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JP4645865B2 - 顔料添加剤、顔料組成物及び塗料用樹脂組成物 - Google Patents

顔料添加剤、顔料組成物及び塗料用樹脂組成物 Download PDF

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JP4645865B2
JP4645865B2 JP2000114997A JP2000114997A JP4645865B2 JP 4645865 B2 JP4645865 B2 JP 4645865B2 JP 2000114997 A JP2000114997 A JP 2000114997A JP 2000114997 A JP2000114997 A JP 2000114997A JP 4645865 B2 JP4645865 B2 JP 4645865B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、顔料添加剤、顔料組成物及び塗料用樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
有機顔料は、一般に、無処理の状態では塗料、インキ等で使用する場合に分散性、流動性、光沢、鮮明性、経時安定性等が悪い。そのために、インキ、塗料等の色材分野において使用する有機顔料は、分散性、流動性、光沢、鮮明性、経時安定性等の適性を付与するために、表面処理を施した顔料を用いることが一般的である。
【0003】
従来、この顔料の表面処理に使用する処理剤としては、たとえば、「ピグメント・ハンドブック(PIGMENT HANDBOOK)」第3巻157〜167頁(1973年発行)記載のロジン、ロジン誘導体、顔料誘導体、合成樹脂が開示されており、その表面処理方法としては、ロジンにおいては、アルカリ金属塩として水に溶解させ、これを顔料の水性スラリー中に添加し、その後不溶性のフリーの酸または金属塩として顔料表面に析出させる方法、ロジン誘導体、合成樹脂においては、その水性分散体を顔料の水性スラリー中に添加する方法が開示されている。
【0004】
また、特公平2−44336号公報では、有機顔料と無機顔料をシランカップリング剤を介して複合顔料化し、着色力、分散性、混色安定性を改良する方法が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、シランカップリング剤処理された有機顔料だけをそのまま顔料として用いると、例えばそれから得られたた塗料は、塗料としての流動性、混色安定性、貯蔵安定性がいずれも不十分であるという欠点があった。
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、例えば塗料を製造する際の分散樹脂に対する選択性が少なく、つまり、アルキド樹脂、アクリル樹脂等、多種類の分散樹脂に対して良好な分散性を示し、得られた塗料は、流動性、混色安定性、着色力、経時安定性等に優れた特性を有する、顔料添加剤、顔料組成物及びこれらの顔料組成物を使用して得られる塗料用樹脂組成物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、シランカップリング剤未処理の有機顔料に、シランカップリング剤処理された有機顔料スルホン酸誘導体を顔料添加剤として添加した顔料組成物は、シランカップリング剤処理された有機顔料をそのまま顔料として用いた場合に比べて、流動性、混色安定性、貯蔵安定性がいずれも良好となることを見い出し本発明を完成するに至った。
【0008】
また、シランカップリング剤未処理の有機顔料に、シランカップリング剤処理された有機顔料スルホン酸誘導体と、シランカップリング剤未処理の無機顔料を併用すると、上記顔料組成物より流動性が良好になること、さらにシランカップリング剤未処理の有機顔料に、シランカップリング剤処理された有機顔料スルホン酸誘導体と、シランカップリング剤処理されたの無機顔料を併用すると、上記顔料組成物より混色安定性が良好になることも見い出した。
【0009】
即ち本発明は、次の発明を提供する。
(1) 下記一般式(I)または(II)で表されるシランカップリング剤処理された、キナクリドン系化合物顔料スルホン酸誘導体またはフタロシアニン系化合物顔料スルホン酸誘導体と、キナクリドン系化合物顔料またはスレン系化合物顔料とを含有してなる顔料組成物。
【化1】
Figure 0004645865
【化2】
Figure 0004645865
但し、式(I)、(II)中、R1、R2は炭素原子数1〜5の分岐していても良いアルキル基であり、R3、R4は炭素原子数1〜3の分岐していても良いアルキル基であり、m、nは0〜4の整数でm+n=3である。
