JP4591778B2 - α,β,γ−置換シクロペンタノン誘導体の製造法 - Google Patents
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Description
特に13位に3重結合を有するα,β,γ−置換シクロペンタノン誘導体である13,14−ジデヒドロプロスタグランジンE1誘導体(下記式に示す化合物)は強い血小板凝集抑制作用を有する化合物として近年注目されている(特開平6−192219号公報)。
しかしながら、これまでに13,14−ジデヒドロプロスタグランジンE誘導体を製造する方法は、極めて数が少なく、我々の知る限り4例しか知られてない。1例目は、下記反応式1に示すように有機アルミニウムアセチリド試薬によるエポキシドの開環を鍵反応とする13,14−ジデヒドロプロスタグランジンE誘導体の製造法である(J.Friedら,Tetrahedron Letters,1973,14,3899−3902.)。
この製造法では、製造中間体である光学活性エポキシドの製造が繁雑であり、光学分割効率も悪く、また鍵反応であるエポキシドの開環反応における位置選択性も低く、実用性に欠ける。
2例目は、下記反応式2で示すように、Coreyラクトンを出発原料して用いる製造例である。Wittig反応時に脱ハロゲン化水素反応を同時に進行させて、13位に三重結合を構築し、13,14−ジデヒドロプロスタグランジンE2誘導体を製造する方法である(C.Gandolfiら,II Farmaco Edition Sciences,27,1255(1972).)。
この製造法は、工業的規模で入手可能なCoreyラクトンを用いていること、またWittig反応によりα側鎖を導入する際にβ側鎖の脱ハロゲン化水素反応が進行し、三重結合が構築されるなど実用性がある。しかしながら、α側鎖中の二重結合とβ側鎖中の三重結合との選択的還元が求められることから、13,14−ジデヒドロプロスタグランジンE1誘導体の実用的製造法とは言い難い。
3例目は、α,γ−置換シクロペンテノン誘導体に下記式[B]で表される有機金属試薬を作用させて13,14−ジデヒドロプロスタグランジンE誘導体を製造する方法(特許第2536026号公報)であり、特許請求項には、三重結合を含む有機金属試薬[B]が含まれているがその実施例の記載は無い。
4例目は、下記反応式3に示すように、α位にジエチルアミノメチル基を有するシクロペンテノン誘導体に有機アルミニウムアセチリド試薬を作用させてエキソメチレン体とした後、α側鎖をマイケル付加することにより13,14−ジデヒドロプロスタグランジンE誘導体を製造する方法である(F.Satoら,J.Org.Chem.,1991,56,3205−3207.)。
この製造法ではβ側鎖を導入後、α側鎖を段階的に導入しており、多種多様な誘導体を製造するには有利である。しかしながら、この製造法ではβ側鎖の導入反応で得られるエキソメチレン体のトランス体とシス体の生成比が1.5〜23:1と大きく変動し、所望するトランス体を安定して得ることが困難である(表1参照)。
また、α側鎖の有機銅試薬を調製する際に毒物であるシアン化銅を使用しており、実用化に当たっては安全対策、環境対策が必要となるなど製造コスト面で不利である。
一方、トリアルキルシリルトリフラート存在下、α−置換シクロアルケノン誘導体への有機金属試薬のマイケル付加反応の報告例はある(Kimら,Tetrahedron Letters,1990,31,7627−7630.、Kimら,Synlett,1995,163−164.)。しかしながら、これまでにα,β−不飽和シクロペンテノン環のγ位に水酸基または保護された水酸基を有する誘導体に本反応を応用した例はなく、しかもγ位水酸基または保護された水酸基に対して、β側鎖をトランス配置に高立体選択的に導入する方法は知られていない。
また、得られたα,β,γ−置換シクロペンタノントリアルキルシリルエノールエーテル体に非水条件下、鉱酸、有機酸あるいはルイス酸を作用させて脱トリアルキルシリル化することにより、α側鎖をβ側鎖に対して高立体選択的にトランス配置に誘導する例は知られていない。
すなわち、本発明は、以下の様に示される。
1)下記式[I]
[式中、Aは式[II]
(式中、X1及びX2は同一または異なって酸素原子、硫黄原子、メチレン基、ビニレン基、エチニレン基またはアレニレン基を示し、n及びqは同一または異なって0〜6の整数を示し、m及びpは同一または異なって0〜2の整数を示し、rは0〜3の整数を示す。)で表される基を示し、R1は水素原子、ニトリル基、−OR6(式中、R6は水酸基の保護基を示す。)または−COOR7(式中、R7は置換もしくは無置換の炭素原子数1〜10個のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素原子数2〜10個のアルケニル基、置換もしくは無置換の炭素原子数2〜10個のアルキニル基、置換もしくは無置換の炭素原子数3〜10個のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のフェニル基またはカルボキシル基の保護基を示す。)を示し、R2は水酸基の保護基を示す。]で表されるα,γ−置換シクロペンテノン誘導体と、下記式[III]
