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JP4644307B2 - 放射線イメージセンサ - Google Patents

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JP4644307B2
JP4644307B2 JP2010157157A JP2010157157A JP4644307B2 JP 4644307 B2 JP4644307 B2 JP 4644307B2 JP 2010157157 A JP2010157157 A JP 2010157157A JP 2010157157 A JP2010157157 A JP 2010157157A JP 4644307 B2 JP4644307 B2 JP 4644307B2
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Description

本発明は、放射線画像を画像データとして取得する放射線イメージセンサに関し、特に、マンモグラフィ等に用いられる縁まで検出能力を有する放射線イメージセンサに関する。
医療用、産業用のX線撮影において、近年、X線感光フィルムに代えて、放射線検出素子を用いた放射線イメージングシステムが広く用いられるようになってきた。こうした放射線イメージングシステムは、X線感光フィルムのように現像の必要がなく、リアルタイムに放射線画像を確認することができるなど利便性が高く、データの保存性や取扱いの容易性の面でも優位な点を有する。
一般的な放射線イメージングシステムは、入射した放射線画像をシンチレータによって可視光等(紫外線・赤外線を含む。)に変換し、変換後の光像を1次元または2次元状に配列された光検出素子により検出して画像データに対応する電気信号として出力する。典型的なシンチレータ材料であるCsIは、吸湿性材料であって、空気中の水蒸気(湿気)を吸収して溶解する性質がある。そこで、吸湿による特性劣化を防止するためにシンチレータを外気から遮断するための保護膜を設ける必要がある。
特許文献1は、こうした技術の一例であり、シンチレータ層の上部に水分不透過性の防湿バリヤを形成してシンチレータを湿気から保護するものである。
特開平5−196742号公報
ところで、乳ガンの早期発見には、乳房を挟み込んでそのX線撮影を行うマンモグラフィを触診と併用することが有効と言われている。このマンモグラフィにおいては、乳房の根元部分まで正確にそのX線像を取得する必要があり、低い照射X線量で高解像度の画像を取得する必要があることから、他の分野に比較して放射線イメージングシステムの普及が進んでいない。特に、X線については可視光のような光学系による像の反射・屈折・拡縮が利用できない。そのため、乳房の根元部分までのX線像を放射線イメージングシステムで正確に取得するためには、根元部分にシンチレータ、撮像素子を近接して配置するほかない。つまり、イメージングセンサの少なくとも一方の周縁部にシンチレータ・撮像素子が配置されている必要があるが、このような構造では、特許文献1の技術のような防湿バリヤの形成は困難である。
そこで本発明は、少なくとも一方の周縁部まで放射線画像の検出が可能な構造のイメージセンサパネルを備えた放射線イメージセンサにおいて、シンチレータの耐湿性を確保した放射線イメージセンサを提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明に係る放射線イメージセンサは、マウント基板上にイメージセンサ部を配置した放射線イメージセンサであって、そのマウント基板は、イメージセンサの配置面からその裏面に貫通する複数の貫通孔を備え、そのイメージセンサ部は、(1)第1の表面と第2の表面とを表裏面とする平板状のセンサ基板と、(2)センサ基板の第1の表面上に、少なくともその一辺に近接して2次元状に配置された複数の光電変換素子からなる受光部と、(3)少なくとも受光部表面に堆積され、入射した放射線に応じて光電変