先ず最初に、図1〜図5を用いて、本発明のボックスパレットの全体構成について説明する。
ボックスパレットは、上部デッキ1aと、下部デッキ1bと、上部デッキ1aと下部デッキ1bとを連結する桁1cとを有しており、桁1c間には、フォーク挿入開口部1dが形成されている。本実施例には、一例として、桁1cが、上部デッキ1aと下部デッキ1bの角部を連結する4つの隅桁1c1と、隅桁1c1間に位置する、上部デッキ1aと下部デッキ1bとを連結する4つの中間桁1c2と、上部デッキ1aと下部デッキ1bの中央部を連結する1つの中央桁1c3とから構成されている例が示されている。
上部デッキ1aの一方の相対する辺部には、低部土手2が立設されており、また、上部デッキ1aのもう一方の相対する辺部には、低部土手2より高さの高い高部土手3が立設されている。高部土手3の両端部には、低部土手2方向に延在するとともに、高部土手3と同じ高さで縦長の端部延長部4が形成されており、端部延長部4の中程には、低部土手2側が開放された嵌合凹部4aが形成されている。
低部土手2には、適当数の雌ヒンジ部H1が形成されており、図4に示されているように、雌ヒンジ部H1は、低部土手2の内面(ボックスパレットの内側に位置する面)2aに平行で略垂直な奥壁h1と該奥壁h1に略垂直な相対する側壁h2と底板h3とを有しており、奥壁h1と相対する部分には開口部h4が形成されている。また、相対する側壁h2には、縦方向の嵌合溝h2aがそれぞれ形成されており、更に、低部土手2の内面2a側に位置する底板h3には、上記の内面2aに平行な当接突条h3aが突設されている。更にまた、奥壁h1の下部には、方形状の透孔h1aが形成されている。なお、本実施例には、一例として、上記の雌ヒンジ部H1が6個形成されている例が示されている。
高部土手3の両端部付近には、上述した雌ヒンジ部H1と同様の雌ヒンジ部H2が形成されており、この雌ヒンジ部H2も、略垂直な奥壁h1と該奥壁h1に略垂直な相対する側壁h2と底板h3とを有しており、奥壁h1と相対する部分には開口部h4が形成されている。また、相対する側壁h2には、縦方向の嵌合溝h2aが形成されている。雌ヒンジ部H2は、上述した低部土手2に形成された雌ヒンジ部H1とは、深さ(低部土手2或いは高部土手3の上面から、底板h3までの距離)が異なるとともに、底板h3に突設された当接突条h3a及び奥壁h1に形成された透孔h1aは形成されていない。
高部土手3の両端部付近に形成された雌ヒンジ部H2の間に位置する高部土手3には、嵌合空間部C1が形成されており、嵌合空間部C1は、図5に示されているように、高部土手3の内面(ボックスパレットの内側に位置する面)3aに平行で略垂直な奥壁c1と該奥壁c1に略垂直な相対する側壁c2と底板c3と高部土手3の内面3aに略面一で所定の高さを有する内壁c4とを有している。また、奥壁h1と相対する部分には、相対する側壁c2と内壁c4とにより区画された開口部c5が形成されている。上記の嵌合空間部C1の下部には、奥壁c1と相対する側壁c2と底板c3と内壁c4とにより形成された嵌合凹部C1’が形成されている。なお、本実施例には、一例として、上記の雌ヒンジ部H2が2個及び嵌合空間部C1が2個形成されている例が示されている。
図3に示されているように、ボックスパレットの下部デッキ1bの裏面1b1には、下部デッキ1bより内側に位置する略方形状の嵌合突部5が形成されており、嵌合突部5は、周壁5aと底面5bとから形成されている。また、4つの中間桁1c2付近に位置する嵌合突部5の周壁5aには、嵌合突部5を、中間桁1c2の外面1c2’方向に、該外面1c2’まで延長することにより、4つの略方形状の補助突部6が形成されている。
更に、上部デッキ1aに形成された低部土手2の上面2bの中央部には、所定の間隔をおいて、一対の嵌合突部7が突設されているとともに、上部デッキ1aに形成された高部土手3の上面3bの中央部には、嵌合凹部8が形成されている。
次に、図6〜図9を用いて、ボックスパレットを構成する側壁のうち、略垂直に立てられた状態から、最初に、上部デッキ1aに重なるように倒される相対する側壁(以下、単に、先行傾倒側壁という。)10について説明する。
先行傾倒側壁10は、略方形状の板部10aと、板部10aの外面(ボックスパレットの外側に位置する面)10a’の上端に形成された上端フランジ10bと、板部10aの下端に形成された下端フランジ10cと、板部10aの左右端に形成された相対する側端フランジ10dとを有している。
先行傾倒側壁10の側端フランジ10dの外側には、側端フランジ10dの下部を残して、板部10aを延長することにより、縦長の帯状の雄型枠部10eが形成されており、雄型枠部10eの垂直端付近の外面(ボックスパレットの外側に位置する面)には、垂直端に沿って、適当数の板状の嵌合突部10e1が形成されている。なお、本実施例には、一例として、4個の嵌合突部10e1が形成されている例が示されている。
また、雄型枠部10eの下方に位置する先行傾倒側壁10の側端フランジ10dの外面(板部10aに対して略垂直で、且つ、板部10aに対して、反対側に位置する面)10d1には、側端フランジ10dの外面10d1に略垂直な箱型状の持ち上がり防止ブロック10fが突設されている。この持ち上がり防止ブロック10fは、先行傾倒側壁10を立てた際に、上述した上部デッキ1aに形成された端部延長部4の嵌合凹部4aに嵌合されるように構成されている。
更に、先行傾倒側壁10の上端フランジ10bの略中央部には、上端フランジ10bを下方に凹ますことにより、上述した下部デッキ1bの裏面に形成された補助突部6が嵌合される嵌合凹部10gが形成されている。嵌合凹部10gは、互いに離反する方向に延在する相対する傾斜側部10g1と底部10g2とから、略逆台形状に形成されており、後述するように、底部10g2の長さは、補助突部6の長さ(嵌合突部5の周壁5aに沿った長さ)と略同じに形成されている。
更にまた、下端フランジ10cの裏面には、図7に示されているように、上述した低部土手2に形成された雌ヒンジ部H1に対応して、雄ヒンジ部H1’が形成されている。雄ヒンジ部H1’は、下端フランジ10cの裏面に対して垂直で、且つ、雌ヒンジ部H1の開口部h4に挿入可能な嵌合基部h5を有しており、嵌合基部h5は、半円形状の先端部h5a’を有する複数の帯状板部h5aと、先行傾倒側壁10の板部10aを帯状板部h5aの半円形状の先端部h5a’まで延在することにより形成された連結板部h5bとを有している。また、外側に位置する帯状板部h5aの下端部には、雌ヒンジ部H1の相対する側壁h2に形成された嵌合溝h2aに嵌合される短軸h5cが突設されており、更に、帯状板部h5aの半円形状の先端部h5a’の下端には、下端フランジ10cの長さ方向に沿って、係止突条h5dが突設されている。
先行傾倒側壁10を構成する略方形状の板部10aの外面10a’の相対する上部角部付近には、図8及び図9に示されているように、側端フランジ10dと、側端フランジ10dと平行な端部側垂直リブ10hと、上端フランジ10bと平行な上部水平リブ10iと、上部水平リブ10iの下方に位置するとともに上部水平リブ10iと平行な下部水平リブ10jとにより囲まれたロック部材挿入空間A1が、それぞれ形成されている。
