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JP4653770B2 - ドラム式洗濯乾燥機 - Google Patents

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Description

本発明は、ミスト生成装置を備え、乾燥された衣類等の洗濯物にミストを供給して、衣類等に入ったシワを低減するドラム式洗濯乾燥機に関するものである。
従来、乾燥工程で、衣類等の洗濯物が入った回転ドラムを高速度で回転させ、乾燥させる間において、洗濯物が回転ドラムの内側壁などに張り付きながら乾燥されるため、乾燥された後の衣類等にシワが入るのが避けられず、このような衣類等をさらにハンガー等に架けて干す際にシワを伸ばすための手間を加えたり、さらにその後にアイロンがけを行ったりといったことが必要であった。
そこで、最近、微細な液滴からなるミストを発生するミスト生成装置を備え、衣類等の入った回転ドラムにミストを導入して、乾燥工程で衣類等に入った静電気やシワを低減する洗濯乾燥機が開発されており、例えば、下記特許文献1に示されるような構成を有するものが知られている。
特許文献1に開示された洗濯乾燥機40では、図9に示すように、筐体41内部に弾性的に吊支した外槽42と、外槽42内に回転自在に配設されて洗濯物を収容する内槽43と、内槽43内に温風を送風する送風手段44(循環用送風機)と、送風手段44により送風される空気を加熱する加熱手段45と、熱交換器を有し、送風手段44による温風を循環させる温風循環経路46とを備え、噴霧装置47が、温風循環経路46(温風供給路)の加熱手段45(ヒータ)を経た内槽43への温風供給口48近傍に設けられ、乾燥工程において温風循環経路内へミストを噴霧するよう構成されている。そして、乾燥工程にて衣類を撹拌した際に発生する静電気を除去し、静電気による人体への不快感を解消するとともに、乾燥終了後の衣類のシワを低減することができるとされている。
また、最近の洗濯乾燥機では、洗濯物に除菌・抗菌効果を有する金属イオン(例えば、Agイオン)を付着させることのできる「Agコース」が選択可能に備えられており、「Agコース」を選択した場合には、すすぎ工程での最終のすすぎステップにおいて、イオン溶出装置で生成された金属イオンが溶出した水が、給水経路あるいは送風経路を介して回転ドラム内に送り込まれ、この給水経路とは別の洗剤容器を経て同じく回転ドラム内に供給される水で希釈されて、洗濯物のすすぎが実施される。そして、この洗濯物を乾燥することにより、洗濯物に除菌・抗菌効果を付与している。
そして、さらに、ミストの源となる水の中に金属イオンを溶出させるイオン溶出ユニットを備え、金属イオンが溶出された水をミスト化し、これを洗濯物に吹きかけて抗菌処理を行う洗濯乾燥機が開発されており、例えば、下記特許文献2に示されるような構成を有するものが知られている。
特許文献2に開示された洗濯乾燥機50では、図10に示すように、乾燥対象を入れる密閉乾燥室51(回転ドラム)と、この密閉乾燥室51内の空気を除湿する除湿手段52(ミスト生成装置53にて構成)と、密閉乾燥室51内の乾燥対象に吹きかけるミストを生成するミスト生成装置53と、ミストの源となる水の中に金属イオンを溶出させるイオン溶出ユニット54とを備えている。洗濯・すすぎ・脱水工程を終了して洗濯物を乾燥するときは、回転ドラムの内部は密閉乾燥室51として機能する。密閉乾燥室51内の空気は循環ダクト55の途中に設けられた送風機56によって循環ダクト55に吸い込まれ、ヒータ57で温風化されて、再び密閉乾燥室51に吹き込まれる。洗濯物から水分を奪った温風は循環ダクト55の一部に設けられた冷却室58で除湿水に接触し、除湿される。除湿水を噴霧するのはミスト生成装置53である。ミスト生成装置53は、乾燥工程ではイオン溶出ユニット54を通ってきた金属イオン水をミスト化し、洗濯物に吹きかけて抗菌処理を行うように構成されている。
特開2003−311067号公報 特開2006−141579号公報
ミスト生成装置により発生するミストは、その粒径により浮遊性や表面張力(濡れ性)などの特性が異なる。すなわち、粒径10μm未満の超微細ミストは、ドライミストとも呼ばれ、極めて微細であるため、表面張力が高く、浮遊性が高いが、物に付着したときの濡れ性が低いといった特徴を有している。粒径10〜50μmの微細ミストは、ウェットミストとも呼ばれ、上記のドライミストと比較して粒子径が相対的に大きいため、表面張力が弱く、物に付着したときの濡れ性が高いといった特徴を有している。粒径50μmを越える比較的粗大なミストは、水滴に近い性質を持っている。
これらの中で、濡れ性に優れたウェットミストは、洗濯物である衣類等に付着して効率的に洗濯物を湿らせながら、乾燥過程で衣類等のシワを低減させることができるので、このウェットミストを多く含むミストを回転ドラム槽内に充満させることが、衣類等のシワを低減させる効果を得る上で重要である。また、ミスト生成装置で発生するミストを衣類の置かれた場所にまで導き入れる際に、導入管路の管壁等にできるだけ衝突させることなく、すなわち、管壁等に凝結して損失されることなく、効率的に多くのミストを衣類の置かれた場所に送り込むことが重要である。
上記の特許文献1で開示された洗濯乾燥機では、このような観点が欠如しており、したがって、必ずしも効率良く衣類等のシワを低減させたり、乾燥・脱臭したりすることができなかった。
