JP4547765B2 - 光変調器及び光変調器付半導体レーザ装置、並びに光通信装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、光変調器及び光変調器付半導体レーザ装置、並びに光通信装置に係り、特に伝送後の波形歪みが少ない光変調器及び光変調器付半導体レーザ装置とこの装置を用いることにより伝送距離を長くできる光通信装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光ファイバーを用いた公衆通信網の普及には、半導体レーザの高性能化とこの半導体レーザを安価に製造するために歩留りをよくすることが重要である。
特に半導体レーザの高性能化には、情報量の増大に対応するためのレーザ光の高速変調が必須の要件である。このレーザ光の高速変調には、変調時の波長の変動を小さくして長距離の伝送を可能にするために、通常半導体レーザを一定強度で発振させておいて、光の透過量をオン・オフできる光変調器を通すことによって変調を行う外部変調方式が採用される。
【0003】
この外部変調方式に用いられる光変調器には、電界吸収型光変調器(以下EAM(Electroabsorption Modulator)という)が使用され、これには大きく分けて単層の厚い光吸収層を用いるものと、室温励起子を形成することができる程度の、層厚の小さい量子井戸層を何層も積層した多重量子井戸構造(以下MQWという)を用いるものがある。前者はフランツ・ケルディッシュ効果による吸収スペクトル変化を、後者はシュタルクシフト効果による吸収スペクトル変化を用いて消光を行う。
【0004】
すなわち、光変調器では印加される電圧に応じてレーザ光の吸収が変化するため、光変調器に接続された高周波電気回路に変調信号電圧を印加すると、光変調器の出射端面から出射されるレーザ光には信号電圧に対応した強度変調が施されることになる。
変調器の光吸収層をMQWで形成すると、低い動作電圧で高い消光比(on時とoff時の光透過量の比)が得られるために、高速伝送においては通常MQWの光吸収層が使用される。
【0005】
図27は従来の光変調器の断面図である。
図27において、1はn型InP基板(以下n型をn−、p型をp−と記載する)、2はn−InGaAsPのn側光閉込層、3はInGaAsPの光吸収層、4はp− InGaAsPのp側光閉込層、5はFeドープInP埋込層、6はn− InP埋込層、7はp−InGaAsPのpクラッド層、8はp−InGaAsコンタクト層、9はSiO2絶縁膜、10はTi/Auの表面電極、11はAu表面メッキ層、12はAu/Ge/Ti/Pt/Ti/Pt/Auの裏面電極、13は裏面メッキ層である。14は光変調器(EAM)である。
【0006】
図28は従来の光吸収層3の断面図である。
図28において3aは量子井戸層(以下ウエル(well)層という)、3bは障壁層(以下バリア(barrier)層という)である。
従来の光吸収層3のMQWにおいては、10層のウエル層3aの厚みはすべて同じ厚さである。また9層のバリア層3bの厚みはそれぞれ同じ厚さである。
図29は光吸収層3のエネルギーダイアグラムの模式図である。図29においてEcは伝導帯、Evは価電子帯である。
【0007】
図30は光変調器14の吸収スペクトルを示す模式図である。
MQWを用いた従来の光吸収層3の構造では各ウエル層3aの吸収スペクトルの変化を揃えて効率の良い消光を得るために、通常全てのウエル層3aのバンドギャップ波長、層厚を同じにしている。このようなMQWの光吸収層3を備えたEAM14の典型的な吸収スペクトルは図30の吸収スペクトルAである。
EAM14にバイアス電圧を印可してMQWに電界をかけると吸収スペクトルAは吸収スペクトルBに変化する。レーザ入射光の波長をλ0と設定した場合、この入射光に対する吸収係数αがバイアス電圧により変化することになる。このようにバイアス電圧を印加し、入射光波長λ0において吸収係数を変化することにより、レーザ光をオン・オフする。これがEAMの原理である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、バイアス電圧の変化に対応する吸収スペクトル変化量Δαと屈折率変化量Δnの間にはクラーマス・クローニッヒの関係式(1)が存在する。
【数1】
このため、光変調動作時には、EAM14の光吸収層3における吸収スペクトルの変化に伴って屈折率が変動することになる。その結果、EAM14から出力された光の波長が変動する。つまりチャーピングが発生することになる。
【0009】
図31は光強度の時間的変化とチャーピングとの関係を示した模式図である。
図31を用いて説明すると、実際に光変調を行ったときには、光強度が最も強いところ(図31(a)の図中でP0の点)ではEAM14の印加電圧が0Vであり、光強度が十分小さいところ(図31(a)の図中でP1の点)においてもEAM14の印加電圧は−1V程度である。この領域では通常αパラメータが正、即ち屈折率変動量が正になっている。そのため、図31(a)および(b)に示すように光強度が増大するときには負の波長変動を、光強度が減少するときには正の波長変動を起こす。この正の波長変動をポジティブチャープと呼ぶ。
【0010】
