JP4624506B2 - 易開封性多層容器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、易開封性多層容器に関し、詳しくは、無機充填剤含有樹脂基材層を有する少なくとも三層からなる多層容器本体のフランジ部に、蓋材フイルムをヒートシール一体化してなる多層容器とした場合に、密封性にすぐれ、開封が容易であるとともに、レトルト処理、電子レンジ調理など加熱工程を有する分野の包装に適した易開封性多層容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
熱可塑性樹脂多層容器本体に物品を充填して、蓋材フイルムをヒートシールする密封容器はよく知られ、特に食品包装分野に多く使用されてきている。これらの密封容器は包装の観点からは、蓋材フイルムが強固にヒートシールされることが望ましいが、内容物取り出し時の開封の観点からは、容易に開封できることが望ましい。すなわち、密封性と易開封性とは相反するものであり、この問題点の解決に各種方法が提案されている。
【0003】
最も一般的な方法としては、樹脂製容器のフランジ面の樹脂と蓋材フイルムのシール層の樹脂の種類や組成を制御することによって、ヒートシール強度を調整する方法である。しかしながら、この方法ではシール強度がシール時の温度や圧力などのシール条件、内容物(液体など)のシール面への付着などの影響を受けやすく、目的のヒートシール強度を安定して得ることが困難であり、易開封性に重点をおくと、保管、流通時などに開封が起こる危険性があり、結果として過剰なヒートシール強度とすることになり、易開封性に劣るものとなる。
【0004】
この欠点をなくするものとして、容器本体または蓋材フイルムの少なくとも一方を多層構造とし、多層構造の層間が容易に剥離する層構成に制御するとともに、蓋材フイルムと容器本体は強固にヒートシールし、開封は、ヒートシール間ではなく、層間の剥離による方法がある。この方法では、通常ヒートシール部の外側に切り込みを事前に形成させることが必要である場合がある。しかし、この方法は非常にすぐれた方法ではあるが切り込み形成という工程が必要であること、その位置制御が重要であること、ヒートシール時に切り込み位置とヒートシール位置を調整することが必要となり、その制御が困難である場合がある。
【0005】
他の方法として、層間剥離の手段は用いるものの、切り込み形成の代わりに、ヒートシールリングにより、ヒートシール時にエッジ切れを起こし、このエッジ切れによって層間剥離を可能にする方法がある。しかし、この方法でも易剥離性は得られるが密封性を高めることには限界がある場合がある。
いずれにしても、従来の易開封性の容器は、多層容器又は蓋材フイルムのいずれかを多層にして、その多層樹脂層の層間剥離強度を開封に適する剥離強度に制御する方法が最も適していると言える。しかしながら、ヒートシール時のシールリングの形状や位置制御などの工夫が必要であり、一般的なヒートシールリングでは十分な効果を得ることができない問題点を有している。
【0006】
以上のように、密封性と易開封性を共に満足する容器は、多層の容器またはフイルムを用いて実用化されている。しかしながら、食品の包装においては、近時食生活の多様化、安全性の向上のためにレトルト処理による殺菌、電子レンジによる加熱調理や調理済食品の再加熱などが行われる場合が増加している。この場合に、多層容器の耐熱性の向上のために樹脂層として、無機充填剤含有樹脂を用いることも考えられる。また、無機充填剤含有層とヒートシール層からなる多層容器も考えられるが、密封性と易開封性を制御することが必ずしも容易でない場合がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、密封包装容器において、耐圧密封性と易開封性を両立するとともに、レトルト処理や電子レンジ加熱が可能な耐熱性を有し、各種食品類の包装に適した多層容器本体に内容物を充填し蓋材フイルムをヒートシールした易開封性多層容器の提供を目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、このような状況下において、多層容器本体の層構成と樹脂組成、形状、層厚みなどについて鋭意研究を重ねた。