以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。本実施形態は、温度調節した空気と湿度調節した空気を室内へ供給する空気調和装置(10)である。
〈空気調和装置の全体構成〉
図1,図2に示すように、上記空気調和装置(10)は、熱源ユニットである室外ユニット(11)と、温調ユニットである室内ユニット(12)と、調湿ユニット(13)とを備えている。また、この空気調和装置(10)では、1台の室外ユニット(11)に対して室内ユニット(12)と調湿ユニット(13)を1台ずつ接続することで冷媒回路(15)が形成されている。尚、室外ユニット(11)に接続される室内ユニット(12)と調湿ユニット(13)の台数は、必ずしも1台ずつである必要はない。
上記室外ユニット(11)には、室外回路(20)が収納されている。室外回路(20)には、圧縮機(21)と、室外側電動膨張弁(23)と、温調側四方切換弁である室外側四方切換弁(24)と、熱源側熱交換器である室外熱交換器(22)と、4つの閉鎖弁(25〜28)とが設けられている。また、室外ユニット(11)には、図示しないが、室外ファンが設けられている。この室外ファンは、室外熱交換器(22)へ室外空気を供給する。
上記室外回路(20)において、圧縮機(21)は、その吐出側が室外側四方切換弁(24)の第1のポートに、その吸入側が室外側四方切換弁(24)の第2のポートにそれぞれ接続されている。室外側四方切換弁(24)の第4のポートは、第2閉鎖弁(26)に接続されている。室外熱交換器(22)は、その一端が室外側四方切換弁(24)の第3のポートに、他端が室外側電動膨張弁(23)を介して第1閉鎖弁(25)にそれぞれ接続されている。第3閉鎖弁(27)は、圧縮機(21)の吐出側と室外側四方切換弁(24)の間に接続されている。第4閉鎖弁(28)は、圧縮機(21)の吸入側と室外側四方切換弁(24)の間に接続されている。
上記室外側四方切換弁(24)は、第1のポートと第3のポートが互いに連通して第2のポートと第4のポートが互いに連通する第1状態(図1に示す状態)と、第1のポートと第4のポートが互いに連通して第2のポートと第3ポートが互いに連通する第2状態(図2に示す状態)とに切り換わる。
上記室内ユニット(12)には、室内回路(35)が収納されている。室内回路(35)には、利用側熱交換器である室内熱交換器(36)が1つ設けられている。この室内回路(35)は、その一端が室外回路(20)の第1閉鎖弁(25)に、その他端が室外回路(20)の第2閉鎖弁(26)にそれぞれ接続されている。また、室内ユニット(12)には、図示しないが、室内ファンが設けられている。この室内ファンは、室内熱交換器(36)へ室内空気を供給する。
上記調湿ユニット(13)には、調湿回路(30)が収納されている。調湿回路(30)には、調湿側電動膨張弁(33)と、調湿側四方切換弁(34)と、2つの吸着熱交換器(31,32)とが設けられている。尚、調湿ユニット(13)の詳細については後述する。
上記調湿回路(30)では、調湿側四方切換弁(34)の第3のポートから第4のポートへ向かって順に、第1吸着熱交換器(31)と調湿側電動膨張弁(33)と第2吸着熱交換器(32)とが配置されている。調湿側四方切換弁(34)は、その第1ポートが室外回路(20)の第3閉鎖弁(27)に、その第2ポートが室外回路(20)の第4閉鎖弁(28)にそれぞれ接続されている。
上記調湿側四方切換弁(34)は、第1のポートと第3のポートが互いに連通して第2のポートと第4のポートが互いに連通する第1状態(図1(A)及び図2(A)に示す状態)と、第1のポートと第4のポートが互いに連通して第2のポートと第3ポートが互いに連通する第2状態(図1(B)及び図2(B)に示す状態)とに切り換わる。
室外熱交換器(22)、室内熱交換器(36)、及び吸着熱交換器(31,32)は、何れも伝熱管と多数のフィンとで構成されたクロスフィン形のフィン・アンド・チューブ熱交換器である。このうち、吸着熱交換器(31,32)では、そのフィンの表面に吸着材が担持されている。この吸着材としては、ゼオライトやシリカゲル等が用いられる。
〈調湿ユニットの構成〉
上記調湿ユニット(13)について、図3,図4を参照しながら説明する。尚、ここでの説明で用いる「上」「下」「左」「右」「前」「後」「手前」「奥」は、何れも上記調湿ユニット(13)を前面側から見た場合のものを意味している。
上記調湿ユニット(13)は、ケーシング(50)を備えている。このケーシング(50)内に上記調湿回路(30)が収納されている。
上記ケーシング(50)は、高さの低い扁平な直方体状に形成されている。ケーシング(50)の前面では、右寄りの位置に排気口(54)が、左寄りの位置に給気口(52)がそれぞれ開口している。ケーシング(50)の背面では、右寄りの位置に外気吸込口(51)が、左寄りの位置に内気吸込口(53)がそれぞれ開口している。
ケーシング(50)の内部空間は、前面側と背面側の2つに仕切られている。ケーシング(50)内の前面側の空間は、更に左右に仕切られている。そのうち、右側の空間は排気側流路(65)を構成し、左側の空間は給気側流路(66)を構成している。排気側流路(65)は、内部に排気ファン(81)が収納されると共に、排気口(54)を介して室外に連通している。給気側流路(66)は、内部に給気ファン(82)が収納されると共に、給気口(52)を介して室内に連通している。
ケーシング(50)内の背面側の空間は、左右に3つに仕切られている。そのうち、右側の空間は、上下に仕切られており、上側の空間が右上流路(61)を、下側の空間が右下流路(62)をそれぞれ構成している。右上流路(61)は、排気側流路(65)に連通している。右下流路(62)は、外気吸込口(51)を介して室外に連通している。右上流路(61)及び右下流路(62)は、室外に連通する室外側流路を構成している。一方、左側の空間は、上下に仕切られており、上側の空間が左上流路(63)を、下側の空間が左下流路(64)をそれぞれ構成している。左上流路(63)は、給気側流路(66)に連通している。左下流路(64)は、内気吸込口(53)を介して室内に連通している。左上流路(63)及び左下流路(64)は、室内に連通する室内側流路を構成している。
左右に仕切られたケーシング(50)内の背面側の空間のうち、中央の空間は、前後に仕切られている。この前後に仕切られた中央の空間のうち、前面側の空間には第1吸着熱交換器(31)が、背面側の空間には第2吸着熱交換器(32)がそれぞれ収納されている。第1吸着熱交換器(31)及び第2吸着熱交換器(32)は、収納された空間を上下に仕切るように、ほぼ水平姿勢で設置されている。
ケーシング(50)内の背面側を左右に仕切る2枚の仕切板には、それぞれに開閉式のダンパ(71〜78)が4つずつ設けられている。
右側の仕切板において、その上部には第1右上ダンパ(71)と第2右上ダンパ(72)が並んで設置され、その下部には第1右下ダンパ(73)と第2右下ダンパ(74)が並んで設置される。第1右上ダンパ(71)は、第1吸着熱交換器(31)の上側の空間と右上流路(61)の間を断続する。第2右上ダンパ(72)は、第2吸着熱交換器(32)の上側の空間と右上流路(61)の間を断続する。第1右下ダンパ(73)は、第1吸着熱交換器(31)の下側の空間と右下流路(62)の間を断続する。第2右下ダンパ(74)は、第2吸着熱交換器(32)の下側の空間と右下流路(62)の間を断続する。
左側の仕切板において、その上部には第1左上ダンパ(75)と第2左上ダンパ(76)が並んで設置され、その下部には第1左下ダンパ(77)と第2左下ダンパ(78)が並んで設置される。第1左上ダンパ(75)を開くと左上流路(63)が第1吸着熱交換器(31)の上側の空間と連通し、第2左上ダンパ(76)を開くと左上流路(63)が第2吸着熱交換器(32)の上側の空間と連通する。第1左下ダンパ(77)を開くと左下流路(64)が第1吸着熱交換器(31)の下側の空間と連通し、第2左下ダンパ(78)を開くと左下流路(64)が第2吸着熱交換器(32)の下側の空間と連通する。
−運転動作−
上記空気調和装置(10)は、冷房除湿運転と暖房加湿運転とを行うことができる。空気調和装置(10)の冷房除湿運転中には、室内ユニット(12)が冷房運転を行い、調湿ユニット(13)が除湿運転を行う。一方、空気調和装置(10)の暖房加湿運転中には、室内ユニット(12)が暖房運転を行い、調湿ユニット(13)が加湿運転を行う。
〈冷房除湿運転〉
図1に示すように、冷房除湿運転中には、室外側四方切換弁(24)が第1状態に設定されると共に室外側電動膨張弁(23)の開度が適宜調節される。この状態において、冷媒回路(15)では、室外熱交換器(22)が凝縮器となって室内熱交換器(36)が蒸発器となる。つまり、圧縮機(21)から吐出されて室外側四方切換弁(24)を通過した冷媒は、室外熱交換器(22)で凝縮してから室外側電動膨張弁(23)で減圧され、室内熱交換器(36)で蒸発した後に圧縮機(21)へ吸入されて圧縮される。そして、室外熱交換器(22)で冷媒から吸熱した室外空気が室外へ排出され、室内熱交換器(36)で冷却された室内空気が室内へ送り返される。
冷房除湿運転中において、調湿ユニット(13)は、調湿回路(30)で第1吸着熱交換器(31)が凝縮器となって第2吸着熱交換器(32)が蒸発器となる第1動作と、調湿回路(30)で第2吸着熱交換器(32)が凝縮器となって第1吸着熱交換器(31)が蒸発器となる第2動作とを交互に繰り返す。
