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JP4657842B2 - カバーフィルム - Google Patents

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JP4657842B2
JP4657842B2 JP2005212255A JP2005212255A JP4657842B2 JP 4657842 B2 JP4657842 B2 JP 4657842B2 JP 2005212255 A JP2005212255 A JP 2005212255A JP 2005212255 A JP2005212255 A JP 2005212255A JP 4657842 B2 JP4657842 B2 JP 4657842B2
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Description

本発明は、電子部品の包装体に使用するカバーフィルムに関する。
電子機器の小型化に伴い、使用される電子部品についても小型高性能化が進んでいる。電子機器の組み立て工程においてはプリント基板上に部品を自動的に実装することが行われている。自動実装に際し、電子部品を順次供給していくためにテーピング包装が一般的に行われている。テーピング包装は、一定間隔で電子部品を収納する窪みを有した成形テープの窪み部に電子部品等を収納後、成形テープの上面に蓋材としてカバーフィルムを重ね、加熱したシールバー等でカバーフィルムの両端を長さ方向に連続的に熱シールするものである。従来から、カバーフィルム材としては、二軸延伸したポリエステルフィルムを基材にシーラント層にホットメルト層を積層したものなどが使用されている。
この様なカバーフィルムとポリスチレン、ポリ塩化ビニル、あるいはポリカーボネートなどよりなる窪みを有する部品収納テープ、例えばキャリアテープ等に収納された部品は、電子機器等の製造工程の部品の実装時には、カバーフィルムが自動剥離装置により剥離され、部品は自動取り出し機により取り出された後、回路基板等に実装される。
電子部品の微小化に伴い12mm幅や8mm幅などの、幅が狭いキャリアテープが使用されてきている。また、これらの細幅のキャリアテープに収納された電子部品は、高速実装されるために、キャリアテープにも強い引張応力が掛かることになる。そのため、キャリアテープには引張強度に優れ、高速かつ高強度で引っ張ってもキャリアテープの破断を生じにくいポリカーボネート製のキャリアテープが使用されてきている。しかしながら、ポリカーボネート製のキャリアテープはカバーフィルムを熱シールしにくい材料である。また、部品収納時の高速化により、熱シールにおいてカバーフィルムに熱ゴテが接触する時間が0.2秒以下と極めて短時間での熱シールを要求されている。その結果、カバーフィルムがポリカーボネート製キャリアテープに熱シール出来ない問題が生じることがある。
スチレン系炭化水素と共役ジエン系炭化水素をシーラント層とするカバーフィルムには特許文献1〜5などがある。しかしながら、これらの特許ではポリカーボネート製キャリアテープに対する熱シール性については検討されていなかった。また、特許文献6はポリカーボネート製キャリアテープへの熱シール性に優れるカバーフィルムに関するものであるが、本発明とはシーラント層の組成、及びカバーフィルムの構成が全く異なるものである。
特開平4−139287号公報 特開平7−118613号公報 特開2003−95322号公報 特表2003−508253号公報 特開2004−244115号公報 特開平8−295001号公報
本発明は、熱シール性、剥離強度の安定性、及び透明性に優れたカバーフィルムを提供するものである。特に、ポリカーボネート製キャリアテープに対する熱シール性に優れるカバーフィルムを提供するものである。
本発明は、上記の課題を解決するために、以下の手段を採用する。