しかも、特許文献1に開示された洗濯乾燥機40では、送風手段44が加熱手段45の上流側で、噴霧装置47に対向するように配置されており、送風手段44で発生した温風が噴霧装置47に直接当たるように構成されている。したがって、噴霧装置47から噴霧されたミストの一部はそのまま内槽43内の衣類に達するものの、その他の大部分は温風循環経路46の内壁面46aに衝突し、多くが内壁面46aで凝縮して水滴となって損失された後、内槽43へ達することになる。この洗濯乾燥機40では、ミストが内壁面46aに衝突するときの破砕効果によりマイナスイオンが発生して静電気の除電効果を高めることができるとしているが、噴霧装置47から噴霧されたミストの大部分が途中で消失して内槽43内の衣類にまで届かず、衣類を湿らせて、シワを有効に低減するのは困難であるという問題があった。
また、特許文献2に開示された洗濯乾燥機50では、乾燥工程において金属イオンが溶出された微小な水滴からなるミストを洗濯物に吹きかけるとしているが、ミスト生成装置53で発生させた金属イオンを含むミストは、長い循環ダクト55を通って、しかも、この循環ダクト55の途中に設けられた送風機56やヒータ57を通って、密閉乾燥室51内に導入されるため、ミストの殆どは循環ダクト55の途中で消失されることになる。したがって、この洗濯乾燥機50においても、金属イオンを含むミストを洗濯物に効率良く吹きかけ、シワを有効に低減するのは困難であり、金属イオンによる抗菌効果を十分に発現させることができない。特許文献2には、ミスト生成装置を循環ダクトの出口付近に配置する実施例も開示されているが、この実施例の場合には、金属イオン溶出装置の噴射ノズルがミスト生成装置から遠く離れた循環ダクトの途中に配置されており、金属イオンが溶出された水自体がミスト生成装置に殆ど到達しない。
そして、従来の洗濯乾燥機では、ミスト生成装置で発生したミストを回転ドラム内に送り込んで、洗濯物の「シワのばし工程」を実施した後は、ミスト生成装置の水溜め容器への給水を停止し、そのまま放置していた。このため、水溜め容器に貯留された水が除去されずに長期間放置された場合には、水にカビや菌が繁殖することがあった。そして、次に洗濯乾燥機を運転する際にこのようなカビや菌が繁殖した水を洗濯工程で使用すると、洗濯乾燥を終えた衣類にカビ臭さが残るといった問題があった。また、これを防止するために、洗濯物の「シワのばし工程」を実施した後に、水溜め容器に貯留された水を強制的に排除することも考えられるが、そのためには水溜め容器内の水を排除する機構(排水経路や開閉弁など)を設けたり、そのための制御を追加したりする必要があり、また、排除し切れなかった水が残留して水垢となって水溜め容器内に付着して残るといった問題があった。また、水溜め容器内の水を蒸発させて除去しようとすれば、水溜め容器の容量を余り大きくできず、ミストの発生量を減少させてしまうという問題が生じる。
本発明は、以上のような課題に鑑みて為されたものであり、ミスト生成装置の水溜め容器に貯留された水が、たとえ長期間放置されても、あるいは、強制的に排除されなくても、そこでカビや菌が繁殖することがないようにすることのできるドラム式洗濯乾燥機を提供することを目的としている。
請求項1に係る発明のドラム式洗濯乾燥機は、多数の透孔が形成され、洗濯物を収容して回転駆動される回転ドラムが水槽内に設けられ、該水槽内への給水、排水および前記回転ドラムの回転の制御により洗濯、すすぎ、脱水の各工程を実施するとともに、送風手段により前記水槽内の空気を除湿手段および加熱手段を備えた循環送風経路を通して循環させることにより洗濯物の乾燥工程を実施するドラム式洗濯乾燥機において、前記循環送風経路に水溜め容器を有し、洗濯物のシワのばし工程において、該水溜め容器に貯留された水に超音波振動を加えることによりミストを発生させるミスト生成装置と、すすぎ工程において、金属イオンが溶出された水を回転ドラム内に供給する金属イオンを溶出させるイオン溶出装置と、を備え、前記ミスト生成装置と前記イオン溶出装置とが同じ給水経路を通じて接続されるともに、前記給水経路において、前記イオン溶出装置が前記ミスト生成装置よりも上流側に配置され、前記すすぎ工程において、前記ミスト生成装置を停止させ、金属イオンが溶出した水を前記水溜め容器に供給して溢れさせることにより、前記循環送風経路から前記回転ドラム内に金属イオンが溶出した水を供給し、前記シワのばし工程において、前記ミスト生成装置を駆動させ、発生したミストを前記循環送風経路から前記回転ドラム内に送り込むことを特徴とするものである。
請求項1に係る発明のドラム式洗濯乾燥機によれば、イオン溶出装置がミスト生成装置の上流側に配置され、同じ給水経路で接続されているため、イオン溶出装置で溶出された金属イオンを含む水をミスト生成装置の水溜め容器に供給することができ、金属イオンの除菌・抗菌作用により、水溜め容器に貯留された水にカビや菌が繁殖することがないようにすることができる。
また、すすぎ工程において、水溜め容器に貯留された金属イオンを含む水を水溜め容器から回転ドラム内に送給するので、金属イオンを含む水を洗濯物の内部に浸透させ、除菌・抗菌効果を付与することができる。
また、シワのばし工程において、前記ミスト生成装置を駆動させ、発生したミストを前記循環送風経路から前記回転ドラム内に送り込むことにより、衣類全体を湿らせ、衣類のシワを効果的に低減することができる。
請求項2の発明に係るドラム式洗濯乾燥機は、請求項1に記載のドラム式洗濯乾燥機において、前記給水経路において、前記イオン溶出装置が前記ミスト生成装置よりも上流側に配置され、前記ミスト生成装置で発生したミストを前記回転ドラム内に送り込んで、洗濯物のシワのばし工程を実施した後に、前記ミスト生成装置の前記水溜め容器に、前記イオン溶出装置により生成された金属イオンが溶出した水を供給して貯留することを特徴とするものである。
