JP4659658B2 - オレフィン系熱可塑性エラストマー発泡積層体 - Google Patents
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Description
オレフィン系熱可塑性エラストマー発泡積層体は、
オレフィン系樹脂(a)とエチレン系共重合体ゴム(b)を必須成分とするオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(A)及び/又はオレフィン系樹脂(B)と、発泡剤(C)とを含むオレフィン系発泡性組成物(X1)の発泡体(X2)からなる基材層と、
シンジオタクティックα−オレフィン系共重合体(c)と、他の熱可塑性樹脂(d)、必要に応じて、エチレン系共重合体ゴム(e)とからなるオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(D)とを
積層してなるオレフィン系熱可塑性エラストマー積層体である。
(ここで、シンジオタクティックα−オレフィン系共重合体(c)は、
1,2,4−トリクロロベンゼン溶液で測定した13C−NMRで、プロピレン単位のメチル基の吸収がテトラメチルシランを基準として約20.0〜21.0ppmに観測される吸収強度の総和がプロピレンメチルに帰属される約19.0〜22.0ppmの吸収強度の0.5以上であり、
(c−1)プロピレンから導かれる繰り返し単位と、
(c−2)エチレンから導かれる繰り返し単位と、
(c−3)炭素原子数4〜20のオレフィンから選ばれる少なくとも1種のオレフィンから導かれる繰り返し単位と、必要に応じて、
(c−4)共役ポリエンおよび非共役ポリエンから選ばれる少なくとも1種のポリエンから導かれる繰り返し単位とからなり、
前記(c−1)単位と(c−2)単位と(c−3)単位との合計量を100モル%としたとき前記(c−1)単位を30〜79モル%、前記(c−2)単位を1〜30モル%、前記(c−3)単位を10〜50モル%の量で含み(ただし(c−2)単位と(c−3)単位との合計量は21から70モル%である)、前記(c−1)単位と(c−2)単位と(c−3)単位の合計量100モル%に対して前記(c−4)単位を0〜30モル%の量で含み、かつ実質的にシンジオタクティック構造である。)
また、前記オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(D)がエチレン系共重合体ゴム(e)を含むことが好ましく、更にはエチレン系共重合体ゴム(e)が架橋されていることが望ましい。
以下、本発明に係るオレフィン系熱可塑性エラストマー発泡積層体について具体的に説明する。
オレフィン系樹脂(a)とエチレン系共重合体ゴム(b)を必須成分とするオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(A)及び/又はオレフィン系樹脂(B)と、発泡剤(C)とを含むオレフィン系発泡性組成物(X1)の発泡体(X2)からなる基材層と、
シンジオタクティックα−オレフィン系共重合体(c)と、他の熱可塑性樹脂(d)、必要に応じて、エチレン系共重合体ゴム(e)とからなるオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(D)とを
積層して得られる。
オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(A)は、オレフィン系樹脂(a)とエチレン系共重合体ゴム(b)とを必須成分としてなる。
本発明で用いられるオレフィン系樹脂(a)は、高圧法または低圧法の何れかによる1種または2種以上のモノオレフィンを重合して得られる高分子量固体生成物からなる。このような樹脂としては、たとえばアイソタクチックおよびシンジオタクチックのモノオレフィン重合体樹脂が挙げられる。これらの代表的な樹脂は商業的に入手できる。
本発明で用いられるエチレン系共重合体ゴム(b)は、エチレンと炭素原子数が3〜20のα- オレフィンからなる無定型ランダムな弾性共重合体ゴム、或いはエチレンと炭素原子数が3〜20のα- オレフィンと非共役ポリエンとからなる無定形ランダムな弾性共重合体ゴムである。
低分子量エチレン・α−オレフィンランダム共重合体等の合成油;
コールタール、コールタールピッチ等のコールタール類;
ヒマシ油、アマニ油、ナタネ油、大豆油、ヤシ油等の脂肪油;