(2) キナクリドン系化合物顔料またはスレン系化合物顔料が、シランカップリング剤処理された有機顔料である上記記載の組成物。
(3) 沈降性硫酸バリウムまたは炭酸カルシウムを更に含む上記1又は2記載の組成物。
(4) 沈降性硫酸バリウムまたは炭酸カルシウムが、シランカップリング剤処理された無機顔料である上記記載の組成物。
(5) 有機顔料と、沈降性硫酸バリウムと炭酸カルシウムとの重量比が、有機顔料/無機顔料=99/1〜51/49である上記記載の組成物。
(6) キナクリドン系化合物スルホン酸誘導体またはフタロシアニン系化合物スルホン酸誘導体が、対応する顔料のスルホン酸、スルホン酸金属塩、スルホン酸アンモニウム塩、スルホン酸アミン塩のいずれか1種類以上であることを特徴とする上記1、2、3、4または5記載の組成物。
(7) 液状樹脂と、上記1、2、3、4、5または6記載の組成物とを含む塗料用樹脂組成物。
【0018】
【発明の実施形態】
本発明は、顔料添加剤として、シランカップリング剤処理された有機顔料のスルホン酸誘導体を用いることを最大の特徴とする。
【0019】
本発明においてシランカップリング剤処理とは、被処理物をシランカップリング剤と接触させて、被処理物の表面をシランカップリング剤で物理的に被覆するか、または被処理物の表面にシランカップリング剤の主骨格を化学的に結合させることを意味するが、処理の効果がより高くより長期間に亘って発揮できる点で、後者が好ましい。被処理物としては、後述するが、有機顔料、有機顔料のスルホン酸誘導体、無機顔料がある。この方法については後に詳述する。
【0020】
本発明の有機顔料としては、公知慣用の有機顔料がいずれも使用できるが、例えば、キナクリドン系化合物顔料、フタロシアニン系化合物顔料、スレン系化合物顔料、ペリレン系化合物顔料、フタロン系化合物顔料、ジオキサジン系化合物顔料、イソインドリノン系化合物顔料、メチン・アゾメチン系化合物顔料、ジケトピロロピロール系化合物顔料、アゾレーキ系化合物顔料、不溶性アゾ系化合物顔料、縮合アゾ系化合物顔料等が挙げられ、なかでも、キナクリドン系化合物顔料、スレン系化合物顔料からなる群から選ばれる1種以上の有機顔料が好ましい。
【0021】
上記顔料の製造方法については、公知慣用の製造方法がいずれも採用できるが、たとえば「インダストリアル オーガニックピグメンツ(Industrial Organic Pigments)」(1993年発行)に記載されている方法により得ることができる。
【0022】
有機顔料の具体例を挙げるすると次の通りである。
キナクリドン系化合物顔料としては、例えば.I.Pigment Violet 19、同42、C.I.Pigment Red 122、同202、同206、同207、同209、C.I.Pigment Orange 48、同49等の顔料が挙げられる。
【0023】
フタロシアニン系化合物顔料としては、例えばC.I.Pigment Blue 15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、C.I.Pigment Green 7、同36等の顔料が挙げられる。
【0024】
スレン系化合物顔料としては、例えばC.I.Pigment Blue 60、C.I.Pigment Yellow 24、同108、C.I.Pigment Red 168、同177、C.I.Pigment Orange40等の顔料が挙げられる。
【0025】
ペリレン系化合物顔料としては、例えばC.I.Pigment Violet 29、C.I.Pigment Red 123、同149、同178、同179、C.I.Pigment Black 31、同32、C.I.Pigment Orange 43等の顔料が挙げられる。
【0026】
フタロン系化合物顔料としては、例えば、C.I.Pigment Yellow 138等の顔料が挙げられる。
【0027】
ジオキサジン系化合物顔料としては、例えばC.I.Pigment Violet 23、同37等の顔料が挙げられる。
【0028】
イソインドリノン系化合物顔料としては、例えばC.I.Pigment Yellow 109、同110、同173、C.I.Pigment Orange 61等の顔料が挙げられる。
【0029】
メチン・アゾメチン系化合物顔料としては、例えばC.I.Pigment Yellow 139、同185、C.I.Pigment Orange 66、C.I.Pigment Brown 38等の顔料が挙げられる。
【0030】
ジケトピロロピロール系化合物顔料としては、例えばC.I.PigmentRed 254、同255等の顔料がある。
【0031】
