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JP4596776B2 - 微細流体処理方法及びシステム - Google Patents

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Description

本発明は、微細流体処理システムを用いて試料を処理する方法及びシステムに関する。
微細流体デバイスは、通例、微細流路網を含む基板(シリコン、ガラス、セラミック、プラスチック及び/又はクオーツで製作する)で形成され、推進機構の制御の下で流体がこの微細流路網を通過して流れていく。微細流路の少なくとも1つの寸法は、通例、ナノメートル〜100ミクロン単位である。
微細流体デバイスは、従来の大規模計器類に対して様々な利点が得られる。例えば、一般に、大規模機器よりも、これらが必要とする流体試料は遥かに少なくて済み、用いる試薬も大幅に少なくて済み、これらの流体を遥かに高い速度で処理する。微細流体デバイスは、極少量の試料のみを利用すれば、試料に流体処理を行う等によって、この試料の化学的及び物理的特性を判定することができる。
多くの場合、これらの流体処理の精度は、試料と用いる試薬の相対的な量に左右される。例えば、DNA「指紋」のために試料を分析する場合、結果は、試料内にあるDNAを増幅するために用いられる試薬の濃度によって異なる場合がある。したがって、不適当な試料対試薬比率を用いた場合、結果も不正確となる虞れがある。微細流体デバイスは極少量の試料及び試薬を処理するので、用いる試薬又は試料の量における小さな絶対不確実性であっても、微細流体分析の結果に不確実性を招く可能性がある。
微細流体デバイスが処理する試料及び試薬の量の分散(variance)は、色々な発生源から由来する可能性がある。例えば、ある微細流体デバイスは、連続して流れる液体ストリームを扱う。液体の粘度変化が、ストリームの流量を変化させる可能性があり、これに対応して、所定量の物質を微細流量デバイスの所与の位置に導入するために必要な時間も変化する可能性がある。流体流ストリームを用いて微細流体デバイスのある場所から別の場所に試料成分を移動させる場合、試料の希釈が発生する可能性もある。
体液内の細胞の微細流体分析は、分析に利用可能な細胞の数が比較的少なく、このような物質を扱うことが本来困難であるために、特に厄介である。
試料の操作は、微細流体デバイス内部の異なる場所の間で試料を移動させることを伴う場合がある。例えば、ある微細流体デバイスでは、電界を推進機構として用いる。このようなデバイスでは、キロボルト単位の高電圧をデバイス内部の電極間に印加することによって、微細流路内に電界を発生する。電界は流体内のイオンに力を作用させることによって、イオンを推進し微細流路を通過させる。流体自体も、流体内を移動するイオンの運動によって推進する場合がある。
流体を推進させて微細流路を通過させるために、気体圧力も用いられる。あるデバイスでは、微細流体デバイス外部にある加圧気体源を微細流体デバイスに接続して気体圧力を供給し、流体を推進させる。気体圧は、微細流体デバイス自体の内部において加熱チャンバによって発生し、流体を微細流路内に推進させることもできる。
概略的に、本発明の第1の態様は、微細流体システム内において、流体のような試料を移動させるシステム及び方法に関する。一態様において、本発明は、微細流体システム内の異なる位置において圧力を加えることによって、試料を移動させる力を供給する、複数の気体アクチュエータの使用に関する。例えば、一実施形態では、第1気体アクチュエータは、微細流体デバイスの第1位置から第2位置に第1試料を移動させるのに十分な気体圧力を供給する。第2気体アクチュエータは、微細流体デバイスの第3位置から第4位置に別の試料を移動させる気体圧力を供給する。
別の例では、複数の気体アクチュエータが共動して同じ流体試料を移動させる。第1気体アクチュエータが、微細流体デバイスの第1及び第2処理ゾーン間で微細液滴を移動させるのに十分な気体圧力を供給し、第2気体アクチュエータが微細液滴を第3処理ゾーンに移動させる気体圧力を供給する。
好適な実施形態では、複数のアクチュエータが微細流体網と一体化され、この微細流体網を微細流体試料が通過する。例えば、複数の気体アクチュエータは、微細流体網を形成する同じ基板内に製作することができる。このような気体アクチュエータの1つを、第1位置において網に結合し、網内において微細流体試料を移動させる気体圧力を供給する。別の気体アクチュエータは、第2位置において網に結合され、網内において微細流体試料の少なくとも一部を更に移動させる気体圧力を供給する。
別の態様では、本発明は、複数のアクチュエータを備えたバルブの使用に関する。例えば、一実施形態では、バルブを微細流体網に結合し、バルブを閉鎖すると、実質的に第2気体アクチュエータを第1気体アクチュエータから隔離する。このようなバルブは、膨張気体がある方向に移動するのを防止しつつ、それを所望の方向には膨張させることによって、アクチュエータの推進力の方向を制御することができる。また、これらは、微細液滴から上流の区域において気体が消散するのを防止することによって、アクチュエータが微細液滴を推進することができる距離範囲を広げることができる。
本発明の別の態様は、例えば、バクテリアの細胞又は人の細胞を含有する液体のような、粒子含有流体を処理する微細流体システム及び方法に関する。
一態様では、本発明は、粒子含有流体から濃縮粒子試料を調製することに関する。例えば、濃縮試料を調製する微細流体システムは、濃縮ゾーンと、この濃縮ゾーンと流体連通するように配された流通部材とを含む。流通部材は、粒子含有流体が濃縮ゾーンを通過及び流出可能にする一方、粒子含有流体の粒子をゾーン内に蓄積させることによって、濃縮ゾーン内に濃縮粒子試料を備える。流通部材は、細孔のような複数の通路を含むことができ、これらは、流体の通過を可能にする十分なサイズであるが、粒子が通過するには小さすぎるサイズを有する。適した流通部材は、例えば、フィルタ紙のようなフィルタ・エレメント、多孔性ガラス、及び多孔性ゲルで構成される。
微細流体システムは、アクチュエータを含むこともでき、濃縮粒子試料を本質的に希釈せずに、濃縮した粒子試料を濃縮ゾーンから移動させる。一実施形態では、アクチュエータは、気体アクチュエータであり、濃縮ゾーンの上流部分に関与する気体圧力を、下流チャネルに関与する気体圧力に対して増加させることによって、試料を移動させる。例えば、気体アクチュエータは、ある体積の気体と熱的に接触する熱源を含むことができる。熱源を作動させて気体を膨張させることにより、濃縮粒子試料を濃縮ゾーンから、別の流体処理のモジュールを内蔵する位置のような、微細流体システム内の別の位置に移動させるのに十分な気体圧力を発生する。
別の態様では、本発明は、液体内に混入した細胞を含む濃縮粒子試料を処理する微細流体システム及び方法に関する。例えば、このシステムは、濃縮細胞含有試料を受ける崩壊ゾーンと、崩壊機構の近傍にある崩壊位置に濃縮細胞含有試料を配置する位置決めエレメントとを含む。崩壊機構は、DNA又はRNAのような細胞内物質を細胞から放出する。あるいは、崩壊機構は、化学的、熱及び/又は超音波技法あるいはこれらの技法のあらゆる組み合わせを用いても、細胞を崩壊することができる。
一実施形態では、崩壊ゾーンは、細胞含有流体の細胞から細胞内内容物を放出し、次いでこの流体から、細胞から放出した細胞内内容物を含有する微細液滴を調製する。微細液滴は、細胞含有流体の一部のみから調製することが好ましい。例えば、好適な微細液滴は、細胞含有流体の約90パーセント未満を含む。別の実施形態では、崩壊ゾーンは、細胞含有流体の微細液滴を受け、液滴内の細胞の細胞内内容物を放出する。
別の態様では、本発明は、流体内に懸濁する細胞の細胞内内容物を処理する微細流体基板に関する。この基板は、濃縮ゾーン、崩壊モジュール、微細液滴形成モジュール、混合モジュール、及び増幅モジュールを含む。濃縮ゾーンは、細胞含有流体から濃縮粒子試料を調製する。崩壊モジュールは、濃縮ゾーンに結合されて濃縮粒子試料を受け、試料内にある細胞から細胞内物質を放出することによって、崩壊試料を形成する。次に、微細液滴形成モジュールは、崩壊試料から流体の第1微細液滴を形成し、これを混合モジュールに転送し、試薬の微細液滴と混合させる。増幅モジュールは、混合物から形成された微細液滴内の細胞内物質を増幅する。
