JPH11195500A - 表面処理装置 - Google Patents
表面処理装置Info
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- JPH11195500A JPH11195500A JP9369355A JP36935597A JPH11195500A JP H11195500 A JPH11195500 A JP H11195500A JP 9369355 A JP9369355 A JP 9369355A JP 36935597 A JP36935597 A JP 36935597A JP H11195500 A JPH11195500 A JP H11195500A
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Links
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Landscapes
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- Drying Of Semiconductors (AREA)
- Plasma Technology (AREA)
- Physical Vapour Deposition (AREA)
- Chemical Vapour Deposition (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 低UHF帯のマイクロ波を使用して広い領域
に均一なプラズマを形成して大面積の対象物に均一な表
面処理を行なえるようにする。 【解決手段】 マイクロ波発生器1が発生させた低UH
F帯のマイクロ波は、円筒形の空胴共振器2に対して同
軸上に配置されたアンテナ13によって空胴共振器2内
に電界結合方式で導入される。マイクロ波は空胴共振器
2内でTM010モードで共振し、完全軸対称性を有す
る。空胴共振器2の一部である放射板22に軸対称状に
設けられた複数の円形の放射穴23を通して処理容器3
にマイクロ波が均等に放射され、処理容器3内のガスが
均一にプラズマ化し、このプラズマによって基板30に
均一な処理が施される。
に均一なプラズマを形成して大面積の対象物に均一な表
面処理を行なえるようにする。 【解決手段】 マイクロ波発生器1が発生させた低UH
F帯のマイクロ波は、円筒形の空胴共振器2に対して同
軸上に配置されたアンテナ13によって空胴共振器2内
に電界結合方式で導入される。マイクロ波は空胴共振器
2内でTM010モードで共振し、完全軸対称性を有す
る。空胴共振器2の一部である放射板22に軸対称状に
設けられた複数の円形の放射穴23を通して処理容器3
にマイクロ波が均等に放射され、処理容器3内のガスが
均一にプラズマ化し、このプラズマによって基板30に
均一な処理が施される。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本願の発明は、ドライエッチン
グ、プラズマ化学蒸着(プラズマCVD)、スパッタな
どのようなプラズマを利用して対象物の表面に所定の処
理を施す表面処理装置に関する。
グ、プラズマ化学蒸着(プラズマCVD)、スパッタな
どのようなプラズマを利用して対象物の表面に所定の処
理を施す表面処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】プラズマを用いて対象物の表面に処理を
施すことは、LSI(大規模集積回路)のような半導体
素子やLCD(液晶ディスプレイ)のような表示装置を
製作する際に頻繁に使用されている。プラズマは、大ま
かには、非平衡プラズマと平衡プラズマに分類される。
平衡プラズマは、プラズマを構成している電子、イオン
及び中性粒子(分子又は原子)の温度がほぼ等しく、熱
平衡状態にあるプラズマである。一方、非平衡プラズマ
は、電子の平均エネルギーがイオンや中性粒子の平均エ
ネルギーよりも大きな状態にあるプラズマである。非平
衡プラズマは、荷電粒子(電子及びイオン)の熱運動が
クーロン力による運動に比べて無視できる程度に小さい
ため、「低温プラズマ」と呼ばれることもある。非平衡
プラズマないしは低温プラズマは、高いエネルギーの電
子によって原料ガスを分解して必要なラジカルやイオン
を生成することができる。このため、このようなラジカ
ルやイオンを利用した微細加工や薄膜作成等の表面処理
に盛んに応用されている。
施すことは、LSI(大規模集積回路)のような半導体
素子やLCD(液晶ディスプレイ)のような表示装置を
製作する際に頻繁に使用されている。プラズマは、大ま
かには、非平衡プラズマと平衡プラズマに分類される。
平衡プラズマは、プラズマを構成している電子、イオン
及び中性粒子(分子又は原子)の温度がほぼ等しく、熱
平衡状態にあるプラズマである。一方、非平衡プラズマ
は、電子の平均エネルギーがイオンや中性粒子の平均エ
ネルギーよりも大きな状態にあるプラズマである。非平
衡プラズマは、荷電粒子(電子及びイオン)の熱運動が
クーロン力による運動に比べて無視できる程度に小さい
ため、「低温プラズマ」と呼ばれることもある。非平衡
プラズマないしは低温プラズマは、高いエネルギーの電
子によって原料ガスを分解して必要なラジカルやイオン
を生成することができる。このため、このようなラジカ
ルやイオンを利用した微細加工や薄膜作成等の表面処理
に盛んに応用されている。
【0003】このような非平衡プラズマないしは低温プ
ラズマを形成する方式として、高周波を使用する方式が
従来より採用されている。高周波を用いてプラズマを形
成する表面処理装置のひとつとして、マイクロ波を利用
するものが従来より開発されている。この場合、電子に
エネルギーを注入する方法として、電子が磁場の作用に
よりサイクロトロン運動をする周波数をマイクロ波の周
波数と合致させて共鳴状態にする方法と、マイクロ波を
空胴共振器に導入してその振幅を大きくする方法とがあ
る。以下、本願発明に関係する後者の従来装置について
述べる。
ラズマを形成する方式として、高周波を使用する方式が
従来より採用されている。高周波を用いてプラズマを形
成する表面処理装置のひとつとして、マイクロ波を利用
するものが従来より開発されている。この場合、電子に
エネルギーを注入する方法として、電子が磁場の作用に
よりサイクロトロン運動をする周波数をマイクロ波の周
波数と合致させて共鳴状態にする方法と、マイクロ波を
空胴共振器に導入してその振幅を大きくする方法とがあ
る。以下、本願発明に関係する後者の従来装置について