(1)二軸延伸ポリエステル層、ポリオレフィン樹脂層、及びシーラント層を有し、シーラント層が下記の成分(a)〜(c)からなり、(a)〜(c)の合計100質量%中に含有する飽和炭化水素の合計が5質量%以上25質量%以下であるカバーフィルムである。成分(a)はスチレン系炭化水素65質量%以上90質量%未満と共役ジエン系炭化水素10質量%以上35質量%未満からなり曲げ弾性率が800MPa以上1500MPa以下からなる、スチレン系炭化水素と共役ジエン系炭化水素の共重合体が50〜80質量%である。成分(b)はスチレン系炭化水素10質量%以上50質量%未満と共役ジエン系炭化水素50質量%以上90質量%未満からなる、スチレン系炭化水素と共役ジエン系炭化水素のブロック共重合体が10〜35質量%である。成分(c)はエチレン−α−オレフィンランダム共重合体、および/またはオレフィン含有量が50質量%以上であるスチレン−オレフィンブロック共重合体が10〜30質量%である。
(2)前記(1)のポリオレフィン樹脂層が、エチレンとα−オレフィンをメタロセン触媒を用いて重合したポリエチレンを50%以上と低密度ポリエチレン50%未満からなることを特徴とするカバーフィルムである。
(3)前記(1)または(2)のカバーフィルムの少なくとも片側に帯電防止処理がなされているカバーフィルムである。
(4)前記(1)〜(3)に記載のカバーフィルムを用いた電子部品包装容器である。
(5)前記(1)に記載のシーラント層とポリオレフィン樹脂層の一部または全部を共押出しすることにより積層したフィルムを、二軸延伸ポリエステル層と貼り合わせるカバーフィルムの製造方法である。
本発明のカバーフィルムは、熱シール性、剥離強度の安定性、及び透明性に優れたカバーフィルムであり、特にポリカーボネート製キャリアテープに対する熱シールを容易にすることが出来るものである。
二軸延伸ポリエステル層は、二軸延伸ポリエステルを用いた層である。二軸延伸ポリエステルとしては、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートや二軸延伸ポリエチレンナフタレートなどの通常用いられているものの他に、帯電防止処理のための帯電防止剤が塗布または練り込まれたもの、またはコロナ処理や易接着処理などを施したものを用いることが出来る。二軸延伸ポリエステルフィルムは、薄すぎるとカバーフィルム剥離時の「フィルム切れ」を発生しやすく、一方厚すぎるとカバーフィルムの接着性の低下を招きやすいため、通常12〜25μmの厚みのものを好適に用いることが出来る。
ポリオレフィン樹脂層は、ポリオレフィン樹脂を用いた層である。ポリオレフィン樹脂とは、オレフィンを成分としてなる樹脂であって、例えば、低密度ポリエチレン、直鎖低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレンや、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−1−ペンテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−オクテン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−エチレングラフト共重合体、スチレン−プロピレングラフト共重合体、スチレン−エチレン−ブタジエンブロック共重合体、プロピレンなどを用いることが出来、これらのポリオレフィンは単独あるいはそれらの二種以上を混合物として併用することも可能である。また、ポリエチレンからなる層とエチレン−1−ブテン共重合体からなる層など、異なる樹脂からなる二層以上の層から構成することも可能である。その中でも、低密度ポリエチレン、直鎖低密度ポリエチレン、エチレン−1−ブテンなどを好適に用いることができ、特にエチレンとα−オレフィンをメタロセン触媒を用いて重合したポリエチレンを50%以上と低密度ポリエチレン50%未満からなるポリエチレン樹脂を用いることにより、キャリアテープからカバーフィルムを剥離する際のカバーフィルムの切れを抑制することができる。