アゾレーキ系化合物顔料としては、例えばC.I.Pigment Red 48:1、同48:2、同48:3、同48:4、同48:5、同49:1、同49:2、同49:3、同50:1、同51:1、同52:1、同52:2、同53:1、同57:1、同58:2、同58:4、同60:1、同63:1、同63:2、同64:1、同200、同211、同238、同239、同240、同243、同245、同247、C.I.Pigment Yellow 61、同62:1、同104、同133、同168、同169、同183、同190、同191、C.I.Pigment Orange 17、同17:1、同19、同46等の顔料が挙げられる。
【0032】
不溶性アゾ系化合物顔料としては、例えば C.I.Pigment Yellow 1、同3、同12、同13、同14、同17、同55、同73、同74、同81、同83、同97、同130、同151、同152、同154、同156、同165、同166、同167、同170、同171、同172、同174、同175、同176、同180、同181、同188、C.I.Pigment Orange 16、同36、同60、C.I.Pigment Red 5、同22、同31、同112、同146、同150、同171、同175、同176、同183、同185、同208、同213、C.I.Pigment Violet 43、同44、C.I.Pigment Blue 25、同26等の顔料が挙げられる。
【0033】
縮合アゾ系化合物顔料としては、例えば C.I.Pigment Yellow 93、同94、同95、同128、同166、C.I.Pigment Orange 31、C.I.Pigment Red 144、同166、同214、同220、同221、同242、同248、同262、C.I.Pigment Brown 41、同42等の顔料がある。
【0034】
本発明においてこれら有機顔料は、2種以上を併用することもできる。この有機顔料は、シランカップリング剤処理されていてもされていなくともよい。
【0035】
有機顔料として、シランカップリング剤処理された有機顔料を得る場合には、有機顔料100重量部に対するシランカップリング剤の処理量は、1〜20重量部で、3〜10重量部の範囲にあることが好ましい。
【0036】
本発明におけるキナクリドン系化合物顔料スルホン酸誘導体またはフタロシアニン系化合物顔料スルホン酸誘導体(以下、有機顔料スルホン酸誘導体という。)とは、上記した様な有機顔料の化学構造(骨格)を残基として有すると共に、その中に、スルホン酸基またはスルホン酸基を塩基にて中和して得られた基(スルホン酸塩たる基)を含むものである。
【0037】
具体的には、例えば有機顔料スルホン酸、有機顔料スルホン酸金属塩、有機顔料スルホン酸アンモニウム塩、有機顔料スルホン酸アミン塩が挙げられる。当該誘導体一分子中には、スルホン酸基またはスルホン酸基を塩基にて中和して得られた基から選ばれる2種以上の基を含んでいても良い。また、本発明においてこれら有機顔料のスルホン酸誘導体は、異なる2種以上を併用することもできる。
【0038】
本発明で使用する有機顔料スルホン酸誘導体は、公知慣用の方法で製造することが出来るが、例えば特開平11−246807号公報記載の有機顔料をスルホン化剤を用いて溶剤中で湿式反応で得ることが出来る。
【0039】
また、スルホン酸基及び/又はスルホン酸塩に加えて、さらにフタルイミドメチル基、N−(ジアルキルアミノ)メチル基、N−(ジアルキルアミノアルキル)スルホン酸アミド基からなる群から選択される少なくとも一つの基を含む有機顔料のスルホン酸誘導体も使用することが出来る。
【0040】
有機顔料スルホン酸誘導体としては、中でも下記(III)の構造のいずれか1種類以上の誘導体を用いることが特に好ましい。
【0041】
【化1】
Q−(SO3M)n (III)
【0042】
但し、式(III)中、nは1〜4であり、Qはフタロシアニン、キナクリドン顔料残基であり、MはH、Na、Mg、Al、Caまたは4級アミンである。
【0043】
本発明で被処理物をシランカップリング処理する際に使用する後記する(I)または(II)のシランカップリング剤(以下、単にシランカップリング剤という。)としては、公知慣用のものがいずれも使用できるが、アミノシラン、例えばN−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシランが好ましい。
【0044】
本発明で使用するシランカップリング剤の市販品としては、例えば東芝シリコーン株式会社製のTSL8331、TSL8340、TSL8345、信越化学工業株式会社製のKBM602、KBM603、KBE903、日本ユニカー株式会社製のA−1110、A−1120が挙げられる。本発明においてこれらシランカップリング剤は、2種以上を併用することもできる。
【0045】
シランカップリング剤は、酸性と塩基性との組合せに基づく、有機顔料スルホン酸誘導体に含まれるスルホン酸基等との相互作用により、より強固な化学的結合が望める点で、下記(I)、(II)の構造である
