JP4608706B2 - 車両制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ナビゲーション装置においては、運転者に車両の現在位置、及び該現在位置の周囲の道路状況を知らせ、現在位置から目的地までの経路を案内するようになっている。
【0003】
そのために、前記ナビゲーション装置は、前記現在位置を検出する現在位置検出部、各種のデータが格納されたデータ記憶部、表示部等を備え、前記現在位置検出部によって検出された現在位置を、前記データに従って作成された地図上で追跡しながら前記表示部に表示する。
【0004】
また、前記ナビゲーション装置によって得られた道路形状及び車両情報に基づいて制御量を決定し、該制御量を自動変速機の制御を行う自動変速機制御装置に送り、走行制御として減速制御を行うようにした車両制御装置が提供されている。この場合、減速制御が必要な箇所、例えば、コーナに車両が差し掛かると、前記ナビゲーション装置において、現在位置より前方の道路形状に対応させて減速制御が行われる。そして、現在位置において最適であると思われる変速段、すなわち、最適変速段が決定され、該最適変速段に基づいて変速指令値が自動変速機制御装置に送られる。また、該自動変速機制御装置において、前記変速指令値に基づいて変速出力が発生させられ、道路形状に対応させて車両が減速させられるようになっている(特開平9−280353号公報参照)。
【0005】
ところで、自動変速機においては、あらかじめ決められた制約により、各変速段への変速が可能な最高の車速が決められる。したがって、現在の車速が、前記変速指令値に対応した変速段への変速が可能な最高の車速以上である場合、減速制御による前記変速段への変速を行うことはできない。そこで、前記変速段への変速が可能な最高の車速を制限速度とし、現在の車速が制限速度以上である場合、減速制御を行わず、現在の車速が制限速度より低い場合、減速制御を行うようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の車両制御装置においては、制限速度より低い車速でコーナに差し掛かっても、運転者の減速要求が弱い場合がある。したがって、運転者の減速要求が弱い場合に減速制御が行われると、運転者が欲する減速度合と車両に発生させられる減速度合とが異なるので、運転者に違和感を与えてしまう。
【0007】
本発明は、前記従来の車両制御装置の問題点を解決して、運転者に違和感を与えることがない車両制御装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
そのために、本発明の車両制御装置においては、現在位置を検出する現在位置検出手段と、道路状況が格納された記憶手段と、車速を検出する車速検出手段と、前記現在位置及び道路状況に基づいて最適変速段を算出する最適変速段算出手段と、前記最適変速段に基づいて選択された変速段の変速出力を発生させる自動変速機制御装置とを有する。
【0009】
そして、前記最適変速段算出手段は、検出された車速と、コーナを走行する際の推奨車速に基づいて設定された減速線上の現在位置における車速を表す設定値とを比較することによって最適変速段を算出するとともに、検出された車速と、運転者の減速要求に応じて設定された設定速度とを比較することによって、該設定速度によって区画された領域のうちのどの領域に車速が属するかを判断し、運転者の減速要求が強い領域に車速が属する場合に、減速制御を行うために算出された最適変速段を設定し、運転者の減速要求が弱い領域に車速が属する場合に、減速制御を禁止するために算出された最適変速段を設定する減速制御実行手段を備える。
また、前記運転者の減速要求が強い領域は高速領域及び低速領域であり、前記運転者の減速要求が弱い領域は中速領域である。
【0010】
本発明の他の車両制御装置においては、さらに、前記運転者の減速要求が強い領域は、高速領域及び低速領域であり、前記運転者の減速要求が弱い領域は中速領域である。
【0011】
本発明のプログラムにおいては、車両制御装置を、現在位置検出手段によって検出された現在位置、及び記憶手段から読み出された道路状況に基づいて、減速制御を行うための最適変速段を算出する最適変速段算出手段、並びに前記最適変速段に基づいて選択された変速段の変速出力を発生させる変速出力発生手段として機能させる。
そして、前記最適変速段算出手段は、車速検出手段によって検出された車速と設定速度とを比較することによって、該設定速度によって区画された領域のうちのどの領域に車速が属するかを判断し、運転者の減速要求が強い領域に車速が属する場合に、減速制御を行うために算出された最適変速段を設定し、運転者の減速要求が弱い領域に車速が属する場合に、減速制御を禁止するために算出された最適変速段を設定する。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0013】
図1は本発明の実施の形態における車両制御装置の機能ブロック図である。
【0014】
図において、15は現在位置を検出する現在位置検出手段としての現在位置検出部、16は道路状況が格納された記憶手段としてのデータ記憶部、44は車速を検出する車速検出手段としての車速センサ、81は前記現在位置及び道路状況に基づいて、減速制御を行うための最適変速段を算出する最適変速段算出手段、12は前記最適変速段に基づいて選択された変速段の変速出力を発生させる自動変速機制御装置である。前記最適変速段算出手段81は、運転者の減速要求が強い領域に車速が属する場合に減速制御を行い、運転者の減速要求が弱い領域に車速が属する場合に減速制御を禁止する減速制御実行手段82を備える。
【0015】
図2は本発明の実施の形態における車両制御装置の概略図である。
【0016】
図において、10は図示されない変速装置を備えた自動変速機(A/T)、11はエンジン(E/G)、12は前記自動変速機10の全体の制御を行い、選択された変速段の変速出力を発生させる自動変速機制御装置(A/TECU)、13は前記エンジン11の全体の制御を行うエンジン制御装置(E/GECU)、14はナビゲーション装置である。
【0017】
