[go: up one dir, main page]

JP4557386B2 - 記録ヘッド用基板の製造方法 - Google Patents

記録ヘッド用基板の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4557386B2
JP4557386B2 JP2000209102A JP2000209102A JP4557386B2 JP 4557386 B2 JP4557386 B2 JP 4557386B2 JP 2000209102 A JP2000209102 A JP 2000209102A JP 2000209102 A JP2000209102 A JP 2000209102A JP 4557386 B2 JP4557386 B2 JP 4557386B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
substrate
electrode
ink
recording head
electrode wiring
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2000209102A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2002019117A5 (ja
JP2002019117A (ja
Inventor
俊守 宮越
博和 小室
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2000209102A priority Critical patent/JP4557386B2/ja
Priority to US09/900,030 priority patent/US6634736B2/en
Publication of JP2002019117A publication Critical patent/JP2002019117A/ja
Publication of JP2002019117A5 publication Critical patent/JP2002019117A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4557386B2 publication Critical patent/JP4557386B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/135Nozzles
    • B41J2/14Structure thereof only for on-demand ink jet heads
    • B41J2/14016Structure of bubble jet print heads
    • B41J2/14072Electrical connections, e.g. details on electrodes, connecting the chip to the outside...
    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K1/00Printed circuits
    • H05K1/02Details
    • H05K1/0213Electrical arrangements not otherwise provided for
    • H05K1/0263High current adaptations, e.g. printed high current conductors or using auxiliary non-printed means; Fine and coarse circuit patterns on one circuit board

