JP4614626B2 - 薄肉半導体チップの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、薄肉半導体チップの製造方法に関し、特に、薄型の半導体ウエハを支持用基盤に貼着する薄肉半導体チップの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、半導体チップを有する集積回路を使用するデバイスの小型化の要求の高まりにより、半導体チップの小型化、薄肉化が要求されている。特に、半導体チップを複数層に積層した積層チップが集積回路の主流となることが見込まれるため、半導体チップの薄肉化は強く要求されている。積層チップを構成する半導体チップの厚みとしては、現在200μm程度が要求され、近い将来においては100μm程度が要求されると見込まれている。
【0003】
一方、φ6インチやφ8インチの半導体ウエハの厚みはほぼ750μmが主流であり、上述した薄肉化の要求に対応するために、半導体ウエハには後述する旋削加工が施される。
【0004】
図17は、従来の半導体ウエハから薄肉の半導体チップを製造する製造処理を示す工程図である。
【0005】
図17において、まず、厚みがほぼ750μmの半導体ウエハを準備し(図17(a))、該半導体ウエハの片面にイオン打ち込み処理による不純物導入、CVD法による薄膜形成、及びドライエッチング処理によるパターン形成を通じて半導体素子を形成する半導体素子形成工程を行い(図17(b))、該半導体素子が形成された面(表面)を粘着シートを介して保護基板に貼着し(図17(c))、次いで、半導体ウエハにおける半導体素子が形成された面の反対面(裏面)を旋削加工によって旋削し、半導体ウエハの厚みをほぼ200μmに調整する(図17(d))。
【0006】
その後、半導体ウエハを保護基板に貼着したまま、半導体ウエハを半導体チップに切り分けるダイシングを行い(図17(e))、ダイシングによって個別に切り分けられた半導体チップを集積回路の他の構成部品と接続するパッケージングを行う(図17(f))。
【0007】
但し、上述した製造処理では、半導体ウエハを保護基板に貼着したまま、その裏面を旋削するため、旋削加工中の半導体ウエハの位置ズレ等に起因する割れや欠けが発生するという問題があった。
【0008】
そのため、上述した旋削加工を省略することを目的とし、当初から厚みがほぼ200μmであるφ6インチやφ8インチの半導体ウエハに半導体素子形成工程、ダイシング及びパッケージングのみを行う薄肉半導体チップ製造処理が知られている。この製造処理では半導体ウエハの低剛性に起因するハンドリング時の半導体ウエハの変形を防止するために、半導体ウエハの裏面に粘着シートを介して所定の剛性を有する支持用基盤を貼着する。
【0009】
尚、上述した半導体ウエハの保護基板や支持用基盤への貼着に関する技術について記載した文献は存在していないため、上述した半導体ウエハの保護基板や支持用基盤への貼着に関する技術は文献公知発明に係るものではない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、当初から厚みがほぼ200μmである半導体ウエハを使用する薄肉半導体チップ製造処理では、半導体素子形成工程における不純物導入、薄膜形成、及びパターン形成を行う基板処理装置が異なる場合があり、このとき、半導体ウエハに対し、各処理に対応した基板処理装置に適合した支持用基盤への貼着及び剥離を行う必要がある。この貼着及び剥離は作業者の手作業によって実行され、特に、貼着の際、半導体ウエハの支持用基盤への最初の接触箇所が半導体ウエハの中央部とならないことがあるため、支持用基盤と半導体ウエハとの間にエア溜まりが発生するという問題があった。
【0011】
本発明の目的は、薄型の半導体ウエハを、エア溜まりの発生を抑制しながら適切に支持用基盤へ貼着することにより剛性を高め、高精度な加工処理を実行可能とした薄肉半導体チップの製造方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の薄肉半導体チップの製造方法は、半導体チップの厚みに形成された半導体ウエハの外縁近傍を吸着保持すると共に中央部のみを押圧して凸形状に変形させる吸着工程と、所望の処理を行う基板処理装置に適合した支持用ディスク上の粘着シートに対して、前記半導体ウエハの凸面中央部を最初に接触させてからエア溜まりが発生しないように、半導体ウエハを密着させる貼着工程と、前記支持用ディスクに貼着された状態の前記半導体ウエハに対して、前記半導体ウエハにイオン打ち込み処理による不純物導入処理、CVD法による薄膜形成処理及びドライエッチング処理によるパターン形成処理により半導体素子を形成する半導体素子形成工程と、前記半導体素子が形成された前記半導体ウエハを前記支持用ディスクに粘着した状態で半導体チップに切り分けるダイシング工程と、を有し、さらに、前記粘着シートを温度により相変化する接着材料で構成し、前記貼着工程前に、前記粘着シートが液状化するように前記粘着シートの温度を調整する調温工程を設けたことを特徴とする。
【0013】
請求項1記載の薄肉半導体チップの製造方法によれば、半導体チップの厚みに形成された半導体ウエハを用いるので、半導体ウエハを保護基板に貼着した状態で裏面を旋削して厚みを整える旋削加工を省略して、この旋削加工中に半導体ウエハの位置ズレ等に起因する割れや欠けが発生する事態を無くし、製品の歩留まりを向上できるという効果がある。
また、この薄肉半導体チップの製造方法では、支持用ディスク上の粘着シートに対して、半導体ウエハを密着させるように移動する際に、半導体ウエハの突出された中央部を粘着シートに最初に接触させ、中央部から外周部に向けて貼着範囲が広がるように押し当てて空気が残らないように密着させるので、エア溜まりが発生することを防止して適切に貼着できるという効果がある。
さらに、この薄肉半導体チップの製造方法では、半導体チップの厚みに形成された薄肉の半導体ウエハを、支持用ディスク上に貼着して、半導体素子の形成処理(不純物導入処理、CVD法による薄膜形成処理、パターン形成の処理等)と、ダイシングの処理を行う。このため、半導体ウエハが半導体チップの厚みに形成されているため低剛性となっていても、支持用ディスクに支持されて半導体ウエハの変形が防止されるので、ハンドリング時に半導体ウエハが変形することを防止して、高精度な加工処理を実行できるという効果がある。
加えて、この薄肉半導体チップの製造方法では、半導体ウエハを加工処理するための半導体素子形成装置に適合した大きさ及び形状の支持用ディスクを選択して利用できる。よって、半導体素子形成装置では、所要の加工処理を行う各処理部へ移動する際の搬送を容易にし、移動時の取り扱いを容易にして、作業性を向上できるという効果がある。
さらに、この薄肉半導体チップの製造方法では、支持用ディスクと半導体ウエハとの間に配設された温度により相変化する接着材料により構成される粘着シートの温度を調整するので、互いに接着された支持用ディスクと半導体ウエハとの間にエア溜まりが発生していないことが確認された後、粘着シートを凝固させることができ、もって支持用ディスクと半導体ウエハとの間にエア溜まりが発生するのを確実に防止することができる。
【0014】