[式中、MはBrZnまたはLiR8 3Al(式中、R8は炭素原子数1〜6個のアルキル基を示す。)を示し、R3は置換もしくは無置換の炭素原子数1〜10個のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素原子数2〜10個のアルケニル基、置換もしくは無置換の炭素原子数2〜10個のアルキニル基、置換もしくは無置換の炭素原子数3〜10個のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素原子数3〜10個のシクロアルキルオキシ基、置換もしくは無置換のフェニル基または置換もしくは無置換のフェノキシ基を示し、Zは水素原子またはZ’R4(式中、Z’は酸素原子または硫黄原子を示し、R4は水酸基の保護基またはチオール基の保護基を示す。)を示す。]で表される有機金属試薬とをトリアルキルシリルトリフラートの存在下で反応させることを特徴とする下記式[IV]
[式中、R5はトリアルキルシリル基を示し、A、R1、R2、R3およびZは前記と同意義である。]で表されるα,β,γ−置換シクロペンタノントリアルキルシリルエノールエーテル体の製造法。
2)1)記載の式[IV][式中、A、R1、R2、R3、R5及びZは前記と同意義である。]で表されるα,β,γ−置換シクロペンタノントリアルキルシリルエノールエーテル体に非水条件下、酸を作用させて脱トリアルキルシリル化することを特徴とする下記式[V]
[式中、A、R1、R2、R3およびZは前記と同意義である。]で表されるα,β,γ−置換シクロペンタノン誘導体の製造法。
3)1)記載の式[I][式中、A、R1及びR2は前記と同意義である。]で表されるα,γ−置換シクロペンテノン誘導体と式[III][式中、R3、M及びZは前記と同意義である。]で表される有機金属試薬とを反応させる際に、トリアルキルシリルトリフラートを1当量以上用いることを特徴とする下記式[V]
[式中A、R1、R2、R3およびZは前記と同意義である。]で表されるα,β,γ−置換シクロペンタノン誘導体の製造法。
本発明を詳細に説明するが、例示されたものに特に限定されない。
本発明において、置換もしくは無置換の炭素原子数1〜10個のアルキル基とは、直鎖状もしくは分枝鎖状アルキル基を示し、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、2−メチルペンチル基、シクロペンチルメチル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘキシルオキシメチル基、ベンジル基、フェノキシメチル基、2−メトキシエチル基、2−クロロイソプロピル基、2−メチルヘキシル基、2,5−ジメチルヘキシル基、2,6−ジメチルヘプチル基、2−(2’−メチルシクロヘキシル)ペンチル基、n−オクチル基、3−(3’−メトキシフェニル)オクチル基、5−クロロメトキシヘプチル基、n−デカニル基が挙げられる。
アルキル基における置換基とは、反応に関与しなければ特に限定はされないが、例えば炭素原子数3〜10個のシクロアルキル基、炭素原子数3〜10個のシクロアルキルオキシ基、フェニル基、フェノキシ基、炭素原子数1〜4個の直鎖状もしくは分枝鎖状アルコキシ基及びハロゲン原子の群から選ばれる一つもしくは複数の基が挙げられ、さらにこれらのうちのシクロアルキル基、シクロアルキルオキシ基、フェニル基及びフェノキシ基は無置換、一つもしくは複数のハロゲン原子、炭素原子数1〜4個の直鎖状もしくは分枝鎖状アルキル基または炭素原子数1〜4個の直鎖状もしくは分枝鎖状アルコキシ基などの置換基を有していてもよい。
ハロゲン原子とは例えばフッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。
炭素原子数1〜4個の直鎖状もしくは分枝鎖状アルキル基とは例えばメチル基、エチル基、イソプロピル基、t−ブチル基が挙げられる。
炭素原子数1〜4個の直鎖状もしくは分枝鎖状アルコキシ基とは例えばメトキシ基、エトキシ基、イソプロピルオキシ基、n−ブトキシ基、t−ブトキシ基が挙げられる。置換もしくは無置換の炭素原子数2〜10個のアルケニル基とは、直鎖状もしくは分枝鎖状アルケニル基を示し、例えばビニル基、アリル基、2,6−ジメチル−5−ヘプテニル基、1,3−ブタジエニル基、1’−プロペニル−ブテニル基、4−ペンテニル基、3−クロロ−1,5−ヘキサジエニル基、2−メチル−4−ペンテニル基、4−(1’−エトキシエチル)−2−メチル−4−ペンテニル基、3−エチル−4−(4’−メトキシシクロヘキシル)−1,5−ヘキサジエニル基、3−イソプロピル−4−ペンテニル基が挙げられる。