本発明の別の態様は、例えば、バクテリア細胞又は人の細胞を含有する液体のような、細胞含有流体を処理する微細流体システム及び方法に関する。例えば、このシステムは、細胞含有試料を受ける崩壊ゾーンと、崩壊機構の近傍にある崩壊位置に細胞含有試料を位置付ける位置決めエレメントとを含む。崩壊機構は、DNA又はRNAのような細胞内物質を細胞から放出する。一実施形態では、崩壊機構は、細胞から細胞内内容物を放出するのに十分な電界を発生する電極を含む。あるいは、崩壊機構は、化学的、熱及び/又は超音波技法あるいはこれらの技法のあらゆる組み合わせを用いても、細胞を崩壊することができる。
一実施形態では、崩壊ゾーンは、細胞含有流体の細胞から細胞内内容物を放出し、次いでこの流体から、細胞から放出した細胞内内容物を含有する微細液滴を調製する。微細液滴は、細胞含有流体の一部のみから調製することが好ましい。例えば、好適な微細液滴は、細胞含有流体の約90パーセント未満を含む。別の実施形態では、崩壊ゾーンは、細胞含有流体の微細液滴を受け、液滴内の細胞の細胞内内容物を放出する。
位置決めエレメントは、崩壊機構の近傍に細胞含有流体試料を配置し、崩壊機構が細胞から細胞内物質を放出できるようにする際に補助する。これらのエレメントは、バルブとは異なる動作を行うことが好ましい。バルブは、当該バルブに隣接する上流及び下流位置間で物質の通過を完全に遮断する。これに対して、位置決めエレメントは、通例、所望の位置(崩壊位置)で流体流に抵抗を与えることによって、流体の配置を制御する。
一実施形態では、位置決めエレメントは、崩壊機構の下流側に配され、細胞含有試料(微細液滴のような)の上流側部分を崩壊位置に位置付ける。位置決めエレメントは、好ましくは、細胞含有試料の下流側表面の表面聴力を含むことにより、試料の下流側への移動を妨げる。例えば、位置決めエレメントは、疎水性物質のような、ある量の湿潤低下物質を含み、細胞含有微細液滴の下流側表面の一部と接触するように配置されている。
別の実施形態では、位置決めエレメントは、崩壊ゾーンの上流側に配され、細胞含有微細液滴の下流側部分を崩壊位置に位置付ける。位置決めエレメントは、通気孔を含み、これが細胞含有液滴の上流側の気体圧力を細胞含有微細液滴の下流側の気体圧力と実質的に等しくすることによって、細胞含有微細液滴の下流側への移動を停止する。微細液滴が崩壊位置にあるとき。好ましくは、バルブは、続いて崩壊ゾーンと通気孔との間にある通路を塞ぐように配され、上流側気体圧力が再度液滴を更に下流側に移動させ、次の処理を行う。例えば、微細流体システムは、濃縮ゾーン及び/又は崩壊ゾーンの下流側に混合ゾーンを含み、これらのゾーンから出現した微細液滴を、所定量の試薬材料と混合する。
別の態様では、本発明は、流体内に懸濁する細胞の細胞内内容物を処理する微細流体基板に関する。この基板は、崩壊モジュール、微細液滴形成モジュール、混合モジュール、及び増幅モジュールを含む。崩壊モジュールは、試料内の細胞から細胞内物質を放出することにより、崩壊試料を形成する。微細液滴形成モジュールは、次に、崩壊試料から流体の第1微細液滴を形成し、これを混合モジュールに転送して、試薬の微細液滴と混合する。増幅モジュールは、混合によって形成された微細液滴内にある細胞内物質を増幅する。
以下に、図面を参照しながら本発明について説明する。
本発明は、試料や試薬のような物質を処理する微細流体システム及び方法に関する。更に特定すれば、本発明の一態様は、微細流体システム及び微細流体システムにおいて流体を移動させる方法に関する。以下に記載する一実施形態では、流体は、流体と共に移動し易い粒子を含む。粒子含有流体の流体成分は、気体、又は、好ましくは、液体である。粒子含有流体の粒子は、好ましくは、バクテリアの細胞、又は人のような動物の細胞といった、細胞全体である。しかしながら、これらは、このような細胞からの細胞内物質も含むことができる。例えば、本発明のシステムは、バクテリアの細胞の試料を処理して、バクテリアが病原性か否か判定する際に用いることができる。
A.システムの概要
図1は、微細流体デバイス110と対応するカートリッジ120とを含む微細流体システム100を示し、これらは、コンピュータ127ならびにデータ取得及び制御ボード(DAQ)126の制御の下で1つ以上の流体試料を受け取り、試料を処理する。
コンピュータ127は、好ましくは、ユーザに所望の動作を選択させるユーザ・インターフェースを供給したり、選択した動作についてDAQ126に通知したり、このような動作の結果をユーザのために表示するというような、上位機能を実行する。これらの動作は、例えば、微細流体デバイスの種々の処理ゾーン内において試料に処理工程を受けさせることを含む。コンピュータ127を携帯用コンピュータとすれば、微細流体システムの持ち運びを容易にすることができる。
コンピュータ127は、接続部128を介して、DAQ126に接続されている。接続部128は、データI/O、電力、接地、リセット、及びその他の機能性接続を設ける。あるいは、コンピュータ127とDAQ126との間にワイヤレス・リンク132を設け、ワイヤレス・エレメント132(a)及び132(b)を介して、データ及び制御信号の交換を行うようにしてもよい。データ・リンクがワイヤレス・リンクの場合、例えば、DAQ126は、バッテリのような別個の電源を有するとよい。
一般に、DAQ126は、コンピュータ127から受け取る上位命令に応じて、微細流体デバイス110の動作を制御する。更に具体的には、コンピュータ127が要求する所望の動作を実現するために、DAQ126はしかるべく電気制御信号を、接点125を介してカートリッジ120に供給する。
カートリッジ120は、DAQ126と微細流体基板110との間で電気信号及び光信号のための電気及び光接続部121を設けることによって、DAQ126が基板の動作を制御できるようにしている。
チップ・キャリア・カートリッジ120は、DAQ126のインターフェース・ハードウェア・レセプタクルに挿入(又は離脱)されるように示されており、チップ・キャリア・カートリッジ120の対応する接点121と一致するように標準化された電気及び光接点125を有する。殆どの接点は電気信号用であるが、ある接点は、光学的監視用微細流体プロセッサ又は光励起微細流体プロセッサの場合には、光信号(IR、可視、UV等)用である。あるいは(図示せず)、DAQ126全体を単一のASICチップとし、これをチップ・キャリア・カートリッジ120に組み込んでも良く、その場合、接点121、125は、プリント回路基板上で導電性経路となる。
B.微細流体デバイス
図2は、好ましい形式の微細流体デバイスの概略構造を示す。このデバイスは、上側基板130を含み、これが下側基板132に接合されて、流体網を形成する。
図2に示す上側基板130は、好ましくは、ガラスで形成され、その底面136に微細流体網134を有する。シリコン、ガラス、セラミック、プラスチック、及び/又は水晶で構成された基板も、本発明に関しては受け入れ可能であることを当業者は認めるであろう。
微細流体網は、複数のゾーンを含む。ゾーンの数、及び微細流体網の全体的な形状(topology)は、微細流体デバイスが実行するように設計された個々の用途によって異なる。微細流体デバイスのゾーンの断面形状は、全体的に円弧状又は全体的に多角形というように、いずれでもよい。例えば、ゾーンは、チャネル、チャンバ、又はその他の実質的に密閉された空間を含むことができる。「実質的に密閉された」によって、物質は所定の通路を通じてのみそのゾーンに流入及び流出することを意味する。このような通路の例には、チャネル、微細チャネル等を含み、種々のゾーンを相互接続する。ゾーンは、好ましくは約250μm未満のような、又は更に好ましくは約75μm未満のような、少なくとも1つの微細規模の寸法を有する。
微細流体網のチャネル及びチャンバは、既知のリソグラフィ技法を用いて、上側基板130の底面136にエッチングされている。更に特定すれば、不透明な部分を含む透明なテンプレート又はマスクを用いて、基板の表面上に物体を光学的に定義する(photo-define)。テンプレート上のパターンは、コンピュータ支援設計プログラムによって生成され、1ミクロン未満の線幅で、構造を描画することができる。一旦テンプレートを生成したなら、これは、同一の複製構造を生産するためにほぼ無限に用いることができる。その結果、非常に複雑な微細流体網でさえも、単位当たりの増分コストを低く抑えて、大量に再生産することができる。あるいは、プラスチック材料を用いると、射出成形技法を用いて上側基板を形成することができ、成形プロセスの間に微細チャネルが形成される。
