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JP4618069B2 - 内燃機関の排気浄化システム - Google Patents

内燃機関の排気浄化システム Download PDF

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JP4618069B2
JP4618069B2 JP2005273395A JP2005273395A JP4618069B2 JP 4618069 B2 JP4618069 B2 JP 4618069B2 JP 2005273395 A JP2005273395 A JP 2005273395A JP 2005273395 A JP2005273395 A JP 2005273395A JP 4618069 B2 JP4618069 B2 JP 4618069B2
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Description

本発明は、内燃機関の排気通路に配置されたフィルタに堆積した粒子状物質をフィルタを昇温させることで酸化除去する内燃機関の排気浄化システムに関する。
内燃機関においては、排気中に含まれる煤などの粒子状物質(PM:Particulate Matter、以下、PMともいう)を捕集するために、排気通路にフィルタを備えた内燃機関の排気浄化システムが知られている。このようなシステムでは、フィルタを昇温させてフィルタに堆積したPMを酸化除去するフィルタ再生処理が行われている。
フィルタ再生処理においては、PMの酸化に伴い発熱が生じており、フィルタにおける発熱と放熱との関係によってはフィルタが過昇温してしまうことがある。この過昇温を抑制するため、排気流量を増加させ、PMの酸化に伴う発熱のうちフィルタ下流への排気によって持ち去られる熱量(以下、持ち去り熱量という)を増加させる技術が知られている。また、これに関連して、排気流量が増加しすぎると、フィルタの床温が低下してしまうため、排気流量の増加量に上限を設ける技術が知られている(特許文献1参照。)。
一方、フィルタ再生処理において、PMを酸化する際の酸素量が増加するほど発熱量が増加する。このため、酸素量が増加しすぎてもフィルタが過昇温してしまうことがある。この過昇温を抑制するため、吸気流量を減少させ、PMと酸化する酸素量を削減させる技術が知られている(特許文献2参照。)。
特開2004−190668号公報 特開2004−263578号公報
ところで、PM堆積量の検出精度は必ずしも高いとは言えず、ある程度のバラツキを見込んだ値で推定されている。このため、フィルタにPMが堆積していない状態でフィルタ再生処理が行われる場合がある。かかる場合であっても、減速などのフィルタが過昇温する危険条件が成立すれば、フィルタ再生処理中でのフィルタの過昇温を抑制するために、上述のごとく排気流量を増加させたり、吸気流量を減少させたりすることがある。
このようなときの排気流量の増加では、PMが堆積していないためにPMが酸化することによる発熱量が少なくフィルタの昇温は考慮したほど生じないので、フィルタの床温低下という背反を招いてしまう。また、このようなときの吸気流量の減少では、吸気流量の減少に伴い排気流量も減少して持ち去り熱量が低下し、持ち去り熱量の低下分を要因としてフィルタの過昇温が生じるおそれがある。
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、その目的とするところは、PM堆積量の多少に拘らず、フィルタの過昇温をより確実に抑制する技術を提供することにある。
本発明にあっては以下の構成を採用する。すなわち、
内燃機関の排気通路に配置され排気中の粒子状物質を捕集するフィルタを備え、前記フィルタに堆積した粒子状物質を前記フィルタを昇温させることで酸化除去する内燃機関の排気浄化システムにおいて、
前記粒子状物質の酸化除去中の目標流量を、該目標流量の上限流量となる吸気流量によ
