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JP4629991B2 - ガソリン - Google Patents

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  • Liquid Carbonaceous Fuels (AREA)

Description

本発明は、自動車用燃料としてのガソリンに関し、特に車両の排出ガス浄化性能および運転性を向上させることができるガソリンに関する。
近年の環境問題への意識の高まりから自動車排出ガスを低減することが求められてきており、燃料性状と自動車排出ガスの関係についての検討がなされている。その結果、自動車側においては高度な排出ガス浄化システムが開発・採用されつつある。また、燃料側の検討では、重質な燃料や硫黄分の高い燃料が排出ガスに悪影響を及ぼすことが知られている(例えば、非特許文献1、非特許文献2参照。)。しかし、自動車側の高度な排出ガス浄化システムに適応するためには、さらにより厳しい燃料性状が求められており、特に排出ガス浄化性能を長期間にわたり維持できる燃料が切望されている。そのため製油所において製造するガソリンの低硫黄化を進めると共に、車両からの蒸発ガス低減のために2005年夏からの蒸気圧の上限を自主規制するなどの方策を行なっており、これらへの対応によりガソリンの製造方法に大きな変化が生じている。また、ガソリン留分から化成品原料として芳香族分が抜き取られる場合も増加しており、ガソリンの製造方法が旧来に比べて大きく変化しつつある。さらに自動車側も、ガソリン筒内直噴エンジンなど従来とは異なったエンジンも登場しており、さらには排ガス低減のため燃料噴射量を精密に制御するなど、燃料性状の影響が車両の運転性に対して表れやすくなってきている。
従来、ガソリンの蒸留性状からそれを使用した車両の運転性を推測する手法としてDI(ドライバビリティインデックス)が知られている。しかしながら、このDIは旧来の製造方法によって製造されたガソリンを対象としており、DIを十分満足しているにもかかわらず車両の運転性が悪化する例が散見されている。
亀岡ら,「自動車技術会学術講演会前刷集」,自動車技術会,1998年,No.88−98,9838985 ガソリン車ワーキンググループJCAP成果報告(2)ガソリン車における自動車技術及び燃料性状が排出ガスに与える影響,「JCAP成果発表会資料集(東京国際フォーラム)」,石油産業活性化センター推進室,平成10年9月30日
本発明は、環境負荷低減のために、従来のガソリン以上に車両の排出ガス浄化性能に優れ、かつ車両の運転性を向上させることのできるガソリンを提供するものである。
本発明者らは、前記課題について鋭意研究を重ねた結果、特定の蒸留範囲の留出量および硫黄分含有量を規定したガソリンを用いた場合に、排出ガス浄化性能および車両の運転性を向上させられることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
すなわち、本発明は、リサーチ法オクタン価が89.0以上、硫黄分含有量が10質量ppm以下、50容量%留出温度(T50)が89℃以上105℃以下であり、かつ以下の(1)〜(3)式を満たすことを特徴とするガソリンに関する。
(1)MD≧50.0
(2)33.0≦LD≦40.0
(3)10.0≦HD≦25.0
(上記式中、MDは留出温度70℃以上150℃未満の留出量(容量%)、LDは留出温度70℃未満の留出量(容量%)、HDは留出温度150℃以上の留出量(容量%)を示す。)
以下、本発明について詳述する。
本発明のガソリンのリサーチ法オクタン価(RON)はノッキングを防止し、運転性向上の観点から、89.0以上であることが必要であり、より好ましくは90.0以上である。さらに、プレミアムガソリン仕様車に本発明のガソリンを使用する場合は、該自動車の性能を最大限引き出すために、好ましくは96.0以上であり、より好ましくは98.0以上であり、最も好ましくは100.0以上である。また、高速における耐ノッキング性能の悪化を防止する観点から、モーター法オクタン価は80以上が好ましい。