Landscapes

  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)
  • Ink Jet (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、発熱抵抗体が発生する熱エネルギーを利用してインクに気泡を生じさせこの気泡の成長・収縮によりインクを吐出させて記録を行うためのインクジェット記録ヘッド用の基板、インクジェット記録ヘッド、インクジェット記録ヘッドカートリッジ、およびインクジェット記録装置に関し、詳しくは発熱抵抗体に電力を供給する電極配線の配線抵抗の均一化に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録ヘッドは、種々の方式により吐出インク滴を形成するものが知られており、記録装置ではこの吐出インク滴を記録紙などの被記録媒体に付着させることによって記録を行う。なかでも、吐出インク滴形成のためのエネルギーとして熱を利用するインクジェット記録ヘッドは、高密度のマルチノズル化を比較的容易に実現でき、高解像度、高画質で、また、高速な記録を可能とするものである。
【0003】
この種の熱エネルギーを利用してインクを吐出する方式の記録ヘッドの一つとして、熱エネルーを発生する発熱抵抗体が形成された面の略垂直上方にインク滴を吐出する、いわゆるサイドシューター型のインクジェット記録ヘッドが知られている。このタイプのヘッドは、一般に吐出に伴うインク供給を上記発熱抵抗体が設けられた基板の裏側から、基板を貫通するインク供給口を介して行うものである。
【0004】
図17および図18は、このようなサイドシューター型のインクジェット記録ヘッドの一従来例を示す図であり、図17は吐出口等を形成する部材を一部破断し基板の一部を示す斜視図、図18は記録ヘッドの基板上の主に電極配線を示す平面図である。
【0005】
この型のヘッドは、図17に示すように、基板を貫通するインク供給口803を挟んだ両側において千鳥状に配置された複数の電気熱変換体(以下、単にヒータともいう)802が基板805上に設けられる。また、これらの複数の電気熱変換体802それぞれに対応してインクを吐出するためのインク吐出口801やインク流路804を形成するための部材が基板805上に形成されている。
【0006】
図18に示す基板805上には、複数のヒータ802を記録データに応じて選択的に駆動してインクを吐出するため、電源側の共通電極配線902aおよび902b、電気熱変換素子802を構成する発熱抵抗体およびこれに電力を供給するための電極配線、トランジスタ等の駆動素子(図中、黒く示す部分で、下層側に形成される)、グランド側の共通電極配線904aおよび904b等の配線もしくは回路が、この順で接続するよう設けられている。そして、電源側およびグランド側の各共通電極は電極パッド903を介して基板外と電気的接続を行なうことができる。なお、図では層間絶縁膜や保護膜などの図示は省略されている。
【0007】
以上の構成を有するインクジェット記録ヘッドにおいて、インクは各吐出口801の近傍でメニスカスを形成して保持され、この状態でヒータ802を記録データに応じて選択的に駆動させることにより、その発生する熱エネルギーを利用して熱作用面上のインクを急激に加熱沸騰させ、その際に発生する気泡の圧力によってインクを吐出することができる。
【0008】
ところで、インク吐出のためにヒータに投入される電気エネルギーもしくは電力はその吐出を左右する重要なファクターの一つである。すなわち、投入される電気エネルギーが変化すると、それに応じて発泡現象も変化し良好な吐出を行なえないことがある。例えば、投入された駆動エネルギーが小さい場合には、エネルギー不足によりインクの膜沸謄現象が不安定になり易くインク滴の吐出速度や吐出方向さらには吐出量の変動を招き、いわゆるヨレ、ショボ、カスレなどといった記録画像の画質劣化を招く場合がある。また、逆に投入された駆動エネルギーが高い場合には、過剰な熱エネルギーにより電気熱変換体に機械的なストレスを与えたり膜質に変化を生じさせてしまい、これらによって上述のような吐出不良を起こしたり、ひどい場合には記録ヘッドを破損させてしまうこともある。
【0009】
このため、複数のヒータそれぞれに一定のエネルギーが投入され、また、各ヒータについて投入されるエネルギーが常に一定であることが望ましい。
【0010】
一方、各ヒータに投入されるエネルギーの変動要因として、一つのヘッドで同時に駆動されるヒータの数が変わることによるものが知られている。すなわち、記録データ等に応じて同時駆動されるヒータの数が変化すると、それによって生じる電圧効果が異なり、結果として各ヒータの駆動エネルギーが変化するためである。
【0011】
この問題の対処の一つとして、従来は図18に示すように、ヒータ802と電極パッドとの間、および駆動素子と電極パッドとの間の配線を複数に分割し、かつ、各共通電極配線902a、902b、904a、904bについて配線抵抗値をほぼ等しくする構成が取られてきた(例えば特開平10−44416号公報)。この構成によれば、それぞれの共通電極配線について全てのヒータを駆動する時と、一つのヒータを駆動する時との電圧降下の差を小さくすることがでる。また、それぞれの共通電極配線に接続されるヒーターについて同時に駆動する数を一つのヒーターにすることによって、全部のヒータを駆動する時と一つのヒータを駆動する時との電圧ドロップの差をなくすことができ、各ヒータに対して常に一定の駆動エネルギーを投入することができる。
【0012】
この構成は、ヒータを駆動する際に生ずる電圧効果のうち共通電極配線による電圧効果を小さくすることを前提とするものである。このため、従来は共通電極配線の幅をできるだけ大きくしてその配線抵抗を小さくし、その上で、図18に示す共通電極配線の幅A、Bのようにその配線の長さに応じて上記配線の幅を異ならせることにより各電極配線間の配線抵抗を等しくするものである。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら近年のインクジェット記録装置では、高解像度、高画質の画像を高速に得るため、複数のヒータを高密度で集積する記録ヘッドを用いるのが主流である。一方で記録ヘッド等の小型化の傾向があり、このように記録ヘッドのサイズを容易に大きくできないという制約の下で、従来のように電極パッドから各ヒータまでの電極配線の低抗値を配線の幅のみでほぼ等しく調整するのは非常に困難な状況となっている。
【0014】
仮に、配線幅の調整のみで配線抵抗を等しくしようとする場合、基板のサイズが大きくなってしまうため、基板を形成するシリコンウエハーからえられる基板の数が減ることによるコストアップや、複数の基板をコンパクトに配設できないことによるヘッドの大型化を招くことになる。一方、例えば複数のヒータを時分割駆動する場合の時分割数を増して同時に駆動されるヒータの数を減少させ、これによって投入駆動エネルギーの変化自体を少なくすることも考えられるが、上述のように記録の高速化のため記録ヘッドは高い周波数で駆動されるのが一般的であり、時分割数を増すと駆動周期はさらに短いものとなる。この場合、駆動素子の応答性を考慮すると、この上さらに駆動パルス幅を小さくすることは困難であり、時分割数の増加にも限界がある。また、駆動制御プロセスの観点から、同時駆動するヒータの数に応じて、投入される駆動エネルギーの電圧降下分をパルス幅変調により補正することも考えられるが、この場合にはエネルギーを一定とする制御を行うための諭理回路が必要となり、製造コストが高くなるおそれがある。
【0015】
本発明は、上述した従来の問題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、記録ヘッドのサイズ増を招くことなく記録ヘッドにおける各電極配線の配線抵抗を等しくすることが可能なインクジェット記録ヘッド用基板の製造方法を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