請求項2の発明に係るドラム式洗濯乾燥機によれば、洗濯物のシワのばし工程を実施した後に、イオン溶出装置で溶出された金属イオンを含む水をミスト生成装置の水溜め容器に供給して貯留することにより、ミスト生成装置に貯留された水を除去せずに長期間放置しても、あるいは、強制的に排除しなくても、水溜め容器に貯留された水にカビや菌が繁殖することがないようにすることができる。
ミスト生成装置を作動させた後に、水溜め容器内に貯留されている水を強制的に排出しようとすれば、水溜め容器内の水を排除する機構(排水経路や開閉弁など)を設けたり、そのための制御を追加したりする必要があり、また、排除し切れなかった水が残留して水垢となって水溜め容器内に付着して残るといった問題があった。また、水溜め容器内の水を蒸発させて除去しようとすれば、水溜め容器の容量を余り大きくできず、ミストの発生量を減少させてしまうという問題が生じる。これらに対して、本実施の形態では、ミスト生成装置およびイオン溶出装置に水を供給する給水経路の上流側に一つの開閉弁を配設するだけでよく、この開閉弁を共通化させることにより部品点数を減らし、給水経路を簡単な構成とすることが可能となるので、製造コストを低減することができる。
さらに、ミスト生成装置におけるミストの生成、およびイオン溶出装置における金属イオンの溶出は、電気的に制御可能であり、給水経路が同じであっても、ミストの生成および/または金属イオンの溶出を行う、あるいはミストの生成も金属イオンの溶出も行わないといったプロセスの選定を容易に実現することができる。
本発明によれば、ミスト生成装置の水溜め容器に貯留された水に、カビや菌が繁殖することがないようにすることができる。
また、すすぎ工程において、水溜め容器に貯留された金属イオンを含む水を水溜め容器から回転ドラム内に送給するので、金属イオンを含む水を洗濯物の内部に浸透させ、除菌・抗菌効果を付与することができる。
また、シワのばし工程において、前記ミスト生成装置を駆動させ、発生したミストを前記循環送風経路から前記回転ドラム内に送り込むことにより、衣類全体を湿らせ、衣類のシワを効果的に低減することができる。
本発明の実施の形態に係るドラム式洗濯乾燥機の構造を説明するための側面断面図である。 本発明の実施の形態に係るドラム式洗濯乾燥機のミスト生成装置金属およびイオン溶出装置の配置を説明するための筐体背面側から見た斜視図である。 本発明の実施の形態に係るドラム式洗濯乾燥機のミスト生成装置金属およびイオン溶出装置との接続構造を説明するための筐体背面側から見た一部を切り欠いて示す断面図である。 本発明の実施の形態に係るドラム式洗濯乾燥機のミスト生成装置と水槽との接続構造を説明するための側面断面図である。 本発明の実施の形態に係るドラム式洗濯乾燥機のミスト生成装置の構造を説明するための側面断面図である。 本発明の実施の形態に係るドラム式洗濯乾燥機のミスト生成装置の構造を説明するための背面断面図である。 本発明の実施の形態に係るドラム式洗濯乾燥機の金属イオン溶出装置の作動原理を説明するための構成模式図である。 本発明の別の実施の形態に係るドラム式洗濯乾燥機のミスト生成装置の構造を説明するための側面断面図である。 ミスト生成装置を備える従来の洗濯乾燥機の構造を説明するための断面図である。 金属イオン溶出装置、ミスト生成装置を備える従来の洗濯乾燥機の構造を説明するための断面図である。
以下、本発明のドラム式洗濯乾燥機に係る最良の実施の形態について、図面に基づき説明する。なお、下記に開示される実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の技術的範囲は、実施の形態で開示された内容ではなく、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれると解されるべきである。
まず、本発明の実施の形態に係るミスト生成装置を備えたドラム式洗濯乾燥機の構造・動作について、図1〜図4に基づき詳細に説明する。図1は、本発明の実施の形態に係るドラム式洗濯乾燥機の構造を説明するための側面断面図であり、図2は、ドラム式洗濯乾燥機の循環送風経路およびミスト生成装置の配置を説明するための筐体背面側から見た斜視図である。また、図3は、ドラム式洗濯乾燥機のミスト生成装置金属およびイオン溶出装置との接続構造を説明するための筐体背面側から見た一部を切り欠いて示す断面図であり、図4は、ドラム式洗濯乾燥機のミスト生成装置と水槽との接続構造を説明するための側面断面図である。
まず、本発明の実施の形態に係るドラム式洗濯乾燥機1は、洗濯乾燥機筐体2内に図示しないサスペンション構造によって水槽3が宙吊り状態に配設され、水槽3内に有底円筒形に形成された回転ドラム4がその軸心方向を正面側から背面側に向けて下向きに傾斜させて配設されている。水槽3の正面側には回転ドラム4の開口端に通じる衣類出入口が形成され、洗濯乾燥機筐体2の正面側に形成された上向き傾斜面に設けられた開口部を開閉可能に閉じる扉5を開くことにより、衣類出入口を通じて回転ドラム4内に対して洗濯物を出し入れすることができる。扉5が上向き傾斜面に設けられているため、洗濯物を出し入れする作業を、腰を屈めることなく実施でき、一般には横向きにある開口部から洗濯物を出し入れするドラム式洗濯機の作業性の悪さが改善されている。
回転ドラム4には、その周壁4aおよび底壁4bに水槽3内に通じる多数の透孔4cが形成されるととともに、その底壁4bには、水槽3に形成された導風口18に対向する円周方向に沿った複数位置に底面開口4dが形成されており、さらに、周壁4a内面の複数位置に攪拌突起4eが設けられている。この回転ドラム4は、水槽3の背面側に取り付けられたモータ6によって正転および逆転方向に回転駆動される。また、水槽3には、給水管路7および排水管路8が配管接続され、図示しない給水弁および排水弁の制御によって水槽3内への給水および水槽3内からの排水がなされる。
