JP4641099B2 - 高強度オーステナイト系ステンレス鋼板の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷間圧延後、焼きなましを行わないで使用される高強度オーステナイト系ステンレス鋼板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、耐食性とともに高強度が要求されるばね材等の用途には、加工硬化型オーステナイト系ステンレス鋼が使用されている。このオーステナイト系ステンレス鋼はSUS301に代表され、固溶化熱処理状態で準安定オーステナイト相を呈し、その後の冷間加工で加工誘起マルテンサイト相を生成して高強度化が図られる。加工硬化型オーステナイト系ステンレス鋼の製造方法に関しては多数の先行技術が開示されている。
【0003】
特開平7−90372号公報には、オーステナイト安定度指数Md(N)を調整したオーステナイト系ステンレス鋼の熱延鋼板を固溶化熱処理し、マイナス20℃以上70℃までの低温で、かつ圧下率30〜70%で冷間加工し、次いで300〜650℃で時効処理を施すことから成る靭性に優れた高強度オーステナイト系ステンレス鋼の製造方法が開示されている。この先行技術では、オーステナイト相の加工に対する安定度を増した鋼成分に調整した上で、圧延温度を低温側に移行させた冷間圧延が行われるので、一定量の加工誘起マルテンサイト相を誘起することができる。したがって、軟質な残留オーステナイト相と硬質なマルテンサイト相とが混在する組織が得られ、高強度と高靭性とを両立させることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記先行技術を含む従来の加工硬化型オーステナイト系ステンレス鋼の冷間圧延鋼板の製造方法には、高強度は得られるものの生産能率が低いという問題がある。さらに詳しく述べると、従来から加工誘起マルテンサイト相の生成量は、圧延前の板厚から仕上板厚までの全圧下率と各パスの材料温度とによって決定されると考えられており、全パスの圧延条件、すなわち圧下率、圧延速度、張力、ワークロール径および圧延油量を決定して圧延が行われている。また圧延速度は、経験的に低速度に設定されている。したがって、前記オーステナイト系ステンレス冷間圧延鋼板の製造方法には生産能率が低いという問題があり、解決が望まれている。またこの問題は、特に圧延方向を交互に逆方向に切換えて圧延するレバース式冷間圧延機において、すなわち一方向に順次圧延されるタンデム式冷間圧延機に比べて本質的に生産能率が低いレバース式冷間圧延機において重要な問題である。
【0005】
本発明の目的はレバース式冷間圧延機においても強度特性を確保した上で生産能率を向上することが可能な高強度オーステナイト系ステンレス鋼板の製造方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、固溶化熱処理を施した状態で準安定オーステナイト相を呈するオーステナイト系ステンレス鋼をレバース式冷間圧延機で複数パスにわたって冷間圧延し、準安定オーステナイト相の一部を加工誘起マルテンサイト相に変態させて、高強度オーステナイト系ステンレス鋼板を製造する方法において、
前記オーステナイト系ステンレス鋼の最終パス後の強度と、1パス目の圧延荷重との対応関係を予め設定し、
オーステナイト系ステンレス鋼の目標強度に対応する1パス目の目標圧延荷重を前記対応関係に基づいて求め、
1パス目の冷間圧延を、圧延荷重が前記求めた目標圧延荷重になるように圧下率、圧延速度および張力を設定して行い、
2パス目以降の冷間圧延を、冷間圧延機の最大圧延速度に圧延速度を設定して行うことを特徴とする高強度オーステナイト系ステンレス鋼板の製造方法である。
【0007】