伝送線路である光ファイバには、波長によって光の群速度が異なるという波長分散特性があるため、ポジティブチャープが発生すると、この波長分散特性に起因して伝送後の波形崩れを引き起こし、この受信データの波形は大きく損なわれ、受信データの信頼度を高めるためには、短い伝送距離で送受信を繰り返すことによって、波形崩れを補償することが必要となり、光通信装置は高価な構成とならざるを得なかった。
【0011】
またαパラメータが正に大きければ大きいほど、つまり屈折率変動量が正に大きければ大きいほど伝送後の波形崩れは大きくなるので、αパラメータが小さい領域でEAM14を使用するために、変調電圧に加えてあらかじめ負のDCバイアス電圧を印可しておく方法があるが、EAM14の吸収損失の増大、吸収係数変化割合の増大に起因する変調波形の劣化、強い電界により励起子が大きく崩れることに起因する消光比の低下等の問題があり、十分にαパラメータが小さい領域での使用は実用上かなり困難であった。
【0012】
この発明は上記の問題点を解消するためになされたもので、
第1の目的は、損失の増大や消光比の低下なしで、光変調器が発生する屈折率変動を非常に小さくあるいは負にすることにより波形の劣化を起こすことの少ない光変調器及び変調器付半導体レーザ装置を提供すると共に、これら変調器及び変調器付半導体レーザ装置を使用することにより、変調光の伝送距離を大きくすることができる光通信装置を提供するものである。
【0013】
なお、特開平11−231272号公報に、半導体量子ドット光変調器に関し、信号波形を歪ませることなく長距離の光伝送を可能とするために、量子井戸層の構成材料に比較して、エネルギ・バンド・ギャップが小さい構成材料の量子ドットが含まれる量子井戸層及び障壁層を交互に積層して形成されたMQW変調層を、上下から挟むイントリンシックなn側クラッド層及びp側クラッド層を含むpin構造の光変調装置が記載されている。
【0014】
また、第45回応用物理学関係連合講演会予稿集(1998.3.東京工科大学)29a−SZL−24に、多重量子井戸電界吸収型光変調器において、薄いバッファ層を挟むことで、ブルーチャープを発生させることに関する記載がある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
この発明係る光変調器は、第1導電型の半導体基板と、
この基板上に配設された厚さとバンドギャップ波長が、それぞれ、同一の複数の井戸層、及び前記井戸層に挟まれたバンドギャップ波長が同一の複数の障壁層を有する多重量子井戸構造の光吸収層と、この光吸収層の上に配設された第2導電型半導体の上クラッド層と、
を備えた光変調器であって、
前記半導体基板に最も近接した二つの井戸層に挟まれた障壁層の厚さを他の障壁層より薄くすることにより、前記光変調器に所望の消光比を得るための電圧を印加した際に、
前記二つの井戸層が結合し、他の井戸層より長い吸収スペクトルピーク波長を有する量子準位が形成されるようにした。
【0021】
また、この発明係る光変調器は、前記二つの井戸層と、前記二つの井戸層に隣り合う井戸層とに挟まれた障壁層の厚さを、他の障壁層よりも厚くした。
【0022】
またこの発明に係る光変調器付半導体レーザ装置は、上記に記載したこの発明にかかる光変調器のいずれか一つと半導体レーザとを同じ半導体基板上に配設したもので、構成を小型にできる。
【0023】
この発明に係る光通信装置は、上記に記載したこの発明にかかる光変調器のいずれか一つまたは光変調器付き半導体レーザ装置を備えたもので、チャーピングの少ない光通信装置を構成することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
実施の形態の説明に先だって、この発明の前提となる課題についての詳細な分析について説明する。
クラーマス・クローニッヒの関係式(1)にしたがって、EAM14の光吸収層13における吸収スペクトルの変化に伴って屈折率が変動する結果、EAM14から出射される光の波長の変動、つまりチャーピング量Δλは式(2)に示される。
【数2】
ここで、αpはEAMのαパラメータ、λ0は入射光波長、cは光速、Pは光強度である。dP/dtは光強度の時間変化率である。
【0025】
またαパラメータαpは、吸収スペクトル変化量Δαと屈折率変化量Δnに対し、式(3)で示される。
【数3】
図32は従来の均一なウエル層及び均一なバリア層のMQWの光吸収層を有するEAMの印加電圧と屈折率変動との関係を示すグラフである。
図33は光吸収層に印加する電界分布を示す模式図である。
図32の計算に使用されたモデルは、図28及び図29に示されたMQWの光吸収層3を有するEAM14である。また図33に示された電界は半導体基板1とn側光閉込層2との間で最も電界強度が大きく、ここからp側光閉込層4とp側クラッド層の境界まで線形に電界強度が低下する電界で、この電界がMQWに印加されたとしてEAM14の印加電圧と屈折率変動との関係が計算された。
【0026】
計算では、自由キャリアによる吸収を無視し、電子の基底準位-重い正孔の基底準位間、電子の基底準位-軽い正孔の基底準位間の吸収による吸収スペクトルのバイアス電圧依存性を、10個のウエル層3aそれぞれについて求め、それをクラーマス・クローニッヒ変換することで、各ウエル層3aの屈折率変動を求めている。
