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JP4584156B2 - 自動変速機の制御装置 - Google Patents

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JP4584156B2
JP4584156B2 JP2006038711A JP2006038711A JP4584156B2 JP 4584156 B2 JP4584156 B2 JP 4584156B2 JP 2006038711 A JP2006038711 A JP 2006038711A JP 2006038711 A JP2006038711 A JP 2006038711A JP 4584156 B2 JP4584156 B2 JP 4584156B2
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Description

本発明は、自動変速機の制御装置に関する。
従来技術としては、ダウンシフト時に、変速機入力軸回転速度の目標変化率を解放側及び締結側の各摩擦締結要素につき設定し、この目標変化率に基づき各摩擦締結要素の伝達トルクを制御する自動変速機の制御装置がある(特許文献1)。
特開平6−11031号公報
以下、エンジン回転速度をNe、変速機入力軸回転速度をNtと表記し、その他の略称を文中で適宜定義する。
(コースト時ダウンシフトにおける課題)
運転者が駆動力を必要としていないコースト時のダウンシフト(パワーオフダウンシフト)においては出力軸トルクの変化が最小限になるよう制御することが好ましい。
(ワンウェイクラッチを利用したダウンシフトの場合の突き出し感)
第1に、締結側の摩擦締結要素にワンウェイクラッチ(以下、OWC)を用いたコースト時ダウンシフト、例えばスロットル開度ゼロで車両が減速し停止する際の2速から1速へのシフトを考える。この場合、Ntがエンジンアイドル回転速度(以下、Ne-idle)付近にある状態で解放側の摩擦締結要素を解放し、NtをNe-idle付近で待機させたまま、車両が減速し変速後の同期Nt(以下、Ntj)が小さくなることで自動的にOWCがロックしてダウンシフトさせることが好ましい。
しかし、解放が早すぎた場合、すなわちNtがNe-idleより大きい状態で解放側の摩擦締結要素を解放した場合は、入力軸トルク(エンジンブレーキ)に対抗して上記摩擦締結要素に加わっていた反力が急になくなり、入力軸トルクと出力軸トルクの均衡が崩れるため、エンジンブレーキ感が急に抜け、長い空走感が発生する。よって、NtがNe-idleより小さい状態で解放側の摩擦締結要素を解放することが必要である。
一方、NtがNe-idleより小さい状態で解放側の摩擦締結要素を解放する場合でも、解放が遅すぎたときには、NtがNe-idleに引き上げられて上昇する過程でOWCが締結されてしまうため、突き出し感が発生することがある。特に、ダウンシフト開始時に速度比Nt/Ne-idleが非常に小さく、かつNtjがNe-idleより小さい場合、解放側の摩擦締結要素を解放した後、Ntがトルクコンバータの作用によりNe-idleに向けて急激に上昇する過程でOWCが締結される。NtがNe-idleに向けて引き上げられ入力軸トルクが生じている状態でNtがNtjと同期すると、いきなり締結されたOWCからの反力が加わるため、出力軸トルクが発生して突き出し感が生じる。
(ワンウェイクラッチを利用しないダウンシフトの場合の突き出し感)
第2に、締結側の摩擦締結要素にOWCでなく通常のクラッチやブレーキを用いた場合でも、解放側の摩擦締結要素を解放した後、締結側の摩擦締結要素を締結する際にNeとNtの関係に起因する同様の問題を有する。すなわち解放が早すぎた場合(NtがNe-idleより大きな状態で解放した場合)は、摩擦締結要素を締結してNtをNtjまで引き上げるため過度のエンジンブレーキ感が生じ、解放が遅すぎた場合は、締結した摩擦締結要素により上昇するNtを押さえ込むため、出力軸トルクが発生して突き出し感が生じる。
(突き出し感の発生防止)
よって、以上述べたような突き出し感の発生を防止するため、ダウンシフト開始のタイミングを制御することが考えられる。すなわち、解放側の摩擦締結要素を解放した後にNtとNe-idleとの偏差が所定回転速度以内になる第1時間と、NtjがNe-idleに達するまでの第2時間とを常時予測し、第1時間が第2時間未満である状態から第1時間が第2時間以上である状態に切り替った時点でダウンシフト開始を判断すればよい。こうすれば、NtがNtjと同期する際にNtjがNe-idleと略等しくなるため、上記突き出し感の発生が防止される。この際、第1時間の予測においてNeや自動変速機作動油(以下、ATF)温度等の変動を考慮し、第2時間の予測において車両減速度の変動を考慮すれば、これら諸変動要因に左右されない確実な変速タイミングを予測できる。
(エンジン回転速度が増加している場合のトルク抜け感)
しかし、ファーストアイドル時やエンジンアイドル学習未収束状態ではアイドルアップが生じ、このように通常時Ne-idleに対してNe-idleが増加している場合には、エンジントルクも増加している。この場合において、上記のようにNtがNe-idleと同期する際にNtjがNe-idleと略等しくなるようなタイミングで変速を開始してしまうと、変速中の出力軸トルク(以下、To)の段差が大きくなり、運転者にとっては逆に変速ショックとして感じるおそれがある。すなわち、エンジントルクが増加していると、それに応じて変速開始時のToの量も増大しており、このように正の大きな駆動力が発生している状態で解放側の摩擦締結要素が解放されると、いきなりニュートラルの状態となるため、運転者が違和感(トルク抜け感)を感じるおそれがある。
なお、上記タイミングを合わせる制御では、演算式上、Ne-idleが大きいほど、変速中のNtが減少から増加に転ずる時点における速度比Nt/Neは大きくなる(1に近づく)。しかし、出力軸トルクToの段差の増加分を相殺するほどには上記時点での速度比Nt/Neが大きくならない場合、Toの段差の大きさに起因する変速ショック(トルク抜け感)の発生のおそれがあることを、本出願人は鋭意研究の結果、見出した。
本発明は上記課題に着目してなされたものであり、コースト時のダウンシフトにおいて、諸変動要因を考慮した適切なタイミングで変速開始時を判断し、かつ変速中の出力軸トルクの変動を抑制することにより、安定した変速フィーリングを確保できる自動変速機の制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1記載の自動変速機の制御装置は、少なくとも第1摩擦締結要素を締結して達成される第1の変速段と、前記第1摩擦締結要素を非締結とし、前記第1の変速段では締結していない第2摩擦締結要素を締結して達成される第2の変速段と、アクセル開度又はこれに相当するパラメータに基づいてコースト走行状態か否かを判定するコースト走行判定手段と、前記第2の変速段から前記第1の変速段へのコースト走行状態でのダウンシフトを制御する制御手段と、を備えた自動変速機の制御装置において、前記制御手段は、現在の変速機入力軸回転速度及び現在のエンジン回転速度に基づいて、変速開始後、変速機入力軸回転速度と所定エンジン回転速度との偏差が所定回転速度以内になる第1時間を予測する第1演算部と、現在の車速又はこれに相当するパラメータから前記第1の変速段での変速機入力軸回転速度を推定し、現在の車両減速度又はこれに相当するパラメータに基づいて、前記推定した変速機入力軸回転速度が前記所定エンジン回転速度に達するまでの第2時間を予測する第2演算部と、前記所定エンジン回転速度に基づいて前記第1時間又は前記第2時間を補正する補正部と、前記補正後において、前記第1時間と前記第2時間とを比較する比較部と、前記第1時間と前記第2時間との大小関係が逆転したと前記比較部が判断したときに前記第2摩擦締結要素の解放を指令して変速を開始する第1摩擦締結要素制御部と、を有し、前記補正部は、前記所定エンジン回転速度が大きくなるほど、前記補正前において前記第1時間と前記第2時間との大小関係が逆転するときに対して前記第1摩擦締結要素制御部の前記指令時が早くなるように、前記第1時間又は前記第2時間を補正することとした。