本発明に従えば、準安定オーステナイト相は冷間圧延によって硬質な加工誘起マルテンサイト相に変態するので、圧延条件を調整することによって、加工誘起マルテンサイト相の生成量、すなわちオーステナイト系ステンレス鋼の冷間圧延鋼板の強度を制御することができる。また圧下率、オーステナイト系ステンレス鋼板の温度(以後、材料温度とよぶ)および張力などの圧延条件の変動は、後述の圧延理論式に示されるように圧延荷重の変動として表れるので、圧延荷重を圧延条件に対応する指標値として用いることができる。また後述のように圧延前の板厚、仕上板厚および1パス目の入側材料温度が同一の場合、1パス目の圧延荷重と最終パス後の冷間圧延鋼板の強度との間には相関があるので、この対応関係を圧延試験を重ねて予め求めることができる。これによって、冷間圧延鋼板の目標強度が定まれば、目標強度に対応する1パス目の目標圧延荷重を前記求めた対応関係に基づいて求めることができるので、前記求めた1パス目の目標圧延荷重に対応する圧延条件、すなわち圧下率、圧延速度、張力などを圧延理論式に基づいて決定することができる。したがって、1パス目の冷間圧延をこのようにして決定した圧延条件および前記1パス目の入側材料温度で行えば、冷間圧延鋼板の強度を目標強度になるように作り込むことができる。
【0008】
また2パス目の以降の冷間圧延が冷間圧延機の最大圧延速度に圧延速度を設定して行われるので、生産能率を向上することができる。したがって、高強度オーステナイト系ステンレス冷間圧延鋼板の強度確保と生産能率の向上とをともに図ることが可能になる。
【0009】
また本発明は、固溶化熱処理を施した状態で準安定オーステナイト相を呈するオーステナイト系ステンレス鋼をレバース式冷間圧延機で複数パスにわたって冷間圧延し、準安定オーステナイト相の一部を加工誘起マルテンサイト相に変態させて、高強度オーステナイト系ステンレス鋼板を製造する方法において、
前記オーステナイト系ステンレス鋼の最終パス後の強度と、1パス目の圧延荷重との対応関係を予め設定し、
オーステナイト系ステンレス鋼の目標強度に対応する1パス目の目標圧延荷重を前記対応関係に基づいて求め、
1パス目の冷間圧延を、圧延荷重が前記求めた目標圧延荷重になるように圧下率、圧延速度および張力を設定して行い、
2パス目以降の冷間圧延を、パス回数ができるだけ少なくなるように圧延荷重を設定して行うことを特徴とする高強度オーステナイト系ステンレス鋼板の製造方法である。
【0010】
本発明に従えば、2パス目の以降の冷間圧延がパス回数をできるだけ少なくするように圧延荷重を設定して行われるので、パス回数を減少することが可能となり、生産能率をさらに向上することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明法の製造対象である高強度オーステナイト系ステンレス冷間圧延鋼板は、冷間圧延によって準安定オーステナイト相の一部を加工誘起マルテンサイト相に変態させ、その後、加工誘起マルテンサイト相をオーステナイト相に逆変態させるような焼きなましを行わないで需要家に出荷される。この材料に対する需要家の要求特性は、寸法および強度特性が主体であり、強度特性は硬度Hv、0.2%耐力および引張強さの少なくとも1つについて提示される。本発明は、以下に述べる基礎となる圧延試験結果から得られた知見に基づいてなされたものである。
【0012】
