1および第3ポートP3からそれぞれ出力する。
【0008】
ダミー伝送路13は、入力光のパワーが所定の閾値を超えると非線形光学現象の一種であるSBSを発生する光伝送路であり、SBSによる散乱光は戻り光として光カプラ17の第2ポートP2へ出力される。
【0009】
無反射終端器18は、ダミー伝送路13の光カプラ17が接続された一方の端部は異なる他方の端部に接続され、ダミー伝送路13の通過光を吸収して終端する。
【0010】
光増幅器19は、光カプラ17の第3ポートP3から出力される光、すなわちダミー伝送路13におけるSBSによる戻り光の一部、を入力し、増幅して出力端子16に出力する。
【0011】
光中継器1から雑音光除去装置3の入力端子11に与えらたWDM信号光は、光アイソレータ11および光カプラ17を順に通過してダミー伝送路13の一端に入力される。ダミー伝送路13では、入力光のうち、所定の閾値を超える光強度を持つ成分について、SBSによる戻り光が発生し、光カプラ17に再入力される。一方、ダミー伝送路13への入力光のうち、入力光のうち、所定の閾値以下の光強度を持つ成分は、ダミー伝送路13を伝搬し、無反射終端18により吸収される。
【0012】
光アイソレータ11および光カプラ17を順に通過してダミー伝送路13の一端に入力された光には、WDM信号光およびASE光やASS光等による雑音光が含まれる。この入力光のうち、信号波長の成分はSBS発生の閾値を越える光強度を持つので、SBSによる戻り光が発生し、戻り光として光カプラに再入力される。一方、入力光のうち、信号波長以外の成分、すなわち、ASE光やASS光等による雑音光成分の光強度は、SBS発生の閾値以下であるので、戻り光とはならずダミー伝送路13を伝搬し、無反射終端18により吸収される。
【0013】
したがって、ダミー伝送路13からの戻り光には信号波長の成分のみが含まれるので、第2ポートP2に入力された戻り光を光カプラ17により2分岐した、第1ポートP1および第3ポートP3からの出力には、信号波長の成分のみが含まれる。光カプラ17の第1ポートP1より出力される戻り光は、光アイソレータ11により阻止されるので、光中継器1の動作に影響を及ぼすことはない。光カプラ17の第3ポートP3より出力された光は、光増幅器19により増幅され出力端子16に出力される。
【0014】
上記のように、光中継器1より入力端子10を通じて入力されたWDM信号光は、雑音光除去装置3により信号波長の成分のみが出力端子16より出力される。
【0015】
【特許文献1】
特開平7−199244号公報
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のような、SBSを利用した従来の雑音光除去手法では、SBSを発生させる伝送路からの戻り光は、雑音光除去装置の出力端子に向かうポートだけでなく、WDM信号光を入力するポートにも出力される。このため、雑音光除去装置の出力端子に向かうポートへの出力は、例えば3dBカプラを用いた場合、3.5dB程度減衰してしまう。
【0017】
それに加え、ダミー伝送路にてSBSを発生させるためには3dBカプラの透過損失(約3.5dB)を考慮し、SBS発生しきい値となるよう、入力する光パワーもその分大きくせざるを得ない。
【0018】
また、図5に示される雑音光除去装置では、光カプラ17のポート2に入力された戻り光の一部は、ポート1より出力されるので、光アイソレータ11により戻り光の伝搬を阻止する必要がある。光カプラ17のポート1より出力される戻り光の強度が強くなるほど、光アイソレータ11に要求されるリジェクション特性は高くなり、これに伴い、光アイソレータ11の順方向の挿入損失が大きくなってしまう。
【0019】
また、光カプラ17は、ポート2に入力された戻り光をポート1およびポート3に出力するので、戻り光に元のWDM信号光が含まれている場合、例えば、無反射終端18の終端が完全でない場合、SBSによる戻り光だけでなく、元のWDM信号光が光カプラのポート3より出力されることとなる。SBSによる戻り光は、元の光の波長よりも0.09nm長波長側にシフトしたものであるので、元のWDM信号光が戻り光に含まれている場合は、出力光信号の劣化につながる。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するものであり、第1の発明による雑音光除去装置は、複数の異なる波長の光が多重化された光を入力し、前記多重化された光の雑音光成分を除去して出力する雑音光除去装置において、第1ないし第3のポートを備えた光フィルタと、前記光フィルタの前記第2のポートより出力された光を入力し、前記入力された光の誘導ブルリアン散乱による散乱光を前記光フィルタの前記第2のポートに出力する光伝送媒体を備え、入力された光を前記光フィルタの前記第1のポートに入力し、前記光フィルタの前記第3のポートより出力された光を出力し、前記光フィルタは、前記第1のポートに入力された光のうち、前記多重化された光の各波長の光を透過し、前記第2のポートに出力し、前記第2のポートに入力された光のうち、前記多重化されたの光の各波長の光の誘導ブルリアン散乱による散乱光の各波長の光を反射し、前記第3のポートに出力することを特徴とする。