【0046】
【化2】
2N−R1−NH−R2−Si(OR3n(R4m (I)
【0047】
【化3】
(H2N−R1l−Si(OR3n(R4m (II)
【0048】
但し、式(I)、(II)中、R1、R2は炭素原子数1〜5の分岐していても良いアルキル基であり、R3、R4は炭素原子数1〜3の分岐していても良いアルキル基であり、m、nは0〜4の整数でm+n=3である。
【0049】
有機顔料スルホン酸誘導体100重量部に対するシランカップリング剤の処理量は、例えば10〜500重量部で、30〜200重量部の範囲にあることが好ましい。
【0050】
この被処理物としては、有機顔料スルホン酸誘導体が必須であるが、場合によっては、有機顔料及び/又は無機顔料も被処理物としてシランカップリング剤処理されても良い。
【0051】
本発明の顔料組成物は、有機顔料と、シランカップリング剤処理された有機顔料スルホン酸誘導体を必須成分とを含むものである。上記の様にして得られた顔料添加剤は、それを例えば有機顔料に添加することにより顔料組成物とすることが出来る。
【0052】
本発明において、これら有機顔料スルホン酸誘導体は、スルホン酸基またはスルホン酸塩たる基を除く有機顔料部分の構造が、組み合わせて使用する有機顔料と同一化学構造のもので無くても使用することが出来るが、同一構造であるほうがより好ましい。
【0053】
有機顔料100重量部に対する、シランカップリング処理された有機顔料のスルホン酸誘導体の含有量は、1〜30重量部で、4〜20重量部の範囲にあることが好ましい。
【0054】
本発明の顔料組成物は、有機顔料、シランカップリング処理された有機顔料のスルホン酸誘導体の他に、さらに無機顔料を含めることも出来る。
【0055】
本発明で使用する無機顔料としては、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化クロム、鉄黒、コバルトブルー、アルミナ白、酸化鉄黄、ビリジアン、硫化亜鉛、リトボン、カドミウムイエロー、朱、カドミウムレッド、黄鉛、モリブデートオレンジ、ジンククロメート、ストロンチウムクロメート、ホワイトカーボン、クレー、タルク、群青、沈降性硫酸バリウム、バライト粉、炭酸カルシウム、鉛白、紺青、マンガンバイオレット、カーボンブラック、アルミニウム粉、パール系顔料が使用出来る。
【0056】
無機顔料としては、例えば黄鉛、カドミウムイエロー、カドミウムレッド、又は、カルシウム、亜鉛、鉛、ニッケル、コバルト、クロム、アンチモン、銅、マンガン、バリウム、アルミニウム、タングステン及びチタンの元素の1種類以上からなる単体、酸化物、硫酸化合物、炭酸化合物、リン酸化合物及び/又はケイ酸化合物である無機顔料からなる群から選ばれる1種類以上の無機顔料が好ましい。
【0057】
本発明においてこれら無機顔料は、2種以上を併用することもできる。この無機顔料は、シランカップリング剤処理されていてもされていなくともよい。
【0058】
無機顔料として、シランカップリング剤処理された無機顔料を得る場合には、無機顔料100重量部に対するシランカップリング剤の処理量は、10〜50重量部で、30〜200重量部の範囲にあることが好ましい。
【0059】
本発明の顔料組成物を調製するに当たって、有機顔料のみならず、無機顔料をも併用する場合には、有機顔料と無機顔料の重量比は任意に選択でき、より発色が良好な有機顔料を主体とすることが出来るが、有機顔料/無機顔料=99/1〜51/49、中でも95/5〜75/25とすることが好ましい。
【0060】
次に、有機顔料スルホン酸誘導体を必須成分として用いるシランカップリング剤処理について説明する。有機顔料スルホン酸誘導体と有機顔料とを両方ともシランカップリング剤処理するには、有機顔料スルホン酸誘導体と有機顔料とをそれぞれ別々にシランカップリング剤処理してから両者を混合することも出来るが、あらかじめ有機顔料スルホン酸誘導体と有機顔料とを混合しておいて、この混合物をシランカップリング剤処理することも出来る。
【0061】
同様に、有機顔料スルホン酸誘導体と有機顔料と無機顔料を全てシランカップリング剤処理するには、有機顔料スルホン酸誘導体と有機顔料と無機顔料とをそれぞれ別々にシランカップリング剤処理してから三者を混合することも出来るが、あらかじめ有機顔料スルホン酸誘導体と有機顔料と無機顔料とを混合しておいて、この混合物をシランカップリング剤処理することも出来る。
【0062】
シランカップリング剤処理は、有機顔料スルホン酸誘導体を必須成分として、必要に応じて有機顔料及び/又は無機顔料をも併用して、それにシランカップリング剤を添加してよく混合すると共に、熱を加えて有機顔料表面に化学的にシランカップリング剤残基を結合させるのが、優れた性能を有する顔料添加剤またはそれを含んだ顔料組成物を得る上で好ましい。
【0063】