よって、本願発明の自動変速機の制御装置にあっては、コースト時のダウンシフトにおいて、諸変動要因を考慮した適切なタイミングで変速開始時を判断し、かつ変速中の出力軸トルクの変動を抑制することにより、安定した変速フィーリングを確保できる。
以下、本発明を実現するための最良の形態を、実施例1に基づいて説明する。
[実施例1の構成]
図1は実施例1に係る自動変速機の制御装置の概略構成を示す。本制御装置は、各種センサ40〜44、コントローラ1、および自動変速機3の油圧回路31に設けられた図示しないアクチュエータ(複数のソレノイドバルブ)を有する。
自動変速機3は、図外のエンジンに接続されているトルクコンバータ32、トルクコンバータ32に接続されている変速機入力軸33、前後2列のプラネタリギヤユニットU1,U2、油圧クラッチ及び油圧ブレーキ等の摩擦締結要素34〜38、変速機出力軸39、および油圧回路31を有している。自動変速機3の変速段は、摩擦締結要素34〜38の係合関係により決まる。図1は4段変速用の自動変速機3を示しており、摩擦締結要素として第1クラッチ34,第2クラッチ35,第3クラッチ36,第1ブレーキ37,第2ブレーキ38が設けられている。これら摩擦締結要素はピストンや複数のプレートを用いた多板式の周知のものである。
第1ブレーキ37には並列にOWC37aが設けられている。OWC37aの代わりに第1ブレーキ37を締結することにより変速時にエンジンブレーキを効かせることが可能となっている。
各種センサ40〜44は、変速機入力軸33の回転速度Ntを検出する入力軸回転速度センサ40、変速機出力軸39の回転速度Noを検出する出力軸回転速度センサ41、ATFの温度を検出する油温センサ42、Neを検出するエンジン回転速度センサ43、および図示しないエンジンのスロットル開度θTHを検出するスロットル開度センサ44からなる。ECUはエンジンの駆動状態を制御し、エンジン水温等に応じてNe-idleを設定する。
コントローラ1は、上記センサ40〜44の検出信号、およびECUが設定したNe-idleの入力を受けて演算処理を行う。例えば、Noに基づき車速Vを算出し、NtとNoに基づきギア比G(=Nt/No)を算出する。
コントローラ1は、スロットル開度θTHと車速Vとに基づいて所望の目標変速段を決定するとともに、自動変速機3の油圧回路31に指令を出力し、油圧を介して摩擦締結要素34〜38の締結・解放を制御することにより上記目標変速段を達成する。油圧回路31には摩擦締結要素34〜38に対応して図示しない複数のソレノイドバルブが設けられている。コントローラ1は、これらのソレノイドバルブに駆動信号(デューティ率信号)を出力してデューティ制御することにより、摩擦締結要素34〜38へ供給する油圧を制御する。
自動変速機3には運転モードを切り換える図示しない切換レバーが装着されており、運転者がこの切換レバーを操作することにより、P(パーキングレンジ)、R(リバースレンジ)、N(ニュートラルレンジ)、D(ドライブレンジ、例えば1速段〜4速段)の各レンジ、及びエンジンブレーキレンジの選択を手動で行えるようになっている。切替レバーの操作信号はインヒビタスイッチ(セレクトレンジスイッチ)45によりレンジのポジション信号に変換され、このポジション信号がコントローラ1に出力される。
(変速モード)
Dレンジ及びエンジンブレーキレンジを含む各走行レンジには、自動変速モードと手動変速モードの2つの変速モードが設定されている。自動変速モードが選択された場合には、スロットル開度θTHと車速Vとに基づき予め設定された変速マップ16に従って自動的に変速される。変速マップ16はコントローラ1に記憶されている。一方、手動変速モードが選択された場合には、変速マップ16にかかわらず、切換レバーにより選択された変速段に変速され、切換レバーが操作されない限りその変速段に固定される。
(自動変速モードにおける変速制御)
自動変速モード時には、走行状態が図2に示すような変速マップ16の変速線を横切ると自動的に変速が判断される。変速判断後、即時に摩擦締結要素34〜38の締結・解放が指令され実行される制御を、通常変速制御と定義する。一方、変速判断後、車両がコースト走行状態にある場合に、変速開始タイミングを調整した上で摩擦締結要素34〜38の締結・解放を指令し実行するダウンシフト制御を、コースト時ダウンシフト制御と定義する。
(摩擦締結要素の組合せ)
各変速段における摩擦締結要素34〜38の締結・解放の組合せを図3に示す。図3の○印は摩擦締結要素34〜38の締結を示し、無印は解放を示す。
例えばエンジンブレーキレンジでは、第1クラッチ34、第1ブレーキ37が締結され、第2クラッチ35、第3クラッチ36、第2ブレーキ38が解放されると1速段が達成され、走行Dレンジでは、第1ブレーキ37の代わりにOWC37aが締結されることにより1速段が達成される。また、第1クラッチ34,第2ブレーキ38が締結され、第2クラッチ35,第3クラッチ36,第1ブレーキ37(OWC37a)が解放されると2速段が達成される。
(コースト時ダウンシフト制御)
図1に示すように、コントローラ1は、コースト時ダウンシフト制御処理部10(以下、制御処理部10)およびコースト走行判定処理部17を有している。制御処理部10は、第1演算部11、第2演算部12、補正部13、比較部14、および摩擦締結要素制御部15を有し、コースト走行時のダウンシフトを制御する。
コースト走行判定処理部17は、スロットル開度θTHに基づき図示しないアクセルペダルの操作量や操作速度を算出し、走行状態がコースト走行状態であるか否かを判定する。具体的には、スロットル開度θTHが所定値θTHC以下になった時にコースト走行状態であると判定し(図2参照)、その結果を制御処理部10に出力する。
コースト走行判定処理部17により出力された結果がコースト走行状態を示す場合、制御処理部10が作動を開始する。これにより通常変速制御ではなくコースト時ダウンシフト制御が実行される。第1、第2演算部11、12、補正部13、比較部14は適切なダウンシフト開始時を判断する。摩擦締結要素制御部15は、その判断結果に基づき油圧回路31の複数のソレノイドバルブに指令を出力して摩擦締結要素34〜38の締結・解放を制御する。
本実施例1では、2速から1速へのコースト時ダウンシフトを考え、かつ1速における締結側の摩擦締結要素として第1ブレーキ37ではなくOWC37aを用いる。よって、図3に示すように、ダウンシフト時には第2ブレーキ38の解放が指令されると共に、OWC37aが自動的にロックされる。
[実施例1の作用]
制御処理部10は、常時適切なダウンシフト開始時を判断することでコースト時ダウンシフトにおける変速ショックを少なくし、変速フィーリングを安定させる。