ロック部材挿入空間A1内に位置する板部10aに、一対の水平スリットs1と、一対の水平スリットs1の側端フランジ10d側の端部を連結する垂直スリットs2を形成することにより、ロック部材挿入空間A1に配設される後述するロック部材のロック部材挿入空間A1からの脱落を防止するための弾性舌片(以下、ロック部材脱落防止用弾性舌片という。)11が形成されている。ロック部材脱落防止用弾性舌片11の自由端部の外面(ボックスパレットの外側に位置する面)には、側端フランジ10d側に位置する面が、側端フランジ10dに略平行な垂直面11a’として形成されているとともに、ロック部材脱落防止用弾性舌片11に向かって下方に傾斜した2条の傾斜面11a”を有す突起部11aが形成されている。
ロック部材挿入空間A1内に位置する側端フランジ10dには、補強ブロック12が連接されているとともに、側端フランジ10dと補強ブロック12には、縦長のロック部挿入透孔s3が穿設されている。また、ロック部材挿入空間A1内に位置する上部水平リブ10iの裏面及び下部水平リブ10jの上面には、相対するように、且つ、板部10aと平行な案内突条13が形成されている。更に、ロック部挿入透孔s3を形成する内面のうち、側端フランジ10dの先端側に位置する内面s3aに切込み凹部10d3を形成することにより、上記の内面s3aには、側端フランジ10dに略平行な係止面10d3’が形成されている。なお、切込み凹部10d3が形成されている内面s3aと対向する内面(板部10a側に位置し、板部10aと平行な内面)s3bには、所定の間隔を置いて、板部10aと平行な案内突条14が形成されている。
上述した突起部11aを有するロック部材脱落防止用弾性舌片11、案内突条13、ロック部挿入透孔s3等により、後述するロック部材Uの保持部材Lが形成されている。
次に、図10〜11を用いて、ロック部材挿入空間A1内に配設されるロック部材Uについて説明する。
ロック部材Uは、相対する縦長の長方形状の垂直側壁u1aと相対する水平側壁u1bとにより、略角筒状に形成された角筒部u1を有しているとともに、角筒部u1の中程に形成された隔壁u1’とを有している。また、角筒部u1を形成する相対する垂直側壁u1aの一方の垂直側壁u1aには、該垂直側壁u1aに垂直で、且つ、垂直側壁u1aの上下方向に沿った略厚板状のロック部u2が形成されている。また、角筒部u1を形成する相対する垂直側壁u1aのもう一方の垂直側壁u1aには、上述した先行傾倒側壁10のロック部材挿入空間A1内に位置する板部10aに形成されたロック部材脱落防止用弾性舌片11の突起部11aが通過可能な切欠き部u3が形成されている。更に、ロック部u2に、一対の水平スリットs4と、一対の水平スリットs4のロック部u2の先端側に位置する端部を連結する垂直スリットs5を形成することにより、弾性舌片u4が形成されており、弾性舌片u4の自由端部には、係止突起u4aが突設されている。更にまた、角筒部u1を形成する相対する水平側壁u1bには、ロック部u2に沿って、それぞれ、水平突片u5が突設されている。なお更に、ロック部u2の裏面(ロック部材Uを、先行傾倒側壁10のロック部材挿入空間A1内に配設した際に、先行傾倒側壁10の板部10aと対向する面)には、一対の嵌合水平溝u2aが形成されている。なお、u6は、切欠き部u3が形成されている垂直側壁u1aと切欠き部u3が形成されていない垂直側壁u1aとを連結する補強水平リブであり、補強水平リブu6は、切欠き部u3内に突設しないように構成されている。なお、ロック部u2の両面には、必要に応じて、上記の嵌合水平溝と同様で、且つ、嵌合水平溝u2aに対して略平行な水平溝u2bを、適当数、形成することができる。
次に、図12〜図14を用いて、先行傾倒側壁10への上述したロック部材Uの取り付けについて説明する。
ロック部材Uを構成する弾性舌片u4の係止突起u4aが、表側(先行傾倒側壁10の板部10aに対して、反対側)に位置し、また、垂直側壁u1aに形成された切欠き部u3が、裏側(先行傾倒側壁10の板部10aと対向する側)に位置するように、ロック部材Uを、先行傾倒側壁10に形成されたロック部材挿入空間A1内に配設する。このように、ロック部材Uを、先行傾倒側壁10に形成されたロック部材挿入空間A1内に配設した際には、ロック部材Uのロック部u2の先端が、先行傾倒側壁10に形成された側端フランジ10dと補強ブロック12に穿設されているロック部挿入透孔s3のロック部材挿入空間A1側の開口付近に位置するとともに、切欠き部u3が形成されていない垂直側壁u1aが、ロック部材Uを構成する弾性舌片u4の係止突起u4aより、端部側垂直リブ10h側に位置するように構成されている。この状態が、図12及び図13に示されている。
次いで、ロック部材Uのロック部u2が、先行傾倒側壁10の側端フランジ10dと補強ブロック12に穿設されているロック部挿入透孔s3に挿入されるように、ロック部材Uを、側端フランジ10d方向に移動させる。この、ロック部材Uを、側端フランジ10d方向に移動させる過程において、ロック部材Uの相対する水平側壁u1bに形成された水平突片u5が、先行傾倒側壁10の上部水平リブ10iの裏面及び下部水平リブ10jの上面に形成された案内突条13の裏側で、且つ、案内突条13に接近して位置するように構成されている。また、ロック部材Uを、側端フランジ10d方向に移動させる過程において、ロック部材Uの切欠き部u3が形成されていない垂直側壁u1aが、ロック部材挿入空間A1内に位置する板部10aに形成されたロック部材脱落防止用弾性舌片11の突起部11aに当接し、ロック部材脱落防止用弾性舌片11を、ロック部材Uから遠ざかる方向に弾性変形させることになり、ロック部材Uの切欠き部u3が形成されていない垂直側壁u1aが、上記の突起部11aの傾斜面11a”の沿って移動し、突起部11aを越えた時点で、ロック部材脱落防止用弾性舌片11が、その弾性変形に起因する弾性復元力により、上記の板部10aと略面一な元の位置に戻ることにより、切欠き部u3が形成されていない垂直側壁u1aの内面(略角筒状の本体U1の内部側に位置する面)u1a’が、ロック部材脱落防止用弾性舌片11の突起部11aの略垂直な先端面11a’に接近して位置するように構成されている。更に、ロック部材Uのロック部u2が、先行傾倒側壁10の側端フランジ10dと補強ブロック12に穿設されているロック部挿入透孔s3に挿入された際には、ロック部u2に形成された一対の嵌合水平溝u2aには、先行傾倒側壁10の側端フランジ10dと補強ブロック12に穿設されているロック部挿入透孔s3の内面s3bに突設されている案内突条14が挿入されるように構成されている。
上述したように、ロック部材Uのロック部u2が、先行傾倒側壁10の側端フランジ10dと補強ブロック12に穿設されているロック部挿入透孔s3に挿入され、ロック部材Uの切欠き部u3が形成されていない垂直側壁u1aの内面u1a’が、ロック部材挿入空間A1内に位置する板部10aに形成されたロック部材脱落防止用弾性舌片11の突起部11aの略垂直な先端面11a’に当接或いは接近して位置している状態においては、図14に示されているように、ロック部材Uのロック部u2の先端が、側端フランジ10dを越えて、外側(雄型枠部10e側)に突出しないように構成されている。なお、先行傾倒側壁10の雄型枠部10eに形成された適当数の嵌合突部10e1は、ロック部挿入透孔s3から外側に突出したロック部材Uのロック部u2に干渉しないように、ロック部挿入透孔s3付近には形成されていない。