トール油、蜜ロウ、カルナウバロウ、ラノリン等のロウ類;
リシノール酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム等の脂肪酸またはその金属塩;
石油樹脂、クマロンインデン樹脂、アタクチックポリプロピレン等の合成高分子物質;
ジオクチルフタレート、ジオクチルアジペート、ジオクチルセバケート等のエステル系可塑剤;
その他マイクロクリスタリンワックス、サブ(ファクチス)、液状ポリブタジエン、変性液状ポリブタジエン、液状チオコールなどが挙げられる。
これらの軟化剤の中でも、パラフィン系のプロセスオイルまたは低分子量エチレン・α−オレフィンランダム共重合体が特に好ましく、更に、揮発しやすい低分子量成分の含有量が少ない高粘度タイプのパラフィン系プロセスオイルが特に好ましい。ここで高粘度タイプとは、40℃における動粘度が100〜10000センチストークスの範囲にあるものを言う。
本発明に係るオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(A)には、オレフィン系樹脂(a)及びエチレン系共重合体ゴム(b)に加えて、軟化剤および/または無機充填剤をブレンドすることができる。
(tart- ブチルペルオキシ)バレレート、ベンゾイルペルオキシド、p-クロロベンゾイルペルオキシド、2,4-ジクロロベンゾイルペルオキシド、tart- ブチルペルオキシベンゾエート、tart- ブチルペルベンゾエート、tart- ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート、ジアセチルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、tart- ブチルクミルペルオキシドなどが挙げられる。
本発明で用いられるオレフィン系樹脂(B)は、オレフィン系熱可塑性エラストマーの原料であるオレフィン系樹脂(a)を用いることができる。また、その特性を損なわない範囲で、上述した無機充填剤や各種添加剤、安定剤を添加してもかまわない。
本発明で基材層の原料に配合する発泡剤(C)としては、有機または無機の熱分解型発泡剤;水;炭化水素系、ハロゲン化炭化水素系等の溶剤;窒素、二酸化炭素、プロパン、ブタン等の気体などがあげられる。発泡剤(C)としては、有機または無機の熱分解型発泡剤、水、二酸化炭素等が好ましい。
本発明に係るオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(D)は、シンジオタクティックα−オレフィン系共重合体(c)と、他の熱可塑性樹脂(d)、必要に応じて、エチレン系共重合体ゴム(e)とからなる。
まずシンジオタクティックα-オレフィン系共重合体(c)について説明する。
6,10-ジメチル-1,5,9-ウンデカトリエン、4,8-ジメチル-1,4,8-デカトリエン、5,9-ジメチル-1,4,8-デカトリエン、6,9-ジメチル-1,5,8-デカトリエン、6,8,9-トリメチル-1,5,8-デカトリエン、6-エチル-10-メチル-1,5,9-ウンデカトリエン、4-エチリデン-1,6-オクタジエン、7-メチル-4-エチリデン-1,6-オクタジエン、4-エチリデン-8-メチル-1,7-ノナジエン、7-メチル-4-エチリデン-1,6-ノナジエン、7-エチル-4-エチリデン-1,6-ノナジエン、6,7-ジメチル-4-エチリデン-1,6-オクタジエン、6,7-ジメチル-4-エチリデン-1,6-ノナジエン、4-エチリデン-1,6-デカジエン、7-メチル-4-エチリデン-1,6-デカジエン、7-メチル-6-プロピル-4-エチリデン-1,6-オクタジエン、4-エチリデン-1,7-ノナジエン、8-メチル-4- エチリデン-1,7-ノナジエン、4-エチリデン-1,7-ウンデカジエンなどの非共役トリエンなどが挙げられる。
また、示差走査熱量計(DSC)によって測定した融解ピークが、存在しないことが望ましい。この場合、柔軟性、耐傷付性、透明性、耐白化性に優れる。
このようなシンジオタクティック構造α-オレフィン共重合体(c)は、下記に示すメタロセン系触媒の存在下にプロピレンとエチレンとα-オレフィンを共重合させて得ることができる。
(x)下記一般式(1)で表される遷移金属化合物と、
(y)(y-1)上記遷移金属化合物(c)中の遷移金属Mと反応してイオン性の錯体を形成する化合物、