また、41はウインカセンサ、42は運転者の動作としての図示されないアクセルペダルの踏込量を検出するアクセルセンサ、43は前記運転者の動作としての図示されないブレーキペダルの踏込量を検出するブレーキセンサ、44は車速を検出する車速センサ、45はスロットル開度を検出するスロットル開度センサ、46は記録媒体としてのROM、47はモードを選択するためのモード選択手段としてのモード選択部である。
【0018】
前記ナビゲーション装置14は、現在位置検出部15、道路形状、道路特性、道路環境等の道路状況を表すデータ等が格納されたデータ記憶部16、前記データ等に基づいて、ナビゲーション処理等の各種の演算処理を行うナビゲーション処理部17、入力部34、表示部35、音声入力部36、音声出力部37及び通信部38を有する。
【0019】
そして、前記現在位置検出部15は、GPS(グローバルポジショニングセンサ)21、地磁気センサ22、距離センサ23、ステアリングセンサ24、ビーコンセンサ25、ジャイロセンサ26、図示されない高度計等から成る。
【0020】
前記GPS21は、人工衛星によって発生させられた電波を受信して、現在位置を検出し、前記地磁気センサ22は、地磁気を測定することによって車両が向いている方位を検出し、前記距離センサ23は、道路上の所定の地点間の距離等を検出する。前記距離センサ23としては、例えば、車輪の回転数を測定し、該回転数に基づいて距離を検出するもの、加速度を測定し、該加速度を2回積分して距離を検出するもの等を使用することができる。
【0021】
また、前記ステアリングセンサ24は、舵(だ)角を検出するためのものであり、例えば、図示されないステアリングホイールの回転部に取り付けられた光学的な回転センサ、回転抵抗センサ、車輪に取り付けられた角度センサ等が使用される。
【0022】
そして、前記ビーコンセンサ25は、道路に沿って配設されたビーコンからの位置情報を受信して現在位置を検出する。前記ジャイロセンサ26は、車両の回転角速度を検出するものであり、ガスレートジャイロ、振動ジャイロ等が使用される。そして、前記ジャイロセンサ26によって検出された回転角速度を積分することにより、車両が向いている方位を検出することができる。
【0023】
なお、前記GPS21及びビーコンセンサ25においては、それぞれ単独で現在位置を検出することができるが、距離センサ23の場合は、該距離センサ23によって検出された距離、地磁気センサ22によって検出された方位、及びジャイロセンサ26によって検出された回転角速度を組み合わせることにより現在位置が検出される。また、距離センサ23によって検出された距離と、ステアリングセンサ24によって検出された舵角とを組み合わせることによって現在位置を検出することもできる。
【0024】
前記データ記憶部16は、地図データファイル、交差点データファイル、ノードデータファイル、道路データファイル、目的地データファイル、行先データファイル、写真データファイル、及び各地域のホテル、ガソリンスタンド、観光地案内等の各主地域ごとの情報が格納されたデータファイルを備える。これら各データファイルには、経路を検索するための経路データのほか、前記表示部35の画面に、検索した経路に沿って案内図を表示したり、交差点又は経路における特徴的な写真、コマ図等を表示したり、次の交差点までの距離、次の交差点における進行方向等を表示したり、他の案内情報を表示したりするための各種のデータが格納される。なお、前記データ記憶部16には、所定の情報を音声出力部37によって出力するための各種のデータも格納される。
【0025】
前記交差点データファイルには各交差点に関する交差点データが、ノードデータファイルにはノードに関するノードデータが、道路データファイルには道路に関する道路状況としての道路データがそれぞれ格納される。なお、前記ノードデータは、前記地図データファイルに格納された地図データにおける道路の位置及び道路形状を表す要素であり、道路上の各ノード及び各ノード間を連結するリンクを示すデータから成る。そして、前記道路データによって、道路自体については、幅員、勾配(こうばい)、バンク、路面の状態、車線数、車線数の減少する地点、幅員の狭くなる地点等の道路特性が表示されるほかに、踏切、高速道路出口ランプウェイ、高速道路の料金所、降坂路、登坂路、道路種別(国道、一般道路、高速道路等)等の道路属性が表示される。また、コーナについては、曲率半径、交差点、T字路、コーナの入口、見通しの良さ又は悪さ等の道路環境が表示される。
【0026】
なお、現在位置から目的地までの経路は、前記道路データ、交差点データ、ノードデータ等を使用して検索によって設定したり、入力部34をマニュアル操作することによって設定したりすることができる。そして、前記経路が設定されると、案内道路列、案内交差点、分岐点での進行方法、位置(交差点番号)等の経路に関する経路案内情報が設定されるとともに、該経路案内情報がテーブルとして記録される。
【0027】
したがって、現在位置を追跡することによって、前記テーブルを参照して経路を案内したり、経路上で現在位置の前方における所定距離内の検索を行ったり、案内交差点、分岐点等を読み出したり、案内交差点に関する案内情報(音声データ、交差点拡大図データ等)を作成したりすることができる。
【0028】
また、前記ナビゲーション処理部17は、ナビゲーション装置14の全体の制御を行うCPU31、該CPU31が制御を行う際にワーキングメモリとして使用されるRAM32、及び制御プログラムのほか、目的地までの経路の検索、経路中の走行案内、特定区間の決定等を行うための各種のプログラムが記録された記録媒体としてのROM33から成るとともに、前記ナビゲーション処理部17に、前記入力部34、表示部35、音声入力部36、音声出力部37及び通信部38が接続される。前記入力部34、音声入力部36及び通信部38によって入力手段が、表示部35、音声出力部37及び通信部38によって出力手段が構成される。
【0029】
なお、前記データ記憶部16及びROM33、46は、図示されない磁気コア、半導体メモリ等によって構成される。また、前記データ記憶部16及びROM33、46に代えて、磁気テープ、磁気ディスク、フロッピーディスク、磁気ドラム、CD、MD、DVD、光ディスク、ICカード、光カード等の各種の記録媒体を使用することもできる。