ここでいうリサーチ法オクタン価およびモーター法オクタン価とは、JIS K 2280「オクタン価及びセタン価試験方法」により測定されるリサーチ法オクタン価およびモーター法オクタン価を意味する。
本発明のガソリンの硫黄分含有量は、10質量ppm以下であることが必要であり、より好ましくは8質量ppm以下である。硫黄分含有量が10質量ppmを越える場合、排出ガス処理触媒の性能に悪影響を及ぼし、排出ガス中のNOx、CO、HCの濃度が高くなる可能性があり、またベンゼンの排出量も増加する可能性があり好ましくない。
ここでいう硫黄分含有量とは、JIS K 2541「原油及び石油製品−硫黄分試験方法」により測定される値(質量ppm)を意味する。
本発明のガソリンのMDは、発明者らが車両の運転性に影響を与える指標として着目したものであり、車両の低温運転性および常温運転性確保の観点から、45.0容量%以上であることが必要であり、50.0容量%以上が好ましい。
なお、ここでいうMDとは、JIS K 2254「石油製品−蒸留試験方法-常圧法蒸留試験方法」に準拠して測定される留出温度70℃以上150℃未満の留出量(容量%)のこと指し、ガソリンの中間留分を意味する。
本発明のガソリンのLDは、発明者らが車両の運転性に影響を与える指標として着目したものであり、車両の低温運転性および常温運転性確保の観点から、33.0容量%以上であることが必要である。一方、高温時のベーパーロック抑制の点から、45.0容量%以下が好ましく、40.0容量%以下がより好ましい。
なお、ここでいうLDとは、JIS K 2254「石油製品−蒸留試験方法-常圧法蒸留試験方法」に準拠して測定される留出温度70℃未満の留出量(容量%)のこと指し、ガソリンの軽質留分を意味する。
本発明のガソリンのHDは、発明者らが車両の運転性およびデポジット生成に影響を与える指標として着目したものであり、燃焼室デポジット低減と点火プラグのくすぶり防止の観点から、25.0容量%以下であることが必要であり、20.0容量%以下が好ましい。一方、燃費悪化を防ぐためには、10.0容量%以上が好ましい。
なお、ここでいうHDとは、JIS K 2254「石油製品−蒸留試験方法-常圧法蒸留試験方法」に準拠して測定される留出温度150℃以上の留出量(容量%)のこと指し、ガソリンの重質留分を意味する。
本発明のガソリンの蒸留性状としては、特に限定されるものではないが、下記の通りであることが好ましい。
蒸留初留点(IBP):20〜37℃
10容量%留出温度(T10):35〜70℃
50容量%留出温度(T50):75〜105℃
90容量%留出温度(T90):175℃以下
蒸留終点(EP):215℃以下
IBPは、好ましくは20℃以上、より好ましくは23℃以上である。IBPが20℃に満たない場合は排出ガス中の炭化水素が増加する可能性がある。一方、IBPは、好ましくは37℃以下、より好ましくは35℃以下である。IBPが37℃を超える場合には、低温運転性が低下する可能性がある。
T10は、好ましくは35℃以上、より好ましくは40℃以上である。T10が35℃に満たない場合は排出ガス中の炭化水素が増加したり、また、ベーパーロックが発生したりするおそれがある。一方、T10は、好ましくは70℃以下、より好ましくは60℃以下である。T10が70℃を超える場合には、低温始動性が低下する可能性がある。
T50は、89℃以上である。T50が89℃に満たない場合は燃費が低下する可能性がある。一方、T50は、好ましくは105℃以下、より好ましくは100℃以下、さらに好ましくは95℃以下である。T50が105℃を超える場合には、常温運転性が悪化する可能性がある。
T90は、エンジンオイルのガソリンによる希釈の増加、炭化水素排出ガスの増加、エンジンオイルの劣化及びスラッジの発生等の現象を防止できる観点から、好ましくは175℃以下、より好ましくは170℃以下、さらに好ましくは165℃以下である。