シランカップリング剤処理は、有機顔料スルホン酸誘導体のみ含む水性スラリーにシランカップリング剤を加える様にしても良いが、有機顔料スルホン酸誘導体と有機顔料を必須成分として含む水性スラリーにシランカップリング剤を加える様にするのが、一回の操作で本発明の顔料添加剤を含んだ顔料組成物が得られる点で好ましい。勿論、必要ならこの操作を行う際に、さらに無機顔料を水性スラリー中に含めることも出来る。
【0064】
水性スラリーとしては、例えば、水系で製造される有機顔料又は有機顔料スルホン酸誘導体においては、顔料化後又はスルホン化後の水性スラリー、顔料化後又はスルホン化後の水性スラリーを濾過洗浄し、ミキサー、高速分散攪拌機、アジター等を用いて再度水に解膠した水性スラリーを用いることができる。
【0065】
また、有機溶剤中で製造される有機顔料に関しては、有機溶剤を除去し、水性スラリーに置換した水性スラリーを用いることができる。さらに有機顔料又は有機顔料スルホン酸誘導体の乾燥粉末を、分散攪拌機、サンドミル、ボールミル、アトライター、ペイントコンデショナー、ハイスピードミキサー等を用いて、水に分散した水性スラリーも用いることができる。また、この時、アルコール等を添加して、乾燥粉末を水に濡れやすくして行うことも可能である。
【0066】
水性スラリー中の有機顔料又は有機顔料スルホン酸誘導体の量は、特に制限されるものではないが、水100重量部に対して通常1〜20重量部で、3〜10重量部の範囲にあることが好ましい。
【0067】
また、シランカップリング剤を添加時の水性スラリーの温度は、通常は5〜95℃、好ましくは、60〜85℃である。また、シランカップリング剤添加後、上記添加温度で、10分〜24時間、好ましくは30分〜2時間攪拌し、シランカップリング処理を行い、本発明の顔料添加剤または顔料顔料組成物を得ることが出来る。
【0068】
この水性スラリーから、顔料組成物のみを分離する。この場合には、例えばヌッチェ、フィルタープレス等の濾過機によって顔料組成物を濾別することが出来る。次に、中性、酸性、又はアルカリ性の湯、又は水で洗浄することが好ましい。
【0069】
濾別、洗浄後の乾燥としては、例えば、乾燥機に設置した加熱源による80〜120℃の加熱等により、顔料組成物の脱水及び/又は脱溶剤をする回分式あるいは連続式の乾燥等が挙げられ、乾燥機としては一般に箱型乾燥機、バンド乾燥機、スプレードライアー等がある。
【0070】
また、乾燥後の粉砕としては、箱型乾燥機、バンド乾燥機を用いた乾燥の場合のように顔料組成物が塊状等のとなった際に顔料組成物を粉末化するために通常行うものであり、例えば、乳鉢、ハンマーミル、ディスクミル、ピンミル、ジェットミル等による粉砕等が挙げられる。また、得られた粉末を篩い又は気流分級機等により、粗粒を除くことが好ましい。
【0071】
本発明の顔料添加剤又は顔料組成物は、公知慣用の用途、例えば電子トナー、プラスチック、塗料、印刷インキ、ゴム、レザー、捺染、カラーフィルター、ジェットインキ、熱転写インキなどの色材用に適性の優れた顔料組成物を提供することができる。
【0072】
本発明の顔料組成物の代表的な用途は塗料である。塗料用樹脂組成物は、液状樹脂と本発明の顔料組成物とを含めれば容易に調製できる。
【0073】
本発明によって着色すべき塗料用樹脂組成物に用いる液状樹脂は、天然または合成されたものであることが出来る。液状樹脂としては、被膜が形成出来るものが好ましい。例えば、油ワニス、セラックニス、ラッカー、フタル酸樹脂、アルキド樹脂、メラミンアルキド樹脂、エポキシ樹脂、ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、アクリルメラミン樹脂、フッ素樹脂、ケイ素樹脂、塩化ゴム樹脂等がある。本発明においてこれら液状樹脂は、2種以上を併用することもできる。
【0074】
また、顔料添加剤及び/又は顔料組成物を液状樹脂中で分散し又は混合し、塗料用樹脂組成物とする時に、通常の添加剤類、例えば、分散剤類、充填剤類、塗料補助剤類、乾燥剤類、可塑剤類及び/又は補助顔料を用いることが出来る。これは、それぞれの成分を、単独又は幾つかを一緒にして全ての成分を集め、又はそれらの全部を一度に加えることによって、分散又は混合して達成される。
【0075】
上記顔料組成物を分散する分散機としては、ディスパー、ホモミキサー、ペイントコンディショナー、スキャンデックス、ビーズミル、アトライター、ボールミル、二本ロール、三本ロール、加圧ニーダー等の公知の分散機が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0076】
上記添加剤類としては、公知慣用の、BYK Chemie製のDisperbyk−160、同161、同162、同163、同164、同166、同、170、同171、同174、同180、同182、同183、同185、同2000、同2001等やZeneca製のSolsperse3000、同6000、同17000、同20000等や、共栄社化学株式会社製のフローレンDOPA−22、同DOPA−17、同DOPA−15、同AF−205、同AF−405、同AF−1000等も使用することも可能である。