下側基板132は、ガラス基体138と、酸化物層140とを含むことができる。酸化物層40内には、抵抗性ヒータ142と電気リード144とが、フォトリソグラフィ技法を用いて形成されている。リード144が端子146に接続し、端子146は基板の縁端に露出しており、これによって、DAQ126によりヒータを制御させることができる。更に特定すれば、ヒータ142を活性化するには、DAQ126は電圧を1対の端子146に(カートリッジ120を介して)印加し、リード146及びヒータ142を通る電流を供給することにより、抵抗性ヒータ・エレメント142を加熱させる。
金属製ヒータ・エレメント142が配置されており、上側及び下側基板を互いに接合すると、ヒータは、上側基板の流体網のある領域の直下に位置し、これらの領域の内容物を加熱できるようになっている。酸化シリコン層140は、加熱エレメント142が微細流体網内の物質と直接接触するのを防止する。
酸化物層140、加熱エレメント142、及び抵抗性リード144は、微細流体網をエッチングする際に用いるような、周知のフォトリソグラフ技法を用いて製作する。
図3は、微細流体デバイス110の包括的な図である。図示のように、基板は、試料入力モジュール150と試薬入力モジュール152とを有し、試料及び試薬物質をデバイス110にそれぞれ入力することができる。好ましくは、入力モジュール150、152は、コンピュータ制御研究室ロボット154を用いて、自動物質入力を可能とするように配置する。
また、基板は、試料及び試薬物質を処理する、プロセス・モジュール156、158、160、166及び162も含む。これらのプロセス・モジュールの中で、試料は、種々の物理的及び化学的処理工程を受ける。例えば、濃縮モジュール156は、比較的高い濃度の細胞粒子を有する流体試料を調製し、崩壊モジュール160は、細胞内物質を細胞粒子から放出し、混合モジュール166は、得られた試料をある試薬と混合する。別の一例として、増幅プロセス・モジュール162を用いれば、試料内の極少量のDNAを増幅し検出することができる。
微細流体デバイスの種々のモジュールは、チャネル164等によって接続され、物質がデバイス110内部のある場所から別の場所に移動できるようになっている。微細流体デバイスと連動するアクチュエータ168、170、172は、気体圧力のような起動力を発生し、試料及び試薬物質をチャネル及びゾーンに沿って移動させる。例えば、第1アクチュエータ168は、物質をプロセス・モジュール156からプロセス・モジュール158に下流に向けて移動させる。プロセス・モジュール158内における処理が完了すると、第2アクチュエータ170が混合プロセス・モジュール160に向けて下流側に物質を移動させる。続いて、アクチュエータ170又は追加のアクチュエータが物質を混合モジュール166に移動させ、ここで物質は、アクチュエータ172によって移動させられる試薬と混合する。最終的に、アクチュエータ172、又は別のアクチュエータが混合物質をモジュール162に移動させる。
各アクチュエータは好ましくはデバイス110のモジュールの部分集合のみにおける物質の移動を担当するので、単一のアクチュエータがデバイス全体に及ぶ物質の移動を担当する場合よりも正確に制御することができる。アクチュエータを含む、微細流体デバイス110の種々の機能的エレメントは、好ましくは、コンピュータ制御下にあり、自動試料処理及び分析を可能にする。
C.多数のアクチュエータ
微細流体デバイス110の種々のアクチュエータは共動して、微細流体デバイス110の異なる場所の間で物質を移動させる。例えば、アクチュエータ168は、濃縮試料のような物質を、濃縮ゾーン931と微細液滴調製モジュール158との間で移動させる。アクチュエータ170は、濃縮試料から微細液滴を調製し、そうしつつ、微細液滴を崩壊ゾーン950に移動させる。アクチュエータ170は、崩壊ゾーン950から混合モジュール166に物質を移動させるために用いられる。しかしながら、別のアクチュエータを崩壊ゾーン950と微細液滴調製ゾーンとの中間に配置し、崩壊させた試料を混合モジュール166に向けて下流に移動させてもよいことを注記しておく。
また、デバイス110のアクチュエータは、2種類の物質量を同時に移動させる際にも共動することができる。例えば、前述のように、アクチュエータ172及びアクチュエータ170は共動して、試薬と崩壊された微細液滴とを混合する。このような共動アクチュエータは、互いに独立して制御し、適正な混合を確保することができる。例えば、一方の物質の方が粘度が高いことがわかっている場合、その物質を移動させる起動力を、他方の物質を移動させる移動力とは独立して増大させることができる。
微細流体デバイス110の多数のアクチュエータ及びモジュールは、好ましくは、動作的に接続可能であり、微細流体デバイスのバルブによって隔離可能とする。例えば、バルブ915、216のいずれかが閉鎖状態にあると、微細液滴調製モジュール170を濃縮モジュール156から隔離する。このように、1つ以上のアクチュエータを用いて、微細流体デバイス110内の所定の場所間で物質を移動させることができ、動作的に隔離されたモジュール内にある物質を乱したり、これに接触することはない。所望のモジュールを動作的に接続したり分離することができると、多くのプロセス機能を有する微細流体デバイスにおいては有利である。更に、これらのバルブは、膨張気体がある方向に移動するのを防止しつつ、所望の方向にこれを膨張させることによって、アクチュエータの推進力の方向も制御する。これによって、気体が微細液滴から上流の区域においてある方向に散逸することを防止して、アクチュエータが微細液滴を推進できる範囲が広がることになる。
以下では、複数の処理モジュール、即ち、濃縮ゾーン915、微細液滴調製モジュール158、細胞崩壊モジュール160、混合モジュール166、及びDNA操作モジュール167を有する実施形態の一例における、このような多数のアクチュエータの共動的動作を、例を上げて説明する。
1.濃縮モジュール
a.濃縮モジュールの構造
図4及び図5を参照すると、微細流体デバイス901は、受け取った試料を濃縮する濃縮モジュール156を含む。これらの試料は、バクテリア細胞含有流体のような、粒子含有流体を含む。概略的に、濃縮モジュール156は、入力モジュール150の入力ポート180から粒子含有流体の流れを受け、この流体にそのゾーンを通過させつつ、ゾーン内に粒子を蓄積する。このようにして、ゾーンを通過する流体が多い程、モジュール内における粒子の濃度が高くなる。得られた濃縮流体試料のことを、ここでは、濃縮粒子試料と呼ぶ。
濃縮モジュールは、濃縮ゾーン931(図5)、流通部材(flow through member)900、バルブ915、919、及び試料導入チャネル929を含む。バルブ919は、流通部材900とアクチュエータ168の間に図示のように接続されており、バルブ915は、流通部材と、プロセス・モジュール158に通じる下流チャネル937との間に接続されている。これらのバルブは、2001年9月9日に出願された同時係属中の米国特許出願第09/953,921号において論じられている熱作動バルブのような、微細流体デバイスにおける使用に適したものであればいずれのものでもよい。バルブは、開放及び閉鎖状態間で逆転可能であれば、濃縮モジュール931の再利用が可能となる。
流通部材も、試料導入チャネル929を通じて試料入力モジュール150に接続され、流体が濃縮ゾーンを通過することを可能にする。バルブ913は、この試料導入チャネルに接続され、この入力ポートからの流体の流入及び流出を制御する。
図5は、濃縮ゾーンの断面図であり、流通部材を更に詳細に示す。図示のように、流通部材900は、第1及び第2表面941、943を有する。第1表面941は、好ましくは、濃縮チャンバ931に隣接する。第2表面941は、好ましくは、流通部材900によって、濃縮チャンバ931から離間されている。流通部材900は、好ましくは、例えば、直径が約2ミクロン未満、例えば、約0.45ミクロンの細孔のような、濃縮する粒子の直径よりも小さい通路を有する材料で形成する。流通部材900を構成するのに適した材料は、例えば、紙又は繊維のようなフィルタ媒体、通路網を有するポリマ、及びガラス・フリットのようなガラス状材料が含まれる。
