以下に図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明においては同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同一であるものとする。
<概略構成について>
図1は、本発明の実施の形態に従う洗濯機の前面側から見た概略構成を説明する図である。
図1を参照して、洗濯機200は、後述するミストを生成して噴霧するミスト生成器100以外の構成は従来のドラム式の洗濯機とほぼ同じ構成であり、概略の構成について説明する。
外箱216は直方体形状であり、金属または合成樹脂により形成され、その内部には、被洗浄物を投入するための水槽214が設けられる。そして、水槽214内部に内ドア230を有する図示しない回転自在の回転ドラムが設けられる。水槽214と回転ドラムは前面側が開口された円筒形のカップの形状を呈しており、水槽214を外側、回転ドラムを内側とする形で同心的に配置される。また、水槽214および回転ドラムは前面部(内ドア側)よりも後面部が下がるように配置される。
水槽214内の空間上部には、回転ドラム内に供給すべき温風が流れる送風ダクト212が配置されている。また、送風ダクト212は、水槽214内の空気を加熱するためのヒータ部242と連結されている。
水槽214の下部には、排水ユニット206が設けられている。水槽214内には、洗濯水を排水するための排水口が設けられており、排水口は排水ダクト238を介して排水ユニット206と連結される。排水ユニット206には、図示しない電磁的に開閉する排水弁が設けられ、水槽214の水を排水ホース202に排水する。また、排水ユニット206には、循環ポンプ46が設けられており、循環ポンプ46は、排水ダクト238を介して排水ユニット206に流れ込む水を循環ホース204を介して再び水槽214内に供給する。水の循環径路の具体例については後述する。
水槽214の底部は、3本のダンパ232により弾性支持されるとともに、水槽214の上部は支持バネ236により外箱216の上部と連結されて弾性支持される。
また、水槽214の上部には、水槽214内に給水する給水ユニット220が設けられ、給水ユニット220と給水ダクト208とが連結され、水槽214内に水が供給される。
また、水槽214の上部には、本発明の実施の形態に従うミスト生成器100が設けられる。ミスト生成器100は、ミスト給水ホース210を介して給水ユニット220と連結される。
また、洗濯機200全体を制御するコントロール部218が外箱216の底部に設けられる。
図2は、本発明の実施の形態に従う洗濯機200の側面側から見た概略構成を説明する図である。
図2を参照して、外箱216の上部前面側には洗濯機200の各種操作ボタンが設けられた操作パネル36が設けられる。また、外箱の前面側には外ドア234が設けられる。
また、外箱216の上面側には、洗剤ケース222を収納する給水ユニット220が設けられる。
また、給水ユニット220は、給水弁42と連結される。給水ダクト208は給水ユニット220と連結される。
また、給水ユニット220と連結されたミスト用給水弁44が設けられ、ミスト用給水弁44が開くことによりミスト生成器100に水等が供給される。
なお、図1および図2には、説明の簡単のために洗濯に用いられる給水径路のみを図示しているが、実際には、乾燥用の給水径路が別途設けられるものとする。乾燥用の給水径路は、洗剤ケース222を内蔵する給水ユニット220を通らずに、水道水が直接ミスト用給水弁44に流れる径路である。したがって、本実施の形態における洗濯機200は、乾燥用給水弁(図示せず)と、乾燥用給水弁とミスト用給水弁44との間に設けられる乾燥用給水ユニット(図示せず)とをさらに備える。また、乾燥用給水ユニット(図示せず)内の水は、給水ダクト208を介して直接水槽214に供給することもできる。なお、給水ダクト208とは別の給水ダクト(図示せず)から水槽214に給水することとしてもよい。
水槽214の底部には、排水口が設けられ、水槽214外に出た洗い水等は排水ダクト238を流れて排水ユニット206に流れ込む。この排水ダクト238を流れる水は、排水弁が開口することにより排水ホース202から排水される。あるいは、循環ポンプ46により循環ホース204を介して循環ノズル240に供給され、水槽214の上部側の端部に設けられた循環ノズル240から水が再び給水ユニット220内に供給される。本実施の形態では、たとえば循環ポンプ46がONの期間にミスト用給水弁44を開放することにより、循環ホース204を通って汲み上げられた水をミスト生成器100に供給する。これにより、水槽214内の水を繰り返しミストとして被洗浄物に吹き付けることができる。
なお、給水ユニット220と循環ノズル240との間にはたとえば循環用の弁(図示せず)が設けられてもよい。その場合、循環ポンプ46がOFFの期間は、給水ユニット220内の水が循環ホース204に逆流しないように当該弁を閉じることとしてよい。
また、本実施の形態では、循環ノズル240が給水ユニット220に接続されることとしたが、必ずしもその必要はなく、循環ノズル240は、たとえば直接ミスト給水ホース210に接続されてもよい。この場合、循環ポンプ46がONのタイミングでミスト用給水弁44を開放する制御は必須ではないことになる。
また、水槽214の底部外側には、駆動機構224が設けられる。駆動機構224には、ドラムモータが設けられており、ドラムモータが駆動することにより図示しない回転ドラムが回転駆動される。
図3は、本発明の実施の形態に従うコントロール部218および周辺装置を説明する概略図である。
図3を参照して、コントロール部218は、CPU(Central Processing Unit)60と、振動ユニット制御部62と、タイマ64と、メモリ66とを含む。