【0030】
本実施の形態においては、前記ROM33に各種のプログラムが記録され、前記データ記憶部16に各種のデータが格納されるようになっているが、各種のプログラム及び各種のデータを同じ外部の記録媒体に記録することもできる。その場合、例えば、前記ナビゲーション処理部17に図示されないフラッシュメモリを配設し、前記外部の記録媒体から前記プログラム及びデータを読み出してフラッシュメモリに書き込むこともできる。したがって、外部の記録媒体を交換することによって前記プログラム及びデータを更新することができる。また、自動変速機制御装置12の制御プログラム等を併せて前記外部の記録媒体に記録することもできる。このように、各種の記録媒体に記録された各種のプログラムを起動し、各種のデータに基づいて各種の処理を行うことができる。
【0031】
前記通信部38は、FM送信装置、電話回線等との間で各種のデータの送受信を行うためのものであり、例えば、図示されない情報センサ等によって受信した渋滞等の道路情報、交通事故情報、GPS21の検出誤差を検出するD−GPS情報等の各種のデータを受信する。なお、本発明の機能を実現するためのプログラム及びデータの少なくとも一部を前記通信部38によって受信し、フラッシュメモリ等に格納することもできる。
【0032】
前記入力部34は、走行開始時の位置を修正したり、目的地を入力したりするためのものであり、表示部35と別に配設されたキーボード、マウス、バーコードリーダ、ライトペン、遠隔操作用のリモートコントロール装置等を使用することができる。また、前記入力部34は、表示部35に画像で表示されたキー又はメニューにタッチすることによって入力を行うことができるようにしたタッチパネルにより構成することもできる。
【0033】
そして、前記表示部35には、操作案内、操作メニュー、操作キーの案内、目的地までの経路、走行する経路に沿った案内等が表示される。前記表示部35としては、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、フロントガラスにホログラムを投影するホログラム装置等を使用することができる。
【0034】
前記音声入力部36は、図示されないマイクロホン等によって構成され、音声によって必要な情報を入力することができるようになっている。そして、音声出力部37は、図示されない音声合成装置及びスピーカを備え、音声合成装置によって合成された音声による案内情報をスピーカから出力する。なお、前記音声による案内情報のほかに、ROM33に格納された各種の案内情報をスピーカから出力することもできる。
【0035】
次に、車両制御装置の動作について説明する。なお、本実施の形態においては、走行制御として減速制御が行われる場合について説明する。
【0036】
図3は本発明の実施の形態における車両制御装置の動作を示すメインフローチャート、図4は本発明の実施の形態における推奨車速マップを示す図、図5は本発明の実施の形態における減速線マップを示す図である。なお、図4において、横軸にノード半径を、縦軸に推奨車速VR を、図5において、横軸に車両の位置を、縦軸に車速Vを採ってある。
【0037】
まず、CPU31(図2)は、現在位置検出部15によって検出された現在位置を読み込むとともに、データ記憶部16の道路データファイルにアクセスし、該道路データファイルから、現在位置より前方の位置の道路データを、現在位置に近いものから順に読み出す。この場合、該道路データには、各ノードの位置データ、各隣接するノード間を連結するリンクに付随する道路特性、リンクの長さ、ノードにおけるリンクの交差角度が含まれる。続いて、前記CPU31は、図示されないアクセルペダルの踏込量、図示されないブレーキペダルの踏込量、車速V、スロットル開度等の車両情報を読み込む。
【0038】
また、前記CPU31内の図示されないコーナ判定手段は、前記各情報に基づいてコーナ判定処理を行い、現在位置より前方に減速制御が必要なコーナが有るかどうか、すなわち、減速制御が必要なコーナに差し掛かっているかどうかを判断する。
【0039】
そのために、前記CPU31内の図示されない道路形状判断手段は、道路形状判断処理を行い、道路形状を判断する。すなわち、CPU31は、前記現在位置の道路データ、及び前記現在位置より前方の位置の道路データに基づいて制御リストを作成し、制御用データとして現在位置を含む道路上の所定の範囲(例えば、現在位置から1〜2〔km〕)内の各ノードが、減速制御が必要なノードであるかどうかを判別する。
【0040】
この場合、減速制御が必要であるかどうかの判断は、あるノードに対して隣り合うノードに引いた線分の成す角度(ノードにおける交差角度)の所定距離(例えば、100〔m〕)間の各ノードについて累積値を算出することによって行われる。そして、該累積値があらかじめ定められた閾(しきい)値以下である場合、前記各ノードは、曲率の小さいコーナに属することが分かるので、減速制御が必要でないノードであると判断される。一方、前記累積値が閾値より大きい場合、前記各ノードは、曲率の大きいコーナに属することが分かるので、減速制御が必要な第1の対象ノードNdh (h=1、2、…)であると判断される。そして、各第1の対象ノードNdh について、曲率半径に相当するノード半径が算出される。
【0041】
なお、目的地が設定されて経路が決定されている場合は、その経路内に存在するすべての第1の対象ノードNdh について、経路が決定されていない場合には、現在位置から、例えば、道なりに進んだ道路に存在するノードについて、前記ノード半径を算出することもできる。
【0042】
本実施の形態において、前記ノード半径は、各ノードの絶対座標、及び前記各ノードに隣接する二つのノードの各絶対座標に基づいて演算処理を行うことによって算出される。また、道路データとしてあらかじめデータ記憶部16にノード半径を、例えば、各ノードに対応させて格納しておき、必要に応じて前記ノード半径を読み出すこともできる。さらに、コーナの入口部分のノードに、コーナの全体のノード半径のデータを付与し、各ノード半径を読み出すこともできる。
【0043】
