[go: up one dir, main page]

JP4655435B2 - ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物 - Google Patents

ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP4655435B2
JP4655435B2 JP2001262919A JP2001262919A JP4655435B2 JP 4655435 B2 JP4655435 B2 JP 4655435B2 JP 2001262919 A JP2001262919 A JP 2001262919A JP 2001262919 A JP2001262919 A JP 2001262919A JP 4655435 B2 JP4655435 B2 JP 4655435B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyphenylene sulfide
sulfide resin
resin composition
weight
average particle
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2001262919A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003073544A (ja
Inventor
俊彦 宗藤
健 高野
朋宏 石川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tosoh Corp
Original Assignee
Tosoh Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tosoh Corp filed Critical Tosoh Corp
Priority to JP2001262919A priority Critical patent/JP4655435B2/ja
Publication of JP2003073544A publication Critical patent/JP2003073544A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4655435B2 publication Critical patent/JP4655435B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、撥水性、耐熱性に優れるばかりでなく、成形時の金型汚染の問題がなく、連続生産性にも優れるポリフェニレンスルフィド樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリフェニレンスルフィド樹脂は、その優れた耐熱性、耐薬品性を生かし、電気・電子機器部材、自動車機器部材およびOA機器部材として、耐熱性、耐薬品性の要求される分野に幅広く使用されている。
【0003】
これらの各種機器部材は様々な環境下で使用されており、汚水、薬液、ハンダ等の付着による機器部材の汚染を防止するため、撥水性が要求される分野においても使用されている。
【0004】
そして、ポリフェニレンスルフィド樹脂の各種機器部材への展開として、例えば、特開昭61−40357号公報(ポリフェニレンスルフィド樹脂、粉末状高分子系固体潤滑剤、チタン酸カリウム繊維からなる樹脂組成物)等が提案され、撥水性を改良したものとしては、例えば、特開平10−17771号公報に記載のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開昭61−40357号公報に提案されたポリフェニレンスルフィド樹脂組成物は、機械的強度が充分ではないうえに、撥水性の向上については明確にされていない。また、特開平10−17771号公報に提案されたポリフェニレンスルフィド樹脂組成物は、機械的強度・撥水性の改良が行われているものの成形時の金型汚染が著しく、連続生産性に劣るものである。
【0006】
そこで、本発明は、成形時の金型汚染の問題がなく、連続生産性に優れ、撥水性、耐熱性および機械的強度にも優れるポリフェニレンスルフィド樹脂組成物を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、特定の溶融粘度を有するポリフェニレンスルフィド、特定の平均粒子径を有するポリテトラフルオロエチレン粒子の組み合わせ、ポリオレフィンおよび無機充填材を特定の配合割合で配合したポリフェニレンスルフィド樹脂組成物が、成形時の金型汚染の問題がなく、連続生産性に優れ、撥水性、耐熱性および機械的強度にも優れることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、測定温度315℃、荷重10kgの条件下、直径1mm,長さ2mmのダイスを用いて高化式フローテスターにて測定した溶融粘度が3000ポイズ以上であるポリフェニレンスルフィド樹脂(A)50〜70重量%、レーザー解析法による平均粒径が2〜7μmであるポリテトラフルオロエチレン粒子(B)3〜10重量%、レーザー解析法による平均粒径が10〜25μmであるポリテトラフルオロエチレン粒子(C)8〜17重量%、ポリオレフィン(D)0.5〜1.5重量%および無機充填材(E)10〜30重量%からなることを特徴とするポリフェニレンスルフィド樹脂組成物に関するものである。
【0009】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0010】