換素子が検出可能な波長の光を出力するシンチレータと、(4)センサ基板の第1の表面上の、前記受光部に近接する辺側を開いて前記シンチレータの前記辺側を除く三方を囲んでコの字状に配置されている樹脂層と、(5)シンチレータ表面からセンサ基板の受光部が近接する辺側の側壁部を経て第2の表面に至る部分を連続して一体に被覆しており、樹脂層によって受光部が近接する辺を除く側の周縁部が固定されている保護膜と、を備え、第2の表面上の保護膜をマウント基板とセンサ基板で挟み込む形でマウント基板の配置面上に配置され、貫通孔を包囲して配置される接着材で固定されていることを特徴とする。
本発明に係る放射線イメージセンサによると、センサ基板の少なくとも一辺に近接して配置されている光電変換素子からなる受光部により、この周縁部分ぎりぎりまで有効画素として機能する。そして、シンチレータは保護膜で被覆されて保護される。シンチレータはセンサ基板上で特定の1辺ないし3辺によって配置されているが、シンチレータが近接していない辺とシンチレータの間には樹脂層が設けられ、この樹脂層によって保護膜の周縁部が固定される。周縁部と樹脂層の関係は、樹脂層上に周縁部を配置する、周縁部上に樹脂層を配置する、樹脂層で周縁部を挟み込む、の3種の形態が考えられる。シンチレータが近接している辺側では、保護膜は、その辺の側壁を超えて裏面(第2の表面)まで延びており、そこで、マウント基板とセンサ基板との間に挟み込まれて固定される。
この貫通孔を利用してセンサ基板の第1の表面と第2の表面のそれぞれに付加される空気圧に差を生ぜしめ、それにより、センサ基板をマウント基板へと押しつけつつ、接着材による固定を行う。
接着材は、マウント基板配置面上に碁盤目状に配置されていることが好ましい。これにより、接着材は配置面上の貫通孔開口部の間に適切に配置される。

本発明によれば、保護膜の外縁は樹脂層で固定されるか、マウント基板とセンサ基板との間に挟み込まれて固定されるので、外縁からの剥がれを効果的に防止できる。そのため、シンチレータの耐湿性が向上する。そして、周縁部ぎりぎりまで有効画素を配置することができ、その部分のシンチレータの劣化を抑制することができるので、例えば、マンモグラフィに利用した場合に、乳房の根元部分まで解像度の高い画像を取得することができ、正確な診断を行うことができる。
マウント基板に貫通孔を設け、載置したイメージセンサの表面側の空気圧を裏面側の空気圧より高くすることで、イメージセンサをマウント基板へと押しつけて固定することができる。この方法によれば、シンチレータに機械的に強い力を付与することがないため、シンチレータの損傷を予防でき、製品の歩留りが向上する。
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の参照番号を附し、重複する説明は省略する。
図1は、本発明に係る放射線イメージセンサの第1の実施形態を示す正面図であり、図2はその断面図である。この放射線イメージセンサ100は、マウント基板20上にイメージセンサ部1を載置した構成をとり、マンモグラフィに使用されるものである。図3は、イメージセンサ部1の斜視図であり、図4は、その正面図、図5は、そのV−V線断面図、図6は、そのVI−VI線断面図である。
イメージセンサ部1は、矩形平板であるSi基板10(大きさ231mm×184mm、厚さ0.8mm)の一方の面(以下、第1の表面と称する。)10a上に、光電変換を行うフォトダイオードを2次元状に配置して受光領域である光感応部11を形成している。各フォトダイオードには、フォトダイオードからの電荷読み出しを制御するためのMOSFET(metal oxide semiconductor field-effect transistor:金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ)が対応して配置されている。本実施形態の光感応部11は、Si基板10の一辺10bに近接して配置されており、220mm×180mm程度の大画面を有している。