次に、CPU31内の図示されない推奨車速決定手段は、推奨車速決定処理を行い、図4に示される推奨車速マップを参照して、前記各第1の対象ノードNdh のノード半径に対応する推奨車速VR を読み出して決定する。前記推奨車速マップにおいては、ノード半径が小さくなると推奨車速VR が低くされ、ノード半径が大きくなると推奨車速VR が高くされる。なお、道路データとしてあらかじめデータ記憶部16に推奨車速VR を、例えば、各ノードに対応させて格納しておき、必要に応じて前記推奨車速VR を読み出すこともできる。
【0044】
そして、CPU31内の図示されない対象ノード検出手段は、前記推奨車速VR が閾値、例えば、30〔km/h〕以下であるノードを減速制御が必要な第2の対象ノードNdi (i=1、2、…)として検出する。続いて、CPU31は、現在位置から前記各第1の対象ノードNdh までの区間距離Lをリンクの長さに基づいて算出する。
【0045】
ところで、本実施の形態においては、減速制御が必要なコーナに差し掛かると、現在位置からコーナに到達するまでに車速Vが前記推奨車速VR になるような減速が必要であると判断される。そこで、前記各第1の対象ノードNdh について前記推奨車速VR に基づいて推奨値算出処理が行われ、推奨変速段が推奨値として決定されるようになっている。
【0046】
この場合、CPU31内の図示されない減速線設定手段は、各第2の対象ノードNdi ごとに、図5に示されるような減速線M1、M2を設定するとともに、前記第2の対象ノードNdi 以外の第1の対象ノードNdh ごとに、減速線M1を設定する。そのために、図5において減速線M2を除去した減速線マップが形成される。そして、CPU31は、前記第2の対象ノードNdi 以外の第1の対象ノードNdh について、前記減速線M1に基づいて減速制御を行い、前記第2の対象ノードNdi について、前記減速線M1、M2に基づいて減速制御を行う。
【0047】
本実施の形態においては、推奨車速VR が前記閾値以下のノードを第2の対象ノードNdi として検出するようになっているが、ノード半径が所定の閾値以下のノードを第2の対象ノードとして検出することもできる。
【0048】
前記減速線M1、M2は、区間距離Lにおいてそれぞれ減速度基準値β1、β2で減速が行われた場合に、各第2の対象ノードNdi を推奨車速VR で走行することができる車速Vを表し、前記区間距離L、推奨車速VR 及び減速度基準値β1、β2に基づいて算出される。そして、前記減速度基準値β1は、現在の変速段が4速であるときに、減速度βがこれ以上大きくなると変速段を3速以下にすることが望ましいと考えられる閾値であり、減速度基準値β2は、減速度βがこれ以上大きくなると変速段を2速以下にすることが望ましいと考えられる閾値である。前記減速度βは負の加速度であり、減速の度合いを表す。
【0049】
なお、前記減速線M1、M2は、各第2の対象ノードNdi より手前に所定の距離にわたって設定された調整部分mcを備え、該調整部分mcは、現在位置の検出誤差を吸収するために設定される。本実施の形態において、調整部分mcは、各第2の対象ノードNdi より手前に設定されるが、各第2の対象ノードNdi より手前だけでなく先に設定することもできる。
【0050】
そして、前記調整部分mcの車速Vは、第2の対象ノードNdi に対応する推奨車速VR と等しくされる。なお、前記調整部分mcの車速Vを、所定のノード幅を持たせて所定のパターンで推移させることもできる。
【0051】
また、前記調整部分mcの長さを、現在位置検出部15による現在位置の検出精度に対応させて変更することもできる。例えば、検出精度が低い場合は、調整部分mcが長くされる。この場合、前記検出精度は、各種センサの検出状態、マッチング状態等の現在位置の検出状態を評価し、評価結果に基づいて設定される。
【0052】
そして、前記減速度基準値β1、β2は、道路の勾配も考慮して設定される。
これは、平坦(たん)な道路において減速を行う場合と、登坂路又は降坂路において減速を行う場合とでは、同じ距離を走行させても減速度βが異なるからである。例えば、登坂路において、運転者が車両を減速させようとした場合、抵抗が大きくなるのでシフトダウンの変速を行わなくても十分な減速が行われる。また、降坂路において、運転者が車両を減速させようとした場合、抵抗が小さくなるので積極的にシフトダウンの変速を行い、減速を行う必要がある。したがって、道路の勾配が減速度βに与える影響を考慮して減速度基準値β1、β2が設定される。
【0053】
また、該減速度基準値β1、β2を道路の勾配に対応させて複数設定したり、平坦な道路用として1組の減速度基準値β1、β2をあらかじめ設定しておき、道路の勾配に対応させて前記各減速度基準値β1、β2を補正したりすることができる。さらに、車両の総重量を算出し、例えば、乗員が1名である場合と4名である場合とで減速度基準値β1、β2を異ならせることもできる。この場合、車両の総重量は、例えば、特定の出力軸トルクを発生させたときの加速度に基づいて算出される。
【0054】
なお、前記減速線M1、M2のほかに、現在の変速段を維持するための図示されないホールド制御用の減速線を設定することもできる。
【0055】
そして、前記減速線マップにおいては、現在位置における減速線M1、M2上の各点から第1、第2の設定値V1、V2を算出することができるので、現在の車速Vnow と第1、第2の設定値V1、V2とを比較することによって、現在位置における最適変速段を算出することができる。
【0056】
このようにして、減速線M1、M2が設定されると、CPU31内の図示されない上限変速段設定手段は、上限変速段設定処理を行い、最適変速段算出手段81(図1)によって、減速線M1、M2に基づいて最適変速段を算出するとともに、該最適変速段、及び運転者による運転状態、現在位置等の各種の設定条件に基づいて上限変速段を設定する。
【0057】
続いて、CPU31内の図示されない現在変速段・上限変速段比較手段は、現在変速段・上限変速段比較処理を行い、現在の変速段、すなわち、現在変速段と前記上限変速段とを比較し、低い方の(低速側で変速比が大きい)変速段を変速指令値として選択する。そして、CPU31内の図示されない送信手段は、前記変速指令値を自動変速機制御装置12に送る。