扉5を開いて開口部から回転ドラム4内に洗濯物を投入し、洗剤容器(図示省略)に洗剤を投入して、ドラム式洗濯乾燥機1の運転を開始すると、水槽3内には給水管路7から所定量の注水がなされ、モータ6により回転ドラム4が回転駆動されて洗濯工程が開始される。回転ドラム4の回転により、回転ドラム4内に収容された洗濯物は回転ドラム4の内周壁に設けられた攪拌突起4eによって回転方向に持ち上げられ、持ち上げられた適当な高さ位置から落下する攪拌動作が繰り返されるので、洗濯物には叩き洗いの作用が及んで洗濯がなされる。
所要の洗濯時間が経過した後、汚れた洗濯液は排水管路8から排出され、回転ドラム4を高速で回転させる脱水動作により洗濯物に含まれた洗濯液を脱水し、その後、水槽3内に給水管路7から給水してすすぎ・脱水工程が実施される。このすすぎ・脱水工程においても、回転ドラム4内に収容された洗濯物は、回転ドラム4の回転により攪拌突起4eにより持ち上げられて落下する攪拌動作が繰り返され、すすぎ洗いが実施される。そして、すすぎ洗いを実施した後、再度、回転ドラム4を高速で回転させる脱水動作により洗濯物に含まれた水を脱水して、すすぎ・脱水工程を終了する。
このドラム式洗濯乾燥機1には、回転ドラム4内に収容した洗濯物を乾燥する機能が設けられ、水槽3内の空気を排気して除湿し、加熱した乾燥空気を再び水槽3内に送風する循環送風経路9が設けられている。この循環送風経路9の途中には、洗濯乾燥機筐体2内の下位の位置に、蒸発器10などの除湿手段、凝縮器11などの加熱手段および送風ファン12などの送風手段が設けられている。循環送風経路9は、水槽3から送風ファン12に至る間の循環空気導入管路13と、送風ファン12から水槽3に至る間の乾燥空気送風管路14とで構成されており、乾燥空気送風管路14おける水槽3底面に形成された導風口18に近接した上方の位置にミスト生成装置30が接続されている。
そして、ミスト生成装置30に給水する同じ給水経路(後述の注水ホース34)を通じて金属イオン溶出装置37(イオン溶出装置)が接続され、かつ、金属イオン溶出装置37を上流側にしてミスト生成装置30と金属イオン溶出装置37とが直列に配置されている。
乾燥空気送風管路14は、洗濯乾燥機筐体2内の後方(水槽3の背面側)の空間において、上流側から順に、下部管路15、可撓ダクト16および上部管路17をもって構成されており、上部管路17の下流端の下方に連通口17aが開口され、この連通口17aは水槽3の背面に設けられた導風口18に接続されている。上部管路17は、その下方部分においては筐体2の中央寄りに傾斜して立ち上げられ、途中で略90°屈曲されて、その上方部分においては水槽3の導風口18に向けて下方に傾斜している。可撓ダクト16は、可撓性を有する管材を用いて構成され、回転ドラム4の回転あるいは始動・停止に伴う下部管路15の振動が送風ファン12側に伝達されるのを防止している。蒸発器10で除湿され、凝縮器11で加熱された乾燥空気は、乾燥空気送風管路14を経由して、この導風口18から水槽3、およびその内部に位置する回転ドラム4に送り込まれる。
送風ファン12を高速で回転駆動することにより、循環送風経路9に空気の流れが発生して、洗濯物を収容した回転ドラム4内の湿気た空気は、周壁4aに設けられた透孔4cを通じて水槽3から送風ファン12側への循環空気導入管路13に排気され、送風ファン12の上流に位置する蒸発器10により水分を結露させて除湿されるとともに、凝縮器11との熱交換により加熱されることにより、高温の乾燥空気とされる。
この加熱された乾燥空気は、送風ファン12から水槽3への乾燥空気送風管路14に送り出されて、水槽3に設けられた導風口18を介して水槽3内に送り込まれる。水槽3内に送り込まれた高温の乾燥空気は、回転ドラム4の底壁4bに設けられた底面開口4dおよび透孔4cを通じて回転ドラム4内に導入され、衣類などの洗濯物の間を流通し、乾燥させながら、湿った空気となって周壁4aに設けられた透孔4cから水槽3へと抜け、再度、循環空気導入管路13へと導入される。このような循環送風経路9(循環空気導入管路13、乾燥空気送風管路14)での空気の循環により乾燥工程が実施される。
ここで、本実施の形態に係るドラム式洗濯乾燥機1には、後述するミスト生成装置30および、回転ドラム4を回転させながら乾いた衣類のシワをのばして低減させることを目的とした「シワのばしコース」が設けられている。この「シワのばしコース」においては、蒸発器10および凝縮器11を停止させ、回転ドラム4および送風ファン12の回転速度を通常の乾燥工程におけるよりも低速で回転させるとともに、ミスト生成装置30を起動させることにより、ミスト生成装置30で微細な液滴からなるミスト20を発生させ、このミスト20を乾燥空気送風管路14を流通する乾燥空気流に落とし込んで、詳しくは後述するが、ミスト20中に微細なウェットミストおよびドライミストが多く存在する状態で水槽3に送り込み、回転ドラム4内に導入する。このようにして、回転ドラム4内の隅々にまでミスト20を充満させ、衣類表面を効果的に湿らせて、乾燥状態にある衣類のシワを低減させるシワ低減効果を持たせた工程が実行される。さらに、その後、ミスト生成装置30を停止させ、回転ドラム4および送風ファン12の回転速度を通常の乾燥工程と同じ速度にまで上昇させるとともに、蒸発器10および凝縮器11を動作させて、通常の乾燥運転を実施して、衣類を乾燥させながらその衣類のシワをのばすことができる。なお、上記の「シワのばしコース」においては、必ずしも回転ドラム4を回転させなくてもよい。