第1動作では、第1吸着熱交換器(31)についての再生動作と、第2吸着熱交換器(32)についての吸着動作とが並行して行われる。第1動作中は、図1(A)に示すように、調湿側四方切換弁(34)が第1状態に設定され、調湿側電動膨張弁(33)の開度が適宜調節される。この状態で、圧縮機(21)から吐出されて調湿回路(30)へ流入した冷媒は、第1吸着熱交換器(31)で凝縮してから調湿側電動膨張弁(33)で減圧され、第2吸着熱交換器(32)で蒸発した後に圧縮機(21)へ吸入されて圧縮される。
第1動作中において、第1吸着熱交換器(31)では、冷媒で加熱された吸着材から水分が脱離し、この脱離した水分が空気に付与される。第1吸着熱交換器(31)から脱離した水分は、空気と共に室外へ排出される。一方、第2吸着熱交換器(32)では、室内空気中の水分が吸着材に吸着されて室内空気が除湿され、その際に生じた吸着熱が冷媒に吸熱される。第2吸着熱交換器(32)で除湿された室内空気は、室内へ送り返される。
第2動作では、第1吸着熱交換器(31)についての吸着動作と、第2吸着熱交換器(32)についての再生動作とが並行して行われる。第2動作中は、図1(B)に示すように、調湿側四方切換弁(34)が第2状態に設定され、調湿側電動膨張弁(33)の開度が適宜調節される。この状態で、圧縮機(21)から吐出されて調湿回路(30)へ流入した冷媒は、第2吸着熱交換器(32)で凝縮してから調湿側電動膨張弁(33)で減圧され、第1吸着熱交換器(31)で蒸発した後に圧縮機(21)へ吸入されて圧縮される。
第2動作中において、第1吸着熱交換器(31)では、室内空気中の水分が吸着材に吸着されて室内空気が除湿され、その際に生じた吸着熱が冷媒に吸熱される。第1吸着熱交換器(31)で除湿された室内空気は、室内へ送り返される。一方、第2吸着熱交換器(32)では、冷媒で加熱された吸着材から水分が脱離し、この脱離した水分が空気に付与される。第2吸着熱交換器(32)から脱離した水分は、空気と共に室外へ排出される。
〈暖房加湿運転〉
図2に示すように、暖房加湿運転中には、室外側四方切換弁(24)が第2状態に設定されると共に室外側電動膨張弁(23)の開度が適宜調節される。この状態において、冷媒回路(15)では、室内熱交換器(36)が凝縮器となって室外熱交換器(22)が蒸発器となる。つまり、圧縮機(21)から吐出されて室外側四方切換弁(24)を通過した冷媒は、室内熱交換器(36)で凝縮してから室外側電動膨張弁(23)で減圧され、室外熱交換器(22)で蒸発した後に圧縮機(21)へ吸入されて圧縮される。そして、室外熱交換器(22)で冷媒へ放熱した室外空気が室外へ排出され、室内熱交換器(36)で加熱された室内空気が室内へ送り返される。
暖房加湿運転中において、調湿ユニット(13)は、調湿回路(30)で第1吸着熱交換器(31)が凝縮器となって第2吸着熱交換器(32)が蒸発器となる第1動作と、調湿回路(30)で第2吸着熱交換器(32)が凝縮器となって第1吸着熱交換器(31)が蒸発器となる第2動作とを交互に繰り返す。
第1動作では、第1吸着熱交換器(31)についての再生動作と、第2吸着熱交換器(32)についての吸着動作とが並行して行われる。第1動作中は、図2(A)に示すように、調湿側四方切換弁(34)が第1状態に設定され、調湿側電動膨張弁(33)の開度が適宜調節される。この状態で、圧縮機(21)から吐出されて調湿回路(30)へ流入した冷媒は、第1吸着熱交換器(31)で凝縮してから調湿側電動膨張弁(33)で減圧され、第2吸着熱交換器(32)で蒸発した後に圧縮機(21)へ吸入されて圧縮される。
第1動作中において、第1吸着熱交換器(31)では、冷媒で加熱された吸着材から水分が脱離し、この脱離した水分が空気に付与される。第1吸着熱交換器(31)で加湿された室内空気は、室内へ送り返される。一方、第2吸着熱交換器(32)では、室内空気中の水分が吸着材に吸着されて室内空気が除湿され、その際に生じた吸着熱が冷媒に吸熱される。第2吸着熱交換器(32)で水分を奪われた室内空気は、室外へ排出される。
第2動作では、第1吸着熱交換器(31)についての吸着動作と、第2吸着熱交換器(32)についての再生動作とが並行して行われる。第2動作中は、図2(B)に示すように、調湿側四方切換弁(34)が第2状態に設定され、調湿側電動膨張弁(33)の開度が適宜調節される。この状態で、圧縮機(21)から吐出されて調湿回路(30)へ流入した冷媒は、第2吸着熱交換器(32)で凝縮してから調湿側電動膨張弁(33)で減圧され、第1吸着熱交換器(31)で蒸発した後に圧縮機(21)へ吸入されて圧縮される。
第2動作中において、第1吸着熱交換器(31)では、室内空気中の水分が吸着材に吸着されて室内空気が除湿され、その際に生じた吸着熱が冷媒に吸熱される。第1吸着熱交換器(31)で水分を奪われた室内空気は、室外へ排出される。第2吸着熱交換器(32)では、冷媒で加熱された吸着材から水分が脱離し、この脱離した水分が室内空気に付与される。第2吸着熱交換器(32)で加湿された室内空気は、室内へ送り返される。
〈調湿ユニットの運転動作〉
上述のように、上記調湿ユニット(13)は、空気調和装置(10)の冷房除湿運転時には除湿運転を、空気調和装置(10)の暖房加湿運転時には加湿運転をそれぞれ行う。また、この調湿ユニット(13)は、除湿運転と加湿運転のそれぞれおいて、第1動作と第2動作とを交互に繰り返す。
上記調湿ユニット(13)の除湿運転について、図5,図6を参照しながら説明する。除湿運転時において、給気ファン(82)を運転すると、室外空気が外気吸込口(51)からケーシング(50)内へ第1空気として取り込まれる。また、排気ファン(81)を運転すると、室内空気が内気吸込口(53)からケーシング(50)内へ第2空気として取り込まれる。
除湿運転時の第1動作では、上述したように、第1吸着熱交換器(31)が凝縮器となって第2吸着熱交換器(32)が蒸発器となる。そして、調湿ユニット(13)では、第2吸着熱交換器(32)についての吸着動作と、第1吸着熱交換器(31)についての再生動作とが行われる。
この第1動作中には、図5に示すように、第1右上ダンパ(71)及び第2右下ダンパ(74)が開状態となり、第1右下ダンパ(73)及び第2右上ダンパ(72)が閉状態となる。また、第1左下ダンパ(77)及び第2左上ダンパ(76)が開状態となり、第1左上ダンパ(75)及び第2左下ダンパ(78)が閉状態となる。
外気吸込口(51)から右下流路(62)へ流入した第1空気は、第2右下ダンパ(74)を通って第2吸着熱交換器(32)の下側へ流入し、第2吸着熱交換器(32)を下から上へ向かって通過する。第2吸着熱交換器(32)では、第1空気中の水分が吸着材に吸着されて第1空気が除湿され、その際に生じた吸着熱が冷媒に吸熱される。第2吸着熱交換器(32)で除湿された第1空気は、第2左上ダンパ(76)を通って左上流路(63)へ流入し、給気側流路(66)を通過後に給気口(52)から室内へ供給される。
内気吸込口(53)から左下流路(64)へ流入した第2空気は、第1左下ダンパ(77)を通って第1吸着熱交換器(31)の下側へ流入し、第1吸着熱交換器(31)を下から上へ向かって通過する。第1吸着熱交換器(31)では、冷媒で加熱された吸着材から水分が脱離し、この脱離した水分が第2空気に付与される。第1吸着熱交換器(31)から脱離した水分は、第2空気と共に第1右上ダンパ(71)を通って右上流路(61)へ流入し、排気側流路(65)を通過後に排気口(54)から室外へ排出される。
除湿運転時の第2動作では、上述したように、第2吸着熱交換器(32)が凝縮器となって第1吸着熱交換器(31)が蒸発器となる。そして、調湿ユニット(13)では、第1吸着熱交換器(31)についての吸着動作と、第2吸着熱交換器(32)についての再生動作とが行われる。
この第2動作中には、図6に示すように、第1右下ダンパ(73)及び第2右上ダンパ(72)が開状態となり、第1右上ダンパ(71)及び第2右下ダンパ(74)が閉状態となる。また、第1左上ダンパ(75)及び第2左下ダンパ(78)が開状態となり、第1左下ダンパ(77)及び第2左上ダンパ(76)が閉状態となる。
外気吸込口(51)から右下流路(62)へ流入した第1空気は、第1右下ダンパ(73)を通って第1吸着熱交換器(31)の下側へ流入し、第1吸着熱交換器(31)を下から上へ向かって通過する。第1吸着熱交換器(31)では、第1空気中の水分が吸着材に吸着されて第1空気が除湿され、その際に生じた吸着熱が冷媒に吸熱される。第1吸着熱交換器(31)で除湿された第1空気は、第1左上ダンパ(75)を通って左上流路(63)へ流入し、給気側流路(66)を通過後に給気口(52)から室内へ供給される。
内気吸込口(53)から左下流路(64)へ流入した第2空気は、第2左下ダンパ(78)を通って第2吸着熱交換器(32)の下側へ流入し、第2吸着熱交換器(32)を下から上へ向かって通過する。第2吸着熱交換器(32)では、冷媒で加熱された吸着材から水分が脱離し、この脱離した水分が第2空気に付与される。第2吸着熱交換器(32)から脱離した水分は、第2空気と共に第2右上ダンパ(72)を通って右上流路(61)へ流入し、排気側流路(65)を通過後に排気口(54)から室外へ排出される。
上記調湿ユニット(13)の加湿運転について、図7,図8を参照しながら説明する。加湿運転時において、給気ファン(82)を運転すると、室外空気が外気吸込口(51)からケーシング(50)内へ第2空気として取り込まれる。また、排気ファン(81)を運転すると、室内空気が内気吸込口(53)からケーシング(50)内へ第1空気として取り込まれる。