シーラント層の(a)および(b)を構成するスチレン系炭化水素としては、例えばスチレン、α―メチルスチレン、及び各種アルキル置換スチレンなどであるが、なかでもスチレンを好適に用いることが出来る。また、共役ジエン系炭化水素とは、例えば、ブタジエン、イソプレン、1、3−ペンタジエン、1、3−ヘキサジエン、2、3−ジメチル−1、3−ブタジエンなどが挙げられる。中でも、ブタジエン、イソプレンを好適に用いることができる。
シーラント層の(a)を構成するスチレン系炭化水素と共役ジエン系炭化水素の共重合体は、スチレン系炭化水素65質量%以上90質量%未満と共役ジエン系炭化水素10質量%以上35質量%未満であり、より好ましくはスチレン系炭化水素が70質量%以上85質量%未満と共役ジエン系炭化水素15質量%以上30質量%未満である。成分(a)のスチレン系炭化水素が65質量%未満の場合、製膜性が悪くなる傾向にあり、フィルムを得るのが難くなる傾向にある。一方、90質量%以上ではカバーフィルムを熱シールする際に十分な接着強度が得られにくい傾向にある。また、成分(a)の曲げ弾性率は800MPa以上1500MPa以下であり、好ましくは1000MPa以上、1400MPa以下である。曲げ弾性率は、JISK7171の方法を用いて、曲げ速度2mm/分の速度で測定した値である。曲げ弾性率が1500MPaを超えると、カバーフィルムを熱シールする際に十分な剥離強度が得られにくい傾向にある。一方、曲げ弾性率が800MPa未満の場合、カバーフィルムの粘着性が高くなる傾向にあり、電子部品のキャリアテープの蓋材として用いた場合に、キャリアテープに収納した電子部品がカバーフィルムに付着し易くなる傾向にあり、さらには熱シールした後に剥離強度が変動しやすいため好ましくない。成分(a)の曲げ弾性率は、スチレン系炭化水素と共役ジエン系炭化水素の含有量、および分子構造により調整することが可能である。共役ジエン系炭化水素の量が高いほど曲げ弾性率は低くなる傾向にあるが、共役ジエン系炭化水素の含有量が同じであっても、スチレン系炭化水素と共役ジエン系炭化水素がランダム共重合であると曲げ弾性率が高くなり、スチレン系炭化水素と共役ジエン系炭化水素の共重合体がブロック共重合体に近いほど、曲げ弾性率は低くなる傾向にある。
シーラント層の(b)を構成するスチレン系炭化水素と共役ジエン系炭化水素のブロック共重合体は、スチレン系炭化水素10質量%以上50質量%未満と共役ジエン系炭化水素50質量%以上90質量%未満であり、より好ましくは、スチレン系炭化水素25質量%以上、50質量%未満である。スチレン系炭化水素の含量が10質量%未満の場合には、製膜時にフィルムの厚みムラを生じやすい傾向にあり、良好なフィルムが得られにくい傾向にある。一方、スチレン系炭化水素の含量が50質量%以上では、カバーフィルムを熱シールする際に十分な剥離強度度が得られにくい傾向にある。成分(b)は、スチレン系炭化水素と共役ジエン系炭化水素からなるジブロックあるいはトリブロック共重合体であることが好ましい。ブロック共重合体にすることは、カバーフィルムを熱シールする際に、十分な接着強度が得られる点で好ましい。
シーラント層を構成する(c)エチレン−α−オレフィンランダム共重合体におけるα−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセンなどが挙げられる。その中でも、プロピレン、1−ブテンなどを好適に用いることができる。エチレン−α−オレフィンランダム共重合体の添加によりカバーフィルムを剥離する時の剥離強度のバラツキを抑えることができる。
シーラント層の(c)を構成するオレフィン含有量が50質量%以上であるスチレン−オレフィンブロック共重合体としては、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレントリブロック共重合体、スチレン−エチレン/プロピレン−スチレントリブロック共重合体、スチレン−エチレン/ブチレンジブロック共重合体、スチレン−エチレン/プロピレンジブロック共重合体などが挙げられる。なかでも、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレントリブロック共重合体が、スチレン系炭化水素と共役ジエン系炭化水素の共重合体との相溶性に優れており特に好ましい。オレフィン含有量が50質量%以上のスチレン−オレフィンブロック共重合体の添加により、カバーフィルムを剥離する時の剥離強度のバラツキを抑えることができる。