Si基板10の第1の表面10aに形成された光感応部11の周囲の領域には、それぞれシフトレジスタ12と、チャージアンプアレイ13とが配置され、光感応部11から離れた2辺に沿ってボンディングパッド部14が配置されている。シフトレジスタ12は、Si基板10上に形成された配線(図示せず)により各MOSFETに電気的に接続され、その作動を制御する。チャージアンプアレイ13は、Si基板10に形成された配線(図示せず)によりMOSFETを通して各フォトダイオードに電気的に接続されており、当該フォトダイオードからの出力信号を増幅して出力する。チャージアンプアレイ13は、複数の増幅アンプ(チャージアンプ)と、これに並列に接続された容量素子、スイッチ素子からなる。
ボンディングパッド部14は、複数のボンディングパッドからなり、対応するチャージアンプアレイ13またはシフトレジスタ12と図示していない配線によって電気的に接続されている。
光感応部11上には、放射線(例えば、X線)を光感応部11で検出可能な光(紫外線、赤外線または可視光)に変換するシンチレータ層16が直接堆積されている。シンチレータ層16は、光感応部11全面を覆うとともに、シフトレジスタ12やチャージアンプアレイ13が形成されている領域までを覆っていてもよいが、ボンディングパッド部14上には達することはない。
このシンチレータ層16としては、各種の材料を用いることができるが、発光効率がよいTlドープのCsI等が好ましい。このCsIは、第1の表面10aから上に伸びる多数の柱状結晶(針状結晶)として形成されている。
シンチレータ層16を囲む第1の表面10a上には、辺10b側に開いたコの字形の枠である樹脂層17が形成されている。この樹脂層17には、シリコン樹脂である信越化学製のKJR651あるいはKE4897、GE東芝シリコン製のTSE397、住友スリーエム製のDYMAX625T等を用いることができる。シリコン樹脂のほか絶縁性、防湿製の各種樹脂を用いることができる。
シンチレータ層16は、潮解性を有するため、耐湿保護膜18で表面が覆われている。この耐湿保護膜18は、シンチレータ層16の全表面を覆い、3辺は樹脂層17の上にまで達している。そして、辺10b側では、その側壁10cを超えて第1の表面10aの裏面にあたる第2の表面10dにまで到達している。樹脂層17上以外のシンチレータ層16が形成されていない部分では、耐湿保護膜18は、Si基板10に密着しており、全体が連続的に一体形成されている。
この耐湿保護膜18としては、有機膜を用いることが好ましく、特に、パリレン系樹脂、例えば、ポリパラキシリレン樹脂(スリーボンド社製、商品名パリレン)のうち、ポリパラクロロキシリレン(同社製、商品名パリレンC)を用いることが好ましい。パリレンによるコーティング膜は、水蒸気およびガスの透過がきわめて少なく、撥水性、耐薬品製も高いほか、薄膜でも優れた電気絶縁性を有し、放射線、可視光線に対しても透明であるという特徴を有し、コーティング膜としてふさわしい。
耐湿保護膜18の外縁は、上から被覆樹脂層19によって覆われている。この被覆樹脂層19は、例えば、アクリル系樹脂からなる。被覆樹脂層19は、同時に樹脂層17を外側から覆うとともに、側壁10c部分では、Si基板10に直接密着している。
マウント基板20は、セラミック製の平板であり、イメージセンサ部1より広い面積を有している。本実施形態の場合は、248mm×225.7mmであり、厚さ3.5mmである。イメージセンサ部1は、マウント基板20の側壁20aの一つに、上述した辺10b側の側壁10cが沿うように、偏らせて配置している。このとき、イメージセンサ部1の側壁10cは、マウント基板20の側壁20aより1mm程度内側に位置させることが好ましい。