図6及び図7は、上側基板130の断面図を示し、濃縮ゾーン931を図示する。図示のように、流体は表面941を通って濃縮ゾーン931から流出し、流通部材900を通過し、空間400に流入する。空間400は、吸収材402を含み、流出する流体を吸収することができる。このように、空間400は、好ましくは、実質的に自己充足領域を設け、その中で、濃縮ゾーンから流出する流体を、微細流体システム100の外部とは接触することなく、収集することができる。
空間400は、上側基板130の製造中に形成される。先に論じたように、ゾーン及びチャネルのような微細流体構造は、基板130の表面136に作られる。しかしながら、空間400は、表面137に作られ、好ましくは、基板130の他方側、即ち、反対側の表面136に配置される。こうすると、表面136を下側基板132と合わせたときでも、流体は流通部材900を通って濃縮ゾーン931から流出することができる。
流通部材900及び吸収材402は、基板130内に位置付けるために、接着剤やその他の締結具を必要としない。むしろ、流通部材900及び吸収材402は、空間400に実質的に対応する形状及びサイズに形成することができる。これにより、流通部材900及び吸収材402が一旦空間400内に配置されると、摩擦がこれらを適所に保持する。流通部材900と基板130との間の位置404におけるいずれの残留空隙も非常に小さくして、粒子が空隙404を通って濃縮ゾーン931から流出することが妨げられるようにしなければならない。当然、接着剤又はその他の締結手段を用いて、流通部材900又は吸収材402を固着してもよい。
代替実施形態では、流通部材は、細孔又はその他の通路を基板内に導入する化学的エッチングのような、微細製造技法を用いることによって、基板と一体的に形成する。細孔は、濃縮ゾーン931と基板の外部との間に流体路を設ける。
b.濃縮モジュールの動作
試料を濃縮するために、デバイス901は以下のように動作する。図4を参照すると、バルブ915、919は初期状態では閉じており、バルブ913は開いている。粒子含有流体を入力ポート180に導入する。バルブ913が開いているので、試料はチャネル929に沿って通過し、濃縮ゾーン931に達する。あるいは、濃縮ゾーン931は、注入等によって、試料を直接受けるように構成することも可能である。バルブ915及び919は閉じているので、流体は実質的にアクチュエータ977及び下流チャネル937に逃げることが阻止される。
このように、流通部材900は、流体が濃縮チャネルから流出する経路のみを設けられる。流体は、表面941を通過し、第2表面943を通って濃縮ゾーン931から流出し、一方粒子はゾーン内に蓄積する。濃縮ゾーン931は、したがって、濃縮チャンバ931の容積よりも大きい体積の流体を受けることができる。つまり、流体がチャンバを通過するに連れて、チャンバ内の粒子の濃度は、試料入力において供給される粒子含有流体における濃度に比較して、高くなる。粒子が細胞の場合、ゾーン931内における細胞の濃度即ち数は、下流の処理モジュールにおいて細胞から放出したポリヌクレオチドの重合酵素連鎖反応(PCR:polymerase chain reaction)分析を行うことができる程度となることが好ましい。
こうして、濃縮ゾーン931は、その中で受けた粒子含有流体の粒子から、濃縮粒子試料を調製する。濃縮粒子試料の流体体積に対する粒子の比率(PPVF)は、濃縮ゾーンが受けた粒子含有流体の対応する比率よりもはるかに高くなっている。濃縮粒子試料のPPVFは、粒子含有流体のPPVFよりも、好ましくは少なくとも25倍、好ましくは約250倍、更に好ましくは約1,000倍である。
十分な体積の粒子含有流体を濃縮ゾーン931によって受けた後、バルブ913を閉鎖することによって、流体のそれ以上の濃縮ゾーンへの流入を阻止し、ゾーン931内の物質が試料導入ポート180に戻るのを防止する。次いで、バルブ915、919を、好ましくは、連動する熱源を作動させて、開放する。バルブ919が開くと、アクチュエータ168は濃縮試料を押し出すことができ、バルブ915は濃縮試料を下流に移動させることができる。
アクチュエータ168が発生する起動力は、濃縮粒子試料を濃縮ゾーン931から移動させる。アクチュエータ168は、好ましくは、気体アクチュエータであり、ある体積の気体977と熱的に連通する、熱源975の作動時に気体圧力を供給する。熱源975の作動によって温度が上昇し、したがって、気体977の圧力も上昇する。流通部材及びその中の流体は、実質的に気体が濃縮ゾーンから逃げ出すのを防止する。このため、得られた気体圧力は濃縮粒子試料を濃縮ゾーン931から下流に移動させる。
気体アクチュエータは、化学的圧力発生のような、代替圧力発生技法に役立つエレメントを含むこともできる。別の実施形態では、アクチュエータは、濃縮ゾーンの上流部分に関与する気体の体積を減少させることによって、試料間に差圧を生じさせて、試料を濃縮ゾーンから移動させる。このようなエレメントの一例は、プランジャやダイアフラムのような、機械式アクチュエータである。
濃縮ゾーンから上流に正圧力を発生する代わりに、気体アクチュエータは、このゾーンから下流の圧力を上流の圧力に対して低下させることもできる。例えば、気体アクチュエータは、このゾーンの下流部分に関与する体積の気体に熱的に接触する冷却エレメントを含むことができる。冷却エレメントを作動させて気体を収縮させると、濃縮ゾーンの上流及び下流部分の間に気体圧力差が生じ、濃縮粒子試料を濃縮ゾーンから移動させる。あるいは、機械式アクチュエータを用いて、濃縮ゾーンの下流部分に関与する気体の体積を増大させることによって、気体の圧力を減少させて、濃縮粒子試料を濃縮ゾーンから移動させることもできる。
濃縮粒子試料は、その希釈が実質的に起こらずに下流に移動する、即ち、濃縮粒子の濃度が濃縮ゾーン931からの移動時に実質的に低下しないことが好ましい。つまり、本発明の濃縮チャネルからの粒子の取り出しは、濃縮チャネルに導入された粒子含有流体の流体とは異なる流体で粒子を希釈したり、それ以外でこれらを接触させる必要はない。対照的に、表面吸着によって物質を濃縮するシステムでは、吸着した物質を取り出すには、溶出流体が必要であり、これを接触させることによって物質を希釈する。
本発明において、濃縮ゾーンから取り出すときに、濃縮粒子試料は、下流チャネル937によって受けられることが好ましい。下流チャネル937は、他の処理モジュールに至り、このモジュールが濃縮粒子試料の別の処理を実行する。図3の実施形態では、濃縮粒子試料は、微細液滴調製モジュール158によって受け入れられ、濃縮粒子試料の一部から成る微細液滴試料を調製する。
2.微細液滴調製モジュール
a.微細液滴の特性
微細液滴802は、例えば、約1.0ピコリットル及び約0.5マイクロリットルの間の所定の体積を有する離散試料である。つまり、微細液滴調製モジュールが調製する微細液滴は、更に別の処理のために既知量の試料を供給する。微細液滴調製モジュールが調製する微細液滴の体積は、好ましくは、微細液滴の流体の粘度、導電性、及び浸透力とは本質的に独立している。
微細液滴802は、好ましくは、それぞれの気体液体界面804、806によって各々形成される上流及び下流境界によって規定される。界面の液体は、微細液滴を形成する液体の表面によって形成される。界面の気体は、微細流体デバイス901のチャネル微細流体内に存在する気体である。
b.微細液滴調製モジュールの構造及び動作
図8a、図8b及び図9a、図9bを参照すると、微細液滴調製モジュール158は、その中に受け入れた微細流体試料から微細液滴802を調製する。このモジュールは、微細液滴調製ゾーン800、位置決めエレメント979、気体アクチュエータ170、及びバルブ216を含み、これらが共動して、濃縮ゾーンから受け取った微細流体試料から微細液滴800を調製する。
先に説明したように、濃縮ゾーンのアクチュエータ168は、濃縮試料を微細液滴調製ゾーン800に押し込む。濃縮試料は、位置決めエレメント979に達するまで移動する。一般に、位置決めエレメントは、微細流体試料の下流への進行を妨げることによって、試料を所望の場所に位置付ける。しかしながら、以下で更に詳しく説明するが、位置決めエレメントは、試料の進行を永続的に妨げる訳ではない。逆に、所定の時間の後、微細流体試料を下流に流出させる。