上記目的を達成するために、請求項2記載の薄肉半導体チップの製造方法は、半導体チップの厚みに形成された半導体ウエハの外縁近傍を吸着保持すると共に中央部のみを押圧して凸形状に変形させる吸着工程と、所望の処理を行う基板処理装置に適合した支持用ディスク上の粘着シートに対して、前記半導体ウエハの凸面中央部を最初に接触させてからエア溜まりが発生しないように、半導体ウエハを密着させる貼着工程と、前記支持用ディスクに貼着された状態の前記半導体ウエハに対して、前記半導体ウエハにイオン打ち込み処理による不純物導入処理、CVD法による薄膜形成処理及びドライエッチング処理によるパターン形成処理により半導体素子を形成する半導体素子形成工程と、前記半導体素子が形成された前記半導体ウエハの中央部のみを押圧すると共に、外縁近傍を吸着して凸形状に変形させることにより、前記粘着シートから前記半導体ウエハを前記半導体ウエハの周囲から徐々に剥がす剥離工程と、を有し、前記剥離工程では、前記半導体ウエハの周囲を剥がした後に、前記半導体ウエハの中央部のみを押圧していた押圧力を抜重することにより発生する前記半導体ウエハの弾性反力を利用して、前記半導体ウエハを前記支持用ディスクから剥離させることを特徴とする。
【0015】
請求項2記載の薄肉半導体チップの製造方法によれば、半導体チップの厚みに形成された半導体ウエハを用いるので、半導体ウエハを保護基板に貼着した状態で裏面を旋削して厚みを整える旋削加工を省略して、この旋削加工中に半導体ウエハの位置ズレ等に起因する割れや欠けが発生する事態を無くし、製品の歩留まりを向上できるという効果がある。
また、この薄肉半導体チップの製造方法では、支持用ディスク上の粘着シートに対して、半導体ウエハを密着させるように移動する際に、半導体ウエハの突出された中央部を粘着シートに最初に接触させ、中央部から外周部に向けて貼着範囲が広がるように押し当てて空気が残らないように密着させるので、エア溜まりが発生することを防止して適切に貼着できるという効果がある。
さらに、この薄肉半導体チップの製造方法では、半導体チップの厚みに形成された薄肉の半導体ウエハを、支持用ディスク上に貼着して、半導体素子の形成処理(不純物導入処理、CVD法による薄膜形成処理、パターン形成処理等)を行う。このため、半導体ウエハが半導体チップの厚みに形成されているため低剛性となっていても、支持用ディスクに支持されて半導体ウエハの変形が防止されるので、ハンドリング時に半導体ウエハが変形することを防止して、高精度な加工処理を実行できるという効果がある。
加えて、この薄肉半導体チップの製造方法では、半導体ウエハを加工処理するための半導体素子形成装置に適合した大きさ及び形状の支持用ディスクを選択して利用できる。よって、半導体素子形成装置では、所要の加工処理を行う各処理部へ移動する際の搬送を容易にし、移動時の取り扱いを容易にして、作業性を向上できるという効果がある。
また、半導体素子が形成された半導体ウエハの中央部のみを押圧すると共に外縁近傍を吸着して凸形状に突出させるように変形させることにより、支持用ディスク上に貼着されている半導体ウエハを、その周囲から徐々に剥がすように構成した場合には、局所的な荷重の発生を抑制して半導体ウエハの割れや欠けの発生を抑制することができ、安定した剥離を実現することができるという効果がある。
さらに、この薄肉半導体チップの製造方法では、半導体素子が形成された半導体ウエハの中央部のみを押圧すると共に、外縁近傍を吸着して凸形状に突出させるように変形させるので、半導体ウエハを支持用ディスクから剥離する際に、半導体ウエハの中心部を最後に剥離させることができる。よって局所的な荷重の発生を確実に防止し半導体ウエハの割れや欠けの発生を確実に防止することができる。
【0016】
請求項3記載の薄肉半導体チップの製造方法は、半導体チップの厚みに形成された半導体ウエハの外縁近傍を吸着保持すると共に中央部のみを押圧して凸形状に変形させる吸着工程と、所望の処理を行う基板処理装置に適合した支持用ディスク上の粘着シートに対して、前記半導体ウエハの凸面中央部を最初に接触させてからエア溜まりが発生しないように、半導体ウエハを密着させる貼着工程と、前記支持用ディスクに貼着された状態の前記半導体ウエハに対して、前記半導体ウエハにイオン打ち込み処理による不純物導入処理、CVD法による薄膜形成処理及びドライエッチング処理によるパターン形成処理により半導体素子を形成する半導体素子形成工程と、前記半導体素子が形成された前記半導体ウエハの中央部のみを押圧すると共に、外縁近傍を吸着して凸形状に変形させることにより、前記粘着シートから前記半導体ウエハを前記半導体ウエハの周囲から徐々に剥がす剥離工程と、を有し、さらに、前記粘着シートを温度により相変化する接着材料で構成し、前記貼着工程前に、前記粘着シートが液状化するように前記粘着シートの温度を調整する調温工程を設けたことを特徴とする。
【0017】
請求項3記載の薄肉半導体チップの製造方法によれば、半導体チップの厚みに形成された半導体ウエハを用いるので、半導体ウエハを保護基板に貼着した状態で裏面を旋削して厚みを整える旋削加工を省略して、この旋削加工中に半導体ウエハの位置ズレ等に起因する割れや欠けが発生する事態を無くし、製品の歩留まりを向上できるという効果がある。
また、この薄肉半導体チップの製造方法では、支持用ディスク上の粘着シートに対して、半導体ウエハを密着させるように移動する際に、半導体ウエハの突出された中央部を粘着シートに最初に接触させ、中央部から外周部に向けて貼着範囲が広がるように押し当てて空気が残らないように密着させるので、エア溜まりが発生することを防止して適切に貼着できるという効果がある。
さらに、この薄肉半導体チップの製造方法では、半導体チップの厚みに形成された薄肉の半導体ウエハを、支持用ディスク上に貼着して、半導体素子の形成処理(不純物導入処理、CVD法による薄膜形成処理、パターン形成処理等)を行う。このため、半導体ウエハが半導体チップの厚みに形成されているため低剛性となっていても、支持用ディスクに支持されて半導体ウエハの変形が防止されるので、ハンドリング時に半導体ウエハが変形することを防止して、高精度な加工処理を実行できるという効果がある。
加えて、この薄肉半導体チップの製造方法では、半導体ウエハを加工処理するための半導体素子形成装置に適合した大きさ及び形状の支持用ディスクを選択して利用できる。よって、半導体素子形成装置では、所要の加工処理を行う各処理部へ移動する際の搬送を容易にし、移動時の取り扱いを容易にして、作業性を向上できるという効果がある。
また、半導体素子が形成された半導体ウエハの中央部のみを押圧すると共に外縁近傍を吸着して凸形状に突出させるように変形させることにより、支持用ディスク上に貼着されている半導体ウエハを、その周囲から徐々に剥がすように構成した場合には、局所的な荷重の発生を抑制して半導体ウエハの割れや欠けの発生を抑制することができ、安定した剥離を実現することができるという効果がある。
さらに、この薄肉半導体チップの製造方法では、支持用ディスクと半導体ウエハとの間に配設された温度により相変化する接着材料により構成される粘着シートの温度を調整するので、互いに接着された支持用ディスクと半導体ウエハとの間にエア溜まりが発生していないことが確認された後、粘着シートを凝固させることができ、もって支持用ディスクと半導体ウエハとの間にエア溜まりが発生するのを確実に防止することができる。
【0018】
請求項4記載の薄肉半導体チップの製造方法は、請求項2記載の薄肉半導体チップの製造方法において、前記粘着シートを、温度により相変化する接着材料で構成し、前記剥離工程において、前記粘着シートが液状化するように前記粘着シートの温度を調整することを特徴とする。
【0019】