その結果、特定の層構成、特定の層間剥離強度、層厚みに加えて、フランジ部の形状を特定した場合に、耐圧密封性と易開封性をともに満足するとともに、加熱処理においても、変形や破袋が起こらず、しかも耐圧密封性や易開封性を維持できることを見いだし、本発明を完成したものである。
【0009】
すなわち、本発明は、(1)樹脂内層、樹脂中間層および15〜60重量%の無機充填剤含有樹脂基材層からなるフランジ付き多層容器のフランジ部に、蓋材フイルムがヒートシールされてなる易開封性多層容器であって、前記フランジ付き多層容器は、(A)内層が5〜50μmの厚さを有し、(B)内層と中間層の層間剥離強度が0.3〜2.0kg/15mmであり、(C)フランジ面に環状凸部を有し、前記環状凸部と隣接して形成される、ヒートシールされていないかヒートシール強度が低い領域で、前記樹脂内層が破断されて開封される易開封性多層容器。
(2)前記フランジ付き多層容器の各層の樹脂がポリオレフィン系樹脂である上記(1)記載の易開封性多層容器。
(3)前記樹脂中間層と前記樹脂基材層の層間剥離強度が、前記樹脂内層と前記樹脂中間層の層間剥離強度の3倍以上である上記(1)または(2)記載の易開封性多層容器。
(4)前記樹脂基材層の外側にガスバリヤー性樹脂層を有する上記(1)〜(3)のいずれかに記載の易開封性多層容器。
(5)前記環状凸部の高さが0.1〜1mm、上部幅が0.2〜1mmである上記(1)〜(4)のいずれかに記載の易開封性多層容器。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明するがこれらの例になんら限定されるものではない。本発明の多層容器本体を図1に概念断面図として示す。図1において、1は樹脂内層、2は樹脂中間層、3は樹脂基材層、4はフランジ部、5は環状凸部である。図2(A,B,C)は、フランジ部の環状凸部断面図であり、6は上部幅、7は下部幅、8は高さをそれぞれ示す。
【0011】
本発明の易開封性多層容器は、樹脂内層、樹脂中間層および15〜60重量%の無機充填剤含有樹脂基材層からなるフランジ付き多層容器のフランジ部に、蓋材フイルムがヒートシールされてなる易開封性多層容器であって、前記フランジ付き多層容器は、(A)内層が5〜50μmの厚さを有し、(B)内層と中間層の層間剥離強度が0.3〜2.0kg/15mmであり、(C)フランジ面に環状凸部を有し、前記環状凸部と隣接して形成される、ヒートシールされていないかヒートシール強度が低い領域で、前記樹脂内層が破断されて開封されることが必要である。
【0012】
本発明に用いられる樹脂としては熱可塑性樹脂であれば、特に、制限はなく、例えば、ポリプロピレン、プロピレン・エチレンブロック共重合体、プロピレン・エチレンランダム共重合体、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、エチレンと他の重合性単量体との共重合体等のポレオレフィン系樹脂、ポリスチレン、ゴム改質耐衝撃性ポリスチレン、シンジオタクチック構造を含むポリスチレン、ABS樹脂、AS樹脂などのスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート樹脂等が採用できる。ここで、上記熱可塑性樹脂は、単独で用いることがもできるが、二種類以上を組み合わせて用いてもよい。
【0013】