【0021】
上記のような雑音光除去装置によれば、多重化された光の各波長の光は、光フィルタの第1ポートに入力され、透過し、第2のポートより光伝送媒体に出力されるが、誘導ブルリアン散乱の閾値を超えた成分の光のみが散乱光として前記光フィルタの第2のポートに出力され、各波長の光と同じ波長の雑音光成分は誘導ブルリアン散乱の閾値を越えず、散乱光が発生しないので、多重化された光の各波長の光のみが誘導ブルリアン散乱により散乱光として第2のポートに出力される。
【0022】
このとき、第2のポートに入力する誘導ブルリアン散乱による散乱光は、前記光フィルタにより反射され第3のポートに出力されるので、第1のポートには誘導ブルリアン散乱による散乱光は出力されない。また、第1のポートより第2のポートに透過・出力された各波長の光が第2のポートに反射等により戻った場合、第1のポートへ透過・出力されるので、第3のポートの出力には含まれない。
【0023】
これにより、光伝送媒体により散乱された散乱光は、光フィルタの第3のポートのみに出力され、また、誘導ブリリュアン散乱による戻り光が第2のポートに入力してから、第3のポートに出力されるまでの損失は1dB程度と小さく、効率良く雑音光除去を行うことができる。
【0024】
また、第3のポートに反射・出力される光は、光伝送媒体のブルリアン散乱による散乱光の波長の光のみであるので、光フィルタの第2のポートに入力される光が、必ずしも散乱光のみである必要はなく、光伝送媒体を無反射終端する処理を省くか、簡易化することができる。
【0025】
第2の発明による雑音光除去装置は、請求項1記載の雑音光除去装置であって、前記入力する光は、周期的に波長が配置された光を多重化した光であり、前記光フィルタは、透過波長が周期的に存在するサイクリック・フィルタであることを特徴とする。
【0026】
入力されるWDM信号光の波長が等間隔に配置され、周期的である場合、フィルタに要求される特性も波長に対して周期的となり、サイクリック・フィルタを用いて雑音光除去装置を簡易に構成することができる。
【0027】
第3の発明による雑音光除去装置は、請求項1または請求項2記載の雑音光除去装置であって、前記光伝送媒体に励起光を送出する励起光送出部を備え、前記励起光は、前記誘導ブルリアン散乱による散乱光をラマン増幅により増幅することを特徴とする。
【0028】
第3のポートに反射・出力される光は、光伝送媒体のブルリアン散乱による散乱光の波長の光のみであるので、光フィルタの第2のポートに入力される光に散乱光波長以外の光が含まれていてもよい。第3の発明では、戻り光に対してラマン増幅を行うような波長の励起光を光伝送媒体に送出することにより、出力される光に影響を与えることなく、増幅を行うことができる。
【0029】
【実施例】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明による誘導ブルリアン散乱(SBS;Stimulated Brillouin Scattering)を利用した雑音光除去装置の第1の実施例を示した図である。なお、上述した従来の雑音光除去装置の構成と同様の部分には同一の符号を付している。
【0030】
図1において、本発明による雑音光除去装置2は、光中継器1からの出力を入力し、雑音光を除去して出力するものであり、入力端子10と出力端子16との間に、光アイソレータ11、光フィルタ12、ダミー伝送路13、レベル調整部15を備える。
【0031】
光アイソレータ11は、入力端子10と光フィルタ12の間に配置され、入力端子10から光フィルタ12に進む光は通過させ、光フィルタ12から入力端子10に進む光は阻止する一般的な光部品である。
【0032】
光フィルタ12は、ここでは例えば3つのポートを有し、図1で左側に位置する第1ポートP1に光アイソレータ11が接続され、図1で右上側に位置する第2ポートP2にダミー伝送路13が接続され、図1で右下側に位置する第3ポートP3にレベル調整部15が接続される。
【0033】
図2に示されるように、光フィルタ12の第1ポートP1に入力された光は、サイクリック・フィルタ21を透過し、第2ポートP2に出力される。また、光フィルタ12の第2ポートP2に入力されたダミー伝送路13からの戻り光のうち、サイクリック・フィルタ21を反射したものは、第3ポートP3に出力される。サイクリック・フィルタ21の特性と、光フィルタ12の第1〜第3ポートにおける光の入出力については後述するが、サイクリック・フィルタとしては、誘電多層膜フィルタ等を用いることができる。