CPU60は、洗濯機200内の各種の制御部位に対して必要な制御指示を出力する。
メモリ66は、CPU60の演算を実行するために必要な情報を格納するとともに、各周辺装置を制御するための制御指示をCPUから指示するために必要な制御プログラム等を格納する。
タイマ64は、CPU60からの指示に従って、必要な時刻情報を出力する。
振動ユニット制御部62は、CPU60からの指示に従って、超音波素子の超音波振動の周波数を調整する調整信号を振動ユニット70に出力する。
周辺装置として、ここでは、一例として洗濯機200内に設けられた、警報器40と、給水弁42と、ミスト用給水弁44と、循環ポンプ46と、サーミスタ48と、ヒータ50と、乾燥ファン52と、ドラムモータ54と、振動ユニット70とが設けられ、各周辺装置がCPU60により制御される構成が示されている。
また、CPU60は、操作パネル36に設けられた各種操作ボタンの指示に従って所定の制御信号を各周辺装置に出力する。
CPU60は、各種周辺装置における異常を検知した場合には、操作パネル36にエラー表示するとともに、警報器40に対して警報音を出力するように指示する。
また、CPU60は、電磁的に開閉可能な(洗濯用の)給水弁42に対して所定のタイミングにおいて指示し、給水弁42を開くことにより給水ユニット220に対して水を供給する。そして、給水ユニット220から給水ダクト208を介して水槽214内に水等が供給される。
また、CPU60は、電磁的に開閉可能なミスト用給水弁44に対して所定のタイミングにおいて指示し、ミスト用給水弁44を開くことによりミスト生成器100に対して給水ユニット220から水等を供給する。そして、振動ユニット70に設けられた振動素子を駆動することによりミスト生成器100からミストが生成され、生成されたミストが水槽214内に供給される。なお、給水ユニット220には、洗剤ケース222が設けられており、洗剤ケース222内を水が通過することにより洗剤が溶解した水をミスト用給水弁44を介してミスト生成器100に対して供給する。これにより、洗剤が溶解した洗剤水のミストが被洗浄物に噴霧されるため被洗浄物全体に満遍なく洗剤水を供給することが可能である。
また、CPU60は、排水ユニット206に設けられた循環ポンプ46を制御し、循環ポンプ46は循環ホース204を介して循環ノズル240から水等を給水ユニット220内に再び供給する。なお、本実施の形態では、CPU60は、循環ポンプ46を駆動制御する際には、ミスト用給水弁44を開き、かつ、給水弁42を閉じるよう制御する。
また、CPU60は、サーミスタ48と接続され、水槽214内の温度を検知する。
また、CPU60は、ヒータ部242に設けられた空気を加熱するヒータ50を制御し、ヒータ50の温度を調整する。
また、CPU60は、ヒータ部242に設けられた乾燥ファン52を制御し、ヒータ50により熱せられた空気を乾燥ファン52の回転により送風ダクト212を介して水槽214内に供給する。
また、CPU60は、ドラムモータ54を制御して、回転ドラムを回転させる。
また、CPU60は、振動ユニット制御部62を制御し、振動ユニット制御部62は、CPU60からの指示に従って、振動ユニット70を制御する。
振動ユニット70は、A/Dコンバータ14と、D/Aコンバータ16と、V/fコンバータ18と、振動子20と、検出回路22と、ドライバ26と、第1トランジスタ28と、第2トランジスタ30と、変圧トランス32と、コイル34とを含む。
振動子20は、第1トランジスタ28および第2トランジスタ30が生成する電力の供給を受けて超音波振動(周波数が20000Hz以上となる振動のこと)する素子である。本実施の形態に係る振動子20は圧電セラミック振動子とする。
検出回路22は、検出トランス51と、変換回路53とを含む。検出トランス51は、振動子20に流れる電流(ホーン電流とも称する)値を検出する素子である。変換回路53は、検出トランス51がホーン電流として検出した振動子20に流れる電流値を増幅する。
D/Aコンバータ16は、振動ユニット制御部62からの周波数設定指示であるデジタル信号をアナログ信号に変換し、V/fコンバータ18に出力する。
V/fコンバータ18は、D/Aコンバータ16によりアナログ信号に変換された電圧信号を周波数信号に変換する。
ドライバ26は、V/fコンバータ18からの周波数信号に基づいてPWM信号を第1トランジスタ28および第2トランジスタ30に出力する。
第1トランジスタ28および第2トランジスタ30は、ドライバ26が出力したPWM信号を増幅する素子(本実施の形態の場合MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)とする)である。
変圧トランス32は、第1トランジスタ28および第2トランジスタ30が増幅したPWM信号の電圧を変圧する素子である。コイル34は、振動子20とコイル34とからなる回路の共振周波数を振動子20の共振周波数に比べ小さくする素子である。
本実施の形態において、振動ユニットの電源電圧(+V)、変圧トランス32の昇圧比、コイル34のインダクタンスは、振動子20が良好に動作するように設計の際、予め実験を行って決定する。
A/Dコンバータ14は、検出回路22が出力したアナログ信号をデジタル信号に変換し、その結果を振動ユニット制御部62に出力する。なお、本例においては、一例として振動ユニット70はミスト生成器100内に設けられているものとするが、特に振動ユニット70を構成する部品の一部あるいは全部について、ミスト生成器100内に設ける必要は無く、その外側近傍に設けることも可能であるし、別の箇所に配置することも可能であるし、その配置については、特に限定されない。