図1は異なる圧延速度で冷間圧延されたオーステナイト系ステンレス鋼のコイルのマルテンサイト量とコイル長さ方向位置との関係をコイル別に示すグラフであり、図2は図1に示すオーステナイト系ステンレス鋼のコイルの硬度とコイルの長さ方向位置との関係をコイル別に示すグラフである。図1および図2の供試材であるオーステナイト系ステンレス鋼の鋼種はSUS301であり、冷間圧延はレバース式センジミアミルで行った。図1および図2中に示すコイルA1は全パスとも圧延速度:100m/分で圧延したコイルであり、コイルA2は全パスとも圧延速度:300m/分で圧延したコイルである。図1の縦軸に示すマルテンサイト量は加工誘起マルテンサイト量を体積%で表したものである。図2の縦軸に示す硬度は、日本工業規格Z2244に規定されている方法で測定したビッカース硬度Hvであり、材料の強度に対応する特性値である。冷間圧延前のコイル寸法はコイルA1およびコイルA2とも板厚:0.7mm、板幅:1040mmである。コイルA1およびコイルA2の圧延条件を表1に示す。圧延速度を除く圧延条件、すなわち圧延パススケジュール、ワークロール径、油量および材温はコイルA1およびA2とも同一である。
【0013】
【表1】
【0014】
図1および図2から、低圧延速度材であるコイルA1の安定部のマルテンサイト量および硬度Hvは高圧延速度材であるコイルA2の安定部のマルテンサイト量および硬度Hvよりも高含有量であり、高硬度であることが判る。このように鋼種、材料温度および圧延パススケジュールが同一であるにもかかわらず、コイルA1とコイルA2とでマルテンサイト量および硬度Hvが異なるのは、次のような理由によるものと考えられる。
【0015】
通常、圧延速度が高速になるにつれてワークロールと被圧延材との界面に導入される油量が増加するので、コイルA2の摩擦係数がコイルA1の摩擦係数よりも小さくなる。摩擦係数が増加すると、後述する圧延理論式に示されるように圧延荷重が増加するので、コイルA1の圧延荷重はコイルA2の圧延荷重よりも大きくなる。したがって、この圧延荷重の差が前記硬度差をもたらすものと考えられる。換言すれば、SUS301などのオーステナイト系スレンレス冷間圧延鋼板の硬さ、すなわち強度は圧延荷重と強い相関があり、圧延荷重が大きいほど強度が高くなる。圧延荷重は通常単位幅当りの荷重で表される。
【0016】
図3は1パス目のみが同一の圧延速度で冷間圧延されたオーステナイト系ステンレス鋼のコイルのマルテンサイト量とコイルの長さ方向位置との関係をコイル別に示すグラフであり、図4は図3に示すオーステナイト系ステンレス鋼のコイルの硬度とコイルの長さ方向位置との関係をコイル別に示すグラフである。図3および図4の供試材であるオーステナイト系ステンレス鋼の鋼種はSUS301であり、冷間圧延はレバース式センジミアミルで行った。図3および図4に示すコイルB1は全パスとも圧延速度:100m/分で圧延したコイルであり、コイルB2は1パス目を圧延速度:100m/分で圧延し、2パス目以降を圧延速度:300m/分で圧延したコイルである。冷間圧延前のコイル寸法は板厚:0.41mm、板幅:975mmである。コイルB1およびコイルB2の圧延条件を表2に示す。圧延速度を除く圧延条件、すなわち圧延パススケジュール、ワークロール径、油量および材温はコイルB1およびB2とも同一である。
【0017】
【表2】
【0018】
図3および図4から、コイルB1のマルテンサイト量および硬度HvとコイルB2のマルテンサイト量および硬度Hvとはほぼ同一であることが判る。これは、冷間圧延前の板厚と材料温度と最終パス後の板厚とが同一のとき、1パス目の圧延速度、正確には1パス目の圧延条件が同一であれば、2パス目以降の圧延条件が異なっていても同一の材料特性が得られることを意味する。さらに詳しく述べると、冷間圧延前の板厚と1パス目の入側材料温度と最終パス後の仕上板厚とが同一のとき1パス目の圧延荷重を同一に設定すれば、2パス目以降の圧延荷重、すなわち圧延条件を任意に設定しても、オーステナイト系ステンレス冷間圧延鋼板中には同一のマルテンサイト量が生成し、同一の強度特性を有するオーステナイト系ステンレス冷間圧延鋼板が製造される。
【0019】