次に、図15及び図16を用いて、ボックスパレットを構成する側壁のうち、略垂直に立てられた状態から、最初に、上部デッキ1aに重なるように倒される相対する先行傾倒側壁10に次いで、上部デッキ1a方向に倒される側壁(以下、単に、後行傾倒側壁という。)20について説明する。
正面形状が、略U字状の後行傾倒側壁20は、所定の間隔を置いて配置された相対する垂直側壁部20aと垂直側壁部20aの下部を連結する下部水平側壁部20bとを有しており、相対する垂直側壁部20aと下部水平側壁部20bとにより、扉嵌合凹部A2が形成されている。
垂直側壁部20aの扉嵌合凹部A2に対して反対側に位置する垂直端には、垂直側壁部20aに略垂直な縦長の帯状の雌型枠部20cが形成されており、一対の雌型枠部20cの相対する対向面(垂直側壁部20aを形成する板部20a1に対して略垂直な面)には、上述した先行傾倒側壁10の雄型枠部10eに形成された嵌合突部10e1が嵌合される嵌合凹部20c1が形成されているとともに、雌型枠部20cの先端面(垂直側壁部20aを形成する板部20a1に対して略平行な面)には、上述した先行傾倒側壁10に配設されたロック部材Uのロック部u2が嵌合されるロック部用嵌合凹部20c2が形成されている。
また、垂直側壁部20aを形成する板部20a1の外面(ボックスパレットの外側に位置する面)20a1’の上端に形成された上端フランジ20dの下方に位置する上部水平リブ20e1と、垂直側壁部20aの扉嵌合凹部A2側の垂直縁に形成された垂直フランジ20fと、垂直フランジ20fと平行で、且つ、雌型枠部20c側に形成された雌型枠部側垂直リブ20gと、上部水平リブ20e1の下方に位置するとともに上部水平リブ20e1と平行な下部水平リブ20e2とにより囲まれた、上述したロック部材挿入空間A1と同様のロック部材挿入空間A3が、垂直側壁部20aに形成されている。
上述した垂直側壁部20aに形成されたロック部材挿入空間A3内にも、上述した先行傾倒側壁10に形成されたロック部材脱落防止用弾性舌片11、案内突条13、ロック部挿入透孔s3等からなるロック部材Uの保持部材Lが形成されている。この垂直側壁部20aの扉嵌合凹部A3にも、ロック部材挿入空間A1へのロック部材Uと同様な取り付け手段により、ロック部材Uが配設されている。なお、ロック部挿入透孔s3は、垂直フランジ20f及び垂直フランジ20fに連接された上述した補強ブロック12に形成されている。
後行傾倒側壁20を構成する垂直側壁部20aの板部20a1を、垂直フランジ20fを越えて、扉嵌合凹部A2内に延在することにより、縦長の帯状の雌型枠部20hが形成されており、雌型枠部20hの外面(ボックスパレットの外側に位置する面)20h’には、適当数の嵌合凹部20h1が形成されている。なお、本実施例には、一例として、3個の嵌合凹部20h1が形成されている例が示されている。
また、後行傾倒側壁20を構成する下部水平側壁部20bの下端フランジ20b1の裏面の両端部付近には、上述した高部土手3の両端部付近に形成された雌ヒンジ部H2に対応して、上述した先行傾倒側壁10の下端フランジ10cの裏面に形成された雄ヒンジ部H1’と同様の嵌合基部h5、短軸h5c等からなる雄ヒンジ部H2’が形成されている。
更に、上述した雄ヒンジ部H2’間に位置する下部水平側壁部20bの下端フランジ20b1の裏面には、適当数の厚板状の嵌合ブロックEが垂設されている。嵌合ブロックEは、高部土手3に形成された嵌合空間部C1に嵌合されるように構成されており、嵌合ブロックEの先端部には、嵌合空間部C1の下部に形成された嵌合凹部C1’に嵌合される嵌合先端部E’が形成されている。嵌合先端部E’以外の嵌合ブロックEの内面(ボックスパレットの内側に位置する面)e1は、下部水平側壁部20bの内面(ボックスパレットの内側に位置する面)20b2と略面一に形成されており、また、嵌合先端部E’以外の嵌合ブロックEの内面e1と嵌合先端部E’との境界に段差e2を形成することにより、嵌合先端部E’が薄肉状に形成されている。後述するように、後行傾倒側壁20を、上部デッキ1a方向に倒した際には、上記の嵌合ブロックEは、高部土手3に形成された嵌合空間部C1の開口部c5に挿入されるように構成されている。
後行傾倒側壁20を構成する下部水平側壁部20bの上端フランジ20b3側には、所定の間隔を置いて、凹部20iが形成されており、凹部20iを形成する相対する側壁20i1間には、ヒンジ軸20jが架橋されている。本実施例には、一例として、3個の凹部20iが形成されている例が示されている。
また、後行傾倒側壁20を構成する下部水平側壁部20bの内面20b2のうち、上述したヒンジ軸20j付近に位置する内面20b2を、凹ますことにより、正面形状が、略逆台形状の嵌合窪み部20kが形成されている。略逆台形状の嵌合窪み部20kは、奥壁面20k1と、相対するとともに、上方に行くに従って、互いに離反するように傾斜された相対する傾斜面20k2と、底面20k3とから形成されている。更に、上述したような嵌合窪み部20kを形成することにより、嵌合窪み部20k間に位置する下部水平側壁部20bの内面20b2には、略台形状の嵌合突出部20mが形成されている。本実施例においては、3個の略逆台形状の嵌合窪み部20kが形成されているので、2個の略台形状の嵌合突出部20mが形成されることになる。
次に、図17及び図18を用いて、後行傾倒側壁20に形成された扉嵌合凹部A2に嵌合される扉Dについて説明する。
扉Dは、略方形状の板部d1を有しており、板部d1の外面(ボックスパレットの外側に位置する面)d1’の上端には上端フランジd2が形成されているとともに、板部d1の外面d1’の下端には、下端フランジd3が形成されており、更に、板部d1の外面d1’の左右端には、相対する側端フランジd4が形成されている。
また、扉Dには、板部d1を延長することにより、縦長の帯状の雄型枠部d5が形成されており、雄型枠部d5の垂直端付近の内面(ボックスパレットの内側に位置する面)には、垂直端に沿って、適当数の板状の嵌合突部d5aが形成されている。なお、本実施例には、一例として、3個の嵌合突部d5aが形成されている例が示されている。更に、雄型枠部d5の端側面(板部d1に垂直な面)d5bには、後行傾倒側壁20を構成する垂直側壁部20aに形成されたロック部材挿入空間A3内に配設されたロック部材Uのロック部u2の先端部が挿入されるロック部用嵌合凹部d6が形成されている。
更に、扉Dの下端フランジd3には、所定の間隔を置いて、凹部d7が形成されており、凹部d7を形成する相対する側壁d7a間には、ヒンジ軸d8が架橋されている。なお、本実施例には、一例として、3個の凹部d7が形成されている例が示されている。ヒンジ軸d8は、上述した後行傾倒側壁20に形成されたヒンジ軸20jと同じ長さ及び同じ径に形成されている。