って供給される酸素で酸化される前記粒子状物質の酸化速度に基づく発熱量が、該目標流量の下限流量となる排気流量が前記フィルタから持ち去る持ち去り熱量と等しくなる範囲で決定する目標流量設定手段を備えることを特徴とする内燃機関の排気浄化システムである。
言い換えると本発明においては、前記粒子状物質の酸化除去中における目標流量を、所定の流量範囲において決定する。ここで、所定の流量範囲は、目標流量を所定の範囲の上限流量とした際に前記フィルタに供給される酸素で酸化される前記粒子状物質の酸化速度に基づく発熱量と、目標流量を所定の範囲の下限流量とした際の排気流量が前記フィルタから持ち去る持ち去り熱量とが等しくなるように定められている。
本発明は、フィルタにおける粒子状物質(PM)の酸化による発熱量が、排気がフィルタから持ち去ることのできる持ち去り熱量以下であれば、その発熱量分の発熱がフィルタで生じても排気によって持ち去られるので、フィルタが昇温しないことに着目した。また、フィルタで生じる発熱量からは、PMの酸化速度に鑑みると、PMを酸化させる酸素を供給するために必要な吸気流量を算出できることに着目した。そして、それらを組み合わせ、下限流量での持ち去り熱量相当の発熱量からPMの酸化速度に鑑みて上限流量を導き、フィルタの過昇温が抑制される吸気流量の範囲を求め、この範囲内で吸気流量を定めるものである。
またここで、前記上限流量と前記下限流量とは、該上限流量となる吸気流量によって供給される酸素で酸化される前記粒子状物質の酸化速度に基づく発熱量が、該下限流量となる排気流量が前記フィルタから持ち去る持ち去り熱量と等しくなるように定められている。
そうすると、決定される目標流量は前記下限流量以上で且つ前記上限流量以下の値となるので、フィルタにおける実際の前記持ち去り熱量は、排気流量が前記下限流量である場合における持ち去り熱量以上となる。同様に、フィルタにおける実際の粒子状物質の酸化による発熱量は、排気流量が前記上限流量である場合における発熱量以下となる。
このため、実際のフィルタ再生処理においては、目標流量の排気による持ち去り熱量が必ず目標流量の排気による発熱量以上となるようにできる。
この構成によると、フィルタの過昇温が抑制される吸気流量の範囲が持ち去り熱量とPMの酸化速度の観点から特定されている。そのため、吸気流量の範囲にPM堆積量は影響していない。よって、PM堆積量が多少に拘らずどのような量であっても、上記範囲の吸気流量であればフィルタの過昇温を抑制することができる。
つまり、フィルタにPMが堆積していない状態でフィルタ再生処理が行われる場合であっても、吸気流量が上記範囲であれば、過剰に吸気流量を増減してしまうことが無くなる。このため、吸気流量の過剰な増加に伴う排気流量の過剰な増加によるフィルタの床温低下を抑制できる。また、吸気流量の過剰な減少に伴う排気流量の過剰な減少による持ち去り熱量の過剰な低下を抑制し、持ち去り熱量の過剰な低下分を要因とするフィルタの過昇温も抑制できる。
したがって、PM堆積量の多少に拘らず、フィルタの過昇温をより確実に抑制することができる。
内燃機関の排気通路に配置され排気中の粒子状物質を捕集するフィルタを備え、前記フィルタに堆積した粒子状物質を前記フィルタを昇温させることで酸化除去する内燃機関の
排気浄化システムにおいて、
所定の第1流量と、前記第1流量が前記フィルタから持ち去る持ち去り熱量に対し最大に許容される前記粒子状物質の酸化速度から導出される酸素量に基づく第2流量と、を定め、前記第1流量が前記第2流量以下となる場合に、前記粒子状物質の酸化除去中の目標流量を、前記第1流量を下限とし前記第2流量を上限とする範囲に設定する目標流量設定手段を備えることを特徴とする内燃機関の排気浄化システムである。
この構成によると、下限流量となる第1流量から定まる持ち去り熱量相当の発熱量に基づき粒子状物質(PM)の酸化速度に鑑みて上限流量となる第2流量を導き、PMの酸化除去中のフィルタの過昇温が抑制される目標流量を、PM堆積量が影響しない、第1流量を下限とし第2流量を上限とする範囲に設定することができる。
前記目標流量設定手段は、
前記フィルタに流入する排気流量として前記第1流量を定め、