本発明に使用されるポリフェニレンスルフィド樹脂(A)は、測定温度315℃、荷重10kgの条件下、直径1mm,長さ2mmのダイスを用いて高化式フローテスターで測定した溶融粘度3000ポイズ以上を有するものである。ここで、該溶融粘度が3000ポイズ未満であるポリフェニレンスルフィド樹脂を用いる場合、得られるポリフェニレンスルフィド樹脂組成物は、成形時のドルーリングが著しいものとなり好ましくない。そして、本発明においては、得られるポリフェニレンスルフィド樹脂組成物の成形性が特に優れることから、該溶融粘度が4000ポイズ以上であるポリフェニレンスルフィド樹脂を用いることが好ましい。
【0011】
本発明に使用されるポリフェニレンスルフィド樹脂(A)は、その構成単位として、
【0012】
【化1】
Figure 0004655435
【0013】
を70モル%以上、より好ましくは90モル%以上含有しているものが好ましい。
【0014】
また、構成単位として30モル%未満、好ましくは10モル%未満であれば、m−フェニレンスルフィド単位、
【0015】
【化2】
Figure 0004655435
【0016】
o−フェニレンスルフィド単位、
【0017】
【化3】
Figure 0004655435
【0018】
フェニレンスルフィドスルホン単位、
【0019】
【化4】
Figure 0004655435
【0020】
フェニレンスルフィドケトン単位、
【0021】
【化5】
Figure 0004655435
【0022】
フェニレンスルフィドエーテル単位、
【0023】
【化6】
Figure 0004655435
【0024】
ジフェニレンスルフィド単位、
【0025】
【化7】
Figure 0004655435
【0026】
種々の官能基を有するフェニレンスルフィド単位、
【0027】
【化8】
Figure 0004655435
【0028】
(ただし、式中Rは、アルキル基、フェニル基、ニトロ基、カルボキシル基、ニトリル基、アミノ基、アルコキシル基、ヒドロキシル基またはスルホン酸基である。)
等の共重合単位を含有していてもさしつかえない。
【0029】
さらに、本発明に使用されるポリフェニレンスルフィド樹脂(A)は、直鎖状のものであっても、酸素雰囲気下での加熱処理、または過酸化物等を添加しての加熱処理により硬化させ、重合度を上げたものであっても、また、非酸化性の不活性ガス中で加熱処理を施したものであってもかまわないし、さらにこれらの構造の混合物であってもかまわない。また、上記のポリフェニレンスルフィド樹脂は、酸洗浄や熱水処理等の脱イオン処理を行うことによってイオンを低減させたものであってもよい。
【0030】
本発明に使用されるポリテトラフルオロエチレン粒子は、得られるポリフェニレンスルフィド樹脂組成物の連続生産性、撥水性および機械的強度を優れたものとするために、レーザー解析法による平均粒径が2〜7μmであるポリテトラフルオロエチレン粒子(B)(以下、PTFE粒子(B)と記す。)およびレーザー解析法による平均粒径が10〜25μmであるポリテトラフルオロエチレン粒子(C)(以下、PTFE粒子(C)と記す。)の2種である。そして、本発明でいうレーザー解析法による平均粒径とは、レーザー解析粒度分析計(日機装製、商品名マイクロトラックHRA)を用いて測定した50重量%の粒径を示す。
【0031】
本発明に使用されるPTFE粒子(B)とは、レーザー解析法による平均粒径が2〜7μmであるポリテトラフルオロエチレン粒子であり、特に3〜6μmであるポリテトラフルオロエチレン粒子が好ましい。ここで、平均粒径が2μm未満であったり、7μmを越える場合、得られるポリフェニレンスルフィド樹脂組成物の撥水性改良効果は著しく劣るものとなる。
【0032】
また、PTFE粒子(B)としては、撥水性改良効果と金型汚染の問題がなく、連続生産性のバランスに特に優れることから、300℃における重量減少率が0.5〜2重量%のポリテトラフルオロエチレン粒子であることが好ましい。
【0033】
このようなPTFE粒子(B)は、例えば、商品名KTL−8F(喜多村社製)、商品名ホスタフロン(住友スリーエム社製)として入手する事が可能である。
【0034】
本発明に使用されるPTFE粒子(C)とは、レーザー解析法による平均粒径が10〜25μmであるポリテトラフルオロエチレン粒子であり、特に10〜20μmであるポリテトラフルオロエチレン粒子が好ましい。ここで、平均粒径が10μm未満であったり、25μmを越える場合、得られるポリフェニレンスルフィド樹脂組成物の撥水性改良効果が著しく劣ったり、機械的強度の劣るものとなる。
【0035】
また、PTFE粒子(C)としては、撥水性改良効果と金型汚染の問題がなく、連続生産性のバランスに特に優れることから、300℃における重量減少率が0.5%未満のポリテトラフルオロエチレン粒子であることが好ましい。
【0036】
このようなPTFE粒子(C)は、例えば、商品名KTL−610(喜多村社製)、商品名ホスタフロンTF9207(住友スリーエム社製)として入手する事が可能である。
【0037】
本発明に使用されるポリオレフィン(D)は特に制限はなく、例えば、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、エチレン−α−オレフィン共重合体(LLDPE)等のエチレン系樹脂;ポリプロピレン、ポリプロピレンブロックマー等のプロピレン系樹脂;エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体等またはそれらのワックス等を挙げることができ、市販のものが使用できる。
【0038】