また、上記の「シワのばしコース」においては、上記のようにミスト20でシワを低減することが可能であるとともに、さらに以下の原理により脱臭効果も期待できるものである。通常、臭いは、臭い成分が分子として衣類表面に付着している。例えば、タバコ、焼肉の臭いなどがそうであるが、この臭い分子にミスト20がぶつかることで、臭い分子を水の分子自身に溶かし込む作用により、衣類から脱離させる。そして、このようなミスト処理後に、乾燥運転を行い、臭い成分が溶解している水を高温低湿な空気により蒸発させることで、臭い分子が衣類に再付着することを防止し、脱臭することが可能となる。
次に、本発明に係るミスト生成装置30の構成および「シワのばしコース」について、図5、図6および前掲の図面に基づき詳細に説明する。図5は、本発明の実施の形態に係るドラム式洗濯乾燥機のミスト生成装置の構造を説明するための側面断面図であり、図6は、その背面断面図である。
ミスト生成装置30は、この導風口18に近接した上方の位置に配設され、ミスト発生源としての水21を貯留する水溜め容器31と、水溜め容器31に貯留された水21に対して超音波振動を加える超音波振動子32と、水溜め容器31に水21を注入する注水装置33と、水溜め容器31内の水温を測定する水温センサ35と、を備えて構成されている。そして、ミスト生成装置30の水溜め容器31が、水槽3の背面において導風口18に隣接した上方位置に配置され、導風口18の上方に位置する接続口31eを介して直接乾燥空気送風管路14(循環送風経路9)の上部管路17に接続されている。
水溜め容器31は、水槽3の背面外側に隣接して固定され、水溜め容器31の水槽3に対向する前方側の側壁31bが水槽3の背面に沿って鉛直方向に対して傾斜して形成され、後方側の側壁31bが洗濯乾燥機筐体2の背面パネルに沿って鉛直方向に形成され、水溜め容器31の底壁31a側が幅広に形成されている。
この水溜め容器31には、ミスト発生源としての水21が貯留されており、その上部にこの水21を注水装置33から注入する注水口31cが設けられ、上部管路17に対向する側の側壁31bに開口堰31dが設けられ、これにより、導風口18の上方部分で上部管路17に接続する接続口31eが設けられている。注水口31cから水溜め容器31内に注入された水21をこの開口堰31dから接続口31eを介して導風口18上方の上部管路17にオーバーフローさせることにより、簡単な構成で水溜め容器31内の水21を一定の水位に保つように構成している。なお、この開口堰31dからオーバーフローした水21は、接続口31e、上部管路17および導風口18を介して水槽3に送給され、排水管路8を経由して機外に排出される。
超音波振動子32は、超音波振動を発生させる圧電素子の振動面32aを水溜め容器31の底壁31aに密着させて配置されており、圧電素子を作動させることにより、超音波発信方向32b(振動面32aに垂直な方向)に超音波振動が伝達されて水溜め容器31内の水21に液柱22が形成される。なお、図6に示すように、超音波振動子32は、振動面32aが接続口31eの反対側に向くように傾斜して取り付けられているので、液柱22は、接続口31eの反対側の側壁31b内面方向に向いて形成される。この液柱22の形成に伴い、矢印で示すように水溜め容器31内の水21には液柱22に沿って上昇し、側壁31b内面に沿って下降および上昇する、水21および空気の対流が発生する。それとともに、この液柱22を通して伝達された超音波振動が水21の表面を微細に振動させ、これにより液柱22の先端付近の表面張力を弱めて、液柱22の微細な振動に応じた微細な液滴であるミスト20(霧)を発生させ、このミスト20は、前記した水21の対流運動に押し出されるようにして超音波発信方向32bに向けて放出される、水21および空気の対流に従って側壁31b内面に沿って下降および上昇し、その後、貯留された水21の表面および側壁31b内面に沿って接続口31eを介して導風口18上方の上部管路17に放出される。そして、上部管路17に放出されたミスト20は、すぐ下方の導風口18から水槽3に送り込まれ、さらに、回転ドラム4の底面開口4dを回転ドラム4内に導入される。
さらに、本実施の形態においては、ミスト20を回転ドラム4内に導入する際に、送風ファン12を500rpm程度の回転速度で回転させている。このときの循環送風経路9内での空気流の送風量は0.07m3 /minとなり、通常の乾燥工程における定格運転時(送風ファン12を回転速度5800rpmで回転させ、乾燥空気送風管路14に2.2m3 /minの風量の乾燥空気が送り込まれる)に対して、回転ファンの回転速度で1/10程度、送風量で1/30程度に相当している。このような弱い風量で乾燥空気送風管路14に空気を流通させることにより、ミスト20を導風口18から回転ドラム4内に押し込む風圧が作用して、適正に回転ドラム4内に導入することができるとともに、さらに、ウェットミストとともに、浮遊性の高いドライミストも同時に導風口18から回転ドラム4内に導入することができ、衣類の温度が常温近くにあり、ミスト20の温度が高い場合、衣類表面に水分が凝縮して、より一層効率的に衣類を湿らせることができる。
このような効果を得るための循環送風経路9内での空気流の送風量としては、0.05
3 /min〜1.00m3 /minが適当であり、この送風量が0.05m3 /min未満であると、ウェットミストが回転ドラム4内に導入される際に、回転ドラム4内にある衣類が障害となって、回転ドラム4内に十分入り込めず、その一部が水槽3と回転ドラム4との間に流れ落ちることもあり、さらに、ドライミストの回転ドラム4内に導入される量が減って上記の効果が十分に得られないことになる。また、循環送風経路9内での空気流の送風量が1.00m3 /minを超えると、ウェットミストが乾燥空気送風管路14(上部管路17)の管壁に衝突してウェットミストの存在比率を減少させ、かつドライミストも衣類に付着することなく、回転ドラム4内を通過してしまうことになる。
