JP4571368B2 - 重合性化合物の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、CPRの低いオキシアルキレン基を有する重合性化合物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、塗料、接着剤、凸版材、光ファイバー被覆材、光造形材などに使用する目的で、多くの光硬化性樹脂組成物が開発されてきている。このような光硬化性樹脂組成物は、光硬化性オリゴマー、光重合性モノマー、光重合開始剤、増感剤、その他添加剤などから成り、揮発性の溶剤を含有せず、特定波長の光線の照射によって硬化して可撓性や接着性に優れた硬化物が得られる。
このような目的に使用される光硬化性オリゴマーは分子中に光硬化性官能基である(メタ)アクリロイル基を分子中に1個または複数を含有している。その中で、ポリオールとポリイソシアネート化合物との反応で得られるウレタン(メタ)アクリレートは、その硬化物が強靱性、硬度、耐薬品性、柔軟性、密着性、耐光性、低温特性などに優れた性能を発揮するため、幅広い分野で使用されている。
ポリオールとポリイソシアネート化合物から成るウレタン(メタ)アクリレートは、原料の変更によって分子設計の変更が容易であり、特に使用するポリオールの種類によって容易に性能を変化させることが可能である。このような目的に使用されるポリオールには、ポリオキシアルキレンポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリカーボネートポリオールなどがある。これらの中では、ポリオキシアルキレンポリオールは、低粘度で作業性に優れたポリオールとして広く知られている。
ポリオキシアルキレンポリオールとポリイソシアネート化合物との反応では、分子設計通りの成分に加えて、高分子成分や低分子成分等の副生物も含有するため、最終的に得られるウレタン(メタ)アクリレートの分子量はばらつきが大きい。
【0003】
一方、ポリオキシアルキレン分子の片末端が(メタ)アクリロイル基、他方の末端が水酸基であるような構造であるポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートは、ポリイソシアネート化合物との反応によって分子量が制御されたウレタン(メタ)アクリレートを提供することが可能である。このポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートは、ポリオキシアルキレン部分の分子量や組成などといった分子設計の変更が容易なため、目的に応じた性能のものを得ることができる。
このような分子量の制御されたウレタン(メタ)アクリレートの基質であるポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートは、低分子量の(メタ)アクリレート誘導体を基質とし、特公昭43−9071号公報に示されているルイス酸触媒を用いたカチオン重合による製法に従い、アルキレンオキシドを開環重合させて得ることができる。しかし、この方法では原料仕込時に温度管理がなされておらず、アルキレンオキシド開環重合反応の前に分子末端の(メタ)アクリロイル基の重合や(メタ)アクリロイル基と水酸基の付加反応の起こる可能性が高くなる。また、精製方法として中和した後に脱水を行っているが、中和塩が非常に細かくなるために、生成物中に少なからず中和塩が溶解残存してしまうのでCPRが高くなる傾向があり、次工程であるウレタン(メタ)アクリレート化反応時に急激な反応温度の上昇や反応液の粘度上昇などが起こる可能性が高い。
特公昭52−30489号公報や特公昭53−15493号公報によれば、吸着剤による精製も行われているが、触媒に対する吸着剤の添加量が少ないために十分な精製が行えず、得られたポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートの安定性が悪くなり、またポリイソシアネート化合物との反応性の悪化なども起こる可能性が高くなる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、ポリアルキレングリコール誘導体中のアルカリ金属含有量の指標としてJIS K1557 6.8で定義されているCPRに着目し、CPRが低く、ウレタン反応に適したオキシアルキレン基を有する重合性化合物、安定性および取り扱い性に優れた、精製度の高い物が簡便に得られる該重合性化合物の製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、ルイス酸触媒を用い、原料仕込み時の温度が25℃以下であり、重合禁止剤として2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノールと、ヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテルからなる他の重合禁止剤の1種以上との存在下、式(2)で示される化合物にアルキレンオキシドを開環重合させた後、酸化マグネシウム20〜80重量%および酸化アルミニウム5〜50重量%含有する複合金属酸化物をルイス酸触媒添加量に対し7倍重量以上添加して処理することを特徴とする、CPRが30以下、pHが4.5〜7である式(1)で示される重合性化合物の製造方法である。