【0077】
有機顔料に対する顔料添加剤の量は、最終用途の塗料の必要条件により異なるが、所定の何れかの量で加えられる。通常有機顔料100重量部に対して、顔料添加剤は0.01〜20重量部、好ましくは、0.1〜10重量部である。
【0078】
液状樹脂に対する顔料添加剤の量は、最終用途の塗料の必要条件により異なるが、所定の何れかの量で加えられる。通常液状樹脂100重量部に対して、顔料添加剤は0.001〜4重量部、好ましくは、0.01〜2重量部である。
【0079】
液状樹脂に対する顔料組成物の量は、最終用途の塗料の必要条件により異なるが、所定の何れかの量で加えられる。通常液状樹脂100重量部に対して、顔料組成物は0.01〜40重量部、好ましくは、0.1〜20重量部である。
【0080】
シランカップリング剤未処理の有機顔料に、シランカップリング剤処理された有機顔料スルホン酸誘導体のみを添加した本発明の顔料組成物1は、シランカップリング剤処理された有機顔料のみに対して、例えば塗料分野での使用においては、流動性、着色力、混色安定性及び貯蔵安定性に優れる。
【0081】
顔料組成物1にシランカップリング剤未処理の無機顔料をさらに添加した本発明の顔料組成物2は、本発明の顔料組成物1に対して、例えば塗料分野での使用においては、流動性がより良好になる。
【0082】
顔料組成物1にシランカップリング剤処理された無機顔料をさらに添加した本発明の顔料組成物3は、本発明の顔料組成物2に対して、例えば塗料分野での使用においては、混色安定性がより良好になる。
【0083】
本発明の顔料添加剤及び顔料組成物は、塗料用樹脂組成物向けとして、広範囲の分散樹脂系に対して良好な分散性を示す。また、得られた塗料用樹脂組成物は、流動性が良好で、高鮮明・高着色力で混色安定性が良く、さらに良好な貯蔵安定性を示すので、建物・建材用塗料、構造物用塗料、船舶用塗料、道路車両用塗料、電気・機械用塗料、金属製品用塗料、木工製品用塗料、家庭用塗料等に優れた塗装を提供できる。
【0084】
【実施例】
以下、実施例、参考例及び比較例を用いて、本発明を更に詳細に説明する。
以下の例において、「部」及び「%」は、特に断りのない限り、夫々『重量部』及び『重量%』を表わす。
【0085】
実施例1
2,9−ジメチルキナクリドンを常法による溶剤顔料化を行った後、溶剤を水置換して得たC.I.Pigment Red 122(キナクリドン系化合物顔料)の乾燥品換算で100部を水1000部に分散した60℃の水性スラリーに、キナクリドン誘導体(2,9−ジクロルキナクリドンスルホン酸)5部を添加し攪拌し均一な水系スラリーを得た。
【0086】
次いで、このスラリーを80℃まで昇温した後、シランカップリング剤(A−1100、日本ユニカー株式会社製アミノシランカップリング剤)10.8部(有効成分10部)を添加し、80℃で2時間攪拌後ろ過した。濾取した濾残を60℃の湯で洗浄し、100℃で15時間以上乾燥して、C.I.PigmentRed 122と2,9−ジクロルキナクリドンスルホン酸とを含む顔料組成物113部を得た。
【0087】
この顔料組成物中のC.I.Pigment Red 122と2,9−ジクロルキナクリドンスルホン酸とは、いずれもシランカップリング剤処理されており、両者表面にシランカップリング剤の主骨格が化学的に結合していた。
【0088】
比較例1
実施例1のシランカップリング剤を添加しないで実験を行った。その結果C.I.Pigment Red 122と2,9−ジクロルキナクリドンスルホン酸とを含む顔料組成物104部を得た。
【0089】
実施例2
無置換キナクリドンを常法による溶剤顔料化を行った後、溶剤を水置換して得たC.I.Pigment Violet 19(キナクリドン系化合物顔料)の乾燥品換算で100部を水2000部に分散した60℃の水性スラリーに、無機顔料として沈降性硫酸バリウム(BF−20P、堺化学工業株式会社製)10部キナクリドン誘導体(3,11−ジクロルキナクリドンスルホン酸アルミニウム)5部を添加し攪拌し均一な水系スラリーを得た。
【0090】
次いで、このスラリーを80℃まで昇温した後、シランカップリング剤(A−1120、日本ユニカー株式会社製アミノシランカップリング剤)5.4部(有効成分5部)を添加し、80℃で2時間攪拌後ろ過した。濾取した濾残を60℃の湯で洗浄し、100℃で15時間以上乾燥してC.I.Pigment Violet 19と3,11−ジクロルキナクリドンスルホン酸アルミニウムと沈降性硫酸バリウムとを含む顔料組成物成物118部を得た。
【0091】