アルケニル基における置換基とは、反応に関与しなければ特に限定はされないが、例えば炭素原子数3〜10個のシクロアルキル基、炭素原子数3〜10個のシクロアルキルオキシ基、フェニル基、フェノキシ基、炭素原子数1〜4個の直鎖状もしくは分枝鎖状アルコキシ基及びハロゲン原子の群から選ばれる一つもしくは複数の基が挙げられ、さらにこれらのうちのシクロアルキル基、シクロアルキルオキシ基、フェニル基及びフェノキシ基は無置換、一つもしくは複数のハロゲン原子、炭素原子数1〜4個の直鎖状もしくは分枝鎖状アルキル基または炭素原子数1〜4個の直鎖状もしくは分枝鎖状アルコキシ基などの置換基を有していてもよい。
置換もしくは無置換の炭素原子数2〜10個のアルキニル基とは、直鎖状もしくは分枝鎖状アルキニル基を示し、例えば2−プロピニル基、n−ブチニル基、n−デキニル基、2−ブロモ−3−ペンチニル基、2−メチル−5−ヘプチニル基、2−メトキシ−6−メチル−7−エン−3−オクチニル基、3−シクロヘキシルオキシ−1−エン−4−ヘキシニル基が挙げられる。
アルキニル基における置換基とは、反応に関与しなければ特に限定はされないが、例えば炭素原子数3〜10個のシクロアルキル基、炭素原子数3〜10個のシクロアルキルオキシ基、フェニル基、フェノキシ基、炭素原子数1〜4個の直鎖状もしくは分枝鎖状アルコキシ基、ハロゲン原子及び炭素原子数2〜6個の直鎖状もしくは分枝鎖状アルケニル基の群から選ばれる一つもしくは複数の基が挙げられ、さらにこれらのうちのシクロアルキル基、シクロアルキルオキシ基、フェニル基及びフェノキシ基は無置換、一つもしくは複数のハロゲン原子、炭素原子数1〜4個の直鎖状もしくは分枝鎖状アルキル基または炭素原子数1〜4個の直鎖状もしくは分枝鎖状アルコキシ基などの置換基を有していてもよい。
炭素原子数2〜6個の直鎖状もしくは分枝鎖状アルケニル基とは例えばビニル基、プロペニル基、2−メチル−2−ブテニル基、1,3−ブタジエニル基、2,4−ジメチル−1,4−ペンタジエニル基が挙げられる。
炭素原子数1〜6個の直鎖状もしくは分枝鎖状アルキル基とは、例えばメチル基、エチル基、イソプロピル基、n−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、ヘキシル基が挙げられる。
置換もしくは無置換の炭素原子数3〜10個のシクロアルキル基とは例えばシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、2,4−ジメチルシクロペンチル基、シクロヘキシル基、2−メチルシクロヘキシル基、4−イソブチルシクロヘキシル基、シクロヘプチル基、3−クロロ−4−メトキシシクロヘプチル基、4−ブトキシシクロオクチル基が挙げられる。
シクロアルキル基における置換基とは、反応に関与しなければ特に限定はされないが、例えばハロゲン原子、炭素原子数1〜4個の直鎖状もしくは分枝鎖状アルキル基及び炭素原子数1〜4個の直鎖状もしくは分枝鎖状アルコキシ基の群から選ばれる一つもしくは複数の基が挙げられる。
置換もしくは無置換のフェニル基とは例えばフェニル基、4−ブロモフェニル基、2−メチル−4−メトキシフェニル基が挙げられる。
フェニル基における置換基とは、反応に関与しなければ特に限定はされないが、例えばハロゲン原子、炭素原子数1〜4個の直鎖状もしくは分枝鎖状アルキル基及び炭素原子数1〜4個の直鎖状もしくは分枝鎖状アルコキシ基の群から選ばれる一つもしくは複数の基が挙げられる。
置換もしくは無置換のフェノキシ基とは例えばフェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、2−クロロフェノキシ基、4−イソプロポキシフェノキシ基が挙げられる。
フェノキシ基における置換基とは、反応に関与しなければ特に限定はされないが、例えばハロゲン原子、炭素原子数1〜4個の直鎖状もしくは分枝鎖状アルキル基及び炭素原子数1〜4個の直鎖状もしくは分枝鎖状アルコキシ基の群から選ばれる一つもしくは複数の基が挙げられる。
置換もしくは無置換の炭素原子数3〜10個のシクロアルキルオキシ基とは例えば2−メチルシクロヘキシルオキシ基、3−ブロモシクロヘプチルオキシ基が挙げられる。
シクロアルキルオキシ基における置換基とは、反応に関与しなければ特に限定はされないが、例えばハロゲン原子、炭素原子数1〜4個の直鎖状もしくは分枝鎖状アルキル基及び炭素原子数1〜4個の直鎖状もしくは分枝鎖状アルコキシ基の群から選ばれる一つもしくは複数の基が挙げられる。
カルボキシル基の保護基とは、各反応において保護基として働く基であればよく、例えば炭素原子数1〜6個の直鎖状もしくは分枝鎖状アルキル基、ベンジル基、置換ベンジル基、ジフェニルメチル基、メトキシメチル基、トリクロロエチル基、トリエチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、2−(トリメチルシリル)エチル基、アリル基が挙げられる。