成分(a)〜(c)の樹脂組成物の配合比は、成分(a)は50〜80質量%、好ましくは50〜70質量%、成分(b)は10〜35質量%、好ましくは15〜30質量%、成分(c)は10〜30質量%、好ましくは10〜20質量%であり、なお且つ成分(a)〜(c)の合計100質量%中に含有する飽和炭化水素の合計が5質量%以上25質量%以下である。成分(a)が50質量%未満であると製膜時にフィルムの厚みムラを生じやすい傾向にあり、良好なフィルムが得られにくい傾向にある。一方、成分(a)が80質量%を超えるとカバーフィルムを熱シールする際に十分な剥離強度が得られにくい傾向や、剥離の際の剥離強度のバラツキが大きくなる傾向がある。成分(b)が10質量%未満の場合には十分な接着強度が得られにくい傾向にある。一方、成分(b)が35質量%を超えると製膜時にフィルムの厚みムラを生じやすい傾向にあり、良好なフィルムが得られにくい傾向にある。また、熱シールをしたフィルムを剥離する際の剥離強度が高くなりやすく、熱シールした後に剥離強度が変動しやすい傾向にある。成分(c)については、10質量%未満では剥離強度の温度依存性が大きくなる傾向があり、目的とする剥離強度を得るのが難しい傾向にある。また、剥離の際の剥離強度のバラツキが大きくなる傾向にある。一方、成分(c)が30質量%を超えるとカバーフィルムの透明性が低下しやすく、また、カバーフィルムを熱シールする際に十分な接着強度が得られにくい傾向にある。
シーラント層を構成する成分(a)〜(c)の合計100質量%中に含有する飽和炭化水素の合計は5質量%以上25質量%以下であり、好ましくは10質量%以上20質量%以下である。飽和炭化水素とは炭素と炭素の間の結合に二重結合、および三重結合を含まない、メチル基、メチレン基、メチン基および四級炭素からなるものである。炭素と炭素間の多重結合を水素添加したものも飽和炭化水素に含まれる。成分(a)〜(c)の合計100質量%中に含有する飽和炭化水素の合計が5質量%未満の場合には、剥離の際の剥離強度のバラツキが大きくなる傾向にあり、カバーテープの剥離時にキャリアテープが搬送レール中で暴れやすくなることがある。一方、25質量%を超えるとカバーフィルムの透明性が低下する傾向にあり、また、カバーフィルムを熱シールする際に十分な接着強度が得られにくい傾向にある。
カバーフィルムには、必要に応じて帯電防止処理を行うことができる。帯電防止剤として、例えば、界面活性剤系帯電防止剤、高分子型帯電防止剤、及び酸化アンチモンや酸化スズなどの金属酸化物微粒子を含有する導電化剤等を、グラビアロールを用いたロールコーターやスプレー等により塗布することができる。また、帯電防止処理を行う前に、これらの帯電防止剤を均一に塗布するためにフィルムの表裏面をコロナ放電処理やオゾン処理することが好ましい。特に、コロナ放電処理することが好ましい。
フィルムを製造する方法は特に限定されるものではないが、例えば、シーラント層を有するフィルムは、シーラント層を構成する各成分をヘンシェルミキサー、タンブラーミキサー、マゼラー等の混合機を用いてブレンドし、これを直接押出機でフィルム化するか、あるいはブレンド物を一度単軸あるいは二軸の押出機で混練押し出ししてペレットを得た後、ペレットを更に押出機で押し出してフィルム化する方法などが可能である。フィルム化の方法としては、インフレーション法、Tダイ法、キャスティング法、あるいはカレンダー法等のいずれの方法を用いても差し支えないが、通常はインフレーション法やTダイ法が用いられる。シーラント層を構成する樹脂とポリオレフィン層を構成するオレフィン樹脂を、それぞれ別の単軸または二軸の押出機を用いて溶融混練し、両者をフィードブロックやマルチマニホールドダイを介して積層一体化した後、Tダイから共押し出しすることにより、シーラント層とポリオレフィン層からなる二層フィルムを得ることも可能である。二層化したフィルムとすることにより、製膜したフィルムを巻き取る際にフィルムの表裏面が付着してしまう、いわゆるブロッキングを防ぐことが可能である。