このような熱可塑性樹脂のうち、ポリプロピレン、プロピレンと他のオレフィンとのブロック共重合体、ランダム共重合体、あるいは、これらの混合物などのポリプロピレン系樹脂、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体などのポリエチレン系樹脂あるいはこれらの混合樹脂などのポリオレフィン系樹脂が好ましく用いられる。また、ポリオレフィン系樹脂には必要によりエチレン−プロピレン共重合体エラストマーなどのエラストマーを衝撃向上剤として配合することもできる。さらに、不飽和カルボン酸あるいはその誘導体により変性されたポリオレフィン系樹脂を無機充填剤との親和性、接着性向上などのために添加することもできる。
【0014】
以下、好ましい熱可塑性樹脂であるポリオレフィン系樹脂の場合について説明する。まず、樹脂基材層は、15〜60重量%の無機充填剤含有樹脂基材層であり、樹脂としては、ポリプロピレン系樹脂またはポリプロピレン系樹脂と高密度ポリエチレンとの混合樹脂が多層容器本体の耐熱性、剛性などの点から好ましく用いられる。しかしながら、この樹脂層の樹脂の選択は、樹脂中間層との層間剥離強度をあるレベル以上にする必要があり、樹脂中間層の樹脂の選択により適宜決定することになる。具体的には、ポリプロピレン系樹脂40〜80重量%、好ましくは50〜75重量%と高密度ポリエチレン60〜20重量%、好ましくは50〜25重量%の範囲の樹脂組成物を例示できる。
【0015】
この樹脂基材層は、熱可塑性樹脂としてのポリオレフィン系樹脂40〜85重量%、好ましくは50〜75重量%と無機充填剤60〜15重量%、好ましくは50〜25重量%である。ここで無機充填剤としては、特に制限はなく、粒状、板状、あるいは繊維状ないしウイスカー状のものがある。たとえば、タルク、マイカ、ガラスフレーク、クレー、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、ガラス粉、珪藻土、シリカ、アルミナ、ゼオライト、酸化チタン、ガラス短繊維、ガラスミルドファイバー、炭素繊維、酸化チタン繊維、硫酸マグネシウム繊維、チタン酸カリウム繊維などを挙げることができ、これらは2種以上を併用することもできる。これらの無機充填剤としては、アスペクト比が3以上の無機充填剤、特にタルクが好ましく用いられる。また、無機充填剤は、カップリング剤、界面活性剤、金属石鹸などにより表面処理されたものを用いることもできる。
【0016】
次に、樹脂内層としては、たとえば、高密度ポリエチレンなどのポリエチレン系樹脂が用いられる。内層樹脂は、当然ながら、多層容器本体に包装物を充填した後に、蓋材フイルムをヒートシールして容器を密閉するためのヒートシール層であり、蓋材フイルムのシーラント層樹脂とのヒートシール性が良好なものが必要である。
【0017】
本発明の易開封性多層容器において、重要な点は、多層容器本体の樹脂中間層である。この樹脂中間層を有さない場合には、密封された多層容器の易開封性と高圧密封性を安定的に制御することが困難である。したがって、この樹脂中間層は、樹脂内層との間で易開封性に必要なあるレベル範囲の剥離強度を有するとともに、樹脂基材層とはあるレベル以上の剥離強度、すなわち、容器の開封時に剥離できないレベルの接着性が要求される。したがって、樹脂中間層は、前記の無機充填剤含有樹脂基材層の樹脂として、ポリプロピレン系樹脂と高密度ポリエチレン樹脂の混合樹脂組成物、内層の樹脂として高密度ポリエチレン樹脂を用いた場合には、たとえば、ポリプロピレン系樹脂、高密度ポリエチレン樹脂および低密度ポリエチレン樹脂からなる3種混合樹脂組成物が用いられる。
【0018】
本発明の易開封性多層容器において、少なくとも3層からなる樹脂を押出成形機を用いて多層シートを製造し、得られた多層シートを真空成形、圧空成形などの熱成形によって、多層容器本体が成形される。ここで、多層容器本体は、容器の用途によっては、基材層の外側層に任意の他の樹脂層を設けることができる。他の層の例としては、無機充填剤を含有しないポリプロピレン系樹脂やエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物、ポリアミド樹脂などのガスバリアー樹脂層などが例示できる。これらの樹脂層は、必要により、前記の不飽和カルボン酸またはその誘導体による変性ポリオレフィン系樹脂などの接着性樹脂層を介して多層化される。