前記第1流量及び前記フィルタの床温に基づく前記持ち去り熱量と、前記フィルタにおける総反応熱量とが同等になるような前記粒子状物質の酸化速度である許容最大酸化速度を算出し、
前記許容最大酸化速度及び前記粒子状物質の1モルあたりの重量から算出された単位時間あたりに酸化する前記粒子状物質のモル数と、酸素の1モルあたりの重量とに基づいて、前記単位時間あたりに酸化する前記粒子状物質と反応する酸素量である許容最大酸素量を算出し、
前記許容最大酸素量及び前記内燃機関の気筒内で消費される酸素量に基づき許容最大吸気流量として前記第2流量を算出し、
前記第1流量が前記第2流量以下となるか否か判別し、
前記第1流量が前記第2流量以下となる場合に、前記粒子状物質の酸化除去中の目標流量を、前記第1流量を下限とし前記第2流量を上限とする範囲に設定することがよい。
この構成によると、より簡便な計算過程によって、PMの酸化除去中のフィルタの過昇温が抑制される目標流量を、PM堆積量が影響しない、第1流量を下限とし第2流量を上限とする範囲に設定することができる。
前記目標流量設定手段は、前記フィルタでの前記粒子状物質の堆積量が多いほど、前記目標流量を前記第2流量に近づけることがよい。
この構成によると、PM堆積量が多いほど、酸化速度が早まり、PMの酸化除去を早期に終了させることができる。これにより、PMの酸化除去中に生じるフィルタの昇温時間を削減することができる。そして、フィルタの昇温時間を削減できるので、フィルタが高温に曝される時間を減少させ、フィルタの熱劣化を抑制することができる。
前記目標流量設定手段は、酸化速度を最大とし前記粒子状物質の酸化除去を早期に終了させるべく、前記目標流量を前記第2流量に設定することがよい。
この構成によると、酸化速度を最大としPMの酸化除去を早期に終了させることができる。これにより、PMの酸化除去中に生じるフィルタの昇温時間を削減することができる。そして、フィルタの昇温時間を削減できるので、フィルタが高温に曝される時間を減少させ、フィルタの熱劣化を抑制することができる。
本発明によると、PM堆積量の多少に拘らず、フィルタの過昇温をより確実に抑制することができる。
以下に本発明の具体的な実施例を説明する。
図1は、本発明の実施例1に係る排気浄化システムを適用する内燃機関とその吸排気系の概略構成を示す図である。
図1に示す内燃機関1は、4つの気筒を有する水冷式の4サイクル・ディーゼル機関である。
内燃機関1には、吸気通路2が接続されている。この吸気通路2には、吸気通路2内を流通する吸気の質量(吸気流量)に対応した電気信号を出力するエアフローメータ3が取り付けられている。
吸気通路2におけるエアフローメータ3より下流の部位には、過給機4のコンプレッサハウジングが設けられている。コンプレッサハウジングより下流の吸気通路2には、吸気通路2内を流通する吸気流量を調節する吸気絞り弁5が設けられている。この吸気絞り弁5には、吸気絞り用アクチュエータ6が取り付けられている。
また、内燃機関1には、排気通路7が接続されている。この排気通路7は、下流にて不図示のマフラーと接続されている。排気通路7の途中には、過給機4のタービンハウジングが配置されており、タービンハウジングより下流の部位には、気筒から排出される排気中のPMを捕集するためのフィルタ8が配置されている。なお、フィルタ8は、パティキュレートフィルタに酸化触媒、吸蔵還元型NOx触媒、三元触媒などの触媒が担持されたものである。
排気通路7におけるフィルタ8の上流側及び下流側には、排気通路7内を流通する排気の温度に対応した電気信号を出力する上流側排気温度センサ9及び下流側排気温度センサ10が取り付けられている。
以上述べたように構成された内燃機関1には、内燃機関1を制御するための電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)11が併設されている。このECU11は
、CPU、ROM、RAM、バックアップRAMなどからなる制御コンピュータである。
ECU11には、前述したエアフローメータ3、上流側排気温度センサ9、下流側排気温度センサ10に加え、内燃機関1に取り付けられたクランクポジションセンサ及び水温センサや、内燃機関1を搭載した車両の室内に取り付けられたアクセルポジションセンサ等の各種センサが接続され、各種センサの出力信号がECU11に入力されるようになっている。