述べる。
【0004】空胴共振器を使用する表面処理装置の従来
例としては、まず、特開昭56―96841号公報に示
されたものがある。図5は、この特開昭56―9684
1号公報にある従来の表面処理装置を示す図である。こ
の公報に開示された表面処理装置では、マイクロ波発生
器1が発生させたマイクロ波が空胴共振器2に導入され
て共振する。これによって形成されたプラズマにより、
処理容器3内の基板載置台31に載置された基板30に
表面処理が行われる。処理容器3には、ガス供給口32
及び排気口33が設けられている。処理容器3内にガス
が導入され、このガスにマイクロ波のエネルギーが与え
られて上記プラズマが形成される。
例としては、まず、特開昭56―96841号公報に示
されたものがある。図5は、この特開昭56―9684
1号公報にある従来の表面処理装置を示す図である。こ
の公報に開示された表面処理装置では、マイクロ波発生
器1が発生させたマイクロ波が空胴共振器2に導入され
て共振する。これによって形成されたプラズマにより、
処理容器3内の基板載置台31に載置された基板30に
表面処理が行われる。処理容器3には、ガス供給口32
及び排気口33が設けられている。処理容器3内にガス
が導入され、このガスにマイクロ波のエネルギーが与え
られて上記プラズマが形成される。
【0005】この図5に示す従来の表面処理装置では、
空胴共振器2の内部でプラズマが形成されるため、プラ
ズマの影響により空胴共振器2の共振条件が変化してし
まう。その結果、プラズマが不安定であるという欠点が
あった。この欠点を解決するため次に登場したのが、特
開平8―246146号公報あるいは特公平8―314
44号公報に示されたものである。図6は、一例とし
て、特公平8―31444号公報に示された従来の表面
処理装置を示す図である。
空胴共振器2の内部でプラズマが形成されるため、プラ
ズマの影響により空胴共振器2の共振条件が変化してし
まう。その結果、プラズマが不安定であるという欠点が
あった。この欠点を解決するため次に登場したのが、特
開平8―246146号公報あるいは特公平8―314
44号公報に示されたものである。図6は、一例とし
て、特公平8―31444号公報に示された従来の表面
処理装置を示す図である。
【0006】この図6に示す表面処理装置では、空胴共
振器2と処理容器3の間に誘電体板41が設けられて両
者を区画している。処理容器3の上端開口の縁には、容
器フランジ34が設けられている。ガス供給口32は、
この容器フランジ34に形成されている。空胴共振器2
の下端開口の縁は、この容器フランジ34に接合されて
いる。両者の接合部分にはOリングのようなシール部材
9が設けられていて真空シールを行なっている。
振器2と処理容器3の間に誘電体板41が設けられて両
者を区画している。処理容器3の上端開口の縁には、容
器フランジ34が設けられている。ガス供給口32は、
この容器フランジ34に形成されている。空胴共振器2
の下端開口の縁は、この容器フランジ34に接合されて
いる。両者の接合部分にはOリングのようなシール部材
9が設けられていて真空シールを行なっている。
【0007】誘電体板41は、金属製フランジ42で周
囲が保持されている。金属製フランジ42と誘電体板4
1はろう付けされていて気密に接合されている。容器フ
ランジ34と金属製フランジ42との間にはすき間が周
状に形成されている。このすき間は、ガス供給口32か
ら供給されるガスのガス溜めとして形成されている。ガ
ス供給口32から供給されるガスは、上記すき間に入っ
て周状に拡散するようになっている。
囲が保持されている。金属製フランジ42と誘電体板4
1はろう付けされていて気密に接合されている。容器フ
ランジ34と金属製フランジ42との間にはすき間が周
状に形成されている。このすき間は、ガス供給口32か
ら供給されるガスのガス溜めとして形成されている。ガ
ス供給口32から供給されるガスは、上記すき間に入っ
て周状に拡散するようになっている。
【0008】誘電体板41の下側には、ガス拡散板50
が設けられている。ガス拡散板50は内部が中空であ
り、処理容器3内の空間を臨むようにして不図示のガス
吹き出し孔を多数均等に設けてある。上記すき間を周状
に拡散するガスは、このガス拡散板50を経由して処理
容器3内に吹き出す。
が設けられている。ガス拡散板50は内部が中空であ
り、処理容器3内の空間を臨むようにして不図示のガス
吹き出し孔を多数均等に設けてある。上記すき間を周状
に拡散するガスは、このガス拡散板50を経由して処理
容器3内に吹き出す。
【0009】誘電体板41の処理容器3側の表面には、
金属メッキ膜21が形成されている。金属メッキ膜21
は、2.45GHzのマイクロ波の波長の半分以上の長
さのスリット形状でパターン化されている。空胴共振器
2内で共振するマイクロ波は金属メッキ膜21を通して
処理容器3内に放射され、そして、処理容器3内のガス
雰囲気中でプラズマが形成される。
金属メッキ膜21が形成されている。金属メッキ膜21
は、2.45GHzのマイクロ波の波長の半分以上の長
さのスリット形状でパターン化されている。空胴共振器
2内で共振するマイクロ波は金属メッキ膜21を通して
処理容器3内に放射され、そして、処理容器3内のガス
雰囲気中でプラズマが形成される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】最近の表面処理装置へ
の要請のひとつに、処理領域の大面積化が挙げられる。
この要請は、半導体素子の製作の場合には、一枚の大き
な半導体ウェハから産出される半導体回路素子の数を多
くする必要性から生じる。LCDのような表示装置の場
合には、大きな表示画面の表示装置を作るのに大型の基
板を使用するため、大きな処理領域が必要になってい
る。
の要請のひとつに、処理領域の大面積化が挙げられる。
この要請は、半導体素子の製作の場合には、一枚の大き
な半導体ウェハから産出される半導体回路素子の数を多
くする必要性から生じる。LCDのような表示装置の場
合には、大きな表示画面の表示装置を作るのに大型の基
板を使用するため、大きな処理領域が必要になってい
る。
【0011】上述のようなマイクロ波を使用してプラズ
マを生成する表面処理装置においては、処理領域を大き
くしようとした場合、マイクロ波の周波数を従来の2.
45GHzより低くした方が好ましいと考えられる。こ
れは、以下のような理由に基づく。
マを生成する表面処理装置においては、処理領域を大き
くしようとした場合、マイクロ波の周波数を従来の2.