【0019】
本発明の易開封性多層容器において、多層容器本体は、(A)内層樹脂層の厚みが5〜50μm、好ましくは10〜40μmの厚さを有するものであることが必要である。ここで、内層の厚みが、5μm未満であると密封強度が十分でなく、また50μmを越えると易開封性が低下するばかりか、場合によっては開封できなくなる場合がある。なお、中間層、基材層の厚みは多層容器本体の用途、サイズ、要求される強度、剛性、耐熱性などを考慮して適宜選定される。
【0020】
次に、本発明の易開封性多層容器において、多層容器本体の(B)内層と中間層の層間剥離強度が0.3〜2.0kg/15mm、好ましくは0.5〜1.7kg/15mmの範囲にあることが必要である。なお、この剥離強度は、剥離角度:180度、剥離速度:200mm/分の条件で、多層シートまたは多層容器本体から短冊状試験片を切り出して測定することができる。ここで、剥離強度が0.3kg/15mm未満では、使用前の輸送、保管時に開封する恐れがあり、十分な密封性を確保することが困難であり、2.0kg/15mmを越えると多層容器の開封時の剥離抵抗が強すぎ、易開封性とならない。
【0021】
さらに、本発明の易開封性多層容器において、多層容器本体は、(C)フランジ面に環状の凸部を有することが必要である。この環状凸部は、容器の熱成形時にフランジ形成部を金型で保持する部分の金型として、環状凹部を有する金型により形成される。この凸状部の形状や大きさは任意であるが、好ましくは、高さが0.1〜1mm、好ましくは0.15〜0.6mm、上部幅が0.2〜1mm、好ましくは0.3〜0.8mmである。また、その断面形状は、四角形、台形、片台形、半楕円などである。本発明の多層容器本体の形状は、すなわちフランジ部の形状は、円、楕円、三角、四角、五角以上の多角など任意であるが、通常、円、楕円、四角のものが多用される。
【0022】
本発明の易開封性多層容器は、多層容器本体に包装物を充填し、フランジ部に蓋材フイルムをヒートシールしてなる。図3には、易開封性多層容器のヒートシールされた状態のフランジ部の拡大図を、ヒートシールリングとともに示し、図4は、開封後の状態を示す。図3、図4において、9は多層容器本体、10は蓋材フイルム、11は蓋材基材フイルム、12はシーラントフィルム、13はヒートシールリングである。
【0023】
多層容器本体9が図示しないホルダーに載置され、包装物が充填された後、蓋材フイルム10が挿入され、ヒートシールリング13によって、蓋材フイルム10は、開封端をはみ出した状態で多層容器フランジ部にヒートシールされる。このヒートシールによって、多層容器本体の内層と蓋材フイルムのシーラントフイルムは強固に溶着する。この場合に容器蓋の開封は、このヒートシール層間を剥離するものでないため、剥離性を考慮する必要がなく、ヒートシールは温度、圧力とも強いヒートシール条件が設定できる。このヒートシールによって、高圧密封性が確保されることになる。したがって、ヒートシールされた易開封性多層容器は、この状態でレトルト処理や電子レンジで加熱されても、内圧上昇などにより変形や破袋が生じることはない。
【0024】
ここで蓋材フイルムとしては、ヒートシール層を有するフイルムであれば任意であり、公知の各種フイルムを用いることができる。通常、シーラントフイルムと単層または多層の基材フイルムとの多層フイルムが用いられる。基材フイルムとしては、ポリアミド、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物、アルミニウム箔などのガスバリアー性材料、あるいはこれらを含む他の樹脂との多層フイルムが用いられる。
【0025】