XO(AO)nH (1)
(Xはアクリロイル基またはメタクリロイル基であり、AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基、nは2〜100である。)
XO(AO)lH (2)
(Xはアクリロイル基またはメタクリロイル基であり、AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基、lは1〜99である)。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の式(1)で示される重合性化合物は、CPRが30以下であり、好ましくは15以下であり、より好ましくは5以下である。CPRが30より大きいと、イソシアネートとの反応時に異常反応を起こしやすい。CPRはJIS K1557 6.8で定義されており、その記載の方法に準じて測定することができる。式(1)で示される重合性化合物は2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール(以下BHTと称する)を10ppm以上、好ましくは300〜1000ppmを含有する。BHTが10ppmより少ないと保存安定性が悪くなる。
【0007】
式(1)で示される重合性化合物はpHが4.5〜7であり、好ましくは5〜7である。pHが4.5より小さいとポリエーテル鎖部分の劣化が進行する可能性が高く、7より大きいと重合性基である(メタ)アクリロイル基部分が脱離してしまう可能性が高い。
また、ウレタン反応時には水分の影響が大きいため、原料である本発明の式(1)で示される重合性化合物の水分含量は好ましくは0.2重量%以下であり、より好ましくは0.1重量%以下であり、さらに好ましくは0.05重量%以下である。
本発明で用いる式(1)で示される重合性化合物において、Xはアクリロイル基またはメタクリロイル基である。
【0008】
式(1)においてAOで示される炭素数2〜4のオキシアルキレン基は、オキシエチレン基、オキシプロピレン基、オキシブチレン基、オキシテトラメチレン基などが挙げられる。またこれらの1種または2種以上の混合物でもよく、2種以上の時の重合形式はブロック状、ランダム状のいずれでもよい。
nは炭素数2〜4のオキシアルキレン基の平均付加モル数であり、2〜100であり、好ましくは2〜50である。
【0009】
式(1)で示される重合性化合物は、CPRが低いためにウレタン原料として好適に使用できる。
式(1)で示される重合性化合物とポリイソシアネート化合物とを反応することでウレタン(メタ)アクリレートを製造することができる。
ポリイソシアネート化合物としては、1分子中に2個以上のイソシアネート基を有する化合物である。その中でも2個または3個のイソシアネート基を有するジまたはトリイソシアネート化合物を用いることが、反応の制御等に優れるため好ましい。
ジまたはトリイソシアネート化合物は2個または3個のイソシアネート基を有する芳香族系、脂肪族系、脂環族系などのイソシアネート化合物であり、ポリウレタンの製造に用いられる公知のものが使用できる。例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネートの任意の異性体混合物、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2′−ジフェニルメタンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートの任意の異性体混合物、トルイレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、パラフェニレンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネートなどが挙げられ、好ましくは2,4−トリレンジイソシアネートおよびヘキサメチレンジイソシアネートである。
【0010】
本発明の式(1)で示される重合性化合物は、ルイス酸触媒を用いて、反応容器への原料仕込み時温度を25℃以下に設定し、重合禁止剤としてBHTを添加し、式(2)で示される化合物1モルにアルキレンオキシド1〜99モルを開環重合させた後、酸化マグネシウム20〜80重量%および酸化アルミニウム5〜50重量%含有する複合金属酸化物をルイス酸触媒添加量に対し7倍重量以上添加して処理することにより得ることができる。
【0011】
式(2)において、Xはアクリロイル基またはメタクリロイル基である。
式(2)においてAOで示される炭素数2〜4のオキシアルキレン基は、オキシエチレン基、オキシプロピレン基、オキシブチレン基、オキシテトラメチレン基などが挙げられ、好ましくはオキシエチレン基およびオキシプロピレン基である。またこれらの1種または2種以上の混合物でもよく、2種以上の時の重合形式はブロック状、ランダム状のいずれでもよい。
lは炭素数2〜4のオキシアルキレン基の平均付加モル数であり、1〜99であり、好ましくは1〜49である。