【0058】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS1 現在位置を読み込む。
ステップS2 道路データを読み出す。
ステップS3 車両情報を読み込む。
ステップS4 コーナ判定処理を行う。
ステップS5 推奨車速VR を読み出して決定する。
ステップS6 第1の対象ノードNdh までの区間距離Lを算出する。
ステップS7 減速線M1、M2を設定する。
ステップS8 上限変速段設定処理を行う。
ステップS9 現在変速段・上限変速段比較処理を行う。
ステップS10 変速指令値を自動変速機制御装置12に送り、リターンする。
【0059】
次に、ステップS8における上限変速段設定処理、及び後述されるステップS8−1における最適変速段算出処理について説明する。
【0060】
図6は本発明の実施の形態における上限変速段設定処理のサブルーチンを示す図、図7は本発明の実施の形態における最適変速段算出処理のサブルーチンを示す図である。なお、第2の対象ノードNdi 以外の第1の対象ノードNdh についての減速制御と、第2の対象ノードNdi についての減速制御とは、第2の設定値V2(図5)の有無以外は同じであるので、この場合、第2の対象ノードNdi についての減速制御についてだけ説明する。
【0061】
まず、CPU31(図2)内の最適変速段算出手段81(図1)は、車速センサ44によって検出された車速Vを読み込むとともに、前記減速線マップを参照して第1、第2の設定値V1、V2を読み出し、現在の車速Vnow と第1、第2の設定値V1、V2とを比較することによって、最適変速段を算出する。この場合、最適変速段算出手段81は、前記車速Vnow が第1の設定値V1より低い場合、4速を最適変速段として設定し、前記車速Vnow が第1の設定値V1以上であり、第2の設定値V2より低い場合、3速を最適変速段として設定し、前記車速Vnow が第2の設定値V2以上である場合、減速制御を選択的に行う。
【0062】
ところで、自動変速機10においては、各変速段ごとに、機構上許可される最高の車速、すなわち、許可車速が決められている。したがって、前記車速Vnow が、減速制御によって達成される変速段のうちの最も低速側の変速段の許可車速より高い場合、減速制御によって前記変速段への変速を行うことはできない。そこで、減速制御によって達成される変速段のうちの最も低速側の変速段の許可車速を制限速度VMAX とし、前記車速Vnow が制限速度VMAX 以上である場合、減速制御を行わないようにしている。
【0063】
ところが、前記車速Vnow が制限速度VMAX より低い場合、一律に減速制御を行うと、運転者の減速要求が弱い場合に減速制御が行われることがあり、運転者が欲する減速度合と車両に発生させられる減速度合とが異なるので、運転者に違和感を与えてしまう。
【0064】
例えば、制限速度VMAX より低い領域を、第1の領域としての高速領域、第2の領域としての中速領域、及び第3の領域としての低速領域に分けたとき、前記車速Vnow が高速領域に属する場合、運転者は、減速することなくコーナに進入することに対して不安感を抱き、強い減速要求を持つ。したがって、この場合、減速制御が行われても、運転者が欲している減速度合と、減速制御を行うことによって車両に発生させられる減速度合とが一致しているので、運転者に違和感を与えない。また、前記車速Vnow が中速領域に属する場合、運転者は、減速することなくコーナに進入することに対して不安感を抱くことが少なく、減速要求は弱い。したがって、この場合、減速制御が行われると、運転者が欲している減速度合と、減速制御が行われることによって車両に発生させられる減速度合とが異なり、車両に発生させられる減速度合の方が大きくなるので、運転者に違和感を与えることになる。そして、前記車速Vnow が低速領域に属する場合、運転者は、コーナを安定した、かつ、十分な駆動力で通過するためにシフトダウンの変速を行おうとし、強い減速要求を持つ。したがって、この場合、減速制御が行われても、運転者が欲している減速度合と、減速制御を行うことによって車両に発生させられる減速度合とが一致しているので、運転者に違和感を与えない。このように、前記車速Vnow が高速領域及び低速領域に属する場合、減速制御を行っても運転者に違和感を与えないが、前記車速Vnow が中速領域に属する場合、減速制御を行うと運転者に違和感を与えることになる。
【0065】
そこで、制限速度VMAX より低い領域を、第1、第2の設定速度Vs1、Vs2によって区画することにより、高速領域、中速領域及び低速領域を形成し、最適変速段算出手段81内の減速制御実行手段82は、前記高速領域及び低速領域において減速制御を行い、中速領域において減速制御を禁止するようにしている。
【0066】
本実施の形態において、前記減速制御によって達成される変速段のうちの最も低速側の変速段は2速であり、制限速度VMAX は80〔km/h〕である。そして、80〔km/h〕より低い領域が、第1、第2の設定速度Vs1、Vs2である70〔km/h〕及び60〔km/h〕によって区画され、70〔km/h〕以上で80〔km/h〕より低い高速領域、60〔km/h〕以上で70〔km/h〕より低い中速領域、及び60〔km/h〕より低い低速領域が設定される。
【0067】
したがって、前記減速制御実行手段82は、前記車速Vnow が80〔km/h〕以上である場合、減速制御を禁止して4速を最適変速段として設定し、前記車速Vnow が70〔km/h〕以上で80〔km/h〕より低い場合は、減速制御を行って2速を最適変速段として設定し、前記車速Vnow が60〔km/h〕以上で70〔km/h〕より低い場合は、減速制御を禁止して4速を最適変速段として設定し、前記車速Vnow が60〔km/h〕より低い場合は、減速制御を行って2速を最適変速段として設定する。
【0068】
このように、運転者の減速要求が強いときに減速制御が行われ、減速要求が弱いときに減速制御が禁止されるので、運転者が欲する減速度合と、減速制御によって発生させられる減速度合とが一致するときに減速制御が行われることになり、運転者に違和感を与えることがない。