(y-2)有機アルミニウムオキシ化合物、
(y-3)有機アルミニウム化合物
から選ばれる少なくとも1種の化合物とからなる少なくとも1つの触媒系が挙げられる。
本発明に係るシンジオタクティックα-オレフィン系共重合体(c)以外のその他の熱可塑性樹脂としては、融点が50℃以上、好ましくは80℃以上、または融点が存在しない場合はガラス転移点が40℃以上、好ましくは80℃以上の熱可塑性樹脂であれば特に制限無く用いることができる。
本発明で用いられるエチレン系共重合体ゴム(e)は、エチレンと炭素原子数が3〜20のα- オレフィンからなる無定型ランダムな弾性共重合体ゴム、或いはエチレンと炭素原子数が3〜20のα- オレフィンと非共役ポリエンとからなる無定形ランダムな弾性共重合体ゴムである。
低分子量エチレン・α−オレフィンランダム共重合体等の合成油;
コールタール、コールタールピッチ等のコールタール類;
ヒマシ油、アマニ油、ナタネ油、大豆油、ヤシ油等の脂肪油;
トール油、蜜ロウ、カルナウバロウ、ラノリン等のロウ類;
リシノール酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム等の脂肪酸またはその金属塩;
石油樹脂、クマロンインデン樹脂、アタクチックポリプロピレン等の合成高分子物質;
ジオクチルフタレート、ジオクチルアジペート、ジオクチルセバケート等のエステル系可塑剤;
その他マイクロクリスタリンワックス、サブ(ファクチス)、液状ポリブタジエン、変性液状ポリブタジエン、液状チオコールなどが挙げられる。
これらの軟化剤の中でも、パラフィン系のプロセスオイルまたは低分子量エチレン・α−オレフィンランダム共重合体が特に好ましく、更に、揮発しやすい低分子量成分の含有量が少ない高粘度タイプのパラフィン系プロセスオイルが特に好ましい。ここで高粘度タイプとは、40℃における動粘度が100〜10000センチストークスの範囲にあるものを言う。
本発明に係るオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(D)は、シンジオタクティックα−オレフィン系共重合体(c)および他の熱可塑性樹脂(d)、必要に応じて用いられるエチレン系共重合体ゴム(e)に加えて、軟化剤および/または無機充填剤をブレンドすることができる。
シンジオタクティックα−オレフィン系共重合体(c)および他の熱可塑性樹脂(d)、必要に応じて用いられるエチレン系共重合体ゴム(e)と、必要に応じて配合される軟化剤および/または無機充填剤等および/または添加剤とを混合した後、動的に熱処理することによって得られる組成物を所望の形状に成形することにより得られる。ここに、「動的に熱処理する」とは、溶融状態で混練することをいう。
(tert- ブチルペルオキシ)バレレート、ベンゾイルペルオキシド、p-クロロベンゾイルペルオキシド、2,4-ジクロロベンゾイルペルオキシド、tert- ブチルペルオキシベンゾエート、tert- ブチルペルベンゾエート、tert- ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート、ジアセチルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、tert- ブチルクミルペルオキシドなどが挙げられる。
本発明の係るオレフィン系熱可塑性エラストマー発泡積層体としては、具体的には次のようなものが挙げられる。
i)オレフィン系発泡体(X2)からなる基材層に、オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(D)からなる表面層を積層したシート状発泡積層成形体。
成形方法:カレンダー成形または、Tダイからの押出発泡成形
積層方法:基材層からなるシートを発泡成形した後に表面層を基材層に積層する逐次法、または、Tダイ押出成形の場合は同時多層発泡押出成形も可能
オレフィン系発泡体(X2)の厚み:0.1〜3mm
オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(D)の厚み:0.01〜1.0mm
用途例:自動車内装表皮材(インパネ、ドア、天井の表皮材)、家具用シート、壁紙
自動車内装表皮材に用いる場合には、オレフィン系またはウレタン系の発泡材と更に積層することも出来、また、表面をエンボス加工しても良い。