加湿運転時の第1動作では、上述したように、第1吸着熱交換器(31)が凝縮器となって第2吸着熱交換器(32)が蒸発器となる。そして、調湿ユニット(13)では、第2吸着熱交換器(32)についての吸着動作と、第1吸着熱交換器(31)についての再生動作とが行われる。
この第1動作中には、図7に示すように、第1右下ダンパ(73)及び第2右上ダンパ(72)が開状態となり、第1右上ダンパ(71)及び第2右下ダンパ(74)が閉状態となる。また、第1左上ダンパ(75)及び第2左下ダンパ(78)が開状態となり、第1左下ダンパ(77)及び第2左上ダンパ(76)が閉状態となる。
内気吸込口(53)から左下流路(64)へ流入した第1空気は、第2左下ダンパ(78)を通って第2吸着熱交換器(32)の下側へ流入し、第2吸着熱交換器(32)を下から上へ向かって通過する。第2吸着熱交換器(32)では、第1空気中の水分が吸着材に吸着されて第1空気が除湿され、その際に生じた吸着熱が冷媒に吸熱される。第2吸着熱交換器(32)で水分を奪われた第1空気は、第2右上ダンパ(72)を通って右上流路(61)へ流入し、排気側流路(65)を通過後に排気口(54)から室外へ排出される。
外気吸込口(51)から右下流路(62)へ流入した第2空気は、第1右下ダンパ(73)を通って第1吸着熱交換器(31)の下側へ流入し、第1吸着熱交換器(31)を下から上へ向かって通過する。第1吸着熱交換器(31)では、冷媒で加熱された吸着材から水分が脱離し、この脱離した水分が第2空気に付与される。第1吸着熱交換器(31)で加湿された第2空気は、第1左上ダンパ(75)を通って左上流路(63)へ流入し、給気側流路(66)を通過後に給気口(52)から室内へ供給される。
加湿運転時の第2動作では、上述したように、第2吸着熱交換器(32)が凝縮器となって第1吸着熱交換器(31)が蒸発器となる。そして、調湿ユニット(13)では、第1吸着熱交換器(31)についての吸着動作と、第2吸着熱交換器(32)についての再生動作とが行われる。
この第2動作中には、図8に示すように、第1右上ダンパ(71)及び第2右下ダンパ(74)が開状態となり、第1右下ダンパ(73)及び第2右上ダンパ(72)が閉状態となる。また、第1左下ダンパ(77)及び第2左上ダンパ(76)が開状態となり、第1左上ダンパ(75)及び第2左下ダンパ(78)が閉状態となる。
内気吸込口(53)から左下流路(64)へ流入した第1空気は、第1左下ダンパ(77)を通って第1吸着熱交換器(31)の下側へ流入し、第1吸着熱交換器(31)を下から上へ向かって通過する。第1吸着熱交換器(31)では、第1空気中の水分が吸着材に吸着されて第1空気が除湿され、その際に生じた吸着熱が冷媒に吸熱される。第1吸着熱交換器(31)で水分を奪われた第1空気は、第1右上ダンパ(71)を通って右上流路(61)へ流入し、排気側流路(65)を通過後に排気口(54)から室外へ排出される。
外気吸込口(51)から右下流路(62)へ流入した第2空気は、第2右下ダンパ(74)を通って第2吸着熱交換器(32)の下側へ流入し、第2吸着熱交換器(32)を下から上へ向かって通過する。第2吸着熱交換器(32)では、冷媒で加熱された吸着材から水分が脱離し、この脱離した水分が第2空気に付与される。第2吸着熱交換器(32)で加湿された第2空気は、第2左上ダンパ(76)を通って左上流路(63)へ流入し、給気側流路(66)を通過後に給気口(52)から室内へ供給される。
−実施形態の効果−
本実施形態では、室外ユニット(11)と室内ユニット(12)を接続して構成された冷媒回路(15)に調湿ユニット(13)を接続している。そして、上記調湿ユニット(13)は、従来の調湿装置のようにそれ自身が圧縮機を備えていなくても、室外ユニット(11)の圧縮機(21)から供給された冷媒を利用して空気の湿度調節を行うことが可能である。このように、本実施形態によれば、主に顕熱負荷を処理する温調ユニットと主に潜熱負荷を処理する室内ユニット(12)とが室外ユニット(11)の圧縮機(21)を共用することとなり、室内ユニット(12)だけでなく調湿ユニット(13)をも小型化できる。従って、室内ユニット(12)によって顕熱負荷を、調湿ユニット(13)によって潜熱負荷をそれぞれ確実に処理して快適性を確保でき、しかも屋内側に設置される室内ユニット(12)と調湿ユニット(13)の両方が小型に形成されていて設置自由度の高い空気調和装置(10)を実現できる。
また、本実施形態によれば、冷媒回路(15)に接続された吸着熱交換器(31,32)に吸着材を担持しているため、吸着材を冷媒回路(15)の冷媒によって効率よく加熱し又は冷却することができる。その結果、吸着材と空気の間で授受される水蒸気の量を増大させることができ、調湿ユニット(13)の能力向上あるいは調湿ユニット(13)の小型化を図ることができる。
また、本実施形態の調湿ユニット(13)は、冷媒回路(15)に接続された第1及び第2吸着熱交換器(31,32)の一方が水蒸気を吸着する間に他方が再生されるバッチ式の動作を行うようにしている。従って、本実施形態によれば、調湿ユニット(13)で除湿された第1空気と加湿された第2空気とを連続的に生成し、得られた第1空気又は第2空気を継続して室内へ供給することが可能となる。
また、本実施形態の調湿ユニット(13)では、第1及び第2吸着熱交換器(31,32)のうち第1空気を除湿する方が蒸発器となって第2空気を加湿する方が凝縮器となる。このため、蒸発器となっている吸着熱交換器(31,32)では、冷媒回路(15)の冷媒によって吸着材が冷却され、吸着材に対する空気中の水蒸気の吸着が促進される。また、凝縮器となっている吸着熱交換器(31,32)では、冷媒回路(15)の冷媒によって吸着材が加熱され、吸着材からの水蒸気の脱離が促進される。従って、この発明によれば、吸着材への水蒸気の吸着と吸着材からの水蒸気の脱離との両方を促進でき、調湿ユニット(13)の能力向上あるいは調湿ユニット(13)の小型化を図ることができる。
また、本実施形態の空気調和装置(10)では、冷媒回路(15)における圧縮機(21)と室外側四方切換弁(24)の間に調湿ユニット(13)が接続されており、室外ユニット(11)と調湿ユニット(13)の間を行き来する冷媒の流通方向は室外側四方切換弁(24)の状態に関係なく一定となる。従って、本実施形態によれば、調湿ユニット(13)の運転制御において室外側四方切換弁(24)の状態を考慮する必要が無くなり、調湿ユニット(13)の運転制御を簡素化できる。
−実施形態の変形例1−
上記空気調和装置(10)では、冷房除湿運転と暖房加湿運転に加えて、冷房加湿運転や暖房除湿運転を行うようにしてもよい。
図9に示すように、冷房加湿運転中には、室内ユニット(12)で冷房運転が行われ、調湿ユニット(13)で加湿運転が行われる。
具体的に、冷媒回路(15)では、室外側四方切換弁(24)が第1状態に設定され、室外熱交換器(22)が凝縮器となって室内熱交換器(36)が蒸発器となる。そして、室内ユニット(12)は、室内熱交換器(36)で冷却された空気を室内へ供給する。
一方、調湿ユニット(13)では、第1動作と第2動作が交互に繰り返される。第1動作中には、図9(A)に示すように、調湿側四方切換弁(34)が第1状態に設定され、第1吸着熱交換器(31)についての再生動作と、第2吸着熱交換器(32)についての吸着動作とが並行して行われる。そして、調湿ユニット(13)は、第1吸着熱交換器(31)で加湿された第2空気を室内へ供給し、第2吸着熱交換器(32)で水分を奪われた第1空気を室外へ排出する。第2動作中には、図9(B)に示すように、調湿側四方切換弁(34)が第2状態に設定され、第1吸着熱交換器(31)についての吸着動作と、第2吸着熱交換器(32)についての再生動作とが並行して行われる。そして、調湿ユニット(13)は、第2吸着熱交換器(32)で加湿された第2空気を室内へ供給し、第1吸着熱交換器(31)で水分を奪われた第1空気を室外へ排出する。
図10に示すように、暖房除湿運転中には、室内ユニット(12)で暖房運転が行われ、調湿ユニット(13)で除湿運転が行われる。
具体的に、冷媒回路(15)では、室外側四方切換弁(24)が第2状態に設定され、室内熱交換器(36)が凝縮器となって室外熱交換器(22)が蒸発器となる。そして、室内ユニット(12)は、室内熱交換器(36)で加熱された空気を室内へ供給する。
一方、調湿ユニット(13)では、第1動作と第2動作が交互に繰り返される。第1動作中には、図10(A)に示すように、調湿側四方切換弁(34)が第1状態に設定され、第1吸着熱交換器(31)についての再生動作と、第2吸着熱交換器(32)についての吸着動作とが並行して行われる。そして、調湿ユニット(13)は、第2吸着熱交換器(32)で除湿された第1空気を室内へ供給し、第1吸着熱交換器(31)から水分を付与された第2空気を室外へ排出する。第2動作中には、図10(B)に示すように、調湿側四方切換弁(34)が第2状態に設定され、第1吸着熱交換器(31)についての吸着動作と、第2吸着熱交換器(32)についての再生動作とが並行して行われる。そして、調湿ユニット(13)は、第1吸着熱交換器(31)で除湿された第1空気を室内へ供給し、第2吸着熱交換器(32)から水分を付与された第2空気を室外へ排出する。