図32において、1,2,3,・・・10wellとは、n側光閉込層2から数えたウエル層3aの順番である。またtotalとは、これら1,2,3,・・・10wellの各ウエル層3aの屈折率変動の総和を示している。
totalを求めたのは、 EAM14全体での吸収係数は各ウエル層3aの吸収係数の和になることおよび、クラーマス・クローニッヒの式の吸収係数に対する線形性から、EAM14全体の屈折率変動は、各ウエル層3aの屈折率変動の和となることに基づく。
【0027】
図34はこの屈折率変動Δnと吸収係数変化Δαから導出したEAM14の印加電圧とαパラメータの関係を示すグラフである。
実験ではEAM14に印可する電圧をマイナス値から0Vに増加させた場合、αパラメータも漸増するが、計算では−0.3V辺りから0Vにかけてαパラメータが減少している。これは、計算の誤差によると考えられるが、−0.3V辺りから0Vにかけては、式(2)のdV/dtが通常小さいこともあり、伝送特性を決定するのは主にEAMに印可される電圧が−0.3V以下(絶対値が大きくなる方向の値)の部分である。したがって、ここではとくに問題としない。−0.3V以下の電圧では実験値に非常に良く合っている。
【0028】
図34から分かるように、このような構造、つまり均一なウエル層及び均一なバリア層のMQWの光吸収層3を有するEAM14ではバイアス電圧が0V〜−1.0V程度の間で、αパラメータが正、つまり正の屈折率変動が生ずることが分かる。
EAM14から出力される光の光強度をPoとし、EAM14に入力される光の光強度をPinとすると、これらの関係は式(4)で示される。
【数4】
ここでLはEAM14の長さである。
【0029】
従って、EAM14の印可電圧をV1からV2に変化させたときの消光比Exは、EAM14の印可電圧をV1としたときの吸収係数および出力光強度をそれぞれα1、P1、EAM14の印可電圧をV2としたときの吸収係数および出力光強度をそれぞれα2、P2として求めると、式(5)で示される。
【数5】
(5)
消光比Exの単位はdBである。
【0030】
図35は式(5)を使用して求めた、均一なウエル層及び均一なバリア層のMQWの光吸収層3を有するEAM14の消光比の電圧依存性を示すグラフである。
以上に示した均一なウエル層及び均一なバリア層のMQWの光吸収層3を有する従来構造のEAM14の屈折率変動の詳細な分析結果に基づき、以下の実施の形態に係る発明が想起された。
以下の実施の形態では一例として幹線通信用として使用される10Gb/sの電界吸収型外部光変調器、光変調器付き半導体レーザ装置及び光通信装置について説明する。
【0031】
実施の形態1
この実施の形態は、n側光閉込層に一番近いウエル層の層厚を厚くすることにより、このウエル層の屈折率変動を大きく負にし、絶対値として小さいバイアス電圧印加領域における多重量子井戸層全体の屈折率変動を低減するものである。
図1はこの実施の形態1に係る光変調器の断面斜視図である。
また図2は図1のII−II断面での光変調器の断面図、図3は図1のIII−III断面での光変調器の断面図である。なお図2では図1で切断除去された部分も記載している。
【0032】
図1において、50は光変調器(EAM)、51は光変調器メサ部、52は電極パッド部、53は光変調器メサ部51と電極パッド部52を分離する分離溝、54は光変調器表面電極、55は光変調器表面電極54上に設けられた表面メッキ層である。56は裏面側に設けられた裏面電極、57はこの裏面電極上に配設された裏面メッキ層である。
図2及び図3において、61はn−InPからなる基板、62はこの基板61上に配設されたn−InGaAsPからなるn側光閉込層、63はこのn側光閉込層62上に配設されたInGaAsPからなる多重量子井戸構造の光吸収層、64は光吸収層53上に配設されたp−InGaAsPからなるp側光閉込層である。
【0033】
n側光閉込層62、光吸収層63およびp側光閉込層64は光の導波路を形成し、導波路方向に沿ってリッジ状に形成されている。これらリッジ状に形成されたn側光閉込層62、光吸収層63およびp側光閉込層64の両側面は、FeドープInP埋込層65、このFeドープInP埋込層65に挟まれて形成されたn−InP埋込層66によって埋め込まれている。
同様に、図3を参照して、n側光閉込層62、光吸収層63およびp側光閉込層64の導波方向の両端面もFeドープInP埋込層65とn−InP埋込層66によって埋め込まれ窓層67を形成している。
【0034】
68はp−InGaAsPからなるpクラッド層で、リッジ状に形成された導波路のp側光閉込層64及びFeドープInP埋込層65を覆って配設されている。69はp−InGaAsからなるコンタクト層で、 pクラッド層68上に配設されている。
コンタクト層69の上には開口70を有するSiO2からなる絶縁膜71が配設されている。
この開口70を介してコンタクト層69の上Ti/Auからなる表面電極54が配設され、この表面電極54上にAuからなる表面メッキ層55が形成されている。
またn−InP基板61の裏面上にはAu/Ge/Ti/Pt/Ti/Pt/Auの裏面電極56が配設され、この裏面電極56の表面上にAuからなる裏面メッキ層57が配設されている。
【0035】