45GHzより低くした方が好ましいと考えられる。こ
れは、以下のような理由に基づく。
【0012】上記空胴共振器の大きさは、処理領域の面
積に合うように決定される。処理領域が大きくなるに従
って、空胴共振器の容量も大きくなる。この場合、高い
周波数のマイクロ波では、空胴共振器の大きさに対して
マイクロ波の波長が相対的に短くなる。つまり、空胴共
振器内には、1波長や1.5波長以上の複数の山が形成
された状態でマイクロ波が共振することになる。このよ
うに複数の山が形成されて共振するマイクロ波を用いて
プラズマを生成すると、プラズマ密度が不均一になり易
くなる。不均一なプラズマ密度では、基板上の処理を不
均一化する。従って、処理領域が大きくなるに従い、よ
り低い周波数のマイクロ波を用いた方が良いのである。
積に合うように決定される。処理領域が大きくなるに従
って、空胴共振器の容量も大きくなる。この場合、高い
周波数のマイクロ波では、空胴共振器の大きさに対して
マイクロ波の波長が相対的に短くなる。つまり、空胴共
振器内には、1波長や1.5波長以上の複数の山が形成
された状態でマイクロ波が共振することになる。このよ
うに複数の山が形成されて共振するマイクロ波を用いて
プラズマを生成すると、プラズマ密度が不均一になり易
くなる。不均一なプラズマ密度では、基板上の処理を不
均一化する。従って、処理領域が大きくなるに従い、よ
り低い周波数のマイクロ波を用いた方が良いのである。
【0013】このような理由から、本願の発明者は、上
述した従来の2.45GHzのマイクロ波よりも波長が
長い低UHF帯(300MHz〜1GHz)の方が有利で
あると考えた。本願の発明者は、このような帯域のマイ
クロ波を使用する装置を試作した。図7は、低UHF帯
のマイクロ波を使用するものとして発明者が試作した表
面処理装置の構造を示す正面図である。
述した従来の2.45GHzのマイクロ波よりも波長が
長い低UHF帯(300MHz〜1GHz)の方が有利で
あると考えた。本願の発明者は、このような帯域のマイ
クロ波を使用する装置を試作した。図7は、低UHF帯
のマイクロ波を使用するものとして発明者が試作した表
面処理装置の構造を示す正面図である。
【0014】図7に示す表面処理装置は、低UHF帯の
マイクロ波を発生させるマイクロ波発生器1を有する。
マイクロ波発生器1が発生させたマイクロ波が、同軸線
路11及びループ12を介して空胴共振器2に導入され
る。より具体的に説明すると、ループ12は、磁界結合
方式によりマイクロ波を空胴共振器2に導入する。即
ち、ループ12を流れる電流によって空胴共振器2内に
周状に磁界が誘起される。そして、この磁界を介して空
胴共振器2内に電界が発生し、マイクロ波の電磁界が空
胴共振器2内で共振する。つまり、空胴共振器2内への
マイクロ波の結合に磁界が媒介している。
マイクロ波を発生させるマイクロ波発生器1を有する。
マイクロ波発生器1が発生させたマイクロ波が、同軸線
路11及びループ12を介して空胴共振器2に導入され
る。より具体的に説明すると、ループ12は、磁界結合
方式によりマイクロ波を空胴共振器2に導入する。即
ち、ループ12を流れる電流によって空胴共振器2内に
周状に磁界が誘起される。そして、この磁界を介して空
胴共振器2内に電界が発生し、マイクロ波の電磁界が空
胴共振器2内で共振する。つまり、空胴共振器2内への
マイクロ波の結合に磁界が媒介している。
【0015】また、空胴共振器2には、誘電体板41を
介在させて処理容器3が接続されている。処理容器3は
ガス供給口32から処理容器3内にガスを供給するガス
供給系5を有する。さらに、処理容器3は、排気口33
から処理容器3内を排気する排気系6を有する。処理容
器3内には、基板載置台31が設けられている。
介在させて処理容器3が接続されている。処理容器3は
ガス供給口32から処理容器3内にガスを供給するガス
供給系5を有する。さらに、処理容器3は、排気口33
から処理容器3内を排気する排気系6を有する。処理容
器3内には、基板載置台31が設けられている。
【0016】空胴共振器2は、マイクロ波がTM(trans
verse magnetic)010モードで共振する円筒形の共振器で
ある。円筒の軸は、紙面上の上下方向であり、基板30
と同軸即ち基板30の中心を垂直に貫く軸に一致してい
る。ループ12の存在を無視すれば、TM010 モードは
電磁界の分布が完全に軸対称になるので、中心軸に対し
て垂直な面内にほぼ均一なプラズマが生成される。この
面に平行に基板30を載置することにより、基板30の
表面にほぼ均一な処理を行なうことができる。
verse magnetic)010モードで共振する円筒形の共振器で
ある。円筒の軸は、紙面上の上下方向であり、基板30
と同軸即ち基板30の中心を垂直に貫く軸に一致してい
る。ループ12の存在を無視すれば、TM010 モードは
電磁界の分布が完全に軸対称になるので、中心軸に対し
て垂直な面内にほぼ均一なプラズマが生成される。この
面に平行に基板30を載置することにより、基板30の
表面にほぼ均一な処理を行なうことができる。
【0017】また、図7に示す装置では、空胴共振器2
から処理容器3にマイクロ波を放射させる構造が図6に
示す装置と異なっている。誘電体板41の空胴共振器2
側には、空胴共振器2の下壁部である放射板22が設け
られている。放射板22は金属製の板であり、軸対称状
に複数の円形の穴23を設けてある。空胴共振器2内で
共振するマイクロ波は、この円形の穴(以下、「放射
穴」と呼ぶ)23を通過するとともに誘電体板41を透
過して処理容器3内に放射される。そして、放射された
マイクロ波は、処理容器3内でプラズマを発生させる。
から処理容器3にマイクロ波を放射させる構造が図6に
示す装置と異なっている。誘電体板41の空胴共振器2
側には、空胴共振器2の下壁部である放射板22が設け
られている。放射板22は金属製の板であり、軸対称状
に複数の円形の穴23を設けてある。空胴共振器2内で
共振するマイクロ波は、この円形の穴(以下、「放射
穴」と呼ぶ)23を通過するとともに誘電体板41を透
過して処理容器3内に放射される。そして、放射された
マイクロ波は、処理容器3内でプラズマを発生させる。