図4は、本発明の実施の形態に従うミスト生成器100の外観構成を説明する図である。
図4を参照して、本発明の実施の形態に従うミスト生成器100は、2つの圧電体131および圧電体132を接合させてなる振動子20と、その後端面に接合された後部超音波ホーン133と、振動子20の前端面に接合された前部超音波ホーン134とからなっている。
圧電体131および圧電体132には、それぞれ電極135,136が接続され、電極135,136は、振動ユニット70内の端子(+および−)とそれぞれ接続される。
後部超音波ホーン133及び前部超音波ホーン134は、振動子20の振動を増幅して効率よく前部超音波ホーン134の先端部に伝搬させるために設けられており、これら双方を備えることにより超音波ホーンとして作用する。これらは、圧電体131,132をボルト137により所定の締め付けトルクで挟んでいる。
前部超音波ホーン134及び後部超音波ホーン133の形成素材としては、アルミニウム、チタン、ステンレス等の合金を使用することが可能である。
そして、前部超音波ホーン134の先端部に給水されて先端部が超音波振動することによりミストが生成される。そして、生成されたミストはミスト生成器100外の水槽214内に噴霧される。
なお、振動子20以外の振動ユニット70の各構成部品についても図示されていないが、本例においては、一例としてミスト生成器100に設けられているものとする。
図5は、本実施の形態に係る振動子20(圧電セラミック振動子)の周波数特性を説明する図である。
図5を参照して、縦軸はインピーダンスを表わし、横軸は振動子20の周波数を表わす。
振動子20(圧電セラミック振動子)の周波数特性は、圧電セラミック振動子に与える周波数が共振周波数f(1)の場合(本実施の形態の場合、共振周波数の値を39.50kHzとする)、圧電セラミック振動子のインピーダンスは最小となる。
また、振動子20(圧電セラミック振動子)に与える周波数が反共振周波数f(2)の場合(本実施の形態の場合、反共振周波数の値を40.10kHzとする)、圧電セラミック振動子のインピーダンスが最大となる。
振動子20(圧電セラミック振動子)を用いる場合において、上述したように、同一仕様の圧電セラミック振動子であっても周波数特性(共振周波数f(1)、反共振周波数f(2)、インピーダンスなど)が振動子ごとにばらついているとともに、圧電セラミック振動子の周波数特性が経年変化する。
したがって、振動子毎に最適な振動制御を実行する必要がある。
<ミスト制御シーケンス>
ここで、本実施の形態における洗濯機200でのミスト制御シーケンスを図6に示す。
図6を参照して、標準コースの洗い工程(洗濯期間)では、「給水」、「なじませ」、「補給水(1)」、「洗い(1)」、「補給水(2)」、「洗い(2)」、「補給水(3)」、「洗い(3)」、「排水」が順次実行される。その後、すすぎ工程に移行する。
本実施の形態では、なじませおよび各洗いの工程(このような工程の期間を「洗浄期間」という)で、循環ポンプ46がONされ、循環ポンプ46がONの期間中に、ウェットミスト制御が実行される。このよう洗浄期間においてミスト生成器100により発生されたミストが被洗浄物の広範囲に掛かるためには、給水工程において、被洗浄物の一部分が浸る程度しか給水されないものとする。
なお、図6に示されるように、「洗い3」では、循環ポンプ46のON/OFFを所定期間ごとに切替えてもよい。この時点では、被洗浄物が十分に濡れていると考えられ、洗い期間中ミスト化された水(洗剤が溶けた水)を常に吹き掛ける必要がないためである。たとえば、標準コースでは、「洗い3」の期間中、ONの期間“j1”を14分、OFFの期間“j2”を22分とし、これを繰返す。
図7は、ウェットミスト制御のタイミングチャートであり、図6においてウェットミスト制御がONの期間における、周波数調整制御のタイミングが示されている。
図7を参照して、循環ポンプ46がONされると、ウェットミスト制御が開始される。ウェットミスト制御の期間を“Twm”と表わすと、この期間Twmは、コース(標準,つけおき,など)および工程(洗い1,洗い2,など)ごとに予め定められた期間である。たとえば標準コースの「洗い1」の期間であるとすると、期間Twmはたとえば5分である。
図7において、振動子20の周波数調整制御(チューニング)に要する時間が“TA”で表わされ、最適値による制御期間が“TB”で表わされている。制御期間TB中、振動子20が最適値にて駆動されるため、ミストが良好に(十分に)発生する。なお、制御期間TBにおいても、洗剤水により負荷が変化することも考えられるため、エラー監視制御を実行することが好ましい。エラー監視制御は、周波数調整制御と同様のチューニング処理であってよい。
上述のように制御期間Twmは固定であるため、調整時間TAが短い程、最適制御期間TBは長くなる。つまり、早期に最適周波数が探索されると、ミストが好適に発生される期間が長くなる。したがって、被洗浄物の洗浄精度を上げるためには、早期に周波数調整制御を終わらせることが必須の条件といえる。
そこで、本実施の形態では次のような処理を行なう。すなわち、図7に示されるように、ウェットミスト制御開始後、所定時間たとえば2秒経過するまで、周波数調整制御を開始しない。このように、本実施の形態において、周波数調整制御は、ウェットミスト制御の開始と同時に実行されるのではなく、所定時間経過してから実行される。この所定時間は、循環ポンプ46が駆動されてから、振動子20の前部超音波ホーン134の先端部に水が供給されるまでに要する時間を表わしており、予め定められているものとする。これにより、振動子20への負荷を概ね一定にした状態で周波数調整制御を開始することができる。その結果、周波数調整制御を早期に終了することが可能となる。つまり、振動子20の最適な周波数を短期間で探索することが可能となる。