このマウント基板20には、イメージセンサ部1の載置面からその裏面に達する貫通孔21が多数設けられている(図12参照)。これらの貫通孔21は、イメージセンサ部1の載置面側から見て、等間隔に引かれた格子線の交点上に配置されている。以下、隣接する貫通孔21の間隔であるピッチをpで表す。これらの貫通孔21はイメージセンサ部1を載置する領域内のみに設ければ足りるが、載置領域をはみ出して全面に設けても構わない。貫通孔21の大きさ、配置はマウント基板20の強度や、厚み、貫通孔21の通気性を考慮して適宜設定される。本実施形態では、貫通孔21の直径は、0.4mm〜0.5mm程度に、そのピッチpは、20mmに設定されている。その結果、イメージセンサ部1の載置面(231mm×184mm)上には、11×8個の貫通孔21が存在することになる。
イメージセンサ部1と、マウント基板20の間には接着材30が介在している。この接着材30は、貫通孔21を避けて、水平方向で隣接する貫通孔21との間の略中心位置上に配置される。具体的には、貫通孔21を配置する格子線を、格子線の延長方向である2方向にそれぞれ0.5pずつずらした格子線上に延在するよう接着材30は配置されている。本実施形態では、接着材30の幅は1mm、厚みは0.5mm程度とされる。この接着材30としては、アサヒ科学研究所社アサヒタイトEX−29−5等のエポキシ系の絶縁性樹脂からなる接着材を用いるとよい。
また、イメージセンサ部1の第2の表面部分にまで達している耐湿保護膜18部分は、マウント基板20上の接着材30とイメージセンサ部1のSi基板10との間に固定されており、マウント基板20とSi基板10との間に挟み込まれて固定されている。
マウント基板20のイメージセンサ部1に隣接してイメージセンサ部1のボンディングパッド部14と向き合う領域には、ボンディングパッド部22が配置され、対応するボンディングパッド同士がワイヤにより接続されている(ワイヤボンディング)。マウント基板20のイメージセンサ部1の載置領域の外側には、処理回路等が配置された回路部24が設けられており、回路部24と対応するボンディングパッド22とは図示していない配線によって電気的に接続されている。回路部24には、画像信号の出力端子や電源入力端子等が配置されている。
次に、この放射線イメージセンサ100の製造方法を図7〜図15を参照して具体的に説明する。まず、図7に示されるように、Si基板10上に光感応部11、シフトレジスタ12、チャージアンプアレイ13、ボンディングパッド部14を形成済みのイメージセンサ1aを用意する。ここで、光感応部11は、Si基板10の中央に位置するのではなく、少なくとも特定の一辺側に偏在して配置されている。このイメージセンサ1aは、例えば、12インチ(約30センチ)径のSiウエハ上にステッパ装置等を利用した公知の手法により集積化された回路を形成した後に所望のサイズに裁断することで製造することができる。
次に、光感応部11より広い領域が露出するようにマスクを施した状態でSi基板10をシンチレータの蒸着室内に配置し、シンチレータ層16を形成する。ここで、光感応部11が近接しているSi基板10の側壁部分についてもマスクから露出させておく。マスクとしては、光感応部11の周囲の3辺に沿った部分でSi基板10を反対向きに保持する蒸着ホルダーを用いるとよい。この状態で、蒸着室内にTl、CsI蒸気を導入し、Si基板10の露出部分にTlをドープしたCsIの柱状結晶を堆積させて成長させる(蒸着)。蒸着されたシンチレータ層16の厚みが所望の厚み(例えば、300μm)に達したら蒸着室からシンチレータ層16が形成されたイメージセンサ1b(図8参照)を取り出す。これにより、側壁部10cに至る光感応部11上の全面にわたって均一な厚みを持つシンチレータ層16を形成することができる。
次に、シンチレータ層16を囲むように、側壁部10c側を開放したコの字型の枠上の樹脂層17を形成する。この樹脂層17形成には、岩下エンジニアリング社製のAutoShooter-3型のような自動X−Yコーティング装置を用いるとよい。ここで、樹脂層17は第1層17aを形成後、その上に第2層17bを形成することで、2層構造として高さを確保している(図9参照)。ここで、後工程で形成する耐湿保護膜18の密着性を向上させるため、第2層17bの上面を粗面処理しておくことが好ましい。この粗面処理としては、表面に多数の筋やくぼみを形成する処理がある。