そのために本発明では、インクジェット記録ヘッド用基板の製造方法において、インクを吐出するための熱エネルギーを発生する複数の電気熱変換体と、前記複数の電気熱変換体のうちのいくつかに共通に電力を供給する、複数の電極配線と、外部からの電力供給を受け、前記複数の電力配線の其々に接続する複数の電極パッドと、を備えたインクジェット記録ヘッド用基板の製造方法であって、第一の電極配線層を設けた面を有する基板を用意する第一の工程と、前記第一の電極配線層の上に、第一のマスク材を設ける工程と、前記第一のマスク材が設けられた部分以外の前記第一の電極層をエッチングし、基板からの厚さが異なる第一部と第二部とを有する第二の電極配線層を形成する工程と、前記第二の電極配線層の前記第一部の一部と、前記第二の電極配線層の前記第二部の一部と、のそれぞれの上に、第二のマスク材を設ける工程と、前記第二の電極層の前記第二のマスク材が設けられた部分以外の部分をエッチングし、前記第二の電極層から、前記複数の電極配線を形成する工程と、を有することを特徴とする。
【0018】
また、インクジェット記録ヘッドにおいて、上記インクジェット記録ヘッド用基板を備え、前記電気熱変換体が発生する熱エネルギーを利用してインクを吐出することを特徴とする。
【0019】
さらに、インクジェットカートリッジにおいて、上記インクジェット記録ヘッド用基板を備え、前記電気熱変換体が発生する熱エネルギーを利用してインクを吐出するインクジェット記録ヘッドと、該インクジェット記録ヘッドに供給するインクを収容するインク容器とを組み合わせたことを特徴とする。
【0020】
さらに、インクジェット記録装置において、上記インクジェット記録ヘッドを用いて被記録媒体にインクを吐出して記録を行うことを特徴とする。
【0021】
他の形態では、インクジェット記録ヘッド用基板の製造方法において、インクを吐出するための熱エネルギーを発生する複数の電気熱変換体と、前記複数の電気熱変換体のうちいくつかに共通に電力を供給する複数の電極配線と、外部からの電力供給を受け、前記複数の電力配線の其々に接続する複数の電極パッドと、を備えた、インクジェット記録ヘッド用基板の製造方法であって、第一の電極配線層を設けた面を有する基板を用意する工程と、前記第一の電極配線と前記面との上に第二の電極配線層を形成する工程と、前記第二の電極配線層の前記第一の電極配線の上の部分全体と、前記第二の電極配線層の前記面の上の部分の一部と、にマスク材を設ける工程と、前記第二の電極配線層の前記マスク材から露出した個所をエッチングする工程と、を有することを特徴とする。
【0023】
以上の構成によれば、複数の電極配線は少なくとも二種類の厚みを有して形成されるので、複数の電極配線相互の配線抵抗を等しくしようとする場合、配線層の厚みを異ならせることによってそれぞれの配線抵抗を調整することができる。そして、この調整を電極配線の幅のみによって行なう場合と比較して、基板においてより大きな電極配線の形成領域を必要とせずに済む。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0025】
なお、本発明を適用したインクジェット記録ヘッドにおける電極配線のいくつかの実施形態を説明する前に図1〜図5を参照して本発明の一実施形態にかかるインクジェット記録装置としてプリンタを例に挙げ説明する。
【0026】
そして、本明細書において、「記録」または「プリント」とは、文字、図形等有意の情報を形成する場合のみならず、有意無意を問わず、また人間が視覚で知覚し得るように顕在化したものであるか否かを問わず、広くプリント媒体上に画像、模様、パターン等を形成する、または媒体の加工を行う場合も言うものとする。
【0027】
ここで、「被記録媒体」または「プリント媒体」とは、一般的なプリント装置で用いられる紙のみならず、広く、布、プラスチック・フィルム、金属板等、ガラス、セラミックス、木材、皮革等、インクを受容可能な物も言うものとする。
【0028】
さらに、「インク」(「液体」という場合もある)とは、上記「プリント」の定義と同様広く解釈されるべきもので、プリント媒体上に付与されることによって、画像、模様、パターン等の形成またはプリント媒体の加工、或いはインクの処理(例えばプリント媒体に付与されるインク中の色材の凝固または不溶化)に供され得る液体を言うものとする。
【0029】
[装置本体]
図1及び図2にインクジェット記録方式を用いたプリンタの概略構成を示す。図1において、この実施形態におけるプリンタの装置本体M1000の外郭は、下ケースM1001、上ケースM1002、アクセスカバーM1003及び排出トレイM1004を含む外装部材と、その外装部材内に収納されたシャーシM3019(図2参照)とから構成される。
【0030】
シャーシM3019は、所定の剛性を有する複数の板状金属部材によって構成され、記録装置の骨格をなし、後述の各記録動作機構を保持するものとなっている。
また、前記下ケースM1001は装置本体M1000の外装の略下半部を、上ケースM1002は装置本体M1000の外装の略上半部をそれぞれ形成しており、両ケースの組合せによって内部に後述の各機構を収納する収納空間を有する中空体構造をなしている。装置本体M1000の上面部及び前面部には、それぞれ、開口部が形成されている。
【0031】
さらに、排出トレイM1004は、その一端部が下ケースM1001に回転自在に保持され、その回転によって下ケースM1001の前面部に形成される前記開口部を開閉させ得るようになっている。このため、記録動作を実行させる際には、排出トレイM1004を前面側へと回転させて開口部を開成させることにより、ここから記録シートが排出可能となると共に排出された記録シートPを順次積載し得るようになっている。また、排紙トレイM1004には、2枚の補助トレイM1004a,M1004bが収納されており、必要に応じて各トレイを手前に引き出すことにより、用紙の支持面積を3段階に拡大、縮小させ得るようになっている。
【0032】
アクセスカバーM1003は、その一端部が上ケースM1002に回転自在に保持され、上面に形成される開口部を開閉し得るようになっており、このアクセスカバーM1003を開くことによって本体内部に収納されている記録ヘッドカートリッジH1000あるいはインクタンクH1900等の交換が可能となる。なお、ここでは特に図示しないが、アクセスカバーM1003を開閉させると、その裏面に形成された突起がカバー開閉レバーを回転させるようになっており、そのレバーの回転位置をマイクロスイッチなどで検出することにより、アクセスカバーの開閉状態を検出し得るようになっている。
【0033】
また、上ケースM1002の後部上面には、電源キー及びレジュームキーが押下可能に設けられると共に、LEDが設けられており、電源キーを押下すると、LEDが点灯し記録可能であることをオペレータに知らせるものとなっている。また、LEDは点滅の仕方や色の変化をさせたり、プリンタのトラブル等をオペレータに知らせる等種々の表示機能を有する。さらに、ブザーをならすこともできる。なお、トラブル等が解決した場合には、レジュームキーを押下することによって記録が再開されるようになっている。
【0034】
[記録動作機構]
次に、プリンタの装置本体M1000に収納、保持される本実施形態における記録動作機構について説明する。
【0035】
本実施形態における記録動作機構としては、記録シートPを装置本体内へと自動的に給送する自動給送部M3022と、自動給送部から1枚ずつ送出される記録シートPを所定の記録位置へと導くと共に、記録位置から排出部M3030へと記録シートPを導く搬送部M3029と、記録位置に搬送された記録シートPに所望の記録を行なう記録部と、前記記録部等に対する回復処理を行う回復部(M5000)とから構成されている。
【0036】
(記録部)
ここで、記録部について説明するに、その記録部は、キャリッジ軸M4021によって移動可能に支持されたキャリッジM4001と、このキャリッジM4001に着脱可能に搭載される記録ヘッドカートリッジH1000とからなる。
【0037】
記録ヘッドカートリッジ
まず、記録部に用いられる記録ヘッドカートリッジについて図3〜5に基づき説明する。
【0038】
この実施形態における記録ヘッドカートリッジH1000は、図3に示すようにインクを貯留するインクタンクH1900と、このインクタンクH1900から供給されるインクを記録情報に応じてノズルから吐出させる記録ヘッドH1001とを有する。記録ヘッドH1001は、後述するキャリッジM4001に対して着脱可能に搭載される、いわゆるカートリッジ方式を採るものとなっている。
【0039】