この顔料組成物中のC.I.Pigment Violet 19と3,11−ジクロルキナクリドンスルホン酸アルミニウムと沈降性硫酸バリウムとは、いずれもシランカップリング剤処理されており、いずれの表面にもシランカップリング剤の主骨格が化学的に結合していた。
【0092】
比較例2
実施例2のシランカップリング剤を添加しないで実験を行った。その結果C.I.Pigment Violet 19と3,11−ジクロルキナクリドンスルホン酸アルミニウムと沈降性硫酸バリウムとを含む顔料組成物108部を得た。
【0093】
実施例3
インダンスロンブルーを常法による溶剤顔料化を行った後、溶剤を水置換して得たC.I.Pigment Blue 60(スレン系化合物顔料)の乾燥品換算で100部を水1500部に分散した60℃の水性スラリーに、銅フタロシアニン誘導体(銅フタロシアニンスルホン酸アミン塩)7部を添加し攪拌し均一な水系スラリーを得た。
【0094】
次いで、このスラリーを50℃まで昇温した後、シランカップリング剤(KBM603、信越化学工業株式会社製アミノシランカップリング剤)7部を添加し、80℃で2時間攪拌後ろ過した。濾取した濾残を60℃の湯で洗浄し、100℃で15時間以上乾燥した後、無機顔料として炭酸カルシウム(ゲルトン−50、白石工業株式会社製)3部を加えてC.I.Pigment Blue 60と銅フタロシアニンスルホン酸アミン塩と炭酸カルシウムとを含んだ顔料組成物成物115部を得た。
【0095】
この顔料組成物中のC.I.Pigment Blue 60と銅フタロシアニンスルホン酸アミン塩とは、いずれもシランカップリング剤処理されており、いずれの表面にもシランカップリング剤の主骨格が化学的に結合していた。
【0096】
比較例3
実施例3のシランカップリング剤を添加しないで実験を行った。その結果C.I.Pigment Blue 60と銅フタロシアニンスルホン酸アミン塩と炭酸カルシウムとを含んだ顔料組成物109部を得た。
【0097】
試験例
《塗料組成物の流動性、着色力、混色安定性及び、貯蔵安定性の試験方法》
(評価例1)
<メラミンアルキド焼付塗料調整>
各実施例及び各比較例で得たいずれかの顔料組成物12.0g、アルキド樹脂(大日本インキ化学工業株式会社製の「ベッコゾールHP−300−HHV」)48.0g、キシレン75%及びn−ブタノール25%から成る混合溶剤28.5g及びガラスビーズ(3mmφ)150gを容量250mlのガラス瓶に入れ、ペイントコンディショナーを用いて2時間分散させた後、同じアルキッド樹脂88.5g及びメラミン樹脂(大日本インキ化学工業株式会社製の「スーパーベッカミン17−502」)60.0gを追加し、ペイントコンディショナーを用いて更に10分間分散させて色エナメルを得た。
【0098】
(白エナメルの調製)
チタン白(石原産業株式会社社製の「タイペークR−930」)48.0g、色エナメルの調製に用いたものと同じアルキッド樹脂40.0g、キシレン75%及びn−ブタノール25%から成る混合溶剤25.0g、及び色エナメルの調製に用いたものと同じガラスビーズ150gを容量500mlのガラス瓶に入れ、ペイントコンディショナーを用いて1時間分散させた後、同じアルキッド樹脂32.0g及び色エナメルの調製に用いたものと同じメラミン樹脂15.0gを追加し、ペイントコンディショナーを用いて更に10分間分散させて白エナメルを得た。
【0099】
次に、このようにして得た色エナメル3部及び白エナメル15部を混合して白希釈エナメルを作製した。
【0100】
<塗料用樹脂組成物の流動性の評価>
このようにして得た色エナメルを、20℃のもとでB型粘度計で回転数60rpmの条件で測定し、その結果を表1にまとめて示した。
【0101】
<塗料用樹脂組成物の着色力の評価>
白希釈エナメルをそれぞれアート紙上にアプリケータを用いてウェット膜厚が150μmと成るように塗布し30分室温で静置した後、130℃で20分間焼き付けて試験片を得た。
【0102】
このようにして得た試験片を分光光度計(データカラーインターナショナル社製の「SPECTRAFLASH SF500」)を用いて測色し、比較例の顔料組成物を用いた白希釈エナメル塗膜を100%とし、それに対応する実施例の顔料組成物を用いた白希釈エナメル塗膜の着色力より評価し、その結果を表1にまとめて示した。
【0103】
<塗料組成物の混色安定性の評価>
白希釈エナメルをそれぞれアート紙上にアプリケータを用いてウェット膜厚が150μmと成るように塗布した後、5分後未乾燥塗膜の一部を指でラビングし、塗膜の下相の色を出して30分室温で静置した後、、130℃で20分間焼き付けて試験片を得た。
【0104】
このようにして得た試験片を分光光度計(データカラーインターナショナル社製の「SPECTRAFLASH SF500」)を用いて未ラビング部に対するラビング部の△L*を測色し、その結果を表1にまとめて示した。