請求項4記載の薄肉半導体チップの製造方法によれば、支持用ディスクと半導体ウエハとの間に配設された温度により相変化する接着材料からなる粘着シートの温度を、半導体ウエハを剥離する際に調整するので、互いに接着された支持用ディスクと半導体ウエハとの間で凝固している粘着シートを温度調整して液状化させた後、半導体ウエハを支持用ディスクから剥離させることができるので、剥離作業を容易にすることができる。さらに、局所的な荷重の発生を防止することができるので、半導体ウエハの割れや欠けの発生を確実に防止することができる。
【0020】
請求項5記載の薄肉半導体チップの製造方法は、請求項2又は3に記載の薄肉半導体チップの製造方法において、前記半導体ウエハの外縁の外側から、前記支持用ディスクと前記半導体ウエハとの間に流体を吐出する吐出工程を有することを特徴とする。
【0021】
請求項5記載の薄肉半導体チップの製造方法によれば、半導体ウエハの外縁の外側から支持用ディスクと半導体ウエハとの間に流体を吐出するので、半導体ウエハの支持用ディスクからの剥離の際、半導体ウエハの外縁を最初に剥離させることができ、もって局所的な荷重の発生をより確実に防止することができる。これにより、半導体ウエハの割れや欠けの発生をより確実に防止することができる。
【0022】
請求項6記載の薄肉半導体チップの製造方法は、請求項2,3,5のいずれか1項に記載の薄肉半導体チップの製造方法において、前記剥離工程で前記支持用ディスクから剥離された前記半導体ウエハを、他の処理を行う前記基板処理装置に適合した支持用ディスクに貼着して、前記他の処理を行う基板処理装置により処理作業を行うことを特徴とする。
【0023】
請求項7記載の薄肉半導体チップの製造方法は、請求項1乃至3,5,6のいずれか1項に記載の薄肉半導体チップの製造方法において、前記吸着工程では、前記半導体ウエハの外縁近傍における複数箇所を吸着することを特徴とする。
【0024】
請求項7記載の薄肉半導体チップの製造方法によれば、半導体ウエハの外縁近傍における複数箇所を吸着するので、半導体ウエハの支持用ディスクへの貼着の際、半導体ウエハは凸形状を安定して呈することができ、半導体ウエハの外縁が最初に支持用ディスクに接触するのを防止することができる。また、半導体ウエハを支持用ディスクからの剥離する場合には、半導体ウエハの外縁を確実に最初に剥離させることができ、もって局所的な荷重の発生をさらに確実に防止することができる。
【0025】
請求項8記載の薄肉半導体チップの製造方法は、請求項1乃至3及び5乃至7のいずれか1項に記載の薄肉半導体チップの製造方法において、前記吸着工程では、前記半導体ウエハを真空吸着により保持することを特徴とする。
【0026】
請求項8記載の薄肉半導体チップの製造方法によれば、半導体ウエハを真空吸着するので、半導体ウエハを安定して保持することができる。
【0043】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施の形態に係る半導体ウエハ脱着装置について詳述する。
【0044】
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る半導体ウエハ脱着装置の概略構成を示す斜視図である。
【0045】
図1において、半導体ウエハ脱着装置10は、円盤状の支持用ディスク11に液状又はゲル状の接着剤からなる粘着シート12を介して貼着された半導体ウエハ13に対向する輪状の本体14と、該本体14の半導体ウエハ13に対向する面に配設された8個の吸着口15と、本体14の中心軸上に配設されたピストン16と、支持用ディスク11の外側に配設された4個のガスノズル17とを備える。
【0046】
半導体ウエハ13は、厚みがほぼ200μmであって、その直径はφ6インチやφ8インチである。支持用ディスク11の直径は、半導体ウエハ13の直径よりも大きくてもよいが、後述する基板処理装置41内における搬送容易性を考慮すると、特に半導体ウエハ13の直径と同じであることが好ましい。また、半導体ウエハ脱着装置10の本体14は、図中上下方向に移動自在であり、本体14が半導体ウエハ13に接触したとき、吸着口15は、該吸着口15及び半導体ウエハ13の間に真空状態を発生させることによって半導体ウエハ13を真空吸着する。ピストン16は、本体14の中央部において中心軸上に沿って配設された筒状のガイド18に内包され(図2)、且つ該ガイド18に沿って図中上下方向に移動自在であり、吸着口15が半導体ウエハ13を真空吸着したとき、図中下方に突出することによって半導体ウエハ13の中央部を押圧する。また、ピストン16は、半導体ウエハ13に接触する端部に緩衝剤等からなる被膜を有し、ピストン16を構成する金属と半導体ウエハ13が直接接触することを防止する。
【0047】
4つのガスノズル17は、支持用ディスク11の中心廻りに90°間隔で、支持用ディスク11の周りに配設され、半導体ウエハ脱着装置10におけるガスノズル17の高さ位置は、粘着シート12及び半導体ウエハ13の境界に対応する。そして、ガスノズル17の各々は、半導体ウエハ13が粘着シート12から剥離したとき等に、半導体ウエハ13及び粘着シート12の間にガスを吐出する。8つの吸着口15は、本体14の中心廻りに45°間隔で配置され、半導体ウエハ13の外縁近傍を真空吸着する(図3)。
【0048】
図4は、半導体ウエハ脱着装置10が使用される基板処理システムの概略構成を示す図である。
【0049】
図4において、基板処理システム40は、1つの半導体ウエハ脱着装置10と、2つの基板処理装置41とによって構成され、基板処理装置41の各々は、後述するウエハカセット46が半導体ウエハ脱着装置10に対向するように配置される。
【0050】
基板処理装置41は、半導体ウエハ13にイオン打ち込み処理による不純物導入、CVD法による薄膜形成、及びドライエッチング処理によるパターン形成等の所望の処理を行う処理チャンバ42と、該処理チャンバ42に半導体ウエハ13を受け渡しする搬送アーム43を内蔵するロード・ロック室44と、1ロット分に該当する25枚の半導体ウエハ13を格納するキャリアボックス(不図示)を収容する3つのウエハカセット46と、半導体ウエハ13の位置をプリアライメントするオリエンタ47と、矩形状の共通搬送路であるトランスファチャンバ48とを備える。
【0051】
2つのロード・ロック室44、3つのウエハカセット46、及びオリエンタ47は、トランスファチャンバ48に接続されるが、ロード・ロック室44の夫々は、トランスファチャンバ48を介してウエハカセット46の夫々と対向するように配設され、オリエンタ47はトランスファチャンバ48の長手方向に関する一端に配設される。
【0052】
トランスファチャンバ48は、接続されたロード・ロック室44、ウエハカセット46、及びオリエンタ47の間において半導体ウエハ13を搬出入する搬送アーム機構49を内部に有し、該搬送アーム機構49は、トランスファチャンバ48の内部においてその長手方向に関して移動可能である。
【0053】
基板処理装置41において半導体ウエハ13の処理が行われる際に、搬送アーム機構49は、1枚の半導体ウエハ13をウエハカセット46から取り出してオリエンタ47に搬入し、オリエンタ47によってプリアライメントされた半導体ウエハ13を把持してロード・ロック室44内に搬入する。次いで、搬送アーム43は、搬入された半導体ウエハ13を受け取って処理チャンバ42に搬入し、処理チャンバ42は搬入された半導体ウエハ13に所望の処理を施し、搬送アーム43が、所望の処理が施された半導体ウエハ13をロード・ロック室44に搬出し、さらに当該半導体ウエハ13を搬送アーム機構49に受け渡す。当該半導体ウエハ13を受け渡された搬送アーム機構49は、その半導体ウエハ13をウエハカセット46に搬入する。