ii)多層の押出発泡成形によりオレフィン系発泡体(X2)からなる基材層に、オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(D)からなる表面層を積層した多層押出発泡成形体。
成形方法:多層押出発泡成形
積層方法:基材層と表面層の同時多層押出発泡成形
オレフィン系発泡体(X2)からなる基材層の厚み:0.2〜5mm
オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(D)の厚み:0.01〜1mm
用途例:自動車外装部品(各種モール部品、シール部品)、ガスケット部材、及び土木建築用部材
iii)逐次射出発泡成形、或いは同時射出発泡成形によりオレフィン系発泡体(X2)からなる基材層に、オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(D)からなる表面層を積層した積層射出発泡成形体。
成形方法:逐次または同時射出発泡成形
積層方法:基材となるオレフィン系発泡体(X2)を射出発泡した後に、表面層であるオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(D)を射出し、金型内で積層する逐次射出発泡成形、または、いわゆるサンドウィッチ成形により基材層と表面層を同時に射出し、積層部品を発泡成形する同時法
オレフィン系発泡体(X2)の厚み:0.3〜5mm
オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(D)の厚み:0.5〜3mm
用途例:自動車内装部品(ハンドル、ピラー、インパネ、ドアトリム、ホイルハウスカバー、コンソールボックスの蓋、各種レバー、グリップ類)、家庭用電気製品のハウジング、スポーツ用品、日用品、雑貨
iv)多層の押出発泡ブロー成形により熱可塑性エラストマー組成物(A)またはオレフィン系樹脂(B)からなる基材層に、オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(D)からなる表面層を積層した積層押出成形体。
成形方法:多層発泡ブロー成形
積層方法:ダイスから基材層と表面層を積層して押出し、発泡ブロー成形する
オレフィン系発泡体(X2)の厚み:0.1〜5mm
オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(D)の厚み:0.1〜2mm
用途例:自動車外装部品(サイドモール、バンパーフェイシア、スポイラー等)、家庭用電気製品のハウジング、スポーツ用品、雑貨
何れの場合の、オレフィン系発泡体(X2)とオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(D)とは、接着剤を用いることなしに熱融着により接着積層化することが出来る。
v)多層の押出中空成形によりオレフィン系発泡体(X2)からなる中空基材層に、オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(D)からなる表面層を積層した多層押出中空発泡成形体。
成形方法:多層押出中空発泡成形
積層方法:基材層と表面層の同時多層押出中空発泡成形
オレフィン系発泡体(X2)からなる中空基材層の厚み:0.2〜5mm
オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(D)の厚み:0.01〜1mm
用途例:自動車外装部品(ウェザーストリップ部品、シール部品)、及び土木建築用部材
(重合例1;シンジオタクティックプロピレン・ブテン・エチレン共重合体の合成)
充分に窒素置換した2000mlの重合装置に、100mlの乾燥ヘキサン、1−ブテン480gとトリイソブチルアルミニウム(1.0mmol)を常温で仕込んだ後、重合装置内温を35℃に昇温し、プロピレンで0.54MPcに加圧し、次いでエチレンで0.62MPcに加圧した。その後、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)フルオレニルジルコニウムジクロライド0.005mmolとアルミニウム換算で1.5mmolのメチルアルミノキサン(東ソー・ファインケム社製)を接触させたトルエン溶液を重合器内に添加し、内温35℃、エチレン圧0.62MPcを保ちながら5分間重合し、20mlのメタノールを添加し重合を停止した。