シンチレータ層16を形成するCsIは、吸湿性が高く、露出したままにしておくと空気中の水蒸気を吸湿して溶解してしまう(潮解性を有する)。そこで、シンチレータ層16の保護のため、図10に示されるように、CVD(化学的蒸着)法によりシンチレータ層16が形成されたイメージセンサ1bの略全体を厚さ10μmのパリレンで包み込み、耐湿保護膜18を形成する。
具体的には、金属の真空蒸着と同様に真空中で蒸着によるコーティングを行うもので、原料となるジパラキシリレンモノマーを熱分解して、生成物をトルエン、ベンゼンなどの有機溶媒中で急冷しダイマーと呼ばれるジパラキシリレンを得る工程と、このダイマーを熱分解して、安定したラジカルパラキシリレンガスを生成させる工程と、発生したガスを素材上に吸着、重合させて分子量約50万のポリパラキシリレン膜を重合形成させる工程からなる。
CsIの柱状結晶の間には隙間があるが、パリレンはこの狭い隙間にある程度入り込むので、耐湿保護膜18は、シンチレータ層16に密着し、シンチレータ層16を密封する。このパリレンコーティングにより、表面に微細な凹凸のあるシンチレータ層16の上に均一な厚さの精密薄膜コーティングを形成することができる。また、パリレンのCVD形成は、金属蒸着時よりも真空度が低く、常温で行うことができるため、加工が容易である。
こうして形成した耐湿保護膜18を樹脂層17の長手方向に沿ってカッター50で切断し(図11参照)、切断部より外側の耐湿保護膜18を除去する。樹脂層17で凸部が形成されているため、目標切断箇所の視認が容易になるととともに、カッター50で切断する際に樹脂層17の厚さ(高さ)の分だけ第1の表面10aとカッター50との間に余裕が生ずるので、樹脂層17の下に存在する図示していない信号線を傷つけるおそれがなくなり、加工が簡単になる。このため、製品の歩留りを向上させることができる。
その後、耐湿保護膜18の切断部の外周部と露出した樹脂層17を覆うようにアクリル系樹脂をコーティングして、紫外線照射により硬化させることで被覆樹脂層19を形成する。このとき、Si基板10の側壁10c側では、耐湿保護膜18の外縁とこれに隣接する露出している樹脂層17の端面および側壁10c部分にコーティングするとよい。これにより、図3〜図6に示されるイメージセンサ部1が得られる。
次に、図12に示されるように貫通孔21を有するマウント基板20を用意し、マウント基板20のイメージセンサ部1の載置面に格子状に絶縁樹脂製の接着材30を塗布する。この接着材30塗布は上述したようなX−Yコーティング装置を用いて行うと、貫通孔21から離隔した所定の位置に正確に接着材30を塗布することができ好ましい。
接着材30を塗布したら、マウント基板20の載置面にイメージセンサ部1をその第2の表面10dを向けて載置し(図13参照)、その状態でマウント基板20を図14に示されるような装置6へ導入する。この装置6は、導入されたマウント基板20の上側に面する空間60と下側に面する空間61とがマウント基板20によって分離される構成をとる。そして、下側の空間61内の空気を排出する真空ポンプ62を備えている。
マウント基板20を装置6に導入したら、真空ポンプ62を作動させて下側の空間61内を減圧する。マウント基板20の貫通孔21は、下側の空間61に通じているため、この減圧によってイメージセンサ部1の第2の表面10d側の気圧は、その第1の表面10a側の気圧より低くなる。こうして生じた第1の表面10a側と第2の表面10d側での気圧差によって、イメージセンサ部1は、マウント基板20へと押しつけられる。これにより接着材30は、イメージセンサ部1とマウント基板20の間に薄く広がる。この状態で接着材30を硬化させてイメージセンサ部1をマウント基板20へと固定する。固定後、ボンディングパッド部14、22の対応するボンディングパッド同士をワイヤで電気的に接続して、図1、図2に示される放射線イメージセンサ100を得る。