【0069】
続いて、CPU31は、車両情報として読み込まれたシフト位置に基づいて現在変速段を検出し、該現在変速段と前記最適変速段とを比較する。そして、現在変速段が最適変速段より高い(高速側で変速比が小さい)場合は、シフトダウンの変速による減速を行うために前記最適変速段を上限変速段として設定する。また、現在変速段と最適変速段とが等しい場合も、最適変速段を上限変速段として設定する。そして、現在変速段が最適変速段より低い場合は、現在位置と第2の対象ノードNdi の位置とを比較することによって、車両が既に第2の対象ノードNdi を通過しているかどうかを判断し、第2の対象ノードNdi を通過している場合、車両を減速させる必要がなく、車両は加速重視状態に置かれているので、CPU31内の図示されない解除制御手段は、加速状態に移行するために減速制御の解除制御処理を行う。一方、第2の対象ノードNdi を通過していない場合、車両は減速重視状態に置かれているので、現在変速段を上限変速段として設定する。
【0070】
次に、図6のフローチャートについて説明する。
ステップS8−1 最適変速段算出処理を行う。
ステップS8−2 現在変速段が最適変速段より高いかどうかを判断する。現在変速段が最適変速段より高い場合はステップS8−4に、現在変速段が最適変速段以下である場合はステップS8−3に進む。
ステップS8−3 現在変速段と最適変速段とが等しいかどうかを判断する。現在変速段と最適変速段とが等しい場合はステップS8−4に、等しくない場合はステップS8−5に進む。
ステップS8−4 最適変速段を上限変速段として設定し、リターンする。
ステップS8−5 車両が第2の対象ノードNdi を通過したかどうかを判断する。車両が第2の対象ノードNdi を通過した場合はステップS8−6に、通過していない場合はステップS8−7に進む。
ステップS8−6 解除制御処理を行い、リターンする。
ステップS8−7 現在変速段を上限変速段として設定し、リターンする。
【0071】
次に、図7のフローチャートについて説明する。
ステップS8−1−1 第1、第2の設定値V1、V2を読み出す。
ステップS8−1−2 車速Vnow が第1の設定値V1以上であるかどうかを判断する。車速Vnow が第1の設定値V1以上である場合はステップS8−1−3に、車速Vnow が第1の設定値V1より低い場合はステップS8−1−9に進む。
ステップS8−1−3 車速Vnow が第2の設定値V2以上であるかどうかを判断する。車速Vnow が第2の設定値V2以上である場合はステップS8−1−5に、車速Vnow が第2の設定値V2より低い場合はステップS8−1−4に進む。
ステップS8−1−4 3速を最適変速段として設定し、リターンする。
ステップS8−1−5 車速Vnow が80〔km/h〕以上であるかどうかを判断する。車速Vnow が80〔km/h〕以上である場合はステップS8−1−9に、車速Vnow が80〔km/h〕より低い場合はステップS8−1−6に進む。
ステップS8−1−6 車速Vnow が70〔km/h〕以上であるかどうかを判断する。車速Vnow が70〔km/h〕以上である場合はステップS8−1−8に、車速Vnow が70〔km/h〕より低い場合はステップS8−1−7に進む。
ステップS8−1−7 車速Vnow が60〔km/h〕以上であるかどうかを判断する。車速Vnow が60〔km/h〕以上である場合はステップS8−1−9に、車速Vnow が60〔km/h〕より低い場合はステップS8−1−8に進む。
ステップS8−1−8 2速を最適変速段として設定し、リターンする。
ステップS8−1−9 4速を最適変速段として設定し、リターンする。
【0072】
次に、前記ステップS8−6における解除制御処理について説明する。
【0073】
図8は本発明の実施の形態における解除制御処理のサブルーチンを示す図である。
【0074】
解除制御処理は、減速制御を解除した後の、アクセルオンの検出、現在変速段、車速Vの変化等を考慮して行われる。なお、本実施の形態において、前記アクセルオンは、図示されないアクセルペダルを踏み込んだ瞬間、又はアクセルペダルを踏み込んでいる状態をいう。また、アクセルペダルを所定量以上踏み込んだこと、アクセルペダルを所定速度以上で踏み込んだこと、又はアクセルペダルを所定加速度以上で踏み込んだことでもよい。
【0075】
前記CPU31(図2)は、現在位置と第2の対象ノードNdi (図5)の位置とを比較することによって、車両が第2の対象ノードNdi を通過したかどうかを判断し、車両が第2の対象ノードNdi を通過したときの車速(以下「ノード通過車速」という。)を読み込み、該ノード通過車速を図示されないバッファに記憶する。続いて、CPU31は、アクセル信号を読み込み、第1の解除条件が成立したかどうか、すなわち、アクセルオンが検出されたかどうかを判断する。アクセルオンが検出された場合は、第2の解除条件が成立したかどうか、すなわち、アクセルオンが検出されてから現在までの車速の増加量(以下「車速増加量」という。)Vdが設定値δ1、例えば、5〔km/h〕より大きいかどうかを判断する。
【0076】
そして、車速増加量Vdが設定値δ1より大きい場合は、十分に加速が行われたと判断し、シフトアップの変速を許可するために、現在変速段より1段高い変速段を上限変速段として設定する。また、アクセルオンが検出されていない場合、又は車速増加量Vdが設定値δ1以下である場合には、加速が必要な状態であると判断し、現在変速段を上限変速段として設定し、現在変速段を維持する。前記設定値δ1は、現在変速段を考慮して、2→3変速が行われるときと、3→4変速が行われるときとで変更される。
【0077】
なお、第2の解除条件として、アクセルオンが検出されてから現在までの経過時間Tpが設定値δ2より長いかどうか、アクセルオンが検出されてから現在までの車両の走行距離Lpが設定値δ3より長いかどうか、アクセルオンが検出されてから現在までの計算上の加速度αが設定値δ4より大きいかどうか等を設定することもできる。
【0078】