二軸延伸ポリエステル層、ポリオレフィン樹脂層、及びシーラント層を有してなるカバーフィルムは、二軸延伸ポリエステル層にウレタン樹脂などのアンカーコート剤を塗布し、シーラント層のフィルムをポリオレフィン樹脂を介して押出ラミネートする方法により製造することが可能である。あるいは、アンカーコート剤を塗布した二軸延伸ポリエステル層と、シーラント層とポリオレフィン樹脂層の一部となるポリオレフィン樹脂を積層一体化した二層フィルムのポリオレフィン面とを、同じくポリオレフィン樹脂層の一部となるポリオレフィン樹脂を介して押出ラミネートする方法により製造することが可能である。また、二軸延伸ポリエステル層と、シーラント層とポリオレフィン層の一部となるポリオレフィン樹脂を積層一体化した二層フィルムのポリオレフィン面とを、接着剤を介してドライラミネートする方法により製造することも可能である。
フィルムの製造機としては、一般的なラミネーターを用いることができ、タンデムラミネーターも用いることができる。押出ラミネートを行う際にアンカーコート剤を二軸延伸ポリエステルフィルムに塗布するためのコーターとしては、ロールコーター、グラビアコーター、リバースロールコーター、バーコーター、ダイコーター等の通常使用されているものを用いることができる。
ポリオレフィン樹脂を押し出すためのラミネーターのダイは、例えば、T−ダイを用いることができる。また、フィルム幅を調整するためのディッケルを備えていても良い。
カバーフィルムの全体の厚さは40〜100μmの範囲を好適に用いることができる。カバーフィルムの全体の厚さが40μm未満の場合には、カバーフィルムが薄いため、カバーフィルムの取り扱いが難しく、また、カバーフィルム剥離時にフィルムが切れ易くなる。一方、カバーフィルム全体の厚さが100μmを超えるとヒートシールが難しくなる傾向にある。
本発明のカバーフィルムにおいて、二軸延伸ポリエステル層/ポリオレフィン樹脂層/シーラント層のように積層した構造を持つものを好適に用いることができる。本発明の目的を阻害しない限りにおいて、カバーフィルムの各層の間に他の層を挿入してもよい。
カバーフィルムを蓋材として熱シールを行う場合、底材としては一定間隔で電子部品を収納する窪みを有した部品収納テープ、例えばキャリアテープ等を使用することができる。底材の材質は、特に限定されるものではないが、例えばポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリプロピレンなどを使用することができる。その中でも、特にポリカーボネートを有する底材に対して好適に用いることができる。
本発明の電子部品のカバーフィルムは、これを使用することにより、チップ型電子部品の保管、輸送、実装中に電子部品が汚染することを防止し、実用的な剥離強度を容易に得るための熱シール性、容易に取り出せるための易開封性に優れ、また透明性に優れるために充填したチップ型電子部品を視認することが可能である。特に、ポリカーボネートからなる成形テープに対する熱シール性に優れており、熱シールの際に熱ゴテを圧し当てる時間が少なくて済み、熱ゴテでカバーテープの表面を圧さえる一回当たりの接触時間が0.3秒以下の高速シールが可能である。
以下、本発明を実施例によって詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
実験例1