置換ベンジル基とは、反応に関与しなければ特に限定はされないが、例えばハロゲン原子、炭素原子数1〜4個の直鎖状もしくは分枝鎖状アルキル基及び炭素原子数1〜4個の直鎖状もしくは分枝鎖状アルコキシ基の群から選ばれる一つもしくは複数の基をベンゼン環上の置換基として有している基であればよく、例えば4−クロロベンジル基、2,6−ジメチルベンジル基、2−ブロモ−4−メチルベンジル基が挙げられる。
水酸基の保護基とは、各反応において保護基として働く基であればよく、トリアルキルシリル基、アルコキシアルキル基、アラルキルオキシアルキル基、トリチル基またはテトラヒドロピラニル(THP)基などが挙げられ、例えばトリメチルシリル基、トリエチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、メトキシメチル基、ベンジルオキシメチル基、アセチル基、ベンゾイル基、ベンジル基、p−メトキシベンジル基、p−ニトロベンジル基、トリ(p−メトキシフェニル)メチル基、ベンジルオキシカルボニル基が挙げられる。
チオール基の保護基とは、各反応において保護基として働く基であればよく、例えばベンジル基、4−メトキシベンジル基、ジフェニルメチル基、トリチル基、メトキシメチル基、ベンジルオキシカルボニル基が挙げられる。
トリアルキルシリルトリフラートとは、例えばt−ブチルジメチルシリルトリフラート、トリエチルシリルトリフラート、トリメチルシリルトリフラートが挙げられる。
トリアルキルシリル基とは、例えばトリメチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、トリエチルシリル基が挙げられる。
酸とは鉱酸、有機酸及びルイス酸等が挙げられ、さらに詳しくは鉱酸とは、例えば塩化水素の有機溶媒溶液、濃硫酸、リン酸が挙げられる。
有機酸とは、例えばトリフルオロ酢酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸が挙げられる。
ルイス酸とは、例えば塩化チタン(IV)、塩化亜鉛、臭化亜鉛、トリフルオロメタンスルホン酸亜鉛、過塩素酸マグネシウム、トリフルオロメタンスルホン酸マグネシウム、三弗化ホウ素ジエチルエーテル錯体、塩化アルミニウム(III)、塩化ジエチルアルミニウム、塩化錫(IV)、t−ブチルジメチルシリルトリフラート、トリメチルシリルトリフラートが挙げられる。
式[I]の化合物は、例えば特許第2570796号、Eur.J.Org.Chem.1999,2655−2662等に記載された方法に準拠し、製造することができる。
また式[III]の化合物については、通常の有機金属試薬の調製法に準拠して調製することができる。例えば式[III]の有機亜鉛試薬(MはBrZn)を調製する場合には、まず活性亜鉛と1,2−ジブロモエタンをテトラヒドロフラン中加熱し、臭化亜鉛(ZnBr2)のテトラヒドロフラン溶液を調製し、これを別途調製した式[III]’
で表わされるリチウム塩に加えることにより調製することができる。この方法においては臭化亜鉛の使用量はリチウム塩に対して、0.5〜2当量、好ましくは0.8〜1.2当量が良い。
有機アルミニウムアート錯体は、上記と同様に調製した式[III]’のリチウム塩にトリアルキルアルミニウム(AlR8 3)を加えて調製することができる。この方法においてはトリアルキルアルミニウムの使用量はリチウム塩に対して、0.5〜2当量、好ましくは0.8〜1.2当量が良い。式[III]の化合物の調製に使用する溶媒に特に限定はなく、反応を阻害しないものであればよく、例えばテトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、トルエン、ヘキサンが挙げられる。
式[IV]の化合物は、例えば以下の方法により製造できる。
式[I]の化合物と式[III]の有機亜鉛試薬(MはBrZn)との反応においては、式[I]の化合物に対して、トリアルキルシリルトリフラートを0.5〜5当量、好ましくは0.8〜3当量、式[III]の有機亜鉛試薬は式[I]の化合物に対して、0.5〜5当量、好ましくは0.8〜3当量用いる場合が良い。反応温度は−100〜50℃、好ましくは−80〜30℃であり、反応時間は通常5分〜50時間である。一方、式[I]の化合物と式[III]の有機アルミニウムアート錯体(MはLiR8 3Al)との反応においては、式[I]の化合物に対して、トリアルキルシリルトリフラートを0.5〜3当量、好ましくは0.8〜2当量、式[III]の有機アルミニウムアート錯体は式[I]の化合物に対して、0.5〜4当量、好ましくは0.8〜2当量用いる場合が良い。反応温度は−100〜20℃、好ましくは−80〜0℃であり、反応時間は通常5分〜5時間である。これらの反応で用いる溶媒に特に限定はなく、反応を阻害しないものであればよく、例えばテトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、ヘキサン、トルエンが挙げられる。