【0054】
上述したように、半導体ウエハ13は、基板処理装置41の構成部品の間を頻繁に移動するため、移動時の取り扱いを容易にすることを目的として、半導体ウエハ13を粘着シートを介して所定の剛性を有する支持用ディスク11に貼着する必要がある。
【0055】
このとき、処理チャンバ42で行う処理の種類によって基板処理装置41の構成部品の仕様が変わることがあり、例えば、薄膜形成を行う基板処理装置41及びパターン形成を行う基板処理装置41では、搬送アーム43や搬送アーム機構49の仕様が異なることがある。そのため、支持用ディスク11は夫々の基板処理装置41に適合したものを使用する必要がある。従って、半導体ウエハ13は、一の基板処理装置41における処理が終了した後、他の基板処理装置41へ搬入される前に、貼着される支持用ディスク11を半導体ウエハ脱着装置10によって他の基板処理装置41に適合したものに変更する必要がある。尚、基板処理装置41及び半導体ウエハ脱着装置10間における半導体ウエハ13の搬送は作業者の手作業によって行われるが、自動搬送路等によって行われてもよい。
【0056】
次に、上述した基板処理システム40を使用して半導体ウエハ13から半導体チップを製造する方法について図面を用いて説明する。
【0057】
図5は、半導体ウエハ13から半導体チップを製造する製造処理を示す工程図である。
【0058】
図5において、まず、厚みがほぼ200μmの半導体ウエハ13を準備し(図5(a))、該半導体ウエハ13を後述する貼着処理によって粘着シート12を介して支持用ディスク11に貼着する(図5(b))。その後、半導体ウエハ13における支持用ディスク11が貼着されていない面にイオン打ち込み処理による不純物導入、CVD法による薄膜形成、及びドライエッチング処理によるパターン形成を通じて半導体素子を形成する半導体素子形成工程を実行して半導体素子を形成する(図5(c))。
【0059】
次いで、半導体ウエハ13を支持用ディスク11に貼着したまま、半導体ウエハ13を半導体チップに切り分けるダイシングを行い(図5(d))、ダイシングによって個別に切り分けられた半導体チップを集積回路の他の構成部品と接続するパッケージングを行う(図5(e))。
【0060】
このとき、上述したように、半導体素子形成工程において各処理に対応した基板処理装置41に適合した支持用ディスク11を半導体ウエハ13に変更する必要があるため、半導体ウエハ13の支持用ディスク11への貼着及び剥離を繰り返す必要がある。
【0061】
具体的には、図6に示すように、一の処理が施された半導体ウエハ13を準備し(図6(a))、該半導体ウエハ13を後述する貼着処理によって粘着シート12を介して所望の処理に対応した基板処理装置41に適合する支持用ディスク11に貼着する(図6(b))。その後、支持用ディスク11が貼着された半導体ウエハ13を基板処理装置41に搬入して、処理チャンバ42によって所望の処理、例えば、ドライエッチング処理等を半導体ウエハ13に施し(図6(c))、半導体ウエハ13を基板処理装置41から搬出した後、半導体ウエハ13を支持用ディスク11から後述する剥離処理によって剥離する。
【0062】
次に、半導体ウエハ脱着装置10における半導体ウエハ13を支持用ディスク11に貼着する貼着処理及び半導体ウエハ13を支持用ディスク11から剥離する剥離処理について図面を用いて説明する。
【0063】
図7は、本発明の第1の実施の形態に係る半導体ウエハ脱着装置における貼着処理を示す工程図である。
【0064】
まず、半導体ウエハ脱着装置10は、吸着口15によって半導体ウエハ13の外縁近傍を真空吸着すると共に、ピストン16によって半導体ウエハ13の中央部を押圧することによって半導体ウエハ13を支持用ディスク11に対向する凸形状に変形させる(図7(a))。
【0065】
そして、半導体ウエハ脱着装置10は、半導体ウエハ13を凸形状に変形させたまま粘着シート12に接触させ(図7(b))、次いで、ピストン16に対して本体14を相対的に支持用ディスク11へ向けて移動させることによって半導体ウエハ13を粘着シート12に密着させる(図7(c))。その後、半導体ウエハ脱着装置10は上方に移動して半導体ウエハ13から離脱する(図7(d))。
【0066】
図7の貼着処理によれば、半導体ウエハ脱着装置10は、半導体ウエハ13の中央部を支持用ディスク11へ向けて押圧し、半導体ウエハ13における外縁近傍を真空吸着するので、半導体ウエハ13の支持用ディスク11への貼着の際、半導体ウエハ13の中央部が最初に支持用ディスク11に接触することができ、支持用ディスク11と半導体ウエハ13との間にエア溜まりが発生するのを防止できる。
【0067】
図8は、本発明の第1の実施の形態に係る半導体ウエハ脱着装置における剥離処理を示す工程図である。
【0068】
まず、半導体ウエハ脱着装置10は、吸着口15によって半導体ウエハ13の外縁近傍を真空吸着すると共に、ピストン16によって半導体ウエハ13の中央部を押圧し(図8(a))、その後、ガスノズル17から支持用ディスク11の中心部に向けてガスを噴出すると共に、ピストン16に対して本体14を相対的に上方へ移動させることによって半導体ウエハ13を支持用ディスク11に対向する凸形状に変形させる(図8(b))。
【0069】
そして、半導体ウエハ脱着装置10は、半導体ウエハ13を凸形状に変形させたまま粘着シート12から剥離し(図8(c))、ピストン16を本体14に対して相対的に上方に移動させることによって半導体ウエハ13の中央部を押圧する荷重を抜重して半導体ウエハ13を平板状に復元する(図8(d))。
【0070】
図8の剥離処理によれば、半導体ウエハ脱着装置10は、半導体ウエハ13の中央部を支持用ディスク11へ向けて押圧し、半導体ウエハ13における外縁近傍を真空吸着するので、半導体ウエハ13の支持用ディスク11からの剥離の際、半導体ウエハ13の外縁から剥離することができると共に、半導体ウエハ13を支持用ディスク11へ向けて凸形状に変形させ、該凸形状を維持するので、半導体ウエハ13の支持用ディスク11からの剥離の際、半導体ウエハ13の中心部を最後に剥離させることができ、もって局所的な荷重の発生を確実に防止することができる。これにより、半導体ウエハの割れや欠けの発生を確実に防止できる。
【0071】
次に、本発明の第2の実施の形態に係る半導体ウエハ脱着装置について詳述する。
【0072】
本第2の実施の形態に係る半導体ウエハ脱着装置は、その構成、作用が上述した第1の実施の形態に係る半導体ウエハ脱着装置と基本的に同じであり、半導体ウエハ13の剥離処理のみ異なるので、当該剥離処理について説明する。
【0073】
図9は、本第2の実施の形態に係る半導体ウエハ脱着装置における剥離処理を示す工程図である。
【0074】
まず、半導体ウエハ脱着装置10は、吸着口15によって半導体ウエハ13の外縁近傍を真空吸着すると共に、ピストン16によって半導体ウエハ13の中央部を押圧し(図9(a))、その後、ガスノズル17から支持用ディスク11の中央部に向けてガスを噴出すると共に、ピストン16に対して本体14を相対的に上方へ移動させることによって半導体ウエハ13を支持用ディスク11に対向する凸形状に変形させる(図9(b))。
【0075】