位置決めエレメント979に達した微細流体試料808の先端は、気体アクチュエータ170の開口920から下流に位置する。したがって、微細流体試料808の第1部分821は、開口820の上流に配され、微細流体試料808の第2部分は開口820から下流に配される。
図8a及び図8bを参照すると、気体アクチュエータ170は、DAQ126等によって作動され、これによって微細流体試料808の第2部分822から微細液滴802を分離するのに十分な気体圧力を発生する。この気体圧力は、好ましくは、熱源958の作動によって供給する。熱源958は、気体アクチュエータ957に関与する体積の気体を加熱する。圧力が上昇するに連れて、気体が膨張し、これによって微細液滴802を試料808の残り部分から分離する。微細液滴802は、微細液滴調製ゾーン800が受け入れた微細流体試料808の75%未満、又は50%未満というような、一部のみで構成すればよい。微細液滴802の寸法は、流体バリア979と開口820との間のチャネルの容積によって決定される。例えば、均一の断面積を有するチャネルでは、微細液滴802の長さlは、位置決めエレメント979と開口820との間の距離dに対応する。このように、微細流体デバイスは、流体バリアと対応するアクチュエータの開口との間の長さを変化させることによって、あらゆる体積の微細液滴でも調製するように構成することができる。
気体アクチュエータ170を連続的に作動することによって、位置決めエレメントの979の抑制的効果を克服し、これによって微細液滴802を微細液滴調製ゾーン800の下流位置まで駆動し、一方微細流体試料の第2部分822は微細液滴802から細胞崩壊モジュール160まで上流に向かって移動する。
3.細胞崩壊モジュール
図3を再度参照すると、崩壊モジュール160が、微細液滴調製ゾーン800調製した微細液滴802を受ける。概略的に、崩壊モジュール160は、細胞から細胞内物質を放出することによる等で、粒子の内側から物質を放出する。
図4及び図12に示すように、崩壊モジュール160は、崩壊ゾーン950、崩壊ゾーン内部にある(電極954のような)崩壊機構、及び崩壊ゾーンの上流に位置する通気位置決めエレメント200を含む。崩壊機構は、好ましくは、崩壊ゾーンにおいて電界を発生するための1組の電極又はその他の構造を含む。通気位置決めエレメントは、好ましくは、通気孔202、バルブ204、及び流体が通気孔内に流入するのを妨げる第2位置決めエレメント206を含む。
先に説明したように、微細液滴調製モジュール158のアクチュエータ170は、微細液滴を細胞崩壊モジュール160内に送り込む。微細液滴がモジュール160内に移動すると、通気位置決めエレメント200は、微細液滴802を電極954に対して崩壊位置に位置付ける。更に具体的には、微細液滴が崩壊モジュール160内に到達すると、位置決めエレメント200の開口を通過する。何故なら、第2位置決めエレメント206は微細液滴が通気孔202に流入するのを妨げるからである。微細液滴の後端がバリア200の開口を通過すると、アクチュエータ170からの推進気体が通気孔202を通じて消散し、これによって液滴802の上流側の気体圧力を微細液滴802の下流側の圧力と実質的に等しくする。このため、微細液滴は、バリア200の丁度下流にある崩壊位置において移動を停止する。好ましくは、崩壊位置において、微細液滴802の実質的に全てが電極954の上流縁212と下流縁との間に配される。
微細液滴802が細胞崩壊位置に置かれた後、DAQ126のパルス回路がパルス状電圧信号を電極954間に供給する。これに応答して、電極954は電極の近傍にパルス状電界を発生する。微細液滴はこの近傍に位置するので、微細液滴内の細胞はパルス状電界を受ける。好ましくは、微細液滴の細胞の、約75%よりも多いというような、実質的に全てが、その中から細胞内部物質を放出するのに十分な電界を受ける。このように、崩壊モジュールは、所定量の試料を含む崩壊微細液滴を調製する。
好ましいパルス回路を図14に示す。概略的に、この回路は、一連の電圧パルスを発生し、電極954の近傍に対応する一連の電界パルスを生成し、微細液滴内の細胞から所望量の細胞内物質を放出するのに十分な振幅及び期間を有する。
崩壊微細液滴内に存在する細胞内物質を利用して、次の処理工程に進むことができる。例えば、細胞から放出されたDNA及び/又はRNAは、重合酵素連鎖反応(ポリメラーゼチェーン反応)による増大に利用することができる。ここで用いる場合、崩壊という用語は、細胞が完全に破壊されなければならない訳ではない。逆に、崩壊は、細胞内物質の放出を意味する。例えば、細胞を破壊する代わりに、電界は、メンブレーンの永久的な破壊を伴わずに細胞内物質の放出を可能にする量だけ、細胞膜の穿孔を増大させればよい。
他の崩壊機構も、細胞から細胞内物質を放出するために用いることができる。例えば、物質を放出するには、例えば、浸透衝撃又は圧力を含むその他の力を細胞に加えればよい。界面活性剤、溶剤、及び抗生物質から成る群から選択した化学薬品を細胞と接触させてもよい。機械的剪断方法も、細胞内物質を放出するために用いることができる。
崩壊した微細液滴は、下流に向けて混合モジュール160に移動し、次の処理を受けることができる。崩壊微細液滴を下流に移動せるために、崩壊ゾーン950の上流に配置されているバルブ216を閉鎖する。バルブ204も閉鎖して、気体が通気孔を通じて崩壊ゾーン950から流出するのを防止する。次いで、前述のようにアクチュエータ170を作動させて、崩壊微細液滴を崩壊ゾーン950の下流に移動させるのに十分な気体圧力を供給する。
代替実施形態では、図13a及び図13bに示すような崩壊モジュール300は、体積が確定できない微細流体試料306から所定の体積の崩壊微細液滴304を調製するように構成された崩壊ゾーン302を含む。崩壊ゾーン302は、好ましくは、電極308のような崩壊機構を含む。電気リード310が、接点112、チップ・キャリア120、及び接点125を通じてDAQ126のパルス回路への接続を設ける。位置決めエレメント312が、崩壊ゾーン302の下流に配されている。アクチュエータ314が崩壊ゾーンの上流に配されている。アクチュエータ314は、好ましくは、第2位置決めエレメント316を含み、微細流体試料からの流体がその中に入るのを防止する。
崩壊ゾーン302は次のように動作する。微細流体試料306は、崩壊ゾーン302に流入し、微細流体試料306の下流側界面316が位置決めエレメント312に達するまで、下流に移動する。位置決めエレメント312は、好ましくは、微細流体試料306の下流側界面の表面張力を高めることによって、それ以上の下流側への移動を妨げ、微細流体試料の一部を、電極308に対して崩壊位置に位置付ける。崩壊位置は、アクチュエータ314の下流側で位置決めエレメント312の上流側に配された微細流体試料の一部の場所として定義される。好ましくは、アクチュエータ314及び位置決めエレメント312は、電極308に隣接して配置され、崩壊位置にある物質の実質的に全てが、電極308を作動させたときに、電界を受けるようにする。
前述の実施形態における電極308の駆動によって、崩壊位置にある微細流体試料の前述の部分にある細胞から細胞内物質を放出するのに十分な電界を発生する。一旦、十分な量の細胞内物質が放出されたならば、アクチュエータ314を作動させて、微細流体試料306から崩壊微細液滴304を調製する。アクチュエータ314は、好ましくは、混合モジュール166のような、微細流体デバイスの下流部分に崩壊微細液滴304を移動させるのに十分な気体圧力を供給する。
4.混合モジュール及び試薬入力モジュール
再度図4を参照すると、崩壊モジュール160によって調製された崩壊試料は、混合モジュール166によって受け取られる。混合モジュール166は、混合ゾーン958を含む。このゾーンでは、たとえば、試薬源モジュール152から受けたある量の試薬と混合して、崩壊細胞試料を接触させる。試薬源モジュール152は、試薬微細液滴調製ゾーン(RMPZ)434を含み、これは、所定の体積の試薬を有する微細液滴を調製するように動作することが好ましい。
a.試薬入力モジュール