一方、ECU11には、吸気絞り用アクチュエータ6、燃料噴射弁、燃料添加弁等が接続され、ECU11がこれらを制御することが可能になっている。
ここで、ECU11は、クランクポジションセンサに基づく割り込み処理、或は一定時間毎の割り込み処理として、定期的に以下に述べるような、フィルタ8を昇温させることでフィルタ8中に堆積したPMを酸化除去するフィルタ再生処理を実行する。
このフィルタ再生処理については、ECU11が、フィルタ8のフィルタ再生処理条件(以下、「フィルタ再生処理条件」と記す。)が成立したときに実行開始する。当該フィ
ルタ再生処理条件としては、フィルタ8に捕集されたPM堆積量が、所定量以上であるという条件を例示することができる。なお、当該所定量は、PMがフィルタ8に堆積することによりフィルタ8が目詰まりし、この目詰まりが排気抵抗の増加を生じさせ、内燃機関の出力低下を生じさせてしまう量よりも低目に設定される堆積量であり、内燃機関毎に予め定められる量である。
そして、フィルタ再生処理条件が成立としていると判別した場合には、ECU11が、PMが酸化反応を行う高温の目標温度までフィルタ8を昇温させるための昇温処理を実行する。
昇温処理の実行方法としては、フィルタ8に担持した触媒において未燃燃料を酸化させ、その際に発生する反応熱によりフィルタ8自体を昇温させる方法を採用している。具体的な手法としては、燃料添加弁から排気中へ燃料を添加させたり、内燃機関1の排気行程時に気筒の燃料噴射弁から副噴射させたりする。
そして、このようなフィルタ再生処理が実行されると、フィルタ8に堆積したPMが酸化され、フィルタ8からPMが除去されることになる。
ところで、フィルタ再生処理においては、PMの酸化に伴い発熱が生じており、フィルタにおける発熱と放熱との関係によってはフィルタ8が過昇温してしまうことがある。この過昇温を抑制するため、排気流量を増加させ、PMの酸化に伴う発熱のうち排気によって持ち去る持ち去り熱量を増加させたり、吸気流量を減少させ、吸気に含まれるPMと酸化する酸素量を削減させたりする技術が知られている。
しかし、PM堆積量の検出精度は必ずしも高いとは言えず、ある程度のバラツキを見込んだ値で推定されているため、フィルタ8にPMが堆積していない状態でフィルタ再生処理が行われる場合がある。かかる場合に減速などのフィルタ8が過昇温する危険条件が成立すれば、フィルタ再生処理中でのフィルタ8の過昇温を抑制するために、排気流量を増加させたり、吸気流量を減少させたりする制御が行われてしまう。
そうすると、このようなときの排気流量の増加は、PMが堆積されていないためにPMが酸化することによる発熱量が少なくフィルタ8の昇温は考慮したほど生じないので、フィルタ8の床温低下という背反を招いてしまう。また、このようなときの吸気流量の減少は、吸気流量の減少に伴い排気流量も減少することにより持ち去り熱量の低下を招き、持ち去り熱量の低下分を要因としてフィルタ8の過昇温が生じるおそれがある。
そこで、本実施例においては、フィルタ8に堆積したPM堆積量の多少に拘らずどのような量であっても、フィルタ8が過昇温しない吸気流量の範囲を設定する。
フィルタ8が過昇温しない吸気流量の範囲を設定する流量設定処理のことを、以下「目標流量設定処理」という。なお、本処理は、ECU11が実行する処理であり、本発明の目標流量設定手段に該当する。
具体的に、本実施例においては、ECU11が、以下の処理に従って、目標流量設定処理を実行する。なお、この処理は、フィルタ再生処理中において、クランクポジションセンサに基づく割り込み処理、或は一定時間毎の割り込み処理として、定期的に実行されるものである。以下、図2のフローチャートに沿って説明する。
この吸気流量設定ルーチンは、予めECU11のROMに記憶されているルーチンであり、先ず、ステップ(以下、単に「S」という)101において、ECU11は、フィル
タ8に流入する排気流量であり、また目標流量の下限流量である第1流量としての流量Ggas(g/s)を設定する。そして、S102へ進む。