【0105】
<塗料用樹脂組成物の貯蔵安定性の評価>
このようにして得た色エナメルを密封して、50℃2週間恒温槽に貯蔵した後に20℃のもとでB型粘度計で回転数60rpmの条件で測定し、貯蔵前の同条件の粘度に対する増粘率で評価し、その結果を表1にまとめて示した。
【0106】
【表1】
表1.メラミンアルキド塗料用樹脂組成物の評価結果
Figure 0004645865
【0107】
表1に示した結果から、各実施例で得た顔料組成物は、メラミンアルキド塗料組成物に場合、対応する比較例の顔料組成物に比べて粘度が低いので流動性が良好であり、着色力が高く良好であり、混色安定性では負の値とならず良好であり、貯蔵における増粘率が低く貯蔵安定性が良好であることが明らかである。
【0108】
(評価例2)
<アクリルメラミン焼付塗料調整>
各実施例及び各比較例で得たいずれかの顔料組成物15.0g、アクリル樹脂(大日本インキ化学工業株式会社製の「アクリディック53−580」)30.0g、キシレン75%及びn−ブタノール25%から成る混合溶剤40.0g及びガラスビーズ(3mmφ)150gを容量250mlのガラス瓶に入れ、ペイントコンディショナーを用いて2時間分散させた後、同じアクリル樹脂93.7g及びメラミン樹脂(大日本インキ化学工業株式会社製の「スーパーベッカミン47−508−60」)26.0gを追加し、ペイントコンディショナーを用いて更に10分間分散させて色エナメルを得た。
【0109】
(白エナメルの調製)
チタン白(石原産業株式会社社製の「タイペークR−930」)48.0g、色エナメルの調製に用いたものと同じアクリル樹脂40.0g、キシレン75%及びn−ブタノール25%から成る混合溶剤25.0g、及び色エナメルの調製に用いたものと同じガラスビーズ150gを容量500mlのガラス瓶に入れ、ペイントコンディショナーを用いて1時間分散させた後、同じアクリル樹脂32.0g及び色エナメルの調製に用いたものと同じメラミン樹脂15.0gを追加し、ペイントコンディショナーを用いて更に10分間分散させて白エナメルを得た。
【0110】
次に、このようにして得た色エナメル3部及び白エナメル15部を混合して白希釈エナメルを作製した。
【0111】
評価例1と同じ方法で、塗料組成物の流動性、着色力、混色安定性、貯蔵安定性の評価を行い、その結果をまとめて表2に示した。
【0112】
【表2】
表2.アクリルメラミン塗料組成物評価結果
Figure 0004645865
【0113】
表2に示した結果から、各実施例で得た顔料組成物は、アクリルメラミン塗料組成物に場合、対応する比較例の顔料組成物に比べて粘度が低いので流動性が良好であり、着色力が高く良好であり、混色安定性では負の値とならず良好であり、貯蔵における増粘率が低く貯蔵安定性が良好であることが明らかである。
【0114】
【発明の効果】
本発明の顔料添加剤又顔料組成物は、例えば塗料用樹脂組成物向けとして、広範囲の分散樹脂系に対して良好な分散性を示す。また、得られた塗料用樹脂組成物は、流動性が良好で、高鮮明・高着色力で混色安定性が良く、さらに良好な貯蔵安定性を示すという格別顕著な効果を奏する。

Claims (7)

  1. 下記一般式(I)または(II)で表されるシランカップリング剤処理された、キナクリドン系化合物顔料スルホン酸誘導体またはフタロシアニン系化合物顔料スルホン酸誘導体と、キナクリドン系化合物顔料またはスレン系化合物顔料とを含有してなる顔料組成物。
    Figure 0004645865
    Figure 0004645865
    但し、式(I)、(II)中、R1、R2は炭素原子数1〜5の分岐していても良いアルキル基であり、R3、R4は炭素原子数1〜3の分岐していても良いアルキル基であり、m、nは0〜4の整数でm+n=3である。
  2. キナクリドン系化合物顔料またはスレン系化合物顔料が、シランカップリング剤処理された有機顔料である請求項記載の組成物。
  3. 沈降性硫酸バリウムまたは炭酸カルシウムを更に含む請求項1又は2記載の組成物。
  4. 沈降性硫酸バリウムまたは炭酸カルシウムが、シランカップリング剤処理された無機顔料である請求項記載の組成物。
  5. 有機顔料と、沈降性硫酸バリウムと炭酸カルシウムとの重量比が、有機顔料/無機顔料=99/1〜51/49である請求項記載の組成物。
  6. キナクリドン系化合物スルホン酸誘導体またはフタロシアニン系化合物スルホン酸誘導体が、対応する顔料のスルホン酸、スルホン酸金属塩、スルホン酸アンモニウム塩、スルホン酸アミン塩のいずれか1種類以上であることを特徴とする請求項1、2、3、4または5記載の組成物。
  7. 液状樹脂と、請求項1、2、3、4、5または6記載の組成物とを含む塗料用樹脂組成物。
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