発明に使用されるポリオレフィン(D)としては、特に成形加工時の成形性に優れるポリフェニレンスルフィド樹脂組成物となることから、密度が0.942g/cm3以上である高密度ポリエチレンを用いることが好ましい。また、ポリフェニレンスルフィド樹脂への分散性に優れることから機械的特性に優れるポリフェニレンスルフィド樹脂組成物となり、得られる成形品の外観にも優れることから、本発明に使用されるポリオレフィンは、JIS K−6760(1995年)に準拠し、測定したメルトフローレイト(以下、MFRと記す。)が0.1〜150g/10分の範囲であることが好ましい。
【0039】
本発明に使用される無機充填材(E)としては特に制限はなく、一般的に無機充填材と称される範疇のものが使用される。そして、そのような無機充填材としては、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、グラファイト繊維、ステンレス繊維、金属繊維、珪酸カルシウムウィスカー、炭酸カルシウムウィスカー、硫酸カルシウムウィスカー、硫酸マグネシウムウィスカー、硝酸マグネシウムウィスカー、マグネシア繊維、硼酸アルミニウムウィスカー、ウォラストナイトウィスカー、アルミナ繊維、酸化チタンウィスカー、酸化亜鉛ウィスカー、炭化珪素繊維、窒化ケイ素繊維、チタン酸カリウムウィスカー、チラノ繊維、ジルコニア繊維、ゾノライト繊維等が挙げられる。これらは単独あるいは混合して用いることができる。
【0040】
本発明のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物は、ポリフェニレンスルフィド樹脂(A)50〜70重量%、好ましくは50〜60重量%、PTFE粒子(B)3〜10重量%、好ましくは4〜7重量%、PTFE粒子(C)8〜17重量%、好ましくは10〜15重量%、ポリオレフィン(D)0.5〜1.5重量%、好ましくは0.7〜1.3重量%および無機充填材(E)10〜30重量%、好ましくは15〜25重量%からなるものである
ここで、本発明に使用されるポリフェニレンスルフィド樹脂(A)の配合量が50重量%未満である場合、得られるポリフェニレンスルフィド樹脂組成物の耐熱性、衝撃強度が低下してしまうため好ましくない。一方、ポリフェニレンスルフィド樹脂(A)の配合量が70重量%を越える場合、得られるポリフェニレンスルフィド樹脂組成物を成形加工に供した際のドルーリングが著しいため好ましくない。そして、ポリフェニレンスルフィド樹脂(A)の配合量としては、得られるポリフェニレンスルフィド樹脂組成物が優れた耐熱性、衝撃強度および成形性をあわせ有することから50〜60重量%であることが好ましい。
【0041】
本発明に使用されるPTFE(B)の配合量が3重量%未満である場合、得られるポリフェニレンスルフィド樹脂組成物の撥水性の改良効果が小さいため好ましくない。一方、PTFE(B)の配合量が10重量%を越える場合、得られるポリフェニレンスルフィド樹脂組成物は耐熱性、衝撃強度が低下すると共に、該ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物を成形加工に供した際の金型汚染が激しく、連続生産性に劣るものとなる。
【0042】
本発明に使用されるPTFE(C)の配合量が8重量%未満である場合、得られるポリフェニレンスルフィド樹脂組成物の撥水性の改良効果が小さいため好ましくない。一方、PTFE(C)の配合量が17重量%を越える場合、得られるポリフェニレンスルフィド樹脂組成物は耐熱性、衝撃強度が低下すると共に、該ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物を成形加工に供した際の金型汚染が激しく、連続生産性に劣るものとなる。
【0043】
本発明に使用されるポリオレフィン(D)の配合量が0.5重量%未満の場合、得られるポリフェニレンスルフィド樹脂組成物の撥水性の改良効果が小さいため好ましくない。一方、ポリオレフィン(D)の配合量が1.5重量%を越える場合、得られるポリフェニレンスルフィド樹脂組成物は耐熱性、衝撃強度が低下すると共に、該ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物を成形加工に供した際の金型汚染が激しく、連続生産性に劣るものとなる。
【0044】
本発明に使用される無機充填材(E)の配合量が10重量%未満である場合、得られるポリフェニレンスルフィド樹脂組成物は耐熱性、衝撃強度の劣るものとなる。一方、無機充填材(E)の配合量が30重量%を越える場合、得られるポリフェニレンスルフィド樹脂組成物を成形加工に供した際の成形品表面外観が劣るため好ましくない。そして、無機充填材(E)の配合量としては、得られるポリフェニレンスルフィド樹脂組成物が特に耐熱性、衝撃強度に優れ、成形加工に供した際の成形品表面外観にも優れることから15〜25重量%であることが好ましい。
【0045】
本発明のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物は、本発明の目的を逸脱しない範囲で、例えば、エポキシ樹脂、シアン酸エステル樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド、シリコーン樹脂、ポリエステル、ポリアミド、ポリフェニレンオキサイド、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィドスルホン、ポリフェニレンスルフィドケトン等の各種熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂を1種または2種以上混合して使用することができる。