さらに、本実施の形態においては、図3および図6に示すように、水溜め容器31の乾燥空気送風管路14に繋がる接続口31eの上方部近辺に整流フィン36(整流手段)を設けている。整流フィン36は、接続口31eから乾燥空気送風管路14側に入った位置で乾燥空気送風管路14を水平に横断する板状の部材により構成されている。上述したように、「シワのばしコース」において送風ファン12を回転駆動したとき、乾燥空気送風管路14内に空気の流れが発生するが、整流ファン36を設けない場合、空気送風管路14内を流通してきた空気が接続口31eからミスト生成装置30(水溜め容器31)内部に入りにくいが、整流フィン36を設けることにより、破線矢印で示すように、空気の一部が整流フィン36の上方部分を通過することによって分岐され、接続口31eの上方部からミスト生成装置30内に導入され、その後、ミスト生成装置30内を循環して、接続口31eから再び乾燥空気送風管路14に戻る空気の流れが形成されることになる。このような状態の中で、ミスト生成装置30で発生したミスト20は、上述した空気の流れに乗って乾燥空気送風管路14に流れ込み、さらに、自重および空気の流れにより、導風口18に向けて落とし込まれ、水槽3、さらには回転ドラム4内に導入されることになる。
なお、液柱22は、上述したように接続口の反対側の側壁内面に向かって傾斜して形成されるので、液柱22によって水21が直接接続口を介して上部管路内にこぼれてしまうのを防止することができため、水溜め容器31内の水21の余分な減少を防止することができる。
注水装置33は、水溜め容器31においてミスト20発生により消費された水21を補給するためのものであり、注水装置33の下方に設けられた給水口33aと水溜め容器31の注水口31cとの間は注水ホース34によって接続され、その間の適所に開閉弁(図示省略)と金属イオン溶出装置37を備えている。注水装置33は、ミスト生成装置30を起動させた最初の段階で、開閉弁を開いて、水溜め容器31内に水が溜まるのに十分な所定時間だけ、注水装置33の給水口33aから注水ホース34を介して水21を送給するとともに、過剰な水21を側壁31bの開口堰31dからオーバーフローさせて、水溜め容器31内の水21を一定の水位に保つ。この起動初期における注水動作は、休止中に蒸発等により減った水溜め容器31内の水21を補充し、常に一定水位の状態下でミスト生成装置30を運転するためのものである。
水温センサ35は、サーミスタ等を用いて構成され、水溜め容器31内の水温を測定するものである。水温センサ35により測定された水温が所定温度(超音波振動子32の使用上限温度あるいはそれより少し低い温度に設定)を超えた場合には、注水装置33から水21を補給して、水温を下げ、常に水溜め容器31内の水温が上記の所定温度を超えないようにする。
ミスト生成装置30により発生するミスト20は、その粒径により浮遊性や表面張力(濡れ性)などの特性が異なる。すなわち、粒径10μm未満の超微細ミストは、ドライミストとも呼ばれ、極めて微細であるため、表面張力が高く、浮遊性が高いが、物に付着したときの濡れ性が低いといった特徴を有している。粒径10〜50μmの微細ミストは、ウェットミストとも呼ばれ、上記のドライミストと比較して粒子径が相対的に大きいため、表面張力が弱く、物に付着したときの濡れ性が高いといった特徴を有している。粒径50μmを越える比較的粗大なミストは、水滴に近い性質を持っている。
そして、ミスト生成装置30で発生したミスト20は、導風口18まで移動する間に水溜め容器31の側壁31bや上部管路17の管壁に衝突したり、あるいは、互いに凝集したりして、次第に粗大ミストが脱落分離され、微細なウェットミストがその存在比率を増していく。そして、ウェットミストを主体とする状態で回転ドラム4内に導入される。ここで、ウェットミストを主体とする状態のミスト20とは、ウェットミストが体積存在率で全体の50%を超える状態であり、レーザ回折散乱法による測定装置で測定されミスト20の粒度分布において、平均粒径(メディアン径D50 )が10〜50μmの範囲にあ
る状態を意味する。
ミスト20が導風口18まで移動する間の経路が長かったり、その経路途中に屈曲部が存在したりすると、微細なウェットミストまでが凝集して脱落分離され、ミスト20中のウェットミストの存在比率が減少し、ドライミストを主体としたミスト20になるため、望ましくない。上記した構成によると、ミスト生成装置30で発生したミスト20が、導風口18の上方に位置するミスト生成装置30(水溜め容器31)と乾燥空気送風管路14(上部管路17)との接続口31eから、乾燥空気送風管路14に送り込まれ、自重で落下し、導風口18から、ウェットミストを主体とする状態で水槽3に落とし込まれ、さらに回転ドラム4内に導入される。しかも、送風ファン12が洗濯乾燥機筐体2内の下位の位置に配置され、この送風ファン12から乾燥空気送風管路14に乾燥空気が送り込まれるので、ミスト20が導入されるミスト生成装置30の接続口31eでは、送風ファン12からの風圧(動圧)の影響を受けることなく、ミスト20が乾燥空気流中に導き入れられることになる。
このように、ミスト生成装置30から導風口18まで移動経路が短く、しかも、自重で落下するように構成されているため、移動経路の途中でのウェットミストの凝集を抑制し、濡れ性に優れた粒径10〜50μmのウェットミストを主体とする状態でミスト20を回転ドラム4内に導入して充満させることができ、衣類表面を効果的に湿らせることができるとともに、このような状態の衣類を乾燥することにより、衣類に入ったシワを効果的に低減することができる。