EPは、好ましくは215℃以下、より好ましくは200℃以下である。EPが215℃を超えると、吸気弁デポジットや燃焼室デポジットが増加する可能性があり、また、点火プラグのくすぶりが発生する可能性がある。
なお、ここでいうIBP、T10、T50、T90、EPとは、JIS K 2254「石油製品−蒸留試験方法−常圧法蒸留試験方法」により測定される値(℃)を意味する。
本発明のガソリンのリード蒸気圧(RVP)は、45〜96kPaであることが好ましい。さらにいえば、ガソリン組成物が使用される季節や地域によって調整することが好ましい。より具体的には、夏期(5月〜9月)には、ベーパーロックなどによる運転性の不具合の防止のために好ましくは45〜65kPa、より好ましくは50〜65kPa、最も好ましくは55〜65kPaに調整することが望ましい。一方、冬期(10月〜4月)には、好ましくは45〜96kPa、より好ましくは65〜93kPa、さらに好ましくは70〜93kPa、最も好ましくは70〜90kPaに調整することが望ましい。
ここでいう蒸気圧(RVP)とは、JIS K 2258「原油及び燃料油蒸気圧試験方法(リード法)」により測定される値(kPa)を指す。
本発明のガソリンの15℃における密度は、特に限定されるものではないが、0.710〜0.783g/cm3であることが好ましい。ガソリン組成物の密度が0.710g/cm3に満たない場合は燃費が悪化する可能性があり、一方、0.783g/cm3を超える場合は加速性の悪化やプラグのくすぶりを生じる可能性がある。かかる理由から、0.770g/cm3以下がより好ましく、0.760g/cm3以下がさらに好ましい。
ここでいう15℃における密度とは、JIS K 2249「原油及び石油製品の密度試験方法並びに密度・質量・容量換算表」により測定される値(g/cm3)を意味する。
本発明のガソリン中の芳香族分は、特に限定されるものではないが、20〜45容量%であることが好ましく、更に好ましくは25容量%以上、42容量%以下である。芳香族分が45容量%を越えると、吸気弁デポジット、燃焼室デポジットが増加する可能性があり、また、点火プラグのくすぶりが発生する可能性がある。また、排出ガス中のベンゼン濃度が増加する可能性がある。一方、芳香族分が20容量%を下回る場合には燃費が悪化する可能性がある。
さらに、本発明のガソリン中のベンゼン含有量は、1容量%以下であることが好ましい。ベンゼン含有量が1容量%を越えると排出ガス中のベンゼン濃度が高くなる可能性がある。
本発明のガソリン中のオレフィン分は、特に限定されるものではないが、30容量%以下であることが好ましく、25容量%以下であることがより好ましい。オレフィン分が30容量%を超えると、ガソリンの酸化安定性を悪化させ吸気バルブデポジットを増加させる可能性がある。
ここでいう芳香族分、ベンゼン含有量、オレフィン分とは、JIS K 2536「石油製品−成分試験方法」により測定されるガソリン中の芳香族分含有量(容量%)、ベンゼン含有量(容量%)、オレフィン分含有量(容量%)を意味する。
本発明のガソリン中の灯油混入量は4容量%以下であることが望ましい。灯油混入量が4容量%を越えると、エンジンの始動性が悪化する可能性がある。
ここで、灯油混入量とはガソリン全量基準で炭素数13及び14のノルマルパラフィン炭化水素の含有量で判定し、JIS K 2536「石油製品−成分試験方法」の規定によって得られる灯油の換算値が4容量%以下であることを意味する。
本発明のガソリンの鉛分は排出ガス浄化システムを保護する観点から、検出されないことが好ましく、四エチル鉛等のアルキル鉛化合物を実質的に含有しないことが好ましい。たとえ極微量の鉛化合物を含有する場合であっても、その含有量はJIS K 2255「ガソリン中の鉛分試験方法」の適用区分下限値以下(0.001g/L以下)である。
本発明のガソリンの酸化安定度は、特に限定されるものではないが、240分以上であることが好ましく、480分以上であることがより好ましく、1440分以上であることがさらに好ましい。酸化安定度が240分に満たない場合は、貯蔵中にガムが生成する可能性がある。