【0046】
また、本発明のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物は、本発明の目的を逸脱しない範囲で、例えば、炭酸カルシウム、マイカ、シリカ、タルク、硫酸カルシウム、カオリン、クレー、ガラスビーズ、ガラスパウダー等の粉末状充填剤を1種または2種以上混合して使用することができる。
【0047】
さらに、本発明のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物は、本発明の目的を逸脱しない範囲で、従来公知の離型剤、滑剤、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、結晶核剤、発泡剤、防錆剤、イオントラップ剤、難燃剤、難燃助剤、染料,顔料等の着色剤、帯電防止剤等の添加剤を1種または2種以上併用して使用することができる。
【0048】
本発明のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物の製造方法としては特に制限はなく、従来使用されている加熱溶融方法等を用いることで製造することができる。その方法としては、例えば、V−ブレンダー、ヘンシェルミキサー等の各種ブレンダーでポリフェニレンスルフィド樹脂(A)、PTFE粒子(B)、PTFE粒子(C)、ポリオレフィン(D)および無機充填材(E)を混合した後、ニーダー、ミル、一軸または二軸の押出機等の加熱溶融混合機で加熱溶融混合する方法が挙げられる。さらに、得られた本発明のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物は、射出成形機、押出成形機、トランスファー成形機、圧縮成形機等の各種成形加工機により各種成型体に成形することができる。
【0049】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
【0050】
実施例および比較例により得られたポリフェニレンスルフィド樹脂組成物の評価は、以下に示す方法により行った。
【0051】
〜接触角の測定〜
得られた試験片の表面をアセトンにて洗浄した後、イオン交換水を用いて自動接触角計(協和界面化学(株)製)にて測定を行った。
【0052】
〜曲げ強度〜
ASTM D790(1995年)に準拠した。
【0053】
〜Izod衝撃強度〜
ASTM D256(1995年)に準拠した。
【0054】
〜連続成形性の評価(金型汚染性の評価)〜
連続成形性の評価は、射出成形機により試験片を連続成形して金型掃除が必要となるまでの時間により判断した。
【0055】
○は8時間以上、△は4時間以上8時間未満、×は4時間未満を示す。
【0056】
〜成形性の評価〜
成形性の評価は、射出成形機により試験片を作製する際の状況を目視にて判断した。
【0057】
○は成形性良好、×は成形性不良を示す。
【0058】
実施例1
ポリフェニレンスルフィド樹脂(東ソー(株)製、商品名サスティールPPS、315℃における溶融粘度7400ポイズ)61.4重量%、平均粒径5.0μmを有するPTFE(B)(喜多村社製、商品名KTL−8N、300℃における加熱重量減少1.0重量%)5.6重量%、平均粒径15.0μmを有するPTFE(C)(喜多村社製、商品名KTL−610、300℃における加熱重量減少0.1重量%)12.0重量%、高密度ポリエチレン(東ソー(株)製、商品名ニポロンハード1000、MFR=20g/10分、比重=0.963g/cm3)1.0重量%および酸化亜鉛ウィスカー(松下アムテック社製、商品名パナテトラ0511)20.0重量%をタンブラー型ミキサーに投入してブレンド配合した後、二軸押出機(東芝機械(株)製、商品名TEM−35B)を用いて300℃で溶融混練し、ペレット化してポリフェニレンスルフィド樹脂組成物を得た。
【0059】
得られたポリフェニレンスルフィド樹脂組成物を射出成形機(住友重機械(株)製、商品名サイキャップ165/75)を用いて試験片を調製し、各種評価を行った。その評価結果を表2に示す。
【0060】
得られたポリフェニレンスルフィド樹脂組成物は、撥水性、耐熱性および(連続)成形性に優れたものであった。
【0061】
実施例2〜5
実施例1で用いたポリフェニレンスルフィド樹脂、PTFE(B)、PTFE(C)、高密度ポリエチレン、酸化亜鉛ウィスカーを表1に示す割合で配合した以外は、実施例1と同様の方法により、ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物を得、その評価を行った評価結果を表2に示す。
【0062】
得られたポリフェニレンスルフィド樹脂組成物は、撥水性、耐熱性および(連続)成形性に優れたものであった。
【0063】
実施例6
実施例1で用いたポリフェニレンスルフィド樹脂の粘度を変更(東ソー(株)製、商品名サスティールPPS、315℃における溶融粘度5000ポイズ)した以外は、実施例1と同様の方法により、ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物を得、その評価を行った。評価結果を表2に示す。
【0064】
得られたポリフェニレンスルフィド樹脂組成物は、撥水性、耐熱性および(連続)成形性に優れたものであった。
【0065】
実施例7
実施例1で用いた高密度ポリエチレンを低密度ポリエチレン(東ソー(株)製、商品名ペトロセン173、MFR=0.3g/10分、比重=0.924g/cm3)に変更した以外は、実施例1と同様の方法により、ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物を得、その評価を行った。評価結果を表2に示す。