このように、1パス目の圧延荷重と最終パス後のオーステナイト系ステンレス冷間圧延鋼板の強度特性との間には、明瞭な相関関係があるので、多数の圧延試験を重ねてこの対応関係を求め、表3のようにまとめることができる。表3中の材料特性は需要家の仕様に対応して硬度、0.2%耐力および引張強さが準備される。表3は鋼種、冷間圧延前の板厚、1パス目の入側材料温度および仕上板厚(製品板厚)毎に作成される。
【0020】
【表3】
【0021】
以上述べたように、本発明者らによるオーステナイト系ステンレス冷間圧延鋼板を用いたレバース式センジミアミルにおける圧延試験結果から、オーステナイト系ステンレス冷間圧延鋼板の強度特性は圧延前の板厚と1パス目の入側材料温度と仕上板厚とが同一であっても、すなわち全圧下率が同一であっても圧延荷重が異なれば異なること、圧延前の板厚と1パス目の入側材料温度と仕上板厚とが同一のとき、1パス目の圧延荷重が同一であれば、2パス目以降の圧延荷重を任意に設定しても同一の強度特性が得られることなどの新規な知見が得られた。
【0022】
図5は、本発明の実施の第1形態である高強度オーステナイト系ステンレス冷間圧延鋼板の製造工程を簡略化して示す図である。ステップa1の製鋼工程では、オーステナイト系ステンレス溶鋼の溶製が電気炉、転炉および真空脱ガス設備を用いて行われる。オーステナイト系ステンレス溶鋼の成分は、後述する固溶化熱処理が施された状態で準安定オーステナイト相を呈するSUS301あるいはSUS304などの成分に調整される。ステップa2では、連続鋳造が行われ、スラブが鋳造される。鋳造されたスラブには疵取りが施される。ステップa3では、スラブの熱間圧延が行われる。この熱間圧延工程では、スラブが加熱炉で加熱された後、粗圧延機で粗圧延され、さらにタンデム式熱間圧延機で仕上圧延される。
【0023】
ステップa4では、熱間圧延鋼板の固溶化熱処理が焼鈍酸洗設備のカテナリ形連続焼鈍炉で行われる。固溶化熱処理は、日本工業規格G0201に規定されるように鋼の合金成分を固溶体に溶解する温度以上に加熱して充分な時間保持し、急冷してその析出を阻止する操作である。この固溶化熱処理によって組織は準安定オーステナイト相に調整される。ステップa5では、脱スケールが焼鈍酸洗設備の中性塩電解槽および硝弗酸溶液槽において行われる。中性塩電解槽は、カテナリ形連続焼鈍炉の出側に設けられており、硝弗酸溶液槽は中性塩電解槽の出側に設けられている。
【0024】
ステップa6では、冷間圧延が単一スタンドのレバース式センジミアミルにおいて行われる。冷間圧延工程では、準安定オーステナイト相を呈する熱間圧延鋼板が後述のように設定される圧延条件の下で交互に逆方向に繰返して冷間圧延される。この冷間圧延によって準安定オーステナイト相の一部は加工誘起マルテンサイト相に変態するので、冷間圧延鋼板の強度が向上する。冷間圧延後、調質圧延機などによって形状修正が行われ、高強度オーステナイト系ステンレス冷間圧延鋼板の製造が完了する。冷間圧延後、時効処理を施してもよい。
【0025】
図6は、図5に示す冷間圧延工程における圧延条件の設定方法を説明するためのフローチャートである。ステップb1では、高強度オーステナイト系ステンレス冷間圧延鋼板の目標強度の設定が行われる。この目標強度は、需要家の仕様に応じて設定される。ステップb2では、1パス目の目標圧延荷重の設定が行われる。1パス目の目標圧延荷重は、前記設定した目標強度に対応する1パス目の圧延荷重を前記表3から読取ることによって設定される。ステップb3では、1パス目の圧延条件の設定が行われる。圧延条件の設定は、圧延理論式に基づいて次のようにして行われる。
【0026】
圧延荷重をP、平均板幅をBm、偏平後のワークロール半径をR1、圧延後の板厚をh1、圧延前の板厚をh0、平均変形抵抗をkm、摩擦係数をμ、前方張力をσf、後方張力をσb、ワークロール半径をR、ポアソン比をυ、弾性係数をEとすると、圧延荷重Pおよび偏平後のワークロール半径R1は式1および式2によってそれぞれ求められる。