【0034】
ダミー伝送路13において、一定の波長帯域(ブルリアン帯域)にある入力光の強度が所要の閾値を超えると、非線形光学現象の一種であるSBSが発生する。SBSによる散乱光は、入力光と進行方向が逆方向の戻り光として生じるので、光フィルタ12の第2ポートP2より入力された光によりダミー伝送路13で発生したSBSでは、戻り光は再び光フィルタ12の第2ポートP2に出力される。
【0035】
したがって、光フィルタ12の第2ポートP2よりダミー伝送路13に出力されたWDM信号光のうち、ブルリアン帯域内の光強度が閾値を超えるような光の成分では、SBSによる戻り光が発生し、光フィルタ12の第2ポートP2に出力される。また、ブルリアン帯域内の光強度が閾値を超えるような光の成分では、SBSは生じず、ダミー伝送路13の他方の端部に向けて伝搬し、伝送路端部14に達する。
【0036】
光伝送媒体として光ファイバを用いた場合、光ファイバの実効断面積の大きさにより、光パワー密度が変化するため、非線形光学現象であるSBSの閾値も変化する。ダミー伝送路13としては、通常の単一モードファイバ(SSMF;Standard single-mode optical Fiber)、ノンゼロ分散シフトファイバ(NZDSF:Non-Zero Dispersion Shifted single-mode optical Fiber)、分散シフトファイバ(DSF:Dispersion Shifted single-mode optical Fiber)、分散補償ファイバ(DCF;Dispersion Compensated single-mode optical Fiber)等を使用することができる。実効断面積の小さいファイバほどエネルギー密度が大きくなるので、SBSが発生する閾値が低くなる。すなわち、SBSが発生する閾値の大きさは、DCF<DSF<NZDSF<SSMFの順となる。
【0037】
なお、ここではダミー伝送路13として所要の長さの光ファイバ伝送路を使用するようにしたが、本発明におけるSBS発生媒体は上記のような光ファイバを使用した伝送路に限られるものではなく、所要の長さに設計された光導波路を用いてもよい。また、SBS発生媒体の形態は、光ファイバや光導波路等を用いたの伝送路に限定されるものではなく、入力光のSBSによる戻り光を有効に得ることができる任意の形態とすることも可能である。
【0038】
伝送路端部14は、ダミー伝送路13の光フィルタ12の第2ポートP2が接続された端部とは異なる、もう一方の端部であり、ダミー伝送路13を通過した光が達する部位である。本発明による雑音光除去装置では、WDM信号光の各波長の光を透過し、WDM信号光のSBS散乱光の各波長の光を反射する光フィルタ12を備えるので、伝送路端部14は必ずしも無反射終端とする必要はない。伝送路端部14としては、無反射終端とする他に、例えば、ファイバ端面に無反射コートを施すような、簡易な構成によりコストを削減することもできる。
【0039】
レベル調整部15は、光フィルタ12の第3ポートP3から出力される光、すなわち、ダミー伝送路13におけるSBSによる戻り光が光フィルタ12のサイクリック・フィルタ21により反射された光を、増幅または減衰することにより所要のパワーレベルに調整したWDM信号光として出力端子16に出力する。
【0040】
次に、第1の実施例による雑音光除去装置の動作について説明する。図1において、中継器1より出力されるWDM信号光は、例えば、0.8nmの波長間隔で波長多重されており、信号光の他に蓄積したASE光やASS光が含まれる。中継器1より出力された光は、雑音光除去装置2の入力端子10より入力され、アイソレータ11を通じて光フィルタ12の第1ポートP1に入力される。
【0041】
図2は、光フィルタ12の構成を示したものであり、第1ポートP1に入力された光は、サイクリック・フィルタ21を透過し、第2ポートP2に出力される。サイクリック・フィルタ21の透過特性は、図3(c)に示される特性となっており、0.8nmの波長間隔で波長多重されている信号光のみを透過するように定められている。これにより、雑音光除去装置2に入力されたWDM信号光に含まれるASS光やASE光等の雑音光のうち、信号光波長以外の波長の光はサイクリック・フィルタ21を透過せず、光フィルタ12のポート2より出力される光の強度は図3(a)に示されるものとなる。
【0042】