【0066】
得られたポリフェニレンスルフィド樹脂組成物は、撥水性、耐熱性および(連続)成形性に優れたものであった。
【0067】
実施例8〜9
実施例1で用いたポリフェニレンスルフィド樹脂、PTFE(B)、PTFE(C)、高密度ポリエチレン、酸化亜鉛ウィスカーを表1に示す割合で配合した以外は、実施例1と同様の方法により、ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物を得、その評価を行った。評価結果を表2に示す。
【0068】
得られたポリフェニレンスルフィド樹脂組成物は、撥水性、耐熱性および(連続)成形性に優れたものであった。
【0069】
比較例1
実施例1で用いたPTFE(B),PTFE(C)の配合量を変更(表1)した以外は、実施例1と同様の方法により、ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物を得、その評価を行った。評価結果を表2に示す。
【0070】
得られたポリフェニレンスルフィド樹脂組成物は、連続成形時の金型汚染性が劣るものであった。
【0071】
比較例2
実施例1で用いたPTFE(C)の配合量を変更(表1)した以外は、実施例1と同様の方法により、ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物を得、その評価を行った。評価結果を表2に示す。
【0072】
得られたポリフェニレンスルフィド樹脂組成物は、撥水性(接触角)が劣るものであった。
【0073】
比較例3
実施例1で用いた高密度ポリエチレンを未添加(表1)にした以外は、実施例1と同様の方法により、ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物を得、その評価を行った。評価結果を表2に示す。
【0074】
得られたポリフェニレンスルフィド樹脂組成物は、撥水性(接触角)が劣るものであった。
【0075】
比較例4
実施例1で用いた高密度ポリエチレンの配合量を3.0重量%に増やした以外は、実施例1と同様の方法により、ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物を得、その評価を行った。評価結果を表2に示す。
【0076】
得られたポリフェニレンスルフィド樹脂組成物は、連続成形時の金型汚染性が劣るものであった。
【0077】
比較例5
実施例1で用いたポリフェニレンスルフィド樹脂の粘度を変更(東ソー(株)製、商品名:サスティールPPS、315℃における溶融粘度2500ポイズ)した以外は、実施例1と同様の方法により、ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物を得、その評価を行った。評価結果を表2に示す。
【0078】
得られたポリフェニレンスルフィド樹脂組成物は、成形時のドローリングが酷く、連続成形性が劣るものであった。
【0079】
比較例6
実施例1で用いた平均粒径15.0μmのPTFE(C)を平均粒径30.0μmのPTFE(喜多村社製、商品名KT−300M、300℃における加熱重量減少0.1重量%)に変更した以外は、実施例1と同様の方法により、ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物を得、その評価を行った。評価結果を表2に示す。
【0080】
得られたポリフェニレンスルフィド樹脂組成物は、撥水性(接触角)が劣るものであった。
【0081】
比較例7
実施例1で用いた平均粒径5.0μmのPTFE(B)を平均粒径0.5μmのPTFE(喜多村社製、商品名KTL−500F、300℃における加熱重量減少0.1重量%)に変更し、表1の割合で配合した以外は、実施例1と同様の方法により、ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物を得、その評価を行った。評価結果を表2に示す。
【0082】
得られたポリフェニレンスルフィド樹脂組成物は、撥水性(接触角)が劣るものであった。
【0083】
比較例8
実施例1で用いた酸化亜鉛ウィスカーを5.0重量%配合した以外は、実施例1と同様の方法により、ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物を得、その評価を行った。評価結果を表2に示す。
【0084】
得られたポリフェニレンスルフィド樹脂組成物は、曲げ強度が劣るものであった。
【0085】
比較例9
実施例1で用いた酸化亜鉛ウィスカーを35.0重量%配合した以外は、実施例1と同様の方法により、ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物を得、その評価を行った。評価結果を表2に示す。
【0086】
得られたポリフェニレンスルフィド樹脂組成物は、成形性が悪く、成形品の外観が劣るものであった。
【0087】
【表1】
Figure 0004655435
【0088】
【表2】
Figure 0004655435
【0089】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明は、特定の溶融粘度を有するポリフェニレンスルフィド樹脂に、粒径および配合量を特定したポリテトラフルオロエチレン、ポリオレフィン、無機充填材を配合することにより、撥水性、耐熱性に優れるばかりではなく、成形時の金型汚染の問題がなく、連続生産性にも優れるポリフェニレンスルフィド樹脂組成物が得られ、その工業的価値は高い。