このように、マウント基板20に設けた貫通孔21を利用してイメージセンサ部1の表面と裏面間に気圧差を発生させ、発生した気圧差により、イメージセンサ部1をマウント基板20へと押しつけて固定するので、イメージセンサ部1の表面(第1の表面10a)上に押圧のための余分なスペースを設ける必要がなく、シンチレータ層16の形成面をイメージセンサ部1内で最大限確保することができる。このため、同じサイズの光感応部11に対して、イメージセンサ部1の面積をコンパクトなものとすることができ、放射線イメージセンサ100のコンパクト化が図れる。さらに、気圧差によってイメージセンサ部1の表面全体を略均一な力でマウント基板20へと押しつけることができるため、大面積・薄型のイメージセンサ部1を固定する場合でも撓み、歪み、反り等の発生を抑制して受光面の平板性を確保することができる。さらに、シンチレータ層16に局所的に力が付与されることがないので、シンチレータ層16が固定に際して損傷することがなく、製品の歩留りも向上する。
また、耐湿保護膜18の外縁は、三方が樹脂層17と被覆樹脂層19で挟み込んで固定されており、他の一方も裏側まで回り込んでマウント基板20との間に挟み込まれて固定されているので耐湿保護膜18のはがれを効果的に防止できる。特に、側壁10c側でマウント基板20よりイメージセンサ部1を僅かに内側に配置することで、使用中に側壁10c上の耐湿保護膜18に余計な力が加わるのを防止して、この部分からのはがれを効果的に抑制することができる。
なお、マウント基板20がイメージセンサ部1の載置面の外側の領域にも貫通孔21を有している場合は、その貫通孔21を予め塞いでおく必要がある。これらの貫通孔21を塞ぐ方法としては、これらの貫通孔21を載置面側から気密性のフィルムで覆うか、反対側から気密性のパネル、マスク等で覆えばよい。このようにすると、装置6内で上側の空間60と下側の空間61とが貫通孔21により直接連通されることがなく、両空間60、61間に確実に気圧差を発生させることが可能となる。
ここでは、下空間61を減圧することで、両空間60、61に気圧差を発生させたが、イメージセンサ部1側の表面側の気圧が下側の気圧より高くなればその他の方法を利用してもよい。例えば、図15に示される装置6aのように、上空間60aに気体(例えば、空気)を送り込むポンプ63を設け、上空間60内の気体を加圧することで両空間60、61間に気圧差を発生させてもよい。さらに、両方を併用して上空間60内を加圧し、下空間61内を減圧してもよい。この場合、下空間61内の気体を上空間60内へと導いて単独のポンプを用いて加圧と減圧を行うこともできる。また、装置内に両方の空間を設けずとも、加圧または減圧を行う空間60または61の一方のみを設け、他方は開放状態としてもよい。また、気体としては、空気に限らず窒素等を用いることもでき、装置6や装置6aを窒素ボックスの中に入れた上で行うこととしてもよい。
続いて、本実施形態の動作を説明する。マンモグラフィでは、図16に示されるように被験者9の乳房90を放射線透過性の2枚のプレート70、71で挟み込み、放射線源75から発せられたX線の乳房90透過画像をプレート71側に配置した本発明に係る放射線イメージセンサ100によって撮像する。このとき、被験者9の胴部側に側壁部10cを配置すると、光感応部11を胴部に近接させることができる。
乳房90の透過X線画像を構成する乳房90を透過したX線(放射線)は、プレート71を透過して、放射線イメージセンサ100の入射面(耐湿保護膜18表面)へと入射する。入射したX線(放射線)は、耐湿保護膜18を透過してシンチレータ層16に達し、シンチレータ層16で吸収される。シンチレータ層16は、吸収したX線の光量に略比例して所定の波長の光(本実施形態では、波長570nm)を放射(発光)する。
こうしてシンチレータ層16から放射された光は、光感応部11へと到達し、各々のフォトダイオードで吸収されて光量に応じた電荷として一定時間蓄積される(光電変換)。この光の光量は入射するX線の光量に対応しているから、各々のフォトダイオードに蓄積されている電気信号は、入射するX線の光量に対応することになる。つまり、各フォトダイオードには、X線画像の各画素の輝度に対応する電気信号(以下、各画素の画像信号と呼ぶ。)が得られる。