そして、半導体ウエハ脱着装置10は、ピストン16を本体14に対して相対的に上方に移動させことによって半導体ウエハ13の中央部を押圧する荷重を抜重し(図9(c))、該荷重を抜重された半導体ウエハ13の中央部がばね力によって粘着シート12から剥離し、半導体ウエハ13が平板状に復元する(図9(d))。
【0076】
図9の剥離処理によれば、半導体ウエハ13を支持用ディスク11へ向けて凸形状に変形させ、押圧力を抜重するので、半導体ウエハ13のバネ力を利用して半導体ウエハ13を支持用ディスク11から剥離することができ、もって局所的な荷重の発生を確実に防止することができる。これにより、半導体ウエハの割れや欠けの発生を確実に防止できる。
【0077】
また、図8の剥離処理及び図9の剥離処理によれば、半導体ウエハ脱着装置10は、半導体ウエハ13の外縁の外側から支持用ディスク11と半導体ウエハ13との間にガスを噴出するので、半導体ウエハ13の支持用ディスク11からの剥離の際、半導体ウエハ13の外縁を確実に最初に剥離させることができ、これらに加え、半導体ウエハ13に付着したパーティクル等を除去することができる。
【0078】
また、図7の貼着処理、図8の剥離処理及び図9の剥離処理によれば、半導体ウエハ脱着装置10は、半導体ウエハ13の外縁近傍における複数箇所を真空吸着するので、半導体ウエハ13は凸形状を安定して呈することができる。
【0079】
さらに、図7の貼着処理、図8の剥離処理及び図9の剥離処理によれば、半導体ウエハ脱着装置10は半導体ウエハ13を真空吸着するので、半導体ウエハ13を安定して保持することができる。
【0080】
上述した基板処理システム40は、1つの半導体ウエハ脱着装置10と、2つの基板処理装置41とによって構成されたが、半導体ウエハ脱着装置10及び基板処理装置41の数はこれに限るものでなく、半導体ウエハに施す処理の種類によって適宜変更されてもよい。また、基板処理システム40では、半導体ウエハ脱着装置10と基板処理装置41とが別体的に設けられたが、半導体ウエハ脱着装置10と基板処理装置41とが一体的に設けられてもよく、このとき、半導体ウエハ脱着装置10は、オリエンタ47が接続された一端と反対側の端部においてトランスファチャンバ48と接続されるのが好ましい。これにより、基板処理システム40の小型化が図れると共に、半導体ウエハ13を外気に晒す時間を減らすことができるので、半導体ウエハ13へのパーティクル等の付着を防止できる。
【0081】
また、基板処理システム40では上述したように半導体ウエハ13の支持用ディスク11への貼着及び剥離を繰り返すため、半導体ウエハ脱着装置10は、半導体ウエハ13の支持用ディスク11に対する相対位置を調整する位置合わせ機構を備えることが好ましく、位置合わせ機構としては、支持用ディスク11上における半導体ウエハ13の相対位置のズレを画像処理装置によって測定し、その結果に基づいてズレを修正するものや、支持用ディスク11に設けられたスロットに適合する形状のピンを有し、且つ半導体ウエハ13を保持する治具であって、該治具を支持用ディスク11に適合する際に、該ピンによって治具の支持用ディスク11に対する相対位置が規制され、これにより、半導体ウエハ13の支持用ディスク11に対する相対位置を調整する治具等がより好ましい。
【0082】
上述した半導体ウエハ脱着装置10では、半導体ウエハ13が粘着シート12を介して支持用ディスク11に貼着されたが、半導体ウエハ13が支持用ディスク11に直接貼着されてもよく、これにより、粘着シート12の破れ等による半導体ウエハ13へのダストの付着を防止できる。このとき、支持用ディスク11における半導体ウエハ13と接触する面は、鏡面仕上げであることが好ましく、これにより、半導体ウエハ13を支持用ディスク11に強固に貼着することができる。
【0083】
また、半導体ウエハ脱着装置10における吸着口15の数は8つであり、該8つの吸着口15は半導体ウエハ13の外縁部を真空吸着するが、吸着口15の数はこれに限られず、例えば、2つでもよい。このとき、2つの吸着口15は本体14の中心に関して対称に配設される。これにより、半導体ウエハ13を安定して吸着することができる。
【0084】
半導体ウエハ脱着装置10が半導体ウエハ13を凸形状に変形させる際の変形量は、半導体ウエハ13の材料の弾性域内に納まる応力が発生する程度以内であるのがよく、例えば、φ6インチの半導体ウエハ13では凸形状の突出量がほぼ1mmであることが好ましい。
【0085】
半導体ウエハ脱着装置10における支持用ディスク11は、円盤状に限られず、例えば、方形であってもよく、またその材料も導体、半導体、不導体のいずれを用いてもよい。
【0086】
半導体ウエハ脱着装置10における吸着口15は、半導体ウエハ13を真空吸着するが、半導体ウエハ13の吸着のON/OFFを簡便に切り替えるものが好ましく、例えば、静電吸着を利用するものであってもよい。
【0087】
半導体ウエハ脱着装置10におけるガスノズル17は、ガスを噴出するが、他の流体も用いることができ、例えば、浄水を噴出してもよい。
【0088】
また、基板処理システム40が処理する基板は半導体ウエハ13に限られず、例えば、ガラス製のディスクであってもよい。
【0089】
さらに、本発明の第3の実施の形態に係る半導体ウエハ脱着装置について詳述する。
【0090】
本第3の実施の形態に係る半導体ウエハ脱着装置は、その構成、作用が上述した第1の実施の形態に係る半導体ウエハ脱着装置と基本的に同じであり、異なる構成、作用ついてのみ説明する。
【0091】
図10は、本第3の実施の形態に係る半導体ウエハ脱着装置の概略構成を示す断面図である。
【0092】
図10において、半導体ウエハ脱着装置100は、電熱線から成る調温装置101を内部に有する基台102と、該基台102上に載置された支持用ディスク103と、該支持用ディスク103上に配設された液晶材料から成る粘着シート104とを備え、調温装置101が電源105に印加される電流値に基づいて支持用ディスク103を介して粘着シート104の温度を所望の値に調整する。一般に、液晶材料は鎖状炭化水素を主成分とし、高温域で液体になり、低温域で結晶になるという性質を有する。従って、粘着シート104の温度を調整することによって、粘着シート104を所望の状態へ変更することができ、これにより、半導体ウエハ13の支持用ディスク103への貼着及び支持用ディスク103からの剥離を容易に行うことができる。
【0093】
図11は、図10における調温装置101を内部に有する基台102の平面図である。
【0094】
図11において、調温装置101は、基台102の中心部において中心から放射状に配設された複数の電熱線110によって構成される。これにより、調温装置101は、支持用ディスク103を介して粘着シート104の全面の温度を均一に調整することができる。
【0095】
尚、半導体ウエハ脱着装置100における上述した調温装置101を有する基台102、支持用ディスク103、及び粘着シート104以外の構成は、半導体ウエハ脱着装置10の構成と同様であり、半導体ウエハ脱着装置100が使用される基板処理システムの構成も基板処理システム40の構成と同様である。
【0096】
次に、本第3の実施の形態に係る半導体ウエハ脱着装置100における貼着処理及び剥離処理について図面を用いて説明する。
【0097】
図12は、本第3の実施の形態に係る半導体ウエハ脱着装置における貼着処理を示す工程図である。
【0098】