なお、本ルーチンの開始当初のGgasは、燃費や騒音などの様々な観点から決定される最小値であったり、吸気絞り弁5が最少開度となる際の値であったりする。例えば、アイドリング状態のときには、Ggas=5に設定される。
S102においては、ECU11は、Ggasとフィルタ8の床温に基づく、Ggasがフィルタ8から持ち去る持ち去り熱量と、フィルタ15における総反応熱量とが同等になるようなPMの酸化速度である許容最大酸化速度としてのPM酸化速度Grgn(g/s)を算出する。
すなわち、下流側排気温度センサ10の検出する温度Tcat(℃)、上流側排気温度センサ9の検出する温度Tgas(℃)、ECU11にて算出されるフィルタ8中の未燃HC量Ghc(g/s)を読み込み、これらを用いて、
(Tcat−Tgas)×Ggas×Rgas=Ghc×Rhc+Grgn×Rrgn・・・(1)
ただし、Rgas:ガス比熱(一定値)(J/(g℃))
Rhc :HC低位発熱量(一定値)(J/g)
Rrgn:PM低位発熱量(一定値)(J/g)
の式によりPM酸化速度Grgnを算出する。そして、S103へ進む。
また、(1)式においてはGgas以外のパラメータの数値を定めることができるので、GrgnはGgasの関数として、Grgn=f(Ggas)と表すことができる。
なお、上記(1)式は、排気流量がフィルタ8から持ち去ることのできる持ち去り熱量と等しい発熱量であれば、その発熱量分の発熱がフィルタ8で生じても排気によって持ち去られフィルタ8が昇温しないことに着目し、持ち去り熱量とフィルタ8での総反応熱量とを等号で結んだ式である。
(1)式における左辺については、(Tcat−Tgas)でフィルタ8の通過前後における排気の温度上昇を導出しており、このフィルタ8の通過前後における排気の温度上昇とGgasとRgasとを積算することにより、Ggasで持ち去ることのできる持ち去り熱量を導出している。
(1)式における右辺については、(Ghc×Rhc)でフィルタ8中のHC反応分の発熱量を導出し、(Grgn×Rrgn)でフィルタ8中のPM反応分の発熱量を導出し、これらの和でフィルタ8における総反応熱量を導出している。
S103においては、ECU11は、Grgn及びPMの1モルあたりの重量から算出された単位時間あたりに酸化するPMのモル数と、酸素の1モルあたりの重量とに基づいて、単位時間あたりに酸化するPMと反応する酸素量である許容最大酸素量として酸素量Go2(g/s)を算出する。
すなわち、
(Go2/Ro)/(Grgn/Rc)=Ro/c・・・(2)
ただし、Ro :酸素(O2)1モルあたり重量(一定値)(g/mol)
Rc :PM(C)1モルあたり重量(一定値)(g/mol)
Ro/c :酸素とPMの反応モル比(一定値)
の式により酸素量Go2を算出する。そして、S104へ進む。
また、(2)式においてはGrgn以外のパラメータは一定値であるので、Go2はGrgn若しくはGgasの関数として、Go2=g(Grgn)=g’(Ggas)と表すことができる。
S104においては、ECU11は、Go2及び内燃機関1で消費される酸素量に基づき、許容最大吸気流量であり、目標流量の上限流量となる第2流量である許容最大流量Gmax(g/s)を算出する。
すなわち、ECU11にて算出される内燃機関1の気筒内での燃料噴射量Gfuel(g/s)を読み込み、これを用いて、
Gmax×Rair=Gfuel×Rst+Go2・・・(3)
ただし、Rair:大気酸素濃度(一定値)(%wt)
Rst :理論空燃比(一定値)
の式により許容最大流量Gmaxを算出する。そして、S105へ進む。
また、(3)式においてはGo2以外のパラメータの数値を定めることができるので、GmaxはGo2若しくはGgasの関数として、Gmax=h(Go2)=h’(Ggas)と表すことができる。結局、GmaxはGgasをパラメータとして導出可能である。
S105においては、ECU11は、GgasがGmax以下となる(Ggas≦Gmax)か否か判別する。