ここに示す記録ヘッドカートリッジH1000では、写真調の高画質なカラー記録を可能とするため、インクタンクとして、例えば、ブラック、ライトシアン、ライトマゼンタ、シアン、マゼンタ及びイエローの各色独立のインクタンクH1900が用意されており、図4に示すように、それぞれが記録ヘッドH1001に対して着脱自在となっている。
【0040】
そして,記録ヘッドH1001は、図5の分解斜視図に示すように、記録素子基板H1100、第1のプレートH1200、電気配線基板H1300、第2のプレートH1400、タンクホルダーH1500、流路形成部材H1600、フィルターH1700、シールゴムH1800から構成されている。
【0041】
記録素子基板H1100には、Si基板の片面にインクを吐出するための複数の記録素子と、各記録素子に電力供給のためのAl等の電気配線とが成膜技術により形成され、この記録素子に対応した複数のインク流路と複数の吐出口H1100Tとがフォトリソグラフィ技術により形成されると共に、複数のインク流路にインクを供給するためのインク供給口が裏面に開口するように形成されている。また、記録素子基板H1100は第1のプレートH1200に接着固定されており、ここには、前記記録素子基板H1100にインクを供給するためのインク供給口H1201が形成されている。さらに、第1のプレートH1200には、開口部を有する第2のプレートH1400が接着固定されており、この第2のプレートH1400を介して、電気配線基板H1300が記録素子基板H1100に対して電気的に接続されるよう保持されている。この電気配線基板H1300は、記録素子基板H1100にインクを吐出するための電気信号を印加するものであり、記録素子基板H1100に対応する電気配線と、この電気配線端部に位置し本体から(外部から)の電気信号を受け取るための外部信号入力端子H1301とを有しており、外部信号入力端子H1301は、後述のタンクホルダーH1500の背面側に位置決め固定されている。
【0042】
一方、インクタンクH1900を着脱可能に保持するタンクホルダーH1500には、流路形成部材H1600が例えば、超音波溶着により固定され、インクタンクH1900から第1のプレートH1200に亘るインク流路H1501を形成している。また、インクタンクH1900と係合するインク流路H1501のインクタンク側端部には、フィルターH1700が設けられており、外部からの塵埃の侵入を防止し得るようになっている。また、インクタンクH1900との係合部にはシールゴムH1800が装着され、係合部からのインクの蒸発を防止し得るようになっている。
【0043】
さらに、前述のようにタンクホルダーH1500、流路形成部材H1600、フィルターH1700及びシールゴムH1800から構成されるタンクホルダー部と、前記記録素子基板H1100、第1のプレートH1200、電気配線基板H1300及び第2のプレートH1400から構成される記録素子部とを、接着等で結合することにより、記録ヘッドH1001を構成している。
【0044】
(キャリッジ)
次に、図2を参照して記録ヘッドカートリッジH1000を搭載するキャリッジM4001を説明する。
【0045】
図2に示すように、キャリッジM4001には、キャリッジM4001と係合し記録ヘッドH1001をキャリッジM4001上の所定の装着位置に案内するためのキャリッジカバーM4002と、記録ヘッドH1001のタンクホルダーH1500と係合し記録ヘッドH1001を所定の装着位置にセットさせるよう押圧するヘッドセットレバーM4007とが設けられている。
すなわち、ヘッドセットレバーM4007はキャリッジM4001の上部にヘッドセットレバー軸に対して回動可能に設けられると共に、記録ヘッドH1001との係合部には、ばね付勢されるヘッドセットプレート(不図示)が備えられ、このばね力によって記録ヘッドH1001を押圧しながらキャリッジM4001に装着する構成となっている。
【0046】
また、キャリッジM4001の記録ヘッドH1001との別の係合部にはコンタクトフレキシブルプリントケーブル(以下、コンタクトFPCと称す)が設けられ、コンタクトFPC上のコンタクト部と記録ヘッドH1001に設けられたコンタクト部(外部信号入力端子)H1301とが電気的に接触し、記録のための各種情報の授受や記録ヘッドH1001への電力の供給などを行い得るようになっている。
【0047】
ここでコンタクトFPCのコンタクト部とキャリッジM4001との間には不図示のゴムなどの弾性部材が設けられ、この弾性部材の弾性力とヘッドセットレバーばねによる押圧力とによってコンタクト部とキャリッジM4001との確実な接触を可能とするようになっている。さらに前記コンタクトFPCはキャリッジM4001の背面に搭載されたキャリッジ基板に接続されている。
【0048】
(第1実施形態)
図6は本発明の一実施形態にかかわるインクジェット記録ヘッド用基板の主に電極配線を示す平面図である。また、図7図6におけるa−a′線断面を示し電極配線を含む膜(層)構造を模式的に示す図である。
【0049】
本実施形態の基板101は基本的構成は図18に示した従来例のものと同様であり、異なる点は各共通電極配線パターンにおいてそれぞれの幅を配線長に応じて変化させるとともに、その膜厚を変化させるものである。なお、本発明の適用にあたっては少なくとも各電極配線の膜厚を変化させるものであり、その膜厚の変化のみによって本発明の所定の目的を達成できる形態であっても良い。
【0050】
図6において、基板101には、その略中央部にインク供給口102が形成され、その両側にそれぞれ複数の電気熱変換体(ヒータ)103が一列づつ形成される。それぞれの列は相互に配列ピッチの2分の1だけずらして配列される、いわゆる千鳥状配列を形成する。各ヒータ103は発熱低抗体とこれに電力を供給するための電極配線を有して構成されるものである。それぞれのヒータ103の一方の配線はヒータの配列において隣接する二つが、電源電位側共通電極104a、104b、104c、104dのいずれかと電気的に接続する。選択電極である他方の配線は、スイッチング素子としてのトランジスタなどからなる駆動素子108と接続し、さらに、駆動素子108はグランド(GND)側の共通電極105a、105b、105c、105dと接続する。電源電位側共通電極から上述した順序で接続される回路構成により、各ヒータ103を記録データに応じて選択的に駆動して対応する吐出口からインクを吐出することが可能となる。
【0051】
電源電位側共通電極104a、104b、104c、104dおよびグランド側共通電極105a、105b、105c、105dのそれぞれは、電力供給のために付設された電極パッド107と接続し、これにより、それぞれ装置電源および接地回路と接続することができる。なお、グランド側共通電極配線105a〜105と駆動素子108とはスルーホール106によって接続されている。
【0052】
上述した共通電極配線104a、104b、104c、104dおよびグランド側共通電極105a、105b、105c、105dは、それらの各配線長に対応して図6に示すようにそれぞれ幅A、B、C、Dを有する。この幅は図18に示した従来例のように、必ずしも配線が長いほど大きくなるものではなく、それぞれの膜厚と合せて得られるそれぞれの配線抵抗が各電極間で等しくなるように定められるものである。
【0053】
図7はこの配線抵抗の調整を説明する図であり、図6におけるa−a′線断面を示すものである。
【0054】
図7に示すように、本実施形態では、GND側共通電極配線105a、105b、105c、105d(電源電位側104a、104b、104c、104dも同様)について2種類の膜厚t1、t2とし、これとそれぞれの電極配線の幅とを合せることにより電極パッド107から各ヒータまでの配線抵抗値をほぼ等しくしている。具体的には、配線長が最も長い共通電極105dの長さを4(比で表わしたもの、以下、幅および厚さについても同じ)とするとき、共通電極105c、105b、105aの長さはそれぞれ3、2、1であり、このとき、幅をD=2、C=1.5、B=1、A=1とするとともに、それぞれの共通電極の膜厚を電極105d、105cについてはt2=2とし、電極105b、105aについてはt1=1とする。このように、それぞれの配線長に対応して幅および厚さを調整することにより各共通電極間の配線抵抗を略等しくすることができる(「幅×厚さ」と「配線長」の比を等しくする)。これに加え、配線抵抗値そのものを小さくすべく、具体的には共通電極配線がヒータ駆動の際の電圧効果に与える影響をできる限り小さくすべく共通電極配線の幅のみならず厚さについて調整するので、ヒータの同時駆動の構成において、駆動するヒータの数に拘わらずそれぞれのヒータに投入される電気エネルギーの差を小さくすることもできる。なお、上述した各共通電極の配線長4、3、2、1は、厳密には各電極配線が図6に示すように一様な形状を有していないため実際の長さには対応していないが、例えば上記a−a′線断面における幅および厚さを各電極配線について等しくしたときのそれぞれの抵抗値を換算した値とすることができる。