シフトレジスタ12によって各フォトダイオードに対応するMOSFETを操作することで各フォトダイオードの電荷(各画素の画像信号に対応)は、図示していない信号線を通ってチャージアンプアレイ13へと読み出され、増幅された後にイメージセンサ部1のボンディングパッド部14から対応するマウント基板20側のボンディングパッド部22へと送られ、回路部24で処理された後に、所定の形式の画像データ信号として出力端子から出力される。この出力信号を基にしてモニター上にX線画像を表示したり、所定の記憶装置に格納して保存することができる。
本実施形態の放射線イメージセンサ100は、その光感応部11が側壁部10c近くまで達しているため、乳房90の根元部分まで撮像を行うことができる。そして、イメージセンサ部1の平板性を確保することができるため、乳房90全体について歪みのない精度のよいX線画像を撮像することができる。そして、胴部に近接する側壁を超えて耐湿保護膜18が形成され、これがマウント基板20との間に挟み込まれているため、人体との接触により耐湿保護膜18が剥がれたり、接触部分から汗や水分が浸入してシンチレータ層16が劣化するのを確実に防止できる。
また、本発明は、ひとつの基台上に複数個のイメージセンサをタイル状に配置して受光部を連結することで、製造される大面積のイメージセンサに対しても好適である。連結後のイメージセンサにおいて不感領域をできるだけ小さくするためには、その境界部分まで光感応部11が広がっている必要がある。このような境界部分まで光感応部を有している放射線イメージセンサにおいて、境界部分を超えて裏側まで耐湿保護膜18を配置しておくと、耐湿保護膜18のはがれ、損傷を確実に防止できる。
図17は、このような大面積の放射線イメージセンサの実施形態を示す平面図である。ここでは、2枚のイメージセンサ部1、1を連結している。さらに、3枚以上のイメージセンサ部1を一列に並べて大画面化したり、2×m列あるいはm×n列並べて大画面化しても構わない。
イメージセンサ部1を2×m列(ただしmは3以上の整数)に並べる場合は、少なくとも四隅に配置される以外のイメージセンサ部1’は、少なくとも3辺の境界部分まで光感応部11が配置されている構造(図18参照)を有している必要がある。この場合、耐湿保護膜18は、この3辺側の側壁を超えて、裏面まで延びるよう形成されている。
また、イメージセンサ部1をm×n列(ただしm、nとも3以上の整数)並べる場合は、さらに中央部分に配置されるイメージセンサ部1”は、表面全体に光感応部11が配置される構造(図19参照)を有している必要がある。この場合、耐湿保護膜18は、全ての側壁を覆うとともに、裏面にまで達している。ただし、裏面全体を覆っている必要はない。そして、電極パッドは背面に設けて、マウント基板20を貫通する配線を利用して信号を読み出すことが好ましい。もちろん上述した各イメージセンサ部1’、1”は単体でも使用することができることは言うまでもない。なお、図13〜15については、製造方法を示した一例であって、図示を簡略化するため、イメージセンサ部1の断面は、図18、図19に示されるように少なくとも1組の対向する2辺の境界部分まで、光感応部11が波と位置されている形態のものを用いた場合を示している。
ここで、耐湿保護膜18の周縁部の固定は、必ずしも樹脂層17上へ周縁部を配置することによって行われる形態に限られるものではない。例えば、図20に示されるように、耐湿保護膜18の周縁部をイメージセンサ部の第1の表面10aに直接密着させ、この周縁部を覆うように、被覆樹脂層19を設けることで、周縁部を保護して、耐湿保護膜18の周縁部からのはがれを防止してもよい。また、被覆樹脂層19を設けず、耐湿保護膜18を樹脂層17のみによって固定してもよい。