図4はこの実施の形態1の光吸収層63の断面図である。図4において、光吸収層63は多重量子井戸構造(MQW)をしている。631は最もn側光閉込層62に近い所に位置する第1の井戸層としてのAウエル層で、バンドギャップ波長1.54μmのアンドープのInGaAsPからなり、層厚を8.5nmと厚くしたものである。633は厚さ7.5nm、バンドギャップ波長が1.54μmのアンドープのInGaAsPからなる第2の井戸層としてのBウエル層である。また634は厚さ6nm、バンドギャップ波長1.18μmのアンドープのInGaAsPからなるBバリア層である。Bウエル層633は、それぞれの層の間にBバリア層634を挟み、Bバリア層634と交互に9層均一に形成されている。Bウエル層633とBバリア層634とで構成された部分を均一多重量子井戸部63Bと呼ぶことにする。
【0036】
632はAウエル層631とBウエル層633との間に介挿されたAバリア層で、厚さが20nmのアンドープのInGaAsPからなる。Aバリア層632の厚さを厚くするのはAウエル層631とBウエル層633間のウエル層間結合による振動子強度低下を防止するためである。
図5は、実施の形態1の光吸収層63近傍のエネルギーバンドダイアグラムである。Ecは伝導帯、Evは価電子帯である。
【0037】
次に実施の形態1の光変調器50の製造方法について説明する。
図6、図7及び図8は製造工程にしたがって記載した光変調器の断面図である。
図6において、 n−InPの基板61上にn側光閉込層62としてのn−InGaAsP層、光吸収層63としてのアンドープInGaAsPからなるMQW層、 p側光閉込層64としてのp−InGaAsP層、及びpクラッド層68としてのp−InGaAsP層を、MOCVD法により結晶成長する。
この結果を示すのが図6である。
【0038】
次に、Pクラッド層68としてのp−InGaAsP層表面に、SiO2膜を形成し、光の導波方向にストライプ状にエッチングし、SiO2膜のマスクパターン75を形成した後、マスクパターン75をマスクとして、基板61までエッチングし、リッジ状のメサ構造の導波路を形成する。この結果を示すのが図7(a)である。
さらにマスクパターン75を選択成長マスクとして導波路のリッジ側部に、FeドープInP埋込層65、 n−InP埋込層66、FeドープInP埋込層65の順にMOCVD法を用いて埋め込み成長を行う。
なおリッジ状のメサ構造を形成するときにメサ構造の光の導波方向端面も同時にエッチングしておき、FeドープInP埋込層65とn−InP埋込層66によって窓層67を埋め込み形成する。この結果を示したのが図7(b)である。
次いで、SiO2膜のマスクパターン75を除去し、Pクラッド層68としてのp−InGaAsP層、コンタクト層69としてのp−InGaAs層を順次形成する。この結果を示すのが図8(a)である。
【0039】
この後写真製版工程・エッチング工程により、分離溝53を形成して光変調器メサ部51と電極パッド部52を分離する。この結果を示したのが図8(b)である。
次いで、図2を参照して、光変調器メサ部51、電極パッド部52、および分離溝53表面にSiO2絶縁膜71を形成し、コンタクト層69と接続するための開口70を形成し、表面電極54としての Ti/Au膜を蒸着により形成し、この上に表面メッキ層55としてのAu層を形成する。
さらに基板61の裏面を研削し、裏面電極56としてのAu/Ge/Ti/Pt/Ti/Pt/Au層を形成しこの表面上にAuからなる裏面メッキ層57を形成する。この結果が図2に示された構造である。
【0040】
次にこの実施の形態のEAM50の動作について説明する。
図9は均一多重量子井戸部63Bの吸収スペクトルを示す模式図である。
図9において、印加電圧をかけないときの吸収スペクトルが破線で示された吸収スペクトルAで、この吸収スペクトルAは図33で示された電界分布と同じ電界を印加した場合に、実線の吸収スペクトルBに変化する。λ0は入射光の波長である。またe1−hhは電子第1準位-重い正孔間遷移、 e1−lhは電子第1準位-軽い正孔間遷移を表す。
この計算では電子第1準位-重い正孔間、電子第1準位-軽い正孔間の励起子吸収のみ考慮し、自由キャリア吸収は無視している。
【0041】
図10はAウエル層631の吸収スペクトルを示す模式図である。
図10においても、印加電圧をかけないときの吸収スペクトルが破線で示された吸収スペクトルAで、この吸収スペクトルAは図33で示された電界分布と同じ電界を掛けた場合に、実線の吸収スペクトルBに変化する。λ0は入射光の波長である。
図10に示されるように、 Aウエル層631でウエル層幅を広げたことによる量子準位低下により、吸収スペクトルが長波長側に移動している。つまり図9の均一多重量子井戸部63Bの吸収スペクトルピーク、特に電子第1準位-重い正孔間遷移(e1−hh)による吸収スペクトルと図10のAウエル層631の電子第1準位-重い正孔間遷移(e1−hh)による吸収スペクトルとの間で10nm以上長波長側への移動がある。このときAウエル層631の吸収係数変化Δαは入力波長λ0の近傍でΔα<0からΔα>0に変化している。
【0042】
図11(a)はクラーマス・クローニッヒ式内の1/(λ0 2−λ2)関数を示すグラフである。
図11(b)はAウエル層631のΔαを考慮したクラーマス・クローニッヒ式内のΔα/(λ0 2−λ2)関数を示すグラフである。
また図12はこの発明の光変調器50の屈折率変動の電圧依存性を示すグラフである。
入力波長λ0の近傍でのΔαの変化と、クラーマス・クローニッヒ式内の1/(λ0 2−λ2)関数とを考慮すると、図11(b)で示されるΔα/(λ0 2−λ2)関数となり、これを積分し、λ0 2/(2π2)を乗じたものが屈折率変動量となり、図12で示されている。
【0043】
Aウエル層631に対してこの屈折率変動量を計算したものが、図12の1wellの曲線で示されている。
これから分かるように、従来の光変調器のMQW構造の1wellの曲線(図32の1well)に比べて、この発明の光変調器50においてはMQW構造の1wellの曲線は大きく0V側に移動し、−1.0Vより高電位側(絶対値の小さい領域)で屈折率変動が大きく負になっている。
すなわちAウエル層631では1つのウエル層であるにも関わらず、λ0近傍でのΔα成分の振る舞いにより、屈折率変動量が大きく負になることがわかる。
そして1wellから10wellまで、各ウエル層の屈折率変動量を計算し、全体のウエル層での屈折率変動の総和を示すtotalの値をみると、Aウエル層631の一つのウエルが負になることにより、totalの曲線も負になっている。
【0044】
すなわちこの発明のEAM50においては、バイアス電圧が0〜−1.0V付近において、Aウエル層631における大きな負の屈折率変動が、他のウエル層633の正の屈折率変動を補償し、MQW全体の屈折率変動量を大きく低減させていることがわかる。
このようにAウエル層631の厚みを変化することにより屈折率変動の形状を変化させることが可能となる。
【0045】
図13はこの発明のEAM50において計算されたαパラメータを示すグラフである。
この発明のEAM50においては、αパラメータはほぼ負の値を取っており、正の屈折率変動を生じることは無い。
図14はこの発明のEAM50において計算された消光比を示すグラフである。
この発明のEAM50の消光比を示すグラフと従来構造の消光比を示すグラフ(図35)とを比較しても、大略同じとなる。
【0046】
これは、Aウエル層631の入射光波長λ0に対する吸収係数および吸収係数変化量は他のウエル層に対し十分小さいためで、これによりEAM50は光損失増大や消光比劣化といった悪影響をほとんど生じることなく、屈折率変動量を変化させることが可能となる。
ちなみに、バイアス電圧0V時のEAM50の光損失の計算値を従来の構造のEAM14のそれと比較すると、従来の構造のEAM14と実施の形態1のEAM50で、それぞれ3.0dB、3.6dBとなり、バイアス電圧0〜−2V時の消光比はそれぞれ、18.0dB、16.0dBとなる。
【0047】
実際には屈折率変動量改善ができるため、DCバイアス印可量を小さくでき、光損失は逆に低減できる。
またEAM長を若干長くすることで消光比低下を防止できるが、このとき、本発明の効果によりEAM長を長くすることによるチャーピングの増大という制限が大きく緩和されることになる。
以上のようにこの発明に係る光変調器においては、印加電圧が小さい領域において、消光比や光損失の劣化がほとんどない状態で、屈折率変動を負にすることができ、延いては消光比劣化や光損失の少ない状態で、チャーピングを少なくすることができる。
【0048】
実施の形態2
この実施の形態は、光吸収層の多重量子井戸構造において、n側光閉込層に最も近い井戸層を、他の井戸層よりバンドギャップ波長が長波長となる材料で構成したものである。
図15は、この実施の形態に係る光吸収層の多重量子井戸構造の断面図である。
図15において635はInGaAsPからなるが、Bウエル層633よりバンドギャップ波長を長波長に調整した材料で構成したAウエル層である。層の厚さはBウエル層633と同じ厚さの7.5nmとしている。EAM50の他の構成は実施の形態1と同じである。
【0049】
図16は図15に示した多重量子井戸構造のエネルギバンドダイアグラムを示す模式図である。
このMQWの構成による光吸収層63では、Aウエル層635は、そのバンドギャップ波長をBウエル層633のそれよりも長くしたことによる量子準位低下により、実施の形態1の図10で示したのと同様の吸収スペクトルおよびバイアス電圧印可による吸収スペクトル変化を得ることができる。
したがって、実施の形態1の図13と同様に、バイアス電圧が0〜−1.0V付近において、Aウエル層635における大きな負の屈折率変動が、他のBウエル層633の正の屈折率変動を補償し、光吸収層63全体としての屈折率変動量を大きく低減できる。
【0050】
変形例
この実施の形態2の先の構成ではAウエル層635の層の厚さを、Bウエル層633と同じ厚さとしたが、Bウエル層633よりバンドギャップ波長の長い材料で構成すると共に、層の厚さを例えば実施の形態1と同様に8.5nmとするように、層の厚さを厚くしても良い。
図17は、この変形例に係る光吸収層の多重量子井戸構造の断面図である。
図18は図17に示した多重量子井戸構造のエネルギバンドダイアグラムを示す模式図である。
【0051】
この変形例に係る光吸収層63の多重量子井戸構造は、Aウエル層635の成長時間を長くし、InGaAsPの組成を調整することで、バンドギャップ波長がBウエル層633よりも長波長で、層厚がBウエル層633よりも厚いInGaAsPのAウエル層635Aとして作製したものである。