上記の式[I]の化合物と式[III]の有機亜鉛試薬(MはBrZn)、または式[III]の有機アルミニウムアート錯体(MはLiR8 3Al)との反応において、β位の置換エチニル基側鎖はγ位の保護された水酸基に対し、高立体選択的にトランス配置に導入される。特に、式[III]で表わされる化合物中でR3がシクロヘキシル基、ZがZ’R4の場合でZ’が酸素原子、R4がt−ブチルジメチルシリル基の場合に極めて高い立体選択性が得られた。
式[V]の化合物は、例えば以下の方法、即ち式[IV]の化合物に非水条件下、酸を作用させる方法により製造できる。酸としては、鉱酸、有機酸、またはルイス酸などが挙げられ、好ましくは、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、過塩素酸マグネシウムなどである。酸の使用量は式[IV]の化合物に対して、0.5〜3当量、好ましくは1〜2当量用いる場合が良い。反応温度は−100〜50℃、好ましくは−80〜30℃であり、反応時間は通常0.5〜20時間である。この反応で用いる溶媒に特に限定はなく、反応を阻害しないものであればよく、例えばテトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジクロロメタン、クロロホルム、トルエン、アセトニトリルが挙げられる。
上記の脱トリアルキルシリル化反応において、α側鎖はβ側鎖に対して高立体選択的にトランス配置に誘導される。
また、本発明の他の実施の形態は、式[I]の化合物と式[III]の有機金属試薬とを1当量以上のトリアルキルシリルトリフラートの存在下で反応させることにより式[IV]の化合物を単離することなく、一挙に式[V]の化合物を得る製造法である。
ここでいう1当量以上とは、トリアルキルシリルトリフラートが式[III]の有機金属試薬に対して1〜3当量、好ましくは1.5〜2.5当量を示す。
例えばトリアルキルシリルトリフラートとしてt−ブチルジメチルシリルトリフラートを用いる場合には、式[I]の化合物に対して式[III]の有機亜鉛試薬(MはBrZn)の使用量は0.8〜2当量、好ましくは1〜1.5当量、またt−ブチルジメチルシリルトリフラートの使用量は式[III]の有機亜鉛試薬(MはBrZn)に対して、1〜3当量、好ましくは1.5〜2.5当量用いる場合が良い。反応温度は−100〜50℃、好ましくは−80〜30℃であり、反応時間は通常1〜50時間である。この反応で用いる溶媒に特に限定はなく、反応を阻害しないものであればよく、例えばテトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、ヘキサン、トルエンが挙げられる。
さらに、実施例及び従来法との比較例により本発明を説明する。
1)本発明を利用し、強力な生理活性を有する13,14−ジデヒドロプロスタグランジンE誘導体を毒物を用いることなく安全に、好収率、高立体選択的、且つ工業的有利に製造することができた。
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。下記例において、THFはテトラヒドロフラン、Meはメチル基、TBSはt−ブチルジメチルシリル基、TESはトリエチルシリル基、HPLCは高速液体クロマトグラフィーを表わす。
1H−NMR(CDCl3,300MHz)δppm;0.07−0.13(m,18H),0.87−0.91(m,3H),0.89(s,9H),0.93(s,9H),1.03−1.79(m,18H),1.60(s,3H),1.68(s,3H),1.90−2.06(m,3H),2.17−2.27(m,2H),2.50−2.60(m,3H),3.19−3.21(m,1H),3.21(s,2H),3.73(s,3H),4.27(dt,J=7.2,4.5Hz,1H),4.42(dt,J=7.0,1.6Hz,1H),5.05−5.14(m,1H).
1H−NMR(CDCl3,200MHz)δppm;0.07(s,3H),0.08(s,3H),0.10(s,6H),0.12(s,6H),0.89(s,9H),0.90(s,9H),0.93(s,9H),0.93−1.28(m,6H),1.38−2.05(m,13H),2.18−2.27(m,2H),2.56−2.58(m,1H),2.63(t,J=7.0Hz,2H),3.22(s,2H),3.74(s,3H),4.08(m,1H),4.28(m,1H).
1H−NMR(CDCl3,300MHz)δppm;0.09(s,3H),0.10(s,3H),0.11(s,3H),0.12(s,3H),0.84−0.98(m,3H),0.89(s,9H),0.93(s,9H),1.18−1.70(m,12H),2.10−2.28(m,3H),2.46−2.66(m,3H),3.14−3.22(m,1H),3.22(s,2H),3.73(s,3H),4.22−4.30(m,1H).