具体的には、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシブチルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、ポリエチレングリコールモノアクリレート、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、ポリプロピレングリコールモノアクリレート、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート、ポリブチレングリコールモノアクリレート、ポリブチレングリコールモノメタクリレート、ポリテトラメチレングリコールモノアクリレート、ポリテトラメチレングリコールモノメタクリレート、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールモノアクリレート、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールモノメタクリレート等が挙げられる。好ましくは2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレートおよび2−ヒドロキシプロピルメタクリレートである。
【0012】
本発明で用いるルイス酸触媒としては、例えば四塩化錫、三フッ化ホウ素、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体、三フッ化ホウ素ジn−ブチルエーテル錯体、三フッ化ホウ素テトラヒドロフラン錯体、三フッ化ホウ素フェノール錯体、三フッ化ホウ素酢酸錯体等の三フッ化ホウ素化合物などが挙げられる。好ましくは四塩化錫、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体、三フッ化ホウ素ジn−ブチルエーテル錯体、三フッ化ホウ素テトラヒドロフラン錯体であり、より好ましくは四塩化錫である。
ルイス酸触媒の添加量は、式(2)で示される化合物および反応に供したアルキレンオキシドの総重量に対して0.01〜10重量%、より好ましくは0.01〜1重量%の範囲である。
【0013】
本発明で用いる重合禁止剤としては、BHTである。BHTは他のフェノール系重合禁止剤とは異なり、オキシアルキレン反応にも寄与せず、複合金属酸化物処理によって損失もほとんどなく、添加後の色相も無色透明であり、次工程であるウレタン(メタ)アクリレート化反応時にもそのまま重合禁止剤として使用可能であるため、ウレタン反応時に追添加しなくても良いという利点がある。
BHTの添加量は、式(2)で示される化合物および反応に供したアルキレンオキシドの総重量に対し、0.001〜0.1重量%の範囲で用いることが好ましい。
重合禁止剤として他の重合禁止剤を添加してもよいが、添加量が多くなるとウレタン反応の際にイソシアネートと反応する可能性があるため1000ppm以下が好ましい。他の重合禁止剤としてはヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテルなどが挙げられる。
【0014】
反応容器への仕込みの順番としては、通常は式(2)で示される重合性化合物、重合禁止剤、ルイス酸触媒の順番が好ましい。仕込み温度は式(2)で示される重合性化合物の重合などを抑制するために25℃以下である。仕込み温度が25℃を超える場合は、ルイス酸触媒を投入後に反応器内の粘度が経時的に上昇していくため好ましくない。
反応には炭素数2〜4のアルキレンオキシドが使用され、例えばエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、テトラヒドロフランなどが挙げられる。そして、これらの1種または2種以上の混合物でもよく、2種以上の時の重合形式はブロック状、ランダム状のいずれでもよい。
反応は、25℃以下にて反応容器に式(2)で示される重合性化合物、重合禁止剤、ルイス酸触媒を全て仕込んだ後、反応容器内を窒素等の不活性ガスで置換し、系内を撹拌しながら温度−20〜90℃、好ましくは10〜70℃にて3〜10時間程度でアルキレンオキシドを圧入して行う。反応温度が−20℃より低いと反応速度が非常に小さく、90℃より高いと重合性基の重合や、着色などの問題も起こりやすくなる。
アルキレンオキシドが2種以上の混合物の場合、ランダム状に付加させる場合は、均一に混合して少量ずつ圧入して反応する。また、テトラヒドロフランの反応性が他のアルキレンオキシドに比べて劣るため、反応開始前にテトラヒドロフラン全量を反応容器内に仕込んだ後にアルキレンオキシドを少量ずつ圧入する方法でも良い。ブロック状に付加させる場合は、付加させる順序に従い各種のアルキレンオキシドを圧入して反応させる。
【0015】
本発明の重合性化合物の製造方法で使用される複合金属酸化物としては、酸化マグネシウム20〜80重量%および酸化アルミニウム5〜50重量%を含有するものである。好ましくは酸化マグネシウム30〜70重量%および酸化アルミニウム10〜40重量%含有するものであり、より好ましくは酸化マグネシウム50〜70重量%および酸化アルミニウム25〜40重量%含有するものである。この範囲にある複合金属酸化物を使用することで、反応触媒であるルイス酸触媒が効果的に除去され、また生成物のCPRの低減に有効である。複合金属酸化物の形状としては、特に制限はないが粉体状であるものが好ましい。