なお、図7においては、周波数調整制御開始とともに、振動子20の駆動が開始されることとしているが、振動子20の駆動は、ウェットミスト制御開始時から行なわれてもよい。
また、ウェットミスト制御の期間Twmはコースおよび工程の組合わせごとに固定であるが、たとえば所定回数エラー判定された場合には、経過時間をリセットしてはじめからウェットミスト制御をやり直すこととしてよい。
本実施の形態における洗濯機200は、図6に示した「給水」の期間中、ミスト給水制御を行なってもよい。具体的には、洗い給水中にミストを制御し、通常の給水に加え、ミストによる給水も行なってよい。
図8は、ミスト給水制御のタイミングチャートである。
図8を参照して、乾燥用給水弁(図示せず)が開かれると同時に、ミスト用給水弁44も開放され、ミスト給水制御が実行される。ミスト給水制御でも、上述のウェットミスト制御と同様に、すぐに周波数調整制御を開始するのではなく、所定時間たとえば2秒経過してから開始する。これにより、上記と同様に、振動子20への負荷を一定にした状態で周波数調整制御を開始することができるため、周波数調整制御を早期に終了することができる。
このように、はじめの給水時にミスト給水も並行して行なうことで、初期の段階で被洗浄物を全体的に湿らすことができる。その結果、被洗浄物の洗浄効率を向上させることができる。
なお、図6に示した洗い工程の後に行なわれるすすぎ工程においても、図7に示したような処理を行なってもよい。
<動作について>
図9は、本発明の実施の形態に従うミスト制御を実行するための振動子の制御を説明するフロー図である。なお、以下の説明では、図7に示したウェットミスト制御(各洗浄期間におけるミスト制御)を想定して説明する。しかしながら、特筆しない限り、図8に示したミスト給水制御にも当てはまるものとする。
図9を参照して、まず、超音波ホーンへ給水する(ステップS1)。具体的には、CPU60は、循環ポンプ46の駆動を開始すると同時に、ミスト用給水弁44を開放する。これにより、水槽214内の水が循環ホース204を介して給水ユニット220に供給される。そして、洗剤の溶けた水がミスト給水ホース210から前部超音波ホーン134の先端部に給水される。このように、ウェットミスト制御の際、循環ポンプ46、循環ホース204、給水ユニット220、給水弁44などにより、ミスト生成器100に水が供給される。
なお、図8に示したミスト給水制御の場合には、CPU60は、乾燥用給水弁(図示せず)およびミスト用給水弁44を制御して両者を開く。これにより、水道水がミスト給水ホース210から前部超音波ホーン134の先端部に給水される。このように、給水ミスト制御の際には、乾燥用給水弁(図示せず)、乾燥用給水ユニット(図示せず)、ミスト用給水弁44などにより、ミスト生成器100に水が供給される。
そして、次にホーンへの給水が完了したかどうかを判断(検出)する(ステップS2)。ステップS2において、ホーンへの給水が完了したと判断した場合には、次にステップS3に進む。具体的には、ミスト用給水弁44が開いてからミスト給水ホース210を介して前部超音波ホーン134の先端部に給水されるまでの所定の時間が経過したか否かに基づいて判断することが可能である。
なお、本実施の形態では、実験等により予め定められた時間により、ホーンへの給水が完了されたか否かを判断することとしているが、振動子20(具体的には前部超音波ホーン134の先端部)への給水が検出できれば、時間による判断に限定されない。たとえば、ミスト給水ホース210に水量計(図示せず)を配置し、ミスト生成器100に供給された水量によってホーンへの給水が完了されたか否かを判断することもできる。
以下の処理は、主に、振動ユニット制御部62における処理である。
ステップS3において、初期設定処理を実行する。
図10は、初期設定処理を説明するフロー図である。
図10を参照して、まず、初期設定処理として、周波数を高周波側の上限値に設定する(ステップS21)。
具体的には、振動ユニット制御部62は、周波数を反共振周波数近傍に設定する。
次に、チューニング状態として、周波数を低減するモードである低減モードに設定する(ステップS22)。
次に、周波数出力処理を開始する(ステップS23)。具体的には、振動ユニット制御部62は、設定した高周波側の上限値の振動周波数で振動するように振動ユニット70を制御する。
そして、初期設定処理を終了する(エンド)。
再び、図9を参照して、次に、チューニング前確認処理を実行する(ステップS4)。
図11は、チューニング前確認処理を説明するフロー図である。
図11を参照して、まず、ホーン電流を検出する(ステップS30)。具体的には、振動ユニット制御部62は、検出回路22で検出したホーン電流の入力を受ける。
そして、次に、32msecの時間が経過したかどうかを判断する(ステップS31)。
32msecの時間が経過するまでステップS30におけるホーン電流の検出を繰り返す。したがって、32msecの時間が経過するまで複数回のホーン電流値が振動ユニット制御部62に入力される。なお、32msecの時間が経過したかどうかは、タイマ64を用いて計測することとする。以下の時間の経過判断処理についても同様である。
そして、次にホーン電流Ihの平均値を算出する(ステップS32)。
ホーン電流の検出は1回当たり2msec必要であるとする。したがって、32msecの時間の間には、16回のホーン電流の検出が可能であるとする。
そして、16回のホーン電流の平均値を算出してホーン電流Ihとする。
そして、次に、今回の算出されたホーン電流Ihと、前回に算出されたホーン電流Ih#とを比較し、その差分の絶対値が所定のしきい値以下であるかどうかを判断する。