まず、半導体ウエハ脱着装置100は、吸着口15によって半導体ウエハ13の外縁近傍を真空吸着すると共に、ピストン16によって半導体ウエハ13の中央部を押圧することによって半導体ウエハ13を支持用ディスク103に対向する凸形状に変形させ、さらに、調温装置101によって粘着シート104の全面を加熱して粘着シート104を液状化する(図12(a))。
【0099】
そして、半導体ウエハ脱着装置100は、半導体ウエハ13を凸形状に変形させたまま粘着シート104に接触させ(図12(b))、次いで、ピストン16に対して本体14を相対的に支持用ディスク103へ向けて移動させることによって半導体ウエハ13を粘着シート104に密着させ、半導体ウエハ13及び支持用ディスク103の間にエア溜まりが発生していないことが確認された後、調温装置101による粘着シート104への加熱を中止して粘着シート104を結晶化(凝固)させることによって半導体ウエハ13を粘着シート104に貼着する(図12(c))。そして、半導体ウエハ脱着装置100は上方に移動して半導体ウエハ13から離脱する(図12(d))。
【0100】
図12の貼着処理によれば、半導体ウエハ脱着装置100は、調温装置101によって粘着シート104の液状化及び結晶化を調整することができるため、互いに密着された半導体ウエハ13及び支持用ディスク103の間にエア溜まりが発生していないことが確認された後、粘着シート104を結晶化させることができ、もって支持用ディスク103と半導体ウエハ13との間にエア溜まりが発生するのを確実に防止できる。
【0101】
また、もし半導体ウエハ13を粘着シート104に密着させた際に、半導体ウエハ13及び支持用ディスク103の間にエア溜まりが発生しても、粘着シート104が液状体であるため、容易にエア抜きを行うことができる。
【0102】
図13は、本第3の実施の形態に係る半導体ウエハ脱着装置における剥離処理を示す工程図である。
【0103】
まず、半導体ウエハ脱着装置100は、吸着口15によって半導体ウエハ13の外縁近傍を真空吸着すると共に、ピストン16によって半導体ウエハ13の中央部を押圧し(図13(a))、調温装置101によって粘着シート104の全面を加熱して粘着シート104を液体化した後、ガスノズル17から支持用ディスク103の中心部に向けてガスを噴出すると共に、ピストン16に対して本体14を相対的に上方へ移動させることによって半導体ウエハ13を支持用ディスク103に対向する凸形状に変形させる(図13(b))。
【0104】
そして、半導体ウエハ脱着装置100は、半導体ウエハ13を凸形状に変形させたまま粘着シート104から剥離し(図13(c))、ピストン16を本体14に対して相対的に上方に移動させることによって半導体ウエハ13の中央部を押圧する荷重を抜重して半導体ウエハ13を平板状に復元する(図13(d))。
【0105】
図13の剥離処理によれば、半導体ウエハ脱着装置100は、調温装置101によって粘着シート104の液状化及び結晶化を調整することができるため、粘着シート104が液状化した後、半導体ウエハ13を支持用ディスク103に対向する凸形状に変形させることができ、もって半導体ウエハ13を粘着シート104から容易に剥離することができる。
【0106】
また、図13の処理において、凸形状に変形された半導体ウエハ13を粘着シート104から剥離した後、ピストン16を本体14に対して相対的に上方に移動させる(図13(c),(d))のではなく、凸形状に変形された半導体ウエハ13の中心部を粘着シート104に粘着させたまま、ピストン16を本体14に対して相対的に上方に移動させることによって半導体ウエハ13の中央部を押圧する荷重を抜重して、当該中央部を半導体ウエハ13のばね力によって粘着シート104から剥離させてもよい。これにより、半導体ウエハ13の割れや欠けの発生を確実に防止できる。
【0107】
また、調温装置101の構成は上述した構成に限られず、用途に応じて他の構成を採ってもよい。
【0108】
図14は、他の調温装置を内部に有する基板102の平面図である。
【0109】
図14において、調温装置140は、基板102の中央部において中心から放射状に配設された複数の電熱線141と、基板102の外周部において中心から放射状に配設された複数の電熱線142とで構成してもよい。これにより、粘着シート104の中心部及び外周部の温度を別々に調整することができ、もって、図11(b)の工程において、先に粘着シート104の中心部を液状化して、凸形状に変形された半導体ウエハ13を当該中心部に密着させた後、粘着シート104の外周部を液状化することによってエア溜まりの発生をより確実に防止することができると共に、図12(b)の工程において、先に粘着シート104の外周部を液状化して、半導体ウエハ13を外周部から先に剥離させた後、粘着シート104の中心部を液状化することによって半導体ウエハ13に局所的な加重が負荷されるのを確実に防止し、半導体ウエハ13の割れや欠けの発生を確実に防止できる。
【0110】
図15は、さらに他の調温装置を内部に有する基板102の平面図である。
【0111】
図15において、調温装置150は、基板102の中央部において円周方向に沿って配設された複数の電熱線151と、基板102の外周部において円周方向に沿って配設された複数の電熱線152とを有してもよく、これにより、図14の調温装置140と同様の効果を得ることができる。尚、調温装置150は、電熱線151及び電熱線152を1つずつ有してもよい。
【0112】
図16は、さらに他の調温装置を内部に有する基板102の平面図である。
【0113】
図16において、調温装置160は、基板102の中央部において花弁状に配設された電熱線161と、基板102の外周部において円周方向に沿って配設された電熱線162とを有してもよく、これにより、図14の調温装置140と同様の効果を得ることができる。
【0114】
また、粘着シート104を液晶材料に代えて、ワックス(蝋)で構成してもよく、ワックスも高温域で液体になり、低温域で固体になるという性質を有するため、粘着シート104を液晶材料で構成した場合と同様の効果を得ることができる。
【0115】
さらに、粘着シート12,104をシリコンラバーによって構成してもよく、シリコンラバーを構成する分子と半導体ウエハ13を構成する分子との分子間力(ファン・デル・ワールス力)、及びシリコンラバーを構成する分子と支持用ディスク11,103を構成する分子との分子間力によって半導体ウエハ13と支持用ディスク11,103とを確実に貼着させることができる。
【0116】
この他、粘着シート12,104は、半導体ウエハ13を支持用ディスク11,103に密着させるものであれば如何なるものでも用いることができ、例えば、グリスのような高粘度の液体、並びにシリコンラバーに伝熱性向上材を混合して形成されたシート等が好ましい。
【0117】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、請求項1記載の薄肉半導体チップの製造方法によれば、半導体チップの厚みに形成された半導体ウエハを用いるので、半導体ウエハを保護基板に貼着した状態で裏面を旋削して厚みを整える旋削加工を省略して、この旋削加工中に半導体ウエハの位置ズレ等に起因する割れや欠けが発生する事態を無くし、製品の歩留まりを向上できるという効果がある。
また、この薄肉半導体チップの製造方法では、支持用ディスク上の粘着シートに対して、半導体ウエハを密着させるように移動する際に、半導体ウエハの突出された中央部を粘着シートに最初に接触させ、中央部から外周部に向けて貼着範囲が広がるように押し当てて空気が残らないように密着させるので、エア溜まりが発生することを防止して適切に貼着できるという効果がある。
