JP4638630B2 - 貯湯式の給湯装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、上部に給湯路が接続されかつ下部に給水路が接続されている貯湯タンクと、その貯湯タンク内の湯水を加熱する加熱手段と、前記加熱手段の運転を制御する運転制御手段とが設けられている貯湯式の給湯装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
上記のような貯湯式の給湯装置は、加熱手段として、ヒートポンプや排熱を利用したものなどを用いて効率の向上を図りながら、加熱手段を運転させて貯湯タンク内に必要貯湯量だけ貯湯し、その貯湯されている湯水を給湯栓や浴槽などに供給するものであり、例えば、リモコンなどによって使用者が設定する設定時刻に貯湯タンク内の貯湯量を必要貯湯量とするための加熱手段の運転時間を求めて、設定時刻から加熱手段の運転時間だけ早い時刻を運転開始時刻として、その運転開始時刻になると、加熱手段の運転を開始するようにしているものである(例えば、特開昭57−12252号公報)。
【0003】
また、上記のような貯湯式の給湯装置では、貯湯タンク内に貯湯する必要貯湯量を変更可能なものとして、1日、1週間、1年などを基準周期とし、1日を基準周期としたときには、朝の時間帯と夜の時間帯などを基準期間として、その基準期間ごとに、貯湯タンク内に貯湯されている貯湯量の変動量を検出して貯湯タンク内の湯の使用量を検出し、その使用量が多いときには目標貯湯量が多くなるように、かつ、その使用量が少ないときには目標貯湯量が少なくなるように、実際の給湯使用状況に合わせて目標貯湯量を求めて、その求めた目標貯湯量を必要貯湯量として、複数の基準期間ごとに、貯湯タンク内に必要貯湯量の湯をその基準期間よりも以前に貯湯するものがある(例えば、特開平9−101059号公報)。
【0004】
そして、この種の貯湯式の給湯装置では、例えば、入浴する湯張り時刻を設定可能とし、その湯張り時刻に貯湯タンク内の貯湯量が必要貯湯量になるように、湯張り設定時刻よりも以前の運転開始時刻になると、加熱手段の運転を開始するように風呂予約機能を備えて構成され、この風呂予約機能において、浴槽内に湯水が存在しない状態から湯張りする一定の設定湯張り量か、または、実際の給湯使用状況に合わせて求められた目標貯湯量を、必要貯湯量として設定するようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の貯湯式の給湯装置では、浴槽内に湯水が存在しない状態から湯張りする一定の設定湯張り量か、または、実際の給湯使用状況に合わせて求められた目標貯湯量を、必要貯湯量として設定するようにしているので、浴槽内の湯水の存在状態にかかわらず、必要貯湯量が設定されることとなって、例えば、浴槽内に湯張りに利用可能な残り湯が存在する場合には、その残り湯分だけ余剰な貯湯を行うことになり、その湯水を放熱してしまうだけとなったり、加熱手段の運転時間が長くなるなどして、装置の効率を低下させる虞がある。
【0006】
また、実際の給湯使用状況に合わせて求められた目標貯湯量を必要貯湯量として設定するものでは、浴槽への湯張りに使用する湯張り量が多量であるために、湯張りを行うか否かによって、また、前日の残り湯を利用するか否かによっても、貯湯タンク内の湯の使用量が大きく変動することになるので、実際に湯張りに必要な量を求めることが困難となり、実際に必要な量に対して貯湯タンク内に余剰に貯湯したり、逆に、貯湯タンクの貯湯量が実際に必要な量に対して不足する虞がある。
【0007】
本発明は、かかる点に着目してなされたものであり、その目的は、貯湯タンクの貯湯量が実際に必要となる量に対して不足することなく、かつ、余剰な貯湯を防止することにより、装置の効率を向上させることが可能となる貯湯式の給湯装置を提供する点にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、請求項1に記載の発明によれば、上部に給湯路が接続されかつ下部に給水路が接続されている貯湯タンクと、その貯湯タンク内の湯水を加熱する加熱手段と、前記加熱手段の運転を制御する運転制御手段とが設けられている貯湯式の給湯装置において、
前記給湯路から分岐され、前記貯湯タンク内の湯水を浴槽内に供給する湯張り路と、前記浴槽内の残り湯を検出する残り湯検出手段が設けられ、前記運転制御手段が、前記残り湯検出手段の検出情報に基づいて、前記浴槽内の残り湯の状態を判別する残り湯判別処理を実行し、
その残り湯判別処理において、前記浴槽内に残り湯が存在しないと判別したときには、湯張り設定時刻に前記貯湯タンク内の貯湯量が設定湯張り量になるように、前記湯張り設定時刻よりも以前の通常運転開始時刻になると、前記加熱手段の運転を開始させるべく、前記加熱手段の運転を制御する通常貯湯処理を実行し、
前記浴槽内に残り湯が存在すると判別したときには、前記残り湯検出手段の検出情報に基づいて、前記設定湯張り量よりも少量の必要湯張り量を求めて、前記湯張り設定時刻に前記貯湯タンク内の貯湯量が前記必要湯張り量になるように、前記湯張り設定時刻よりも以前でかつ前記通常運転開始時刻よりも以後の残り湯運転開始時刻になると、前記加熱手段の運転を開始させるべく、前記加熱手段の運転を制御する残り湯貯湯処理を実行するように構成されている。
【0009】
すなわち、運転制御手段は、残り湯判別処理の実行により浴槽内に残り湯が存在しないと判別したときには、湯張り設定時刻に貯湯タンク内の貯湯量を浴槽内に湯水が存在しない状態から湯張りするときの設定湯張り量にするための通常運転開始時刻を設定し、その通常運転開始時刻になると、加熱手段の運転を開始させる通常貯湯処理を実行することが可能となる。