1H−NMR(CDCl3,200MHz)δppm;0.07(s,3H),0.08(s,3H),0.10(s,6H),0.12(s,6H),0.89(s,9H),0.90(s,9H),0.93(s,9H),0.93−1.28(m,8H),1.38−2.05(m,9H),2.18−2.27(m,2H),2.56−2.58(m,1H),2.63(t,J=7.0Hz,2H),3.22(s,2H),3.74(s,3H),4.08(m,1H),4.28(m,1H)
1H−NMR(CDCl3,200MHz)δppm;0.07(s,3H),0.08(s,3H),0.09(s,6H),0.64(q,J=7.8Hz,6H),0.88(s,9H),0.89(s,9H),0.93−1.22(m,8H),0.98(t,J=0.75Hz,9H),1.36−2.00(m,9H),2.20−2.27(m,2H),2.57−0.60(m,1H),2.63(t,J=7.0Hz,2H),3.22(s,2H),3.74(s,3H),4.05−4.09(m,1H),4.24−4.30(m,1H).
1H−NMR(CDCl3,300MHz)δppm;0.08(s,3H),0.09(s,3H),0.11(s,3H),0.13(s,3H),0.89(s,9H),0.90(s,9H),1.08−1.84(m,14H),1.59(s,3H),1.68(s,3H),1.86−2.06(m,2H),2.12−2.24(m,2H),2.59−2.73(m,4H)3.21(s,2H),3.74(s,3H),4.28(q,J=6.7Hz,1H),4.39−4.47(m,1H),5.05−5.14(m,1H).
1H−NMR(CDCl3,200MHz)δppm;0.08(s,3H),0.09(s,3H),0.10(s,3H),0.12(s,3H),0.89(s,9H),0.90(s,9H),0.93−1.28(m,5H),1.41−1.90(m,12H),2.13−2.24(m,2H),2.63(t,J=7.0Hz,2H),2.65−2.72(m,2H),3.22(s,2H),3.74(s,3H),4.09(dd,J=1.2,2.6Hz,1H),4.29(dd,J=6.7,13.4Hz,1H).
1H−NMR(CDCl3,300MHz)δppm;0.10(s,3H),0.13(s,3H),0.84−0.92(m,3H),0.90(s,9H),1.21−1.41(m,4H),1.42−1.82(m,8H),2.10−2.22(m,4H),2.60−2.71(m,4H),3.22(s,2H),3.74(s,3H),4.26(q,J=7.2Hz,1H).
本品の1H−NMRスペクトルは実施例7で得られた化合物16のスペクトルと一致した。
1H−NMR(CDCl3,200MHz)δppm;0.08(s,3H),0.09(s,3H),0.10(s,3H),0.12(s,3H),0.89(s,9H),0.90(s,9H),0.92−1.30(m,5H),1.39−1.90(m,12H),2.11−2.26(m,2H),2.63(t,J=7.0Hz,2H),2.67−2.74(m,2H),3.22(s,2H),3.74(s,3H),4.08(dd,J=1.6,6.2Hz,1H),4.29(dd,J=6.8,13.7Hz,1H).
また、実施例1〜10と同様な方法により表2に示す化合物を合成した。
3)本発明の非水条件下での酸による脱トリアルキルシリル化反応は、α側鎖をβ側鎖に対し高立体選択的にトランス配置に制御することができる。例としてt−ブチルジメチルシリルエノールエーテル体の脱トリアルキルシリル化反応の結果を表4に示した。また、比較のため含水系での結果を反応式4に示した。本発明の非水条件下での酸による脱トリアルキルシリル化反応でのトランス体:シス体の生成比は24〜220:1であり、含水系での場合に比べ所望するトランス体が高立体選択的に得られた。
4)本発明に用いた化合物1と化合物8は、以下に示す方法(参考例1〜13)で得ることができるが、本参考例に限定されるものではない。
参考例1
化合物20(100g,0.55mol)をメタノール(300mL)に溶解し、チオグリコール酸メチル(64.5g,0.61mol)を加え室温で攪拌した。これに5℃でナトリウムメトキシド(62.7g,1.16mol)を2時間かけて加え、室温で1時間攪拌した。反応液に0℃で濃塩酸(5.0mL)を加え中和した後、メタノールを約半量留去し、更に水、希塩酸を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮し、粗化合物21(油状物,120g,粗収率105.8%)を得た。
1H−NMR(CDCl3,200MHz)δppm;159−1.82(m,4H),2.39(t,J=7.0Hz,2H),2.66(t,J=7.0Hz,2H),3.23(s,2H),3.75(s,3H).
参考例2
粗化合物21(115g,0.56mol)を四塩化炭素(580mL)に溶解し、トリエチルアミン(59.7g,0.59mol)を加え室温で攪拌した。これに0℃でクロロアセチルクロライド(66.6g,0.59mol)を40分かけて加え、3時間攪拌した。析出した結晶を濾別し、濾液にフラン(59.6g,0.88mol)、三弗化ホウ素ジエチルエーテル錯体(7.00mL,56mmol)を加え室温で、16時間攪拌した。反応液に5%炭酸ナトリウム水溶液を加え、クロロホルムで抽出し、有機層を水洗し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮し、粗化合物22(油状物,129g,粗収率90.1%)を得た。
1H−NMR(CDCl3,200MHz)δppm;160−1.90(m,4H),2.68(t,J=7.0Hz,2H),2.86(t,J=7.0Hz,2H),3.23(s,2H),3.74(s,3H),6.54(dd,J=1.6,3.6Hz,1H),7.19(dd,J=0.8,3.6Hz,1H),7.59(dd,J=0.8,1.6Hz,1H).