また、第1の解除条件として、アクセルオンの検出に代えて、第2の対象ノードNdi を通過してから現在までの車速増加量Vdが設定値δ11より大きいかどうか、第2の対象ノードNdi を通過してから現在までの経過時間Tpが設定値δ12より長いかどうか、第2の対象ノードNdi を通過してから現在までの走行距離Lpが設定値δ13より長いかどうか、第2の対象ノードNdi を通過してから現在までの計算上の加速度αが設定値δ14より大きいかどうかを設定することもできる。
【0079】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS8−6−1 ノード通過車速を読み込む。
ステップS8−6−2 アクセルオンが検出されたかどうかを判断する。アクセルオンが検出された場合はステップS8−6−3に、検出されない場合はステップS8−6−5に進む。
ステップS8−6−3 車速増加量Vdが5〔km/h〕より大きいかどうかを判断する。車速増加量Vdが5〔km/h〕より大きい場合はステップS8−6−4に、車速増加量Vdが5〔km/h〕以下である場合はステップS8−6−5に進む。
ステップS8−6−4 現在変速段より1段高い変速段を上限変速段として設定し、リターンする。
ステップS8−6−5 現在変速段を上限変速段として設定し、リターンする。
【0080】
次に、前記ステップS9における現在変速段・上限変速段比較処理について説明する。
【0081】
図9は本発明の実施の形態における現在変速段・上限変速段比較処理のサブルーチンを示す図である。
【0082】
まず、CPU31(図2)内の図示されない変速指令値発生手段は、上限変速段が現在変速段以下であるかどうかを判断して、上限変速段が現在変速段以下である場合は、車両が減速を必要とする状態にあると判断し、上限変速段を変速指令値として設定し、上限変速段が現在変速段より高い場合は、自動変速機制御装置12の判断に従うために、現在変速段を変速指令値として設定する。
【0083】
なお、変速指令値は、所定のフォーマットによって設定され、このとき、ナビゲーション装置14において発生させられたことを示すコードが付与される。
【0084】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS9−1 上限変速段が現在変速段以下であるかどうかを判断する。上限変速段が現在変速段以下である場合はステップS9−3に、上限変速段が現在変速段より高い場合はステップS9−2に進む。
ステップS9−2 現在変速段を変速指令値として設定し、リターンする。
ステップS9−3 上限変速段を変速指令値として設定し、リターンする。
【0085】
次に、自動変速機制御装置12において前記変速指令値に基づいて変速出力を発生させるための動作について説明する。
【0086】
図10は本発明の実施の形態における自動変速機制御装置の動作を示すフローチャートである。
【0087】
まず、自動変速機制御装置12(図2)は、ナビゲーション装置14から送られた変速指令値を読み込むとともに、アクセル開度、スロットル開度、車速V等の車両情報を読み込む。また、自動変速機制御装置12内の図示されない変速判断手段は、前記車両情報に基づいて通常の変速判断を行い、ROM46内の図示されない変速マップを参照して変速段を選択する。次に、自動変速機制御装置12内の図示されない変速出力発生手段は、変速指令値があるかどうかを判断し、変速指令値がある場合は変速指令値、及び運転者による運転操作に基づいて変速出力を発生させる。この場合、上限変速段が4速である場合はシフトダウンの変速による減速は行われず、上限変速段が3速又は2速である場合はシフトダウンの変速による減速が行われる。変速指令値がない場合、自動変速機制御装置12は、通常の変速判断によって算出された変速段に基づいて変速出力を発生させる。また、運転者による運転操作は、アクセルオフの検出、ブレーキオンの検出、又はアクセルオフ及びブレーキオンの検出から成る。なお、前記アクセルオフは、図示されないアクセルペダルを所定量以上戻したこと、アクセルペダルを所定速度以上で戻したこと、又はアクセルペダルを所定加速度以上で戻したことをいう。また、ブレーキオンは、図示されないブレーキペダルを所定量以上踏み込んだこと、ブレーキペダルを所定速度以上で踏み込んだこと、又はブレーキペダルを所定加速度以上で踏み込んだことをいう。
【0088】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS21 変速指令値を読み込む。
ステップS22 車両情報を読み込む。
ステップS23 通常の変速判断を行う。
ステップS24 変速指令値があるかどうかを判断する。変速指令値がある場合はステップS25に、ない場合はステップS26に進む。
ステップS25 変速指令値に基づいて変速出力を発生させ、リターンする。
ステップS26 通常の変速判断に基づいて変速出力を発生させ、リターンする。
【0089】
次に、現在の車速Vnow (図5)を変化させたときの最適変速段算出手段81(図1)の動作について説明する。
【0090】
図11は本発明の実施の形態における最適変速段算出手段の動作の説明図である。なお、図において、横軸に現在位置からの距離を、縦軸に車速Vを採ってある。
【0091】
図において、M2は減速線、mcは調整部分、Ndi は第2の対象ノード、VMAX は制限速度、Vs1、Vs2は第1、第2の設定速度、AR1は高速領域、AR2は中速領域、AR3は低速領域である。また、実線の矢印は減速線M2に沿って減速制御が行われることを、破線の矢印は減速制御が禁止されることを示す。
【0092】
この場合、状態#1で示されるように、現在の車速Vnow (図5)が制限速度VMAX 以上である場合、最適変速段算出手段81(図1)の減速制御実行手段82は減速制御を禁止し、4速を最適変速段として設定して状態#5を形成する。
その後、前記車速Vnow が低くなって制限速度VMAX より低くなり、高速領域AR1に属すると、減速制御実行手段82は減速制御を行い、2速を最適変速段として設定して状態#6を形成する。
【0093】
また、状態#2で示されるように、前記車速Vnow が制限速度VMAX より低く、第1の設定速度Vs1以上であり、高速領域AR1に属すると、減速制御実行手段82は減速制御を行い、2速を最適変速段として設定して状態#6を形成する。