このように、上記空気調和装置(10)は、室内ユニット(12)で冷房運転を行う状態において、調湿ユニット(13)で除湿運転と加湿運転のどちらも行うこともできる。また、この空気調和装置(10)は、室内ユニット(12)で暖房運転を行う状態において、調湿ユニット(13)で除湿運転と加湿運転のどちらも行うこともできる。つまり、上記空気調和装置(10)は、室内ユニット(12)における冷房運転と暖房運転の切り換えと、調湿ユニット(13)における除湿運転と加湿運転の切り換えとを独立して行うことが可能である。
−実施形態の変形例2−
上記調湿ユニット(13)の除湿運転では、室外空気を第1空気として取り込んで室内へ供給すると共に、室内空気を第2空気として取り込んで室外へ排出し、除湿した第1空気を室内へ供給すると同時に室内の換気も行っている。
これに対し、上記調湿ユニット(13)の除湿運転では、室内の換気は行わずに除湿した第1空気の供給だけを行うようにしてもよい。この除湿運転時において、給気ファン(82)を運転すると、室内空気が内気吸込口(53)からケーシング(50)内へ第1空気として取り込まれる。また、排気ファン(81)を運転すると、室外空気が外気吸込口(51)からケーシング(50)内へ第2空気として取り込まれる。この除湿運転中においても、調湿ユニット(13)では第1動作と第2動作が交互に繰り返される。
第1動作では、図11に示すように、第1右上ダンパ(71)及び第1右下ダンパ(73)が開状態となり、第2右上ダンパ(72)及び第2右下ダンパ(74)が閉状態となる。また、第2左上ダンパ(76)及び第2左下ダンパ(78)が開状態となり、第1左上ダンパ(75)及び第1左下ダンパ(77)が閉状態となる。また、第1動作中には、第1吸着熱交換器(31)が凝縮器となって第2吸着熱交換器(32)が蒸発器となる。
内気吸込口(53)から左下流路(64)へ流入した第1空気は、第2左下ダンパ(78)を通って第2吸着熱交換器(32)へ流入し、この第2吸着熱交換器(32)を通過する間に除湿される。除湿された第1空気は、第2左上ダンパ(76)を通って左上流路(63)へ流入し、給気側流路(66)を通過後に給気口(52)から室内へ供給される。
外気吸込口(51)から右下流路(62)へ流入した第2空気は、第1右下ダンパ(73)を通って第1吸着熱交換器(31)へ流入し、この第1吸着熱交換器(31)から脱離した水分を付与される。水分を付与された第2空気は、第1右上ダンパ(71)を通って右上流路(61)へ流入し、排気側流路(65)を通過後に排気口(54)から室外へ排出される。
第2動作では、図12に示すように、第2右上ダンパ(72)及び第2右下ダンパ(74)が開状態となり、第1右上ダンパ(71)及び第1右下ダンパ(73)が閉状態となる。また、第1左上ダンパ(75)及び第1左下ダンパ(77)が開状態となり、第2左上ダンパ(76)及び第2左下ダンパ(78)が閉状態となる。また、第2動作中には、第2吸着熱交換器(32)が凝縮器となって第1吸着熱交換器(31)が蒸発器となる。
内気吸込口(53)から左下流路(64)へ流入した第1空気は、第1左下ダンパ(77)を通って第1吸着熱交換器(31)へ流入し、この第1吸着熱交換器(31)を通過する間に除湿される。除湿された第1空気は、第1左上ダンパ(75)を通って左上流路(63)へ流入し、給気側流路(66)を通過後に給気口(52)から室内へ供給される。
外気吸込口(51)から右下流路(62)へ流入した第2空気は、第2右下ダンパ(74)を通って第2吸着熱交換器(32)へ流入し、この第2吸着熱交換器(32)から脱離した水分を付与される。水分を付与された第2空気は、第2右上ダンパ(72)を通って右上流路(61)へ流入し、排気側流路(65)を通過後に排気口(54)から室外へ排出される。
−実施形態の変形例3−
上記調湿ユニット(13)の加湿運転では、室外空気を第2空気として取り込んで室内へ供給すると共に、室内空気を第1空気として取り込んで室外へ排出し、加湿した第2空気を室内へ供給すると同時に室内の換気も行っている。
これに対し、上記調湿ユニット(13)の加湿運転では、室内の換気は行わずに加湿した第2空気の供給だけを行うようにしてもよい。この加湿運転時において、給気ファン(82)を運転すると、室内空気が内気吸込口(53)からケーシング(50)内へ第2空気として取り込まれる。また、排気ファン(81)を運転すると、室外空気が外気吸込口(51)からケーシング(50)内へ第1空気として取り込まれる。この加湿運転中においても、調湿ユニット(13)では第1動作と第2動作が交互に繰り返される。
第1動作では、図13に示すように、第2右上ダンパ(72)及び第2右下ダンパ(74)が開状態となり、第1右上ダンパ(71)及び第1右下ダンパ(73)が閉状態となる。また、第1左上ダンパ(75)及び第1左下ダンパ(77)が開状態となり、第2左上ダンパ(76)及び第2左下ダンパ(78)が閉状態となる。また、第1動作中には、第1吸着熱交換器(31)が凝縮器となって第2吸着熱交換器(32)が蒸発器となる。
外気吸込口(51)から右下流路(62)へ流入した第1空気は、第2右下ダンパ(74)を通って第2吸着熱交換器(32)へ流入し、この第2吸着熱交換器(32)を通過する間に水分を奪われる。水分を奪われた第1空気は、第2右上ダンパ(72)を通って右上流路(61)へ流入し、排気側流路(65)を通過後に排気口(54)から室外へ排出される。
内気吸込口(53)から左下流路(64)へ流入した第2空気は、第1左下ダンパ(77)を通って第1吸着熱交換器(31)へ流入し、この第1吸着熱交換器(31)を通過する間に加湿される。加湿された第2空気は、第1左上ダンパ(75)を通って左上流路(63)へ流入し、給気側流路(66)を通過後に給気口(52)から室内へ供給される。
第2動作では、図14に示すように、第1右上ダンパ(71)及び第1右下ダンパ(73)が開状態となり、第2右上ダンパ(72)及び第2右下ダンパ(74)が閉状態となる。また、第2左上ダンパ(76)及び第2左下ダンパ(78)が開状態となり、第1左上ダンパ(75)及び第1左下ダンパ(77)が閉状態となる。また、第2動作中には、第2吸着熱交換器(32)が凝縮器となって第1吸着熱交換器(31)が蒸発器となる。
外気吸込口(51)から右下流路(62)へ流入した第1空気は、第1右下ダンパ(73)を通って第1吸着熱交換器(31)へ流入し、この第1吸着熱交換器(31)を通過する間に水分を奪われる。水分を奪われた第1空気は、第1右上ダンパ(71)を通って右上流路(61)へ流入し、排気側流路(65)を通過後に排気口(54)から室外へ排出される。
内気吸込口(53)から左下流路(64)へ流入した第2空気は、第2左下ダンパ(78)を通って第2吸着熱交換器(32)へ流入し、この第2吸着熱交換器(32)を通過する間に加湿される。加湿された第2空気は、第2左上ダンパ(76)を通って左上流路(63)へ流入し、給気側流路(66)を通過後に給気口(52)から室内へ供給される。
−実施形態の変形例4−
上記調湿ユニット(13)では、室外から室内への給気だけを行う運転を除湿運転や加湿運転として行うようにしてもよい。
給気のみを行う除湿運転と加湿運転のそれぞれにおいて、給気ファン(82)及び排気ファン(81)を運転すると、室外空気だけが外気吸込口(51)からケーシング(50)内へ取り込まれる。また、給気のみを行う除湿運転と加湿運転のそれぞれにおいて、第1吸着熱交換器(31)が凝縮器となって第2吸着熱交換器(32)が蒸発器となる第1動作と、第2吸着熱交換器(32)が凝縮器となって第1吸着熱交換器(31)が蒸発器となる第2動作とが交互に繰り返される。
先ず、給気のみを行う除湿運転について説明する。ケーシング(50)内へ取り込まれた室外空気は、その一部が第1空気として蒸発器となっている吸着熱交換器(31,32)へ、残りが第2空気として凝縮器となっている吸着熱交換器(31,32)へそれぞれ導入される。そして、調湿ユニット(13)は、2つの吸着熱交換器(31,32)のうち蒸発器となっている方で除湿された第1空気を室内へ供給し、凝縮器となっている方で加湿された第2空気を室外へ排出する。
例えば、この除湿運転の第2動作では、図15に示すように、第2右上ダンパ(72)、第1右下ダンパ(73)及び第2右下ダンパ(74)が開状態となり、第1右上ダンパ(71)が閉状態となる。また、第1左上ダンパ(75)が開状態となり、第2左上ダンパ(76)、第1左下ダンパ(77)及び第2左下ダンパ(78)が閉状態となる。ケーシング(50)内において、第1空気は、第1右下ダンパ(73)、第1吸着熱交換器(31)、第1左上ダンパ(75)の順に流れ、給気口(52)から室内へ供給される。一方、第2空気は、第2右下ダンパ(74)、第2吸着熱交換器(32)、第2右上ダンパ(72)の順に流れ、排気口(54)から室外へ排出される。
次に、給気のみを行う加湿運転について説明する。ケーシング(50)内へ取り込まれた室外空気は、その一部が第1空気として蒸発器となっている吸着熱交換器(31,32)へ、残りが第2空気として凝縮器となっている吸着熱交換器(31,32)へそれぞれ導入される。そして、調湿ユニット(13)は、2つの吸着熱交換器(31,32)のうち蒸発器となっている方で除湿された第1空気を室外へ排出し、凝縮器となっている方で加湿された第2空気を室内へ供給する。
例えば、この加湿運転の第2動作では、図16に示すように、第1右上ダンパ(71)、第1右下ダンパ(73)及び第2右下ダンパ(74)が開状態となり、第2右上ダンパ(72)が閉状態となる。また、第2左上ダンパ(76)が開状態となり、第1左上ダンパ(75)、第1左下ダンパ(77)及び第2左下ダンパ(78)が閉状態となる。ケーシング(50)内において、第1空気は、第1右下ダンパ(73)、第1吸着熱交換器(31)、第1右上ダンパ(71)の順に流れ、排気口(54)から室外へ排出される。一方、第2空気は、第2右下ダンパ(74)、第2吸着熱交換器(32)、第2左上ダンパ(76)の順に流れ、給気口(52)から室内へ供給される。
−実施形態の変形例5−
上記調湿ユニット(13)では、室内から室外への排気だけを行う運転を除湿運転や加湿運転として行うようにしてもよい。
排気のみを行う除湿運転と加湿運転のそれぞれにおいて、給気ファン(82)及び排気ファン(81)を運転すると、室内空気だけが内気吸込口(53)からケーシング(50)内へ取り込まれる。また、排気のみを行う除湿運転と加湿運転のそれぞれにおいて、第1吸着熱交換器(31)が凝縮器となって第2吸着熱交換器(32)が蒸発器となる第1動作と、第2吸着熱交換器(32)が凝縮器となって第1吸着熱交換器(31)が蒸発器となる第2動作とが交互に繰り返される。
先ず、排気のみを行う除湿運転について説明する。ケーシング(50)内へ取り込まれた室内空気は、その一部が第1空気として蒸発器となっている吸着熱交換器(31,32)へ、残りが第2空気として凝縮器となっている吸着熱交換器(31,32)へそれぞれ導入される。そして、調湿ユニット(13)は、2つの吸着熱交換器(31,32)のうち蒸発器となっている方で除湿された第1空気を室内へ供給し、凝縮器となっている方で加湿された第2空気を室外へ排出する。
例えば、この除湿運転の第2動作では、図17に示すように、第2右上ダンパ(72)が開状態となり、第1右上ダンパ(71)、第1右下ダンパ(73)及び第2右下ダンパ(74)が閉状態となる。また、第1左上ダンパ(75)、第1左下ダンパ(77)及び第2左下ダンパ(78)が開状態となり、第2左上ダンパ(76)が閉状態となる。ケーシング(50)内において、第1空気は、第1左下ダンパ(77)、第1吸着熱交換器(31)、第1左上ダンパ(75)の順に流れ、給気口(52)から室内へ供給される。一方、第2空気は、第2左下ダンパ(78)、第2吸着熱交換器(32)、第2右上ダンパ(72)の順に流れ、排気口(54)から室外へ排出される。
次に、排気のみを行う加湿運転について説明する。ケーシング(50)内へ取り込まれた室内空気は、その一部が第1空気として蒸発器となっている吸着熱交換器(31,32)へ、残りが第2空気として凝縮器となっている吸着熱交換器(31,32)へそれぞれ導入される。そして、調湿ユニット(13)は、2つの吸着熱交換器(31,32)のうち蒸発器となっている方で除湿された第1空気を室外へ排出し、凝縮器となっている方で加湿された第2空気を室内へ供給する。
例えば、この加湿運転の第2動作では、図18に示すように、第1右上ダンパ(71)が開状態となり、第2右上ダンパ(72)、第1右下ダンパ(73)及び第2右下ダンパ(74)が閉状態となる。また、第2左上ダンパ(76)、第1左下ダンパ(77)及び第2左下ダンパ(78)が開状態となり、第1左上ダンパ(75)が閉状態となる。ケーシング(50)内において、第1空気は、第1左下ダンパ(77)、第1吸着熱交換器(31)、第1右上ダンパ(71)の順に流れ、排気口(54)から室外へ排出される。一方、第2空気は、第2左下ダンパ(78)、第2吸着熱交換器(32)、第2左上ダンパ(76)の順に流れ、給気口(52)から室内へ供給される。
−実施形態の変形例6−
上述のように、上記調湿ユニット(13)では、除湿運転中や加湿運転中に室外から室内への給気と室内から室外への排気を行うようにしている。その際、室内への給気量と室内からの排気量は原則的に等しく設定されるが、両者を異なる値に設定してもよい。例えば、隙間風などによって室内へ外気が侵入するのを防止したい場合は、室内が陽圧となるように給気量を排気量よりも大きな値に設定する。また、室内空気が室外へ漏れ出すのを防止したい場合は、室内が陰圧となるように排気量を給気量よりも大きな値に設定する。
また、上記調湿ユニット(13)では、調湿側電動膨張弁(33)を全閉して調湿回路(30)における冷媒の流通を遮断し、その状態で給気ファン(82)と排気ファン(81)とを運転して換気だけを行う単純換気運転を行ってもよい。例えば、春期や秋期のような中間期には室内の湿度調節が不要な場合もあるが、室内の換気は1年を通じて必要である。そこで、このような湿度調節が不要な時期には、単純換気運転を行うことで空気調和装置(10)の消費電力を抑制できる。
また、上記調湿ユニット(13)では、湿度は調節せずに温度だけを調節した空気を室内へ供給する空調運転を行ってもよい。この調湿ユニット(13)の空調運転中には、調湿側四方切換弁(34)が第1状態又は第2状態の一方に固定される。そして、2つの吸着熱交換器(31,32)のうち蒸発器となっている方を通過した空気が室内へ、凝縮器となっている方を通過した空気が室外へそれぞれ送られるように各ダンパ(71〜78)の開閉状態を設定すれば、吸着熱交換器(31,32)で冷却された空気が室内へ供給されて冷房が行われる。逆に、2つの吸着熱交換器(31,32)のうち凝縮器となっている方を通過した空気が室内へ、蒸発器となっている方を通過した空気が室外へそれぞれ送られるように各ダンパ(71〜78)の開閉状態を設定すれば、吸着熱交換器(31,32)で加熱された空気が室内へ供給されて暖房が行われる。この場合、空気調和装置(10)では、室内ユニット(12)と調湿ユニット(13)の両方で顕熱負荷を処理することが可能となる。従って、このような運転を空気調和装置(10)の起動直後に行えば、室内の気温を速やかに設定値に近付けることができ、起動から充分な快適性が得られるまでの時間を短縮できる。
また、上記空気調和装置(10)では、室内ユニット(12)と調湿ユニット(13)の一方だけを運転してもよい。室内ユニット(12)を運転して調湿ユニット(13)を停止させる場合には、調湿側電動膨張弁(33)を全閉して調湿回路(30)での冷媒の流通を遮断する。逆に、室内ユニット(12)を停止させて調湿ユニット(13)を運転する場合には、室外側電動膨張弁(23)を全閉して室内回路(35)での冷媒の流通を遮断する。
《参考技術1》
ここで、参考技術1について説明する。本参考技術は、上記実施形態の空気調和装置(10)において、室外回路(20)と調湿回路(30)の構成を変更したものである。また、本参考技術の空気調和装置(10)では、室外回路(20)と調湿回路(30)の構成変更に伴って冷媒回路(15)の構成も上記実施形態のものと相違している。ここでは、上記空気調和装置(10)について、上記実施形態と異なる点を説明する。
図19に示すように、本参考技術の室外回路(20)は、上記実施形態の室外回路(20)から第3閉鎖弁(27)及び第4閉鎖弁(28)を省略したものであり、この点を除けば上記実施形態の室外回路(20)と同様に構成されている。
本参考技術の調湿回路(30)には、第1吸着熱交換器(31)、第2吸着熱交換器(32)、第1電磁弁(41)及び第2電磁弁(42)が設けられている。各吸着熱交換器(31,32)の構成は、上記実施形態のものと同様である。この調湿回路(30)では、第1吸着熱交換器(31)と第2吸着熱交換器(32)が互いに並列接続されている。また、第1電磁弁(41)は第1吸着熱交換器(31)の一端側に、第2電磁弁(42)は第2吸着熱交換器(32)の一端側にそれぞれ配置されている。第1電磁弁(41)を開閉すると第1吸着熱交換器(31)への冷媒流入が断続し、第2電磁弁(42)を開閉すると第2吸着熱交換器(32)への冷媒流入が断続する。
本参考技術の冷媒回路(15)において、調湿回路(30)は、その一端が室外回路(20)の第2閉鎖弁(26)に接続され、その他端が室内回路(35)の一端に接続されている。また、室内回路(35)の他端は、室外回路(20)の第1閉鎖弁(25)に接続されている。
−運転動作−
上記空気調和装置(10)は、上記実施形態のものと同様に、冷房除湿運転と暖房加湿運転とを行うことができる。空気調和装置(10)の冷房除湿運転中には、室内ユニット(12)が冷房運転を行い、調湿ユニット(13)が除湿運転を行う。一方、空気調和装置(10)の暖房加湿運転中には、室内ユニット(12)が暖房運転を行い、調湿ユニット(13)が加湿運転を行う。
〈冷房除湿運転〉
冷房除湿運転中の動作について説明する。尚、除湿運転中の調湿ユニット(13)において、各ダンパ(71〜78)は、上記実施形態の場合と同様に動作する。
図19に示すように、冷房除湿運転中には、室外側四方切換弁(24)が第1状態に設定されると共に室外側電動膨張弁(23)の開度が適宜調節され、室外熱交換器(22)が凝縮器となって室内熱交換器(36)が蒸発器となる。また、第1吸着熱交換器(31)が蒸発器となって第2吸着熱交換器(32)が休止する第1動作と、第2吸着熱交換器(32)が蒸発器となって第1吸着熱交換器(31)が休止する第2動作とが交互に繰り返される。
冷房除湿運転中には、室外熱交換器(22)へ室外空気が供給され、室内熱交換器(36)へ室内空気が供給される。調湿ユニット(13)において、第1動作中は、第1吸着熱交換器(31)へ室外空気が、第2吸着熱交換器(32)へ室内空気がそれぞれ供給される。また、第2動作中は、第1吸着熱交換器(31)へ室内空気が、第2吸着熱交換器(32)へ室外空気がそれぞれ供給される。そして、室内熱交換器(36)を通過した空気が室内へ連続的に供給されると共に、第1吸着熱交換器(31)を通過した空気と第2吸着熱交換器(32)を通過した空気とが交互に室内へ供給される。
第1動作では、第1吸着熱交換器(31)についての吸着動作と、第2吸着熱交換器(32)についての再生動作とが並行して行われる。第1動作中は、図19(A)に示すように、第1電磁弁(41)が開放され、第2電磁弁(42)が閉鎖される。この状態で、圧縮機(21)から吐出された冷媒は、室外熱交換器(22)で凝縮してから室外側電動膨張弁(23)で減圧され、その後、室内熱交換器(36)と第1吸着熱交換器(31)を順に通過する間に蒸発し、圧縮機(21)へ吸入されて圧縮される。その際、第2吸着熱交換器(32)への冷媒の流入は、第2電磁弁(42)によって遮断される。
この第1動作中において、室外熱交換器(22)で冷媒から吸熱した室外空気が室外へ排出され、室内熱交換器(36)で冷却された室内空気が室内へ送り返される。第1吸着熱交換器(31)では、室内空気中の水分が吸着材に吸着されて室内空気が除湿され、その際に生じた吸着熱が冷媒に吸熱される。第1吸着熱交換器(31)で除湿された室内空気は、室内へ送り返される。第2吸着熱交換器(32)では、絶対湿度の比較的低い室内空気が吸着材と接触し、該吸着材から水分が脱離する。第2吸着熱交換器(32)から脱離した水分は、空気と共に室外へ排出される。
第2動作では、第1吸着熱交換器(31)についての再生動作と、第2吸着熱交換器(32)についての吸着動作とが並行して行われる。第2動作中は、図19(B)に示すように、第1電磁弁(41)が閉鎖され、第2電磁弁(42)が開放される。この状態で、圧縮機(21)から吐出された冷媒は、室外熱交換器(22)で凝縮してから室外側電動膨張弁(23)で減圧され、その後、室内熱交換器(36)と第2吸着熱交換器(32)を順に通過する間に蒸発し、圧縮機(21)へ吸入されて圧縮される。その際、第1吸着熱交換器(31)への冷媒の流入は、第1電磁弁(41)によって遮断される。
この第2動作中において、室外熱交換器(22)で冷媒から吸熱した室外空気が室外へ排出され、室内熱交換器(36)で冷却された室内空気が室内へ送り返される。第2吸着熱交換器(32)では、室内空気中の水分が吸着材に吸着されて室内空気が除湿され、その際に生じた吸着熱が冷媒に吸熱される。第2吸着熱交換器(32)で除湿された室内空気は、室内へ送り返される。第1吸着熱交換器(31)では、絶対湿度の比較的低い室内空気が吸着材と接触し、該吸着材から水分が脱離する。第1吸着熱交換器(31)から脱離した水分は、空気と共に室外へ排出される。
〈暖房加湿運転〉
暖房加湿運転中の動作について説明する。尚、加湿運転中の調湿ユニット(13)において、各ダンパ(71〜78)は、上記実施形態の場合と同様に動作する。
図20に示すように、暖房加湿運転中には、室外側四方切換弁(24)が第2状態に設定されると共に室外側電動膨張弁(23)の開度が適宜調節され、室内熱交換器(36)が凝縮器となって室外熱交換器(22)が蒸発器となる。また、第1吸着熱交換器(31)が凝縮器となって第2吸着熱交換器(32)が休止する第1動作と、第2吸着熱交換器(32)が凝縮器となって第1吸着熱交換器(31)が休止する第2動作とが交互に繰り返される。
暖房加湿運転中には、室外熱交換器(22)へ室外空気が供給され、室内熱交換器(36)へ室内空気が供給される。調湿ユニット(13)において、第1動作中は、第1吸着熱交換器(31)へ室外空気が、第2吸着熱交換器(32)へ室内空気がそれぞれ供給される。また、第2動作中は、第1吸着熱交換器(31)へ室内空気が、第2吸着熱交換器(32)へ室外空気がそれぞれ供給される。そして、室内熱交換器(36)を通過した空気が室内へ連続的に供給されると共に、第1吸着熱交換器(31)を通過した空気と第2吸着熱交換器(32)を通過した空気とが交互に室内へ供給される。
第1動作では、第1吸着熱交換器(31)についての再生動作と、第2吸着熱交換器(32)についての吸着動作とが並行して行われる。第1動作中は、図20(A)に示すように、第1電磁弁(41)が開放され、第2電磁弁(42)が閉鎖される。この状態で、圧縮機(21)から吐出された冷媒は、第1吸着熱交換器(31)と室内熱交換器(36)を順に通過する間に凝縮し、その後、室外側電動膨張弁(23)で減圧されてから室外熱交換器(22)で蒸発し、圧縮機(21)へ吸入されて圧縮される。その際、第2吸着熱交換器(32)への冷媒の流入は、第2電磁弁(42)によって遮断される。
この第1動作中において、室外熱交換器(22)で冷媒へ放熱した室外空気が室外へ排出され、室内熱交換器(36)で加熱された室内空気が室内へ送り返される。第1吸着熱交換器(31)では、冷媒で加熱された吸着材から水分が脱離し、この脱離した水分が空気に付与される。第1吸着熱交換器(31)で加湿された室内空気は、室内へ送り返される。第2吸着熱交換器(32)では、室内空気が吸着材と接触し、この室内空気中の水分が吸着材に吸着される。第2吸着熱交換器(32)で水分を奪われた室内空気は、室外へ排出される。
第2動作では、第1吸着熱交換器(31)についての吸着動作と、第2吸着熱交換器(32)についての再生動作とが並行して行われる。第2動作中は、図20(B)に示すように、第1電磁弁(41)が閉鎖され、第2電磁弁(42)が開放される。圧縮機(21)から吐出された冷媒は、第2吸着熱交換器(32)と室内熱交換器(36)を順に通過する間に凝縮し、その後、室外側電動膨張弁(23)で減圧されてから室外熱交換器(22)で蒸発し、圧縮機(21)へ吸入されて圧縮される。その際、第1吸着熱交換器(31)への冷媒の流入は、第1電磁弁(41)によって遮断される。
この第2動作中において、室外熱交換器(22)で冷媒へ放熱した室外空気が室外へ排出され、室内熱交換器(36)で加熱された室内空気が室内へ送り返される。第1吸着熱交換器(31)では、室内空気が吸着材と接触し、この室内空気中の水分が吸着材に吸着される。第1吸着熱交換器(31)で水分を奪われた室内空気は、室外へ排出される。第2吸着熱交換器(32)では、冷媒で加熱された吸着材から水分が脱離し、この脱離した水分が空気に付与される。第2吸着熱交換器(32)で加湿された室内空気は、室内へ送り返される。
−参考技術1の変形例−
上記空気調和装置(10)では、冷房除湿運転と暖房加湿運転に加えて、冷房加湿運転や暖房除湿運転を行うようにしてもよい。
冷房加湿運転中の冷媒回路(15)において、冷媒は冷房除湿運転中と同様に流れる。冷房加湿運転中の調湿ユニット(13)において、第1動作中は、第1吸着熱交換器(31)で除湿された室内空気が室外へ排出され、第2吸着熱交換器(32)で加湿された室外空気が室内へ供給される。一方、第2動作中は、第1吸着熱交換器(31)で加湿された室外空気が室内へ供給され、第2吸着熱交換器(32)で除湿された室内空気が室外へ排出される。
暖房除湿運転中の冷媒回路(15)において、冷媒は暖房加湿運転中と同様に流れる。冷房加湿運転中の調湿ユニット(13)において、第1動作中は、第1吸着熱交換器(31)で加湿された室内空気が室外へ排出され、第2吸着熱交換器(32)で除湿された室外空気が室内へ供給される。一方、第2動作中は、第1吸着熱交換器(31)で除湿された室外空気が室内へ供給され、第2吸着熱交換器(32)で加湿された室内空気が室外へ排出される。
《参考技術2》
参考技術2について説明する。本参考技術は、上記実施形態の空気調和装置(10)において、調湿ユニット(13)の構成を変更したものである。ここでは、本参考技術の調湿ユニット(13)について説明する。尚、その説明において用いる「上」「下」「左」「右」「前」「後」「手前」「奥」は、上記調湿ユニット(13)を正面側から見た場合のものを意味している。
図21に示すように、上記調湿ユニット(13)は、高さの低い扁平な直方体状のケーシング(110)を備えている。このケーシング(110)には、2つの吸着素子(181,182)と調湿回路(30)とが収納されている。
調湿回路(30)には、再生用熱交換器(172)と、第1熱交換器(173)と、第2熱交換器(174)と、膨張弁とが設けられている。尚、図21において、膨張弁の図示は省略する。この調湿回路(30)では、再生用熱交換器(172)が凝縮器として機能する。また、調湿回路(30)では、第1熱交換器(173)が蒸発器となって第2熱交換器(174)が休止する動作と、第2熱交換器(174)が蒸発器となって第1熱交換器(173)が休止する動作とが切換可能となっている。この調湿回路(30)は、再生用熱交換器(172)側の端部が室外回路(20)の第3閉鎖弁(27)に接続され、第1及び第2熱交換器(173,174)側の端部が室外回路(20)の第4閉鎖弁(28)に接続されている。
上記吸着素子(181,182)は、やや扁平な直方体状に形成されている。吸着素子(181,182)では、その長手方向へ調湿側通路(185)と冷却側通路(186)とが交互に複数ずつ形成されている。調湿側通路(185)は、吸着素子(181,182)の上下面に開口している。吸着素子(181,182)において、調湿側通路(185)に臨む面には、吸着材が塗布されている。一方、冷却側通路(186)は、吸着素子(181,182)の前後の側面に開口している。吸着素子(181,182)において、冷却側通路(186)を流れる空気は、調湿側通路(185)を流れる空気と熱交換する。
図21に示すように、上記ケーシング(110)では、正面側の第1パネル(111)に排気口(114)及び給気口(116)が設けられ、背面側の第2パネル(112)に外気吸込口(113)及び内気吸込口(115)が設けられている。第1パネル(111)では、その右側部分のやや中央寄りに排気口(114)が、その左側部分のやや中央寄りに給気口(116)がそれぞれ開口している。第2パネル(112)では、その右端寄りの下部に外気吸込口(113)が、その左端寄りの下部に内気吸込口(115)がそれぞれ開口している。
ケーシング(110)の内部は、正面側の空間と背面側の空間とに仕切られている。
ケーシング(110)内の正面側の空間は、左右に仕切られており、右側の空間が第1空間(141)を、左側の空間が第2空間(142)をそれぞれ構成している。第1空間(141)は、排気口(114)を介して室外に連通しており、その内部に排気ファン(145)と第1熱交換器(173)とが設置されている。第2空間(142)は、給気口(116)を介して室内に連通しており、その内部に給気ファン(146)と第2熱交換器(174)とが設置されている。
ケーシング(110)内の背面側の空間には、右側仕切板(120)と左側仕切板(130)とが立設されている。この背面側の空間は、右側仕切板(120)及び左側仕切板(130)によって、左右に3つの空間に仕切られている。
ケーシング(110)の右側板と右側仕切板(120)の間の空間は、上下に仕切られている。この空間は、上側の空間が右上部流路(165)を構成し、下側の空間が右下部流路(166)を構成している。右上部流路(165)は、第1空間(141)及び排気口(114)を介して室外と連通している。右下部流路(166)は、外気吸込口(113)を介して室外と連通している。
ケーシング(110)の左側板と左側仕切板(130)の間の空間は、上下に仕切られている。この空間は、上側の空間が左上部流路(167)を構成し、下側の空間が左下部流路(168)を構成している。左上部流路(167)は、第2空間(142)及び給気口(116)を介して室内と連通している。左下部流路(168)は、内気吸込口(115)を介して室内と連通している。
ケーシング(110)内における右側仕切板(120)と左側仕切板(130)の間の空間には、2つの吸着素子(181,182)が設置されている。2つの吸着素子(181,182)は、前後に間隔をおいて並べられている。具体的には、ケーシング(110)の正面寄りに第1吸着素子(181)が配置され、その背面寄りに第2吸着素子(182)が配置されている。各吸着素子(181,182)では、上下の面に調湿側通路(185)が開口し、その前後の面に冷却側通路(186)が開口している。
また、ケーシング(110)内における右側仕切板(120)と左側仕切板(130)の間の空間は、第1流路(151)、第2流路(152)、第1上部流路(153)、第1下部流路(154)、第2上部流路(155)、第2下部流路(156)及び中央流路(157)に区画されている。
第1流路(151)は、第1吸着素子(181)の手前側に形成され、第1吸着素子(181)の冷却側通路(186)に連通している。第2流路(152)は、第2吸着素子(182)の奥側に形成され、第2吸着素子(182)の冷却側通路(186)に連通している。
第1上部流路(153)は、第1吸着素子(181)の上側に形成され、第1吸着素子(181)の調湿側通路(185)に連通している。第1下部流路(154)は、第1吸着素子(181)の下側に形成され、第1吸着素子(181)の調湿側通路(185)に連通している。第2上部流路(155)は、第2吸着素子(182)の上側に形成され、第2吸着素子(182)の調湿側通路(185)に連通している。第2下部流路(156)は、第2吸着素子(182)の下側に形成され、第2吸着素子(182)の調湿側通路(185)に連通している。
中央流路(157)は、第1吸着素子(181)と第2吸着素子(182)の間に形成され、両吸着素子(181,182)の冷却側通路(186)に連通している。この中央流路(157)には、再生用熱交換器(172)が立設されている。
中央流路(157)と第1下部流路(154)の間の仕切りには、その下部に第1中央ダンパ(161)が設けられている。第1中央ダンパ(161)は、中央流路(157)と第1下部流路(154)の間を断続する。中央流路(157)と第2下部流路(156)の間の仕切りには、その下部に第2中央ダンパ(162)が設けられている。第2中央ダンパ(162)は、中央流路(157)と第2下部流路(156)の間を断続する。
右側仕切板(120)には、第1右側ダンパ(121)、第2右側ダンパ(122)、第1右上ダンパ(123)、第1右下ダンパ(124)、第2右上ダンパ(125)、及び第2右下ダンパ(126)が設けられている。
第1右側ダンパ(121)は、右側仕切板(120)における最も手前側の下部に設けられ、第1流路(151)と右下部流路(166)の間を断続する。第2右側ダンパ(122)は、右側仕切板(120)における最も奥側の下部に設けられ、第2流路(152)と右下部流路(166)の間を断続する。
第1右上ダンパ(123)は、右側仕切板(120)のうち第1吸着素子(181)に隣接する部分の上部に設けられ、第1上部流路(153)と右上部流路(165)の間を断続する。第1右下ダンパ(124)は、右側仕切板(120)のうち第1吸着素子(181)に隣接する部分の下部に設けられ、第1下部流路(154)と右下部流路(166)の間を断続する。第2右上ダンパ(125)は、右側仕切板(120)のうち第2吸着素子(182)に隣接する部分の上部に設けられ、第2上部流路(155)と右上部流路(165)の間を断続する。第2右下ダンパ(126)は、右側仕切板(120)のうち第2吸着素子(182)に隣接する部分の下部に設けられ、第2下部流路(156)と右下部流路(166)の間を断続する。
左側仕切板(130)には、第1左側ダンパ(131)、第2左側ダンパ(132)、第1左上ダンパ(133)、第1左下ダンパ(134)、第2左上ダンパ(135)、及び第2左下ダンパ(136)が設けられている。
第1左側ダンパ(131)は、左側仕切板(130)における手前側の下部に設けられ、第1流路(151)と左下部流路(168)の間を断続する。第2左側ダンパ(132)は、左側仕切板(130)における奥側の下部に設けられ、第2流路(152)と左下部流路(168)の間を断続する。
第1左上ダンパ(133)は、左側仕切板(130)のうち第1吸着素子(181)に隣接する部分の上部に設けられ、第1上部流路(153)と左上部流路(167)の間を断続する。第1左下ダンパ(134)は、左側仕切板(130)のうち第1吸着素子(181)に隣接する部分の下部に設けられ、第1下部流路(154)と左下部流路(168)の間を断続する。第2左上ダンパ(135)は、左側仕切板(130)のうち第2吸着素子(182)に隣接する部分の上部に設けられ、第2上部流路(155)と左上部流路(167)の間を断続する。第2左下ダンパ(136)は、左側仕切板(130)のうち第2吸着素子(182)に隣接する部分の下部に設けられ、第2下部流路(156)と左下部流路(168)の間を断続する。
−運転動作−
上記空気調和装置(10)は、上記実施形態のものと同様に、冷房除湿運転と暖房加湿運転とを行うことができる。空気調和装置(10)の冷房除湿運転中には、室内ユニット(12)が冷房運転を行い、調湿ユニット(13)が除湿運転を行う。一方、空気調和装置(10)の暖房加湿運転中には、室内ユニット(12)が暖房運転を行い、調湿ユニット(13)が加湿運転を行う。
冷房除湿運転と暖房加湿運転における室外ユニット(11)及び室内ユニット(12)の動作は、上記実施形態の場合と同様である。ここでは、本参考技術の調湿ユニット(13)における除湿運転と加湿運転について説明する。
〈除湿運転〉
図21及び図22に示すように、除湿運転時において、給気ファン(146)を駆動すると、室外空気(OA)が外気吸込口(113)からケーシング(110)内へ第1空気として取り込まれる。一方、排気ファン(145)を駆動すると、室内空気(RA)が内気吸込口(115)からケーシング(110)内へ第2空気として取り込まれる。また、除湿運転時において、調湿回路(30)では、再生用熱交換器(172)が凝縮器となり、第2熱交換器(174)が蒸発器となる一方、第1熱交換器(173)が休止する。この状態で、調湿ユニット(13)は、第1動作と第2動作を交互に繰り返す。
除湿運転中の第1動作について、図21を参照しながら説明する。この第1動作では、第1吸着素子(181)についての吸着動作と、第2吸着素子(182)についての再生動作とが行われる。
この第1動作において、右側仕切板(120)では、第1右下ダンパ(124)と第2右上ダンパ(125)とが開状態となり、残りのダンパ(121,122,123,126)が閉状態となる。左側仕切板(130)では、第1左側ダンパ(131)と第1左上ダンパ(133)とが開状態となり、残りのダンパ(132,134,135,136)が閉状態となる。第1中央ダンパ(161)は閉状態となり、第2中央ダンパ(162)は開状態となる。
ケーシング(110)内へ取り込まれた第1空気は、右下部流路(166)から第1右下ダンパ(124)を通って第1下部流路(154)へ流入する。第1下部流路(154)の第1空気は、第1吸着素子(181)の調湿側通路(185)へ流入する。この調湿側通路(185)では、第1空気中の水蒸気が吸着材に吸着される。第1吸着素子(181)で除湿された第1空気は、第1上部流路(153)へ流入し、その後に第1左上ダンパ(133)と左上部流路(167)とを順に通過して第2空間(142)へ流入する。第2空間(142)において、第1空気は、第2熱交換器(174)を通過する間に冷媒と熱交換して冷却される。そして、除湿されて冷却された第1空気は、給気口(116)を通って室内へ供給される。