ここでいう酸化安定度とは、JIS K 2287「ガソリン酸化安定度試験方法(誘導期間法)」によって測定した値(分)を意味する。
本発明のガソリンの未洗実在ガム量は、特に限定されるものではないが、20mg/100mL以下であることが好ましく、18mg/100mL以下がより好ましい。また洗浄実在ガム量は、3mg/100mL以下であることが好ましく、1mg/100mL以下であることがより好ましい。未洗実在ガム量および洗浄実在ガム量が上記の値を超えた場合は、燃料導入系統において析出物が生成したり、吸入バルブが膠着する心配がある。
ここでいう未洗実在ガム量および洗浄実在ガム量とは、JIS K 2261「石油製品−自動車ガソリン及び航空燃料油−実在ガム試験方法−噴射蒸発法」により測定した値(mg/100mL)を意味する。
本発明のガソリンは、銅板腐食(50℃、3h)が1以下であるのが好ましく、1aであるのがより好ましい。銅板腐食が1を越える場合は、燃料系統の導管が腐食する可能性がある。ここでいう銅板腐食とは、JIS K 2513「石油製品−銅板腐食試験方法」(試験温度50℃、試験時間3時間)に準拠して測定した値を意味する。
本発明のガソリンは、一種又は二種以上のガソリン基材を配合し、所望により後述の清浄分散剤やその他の添加剤を添加することで調製することができる。
本発明のガソリンを製造するために用いるガソリン基材は、従来公知の任意の方法で製造することができる。具体的には、原油を常圧蒸留して得られる軽質ナフサ、重質ナフサ、重質ナフサを脱硫処理して得られる脱硫重質ナフサ、接触分解法で得られる接触分解ガソリン、水素化分解法で得られる水素化分解ガソリン、接触改質法で得られる改質ガソリン、改質ガソリンより芳香族分を抽出した残分であるラフィネート、オレフィン分の重合によって得られる重合ガソリン、イソブタンなどの炭化水素に低級オレフィンを付加(アルキル化)することによって得られるアルキレート、軽質ナフサを異性化装置でイソパラフィンに転化して得られる異性化ガソリン、脱ノルマルパラフィン油、ブタン、芳香族炭化水素化合物、プロピレンを二量化し、続いてこれを水素化して得られるパラフィン留分、天然ガス等を一酸化炭素と水素に分解した後にF−T(Fischer−Tropsch)合成で得られるGTL(Gas to Liquids)の軽質留分等の基材を1種又は2種以上を混合することで製造することができる。
典型的なガソリンの配合例を以下に記載する。ただし、各ガソリン基材の個々の配合量は、最終的に得られるガソリンが本発明のガソリンとしての規定を満足するように調製される。
(1)改質ガソリン:0〜70容量%
(2)分解ガソリン:0〜70容量%
(3)アルキレート:0〜40容量%
(4)異性化ガソリン:0〜30容量%
(5)軽質ナフサ:0〜10容量%
(6)脱硫重質ナフサ:0〜20容量%
(7)ブタン:0〜10容量%
本発明のガソリンは、含酸素化合物を含有していてもよい。
含酸素化合物としては、例えば、炭素数2〜4のアルコール類、炭素数4〜8のエーテル類などが含まれる。具体的な含酸素化合物としては、例えば、エタノール、メチル−tert−ブチルエーテル(MTBE)、エチル−tert−ブチルエーテル(ETBE)、tert−アミルメチルエーテル(TAME)、tert−アミルエチルエーテルなどを挙げることができる。なかでもエタノール、MTBE、ETBEが好ましい。特に、製造時の二酸化炭素排出量など環境への影響を考慮すると、バイオマス由来のエタノール、バイオマス由来のエタノールを原料として製造したETBEを好ましく使用することができる。なお、メタノールは排出ガス中のアルデヒド濃度が高くなる可能性があり、腐食性もあるので、JIS K 2536「石油製品−成分試験方法」の規定により試験したときに検出されない(0.5容量%以下)ことが好ましい。またこれらの化合物は本来原料中に含まれているもので1種又2種以上のガソリン基材を混合して目的の性状のガソリンを調製する工程でその含有量が決まる。