S105で肯定判定された場合(Ggas≦Gmax)は、ECU11は、S106において、フィルタ再生処理における吸気流量の目標流量Gを、Ggasを下限としGmaxを上限とする範囲(Ggas≦G≦Gmax)に設定する。当該範囲内であればGの値はどのような値であってもよい。
一方、S105で否定判定された場合(Ggas≦Gmaxを満たさない)は、ECU11は、S107において、Ggasの値を増加させて再設定(Ggas(i)=Ggas(i−1)+1:iは整数)し、S102へ戻る。
ステップS106の処理を実行し終えた場合には、ECU20は本ルーチンの実行を終了する。
このようにして、フィルタ再生処理におけるフィルタ8の過昇温が抑制される吸気流量の範囲が持ち去り熱量とPMの酸化速度の観点から特定される。そのため、吸気流量の範囲にPM堆積量は影響していない。よって、PM堆積量が多少に拘らずどのような量であっても、上記範囲の吸気流量であればフィルタ8の過昇温は抑制することができる。したがって、PM堆積量の多少に拘らず、フィルタ15の過昇温をより確実に抑制することができる。
なお、上述した実施例は、フィルタ再生処理におけるフィルタの過昇温が抑制される吸気流量の範囲を設定したが、Ggas≦G≦Gmaxの範囲をさらに他の観点から限定してもよい。
(実施態様1)
本実施態様では、設定流量を、Ggas≦G≦Gmaxの範囲において、さらに、フィルタ8でのPM堆積量が多いほど、Gmaxに近づけるようにする。
このようにすると、PM堆積量が多いほど、フィルタ再生処理中のPMに対する酸化速度が早まり、PMの酸化除去(フィルタ再生処理)を早期に終了させることができる。これにより、フィルタ再生処理中に生じるフィルタ8の昇温時間を削減することができる。そして、フィルタ8の昇温時間を削減できるので、フィルタ8が高温に曝される時間を減少させ、フィルタ8の熱劣化を抑制することができる。
(実施態様2)
本実施態様では、設定流量を、Ggas≦G≦Gmaxの範囲において、さらに、PMに対する酸化速度を最大としフィルタ再生処理を早期に終了させるべく、Gmaxに設定する(G=Gmax)。
このようにすると、PMに対する酸化速度をGgas≦G≦Gmaxの範囲において最大とし、フィルタ再生処理を早期に終了させることができる。これにより、フィルタ再生処理中に生じるフィルタ8の昇温時間を削減することができる。そして、フィルタ8の昇温時間を削減できるので、フィルタ8が高温に曝される時間を減少させ、フィルタ8の熱劣化を抑制することができる。
(実施態様3)
本実施態様では、設定流量を、Ggas≦G≦Gmaxの範囲において、さらに、燃費悪化を抑制させるべく、Ggasに設定する(G=Ggas)。
このようにすると、吸気流量をGgas≦G≦Gmaxの範囲において最小とし、供給すべき燃料量を削減することができる。これにより、フィルタ再生処理中の燃費悪化を抑制することができる。
(実施態様4)
本実施態様では、設定流量を、Ggas≦G≦Gmaxの範囲において、さらに、図3に示すごとく時間的変動が少なくなるように、設定流量Gの値がGgas以下あるいは、Gmax以上とならない限りにおいて、平均化する(なます)(G(i)=G(i−1)+(Gmax−G(i−1))×α:0<α≦1)。
このようにすると、フィルタ8への燃料供給から到達までの時間差による、吸気流量制御でのフィルタ8の状態変化の応答遅れを考慮して、時間的流量変化を少なくすることができ、加速等の過渡運転時におけるフィルタ8の温度等の状態を安定させることができる。
(実施態様5)
本実施態様では、設定流量を、Ggas≦G≦Gmaxの範囲において、さらに、図4に示すごとく時間的変動が少なくなるように、設定流量Gの値がGgas以下あるいは、Gmax以上とならない限りにおいて、前回値保持する(G(i)=G(i−1))。
このようにすると、フィルタ8への燃料供給から到達までの時間差による、吸気流量制御でのフィルタ8の状態変化の応答遅れを考慮して、時間的流量変化を少なくすることができ、加速等の過渡運転時におけるフィルタ8の温度等の状態を安定させることができる。
(実施態様6)
本実施態様では、設定流量を、Ggas≦G≦Gmaxの範囲において、さらに、フィルタ再生処理中のNOxの制約から吸気流量の上限流量を制限する(Ggas≦G≦Gm
