JP4557124B2 - ノルボルネン系開環重合体水素化物の製造方法 - Google Patents
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Description
技術分野
本発明は、成形加工性に優れる結晶性のノルボルネン開環重合体、結晶性のノルボルネン開環重合体水素化物ならびにこれらの製造方法に関する。
【0002】
背景技術
非晶性ポリマーとしてノルボルネン開環重合体やその水素化物が知られている。たとえば、3環体のノルボルネン単量体であるジシクロペンタジエンを、Mo(N−2,6−C6H3−i−Pr)(CHC(CH3)2Ph)(OCCH3(CF3)2)2を用いて重合したものが報告されている(例えばJ.Mol.Cat.A:Chem.,133、67−74(1998))。本発明者の検討によれば、この重合体は融点を有さず、非晶性のポリマーであった。
【0003】
この非晶性ポリマーは透明性、耐熱性、低複屈折、成形加工性等に優れることから、光ディスクや光学レンズ用の材料として使用することが提案されている。また該ポリマーは低誘電性や耐薬品性の特性に優れているので、光学用途以外の用途にも利用することが提案されている。しかしながら、この非晶性ポリマーは、機械強度、耐溶剤性が強く要求される用途においては、十分な要求性能を有していないことがあった。
【0004】
一方、ノルボルネン開環重合体やその水素化物の中には結晶性のものが一部存在する。たとえば、2環体のノルボルネン単量体である2−ノルボルネンの開環重合体の水素化物は、結晶性を有し、融点116℃を有することが報告されている(’Polymeric Materials Science and Engineering’ Vol.76 pp61 (1997) American Chemical Society)。しかし、この水素化物は融点が低すぎ、耐熱性が不十分であった。
【0005】
また、5−トリフルオロメチル−5,6,6−トリフルオロ−2−ノルボルネンをMo(N−2,6−C6H3−i−Pr)(CHC(CH3)3)(OC(CH3)3)2を用いて重合すると、融点218℃の結晶性重合体が得られることも報告されている(’Metathesis Polymerization of Olefins and Polymerization of Alkynes’ NATO ASI Series,pp265−276 (1998) Kluwer Academic Publishers)。しかしながら、この結晶性ポリマーは、機械強度、耐溶剤性、耐熱性等が要求される用途においては、十分な要求性能を有していないことがあった。
【0006】
また、特開昭53−17700号公報には、従来技術として、結晶性を有しているか架橋しているジシクロペンタジエン重合体が記載されている。しかし、該ポリマーを200〜400℃に加熱しても溶融することなく炭化分解して、そのままでは実用性を全く有していないものであると記載され、通常の溶融成形法では成形できないものであったと述べている。
【0007】
発明の開示
本発明の目的は、機械強度、耐薬品性、成形加工性、及び耐熱性に優れる結晶性ノルボルネン開環重合体及びその水素化物ならびにその製造方法を提供することにある。
【0008】
本発明者は、前記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、特定置換基を有する周期表第6族遷移金属錯体を主成分とする重合触媒を用いてジシクロペンタジエンなどの多環式ノルボルネン単量体を重合して得られる開環重合体は、その立体規則性が高くなり結晶性を有するようになり、しかもクロロホルムなどの溶媒に溶解させることができる直鎖状の熱可塑性開環重合体が得られること、さらに該開環重合体の水素化物も結晶性を有することを見出した。そして、該結晶性開環重合体及び水素化物が、成形加工性、機械強度、耐熱性、耐薬品性等に優れることも見出した。
【0009】
また、別の特定置換基を有する周期表第6族遷移金属錯体を主成分とする重合触媒を用いて重合して得られる開環重合体は非晶性であるが、それを水素化すると結晶性を有する重合体水素化物になることを見出した。
【0010】
さらに、ノルボルネン単量体由来の繰返し単位を含有し、結晶性を有する開環重合体水素化物を得る場合において、特定な置換基を有する周期表第6族遷移金属錯体を主成分とする重合触媒を用いて重合することによって、従来の結晶性開環重合体水素化物に比べ、立体規則性が高くなり、融点が大幅に高くなることを見出した。
【0011】
本発明は、これらの知見に基づいて完成するに至ったものである。
【0012】
かくして本発明によれば、重合体の繰返し単位中に3環体以上の多環式ノルボルネン単量体由来の繰返し単位を10モル%以上含有し、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定した重量平均分子量がポリスチレン換算で500〜1,000,000であり、融点を有するノルボルネン開環重合体、 重合体の繰返し単位中に多環式ノルボルネン単量体由来の繰返し単位を含有する開環重合体を水素化して得られる水素化物であって、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定した重量平均分子量がポリスチレン換算で500〜1,000,000であり、140℃以上の融点を有するノルボルネン開環重合体水素化物、 重合体全繰返し単位中に3環体以上の多環式ノルボルネン単量体由来の繰返し単位を10モル%以上含有する開環重合体を水素化して得られる水素化物であって、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定した重量平均分子量がポリスチレン換算で500〜1,000,000であり、融点を有するノルボルネン開環重合体水素化物、 及び 2環体の多環式ノルボルネン単量体由来の繰返し単位からなる開環重合体を水素化して得られる水素化物であって、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定した重量平均分子量がポリスチレン換算で500〜1,000,000であり、140℃以上の融点を有するノルボルネン開環重合体水素化物が提供される。
【0013】
また、本発明によれば、少なくとも1つのイミド基と、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルアミド基、及びアリールアミド基からなる群から選ばれる少なくとも1つの置換基(A)とを有する周期表第6族遷移金属化合物を含有する重合触媒を用いて重合することを含む上記開環重合体及び水素化物の製造方法が提供される。