具体的には、−50mA<Ih−Ih#≦50mAの条件を満たしているか否かを判断する(ステップS34)。
すなわち、今回の算出されたホーン電流と前回の算出されたホーン電流との間の差が小さい、すなわち変動が殆どないと判断された場合には、チューニング前確認処理を終了して(ステップS35)、次のステップに進む。なお、前回に算出されたホーン電流Ih#が無い場合は、予め設定された初期値が設定されるものとする。
一方、ステップS34において、−50mA<Ih−Ih#≦50mAの条件を満たしていない、すなわち、今回の算出されたホーン電流と前回の算出されたホーン電流との間の差が大きい、言い換えれば変動が大きいと判断された場合には、ホーン電流Ihを前回に算出されたホーン電流Ih#に設定する(ステップS36)。
そして、1secの時間が経過したかどうかを判断する(ステップS37)。
1secの時間が経過していない場合には、再び、ステップS30に戻って、上記の処理を繰り返す。
一方、ステップS37において、1secの時間が経過した場合であってもホーン電流の変動が大きいと判断される場合には、ホーン電流が安定しないため異常と判断し、エラー処理とする(ステップS38)。そして、後述するステップS9に進む。
再び、図9を参照して、チューニング前確認処理が終了した後、次に、チューニングモード開始処理を実行する(ステップS5)。
具体的には、本例においては、一例として、検出されたホーン電流値に基づいて周波数を調整する低減モード、上昇モードおよび微調整モードのいずれかのチューニングモードを実行する。
低減モードは、前回のチューニングにより周波数を低くする方向にチューニングした場合のモードである。
上昇モードは、前回のチューニングにより周波数を高くする方向にチューニングした場合のモードである。
微調整モードは、前回のチューニングにより周波数を調整する必要が無い、あるいは、周波数が微調整された場合のモードである。
本例においては、周波数のターゲットの範囲としては、340mAよりも大きく、360mA以下のホーン電流が検出されるように周波数をチューニングする。
図12は、チューニングモードとして低減モードの処理を説明するフロー図である。
図13は、チューニングモードとして上昇モードの処理を説明するフロー図である。
図14は、チューニングモードとして微調整モードの処理を説明するフロー図である。
(低減モード)
図12を参照して、低減モードの処理においては、まず、今回の算出されたホーン電流Ihと、前回に算出されたホーン電流Ia#から50mA減算した値とを比較し、今回、算出されたホーン電流Ihが、前回に算出されたホーン電流Ia#から50mA減算した値以上であるかどうかを判断する。なお、ホーン電流Ia#の初期値は、一例として圧電セラミック振動子のインピーダンスが最大である反共振周波数に対応したホーン電流値に設定されるものとする。すなわち、電流値は最小値に設定されるものとする。
具体的には、Ih≧Ia#−50mAの条件を満たしているか否かを判断する(ステップS40)。前回に算出されたホーン電流Ia#から50mA減算した値と比較することとしたは、電流値の変動としてオフセットを考慮したものである。
すなわち、今回の算出されたホーン電流が前回の算出されたホーン電流Ia#から50mA減算した値以上であると判断された場合には、ステップS41に進む。言い換えるならば、今回の算出されたホーン電流と、前回に算出されたホーン電流Ia#とを比較して、周波数を低減させることにより今回の算出されたホーン電流値が上昇したかどうかを判断し、上昇したと判断した場合には、周波数は、共振周波数と反共振周波数の範囲内であると判断される。
そして、ステップS41において、今回の算出されたホーン電流の値Ihが100mA以下であるか否かを判断する。
ステップS41において、今回の算出されたホーン電流の値Ihが100mA以下で有る場合には、周波数を350Hz減算する(ステップS42)。ホーン電流の値Ihが小さいと判断される場合には、現在の周波数が反共振周波数(f(2))近傍であると考えられるため周波数を大きくチューニングする。
そして、チューニング状態を低減モードに設定する(ステップS43)。
次に、今回の算出されたホーン電流Ihを前回ホーン電流Ia#に設定する(ステップS44)。
そして、処理を終了する(エンド)。当該処理により、反共振周波数側から300mAよりも大きく、360mA以下のホーン電流に対応するターゲットの周波数に近づけることができる。
ステップS41において、今回の算出されたホーン電流の値Ihが100mAよりも大きい場合には、次に、今回の算出されたホーン電流の値Ihが100mAよりも大きく、300mA以下であるか否かを判断する(ステップS45)。
ステップS45において、今回の算出されたホーン電流の値Ihが100mAよりも大きく、300mA以下である場合には、次に、周波数を70Hz減算する(ステップS46)。ホーン電流の値Ihが狙い目の値よりも少し小さい場合には、現在の周波数がターゲットの周波数よりも少し大きいと考えられるため周波数を小さくチューニングする。
そして、チューニング状態を低減モードに設定し(ステップS43)、今回の算出されたホーン電流Ihを前回ホーン電流Ia#に設定して(ステップS44)、処理を終了する(エンド)。当該処理により、反共振周波数側から300mAよりも大きく、360mA以下のホーン電流に対応するターゲットの周波数に近づけることができる。
一方、ステップS45において、今回の算出されたホーン電流の値Ihが100mAよりも大きく、300mA以下でない場合、すなわち、300mAよりも大きい場合には、次に、今回の算出されたホーン電流の値Ihが300mAよりも大きく、400mA以下であるか否かを判断する(ステップS47)。
