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JP4656294B2 - メタクリル酸グリシジルの製造方法 - Google Patents

メタクリル酸グリシジルの製造方法 Download PDF

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Description

本発明はメタクリル酸(以下、MAAと記す)とエピクロロヒドリン(以下、EpCHと記す)を主原料とする生産性に優れたメタクリル酸グリシジル(以下、GMAと記す)の製造方法に関する。さらに、詳しくは、MAAとアルカリ金属物質から得られるMAAのアルカリ金属塩と、該アルカリ金属塩に対して反応量を上回る過剰量のEpCHを用い、触媒である第4級アンモニウム塩の存在下反応させてGMAを合成した後、該反応液から未反応の余剰のEpCHを蒸留回収し、反応原料として再使用するGMAの製造方法において、蒸留回収したEpCH中に含まれる特定の不純物質の量を、特定濃度以下に低減させることを特徴とする、EpCHの利用効率及びGMAの収率ともに優れた、GMAの製造方法に関する。GMAは耐候性塗料や各種樹脂の原料として大変有用である。
MAAとEpCHからGMAを合成する方法のうち、MAAとアルカリ金属物質、例えば、アルカリ金属の炭酸塩や炭酸水素塩を用いてMAAのアルカリ金属塩を得、次いで、第4級アンモニウム塩の存在下にEpCHと反応させてGMAを製造する方法が工業的に主に用いられている(例えば、特許文献1参照)。
この合成法では収率を高めるため、MAAのアルカリ金属塩に対して反応量を上回る過剰量のEpCHを用いて反応させる方法がとられているが、未反応の余剰なEpCHを廃棄すればコスト面或いは環境面に及ぼす影響も大きいことから、蒸留により回収し次回の反応原料としてリサイクル使用するのが一般的である。
しかしながら、このような回収EpCHを再使用する方法は、原料EpCHの利用効率の面では優れるものの、未使用の新しいEpCHのみを使用した場合に比較して、GMA
収率が低値に推移するという問題点を抱えていた。
このような問題点を改善する方法として、回収EpCH中に含まれる不純物質に着目した検討がなされている(例えば、特許文献2参照)。この検討によれば、GMA合成反応液に副生成物として含まれるグリシドール(以下、GOHと記す)が回収EpCHに混入し、GMA収率の低下を引き起こすこと、またGOHの除去法として、GMA合成反応液に含まれるスラリー状の副生塩を水洗によって除いた後、さらに、GOHを除くため繰り返し水洗を行い、しかる後に蒸留する方法が開示されている。
しかしながら、GOHを除くため水洗を平均5回程度と繰り返し行うこの方法は、水洗、分液、排水の繰り返し作業を多数回にわたって行う必要があるため多大な労力を要し、しかも、水洗量が増えるに従って未反応のEpCHや生成物であるGMAのロスも増えてしまうという問題点を有している。これに対して、GOHの水洗除去を向流洗浄で行う方法も示されているが、副生塩水洗後さらに水洗しなければならない点では変わっておらず、蒸留に先立って新たな水洗工程を必要とする点で煩雑さを伴う。
また、この水洗によって除かれる不純物質はGOHのような水溶性を有する物質に限られており、この方法によって回収されたEpCHを用いた場合のGMA収率は平均90%程度と満足できる状況には至っていない。
特開昭55−17307号公報 特開昭55−85575号公報
本発明は、上記の従来技術における問題点を解決し、回収したEpCHをリサイクル使用しても高収率でGMAを製造できる工業的に優れた製法を提供することを目的とする。
本発明者は上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、回収EpCHをリサイクル使用した場合のGMA収率の低下原因が、GOHのみならず、回収EpCH中に含まれるGMAにもあること、すなわち、GOH、GMAを含む回収EpCHを合成原料に使用すると、GOH、GMAを実質的に含まない回収EpCHを使用した場合と比較してグリセロールモノメタクリレートやグリセロールジメタクリレートなどの副生物が多量に生成し、GMA収率が低下することを突き止めた。また、その対策として、蒸留回収したEpCH中に含まれるGOHとGMAの濃度を、何れも0.1wt%以下に抑えることで、グリセロールモノメタクリレートやグリセロールジメタクリレートなどの副生量が低減され、その結果、飛躍的にGMA収率が向上することを見出し本発明を完成させた。