脱圧後、2Lのメタノール中で重合溶液からポリマーを析出し、真空下130℃、12時間乾燥した。得られたポリマーは、36.1gであった。また、ポリマーの組成は、プロピレン含量が61.3mol%、エチレン含量が10.3mol%、1−ブテン含量が28.4mol%であり、極限粘度[η]が2.67dl/gであり、ガラス転移温度Tgはー27.7℃であり、融解ピークは存在せず、GPCによる分子量分布は2.0であった。1,2,4−トリクロロベンゼン溶液で測定した13C−NMRで、プロピレン単位のメチル基の吸収がテトラメチルシランを基準として約20.0〜21.0ppmに観測される吸収強度の総和がプロピレンメチルに帰属される約19.0〜22.0ppmの吸収強度の0.8であった
ΔGloss=(摩耗前のGloss−摩耗後のGloss)/摩耗前のGloss×100
上記条件によるΔGlossは8%であった。
実施例1において、重合例1で得られたシンジオタクティックプロピレン・ブテン・エチレン共重合体の代わりに、既存のアイソタクティック構造のプロピレン・ブテン・エチレン共重合体(135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]は2.5dl/g、プロピレン含量が62mol%、エチレン含量が10mol%、1−ブテン含量が28mol%、GPCにより測定した分子量分布(Mw/Mn)は2.2)を用い、実施例1と同様に積層押出発泡成形し、学振摩耗試験によってグロス変化率ΔGlossを求めた。ΔGlossは、73%であった。
実施例2において、重合例1で得られたシンジオタクティックプロピレン・ブテン・エチレン共重合体の代わりに、既存のアイソタクティック構造のプロピレン・ブテン・エチレン共重合体(135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]は2.5dl/g、プロピレン含量が62mol%、エチレン含量が10mol%、1−ブテン含量が28mol%、GPCにより測定した分子量分布(Mw/Mn)は2.2)を用い、実施例2と同様に逐次射出発泡成形し、学振摩耗試験によってグロス変化率ΔGlossを求めた。ΔGlossは、78%であった。
実施例3において、重合例1で得られたシンジオタクティックプロピレン・ブテン・エチレン共重合体の代わりに、既存のアイソタクティック構造のプロピレン・ブテン・エチレン共重合体(135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]は2.5dl/g、プロピレン含量が62mol%、エチレン含量が10mol%、1−ブテン含量が28mol%、GPCにより測定した分子量分布(Mw/Mn)は2.2)を用い、実施例3と同様に積層シート成形体を得た後、学振摩耗試験によってグロス変化率ΔGlossを求めた。ΔGlossは、73%であった。
重合例1で得られた、プロピレン・ブテン・エチレン共重合体35重量部とアイソタクティックポリプロピレン(ホモポリマー、MFR(230℃、2.16kg荷重、以下同じ)0.5(g/10分))10重量部、カーボンブラックマスターバッチ1重量部(黒に着色するため)とを230℃に設定した2軸押出機で混練し、組成物(D−3)のペレットを得た。実施例1で得られた組成物(A−1)と、発泡剤(C−1)を組成物(A−1)100重量部当たり2重量部を添加したオレフィン系発泡性組成物(X1)を発泡させた発泡体(X2)と、組成物(D−3)からなる発泡積層体を、2台の1軸押出機と一つの積層ダイスからなる2層積層押出装置で得た。積層押出成形品はベルト状で、幅が5cm、発泡体(X2)の厚みが1.5mm、組成物D−3の厚みが0.5mmであった。実施例1と同様に学振摩耗試験を行い、グロス変化率ΔGlossを求めた。ΔGlossは、13%であった。
実施例4において、重合例1で得られたシンジオタクティックプロピレン・ブテン・エチレン共重合体の代わりに、既存のアイソタクティック構造のプロピレン・ブテン・エチレン共重合体(135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]は2.5dl/g、プロピレン含量が62mol%、エチレン含量が10mol%、1−ブテン含量が28mol%、GPCにより測定した分子量分布(Mw/Mn)は2.2)を用い、実施例4と同様に積層積層体を得た後、学振摩耗試験によってグロス変化率ΔGlossを求めた。ΔGlossは、78%であった。