ステップS47において、今回の算出されたホーン電流の値Ihが300mAよりも大きく、400mA以下である場合には、チューニング状態を微調整モードに設定する(ステップS48)。そして、今回の算出されたホーン電流Ihを前回ホーン電流Ia#に設定して(ステップS44)、処理を終了する(エンド)。当該処理により、現在の周波数がターゲットの周波数付近であると判断される場合には、後述する微調整モードにより周波数を微調整することにより、反共振周波数側から300mAよりも大きく、360mA以下のホーン電流に対応するターゲットの周波数により近づけることができる。
一方、ステップS47において、今回の算出されたホーン電流の値Ihが300mAよりも大きく、400mA以下でない場合、すなわち、400mAよりも大きい場合には、次に、今回の算出されたホーン電流の値Ihが400mAよりも大きく、450mA以下であるか否かを判断する(ステップS49)。
ステップS49において、今回の算出されたホーン電流の値Ihが400mAよりも大きく、450mA以下である場合には、次に、周波数を70Hz加算する(ステップS50)。ホーン電流の値Ihが狙い目の値よりも少し大きい場合には、現在の周波数がターゲットの周波数よりも少し小さいと考えられるため周波数を小さくチューニングする。
そして、チューニング状態を上昇モードに設定し(ステップS51)、今回の算出されたホーン電流Ihを前回ホーン電流Ia#に設定して(ステップS44)、処理を終了する(エンド)。当該処理により、反共振周波数側から300mAよりも大きく、360mA以下のホーン電流に対応するターゲットの周波数に近づけることができる。
一方、ステップS49において、今回の算出されたホーン電流の値Ihが400mAよりも大きく、450mA以下でない場合、すなわち、450mAよりも大きい場合には、エラー処理とする(ステップS57)。そして、処理を終了する(エンド)。この場合は、ホーン電流として異常な電流が流れており、制御不能の電流が流れていると判断されるためエラー処理としている。
一方、ステップS40において、今回の算出されたホーン電流の値が前回に算出されたホーン電流Ia#から50mA減算した値よりも小さいと判断された場合には、ステップS52に進む。すなわち、今回の算出されたホーン電流と、前回に算出されたホーン電流Ia#とを比較して、周波数を低減させることにより今回の算出されたホーン電流値が上昇したかどうかを判断し、ホーン電流値が下がったと判断される場合には、周波数が共振周波数よりも小さくなった場合であると考えられる。この場合には、ホーン電流値に従って周波数が共振周波数からどの程度小さくなったかを判断する。
ステップS52において、今回の算出されたホーン電流の値が250mA以下であるか否かを判断する。
そして、ステップS52において、今回の算出されたホーン電流の値が250mA以下であると判断された場合には、次に、周波数を350Hz加算する(ステップS53)。
そして、チューニング状態を上昇モードに設定し(ステップS56)、今回の算出されたホーン電流Ihを前回ホーン電流Ia#に設定して(ステップS44)、処理を終了する(エンド)。
一方、ステップS52において、今回の算出されたホーン電流の値が250mAよりも大きい場合には、次に、今回の算出されたホーン電流の値Ihが250mAよりも大きく、450mA以下であるか否かを判断する(ステップS54)。
ステップS45において、今回の算出されたホーン電流の値Ihが250mAよりも大きく、450mA以下である場合には、次に、周波数を100Hz加算する(ステップS55)。
そして、チューニング状態を上昇モードに設定し(ステップS56)、今回の算出されたホーン電流Ihを前回ホーン電流Ia#に設定して(ステップS44)、処理を終了する(エンド)。
上記のステップS52およびS54において、ホーン電流値に従って、ホーン電流の値が250mA以下である場合と、250mAよりも大きく、450mA以下である場合とに分けている。図5に示されるように、共振周波数よりも小さい周波数の場合の振動子20の周波数特性は、共振周波数に近い周波数の方がインピーダンスは小さく、共振周波数よりも遠い周波数の方がインピーダンスは大きい。したがって、ホーン電流の値が250mA以下である場合には、共振周波数から遠い周波数であると考えられるため、周波数を大きくチューニングし、ホーン電流の値が250mAよりも大きく、450mA以下である場合には、共振周波数から近い周波数であると考えられるため、周波数を小さくチューニングしている。
一方、ステップS54において、今回の算出されたホーン電流の値Ihが250mAよりも大きく、450mA以下でない場合,すなわち、450mAよりも大きい場合には、エラー処理とする(ステップS57)。そして、処理を終了する(エンド)。この場合は、ホーン電流として異常な電流が流れており、制御不能の電流が流れていると判断されるためエラー処理としている。
(上昇モード)
図13を参照して、上昇モードの処理においては、まず、今回の算出されたホーン電流Ihと、前回に算出されたホーン電流Ia#から50mA加算した値とを比較し、今回、算出されたホーン電流Ihが、前回に算出されたホーン電流Ia#から50mA加算した値以下であるかどうかを判断する。
具体的には、Ih≦Ia#+50mAの条件を満たしているか否かを判断する(ステップS60)。前回に算出されたホーン電流Ia#から50mA加算した値と比較することとしたは、電流値の変動としてオフセットを考慮したものである。