【0016】
酸化マグネシウム20〜80重量%および酸化アルミニウム5〜50重量%を含有する複合金属酸化物は、市販品としては、例えば協和化学工業(株)製のキョーワード300、キョーワード500、キョーワード1000、キョーワード2000、富田製薬(株)製のトミックスAD500などが挙げられる。
上記の市販品の代表組成は以下の通りである。
キョーワード300(酸化マグネシウム26.4重量%、酸化アルミニウム26.3重量%)、キョーワード500(酸化マグネシウム38.2重量%、酸化アルミニウム16.1重量%)、キョーワード1000(酸化マグネシウム35.2重量%、酸化アルミニウム19.1重量%)、キョーワード2000(酸化マグネシウム59.2重量%、酸化アルミニウム33.0重量%)、トミックスAD500(酸化マグネシウム37.4重量%、酸化アルミニウム17.2重量%)である。
本発明では、複合金属酸化物を1種または2種以上組み合わせて用いることができる。
複合金属酸化物の使用量は、ルイス酸触媒添加量に対し7倍重量以上が好ましく、7〜10倍重量がより好ましい。ルイス酸触媒添加量に対して7倍重量より少ない場合には精製度が十分ではないため好ましくない。使用量が多くとも得られる製品に影響はないが、10倍重量以下の場合は複合金属酸化物自体を除去することが簡便であり、かつポリアルキレングリコール誘導体の収量の低下が少ないため好ましい。
【0017】
複合金属酸化物を用いた処理方法は、反応で得られた重合性化合物、複合金属酸化物を任意の方法で混合または接触させることができるが、攪拌しながら接触させるのが好ましい。また、添加順序は特に限定されないが、通常は反応で得られた重合性化合物に複合金属酸化物を添加する。
処理条件は、通常酸素濃度20±5%の気体を通じながら、圧力0.133〜6.67kPa(1〜50mmHg)で1〜6時間、好ましくは2〜4時間行う。1時間より短いとCPRの低減が十分ではない可能性があり、6時間より長くてもそれ以上の効果は見られないこともある。
処理温度は通常40〜90℃であり、好ましくは60〜80℃である。40℃を下回るとCPRの低減が十分でなく、かつ未反応のアルキレンオキシドなどの低分子量成分が残存するために生成物が若干低粘度化する傾向がある。90℃より高いとポリアルキレングリコール誘導体の劣化、もしくは重合性基の安定性に問題を生じる原因となる可能性がある。
処理後はろ過、遠心分離などの通常の方法によって複合金属酸化物を除去することが好ましい。
複合金属化合物による処理は、中和した後に脱水を行う方法とは異なり、系内の水分含量を低く抑えることが可能であり、通常は90℃以下の処理温度では脱水時間が長くなっていた問題も解消することができる。
【0018】
ウレタン(メタ)アクリレートは、反応容器に式(1)で示される重合性化合物を入れ、触媒を添加し、酸素濃度20±5%の気体を通じながらポリイソシアネート化合物により反応を行い、得ることができる。このウレタン(メタ)アクリレート反応系において、重合禁止剤としてのBHTは、式(1)で示される重合性化合物の中に0.001〜0.1重量%含まれているため、特に追加して添加する必要はない。ここで使用される触媒としては、主として有機錫化合物であり、好ましくはオクチル酸錫やラウリル酸錫である。触媒の添加量としては、式(1)で示される重合性化合物およびポリイソシアネート化合物の総重量の0.001〜0.1重量%であることが望ましい。触媒の添加時期は、ポリイソシアネート化合物の滴下開始前ならいつでも良い。反応系内の雰囲気は、酸素濃度20±5%の気体を通気させることが好ましく、乾燥空気がより好ましい。例えば凝縮型エアードライヤー等によって乾燥させたものを用いることができる。乾燥が不十分であると反応系中に水分が混入し、ポリイソシアネート化合物と水の反応を誘発し、得られたウレタン(メタ)アクリレートの粘度の増加を引き起こす可能性がある。反応開始時の温度としては、20〜90℃、好ましくは30〜80℃である。20℃より低いと反応に多くの時間が必要になり生産効率の低下を招く可能性があり、90℃より高いと重合反応が起こる可能性やウレタン(メタ)アクリレートが着色する可能性がある。
【0019】
ウレタン反応はポリイソシアネート化合物を添加することにより行う。この際にポリイソシアネート化合物を滴下しながら添加することが好ましい。ウレタン反応はポリイソシアネート化合物を添加することにより開始され、添加終了後も必要に応じて反応を継続することにより完結させる。反応時間は、反応容器の大きさ、構造などによって変化するが、1〜30時間、好ましくは1〜20時間である。1時間より短いと反応が完結しない可能性があり、30時間より長いとウレタン(メタ)アクリレートに熱履歴を与え過ぎて重合を引き起こす可能性や、生産効率の悪化による価格の上昇に繋がる可能性がある。