【0018】図7に示す試作した表面処理装置では、発
明者の検討の結果、以下のような問題があることが判明
した。空胴共振器2内にできる電磁界は、純粋なTM
010 モードの場合には、明らかに完全な軸対称性を有す
る。しかし、図7に示す従来の空胴共振器では、側壁付
近に励振用のループ12が一カ所取り付けられている。
このループ12は、空胴共振器2内の電磁界をできるだ
け乱さず、しかも必要な耐熱性と電気的結合度を確保す
るため、厚さ約2mm、幅約15mmの板状部材をルー
プ状に成形して作られる。
明者の検討の結果、以下のような問題があることが判明
した。空胴共振器2内にできる電磁界は、純粋なTM
010 モードの場合には、明らかに完全な軸対称性を有す
る。しかし、図7に示す従来の空胴共振器では、側壁付
近に励振用のループ12が一カ所取り付けられている。
このループ12は、空胴共振器2内の電磁界をできるだ
け乱さず、しかも必要な耐熱性と電気的結合度を確保す
るため、厚さ約2mm、幅約15mmの板状部材をルー
プ状に成形して作られる。
【0019】しかしながら、このループ12の存在によ
り、空胴共振器2内の電磁界は図8に示すように局部的
に乱され、完全な軸対称性を失ってしまうという問題が
生じる。図8は、この問題を示した図であり、図7の装
置において磁界結合されたTM010 モードの共振につい
て示す模式図である。このうち、図8(A)は空胴共振
器2の軸方向の断面図、図8(B)は軸に垂直な方向で
の断面図である。図8は、ある瞬間における空胴共振器
2内の電磁界の状態を示している。図8中、Eは電界、
Hは磁界、iは電流を示す。電界Eは空胴共振器2の中
心軸に対して平行であり、磁界Hは中心軸の回りに同軸
円周状となる。そして、ある瞬間においては、電流i
は、空胴共振器2の底面の中央から周辺に向かって放射
状に流れ、側面を上に向かって流れた後、上面を中央に
向かって流れる。
り、空胴共振器2内の電磁界は図8に示すように局部的
に乱され、完全な軸対称性を失ってしまうという問題が
生じる。図8は、この問題を示した図であり、図7の装
置において磁界結合されたTM010 モードの共振につい
て示す模式図である。このうち、図8(A)は空胴共振
器2の軸方向の断面図、図8(B)は軸に垂直な方向で
の断面図である。図8は、ある瞬間における空胴共振器
2内の電磁界の状態を示している。図8中、Eは電界、
Hは磁界、iは電流を示す。電界Eは空胴共振器2の中
心軸に対して平行であり、磁界Hは中心軸の回りに同軸
円周状となる。そして、ある瞬間においては、電流i
は、空胴共振器2の底面の中央から周辺に向かって放射
状に流れ、側面を上に向かって流れた後、上面を中央に
向かって流れる。
【0020】この図8(特に(B))に示すように、図
7に示す装置では、ループ12の付近で電磁界の軸対称
性が乱されてしまう。このことは、次の実験結果からも
明らかである。即ち、図7に示す従来装置で基板30を
エッチングした場合、ループ12が位置する直下付近の
エッチングレートは、他の部分のエッチングレートに比
べて約5パーセント高いことが見出された。更にループ
12を図8に示す位置から中心軸を中心に180度反対
側に移すと、エッチングレートの上昇部も180度反対
側に移った。この結果は、ループ12の存在による空胴
共振器3内の電磁界の非対称性により、処理容器3内の
プラズマ密度が非対称化されるものと解釈される。
7に示す装置では、ループ12の付近で電磁界の軸対称
性が乱されてしまう。このことは、次の実験結果からも
明らかである。即ち、図7に示す従来装置で基板30を
エッチングした場合、ループ12が位置する直下付近の
エッチングレートは、他の部分のエッチングレートに比
べて約5パーセント高いことが見出された。更にループ
12を図8に示す位置から中心軸を中心に180度反対
側に移すと、エッチングレートの上昇部も180度反対
側に移った。この結果は、ループ12の存在による空胴
共振器3内の電磁界の非対称性により、処理容器3内の
プラズマ密度が非対称化されるものと解釈される。
【0021】本願の発明は、上述した課題を解決するた
めになされたものであり、低UHF帯のマイクロ波を使
用することにより広い領域に均一なプラズマを生成して
大面積の対象物に均一な表面処理を行なうことができる
実用的な装置を提供することを目的としている。
めになされたものであり、低UHF帯のマイクロ波を使
用することにより広い領域に均一なプラズマを生成して
大面積の対象物に均一な表面処理を行なうことができる
実用的な装置を提供することを目的としている。
【0022】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本願の請求項1記載の発明は、300MHzから1
GHzの低UHF帯のマイクロ波を発生させるマイクロ
波発生手段と、このマイクロ波発生手段が発生させるマ
イクロ波がTM010 モードで共振するよう形成された空
胴共振器と、マイクロ波発生手段が発生させたマイクロ
波をこの空胴共振器に導入するマイクロ波導入手段と、
空胴共振器からマイクロ波が放射されるように空胴共振
器に接続された気密な処理容器と、放射されたマイクロ
波のエネルギーによってプラズマ化するガスを処理容器
内に供給するガス供給系と、プラズマによって処理され
る位置に処理対象物を配置する手段とを備え、前記マイ
クロ波導入手段は、空胴共振器の中心軸と同軸上に配置
されたアンテナを有しており、このアンテナからマイク
ロ波が電界結合方式により励振されて空胴共振器内に導
入されるという構成を有する。また、上記課題を解決す
るため、請求項2記載の発明は、上記請求項1の構成に
おいて、前記処理対象物は、円形の基板であり、前記保
持手段は、前記円筒形の空胴共振器と同軸上の位置でこ
の基板を保持するものであるという構成を有する。ま
た、上記課題を解決するため、請求項3記載の発明は、
上記請求項1又は2の構成において、前記空胴共振器
は、リエントラント形であるという構成を有する。ま
た、上記課題を解決するため、請求項4記載の発明は、
上記請求項1、2又は3の構成において、前記空胴共振
器と前記処理容器との間には、マイクロ波を透過させる