【0014】
発明を実施するための最良の形態
本発明の好ましい実施の形態について、以下に項目に分けて説明する。
【0015】
本発明のノルボルネン開環重合体は、多環式ノルボルネン単量体由来の繰り返し単位を重合体全繰り返し単位中に含有するものである。
【0016】
多環式ノルボルネン単量体由来の繰り返し単位には、3環体以上のものと2環体のものとがある。
【0017】
本発明の開環重合体は、重合体繰返し単位中に3環体以上の多環式ノルボルネン単量体由来の繰返し単位を10モル%以上含有し、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定した重量平均分子量がポリスチレン換算で500〜1,000,000であり、融点を有するノルボルネン開環重合体である。
【0018】
3環体以上の多環式ノルボルネン単量体は、ノルボルネン環を構成する2つの環以外に1つ以上の環を有するノルボルネン単量体である。該単量体は、通常、ノルボルネン環上の少なくとも2つの炭素原子に結合した置換基が互いに結合して環を形成している。該単量体由来の繰り返し単位は、例えば、下記一般式(1)又は(2)に示されるような繰り返し単位である。
【0019】
【化4】
【0020】
(式中、R1〜R4はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜20の炭化水素基(ハロゲン原子、ケイ素原子、酸素原子又は窒素原子を有する置換基を有していてもよい)、又はハロゲン原子、ケイ素原子、酸素原子もしくは窒素原子を有する置換基、好適にはそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜20で且つ置換基の無い炭化水素基であり、R1とR3は互いに結合して環を形成しており、R2およびR4は互いに結合して環を形成してもよい。)
【0021】
【化5】
【0022】
(式中、R5〜R8はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜20の炭化水素基(ハロゲン原子、ケイ索原子、酸素原子又は窒素原子を有する置換基を有していてもよい)、又はハロゲン原子、ケイ素原子、酸素原子もしくは窒素原子を含む置換基、好適にはそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜20で且つ置換基のない炭化水素基であり、R5とR7は互いに結合して環を形成してもよい。mは1または2である。)
【0023】
本発明においては、3環体のノルボルネン単量体由来の、特にジシクロペンタジエン由来の繰り返し単位を有するものが好ましい。
【0024】
本発明においては、開環重合体中に、3環体以上の多環式ノルボルネン単量体由来の繰り返し単位を、好ましくは20モル%以上、より好ましくは50モル%以上含有するときに、結晶性が高くなる。
【0025】
2環体のノルボルネン単量体は、ノルボルネン環を構成する2つの環のみからなるノルボルネン単量体であり、該単量体由来の繰り返し単位は、例えば、下記一般式(3)に示されるような繰り返し単位である。
【0026】
【化6】
【0027】
(式中、R1〜R4はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜20の炭化水素基(ハロゲン原子、ケイ素原子、酸素原子又は窒素原子を有する置換基を有していてもよい)、又はハロゲン原子、ケイ素原子、酸素原子もしくは窒素原子を含む置換基、好適にはそれぞれ独立に水素原子または置換基の無い炭化水素基であり、互いに結合していない。)
【0028】
本発明の開環重合体は、好適には、直鎖状の開環重合体、すなわち熱可塑性の開環重合体である。
【0029】
また、本発明の開環重合体は、その重量平均分子量(Mw)が、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定し、それをポリスチレン換算した値として、500〜1,000,000、好ましくは1,000〜600,000、より好ましくは5,000〜400,000である。Mwが低すぎると機械強度が低下してしまい、Mwが高すぎると成形加工が困難となる。
【0030】
本発明の開環重合体は、融点を有する。融点は、結晶が融解する温度である。融点は、重合体の結晶成分の融解による吸熱ピークを示差走査熱量計にて観測することができる。開環重合体は、通常、140℃以上、好ましくは140〜400℃、特に好ましくは150〜300℃の間に融点を有している。融点を超える温度に重合体を加熱すると溶融するので、通常の加熱溶融成形法によって成形が容易にできる。
【0031】
本発明の開環重合体は耐薬品性に優れている。例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン、トリメチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ジエチルシクロヘキサン、デカヒドロナフタレン、ビシクロヘプタン、トリシクロデカン、ヘキサヒドロインデンシクロヘキサン、シクロオクタンなどの脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル類などの有機溶媒に、常温では、ほとんど溶解しない。
【0032】
本発明のノルボルネン開環重合体水素化物は、多環式ノルボルネン単量体由来の繰返し単位を含有する開環重合体を水素化して得られる水素化物であって、融点を有するものである。水素化前の開環重合体は、必ずしも融点を有する必要はなく、水素化物となって初めて融点を有する場合も含まれる。水素化率は、耐熱性という観点から、好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上、特に好ましくは90%以上である。本発明のノルボルネン開環重合体水素化物を構成する多環式ノルボルネン単量体由来の繰り返し単位には、3環体以上の多環式ノルボルネン単量体由来の繰り返し単位及び/又は二環体のノルボルネン単量体由来の繰り返し単位が含まれる。
【0033】
本発明のノルボルネン開環重合体水素化物は、通常、140℃以上、好ましくは140〜400℃、特に好ましくは150〜300℃の融点を有しており、上記水素化前の開環重合体同様に加熱溶融成形性に優れ、同等の耐薬品性を有する。