以上の説明では、耐湿保護膜18としてパリレン製の単一膜構造の保護膜について説明してきたが、パリレン膜の表面にAl、Ag、Au等の金属薄膜からなる反射膜を設ければ、シンチレータ層16から放射された光を光感応部11へと導き、輝度の高い画像を得ることができる。この金属薄膜の保護のため、さらにその表面にパリレン膜等を施してもよい。
また、上述の実施の形態においては、シンチレータとしてCsI(Tl)が用いられているが、これに限らずCsI(Na)、NaI(Tl)、LiI(Eu)、KI(Tl)等を用いてもよい。
また、上述の実施の形態における、ポリパラキシリレンには、ポリパラキシリレンの他、ポリモノクロロパラキシリレン、ポリジクロロパラキシリレン、ポリテトラクロロパラキシリレン、ポリフルオロパラキシリレン、ポリジメチルパラキシリレン、ポリジエチルパラキシリレン等を含む。
本発明に係る放射線イメージセンサの第1の実施形態を示す正面図である。 図1の断面図である。 図1の装置のイメージセンサ部の斜視図である。 図3のセンサ部の正面図である。 図4のV−V線断面図である。 図4のVI−VI線断面図である。 図1の放射線イメージセンサの製造工程を説明する図である。 図7に続く製造工程を説明する図である。 図8に続く製造工程を説明する図である。 図9に続く製造工程を説明する図である。 図10に続く製造工程を説明する図である。 マウント基板の正面図である。 イメージセンサの載置工程を説明する図である。 イメージセンサの載置に用いる装置を説明する図である。 イメージセンサの載置に用いる別の装置を説明する図である。 本発明に係る放射線イメージセンサによるマンモグラフィ撮影を説明する図である。 本発明に係る放射線イメージセンサの別の形態を示す平面図である。 本発明に係る放射線イメージセンサの別のイメージセンサ部の形態を示す図である。 本発明に係る放射線イメージセンサの別のイメージセンサ部の形態を示す図である。 本発明に係る放射線イメージセンサの別のイメージセンサ部の樹脂層の形態を示す図である。
1…イメージセンサ部、6…装置、9…被験者、10…基板、11…光感応部、12…シフトレジスタ、13…チャージアンプアレイ、14…ボンディングパッド部、16…シンチレータ層、17…樹脂層、18…耐湿保護膜、19…被覆樹脂層、20…マウント基板、21…貫通孔、22…ボンディングパッド部、24…回路部、30…接着材、50…カッター、60…上空間、61…下空間、62…真空ポンプ、63…ポンプ、70…プレート、71…プレート、75…放射線源、90…乳房、100…放射線イメージセンサ。

Claims (2)

  1. マウント基板上にイメージセンサ部を配置した放射線イメージセンサであって、
    前記マウント基板は、前記イメージセンサ部の配置面からその裏面に貫通する複数の貫通孔を備え、
    前記イメージセンサ部は、
    第1の表面と第2の表面とを表裏面とする平板状のセンサ基板と、
    前記センサ基板の第1の表面上に、少なくともその一辺に近接して2次元状に配置された複数の光電変換素子からなる受光部と、
    少なくとも前記受光部表面に堆積され、入射した放射線に応じて前記光電変換素子が検出可能な波長の光を出力するシンチレータと、
    前記センサ基板の第1の表面上の、前記受光部に近接する辺側を開いて前記シンチレータの前記辺側を除く三方を囲んでコの字状に配置されている樹脂層と、
    前記シンチレータ表面から前記センサ基板の前記受光部が近接する辺側の側壁部を経て前記第2の表面に至る部分まで連続して一体に被覆しており、前記樹脂層によって前記受光部が近接する辺を除く側の周縁部が固定されている保護膜と、を備え、前記第2の表面上の保護膜を前記マウント基板と前記センサ基板で挟み込む形で前記マウント基板の前記配置面上に配置され、前記貫通孔を包囲して配置される接着材で固定されていることを特徴とする放射線イメージセンサ。
  2. 前記接着材は、前記マウント基板の前記配置面上に碁盤目状に配置されていることを特徴とする請求項記載の放射線イメージセンサ。
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