さらに、この薄肉半導体チップの製造方法では、半導体チップの厚みに形成された薄肉の半導体ウエハを、支持用ディスク上に貼着して、半導体素子の形成処理(不純物導入処理、CVD法による薄膜形成処理、パターン形成の処理等)と、ダイシングの処理を行う。このため、半導体ウエハが半導体チップの厚みに形成されているため低剛性となっていても、支持用ディスク11に支持されて半導体ウエハの変形が防止されるので、ハンドリング時に半導体ウエハが変形することを防止して、高精度な加工処理を実行できるという効果がある。
加えて、この薄肉半導体チップの製造方法では、半導体ウエハを加工処理するための半導体素子形成装置に適合した大きさ及び形状の支持用ディスクを選択して利用できる。よって、半導体素子形成装置では、所要の加工処理を行う各処理部へ移動する際の搬送を容易にし、移動時の取り扱いを容易にして、作業性を向上できるという効果がある。
さらに、この薄肉半導体チップの製造方法では、支持用ディスクと半導体ウエハとの間に配設された温度により相変化する接着材料により構成される粘着シートの温度を調整するので、互いに接着された支持用ディスクと半導体ウエハとの間にエア溜まりが発生していないことが確認された後、粘着シートを凝固させることができ、もって支持用ディスクと半導体ウエハとの間にエア溜まりが発生するのを確実に防止することができる。
【0118】
請求項2記載の薄肉半導体チップの製造方法によれば、半導体チップの厚みに形成された半導体ウエハを用いるので、半導体ウエハを保護基板に貼着した状態で裏面を旋削して厚みを整える旋削加工を省略して、この旋削加工中に半導体ウエハの位置ズレ等に起因する割れや欠けが発生する事態を無くし、製品の歩留まりを向上できるという効果がある。
また、この薄肉半導体チップの製造方法では、支持用ディスク上の粘着シートに対して、半導体ウエハを密着させるように移動する際に、半導体ウエハの突出された中央部を粘着シートに最初に接触させ、中央部から外周部に向けて貼着範囲が広がるように押し当てて空気が残らないように密着させるので、エア溜まりが発生することを防止して適切に貼着できるという効果がある。
さらに、この薄肉半導体チップの製造方法では、半導体チップの厚みに形成された薄肉の半導体ウエハを、支持用ディスク上に貼着して、半導体素子の形成処理(不純物導入処理、CVD法による薄膜形成処理、パターン形成処理等)を行う。このため、半導体ウエハが半導体チップの厚みに形成されているため低剛性となっていても、支持用ディスクに支持されて半導体ウエハの変形が防止されるので、ハンドリング時に半導体ウエハが変形することを防止して、高精度な加工処理を実行できるという効果がある。
加えて、この薄肉半導体チップの製造方法では、半導体ウエハを加工処理するための半導体素子形成装置に適合した大きさ及び形状の支持用ディスクを選択して利用できる。よって、半導体素子形成装置では、所要の加工処理を行う各処理部へ移動する際の搬送を容易にし、移動時の取り扱いを容易にして、作業性を向上できるという効果がある。
また、半導体素子が形成された半導体ウエハの中央部のみを押圧すると共に外縁近傍を吸着して凸形状に突出させるように変形させることにより、支持用ディスク上に貼着されている半導体ウエハを、その周囲から徐々に剥がすように構成した場合には、局所的な荷重の発生を抑制して半導体ウエハの割れや欠けの発生を抑制することができ、安定した剥離を実現することができるという効果がある。
さらに、この薄肉半導体チップの製造方法では、半導体素子が形成された半導体ウエハの中央部のみを押圧すると共に、外縁近傍を吸着して凸形状に突出させるように変形させるので、半導体ウエハを支持用ディスクから剥離する際に、半導体ウエハの中心部を最後に剥離させることができる。よって局所的な荷重の発生を確実に防止し半導体ウエハの割れや欠けの発生を確実に防止することができる。
【0119】
請求項3記載の薄肉半導体チップの製造方法によれば、半導体チップの厚みに形成された半導体ウエハを用いるので、半導体ウエハを保護基板に貼着した状態で裏面を旋削して厚みを整える旋削加工を省略して、この旋削加工中に半導体ウエハの位置ズレ等に起因する割れや欠けが発生する事態を無くし、製品の歩留まりを向上できるという効果がある。
また、この薄肉半導体チップの製造方法では、支持用ディスク上の粘着シートに対して、半導体ウエハを密着させるように移動する際に、半導体ウエハの突出された中央部を粘着シートに最初に接触させ、中央部から外周部に向けて貼着範囲が広がるように押し当てて空気が残らないように密着させるので、エア溜まりが発生することを防止して適切に貼着できるという効果がある。
さらに、この薄肉半導体チップの製造方法では、半導体チップの厚みに形成された薄肉の半導体ウエハを、支持用ディスク上に貼着して、半導体素子の形成処理(不純物導入処理、CVD法による薄膜形成処理、パターン形成処理等)を行う。このため、半導体ウエハが半導体チップの厚みに形成されているため低剛性となっていても、支持用ディスクに支持されて半導体ウエハの変形が防止されるので、ハンドリング時に半導体ウエハが変形することを防止して、高精度な加工処理を実行できるという効果がある。
加えて、この薄肉半導体チップの製造方法では、半導体ウエハを加工処理するための半導体素子形成装置に適合した大きさ及び形状の支持用ディスクを選択して利用できる。よって、半導体素子形成装置では、所要の加工処理を行う各処理部へ移動する際の搬送を容易にし、移動時の取り扱いを容易にして、作業性を向上できるという効果がある。
また、半導体素子が形成された半導体ウエハの中央部のみを押圧すると共に外縁近傍を吸着して凸形状に突出させるように変形させることにより、支持用ディスク上に貼着されている半導体ウエハを、その周囲から徐々に剥がすように構成した場合には、局所的な荷重の発生を抑制して半導体ウエハの割れや欠けの発生を抑制することができ、安定した剥離を実現することができるという効果がある。
さらに、この薄肉半導体チップの製造方法では、支持用ディスクと半導体ウエハとの間に配設された温度により相変化する接着材料により構成される粘着シートの温度を調整するので、互いに接着された支持用ディスクと半導体ウエハとの間にエア溜まりが発生していないことが確認された後、粘着シートを凝固させることができ、もって支持用ディスクと半導体ウエハとの間にエア溜まりが発生するのを確実に防止することができる。
【0120】
請求項4記載の薄肉半導体チップの製造方法によれば、支持用ディスクと半導体ウエハとの間に配設された温度により相変化する接着材料からなる粘着シートの温度を、半導体ウエハを剥離する際に調整するので、互いに接着された支持用ディスクと半導体ウエハとの間で凝固している粘着シートを温度調整して液状化させた後、半導体ウエハを支持用ディスクから剥離させることができるので、剥離作業を容易にすることができる。さらに、局所的な荷重の発生を防止することができるので、半導体ウエハの割れや欠けの発生を確実に防止することができる。
【0121】
請求項5記載の薄肉半導体チップの製造方法によれば、半導体ウエハの外縁の外側から支持用ディスクと半導体ウエハとの間に流体を吐出するので、半導体ウエハの支持用ディスクからの剥離の際、半導体ウエハの外縁を最初に剥離させることができ、もって局所的な荷重の発生をより確実に防止することができる。これにより、半導体ウエハの割れや欠けの発生をより確実に防止することができるという効果がある。