さらに、「シワのばしコース」においては、必ずしも回転ドラム4を回転させなくても衣類のシワ低減効果が得られるが、本実施の形態では上述したように、回転ドラム4を回転させている。回転ドラム4内にある衣類は常温の乾燥した状態にあるのに対して、超音波振動子32の発振により水溜め容器31内の水温が上昇するため、発生するミスト20は高温になる。したがって、ドライミストも高温の状態で回転ドラム4内に導入することができるため、ウェットミストだけでなく、ドライミストも、ミストの温度よりも低い温度にある衣類の表面および回転ドラム4の周壁4a等に容易に凝縮して結露するが、このとき回転ドラム4を回転駆動させることにより、衣類がかき混ぜられ、ドライミストを含むミスト20が衣類に邪魔されずに回転ドラム4内に導入することができ、衣類全体をさらに効率的に湿らせることができる。
本実施の形態においては、ミスト20を接続口31eから乾燥空気送風管路14に送り込み、自重により落下させ、空気流に乗せて、導風口18から水槽3、さらには回転ドラム4内に導入するとともに、ミスト導入時(ミスト生成装置起動時)においては、回転ドラム4を衣類がかき混ぜられる45rpm程度の回転速度で静かに回転させている。このように、回転ドラム4を静かに回転させることにより、そのままでは回転ドラム4内の底部付近に滞留しやすいウェットミストを回転ドラム4内の隅々にまで充満させることができ、回転ドラム4内の衣類を濡れ性の高いウェットミストにより効果的に湿らせることができる。そして、このような状態の衣類を乾燥することにより、衣類に入ったシワを効果的に低減することができる。
このようなウェットミストを回転ドラム4内の隅々にまで充満させるため、回転ドラム4を静かに回転させるときの回転速度は15〜80rpmが適当であり、この回転速度が15rpm未満であると、導風口から導入されたミスト20の一部が回転ドラム4の底部付近に滞留することになり、回転速度が80rpmを超えると、ミスト20の一部が遠心力で回転ドラム4の側壁の方に押しやられ、側壁等に衝突してウェットミストの存在比率を減少させることになる。
次に、本発明に係る金属イオン溶出装置37の作動原理について、図7に基づき詳細に説明する。図7は、本発明の実施の形態に係るドラム式洗濯乾燥機の金属イオン溶出装置の作動原理を説明するための構成模式図である。
金属イオン溶出装置37は、水21の流入口と流出口が形成された容器内の流水経路に、互いに平行に対向する形で2つの電極(陽極38と陰極39)を配置したものである。これらの陽極38と陰極39のうち、少なくとも陽極38は金属製の電極で構成され、陽極38と陰極39との間に所定の電圧を印加することにより電気分解反応が起こり、陽極38側から陽極38を構成する金属のイオンが溶出される。本実施の形態では、本発明のドラム式洗濯乾燥機1が「Agコース」を備えることから、陽極38に銀電極を使用している。このような金属イオン溶出装置37では、電圧の印加の有無により金属イオンの溶出/非溶出を選択することができ、しかも、電流を制御することにより金属イオンの溶出量を制御することができる。
なお、陽極38を構成する金属は、銀に限定されることなく、銅、亜鉛、またはそれらの合金であってもよい。これらの金属はいずれも、抗菌性を有し、特に、銀電極から溶出する銀イオンおよび亜鉛電極から溶出する亜鉛イオンは、殺菌効果に優れ、銅電極から溶出する銅イオンは、防カビ性に優れている。また、銀、銅、亜鉛を含んでなる合金であれば、成分金属のイオンを同時に溶出させることができ、その金属イオンの特徴である抗菌性、殺菌性、防カビ性を兼ね備えたものとすることもできる。
金属イオン溶出装置37は、注水ホース34のミスト生成装置30の上流側に配置されて接続され、陽極38と陰極39との間に所定の電圧を印加することにより、金属イオンを含む水21をミスト生成装置30の水溜め容器31に供給する。このように金属イオン溶出装置37を作動させて、金属イオンを含む水21をミスト生成装置30の水溜め容器31に供給するタイミングは、本実施の形態においては、「Agコース」を実行している間と、「シワのばしコース」を実行した後である。また、「Agコース」においては、ミスト生成装置を作動させない。
本実施の形態において、「Agコース」を実行するときには、すすぎ工程におけるすべてのステップまたは少なくとも最終のすすぎステップで、金属イオン溶出装置37で生成された金属イオンが溶出した水21が、ミスト生成装置30の水溜め容器31に供給され、水溜め容器31からオーバーフローして、乾燥空気送風管路14の導風口18から回転ドラム4内に送給され、この経路とは別の洗剤容器を経て同じく回転ドラム4内に供給される水で希釈されて、洗濯物のすすぎが実施される。このようにすすぎ工程で洗濯物に金属イオンが溶出した水21を供給することにより、洗濯物の内部にまで金属イオンを浸透させることができるため、他の方法、例えば、ミスト20中に金属イオンを含ませるよりも有利であり、乾燥後の衣類への付着効率も高くなる。金属イオン溶出装置の陽極38・陰極39間に印加する電流を制御したり、洗剤容器を経て供給される水との希釈率を制御したりすることにより、すすぎ水中の金属イオンの濃度を制御することができ、これによって乾燥後の衣類に所望の除菌・抗菌効果を付与することができる。