更にまた、扉Dの下端フランジd3の裏面には、上述した凹部d7に跨がるように、略逆台形状の嵌合突片d9が垂設されている。なお更に、扉Dの上端フランジd2の中央部には、上述した下部デッキ1bの裏面に形成された補助突部6が挿入される幅広凹部d10が形成されている。幅広凹部d10は、互いに離反する方向に延在する相対する傾斜側部d10aと底部d10bとから形成されており、底部d10bの幅W1は、補助突部6の幅(嵌合突部5の周壁5aに沿った長さ)W2より広く形成されており、好ましくは、倍以上、広く形成されている。上記のように、略逆台形状の嵌合突片d9を形成することにより、略逆台形状の嵌合突片d9間には、略台形状の嵌合凹部d11が形成されている。本実施例には、3個の略逆台形状の嵌合突片d9が垂設されている例が示されており、従って、略逆台形状の嵌合突片d9間に形成される略台形状の嵌合凹部d11は、2箇所形成されている。
上述した略台形状の嵌合凹部d11の下端の間隔W3は、後行傾倒側壁20を構成する下部水平側壁部20bの内面20b2に形成された略台形状の嵌合突出部20mの上端の幅W4より広く形成されているとともに、略台形状の嵌合凹部d11の上端の間隔W3’は、略台形状の嵌合突出部20mの上端の幅W4と略同じに形成されており、更に、略台形状の嵌合凹部d11の下端の間隔W3は、略台形状の嵌合突出部20mの下端の幅W4’と略同じに形成されている。
また、後行傾倒側壁20を構成する下部水平側壁部20bの内面20b2に形成された略逆台形状の嵌合窪み部20kの上端の間隔W5は、扉Dの下端フランジd3の裏面に形成された略逆台形状の嵌合突片d9の下端の幅W6より広く形成されているとともに、略逆台形状の嵌合窪み部20kの下端の間隔W5’は、略逆台形状の嵌合突片d9の下端の幅W6と略同じに形成されており、更に、略逆台形状の嵌合窪み部20kの上端の間隔W5は、略逆台形状の嵌合突片d9の上端の幅W6’と略同じに形成されている。
次に、図19及び図20を用いて、扉Dを、後行傾倒側壁20に形成された扉嵌合凹部A2に取り付けるための連結部材Nについて説明する。
連結部材Nは、同一構成を有する一対の箱型状の半割り部N’から形成されており、半割り部N’は、略長方形状の基板n1と、基板n1に対して略垂直な周側壁n2とを有しており、周側壁n2は、相対する長側部n2aと相対する短側部n2bとから構成されている。また、半割り部N’には、長側部n2aに沿って、半割り部N’を2等分するように、周側壁n2と同じ高さの長辺区画壁n3が形成されているとともに、短側部n2bに沿って、半割り部N’を2等分するように、周側壁n2と同じ高さの短辺区画壁n4が形成されている。このような長辺区画壁n3と短辺区画壁n4とを形成することにより、半割り部N’は、4つの区画室n5a、n5b、n5c、n5dに区画されている。
一方の対角線上に位置する区画室n5bと区画室n5c内に位置する基板n1には、短側部n2b及び短辺区画壁n4に略平行で、且つ、所定の間隔を置いて、相対する一対の厚板状の軸受部n6が立設されており、軸受部n6は、長側部n2aと長辺区画壁n3に連結されている。また、相対する一対の軸受部n6間の間隔は、上述した扉Dに形成されたヒンジ軸d8と後行傾倒側壁20に形成されたヒンジ軸20jの径と、略同じ間隔を有しているとともに、軸受部n6の高さ(基板n1の上面からの高さ)は、周側壁n2の高さ(基板n1の上面からの高さ)の略倍に形成されている。更に、相対する一対の軸受部n6の下部には、係止透孔n6aが穿設されているとともに、相対する一対の軸受部n6間に位置する長側部n2a及び長辺区画壁n3には、それぞれ、上記のヒンジ軸d8、20jの略半分が嵌合される半円形状凹部n7が形成されている。
もう一方の対角線上に位置する区画室n5aと区画室n5d内に位置する基板n1には、短側部n2b及び短辺区画壁n4に略平行で、且つ、所定の間隔を置いて、相対する一対の弾性変形可能な厚板状の弾性係止部n8が立設されており、相対する一対の弾性係止部n8の相対する側面の上端部には、係止突起n8aが突設されている。なお、弾性係止部n8は、長側部n2aと長辺区画壁n3に連結されておらず、弾性係止部n8と長側部n2a及び弾性係止部n8と長辺区画壁n3との間には、間隙が形成されている。また、相対する一対の弾性係止部n8の間隔は、上述した相対する一対の軸受部n6が嵌合可能な間隔に形成されている。換言すれば、相対する一対の弾性係止部n8の互いに相対する内壁間の内幅W7は、相対する一対の軸受部n6の相対する内壁と反対側の外壁間の外幅W8と略同じに形成されている。更に、相対する一対の弾性係止部n8間に位置する中心線は、長辺区画壁n3を挟んで位置する相対する一対の軸受部n6間に位置する中心線と一致するように配置されているとともに、弾性係止部n8の高さ(基板n1の上面からの高さ)は、軸受部n6の高さ(基板n1の上面からの高さ)と同じに形成されている。なお、基板n1に穿設されている複数(8個)の透孔n9は、連結部材Nの半割り部N’を、合成樹脂で一体成形するために形成された金型の抜き孔である。
次に、上述した一対の半割り部N’からなる連結部材Nを用いて、扉Dの後行傾倒側壁20に形成された扉嵌合凹部A2への取り付けについて説明する。
先ず最初に、扉Dを、後行傾倒側壁20と略面一になるように、後行傾倒側壁20に形成された扉嵌合凹部A2に嵌合させる。次いで、図21に示されているように、扉Dに形成されたヒンジ軸d8と該ヒンジ軸d8と所定の間隔を置いて位置する後行傾倒側壁20に形成されたヒンジ軸20jとの下方に、一方の半割り部N’の短側部n2bが、ヒンジ軸d8、20jと略平行になるように挿入し、その後、扉D側のヒンジ軸d8と後行傾倒側壁20側のヒンジ軸20jとを、それぞれ、対角位置にある区画室n5bと区画室n5cとに形成された相対する一対の軸受部n6間に嵌合するとともに、扉D側のヒンジ軸d8と後行傾倒側壁20側のヒンジ軸20jとを、それぞれ、相対する長側部n2a及び長辺区画壁n3に形成された半円形状凹部n7に嵌合する。
次いで、もう一方の半割り部N’を、一方の半割り部N’の相対する一対の軸受部n6と、もう一方の一方の半割り部N’の相対する一対の弾性係止部n8とが、それぞれ対向するように、扉D側のヒンジ軸d8と後行傾倒側壁20側のヒンジ軸20jの上に配置する。その後、扉D側のヒンジ軸d8と後行傾倒側壁20側のヒンジ軸20jとが、もう一方の半割り部N’に形成された相対する一対の軸受部n6間に嵌合するとともに、もう一方の半割り部N’の長側部n2a及び長辺区画壁n3に形成された半円形状凹部n7に嵌合するように、もう一方の半割り部N’を、一方の半割り部N’に接近させる。このように、もう一方の半割り部N’を、一方の半割り部N’に接近させると、図22に示されているように、一方の半割り部N’の相対する一対の軸受部n6は、該軸受部n6と対向するもう一方の半割り部N’の相対する一対の弾性係止部n8間に嵌合することになるが、この相対する一対の軸受部n6の相対する一対の弾性係止部n8間への嵌合過程において、軸受部n6の外壁が、弾性係止部n8の係止突起n8aに当接し、相対する一対の弾性係止部n8の先端部が、互いに離反する方向に弾性変形されることになる。そして、更に、もう一方の半割り部N’を、一方の半割り部N’に接近させると、弾性係止部n8の係止突起n8aが、軸受部n6の下部に穿設された係止透孔n6aに到達するとともに、互いに離反する方向に弾性変形されていた弾性係止部n8が、弾性変形に起因する弾性復元力により、その先端部が、互いに接近する方向に移動し、図23(図23には、扉D側のヒンジ軸d8と後行傾倒側壁20側のヒンジ軸20jとは省略されている。)に示されているように、弾性係止部n8の係止突起n8aが、軸受部n6の下部に穿設された係止透孔n6aに嵌合することになる。このようにして、図22や図24に示されているように、扉D側のヒンジ軸d8と後行傾倒側壁20側のヒンジ軸20jとが、一対の半割り部N’からなる連結部材Nによりヒンジ連結されることになり、従って、扉D側のヒンジ軸d8と後行傾倒側壁20側のヒンジ軸20jとの2軸が、連結部材Nによりヒンジ連結された二軸構造のヒンジ連結が形成されることになる。
上述したように、扉D側のヒンジ軸d8と後行傾倒側壁20側のヒンジ軸20jとが、一対の半割り部N’からなる連結部材Nによりヒンジ連結された際には、一方の半割り部N’の相対する一対の軸受部n6が、該軸受部n6と対向するもう一方の半割り部N’の相対する一対の弾性係止部n8間に嵌合され挟持されるように構成されているので、相対する一対の軸受部n6間に位置するヒンジ軸d8、20jに、軸受部n6を押圧するような負荷が加わっても、相対する一対の軸受部n6と相対する一対の弾性係止部n8との両方により、負荷を負担するので、相対する一対の軸受部n6のみにより、ヒンジ軸d8、20jを支持する場合に比べて、軸受部n6が変形したり損傷するようなことを確実に防止することができる。
また、一方の半割り部N’の相対する一対の軸受部n6が、該軸受部n6と対向するもう一方の半割り部N’の相対する一対の弾性係止部n8間に嵌合され挟持されるように構成されているので、ヒンジ軸d8、20jのがたつきを抑制することがきるとともに、扉Dの開閉作業を、円滑に行うことができる。
次に、先行傾倒側壁10の低部土手2への取り付け及び後行傾倒側壁20の高部土手3への取り付けについて説明する。
先行傾倒側壁10の下端フランジ10cの裏面に形成された雄ヒンジ部H1’の嵌合基部h5を、低部土手2に形成された雌ヒンジ部H1に挿入するとともに、嵌合基部h5に突設された一対の短軸h5cを、雌ヒンジ部H1の相対する側壁h2に形成された嵌合溝h2aに嵌合することにより、低部土手2に、先行傾倒側壁10を取り付ける。
また、後行傾倒側壁20を構成する下部水平側壁部20bの下端フランジ20b1の裏面の両端部付近に形成された雄ヒンジ部H2’の嵌合基部h5を、高部土手3の両端部付近に形成された雌ヒンジ部H2に挿入するとともに、嵌合基部h5に突設された一対の短軸h5cを、雌ヒンジ部H2の相対する側壁h2に形成された嵌合溝h2aに嵌合する。更に、後行傾倒側壁20の下端フランジ20b1の裏面に形成された嵌合ブロックEを、その嵌合先端部E’が、高部土手3に形成された嵌合空間部C1の嵌合凹部C1’に嵌合するように、高部土手3に形成された嵌合空間部C1に挿入することにより、高部土手3に、後行傾倒側壁20を取り付ける。
先行傾倒側壁10及び後行傾倒側壁20が、略垂直に立てられた際には、先行傾倒側壁10の雄型枠部10eに形成されている嵌合突部10e1が、後行傾倒側壁20の雌型枠部20cに形成されている嵌合凹部20c1に嵌合されているとともに、先行傾倒側壁10の側端フランジ10dの外面10d1に突設されている持ち上がり防止ブロック10fが、高部土手3の両端部に延設された端部延長部4に形成されている嵌合凹部4aに嵌合されている。このように、先行傾倒側壁10の側端フランジ10dの外面10d1に突設されている持ち上がり防止ブロック10fが、端部延長部4に形成されている嵌合凹部4aに嵌合されているので、垂直に立てられた先行傾倒側壁10を持ち上げようとしても、先行傾倒側壁10が、低部土手2から持ち上がるようなことがなく、また、垂直に立てられた後行傾倒側壁20を、持ち上げようとしても、先行傾倒側壁10の雄型枠部10eに形成されている嵌合突部10e1が、後行傾倒側壁20の雌型枠部20cに形成されている嵌合凹部20c1に嵌合されているので、後行傾倒側壁20が、高部土手3から持ち上がるようなことがない。従って、垂直に立てられた先行傾倒側壁10及び後行傾倒側壁20が、低部土手2及び高部土手3から持ち上がるようなことを防止することができる。
また、先行傾倒側壁10及び後行傾倒側壁20が、略垂直に立てられた際には、先行傾倒側壁10に配設されたロック部材Uのロック部u2が、後行傾倒側壁20の雌型枠部20cに形成されたロック部用嵌合凹部20c2に嵌合するように構成されている。従って、先行傾倒側壁10が、上部デッキ1a方向に倒れるようなことがない。
上述したように、先行傾倒側壁10に配設されたロック部材Uのロック部u2が、後行傾倒側壁20の雌型枠部20cに形成されたロック部用嵌合凹部20c2に嵌合されたロック状態においては、図25に示されているように、ロック部材Uのロック部u2に形成された弾性舌片u4の係止突起u4aが、側端フランジ10dと補強ブロック12にに穿設されたロック部挿入透孔s3を形成する内面s3a形成された切込み凹部10d3の係止面10d3’に係合されるように構成されており、従って、ロック部材Uが、簡単には、上記のロック部用嵌合凹部20c2から抜け出ないように構成されている。
垂直状態の先行傾倒側壁10及び後行傾倒側壁20を、上部デッキ1aに重なるように倒すために、先行傾倒側壁10に配設されたロック部材Uのロック部u2を、後行傾倒側壁20の雌型枠部20cに形成されたロック部用嵌合凹部20c2から排出させる際には、ロック部材Uを、先行傾倒側壁10の中央部方向に移動させて、ロック部材Uのロック部u2に形成された弾性舌片u4の係止突起u4aと上述したロック部挿入透孔s3を形成する内面s3aに形成された切込み凹部10d3の係止面10d3’との係合状態を、強制的に解除するとともに、ロック部材Uのロック部u2を、上記のロック部用嵌合凹部20c2から排出させて、ロック部材Uによる先行傾倒側壁10と後行傾倒側壁20とのロック状態を解除する。
上述したように、ロック部材Uを、先行傾倒側壁10の中央部方向に移動させて、先行傾倒側壁10に配設されたロック部材Uのロック部u2を、後行傾倒側壁20の雌型枠部20cに形成されたロック部用嵌合凹部20c2から排出させて、ロック部材Uによる先行傾倒側壁10と後行傾倒側壁20とのロック状態を解除した時点では、図14に示されているように、ロック部材Uの切欠き部u3が形成されていない垂直側壁u1aが、ロック部材挿入空間A1内に位置する板部10aに形成されたロック部材脱落防止用弾性舌片11の突起部11aの垂直面11a’に当接し、ロック部材Uがそれ以上、先行傾倒側壁10の中央部方向に移動しないように構成されている。従って、ロック部材Uが、大きく先行傾倒側壁10の中央部方向に移動し、ロック部材Uのロック部u2が、側端フランジ10dと補強ブロック12にに穿設されたロック部挿入透孔s3から抜け出て、ロック部材Uが、ロック部材挿入空間A1から外れるようなことを防止することができる。
また、先行傾倒側壁10が、略垂直に立てられた際には、図26に示されているように、雌ヒンジ部H1を構成する帯状板部h5aの半円形状の先端部h5a’の下端に突設されている係止突条h5dが、低部土手2の内面2a側に位置する底板h3に形成された当接突条h3aの奥壁h1側の垂直面h3a’(図4に示されている。)に当接するように構成されている。従って、略垂直に立てられた状態の先行傾倒側壁10に、外側から負荷が加わった際には、負荷を、上記の当接突条h3aの奥壁h1側の垂直面h3a’に当接している係止突条h5dにより負担することができるので、雌ヒンジ部H1の相対する側壁h2に形成された嵌合溝h2aに嵌合されている雄ヒンジ部H1’の短軸h5cに加わる負担が軽減化され、よって、短軸h5cが変形したり損傷するようなことを防止することができる。
略垂直に立てられた後行傾倒側壁20の扉嵌合凹部A2が、扉Dで閉鎖されている状態においては、図27に示されているように、扉Dの下端フランジd3の裏面に形成された略逆台形状の嵌合突片d9が、後行傾倒側壁20を構成する下部水平側壁部20bの内面20b2に形成された略逆台形状の嵌合窪み部20kに嵌合されているので、扉Dに、内側から負荷が加わった際には、負荷を、上記の略逆台形状の嵌合窪み部20kと、該嵌合窪み部20kに嵌合されている上記の略逆台形状の嵌合突片d9とにより負担することができるので、扉D側のヒンジ軸d8と後行傾倒側壁20側のヒンジ軸20jに加わる負荷が軽減化され、従って、扉D側のヒンジ軸d8及び後行傾倒側壁20側のヒンジ軸20jが変形したり損傷するようなことを防止することができるとともに、扉Dのがたつきを防止することができる。また、略垂直に立てられた後行傾倒側壁20の扉嵌合凹部A2が、扉Dで閉鎖されている状態においては、後行傾倒側壁20の下部水平側壁部20bの内面20b2に形成された略台形状の嵌合突出部20mが、扉Dの略逆台形状の嵌合突片d9間に形成された略台形状の嵌合凹部d11に嵌合されるように構成されているので、扉Dのがたつきを、より確実に防止することができる。
先行傾倒側壁10及び後行傾倒側壁20が、略垂直に立てられた状態において、後行傾倒側壁20に形成された扉嵌合凹部A2に嵌合され、扉嵌合凹部A2を閉鎖している扉Dを前方に倒して、扉嵌合凹部A2を開放するには、後行傾倒側壁20の相対する垂直側壁部20aに形成されたロック部材挿入空間A3に配設されているロック部材Uを、扉Dから遠ざかる方向に移動させて、ロック部材Uのロック部u2を、扉Dの雄型枠部d5が形成されているロック部用嵌合凹部d6から排出させた後に、扉Dを、上述した連結部材Nによりヒンジ連結された扉D側のヒンジ軸d8と後行傾倒側壁20側のヒンジ軸20jとを中心に、前方に回動させることにより、扉嵌合凹部A2を開放することになる。
略垂直に立てられた状態の先行傾倒側壁10及び扉Dで扉嵌合凹部A2が閉鎖されている後行傾倒側壁20を倒すには、先ず最初に、先行傾倒側壁10に配設されたロック部材Uを、上述したように、先行傾倒側壁10の中央部方向に移動させて、ロック部材Uのロック部u2を、後行傾倒側壁20の雌型枠部20cに形成されたロック部用嵌合凹部20c2から排出させて、先行傾倒側壁10と後行傾倒側壁20とのロック部材Uによるロック状態を解除する。
次いで、相対する低部土手2に連結されている一方の先行傾倒側壁10を、低部土手2に形成された雌ヒンジ部H1の相対する側壁h2に形成された嵌合溝h2aに嵌合されている、先行傾倒側壁10に形成された雄ヒンジ部H1’の短軸h5cを中心に、上部デッキ1a方向に倒して、一方の先行傾倒側壁10を、上部デッキ1aに重なるように倒す。この際、先行傾倒側壁10に形成されている雄ヒンジ部H1’を構成する嵌合基部h5は、低部土手2に形成された雌ヒンジ部H1の奥壁h1と相対する開口部h4に挿入されるように構成されている。その後、同様にして、もう一方の先行傾倒側壁10を、上部デッキ1a方向に倒して、もう一方の先行傾倒側壁10を、先に倒された一方の先行傾倒側壁10或いは上部デッキ1aに重なるように倒す。倒された先行傾倒側壁10は、相対する高部土手3間に位置するように構成されている。なお、本実施例においては、倒された相対する先行傾倒側壁10は、その先端部が互いに重なるように構成されている。
次いで、後行傾倒側壁20を持ち上げを持ち上げて、後行傾倒側壁20の下端フランジ20b1の裏面に形成されている嵌合ブロックEの嵌合先端部E’を、高部土手3に形成された嵌合空間部C1の嵌合凹部C1’から排出させて、嵌合ブロックEの先端が、高部土手3に形成された嵌合空間部C1を構成する内壁c4を越えて上方に位置するようにする。この際、後行傾倒側壁20の下端フランジ20b1の裏面に形成されている雄ヒンジ部H2’の短軸h5cが、高部土手3に形成された雌ヒンジ部H2の相対する側壁h2に形成された嵌合溝h2aから抜け出ないようにする。その後、相対する後行傾倒側壁20を、上記の嵌合溝h2aに嵌合されている短軸h5cを中心に、上部デッキ1a方向に倒して、先に倒された先行傾倒側壁10に重なるように倒す。後行傾倒側壁20が倒された際には、後行傾倒側壁20を構成する垂直側壁部20aに形成された雌型枠部20cが、低部土手2の上面に載置されるように構成されている。なお、本実施例においては、倒された相対する後行傾倒側壁20は、互いに重ならないように構成されている。
上述したようにして、図28に示されているように、略垂直に立てられた状態の先行傾倒側壁10及び後行傾倒側壁20を、上部デッキ1a方向に倒して、先行傾倒側壁10及び後行傾倒側壁20を、略水平状態に折り畳む。この際、高部土手3の上面3bと倒された水平状態の後行傾倒側壁20の上面との間には、下部デッキ1bの裏面1b1に形成された嵌合突部5の高さT1(図3に示されている。)より、大きな間隔が形成されるように構成されている。
なお、上述したようにして、折り畳まれた先行傾倒側壁10及び後行傾倒側壁20を略垂直に立てて、先行傾倒側壁10及び後行傾倒側壁20を箱型に組み立てるには、上述した折り畳む工程と逆の順序で行えばよい。即ち、先ず最初に、略平行状態の後行傾倒側壁20を略垂直立て、次いで、先行傾倒側壁10を垂直方向に回動させることになるが、この先行傾倒側壁10の回動途中において、先行傾倒側壁10の側端フランジ10dの外面10d1に突設されている持ち上がり防止ブロック10fが、高部土手3に延設されている端部延長部4の嵌合凹部4aに嵌合されることになる。従って、垂直に立てられた先行傾倒側壁10を持ち上げようとしても、先行傾倒側壁10が、低部土手2から持ち上がるようなことを防止することができる。
先行傾倒側壁の持ち上がりを防止するためには、従来、先行傾倒側壁とデッキの適当な個所とを、別部材としてのロック部材によりロックするように構成されており、従って、ロック部材の操作に時間と労力を費やすことになり、先行傾倒側壁及び後行傾倒側壁の組み立て作業及び折り畳み作業の作業性が悪いという問題があった。また、作業者が、ロック部材による先行傾倒側壁とデッキのロックを忘れることがあり、先行傾倒側壁が持ち上がってしまうという問題があった。しかしながら、本発明においては、先行傾倒側壁10を垂直方向に回動させるだけで、先行傾倒側壁10の側端フランジ10dの外面10d1に突設されている持ち上がり防止ブロック10fが、高部土手3に延設されている端部延長部4の嵌合凹部4aに嵌合されるように構成されているので、先行傾倒側壁10及び後行傾倒側壁20の組み立て作業及び折り畳み作業の作業性が向上するとともに、従来のようにロック部材を使用しないので、先行傾倒側壁とデッキとのロックミスもなく、更には、ボックスパレットの構造が簡素化されることになり、ひいては、ボックスパレットの製造コストを低減化することができる。
図29に示されているように、扉Dが、後行傾倒側壁20に重なるように倒されている状態から、扉Dを、連結部材Nによりヒンジ連結された扉D側のヒンジ軸d8と後行傾倒側壁20側のヒンジ軸20jとを中心に、扉嵌合凹部A2方向に回動させると、図30に示されているように、先ず最初に、扉Dに形成された略台形状の嵌合凹部d11の下端部に、該下端部の間隔より幅の狭い上端部を有する、下部水平側壁部20bに形成された略台形状の嵌合突出部20mの上端部が挿入されるとともに、扉Dの下端フランジd3の裏面に形成された略逆台形状の嵌合突片d9の下端部が、該下端部の幅より広い上端部間隔を有する、上記の下部水平側壁部20bの内面20b2に形成された略逆台形状の嵌合窪み部20kの上端部に挿入されることになる。その後、更に、扉Dを扉嵌合凹部A2方向に回動させた際に、扉Dが、扉D側のヒンジ軸d8と後行傾倒側壁20側のヒンジ軸20jとの2軸構造のために、扉Dが、後行傾倒側壁20を構成する垂直側壁部20a方向に移動したり、後行傾倒側壁20に対して傾動する等の複雑な回動軌跡を描いても、略台形状の嵌合突出部20mが、略台形状の嵌合凹部d11の相対する傾斜面に案内され、また、略逆台形状の嵌合突片d9が、略逆台形状の嵌合窪み部20kの相対する傾斜面に案内されることになる。このように、扉Dは、略台形状の嵌合突出部20mと略台形状の嵌合凹部d11及び略逆台形状の嵌合突片d9と略逆台形状の嵌合窪み部20kとにより、位置規制されながら、後行傾倒側壁20に形成された扉嵌合凹部A2を閉鎖するように構成されているので、扉Dが、後行傾倒側壁20を構成する垂直側壁部20aや下部水平側壁部20bに当接するようなことがなく、従って、扉嵌合凹部A2の扉Dによる閉鎖作業の作業性が向上する。
また、閉鎖状態においては、扉Dに形成された略台形状の嵌合凹部d11に、後行傾倒側壁20の下部水平側壁部20bに形成された略台形状の嵌合突出部20mが嵌合されているとともに、扉Dの下端フランジd3の裏面に形成された略逆台形状の嵌合突片d9が、後行傾倒側壁20の下部水平側壁部20bの内面20b2に形成された略逆台形状の嵌合窪み部20kに嵌合されているので、後行傾倒側壁20を構成する垂直側壁部20a方向への扉Dの移動が抑制され、従って、扉Dのがたつきを防止することができる。
更に、後行傾倒側壁20に形成された扉嵌合凹部A2が、扉Dにより閉鎖された際には、扉Dの雄型枠部d5に形成された嵌合突部d5aが、後行傾倒側壁20を構成する垂直側壁部20aの雌型枠部20hに形成された嵌合凹部20h1に嵌合されるように構成されている。従って、扉Dに外側から負荷が加わった場合に、ロック部材Uのロック部u2のみが、扉Dの雄型枠部d5に形成されたロック部用嵌合凹部d6に挿入された場合に比べて、ロック部u2の負荷に対する負担が少なくなり、よって、ロック部材Uのロック部u2が変形したり損傷するようなことを防止することができるとともに、扉Dのがたつきを抑制することができる。
次に、図31及び図32を用いて、先行傾倒側壁10及び後行傾倒側壁20が略垂直に立てられた状態のボックスパレットの上に、他のボックスパレットが段積みされた場合について説明する。
上に位置するボックスパレットPa(図31には、上に位置するボックスパレットPaの先行傾倒側壁10及び後行傾倒側壁20が、図28に示されているように、折り畳まれている状態が示されている。)の下部デッキ1bの裏面1b1に形成されている嵌合突部5が、下に位置するボックスパレットPbの相対する先行傾倒側壁10の内壁と相対する後行傾倒側壁20の内壁と後行傾倒側壁20の扉嵌合凹部A2に嵌合された扉Dの内壁とにより囲まれた開口部に嵌合されるとともに、上に位置するボックスパレットPaの下部デッキ1bの裏面1b1に形成された4つの補助突部6のうちの一方の相対する補助突部6が、下に位置するボックスパレットPbの相対する先行傾倒側壁10の上端フランジ10bに形成された嵌合凹部10gに嵌合され、また、もう一方の相対する補助突部6が、扉Dの上端フランジd2に形成された幅広凹部d10に挿入されるように構成されている。
先行傾倒側壁10に形成された嵌合凹部10gを構成する底部10g2の長さ(上端フランジ10bの長さ方向に沿った長さ。図1に示されている。)W9は、補助突部6の幅W2と略同じに形成されているとともに、補助突部6の下面は、嵌合凹部10gを構成する底部10g2に当接或いは近接して位置しているので、上に位置するボックスパレットPaが、下に位置するボックスパレットPbの先行傾倒側壁10に沿って移動しようとしても、上に位置するボックスパレットPaの補助突部6が、下に位置するボックスパレットPbの嵌合凹部10gを構成する傾斜側部10g1に当接するので、上に位置するボックスパレットPaの下に位置するボックスパレットPbの先行傾倒側壁10に沿った移動が抑制されることになる。
上述したように、上に位置するボックスパレットPaの補助突部6が、下に位置するボックスパレットPbの嵌合凹部10gを構成する傾斜側部10g1に当接することにより、上に位置するボックスパレットPaの下に位置するボックスパレットPbの先行傾倒側壁10に沿った移動が抑制されるように構成されているので、上に位置するボックスパレットPaの下部デッキ1bの裏面1b1に形成された嵌合突部5が、下に位置するボックスパレットPbの扉Dに当接するようなことを防止することができ、従って、扉Dと後行傾倒側壁20の下部水平側壁部20bとをヒンジ連結している連結部材Nが変形したり損傷したり、或いは、扉Dに形成されたヒンジ軸d8や後行傾倒側壁20の下部水平側壁部20bに形成されたヒンジ軸20jが変形したり損傷するようなことを防止することができるとともに、上に位置するボックスパレットPaの下部デッキ1bの裏面1b1に形成された嵌合突部5が、下に位置するボックスパレットPbの後行傾倒側壁20を構成する強度的に弱い垂直側壁部20aに当接し、強度的に弱い垂直側壁部20aが変形したり損傷するようなことを防止することができる。
また、上に位置するボックスパレットPaが、下に位置するボックスパレットPbの後行傾倒側壁20に沿って移動しようとした際には、上に位置するボックスパレットPaの下部デッキ1bの裏面1b1に形成された嵌合突部5が、下に位置するボックスパレットPbの先行傾倒側壁10の内壁に当接することになるので、上に位置するボックスパレットPaの下に位置するボックスパレットPbの後行傾倒側壁20に沿った移動が抑制されることになる。上に位置するボックスパレットPaの下部デッキ1bの裏面1b1に形成された嵌合突部5が、下に位置するボックスパレットPbの先行傾倒側壁10に当接しても、先行傾倒側壁10には、扉嵌合凹部A2が形成されておらず、扉嵌合凹部A2が形成されている後行傾倒側壁20と異なり、強度や剛性が大きいので、先行傾倒側壁10が変形したり損傷するようなことがない。