含酸素化合物の含有量は、ガソリン中の含酸素率でその上限が2.7質量%であることが好ましく、より好ましくは2.0質量%以下、更に好ましくは1.5質量%以下である。2.7質量%を越える場合は、排出ガス中のNOxが増加する可能性がある。
本発明のガソリンは、清浄分散剤を含有していることが好ましい。清浄分散剤としては、コハク酸イミド、ポリアルキルアミン、ポリエーテルアミンなどのガソリン清浄分散剤として公知の化合物を用いることができる。これらの中でも空気中300℃で熱分解を行った場合にその残分が無いものが望ましい。好ましくはポリイソブテニルアミン及び/またはポリエーテルアミンを使用するのが良い。清浄分散剤の添加により吸気バルブデポジットを防止することができる。清浄分散剤の含有量はガソリン全量基準で25〜1000mg/Lであることが好ましく、吸気バルブデポジットを防止する点から、50〜500mg/Lがさらに好ましく、100〜300mg/Lが最も好ましい。
本発明のガソリンに添加することができるその他の燃料油添加剤としては、具体的には、N,N’−ジイソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジイソブチル−p−フェニレンジアミン、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、ヒンダードフェノール類等の酸化防止剤、N,N’−ジサリチリデン−1,2−ジアミノプロパンのようなアミンカルボニル縮合化合物等の金属不活性化剤、有機リン系化合物などの表面着火防止剤、多価アルコールあるいはそのエーテルなどの氷結防止剤、有機酸のアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩、高級アルコール硫酸エステルなどの助燃剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤などの帯電防止剤、アゾ染料などの着色剤、有機カルボン酸あるいはそれらの誘導体類、アルケニルコハク酸エステル等の防錆剤、ソルビタンエステル類等の水抜き剤、キリザニン、クマリンなどの識別剤、天然精油合成香料などの着臭剤、高級カルボン酸モノグリセリドや高級カルボン酸のアミド化合物の混合物などの摩擦調整剤等が挙げられる。
これらの添加剤は、1種または2種以上を添加することができ、その合計添加量はガソリン全量基準で0.1質量%以下とすることが好ましい。
本発明のガソリンは、従来のガソリン以上に車両の排出ガス浄化性能に優れ、なおかつ低温時および常温時において、主に車両の加速時のもたつきや息継ぎなどを減少させることにより車両の運転性を向上させることができる。
以下に実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。
[実施例および比較例1〜
表4に示す通り、改質ガソリン、分解ガソリン、アルキレート、異性化ガソリン、軽質ナフサ、脱硫重質ナフサ、ブタンなどの基材を用いて、実施例1、及び比較例5及び6のガソリンを調製した。一方、比較例1〜3は市販のレギュラーガソリンを用い、比較例4のガソリンは比較例1のレギュラーガソリンにモル比換算で2−メチルチオフェン、ベンゾ[b]チオフェン、ジターシャリーブチルスルフィドを1:3:1で添加して硫黄分の調整を行って製造した。
(性状測定)
本実施例および比較例におけるガソリンの性状は以下の方法により測定し、測定結果を表5に示す。
LD、MD、HDは、それぞれ、JIS K 2254「石油製品−蒸留試験方法-常圧法蒸留試験方法」に準拠して測定される留出温度70℃未満の留出量(容量%)、留出温度70℃以上150℃未満の留出量(容量%)、留出温度150℃以上の留出量(容量%)を指す。
RONは、JIS K 2280「オクタン価及びセタン価試験方法」により測定されるリサーチ法オクタン価を指す。