一方、本実施の形態においては、ミスト生成装置30で発生したミスト20を回転ドラム4内に送り込んで、洗濯物の「シワのばし工程」を実施した後、最終の乾燥工程を実施するまでの間、あるいは実施している間に、ミスト生成装置30の水溜め容器31に、金属イオン溶出装置37により生成された金属イオンが溶出した水21を供給して貯留する。これにより、水溜め容器31に貯留された水21が除去されずに長期間放置されても、あるいは、強制的に排除しなくても、水溜め容器31に貯留された水21にカビや菌が繁殖することがないようにすることができる。なお、「シワのばし工程」において、ミスト生成装置30によりミスト20を発生させるときには、金属イオン溶出装置37では金属イオンを溶出させずに、単に金属イオン溶出装置37の中を通過した水21がミスト生成装置30に供給される。
ミスト生成装置30を作動させた後に、水溜め容器31内に貯留されている水21を強制的に排出しようとすれば、水溜め容器31内の水21を排除する機構(排水経路や開閉弁など)を設けたり、そのための制御を追加したりする必要があり、また、排除し切れなかった水21が残留して水垢となって水溜め容器31内に付着して残るといった問題があった。また、水溜め容器31内の水を蒸発させて除去しようとすれば、水溜め容器31の容量を余り大きくできず、ミスト20の発生量を減少させてしまうという問題が生じる。これらに対して、本実施の形態では、ミスト生成装置30およびイオン溶出装置37に水21を供給する排水ホース34の上流側に一つの開閉弁を配設するだけでよく、この開閉弁を共通化させることにより部品点数を減らし、給水経路(排水ホース34)を簡単な構成とすることが可能となるので、製造コストを低減することができる。
さらに、ミスト生成装置30におけるミスト20の生成、およびイオン溶出装置37における金属イオンの溶出は、電気的に制御可能であり、給水経路が同じであっても、ミスト20の生成および/または金属イオンの溶出を行う、あるいはミスト20の生成も金属イオンの溶出も行わないといったプロセスの選定を容易に実現することができる。
(上記実施の形態における変形例)
上記の実施の形態では、水溜め容器31の側壁31bに開口堰31d設けられ、ミスト生成装置30を起動させる最初の段階で、注水装置33から水溜め容器31に水21を注入して、開口堰31dからオーバーフローさせる動作を自動的に行うように構成していたが、図8に示すように、この開口堰31dに加えて、圧力検知式等の水位センサ37を水溜め容器31の底壁31aもしくはその周辺部に設けても良い。そして、この水位センサ37により測定された水位が、水溜め容器31の底壁31aから所定水位(例えば、10mm)未満となったときに、注水装置33から水溜め容器31に水21を注入するように構成すれば良い。これにより、ミスト生成装置30を起動させる最初の段階で注水装置33から水溜め容器31に自動的に注水する動作を行うことなく、過度に水位が低下している場合にだけ注水動作を実行することにより、水溜め容器31内の水位を所定水位以上に保って、超音波振動子32が劣化しやすくなるのを防止することができる。
なお、上記の実施の形態では、ミスト生成装置30内のミスト発生源として水21を用いた例を説明したが、用途に応じて、Agイオン電解液、洗剤液、消臭液、除菌液等を用いてもよく、それぞれの液剤(ミスト発生源)に対応した効果を得ることができる。
上記の実施の形態では、回転ドラムを傾斜配置したドラム式洗濯乾燥機を例にとって、本発明の技術的内容を説明したが、回転ドラムを水平方向に配した(回転ドラムの軸心を鉛直方向に配した)洗濯機にも本発明の技術的内容を適用することができ、また、乾燥機を伴わない洗濯機にも適用することができる。
1 ドラム式洗濯乾燥機
2 洗濯乾燥機筐体
3 水槽
4 回転ドラム
9 循環送風経路
10 蒸発器(除湿手段)
11 凝縮器(加熱手段)
12 送風ファン(送風手段)
18 導風口
20 ミスト
21 水(液体)
30 ミスト生成装置
31 水溜め容器
31e 接続口
32 超音波振動子
33 注水装置
34 注水ホース
35 水温センサ
36 整流フィン
37 金属イオン溶出装置

Claims (2)

  1. 多数の透孔が形成され、洗濯物を収容して回転駆動される回転ドラムが水槽内に設けられ、該水槽内への給水、排水および前記回転ドラムの回転の制御により洗濯、すすぎ、脱水の各工程を実施するとともに、送風手段により前記水槽内の空気を除湿手段および加熱手段を備えた循環送風経路を通して循環させることにより洗濯物の乾燥工程を実施するドラム式洗濯乾燥機において、
    前記循環送風経路に水溜め容器を有し、洗濯物のシワのばし工程において、該水溜め容器に貯留された水に超音波振動を加えることによりミストを発生させるミスト生成装置と、
    すすぎ工程において、金属イオンが溶出された水を回転ドラム内に供給する金属イオンを溶出させるイオン溶出装置と、を備え、
    前記ミスト生成装置と前記イオン溶出装置とが同じ給水経路を通じて接続されるともに、前記給水経路において、前記イオン溶出装置が前記ミスト生成装置よりも上流側に配置され、前記すすぎ工程において、前記ミスト生成装置を停止させ、金属イオンが溶出した水を前記水溜め容器に供給して溢れさせることにより、前記循環送風経路から前記回転ドラム内に金属イオンが溶出した水を供給し、前記シワのばし工程において、前記ミスト生成装置を駆動させ、発生したミストを前記循環送風経路から前記回転ドラム内に送り込むことを特徴とするドラム式洗濯乾燥機。
  2. 濯物のシワのばし工程を実施した後に、前記ミスト生成装置の前記水溜め容器に、前記イオン溶出装置により生成された金属イオンが溶出した水を供給して貯留することを特徴とする請求項1に記載のドラム式洗濯乾燥機。
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