一方、ケーシング(110)内へ取り込まれた第2空気は、左下部流路(168)から第1左側ダンパ(131)を通って第1流路(151)へ流入し、その後に第1吸着素子(181)の冷却側通路(186)へ流入する。この冷却側通路(186)を流れる間に、第2空気は、調湿側通路(185)で生じた吸着熱を吸熱する。吸着熱を奪った第2空気は、中央流路(157)へ流入して再生用熱交換器(172)を通過し、その際に冷媒と熱交換して更に加熱される。
加熱された第2空気は、中央流路(157)から第2下部流路(156)へ流入し、その後に第2吸着素子(182)の調湿側通路(185)へ流入する。この調湿側通路(185)では、第2空気によって吸着材が加熱され、吸着材から水蒸気が脱離する。吸着材から脱離した水蒸気は、第2空気に付与される。調湿側通路(185)で加湿された第2空気は、第2上部流路(155)へ流入し、その後に第2右上ダンパ(125)と右上部流路(165)とを順に通過して第1空間(141)へ流入する。その後、第2空気は、休止中の第1熱交換器(173)を通過し、排気口(114)を通って室外へ排出される。
除湿運転の第2動作について、図22を参照しながら説明する。この第2動作では、第2吸着素子(182)についての吸着動作と、第1吸着素子(181)についての再生動作とが行われる。
この第2動作において、右側仕切板(120)では、第1右上ダンパ(123)と第2右下ダンパ(126)とが開状態となり、残りのダンパ(121,122,124,125)が閉状態となる。左側仕切板(130)では、第2左側ダンパ(132)と第2左上ダンパ(135)とが開状態となり、残りのダンパ(131,133,134,136)が閉状態となる。第1中央ダンパ(161)は開状態となり、第2中央ダンパ(162)は閉状態となる。
ケーシング(110)内へ取り込まれた第1空気は、右下部流路(166)から第2右下ダンパ(126)を通って第2下部流路(156)へ流入する。第2下部流路(156)の第1空気は、第2吸着素子(182)の調湿側通路(185)へ流入する。この調湿側通路(185)では、第1空気中の水蒸気が吸着材に吸着される。第2吸着素子(182)で除湿された第1空気は、第2上部流路(155)へ流入し、その後に第2左上ダンパ(135)と左上部流路(167)とを順に通過して第2空間(142)へ流入する。第2空間(142)において、第1空気は、第2熱交換器(174)を通過する間に冷媒と熱交換して冷却される。そして、除湿されて冷却された第1空気は、給気口(116)を通って室内へ供給される。
一方、ケーシング(110)内へ取り込まれた第2空気は、左下部流路(168)から第2左側ダンパ(132)を通って第2流路(152)へ流入し、その後に第2吸着素子(182)の冷却側通路(186)へ流入する。この冷却側通路(186)を流れる間に、第2空気は、調湿側通路(185)で生じた吸着熱を吸熱する。吸着熱を奪った第2空気は、中央流路(157)へ流入して再生用熱交換器(172)を通過し、その際に冷媒と熱交換して更に加熱される。
加熱された第2空気は、中央流路(157)から第1下部流路(154)へ流入し、その後に第1吸着素子(181)の調湿側通路(185)へ流入する。この調湿側通路(185)では、第2空気によって吸着材が加熱され、吸着材から水蒸気が脱離する。吸着材から脱離した水蒸気は、第2空気に付与される。調湿側通路(185)で加湿された第2空気は、第1上部流路(153)へ流入し、その後に第1右上ダンパ(123)と右上部流路(165)とを順に通過して第1空間(141)へ流入する。その後、第2空気は、休止中の第1熱交換器(173)を通過し、排気口(114)を通って室外へ排出される。
〈加湿運転〉
図23及び図24に示すように、加湿運転時において、給気ファン(146)を駆動すると、室外空気(OA)が外気吸込口(113)からケーシング(110)へ第2空気として取り込まれる。一方、排気ファン(145)を駆動すると、室内空気(RA)が内気吸込口(115)からケーシング(110)内へ第1空気として取り込まれる。また、加湿運転時において、調湿回路(30)では、再生用熱交換器(172)が凝縮器となり、第1熱交換器(173)が蒸発器となる一方、第2熱交換器(174)が休止する。この状態で、調湿ユニット(13)は、第1動作と第2動作を交互に繰り返す。
加湿運転の第1動作について、図23を参照しながら説明する。この第1動作では、第1吸着素子(181)についての吸着動作と、第2吸着素子(182)についての再生動作とが行われる。
この第1動作において、右側仕切板(120)では、第1右側ダンパ(121)と第1右上ダンパ(123)とが開状態となり、残りのダンパ(122,124,125,126)が閉状態となる。左側仕切板(130)では、第1左下ダンパ(134)と第2左上ダンパ(135)とが開状態となり、残りのダンパ(131,132,133,136)が閉状態となる。第1中央ダンパ(161)は閉状態となり、第2中央ダンパ(162)は開状態となる。
ケーシング(110)内へ取り込まれた第1空気は、左下部流路(168)から第1左下ダンパ(134)を通って第1下部流路(154)へ流入する。第1下部流路(154)の第1空気は、第1吸着素子(181)の調湿側通路(185)へ流入する。この調湿側通路(185)では、第1空気中の水蒸気が吸着材に吸着される。第1吸着素子(181)で水分を奪われた第1空気は、第1上部流路(153)へ流入し、その後に第1右上ダンパ(123)と右上部流路(165)とを順に通過して第1空間(141)へ流入する。第1空間(141)において、第1空気は、第1熱交換器(173)を通過する間に冷媒と熱交換して冷却される。そして、水分と熱を奪われた第1空気は、排気口(114)を通って室外へ排出される。
一方、ケーシング(110)内へ取り込まれた第2空気は、右下部流路(166)から第1右側ダンパ(121)を通って第1流路(151)へ流入し、その後に第1吸着素子(181)の冷却側通路(186)へ流入する。この冷却側通路(186)を流れる間に、第2空気は、調湿側通路(185)で生じた吸着熱を吸熱する。吸着熱を奪った第2空気は、中央流路(157)へ流入して再生用熱交換器(172)を通過し、その際に冷媒と熱交換して加熱される。
加熱された第2空気は、中央流路(157)から第2下部流路(156)へ流入し、その後に第2吸着素子(182)の調湿側通路(185)へ流入する。この調湿側通路(185)では、第2空気によって吸着材が加熱され、吸着材から水蒸気が脱離する。吸着材から脱離した水蒸気は、第2空気に付与される。第2吸着素子(182)で加湿された第2空気は、その後に第2上部流路(155)へ流入し、第2左上ダンパ(135)と左上部流路(167)とを順に通過して第2空間(142)へ流入する。その後、第2空気は、休止中の第2熱交換器(174)を通過し、給気口(116)を通って室内へ供給される。
加湿運転の第2動作について、図24を参照しながら説明する。この第2動作では、第2吸着素子(182)についての吸着動作と、第1吸着素子(181)についての再生動作とが行われる。
この第2動作において、右側仕切板(120)では、第2右側ダンパ(122)と第2右上ダンパ(125)とが開状態となり、残りのダンパ(121,123,124,126)が閉状態となる。左側仕切板(130)では、第1左上ダンパ(133)と第2左下ダンパ(136)とが開状態となり、残りのダンパ(131,132,134,135)が閉状態となる。第1中央ダンパ(161)は開状態となり、第2中央ダンパ(162)は閉状態となる。
ケーシング(110)内へ取り込まれた第1空気は、左下部流路(168)から第2左下ダンパ(136)を通って第2下部流路(156)へ流入する。第2下部流路(156)の第1空気は、第2吸着素子(182)の調湿側通路(185)へ流入する。この調湿側通路(185)では、第1空気中の水蒸気が吸着材に吸着される。第2吸着素子(182)で水分を奪われた第1空気は、第2上部流路(155)へ流入し、その後に第2右上ダンパ(125)と右上部流路(165)とを順に通過して第1空間(141)へ流入する。第1空間(141)において、第1空気は、第1熱交換器(173)を通過する間に冷媒と熱交換して冷却される。そして、水分と熱を奪われた第1空気は、排気口(114)を通って室外へ排出される。
一方、ケーシング(110)内へ取り込まれた第2空気は、右下部流路(166)から第2右側ダンパ(122)を通って第2流路(152)へ流入し、その後に第2吸着素子(182)の冷却側通路(186)へ流入する。この冷却側通路(186)を流れる間に、第2空気は、調湿側通路(185)で生じた吸着熱を吸熱する。吸着熱を奪った第2空気は、中央流路(157)へ流入して再生用熱交換器(172)を通過し、その際に冷媒と熱交換して加熱される。
加熱された第2空気は、中央流路(157)から第1下部流路(154)へ流入し、その後に第1吸着素子(181)の調湿側通路(185)へ流入する。この調湿側通路(185)では、第2空気によって吸着材が加熱され、吸着材から水蒸気が脱離する。吸着材から脱離した水蒸気は、第2空気に付与される。調湿側通路(185)で加湿された第2空気は、第1上部流路(153)へ流入し、その後に第1吸着素子(181)で加湿された第2空気は、第1上部流路(153)へ流入し、その後に第1左上ダンパ(133)と左上部流路(167)とを順に通過して第2空間(142)へ流入する。その後、第2空気は、休止中の第2熱交換器(174)を通過し、給気口(116)を通って室内へ供給される。