すなわち、本発明の方法は、MAAとアルカリ金属物質から得られるMAAのアルカリ金属塩を、触媒である第4級アンモニウム塩の存在下、MAAのアルカリ金属塩に対して反応量を上回る過剰量のEpCHを用いてGMAを合成した後、未反応のEpCHを蒸留回収して当該合成反応で再使用するGMA製造方法において、蒸留回収したEpCH中に含まれるGOHとGMAの濃度を何れも0.1wt%以下にすることを特徴とする、下記の(1)〜(2)に示す収率的に極めて優れたGMAの製造方法に関する。
(1)MAAとアルカリ金属物質から得られるMAAのアルカリ金属塩を、第4級アンモニウム塩の存在下、該アルカリ金属塩に対して反応量を上回る過剰量のEpCHと反応させてGMAを合成した後、未反応のEpCHを蒸留回収し、当該合成反応で再使用するGMAの製造方法において、蒸留回収したEpCH中に含まれるGOHとGMAの濃度を何れも0.1wt%以下にすることを特徴とする、GMAの製造方法。
(2)未反応のEpCHを蒸留回収する際、水を共沸剤として使用する、(1)記載のGMAの製造方法。
MAAとアルカリ金属物質、例えばアルカリ金属の炭酸塩や炭酸水素塩等からMAAのアルカリ金属塩を得、次いで第4級アンモニウム塩の存在下、MAAのアルカリ金属塩に対して過剰量のEpCHを用いてGMAを合成した後、未反応の余剰のEpCHを合成液から蒸留回収するに際し、蒸留回収したEpCH中に含まれるGOHとGMAの濃度を何れも0.1wt%以下とする本発明の方法を用いることによって、回収EpCHを合成系にリサイクルしながら、高い収率でGMAを製造することが可能となる。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。MAAとアルカリ金属物質からMAAのアルカリ金属塩を得るために使用されるアルカリ金属物質は特に限定されないが、例えば水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、リン酸ナトリウム等のナトリウム化合物、或いは水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム等のカリウム化合物等が例示される。アルカリ金属物質はMAAより過剰に使用され、その使用量はMAAの1〜10倍当量、好ましくは1〜2倍当量である。MAAをアルカリ金属塩となすこの工程は無溶媒で行っても良いが溶媒や分散媒(以下、媒体と記す)を使用しても良く、次工程を考慮するとEpCH存在下で行うのが好ましい。
MAAとアルカリ金属物質からMAAのアルカリ金属塩を得る際の温度や圧力は特に限定されない。また、媒体とMAA存在下にアルカリ金属物質を添加しても良いし、逆に、媒体とアルカリ金属物質存在下にMAAを添加しても良い。
第4級アンモニウム塩については公知の化合物が使用でき、例えばテトラメチルアンモニウムクロライド、トリメチルエチルアンモニウムクロライド、ジメチルジエチルアンモニウムクロライド、メチルトリエチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムブロマイド、トリメチルエチルアンモニウムブロマイド、ジメチルジエチルアンモニウムブロマイド、メチルトリエチルアンモニウムブロマイド、テトラメチルアンモニウムアイオダイド、トリメチルエチルアンモニウムアイオダイド、ジメチルジエチルアンモニウムウアイオダイド、メチルトリエチルアンモニウムアイオダイド等が例示される。第4級アンモニウム塩の使用量については特に限定されない。
MAAのアルカリ金属塩と反応させるEpCHの量は、MAAのアルカリ金属塩の1〜10倍モル、好ましくMAAのアルカリ金属塩との反応量を上回る3〜8倍モルが望ましい。EpCHが少ないと副生成物が増加してGMA収率が低下し、多すぎると釜効率が下がって非経済的である。
第4級アンモニウム塩の存在下にMAAのアルカリ金属塩とEpCHを反応させる際の温度や圧力は特に限定されない。通常は常圧、EpCHの沸点である120℃前後で反応を行い、MAAのアルカリ金属塩がほとんど消費された時点で反応終了とする。
反応終了後、反応液には主生成物であるGMAの他にGOHのような副生成物及び未反応のEpCHが含まれている。また、生成したGMAとほぼ同当量のアルカリ金属塩化物がスラリーとして含まれる。このスラリーは、濾過や遠心分離、または水洗することによって除去することができる。