密度は、JIS K 2249「原油及び石油製品の密度試験方法並びに密度・質量・容量換算表」により測定される密度を指す。
硫黄分は、JIS K 2541「硫黄分試験方法」により測定されるガソリン全量基準の硫黄分の質量含有量を指す。
蒸気圧は、JIS K 2258「原油及び燃料油蒸気圧試験方法(リード法)」により測定されるリード蒸気圧(RVP)を指す。
蒸留性状(IBP、T10、T50、T90、EP)は、全てJIS K 2254「石油製品−蒸留試験方法−常圧蒸留試験方法」によって測定される値である。
DIは、SAE Technical Paper Series 881668 “The Development and Proposed Implementation of the ASTM Driveability Index for Motor Gasoline”に記載されている「DI=1.5×T10+3.0×T50+1.0×T90」により求められる運転性指標を意味し、従来はDI値が同じならば、後述するCRC Report No.483に基づくCRCデメリット評価点数はほぼ同じとされていた。
下記試験車両A〜Cを用いて、「CRC Report No.483」に記載されたCRC法に準拠した走行パターンに従って、試験温度−10℃(低温下)および試験温度20℃(常温下)で運転した際の運転性を評価した。評価内容は表1に示す評価項目で発生した表2に示す現象の程度によって与えられるデメリット評価点数と、表3に示す評価内容に対応する係数とから、「評価点数」×「係数」を計算し、最後に全項目について集計し評価した。各試験燃料について得られた試験結果を表5に併記した。
なお、デメリット評価点数は低いほど、運転性が良好であることを意味する。
(試験車両A)
エンジン:直列6気筒
排気量:2997cc
噴射方式:筒内直噴式
ミッション:オートマチックトランスミッション
排出ガス浄化システム:NOx吸蔵触媒、三元触媒、空燃比フィードバック制御
(試験車両B)
エンジン:直列4気筒
排気量:1496cc
噴射方式:マルチポイント式
ミッション:オートマチックトランスミッション
排出ガス浄化システム:三元触媒、空燃比フィードバック制御
(試験車両C)
エンジン:直列4気筒
排気量:1240cc
噴射方式:マルチポイント式
ミッション:オートマチックトランスミッション
排出ガス浄化システム:三元触媒、空燃比フィードバック制御
(排出ガス評価試験)
上記の試験車両Aを用いて、国土交通省によるガソリン自動車10・15モード排出ガス測定の技術基準に従って、排出ガス中に含まれる一酸化炭素(CO)、窒素酸化物(NOx)の計測を行った。各試験燃料について得られた試験結果を表5に併記した。
表5の試験結果から、本発明のガソリン(実施例1〜3)を用いた場合は、比較例1〜4の燃料と比べて、CRCデメリット評価点数が低く、常温および低温下における運転性に優れ、かつ、10・15モードにおけるCO、NOx排出量を抑制できることが分かる。
また、本発明のMD、LD、HDを規定することにより、従来使用されている運転性指標DIがほぼ同じでも、運転性に不具合の生じる燃料を識別し、より運転性に優れた燃料を提供できることも分かる。
Figure 0004629991
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Claims (1)

  1. リサーチ法オクタン価が89.0以上、硫黄分含有量が10質量ppm以下、50容量%留出温度(T50)が89℃以上105℃以下であり、かつ以下の(1)〜(3)式を満たすことを特徴とするガソリン。
    (1)MD≧50.0
    (2)33.0≦LD≦40.0
    (3)10.0≦HD≦25.0
    (上記式中、MDは留出温度70℃以上150℃未満の留出量(容量%)、LDは留出温度70℃未満の留出量(容量%)、HDは留出温度150℃以上の留出量(容量%)を示す。)
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