試薬入力モジュール152は、本質的に、微細液滴形成モジュール158と同一であるが、細胞崩壊モジュール160からの微細液滴と混合したときに、試薬の試料に対する所望の比率が得られる、所定の体積を有する試薬の微細液滴の形成のために特別に設計されている。モジュール152は、入力ポート420、バルブ422、及びアクチュエータ172を含み、その各々は試薬源チャネル428に合流する。同様に試薬源チャネル428に合流するオーバーフロー・チャネル424も設けてもよい。アクチュエータ172は、液体がその中に流入するのを防止するために、第2位置決めエレメント432を含むことができる。
試薬材料は、好ましくは少なくとも1種類の液体から成り、ピペット又はシリンジ等によって、入力ポート420を通じて導入する。適した試薬材料の例には、酵素のような、崩壊細胞試料の今後の処理を促進する物質や、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によってその中のDNAを増幅するその他の材料が含まれる。試薬材料は、試薬材料の下流部分が位置決めエレメント426に接触するまで、試薬源チャネル428内を下流に向かって移動する。試薬源モジュール内で受け取られ続ける追加の試薬材料はいずれも、オーバーフロー・チャネル424に流入することが好ましい。試薬の導入が完了したなら、バルブ422を閉鎖して、試薬が試薬ポート420を通じて試薬源チャネルから流出するのを防止する。
b.混合モジュール
混合モジュールの混合ゾーン958は、隣接する第1及び第2チャネル410、412を含む。混合ゾーン958に向かって下流側に移動する物質は、互いに接触し、その中で混合することが好ましい。混合ゾーン958の寸法が微細規模であるため、試料及び試薬材料は、機械的な撹拌のような、その他の質量輸送源がなくても、拡散によって混合することが好ましい。しかしながら、音響波のような撹拌力を加えると、混合ゾーン958における混合が強まることは言うまでもない。
c.混合モジュール及び試薬入力モジュールの動作
試薬源モジュール152及び混合モジュールは166は、好ましくは、以下のように動作する。崩壊ゾーン950からの崩壊試料を試薬材料と混合する用意ができたなら、アクチュエータ172を作動させて、試薬の微細液滴を調製する。試薬の微細液滴は、アクチュエータ172の開口430の下流及び位置決めエレメント427の上流にある試薬材料の部分から調製する。したがって、試薬源チャネル428の寸法が一定であると仮定すると、試薬の微細液滴の体積は、位置決めエレメント426とアクチュエータの開口430との間の距離によって決定される。
試薬の微細液滴は、試薬混合ゾーンのチャネル412に向かって下流側に移動する。その間、崩壊微細液液のような、崩壊物質の試料は、崩壊ゾーン950から混合ゾーン958のチャネル410に向かって下流側に移動する。アクチュエータ170は、崩壊微細液滴を下流に移動させる起動力を供給することができる。あるいは、先に論じたように、崩壊ゾーン950の上流側で、かつアクチュエータ170の下流側に別のアクチュエータを設けて、必要な起動力を供給することもできる。
試料及び試薬材料は、混合ゾーン958の下流チャネル438に流入し、これらの物質が接触し混合する。崩壊試料及び試薬材料の双方は微細液滴の形態で混合するので、混合ゾーン958は、所定の試料対試薬比を有する、ある量の混合物質を調製する。微細流体デバイス110内で調製される微細液滴の体積は、微細液滴の粘度、導電性、浸透力というような物理的特性とは独立していることが好ましい。このように、混合ゾーン958は、ある量の混合物質を調製し、その試料対試薬材料比も、混合物質の物理的及び化学的特性とは独立している。通気孔440は、微細流体デバイス110の種々のゾーンの下流側にあり、下流側で蓄積される圧力が、微細流体デバイス110内部における試料の下流への移動を妨げないことの確証を得る。
5.DNA操作モジュール
混合した崩壊細胞試料及び試薬は、DNA操作モジュール162のDNA操作ゾーン971内に受け入れられる。モジュール162は、例えば、DNA物質の抑制、消化、連結、混成化、及び増幅を実行することができる。一実施形態では、DNA操作ゾーン971は、崩壊細胞試料内に存在する核酸のPCR増幅を実行するように構成されている。通気孔440が、崩壊細胞試料及び試薬が導入されるに連れてゾーン971内で圧力が上昇するのを防止する。DNA操作モジュール162のバルブ972及び973を閉鎖すれば、その中のゾーンにある物質が、PCR増幅の間、蒸発などによって出ていくのを防止することができる。DNA操作ゾーンには、コンピュータ127の制御下にある熱源が設けられており、増幅の間DNA操作ゾーンの熱サイクルを可能にしている。これは、当業者には理解できるであろう。
システム901は、PCRによって生成される増幅ポリヌクレオチドの存在を検出する検出器981も含む。検出器981は、好ましくは、光ファイバ981等によって、ゾーン971と光学的に連通する光検出器である。レーザ・ダイオードのような光源が、光をDNA操作ゾーン971に導入し、その中に存在する増幅ポリヌクレオチドの量を示す蛍光を発生する。この蛍光は、増幅時にポリヌクレオチドに関与し試薬に含まれる蛍光タグから発生する。
D.好ましい位置決めエレメント
好ましい位置決めエレメントについて、以下に論ずる。
1.非湿潤性位置決めエレメント
位置決めエレメント979は、微細流体試料と接触するように配された非湿潤性材料で形成することができる。非湿潤性材料の物理化学特性は、微細流体試料を形成する液体の種類を考慮する際に選択する。例えば、微細流体試料が水溶性試料である場合、位置決めエレメントは、疎水性材料から成ることが好ましい。疎水性材料の例には、脂肪族シランのような非極性有機化合物を含み、微細流体デバイス901の内面を改変することによって形成することができる。有機溶剤で形成した微細流体試料に対しては、非湿潤性材料は葉状(hydrophilic)材料から成るものがよい。
微細流体試料808が位置決めエレメント979に到達すると、微細流体試料の液体は、下流界面810において表面張力の上昇を受け、表面張力の上昇によって、微細流体試料808の連続する下流への移動が妨げられる。微細流体試料の上流及び下流部分間の気体圧力差を増大させることによって抵抗に打ち勝ち、微細流体試料を下流に移動させる。
2.細管補助位置決めエレメント
図10a〜図10cを参照すると、微細流体チャネルの寸法を変更して細管補助位置決めエレメント(CAFB:capillary assisted positioning element)700を形成することによって、別の種類の位置決めエレメントを形成することができる。CAFBは、上流供給ゾーン702、装填ゾーン704、及び停止ゾーン704を備えている。CAFBにたどり着いた微細流体試料720は、微細流体試料の下流側界面710が装填ゾーン706の上流面714と接触するまで、下流側に移動する。この時点で、下流側試料界面710が装填ゾーン704と停止ゾーン706との間の開口712に達するまで、毛管作用が微細流体試料を下流に移動させる。表面張力は、微細流体試料が開口714を通過して下流に進もうとするのに抵抗する。このため、微細流体試料720は、位置決めエレメント700に対して、チャネル軸に沿った所定の場所に位置付けられる。
CAFBに達する微細流体試料の体積は、装填ゾーン704の容積よりも大きく、微細流体試料が全て確実に開口に進むようにすることが好ましい。水と同様の表面張力及び界面特性を有する流体では、装填ゾーン704の深さdは、停止及び供給ゾーンのそれぞれの深さd、dの約50%以下であることが好ましい。
微細流体試料の所与の方向に移動しようとする傾向は、微細流体試料の前面(front)と微細流体試料の背面の平均曲率半径(MRC)の間の比率によって調整する。これらの曲率は、試料の流体と、微細液滴が移動しているゾーンの寸法との接触角度によって左右される。装填ゾーンにおける微細液滴界面のMRCrは、供給ゾーン内における液滴界面のMRCr、又は停止ゾーン内における液滴界面のMRCrよりも小さいことが好ましい。MRCrは、MRCrよりも大きいことが好ましい。このように、下流側の微細液滴の界面の半径は、停止ゾーンに到達すると増大することによって、それ以上の下流への移動が妨げられる。好ましくは、流体の壁との接触角度は、細管補助装填ゾーン全体を通じて実質的に一定である。