GMA合成反応液からスラリー除去したものを母液とし(以下、GMA合成母液と記す)、蒸留操作によってまず未反応のEpCHを回収し、次いでGMAを回収する。蒸留は通常減圧下で行われ、回収されたEpCHは反応原料としてリサイクルされ、GMAは製品となる。上記した各工程において、適宜重合禁止剤を併用することが好ましい。重合禁止剤としては公知の化合物が使用でき、例えばp−メトキシフェノール、4−ヒドロキシ−2,2,6,6,−テトラメチルピペリジン−1−オキシル、フェノチアジン等が例示される。
反応原料としてリサイクルする回収EpCH中に含まれる不純物質のうち、GOH及びGMA濃度は、共に0.1wt%以下にすることが必要であり、0.01wt%以下にすることが望ましい。なぜなら、GOH、GMA濃度が何れか一方でも0.1wt%を超えると、回収EpCHを反応原料として再使用した場合、反応副生成物濃度が増加し、GMA合成収率が著しく低下するからである。
GMA合成母液から、GOHとGMA濃度が共に0.1wt%以下となるEpCHを蒸留回収する方法としては、下記(1)〜(3)に示す蒸留方法が例示できる。
(1)精留塔でGMA合成母液を連続式蒸留する方法
精留塔の濃縮部6〜10段、回収部3〜5段とした場合、塔頂圧は3〜10kPa、還流比は0.5〜3程度が適当である。これよりも塔頂圧が低いと留出液のコンデンサー負荷が大きくなり、塔頂圧が高いと缶出液の温度が高くなって重合の危険が増す。
(2)精留塔でGMA合成母液を回分式蒸留する方法
精留塔は5〜10段程度であり、塔頂圧は一定でも良いし、蒸留開始時から徐々に減圧しながら行っても良いが、EpCH回収終了時点での塔頂圧は通常3〜10kPaとすることが好ましい。還流比については通常の回分式蒸留と同様、EpCH留出量が増加して釜液中のEpCH濃度が減少するに従い、徐々に還流比を上げていくのが好ましい。
(3)回分式単蒸留でGMA合成母液から粗EpCHを得、精留塔で粗EpCHを精製する方法
GMA合成母液の回分式単蒸留条件については、(2)と同様の塔頂圧でよい。通常、得られた粗EpCHには0.5〜2wt%程度のGOHと1〜5wt%のGMAが含まれるので、さらに、この粗EpCHを精留塔にて精製する必要がある。精留は連続式、回分式何れでもよいが、一般に連続式の方が効率的で都合がよい。
これらの蒸留方法を適宜選択して、蒸留回収後のEpCH中に含まれるGOHとGMAの濃度が共に0.1wt%以下となるように蒸留すればよいが、単蒸留と精留を組み合わせた(3)の蒸留方法が、工程数は増えるものの(1)(2)の精留塔のみからなる方法に比較して重合の危険性が少なく簡便である。
上記に例示した蒸留方法において、水を共沸剤として使用するのが好ましい。なぜなら、水を共沸剤として用いることでEpCHと不純物質であるGOHやGMAとの分離がし易くなり、蒸留塔段数や還流比を小さくできるからである。このときの水の使用量は、留出するEpCHに対して20〜30wt%が適当である。また、何れの蒸留方法においても、前述したような重合禁止剤を併用することが好ましい。
以下、本発明を実施例及び比較例に基づき説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。すなわち、実施例にて説明したGMAの製造条件、製造方法は例示であり、本発明の範囲内において適宜変更することができるし、使用した各種の装置も例示であり、適宜変更することができる。なお、分析にはガスクロマトグラフ(GC−1700、検出器FID、島津製作所製)を使用し、GOH及びGMAの検出限界は0.001wt%であった。
実施例1
(1)GMA合成母液の調製
攪拌機と油水分離用のデカンターを有する冷却器を備えた内容積1Lのガラス製フラスコに、EpCH(純度>99.9wt%、GOH、GMAとも未検出)735g、炭酸ナトリウム58g、重合禁止剤2,2’−メチレンビス(6−t−ブチル−4−メチルフェノール)1gを入れ、30kPaに減圧してEpCHが沸騰する82℃まで昇温した。留出液をデカンターで水相とEpCH相に分離し、下層のEpCH相をフラスコに還流しながらMAA86gを約1時間かけて滴下した。滴下終了後さらに30分間還流を続けた後、常圧に戻しEpCHが沸騰する120℃まで昇温した。