【0055】
以上説明した本実施形態の共通電極パターンの構成によれば、図18に示した従来例に比べ、同じ基板サイズであっても共通電極配線の特に配線抵抗の調整についてより自由度のある調整が可能となる。
【0056】
換言すれば、図13に示す比較例のように、従来例に従った幅のみの配線抵抗調整の場合には、共通電極配線膜の厚さtは全て同じであるため、各電極配線の配線長に応じて幅を大きくする。このため、各電極配線の幅のトータルは10となり、電極配線が占める領域のサイズが大きくなる。これに対し、本実施形態によれば、電極配線の幅のトータルは、6.5であり、従来例の0.65倍のサイズの領域で共通電極の配置が可能となる。この結果、配線抵抗に起因する前述の問題を基板サイズを大型化することなく低コストで解消することが可能となる。また、本効果は、ヒータ数が増大し基板がインク供給口の長手方向に長くなればなるほど顕著となることは明らかである。
【0057】
図6および図7に示した本実施形態の基板の製造方法は次の通りである。
【0058】
本実施形態では、図7に示すように、シリコン(Si)ウエハーから成る基体201上にNMOSプロセスにより駆動素子部108(図6参照)が作り込まれる。この駆動素子部は不図示の入力端子に基板外から入力される記録データ信号、クロック信号、パルス幅信号等に応じてヒータ103を駆動するものである。この基体上には、駆動素予部108を作り込む製造プロセス中に、熱酸化法、スパッタ法、CVD法などによってSiN或いはSi02等から成る蓄熱層202が1700nm,AL1配線層(不図示)が500nmの厚さでスパッタリング法にて形成される。次に、スパッタ法、CVD法などによってSiN或いはSi02等から成る層間絶縁層203が1400nmの厚さで形成される。次いで、発熱低抗体層204としてTaN或いはTaSiN等から成る層を15nm、さらに、電源電位側共通電極配線およびGND側共通電極配線や電源電位側共通竃腺と各発熱抵抗体とを接続する個別の電極配線層を形成するための層としてAL2層205を800nmスパッタリング或いは反応性スパッタリングにより連続形成する。
【0059】
次に、フォトリソグラフィ法を用いて共通電極配線等のパターンを形成し、リアクティブイオンエッチング法で、電極配線層、発熱抵抗体層と連続的にエッチングを行う。次に、図8に示す工程に従って層205に対してパターニングおよびエッチングを複数回繰り返し、厚みの異なる共通電極配線層を形成する。本実施形態では、t1=400nmとt2=800nmとする。そして、再びフォトリソグラフィ法により発熱部を露出させるために、ウエットエッチングによりAL(アルミ)配線層を除去する。次に、保護膜としてスパッタ法、CVD法などによって、SiN或いはSi02等から成る絶縁膜206を1000nm形成する、さらに耐キャビテーションおよび耐インク膜としてTa膜207を230nm必要に応じてパターニングを行いながら成膜する。以上により本実施形態のインクジェット記録ヘッド用基板を製造することができる。
【0060】
(第2実施形態)
図9は本発明の第二の実施形態にかかる共通電極の構成を示す図であり、図7と同様の断面を示すものである。
【0061】
図9に示すように、本実施形態では、各共通電極の幅は等しく、厚さのみを配線長に応じて変化させたものである。すなわち、共通電極105a、105b、105c、105dそれぞれの配線長1、2、3、4に対して厚さをそれぞれ1、2、3、4とする。この場合、配線幅のトータルは4となり、各共通電極配線の配線抵抗を略等しくすることができるとともに、第1実施形態よりさらに電極配線領域のサイズを小さくすることができ、従来例の0.4倍のサイズとすることができる。また、この実施形態によっても、第1実施形態と同様、複数のヒータを同時駆動する構成においてその駆動数によらず各ヒータに投入される電力の差を小さくすることができる。なお、本実施形態の基板も第1実施形態と同様の工程で製造することができる。
【0062】
(第3実施形態)
図10は本発明の第三の実施形態にかかる共通電極配線の構成を示す図であり、図7と同様の断面を示すものである。
【0063】
本実施形態は、各共通電極の厚さに関する構成は第1実施形態と同様であり、異なる点は、各電極を複数の層(積層)で形成し層数によってそれぞれの厚さを得るものである。具体的には、共通電極105cおよび105dについて二層構造とし、これによって必要な厚さt2を得る。
【0064】
図11図10に示した基板の製造方法を説明する図である。層間絶縁層の形成までは第一の実施例と同様に製造する(その図示は省略する)。次いで、図11に示すように、共通電極配線105cおよび105dそれぞれの下層側を形成するための第一層501としてAL層を400nm、スパッタリング法或いは反応性スパッタリング法にて形成する。次に、フォトリソグラフィを用いて配線パターンを形成し、リアクティブイオンエッチング法でエッチングを行う。ここで、第一層(第1電極配線層)501のAL層の表面状態(酸化など)によっては、次に形成される発熱低抗層との密着性を考慮して、表面に逆スパッタリングなどを施しても良い。
【0065】
次いで、発熱抵抗層204としてTaN或いはTaSiN等から成る層を15nm、共通電極配線105cおよび105dの上層側および共通電極配線105a、105b、さらに電源電位側共通電極配線と各発熱低抗体層とを個別に接続する電極配線としてALの第2層205(第2電極配線層)を400nm、それぞれスパッタリング或いは反応性スパッタリングにより連続形成する。次に、フォトリソグラフィ法を用いて配線パターンを形成し、リアクティブイオンエッチング法で、電極配線層、発熱抵抗体層と連続的にエッチングを行う。なお、上記の説明では2つの層を有する場合を示したが、基板の設計により更に多くの層を持たせても良いことは勿論である。
【0066】
さらに、再びフォトリソグラフィ法によりヒータ部を露出させるために、ウエットエッチングによりAL層を除去し、次に保護膜としてスパッタ法、CVD法などによって、SiN或いはSi02等から成る絶縁膜206を1000nm形成する。次に、耐キャビテーションおよび耐インク膜としてTa膜207を230nm必要に応じてパターニングを行いながら成膜することにより、本実施形態のインクジェット記録ヘッド用基板を製造することができる。
【0067】
(第4実施形態)
図12は、本発明の第四の実施形態にかかる共通電極配線の構成を示す図である。本実施形態の共通電極配線の構成は、上述した第2実施形態と同様のものである。異なる点は、各共通電極の厚さを、上記第3実施形態で示したように複数層構造とすることによって実現するものである。
【0068】
製造方法は、上述した各実施形態で説明したものと同様であり、各電極の複数層のうち、下層側を形成するためのAL層は図8に示す工程により形成され、その上に形成される配線層は図11に示す工程によって形成することができる。
【0069】
本実施形態によっても、第2実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0070】
(その他の実施形態)
本発明のその他の実施形態として、図1〜図5を参照して説明したインクジェット記録装置およびインクジェット記録ヘッドの他の例を以下に説明する。
【0071】
〈インクジェット記録ヘッド〉
図14は、上述した各実施形態のインクジェット記録ヘッド用基板を用いたインクジェット記録ヘッドの他の構成例を示す斜視図であり、上記の実施形態と同様、サイドシュータータイプのインクジェット記録ヘッドに関するものである。
【0072】