【0034】
開環重合体水素化物のMwは、GPCのポリスチレン換算値で、500〜1,000,000、好ましくは1,000〜600,000、より好ましくは5,000〜400,000である。
【0035】
本発明の製造方法は、周期表第6族遷移金属化合物を含有する特定の重合触媒を用いて重合を行う。重合触媒を構成する該遷移金属化合物は、少なくとも一つのイミド基と、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルアミド基およびアリールアミド基からなる群から選ばれる少なくとも一つの置換基(A)とを有する化合物である。
【0036】
具体的には、下記一般式(4)
【0037】
【化7】
【0038】
(式中、R9はアルキル基またはアリール基であり、R10およびR11は、それぞれ独立にアルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルアミド基またはアリールアミド基である。R10とR11は互いに結合していてもよい。R12およびR13は、それぞれ独立に水素、アルキル基またはアリール基であり、Yは電子供与性の中性配位子であり、nは0〜2の整数である。Nは窒素であり、Mは周期表第6族から選ばれる遷移金属である。)
【0039】
及び、下記一般式(5)
【0040】
【化8】
【0041】
(式中、R14はアルキル基またはアリール基を表し、R15およびR16は、それぞれ独立にアルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルアミド基またはアリールアミド基を表す。R15とR16は互いに結合していてもよい。X1およびX2は、それぞれ独立にハロゲン、アルキル基、アリール基またはアルキルシリル基を表し、Yは電子供与性の中性配位子であり、nは0〜2の整数である。Nは窒素であり、Mは周期表第6族から選ばれる遷移金属である。)で表されるものを挙げることができる。140℃以上の高融点の開環重合体及び開環重合体水素化物を得るためには式(4)で表される化合物を含有する重合触媒が好ましい。
【0042】
ここでアルキル基は、好ましくは炭素数1〜20の直鎖または分岐鎖状のアルキル基、または炭素数3〜20のシクロアルキル基であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、tert−ブチル基またはシクロヘキシル基などが挙げられる。
【0043】
アリール基は、好ましくは炭素数6〜20のものであり、例えば、フェニル基または2、3、4、5、6位のいずれかに置換基を有する一〜五置換フェニル基である。
【0044】
アルコキシ基は、好ましくは炭素数1〜20のものであり、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、tert−ブトキシ基またはシクロヘキシル基などが挙げられる。
【0045】
アリールオキシ基は、好ましくは、フェノキシ基または2、3、4、5、6位のいずれかに置換基を有する一〜五置換フェノキシ基である。上記置換フェニル基及び置換フェノキシ基の有する置換基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、tert−ブチル基、シクロヘキシル基などのアルキル基もしくはシクロアルキル基;フェニル基、ナフチル基などのアリール基;トリメチルシリル基、ジメチルフェニルシリル基などのアルキル基またはアリール基を有するアルキルシリル類もしくはアルキルアリールシリル類;フッ素、塩素、臭素またはヨウ素などのハロゲン;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等のアルコキシ基;シアノ基;ナフチル基または2〜8位のいずれかに上記同様の置換基を有する一〜八置換ナフチル基などが挙げられる。
【0046】
アルキルアミド基またはアリールアミド基としては、好ましくはアルキル基の炭素数1〜20のアルキルアミド基またはアリール基の炭素数が6〜20のアリールアミド基であり、例えば、N,N−ジメチルアミド基、N−メチル(N−tert−ブチル)アミド基、N−メチル(N−トリメチルシリル)アミド基、N−フェニル−N−メチルアミド基、N−フェニル(N−トリメチルシリル)アミド基、N−(2,6−ジメチルフェニル)−N−メチルアミド基、N−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−N−メチルアミド基、N−(2,6−ジメチルフェニル)−N−(トリメチルシリル)アミド基、N−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−N−(トリメチルシリル)アミド基などが挙げられる。
【0047】
融点を有するノルボルネン開環重合体水素化物を得るために必ずしも置換基(A)が、具体的にはR10とR11もしくはR15とR16が、結合している必要はないが、結晶性が高く、140℃以上の高融点を有する開環重合体水素化物を得るために、R10とR11もしくはR15とR16は互いに結合しているものを用いるのが好ましい。
【0048】
一方、140℃以上の高融点を有するノルボルネン開環重合体を得るためには、重合触媒として、置換基(A)が互いに結合しているものを用いる必要がある。置換基(A)が互いに結合したものの具体例は、式(3)中のR10とR11もしくは式(4)中のR15とR16とが互いに結合しているものである。
【0049】
互いに結合しているアルコキシ基またはアリールオキシ基としてはプロピル−1,3−ジオキシ基、ブチル−1,4−ジオキシ基、シクロヘキシル−1,2−ジメトキシ基、2,2’−ビフェノキシ基、1,1−ビ−2−ナフトキシ基または上記と同様の置換基を有するこれらジオキシ基などが挙げられる。アルキルアミド基またはアリールアミド基としては、1,3−プロピル−N,N’−ジメチルジアミド基、1,3−プロピル−N,N’−ジ(トリメチルシリル)ジアミド基、1,3−プロピル−ビス(フェニルアミド)基、N,N’−ビス(トリメチルシリル)−2,2’−ビフェニルジアミド基または上記と同様の置換基を有するこれらジアミド基などが挙げられる。これらのうち、結晶性の高い開環重合体及びその水素化物を得るために、互いに結合する置換基(A)がアリールオキシ基であるものが好ましい。
【0050】
ハロゲンとしてはフッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。アルキルシリル基としては、トリメチルシリル基、ジメチルフェニルシリル基などのアルキル基の炭素数が1〜20(炭素数6〜20のアリール基を含んでもよい)のアルキルシリル類が挙げられる。
【0051】
さらに、Yは電子供与性の中性配位子である。中性配位子は一般的にヘテロ原子を有する電子供与性化合物である。具体的には、ホスフィン類、エーテル類、アミン類などを挙げることができる。ホスフィン類としてはトリメチルホスフィン、トリイソプロピルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリフェニルホスフィンなどの、炭素数6〜20のアリール基を含有してもよい、アルキル基の炭素数が1〜20のトリアルキルホスフィン、またはアリール基の炭素数が6〜20のトリアリールホスフィンが挙げられ、エーテル類としてはジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタンなどが挙げられ、アミン類としてはトリメチルアミン、トリエチルアミンなどのトリアルキルアミン、ピリジン、ルチジンなどが挙げられる。
【0052】
本発明の製造方法においては、重合活性を向上させるために、上記の重合触媒に有機金属還元剤を添加することができる。有機金属還元剤は、炭素数1〜20の炭化水素基を有する周期表第1、2、12、13又は14族の有機金属化合物を挙げることができる。なかでも、有機リチウム、有機マグネシウム、有機亜鉛、有機アルミニウム、有機スズが好ましく、有機アルミニウム、有機スズが特に好ましい。有機リチウムとしては、n−ブチルリチウム、メチルリチウム、フェニルリチウムなどを挙げることができる。有機マグネシウムとしては、ブチルエチルマグネシウム、ブチルオクチルマグネシウム、ジヘキシルマグネシウム、エチルマグネシウムクロリド、n−ブチルマグネシウムクロリド、アリルマグネシウムブロミドなどを挙げることができる。有機亜鉛としては、ジメチル亜鉛、ジエチル亜鉛、ジフェニル亜鉛などを挙げることができる。有機アルミニウムとしては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロリド、エチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムジクロリドなどを挙げることができる。有機スズとしては、テトラメチルスズ、テトラ(n−ブチル)スズ、テトラフェニルスズなどを挙げることができる。有機金属還元剤を添加する量は、重合触媒の中心金属の重量の0.1〜100倍が好ましく、0.2〜50倍がより好ましく、0.5〜20倍が特に好ましい。添加量が0.1倍以下では重合活性の向上効果が表れず、100倍以上では副反応が起きやすくなる。
【0053】
本発明に用いる単量体は、3環体以上の多環式ノルボルネン単量体又は2環体のノルボルネン単量体である。
【0054】
3環体以上の多環式ノルボルネン単量体はたとえば、一般式(6)
【0055】
【化9】
【0056】
(式中、R1〜R4は一般式(1)と同一である。)
または、一般式(7)
【0057】
【化10】
【0058】
(式中、R5〜R8およびmは一般式(2)と同一である。)
で示される単量体である。
【0059】
一般式(6)で示される単量体の具体例としては、ジシクロペンタジエンまたはジシクロペンタジエンの5員環部分の二重結合を飽和させたトリシクロ[4.3.12,5.0]デカ−3−エン、トリシクロ[4.4.12,5.0]ウンダ−3−エンなどを挙げることができる。さらに、テトラシクロ[6.5.12,5.01,6.08,13]トリデカ−3,8,10,12−テトラエン(1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレンともいう)、テトラシクロ[6.6.12,5.01,6.08,13]テトラデカ−3,8,10,12−テトラエン(1,4−メタノ−1,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロアントラセンともいう)、などの芳香環を有するノルボルネン誘導体を挙げることができる。
【0060】
一般式(7)で示される単量体としては、mが1であるテトラシクロドデセン類、mが2であるヘキサシクロヘプタデセン類が挙げられる。
【0061】
テトラシクロドデセン類の具体例としては、テトラシクロドデセン、8−メチルテトラシクロドデセン、8−エチルテトラシクロドデセン、8−シクロヘキシルテトラシクロドデセン、8−シクロペンチルテトラシクロドデセンなどの無置換またはアルキル基を有するテトラシクロドデセン類;8−メチリデンテトラシクロドデセン、8−エチリデンテトラシクロドデセン、8−ビニルテトラシクロドデセン、8−プロペニルテトラシクロドデセン、8−シクロヘキセニルテトラシクロドデセン、8−シクロペンテニルテトラシクロドデセンなどの環外に二重結合を有するテトラシクロドデセン類;8−フェニルテトラシクロドデセンなどの芳香環を有するテトラシクロドデセン類;8−メトキシカルボニルテトラシクロドデセン、8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロドデセン、8−ヒドロキシメチルテトラシクロドデセン、8−カルボキシテトラシクロドデセン、テトラシクロドデセン−8,9−ジカルボン酸、テトラシクロドデセン−8,9−ジカルボン酸無水物などの酸素原子を含む置換基を有するテトラシクロドデセン類;8−シアノテトラシクロドデセン、テトラシクロドデセン−8,9−ジカルボン酸イミドなどの窒素原子を含む置換基を有するテトラシクロドデセン類;8−クロロテトラシクロドデセンなどのハロゲン原子を含む置換基を有するテトラシクロドデセン類;8−トリメトキシシリルテトラシクロドデセンなどのけい素原子を含む置換基を有するテトラシクロドデセン類などが挙げられる。
【0062】
ヘキサシクロヘプタデセン類の具体例としては、ヘキサシクロヘプタデセン、12−メチルヘキサシクロヘプタデセン、12−エチルヘキサシクロヘプタデセン、12−シクロヘキシルヘキサシクロヘプタデセン、12−シクロペンチルヘキサシクロヘプタデセンなどの無置換またはアルキル基を有するヘキサシクロヘプタデセン類;12−メチリデンヘキサシクロヘプタデセン、12−エチリデンヘキサシクロヘプタデセン、12−ビニルヘキサシクロヘプタデセン、12−プロペニルヘキサシクロヘプタデセン、12−シクロヘキセニルヘキサシクロヘプタデセン、12−シクロペンテニルヘキサシクロヘプタデセンなどの環外に二重結合を有するヘキサシクロヘプタデセン類;12−フェニルヘキサシクロヘプタデセンなどの芳香環を有するヘキサシクロヘプタデセン類;12−メトキシカルボニルヘキサシクロヘプタデセン、12−メチル−12−メトキシカルボニルヘキサシクロヘプタデセン、12−ヒドロキシメチルヘキサシクロヘプタデセン、12−カルボキシヘキサシクロヘプタデセン、ヘキサシクロヘプタデセン12,13−ジカルボン酸、ヘキサシクロヘプタデセン12,13−ジカルボン酸無水物などの酸素原子を含む置換基を有するヘキサシクロヘプタデセン類;12−シアノヘキサシクロヘプタデセン、ヘキサシクロヘプタデセン12,13−ジカルボン酸イミドなどの窒素原子を含む置換基を有するヘキサシクロヘプタデセン類;12−クロロヘキサシクロヘプタデセンなどのハロゲンを原子を含む置換基を有するヘキサシクロヘプタデセン類;12−トリメトキシシリルヘキサシクロヘプタデセンなどのけい素原子を含む置換基を有するヘキサシクロヘプタデセン類などが挙げられる。
【0063】
なかでも、結晶性が高いという点で、一般式(6)で示される単量体または一般式(7)で示されmが1である単量体が好ましく、これらの中でも直鎖状または分岐状の置換基を持たない単量体、具体的には、ジシクロペンタジエン、トリシクロ[4.3.12,5.0]−デカ−3−エン、テトラシクロ[6.5.12,5.01,6.08,13]トリデカ−3,8,10,12−テトラエン、テトラシクロ[6.6.12,5.01,6.08,13]テトラデカ−3,8,10,12−テトラエン、テトラシクロドデセン、8−メチルテトラシクロドデセンがさらに好ましく、特にジシクロペンタジエンが好ましい。
【0064】
上記の単量体には、エンド体とエキソ体の異性体が含まれる。本発明に使用する単量体は、これら異性体の混合物であっても構わないが、結晶性をより高めるためには、異性体混合物中において、いずれかの異性体成分の組成比が高いもの、すなわち、エンド体リッチのものかエキソ体リッチのもの、具体的にはどちらかの異性体が70モル%以上、好適には80モル%以上含有するものが好ましい。
【0065】
2環体のノルボルネン単量体はたとえば、一般式(8)
【0066】
【化11】
【0067】
(式中、R1〜R4は一般式(3)と同一である。)で示される単量体である。
【0068】
一般式(8)で示される単量体の具体例としては、ノルボルネン、5−メチルノルボルネン、5−エチルノルボルネン、5−ブチルノルボルネン、5−ヘキシルノルボルネン、5−デシルノルボルネン、5−シクロヘキシルノルボルネン、5−シクロペンチルノルボルネンなどの無置換またはアルキル基を有するノルボルネン類;5−エチリデンノルボルネン、5−ビニルノルボルネン、5−プロペニルノルボルネン、5−シクロヘキセニルノルボルネン、5−シクロペンテニルノルボルネンなどのアルケニル基を有するノルボルネン類;5−フェニルノルボルネンなどの芳香環を有するノルボルネン類;5−メトキシカルボニルノルボルネン、5−エトキシカルボニルノルボルネン、5−メチル−5−メトキシカルボニルノルボルネン、5−メチル−5−エトキシカルボニルノルボルネン、ノルボルネニル−2−メチルプロピオネイト、ノルボルネニル−2−メチルオクタネイト、ノルボルネン−5,6−ジカルボン酸無水物、5−ヒドロキシメチルノルボルネン、5,6−ジ(ヒドロキシメチル)ノルボルネン、5,5−ジ(ヒドロキシメチル)ノルボルネン、5−ヒドロキシ−i−プロピルノルボルネン、5,6−ジカルボキシノルボルネン、5−メトキシカルボニル−6−カルボキシノルボルネン、などの酸素原子を含む極性基を有するノルボルネン類;5−シアノノルボルネン、ノルボルネン−5,6−ジカルボン酸イミドなどの窒素原子を含む極性基を有するノルボルネン類などが挙げられる。
【0069】
本発明においては3環体以上の多環式ノルボルネン単量体及び/又は2環体ノルボルネン単量体に、これと共重合可能な環状オレフィン類を共重合させてもよい。共重合可能な環状オレフィン類としては、単環オレフィン単量体が挙げられる。
【0070】
単環オレフィン単量体の具体例としては、シクロブテン、シクロペンテン、メチルシクロペンテン、シクロヘキセン、メチルシクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテンなどの特開昭64−66216などに記載されている単環の環状オレフィン単量体;シクロヘキサジエン、メチルシクロヘキサジエン、シクロオクタジエン、メチルシクロオクタジエン、フェニルシクロオクタジエンなどの特開平7−258318などに記載されている環状ジオレフィン単量体を挙げることができる。
【0071】
本発明においては、重合反応を無溶媒で行うこともできるが、重合後に水素化反応を行う場合には有機溶媒中で重合するのが好ましい。
【0072】
本発明で用いる有機溶媒は、開環重合体及び開環重合体水素化物が所定の条件で溶解もしくは分散し、重合及び水素化に影響しないものであればよく、特に工業的に汎用されているものが好ましい。
【0073】
このような有機溶媒としては、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン、トリメチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ジエチルシクロヘキサン、デカヒドロナフタレン、ビシクロヘプタン、トリシクロデカン、ヘキサヒドロインデンシクロヘキサン、シクロオクタンなどの脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン含有脂肪族炭化水素;クロロベンゼン、ジクロロベンゼンなどのハロゲン含有芳香族炭化水素;ニトロメタン、ニトロベンゼン、アセトニトリルなどの含窒素炭化水素;ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル類などの溶媒を使用することができるが、これらの中でも、工業的に汎用な芳香族炭化水素や脂肪族炭化水素、脂環族炭化水素、エーテル類が好ましい。
【0074】
なお、本発明の重合体及び水素化物は耐薬品性に優れるため、上記溶媒の全てには溶解しないことがある。そのような溶媒を用いる場合は、重合体等が分散している状態か一部溶解している状態で重合及び水素化反応を行う。但し、重合体は融点を有さず、水素化物となってはじめて融点を有する場合は、重合体が完全に溶解している状態で重合及び水素化反応を行うこともできる。
【0075】
本発明の方法において、単量体に対する重合触媒の割合は、重合触媒中の遷移金属対単量体のモル比が、通常1:100〜1:2,000,000、好ましくは1:500〜1:1,000,000、より好ましくは1:1,000〜1:500,000である。触媒量が多すぎると触媒除去が困難となり、少なすぎると十分な重合活性が得られない。
【0076】
重合を溶媒中で行う場合には、単量体の濃度は、1〜50重量%が好ましく、2〜45重量%がより好ましく、3〜40重量%が特に好ましい。単量体の濃度が低すぎる場合は生産性が悪く、濃度が高すぎる場合は重合後の溶液粘度が高すぎて、その後の水素化反応が困難となる。
【0077】
重合反応は、単量体と重合触媒を混合することにより開始される。重合温度は特に制限はないが、一般には、−30℃〜200℃、好ましくは0℃〜180℃である。重合時間は、1分間〜100時間で、特に制限はない。
【0078】
さらに、得られる開環重合体の分子量を調整するために、ビニル化合物またはジエン化合物を適当量添加することができる。分子量調整に用いるビニル化合物としては、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンなどのα−オレフィン類;スチレン、ビニルトルエンなどのスチレン類;エチルビニルエーテル、i−ブチルビニルエーテル、アリルグリシジルエーテルなどのエーテル類;アリルクロライドなどのハロゲン含有ビニル化合物;酢酸アリル、アリルアルコール、グリシジルメタクリレートなど酸素含有ビニル化合物、アクリルアミドなどの窒素含有ビニル化合物などを挙げることができる。ジエン化合物としては、1,4−ペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、1,5−ヘキサジエン、1,6−ヘプタジエン、2−メチル−1,4−ペンタジエン、2,5−ジメチル−1,5−ヘキサジエンなどの非共役ジエン、または1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエンなどの共役ジエンを挙げることができる。添加するビニル化合物またはジエン化合物の量は求める分子量により、適宜選択できる。通常、単量体に対して、0.1〜10モル%の間である。
【0079】
水素化反応は、水素化触媒の存在下で、反応系内に水素を供給して行う。水素化触媒としては、オレフィン化合物の水素化に際して一般に使用されているものであれば使用可能であり、特に制限されない。水素化触媒には均一触媒と不均一触媒とがある。
【0080】
均一触媒としては、遷移金属化合物とアルカリ金属化合物との組み合わせからなる触媒、例えば、酢酸コバルト/トリエチルアルミニウム、ニッケルアセチルアセトナート/トリイソブチルアルミニウム、チタノセンジクロリド/n−ブチルリチウム、ジルコノセンジクロリド/sec−ブチルリチウム、テトラブトキシチタネート/ジメチルマグネシウムなどの組み合わせが挙げられる。さらに、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、クロロヒドリドカルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウムなどの貴金属錯体触媒を挙げることができる。
【0081】
不均一触媒としては、ニッケル、パラジウム、白金、ロジウム、ルテニウム、又はこれらの金属をカーボン、シリカ、ケイソウ土、アルミナ、酸化チタンなどの担体に担持させた固体触媒、例えば、ニッケル/シリカ、ニッケル/ケイソウ土、ニッケル/アルミナ、パラジウム/カーボン、パラジウム/シリカ、パラジウム/ケイソウ土、パラジウム/アルミナなどの触媒が挙げられる。
【0082】
水素化反応は、通常、不活性有機溶媒中で実施する。このような不活性有機溶媒としては、ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素;n−ペンタン、n−ヘキサンなどの脂肪族炭化水素;シクロヘキサン、デカリンなどの脂環族炭化水素;テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル類;が挙げられる。
【0083】
不活性有機溶媒が、重合反応溶媒と同じであれば、重合反応後、そのまま水素化触媒を添加して反応させることができる。
【0084】
水素化反応の条件は、使用する水素化触媒によって異なるが、水素化温度は通常−20℃〜250℃、好ましくは−10〜220℃、より好ましくは0〜200℃であり、水素圧力は通常0.1〜50Kg/cm2、好ましくは0.5〜40Kg/cm2、より好ましくは1.0〜30Kg/cm2である。水素化温度が低すぎると反応速度が遅く、高すぎると副反応が起こる。また、水素圧力が低すぎると水素化速度が遅くなり、高すぎると高耐圧反応装置が必要となる。
【0085】
水素化率は、通常50%以上、好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上、特に好ましくは90%以上であり、水素化反応時間が0.1〜10時間で上記水素化率が達成できる。
【0086】
開環重合反応又は水素化反応の後、該重合体を回収するために、該重合体に対して貧溶媒になる溶媒を該反応溶液に添加し、開環重合体及び開環重合体水素化物の凝集物を得る。貧溶媒を反応溶液に添加することによって融点の高い重合体が得られる。凝集物は濾過によって反応溶媒から容易に分離することができる。
【0087】
以上のようにして得られた本発明の開環重合体又は水素化物は、必要に応じて各種配合剤を配合し、成形用材料として使用することができる。
【0088】
配合剤としては、プラスチックに一般的に配合されるものを使用することができ、その具体例としては、酸化防止剤、熱安定剤、及び耐光安定剤などの安定剤;紫外線吸収剤;無機フィラーや有機フィラーなどの充填剤;滑剤;可塑剤;帯電防止剤;ゴム質重合体などが挙げられる。
【0089】
成形用材料は、開環重合体又は水素化物と、上記配合剤とを、例えば二軸混練機などにより、通常は140〜400℃程度の温度にて溶融混練した後、ペレタイザーなどを用いてペレット化することにより得られる。
【0090】
このようにして得られた成形用材料は、さらに、140〜400℃程度で加熱溶融成形することにより成形品とすることができる。加熱溶融成形法としては、例えば、射出成形法、押出し成形法、ブロー成形法、射出ブロー成形法、プレス成形法などの方法を用いることができる。
【0091】