光フィルタ12のポート2より出力された光には、多重化された各波長の信号光と、信号光と同じ波長のASS光やASE光等の雑音光が含まれる。上述したように、光フィルタ12の第2ポートP2よりダミー伝送路13に出力されたWDM信号光のうち、ブルリアン帯域内の光強度が閾値を超えるような光の成分では、SBSによる戻り光が発生する。中継器1の出力光強度、光アイソレータ11、光フィルタ12等の挿入損失、ダミー伝送路13の閾値等を設計し、ダミー伝送路13において、信号光によりSBSが起こる一方、ASS光やASE光等の雑音光ではSBSが起こらないようにすることができる。SBSによる戻り光の強度は、信号光のビットレートによっても変化するが、ビットレートが数Gbpsの場合、多重化された信号光の1チャンネルあたり-20〜-25 dBmの強度の戻り光が生じる。これにより、信号光によってのみSBSの戻り光が生じ、光フィルタ12の第2ポートP2に出力される。
【0043】
図3(b)は、ダミー伝送路13より光フィルタ12の第2ポートP2に出力される戻り光の強度を示したものである。WDM通信において使用されている1550nm付近の信号光波長では、SBSによる散乱光の波長は、SBSの励起光の波長より長波長側に0.09nmシフトするので、図3(b)に示される光フィルタ12の第2ポートP2に入力される戻り光の波長は、図3(a)に示される光フィルタ12の第2ポートP2より出力される光の波長より、0.09nm長波長側にシフトしたものとなる。
【0044】
図2に示されるように、フィルタ12の第2ポートP2に入力した光のうち、サイクリック・フィルタ21により反射された光が第3ポートP3に出力される。サイクリック・フィルタ21の反射特性は図3(c)右軸に示されるものであり、光フィルタ12の第2ポートP2に入力される戻り光は、図3(b)に示されるように、透過率のピークから0.09nm長波長側にシフトしているので、フィルタ12の第2ポートP2に入力したSBSによる戻り光は、サイクリック・フィルタ21により反射され、フィルタ12の第3ポートP3より出力される。
【0045】
すなわち、サイクリック・フィルタ21の透過・反射特性を、中継器1より出力されたWDM信号光の各信号波長が透過し、ダミー伝送路3によるSBSで長波長側にシフトした戻り光が反射するような特性とすることにより、フィルタ12の第1ポートP1より入力されたWDM信号光を第2ポートP2に出力し、第2ポートP2より入力された戻り光を第3ポートP3に出力している
これにより、ダミー伝送路3からのSBSによる戻り光は第1ポートP1には出力されない。また、WDM信号光の各信号波長の光が反射等によりダミー伝送路3よりフィルタ12の第2ポートP2に入力された場合、図3(c)に示されるように、反射はされず、フィルタ12の第3ポートP3より出力されない。
【0046】
フィルタ12の第3ポートP3より出力された光は、レベル調整部15により増幅または減衰され、所要のパワーレベルに調整したWDM信号光として出力端子16に出力される。
【0047】
これにより、光中継器1より入力されたWDM信号光に含まれるASE光やASS光等の雑音光は、雑音光除去装置2により除去され、信号光のみが出力端子16より出力される。
【0048】
図4は、本発明による誘導ブルリアン散乱を利用した雑音光除去装置の第2の実施例を示した図である。図4に示される第2の実施例による雑音光除去装置の構成は、図1に示される第1の実施例による雑音光除去装置と同じく、光中継器1からの出力を入力し、雑音光を除去して出力するものであり、入力端子10と出力端子16との間に、光アイソレータ11、光フィルタ12、ダミー伝送路13、レーザダイオード20、レベル調整部15を備える。光アイソレータ11、光フィルタ12、ダミー伝送路13、レベル調整部15は、第1の実施例におけるものと同様である。
【0049】
第2の実施例は、ダミー伝送路13の光フィルタと接続された一端と逆側にレーザダイオードを接続し、励起光を送出することにより、SBSによる戻り光を増幅するものである。
【0050】
図4において、中継器1より出力されるWDM信号光は、例えば、0.8nmの波長間隔で波長多重されており、信号光の他に蓄積したASE光やASS光が含まれる。中継器1より出力された光は、雑音光除去装置2の入力端子10より入力され、アイソレータ11を通じて光フィルタ12の第1ポートP1に入力される。
【0051】
光フィルタ12およびサイクリック・フィルタ21の特性は、第1の実施例と同様であり、第1ポートP1に入力された光は、サイクリック・フィルタ21を透過し、第2ポートP2に出力される。サイクリック・フィルタ21の透過特性は、図3(c)に示される特性であり、雑音光除去装置2に入力されたWDM信号光に含まれるASS光やASE光等の雑音光のうち、信号光波長以外の波長の光はサイクリック・フィルタ21を透過せず、光フィルタ12のポート2より出力される光の強度は図3(a)に示されるものとなる。
【0052】