すなわち、今回の算出されたホーン電流が前回の算出されたホーン電流から所定値加算した値未満であるか否かを判断し、今回の算出されたホーン電流の値が前回に算出されたホーン電流Ia#から50mA加算した値以下であると判断された場合には、ステップS61に進む。言い換えるならば、今回の算出されたホーン電流と、前回に算出されたホーン電流Ia#とを比較して、周波数を増加させることにより今回の算出されたホーン電流値が減少したかどうかを判断し、減少したと判断した場合には、周波数は、共振周波数と反共振周波数の範囲内であると判断される。
一方、ステップS60において、今回の算出されたホーン電流の値が前回に算出されたホーン電流Ia#から50mA加算した値よりも大きいと判断された場合には、ステップS72に進み、エラー処理とする。そして、処理を終了する(エンド)。すなわち、今回の算出されたホーン電流と、前回に算出されたホーン電流Ia#とを比較して、周波数を増加させることにより今回の算出されたホーン電流値が減少したかどうかを判断し、ホーン電流値が増加したと判断される場合には、周波数が反共振周波数よりも大きくなった場合であると考えられる。この場合には、周波数はターゲットの周波数範囲から大きくずれているためエラー処理とする。
ステップS61〜ステップS71の処理については、図12で説明したステップS41〜S51で説明した処理と同様であるのでその詳細な説明は繰り返さない。すなわち、ホーン電流値に基づいて周波数をチューニングする。
なお、ステップS69において、今回の算出されたホーン電流の値Ihが450mAよりも大きい場合には、エラー処理とする(ステップS72)。そして、処理を終了する(エンド)。この場合は、ホーン電流として異常な電流が流れており、制御不能の電流が流れていると判断されるためエラー処理としている。
(微調整モード)
図14を参照して、微調整モードの処理においては、まず、今回の算出されたホーン電流Ihが100mA以下であるかどうかを判断する(ステップS82)。
ステップS82において、100mA以下であると判断された場合には、エラー処理とする(ステップS83)。そして、処理を終了する(エンド)。低減モード、上昇モード、微調整モードのいずれのモードにおいても、ホーン電流Ihが100mAよりも大きくなければ微調整モードに設定されないため、今回の算出されたホーン電流値が100mA以下である場合には、障害が生じたと考えられ、エラー処理と判断する。
一方、ステップS82において、100mA以下でないと判断された場合、すなわち、ステップS82において、今回の算出されたホーン電流の値Ihが100mAよりも大きい場合には、次に、今回の算出されたホーン電流の値Ihが100mAよりも大きく、280mA以下であるか否かを判断する(ステップS84)。
ステップS84において、今回の算出されたホーン電流の値Ihが100mAよりも大きく、280mA以下である場合には、次に、周波数を−170Hz減算する(ステップS85)。ホーン電流の値Ihが狙い目の値よりも少し小さい場合には、現在の周波数がターゲットの周波数よりも少し大きいと考えられるため周波数を小さくチューニングする。
そして、チューニング状態を低減モードに設定し(ステップS86)、今回の算出されたホーン電流Ihを前回ホーン電流Ia#に設定して(ステップS87)、処理を終了する(エンド)。
一方、ステップS84において、今回の算出されたホーン電流の値Ihが100mAよりも大きく、280mA以下でない場合、すなわち、280mAよりも大きい場合には、次に、今回の算出されたホーン電流の値Ihが280mAよりも大きく、340mA以下であるか否かを判断する(ステップS88)。
ステップS88において、今回の算出されたホーン電流の値Ihが280mAよりも大きく、340mA以下である場合には、次に、周波数を−17Hz減算する(ステップS89)。ホーン電流の値Ihが狙い目の値よりもほんの少し小さい場合には、現在の周波数がターゲットの周波数よりもほんの少し大きいと考えられるため周波数を微小にチューニングする。
そして、チューニング状態を微調整モードに設定する(ステップS90)。そして、処理を終了する(エンド)。当該処理により、反共振周波数側から340mAよりも大きく、360mA以下のホーン電流に対応するターゲットの周波数に徐々に近づけることができる。
一方、ステップS88において、今回の算出されたホーン電流の値Ihが280mAよりも大きく、340mA以下でない場合、すなわち、340mAよりも大きい場合には、次に、今回の算出されたホーン電流の値Ihが340mAよりも大きく、360mA以下であるか否かを判断する(ステップS91)。
ステップS91において、今回の算出されたホーン電流の値Ihが340mAよりも大きく、360mA以下である場合には、周波数を加算も減算もすることなく、チューニング状態を微調整モードに設定する(ステップS90)。そして、処理を終了する(エンド)。現在の周波数がターゲットの周波数範囲に含まれているため当該周波数範囲に周波数が含まれるようにチューニングする。ウェットミスト制御が開始されてから、はじめてホーン電流の値Ihが340mAよりも大きく、360mA以下であると判断されると、図7に示した周波数調整制御(最適値探索モード)は終了される。その後も微調整モードが継続されることで、図7に示したエラー監視制御が実行される。
一方、ステップS91において、今回の算出されたホーン電流の値Ihが340mAよりも大きく、360mA以下でない場合、すなわち、360mAよりも大きい場合には、次に、今回の算出されたホーン電流の値Ihが360mAよりも大きく、400mA以下であるか否かを判断する(ステップS92)。
ステップS92において、今回の算出されたホーン電流の値Ihが360mAよりも大きく、400mA以下である場合には、周波数を17Hz加算する(ステップS93)。ホーン電流の値Ihが狙い目の値よりもほんの少し大きい場合には、現在の周波数がターゲットの周波数よりもほんの少し小さいと考えられるため周波数を微小にチューニングする。