ついで、この易開封性多層容器の包装物(内容物)を取り出すために開封する場合には、はみ出した蓋材フイルムの端部を上方に持ち上げれば、容易に開封することができる。図4から明らかなように、開封時には、多層容器本体の内層1は中間層2との層間で剥離が始まり、内層の一部である1bは蓋材フイルムへ移行する。また開封が進むとヒートシールされていないか、ヒートシール強度が低い領域(位置)に来ると、内層フイルムの適度の厚みと相まって、内層フイルムは破断され、その一部である1aは多層容器フランジ部に残る。以後、このような状態を順次経て図4で示すような、状態で開封が完了するものである。
【0026】
本発明のこのような構成の多層容器本体を用いた易開封性多層容器においては、その一例として、開封強度が0.5〜1.5kg/15mmと容易に開封することができるとともに、密封強度として1〜2.5kg/15mm程度の耐圧強度を有する密封多層容器とすることができる。したがって、耐熱性が要求される各種レトルト食品用などに好適に用いることができる。
【0027】
【実施例】
次に、本発明の効果を具体的な実施例に基づいて説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
多層シートの製造
共押出多層シート押出成形機により下記層構成の多層シートを製造した。
★1;内層樹脂〔高密度ポリエチレン樹脂(密度=0.966g/cm3 、MI=10g/10分:190℃、2160g荷重)〕
★2;中間層樹脂層〔ポリプロピレン樹脂(MI=0.6g/10分:230℃、2160g荷重):80重量%、低密度ポリエチレン樹脂(密度=0.920g/10分、MI=0.3g/10分):16重量%および高密度ポリエチレン樹脂(密度=0.958g/cm3 、MI=0.34g/10分):4重量%からなる樹脂組成物
【0028】
★3:基材樹脂層〔ポリプロピレン樹脂(MI=0.5g/10分):40重量%、高密度ポリエチレン樹脂(密度=0.958g/cm3 、MI=0.34g/10分):25重量%、タルク(10μm):35重量%からなる無機充填剤含有樹脂組成物
★接着性樹脂層〔無水マレイン酸変性ポリプロピレン系樹脂〕
★ガスバリアー樹脂〔エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(密度=1.18g/cm3 、エチレン含有量=32モル%、MI=1.7g/10分:190℃、2160g荷重、融点=181℃)〕
各層の厚み:樹脂内層/樹脂中間層/無機充填剤含有樹脂基材層/接着性樹脂層/ガスバリアー樹脂層/接着性樹脂層/無機充填剤含有樹脂基材層/樹脂中間層/樹脂外層=30μm/100μm/170μm/30μm/70μm/30μm/170μm/100μm/30μmであった。
【0029】
実施例1
上記多層シートを用いてプラグアシスト熱成形により、80mm×130mm、高さ30mmのフランジ付き多層容器本体を成形した。なお、シート保持部によって、フランジ部に断面台形の環状凸部(図2のB)を同時に形成した。環状凸部寸法は上部幅=0.4mm、下部幅=0.8mm、高さ=0.4mmとした。なお、容器底部から切り出して測定した、樹脂内層層と樹脂中間層間の剥離強度は、750g/15mm、樹脂中間層と無機充填剤含有樹脂基材層間の剥離強度は2900g/15mmであった。
【0030】
得られた多層容器に水を充填した後、蓋材フイルム〔延伸ナイロン/ポリ塩化ビニリデン/延伸ナイロン/直鎖状低密度ポリエチレン=15μm/20μm/15μm/60μm〕としての多層フイルムを直鎖状低密度ポリエチレンをシール面として被せて、ヒートシールリングにより、温度195℃、圧力3kg/cm2 、シール時間2秒間一回の条件でヒートシールし、易開封性多層容器を得た。得られた易開封性多層容器を120℃、40分間のレトルト処理を行った。評価結果を第1表に示す。なお、多層容器の密封強度、開封強度は、フランジ部から幅15mmの試験片を切り出して、前記剥離強度の測定方法に準じて測定したものである。