更に、下に位置するボックスパレットPbの後行傾倒側壁20の扉嵌合凹部A2に嵌合された扉Dに形成された幅広凹部d10に、上に位置するボックスパレットPaに形成された補助突部6が挿入された際には、補助突部6の下面と幅広凹部d10の底部d10bとの間には、所定の間隙W10が形成されているとともに、補助突部6と幅広凹部d10の相対する傾斜側部d10aとの間には、所定の間隙W11が形成されるように構成されている。更にまた、上に位置するボックスパレットPaの隅桁1c1は、下に位置するボックスパレットPbの後行傾倒側壁20の相対する垂直側壁部20aに載置され、後行傾倒側壁20の扉嵌合凹部A2に嵌合された扉Dには載置されないように構成されている。従って、上述したように、先行傾倒側壁10及び後行傾倒側壁20が略垂直に立てられた状態の下に位置するボックスパレットPbの上に、他のボックスパレットPaが段積みされた状態において、下に位置するボックスパレットPbの扉Dを開く際に、扉Dが、上に位置するボックスパレットPaの補助突部6や隅桁1c1に当接し、扉Dの回動が阻止されるようなことがない。
次に、図33及び図34を用いて、先行傾倒側壁10及び後行傾倒側壁20が、上部デッキ1aに重なるように倒された状態のボックスパレットの上に、他のボックスパレットが段積みされた場合について説明する。なお、図33には、先行傾倒側壁10及び後行傾倒側壁20が略垂直に立てられた組み立てられた状態の上に位置するボックスパレットPaが示されている。
上に位置するボックスパレットPaの下部デッキ1bの裏面1b1に形成されている嵌合突部5が、下に位置するボックスパレットPbの相対する高部土手3の内壁及び高部土手3の両端部に延設された端部延長部4の内壁に接近して位置するように構成されているとともに、下に位置するボックスパレットPbの相対する高部土手3の上面3bの中央部に形成された嵌合凹部8に、上に位置するボックスパレットPaの高部土手3側に位置する補助突部6が嵌合されるように構成されている。
上に位置するボックスパレットPaが、下に位置するボックスパレットPbの低部土手2に沿って移動しようとした際には、上に位置するボックスパレットPaの下部デッキ1bの裏面1b1に形成されている嵌合突部5が、下に位置するボックスパレットPbの高部土手3の内壁に当接するので、上に位置するボックスパレットPaの下に位置するボックスパレットPbの低部土手2に沿った移動が抑制されることになる。
また、上に位置するボックスパレットPaが、下に位置するボックスパレットPbの高部土手3に沿って移動しようとした際には、上に位置するボックスパレットPaの下部デッキ1bの裏面1b1に形成されている嵌合突部5が、下に位置するボックスパレットPbの高部土手3の両端部に延設された端部延長部4の内壁に当接するので、上に位置するボックスパレットPaの下に位置するボックスパレットPbの高部土手3に沿った移動が抑制されることになる。更に、下に位置するボックスパレットPbの相対する高部土手3の上面3bの中央部に形成された嵌合凹部8に、上に位置するボックスパレットPaの高部土手3側に位置する補助突部6が嵌合されているので、上に位置するボックスパレットPaの下に位置するボックスパレットPbの高部土手3に沿った移動が、より確実に抑制されることになる。
次に、図35を用いて、先行傾倒側壁10が、上部デッキ1aに重なるように倒された状態のボックスパレットについて説明する。
先行傾倒側壁10が、上部デッキ1aに重なるように倒された際には、先行傾倒側壁10の下端フランジ10cの裏面に形成された雄ヒンジ部H1’を構成する帯状板部h5aの半円形状の先端部h5a’の下端に突設された係止突条h5dが、低部土手2に形成された雌ヒンジ部H1の奥壁h1の下部に穿設された透孔h1aの上縁h1a’に当接或いは接近して位置するように構成されている。従って、上部デッキ1aに重なるように倒された先行傾倒側壁10が、持ち上がるようなことがなく、先行傾倒側壁10のがたつきが防止されることになる。
また、後行傾倒側壁20が倒された際には、後行傾倒側壁20に形成された雌型枠部20cが、低部土手2の上面に載置されるように構成されているとともに、低部土手2の上面2bの中央部に突設された嵌合突部7(図2に示されている。)が、後行傾倒側壁20の雌型枠部20cの先端面の上端部に形成された嵌合突部用嵌合凹部20c3(図6や図27等に示されている。)に嵌合されるように構成されている。
上述したように、後行傾倒側壁20が倒された際には、低部土手2の上面2bの中央部に突設された嵌合突部7が、後行傾倒側壁20の雌型枠部20cの先端面に形成された嵌合突部用嵌合凹部20c3に嵌合されるように構成されているので、後行傾倒側壁20に、フォークが当接するような負荷が加わっても、後行傾倒側壁20の移動が抑制され、従って、後行傾倒側壁20の下部水平側壁部20bの下端フランジ20b1の裏面に形成された雄ヒンジ部H2’や嵌合ブロックEが変形したり損傷するようなことを防止することができる。
なお、図15や図16において、20nは、後行傾倒側壁20を構成する下部水平側壁部20bの下端フランジ20b1の裏面に垂設された一対の嵌合突部であり、該嵌合突部20nは、後行傾倒側壁20を略垂直に立てた際に、図2に示されている、高部土手3の上面3bに形成された凹部或いは透孔3b1に嵌合されるように構成されている。このように、後行傾倒側壁20を略垂直に立てた際に、下部水平側壁部20bの下端フランジ20b1の裏面に垂設された嵌合突部20nが、高部土手3の上面3bに形成された凹部或いは透孔3b1に嵌合されるように構成されているので、後行傾倒側壁20が傾斜するようなことを確実に防止することができる。なお、嵌合突部20nや透孔3b1は、適宜、省略することができる。
図36には、ロック部材Uの別の実施例が示されている。この実施例においては、角筒部u1を構成する切欠き部u3が形成されていない垂直側壁u1aの中央部を、切欠き部u3が形成されている垂直側壁u1a方向に湾曲させて湾曲凹部u1a’を形成するとともに、ロック部u2側に位置する湾曲凹部u1a’内に、ロック部u2に連接された補強リブu7を形成したものである。このように、湾曲凹部u1a’を形成するとともに、湾曲凹部u1a’内に、ロック部u2に連接された補強リブu7を形成することにより、切欠き部u3が形成されていない垂直側壁u1aの強度を向上することができる。従って、上述したように、切欠き部u3が形成されていない垂直側壁u1aに、繰り返し、ロック部材Uが当接しても、切欠き部u3が形成されていない垂直側壁u1aが変形したり損傷するようなことがない。
上述した実施例には、相対する後行傾倒側壁20の両方に、それぞれ、扉Dが配設されている例が示されているが、相対する後行傾倒側壁20のうちの一方のみに扉Dを配設することもできる。