次に触媒であるテトラメチルアンモニウムクロライド0.3gを添加し、1時間反応させた後、室温まで冷却し水240gを用いて塩化ナトリウムなどからなるスラリーを除去した。このようにして得られたGMA合成母液量は700gで、組成はEpCHが75wt%、GOHが0.7wt%、GMAが19.3wt%であった。また使用したMAA86gに対するGMAの収率は95.0mol%であった。
(2)EpCHの蒸留回収
このGMA合成母液700gに重合禁止剤4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル0.7gを加え、ガラス製蒸留塔(内径25mm、3mmφのDixon Packingを濃縮部400mm、回収部200mm充填)にてEpCHを蒸留回収した。この際のEpCH回収条件は、還流比1、塔頂圧9kPa、塔頂温度48℃、缶出温度118℃であった。得られた回収EpCH量は500g、組成はEpCHが99.7wt%、GOHが0.005wt%、GMAが未検出であった。
(3)蒸留回収EpCHを用いたGMAの合成
この蒸留回収したEpCH500gに不足分のEpCH235g(純度>99.9wt%、GOH、GMA未検出)を加え735gとなした後、上記と同様にしてGMA合成母液を調製した。得られたGMA合成母液量は700gで、組成はEpCHが75wt%、GOHが0.7wt%、GMAが19.3wt%であった。また使用したMAA86gに対するGMA収率は95.0mol%であった。以上の結果を表1に示す。
実施例2
(1)GMA合成母液の調製
実施例1と同様にしてGMA合成母液700gを調製した。
(2)EpCHの蒸留回収
GMA合成母液700gに重合禁止剤フェノチアジン0.35gを加え、供給液であるGMA合成母液に対して重量比で0.2倍量の水をガラス製蒸留塔(内径25mm、3mmφのDixon Packingを濃縮部200mm、回収部100mm充填)に供給しながらEpCHを蒸留回収した。この際の蒸留条件は、還流比1、塔頂圧9kPa、塔頂温度40℃、缶出温度118℃であった。留出液をデカンターで分離し下層のEpCHを回収した。回収EpCH量は500g、組成はEpCHが99.7wt%、GOHが0.005wt%、GMAが未検出であった。
(3)蒸留回収EpCHを用いたGMAの合成
蒸留回収したEpCH500gに不足分のEpCH235g(純度>99.9wt%、GOH、GMA未検出)を加え735gとなした後、実施例1と同様にしてGMA合成母液を調製した。得られたGMA合成母液量は700gで、組成はEpCHが75wt%、GOHが0.7wt%、GMAが19.3wt%であった。また使用したMAA86gに対するGMA収率は95.0mol%であった。以上の結果を表1に示す。
実施例3
(1)GMA合成母液の調製
実施例1と同様にしてGMA合成母液700gを調製した。
(2)EpCHの蒸留回収
GMA合成母液700gに重合禁止剤フェノチアジン0.35gを添加し、単蒸留にて粗EpCH300g(EpCH96wt%、GOH1wt%、GMA3wt%)を得た。単蒸留は約2時間かけて常圧から3.5kPaまで徐々に減圧しながら行った。この単蒸留で得られた粗EpCHをガラス製蒸精留塔(内径25mm、3mmφのDixon Packingを濃縮部400mm、回収部200mm充填)にて蒸留精製した。この際の蒸留条件は還流比1、塔頂圧9kPa、塔頂温度48℃、缶出温度118℃で蒸留した。得られた回収EpCH量は285g、組成はEpCHが99.7wt%、GOHが0.005wt%、GMAが未検出であった。
(3)蒸留回収EpCHを用いたGMAの合成
蒸留回収したEpCH285gに不足分のEpCH450g(純度>99.9wt%、GOH、GMA未検出)を加え735gとなした後、実施例1と同様にしてGMA合成母液を調製した。得られたGMA合成母液量は700gで、組成はEpCHが75wt%、GOHが0.7wt%、GMAが19.3wt%であった。また使用したMAA86gに対するGMA収率は94.7mol%であった。以上の結果を表1に示す。
比較例1
(1)GMA合成母液の調製
実施例1と同様にしてGMA合成母液700gを調製した。
(2)EpCHの蒸留回収
GMA合成母液700gに重合禁止剤フェノチアジン0.35gを添加し、単蒸留にて粗EpCH300g(EpCH96wt%、GOH1wt%、GMA3wt%)を得た。
(3)蒸留回収EpCHを用いたGMAの合成
単蒸留にて回収した粗EpCH300g(純度96wt%)に不足分のEpCH447g(純度>99.9wt%、GOH、GMA未検出)を加え、実施例1と同様にしてGMA合成母液を調製した。得られたGMA合成母液量は700gで、組成はEpCHが75wt%、GOHが0.7wt%、GMAが17.3wt%であった。また、GMA収率は85.0mol%であった。以上の結果を表1に示す。