参考例3
粗化合物22(129g,0.50mol)をメタノール(640mL)に溶解し、2℃で水素化ホウ素ナトリウム(7.23g,0.19mol)を少量ずつ加え、40分間攪拌した。これに2%亜硫酸水素ナトリウム水、希塩酸を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮し、粗化合物23(油状物,97.5g,粗収率75.2%)を得た。
1H−NMR(CDCl3,200MHz)δppm;1.38−1.75(m,4H),1.87(q,J=7.0Hz,2H),2.64(t,J=7.0Hz,2H),3.24(s,2H),3.74(s,3H),4.69(t,J=7.0Hz,1H),6.24(dd,J=0.8,3.6Hz,1H),6.34(dd,J=1.8,3.6Hz,1H),7.38(dd,J=0.8,1.8Hz,1H).
参考例4
粗化合物23(92.5g,0.36mol)を1,4−ジオキサン(512mL)に溶解し、塩化亜鉛水溶液(ZnCl2:185g,1.36mol+H2O:305mL)を加え加熱攪拌し、還流を確認してから2時間後、1,4−ジオキサンを留去した。これに飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮し、粗化合物24(油状物,69.3g,粗収率74.9%)を得た。
1H−NMR(CDCl3,200MHz)δppm;1.35−1.78(m,6H),1.78−2.00(m,1H),2.20−2.30(m,1H),2.67(t,2H),3.24(s,2H),3.75(s,3H),4.71(brs,1H),6.21(dd,J=1.4,5.8Hz,1H),7.51(dd,J=2.2,5.8Hz,1H).
参考例5
粗化合物24(69.1g,0.27mol)をトルエン(485mL)に溶解し、トリエチルアミン(29.0g,0.29mol)、クロラール(2.08mL,0.02mol)を加え室温で2時間攪拌した。反応液を直接シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;n−ヘキサン:酢酸エチル=3:1→1:2)に付し、化合物25(油状物,39.8g,化合物20からの収率30.9%)を得た。
1H−NMR(CDCl3,200MHz)δppm;1.58−1.69(m,4H),2.18−2.26(m,2H),2.32(dd,J=2.0,18.7Hz,1H),2.64(t,J=7.0Hz,2H),2.83(dd,J=6.2,18.7Hz,1H),3.22(s,2H),3.74(s,3H),4.94−4.98(m,1H),7.16−7.22(m,1H).
参考例6
化合物25(20.0g,77.4mmol)をジクロロメタン(200mL)に溶解し、−10℃でトリエチルアミン(49.0g,0.48mol)、t−ブチルジメチルシリルクロライド(23.3g,0.16mol)、4−ジメチルアミノピリジン(5.90g,48.3mmol)を加え2.5時間攪拌後、水を加え、ジクロロメタンで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;n−ヘキサン:酢酸エチル=10:1→5:1)に付し、化合物8(26.5g,収率88.5%)を得た。
1H−NMR(CDCl3,200MHz)δppm;0.12(s,3H),0.13(s,3H),0.91(s,9H),1.53−1.70(m,4H),2.15−2.23(m,2H),2.27(dd,J=2.2,18.7Hz,1H),2.65(t,J=6.8Hz,2H),2.74(dd,J=6.0,18.7Hz,1H),3.22(s,2H),3.74(s,3H),4.85−4.93(m,1H),7.04−7.08(m,1H).