具体的には、NtがNe-idleより小さい状態で解放側の第2ブレーキ38を解放する場合において、Ntjが減少してNe-idleよりも小さくなる前にNtがNe-idleに達するようにダウンシフト開始時を制御する。よってNtjがNe-idleを下回る前に確実にNtのNe-idleへの同期が完了するため、突き出し感なくOWC37aがロックされる。
さらに制御処理部10は、上記制御(後述するT1およびT2の算出)に用いるNe-idleの値を補正し、Ne-idleが例えば暖気中などの条件により通常時よりも増大されている場合には補正量ΔNeを増加することで、変速開始のタイミングすなわち第2ブレーキ38の解放タイミングを早める。これにより第2ブレーキ38の解放時における速度比Nt/Neを大きくし、トルクコンバータ32でのスリップ量を減らして、変速中のToの段差を小さくする。
(制御フローチャート)
図4〜図6は、コースト走行判定処理部17と制御処理部10による制御の流れを示すフローチャートである。図4に示すように、まず、走行状態が図2に示す変速マップ16のダウンシフト線を横切ったかどうかをコントローラ1が判断する(S0)。変速判断後、コースト走行判定処理部17が、例えばスロットル開度に基づいて(図2のコースト領域であるか否かに基づいて)、コースト走行状態であるか否かを判定する(S1)。コースト走行状態であると判定した場合、制御処理部10がコースト時ダウンシフト制御を行う(S30〜S35、及びS4)。なお、コースト走行状態でないと判定した場合は通常変速制御を実行する(S5)。
(コースト時ダウンシフト制御)
コースト時ダウンシフト制御では、制御処理部10がダウンシフト開始時を判断(S30〜S35)した後、ダウンシフトを実行する(S4)。
(制御に用いるエンジンアイドル回転速度の設定)
ステップS30では、制御処理部10が現在のNe-idleを読み込み、読み込んだNe-idleを本制御に用いるNe-idleの値として設定する。
ステップS31、S32では、補正部13がNe-idleの値を補正する。ステップS31で、補正部13は図9に示すマップ3を読み込み、補正量ΔNeを算出する。図9に示すようにマップ3では、Ne-idleが大きいほど補正量ΔNeが大きくなるように設定されている。
ステップS32で、補正部13はNe-idleにΔNeを加算してNe-idleを補正し、仮想Neを算出する。
(T1算出)
図5は、ステップS33におけるT1算出のフローチャートである。T1は、ダウンシフト開始後、Ntと(上記補正後の)Ne-idleとの偏差が所定回転速度以内になる時間であり、詳細には、第1演算部11が、Δt1を算出(S331)し、Δt2を算出(S332)した後、Δt1、Δt2等を足し合せてT1を算出(S333)する。Δt1、Δt2算出に際してはATF温度(以下、Toil)や現在のNt、現在のNe等のエンジン制御内容を考慮することで、正確な値を算出する。
(Δt1算出)
ステップS331では、第1演算部11が図7に示すマップ1を読み込み、Δt1を算出する。ダウンシフト開始時点、すなわち摩擦締結要素制御部15が第2ブレーキ38の解放を指令する時点を仮定し、これをt1とする。t1後、第2ブレーキ38を締結させていた供給油圧が抜けて、実際に第2ブレーキ38が解放され、Ntが変化し始める実変速開始時点をt2とする。t1からt2までの時間がΔt1である。
図7は、Δt1とToilとの関係を示すマップ1である。Δt1は、ATFの粘性に依存する。よって、Toilが0℃以下の低温となりATFの粘性が大きくなるにつれΔt1が急激に大きくなる一方、Toilが高温になりATFの粘性が徐々に小さくなるにつれΔt1が徐々に小さくなるように設定されている。
(Δt2算出)
ステップS332では、第1演算部11が図8に示すマップ2を読み込み、Δt2を算出する。t2後、速度比Nt/Ne≒1となる時点、すなわちNtがNe-idleと略等しくなる時点をt3とする。t2からt3までの時間がΔt2である。
図8は、Δt2とNt、Neとの関係を示すマップ2である。Δt2は、現在のNt及び現在のNeが上記設定したNe-idleに等しい(Nt=Ne=Ne-idle)場合にゼロであるように設定されている。また、現在のNtまたは現在のNeがNe-idleから離れているほどΔt2が大きくなるように設定されている。
なお、エンジン制御内容によってマップ2の形状は変化する。すなわち、エアコンの作動状態やエンジン冷却状態(エンジン水温)によってNe-idleが変動しても、この変動に合わせてマップ2の形状を補正するように設定されている。言い換えれば、制御処理部10は、変動する複数のNe-idleに対応して、形状の異なる複数のマップ2を有している。また、演算式上、Ne-idleが大きいほど、Ne-idleと現在のNt、Neとの偏差に対するΔt2の増分は大きくなる(マップ2の斜面の傾きが急になる)。
(Δt2の補正)
第2演算部12は、補正部13が算出した仮想Neに基づいてΔt2を算出する。すなわち、マップ2におけるNe-idleの値として仮想Neを用い、仮想Neと現在のNt、現在のNeとの関係に基づいてΔt2を算出する。Ne-idleに補正量ΔNeが加算されることで、補正後のNe-idle(仮想Ne)と現在のNt、Neとの偏差に対するΔt2の増分は大きくなるため、算出されるΔt2は、Ne-idle補正前よりも大きくなる。Ne-idleが大きいほど、マップ3により読み込まれる補正量ΔNeは大きくなるため、マップ2に基づいて算出されるΔt2はより大きくなる。
ステップS333では、第1演算部11がΔt1、Δt2及びΔt3を足し合せてT1を算出する。Δt3は、多少の予測誤差があってもOWC37aのロックによる変速ショックの発生を避けるために設けられた一定の余裕時間である。
(T2算出)
ステップS34では、第2演算部12がT2を算出する。T2は、現在を起点として、車両がそのまま減速を続けた場合にNtjがNe-idleまで下がってきてNe-idleと略等しくなるまでの時間である。
(T2の補正)
ステップS34で、第2演算部12は、補正部13が算出した仮想Neに基づいてT2を算出する。まず現在のNoおよび1速段のギア比G1(Ntj/No)から現在のNtjを推定する。そして現在のNoの変化率dNo/dtに基づき、Ntjが補正後のNe-idle、すなわち仮想Neに達するまでの時間T2を算出する。具体的には、T2={G1×No−(Ne-idle+ΔNe)}/(G1×dNo/dt)で算出する。
Ne-idleに補正量ΔNeが加算されることで、上式により算出されるT2は、Ne-idle補正(ΔNe加算)分だけ小さく(短く)なる。一方、Ne-idleが大きいほど、マップ3により読み込まれる補正量ΔNeは大きくなる。したがって、Ne-idleが大きいほど、T2は小さく(短く)なる。なお、NoやdNo/dtの代わりに、入力軸回転速度センサ40により検出したNtやその変化率dNt/dtを用いてT2を算出してもよい。
(T1とT2の比較)
ステップS35では、比較部13がT1とT2を比較する。T1がT2より小さければステップS30に戻り、T1がT2以上となればダウンシフト開始を判断してステップS4へ移る。
図2の変速マップ16においてダウンシフト線は、(コースト時ダウンシフト制御を行って変速フィーリングを向上させることが意味を持つ減速度の範囲内で)車両が急減速したときにもT2がT1よりも小さくならないほど充分高車速側に設定されている。また、NtがNe-idleよりもある程度小さくなるまでは、NtとNe-idleとの差はNtjとNe-idleとの差よりも常に小さく(図10参照)、また一般に、変速開始後に自動変速機内でNtがNe-idleに同期するまでの時間は、変速開始後にNtjが車両の減速に従ってNe-idleまで下がってくる時間よりも小さい。このため、T1とT2を演算(S33,S34)しても、演算開始当初はT1<T2の関係が成り立っており、S30に戻る。演算(S33,S34)を継続していくとT2が徐々に小さくなり、T1との大小関係が逆転するため、大小関係が逆転したときにS4に移る。
(ソレノイドバルブ制御)
ステップS4では、摩擦締結要素制御部15がソレノイドバルブを制御してダウンシフトを実行する。図6に示すように、摩擦締結要素制御部15が第2ブレーキ38に対応するソレノイドバルブのデューティ率Drを0%に設定して出力する。これにより第2ブレーキ38の解放を指令すると、ダウンシフトの実行が終了する。なお、締結側の締結はOWC37aにより自動的に行われる。
以上のように、制御処理部10は、突き出し感の発生防止のため、コースト時ダウンシフト制御中T1,T2を常時予測してこれらを比較し、T1とT2の大小関係が逆転したとき、すなわちT1がT2より小さい状態からT2以上である状態に変化したときに変速開始を判断(S30〜S35)してダウンシフトを実行(S4)する。
また、制御処理部10は、出力軸トルクToの段差の大きさに起因するトルク抜け感の発生防止のため、Ne-idleの大きさに応じて、上記判断するダウンシフト開始時を補正(S31,32)する。
(変速機入力軸回転速度および出力軸トルクの時間変化)
図10、図12および図13は、コースト時ダウンシフト制御におけるNtおよび出力軸トルクToの時間変化を示す。
(Ne-idleが小さい場合)
図10は、Ne-idleが小さい場合、具体的には、通常時Ne-idle(図9参照)である場合の、NtおよびToの時間変化を示す。
(変速機入力軸回転速度の時間変化)
コースト時に車両が減速する場合、Noは時間に比例して減少し、その直線の傾きdNo/dtは車両減速度dV/dtに対応している。任意の時点tにおいて、変速前の同期Nt(以下、Nti)及びNtjは、t時点のNoとギア比G2(Nti/No)、G1(Ntj/No)とに基づきそれぞれ算出される。したがってNtiとNtjも時間に比例して減少し、その直線の傾きdNi/dt、dNtj/Noは車両減速度dV/dtに対応している。なお、変速の前後を通じてNe-idleは一定である。
Ne-idleが小さい場合、マップ3により算出される補正量ΔNeは小さいが、ΔNeをNe-idleに加えて得られた仮想Ne(= Ne-idle +ΔNe)に基づいてT1(Δt2)およびT2が算出される。
仮想Neに基づいて算出された仮想Δt2は、補正されないNe-idleに基づいて算出されたΔt2よりも大きい。よって図10に示すように、補正後の仮想T1は、補正前のT1よりも大きい。
また、Ntjが仮想Neと同期する時点t4'は、NtjがNe-idleと同期する時点t4よりも早くなる。仮想Neに基づいて算出された補正後のT2は、この早くなった分|t4−t4'|だけ、Ne-idleに基づいて算出された補正前のT2よりも小さい。
制御処理部10は、T1がT2以上となればダウンシフト開始を判断するため、算出されるT1が大きくなるほど、または算出されるT2が小さくなるほど、変速開始時t1が早まりt1'に補正される。
NtがNe-idleを下回った後、上記のように補正され早められたt1'で、摩擦締結要素制御部15が第2ブレーキ38の解放を指令してダウンシフトを開始する。t1'からΔt1経過後のt2'で、第2ブレーキ38を締結させていた供給油圧が抜けて実際にNtが上昇し始める。Δt1はToilによってのみ算出される値であり上記補正によって影響されないため、t1がt1'に早められる結果、上記Nt上昇開始時(実変速開始時点)もt2からt2'に早められる。
t2'から仮想Δt2経過後のt3'で、Ntが仮想Neと等しくなるように変速開始時t1'が設定されている。しかし、Ntが仮想Neまで上昇する過程でNe-idleと同期するため、実際にはNtがNeと同期する時点はt3よりも早いt3''となる。
Ntが仮想Neと同期する時点t3'からΔt3経過後のt4'で、Ntjが仮想Neと等しくなるように変速開始時t1'が設定されている。しかし、Ntjが仮想Neを超えて下降する過程でNe-idleと同期するため、実際にはNtjがNe-idleと同期する時点は、t4'よりも遅いt4となる。
よって、t3''からt4までの間、NtはNe-idleと同期した状態のままNtjと同期するまで待機する。この待機時間は、T1算出において予め一定の値に定められていた余裕時間Δt3よりも大きくなる。したがって、変速開始時t1を早める上記補正により、Δt3が実質的に延長される結果となる。ただし、Ne-idleが小さい場合、補正量ΔNeが小さいため、その増加分は小さい。
上記待機時間後、NtjはNe-idleにおいて待機していたNtと同期してOWC37aがロックする。NtはNe-idleにおいてNtjと同期するため、突き出し感の発生は防止される。
(出力軸トルクの時間変化)
図11は、図10中のt2'、t3''、t4における速度線図を示す。1速および2速では、第1クラッチ34が締結されているため(図3参照)、Ntは前列サンギアFSの回転速度となり、Noは前列キャリアFCおよび後列リングギアRRの回転速度となる。1速ではOWC37aを用いて前列リングギアFRを固定し、このとき後列キャリアRCも固定される。一方、2速では第2ブレーキ38を用いて後列サンギアRSを固定する。
速度線図中、縦軸は回転速度を示す。FS軸上の矢印は入力軸トルクを示し、FC・RR軸上の矢印は出力軸トルクを示す。また、RS軸上の矢印は2速において第2ブレーキ38に加わる反力を示す。FC・RR軸においてゼロからNe-idleに向かう方向を負方向とする。
t2'において、NtがNe-idleより小さい状態であるため、第2ブレーキ38解放前は、NtがNe-idleに引き上げられて入力軸トルクが生じる一方、第2ブレーキ38には反力が加わっている。これらと釣り合うように、出力軸には大きさToiの正のトルクが生じている。第2ブレーキ38を解放すると、第2ブレーキ38に加わっていた反力がなくなりニュートラル状態となるため、NtがNe-idleに引き上げられて上昇する一方、その間、出力軸トルクToはゼロとなる。
t3''において、NtがNe-idleと同期するが、OWC37aはロックしておらずOWC37aからの反力は生じていない。よって、Toはゼロのままである。
t4において、出力軸回転速度Noが減少し、それに伴いNtjがNe-idleまで小さくなると、NtとNtjが同期してOWC37aがロックする。ここでNtがNe-idleと一致しており速度が一定のため、同期直前の入力軸トルクはゼロである。よって、締結されたOWC37aからの反力は抑制される。したがって、OWC37aのロックによる出力軸トルクの変動、すなわち変速ショック(突き出し感)の発生が防止される。
したがって、図10に示すように、出力軸トルクToは、変速開始時t1'には正のToiであり、第2ブレーキ38が解放されるt2'においてToiからゼロとなり、変速中はゼロのままである。OWC37aがロックするt4においてゼロから正のTojになる。
また、ΔNeをNe-idleに加算する上記補正により、Δt3が実質的に延長されると同時に、t2が若干早まりt2'に補正される。一方、t2に至るまでの間、Ntは車両減速度dV/dtに応じた一定の割合で減少し続ける。よって、t2が早まると、その分だけNtの減少分は小さくなり、t2'におけるNtの値はNe-idleに近づき大きくなる。このため、t2'においてはt2よりもNe-idleとNtとの差が小さくなり、速度比Nt/Ne-idleが大きくなる(1に近づく)。言い換えれば、t2'においてはトルクコンバータ32でのスリップ量が減少する。したがって、t2'においてはt2よりも出力軸トルクの段差ΔToが若干小さくなる。
(Ne-idleが大きい場合)
図12は、通常時Ne-idleに比べてNe-idleが大きい場合の、NtおよびToの時間変化を示す。ファーストアイドル時やエンジンアイドル学習未収束状態で生じるアイドルアップ等、通常時Ne-idleに対してNe-idleが増加しているような場合には、エンジントルク(以下、Te)は増加し、ToはTeに比例するため、Teの増加に応じて実変速開始時点であるt2直前のToも増加する。
(Ne-idleを補正しない場合)
この場合において、図12に示すように、ΔNeによる補正なしに変速開始時t1を決定してしまうと、T1およびT2は補正されないため、変速開始時t1がt1'に早まることはない。この結果、実変速開始時点t2も早まることはなく、t2におけるNe-idleとNtとの差が小さくなることはない。したがって、t2におけるトルクコンバータ32でのスリップ量が減少することはなく、変速中の実変速時t2におけるToの段差ΔToが大きくなり、運転者がこれを変速ショックとして感じるおそれがある。すなわち、Toが増大し正の大きな駆動力が発生している状態で第2ブレーキ38が解放されると、いきなりニュートラルの状態となりToがゼロとなるため、Toの段差ΔToが大きくなる。よって、変速中、t2において運転者が、この段差ΔToをトルク抜け感として感じるおそれがある。
なお、ΔNeによる補正がない場合でも、演算式上、Ne-idleが増加するほど、t2における速度比Nt/Ne-idleは増加する(1に近づく)。しかし、Toの段差の増加分を相殺するほどにはt2での速度比Nt/Ne-idleが大きくならない場合、トルク抜け感の発生のおそれがあることを、本出願人は見出した。そこで、本制御ではNe-idleにΔNeを加算する補正を行うことで変速開始時t1を早め、変速中の実変速開始時点t2におけるToの段差ΔToを減少させる。
(Ne-idleが大きいが、補正量ΔNeが小さい場合)
図13は、Ne-idleが大きいが補正量ΔNeが小さい場合、例えば通常時Ne-idleと同じ補正量ΔNeである場合の、コースト時ダウンシフト制御におけるNtおよびToの時間変化を示す。Ne-idleが大きいため、Toは大きい。一方、T1およびT2は補正されるが、その補正量が小さいため、Δt3が大きく延長されることはなく、変速開始時t1が大きく早まることはない(|t1−t1'|は小さい)。この結果、実変速開始時点t2'におけるNe-idleとNtとの差が補正前の時点t2より減少することはあっても、その減少分は小さい。したがって、t2'におけるトルクコンバータ32でのスリップ量の減少分は小さく、出力軸トルクの段差ΔToも大きいままである。よって、変速中、t2'において運転者が、この段差ΔToを変速ショック(トルク抜け感)として感じるおそれがある。
(Ne-idleが大きいほど、補正量ΔNeが大きい場合)
図12に示すように、本制御においては、Ne-idleが増大するほど、マップ3により算出される補正量ΔNeは大きくなるように設定されている(図9参照)。このように大きく算出されたΔNeをNe-idleに加えることにより、T1およびT2が補正される。Ne-idleが大きいため、Toは大きいが、T1とT2の補正量も大きいため、Δt3が大きく延長され変速開始時t1が大きく早まる(|t1−t1'|は図13におけるよりも大きい)。この結果、実変速開始時点t2'におけるNe-idleとNtとの差が補正前のt2よりも大きく減少する。したがって、t2'におけるトルクコンバータ32でのスリップ量の減少分は大きく、出力軸トルクの段差ΔToは大きく減少する。よって、変速中、t2'において変速ショック(トルク抜け感)の発生が抑制される。
なお、上記のように本制御は、出力軸トルクToの段差ΔToの大きさに起因するトルク抜け感の発生防止のためΔt3が実質的に大きくなるようにT1等を補正し、NtがNe-idleにおいて待機する時間を延長する作用を有している。これにより生ずるおそれがある空走感は、第2ブレーキ38の解放が早すぎた場合(NtがNe-idleより大きい状態で解放した場合)に生ずる長い空走感(「発明が解決しようとする課題」参照)に比べて僅少である。よって、安定した変速フィーリングは確保される。
[実施例1の効果]
実施例1の自動変速機の制御装置は、以下に列挙する効果を有する。
(1)実施例1の自動変速機の制御装置は、現在のNt及び現在のNeに基づいて、変速開始後、NtとNe-idleとの偏差が所定回転速度以内になるT1を予測する第1演算部11と、現在の車速V(No)又はこれに相当するパラメータNtからNtjを推定し、現在の車両減速度dV/dt(dNo/dt)またはこれに相当するパラメータdNt/dtに基づいて、推定したNtjがNe-idleに達するまでのT2を予測する第2演算部12と、Ne-idleの値に基づいてT1又はT2を補正する補正部13と、上記補正後において、T1とT2とを比較する比較部14と、T1とT2との大小関係が逆転したと比較部14が判断したときに第2ブレーキ38の解放を指令して変速を開始する摩擦締結要素制御部15と、を有し、補正部13は、Ne-idleが大きくなるほど摩擦締結要素制御部15の上記指令時t1が早くなるように、T1及びT2を補正することとした。具体的には、Ne-idleが大きくなるほどT1が大きくなるようにT1を補正するとともに、Ne-idleが大きくなるほどT2が小さくなるようにT2を補正することとした。
よって、コースト時のダウンシフトにおいて、諸変動要因を考慮した適切なタイミングで変速開始時を判断し、かつ変速中の出力軸トルクの変動を抑制することにより、安定した変速フィーリングを確保できる、という効果を有する。
(2)また、補正部13は、Ne-idleが大きくなるほど、Ne-idleに大きな補正値ΔNeを加算することにより、T1が大きく(長く)なるようにT1を補正するとともに、T2が小さく(短く)なるようにT2を補正することとした。
変速開始時t1は、ATF温度、現在のNtやNe等の変動を考慮して算出されるT1と、車両減速度dV/dtの変動を考慮して算出されるT2とに基づいて決定される。一方で、ΔNeは主にNe-idleによってのみ決定できる。よって、予めNe-idleにΔNeを加算し、仮想Neに基づいてT1を算出すると、加算したΔNe分(図12の|t4−t4'|に相当)に対する車両減速度dV/dtの影響を自動的に計算できる。同様に、仮想Neに基づいてT2を算出すると、加算したΔNe分に対するATF温度、現在のNtやNeの影響を自動的に計算できる。したがって、仮想Neに基づいてT1およびT2を算出する本実施例1の制御装置は、諸変動要因を考慮したより正確な変速開始時t1を決定可能であり、より確実に、安定した変速フィーリングを確保できる、という効果を有する。
(3)ダウンシフト時の締結側の摩擦締結要素として、OWC37aを用いることとした。
よって、締結側の摩擦締結要素にOWCを用いたコースト時のダウンシフトにおいて、諸変動要因を考慮した適切なタイミングで変速開始時を判断し、かつ変速中の出力軸トルクの変動を抑制することにより、安定した変速フィーリングを確保できる、という効果を有する。
(4)第1演算部11は、ATFの温度が低いほどT1を大きく予測することとした。
よって、ATFの粘性が大きくなる低温時にはT1を大きく設定することで、より適切なタイミングで変速開始時を判断し、かつ変速中の出力軸トルクの変動を抑制することにより、安定した変速フィーリングを確保できる、という効果を有する。
(5)第1演算部11は、現在のNt又は現在のNeが所定Ne(Ne-idle)に対して乖離しているほどT1を大きく(長く)予測することとした。
よって、より適切なタイミングで変速開始時を判断し、かつ変速中の出力軸トルクの変動を抑制することにより、安定した変速フィーリングを確保できる、という効果を有する。
(6)T1は少なくともΔt1とΔt2を有し、Δt1はATF温度に基づいて設定され、Δt2は現在のNt及び現在のNeに基づいて設定されることとした。
よって、上記(4)と(5)の効果を同時に奏するため、より適切なタイミングで変速開始時を判断し、かつ変速中の出力軸トルクの変動を抑制することにより、安定した変速フィーリングを確保できる、という効果を有する。
(7)本制御に用いる所定NeはNe-idleであることとした。
よって、スロットル開度θTHが所定値θTHC以下であるコースト時ダウンシフト制御において、より適切なタイミングで変速開始時を判断し、かつ変速中の出力軸トルクの変動を抑制することにより、安定した変速フィーリングを確保できる、という効果を有する。
(8)本制御に用いるNe-idleは、補機の作動状態又はエンジンの冷却状態に基づいて補正される値であることとした。
よって、エアコンの作動状態等の影響を考慮してマップ2のNe-idleを補正することにより、より適切なタイミングで変速開始時を判断し、かつ変速中の出力軸トルクの変動を抑制することにより、安定した変速フィーリングを確保できる、という効果を有する。
実施例2に係る自動変速機の制御装置は、実施例1と同様にNe-idleの増加に応じてダウンシフト開始タイミングを早め、それにより変速中の出力軸トルクの変動(トルク抜け感の発生)を抑制する。しかし、実施例1とは異なり、T2を補正するのではなくT1のみを補正することによりダウンシフト開始タイミングを早める。
[実施例2の構成]
実施例2に係る自動変速機の制御装置の構成は実施例1と同様である。
[実施例2の作用]
(制御フローチャート)
実施例2の制御の流れは、実施例1(図4、図5)と同様である。しかし、図4のステップS34において、補正後のNe-idle(仮想Ne)の値を用いず、補正前のNe-idleの値を用いてT2を算出する点が、実施例1と異なる。具体的には、T2=(G1×No−Ne-idle) /(G1×dNo/dt)で算出する。
(変速機入力軸回転速度および出力軸トルクの時間変化)
図14は、実施例2の制御装置のコースト時ダウンシフト制御におけるNtおよびToの時間変化を示す。Δt2の算出においてマップ2を読み込む際、仮想Neに基づいて算出するため、補正後のΔt2は大きくなる。それによってΔt3が実質的に延長されるとともに実変速時点がt2からt2'に早まる。よって、t2'におけるToの段差ΔToが減少する。
[実施例2の効果]
実施例2の自動変速機の制御装置は、Ne-idleが大きくなるほど摩擦締結要素制御部15の指令時t1が早くなるように、T1を補正することとした。具体的には、Ne-idleが大きくなるほどT1が大きくなるようにT1を補正することとした。
よって、コースト時のダウンシフトにおいて、諸変動要因を考慮した適切なタイミングで変速開始時を判断し、かつ変速中の出力軸トルクの変動を抑制することにより、安定した変速フィーリングを確保できる、という効果を有する。
また、補正部13は、Ne-idleが大きくなるほど、Ne-idleに大きな補正値ΔNeを加算することにより、T1が大きくなるようにT1を補正することとした。
変速開始時t1は、ATF温度、現在のNtやNe等の変動を考慮して算出されるT1と、車両減速度dV/dtの変動を考慮して算出されるT2とに基づいて決定される。一方で、ΔNeは主にNe-idleによってのみ決定できる。よって、予めNe-idleにΔNeを加算し、仮想Neに基づいてT1を算出すると、加算したΔNe分(図14の|t4−t3|に相当)に対する車両減速度dV/dtの影響を自動的に計算できる。したがって、車両減速度dV/dtの変動を考慮したより正確な変速開始時t1を決定可能であり、より確実に、安定した変速フィーリングを確保できる、という効果を有する。
その他の効果は、実施例1と同様である。
実施例3に係る自動変速機の制御装置は、実施例1と同様にNe-idleの増加に応じてダウンシフト開始タイミングを早め、それにより変速中の出力軸トルクの変動(トルク抜け感の発生)を抑制する。しかし、実施例1とは異なり、T1を補正するのではなくT2のみを補正することによりダウンシフト開始タイミングを早める。
[実施例3の構成]
実施例3に係る自動変速機の制御装置の構成は実施例1と同様である。
[実施例3の作用]
(制御フローチャート)
実施例3の制御の流れは、実施例1(図4、図5)と同様である。しかし、図4のステップS33において、補正後のNe-idle(仮想Ne)の値を用いず、補正前のNe-idleの値を用いてT1を算出する点が、実施例1と異なる。具体的には、図5のステップS332において、マップ2に基づきΔt2を算出する際、補正前のNe-idleの値を用いてΔt2を算出する。
(変速機入力軸回転速度および出力軸トルクの時間変化)
図15は、実施例3の制御装置のコースト時ダウンシフト制御におけるNtおよびToの時間変化を示す。T2は、仮想Neの値を用いて、T2={G1×No−(Ne-idle+ΔNe)}/(G1×dNo/dt)で算出される。よって、補正後のT2は小さく(短く)なり、それによってΔt3が延長されるとともに実変速時点がt2からt2'に早まる。よって、t2'におけるToの段差ΔToが減少する。
[実施例3の効果]
実施例3の自動変速機の制御装置は、Ne-idleが大きくなるほど摩擦締結要素制御部15の指令時t1が早くなるように、T2を補正することとした。具体的には、Ne-idleが大きくなるほどT2が小さく(短く)なるようにT2を補正することとした。
よって、コースト時のダウンシフトにおいて、諸変動要因を考慮した適切なタイミングで変速開始時を判断し、かつ変速中の出力軸トルクの変動を抑制することにより、安定した変速フィーリングを確保できる、という効果を有する。
また、補正部13は、Ne-idleが大きくなるほど、Ne-idleに大きな補正値ΔNeを加算することにより、T2が小さく(短く)なるようにT2を補正することとした。
変速開始時t1は、ATF温度、現在のNtやNe等の変動を考慮して算出されるT1と、車両減速度dV/dtの変動を考慮して算出されるT2とに基づいて決定される。一方で、ΔNeは主にNe-idleによってのみ決定できる。よって、予めNe-idleにΔNeを加算し、仮想Neに基づいてT2を算出すると、加算したΔNe分に対するATF温度、現在のNtやNeの影響を自動的に計算できる。したがって、これらの変動を考慮したより正確な変速開始時t1を決定可能であり、より確実に、安定した変速フィーリングを確保できる、という効果を有する。
その他の効果は、実施例1と同様である。
実施例4に係る自動変速機の制御装置は、実施例1と同様にコースト時ダウンシフトの制御を行う。しかし、実施例1とは異なり、2速から1速のダウンシフトに限らない。また、ダウンシフトにおける締結側の摩擦締結要素としてOWC37aではなく第1ブレーキ37を用いる。
[実施例4の構成]
実施例4に係る自動変速機の制御装置の構成は実施例1と同様である。
[実施例4の作用]
(制御フローチャート)
実施例4の制御の流れは、実施例1(図4、図5)と同様である。しかし、実施例1と異なり、図5のステップS333において、一定の余裕時間Δt3を加算せずにT1を算出する。また、余裕時間Δt3を設ける代わりに、図4のソレノイドバルブ制御(S4)において、第1ブレーキ37を締結する際の変速ショック発生を避けるための手段を有している点が、実施例1と異なる。
図16に示すように、ステップS4では、摩擦締結要素制御部15が解放制御(S40)の他、締結制御(S41)を行う。ステップS40において解放側第2ブレーキ38に対応するソレノイドバルブに指令を出力し、ステップS41において締結側第1ブレーキ37に対応するソレノイドバルブに指令を出力する。
(解放制御)
解放制御(S40)は実施例1と同様である。図6に示すように、第2ブレーキ38のソレノイドバルブデューティ率Drを0%に設定して出力する。
(締結制御)
締結制御(S41)の詳細を図17に示す。ステップS410では、締結側第1ブレーキ37ピストンのいわゆるがた詰め操作の時間tfだけ、第1ブレーキ37のソレノイドバルブデューティ率Dcを100%に設定して出力する。これにより引きずりトルク防止用の隙間分だけ上記ピストンが無効ストロークして第1ブレーキ37の締結が準備される。この後ステップS411に移る。
ステップS411では、デューティ率DcをDa%に設定して出力する。Daは、第1ブレーキ37ピストンがそれ以上ストロークをせず戻りもしないような、現在のピストン位置を保持するデューティ率である。この後ステップS412に移る。
ステップS412では、NtとNtjを比較し、NtとNtjとの偏差が、変速ショックが少ない最大許容値Nc以下であるか否かを判定する。Ncより大きい場合はステップS411に戻り、Nc以下である場合はステップS413に移る。
ステップS413では、デューティ率DcをDe%に設定して出力する。この後、ステップS414に移る。
Deは、NtとNtjの同期判定(ステップS412)後、第1ブレーキ37の締結を確実に完了し、かつ締結時に変速ショックが発生しないような油圧を出力するデューティ率であり、4速から3速、3速から2速といった変速種ごとに予め設定されている。
デューティ率を上げすぎると、供給される油圧が高くなりすぎて、上記同期判定後、第1ブレーキ37の締結完了までの間にNtとNtjの僅かな差が生じた場合でも、運転者が認識できる変速ショック(突き出し感)が発生しやすくなる。一方、変速ショック防止を優先してデューティ率を下げすぎると、製品個体差に由来する油圧のばらつき等で締結を確実に完了できないおそれがある。よって、Deは確実な締結完了、及び変速ショック(突き出し感)防止という2つの要請の兼ね合いで定まる値である。
ステップS414では、NtとNtjとの偏差がNc以下である状態が所定時間連続したか否かを判定する。所定時間連続した場合はステップS415に移り、連続しなかった場合はステップS413に戻る。
ステップS415では、デューティ率Dcを100%に設定し出力する。これにより締結制御S41を終了する。
(制御タイムチャート)
図18は、デューティ率Dr、Dcの時間変化とNtの時間変化との対応を示す制御タイムチャートである。変速開始時t1ではDrを0%出力して第2ブレーキ38を解放する一方、Dcを100%出力して第1ブレーキ37ピストンをがた詰めする。t1からtf経過後の時点で、DcをDa%出力して第1ブレーキ37のピストン位置を保持する。t2で、第2ブレーキ38への供給油圧が抜けて第2ブレーキ38プレート間の滑りが発生し、Ntが変化し始める。
NtとNtjとの偏差が最大許容値Nc以下となるt3で、DcをDe%出力し、保持位置にあった第1ブレーキ37のピストンを締結側に作動させる。なお、予測誤差によりt3時点で上記偏差がNcより大きい場合は、所定の待機時間後、上記偏差がNc以下となるのを待って、DcをDe%出力するようにしてもよい(図17のステップS412に対応)。
NtがNtjと一致する時点t3'で、第1ブレーキ37プレート間の滑りがなくなる。この状態でDcを継続してDe%出力することにより、変速ショック(突き出し感)を防止しつつ確実に第1ブレーキ37を締結する。NtとNtjとの偏差が最大許容値Nc以下である状態が所定時間Δt4連続したt4の時点で、Dcを100%出力し、第1ブレーキ37の締結制御を終了する。
以上のように、本実施例4の制御装置10では、締結側の摩擦締結要素としてOWC37aではなく第1ブレーキ37を用いるコースト時ダウンシフトの制御において、実施例1と同様にT1,T2を常時予測して比較し、T1がT2以上となるときに変速開始を決定してダウンシフトを実行する。図18に示すように、NtはNe-idle近傍においてNtjと同期し、突き出し感や過度のエンジンブレーキ感等の変速ショックが生じない。
また、NtとNtjとの偏差が変速ショックの少ない最大許容値Nc以下となったときにDcをDe%出力して第1ブレーキ37の締結を制御するため、上記変速ショックを防止しつつ確実に第1ブレーキ37を締結する。
変速中の出力軸トルクの段差ΔToを減少させることによる、トルク抜け感の防止、その他の作用は、実施例1と同様である。
[実施例4の効果]
実施例4の自動変速機の制御装置は、T1とT2との大小関係が逆転したと比較部14が判断したときに第1ブレーキ37の締結を指令する摩擦締結要素制御部15を有することとした。
よって、締結側の摩擦締結要素にOWC37aでなく通常の第1ブレーキ37を用いたコースト時のダウンシフトにおいて、諸変動要因を考慮した適切なタイミングで変速開始時を判断し、かつ変速ショックの少ない締結制御を実行し、かつ変速中の出力軸トルクの変動を抑制することにより、安定した変速フィーリングを確保できる、という効果を有する。
また、本実施例4に係る制御側を有しない従来技術では、第2ブレーキ38の解放が早すぎた場合や遅すぎた場合、変速時の突き出し感を抑制しようとすると、第1ブレーキ37容量の制御則が別個必要となる。さらに、上記容量制御側を設けた場合でも、第1ブレーキ37容量を制御中、第1ブレーキ37は常に滑り続けることになり、第1ブレーキ37に用いられている摩擦材の耐久性が低下する。
よって、本実施例4の自動変速機の制御装置は、上記容量制御側を別個設けることなく、かつ第1ブレーキ37の耐久性を維持したまま、安定した変速フィーリングを確保できる、という効果を有する。
その他の効果は実施例1と同様である。
[他の実施例]
以上、本発明を実施するための最良の形態を、実施例1〜4に基づいて説明してきたが、本発明の具体的な構成は実施例1〜4に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても、本発明に含まれる。
例えば、実施例1〜4は、NtjがNeと同期するまでNtがNeにおいて待機する時間を、Neの大きさに応じて可変とすることにより、変速中の出力軸トルクの段差ΔToを減少させる、という思想において共通する。よって、実施例1〜3では余裕(待機)時間Δt3は一定であり、Ne-idleをΔNeで補正することによりΔt3を実質的に延長することとしたが、これに限られるものではなく、Δt3を直接的に補正し、Ne-idleの大きさに応じてΔt3を可変とするように構成してもよい。例えば、実施例1〜3において、マップ3と同様の形状を有し、縦軸のパラメータをΔNeからΔt3に変更したマップを用いてΔt3を算出するようにしてもよい。