3.通気位置決めエレメント
図11a〜図11cを参照すると、位置決めエレメント500は、微細流体試料の上流部分504に作用する気体圧力を、微細流体試料の下流部分506に作用する気体圧力に対して低下させることによって、微細流体試料502を位置決めするように動作する。位置決めエレメント500は、微細流体試料502が移動するゾーン510と気体連通するように設けられた通気孔508を含む。通気孔508は、通路526を通じてゾーン510と連通することが好ましい。このゾーンは、例えば、チャネル又は導管である。また、位置決めエレメント500は、非湿潤材料のような、第2位置決めエレメントも含み、微細流体試料からの流体が通気孔に接触するのを実質的に防止することもできる。
バルブ512が開放状態にあると、気体はゾーン510と通気孔508との間を通過することができる。バルブ512が閉鎖状態となると、このような気体の通過は妨げられる。バルブ514は、熱的に作動し、TRSの質量514を含むことが好ましい。
アクチュエータ518は、位置決めエレメント500の上流に配置されている。アクチュエータは、好ましくは、気体アクチュエータであり、アクチュエータ518に関与する気体を加熱する熱源520を含むことができる。アクチュエータ518は、非湿潤材料のような、位置決めエレメント522を含み、微細流体試料からの流体がその中に流入することを実質的に防止することができる。
位置決めエレメント500は、以下のように動作することが好ましい。図11aを参照すると、微細流体試料502は、矢印524の方向に下流に向かって移動する。微細流体試料は、図9a〜図9cには示されていない、上流アクチュエータから供給される気体圧力によって移動させることが好ましい。気体圧力は、上流側部分504に作用する。
図11bを参照すると、上流側部分504が通気孔508の開口を通過すると、上流側の気体が通気孔508を通って消散することによって、上流圧力が低下する。圧力低下は、好ましくは、下流及び上流圧力を等しくし、微細流体試料を下流側に付勢しようとする起動力を低減又は排除する。
図11cを参照すると、バルブ512を閉鎖して、ゾーン510と通気孔508との間の気体の通過を妨げる。好ましくは、TRS514が通路526内に移動する。バルブ512を閉鎖すると、アクチュエータ518の作動によって、次の処理のために、矢印528の方向に微細流体試料502を下流に移動させる起動力が供給される。
4.能動流体位置決めエレメント
図15a〜図15cを参照すると、微細液滴調製モジュール652は、微細液滴調製ゾーン650、能動流体位置決めエレメント654、アクチュエータ656、及びバルブ658を有する。第2アクチュエータが、能動位置決めエレメント654と動作的に連動し、微細流体試料666を微細液滴調製ゾーン650に導入する。第2アクチュエータ660は、好ましくは、バルブ658から上流側に配置する。微細液滴調製モジュール652は、その中に受け入れた微細流体試料666から、所定の体積を有する微細液滴668を調製する。
動作において、微細流体調製モジュール652は、第2アクチュエータ660によって供給される起動力のために下流に移動する微細流体試料666を受ける。この起動力は、好ましくは、微細流体試料666に作用する下流気体圧力よりも高い、上流気体圧力である。微細流体試料は、その下流側部分670が能動位置決めエレメント654に達するまで、下流に向けて移動する。能動位置決めエレメント654は、好ましくは、電気リード674を有するセンサ672を備えている。リード674は、微細流体デバイスのI/Oピンと電気的に連通し、センサ672からの信号がDAQによって受け取ることができるようにする。
検知エレメント672は、好ましくは、1対の電気接点である。液体の存在を検知するには、DAQ126は小電圧をリード674間に印加して、得られる電流を測定する。微細流体試料の液体が第1及び第2接点と接触すると、これらの間を通過する電流が変化することによって、液体がセンサ672に到達していることをDAQ126に示す。
液体がセンサ672に到達したことを検出すると、DAQは第2アクチュエータ660に微細流体試料666に作用する下流側起動力を減少させるように命令する。例えば、DAQは、第2アクチュエータ660と連動する熱源676を通過する電流を減少させることによって、その中の気体の温度を低下させる。この温度低下により、微細流体試料の上流部分678に作用する気体圧力が低下することにより、微細流体試料666の下流への移動を妨げる。微細流体試料は、第1部分680がアクチュエータ656の下流側に位置し、第2部分がアクチュエータ656の上流側に位置するように位置付けられる。
微細液滴668を調製するには、DAQ126はアクチュエータを作動させて起動力を供給し、微細流体試料666の第1部分から微細液滴668を調製する。微細液滴668は下流に向かって移動し、一方微細流体試料666の第2部分682はアクチュエータ656から上流に向かって移動する。微細液滴の調製の間、バルブ658を閉鎖すると、第2アクチュエータ及び微細流体デバイスのその他の上流側部分からアクチュエータ656を実質的に隔離することができる。
能動位置決めエレメントは、好ましくは、閉ループ・エレメントとして動作し、センサ672からDAQにフィードバックを与える。フィードバックが示されるのは、微細流体試料が微細流体デバイス内の所定の位置に到達したときである。フィードバックを受けると、DAQは微細液滴を移動させる起動力を供給するアクチュエータの状態を変化させる。
以上の発明は、ある好適な実施形態を参照にして説明したが、本発明の範囲はこれらに限定される訳ではないことは念頭に入れておくべきである。したがって、当業者はこれら好適な実施形態の変形を見出すことができようが、それらは本発明の精神に該当し、その範囲は特許請求の範囲によって規定されている。
本発明による微細流体システムを示す図である。 微細流体デバイスの拡大図を示す図である。 図1の微細流体システムの微細流体デバイスの構成を示す図である。 図3の微細流体デバイスの上面図である。 図4の微細流体デバイスの部分断面図である。 図2の微細流体デバイスからの上側基板の部分断面図である。 図2の微細流体デバイスからの上側基板の第2の部分断面図である。 微細液滴の調製前における図4の不際流体デバイスの微細液滴調製ゾーンの上面図である。 図8aの微細液滴調製ゾーンの断面図である。 微細液滴の調製後における図4に示した微細流体デバイスの微細液滴調製ゾーンの上面図である。 図9aの微細液滴調製ゾーンの断面図である。 a〜cは、本発明の毛管補助流体バリアの断面図である。 a〜cは、出口を含む流体バリアの上面図である。 a及びbは、崩壊試料の調製前及び調製後における、図4に示した微細流体デバイスの崩壊モジュールの上面図である。 a及びbは、本発明の崩壊モジュールの第2実施形態を示す図である。 図4の崩壊モジュールと連動する脈動回路を示す図である。 a〜cは、本発明の第2の微細液滴調製モジュールを示す図である。

Claims (13)

  1. 微細流体を処理するための微細流体処理デバイスであって、複数のモジュールからなる微細流体ネットワークを備え、該ネットワークは、
    粒子を含んだ流体サンプルを受け取って、該流体サンプルから濃縮サンプルを生成するよう構成された濃縮モジュールと、
    前記濃縮サンプルを受け取って、該濃縮サンプルから微細液滴を生成するよう構成された微細液滴準備モジュールと、
    前記濃縮サンプルの微細液滴中の内部の粒子から物質を解放するよう構成された崩壊モジュールと、
    1又は複数の試薬を前記濃縮サンプルの微細液滴と混合するよう構成された混合モジュールと、
    前記試薬が混合された前記濃縮サンプルの微細液滴を受け取って、DNA操作を行うDNA操作モジュールと
    を備え、
    前記微細流体ネットワークに備えられたこれらモジュールは前記微細流体ネットワークと一体となった1又は複数のチャネルを介して動作可能なように接続されており、これらモジュールの少なくとも1つは前記微細流体ネットワークと一体となったバルブによって分離することができ前記微細流体ネットワークと一体となった少なくとも1つのアクチュエータが、これらモジュール内の1つのモジュールから他のモジュールに液の微細液滴を移動させるために、流体の前記微細液滴に作用する上流側圧力と下流側圧力との間に差を生成するよう構成されている