P=Bm・{√R1・(h1−h0)}・km・f(μ,σf,σb) …(1)
R1=R〔1+{16(1−υ2)/πE}・P/Bm(h1−h0)〕 …(2)
【0027】
式1は、従来からよく知られた圧延荷重を求める圧延理論式であり、式1中のf(μ,σf,σb)は圧下力関数と呼ばれる。圧下力関数は、提唱者によって異なる関数形で表されているけれども、摩擦係数μが大きくなるにつれて圧延荷重が大きくなること、前方および後方張力σf,σbが大きくなるにつれて圧延荷重が小さくなることは共通している。本実施の形態では、圧下力関数としてブランドおよびフォードの提唱した式が用いられる。式2は、いわゆるヒッチコックのロール偏平式と呼ばれる従来からよく知られた圧延理論式である。式1および式2のうちBm、h0、km、R、υ、Eは既知の値であり、圧延荷重Pは前述のように目標圧延荷重として求められるので、未知数はh1、μ、σf、σbとなる。
【0028】
これらの圧延条件を表す未知数の数は式の数よりも多く、一義的に決定することができないので、未知数のいくつかは設定値として与えられる。たとえば、圧延後の板厚h1を圧下率がかみ込み可能範囲内で、できるだけ大きくなるように設定し、前方張力σf、後方張力σbを過去の実績に基づいて設定すれば、式1および式2から摩擦係数μを求めることができる。また前述のように摩擦係数μは圧延速度に依存するので、圧延速度を設定することができる。このようにして、1パス目の圧延荷重が前記求めた目標圧延荷重になるように圧延条件を設定することができる。
【0029】
ステップb4では、2パス目以降の圧延速度が設定される。前述のように、1パス目の圧延荷重によって冷間圧延鋼板の強度が目標強度になるように制御されるので、2パス目以降の圧延荷重は生産能率を考慮して設定することができる。したがって、2パス目以降の圧延速度はレバース式センジミアミルの最大圧延速度に設定される。ステップb5では、2パス目以降の他の圧延条件が設定される。2パス目以降の圧延条件は、圧延速度および最終パス後の仕上板厚以外は任意に設定される。最終パス後の仕上板厚は需要家の仕様に応じて設定される。
【0030】
以上述べたように、本実施の形態では、目標強度に対応する1パス目の目標圧延荷重が冷間圧延前の板厚、仕上板厚および1パス目の入側材料温度毎に予め設定された前記対応関係に基づいて求められ、1パス目の圧延荷重が前記求めた目標圧延荷重になるように1パス目の圧延条件が圧延理論式に基づいて設定されるので、1パス目の冷間圧延によってオーステナイト系ステンレス冷間圧延鋼板の強度を目標強度になるように作り込むことができる。また2パス目以降の冷間圧延の圧延速度がレバース式センジミアミルの最大圧延速度に設定されるので、生産能率を向上することができる。したがって、オーステナイト系ステンレス冷間圧延鋼板の高強度化と生産能率の向上とをともに図ることができる。
【0031】
図7は、本発明の実施の第2形態である高強度オーステナイト系ステンレス冷間圧延鋼板の冷間圧延工程における圧延条件の設定方法を説明するためのフローチャートである。本実施の形態の高強度オーステナイト系ステンレス冷間圧延鋼板は、前記図5に示す第1の実施の形態の製造工程と同一の製造工程を有しており、冷間圧延工程の圧延条件の設定方法を除いて第1の実施の形態と同一の製造方法で製造される。本実施の形態では、圧延条件は次のように設定される。
【0032】
ステップc1〜c3では、前記図6のステップb1〜b3と全く同一の処理が行われ、1パス目の圧延条件が設定される。ステップc4では、2パス目以降の圧延荷重の設定が行われる。2パス目以降の圧延荷重は、1パス目の圧延荷重以下の範囲においてパス回数ができるだけ少なくなるように設定される。ステップc5では、2パス目以降の圧延条件の設定が行われる。2パス目以降の圧延条件は前記設定した圧延荷重と式1と式2とに基づいて前述と同様に設定される。最終パス後の仕上板厚は需要家の仕様に応じて設定される。