本実施形態の記録ヘッドは、上記各実施形態のいずれかの如く構成された基板上に液流路を形成する感光性樹脂をラミネートし、フォトリソグラフィー技術により流路壁1102を成型加工する。続いて、吐出口1103が形成されたオリフィスプレート1104を電鋳によって作製し、これを流路壁1102上に接着し、これにより、吐出口、液流路および液室が同時に形成される。最後に、インク供給管1105を基板1101のインク供給口に接着する。以上のように構成されるインクジェット記録ヘッドは、インクを収容する容器と組み合せてインクジェットカートリッジを構成することができ、特に、複数の色をそれぞれ収容するインク容器と、各色毎の基板とを組み合せてカラー記録を行うことのできるインクジェットカートリッジとすることができる。
【0073】
なお、このインクを収容するインク容器には、各インクの消費後にインクを再充填して使用してもよい。このためには容器に液体注入口を設けておくことが望ましい。また、インクジェット記録ヘッドと液体容器とは一体であってもよく、または分離可能としてもよい。このようにして製造されたインクジェット記録ヘッドおよびインクジェットカートリッジでは、各ヒータに常に適切な駆動エネルギーが投入されるため、発泡を安定して行うことができ、これにより、寿命の長いインクジェット記録ヘッドを提供することができる。
【0074】
〈インクジェット記録装置〉
図15は、図14に示したインクジェット記録ヘッドカートリッジを搭載したインクジェット記録装置の概略構成を示す斜視図である。図に示すように、記録装置のキャリッジHCは、インクを収容する液体タンク部1201とインクジェット記録ヘッド部1202とが着脱可能に形成されたヘッドカートリッジを搭載しており、被記録媒体搬送手段で搬送される記録紙等の被記録媒体1203の幅方向に往復移動する。
【0075】
不図示の駆動信号供給手段からキャリッジ上の記録ヘッド部に駆動信号が供給されると、この信号に応じてインクジェット記録ヘッドから被記録媒体に対してインクが吐出される。また、本実施形態のインクジェット記録装置においては、被記録媒体搬送手段とキャリッジを駆動するための駆動源としてのモータ1204、駆動源からの動力をキャリッジに伝えるためのギア1205、1206、キャリッジ軸1207等を有している。
【0076】
この記録装置およびこの記録装置で行うインク吐出によって、各種の被記録媒体に対してインクを吐出することで良好な画質の記録物を得ることができた。
【0077】
図16は、図15に示す記録装置全体の制御構成を示すブロック図である。記録装置は、ホストコンピュータ1301より記録データを受ける。この記録データは記録装置の入力インタフェイス1302に一時保存されると同時に、記録装置内で処理可能なデータに変換され、ヘッド駆動信号供給手段を兼ねるCPU1303に入力される。CPU1303はROM1304に保存されている制御プログラムに基づき、CPU1303に入力されたデータをRAM1305等の周辺ユニットを用いて処理し、吐出するデータ(画像データ)に変換する。また、CPU1303はこの画像データを記録用紙上の適当な位置に記録するために、画像データの転送に同期して、記録用紙および記録ヘッドを移動する駆動用モータを制御する。画像データおよびモータ駆動データは、各々ヘッドドライバ1306とモータドライバ1307をそれぞれ介して、ヘッド1308および駆動モータ1309に伝達され、それぞれ制御されたタイミングで駆動され画像を形成する。
【0078】
上述のような記録装置に適用でき、インク等の液体の付与が行われる被記録媒体としては、各種の紙やOHPシート、コンパクトディスクや装飾板等に用いられるプラスチック材、布帛、アルミニュウムや銅等の金属材、牛皮、豚皮、人工皮革等の皮革材、木、合板等の木材、竹材、タイル等のセラミックス材、スポンジ等の三次元構造体等を対象とすることができる。また上述の記録装置として、各種の紙や0HPシート等に対して記録を行うプリンタ装置、コンパクトディスク等のプラスチック材に記録を行うプラスチック用記録装置、金属板に記録を行う金属用記録装置、皮革に記録を行う皮革用記録装置、木材に記録を行う木材用記録装置、セラミックス材に記録を行うセラミックス用記録装置、スポンジ等の三次元網状構造体に対して記録を行う記録装置、又布帛に記録を行う捺染装置等をも含むものである。またこれらのインクジェット記録装置に用いる吐出液としては、夫々の被記録媒体や記録条件に合わせた液体を用いればよい。
【0079】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、複数の電極配線は少なくとも二種類の厚みを有して形成されるので、複数の電極配線相互の配線抵抗を等しくしようとする場合、配線層の厚みを異ならせることによってそれぞれの配線抵抗を調整することができる。そして、この調整を電極配線の幅のみによって行なう場合と比較して、基板においてより大きな電極配線の形成領域を必要とせずに済む。
【0080】
この結果、基板のサイズ増をもたらすことなく、配線抵抗の均一な基板を有したインクジェット記録ヘッド得ることができ、また、これにより、各ヒータに投入される駆動エネルギーに変動のないインクジェット記録ヘッドを得ることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態によるインクジェットプリンタの外観構成を示す斜視図である。
【図2】 図1に示すプリンタの外装部材を取り外した状態を示す斜視図である。
【図3】 本発明の一実施形態によるプリンタに用いるヘッドカートリッジを組立てた状態を示す斜視図である。
【図4】 図3に示すヘッドカートリッジを示す分解斜視図である。
【図5】 図4に示した記録ヘッドを斜め下方から観た分解斜視図である。
【図6】 本発明の一実施形態にかかるインクジェット記録ヘッド用基板の主に電極配線の構成を示す平面図である。
【図7】 本発明の第1実施形態にかかる記録ヘッド用基板における複数の電極配線の厚さの関係を示す断面図である。
【図8】 上記第1実施形態の電極配線の製造工程を示す図である。
【図9】 本発明の第2実施形態にかかる記録ヘッド用基板における複数の電極配線の厚さの関係を示す断面図である。
【図10】 本発明の第3実施形態にかかる記録ヘッド用基板における複数の電極配線の厚さの関係を示す断面図である。
【図11】 上記第3実施形態の電極配線の製造工程を示す図である。
【図12】 本発明の第4実施形態にかかる記録ヘッド用基板における複数の電極配線の厚さの関係を示す断面図である。
【図13】 比較例にかかる記録ヘッド用基板における複数の電極配線の厚さの関係を示す断面図である。
【図14】 本発明を適用したインクジェット記録ヘッドの他の例を示す斜視図である。
【図15】 本発明を適用したインクジェット記録装置の他の例を示す概略あ斜視図である。
【図16】 上記他の例のインクジェット記録装置の制御構成を示すブロック図である。
【図17】 従来例にかかるインクジェット記録ヘッドの主に基板を示す斜視図である。
【図18】 上記従来例に係る基板における主に電極配線を示す平面図である。
【符号の説明】
101、1101 基板
102 インク供給口
103 電気熱変換体(ヒータ)
104a、104b、104c、104d 電源電位側共通電極配線
105a、105b、105c、105d GND側共通電極配線
106 スルーホール
107 電極パッド
108 駆動素子部
202 蓄熱層
203 層間絶縁層
205 AL第2層
206 絶縁保護膜
207 耐インク膜
M1000 装置本体
M1001 下ケース
M1002 上ケース
M1003 アクセスカバー
M1004 排出トレイ
M1004a,M1004b 補助トレイ
M2003 排紙ローラ
M3001 LFローラ
M3019 シャーシ
M3022 自動給送部
M3029 搬送部
M3030 排出部
M4000 記録部
M4001 キャリッジ
M4002 キャリッジカバー
M4007 ヘッドセットレバー
M4021 キャリッジ軸
M5000 回復系ユニット
H1000 ヘッドカートリッジ
H1001 記録ヘッド
H1100 プリント素子基板
H1100T 吐出口
H1200 第1のプレート
H1201 インク供給口
H1300 電気配線基板
H1301 外部信号入力端子
H1400 第2のプレート
H1500 タンクホルダ
H1501 インク流路
H1600 流路形成部材
H1700 フィルタ
H1800 シールゴム
H1900 インクタンク