また、該開環重合体又は水素化物は、硬化剤、硬化促進剤、硬化助剤等を配合して硬化性樹脂とすることもできる。
【0092】
上記成形用材料は、上記成形法により、球状、棒状、円柱状、筒状、フィルムやシート状、繊維状などの種々の形状の成形品として、一般のエンジニアリングプラスチックと同様に、船舶、車両等の部品用材料;航空機・宇宙機器部品用材料;プリント基板用絶縁材料、電子部品封止剤、コンデンサーフィルム、コネクターなどの電気・電子部品用材料;工作機械や医療機器などの産業機器部品用材料;医療品や食料品などの包装用材料;ボトルやバイアルなどの各種容器;衣料品、スポーツ・レジャー用品用材料;パイプやチューブ、継手などの配管材料;コイルボビンやギアーなどの精密機器部品用材料などとして使用することができる。
【0093】
また、上記開環重合体又は水素化物は、上記成形材料以外にも、他の材料に配合して補強剤、改質剤などの各種の添加剤などとして使用することもできる。
【0094】
以下に、実施例及び比較例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明する。尚、実施例および比較例中の〔部〕及び〔%〕は、特に断らない限り、重量基準である。
(1)開環(共)重合体の分子量は、クロロホルムを溶媒とするゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算値として測定した。
(2)水素化率は、赤外線吸収スペクトルにより測定した。
(3)融点及びガラス転位温度(Tg)は、示差走査熱量計(DSC)にて、10℃/分で昇温して測定した。
【0095】
〔実施例1〕
攪拌機付きガラス反応器に、一般式(9)
【0096】
【化12】
【0097】
で示されるモリブデン化合物を0.0068部添加した後、シクロヘキサン24部、ジシクロペンタジエン6部、1−ヘキセン0.00573部を添加し、室温で重合反応を行った。重合反応開始後、瞬時に白色の沈殿物が析出した。3時間反応後、重合反応液に多量のイソプロパノールを注いで沈殿物を凝集させ、濾別洗浄後、40℃で40時間減圧乾燥した。得られた開環重合体の収量は5.5部で、分子量(ポリスチレン換算)は、数平均分子量(Mn)=37,000、重量平均分子量(Mw)=103,000であった。なお、融点は218℃であった。
【0098】
〔実施例2〕
攪拌機付きオートクレーブに、実施例1で得られた開環重合体5部とシクロヘキサン88部を加えた。次いでビス(トリシクロヘキシルホスフィン)ベンジリジンルテニウム(IV)ジクロリド0.031部及びエチルビニルエーテル1.8部をシクロヘキサン18部に溶解した水素化触媒溶液を添加し、水素圧8kg/cm2、120℃で10時間水素化反応を行った。反応終了後、水素化反応液に多量のイソプロパノールを注いで白濁物を凝集させ、濾別洗浄後、40℃で40時間減圧乾燥した。赤外線吸収スペクトルには、炭素−炭素二重結合由来の吸収は観測されず、水素化率は99%以上であった。なお、得られた水素化物の融点は272℃であった(第1図参照)。
【0099】
また、該水素化物100部にヒンダードフェノール酸化防止剤としてペンタエリスリチル−テトラキス(3−(3,5−ジ−ターシャリ−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)0.2部を添加し、二軸押出機により、樹脂温度平均320℃にて溶融混練し、ペレタイザーによりペレット化して成形用材料を得た。該ペレットを用いて、射出成形機により、シリンダー温度350℃にて、厚さ3mmの名詞サイズのプレートを成形した。
【0100】
上記プレートを温度200℃のギアオーブン中にて150時間放置したが、変形等の外観変化はみられなかった。また、プレートをトルエン、シクロヘキサン、テトラヒドロフラン、キシレンのそれぞれに、24時間浸漬したが、膨潤、溶解等の外観変化はみられなかった。
【0101】
〔比較例1〕
一般式(9)で表される重合触媒に代えて、六塩化タングステン0.011部、テトラブチルスズ0.026部およびジブチルエーテル0.01部を用いた以外は、実施例1と同様にして重合反応を行い、反応終了後、該重合反応溶液を多量のイソプロパノールに注いでポリマーを析出させ、5.8部の重合体を得た。重合体の分子量(ポリスチレン換算)は、Mn=7,300、Mw=18,200であった。この重合体は125℃付近にTgが観測されたが、融点は観測されなかった。
【0102】
〔比較例2〕
比較例1で得られた開環重合体を用いて、実施例2と同様にして水素化反応を行った。該水素化反応溶液を多量のイソプロパノールに注いでポリマーを析出させた。水素化率は99%以上であった。また、この重合体は97℃付近にTgが観測されたが、融点は観測されなかった。
【0103】
〔比較例3〕
一般式(9)で表される重合触媒に代えて、ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)ベンジリジンルテニウム(IV)ジクロリドを用いた以外は、実施例1と同様にして重合した。重合反応後、該重合反応液を多量のイソプロパノールに注いでポリマーを析出させ開環重合体を得た。この開環重合体は、トルエン、テトラヒドロフランには全く溶解しなかった。また、融点は観測されなかった。
【0104】
〔比較例4〕
比較例3で得られた開環重合体を用い、溶媒をシクロヘキサンに代えてトルエンを用いた以外は、実施例2と同様にして水素化反応を行い、水素化反応後、該反応液を多量のイソプロパノールに注いでポリマーを析出させ、重合体水素化物を得た。水素化率は99%以上であった。また、91℃付近にTgが観測されたが、融点は観測されなかった。
【0105】
〔比較例5〕
一般式(9)で表される重合触媒に代えて、2,6−ジイソプロピルフェニルイミドネオフィリデンモリブデニウム(VI)ビス(ヘキサフルオロ−t−ブトキシド)を用いた以外は、実施例1と同様に重合反応を行った。重合反応後、該重合反応液を多量のイソプロパノールに注いでポリマーを析出させ、5.4部の重合体を得た。重合体の分子量(ポリスチレン換算)は、Mn=8,900、Mw=16,600であった。また、Tg140℃を観測したが、融点は観測されなかった。
【0106】
続いて、実施例2と同様にして開環重合体水素化物を得た。赤外線吸収スペクトルには、炭素−炭素二重結合由来の吸収は観測されず、水素化率は99%以上であった。水素化物の融点は252℃であった。実施例2と同様の方法によりプレートを成形して評価した結果、評価結果は実施例2と同様であった。