反応温度は通常20〜90℃、より好ましくは30〜80℃である。20℃より低いと反応時間が多く必要になり生産効率の低下を招く可能性がある。90℃より高いと重合反応が起こる可能性やウレタン(メタ)アクリレートが着色する可能性がある。
反応終了の判定方法としては、JIS K 0117準拠のフーリエ変換赤外吸収分光光度計(FT−IR)によって3100cm-1付近のイソシアネート基由来の吸収が見られなくなることを測定する方法、JIS K 1556 5.5に準拠した滴定法で反応生成物中のイソシアネート化合物の含有量を測定する方法で確認する。後者については、具体的には反応容器より反応生成物を抜き取り、ジ−n−ブチルアミンと反応させ、適量のアミンを塩酸で逆滴定し、反応生成物中のイソシアネート化合物の含有量を測定する方法である。この方法によりイソシアネート化合物の含有量を算出し、反応生成物の重量の0.5重量%以下、好ましくは0.1重量%以下になった時を終点とする。
上記のようにして製造したウレタン(メタ)アクリレートには、異物混入の可能性もあるため、ろ過により除去することも可能である。
【0020】
本発明の製造方法で得られたウレタン(メタ)アクリレートは、塗料、接着剤、印刷インキ、凸版材、光造形材、光ファイバー被覆材、電子材料、情報記録材料等の光硬化性樹脂原料などとして非常に有用であり、特にファイバー被覆材に好適に使用できる。
【0021】
【発明の効果】
本発明の重合性化合物は、CPR、水分、pH共にウレタン化を行うための原材料として良好であり、熱安定性に優れるためウレタン原料としても好適に使用できる。また、本発明の製造方法により、精製度の高い該重合性化合物が従来よりも簡便に製造できる。本発明の製造方法により得られた該重合性化合物とポリイソシアネート化合物との反応生成物であるウレタン(メタ)アクリレートは、保存安定性および取り扱い性に優れたものである。また、本発明の製造方法により該重合性化合物からウレタン(メタ)アクリレートまでを一括して安定に製造できる。
【0022】
【実施例】
以下に本発明の実施例と比較例を示し、本発明をより詳細に説明する。なお、ヒドロキノンモノメチルエーテルをMQと表示する。
実施例1
攪拌装置、温度計および圧力ゲージを備えた5リットル容のオートクレーブを25℃以下に保ち、2−ヒドロキシエチルアクリレート232g(2.0モル)、MQ0.468g、BHT0.468g、および四塩化錫5.6gを入れ、系内を窒素ガスにて置換した後エチレンオキシド704g(16.0モル)を1MPa(10.0kg/cm2)以下、55℃以下の条件で4時間かけて圧入し、さらに1時間反応を継続した。次に酸素濃度20±5%の気体を通じて未反応のエチレンオキシドを除去した。
その後、協和化学工業(株)製キョーワード500(酸化マグネシウム38.2重量%、酸化アルミニウム16.1重量%)を40.3g(四塩化錫に対して7.2倍量)加え、酸素濃度20±5%の気体をバブリングしながら、5kPa、70℃の条件にて4時間処理した。次にキョーワード500をろ過して重合性化合物(ポリエチレングリコール(9.0)モノアクリレート)843gを得た。
【0023】
実施例2
攪拌装置、温度計および圧力ゲージを備えた5リットル容のオートクレーブを25℃以下に保ち、2−ヒドロキシエチルメタクリレート260g(2.0モル)、MQ0.263g、BHT0.263g、および四塩化錫4.8gを入れ、系内を窒素ガスにて置換した後、エチレンオキシド616g(14.0モル)を1MPa以下、55℃以下の条件で3時間かけて圧入し、さらに1時間反応を継続した。次に、酸素濃度20±5%の気体を通じながら未反応のエチレンオキシドを除去した。
その後、協和化学工業(株)製キョーワード500(酸化マグネシウム38.2重量%、酸化アルミニウム16.1重量%)を35.0g(四塩化錫に対して7.3倍量)を加え、酸素濃度20±5%の気体をバブリングしながら、5kPa、70℃の条件下にて3時間処理した。次にキョーワード500をろ過して重合性化合物(ポリエチレングリコール(8.0)モノメタクリレート)797gを得た。
【0024】
実施例3
攪拌装置、温度計および圧力ゲージを備えた5リットル容のオートクレーブを25℃以下に保ち、2−ヒドロキシプロピルアクリレート260g(2.0モル)、MQ0.47g、BHT0.47g、および四塩化錫6.3gを入れ、系内を窒素ガスにて置換した後プロピレンオキシド684.4g(11.8モル)を圧力1MPa以下、温度55℃以下の条件で6時間かけて圧入し、さらに2時間反応を継続した。次に酸素濃度20±5%の気体を通じながら未反応のプロピレンオキシドを除去した。
その後、協和化学工業(株)製キョーワード2000(酸化マグネシウム59.2重量%、酸化アルミニウム33.0重量%)を47.2g(四塩化錫に対して7.5倍量)加え、酸素濃度20±5%の気体をバブリングしながら5kPa、70℃の条件にて4時間処理した。次にキョーワード2000をろ過して重合性化合物(ポリプロピレングリコール(6.9)モノアクリレート)859gを得た。
【0025】
実施例4