Claims (2)

  1. インクを吐出するための熱エネルギーを発生する複数の電気熱変換体と、
    前記複数の電気熱変換体のうちのいくつかに共通に電力を供給する、複数の電極配線と、
    外部からの電力供給を受け、前記複数の電力配線の其々に接続する複数の電極パッドと、
    を備えたインクジェット記録ヘッド用基板の製造方法であって、
    第一の電極配線層を設けた面を有する基板を用意する第一の工程と、
    前記第一の電極配線層の上に、第一のマスク材を設ける工程と、
    前記第一のマスク材が設けられた部分以外の前記第一の電極層をエッチングし、基板からの厚さが異なる第一部と第二部とを有する第二の電極配線層を形成する工程と、
    前記第二の電極配線層の前記第一部の一部と、前記第二の電極配線層の前記第二部の一部と、のそれぞれの上に、第二のマスク材を設ける工程と、
    前記第二の電極層の前記第二のマスク材が設けられた部分以外の部分をエッチングし、前記第二の電極層から、前記複数の電極配線を形成する工程と、
    を有することを特徴とするインクジェット記録ヘッド用基板の製造方法。
  2. インクを吐出するための熱エネルギーを発生する複数の電気熱変換体と、
    前記複数の電気熱変換体のうちいくつかに共通に電力を供給する複数の電極配線と、
    外部からの電力供給を受け、前記複数の電力配線の其々に接続する複数の電極パッドと、
    を備えた、インクジェット記録ヘッド用基板の製造方法であって、
    第一の電極配線層を設けた面を有する基板を用意する工程と、
    前記第一の電極配線と前記面との上に第二の電極配線層を形成する工程と、
    前記第二の電極配線層の前記第一の電極配線の上の部分全体と、前記第二の電極配線層の前記面の上の部分の一部と、にマスク材を設ける工程と、
    前記第二の電極配線層の前記マスク材から露出した個所をエッチングする工程と、
    を有することを特徴とするインクジェット記録ヘッド用基板の製造方法。
JP2000209102A 2000-07-10 2000-07-10 記録ヘッド用基板の製造方法 Expired - Fee Related JP4557386B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000209102A JP4557386B2 (ja) 2000-07-10 2000-07-10 記録ヘッド用基板の製造方法
US09/900,030 US6634736B2 (en) 2000-07-10 2001-07-09 Ink-jet recording head, circuit board for ink-jet recording head, ink-jet recording head cartridge, and ink-jet recording apparatus