実施例3
EpCH(純度>99.9wt%、GOH、GMAとも未検出)に、GOH(純度>95wt%、和光純薬工業製)が0.1wt%となるように添加したEpCHを用いた以外は、実施例1と同様にしてGMAの合成を行った。得られたGMA合成母液の組成は、EpCHが75wt%、GOHが0.7wt%、GMAが19.2wt%で、使用したMAA86gに対するGMAの収率は94.7mol%であった。以上の結果を表1に示す。
比較例2
EpCH(純度>99.9wt%、GOH、GMAとも未検出)に、GOH(純度>95wt%、和光純薬工業製)が0.2wt%となるように添加したEpCHを用いた以外は、実施例1と同様にしてGMAの合成を行った。得られたGMA合成母液の組成は、EpCHが75wt%、GOHが0.8wt%、GMAが18.3wt%で、使用したMAA86gに対するGMAの収率は90.0mol%であった。以上の結果を表1に示す。
実施例4
EpCH(純度>99.9wt%、GOH、GMAとも未検出)に、GMA(純度>95wt%、和光純薬工業製)が0.1wt%となるように添加したEpCHを用いた以外は、実施例1と同様にしてGMAの合成を行った。得られたGMA合成母液の組成は、EpCHが75wt%、GOHが0.7wt%、GMAが19.2wt%で使用したMAA86gに対するGMAの収率は94.7mol%であった。以上の結果を表1に示す。
比較例3
EpCH(純度>99.9wt%、GOH、GMAとも未検出)に、GMA(純度>95wt%、和光純薬工業製)が0.2wt%となるように添加したEpCHを用いた以外は、実施例1と同様にしてGMAの合成を行った。得られたGMA合成母液の組成は、EpCHが75wt%、GOHが0.7wt%、GMAが18.5wt%で、使用したMAA86gに対するGMAの収率は91.0mol%であった。以上の結果を表1に示す。
実施例5
EpCH(純度>99.9wt%、GOH、GMAとも未検出)に、GOH(純度>95wt%、和光純薬工業製)とGMA(純度>95wt%、和光純薬工業製)が何れも0.1wt%となるように添加したEpCHを用いた以外は、実施例1と同様にしてGMAの合成を行った。得られたGMA合成母液の組成は、EpCHが75wt%、GOHが0.8wt%、GMAが19.2wt%で、使用したMAA86gに対するGMAの収率は94.7mol%であった。以上の結果を表1に示す。
比較例4
EpCH(純度>99.9wt%、GOH、GMAとも未検出)に、GOH(純度>95wt%、和光純薬工業製)とGMA(純度>95wt%、和光純薬工業製)が何れも0.2wt%となるように添加したEpCHを用いた以外は、実施例1と同様にしてGMAの合成を行った。得られたGMA合成母液の組成は、EpCHが75wt%、GOHが0.9wt%、GMAが18.1wt%で、使用したMAA86gに対するGMAの収率は89.0mol%であった。以上の結果を表1に示す。
表1 実施例 比較例
実施例・比較例番号 1 2 3 4 5 1 2 3 4
原料EpCH組成(wt%)
EpCH 99 99 99 99 99 98 99 99 99
GOH 0.005 0.01 0.1 0 0.1 0.4 0.2 0 0.2
GMA <0.001 0.01 0 0.1 0.1 1.2 0 0.2 0.2
合成収率(%) 95.0 95.0 94.7 94.7 94.7 85.0 90.0 91.0 89.0

Claims (2)

  1. メタクリル酸とアルカリ金属物質から得られるメタクリル酸のアルカリ金属塩を、第4級アンモニウム塩の存在下、該アルカリ金属塩に対して反応量を上回る過剰量のエピクロロヒドリンと反応させてメタクリル酸グリシジルを合成した後、未反応のエピクロロヒドリンを蒸留回収し、当該合成反応で再使用するメタクリル酸グリシジルの製造方法において、蒸留回収したエピクロロヒドリン中に含まれるグリシドールとメタクリル酸グリシジルの濃度を何れも0.1wt%以下にすることを特徴とする、メタクリル酸グリシジルの製造方法。
  2. 未反応のエピクロロヒドリンを蒸留回収する際、水を共沸剤として使用する、請求項1記載のメタクリル酸グリシジルの製造方法。
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