誘電体板が設けられて両者が区画されているという構成
を有する。
め、本願の請求項1記載の発明は、300MHzから1
GHzの低UHF帯のマイクロ波を発生させるマイクロ
波発生手段と、このマイクロ波発生手段が発生させるマ
イクロ波がTM010 モードで共振するよう形成された空
胴共振器と、マイクロ波発生手段が発生させたマイクロ
波をこの空胴共振器に導入するマイクロ波導入手段と、
空胴共振器からマイクロ波が放射されるように空胴共振
器に接続された気密な処理容器と、放射されたマイクロ
波のエネルギーによってプラズマ化するガスを処理容器
内に供給するガス供給系と、プラズマによって処理され
る位置に処理対象物を配置する手段とを備え、前記マイ
クロ波導入手段は、空胴共振器の中心軸と同軸上に配置
されたアンテナを有しており、このアンテナからマイク
ロ波が電界結合方式により励振されて空胴共振器内に導
入されるという構成を有する。また、上記課題を解決す
るため、請求項2記載の発明は、上記請求項1の構成に
おいて、前記処理対象物は、円形の基板であり、前記保
持手段は、前記円筒形の空胴共振器と同軸上の位置でこ
の基板を保持するものであるという構成を有する。ま
た、上記課題を解決するため、請求項3記載の発明は、
上記請求項1又は2の構成において、前記空胴共振器
は、リエントラント形であるという構成を有する。ま
た、上記課題を解決するため、請求項4記載の発明は、
上記請求項1、2又は3の構成において、前記空胴共振
器と前記処理容器との間には、マイクロ波を透過させる
誘電体板が設けられて両者が区画されているという構成
を有する。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本願の発明の実施の形態に
ついて説明する。図1は本願発明の実施形態に係る表面
処理装置を示す正面図、図2は図1に示す空胴共振器内
の電磁界分布を示す模式図である。図1に示す表面処理
装置は、低UHF帯のマイクロ波を発生させるマイクロ
波発生器1を有する。マイクロ波発生器1が発生させた
マイクロ波がマイクロ波導入手段10により、空胴共振
器2に導入される。空胴共振器2は、気密な処理容器3
に接続されている。処理容器3は、ガス供給口32から
処理容器3内にガスを供給するガス供給系5を有する。
さらに、処理容器3は、排気口33から処理容器3内を
排気する排気系6を有する。処理容器3は、その内部に
基板30を載置する基板載置台31を有する。
ついて説明する。図1は本願発明の実施形態に係る表面
処理装置を示す正面図、図2は図1に示す空胴共振器内
の電磁界分布を示す模式図である。図1に示す表面処理
装置は、低UHF帯のマイクロ波を発生させるマイクロ
波発生器1を有する。マイクロ波発生器1が発生させた
マイクロ波がマイクロ波導入手段10により、空胴共振
器2に導入される。空胴共振器2は、気密な処理容器3
に接続されている。処理容器3は、ガス供給口32から
処理容器3内にガスを供給するガス供給系5を有する。
さらに、処理容器3は、排気口33から処理容器3内を
排気する排気系6を有する。処理容器3は、その内部に
基板30を載置する基板載置台31を有する。
【0024】マイクロ波発生器1としては、固体素子が
通常採用され、周波数は低UHF帯例えば500MHz
である。具体的には、電界効果トランジスタ(FET)
を使用した素子が使用できる。このような固体素子とし
ては、例えばモトローラ社製のMRF−393等が市販
されている。尚、マイクロ波発生器1の出力は約2kW
とされる。
通常採用され、周波数は低UHF帯例えば500MHz
である。具体的には、電界効果トランジスタ(FET)
を使用した素子が使用できる。このような固体素子とし
ては、例えばモトローラ社製のMRF−393等が市販
されている。尚、マイクロ波発生器1の出力は約2kW
とされる。
【0025】マイクロ波導入手段10は、マイクロ波発
生器1と空胴共振器2とをつなぐ同軸線路11と、同軸
線路11の空胴共振器2への接続部分に設けられたアン
テナ13とから主に構成されている。同軸線路11は、
マイクロ波を伝送する二線回路であり、内導体とこれを
取り囲む同軸状の外導体とからなる。内導体と外導体と
の間には、必要に応じて誘電体が装荷される。
生器1と空胴共振器2とをつなぐ同軸線路11と、同軸
線路11の空胴共振器2への接続部分に設けられたアン
テナ13とから主に構成されている。同軸線路11は、
マイクロ波を伝送する二線回路であり、内導体とこれを
取り囲む同軸状の外導体とからなる。内導体と外導体と
の間には、必要に応じて誘電体が装荷される。
【0026】アンテナ13は、電界結合方式により空胴
共振器2内にマイクロ波を導入するように構成されてい
る。アンテナ13は、同軸線路11の内導体を延長して
設けられており、外径17mm程度の丸棒状である。
尚、アンテナ13の材質は、アルミニウム又は銅等であ
る。アンテナ13は、空胴共振器2の上壁部の中心の開
口から内部に少し突出している。この突出長さは、例え
ば17mm程度である。
共振器2内にマイクロ波を導入するように構成されてい
る。アンテナ13は、同軸線路11の内導体を延長して
設けられており、外径17mm程度の丸棒状である。
尚、アンテナ13の材質は、アルミニウム又は銅等であ
る。アンテナ13は、空胴共振器2の上壁部の中心の開
口から内部に少し突出している。この突出長さは、例え
ば17mm程度である。
【0027】同軸線路11によって伝送されたマイクロ
波は、アンテナ13を介して電界結合方式により空胴共
振器2内に導入される。アンテナ13は、ループ状では
なく、端部が開放されている。従って、アンテナ13の
端部からマイクロ波の電界が空胴共振器2内に励振され
る。この電界を基にして、空胴共振器2内には周状に磁
界が発生し、マイクロ波の電磁界が空胴共振器2内で共
振する。つまり、空胴共振器2内へのマイクロ波の結合
にはアンテナ13からの電界が媒介している。
波は、アンテナ13を介して電界結合方式により空胴共
振器2内に導入される。アンテナ13は、ループ状では
なく、端部が開放されている。従って、アンテナ13の
端部からマイクロ波の電界が空胴共振器2内に励振され
る。この電界を基にして、空胴共振器2内には周状に磁
界が発生し、マイクロ波の電磁界が空胴共振器2内で共
振する。つまり、空胴共振器2内へのマイクロ波の結合
にはアンテナ13からの電界が媒介している。
【0028】空胴共振器2は、アルミニウムまたはステ
ンレスのような金属でできた円筒形の容器である。この
空胴共振器2は、マイクロ波発生器1が発生させるマイ
クロ波が最低次のTM010 モードで共振する円筒形の共
振器である。このモードの共振周波数f0 は、aを空
胴半径として、次式で計算される。 λ0 =2.61a=c/f0 この式から、a=200mmのとき、f0 =575MH
zとなる。尚、cは真空中の光速度、λ0 はマイクロ波
の波長である。尚、空胴共振器2の軸方向の長さは、半
径aと同程度でよく、例えば175mmである。
ンレスのような金属でできた円筒形の容器である。この
空胴共振器2は、マイクロ波発生器1が発生させるマイ
クロ波が最低次のTM010 モードで共振する円筒形の共
振器である。このモードの共振周波数f0 は、aを空
胴半径として、次式で計算される。 λ0 =2.61a=c/f0 この式から、a=200mmのとき、f0 =575MH
zとなる。尚、cは真空中の光速度、λ0 はマイクロ波
の波長である。尚、空胴共振器2の軸方向の長さは、半
径aと同程度でよく、例えば175mmである。
【0029】図2は、図1に示す装置において電界結合
方式により励振されたTM010 モードの共振を示す模式
図である。図2中の(A)は空胴共振器の軸方向の断面
図、(B)は軸に垂直な方向での断面図である。図2
中、Eは電界、Hは磁界、iは電流を表わしている。こ
の図2に示すように、電界結合方式により励振されたT
M010 モードでは、電磁界の分布は完全軸対称であり、
軸対称性の良い均一なプラズマが形成される。この点
が、ループ12を使用した磁界結合方式である図7の装
置とは大きく異なる。
方式により励振されたTM010 モードの共振を示す模式
図である。図2中の(A)は空胴共振器の軸方向の断面
図、(B)は軸に垂直な方向での断面図である。図2
中、Eは電界、Hは磁界、iは電流を表わしている。こ
の図2に示すように、電界結合方式により励振されたT
M010 モードでは、電磁界の分布は完全軸対称であり、
軸対称性の良い均一なプラズマが形成される。この点
が、ループ12を使用した磁界結合方式である図7の装
置とは大きく異なる。
【0030】図2(A)に示すように、TM010 モード
では、電界の向きが軸方向であり、(B)に示すように
磁界の向きが周方向である。高周波電流は、ある瞬間に
おいて空胴共振器2の下板部分で中心から周辺に向かっ
て流れ、側板部分を上方に向かって流れ、そして、上板
部分を周辺から中心に向かって流れる。
では、電界の向きが軸方向であり、(B)に示すように
磁界の向きが周方向である。高周波電流は、ある瞬間に
おいて空胴共振器2の下板部分で中心から周辺に向かっ
て流れ、側板部分を上方に向かって流れ、そして、上板
部分を周辺から中心に向かって流れる。
【0031】図1に戻り、本実施形態の装置のその他の
構造について説明する。まず、空胴共振器2には、誘電
体板41を介在させて処理容器3が接続されている。誘
電体板41は、石英ガラス又はアルミナなどで形成さ
れ、厚さは30mm程度でよい。また、誘電体板41の
空胴共振器2側には、空胴共振器2の壁部である放射板
22が設けられている。放射板22は金属製の板であ
り、軸対称状に複数の放射穴23を設けてある。空胴共
振器2内で共振するマイクロ波は、放射穴23を通過す
るとともに誘電体板41を透過して処理容器3内に放射
される。そして、放射されたマイクロ波は、処理容器3
内でプラズマを発生させる。尚、放射穴23は直径90
mm程度の円形であり、空胴共振器2の中心軸から12
0mm程度の半径位置にその中心が位置するように、6
個程度設けられている。
構造について説明する。まず、空胴共振器2には、誘電
体板41を介在させて処理容器3が接続されている。誘
電体板41は、石英ガラス又はアルミナなどで形成さ
れ、厚さは30mm程度でよい。また、誘電体板41の
空胴共振器2側には、空胴共振器2の壁部である放射板
22が設けられている。放射板22は金属製の板であ
り、軸対称状に複数の放射穴23を設けてある。空胴共
振器2内で共振するマイクロ波は、放射穴23を通過す
るとともに誘電体板41を透過して処理容器3内に放射
される。そして、放射されたマイクロ波は、処理容器3
内でプラズマを発生させる。尚、放射穴23は直径90
mm程度の円形であり、空胴共振器2の中心軸から12
0mm程度の半径位置にその中心が位置するように、6
個程度設けられている。
【0032】処理容器3は、ガス供給口32及び排気口
33を有する。処理容器3の上端開口の縁には容器フラ
ンジ34が設けられており、ガス供給口32はこの容器
フランジ34に形成されている。図1に示すように、容
器フランジ34と放射板22の間にはすき間が形成され
ている。このすき間は、ガス供給口32から供給される
ガスのガス溜めとして形成されている。ガス供給口32
から供給されるガスは上記すき間に入って周状に拡散す
る。
33を有する。処理容器3の上端開口の縁には容器フラ
ンジ34が設けられており、ガス供給口32はこの容器
フランジ34に形成されている。図1に示すように、容
器フランジ34と放射板22の間にはすき間が形成され
ている。このすき間は、ガス供給口32から供給される
ガスのガス溜めとして形成されている。ガス供給口32
から供給されるガスは上記すき間に入って周状に拡散す
る。
【0033】前述した誘電体板41は、その側面にフラ
ンジ42が接続されている。このフランジ42は、容器
フランジ34に気密に接続されている。フランジ42と
容器フランジ34との間には、Oリングのようなシール
部材9が設けられて真空シールを形成している。
ンジ42が接続されている。このフランジ42は、容器
フランジ34に気密に接続されている。フランジ42と
容器フランジ34との間には、Oリングのようなシール
部材9が設けられて真空シールを形成している。
【0034】ガス供給系5は、不図示のガスボンベとガ
ス供給口32とをつなぐ配管51と、配管51に設けら