    ことを特徴とする微細流体処理デバイス。
  2. 請求項1記載の微細流体処理デバイスにおいて、前記濃縮モジュールは、粒子を含んだ流体サンプルにおける粒子を凝縮させて、前記濃縮サンプルの単位体積当たりの粒子の割合が該流体サンプルにおける粒子の割合よりも高くするよう構成されていることを特徴とする微細流体処理デバイス。
  3. 微細流体を処理するための微細流体処理デバイスであって、
    微細流体ネットワークを備え、該ネットワークは、
    細胞を含んだ微細液滴を受け取るよう構成された、前記微細流体ネットワークと一体となった崩壊モジュールと、
    前記崩壊モジュールの上流側に配置された、前記微細流体ネットワークと一体となったアクチュエータであって、前記微細液滴に作用する上流側圧力及び下流側圧力の差を生成して、前記微細液滴を崩壊モジュールに移動させるよう構成されたアクチュエータと、
    前記崩壊モジュールの上流側及び前記アクチュエータの下流側に配置された通気孔が開けられた通気位置決めエレメントであって、前記通気孔が開けられた通気位置決めエレメントは、前記細胞を含んだ微細液滴が移動する区域と気体をやりとりするように配置された通気孔を備え、前記通気孔が開けられた通気位置決めエレメントは、前記細胞を含んだ微細液滴の上流側部分が前記通気孔の開口を通過すると前記細胞を含んだ微細液滴の上流側の気体を前記通気孔を通じて消散させることにより、前記崩壊モジュールの崩壊位置に前記細胞を含んだ微細液滴を停止させ、かつ、前記細胞を含んだ微細液滴の一部分を前記崩壊位置における該通気位置決めエレメントの下流側に位置決めするよう構成されている通気位置決めエレメントと、
    前記崩壊モジュール内に設けられた崩壊機構であって、前記崩壊位置にある前記細胞を含んだ微細液滴内の細胞から細胞内物質を解放するよう構成されている崩壊機構と
    を備えていることを特徴とする微細流体処理デバイス。
  4. 請求項3記載の微細流体処理デバイスにおいて、前記通気位置決めエレメントは、前記微細液滴が前記孔に入るのを防止するための湿潤低減材料を備えていることを特徴とする微細流体処理デバイス。
  5. 請求項4記載の微細流体処理デバイスにおいて、前記通気位置決めエレメントはさらに、前記湿潤低減材料と前記通気孔との間で気体を選択的に遮断及び通過させるため、前記微細流体ネットワークにおいて、バルブを備えていることを特徴とする微細流体処理デバイス。
  6. 微細流体を処理するための微細流体処理デバイスであって、
    細胞を含んだサンプルの微細液滴を受け取るよう構成された崩壊モジュールと、
    前記崩壊モジュール内に設けられた崩壊機構であって、前記崩壊モジュール内の前記サンプルの前記微細液滴内の細胞から細胞内物質を解放するよう構成されている崩壊機構と、
    前記崩壊モジュールの上流側に配置された、微細流体ネットワークと一体となった第1の気体アクチュエータであって、前記サンプルの前記微細液滴を前記崩壊モジュールと部分的に重なるように下流に移動させるよう構成された第1の気体アクチュエータと、
    前記崩壊モジュールの下流側に配置された位置決めエレメントであって、前記サンプルが前記位置決めエレメントに接触するときに前記サンプルの下流側の界面の表面張力を増大させることにより、前記サンプルの下流方向への移動を阻止して、前記崩壊モジュールの崩壊位置に前記サンプルの少なくとも一部分を位置決めするよう構成された位置決めエレメントと、
    前記崩壊モジュールの上流で前記第1の気体アクチュエータの下流に配置された、微細流体ネットワークと一体となった第2の気体アクチュエータであって、(a)前記崩壊モジュール内の前記サンプルの前記細胞から解放された細胞内材料からなる崩壊された微細液滴であって、前記第2の気体アクチュエータと前記位置決めエレメントとの間の距離に等しい長さの微細液滴を準備し、かつ、(b)前記崩壊された微細液滴を前記崩壊モジュールの下流に移動させて前記位置決めエレメントを通り過ぎて移動させることができる気体圧力を提供するよう構成された第2の気体アクチュエータと
    を備えていることを特徴とする微細流体処理デバイス。
  7. 細胞を含んでいる液体の微細液滴内の細胞から細胞内物質を解放するための方法であって、
    細胞を含んだ液体の前記微細液滴を微細流体処理デバイスの微細流体ネットワークと一体となった崩壊モジュールに導入するステップと、
    前記液体の前記微細液滴が前記崩壊モジュールから下流に移動しないようにするステップと、
    前記崩壊モジュール内にある前記液体内の前記細胞から細胞内物質を解放するための解放機構を動作させるステップと、
    前記崩壊モジュール内にある前記液体の前記微細液滴の第1の部分を、前記崩壊モジュールの上流に位置する前記液体の前記微細液滴の第2の部分から分離するための気体圧力を提供して、前記崩壊モジュール内にある前記液体の前記細胞から解放された細胞内物質からなる崩壊された微細液滴を準備するステップと
    からなることを特徴とする方法。
  8. 微細流体を処理するための微細流体処理デバイスであって、
    微細流体ネットワークを備え、該ネットワークは、
    流通部材と濃縮チャンバとを備え、粒子を含んだ流体の微細液滴を受け取るよう構成された濃縮モジュールであって、前記流通部材は前記粒子を含んだ流体の粒子の直径よりも小さい通路を有するように形成され、前記流体が該流通部材を通過し、前記流体の粒子からなる濃縮粒子サンプルを前記濃縮チャンバに累積するよう構成された濃縮モジュールと、
    前記濃縮チャンバから少なくとも1つの下流処理モジュールまでの下流方向に導く、微細流体ネットワークと一体となった下流チャネルと、
    前記濃縮モジュールから濃縮粒子サンプルを前記下流チャネルに沿って下流方向に移動させるよう構成された、前記微細流体ネットワークと一体となったアクチュエータと、
    前記アクチュエータと前記流通部材との間に配置された、前記微細流体ネットワークと一体となった第1のバルブと
    からなることを特徴とする微細流体処理デバイス。
  9. 請求項8記載の微細流体処理デバイスにおいて、該デバイスはさらに、前記流通部材と前記下流チャネルとの間に配置された第2のバルブを備えていることを特徴とする微細流体処理デバイス。
  10. 請求項8記載の微細流体処理デバイスにおいて、該デバイスは、対向する上側基板及び下側基板を備え、前記流通部材は第1及び第2の表面を備え、該第1の表面は、前記濃縮チャンバに隣接しており、前記第2の表面は前記濃縮チャンバから離れておりかつ空間に隣接しており、該空間は、吸湿剤を含んでおりかつ前記下側基板とは反対側の前記上側基板の表面上に設けられていることを特徴とする微細流体処理デバイス。
  11. 請求項1、2、5、8、9及び10いずれかに記載の微細流体処理デバイスにおいて、前記バルブは、熱作動型の物質で構成されていることを特徴とする微細流体処理デバイス。
  12. 請求項8記載の微細流体処理デバイスにおいて、前記濃縮粒子サンプルは、流体の単位体積当たりの粒子の比が、前記濃縮モジュールで受け取られる前記粒子を含んだ流体よりも大きいことを特徴とする微細流体処理デバイス。
  13. 微細流体を処理する微細流体処理デバイスであって、
    流通部材と濃縮チャンバとを備え、粒子を含んだ流体のサンプルから濃縮された粒子サンプルを生成するよう構成された濃縮モジュールであって、前記流通部材は前記粒子を含んだ流体の粒子の直径よりも小さい通路を有するように形成される、濃縮モジュールと、
    前記濃縮モジュールの下流に配置された処理モジュールと、
    前記濃縮モジュールの下流側に配置され、前記微細流体処理デバイスの微細流体ネットワークと一体となったアクチュエータであって、上流側圧力及び下流側圧力の差を生成して、濃縮された粒子サンプルを、該サンプルが希釈されない状態で前記濃縮モジュールから下流に移動させるアクチュエータと、
    前記アクチュエータと前記流通部材との間に配置された、前記微細流体ネットワークと一体となったバルブと
    から構成されていることを特徴とする微細流体処理デバイス。
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