Claims (2)

  1. 測定温度315℃、荷重10kgの条件下、直径1mm,長さ2mmのダイスを用いて高化式フローテスターにて測定した溶融粘度が3000ポイズ以上であるポリフェニレンスルフィド樹脂(A)50〜70重量%、レーザー解析法による平均粒径が2〜7μmであるポリテトラフルオロエチレン粒子(B)3〜10重量%、レーザー解析法による平均粒径が10〜25μmであるポリテトラフルオロエチレン粒子(C)8〜17重量%、ポリオレフィン(D)0.5〜1.5重量%および無機充填材(E)10〜30重量%からなることを特徴とするポリフェニレンスルフィド樹脂組成物。
  2. レーザー解析法による平均粒径が2〜7μmであるポリテトラフルオロエチレン粒子(B)が、300℃における重量減少率0.5〜2重量%であるポリテトラフルオロエチレン粒子であり、レーザー解析法による平均粒子径が10〜25μmであるポリテトラフルオロエチレン粒子(C)が、300℃における重量減少率0.5重量%未満であるポリテトラフルオロエチレン粒子であることを特徴とする請求項1に記載のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物。
JP2001262919A 2001-08-31 2001-08-31 ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物 Expired - Fee Related JP4655435B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001262919A JP4655435B2 (ja) 2001-08-31 2001-08-31 ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001262919A JP4655435B2 (ja) 2001-08-31 2001-08-31 ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003073544A JP2003073544A (ja) 2003-03-12
JP4655435B2 true JP4655435B2 (ja) 2011-03-23