シーラント層を構成する樹脂(a)としてスチレン−ブタジエン共重合体(電気化学工業社製、「デンカクリアレン」、スチレン含量80質量%、ブタジエン含量20質量%、曲げ弾性率1450MPa)、樹脂(b)としてスチレン−ブタジエンブロック共重合体(JSR社製、「TRレジン」、スチレン含量43質量%、ブタジエン含量57質量%)、樹脂(c)としてエチレン−1−ブテンランダム共重合体(三井化学社製、「タフマーA」)を表1に示された組成になるように各々ブレンドし、直径40mmの単軸押出機を用いて200℃で混練し、毎分20mのライン速度でシーラント層を構成する樹脂組成物を得た。この樹脂組成物とポリオレフィン系樹脂として低密度ポリエチレン(日本ポリエチレン製、「ノバテックLC」)40質量%とメタロセン系直鎖低密度ポリエチレン(日本ポリエチレン製、「ハーモレックス」)60質量%とを別々の単軸押出機から押し出し、マルチマニホールドダイで積層することにより二層フィルムを得た。この二層フィルムを押出ラミネート法によりポリエチレン樹脂(日本ポリエチレン社製、「ハーモレックス」)を介して、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み12μm)と積層させて電子部品のキャリアテープ用カバーフィルムを得た。
(実施例〜8、実験例2、3、比較例1〜16)
下記の樹脂を用いて、表1、表2、及び表3の樹脂配合で実験例1と同様に、キャリアテープ用カバーフィルムを作製した。その結果を表1、表2、及び表3に示す。
各実施例、各実験例及び各比較例に使用した樹脂組成物(a)、(b)、(c)は次の通りである。
樹脂(a)1:スチレン−ブタジエン共重合樹脂(電気化学工業社製、「デンカクリアレン」。スチレン含量80%、ブタジエン含量20%、曲げ弾性率1450MPa)
樹脂(a)2:スチレン−ブタジエン共重合樹脂(電気化学工業社製、「デンカクリアレン」、スチレン含量70質量%、ブタジエン含量30%、曲げ弾性率1250MPa)
樹脂(a)3:スチレン−ブタジエン共重合樹脂(電気化学工業社製、「デンカクリアレン」、スチレン含量74質量%、ブタジエン含量26質量%、曲げ弾性率1300MPa)
樹脂(a)4:スチレン−ブタジエン共重合樹脂(電気化学工業社製、「デンカクリアレン」、スチレン含量83%、ブタジエン含量17%、曲げ弾性率1550MPa)
樹脂(a)5:スチレン−ブタジエン共重合樹脂(電気化学工業社製、「デンカクリアレン」、スチレン含量84%、ブタジエン含量16%、曲げ弾性率2200MPa)
樹脂(b)1:スチレン−ブタジエンブロック共重合体樹脂(JSR製、「TRレジン」、スチレン含量:43質量%、ブタジエン含量:57質量%)
樹脂(b)2:ハイインパクトポリスチレン(東洋スチレン製、「トーヨースチロール」、スチレン含量:92%、ブタジエン含量:8%)
樹脂(c)1:エチレン−1−ブテンランダム共重合体(三井化学社製、「タフマーA」)
樹脂(c)2:スチレン−エチレン/ブチレン−スチレントリブロック共重合体(旭化成社製、「タフテックH」、スチレン含量30質量%、エチレン/ブチレン含量70質量%)
樹脂(c)3:スチレン−エチレン/ブチレン−スチレントリブロック共重合体(旭化成社製、「タフテックH」、スチレン含量20質量%、エチレン/ブチレン含量80質量%)
樹脂(c)4:スチレン−エチレン/ブチレン−スチレントリブロック共重合体(旭化成社製、「タフテックH」、スチレン含量60質量%、エチレン/ブチレン含量40質量%)
各実施例、各実験例及び各比較例で作製した電子部品のキャリアテープ用カバーフィルムに対して、下記に示す評価を行った。これらの結果を表1、表2、及び表3にまとめて示す。
(1)曇価
JIS K 7105:1998の測定法Aに準じて、積分球式測定装置を用いて曇価を測定した。結果を表1、表2、及び表3の曇価の欄に示す。
(2)シール性
テーピング機(システメーション社、ST−60)を使用し、シールヘッド幅0.5mm×2、シールヘッド長32mm、シール圧力3.5MPa、送り長16mm、シール時間0.2秒×2(ダブルシール)にて熱ゴテ温度160℃から190℃まで10℃間隔で5.5mm幅のカバーフィルムを8mm幅のポリカーボネート製キャリアテープ(スリーエム製)に熱シールした。24時間放置後、毎分300mmの速度、剥離角度180°でカバーフィルムを剥離し、160℃から190℃のいずれかの熱ゴテ温度で熱シールした時の平均剥離強度が0.2〜0.6Nの範囲にあるものを「優」とし、0.1〜0.2N、あるいは0.6〜0.8Nの範囲にあるものを「良」とし、上記以外の平均剥離強度のものを「不良」として表記した。また、フィルム製膜性が著しく悪くフィルムが得られなかったため、シール性を評価できなかったものについては、「未評価」と表記した。結果を表1、表2、及び表3のシール性の欄に示す。