【0033】
このように、本実施の形態では、2パス目以降の冷間圧延がパス回数をできるだけ少なくするように圧延荷重を設定して行われるので、パス回数を減少することが可能となり、生産能率をさらに向上することができる。また、第1の実施の形態と同様に1パス目の冷間圧延によってオーステナイト系ステンレス冷間圧延鋼板の強度を目標強度になるように作り込むことができる。
【0034】
(実施例)
圧延条件が本発明の条件を満たす実施例1および実施例2のオーステナイト系ステンレス冷間圧延鋼板と、圧延条件が本発明の条件から外れている比較例1のオーステナイト系ステンレス冷間圧延鋼板とを製造し、強度特性および生産能率を測定して比較した。強度特性は、硬度Hv、0.2%耐力および引張強さを測定した。生産能率は1時間当りの圧延重量を測定して評価した。冷間圧延はレバース式センジミアミルで行った。センジミアミルの最高圧延速度は300m/分であった。実施例1、実施例2および比較例1の共通製造条件と個別製造条件と、強度特性および生産能率の測定結果とを表4に示す。実施例1、実施例2および比較例1の鋼種、圧延前板厚、仕上板厚、板幅、全圧下率、ワークロール径および1パス目の入側材料温度は同一に設定した。強度特性の目標値は、硬度Hv:450に設定した。
【0035】
実施例1は、全パス回数を3パスに設定し、図6に示す圧延条件設定方法に従って、1パス目の圧延条件を目標強度に応じて設定し、2パス目以降の圧延速度をレバース式センジミアミルの最高圧延速度に設定した。実施例1は第1の実施の形態に対応する。実施例2は、図7に示す圧延条件設定方法に従って、1パス目の圧延条件を目標強度に応じて設定し、2パス目の圧延荷重を増加させて全パス回数を2パスに設定し、2パス目の圧延速度を前記最高圧延速度に設定した。実施例2は第2の実施の形態に対応する。比較例1は、全パス回数を3パスに設定し、3パスとも圧延速度を同一に、かつ低速度に設定した。比較例1は従来技術に対応する。また、1パス目の圧延条件は、実施例1、実施例2および比較例1ともほぼ同一に設定した。2パス目以降の圧延条件は、実施例1と比較例1とについてのみ同一に設定した。
【0036】
【表4】
【0037】
表4から次のことが判る。
(1)実施例1、実施例2および比較例1の強度特性はほぼ同一であり、全て目標硬度Hvを満たしている。これは、圧延前板厚と仕上板厚と1パス目の入側材料温度とが同一であり、かつ1パス目の圧延条件、すなわち圧延荷重がほぼ同一であることによる。
(2)実施例1の生産能率は、比較例1よりも高能率である。これは、2パス目以降の圧延速度がミルの最高圧延速度に設定されていることによる。
(3)実施例2の生産能率は、比較例1および実施例1よりも高能率である。これは、パス回数が削減されているとともに、2パス目の圧延速度が最高圧延速度に設定されていることによる。
(4)比較例1の生産能率は実施例1および実施例2よりも低能率である。これは、全パスとも圧延速度が低速度に設定されていることによる。
【0038】
このように実施例1および実施例2は、目標とする強度特性を確保した上で比較例1よりも生産能率を向上させることができる。したがって、本発明はレバース式冷間圧延機においても高強度オーステナイト系ステンレス冷間圧延鋼板を良好な生産能率で製造することの可能な製造方法であることが確認された。
【0039】
【発明の効果】
以上のように請求項1記載の本発明によれば、1パス目の圧延荷重と最終パス後の冷間圧延鋼板の強度との間の対応関係が冷間圧延前の板厚、仕上板厚および1パス目の入側材料温度毎に予め設定されるので、冷間圧延鋼板の目標強度が定まれば、目標強度に対応する1パス目の目標圧延荷重を前記求めた対応関係に基づいて求めることができる。これによって、前記求めた1パス目の目標圧延荷重に対応する圧延条件、すなわち圧下率、圧延速度、張力などを圧延理論式に基づいて決定することができる。したがって、1パス目の冷間圧延をこのようにして決定した圧延条件および前記1パス目の入側材料温度で行えば、冷間圧延鋼板の強度を目標強度になるように作り込むことができる。