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000209102A JP4557386B2 (ja) 2000-07-10 2000-07-10 記録ヘッド用基板の製造方法

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2002019117A JP2002019117A (ja) 2002-01-23
JP2002019117A5 JP2002019117A5 (ja) 2009-12-03
JP4557386B2 true JP4557386B2 (ja) 2010-10-06

Family

ID=18705566

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000209102A Expired - Fee Related JP4557386B2 (ja) 2000-07-10 2000-07-10 記録ヘッド用基板の製造方法

Country Status (2)

Country Link
US (1) US6634736B2 (ja)
JP (1) JP4557386B2 (ja)

Families Citing this family (30)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6612672B2 (en) * 2000-12-04 2003-09-02 Canon Kabushiki Kaisha Ink jet printing apparatus and ink jet printing method
JP2003237144A (ja) * 2001-12-10 2003-08-27 Canon Inc 画像処理装置及び画像処理方法及び制御プログラム及び記録媒体
US7363363B2 (en) * 2002-05-17 2008-04-22 Xds, Inc. System and method for provisioning universal stateless digital and computing services
DE10302800A1 (de) * 2003-01-24 2004-08-12 Epcos Ag Verfahren zur Herstellung eines Bauelements
US7344218B2 (en) 2003-11-06 2008-03-18 Canon Kabushiki Kaisha Printhead driving method, printhead substrate, printhead, head cartridge and printing apparatus
TWI267446B (en) * 2003-11-06 2006-12-01 Canon Kk Printhead substrate, printhead using the substrate, head cartridge including the printhead, method of driving the printhead, and printing apparatus using the printhead
JP4517676B2 (ja) * 2004-02-27 2010-08-04 ブラザー工業株式会社 インクジェット記録装置
CN100532105C (zh) * 2004-05-03 2009-08-26 富士胶卷迪马蒂克斯股份有限公司 挠性打印头电路
JP4182035B2 (ja) * 2004-08-16 2008-11-19 キヤノン株式会社 インクジェットヘッド用基板、該基板の製造方法および前記基板を用いるインクジェットヘッド
KR100584611B1 (ko) * 2004-11-27 2006-06-01 삼성전자주식회사 잉크젯 프린터
US20060232627A1 (en) * 2005-03-31 2006-10-19 Lexmark International, Inc. Power distribution routing to reduce chip area
JP2007287842A (ja) * 2006-04-14 2007-11-01 Ricoh Co Ltd 半導体装置
JP2007290160A (ja) * 2006-04-21 2007-11-08 Canon Inc 液体吐出ヘッド
JP4329836B2 (ja) * 2007-03-29 2009-09-09 セイコーエプソン株式会社 液滴吐出ヘッド、液滴吐出装置並びに電極基板の製造方法
US8291576B2 (en) * 2008-06-18 2012-10-23 Canon Kabushiki Kaisha Method of manufacturing liquid ejection head
US8075102B2 (en) * 2008-06-19 2011-12-13 Canon Kabushiki Kaisha Substrate for ink jet head and ink jet head
EP2569163B8 (en) * 2010-05-11 2019-06-19 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Ink pen electrical interface
CN102371776B (zh) * 2010-08-16 2013-10-16 研能科技股份有限公司 适用于立体成型机构的喷印模块
KR101940945B1 (ko) 2013-02-28 2019-01-21 휴렛-팩커드 디벨롭먼트 컴퍼니, 엘.피. 구조체, 프린트 헤드 및 잉크젯 펜
US11426900B2 (en) 2013-02-28 2022-08-30 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Molding a fluid flow structure
US9517626B2 (en) 2013-02-28 2016-12-13 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Printed circuit board fluid ejection apparatus
CN108058485B (zh) 2013-02-28 2019-10-22 惠普发展公司,有限责任合伙企业 模制的流体流动结构
US9724920B2 (en) 2013-03-20 2017-08-08 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Molded die slivers with exposed front and back surfaces
JP6492648B2 (ja) * 2014-12-26 2019-04-03 ブラザー工業株式会社 圧電アクチュエータ、液体吐出装置、及び、圧電アクチュエータの製造方法
CN110463358B (zh) * 2017-03-27 2022-05-10 株式会社村田制作所 布线基板以及电子模块
US11095448B2 (en) 2018-09-24 2021-08-17 Salesforce.Com, Inc. HASSH profiling mechanism
US11165857B2 (en) 2019-10-23 2021-11-02 Salesforce.Com, Inc. Connection pool anomaly detection mechanism
TWI719864B (zh) * 2020-03-20 2021-02-21 研能科技股份有限公司 狹長型噴墨頭晶片
CN116829362A (zh) 2021-01-11 2023-09-29 惠普发展公司,有限责任合伙企业 在流体管芯中将导电线电阻与开关相匹配
JP7631053B2 (ja) 2021-03-18 2025-02-18 キヤノン株式会社 電気配線部材および液体吐出ヘッド

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0647943A (ja) * 1992-07-29 1994-02-22 Kyocera Corp サーマルプリントヘッド
JPH1044416A (ja) * 1996-07-31 1998-02-17 Canon Inc インクジェット記録ヘッド用基板及びそれを用いたインクジェットヘッド、インクジェットヘッドカートリッジおよび液体吐出装置

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5121143A (en) * 1988-09-14 1992-06-09 Graphtec Corp. Ink printing head with variable-size heat elements
ATE152399T1 (de) * 1993-02-26 1997-05-15 Canon Kk Tintenstrahldruckkopf, tintenstrahlkopf-kartusche und druckgerät

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0647943A (ja) * 1992-07-29 1994-02-22 Kyocera Corp サーマルプリントヘッド
JPH1044416A (ja) * 1996-07-31 1998-02-17 Canon Inc インクジェット記録ヘッド用基板及びそれを用いたインクジェットヘッド、インクジェットヘッドカートリッジおよび液体吐出装置

Also Published As

Publication number Publication date
US20020003557A1 (en) 2002-01-10
US6634736B2 (en) 2003-10-21
JP2002019117A (ja) 2002-01-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4557386B2 (ja) 記録ヘッド用基板の製造方法
EP0390202B1 (en) Ink jet recording head, driving method for same and ink jet recording apparatus
JP3143549B2 (ja) 熱記録ヘッド用基体、該基体を用いたインクジェット記録ヘッド、インクジェットカートリッジ、インクジェット記録装置、及び記録ヘッドの駆動方法
US7963634B2 (en) Liquid ejection head, liquid ejection apparatus and method of manufacturing liquid ejection head
EP1145855B1 (en) A printhead substrate having ink drop generators grouped alternately on one and both sides of ink feed slots
US6769755B2 (en) Ink jet printing method and ink jet printing apparatus
JPH11227209A (ja) 液体吐出ヘッド、ヘッドカートリッジおよび液体吐出装置
JP3697089B2 (ja) インクジェットヘッド用基体、インクジェットヘッド、インクジェットカートリッジおよびインクジェット記録装置
US9346274B2 (en) Method for cleaning liquid ejection head
EP0627313B1 (en) Ink jet recording head and ink jet recording apparatus using same
CN100519192C (zh) 用于流体喷射装置的孔板和其制造方法
JP4886187B2 (ja) インクジェット記録ヘッド用基板および該基板を用いるインクジェット記録ヘッド
KR20080057165A (ko) 잉크젯 기록 방법
JP2003311963A (ja) 液体吐出ヘッドならびに前記液体吐出ヘッドを用いたヘッドカートリッジおよび画像形成装置
JP3848203B2 (ja) 液体吐出ヘッドならびに前記液体吐出ヘッドを用いたヘッドカートリッジおよび画像形成装置
JP2006181760A (ja) 記録ヘッド用素子基板、記録ヘッドおよび記録装置
JP4208616B2 (ja) インクジェット記録方法およびインクジェット記録装置
JP4023131B2 (ja) インクジェットプリントヘッドの製造方法
JP2007301727A (ja) インクジェット記録ヘッド及びインクジェット記録装置
JP2001347663A (ja) インクジェット記録ヘッドおよびインクジェット記録装置
US6231165B1 (en) Inkjet recording head and inkjet apparatus provided with the same
JP3618960B2 (ja) インクジェット記録ヘッド及び該ヘッドを搭載するインクジェット装置
JP4298350B2 (ja) 記録ヘッド用基板、それを備える液体吐出記録ヘッド、記録装置、および、記録ヘッド用基板の製造方法
JP2007296709A (ja) インクジェット記録ヘッド
JPH06320735A (ja) インクジェット記録装置および記録方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070620

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070620

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091020

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100204

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100209

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100412

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100716

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100720

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130730

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees