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JP4537032B2 - プラズマ処理装置およびプラズマ処理方法 - Google Patents

プラズマ処理装置およびプラズマ処理方法 Download PDF

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Description

本発明は、半導体基板や液晶基板等の基板の表面を処理するプラズマ処理装置およびプラズマ処理方法に係り、特に、プラズマの電子密度や中性粒子密度をマイクロ波電力によって制御するのに好適なプラズマ処理装置およびプラズマ処理方法に関するものである。
従来から半導体マイクロプロセッサや半導体メモリ等の半導体デバイスを作成するためやその他の被加工物の表面処理を施すためにプラズマを利用するプラズマ処理装置が用いられている。近年、このような半導体デバイスの作成にあっては基板素子の微細化に伴って処理条件が極めて狭い範囲に設定しなければならない。また、処理面内の均一性もより向上させる必要性が生じてきている。さらに基板は多層構造化しており、無機絶縁膜だけではなく有機物絶縁膜をエッチングする必要もあり、膜を損傷しないように可能な限り低温で処理することが求められている。しかも単位時間当たりの基板処理枚数を多くしなければならず、改善要求が厳しい。
このようなニーズに対し、本件発明者は、高密度で低電子温度のプラズマ処理を行うために表面波モードのプラズマを利用する研究を発表している(非特許文献1)。この論文では、ホーン型円形導波管を使用してTMモードのマイクロ波により高誘電体窓下に表面波モードのプラズマを発生させる研究結果が記載されている。また、この論文を踏まえたプラズマ処理装置及び処理方法に関する発明も特許出願公開されている(特許文献1)。この特許文献1には、マイクロ波の電界強度が10V/m以下に減衰し得るマイクロ波透過窓部材から150mm乃至250mmの範囲に被加工物を設置することにより、半導体デバイスに対する電気的ダメージを回避し、安定した処理速度で処理する方法が提案されている。
Japanese Journal of Applied Physics Vol.37(1998)pp.L1005−L1007 特開2001−135620号公報
このように表面波を利用したプラズマ処理装置は、マイクロ波のカットオフ密度(2.45GHzのマイクロ波の場合、電子密度は7.6×1016/m)を超えた高密度を達成でき、かつ、低電子温度というプラズマの特性を有し、プロセス処理を行うプラズマに適していると思われていた。しかし、前述した特許文献1では、マイクロ波電力とプラズマの電子密度との関係については一切触れられておらず、プラズマのプロセス処理に不可欠な線形関係にあるか否かの検討がなされていない。
一方では、I.Ganashevが論文Japanese Journal of Applied Physics Vol.36(1997)pp.4704−4710で指摘されているように、従来、表面波モードのプラズマを利用することにより高密度で低温度のプラズマ処理は可能であるが、マイクロ波電力の増加に伴って電子密度のモードジャンプが発生してしまい、ヒステリシスの挙動を描いてしまうという問題がある。
図10は電子密度のモードジャンプとヒステリシスが生じる原理を示しており、併せてプラズマによる発光の(4,2)モードから(2,1)モードへ変化したときの発光状況を模式図によって示す。発光モードはチャンバー内にマイクロ波を導入するための複数のスリットを介して誘電体窓部材の直下に発光の強い箇所の集まりとして現れる。(4,2)モードは円周方向の半円内に4個、半径方向に2個の発光の強い箇所の集まりとして定義される。この発光の強い箇所は伝播する波がチャンバーの内壁で共振することによって生じている。この伝播する波の波長は電子密度によって変化し、この電子密度は図10のグラフに示すようにマイクロ波電力によって変化する関係にある。しかし、共振波の波長はチャンバー径によって決まるため、取れる波長の長さのn倍(nは正整数)がチャンバー径に等しくなければならない。このため、図10で示すように、プラズマの電子密度は、マイクロ波電力の増加に対して直線的に増加するのではなく、(4,2)モードでの最小電力点から次の長い波長へ移行する最大電力点までマイクロ波電力が増加されているにもかかわらず、ほぼ一定のプラズマ電子密度になってしまう。そして、波長の長い(2,1)モードにモードジャンプすると、急激に電子密度を増加することになる。
一方、(2,1)モードの最大電力点からマイクロ波電力を減少した場合、波長が変化する移行点である最小電力点まで電子密度は減少せずに一定を保持し、(4,2)モードにジャンプすると、急激に電子密度を減少する。
このようにマイクロ波電力と電子密度とが線形関係にないため、半導体デバイスの高速処理は達成できてもプラズマの電子密度制御が極めて難しいという問題があり、プロセス処理には適していない。
一方、前述したような表面波モードのプラズマを利用しなければ、電子密度とマイクロ波電力の関係はほぼ直線的な関係になるため、プラズマの電子密度の制御がし易い。しかし、高密度のプラズマが得られず、高速処理が行えないという問題がある。
このような問題はプラズマの中から中性粒子のみを取り出して処理する場合にも同様に存在し、実用化を考慮すれば高密度中性粒子とマイクロ波電力との間にも線形性の関係が要求される。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであって、プラズマの電子や中性粒子がマイクロ波電力に対して線形的に密度を高めることができ、プロセス処理が制御しやすいプラズマ処理装置およびプラズマ処理方法を提供することを目的としている。
本発明に係るプラズマ処理装置の特徴は、マイクロ波をTMモードで伝播させる円錐台形状のホーン型導波管と、前記マイクロ波のエネルギによりプラズマを生成させるプラズマ発生室と、前記ホーン型導波管と前記プラズマ発生室との間に設けられた平板状の誘電体窓部材とを有し、前記マイクロ波により前記プラズマ発生室内の前記誘電体窓部材の直下に生じる表面波を円周方向に伝播させることにより回転する発光モードを発生させる点にある。
また、本発明において、マイクロ波が誘電体窓部材を透過する際、このマイクロ波を構成する電界の波の最大振幅位置が前記誘電体窓部材と交差して透過することにより表面波を円周方向に伝播し、回転する発光モードを発生させるようにすることが好ましい。
また、本発明において、前記誘電体窓部材の下方にシャワーヘッドを設け、このシャワーヘッドの下方に中性粒子のみを取り出してもよい。
また、本発明に係るプラズマ処理方法の特徴は、マイクロ波をTMモードで伝播させる円錐台形状のホーン型導波管と、前記マイクロ波のエネルギによりプラズマを生成させるプラズマ発生室と、前記ホーン型導波管と前記プラズマ発生室との間に設けられた平板状の誘電体窓部材とを有するプラズマ処理装置におけるプラズマ処理方法であって、前記マイクロ波により前記プラズマ発生室内の前記誘電体窓部材の直下に生じる表面波を円周方向に伝播させることにより回転する発光モードを発生させる点にある。
また、本発明において、マイクロ波が誘電体窓部材を透過する際、このマイクロ波を構成する電界の波の最大振幅位置が前記誘電体窓部材と交差して透過することにより表面波を円周方向に伝播し、回転する発光モードを発生させるようにすることが好ましい。
さらに、本発明において、前記誘電体窓部材の下方にはシャワーヘッドが設けられており、このシャワーヘッドの下方に中性粒子のみを取り出してシャワーヘッドの下方に設置された被処理物を処理するようにしてもよい。
本発明によれば、プラズマ処理装置およびプラズマ処理方法において、マイクロ波を所定の位置で誘電体窓部材に入射させることによりプラズマの電子および中性粒子の密度をマイクロ波電力に対して線形的に増減させることができるため、所望の電子密度や中性粒子密度に制御しつつ表面波プラズマによる低温域でのプラズマ処理を行うことができる。
以下、本発明に係るプラズマ処理装置およびプラズマ処理方法の好適な実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明の第1の実施形態におけるプラズマ処理装置1Aの構造を示す模式的断面図である。
このプラズマ処理装置1Aは、プラズマが発生するプラズマ発生室2と、プラズマを発生させるためのマイクロ波をTMモードで伝播させる円錐台形状のホーン型導波管3とを備えている。このホーン型導波管3の上流側には水平に延在された水平導波管4が連結されており、この水平導波管4に図示しないマイクロ波発振器が配置されている。
プラズマ発生室2とホーン型導波管3との連結部分には、アルミナ、窒化アルミニウム、石英等から構成される円板状の誘電体窓部材5が設けられている。この誘電体窓部材5は、窓支持部材6によりOリング等の封止材6aを介して密閉を維持しながら支持されている。
プラズマ発生室2はアルミニウムチャンバー等から構成されており、このプラズマ発生室2内には、被加工物Wを支持するステージホルダ7が設けられ、プラズマ発生室2が被加工物Wの処理室も兼ねている。このステージホルダ7内には、基板を加熱するための電熱ヒータ8が内蔵されており、処理に応じて温度設定可能になっている。もちろん電熱ヒータ8に代えて冷却手段を設けてもよい。
また、プラズマ発生室2内における窓支持部材6の内壁面には、処理に応じた反応ガスをプラズマ発生室2内に供給するためのガス供給口61が設けられている。このガス供給口61は反応ガスをプラズマ発生室2内に均等に吹き出すために、円周状の隙間として形成されており、この隙間にガス導入管9が接続されている。このガス供給口61の形状は均一にあればよく特に限定されるものではない。ガス導入管9は、各種の図示しないガスボンベに接続されていると共に、図示しないマスフローコントローラが設けられており、供給ガス量を調整するようになっている。
さらに、プラズマ発生室2には排気するための排気口10が開口されている。この排気口10は排気管11を介して排気用の真空ポンプ12に接続されており、処理後に発生する副生成物や未反応の励起種等が排出される。また、排気口10と真空ポンプ12との間にはプラズマ発生室2内の圧力を所定値に保つためのバルブ13が設けられている。
以上のような基本構造を有する本実施形態のプラズマ処理装置1Aでは、水平導波管4およびホーン型導波管3を伝播したTMモードのマイクロ波が、電界の最大振幅位置で誘電体窓部材5を通過するように、ホーン型導波管3の高さを調整したり、あるいは水平導波管4の内径を調整している。つまり、マイクロ波を構成する電界波長のλ/2の整数倍に当たる位置が誘電体窓部材5に交差して進入し得る構造に設定されている。この高さの微調整は、ホーン型導波管3とプラズマ発生室2との間にスペーサ等を狭持してもよいし、機械的に上下動可能な機構にし動力源を設けてもよい。
つぎに、上記構造のプラズマ処理装置1Aによるプラズマ処理方法について説明する。まず、プラズマ発生室2内のステージホルダ7上にシリコンウェア等の被加工物Wを載置し、プラズマ発生室2内を密閉してバルブ13を開き、真空ポンプ12によりプラズマ発生室2内を排気する。続いて、マスフローコントローラを調整しながらガス供給口61から処理ガスを処理内容に応じて適量供給する。これによりプラズマ発生室2内を所定の圧力状態に保持する。
そして、マイクロ波発振器を動作させて所定強度のマイクロ波を発生させ、このマイクロ波を水平導波管4およびホーン型導波管3に沿って伝播させ、誘電体窓部材5を透過させてプラズマ発生室2内に供給する。このとき、マイクロ波の電界波長がその最大振幅位置で誘電体窓部材5に交差しながら透過する。このようにして供給されたマイクロ波エネルギにより、処理ガスが分解されてプラズマ状態になる。このとき発生するプラズマは、表面波モードのプラズマであって、かつ、円周方向に伝播する表面波である。
この円周方向に伝播する表面波モードのプラズマは、後述する実験によって、その電子密度がマイクロ発振器で制御し得るマイクロ波電力に対して線形関係にあることが立証されている。したがって、本第1実施形態では、この表面波モードのプラズマにより電子密度を所望の高密度に制御して被加工物Wのプラズマ処理を行うことが可能となる。
つぎに、本発明に係るプラズマ処理装置1Bの第2の実施形態について図2を参照しつつ説明する。本第2実施形態の構成のうち前述した第1実施形態と同一もしくは相当する構成については同一の符号を付して再度の説明を省略する。
図2は中性粒子を発生させることにより被加工物Wを処理するプラズマ処理装置1Bの模式的断面図である。本第2実施形態のプラズマ処理装置1Bの特徴は、誘電体窓部材5と被加工物Wとの間に複数の孔を有する石英板等から構成されるシャワーヘッド14を設けている点にある。このシャワーヘッド14によりプラズマ発生室2は、プラズマ発生部分21と中性粒子処理部分22とに隔離される。
表面波が発生すると、電子密度はカットオフを超え、軸線方向の電界(向きは下流方向)は伝播しないが、横方向(向きは円周方向)の電界は残り、下流方向に伝播するが減衰が早く、このため荷電粒子の減衰も早くなる。シャワーヘッド14は荷電粒子が十分に減衰した位置に設けることによってイオン衝撃によるスパッタリングの損傷を抑えることができる。シャワーヘッド14の位置は圧力とマイクロ波電力によって異なるが、誘電体窓部材5から5〜25cmの波に設定してもよい。もとよりこの距離に限定されるものではなく、表面波プラズマを使用することで下流域でのプラズマの生成がなく、プラズマ密度の小さい下流位置に配置することが必要である。
シャワーヘッド14には無数の小孔が形成されているため、これらの小孔を通過することで反応ガス中の荷電粒子が取り除ける。本第2実施形態では、一枚の円板に小孔を形成してシャワーヘッド14として使用しているが、これに代えて、2枚の円板の隙間を利用して荷電粒子の除去を行ってもよい。この場合、上下の円板にはガスを通過させる孔があり、互いにオーバーラップさせなければ同等の効果が得られる。シャワーヘッド14は一枚構造であればガス流量の調整は孔径で行うが、2枚構造においては間隙によって行われる。
このように本第2実施形態では、円周方向に伝播する表面波モードのプラズマからシャワーヘッド14により中性粒子を生成し、この中性粒子の密度がマイクロ波電力に対して線形関係にあるため、中性粒子密度を所望の高密度に制御して被加工物Wの処理を行うことが可能となる。これにより電子やイオンの荷電粒子により基板やゲート絶縁膜等がチャージアップによる破壊や衝撃によって損傷するのを防ぎ、微細化の要求に応えることができる。
つぎに、前述した第1実施形態のプラズマ処理装置1Aにおいて、誘電体窓部材5の直下に円周方向に伝播する表面波プラズマを発生させた場合のマイクロ波電力に対するプラズマの電子密度の変化を測定した。
実施例1では、プラズマ発生用のガスとして酸素を用い、プラズマ発生室2の圧力を133Paと399Paに維持し、ホーン型導波管3からTM01モードのマイクロ波を供給してアルミナからなる誘電体窓部材5の直下に酸素プラズマを発生させた。マイクロ波の条件は、周波数2.45GHzとし、0.6〜1.5kWで電力を変化させた。また、酸素ガス流量は2slmとした。一方、電子密度を測定するために、装置構造を図3に示すようなゲージポート15付きの底部材に変更し、このゲージポート15にラングミューア・プローブ16をその先端が誘電体窓部材5の下面から1cmの位置になるよう取り付け、電子密度を測定した。
この結果を図4に示す。この結果から明らかなように、マイクロ波電力の増加に伴って電子密度はほぼ直線的に増加している。これによりプラズマ処理のプロセスに必要な線形性の条件を満たすことがわかる。なお、電子密度はマイクロ波のカットオフ密度である7.6×1016/mを超えていないが、これは測定位置が誘電体窓部材5の下面から1cmの間隔を隔てているからであり、測定点を誘電体窓部材5の直下に近づけることによってカットオフ密度を超えられる。
つぎに、上記マイクロ波電力と電子密度との関係が表面波モードのプラズマによるものか否かを確認するために発光の形態を観察した。この観察のため、図3に示す装置の底部材を図示しないビューポート付きの底部材に代えてこれを通して観測した。この観測により得られたプラズマ発光の状態を図5に示す。
図5(a)はマイクロ波電力が1.0kWのときの発光であり、(b)はマイクロ波電力が0.85kWのときの発光、(c)はマイクロ波電力が0.86kWのときの発光、(d)はマイクロ波電力が1.27kWのときの発光である。このように(a)および(b)では明らかにリング状の発光が観察され、(c)および(d)では、各表面波が同期して発光が強く現れる様子が観察された。(c)は(4,1)モードの表面波であり、(d)は(2,1)モードの表面波である。なお、(c)および(d)の発光を考慮すると、円周方向に回転しておらず、静止しているようにも見られるため、これを明らかにするために、電子密度測定ポートを用いて発光強度に相当する電界強度を測定した。この測定条件は、マイクロ波電力が0.81kWであり、圧力133Paである。また、測定位置はリング状発光の中心(リングの中心ではない)に近い位置を選んだ。
この結果、図6に示すように、表面波に起因すると考えられる円周方向に伝播する波が測定された。この波の回転周波数を計算すると約22MHzであり、このことからリング状の発光は表面波による伝播する波の山に相当する発光が回転することによって形成されていることがわかる。このように(4,1)モードの表面波および(2,1)モードの表面波は、波長の整数倍の長さが円周方向の長さと一致した結果、同期している位置が発光の強い位置として現れているのであり、静止しているのではない。
この結果を基に電子密度測定点で回転周波数を測定すると、電子密度と同様、マイクロ波電力の増加に伴って回転数が増加している結果が得られた。これは伝播する表面波の波長が電力の変化に伴って、同様に変化しており、伝播する波長がプラズマ発生室2内の内径の制約を受けないことにより解決された結果である。
つぎに、実施例2について説明する。本実施例2では、処理ガスを酸素から窒素に代えて実施例1と同様の実験を行った。この結果を図7に示す。圧力が133Paの場合、電子密度はマイクロ波電力の増加に対して直線的に増加することがわかる。
実施例3では、同様に、処理ガスを水素にして圧力を133Paにして実験を行った。この結果を図8に示す。水素の場合にも電子密度はマイクロ波電力の増加に対してほぼ直線的に増加することがわかる。
つぎに、第2実施形態についても同様な実験を行った。実施例4では、反応種である水素原子濃度とマイクロ波電力との関係が線形関係にあるかを調べた。発光を図示しない観測ポートからモノクロメーターで観測するアクチノメトリー法により水素原子濃度を測定した。アクチノメトリー法において添加する微量の比較用ガスとしてはアルゴンを用いた。また水素のガス流量は2slmであり、アルゴンのガス流量は60sccmである。図9にこの結果を示す。この結果、水素原子の濃度もマイクロ波電力の増加に伴って直線的に増加することが確認された。なお、図には示さないが、窒素原子や酸素原子においても同様に線形性が確認された。
以上の各実施例によれば、プラズマの電子密度および中性粒子密度がマイクロ波電力の増減に対して直線的に増減するため、プラズマ処理に最適なプラズマ密度を求め易く、またその所望の密度に設定することも容易に行える。したがって、高密度の表面波モードのプラズマを利用して低温の処理を行うことができ、基板の表面処理における様々な厳しい要求に応えることができる。
なお、本発明に係るプラズマ処理装置およびプラズマ処理方法は、前述した各実施形態に限定されるものではなく、適宜変更することができる。例えば、CVDを行う場合にはシャワーヘッド14にCVD(Chemical Vapor Deposition:化学気相成長)用のガス供給系を付加すればよい。また、本実施形態は、有機レジストのアッシング、被加工物Wの表面の有機絶縁膜や無機絶縁膜、導電膜のエッチング、被加工物Wの表面のクリーニングによる不要物の除去など、様々に応用することが可能である。