ax’(NOx))。なお、Gmax’(NOx)は、フィルタ再生処理中のNOxの制約からの吸気流量の上限流量であり、Ggas≦Gmax’(NOx)≦Gmaxを満たす。
このようにすると、フィルタ8から排出されるNOxの最大の量が規制でき、フィルタ8から排出されるNOxの量を管理することができる。
以上の実施態様のように、Ggas≦G≦Gmaxの範囲をさらに他の観点から限定してより良好な吸気流量を設定することができる。なお、各実施態様は組み合わせて実施することもできる。
実施例1に係る排気浄化システムを適用する内燃機関とその吸排気系の概略構成を示す図である。 実施例1に係るフィルタ再生処理における吸気流量を設定する制御ルーチンを示すフローチャートである。 実施態様4に係る平均化した設定流量を示すグラフである。 実施態様5に係る前回値保持した設定流量を示すグラフである。
符号の説明
1 内燃機関
2 吸気通路
5 吸気絞り弁
7 排気通路
8 フィルタ
9 上流側排気温度センサ
10 下流側排気温度センサ

Claims (5)

  1. 内燃機関の排気通路に配置され排気中の粒子状物質を捕集するフィルタを備え、前記フィルタに堆積した粒子状物質を前記フィルタを昇温させることで酸化除去する内燃機関の排気浄化システムにおいて、
    前記粒子状物質の酸化除去中の目標流量を、該目標流量の上限流量となる吸気流量によって供給される酸素で酸化される前記粒子状物質の酸化速度に基づく発熱量が、該目標流量の下限流量となる排気流量が前記フィルタから持ち去る持ち去り熱量と等しくなる範囲で決定する目標流量設定手段を備えることを特徴とする内燃機関の排気浄化システム。
  2. 内燃機関の排気通路に配置され排気中の粒子状物質を捕集するフィルタを備え、前記フィルタに堆積した粒子状物質を前記フィルタを昇温させることで酸化除去する内燃機関の排気浄化システムにおいて、
    所定の第1流量と、前記第1流量が前記フィルタから持ち去る持ち去り熱量に対し最大に許容される前記粒子状物質の酸化速度から導出される酸素量に基づく第2流量と、を定め、前記第1流量が前記第2流量以下となる場合に、前記粒子状物質の酸化除去中の目標流量を、前記第1流量を下限とし前記第2流量を上限とする範囲に設定する目標流量設定手段を備えることを特徴とする内燃機関の排気浄化システム。
  3. 前記目標流量設定手段は、
    前記フィルタに流入する排気流量として前記第1流量を定め、
    前記第1流量及び前記フィルタの床温に基づく前記持ち去り熱量と、前記フィルタにおける総反応熱量とが同等になるような前記粒子状物質の酸化速度である許容最大酸化速度を算出し、
    前記許容最大酸化速度及び前記粒子状物質の1モルあたりの重量から算出された単位時間あたりに酸化する前記粒子状物質のモル数と、酸素の1モルあたりの重量とに基づいて、前記単位時間あたりに酸化する前記粒子状物質と反応する酸素量である許容最大酸素量を算出し、
    前記許容最大酸素量及び前記内燃機関の気筒内で消費される酸素量に基づき許容最大吸気流量として前記第2流量を算出し、
    前記第1流量が前記第2流量以下となるか否か判別し、
    前記第1流量が前記第2流量以下となる場合に、前記粒子状物質の酸化除去中の目標流量を、前記第1流量を下限とし前記第2流量を上限とする範囲に設定する
    ことを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の排気浄化システム。
  4. 前記目標流量設定手段は、前記フィルタでの前記粒子状物質の堆積量が多いほど、前記目標流量を前記第2流量に近づけることを特徴とする請求項2又は3に記載の内燃機関の排気浄化システム。
  5. 前記目標流量設定手段は、酸化速度を最大とし前記粒子状物質の酸化除去を早期に終了させるべく、前記目標流量を前記第2流量に設定することを特徴とする請求項2又は3に記載の内燃機関の排気浄化システム。
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