【0040】
また2パス目以降の冷間圧延が冷間圧延機の最大圧延速度に圧延速度を設定して行われるので、生産能率を向上することができる。したがって、高強度オーステナイト系ステンレス冷間圧延鋼板の強度確保と生産能率の向上とをともに図ることが可能になる。
【0041】
また請求項2記載の本発明によれば、2パス目以降の冷間圧延がパス回数をできるだけ少なくするように圧延荷重を設定して行われるので、パス回数を減少することが可能となり、生産能率をさらに向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】異なる圧延速度で冷間圧延されたオーステナイト系ステンレス鋼のコイルのマルテンサイト量とコイルの長さ方向位置との関係をコイル別に示すグラフである。
【図2】図1に示すオーステナイト系ステンレス鋼のコイルの硬度とコイルの長さ方向位置との関係をコイル別に示すグラフである。
【図3】1パス目のみが同一の圧延速度で冷間圧延されたオーステナイト系ステンレス鋼のコイルのマルテンサイト量とコイルの長さ方向位置との関係をコイル別に示すグラフである。
【図4】図3に示すオーステナイト系ステンレス鋼のコイルの硬度とコイルの長さ方向位置との関係をコイル別に示すグラフである。
【図5】本発明の実施の第1形態である高強度オーステナイト系ステンレス冷間圧延鋼板の製造工程を簡略化して示す図である。
【図6】図5に示す冷間圧延工程における圧延条件の設定方法を説明するためのフローチャートである。
【図7】本発明の実施の第2形態である高強度オーステナイト系ステンレス冷間圧延鋼板の冷間圧延工程における圧延条件の設定方法を説明するためのフローチャートである。
Claims (2)
- 固溶化熱処理を施した状態で準安定オーステナイト相を呈するオーステナイト系ステンレス鋼をレバース式冷間圧延機で複数パスにわたって冷間圧延し、準安定オーステナイト相の一部を加工誘起マルテンサイト相に変態させて、高強度オーステナイト系ステンレス鋼板を製造する方法において、
前記オーステナイト系ステンレス鋼の最終パス後の強度と、1パス目の圧延荷重との対応関係を予め設定し、
オーステナイト系ステンレス鋼の目標強度に対応する1パス目の目標圧延荷重を前記対応関係に基づいて求め、
1パス目の冷間圧延を、圧延荷重が前記求めた目標圧延荷重になるように圧下率、圧延速度および張力を設定して行い、
2パス目以降の冷間圧延を、冷間圧延機の最大圧延速度に圧延速度を設定して行うことを特徴とする高強度オーステナイト系ステンレス鋼板の製造方法。 - 固溶化熱処理を施した状態で準安定オーステナイト相を呈するオーステナイト系ステンレス鋼をレバース式冷間圧延機で複数パスにわたって冷間圧延し、準安定オーステナイト相の一部を加工誘起マルテンサイト相に変態させて、高強度オーステナイト系ステンレス鋼板を製造する方法において、
前記オーステナイト系ステンレス鋼の最終パス後の強度と、1パス目の圧延荷重との対応関係を予め設定し、
オーステナイト系ステンレス鋼の目標強度に対応する1パス目の目標圧延荷重を前記対応関係に基づいて求め、
1パス目の冷間圧延を、圧延荷重が前記求めた目標圧延荷重になるように圧下率、圧延速度および張力を設定して行い、
2パス目以降の冷間圧延を、パス回数ができるだけ少なくなるように圧延荷重を設定して行うことを特徴とする高強度オーステナイト系ステンレス鋼板の製造方法。
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