なお、Aウエル層635Aの層厚とバンドギャップ波長の組み合わせについては、Aウエル層635Aで形成される量子準位のエネルギーが、Bウエル層633で形成される量子準位のエネルギーよりも小さければよいため、Aウエル層635Aのバンドギャップ波長が十分長ければ、Aウエル層635Aの層厚はBウエル層633の層厚よりも小さくても良いし、Aウエル層635Aの層厚がBウエル層633の層厚よりも十分厚ければ、Aウエル層635Aのバンドギャップ波長はBウエル層633のバンドギャップ波長よりも短くても良いことになる。
【0052】
実施の形態3
この実施の形態は、光吸収層の多重量子井戸構造において、n側光閉込層に隣接して二つの井戸層で薄いバリア層を挟み実効的にあたかも一つの井戸層と見なせるように構成したものである。
図19は、この実施の形態に係る光吸収層63の多重量子井戸構造の断面図である。
図20は図19に示した多重量子井戸構造のエネルギバンドダイアグラムを示す模式図である。
【0053】
図19において、636はBウエル層633と同じ厚さ、同じ組成のInGaAsPで構成された第1の井戸層としてのCウエル層対である。637はこのCウエル層対636に挟まれ、Bバリア層634と同じ組成のInGaAsPで構成され、Bバリア層634より十分薄い層厚に形成されたCバリア層である。
EAM50の他の構成は実施の形態1と同じである。
図21はウエル層対のエネルギバンドダイアグラムを示す模式図である。
このEAMにおけるCウエル層対636は、バイアス電圧が小さい時には図21(a)に示すようにそれぞれ独立したウエル層として働き、それぞれに量子準位を形成し、その時の実効的なバンドギャップはEg1となる。バイアス電圧が大きくなると電界によりエネルギーバンドダイアグラムは図21(b)に示すように変化し、Cウエル層対636の間にあるCバリア層637の実効厚が小さくなるため、キャリアはあたかも幅の広い1つのウエル層があるかのような振る舞いをする。そのため実効的なバンドギャップはEg2となりEg1よりも小さくなる。
【0054】
図22はウエル層対636の印加電圧による吸収スペクトル変動を示す模式図である。
図22において、印加電圧をかけないときの吸収スペクトルが破線で示された吸収スペクトルAで、電界を掛けた場合に、実線の吸収スペクトルBに変化する。λ0は入射光の波長である。
吸収係数変化Δαは入力波長λ0の近傍でΔα<0からΔα>0に変化する。このような吸収スペクトルの変化は実施の形態1の図10で示した吸収スペクトルの変化の様子と同等であるため、Cウエル層対636に対して屈折率変動量を計算すると、実施の形態1の図13の1wellの曲線と同様の結果を得る。
従ってこの実施の形態においても、実施の形態1と同様の効果を奏することができる。
【0055】
なお、実施の形態1ないし3において、Aウエル層631、635、635AおよびCウエル層対636を、n側光閉込層62に最も近接したウエル層としたが、任意の位置のウエルとして配置しても同様の効果を得ることが出来る。
また、基板をn型基板としたが、p型基板として光変調器を構成しても同様の効果を奏する。
【0056】
実施の形態4
この実施の形態は、実施の形態1ないし3の光変調器を、半導体レーザと同一の基板上に構成し、光変調器付半導体レーザ装置を構成したものである。
図23はこの実施の形態4に係る光変調器付半導体レーザ装置の断面斜視図である。
また図24は図23のXXIV−XXIV断面での光変調器付半導体レーザ装置の断面図である。
図23において、100は光変調器付半導体レーザ装置、100Aは光変調器部、100Bはアイソレーション部そして100Cは半導体レーザ部である。
101は光変調器・半導体レーザメサ部、102は電極パッド部、103は光変調器・半導体レーザメサ部101と電極パッド部102を分離する分離溝、104は半導体レーザ表面電極、105は半導体レーザ表面電極104上に設けられた表面メッキ層である。106は裏面側に設けられた裏面電極、107はこの裏面電極上に配設された裏面メッキ層である。
【0057】
図24において、108はInGaAsPの活性層で、この活性層108はバルク構造でもよいし、光変調器部100Aの光吸収層63と同様のMQWでも良い。109はInPガイド層、110はInGaAsPの回折格子である。
この光変調器付半導体レーザ装置100は半導体レーザ部100Cの活性層108と光変調器部100Aの光吸収層63とが同じ光軸上に繋がるようにして、同じn−InPの基板61上にアイソレーション部100Bを介して半導体レーザ部100Cと光変調器部100Aとが集積されたものである。
【0058】
図24のXXIII−XXIII断面の光変調器部100Aの構成は図2に示されたものと同様の構成である。
また図23及び図24において図1ないし図3と同じ符号は、同一のものか又は相当のものである。
この光変調器付半導体レーザ装置100は大略次のように形成されたものである。
n−InP基板61上にInGaAsP活性層108、InPガイド層109、InGaAsP回折格子110としてのInGaAsP層をMOCVD法により結晶成長する。
【0059】
その後SiO2絶縁膜を形成し、干渉露光法あるいはEB直描露光によりSiO2絶縁膜を格子状にエッチングする。格子状にエッチングしたSiO2絶縁膜をエッチングマスクとして回折格子110としてのInGaAsP層をエッチングし回折格子110を形成する。さらに回折格子110を形成したマスクを除去し、この上にp−InGaAsPのpクラッド層68を積み足し成長する。