実施例5において、重合例1で得られたシンジオタクティックプロピレン・ブテン・エチレン共重合体の代わりに、既存のアイソタクティック構造のプロピレン・ブテン・エチレン共重合体(135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]は2.5dl/g、プロピレン含量が62mol%、エチレン含量が10mol%、1−ブテン含量が28mol%、GPCにより測定した分子量分布(Mw/Mn)は2.2)を用い、実施例5と同様に積層押出発泡成形し、学振摩耗試験によってグロス変化率ΔGlossを求めた。ΔGlossは、75%であった。
Claims (6)
- オレフィン系樹脂(a)とエチレン系共重合体ゴム(b)とを必須成分とするオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(A)と、発泡剤(C)とを含むオレフィン系発泡性組成物(X1)の発泡体(X2)からなる基材層と、
前記基材層上に積層され、シンジオタクティックα−オレフィン系共重合体(c)と、230℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレートが0.1〜200g/10分の範囲にあるポリプロピレン(d)とを含み、発泡剤(C)を含まないオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(D)からなる表面層とを含むことを特徴とするオレフィン系熱可塑性エラストマー発泡積層体。
(前記シンジオタクティックα−オレフィン系共重合体(c)は、
1,2,4−トリクロロベンゼン溶液で測定した13C−NMRで、プロピレン単位のメチル基の吸収がテトラメチルシランを基準として20.0〜21.0ppmに観測される吸収強度の総和がプロピレンメチルに帰属される19.0〜22.0ppmの吸収強度の0.5以上であり、
(c−1)プロピレンから導かれる繰り返し単位と、
(c−2)エチレンから導かれる繰り返し単位と、
(c−3)炭素原子数4〜20のオレフィンから選ばれる少なくとも1種のオレフィンから導かれる繰り返し単位と、必要に応じて、
(c−4)共役ポリエンおよび非共役ポリエンから選ばれる少なくとも1種のポリエンから導かれる繰り返し単位とからなり、
前記(c−1)単位と(c−2)単位と(c−3)単位との合計量を100モル%としたとき前記(c−1)単位を30〜79モル%、前記(c−2)単位を1〜30モル%、前記(c−3)単位を10〜50モル%の量で含み(ただし(c−2)単位と(c−3)単位との合計量は21〜70モル%である)、
前記(c−1)単位と(c−2)単位と(c−3)単位の合計量100モル%に対して前記(c−4)単位を0〜30モル%の量で含み、かつ実質的にシンジオタクティック構造である。) - 前記オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(D)が、エチレン系共重合体ゴム(e)をさらに含む、請求項1に記載のオレフィン系熱可塑性エラストマー発泡積層体。
- 前記エチレン系共重合体ゴム(e)が架橋されている、請求項2に記載のオレフィン系熱可塑性エラストマー発泡積層体。
- 前記シンジオタクティックα−オレフィン系共重合体(c)が、示差走査型熱量計(DSC)により測定した融解ピークが存在せず、
135℃のデカリン中で測定した極限粘度[η]が0.01〜10dl/gの範囲にあり、GPCによる分子量分布が4以下であり、かつ
ガラス転移温度Tgが−5℃以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のオレフィン系熱可塑性エラストマー発泡積層体。 - 前記積層体が、押出成形、射出成形、ブロー成形または中空成形により製造される、請求項1〜4のいずれか一項に記載のオレフィン系熱可塑性エラストマー発泡積層体。
- シンジオタクティックα−オレフィン系共重合体(c)が架橋されている、請求項1〜5のいずれか一項に記載のオレフィン系熱可塑性エラストマー発泡積層体。
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