攪拌装置、温度計および圧力ゲージを備えた5リットル容のオートクレーブ25℃以下に保ち、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート288g(2.0モル)、MQ0.31g、BHT0.31g、および四塩化錫4.6gを入れ、系内を窒素ガスにて置換した後プロピレンオキシド487.2g(8.4モル)を圧力1MPa以下、温度55℃以下の条件で6時間かけて圧入し、さらに2時間反応を継続した。次に酸素濃度20±5%の気体を通じながら未反応のプロピレンオキシドを除去した。
その後、協和化学工業(株)製キョーワード2000(酸化マグネシウム59.2重量%、酸化アルミニウム33.0重量%、二酸化ケイ素含有しない)を38.8g(四塩化錫に対して8.3倍量)加え、酸素濃度20±5%の気体をバブリングしながら、5kPa、70℃の条件にて4時間処理した。次にキョーワード2000をろ過して重合性化合物(ポリプロピレングリコール(5.2)モノメタクリレート)713gを得た。
【0026】
実施例5
攪拌装置、温度計および圧力ゲージを備えた5リットル容のオートクレーブ25℃以下に保ち、2−ヒドロキシエチルメタクリレート260g(2.0モル)、MQ0.232g、BHT0.232g、および四塩化錫4.1gを入れ、系内を窒素ガスにて置換した後、エチレンオキシド212g(4.8モル)とプロピレンオキシド300g(5.2モル)の混合物を圧力1MPa以下、温度55℃以下の条件で5時間かけて圧入し、さらに2時間反応を継続した。次に酸素濃度20±5%の気体を通じながら未反応のエチレンオキシドおよびプロピレンオキシドを除去した。
その後、協和化学工業(株)製キョーワード500(酸化マグネシウム38.2重量%、酸化アルミニウム16.1重量%)を30.9g(四塩化錫に対して7.5倍量)加え、酸素濃度20±5%の気体をバブリングしながら、5kPa、70℃の条件にて4時間処理した。次にキョーワード500をろ過して重合性化合物(ポリエチレングリコール(3.4)/ポリプロピレングリコール(2.6)モノメタクリレート、ランダム結合型)718gを得た。
【0027】
比較例1
未反応のエチレンオキシドの除去までは実施例1と同様の反応条件および反応方法で反応を行った。その後、5重量%水酸化ナトリウム水溶液34.1gを投入し、5kPa、70℃の条件にて7時間脱水処理した。その後に生成した中和塩をろ過して重合性化合物(ポリエチレングリコール(9.0)モノアクリレート)835gを得た。
比較例2
未反応のエチレンオキシドの除去までは実施例2と同様の反応条件および反応方法で反応を行った。その後、5重量%水酸化ナトリウム水溶液28.1gを投入し、5kPa、70℃の条件にて6時間脱水処理した。その後に生成した中和塩をろ過して重合性化合物(ポリエチレングリコール(8.0)モノメタクリレート)782gを得た。
【0028】
比較例3
未反応のプロピレンオキシドの除去までは実施例3と同様の反応条件および反応方法で反応を行った。その後、5重量%水酸化ナトリウム水溶液66.1gを投入し、5kPa、70℃の条件にて6時間脱水処理した。その後に生成した中和塩をろ過して重合性化合物(ポリプロピレングリコール(6.9)モノアクリレート)834gを得た。
比較例4
未反応のプロピレンオキシドの除去までは実施例4と同様の反応条件および反応方法で反応を行った。その後、5重量%水酸化ナトリウム水溶液32.6gを投入し、5kPa、70℃の条件にて6時間脱水処理した。その後に生成した中和塩をろ過して重合性化合物(ポリプロピレングリコール(5.2)モノメタクリレート)699gを得た。
【0029】
比較例5
未反応のエチレンオキシドおよびプロピレンオキシドの除去までは実施例5と同様の反応条件および反応方法で反応を行った。その後、5重量%水酸化ナトリウム水溶液28.5gを投入し、5kPa、70℃の条件にて6時間脱水処理した。その後に生成した中和塩をろ過して重合性化合物(ポリエチレングリコール(3.4)/ポリプロピレングリコール(2.6)モノメタクリレート、ランダム結合型)690gを得た。
実施例1〜5および比較例1〜5で得られた化合物の分析結果を表1に示す。
【0030】
【表1】
【0031】
*1:色相は100℃で2時間保存した後の色相の結果
実施例1〜5および比較例1〜5について比較する。実施例に従って製造された重合性化合物のCPRはどれも30以下であり、比較例のCPRよりも大幅に低かった。さらに、水分含量も少なく、pHについてはより中性に近くなった。
これらのことから、本発明の重合性化合物は本発明で規定しているパラメータを全て満たしており、本発明の製造方法で得られた重合性化合物は従来の製造方法で得られたよりも高度に精製されたものが得られることがわかる。
【0032】
比較例6〜8
未反応のエチレンオキシドの除去までは実施例1と同様の反応条件および反応方法で反応を行った。その後、協和化学工業(株)製キョーワード500(酸化マグネシウム38.2重量%、酸化アルミニウム16.1重量%)をそれぞれ23.5g、28.0g、32.5g(四塩化錫に対してそれぞれ、4.2倍量、5.0倍量、5.8倍量)加え、酸素濃度20±5%の気体をバブリングしながら、5kPa、70℃の条件にて4時間処理した。次にキョーワード500をろ過して各々の重合性化合物(ポリエチレングリコール(9.0)モノアクリレート)を得た。