れたバルブ52と、不図示の流量調整器とを有する。排
気口33は、処理容器3の底面部分に設けられている。
また、排気系6は、排気口33から処理容器3内を排気
するターボモレキュラーポンプのような真空ポンプを有
する。排気系6は、処理容器3内を1Torr〜10-3
Torr程度の圧力に排気できるようになっている。
ス供給口32とをつなぐ配管51と、配管51に設けら
れたバルブ52と、不図示の流量調整器とを有する。排
気口33は、処理容器3の底面部分に設けられている。
また、排気系6は、排気口33から処理容器3内を排気
するターボモレキュラーポンプのような真空ポンプを有
する。排気系6は、処理容器3内を1Torr〜10-3
Torr程度の圧力に排気できるようになっている。
【0035】このような処理容器3は、空胴共振器2と
ほぼ同じ内径の円筒形の容器であり、アルミニウム又は
ステンレスのような金属で形成されている。処理容器3
内のほぼ中央には、プラズマによって処理される位置に
処理対象物である基板30を保持する保持手段としての
基板載置台31が設けられている。基板30は、基板載
置台31に載置されて保持される。基板載置台31は、
ステンレスのような金属であり、支柱311によって支
えられている。支柱311は処理容器3の底面を気密に
貫通している。
ほぼ同じ内径の円筒形の容器であり、アルミニウム又は
ステンレスのような金属で形成されている。処理容器3
内のほぼ中央には、プラズマによって処理される位置に
処理対象物である基板30を保持する保持手段としての
基板載置台31が設けられている。基板30は、基板載
置台31に載置されて保持される。基板載置台31は、
ステンレスのような金属であり、支柱311によって支
えられている。支柱311は処理容器3の底面を気密に
貫通している。
【0036】この基板載置台31は、基板30に一定の
バイアス電位を印加する電極の役割を兼ねている。基板
載置台31には、処理容器3外に設けられた高周波電源
7が接続されている。高周波電源7が与える高周波電圧
とプラズマとの相互作用によって、基板載置台31上の
基板30にプラズマに対して負のバイアス電位が生まれ
る。基板載置台31及び支柱311を覆うようにして絶
縁体312が設けられており、接地される処理容器3か
ら基板載置台31を絶縁している。
バイアス電位を印加する電極の役割を兼ねている。基板
載置台31には、処理容器3外に設けられた高周波電源
7が接続されている。高周波電源7が与える高周波電圧
とプラズマとの相互作用によって、基板載置台31上の
基板30にプラズマに対して負のバイアス電位が生まれ
る。基板載置台31及び支柱311を覆うようにして絶
縁体312が設けられており、接地される処理容器3か
ら基板載置台31を絶縁している。
【0037】次に、図1の装置の動作を説明する。基板
30は、処理容器3に設けられた不図示のゲートバルブ
を通して処理容器3内に搬入され、基板載置台31上に
載置される。基板載置台31内には必要に応じて静電吸
着機構が設けられ、基板30を静電吸着する。ガス導入
系5によってガス供給口32を通して処理容器3内に所
定のガスを供給しながら、排気系6によって処理容器3
内を排気し、処理容器3内を設定圧力に保つ。この状態
で、マイクロ波発生器1が低UHF帯のマイクロ波を発
生させる。マイクロ波は同軸線路11によって伝送され
て、アンテナ13を介して空胴共振器2に導入される。
30は、処理容器3に設けられた不図示のゲートバルブ
を通して処理容器3内に搬入され、基板載置台31上に
載置される。基板載置台31内には必要に応じて静電吸
着機構が設けられ、基板30を静電吸着する。ガス導入
系5によってガス供給口32を通して処理容器3内に所
定のガスを供給しながら、排気系6によって処理容器3
内を排気し、処理容器3内を設定圧力に保つ。この状態
で、マイクロ波発生器1が低UHF帯のマイクロ波を発
生させる。マイクロ波は同軸線路11によって伝送され
て、アンテナ13を介して空胴共振器2に導入される。
【0038】マイクロ波は空胴共振器2内でTM010 モ
ードで共振しながら、放射板22の放射穴23を通して
処理容器3内に放射される。放射されたマイクロ波は、
処理容器3内に供給されたガスにそのエネルギーを注入
して、プラズマが形成される。そして、このプラズマを
利用して基板30の表面に所望の処理が施される。例え
ば、プラズマ反応イオンエッチングを行なう場合には、
プラズマ中で活性種たとえばフッ素系活性種を生成する
ガスを供給し、活性種で基板30をエッチングする。ま
た、プラズマCVDを行なう場合、プラズマ中で分解反
応を生ずる原料ガスを供給し、基板30上に所望の薄膜
を堆積させる。
ードで共振しながら、放射板22の放射穴23を通して
処理容器3内に放射される。放射されたマイクロ波は、
処理容器3内に供給されたガスにそのエネルギーを注入
して、プラズマが形成される。そして、このプラズマを
利用して基板30の表面に所望の処理が施される。例え
ば、プラズマ反応イオンエッチングを行なう場合には、
プラズマ中で活性種たとえばフッ素系活性種を生成する
ガスを供給し、活性種で基板30をエッチングする。ま
た、プラズマCVDを行なう場合、プラズマ中で分解反
応を生ずる原料ガスを供給し、基板30上に所望の薄膜
を堆積させる。
【0039】本実施形態におけるような低温プラズマで
は、プラズマの電子温度は低く、基板30に入射するイ
オンの加速電圧となるプラズマ電位も通常20〜30V
程度である。この場合、高周波電源7によって基板30
に負のセルフバイアス電圧を発生させると、プラズマ中
からイオンが引き出されて基板30に衝突するのが促進
される。このような構成は、比較的大きなエネルギーを
必要とするリアクティブイオンエッチングの場合に好適
である。
は、プラズマの電子温度は低く、基板30に入射するイ
オンの加速電圧となるプラズマ電位も通常20〜30V
程度である。この場合、高周波電源7によって基板30
に負のセルフバイアス電圧を発生させると、プラズマ中
からイオンが引き出されて基板30に衝突するのが促進
される。このような構成は、比較的大きなエネルギーを
必要とするリアクティブイオンエッチングの場合に好適