Family

ID=19089749

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001262919A Expired - Fee Related JP4655435B2 (ja) 2001-08-31 2001-08-31 ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4655435B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101714996B1 (ko) * 2016-03-16 2017-03-08 박상은 오염 방지 피복 조성물

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5184236B2 (ja) * 2008-07-15 2013-04-17 信越ポリマー株式会社 帯電性成形体および画像形成装置用クリーニングユニット
KR101003345B1 (ko) * 2008-08-19 2010-12-22 제일모직주식회사 전기 전도성, 내마모성 및 내열성이 우수한 열가소성 수지 조성물
JP6891461B2 (ja) * 2016-11-18 2021-06-18 東洋インキScホールディングス株式会社 樹脂組成物
CN117447635A (zh) * 2018-09-28 2024-01-26 东曹株式会社 氟树脂、氟树脂粒子及它们的制造方法
CN110256758B (zh) * 2019-05-16 2021-12-28 广州大学 一种基于微波合成季铵盐的抗菌塑料及其制备方法

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4935453A (ja) * 1972-08-09 1974-04-02
JPH1017771A (ja) * 1996-07-08 1998-01-20 Tosoh Corp ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物
JPH10213993A (ja) * 1996-07-08 1998-08-11 Ntn Corp 分離爪
JPH1134099A (ja) * 1998-06-01 1999-02-09 Ntn Corp 潤滑性樹脂組成物からなる成形体の製造方法
JP2003073003A (ja) * 2001-08-31 2003-03-12 Ntn Corp 分離爪

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4935453A (ja) * 1972-08-09 1974-04-02
JPH1017771A (ja) * 1996-07-08 1998-01-20 Tosoh Corp ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物
JPH10213993A (ja) * 1996-07-08 1998-08-11 Ntn Corp 分離爪
JPH1134099A (ja) * 1998-06-01 1999-02-09 Ntn Corp 潤滑性樹脂組成物からなる成形体の製造方法
JP2003073003A (ja) * 2001-08-31 2003-03-12 Ntn Corp 分離爪

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101714996B1 (ko) * 2016-03-16 2017-03-08 박상은 오염 방지 피복 조성물

Also Published As

Publication number Publication date
JP2003073544A (ja) 2003-03-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3157582B2 (ja) ポリアリーレンサルファイド樹脂組成物
JPH0812886A (ja) ポリアリーレンサルファイド樹脂組成物
JPS6023448A (ja) 芳香族ポリスルフオン樹脂組成物
JP4655435B2 (ja) ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物
JP4777080B2 (ja) 箱形形状を有する成形品用ポリアリーレンサルファイド樹脂組成物及び箱形形状を有する成形品
JP7234666B2 (ja) ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物
JP3889122B2 (ja) ポリアリーレンサルファイド樹脂組成物
JP4004741B2 (ja) 耐トラッキング性が良好な強化ポリアリーレンサルファイド樹脂組成物
JP7070198B2 (ja) ポリアリーレンスルフィド組成物
JP3674163B2 (ja) ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物
JP5103763B2 (ja) 樹脂組成物およびそれからなる成形品
JP4813196B2 (ja) 円筒形状部位保有成形品用ポリアリーレンサルファイド樹脂組成物及び円筒形状部位保有成形品
JP4796268B2 (ja) 光通信部品用ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物
JP2912153B2 (ja) ポリアリーレンサルファイド樹脂組成物及びその製造方法
WO2020022023A1 (ja) ポリアリーレンスルフィド組成物
JP2007512406A (ja) ポリフェニレンサルファイド熱可塑性樹脂組成物
JPH0578574A (ja) 摺動性改良ポリアリーレンサルフアイド樹脂組成物
JP2835596B2 (ja) 高剛性制振性樹脂組成物
JP2685976B2 (ja) ポリアリーレンサルファイド樹脂組成物及びその製造法
JP2020079355A (ja) ポリアリーレンスルフィド組成物及びそれからなる耐水圧部品
JPH0759666B2 (ja) ポリアリーレンサルファイド樹脂組成物
JP2834639B2 (ja) ポリアリーレンサルファイド樹脂組成物
JP3476160B2 (ja) ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物
JP2005162886A (ja) ポリアリーレンサルファイド樹脂組成物
JP4269433B2 (ja) 熱可塑性樹脂組成物およびその成形体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080709

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100707

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100727

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100831

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20101130

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20101213

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140107

Year of fee payment: 3

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4655435

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140107

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees