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JP4582798B2 - 電解コンデンサの駆動用電解液及びこれを用いた電解コンデンサ - Google Patents

電解コンデンサの駆動用電解液及びこれを用いた電解コンデンサ Download PDF

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Description

本発明は、電解コンデンサの駆動用電解液(以下、電解液と称す)の改良に関するものであり、低比抵抗で、かつ水分量の多い場合においても、広い温度範囲において長期的に電極箔の水和劣化反応を抑制することが可能であり、製品の信頼性が良好な電解コンデンサの駆動用電解液、及びこれを用いた電解コンデンサに関する。
電解コンデンサは一般的な電気部品の一つであり、様々な電気製品、電子製品において、主として電源回路用やデジタル回路のノイズフィルタ用として広く使用されるものである。
一般に、アルミニウム電解コンデンサは、高純度のアルミニウム箔を電気化学的にエッチング処理して表面積を拡大させた後、ホウ酸アンモニウム水溶液、アジピン酸アンモニウム水溶液、リン酸アンモニウム水溶液等の化成液中で化成処理を行い、エッチング箔表面に酸化皮膜を形成させた陽極箔と、高純度のアルミニウム箔をエッチング処理した陰極箔との間に、セパレータを挿入し巻回して得られたコンデンサ素子に電解液を含浸し、金属製の筒状ケースに収納した後、開口部を弾性ゴムにより封口し、封口部位を絞り加工することにより構成される。
近年、電子部品のデジタル化が進む中で、電解コンデンサの低損失、低インピーダンス化への要求が高まっており、電解コンデンサに使用する電解液は、低比抵抗化に向けて開発が進められている。
従来の低圧用電解液にはエチレングリコールを主溶媒とし、これに水を10%程度添加した混合溶媒に、電解質としてアジピン酸、安息香酸等のアンモニウム塩を溶解したものが使用されてきた。この様な電解液の比抵抗は150Ω・cm程度である。
電解コンデンサにおいては、電解液の低比抵抗化以外にも種々の方法によりインピーダンスを低減するための手段が採られている。例えば、電解コンデンサに収納される電極面積を増やす手法や、セパレータを低密度化する方法が用いられているが、前者はコンデンサの小形化に対応できず、また後者はセパレータの引っ張り強度の低下や耐ショート性の低下を招くこととなるため、これらの方法では大幅な低インピーダンス化を実現するには至らない。
また、電解液中の水分量を増加させて電解液の比抵抗を低減する方法が提案されている(例えば特許文献1、2参照)。
特許第3366267号 特許第3366268号
しかしながら、水を多量に含む電解液を用いた電解コンデンサにおいては、電極箔として使用しているアルミニウムが溶出し、電解液中の水分と反応(水和反応)し、水酸化アルミニウムとなり箔表面に析出する。この反応が繰り返されると、電極箔が劣化し、コンデンサの著しい特性悪化を引き起こす。水和反応がさらに進行すると、アルミニウムの溶出に伴い発生した水素ガスのためコンデンサの内圧が上昇し、安全弁の作動(弁作動)に至りコンデンサとしての機能を失う。
こうした電極箔の劣化に対して、リン酸に抑制効果があることが良く知られているものの、十分なものではない。これは、電解液にリン酸を添加すると、リン酸はアルミニウムイオンと反応して電極箔表面に耐水性の高いリン酸アルミニウム皮膜を形成して、電極箔の劣化を抑制するものの、電解液中から次第にリン酸が消失していき、水和劣化を十分に抑制できないためである。
こうした電極箔の劣化を抑制すべく、水分を多量に含む電解液に、カルボン酸、カルボン酸塩、無機酸等の電解質と、キレート化合物を添加することにより、アルミニウム電極箔の水和反応を抑制し、それにより、電解コンデンサの長寿命化を図る試みがなされている(例えば特許文献3参照)。
特許第3623139号
キレート剤は金属イオンへ配位することで、金属を含んだ環状構造であるキレート錯体を形成する化合物である。このキレート剤を電解液中に添加すると、電極箔より溶出するアルミニウムイオンとの間でキレート錯体を形成するため、電解液中のリン酸とアルミニウムイオンの反応を抑制し、長期的にリン酸による水和反応抑制効果を維持できるものと考えられる。
しかしながら、キレート剤がキレート錯体を形成する能力は、キレート剤構造によって大きく異なり、従来使用されているエチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、トリエチレンテトラミン六酢酸(TTHA)、エチレンジアミンテトラキス(メチレンホスホン酸)(EDTPO)等のようにキレート錯体形成速度の大きな(キレート安定度の高い)キレート剤を多量に添加すると、アルミニウム電極箔の溶解反応が起こり易く、キレート剤による長寿命化の効果が十分に得られないという問題を有している。
本発明は低比抵抗で、かつ水分量の多い電解液を使用する場合においても、電解液中のリン酸を最適量に維持し続け、電極箔の水和劣化反応を長期的に抑制することを目的としている。
さらに本発明による電解液を用いることにより、低インピーダンスであり、かつ長寿命を実現した電解コンデンサを提供することを目的としている。
本発明は上記課題を解決するため、種々検討した結果見出されたものであり、特定のアルキルジアミン四酢酸の特性に着目し、その特性を電解液に適用しようとするものである。
本発明の電解コンデンサの駆動用電解液は、10〜80wt%の有機溶媒と、90〜20wt%の水とからなる混合溶媒に、カルボン酸及びカルボン酸塩から選択される少なくとも1種の電解質と、少なくとも1種のリン酸化合物と、キレート剤として下記〔化1〕で表されるアルキルジアミン四酢酸、及びその塩より選択される少なくとも1種とを含むことを特徴とする。
Figure 0004582798
〔式中のnは3〜7の整数を示す。〕
〔化1〕で示されるキレート剤としては、1,3−プロパンジアミン四酢酸、1,4−ブタンジアミン四酢酸、1,5−ペンタンジアミン四酢酸、1,6−ヘキサンジアミン四酢酸、1,7−ヘプタンジアミン四酢酸があり、これらの塩としては、アルミニウム、鉄、銅、カルシウム、マグネシウム、チタン、タンタル等の金属塩、アンモニウム塩、アミン塩等を用いることができる。これらのキレート剤は複数併用してもよい。
有機溶媒としては、プロトン系溶媒と非プロトン系溶媒のうちから選択される1種以上の溶媒を使用することができる。プロトン系溶媒の例としては、メチルアルコール、エチルアルコール、ブチルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等を挙げることができ、その中でもエチレングリコールが好適である。また、非プロトン系溶媒の例としては、γ−ブチロラクトン等のラクトン化合物が挙げられる。
本発明に用いられる電解質としては、カルボン酸及びカルボン酸塩のうちから選ばれる1種以上の電解質を使用することができる。使用できるカルボン酸としては、ギ酸、酢酸、シュウ酸、プロピオン酸、安息香酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、フマル酸、マレイン酸、フタル酸、アゼライン酸、クエン酸並びにこれらのアンモニウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩及びアミン塩が挙げられる。この中でもギ酸、アジピン酸が低比抵抗化と寿命特性の双方を実現する上で好適である。
本発明に用いられるリン酸化合物としては、オルトリン酸、亜リン酸、次亜リン酸が、また、縮合リン酸類としてピロリン酸、トリポリリン酸、テトラポリリン酸、メタリン酸、ヘキサメタリン酸等が、さらにリン酸エステル類としてリン酸モノメチル、リン酸ジメチル、リン酸モノエチル、リン酸ジエチル、リン酸モノプロピル、リン酸ジプロピル、リン酸モノエチレングリコール、リン酸ジエチレングリコール等が挙げられる。リン酸化合物の塩としては、アンモニウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、及びアミン塩等を使用することができ、このうちアンモニウム塩が好ましく用いられる。
リン酸化合物の添加量は全電解液重量に対して0.1〜2.0wt%であることが好ましく、0.1wt%に満たない場合、電解コンデンサの長寿命化の効果が十分に得られず、また、2.0wt%を超えると最適値を逸脱するため、逆に寿命特性を低下させることになる。
アルキルジアミン四酢酸及びその塩の添加量は、全電解液重量に対して0.01〜2.0wt%であることが好ましい。添加量が0.01wt%に満たない場合、電解コンデンサの長寿命化の効果が殆ど認められず、また、2.0wt%を超えると最適値を逸脱するため、逆に寿命特性を低下させることになる。
さらに、上記の電解液には、漏れ電流の低減、耐電圧向上、ガス吸収等の目的でコンデンサ駆動用電解液として一般的に使用される種々の添加剤を加えることができる。添加剤の例として、グルコース、フルクトース、マンニトール、キシロース、ガラクトース、ペンタエリスリトール等の糖類、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等の高分子化合物、ニトロフェノール、ニトロ安息香酸、ニトロアセトフェノン、ニトロアニソール、ジニトロ安息香酸、ニトロベンジルアルコール等のニトロ化合物、シランカップリング剤等を挙げることができる。
また、本発明のアルキルジアミン四酢酸と共に他のキレート剤を併用することもできる。併用できるキレート剤としては、クエン酸、酒石酸、グルコン酸、リンゴ酸、乳酸、グリコール酸、α−ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシマロン酸、α−メチルリンゴ酸、ジヒドロキシ酒石酸等のヒドロキシカルボン酸類、γ−レゾルシル酸、β−レゾルシル酸、トリヒドロキシ安息香酸、ヒドロキシフタル酸、ジヒドロキシフタル酸、フェノールトリカルボン酸、アウリントリカルボン酸等の芳香族ヒドロキシカルボン酸類、エチレンジアミン二酢酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ニトリロ三酢酸(NTA)、グリコールエーテルジアミン四酢酸(GEDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、トリエチレンテトラミン六酢酸(TTHA)、トランス−1,2−ジアミノシクロヘキサン−N、N、N’、N’−四酢酸(CyDTA)、エチレンジアミンテトラキス(メチレンホスホン酸)(EDTPO)、エチレンジアミン−N,N’−ビス(メチレンホスホン酸)、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸(EDTA-OH)、1,3−ジアミノ−2−ヒドロキシプロパン四酢酸(DPTA−OH)、1,2−プロパンジアミン四酢酸(1,2−PDTA)、ジヒドロキシエチルグリシン(DHEG)等のアミノポリカルボン酸を挙げることができる。併用する際の添加量は0.01〜0.4wt%とし、更にアルキルジアミン四酢酸を含めた全キレート剤の総量が0.02〜2.0wt%であることが好ましい。
本発明の電解液中に含有されるキレート剤は、従来より用いられているアミノポリカルボン酸と比較してキレート安定度が低く、電解液中に溶出したアルミニウムイオンと錯体化する能力を有するが、過剰なキレート化作用がなく、アルミニウム電極箔を溶解せしめることが無いものと考えられる。
従って、本発明に記載する電解液を用いた製品は、従来用いられたアミノポリカルボン酸類を用いた電解液と比較して、電解液中のリン酸をより長期間にわたり維持することが可能であり、これにより製品の長寿命化を実現することができる。
本発明の電解コンデンサは、高純度のアルミニウム箔を電気化学的にエッチング処理して表面積を拡大させた後、ホウ酸アンモニウム水溶液、アジピン酸アンモニウム水溶液、リン酸アンモニウム水溶液等の化成液中で化成処理を行い、エッチング箔表面に酸化皮膜を形成させた陽極箔と、高純度のアルミニウム箔をエッチング処理した陰極箔との間に、セパレータを挿入し巻回して得られたコンデンサ素子に電解液を含浸し、金属製の筒状ケースに収納した後、開口部を弾性ゴムにより封口し、封口部位を絞り加工したものであり、電解液として本発明の電解液を使用している。
本発明の電解液は水の添加量が多く、また、炭素数が3〜7のアルキルジアミン四酢酸又はその塩を溶解させていることから、製品の低インピーダンス化の効果と併せ、寿命特性が良好な電解コンデンサを得ることができる。
以下、本発明の実施例を具体的に説明する。尚、以下に挙げる実施例は本発明を例示するためのものであり、本発明は以下の内容に限定されるものではない。
実施例に用いる巻回型電解コンデンサの作製方法について以下に述べる。
高純度のアルミニウム箔を電気化学的にエッチング処理して表面積を拡大させた後、ホウ酸アンモニウム水溶液、アジピン酸アンモニウム水溶液、リン酸アンモニウム水溶液等の化成液中で化成処理を行い、エッチング箔表面に酸化皮膜を形成させた陽極箔と、高純度のアルミニウム箔をエッチング処理した陰極箔との間に、セパレータを挿入し巻回してコンデンサ用素子を作製した。
そして、このコンデンサ素子に、表1に記載した組成による電解液を含浸してから、金属製の有底筒状ケースに収納した後、開口部を弾性ゴムにより封口し、封口部位を絞り加工して巻回型電解コンデンサ(6.3WV−1000μF)を作製した。
使用した電解液の30℃における比抵抗の値を表1に併せて記載する。
Figure 0004582798
表1の電解液を使用して、定格6.3V−1000μF(φ10×12.5mmL)の電解コンデンサを各10個作製し、静電容量、漏れ電流について65℃、105℃にてDC6.3V負荷試験を行った。信頼性試験2000時間後、4000時間後において、試験品の電解液中リン酸量を測定すべく、製品中の電解液を遠心分離により収集し、JIS−K−0101記載の塩化第一スズ法に従い、オルトリン酸イオンの測定を行った。測定結果を表2に示す。
Figure 0004582798
表2のように、本発明によるアルキルジアミン四酢酸を添加していない従来例1〜3では、電解液中のリン酸量が65℃では経時的に減少する傾向にあり、105℃においては2000時間経過時に検出限界以下まで低減している。また、本発明によるキレート剤ではないエチレンジアミン四酢酸やジエチレントリアミン五酢酸を添加した従来例4〜6では、従来例1〜3と比べると電解液中のリン酸量が経時的に残存するものの、105℃4000時間では検出限界以下まで低減している。
一方、本発明によるアルキルジアミン四酢酸を添加した実施例1〜21のうち、添加量が0.01〜2.0wt%の範囲にある実施例2〜5、実施例8〜11、実施例14〜17、及び実施例19〜21では、従来例と比べて広い温度範囲において電解液中のリン酸量が長期間にわたって維持されている。
但し、上記アルキルジアミン四酢酸の添加量が0.005wt%である実施例1、実施例7及び実施例13では65℃−4000時間、及び105℃−2000時間経過時にて活性リン酸量が検出限界以下にまで減少しており、アルキルジアミン四酢酸の添加による効果が十分に得られない。一方、添加量が3.0wt%の実施例6、実施例12及び実施例18でも65℃−4000時間、及び105℃−2000時間経過時にて検出限界以下まで電解液中のリン酸量が減少していることから、アルキルジアミン四酢酸の添加量は0.01〜2.0wt%が好ましいことが分かる。
表3及び表4に65℃、105℃における信頼性試験の結果をそれぞれ示す。
Figure 0004582798
Figure 0004582798
表3においてアルキルジアミン四酢酸を添加していない従来例1〜3、アルキルジアミン四酢酸添加量0.005wt%の実施例1、実施例7、及び実施例13、アルキルジアミン四酢酸添加量3.0wt%の実施例6、実施例12、及び実施例18は試験時間4000時間以内に弁作動に至った。
また、本発明によるキレート剤ではないエチレンジアミン四酢酸やジエチレントリアミン五酢酸を添加した従来例4〜6では、試験時間4000時間以内に弁作動に至っている。
一方、アルキルジアミン四酢酸が0.01〜2.0wt%の実施例2〜5、実施例8〜11、実施例14〜17、及び実施例19〜21は試験時間4000時間においても弁作動を呈することなく良好な特性を維持している。
表4においても、アルキルジアミン四酢酸を添加していない従来例1〜3、アルキルジアミン四酢酸添加量0.005wt%の実施例1、実施例7、及び実施例13、アルキルジアミン四酢酸添加量3.0wt%の実施例6、実施例12、及び実施例18は劣化反応が激しく、試験時間2000時間以内に弁作動に至るが、アルキルジアミン四酢酸が0.01〜2.0wt%の実施例2〜5、実施例8〜11、実施例14〜17、及び実施例19〜21は劣化が抑制され長寿命化の効果が得られている。
以上の結果より、アルキルジアミン四酢酸の添加量は0.01〜2.0wt%が好ましいことが分かる。
また、実施例21よりアルキルジアミン四酢酸の総添加量が0.01〜2.0wt%の範囲内であれば数種の炭素数が3〜7のアルキルジアミン四酢酸を併用しても同様の効果が得られる。
以上のように、本発明によれば、低インピーダンスで寿命特性が良好な電解コンデンサの実用化が可能となる。
なお、比較例1より溶媒中の水分量が20%未満(8.9/(8.9+79.6)=0.10)では、比抵抗160Ω・cmとなりコンデンサの低インピーダンス化の目的を果たさない。また、比較例2より溶媒中の水分量が90wt%を超える(82.0/(82.0+6.5)=0.93)と高信頼性化の効果が得られない。従って、本発明による電解液の溶媒は10〜80wt%の有機溶媒と、90〜20wt%の水とからなる混合溶媒であることが好ましい。
また、表3、4の比較例3についての結果から明らかなように、〔化1〕のn=8の場合は、試験時間4000時間において弁作動が発生するので、n=3〜7の範囲が適当である。
また、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、先に例示した各種溶質を単独または複数溶解した電解液や、電解コンデンサの駆動用電解液に使用される一般的な添加剤を加えた電解液についても上記実施例と同等の効果があった。

Claims (6)

  1. 10〜80wt%の有機溶媒と、90〜20wt%の水とからなる混合溶媒に、カルボン酸及びカルボン酸塩から選択される少なくとも1種の電解質と、少なくとも1種のリン酸化合物と、キレート剤として下記〔化1〕で表されるアルキルジアミン四酢酸、及びその塩より選択される少なくとも1種とを含むことを特徴とする電解コンデンサの駆動用電解液。
    Figure 0004582798

    〔式中のnは3〜7の整数を示す。〕
  2. 前記有機溶媒が、プロトン系溶媒と非プロトン系溶媒のうちから選択される1種以上の溶媒であることを特徴とする電解コンデンサの駆動用電解液。
  3. 前記カルボン酸及びカルボン酸塩が、ギ酸、酢酸、シュウ酸、プロピオン酸、安息香酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、フマル酸、マレイン酸、フタル酸、アゼライン酸、クエン酸、並びにそれらのアンモニウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、及びアミン塩からなるグループより選択されたものであることを特徴とする請求項1又は2記載の電解コンデンサの駆動用電解液。
  4. 前記リン酸化合物が、オルトリン酸、亜リン酸、次亜リン酸、縮合リン酸類、リン酸エステル類及びこれらの塩からなるグループより選択されたものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電解コンデンサの駆動用電解液。
  5. 前記アルキルジアミン四酢酸またはその塩を0.01〜2.0wt%含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の電解コンデンサの駆動用電解液。
  6. 使用されている駆動用電解液が、請求項1〜5のいずれか1項に記載の電解コンデンサの駆動用電解液であることを特徴とする電解コンデンサ。
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