次にSiO2絶縁膜を形成してマスクを形成し、光変調器部100Aを形成する部分をn−InP基板61が露呈するまでエッチング除去する。
次にエッチングに使用したSiO2絶縁膜のマスクを選択成長マスクとして先にエッチングした光変調器部100Aを形成する部分の基板61上にn−InGaAsPのn側光閉込層62、InGaAsP−MQWの光吸収層63、p−InGaAsPのp側光閉込層64、p−InGaAsPのpクラッド層68をMOCVD法により結晶成長する。
【0060】
さらに選択成長に使用したSiO2絶縁膜を除去した後、改めて絶縁膜を形成し、半導体レーザ部100Cの活性層108と光変調器部100Aの光吸収層63とが同じ光軸上に繋がるようにして、ストライプ状の絶縁膜を形成し、これをマスクとして、導波路リッジを形成する。
更にこのストライプ状の絶縁膜をマスクとして、導波路リッジの両側面にFeドープInP埋込層65、n−InP埋込層66及びFeドープInP埋込層65を埋め込み成長する。
【0061】
この後、導波路リッジ及びFeドープInP埋込層65とn−InP埋込層66との埋込層の上にp−InGaAsPのpクラッド層68、p−InGaAsのコンタクト層69を結晶成長し、エッチングによりコンタクト層69を光変調器部100Aと半導体レーザ部100Cとを分離するアイソレーション部分100Bをエッチングにより形成する。以後の工程は実施の形態1と同様に行う。
以上の工程において、光変調器部100Aの光吸収層63は、実施の形態1から3に記載したものと同様の構成として形成する。
【0062】
この構成による光変調器付半導体レーザ装置では、光変調器部100Aが実施の形態1から3に記載した光変調器50と同様の効果を奏するので、印加電圧が小さい領域においても、光変調器部100AのMQW全体の屈折率変動量を大きく低減することができる。
延いては、消光比劣化や光損失を少ない状態で、チャーピングの少ない光変調器付半導体レーザ装置を構成でき、安価で光伝送性能の良い光変調器付半導体レーザ装置を得ることができる。
【0063】
実施の形態5
この実施の形態は、実施の形態1ないし3の光変調器または、実施の形態5の光変調器付半導体レーザ装置を光送信機に装着し、光通信装置を構成したものである。
図25はこの発明に係る光変調器又は光変調器付半導体レーザ装置を使用した光通信装置のブロック図である。
図26は図25の光通信装置に用いる、この発明に係る光変調器又は光変調器付半導体レーザ装置を使用した光送信機のブロック図である。
【0064】
図25において光送信機110からの送信データを途中に設置した光増幅器111を経由しながら光ファイバ112を介して光受信機113に受信データとして送られる。115は、これらの機器類から構成される光通信装置である。
図26において、120はLDモジュールで、入射光を発生する半導体レーザ(LD:Laser Diode) 121、裏面光出力検出用のフォトダイオード(PD:photo Diode)122、光アイソレータ123等で構成される。フォトダイオード122で裏面光出力を検出し、裏面光出力検出回路および出力制御回路124によりLD駆動回路125で駆動電流を調整することで、光出力を一定にしている。
また、LDモジュール120は温度制御回路126により、温度を一定にされている。
【0065】
127は本発明の光変調器50が格納された光変調器モジュールである。この光変調器50はパルス発生回路128により光を変調し、送信データ光波形を形成する。
また図26の点線で囲まれた部分の半導体LD121と光変調器50とを、実施の形態4の光変調器付半導体レーザ装置100と置き換えることができる。
このように実施の形態1ないし3の光変調器または、実施の形態4の光変調器付半導体レーザ装置を装着した光通信機110は、消光比劣化や光損失を少なくしつつ、チャーピングを少なくすることができるので、この光送信機110を備えた光通信装置115では、伝送距離を大きく取ることが可能となるので、安価で信頼性の高い光通信装置を構成することができる。
【0066】
【発明の効果】
この発明に係る光変調器および光変調器付半導体レーザ装置並びに光通信装置は以上に説明したような構成を備えているので、以下のような効果を有する。
この発明に係る光変調器によれば、第1の井戸層とこの第1の井戸層の吸収スペクトルピーク波長より短い吸収スペクトルピーク波長の複数の第2の井戸層とを有する多重量子井戸構造の光吸収層を備えているので、光吸収層への電界印加による吸収係数変動を入射光の波長近傍で正負逆転し、第1の井戸層の屈折率変動を負にすることができ、光吸収層全体の正の屈折率変動を少なくすることができ、チャーピングの少ない光変調器を構成することができる。
【0067】
さらに、第1の井戸層と第2の井戸層の間に配設された障壁層を第2の井戸層の間に挟まれた障壁層よりも厚く構成にすることにより、第1の井戸層と第2の井戸層との間の結合による振動子強度低下を防止することができ、電界が印加された場合においても、第1の井戸層の吸収スペクトルピークの高さを維持できるため、効果的にチャーピングを少なくすることができる。
【0068】
またこの発明に係る光変調器付半導体レーザ装置によれば、上記に記載したこの発明にかかる光変調器のいずれか一つと半導体レーザとを同じ半導体基板上に配設したもので、構成を小型にできる、小型でチャーピングの少ない光変調器付半導体レーザ装置を構成することができる。
【0069】
またこの発明に係る光通信装置によれば、上記に記載したこの発明にかかる光変調器のいずれか一つまたは光変調器付き半導体レーザ装置を備えることにより、チャーピングが少なくて伝送距離が長く、安価な光通信装置を構成することができる
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に係る光変調器の断面斜視図である。
【図2】 図1のII−II断面での光変調器の断面図である。
【図3】 図1のIII−III断面での光変調器の断面図である。
【図4】 この発明に係る光変調器の光吸収層の断面図である。
【図5】 この発明に係る光変調器の光吸収層のエネルギーバンドダイアグラムである。
【図6】 製造工程にしたがって記載したこの発明に係る光変調器の断面図である。
【図7】 製造工程にしたがって記載したこの発明に係る光変調器の断面図である。
【図8】 製造工程にしたがって記載したこの発明に係る光変調器の断面図である。
【図9】 この発明に係る光変調器の光吸収層の均一多重量子井戸部の吸収スペクトルを示す模式図である。
【図10】 この発明に係る光変調器の光吸収層のAウエル層の吸収スペクトルを示す模式図である。
【図11】 この発明に係る光変調器の光吸収層のAウエル層のクラーマス・クローニッヒ式内の関数を示すグラフである。
【図12】 この発明に係る光変調器の屈折率変動の電圧依存性を示すグラフである。
【図13】 この発明に係る光変調器のαパラメータを示すグラフである。
【図14】 この発明に係る光変調器の消光比を示すグラフである。
【図15】 この発明に係る光変調器の光吸収層の断面図である。
【図16】 この発明に係る光変調器の光吸収層のエネルギバンドダイアグラムを示す模式図である。
【図17】 この発明に係る光変調器の光吸収層の断面図である。
【図18】 この発明に係る光変調器の光吸収層のエネルギバンドダイアグラムを示す模式図である。
【図19】 この発明に係る光変調器の光吸収層の断面図である。
【図20】 この発明に係る光変調器の光吸収層のエネルギバンドダイアグラムを示す模式図である。
【図21】 この発明に係る光変調器の光吸収層のウエル層対のエネルギバンドダイアグラムを示す模式図である。
【図22】 この発明に係る光変調器の光吸収層のウエル層対の吸収スペクトルを示す模式図である。
【図23】 この発明に係る光変調器付半導体レーザ装置の断面斜視図である。
【図24】 図23のXXIV−XXIV断面での光変調器付半導体レーザ装置の断面図である。
【図25】 この発明に係る光変調器又は光変調器付半導体レーザ装置を使用した光通信装置のブロック図である。
【図26】 この発明に係る光変調器又は光変調器付半導体レーザ装置を使用した光送信機のブロック図である。
【図27】 従来の光変調器の断面図である。
【図28】 従来の光吸収層の断面図である。
【図29】 従来の光吸収層のエネルギーダイアグラムの模式図である。
【図30】 従来の光変調器の吸収スペクトルを示す模式図である。
【図31】 従来の光変調器の光強度の時間的変化とチャーピングとの関係を示した模式図である。
【図32】 従来の光変調器の印加電圧と屈折率変動との関係を示すグラフである。
【図33】 光吸収層に印加する電界分布を示す模式図である。
【図34】 従来の光変調器の印加電圧とαパラメータの関係を示すグラフである。
【図35】 従来の光変調器の消光比の電圧依存性を示すグラフである。
【符号の説明】
61 基板、 631,635,635A Aウエル層、 636 Cウエル層対、 633 Bウエル層、 63 光吸収層、 68 pクラッド層、 632 Aバリア層、 634 Bバリア層、 50 光変調器、 100 光変調器付半導体レーザ装置、 115 光通信装置
Claims (4)
- 第1導電型の半導体基板と、
この基板上に配設された厚さとバンドギャップ波長が、それぞれ、同一の複数の井戸層、及び前記井戸層に挟まれたバンドギャップ波長が同一の複数の障壁層を有する多重量子井戸構造の光吸収層と、
この光吸収層の上に配設された第2導電型半導体の上クラッド層と、
を備えた光変調器であって、
前記半導体基板に最も近接した二つの井戸層に挟まれた障壁層の厚さを
他の障壁層より薄くすることにより、
前記光変調器に所望の消光比を得るための電圧を印加した際に、
前記二つの井戸層が結合し、他の井戸層より長い吸収スペクトルピーク波長を有する量子準位が形成される、
光変調器。 - 前記二つの井戸層と、前記二つの井戸層に隣り合う井戸層とに挟まれた障壁層の厚さを、他の障壁層よりも厚くしたことを特徴とする請求項1に記載の光変調器。
- 請求項1または2に記載の光変調器と半導体レーザとを
同じ半導体基板上に配設したことを特徴とする光変調器付き半導体レーザ装置。 - 請求項1若しくは2に記載の光変調器、または
請求項3に記載の光変調器付き半導体レーザ装置を備えたことを特徴とする光通信装置。
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