光フィルタ12のポート2より出力され、ダミー導波路13に入力され光のうち、WDM信号光に含まれる信号光によりSBSが起こり、戻り光が発生する。SBSによる戻り光は、ダミー伝送路13を光フィルタ12の第2ポートP2の方向に進むが、レーザダイオード20より出力された励起光により後方励起をされ、ラマン増幅により光強度が増加する。これにより、ビットレートが数Gbpsの場合、多重化された信号光の1チャンネルあたり-20〜-25 dBmの強度である戻り光は、ラマン増幅により10dB程度、光強度が増加する。
【0053】
フィルタ12の第2ポートP2に入力したSBSによる戻り光は、サイクリック・フィルタ21により反射され、フィルタ12の第3ポートP3より出力される。レーザダイオード20より出力された励起光が反射しないように、サイクリック・フィルタの特性を定めることにより、フィルタ12の第3ポートP3からの出力には、SBSによる戻り光がラマン増幅されたものだけが出力される。
【0054】
フィルタ12の第3ポートP3からの出力された光は、レベル調整部15により増幅または減衰され、所要のパワーレベルに調整したWDM信号光として出力端子16に出力される。
【0055】
これにより、光中継器1より入力されたWDM信号光に含まれるASE光やASS光等の雑音光は、雑音光除去装置2により除去され、信号光のみが出力端子16より出力される。
【0056】
第2の実施例においても、サイクリック・フィルタ21の透過・反射特性を、中継器1より出力されたWDM信号光の各信号波長が透過し、ダミー伝送路3によるSBSで長波長側にシフトした戻り光が反射するような特性とすることにより、フィルタ12の第1ポートP1より入力されたWDM信号光を第2ポートP2に出力し、第2ポートP2より入力された戻り光を第3ポートP3に出力している。また、ダミー伝送路3において、レーザダイオード20より出力された励起光によりラマン増幅を行うので、フィルタ12の第2ポートP2に入力する戻り光の強度を強くすることができる。
【0057】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明による雑音光除去装置によれば、入出力端子とダミー伝送路との接続に光フィルタを用いることにより、ダミー伝送路で生じたSBSによる戻り光を効率良く出力端子側にのみに出力させることができ、SBSによる戻り光も入力端子側に出力されないので、アイソレータ等の入力端子側伝送路に設けられる光部品の逆方向に対する阻止能力が高いものでなくてもよく、挿入損失の低い、低コストの部品を用いることができる。
【0058】
また、ダミー伝送路で生じたSBSによる戻り光が出力端子側にのみ出力され、その他の波長の光は出力されないので、ダミー伝送路からのSBSによるもの以外の戻り光を防止する、無反射終端等の構成を設けなくてもよい。
【0059】
また、レーザダイオード等を接続し、励起光を送出することで、戻り光を増幅することもできる。この場合、励起光はフィルタにより出力端子側に出力されないので、雑音光除去装置の出力には雑音光を除去されたWDM信号光が出力される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例による雑音光除去装置
【図2】本発明による雑音光除去装置に用いられるフィルタを示す図
【図3】本発明に用いられるフィルタへの入出力強度と、反射・透過特性を示す図
【図4】本発明の第2実施例による雑音光除去装置
【図5】従来の技術による雑音光除去装置
【符号の説明】
1 光中継器
2 本発明による雑音光除去装置
3 従来の技術による雑音光除去装置
10 入力端子
11 光アイソレータ
12 フィルタ
13 ダミー伝送路
14 光伝送路痰部
15 レベル調整部
16 出力端子
17 光カプラ
18 無反射終端
19 光増幅器
20 レーザダイオード
21 サイクリック・フィルタ
Claims (1)
- 複数の光が多重化された光を入力し、前記多重化された光の雑音光成分を除去して出力する雑音光除去装置において、
第1ないし第3のポートとサイクリック・フィルタを備えた光フィルタと、
前記光フィルタの前記第2のポートより出力された光を入力し、前記入力された光の誘導ブルリアン散乱による散乱光を前記光フィルタの前記第2のポートに出力する光伝送媒体を備え、
前記サイクリック・フィルタは、前記光フィルタの前記第1のポートに入力された前記多重化された光を透過する透過特性を有し、透過した光を前記第2のポートへ出力し、前記第2のポートに前記光伝送媒体から入力された光のうち、前記多重化された各波長の光の誘導ブルリアン散乱により前記各波長の光からシフトした波長の各散乱光を反射する反射特性を有し、前記第3のポートに出力することを特徴とする雑音光除去装置。
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