本発明に係るプラズマ処理装置の第1実施形態を示す模式的断面図である。 本発明に係るプラズマ処理装置の第2実施形態を示す模式的断面図である。 本実施形態における実施例1に使用した実験装置の模式的断面図である。 実施例1の酸素ガスにおけるマイクロ波電力と電子密度との関係を示すグラフである。 実施例1において、ビューポートから観察された表面波モードのプラズマの発光状体を示す写真であり、各条件は圧力133Paであって、マイクロ波電力が(a)は1.0kW、(b)は0.85kW、(c)は0.86kW、(d)は1.27kWである。 実施例1において、リング状発光の発光位置において測定した円周方向に伝播する波の波形を示す図である。 実施例2の窒素ガスにおけるマイクロ波電力と電子密度との関係を示すグラフである。 実施例3の水素ガスにおける電子密度とマイクロ波電力との関係を示すグラフである。 実施例4の水素ガスにおける水素原子濃度とマイクロ波電力との関係を示すグラフである。 従来のプラズマ処理装置におけるマイクロ波電力と表面波モードのプラズマの電子密度との関係を示す図である。
符号の説明
1A,1B プラズマ処理装置
2 プラズマ発生室
3 ホーン型導波管
4 水平導波管
5 誘電体窓部材
6 窓支持部材
6a 封止材
7 ステージホルダ
8 電熱ヒータ
9 ガス導入管
10 排気口
11 排気管
12 真空ポンプ
13 バルブ
14 シャワーヘッド
15 ゲージポート
16 ラングミューア・プローブ
21 プラズマ発生部分
22 中性粒子処理部分
61 ガス供給口
W 被加工物

Claims (4)

  1. マイクロ波をTMモードで伝播させる円錐台形状のホーン型導波管と、
    前記マイクロ波のエネルギによりプラズマを生成させるプラズマ発生室と、
    前記ホーン型導波管と前記プラズマ発生室との間に設けられた平板状の誘電体窓部材と
    前記ホーン型導波管の高さの調整を行う高さ調整手段と
    を有し、
    前記ホーン型導波管内および前記プラズマ発生室内に定在波が形成され、前記高さ調整手段によって前記ホーン型導波管の高さを調整することにより、前記マイクロ波を前記誘電体窓部材に透過させる際に、前記定在波の電界の最大振幅位置前記誘電体窓部材の位置に合わせて、前記プラズマ発生室内の前記誘電体窓部材の直下に生じる表面波を円周方向に伝播させることにより回転する発光モードを発生させることを特徴とするプラズマ処理装置。
  2. 請求項1において、前記誘電体窓部材の下方にシャワーヘッドを設け、このシャワーヘッドの下方に中性粒子を発生させるようにしたことを特徴とするプラズマ処理装置。
  3. マイクロ波をTMモードで伝播させる円錐台形状のホーン型導波管と、前記マイクロ波のエネルギによりプラズマを生成させるプラズマ発生室と、前記ホーン型導波管と前記プラズマ発生室との間に設けられた平板状の誘電体窓部材と、前記ホーン型導波管の高さの調整を行う高さ調整手段とを有するプラズマ処理装置におけるプラズマ処理方法であって、
    前記ホーン型導波管内および前記プラズマ発生室内に定在波を形成させ、前記高さ調整手段によって前記ホーン型導波管の高さを調整することにより、前記マイクロ波を前記誘電体窓部材に透過させる際に、前記定在波の電界の最大振幅位置前記誘電体窓部材の位置に合わせて、前記プラズマ発生室内の前記誘電体窓部材の直下に生じる表面波を円周方向に伝播させることにより回転する発光モードを発生させることを特徴とするプラズマ処理方法。
  4. 請求項3において、前記誘電体窓部材の下方にはシャワーヘッドが設けられており、このシャワーヘッドの下方に中性粒子を発生させてシャワーヘッドの下方に設置された被処理物を処理することを特徴とするプラズマ処理方法。
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