また、運転制御手段は、残り湯判別処理の実行により浴槽内に残り湯が存在すると判別したときには、その残り湯分だけ前記設定湯張り量から少量の必要湯張り量を求めて、湯張り設定時刻に貯湯タンク内の貯湯量が必要湯張り量にするための残り湯運転開始時刻を設定し、その残り湯運転開始時刻になると、加熱手段の運転を開始させる残り湯貯湯処理を実行することが可能となる。
【0010】
したがって、運転制御手段は、浴槽内の残り湯の状態に応じて、実際に湯張りに必要となる量だけ湯張り設定時刻に貯湯タンク内に貯湯させるように、通常貯湯処理または残り湯貯湯処理のいずれかを実行することが可能となるので、貯湯タンクの貯湯量が実際に必要となる量に対して不足することなく、かつ、余剰な貯湯を防止することにより、装置の効率を向上させることが可能となる貯湯式の給湯装置を提供できるに到った。
【0011】
請求項2に記載の発明によれば、前記加熱手段が、主加熱手段と補助加熱手段を備えて構成され、前記運転制御手段は、前記主加熱手段により被加熱対象用湯水を加熱するときのトータル加熱効率が設定トータル加熱効率を上回るための前記主加熱手段の必要運転時間を記憶し、
前記残り湯貯湯処理において、前記湯張り設定時刻に前記貯湯タンク内の貯湯量を前記必要湯張り量にするための前記加熱手段の加熱運転時間を求めて、その加熱運転時間が前記必要運転時間以上か未満かを判別し、その加熱運転時間が前記必要運転時間以上であると、前記主加熱手段のみを運転させる状態で、前記加熱手段の運転を制御し、前記加熱運転時間が前記必要運転時間未満であると、前記補助加熱手段のみを運転させる状態で、前記加熱手段の運転を制御する加熱選択処理を実行するように構成されている。
【0012】
すなわち、主加熱手段を、例えば、ヒートポンプを利用したものにて構成したときのように、運転を開始させてからある程度の時間が経過することにより加熱効率が高くなるものでは、その運転時間を長くするほどトータル加熱効率の向上を図れることから、トータル加熱効率が設定トータル加熱効率を上回るための必要運転時間を設定し、その必要運転時間を運転制御手段が記憶するように構成されている。
そして、運転制御手段は、残り湯貯湯処理において、加熱手段の加熱運転時間が記憶している必要運転時間以上か未満かによって、主加熱手段および補助加熱手段のうち、どちらか一方を選択して運転させる加熱選択処理を実行することが可能となるので、残り湯貯湯処理において、主加熱手段と補助加熱手段のうち、効率の面から有利な方を選択して加熱手段の運転を制御することが可能となって、装置の効率の向上を図ることが可能となる。
ちなみに、加熱効率とは、入力したエネルギー量にて、実際に加熱のために得られたエネルギー量を割った値にて示され、トータル加熱効率とは、加熱効率を運転時間だけ積算した値を表している。
【0013】
請求項3に記載の発明によれば、前記運転制御手段が、前記残り湯貯湯処理において、前記残り湯検出手段の検出情報に基づいて、前記通常運転開始時刻から前記残り湯運転開始時刻の間における、前記浴槽内の残り湯の状態の変化を検出する残り湯状態変化検出処理を実行し、その残り湯状態変化検出処理において、残り湯の状態の変化が検出されたときには、前記加熱選択処理を実行するように構成されている。
【0014】
すなわち、運転制御手段は、残り湯貯湯処理において、通常運転開始時刻から残り湯運転開始時刻の間に、残り湯が排水されたり、残り湯の温度が低下するなどして、残り湯の状態に変化があると、再度加熱選択処理を実行するように構成されているので、運転制御手段は、通常運転開始時刻から残り湯運転開始時刻の間に、残り湯の状態に変化がある場合には、残り湯検出手段の検出情報に基づいて、再度必要湯張り量を求め、その必要湯張り量に基づいて求めた加熱手段の加熱運転時間が記憶している必要運転時間以上か未満かによって、主加熱手段および補助加熱手段のうち、どちらか一方を選択して運転させることが可能となる。
【0015】
したがって、通常運転開始時刻から残り湯運転開始時刻の間に、残り湯の状態に変化があると、その残り湯の状態の変化に対応しながら、主加熱手段と補助加熱手段のうち、効率の面から有利な方を選択する動作を繰り返し行うことが可能となるので、加熱部の運転として、極力加熱効率のよい運転をすることが可能となって、装置の効率をより一層向上させることが可能となる。
【0016】
請求項4に記載の発明によれば、前記運転制御手段が、前記残り湯判別処理において、前記浴槽内に残り湯が存在すると判別したときには、残り湯が存在することを報知する残り湯報知を行い、その残り湯報知を解除する解除操作が行われると、前記残り湯貯湯処理を実行するように構成されている。
【0017】
すなわち、運転制御手段は、浴槽内に残り湯が存在するときには、残り湯報知を行い、使用者によって解除操作が行われたときのみ、残り湯判別処理を実行することが可能となるので、浴槽内に残り湯が存在することを使用者に認識させることができ、使用者による解除操作によって、残り湯を利用して湯張りを行いたいという使用者の意図を確認したときのみ、残り湯を利用した湯張りを行うことができることとなる。
したがって、使用者の意図を反映した動作を実行することが可能となるので、使用者の要求に沿った制御を行うことが可能となる。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明にかかる貯湯式の給湯装置について図面に基づいて説明する。
〔第1実施形態〕
この貯湯式の給湯装置は、図1に示すように、温度成層を形成する状態で貯湯される貯湯タンク1、貯湯タンク1内の湯水を循環するための循環路2、循環路2を通流する湯水を加熱する加熱手段としての加熱部3、給湯運転を制御する運転制御手段としての運転制御部Hなどから構成され、循環ポンプ19を作動させて貯湯タンク1内の湯水を循環路2にて循環しながら、加熱部3にて加熱するようにしている。
【0019】