比較例6〜8で得られた化合物の分析結果を表1に示す。
【0033】
比較例6〜8について、分析結果および100℃で2時間経過した後の色相の結果を表1に示す。
表1の結果から吸着剤の添加量が実施例1よりも少ない比較例6〜8では、触媒であるルイス酸が十分に除去されないためにpHが低く、CPRも若干高くなっている。また、100℃で2時間保存した後の色相についても悪化しているため、精製度が劣っていることがわかる。
【0034】
比較例9
BHTを添加しないこと以外は実施例1と同様同様の反応条件および反応方法で反応を行い、比較例9の重合性化合物(ポリエチレングリコール(9.0)モノアクリレート)830gを得た。
比較例10
BHTを添加しないこと以外は実施例2と同様の反応条件および反応方法で反応を行い、比較例10の重合性化合物(ポリエチレングリコール(8.0)モノメタクリレート)790gを得た。
比較例9〜10で得られた化合物の分析結果を表1、実施例1〜5および比較例9〜10の保存安定性の評価結果を表2に示す。
【0035】
【表2】
【0036】
*2:100mLサンプル瓶に50gサンプルを採取し、100℃にて時間毎に液色と粘性について観察した結果
表2の結果から、反応時にBHTを添加した実施例1〜5の重合性化合物は24時間経過後でも、若干液色の変化はあるものの粘性が上昇しなかった。
反応時にBHTを添加しない比較例9および10については、10時間後ですでに液色が悪くなり粘性も上昇しはじめ、24時間後には重合による粘性上昇や重合が起こった。これらの結果から、本発明の製造方法で得られた重合性化合物は、安定性に優れることがわかる。
【0037】
参考例1
攪拌装置および温度計を備えた1リットル容の四ツ口フラスコに468gの実施例1の重合性化合物(ポリエチレングリコール(9.0)モノアクリレート)を入れ、オクチル酸錫を0.2g添加し、酸素濃度20±5%の気体を通じながら、滴下ロートを使用してヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)84gを2時間かけて70±5℃で滴下後、そのまま1時間反応を継続し、残存イソシアネートが0.02重量%であることを滴定によって確認した。これをろ過してウレタンジアクリレート(ポリエチレングリコール(9.0)モノアクリレート+HMDI+ポリエチレングリコール(9.0)モノアクリレートの反応物)519gを得た。
【0038】
参考例2
攪拌装置および温度計を備えた1リットル容の四ツ口フラスコに438gの実施例2の重合性化合物(ポリエチレングリコール(8.0)モノメタクリレート)を入れ、オクチル酸錫を0.15g添加し、酸素濃度20±5%の気体を通じながら、滴下ロートを使用して2,4−トリレンジイソシアネート(TDI)87gを2時間かけて70±5℃で滴下後、そのまま1時間反応を継続し、残存イソシアネートが0.03重量%であることを滴定によって確認した。これをろ過してウレタンジメタクリレート(ポリエチレングリコール(8.0)モノメタクリレート+TDI+ポリエチレングリコール(8.0)モノメタクリレートの反応物)494gを得た。
【0039】
参考例3
攪拌装置および温度計を備えた1リットル容の四ツ口フラスコに472gの実施例3の重合性化合物(ポリプロピレングリコール(6.9)モノアクリレート)を入れ、オクチル酸錫を0.20g添加し、酸素濃度20±5%の気体を通じながら、滴下ロートを使用してHMDI84gを2時間かけて70±5℃で滴下後、そのまま反応を1時間継続し、残存イソシアネートが0.05重量%であることを滴定で確認した。これをろ過してウレタンジアクリレート(ポリプロピレングリコール(6.9)モノアクリレート+HMDI+ポリプロピレングリコール(6.9)モノアクリレートの反応物)511gを得た。
【0040】
参考比較例1
比較例9の重合性化合物(ポリエチレングリコール(9.0)モノアクリレート)を用いた以外は参考例1と同様の操作を行い、ウレタンジアクリレート(ポリエチレングリコール(9.0)モノアクリレート+HMDI+ポリエチレングリコール(9.0)モノアクリレートの反応物)505gを得た。
参考比較例2
比較例10の重合性化合物(ポリエチレングリコール(8.0)モノメタクリレート)を用いた以外は参考例1と同様の操作を行い、ウレタンジメタクリレート(ポリエチレングリコール(8.0)モノメタクリレート+TDI+ポリエチレングリコール(8.0)モノメタクリレートの反応物)490gを得た。
【0041】
参考比較例3
BHTを添加しない以外について実施例3と同様にして製造した重合性化合物(ポリプロピレングリコール(6.9)モノアクリレート)について、参考例1と同様の操作を行い、ウレタンジアクリレート(ポリプロピレングリコール(6.9)モノアクリレート+HMDI+ポリプロピレングリコール(6.9)モノアクリレートの反応物)509gを得た。参考例1〜3および参考比較例1〜3で得られた化合物の分析結果を表3に示す。
【0042】
【表3】
【0043】
*1:TDIはベンゼン環を有し、臭素価の測定にブレが生じるので測定せず
*2:計算上CPRの値がこれらの数値になるように実施例3と比較例3の重合性化合物を配合