(3)剥離強度の最大値と最小値の差
テーピング機(システメーション社、ST−60)を使用し、シールヘッド幅0.5mm×2、シールヘッド長32mm、シール圧力3.5MPa、送り長16mm、シール時間0.2秒×2(ダブルシール)にて、5.5mm幅のカバーフィルムを8mm幅のポリカーボネート製キャリアテープ(スリーエム製)に対して、毎分300mmの速度、剥離角度180°で剥離した時の平均剥離強度が0.4Nとなるように熱ゴテの温度を調整して熱シールした。キャリアテープ100mm分を剥離した時の、剥離強度の最大値と最小値の差が0.4N以下のものを「良」とし、0.4Nを超えるものを「不良」として表記した。また、フィルム製膜性が著しく悪くフィルムが得られなかったため、シール性を評価できなかったものについては、「未評価」と表記した。結果を表1、表2、及び表3の剥離強度の最大値と最小値の差の欄に示す。
(4)フィルム製膜性
実施例、実験例及び比較例の方法でフィルムの製膜を行った時のフィルムの厚みの変動が±20%以下のものを「良」、±20%を超えるものを「不良」として表記した。結果を表1、表2、及び表3のフィルム製膜性の欄に示す。
Figure 0004657842
Figure 0004657842
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本発明により提供されるカバーフィルムは、実用的な剥離強度を容易に得るための熱シール性、及び電子部品を視認することが可能な透明性に優れている。特にポリカーボネート製テープに対する熱シール性に優れており、高速シールすることができる。
本発明のカバーフィルムは、電子部品の他に、各種小型電気部品にも適応できる。

Claims (5)

  1. 二軸延伸ポリエステル層、ポリオレフィン樹脂層、及びシーラント層を有し、シーラント層が下記の成分(a)〜(c)からなり、(a)〜(c)の合計100質量%中に含有する飽和炭化水素の合計が5質量%以上25質量%以下であることを特徴とする、ポリカーボネート製キャリアテープ用のカバーフィルム。
    (a)スチレン系炭化水素65質量%以上90質量%未満と共役ジエン系炭化水素10質量%以上35質量%未満からなり、JIS K7171に準じ曲げ速度2mm/分の速度で測定された曲げ弾性率が800MPa以上1500MPa以下である、スチレン系炭化水素と共役ジエン系炭化水素の共重合体:50〜80質量%
    (b)スチレン系炭化水素10質量%以上50質量%未満と共役ジエン系炭化水素50質量%以上90質量%未満からなる、スチレン系炭化水素と共役ジエン系炭化水素のブロック共重合体:10〜35質量%
    (c)オレフィン含有量が50質量%以上であるスチレン−エチレン/ブチレン−スチレントリブロック共重合体:10〜30質量%
  2. ポリオレフィン樹脂層が、エチレンとα−オレフィンをメタロセン触媒を用いて重合したポリエチレンを50%以上と低密度ポリエチレン50%未満からなることを特徴とする、請求項1に記載のカバーフィルム。
  3. 少なくとも片側に帯電防止処理がなされている、請求項1または2に記載のカバーフィルム。
  4. 請求項1又は請求項3に記載のカバーフィルムを用いた電子部品包装容器。
  5. 請求項1に記載のシーラント層とポリオレフィン樹脂層の一部または全部を共押出しすることにより積層したフィルムを、二軸延伸ポリエステル層と貼り合わせるカバーフィルムの製造方法。
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