【0123】
請求項7記載の薄肉半導体チップの製造方法によれば、半導体ウエハの外縁近傍における複数箇所を吸着するので、半導体ウエハの支持用ディスクへの貼着の際、半導体ウエハは凸形状を安定して呈することができ、半導体ウエハの外縁が最初に支持用ディスクに接触するのを防止することができる。また、半導体ウエハを支持用ディスクからの剥離する場合には、半導体ウエハの外縁を確実に最初に剥離させることができ、もって局所的な荷重の発生をさらに確実に防止することができるという効果がある。
【0124】
請求項8記載の薄肉半導体チップの製造方法によれば、半導体ウエハを真空吸着するので、半導体ウエハを安定して保持することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る半導体ウエハ脱着装置の概略構成を示す斜視図である。
【図2】図1における線II−IIに沿う断面図である。
【図3】図1の半導体ウエハ脱着装置10の概略構成を示す平面図である。
【図4】図1の半導体ウエハ脱着装置10が使用される基板処理システム40の概略構成を示す図である。
【図5】半導体ウエハ13から半導体チップを製造する製造処理を示す工程図である。
【図6】半導体ウエハ13の支持用ディスク11への貼着及び剥離の手順を示す工程図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態に係る半導体ウエハ脱着装置における貼着処理を示す工程図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態に係る半導体ウエハ脱着装置における剥離処理を示す工程図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態に係る半導体ウエハ脱着装置における剥離処理を示す工程図である。
【図10】本発明の第3の実施の形態に係る半導体ウエハ脱着装置の概略構成を示す断面図である。
【図11】図10における調温装置101を内部に有する基台102の平面図である。
【図12】本発明の第3の実施の形態に係る半導体ウエハ脱着装置における貼着処理を示す工程図である。
【図13】本発明の第3の実施の形態に係る半導体ウエハ脱着装置における剥離処理を示す工程図である。
【図14】他の調温装置を内部に有する基台102の平面図である。
【図15】さらに他の調温装置を内部に有する基台102の平面図である。
【図16】さらに他の調温装置を内部に有する基台102の平面図である。
【図17】従来の半導体ウエハから薄肉の半導体チップを製造する製造処理を示す工程図である。
【符号の説明】
10 半導体ウエハ脱着装置
11,103 支持用ディスク
12,104 粘着シート
13 半導体ウエハ
14 本体
15 吸着口
16 ピストン
17 ガスノズル
18 ガイド
40 基板処理システム
41 基板処理装置
101 調温装置
102 基台
Claims (8)
- 半導体チップの厚みに形成された半導体ウエハの外縁近傍を吸着保持すると共に中央部のみを押圧して凸形状に変形させる吸着工程と、
所望の処理を行う基板処理装置に適合した支持用ディスク上の粘着シートに対して、前記半導体ウエハの凸面中央部を最初に接触させてからエア溜まりが発生しないように、半導体ウエハを密着させる貼着工程と、
前記支持用ディスクに貼着された状態の前記半導体ウエハに対して、前記半導体ウエハにイオン打ち込み処理による不純物導入処理、CVD法による薄膜形成処理及びドライエッチング処理によるパターン形成処理により半導体素子を形成する半導体素子形成工程と、
前記半導体素子が形成された前記半導体ウエハを前記支持用ディスクに粘着した状態で半導体チップに切り分けるダイシング工程と、を有し、
さらに、前記粘着シートを温度により相変化する接着材料で構成し、前記貼着工程前に、前記粘着シートが液状化するように前記粘着シートの温度を調整する調温工程を設けたことを特徴とする薄肉半導体チップの製造方法。 - 半導体チップの厚みに形成された半導体ウエハの外縁近傍を吸着保持すると共に中央部のみを押圧して凸形状に変形させる吸着工程と、
所望の処理を行う基板処理装置に適合した支持用ディスク上の粘着シートに対して、前記半導体ウエハの凸面中央部を最初に接触させてからエア溜まりが発生しないように、半導体ウエハを密着させる貼着工程と、
前記支持用ディスクに貼着された状態の前記半導体ウエハに対して、前記半導体ウエハにイオン打ち込み処理による不純物導入処理、CVD法による薄膜形成処理及びドライエッチング処理によるパターン形成処理により半導体素子を形成する半導体素子形成工程と、
前記半導体素子が形成された前記半導体ウエハの中央部のみを押圧すると共に、外縁近傍を吸着して凸形状に変形させることにより、前記粘着シートから前記半導体ウエハを前記半導体ウエハの周囲から徐々に剥がす剥離工程と、を有し、
前記剥離工程では、前記半導体ウエハの周囲を剥がした後に、前記半導体ウエハの中央部のみを押圧していた押圧力を抜重することにより発生する前記半導体ウエハの弾性反力を利用して、前記半導体ウエハを前記支持用ディスクから剥離させることを特徴とする薄肉半導体チップの製造方法。 - 半導体チップの厚みに形成された半導体ウエハの外縁近傍を吸着保持すると共に中央部のみを押圧して凸形状に変形させる吸着工程と、
所望の処理を行う基板処理装置に適合した支持用ディスク上の粘着シートに対して、前記半導体ウエハの凸面中央部を最初に接触させてからエア溜まりが発生しないように、半導体ウエハを密着させる貼着工程と、
前記支持用ディスクに貼着された状態の前記半導体ウエハに対して、前記半導体ウエハにイオン打ち込み処理による不純物導入処理、CVD法による薄膜形成処理及びドライエッチング処理によるパターン形成処理により半導体素子を形成する半導体素子形成工程と、
前記半導体素子が形成された前記半導体ウエハの中央部のみを押圧すると共に、外縁近傍を吸着して凸形状に変形させることにより、前記粘着シートから前記半導体ウエハを前記半導体ウエハの周囲から徐々に剥がす剥離工程と、を有し、
さらに、前記粘着シートを温度により相変化する接着材料で構成し、前記貼着工程前に、前記粘着シートが液状化するように前記粘着シートの温度を調整する調温工程を設けたことを特徴とする薄肉半導体チップの製造方法。 - 前記粘着シートを、温度により相変化する接着材料で構成し、
前記剥離工程において、前記粘着シートが液状化するように前記粘着シートの温度を調整することを特徴とする請求項2記載の薄肉半導体チップの製造方法。 - 前記半導体ウエハの外縁の外側から、前記支持用ディスクと前記半導体ウエハとの間に流体を吐出する吐出工程を有することを特徴とする請求項2又は3に記載の薄肉半導体チップの製造方法。
- 前記剥離工程で前記支持用ディスクから剥離された前記半導体ウエハを、他の処理を行う前記基板処理装置に適合した支持用ディスクに貼着して、前記他の処理を行う基板処理装置により処理作業を行うことを特徴とする請求項2,3,5のいずれか1項に記載の薄肉半導体チップの製造方法。
- 前記吸着工程では、前記半導体ウエハの外縁近傍における複数箇所を吸着することを特徴とする請求項1乃至3,5,6のいずれか1項に記載の薄肉半導体チップの製造方法。
- 前記吸着工程では、前記半導体ウエハを真空吸着により保持することを特徴とする請求項1乃至3及び5乃至7のいずれか1項に記載の薄肉半導体チップの製造方法。
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