*3:実施例3と比較例3の配合率で計算した値。
表3の結果から、参考例1〜3および参考比較例1〜3は、反応前の重合性化合物のCPRおよび水分は、各々対応する実施例と比較例でほぼ同等である。それにもかかわらず、イソシアネートとの反応後、参考比較例1〜3は参考例1〜3に比べて動粘度の値が増大し、臭素価も2〜3程度小さくなった。これは重合性化合物が若干の重合を起こしたためであると思われる。また、色相も若干ではあるが、参考比較例1〜3の方が悪くなった。以上のことから、本発明の製造方法で得られた該重合性化合物とイソシアネートとの反応で得られるウレタン(メタ)アクリレートは、取り扱い性や安定性に優れたものであることがわかる。
【0044】
参考比較例4
攪拌装置および温度計を備えた1リットル容の四ツ口フラスコに、152.1gの実施例3の重合性化合物(ポリプロピレングリコール(6.9)モノアクリレート)および93.9gの比較例3の重合性化合物(ポリプロピレングリコール(6.9)モノアクリレート)を入れて良く攪拌し、計算上CPRが35の重合性化合物を調製した。そして、酸素濃度20±5%の気体を通じながら5kPa、70℃で3時間脱水処理して冷却後、水分含量が0.05%であることを確認した。そして、このうち236gについて、参考例3と同様に操作を行い、ウレタンジアクリレート(ポリプロピレングリコール(6.9)モノアクリレート+HMDI+ポリプロピレングリコール(6.9)モノアクリレートの反応物)250gを得た。
【0045】
参考比較例5
攪拌装置および温度計を備えた1リットル容の四ツ口フラスコに、107.4gの実施例3の重合性化合物(ポリプロピレングリコール(6.9)モノアクリレート)および138.6gの比較例3の重合性化合物(ポリプロピレングリコール(6.9)モノアクリレート)を入れて良く攪拌し、計算上CPRが50の重合性化合物を調製した。そして、酸素濃度20±5%の気体を通じながら5kPa、70℃で3時間脱水処理して冷却後、水分含量が0.05%であることを確認した。そして、このうち236gについて、参考例3と同様に操作を行い、ウレタンジアクリレート(ポリプロピレングリコール(6.9)モノアクリレート+HMDI+ポリプロピレングリコール(6.9)モノアクリレートの反応物)246gを得た。
【0046】
参考比較例6
攪拌装置および温度計を備えた1リットル容の四ツ口フラスコに、比較例3の重合性化合物(ポリプロピレングリコール(6.9)モノアクリレート)を246g採取し、酸素濃度20±5%の気体を通じながら5kPa、70℃で3時間脱水処理して冷却後、水分含量が0.05%であることを確認した。そして、このうち236gについて、参考例3と同様に操作を行い、ウレタンジアクリレート(ポリプロピレングリコール(6.9)モノアクリレート+HMDI+ポリプロピレングリコール(6.9)モノアクリレートの反応物)230gを得た。参考比較例4〜6で得られた化合物の分析結果を表3に示す。
【0047】
表3の結果から、CPRの高い重合性化合物を使用した参考比較例5および6では、反応途中の段階で反応温度が70℃以上に急激に上昇する現象が見られた。また、参考例3と比較して、最終的に得られた物質はかなり粘度が高く、臭素価もCPRが高くなるにつれて小さくなり、色相も若干悪くなった。これらのことから、CPRが高い場合にはウレタン反応時に急激な反応が起こり得るため、それによって末端の重合性基の一部が重合してしまう可能性が示唆された。一方、参考比較例4では、CPRを35に調整した重合性化合物を使用して反応したが、この場合でも参考例3よりも粘度、臭素価共に若干悪化することがわかった。これらのことにより、CPRが30以下の重合性化合物を使用することにより良好なウレタン(メタ)アクリレートを得られることがわかる。
Claims (1)
- ルイス酸触媒を用い、原料仕込み時の温度が25℃以下であり、重合禁止剤として2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノールと、ヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテルからなる他の重合禁止剤の1種以上との存在下、式(2)で示される化合物にアルキレンオキシドを開環重合させた後、酸化マグネシウム20〜80重量%および酸化アルミニウム5〜50重量%含有する複合金属酸化物をルイス酸触媒添加量に対し7倍重量以上添加して処理することを特徴とする、CPRが30以下、pHが4.5〜7である式(1)で示される重合性化合物の製造方法。
XO(AO)nH (1)
(Xはアクリロイル基またはメタクリロイル基であり、AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基、nは2〜100である。)
XO(AO)lH (2)
(Xはアクリロイル基またはメタクリロイル基であり、AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基、lは1〜99である)。
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