【0094】
そして、状態#3で示されるように、前記車速Vnow が第1の設定速度Vs1より低く、第2の設定速度Vs2以上であり、中速領域AR2に属すると、減速制御実行手段82は減速制御を禁止し、4速を最適変速段として設定して状態#7を形成する。その後、前記車速Vnow が低くなって第2の設定速度Vs2より低くなり、低速領域AR3に属すると、減速制御実行手段82は減速制御を行い、2速を最適変速段として設定して状態#8を形成する。また、状態#3から前記車速Vnow が低くなって第2の設定速度Vs2より低くなり、低速領域AR3に属すると、減速制御実行手段82は減速制御を行い、2速を最適変速段として設定して状態#8を形成する。これに対して、状態#3から前記車速Vnow が第1の設定速度Vs1より高くなり、高速領域AR1に属すると、減速制御実行手段82は減速制御を行い、2速を最適変速段として設定して状態#6を形成する。
【0095】
また、状態#4で示されるように、前記車速Vnow が第2の設定速度Vs2より低く、低速領域AR3に属すると、減速制御実行手段82は減速制御を行い、2速を最適変速段として設定して状態#8を形成する。そして、状態#4から前記車速Vnow が第2の設定速度Vs2より高くなり、中速領域AR2に属すると、減速制御実行手段82は減速制御を禁止し、4速を最適変速段として設定して状態#7を形成する。
【0096】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、車両制御装置においては、現在位置を検出する現在位置検出手段と、道路状況が格納された記憶手段と、車速を検出する車速検出手段と、前記現在位置及び道路状況に基づいて最適変速段を算出する最適変速段算出手段と、前記最適変速段に基づいて選択された変速段の変速出力を発生させる自動変速機制御装置とを有する。
【0097】
そして、前記最適変速段算出手段は、検出された車速と、コーナを走行する際の推奨車速に基づいて設定された減速線上の現在位置における車速を表す設定値とを比較することによって最適変速段を算出するとともに、検出された車速と、運転者の減速要求に応じて設定された設定速度とを比較することによって、該設定速度によって区画された領域のうちのどの領域に車速が属するかを判断し、運転者の減速要求が強い領域に車速が属する場合に、減速制御を行うために算出された最適変速段を設定し、運転者の減速要求が弱い領域に車速が属する場合に、減速制御を禁止するために算出された最適変速段を設定する減速制御実行手段を備える。
また、前記運転者の減速要求が強い領域は高速領域及び低速領域であり、前記運転者の減速要求が弱い領域は中速領域である。
【0098】
この場合、現在位置が検出され、道路状況が記憶手段から読み出され、車速が検出され、前記現在位置及び道路状況に基づいて最適変速段が算出される。そして、前記設定速度によって区画された領域のうちの、運転者の減速要求が強い領域に車速が属する場合に、減速制御を行うために算出された最適変速段が設定され、運転者の減速要求が弱い領域に車速が属する場合に、減速制御を禁止するために算出された最適変速段が設定される。
【0099】
このように、運転者の減速要求が強いときに、減速制御を行うために算出された最適変速段が設定され、減速要求が弱いときに、減速制御を禁止するために算出された最適変速段が設定されるので、運転者に違和感を与えることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における車両制御装置の機能ブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態における車両制御装置の概略図である。
【図3】本発明の実施の形態における車両制御装置の動作を示すメインフローチャートである。
【図4】本発明の実施の形態における推奨車速マップを示す図である。
【図5】本発明の実施の形態における減速線マップを示す図である。
【図6】本発明の実施の形態における上限変速段設定処理のサブルーチンを示す図である。
【図7】本発明の実施の形態における最適変速段算出処理のサブルーチンを示す図である。
【図8】本発明の実施の形態における解除制御処理のサブルーチンを示す図である。
【図9】本発明の実施の形態における現在変速段・上限変速段比較処理のサブルーチンを示す図である。
【図10】本発明の実施の形態における自動変速機制御装置の動作を示すフローチャートである。
【図11】本発明の実施の形態における最適変速段算出手段の動作の説明図である。
【符号の説明】
12 自動変速機制御装置
15 現在位置検出部
16 データ記憶部
33、46 ROM
44 車速センサ
81 最適変速段算出手段
82 減速制御実行手段
AR1 高速領域
AR2 中速領域
AR3 低速領域
Claims (1)
- 現在位置を検出する現在位置検出手段と、
道路状況が格納された記憶手段と、
車速を検出する車速検出手段と、
前記現在位置及び道路状況に基づいて最適変速段を算出する最適変速段算出手段と、
前記最適変速段に基づいて選択された変速段の変速出力を発生させる自動変速機制御装置とを有するとともに、
前記最適変速段算出手段は、検出された車速と、コーナを走行する際の推奨車速に基づいて設定された減速線上の現在位置における車速を表す設定値とを比較することによって最適変速段を算出するとともに、検出された車速と、運転者の減速要求に応じて設定された設定速度とを比較することによって、該設定速度によって区画された領域のうちのどの領域に車速が属するかを判断し、運転者の減速要求が強い領域に車速が属する場合に、減速制御を行うために算出された最適変速段を設定し、運転者の減速要求が弱い領域に車速が属する場合に、減速制御を禁止するために算出された最適変速段を設定する減速制御実行手段を備え、
前記運転者の減速要求が強い領域は高速領域及び低速領域であり、
前記運転者の減速要求が弱い領域は中速領域であることを特徴とする車両制御装置。
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