そして、チューニング状態を微調整モードに設定する(ステップS90)。そして、処理を終了する(エンド)。当該処理により、反共振周波数側から340mAよりも大きく、360mA以下のホーン電流に対応するターゲットの周波数に徐々に近づけることができる。
一方、ステップS92において、今回の算出されたホーン電流の値Ihが360mAよりも大きく、400mA以下でない場合、すなわち、400mAよりも大きい場合には、次に、今回の算出されたホーン電流の値Ihが400mAよりも大きく、460mA以下であるか否かを判断する(ステップS94)。
ステップS94において、今回の算出されたホーン電流の値Ihが400mAよりも大きく、460mA以下である場合には、周波数を50Hz加算する(ステップS95)。ホーン電流の値Ihが狙い目の値よりも少し大きい場合には、現在の周波数がターゲットの周波数よりも少し小さいと考えられるため周波数を小さくチューニングする。
そして、チューニング状態を上昇モードに設定し(ステップS96)、今回の算出されたホーン電流Ihを前回ホーン電流Ia#に設定して(ステップS87)、処理を終了する(エンド)。
一方、ステップS94において、今回の算出されたホーン電流の値Ihが400mAよりも大きく、460mA以下でない場合、すなわち、460mAよりも大きい場合には、エラー処理とする(ステップS97)。そして、処理を終了する(エンド)。この場合は、ホーン電流として異常な電流が流れており、制御不能の電流が流れていると判断されるためエラー処理としている。
再び、図9を参照して、ステップS5において、チューニングモードである低減モード、上昇モード、微調整モードのいずれかが実行された後、次に、エラー処理に設定されたかどうかを判断する(ステップS6)。
ステップS6において、エラー処理である場合には、次にステップS9に進む。
そして、所定回数エラー処理が実行されたかどうかを判断する(ステップS9)。
ステップS9において、所定回数エラー処理でない場合には、再び、ステップS3に進んで再度、上記のステップS3〜S6の処理を繰り返し、エラー処理であるか否かを判断する。
ステップS9において、所定回数エラー処理が実行された場合には、エラーが継続しているため停止処理を実行する(ステップS10)。すなわち、振動ユニット制御部62は、振動ユニット70に対して振動子20の超音波振動を停止するように指示する。
ステップS6において、エラー処理でないと判断された場合には、次に、チューニング終了か否か判断する(ステップS8)。
そして、チューニング終了でない場合には、再び、ステップS4に戻り、ステップS4〜S8の処理をチューニングが終了するまで繰り返す。
具体的には、振動ユニット制御部62は、振動ユニット70における振動子20を制御している間は、チューニングを継続的に実行しており、CPU60からの指示に従って、振動ユニット70の制御を停止する指示が入力された場合には、チューニング終了であると判断して、処理を終了する(エンド)。
本発明の実施の形態に従う方式においては、低減モード、上昇モード、微調整モードの3つのモードを実行して、一例として、340mAよりも大きく、360mA以下のホーン電流が検出されるターゲットの周波数にチューニングする。
そして、当該各モードのチューニングに際しては、各モードのチューニング毎にチューニング前確認処理(ステップS4)を実行する。
上述したようにチューニング前確認処理において、32msecの時間の間において、16回のホーン電流の平均値を算出して、前回の32msecの時間におけるホーン電流の平均値との差を算出して、ホーン電流の差が小さい、すなわち、変動が殆どないと判断された場合に、当該ホーン電流に基づくチューニング処理を実行する。
当該チューニング前確認処理をチューニングモード開始前に実行することにより、突発的な電流変動の結果に基づいてチューニング処理を実行することが無く、安定したホーン電流に基づくチューニング処理が可能となり、精度の高いチューニング処理を実行することが可能となる。
また、振動子20の周波数特性に基づいてチューニング処理を実行するため精度の高いチューニング処理を実行することが可能となる。
なお、チューニング前確認処理において、32msecの時間を一例として挙げたが、特に上記時間は一例であり、自由に設計することが可能である。また、ホーン電流を算出するために16回の検出結果の平均を算出する場合について説明したが、特に16回に限られず、自由に設計することが可能である。また、しきい値を50mAに設定したが、特にこの値に限られず、最適な値に設定することが可能である。
なお、本実施の形態における洗濯機200は、乾燥工程でドライミスト制御を行なってもよい。ドライミスト制御は、乾燥処理の後半にしわ逓減のために行なわれる。つまり、ドライミスト制御とは、一旦乾燥された衣類等にミストを吹き掛けるための制御を表わしている。このようなドライミスト制御においても、上記ウェットミスト制御と同様の処理を実行することとしてよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
20 振動子、36 操作パネル、40 警報器、42 給水弁、44 ミスト用給水弁、46 循環ポンプ、48 サーミスタ、50 ヒータ、52 乾燥ファン、54 ドラムモータ、70 振動ユニット、100 ミスト生成器、200 洗濯器、202 排水ホース、204 循環ポンプ、206 排水ユニット、208 給水ダクト、210 ミスト給水ホース、212 送風ダクト、214 水槽、216 外箱、218 コントロール部、220 給水ユニット、230 内ドア、232 ダンパ、236 支持バネ、238 排水ダクト、240 循環ノズル、242 ヒータ部。