実施例2、3に実施例4(クラッチ・トゥ・クラッチ)を適用した構成としてもよい。
実施例1〜3では、T1=Δt1+Δt2+Δt3と、T2とを比較したが、T1=Δt1+Δt2と、T2−Δt3との関係を比較して、ダウンシフトの開始タイミングを決定してもよい。
実施例1〜4と異なるプラネタリギヤユニットと摩擦締結要素の組を有する自動変速機に本発明を適用してもよい。実施例4においては締結側の摩擦締結要素に第1ブレーキ37を用いたが、ブレーキの代わりにクラッチを用いてもよい。
また、実施例4においては、第1ブレーキ37の締結制御においてデューティ率Dcを適時Da%、De%出力する構成を示したが、他の出力設定により第1ブレーキ37の締結を制御してもよい。
実施例1〜4に係る自動変速機の制御装置の概略構成図である。 実施例1〜4に係る制御装置の変速マップである。 実施例1〜4に係る自動変速機の各変速段における摩擦締結要素の組合せを示す図である。 実施例1〜4に係る制御装置による制御のメインフローチャートである。 実施例1、2、4に係る制御装置による第1時間算出のフローチャートである。 実施例1〜4に係る制御装置による解放制御のフローチャートである。 実施例1〜4に係る制御装置により参照されるマップであり、第1時間と自動変速機作動油温との関係を示したものである。 実施例1〜4に係る制御装置により参照されるマップであり、第1時間とエンジン回転速度及び入力軸回転速度との関係を示したものである。 実施例1〜4に係る制御装置により参照されるマップであり、エンジンアイドル回転速度と補正量との関係を示したものである。 実施例1に係る制御における入力軸回転速度および出力軸トルクの時間変化を示すタイムチャートである(通常エンジンアイドル回転速度の場合)。 実施例1に係る制御の各時点において発生する入出力軸トルクを示す速度線図である。 実施例1に係る制御における入力軸回転速度および出力軸トルクの時間変化を示すタイムチャートである(エンジンアイドル回転速度が大きい場合)。 実施例1と同様の制御における入力軸回転速度および出力軸トルクの時間変化を示すタイムチャートである(補正量が一定の場合)。 実施例2に係る制御における入力軸回転速度および出力軸トルクの時間変化を示すタイムチャートである。 実施例3に係る制御における入力軸回転速度および出力軸トルクの時間変化を示すタイムチャートである。 実施例4に係る制御装置によるソレノイドバルブ制御のフローチャートである。 実施例4に係る制御装置による締結制御のフローチャートである。 実施例4に係る制御におけるデューティ率の時間変化と入力軸回転速度の時間変化との対応を示すタイムチャートである。
符号の説明
1 コントローラ
3 自動変速機
10 コースト時ダウンシフト制御処理部
11 第1演算部
12 第2演算部
13 補正部
14 比較部
15 摩擦締結要素制御部
16 変速マップ
17 コースト走行判定処理部
31 油圧回路
32 トルクコンバータ
37 第1ブレーキ
37a ワンウェイクラッチ
38 第2ブレーキ
40 入力軸回転速度センサ
41 出力軸回転速度センサ
42 油温センサ
43 エンジン回転速度センサ
44 スロットル開度センサ
45 インヒビタスイッチ

Claims (10)

  1. 少なくとも第1摩擦締結要素を締結して達成される第1の変速段と、
    前記第1摩擦締結要素を非締結とし、前記第1の変速段では締結していない第2摩擦締結要素を締結して達成される第2の変速段と、
    アクセル開度又はこれに相当するパラメータに基づいてコースト走行状態か否かを判定するコースト走行判定手段と、
    前記第2の変速段から前記第1の変速段へのコースト走行状態でのダウンシフトを制御する制御手段と、
    を備えた自動変速機の制御装置において、
    前記制御手段は、
    現在の変速機入力軸回転速度及び現在のエンジン回転速度に基づいて、変速開始後、変速機入力軸回転速度と所定エンジン回転速度との偏差が所定回転速度以内になる第1時間を予測する第1演算部と、
    現在の車速又はこれに相当するパラメータから前記第1の変速段での変速機入力軸回転速度を推定し、現在の車両減速度又はこれに相当するパラメータに基づいて、前記推定した変速機入力軸回転速度が前記所定エンジン回転速度に達するまでの第2時間を予測する第2演算部と、
    前記所定エンジン回転速度に基づいて前記第1時間又は前記第2時間を補正する補正部と、
    前記補正後において、前記第1時間と前記第2時間とを比較する比較部と、
    前記第1時間と前記第2時間との大小関係が逆転したと前記比較部が判断したときに前記第2摩擦締結要素の解放を指令して変速を開始する第1摩擦締結要素制御部と、を有し、
    前記補正部は、前記所定エンジン回転速度が大きくなるほど、前記補正前において前記第1時間と前記第2時間との大小関係が逆転するときに対して前記第1摩擦締結要素制御部の前記指令時が早くなるように、前記第1時間又は前記第2時間を補正すること
    を特徴とする自動変速機の制御装置。
  2. 前記補正部は、前記所定エンジン回転速度が大きくなるほど前記第1時間が大きくなるように前記第1時間を補正し、又は前記所定エンジン回転速度が大きくなるほど前記第2時間が小さくなるように前記第2時間を補正すること
    を特徴とする請求項1に記載の自動変速機の制御装置。
  3. 前記補正部は、前記所定エンジン回転速度が大きくなるほど、前記所定エンジン回転速度に大きな補正値を加算することにより、前記第1時間又は前記第2時間を補正すること
    を特徴とする請求項2に記載の自動変速機の制御装置。
  4. 前記第1摩擦締結要素はワンウェイクラッチであること
    を特徴とする請求項1記載の自動変速機の制御装置。
  5. 前記制御手段は、前記第1時間と前記第2時間との大小関係が逆転したと前記比較部が判断したときに前記第1摩擦締結要素の締結を指令する第2摩擦締結要素制御部を有すること
    を特徴とする請求項1記載の自動変速機の制御装置。
  6. 前記第1演算部は、自動変速機作動油の温度が低いほど前記第1時間を大きく予測すること
    を特徴とする請求項1記載の自動変速機の制御装置。
  7. 前記第1演算部は、現在の変速機入力軸回転速度または現在のエンジン回転速度が前記所定エンジン回転速度に対して乖離しているほど前記第1時間を大きく予測すること
    を特徴とする請求項1記載の自動変速機の制御装置。
  8. 前記第1時間は少なくとも第1フェーズと第2フェーズを有し、
    前記第1フェーズは自動変速機作動油の温度に基づいて設定され、
    前記第2フェーズは現在の変速機入力軸回転速度及び現在のエンジン回転速度に基づいて設定されること
    を特徴とする請求項1記載の自動変速機の制御装置。
  9. 前記所定エンジン回転速度はエンジンアイドル回転速度であること
    を特徴とする請求項1記載の自動変速機の制御装置。
  10. 前記所定エンジン回転速度は、補機の作動状態又はエンジンの冷却状態に基づいて補正される値であること
    を特徴とする請求項9記載の自動変速機の制御装置。


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