【0107】
続いて、実施例2と同様にして開環重合体水素化物を得た。赤外線吸収スペクトルには、炭素−炭素二重結合由来の吸収は観測されず、水素化率は99%以上であった。水素化物の融点は252℃であった。実施例1と同様の方法によりプレートを成形して評価した結果、評価結果は実施例1と同様であった。
【0108】
〔実施例4〕
攪拌機付きガラス反応器に、一般式(9)で示されるモリブデン化合物を0.0068部添加した後、シクロヘキサン24部、ノルボルネン6部、1−ヘキセン0.00573部を添加し、室温で重合反応を行った。3時間反応後、重合反応液に多量のイソプロパノールを注いでポリマーを凝集させ、濾別洗浄後、40℃で40時間減圧乾燥した。得られた開環重合体の収量は5.5部で、分子量(ポリスチレン換算)は、数平均分子量(Mn)=27,000、重量平均分子量(Mw)=82,000であった。
【0109】
続いて、攪拌機付きオートクレーブに、上記の開環重合体5.0部とシクロヘキサン88部を加えた。次いでビス(トリシクロヘキシルホスフィン)ベンジリジンルテニウム(IV)ジクロリド0.031部及びエチルビニルエーテル1.8部をシクロヘキサン18部に溶解した水素化触媒溶液を添加し、水素圧8Kg/cm2、120℃で10時間水素化反応を行った。水素化反応液に多量のイソプロパノールを注いでポリマーを凝集させ、濾別洗浄後、40℃で40時間減圧乾燥した。水素化率は99%以上であった。DSCにより測定した融点(Tm)は172℃であった。
【0110】
〔比較例6〕
一般式(9)の重合触媒に代えて、六塩化タングステン0.011部、テトラブチルスズ0.026部およびジブチルエーテル0.01部を用いた以外は、実施例4と同様にして重合反応を行い、重合反応後、該重合反応液を多量のイソプロパノールに注いでポリマーを析出させ、5.8部の重合体を得た。重合体の分子量(ポリスチレン換算)は、数平均分子量(Mn)=8,100、重量平均分子量(Mw)=19,100であった。得られた開環重合体を用いて、実施例4と同様にして水素化反応を行い、水素化反応後、該反応液を多量のイソプロパノールに注いでポリマーを析出させ開環重合体水素化物を得た。水素化率は99%以上であった。融点(Tm)は104℃であった。
【0111】
〔比較例7〕
一般式(9)の重合触媒に代えて、2,6−ジイソプロピルフェニルイミドネオフィリデンモリブデニウム(VI)ビス(ヘキサフルオロ−t−ブトキシド)を用いた以外は、実施例4と同様にして重合し、重合反応後、該重合反応液を多量のイソプロパノールに注いでポリマーを析出させ開環重合体を得た。収量は5.8gであった。得られた開環重合体を用い、溶媒をシクロヘキサンに代えてトルエンを用いた以外は、実施例4と同様にして水素化反応を行い、水素化反応後、該反応液を多量のイソプロパノールに注いでポリマーを析出させ開環重合体水素化物を得た。水素化率は99%以上であった。融点(Tm)は106℃であった。
【0112】
〔実施例5〕
一般式(9)の重合触媒に代えて、一般式(10)
【0113】
【化13】
【0114】
で示されるモリブデン化合物を0.0075部添加した以外は、実施例1と同様にして重合反応を行った。数平均分子量(Mn)=22,400、重量平均分子量(Mw)=51,500であった。
【0115】
〔参考例〕
一般式(9)で表される重合触媒に代えて、2,6−ジイソプロピルフェニルイミドネオフィリデンモリブデニウム(VI)ビス(ヘキサフルオロ−t−ブトキシド)を用いた以外は、実施例1と同様に重合反応を行った。重合反応後、該重合反応液を多量のイソプロパノールに注いでポリマーを析出させ、5.4部の重合体を得た。該重合体には融点が観測されなかった。次いで、該重合体を、重合触媒としてクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム0.02部を用いた他は実施例2と同様にして水素化反応を行った。該水素化物は、水素化率が99%以上であり、220℃の融点を有していた。
【0116】
〔実施例6〕
一般式(9)で表される重合触媒に代えて、2,6−ジイソプロピルフェニルイミドネオフィリデンモリブデニウム(VI)ビス(ヘキサフルオロ−t−ブトキシド)を用いた以外は、実施例1と同様に重合反応を行った。重合反応後、該重合反応液を多量のイソプロパノールに注いでポリマーを析出させ、5.4部の重合体を得た。該重合体には融点が観測されなかった。次いで、該重合体を、重合触媒としてクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム0.02部を用いた他は実施例2と同様にして水素化反応を行った。該水素化物は、水素化率が99%以上であり、220℃の融点を有していた。
【0117】
産業上の利用可能性
本発明によれば、融点を有する結晶性ノルボルネン重合体および結晶性ノルボルネン重合体水素化物が提供される。この重合体および水素化物は、射出成形や押出成形などの溶融成形が可能であり、機械強度、耐薬品性及び耐熱性に優れているので、各種用途の成形用材料として有用である。
【0118】
産業上の利用可能性本発明によれば、融点を有する結晶性ノルボルネン重合体および結晶性ノルボルネン重合体水素化物が提供される。この重合体および水素化物は、射出成形や押出成形などの溶融成形が可能であり、機械強度、耐薬品性及び耐熱性に優れているので、各種用途の成形用材料として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0119】
第1図は、実施例2の水素化物の融点を測定したDSCチャート図である。
Claims (2)
- 一般式(4)で表される周期表第6族遷移金属化合物を主成分とする重合触媒を用いて、3環体以上の多環式ノルボルネン単量体及び/又は2環体のノルボルネン単量体を重合し開環重合体を得る工程、及び水素と水素化触媒とを用いて、該開環重合体中の炭素−炭素二重結合を水素化する工程を含む、3環体以上の多環式ノルボルネン単量体及び/又は2環体のノルボルネン単量体由来の繰返し単位を含有する開環重合体を水素化して得られる水素化物であって、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定した重量平均分子量がポリスチレン換算で500〜1,000,000であり、140℃以上の融点を有するノルボルネン開環重合体水素化物の製造方法。
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