前記貯湯タンク1内には、その貯湯量が最低確保量よりも多量の最低検出貯湯量以上であるかを、その湯温を検出することにより検出する最低検出貯湯量検出手段としての最上部サーミスタS1、その貯湯量が満以上であるかを、その湯温を検出することにより検出する底部サーミスタS2が設けられている。
前記貯湯タンク1には、その底部から貯湯タンク1に水道水圧を用いて給水する給水路4が接続され、その上部から給湯するための給湯路5が接続され、使用された量だけの水を給水路4から貯湯タンク1に給水するように構成されている。
【0020】
前記給湯路5には、給水路4から分岐された混合用給水路6が接続され、その接続箇所に給湯路5からの湯水と混合用給水路6からの水との混合比を調整自在なミキシングバルブ7が設けられている。
前記給水路4と混合用給水路7との分岐箇所には、給水温度を検出する給水サーミスタ8が設けられている。
【0021】
また、給湯路5におけるミキシングバルブ7よりも上流側には、貯湯タンク1の上部から給湯路5に給湯された湯水の温度を検出する貯湯出口サーミスタ9が設けられ、給湯路5におけるミキシングバルブ7よりも下流側には、給湯路5の湯水の流量を調整する給湯流量センサ10、ミキシングバルブ7にて混合された湯水の温度を検出するミキシングサーミスタ11が設けられている。
そして、給湯路5におけるミキシングサーミスタ11よりも下流側が、台所や洗面所などの給湯栓14に給湯する一般給湯路5aと、浴槽Pに湯水を供給するための湯張り路5bとに分岐され、湯張り路5bが浴槽Pからの風呂往き路13に接続され、湯張り路5bに湯張り開閉弁29が設けられ、風呂戻り路12および風呂往き路13の両路を通して浴槽Pに湯水を供給するようにしている。
【0022】
前記給湯栓14に給湯するときには、給湯設定温度、貯湯出口サーミスタ9および給水サーミスタ8の検出情報などに基づいて、給湯する湯水の温度が給湯設定温度になるようにミキシングバルブ7の開度を調整して、給湯設定温度の湯水を給湯するように構成されている。
また、浴槽Pに湯張りするときにも、ミキシングバルブ7の開度を調整するなどして、湯張り設定温度の湯水を浴槽に供給するように構成されている。
給湯操作手段Gが、貯湯出口サーミスタ9、給水サーミスタ8、ミキシングバルブ7、ミキシングサーミスタ11、および、湯張り開閉弁29などにより構成されている。
【0023】
前記循環路2と貯湯タンク1とが、循環路2を通流する湯水を貯湯タンク1内に戻す、または、貯湯タンク1内の湯水を循環路2に取り出すために、貯湯タンク1の上部と底部の合計2箇所で連通接続されている。
具体的に説明すると、貯湯タンク1の上部には、循環路2の湯水を貯湯タンク1内に供給するための貯湯路15が連通接続され、その貯湯路15には、貯湯開閉弁16が設けられている。
また、貯湯タンク1の底部には、貯湯タンク1内の湯水を循環路2に取り出すための取り出し路17が連通接続されている。
【0024】
そして、循環路2には、湯水の循環方向に順に、循環路2の湯水の循環量を検出する循環流量センサ18、循環ポンプ19、循環路2の湯水の循環量を調整する循環流量調整バルブ20、加熱部3、加熱部3にて加熱された湯水の温度を検出する加熱温サーミスタ21、湯水の通流を断続する開閉弁22、風呂追焚用放熱部23が設けられている。
湯水循環手段Eが、循環路2、循環ポンプ19、循環流量センサ18、循環流量調整バルブ20、加熱温サーミスタ21、貯湯開閉弁16、および、開閉弁22などから構成されている。
【0025】
前記加熱部3は、詳述はしないが、ヒートポンプ装置による冷媒を供給して湯水を加熱する主加熱手段としてのヒートポンプ式加熱部3aと、バーナの燃焼により湯水を加熱する補助加熱手段としての補助加熱部3bとから構成され、循環路2の湯水の循環方向において上流側から、ヒートポンプ式加熱部3a、補助加熱部3bの順に設けられている。
【0026】
そして、ヒートポンプ式加熱部3aは、運転を開始させてからある程度の時間が経過することにより加熱効率が高くなるもので、その運転時間を長くするほどトータル加熱効率の向上を図れるように構成されている。
また、補助加熱部3bは、ヒートポンプ式加熱部3aの加熱能力よりも大きい補助加熱能力を要求に応じて出力することが可能で、その補助加熱能力が浴槽Pへ湯張りするために必要となる加熱能力を満たすように設定され、一定の加熱効率にて加熱対象用湯水を加熱するように構成されている。
ちなみに、加熱効率とは、入力したエネルギー量にて、実際に加熱のために得られたエネルギー量を割った値にて示され、トータル加熱効率とは、加熱効率を運転時間だけ積算した値を表している。
【0027】
前記ヒートポンプ式加熱部3aは、運転制御部Hとの通信などによりヒートポンプ装置を作動させて、ヒートポンプ式加熱部3aに冷媒を供給することによって、循環路2を通流する湯水を加熱するように構成されている。
また、補助加熱部3bは、循環路2を通して設定量以上の水量が供給されると、バーナの燃焼を開始し、供給される水量が設定量未満になると、バーナの燃焼を停止させ、バーナの燃焼状態において、バーナの燃焼量を調整することによって、加熱した湯水の温度を調整可能に構成されている。
【0028】
前記風呂追焚用放熱部23には、風呂戻り路12および風呂往き路13が接続され、風呂ポンプ24の作動により、風呂戻り路12および風呂往き路13を通して浴槽P内の湯水を循環させるとともに、加熱部3にて加熱された湯水を循環路2を通して循環させて、循環路2を通流する湯水から、風呂戻り路12および風呂往き路13を通して循環される浴槽P内の湯水に対して授熱させるように構成されている。
前記風呂戻り路12には、浴槽P内の湯水の循環方向の上流側から順に、浴槽内の湯水の水位を検出する圧力式の水位センサ25、風呂戻り路12の湯水の温度を検出する風呂戻りサーミスタ26、二方弁27、風呂ポンプ24、風呂水流スイッチ28が設けられ、水位センサ25および風呂戻りサーミスタ26が残り湯検出手段として作用するように構成されている。
風呂操作手段Fが、水位センサ25、風呂戻りサーミスタ26、二方弁27、風呂ポンプ24などにより構成されている。
【0029】
前記運転制御部Hは、図2に示すように、貯湯リモコンR2の指令に基づいて、湯水循環手段E、給湯操作手段G、風呂操作手段F、および、加熱部3の作動を制御することによって、貯湯タンク1内に湯水を貯湯する貯湯運転、給湯栓14や浴槽Pに所望の湯水を供給する給湯運転、湯張り設定時刻に浴槽Pに所望の状態に湯張りする予約湯張り運転、浴槽P内の湯水を追焚する追焚運転などの夫々の運転を実行するように構成されている。
【0030】
前記貯湯リモコンR2は、図示はしないが、貯湯要求が指令可能で、給湯運転における給湯設定温度、予約湯張り運転における湯張り完了設定時刻、湯張り設定温度、設定湯張り量などを設定可能に構成されている。
【0031】
以下、各運転について説明を加える。
前記貯湯運転は、貯湯リモコンR2から貯湯要求があると、貯湯開閉弁16を開弁させ、循環ポンプ19を作動させて、貯湯タンク1の底部から水を循環路2に取出し、加熱部3にて加熱したのち、貯湯路15を通して貯湯タンク1の上部に供給してするように構成されている。
【0032】
前記貯湯運転における加熱部3の動作について説明を加えると、基本的には、ヒートポンプ装置を作動させて、ヒートポンプ式加熱部3aに冷媒を供給させ、ヒートポンプ式加熱部3aにて循環路2の湯水を加熱させ、加熱温サーミスタ21による検出温度が目標貯湯温度(例えば、60℃)になるようにヒートポンプ式加熱部3aの加熱量を調整するように構成されている。
そして、ヒートポンプ式加熱部3aによる加熱だけでは、加熱温サーミスタ21による検出温度が目標貯湯温度(例えば、60℃)になるように循環路2の湯水を加熱できない場合や、ヒートポンプ式加熱部3aでの加熱が行えない場合などの特別な場合には、加熱温サーミスタ21による検出温度が目標貯湯温度(例えば、60℃)になるように、補助加熱部3bによる加熱量を調整するように構成されている。
【0033】
このようにして、加熱部3にて循環路2の湯水を貯湯設定温度に加熱して、その湯水を貯湯タンク1の上部から供給することによって、温度成層を形成する状態で、貯湯タンク1内に貯湯するように構成されている。
【0034】
前記給湯運転は、給湯栓14が開操作されたり、浴槽Pに湯張りするときに開始され、基本的には、貯湯タンク1内に貯湯されている湯水を取り出して、その湯水に水を混合させて給湯路5を通して、給湯栓14や浴槽Pに供給するように構成されている。
なお、貯湯タンク1内に湯水が貯湯されていなかったり、貯湯タンク1内の貯湯量が最低確保量未満であれば、上述の貯湯運転を実行して、貯湯タンク1内に貯湯しながら、その湯水を取り出して、給湯栓14や浴槽Pに供給するように構成されている。
【0035】
説明を加えると、貯湯タンク1内に貯湯されている湯水を給湯路5に取り出して、貯湯リモコンR2などにて設定された給湯設定温度、貯湯出口サーミスタ9および給水サーミスタ8の検出情報に基づいて、給湯する湯水の温度が給湯設定温度になるようにミキシングバルブ7の開度を調整するとともに、ミキシングサーミスタ11の検出情報に基づいて、その検出温度と給湯設定温度との偏差に基づいてミキシングバルブ7の開度を微調整することにより、給湯設定温度の湯水を給湯するように構成されている。
【0036】
前記予約湯張り運転は、二方弁27を閉弁させたり、風呂ポンプ24を作動させるなどして、水位センサ25および風呂戻りサーミスタ26の検出情報に基づいて、浴槽P内の残り湯の状態を判別する残り湯判別処理を実行し、その残り湯判別処理の判別結果に基づいて、浴槽P内に湯水が存在しない状態から湯張りするための通常貯湯処理、または、残り湯を利用して湯張りするための残り湯貯湯処理のいずれか一方の処理を実行して、湯張り完了設定時刻に湯張り設定温度の湯水を設定湯張り量湯張りするように構成されている。
【0037】
そして、運転制御部Hは、上述の残り湯判別処理において、浴槽P内に残り湯が存在すると判別したときには、残り湯が存在することを報知する残り湯報知を行い、その残り湯報知を解除する解除操作が行われると、上述の残り湯貯湯処理を実行して、使用者に対して残り湯が存在することを報知し、残り湯を利用して湯張りしたいという使用者の意図があるときのみ、残り湯貯湯処理を実行するように構成されている。
【0038】
以下、通常貯湯処理について説明を加える。
前記通常貯湯処理は、前記残り湯判別処理において、浴槽P内に残り湯が存在しないと判別したときに実行され、湯張り設定時刻に貯湯タンク1内の貯湯量が設定湯張り量になるように、湯張り設定時刻よりも以前の通常運転開始時刻になると、加熱部3の運転を開始させるべく、加熱部3の運転を制御して貯湯タンク1への貯湯処理を行うようにしている。
そして、貯湯タンク1内の貯湯量が設定湯張り量になると、その貯湯された湯水を浴槽Pに供給する湯張り処理を行ったのち、浴槽P内の湯水を追焚する追焚処理を行い、湯張り完了設定時刻に湯張り設定温度の湯水を設定湯張り量湯張りするようにしている。
【0039】
具体的に説明すると、ヒートポンプ式加熱部3aのみを運転させる状態で、上述の貯湯運転を実行したときに、貯湯タンク1内に設定湯張り量貯湯するための必要運転時間と、貯湯タンク1内に貯湯された湯水を用いて湯張り設定温度の湯水を設定湯張り量湯張りするための湯張り・追焚動作時間とを求めて、湯張り完了設定時刻よりも必要運転時間と湯張り・追焚動作時間とを加えた時間だけ早い時刻を通常運転開始時刻として設定する。
そして、通常運転運転時刻になると、ヒートポンプ式加熱部3aのみを運転させる状態で、上述の貯湯運転を実行して貯湯処理を行い、湯張り設定時刻に貯湯タンク1内に設定湯張り量貯湯したのち、湯張り開閉弁29を開弁させて、上述の給湯運転を実行して湯張り処理を行い、給湯流量センサ10の積算量が設定湯張り量になると、後述する追焚運転を実行して追焚処理を行い、湯張り完了設定時刻に湯張り設定温度の湯水を設定湯張り量湯張りするようにしている。
【0040】
ちなみに、必要運転時間および湯張り・追焚動作時間は、水温、気温、および、予め設定されている加熱部3の加熱能力(ヒートポンプ式加熱部3aの加熱能力)などに基づいて求められ、設定湯張り量の湯水を貯湯タンク1から浴槽Pに供給するのに要する湯水供給時間と、浴槽P内の湯水を湯張り設定温度に追焚する追焚時間とを加えた時間を湯張り・追焚動作時間として求めるようにしている。
また、湯張り設定時刻は、湯張り完了設定時刻から湯張り・追焚動作時間だけ早い時刻として設定されている。
【0041】
以下、上述の残り湯貯湯処理について説明を加える。
前記残り湯貯湯処理は、前記残り湯判別処理において、浴槽P内に残り湯が存在すると判別したときに実行され、水位センサ25および風呂戻りサーミスタ26の検出情報に基づいて、設定湯張り量よりも少量の必要湯張り量を求めて、湯張り設定時刻に貯湯タンク1内の貯湯量が必要湯張り量になるように、湯張り設定時刻よりも以前でかつ通常運転開始時刻よりも以後の残り湯運転開始時刻になると、加熱部3の運転を開始させるべく、加熱部3の運転を制御して貯湯タンク1への貯湯処理を行い、貯湯タンク1内の貯湯量が必要湯張り量になると、その貯湯された湯水を浴槽Pに供給する湯張り処理を行ったのち、浴槽P内の湯水を追焚する追焚処理を行い、湯張り完了設定時刻に湯張り設定温度の湯水を設定湯張り量湯張りするように構成されている。
【0042】
そして、運転制御部Hは、ヒートポンプ式加熱部3aにより被加熱対象用湯水を加熱するときのトータル加熱効率が設定トータル加熱効率を上回るためのヒートポンプ式加熱部3aの必要運転時間を記憶し、上述の残り湯貯湯処理において、湯張り設定時刻に貯湯タンク1内の貯湯量を必要湯張り量にするための加熱部3の加熱運転時間を求めて、その加熱運転時間が必要運転時間以上か否かを判別し、その判別結果に基づいて、ヒートポンプ式加熱部3aまたは補助加熱部3bのいずれか一方を選択して、その選択したもののみを運転させる状態で、加熱部3の運転を制御する加熱選択処理を実行するように構成されている。
【0043】
また、運転制御部Hは、残り湯貯湯処理において、水位センサ25および風呂戻りサーミスタ26の検出情報に基づいて、通常運転開始時刻から残り湯運転開始時刻の間における、浴槽P内の残り湯の状態の変化を検出する残り湯状態変化検出処理を実行し、その残り湯状態変化検出処理において、残り湯の状態の変化が検出されたときには、水位センサ25および風呂戻りサーミスタ26の検出情報に基づいて、再度必要湯張り量を求めて、上述の加熱選択処理を実行するように構成されている。
【0044】
説明を加えると、残り湯貯湯処理においては、残り湯の量および温度などから残り湯を利用して湯張りするときの必要湯張り量を求めて、湯張り設定時刻にその必要湯張り量だけ貯湯タンク1内に貯湯させるための残り湯運転開始時刻を設定し、その残り湯運転開始時刻になると、加熱部3の運転を開始させて貯湯タンク1への貯湯処理を行い、湯張り設定時刻になると、浴槽Pへ湯水を供給する湯張り処理を行ったのち、浴槽P内の湯水を追焚する追焚処理を行って、湯張り完了設定時刻に湯張り設定温度の湯水を湯張り設定量湯張りするようにしている。
【0045】
そして、この残り湯貯湯処理においては、加熱部3の運転として、ヒートポンプ式加熱部3aを運転させるか、または、補助加熱部3bを運転させるかを、効率の面から有効な方を選択して、効率の向上を図るように構成されている。
すなわち、湯張り設定時刻に必要湯張り量するための加熱部3の加熱運転時間を求めて、その加熱運転時間が必要運転時間以上である場合には、ヒートポンプ式加熱部3aを選択し、加熱運転時間が必要運転時間未満である場合には、補助加熱部3bを選択するようにしている。
【0046】
また、基本的には、補助加熱部3bを運転させるよりも、ヒートポンプ式加熱部3aを運転させる方が効率の向上になることから、上述の加熱部3の運転の選択において補助加熱部3bを運転させることが選択されたときには、通常運転開始時刻から残り湯運転開始時刻の間に浴槽P内の残り湯の状態の変化を監視し、残り湯の状態の変化があると、再度加熱部3の加熱運転時間を求めて、その加熱運転時間による加熱部3の運転の選択を行うようにして、残り湯の状態の変化に対応しながら、極力ヒートポンプ式加熱部3aを運転させて、効率の向上を図るように構成されている。
【0047】
このようにして、浴槽P内の残り湯の状態に応じて、実際に湯張りに必要となる量だけ湯張り設定時刻に貯湯タンク内に貯湯させるように、通常貯湯処理または残り湯貯湯処理のいずれかを実行して、貯湯タンクの貯湯量が実際に必要となる量に対して不足することなく、かつ、余剰な貯湯を防止することにより、装置の効率を向上させるようにしている。
しかも、加熱部3を運転させる際には、ヒートポンプ式加熱部3aおよび補助加熱部3bのうち、効率の面で有効な方を選択しながら運転させて、装置の効率をより一層向上させるようにしている。
【0048】
前記残り湯貯湯処理について具体的に説明すると、まず、水位センサ25および風呂戻りサーミスタ26の検出情報による残り湯の量および温度などに基づいて、必要湯張り量を求めて、さらに、その必要湯張り量に基づいて、湯張り設定時刻に貯湯タンク1内の貯湯量を必要湯張り量にするための加熱部3の加熱運転時間を求める。
【0049】
そして、加熱部3の加熱運転時間が必要運転時間以上の場合には、ヒートポンプ式加熱部3aのみの運転によって、湯張り完了設定時刻に湯張り設定温度の湯水を設定湯張り量湯張りするためのヒートポンプ運転開始時刻を残り湯運転開始時刻として設定し、そのヒートポンプ運転開始時刻になると、ヒートポンプ式加熱部3aのみを運転させる状態で、加熱部3の運転を開始させて、湯張り完了設定時刻に湯張り設定温度の湯水を設定湯張り量湯張りするようにしている。
【0050】
また、加熱部3の加熱運転時間が必要運転時間未満の場合には、湯張り完了設定時刻よりも必要運転時間と設定時間とを加えた時間だけ早くかつ通常運転開始時刻よりも遅い残り湯判別用時刻を残り湯運転開始時刻として設定し、その残り湯判別用時刻になると、水位センサ25および風呂戻りサーミスタ26の検出情報に基づいて、通常運転開始時刻から残り湯判別用時刻の間における、浴槽P内の残り湯の状態の変化を検出するようにしている。
なお、残り湯判別用時刻を設定する際の設定時間については、ヒートポンプ式加熱部3aのみを必要運転時間運転させたときに、湯張り設定時刻に貯湯タンク1内の貯湯量が必要湯張り量から不足する不足量を、補助加熱部3bを運転させて浴槽Pへの湯張りおよび追焚したときの動作時間と、上述の湯張り・追焚動作時間と、所定の見込み時間とを加えた時間が設定時間として設定されている。
【0051】
そして、浴槽P内の残り湯の状態に変化が検出されると、残り湯の量および温度などに基づいて、再度、必要湯張り量および加熱部3の加熱運転時間を求めて、その加熱運転時間が必要運転時間以上か未満かを再度判別する。
その再度求めた加熱運転時間が必要運転時間以上の場合には、ヒートポンプ式加熱部3aのみを運転させる状態で、加熱部3の運転を開始させて、湯張り完了設定時刻に湯張り設定温度の湯水を設定湯張り量湯張りするようにしている。
【0052】
なお、この場合に、残り湯がすべて排水されるなどして、必要湯張り量が多量となり、ヒートポンプ式加熱部3aのみを運転させたときの加熱部3の加熱運転時間が現時刻から湯張り設定時刻よりも長くなるなど、湯張り設定時刻に貯湯タンク1内の貯湯量が必要湯張り量に不足する場合には、ヒートポンプ式加熱部3aを必要運転時間運転させて、貯湯タンク1内に貯湯された湯水を用いて浴槽Pへの湯張り処理を行ったのち、不足分を補助加熱部3bを運転させながら、浴槽Pへの湯張り処理を行うなどして、湯張り完了設定時刻に湯張り設定温度の湯水を設定湯張り量湯張りするようにしている。
【0053】
また、残り湯の状態に変化がなかったり、再度加熱運転時間を求めても、その加熱運転時間が必要運転時間未満の場合には、補助加熱部3bのみの運転によって、湯張り完了設定時刻に湯張り設定温度の湯水を設定湯張り量湯張りするための補助運転開始時刻を残り湯運転開始時刻として設定し、その補助運転開始時刻になると、補助加熱部3bのみを運転させる状態で、加熱部3の運転を開始させて、補助加熱部3bにて加熱された湯水を直接浴槽Pに湯張りしたのち、浴槽P内の湯水を追焚する追焚処理を実行して、湯張り完了設定時刻に湯張り設定温度の湯水を設定湯張り量湯張りするようにしている。
【0054】
前記追焚運転は、貯湯リモコンR2から追焚要求があったり、上述の予約湯張り運転での要求に応じて行われ、風呂ポンプ24を作動させて、水流スイッチ28がONになると、開閉弁22を開弁して、循環ポンプ19および加熱部3の運転を開始させて、循環路2の湯水を、加熱部3にて加熱して風呂追焚用放熱部23に供給したのち、加熱部3に供給する状態で循環させる。
そして、風呂ポンプ24の作動によって、浴槽P内の湯水を、風呂戻り路12を通して風呂追焚用放熱部23に供給したのち、風呂往き路13を通して浴槽Pに戻す状態で循環させる。
【0055】
このようにして、風呂追焚用放熱部23において、循環路2を通流する湯水から浴槽P内の湯水に対して授熱させて、浴槽P内の湯水を追焚するように構成されている。
そして、風呂戻りサーミスタ26の検出温度が湯張り設定温度や追焚用設定温度などの設定温度になると、風呂ポンプ24、循環ポンプ19および加熱部3の運転を停止させるように構成されている。
【0056】
前記予約湯張り運転の動作について、図3および図4のフローチャートに基づいて説明する。
まず、貯湯リモコンR2にて湯張り完了時刻の設定が行われたときには、湯張り完了設定時刻に湯張り設定温度の湯水を設定湯張り量湯張りするための通常運転開始時刻を設定し、その通常運転開始時刻になると、残り湯判別処理を実行して、残り湯が存在するか否かを判別する(ステップ1〜3)。
そして、浴槽P内に残り湯が存在しないときには、通常貯湯処理を実行して、ヒートポンプ式加熱部3aのみの運転による貯湯タンク1への貯湯処理を行い、貯湯タンク1内の貯湯量が設定湯張り量になり貯湯が完了すると、貯湯処理を停止させて、貯湯タンク1内に貯湯された湯水を浴槽Pに供給する湯張り処理を行う(ステップ3〜6)。
【0057】
その後、給湯流量センサ10の検出情報に基づいて、浴槽Pに湯水が所望量供給されて湯張りが完了すると、湯張り処理を停止させ、浴槽P内の湯水を追焚する追焚処理を行い、浴槽P内の湯水の温度が湯張り設定温度になり沸き上げが完了すると、追焚処理を停止させて、湯張り設定温度の湯水を設定湯張り量湯張りする予約湯張りが完了したことを報知する停止処理を実行するようにしている(ステップ7〜10)。
【0058】
また、残り湯判別処理において、浴槽P内に残り湯が存在するときには(ステップ3)、残り湯が存在することを報知する残り湯報知処理を実行し、貯湯リモコンR2を操作して残り湯報知を解除する解除操作が行われると、必要湯張り量を求めて、その必要湯張り量を貯湯するための加熱部3の加熱運転時間を求める演算処理を実行する(ステップ11〜13)。
なお、残り湯報知を解除する解除操作が行われず、使用者によって残り湯が排水されたのち、貯湯リモコンR2の操作が行われると、浴槽P内に残り湯が存在しないものとして、上述の貯湯処理、湯張り処理、および、追焚処理を順次実行するようにしている。
【0059】
そして、加熱部3の加熱運転時間が必要運転時間以上であると、ヒートポンプ式加熱部3aのみの運転によって、湯張り完了設定時刻に湯張り設定温度の湯水を設定湯張り量湯張りするためのヒートポンプ運転開始時刻を設定し、そのヒートポンプ運転開始時刻になると(ステップ14,15)、貯湯タンク1への貯湯量を必要湯張り量として、上述の貯湯処理、湯張り処理、および、追焚処理を順次実行するようにしている(ステップ4〜10)。
【0060】
また、加熱部3の加熱運転時間が必要運転時間未満であると、残り湯判別用時刻を設定し、その残り湯判別用時刻になると、残り湯状態変化検出処理を実行して、残り湯の状態に変化があるか否かを判別する(ステップ16,17)。
そして、残り湯の状態に変化がある場合には(ステップ17)、再度必要湯張り量を求めて、その必要湯張り量を貯湯するための加熱部3の加熱運転時間を求める演算処理を実行し、その加熱運転時間が必要運転時間以上であると(ステップ18,19)、貯湯タンク1への貯湯量を再度求めた必要湯張り量として、上述の貯湯処理、湯張り処理、および、追焚処理を順次実行するようにしている(ステップ4〜10)。
【0061】
残り湯の状態に変化がなかったり(ステップ17)、再度求めた加熱運転時間が必要運転時間未満であると(ステップ19)、補助加熱部3bのみの運転によって、湯張り完了設定時刻に湯張り設定温度の湯水を設定湯張り量湯張りするための補助運転開始時刻を設定し、その補助運転開始時刻になると(ステップ20)、補助加熱部3bのみを運転させる状態で、加熱部3の運転を開始させて、上述の湯張り処理および追焚処理を実行するようにしている。
【0062】
〔第2実施形態〕
この第2実施形態は、上記第1実施形態における加熱部3の別実施形態を示すものであり、以下、第2実施形態における構成について、図面に基づいて説明する。
なお、その他の構成については、上記第1実施形態と同様であるので、同符号を記すなどによって、その詳細な説明は省略する。
【0063】
すなわち、上記第1実施形態では、補助加熱手段としての補助加熱部3bが、循環路2を通流する湯水を加熱するように構成した例を示したが、この第2実施形態では、図5に示すように、補助加熱手段としての補助加熱装置30が、貯湯タンク1の上部から取り出した湯水を加熱したのち、浴槽Pに供給する湯張り機能、貯湯タンク1の上部から取り出した湯水に水を混合して、所望温度の湯水を給湯する給湯機能、浴槽P内の湯水を加熱した追焚する追焚機能を備えて構成されている。
【0064】
説明を加えると、補助加熱装置30には、貯湯タンク1の上部に接続された給湯路5、浴槽Pに接続された風呂戻り路12および湯張り路としての風呂往き路13、給湯栓14が接続された一般給湯路5a、混合用給水路6の夫々が接続されている。
そして、補助加熱装置30は、貯湯タンク1の上部から取り出した湯水に水を混合して、所望温度の湯水を給湯するとともに、貯湯タンク1の上部から取り出した湯水を加熱したのち、風呂往き路13を通して浴槽Pに供給し、さらに、風呂ポンプ24の作動によって、風呂戻り路12および風呂往き路13を通して循環される浴槽P内の湯水を加熱して追焚するように構成されている。
【0065】
なお、この第2実施形態では、補助加熱装置30に追焚機能が備えられているので、第1実施形態において、循環路2に設けられている開閉弁22および風呂追焚用放熱部23や、貯湯路15および取り出し路17を省略することが可能となり、循環路2は、その湯水の循環方向の上流側端部が貯湯タンク1の底部に接続され、下流側端部が貯湯タンク1の上部に接続されている。
【0066】
〔第3実施形態〕
この第3実施形態は、上記第1および第2実施形態における貯湯タンク1内の湯水を加熱する構成の別実施形態を示すものであり、以下、第3実施形態における構成について、図面に基づいて説明する。
なお、その他の構成については、上記第1および第2実施形態と同様であるので、同符号を記すなどによって、その詳細な説明は省略する。
【0067】
すなわち、上記第1および第2実施形態では、貯湯タンク1内の湯水を循環路2に取り出して、ヒートポンプ式加熱部3aにて加熱したのち、貯湯タンク1の上部に戻す形態で、貯湯タンク1内の湯水を循環させながら、貯湯タンク1内の湯水を加熱する構成を示したが、この第3実施形態では、図6に示すように、貯湯タンク1内の湯水を加熱させるためのタンク内加熱部31が設けられ、そのタンク内加熱部31にヒートポンプ式加熱部3aにて加熱された湯水を供給することによって、貯湯タンク1内の湯水を加熱するように構成されている。
【0068】
なお、この第3実施形態では、第1および第2実施形態において、循環路2に設けられている循環流量調整バルブ20および加熱温サーミスタ21などを省略することが可能となる。
【0069】
〔別実施形態〕
(1)上記第1〜第3実施形態では、残り湯貯湯処理において、貯湯処理、湯張り処理、追焚処理を順次実行するように構成した例を示したが、貯湯処理を実行しながら、湯張り処理を実行するように構成して実施することも可能である。
なお、この場合には、貯湯処理と湯張り処理が同時に実行されるために、湯張り完了時刻よりも浴槽P内の湯水を湯張り設定温度に追焚する追焚時間だけ早い時刻が湯張り設定時刻として設定されることになり、また、貯湯処理が終了するときには、既に貯湯タンク1から浴槽Pに所望量供給されているので、設定湯張り量よりも既に浴槽Pに供給されている量だけ少ない量になると、貯湯処理を終了することになる。
【0070】
(2)上記第1〜第3実施形態では、通常運転開始時刻から残り湯運転開始時刻の間のひとつの時点の残り湯判別用時刻になると、残り湯状態変化検出処理を実行し、その検出結果に応じて、加熱選択処理を再度実行する構成を示したが、通常運転開始時刻から残り湯運転開始時刻の間に、連続してまたは設定時間が経過するごとに、残り湯状態検出処理を繰り返し実行して、その検出結果に応じて、加熱選択処理を再度実行するように構成して実施することも可能であり、残り湯状態検出処理の実行回数などについては適宜変更が可能である。
【0071】
(3)上記第1〜第3実施形態では、常時、残り湯判別処理において、浴槽P内に残り湯が存在すると判別したときには、残り湯報知を行い、その残り湯報知を解除する解除操作が行われると、残り湯貯湯処理を実行するように構成したが、残り湯報知を行うか否かを選択可能な選択スイッチを貯湯リモコンR2に設けて、その選択スイッチがON操作されているときのみ、残り湯報知を行うように構成して実施することも可能である。
また、上述のような残り湯報知を行わずに実施することも可能である。
【0072】
(4)上記第1〜第3実施形態では、ヒートポンプ運転開始時刻を設定したのち、通常運転開始時刻からヒートポンプ運転開始時刻の間において、特別な動作は行わず、ヒートポンプ運転開始時刻になると、貯湯処理、湯張り処理、追焚処理を順次行うように構成したが、ヒートポンプ運転開始時刻を設定したのち、通常運転開始時刻からヒートポンプ運転開始時刻の間における、残り湯の状態の変化に応じて、ヒートポンプ運転開始時刻を更新するように構成して実施することも可能である。
説明を加えると、ヒートポンプ運転開始時刻を設定したのち、通常運転開始時刻からヒートポンプ運転開始時刻の間に、残り湯状態変化検出処理を実行し、残り湯の状態が変化しているときには、変化後の残り湯の状態に基づいて、再度必要湯張り量を求めて、その必要湯張り量に対応したヒートポンプ運転開始時刻を更新する。
【0073】
(5)上記第1〜第3実施形態では、加熱部3として、主加熱手段としてのヒートポンプ式加熱部3aと補助加熱手段としての補助加熱部3bまたは補助加熱装置30を備える構成を示したが、主加熱手段のみを備えるものや補助加熱手段のみを備えるもの、また、主加熱手段として、ヒートポンプ式加熱部3aと外部熱源機の排熱を利用して加熱する排熱利用式加熱部を備えるものなど、加熱手段としては、その主加熱手段および補助加熱手段における加熱手段の数、および、主加熱手段および補助加熱手段の夫々の構成について、適宜変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態における貯湯式の給湯装置の概略構成図
【図2】貯湯式の給湯装置の制御ブロック図
【図3】予約湯張り運転におけるフローチャート
【図4】予約湯張り運転におけるフローチャート
【図5】第2実施形態における貯湯式の給湯装置の概略構成図
【図6】第3実施形態における貯湯式の給湯装置の概略構成図
【符号の説明】
1 貯湯タンク
3 加熱手段
3a 主加熱手段
3b,30 補助加熱手段
4 給水路
5 給湯路
5b 湯張り路
25,26 残り湯検出手段
H 運転制御手段
Claims (4)
- 上部に給湯路が接続されかつ下部に給水路が接続されている貯湯タンクと、その貯湯タンク内の湯水を加熱する加熱手段と、前記加熱手段の運転を制御する運転制御手段とが設けられている貯湯式の給湯装置であって、
前記給湯路から分岐され、前記貯湯タンク内の湯水を浴槽内に供給する湯張り路と、
前記浴槽内の残り湯を検出する残り湯検出手段が設けられ、
前記運転制御手段が、前記残り湯検出手段の検出情報に基づいて、前記浴槽内の残り湯の状態を判別する残り湯判別処理を実行し、
その残り湯判別処理において、前記浴槽内に残り湯が存在しないと判別したときには、湯張り設定時刻に前記貯湯タンク内の貯湯量が設定湯張り量になるように、前記湯張り設定時刻よりも以前の通常運転開始時刻になると、前記加熱手段の運転を開始させるべく、前記加熱手段の運転を制御する通常貯湯処理を実行し、
前記浴槽内に残り湯が存在すると判別したときには、前記残り湯検出手段の検出情報に基づいて、前記設定湯張り量よりも少量の必要湯張り量を求めて、前記湯張り設定時刻に前記貯湯タンク内の貯湯量が前記必要湯張り量になるように、前記湯張り設定時刻よりも以前でかつ前記通常運転開始時刻よりも以後の残り湯運転開始時刻になると、前記加熱手段の運転を開始させるべく、前記加熱手段の運転を制御する残り湯貯湯処理を実行するように構成されている貯湯式の給湯装置。 - 前記加熱手段が、主加熱手段と補助加熱手段を備えて構成され、
前記運転制御手段は、前記主加熱手段により被加熱対象用湯水を加熱するときのトータル加熱効率が設定トータル加熱効率を上回るための前記主加熱手段の必要運転時間を記憶し、
前記残り湯貯湯処理において、
前記湯張り設定時刻に前記貯湯タンク内の貯湯量を前記必要湯張り量にするための前記加熱手段の加熱運転時間を求めて、その加熱運転時間が前記必要運転時間以上か未満かを判別し、
その加熱運転時間が前記必要運転時間以上であると、前記主加熱手段のみを運転させる状態で、前記加熱手段の運転を制御し、前記加熱運転時間が前記必要運転時間未満であると、前記補助加熱手段のみを運転させる状態で、前記加熱手段の運転を制御する加熱選択処理を実行するように構成されている請求項1に記載の貯湯式の給湯装置。 - 前記運転制御手段が、前記残り湯貯湯処理において、前記残り湯検出手段の検出情報に基づいて、前記通常運転開始時刻から前記残り湯運転開始時刻の間における、前記浴槽内の残り湯の状態の変化を検出する残り湯状態変化検出処理を実行し、
その残り湯状態変化検出処理において、残り湯の状態の変化が検出されたときには、前記加熱選択処理を実行するように構成されている請求項2に記載の貯湯式の給湯装置。 - 前記運転制御手段が、前記残り湯判別処理において、前記浴槽内に残り湯が存在すると判別したときには、残り湯が存在することを報知する残り湯報知を行い、その残り湯報知を解除する解除操作が行われると、前記残り湯貯湯処理を実行するように構成されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の貯湯式の給湯装置。
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