【0031】
実施例2
実施例1において、フランジ部の環状凸部(図2のC)とし、その寸法を上部幅=0.4mm、下部幅=0.8mm、高さ=0.2mmとした以外は実施例1と同様にして多層容器本体および易開封性多層容器を得た。評価結果を第1表に示す。
【0032】
実施例3
実施例1において、フランジ部の環状凸部(図2のC)とし、その寸法を上部幅=0.4mm、下部幅=0.7mm、高さ=0.2mmとした以外は実施例1と同様にして多層容器本体および易開封性多層容器を得た。評価結果を第1表に示す。
【0033】
比較例1
実施例1において、樹脂内層の厚みを55μmとした以外は実施例1と同様にして多層容器本体および易開封性多層容器を得た。評価結果を第1表に示す。
比較例2
実施例1において、樹脂内層の厚みを4μmとした以外は実施例1と同様にして多層容器本体および易開封性多層容器を得た。評価結果を第1表に示す。
【0034】
比較例3
実施例1において、無機充填剤含有樹脂基材層を、ポリプロピレン樹脂:75重量%と高密度ポリエチレン樹脂25重量%からなる樹脂組成物に変更した以外は実施例1と同様にして多層容器本体および易開封性多層容器を得た。評価結果を第1表に示す。
【0035】
比較例4
実施例1において、フランジ部に環状凸部を有さない多層容器本体を用いた以外は、実施例1と同様にして多層容器本体および易開封性多層容器を得た。評価結果を第1表に示す。
【0036】
【表1】
【0037】
【発明の効果】
本発明の多層容器本体は、この多層容器本体に包装物としての食品を充填した後、蓋材フイルムをヒートシールしてなる易開封性多層容器となしたとき、すぐれた密封性とともに、容易に開封できる。しかも、食生活の多様化、安全性の点から近時多用されている、レトルト処理や電子レンジでの加熱や加熱調理などの加熱処理において、容器の変形がない耐熱性と剛性を有するとともに、内部圧力の上昇にも十分耐えるだけの耐圧密封性を有する。したがって、各種食品の包装に好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の多層容器本体の概念断面図を示す。
【図2】本発明の多層容器本体のフランジ部の環状凸部断面図を示す。
【図3】本発明の易開封性多層容器の概念断面図を示す。
【図4】本発明の易開封性多層容器の開封後の状態の概念断面図を示す。
【符号の説明】
1:樹脂内層
2:樹脂中間層
3:樹脂基材層
4:フランジ部
5:環状凸部
6:上部幅
7:下部幅
8:高さ
9:多層容器本体
10:蓋材フイルム
11:蓋材基材フイルム
12:シーラントフイルム
13:ヒートシールリング
Claims (5)
- 樹脂内層、樹脂中間層および15〜60重量%の無機充填剤含有樹脂基材層からなるフランジ付き多層容器のフランジ部に、蓋材フイルムがヒートシールされてなる易開封性多層容器であって、
前記フランジ付き多層容器は、(A)内層が5〜50μmの厚さを有し、(B)内層と中間層の層間剥離強度が0.3〜2.0kg/15mmであり、(C)フランジ面に環状凸部を有し、
前記環状凸部と隣接して形成される、ヒートシールされていないかヒートシール強度が低い領域で、前記樹脂内層が破断されて開封される易開封性多層容器。 - 前記フランジ付き多層容器の各層の樹脂がポリオレフィン系樹脂である請求項1記載の易開封性多層容器。
- 前記樹脂中間層と前記樹脂基材層の層間剥離強度が、前記樹脂内層と前記樹脂中間層の層間剥離強度の3倍以上である請求項1または2記載の易開封性多層容器。
- 前記樹脂基材層の外側にガスバリヤー性樹脂層を有する請求項1〜3のいずれかに記載の易開封性多層容器。
- 前記環状凸部の高さが0.1〜1mm、上部幅が0.2〜1mmである請求項1〜4のいずれかに記載の易開封性多層容器。
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