参考例7
酢酸ビニル(50mL)にアルゴン雰囲気下、リパーゼ(10.2g)を懸濁させ、さらに酢酸ビニル(30mL)に溶解した化合物25(9.57g、37.0mmoL)を加え室温で2日間攪拌した。次いで、反応液をセライトを用いて濾過し、濾液を減圧濃縮し化合物26aと27の混合物(油状物,11.5g)を得た。
参考例8
粗化合物26aと27の混合物(11.5g)をジクロロメタン(106mL)に溶解し、−10℃で、トリエチルアミン(3.76g,37.2mmol)、メタンスルホニルクロライド(4.27g,37.3mmol)を加え1時間攪拌した。次いで、反応液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮し、粗化合物26aと28の混合物(油状物,12.4g)を得た。
参考例9
粗化合物26aと28の混合物(12.4g)に酢酸セシウム(10.8g,56.3mmol)のt−ブチルアルコール(90mL)溶液を加え室温で14時間攪拌した。次いで、反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮し、粗化合物26b(油状物,11.2g)を得た。
参考例10
粗化合物26b(11.2g)をメタノール(100mL)に溶解し、0℃で、0.5Mグアニジンメタノール溶液(82mL,41mmol)を加え1時間攪拌した。次いで、酢酸(2.50g,41.6mmol)を加え、反応液を減圧濃縮した。残渣を酢酸エチルに溶解後、水洗し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮し、粗化合物29a(油状物,9.70g)を得た。
参考例11
酢酸ビニル(100mL)にアルゴン雰囲気下、リパーゼ(20.3g)を加え懸濁させ、これに酢酸ビニル(60mL)に溶解した粗化合物29a(9.70g)を加え2日間攪拌した。次いで、反応液をセライトを用いて濾過し、濾液を減圧濃縮後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、粗化合物26c(油状物,8.69g)を得た。
参考例12
粗化合物26c(8.67g)をメタノール(90mL)に溶解し、0℃で、0.5Mグアニジンメタノール溶液(63mL,31.5mmol)を加え1時間攪拌した。次いで、酢酸(1.92g,31.9mmol)を加え、反応液を減圧濃縮した。残渣を酢酸エチルに溶解後、水洗し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;n−ヘキサン:酢酸エチル=3:1→1:2)に付し、化合物29b(油状物,5.57g,化合物25からの収率58.2%,光学純度99.8%ee)を得た。
1H−NMR(CDCl3,200MHz)δppm;1.58−1.69(m,4H),2.18−2.26(m,2H),2.32(dd,J=2.0,18.7Hz,1H),2.64(t,J=7.0Hz,2H),2.83(dd,J=6.2,18.7Hz,1H),3.22(s,2H),3.74(s,3H),4.94−4.98(m,1H),7.16−7.22(m,1H).
参考例13
化合物29b(2.49g,9.63mmol)をジクロロメタン(25ml)に溶解し、−15℃でトリエチルアミン(6.7mL,48.1mmol)、t−ブチルジメチルシリルクロライド(2.92g,19.3mmol)、4−ジメチルアミノピリジン(0.59g,4.81mmol)を加え0℃で3時間攪拌した。次いで、水を加え、ジクロロメタンで抽出し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;n−ヘキサン:酢酸エチル=10:1→5:1)に付し、化合物1(3.33g,92.7%)を得た。
1H−NMR(CDCl3,200MHz)δppm;0.12(s,3H),0.13(s,3H),0.91(s,9H),1.56−1.68(m,4H),2.15−2.22(m,2H),2.27(dd,J=2.2,18.7Hz,1H),2.65(t,J=6.8Hz,2H),2.74(dd,J=6.0,18.7Hz,1H),3.22(s,2H),3.74(s,3H),4.85−4.92(m,1H),7.02−7.10(m,1H).
Claims (2)
- 下記式[ I ]
[ 式中、A は式[ I I ]
( 式中、X 1 及びX 2 は同一または異なって酸素原子、硫黄原子、メチレン基、ビニレン基、エチニレン基またはアレニレン基を示し、n 及びq は同一または異なって0 〜 6 の整数を示し、m 及びp は同一または異なって0 〜 2 の整数を示し、r は0 〜 3 の整数を示す。) で表される基を示し、R 1 は水素原子、ニトリル基、− O R 6 ( 式中、R 6 は水酸基の保護基を示す。) または− C O O R 7 ( 式中、R 7 は置換もしくは無置換の炭素原子数1 〜 1 0 個のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素原子数2 〜 1 0 個のアルケニル基、置換もしくは無置換の炭素原子数2 〜 1 0 個のアルキニル基、置換もしくは無置換の炭素原子数3 〜 1 0 個のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のフェニル基またはカルボキシル基の保護基を示す。) を示し、R 2 は水酸基の保護基を示す。] で表されるα , γ −置換シクロペンテノン誘導体と、下記式[ I I I ]
[ 式中、M はB r Z n またはL i R 8 3 A l ( 式中、R 8 は炭素原子数1 〜 6 個のアルキル基を示す。) を示し、R 3 は置換もしくは無置換の炭素原子数1 〜 1 0 個のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素原子数2 〜 1 0 個のアルケニル基、置換もしくは無置換の炭素原子数2 〜 1 0 個のアルキニル基、置換もしくは無置換の炭素原子数3 〜 1 0 個のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素原子数3 〜 1 0 個のシクロアルキルオキシ基、置換もしくは無置換のフェニル基または置換もしくは無置換のフェノキシ基を示し、Z は水素原子またはZ ’ R 4 ( 式中、Z ’ は酸素原子または硫黄原子を示し、R 4 は水酸基の保護基またはチオール基の保護基を示す。) を示す。] で表される有機金属試薬とをトリアルキルシリルトリフラートの存在下、反応させることを特徴とする下記式[ I V ]
[ 式中、R 5 はトリアルキルシリル基を示し、A 、R 1 、R 2 、R 3 およびZ は前記と同意義である。] で表されるα , β , γ − 置換シクロペンタノントリアルキルシリルエノールエーテル体の製造法。
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