である。
【0040】上述した動作において、図1に示すよう
に、基板載置台31の上面は放射板22に対して平行に
なっている。従って、放射板22と基板載置台31との
間の電界は、基板30に対して垂直となる。このため、
プラズマ中のイオンは基板30に垂直に多く入射する。
この点は、例えば基板30の表面に形成された溝や穴の
底部にイオンを多く到達させる必要がある場合に特に好
適である。また、プラズマが周方向で均一になることと
相まって、基板への電界が垂直になることから、基板3
0へのイオン入射量も周方向で均一になる。基板載置台
31の上面と放射板22との平行な関係は、このような
基板30に対する均一処理にも貢献している。
に、基板載置台31の上面は放射板22に対して平行に
なっている。従って、放射板22と基板載置台31との
間の電界は、基板30に対して垂直となる。このため、
プラズマ中のイオンは基板30に垂直に多く入射する。
この点は、例えば基板30の表面に形成された溝や穴の
底部にイオンを多く到達させる必要がある場合に特に好
適である。また、プラズマが周方向で均一になることと
相まって、基板への電界が垂直になることから、基板3
0へのイオン入射量も周方向で均一になる。基板載置台
31の上面と放射板22との平行な関係は、このような
基板30に対する均一処理にも貢献している。
【0041】図3は、図1及び図2に示す本実施形態の
装置の効果を確認した実験の結果を示す図である。この
実験では、表面処理の一例としてプラズマエッチングを
行った。そして、基板30の中心から半径75mm程度
の位置での周方向でのエッチングレートの分布を測定し
た。図3中、○でプロットした線が図1に示す本実施形
態の装置におけるエッチングレート分布であり、×でプ
ロットした線が図7に示す試作機の装置におけるエッチ
ングレート分布である。
装置の効果を確認した実験の結果を示す図である。この
実験では、表面処理の一例としてプラズマエッチングを
行った。そして、基板30の中心から半径75mm程度
の位置での周方向でのエッチングレートの分布を測定し
た。図3中、○でプロットした線が図1に示す本実施形
態の装置におけるエッチングレート分布であり、×でプ
ロットした線が図7に示す試作機の装置におけるエッチ
ングレート分布である。
【0042】図3に示す通り、図7の装置では、周方向
の位置でのエッチングレートのばらつきが大きく、均一
なエッチングができていないことが分かる。一方、図1
の装置では、エッチングレートは周方向位置で均一であ
り、均一なエッチングができることが分かる。
の位置でのエッチングレートのばらつきが大きく、均一
なエッチングができていないことが分かる。一方、図1
の装置では、エッチングレートは周方向位置で均一であ
り、均一なエッチングができることが分かる。
【0043】次に、本願発明の他の実施形態について説
明する。図4は、本願発明の他の実施形態の表面処理装
置を示す正面図である。この図4に示す実施形態では、
リエントラント(re-entrant)形の空胴共振器2が使用さ
れている。リエントラント形の空胴共振器2は、同軸形
共振器の中心導体をカットしたものであり、その共振周
波数は、中心導体25の長さ(図4のL1及びL2)に
よって調整可能である。
明する。図4は、本願発明の他の実施形態の表面処理装
置を示す正面図である。この図4に示す実施形態では、
リエントラント(re-entrant)形の空胴共振器2が使用さ
れている。リエントラント形の空胴共振器2は、同軸形
共振器の中心導体をカットしたものであり、その共振周
波数は、中心導体25の長さ(図4のL1及びL2)に
よって調整可能である。
【0044】前述したように、空胴共振器2の大きさは
共振周波数を決定する条件として重要なパラメーターで
あるため、共振周波数が固定されていると、それに従っ
て空胴共振器の大きさも固定されてしまう。空胴共振器
2の大きさは、プラズマを形成する領域を決めてしま
う。一方、空胴共振器2の大きさは、処理する基板30
の大きさによって制約を受ける。空胴共振器2を基板3
0の大きさに合うように設計したら、空胴共振器2の共
振周波数が希望する周波数からずれてしまう場合があ
る。マイクロ波発生器1についても、発振可能な周波数
が限られている場合があり、そのような発振可能な周波
数に共振周波数を合わせておく必要がある。
共振周波数を決定する条件として重要なパラメーターで
あるため、共振周波数が固定されていると、それに従っ
て空胴共振器の大きさも固定されてしまう。空胴共振器
2の大きさは、プラズマを形成する領域を決めてしま
う。一方、空胴共振器2の大きさは、処理する基板30
の大きさによって制約を受ける。空胴共振器2を基板3
0の大きさに合うように設計したら、空胴共振器2の共
振周波数が希望する周波数からずれてしまう場合があ
る。マイクロ波発生器1についても、発振可能な周波数
が限られている場合があり、そのような発振可能な周波
数に共振周波数を合わせておく必要がある。
【0045】図4に示す実施形態は、このような事情を
考慮してなされたものである。中心導体25の長さを適
宜設定することにより共振周波数を調整できるように
し、空胴共振器2の大きさやマイクロ波発生器1の発振
周波数の設計の自由度を増加させている。具体的には、
空胴共振器2内に突出したアンテナ13の周囲を取り囲
むようにして、上側導体25が設けられている。上側導
体25は、アンテナ13と同軸の円筒形であり、材質的
には空胴共振器2と同様の金属である。また、空胴共振
器の下壁部を構成する放射板22の中央には、下側導体
26が設けられている。下側導体26は、アンテナ13
と同軸に設けられた円柱状(内部が空洞でもよい)であ
り、材質的には空胴共振器2と同様の金属である。
考慮してなされたものである。中心導体25の長さを適
宜設定することにより共振周波数を調整できるように
し、空胴共振器2の大きさやマイクロ波発生器1の発振
周波数の設計の自由度を増加させている。具体的には、
空胴共振器2内に突出したアンテナ13の周囲を取り囲
むようにして、上側導体25が設けられている。上側導
体25は、アンテナ13と同軸の円筒形であり、材質的
には空胴共振器2と同様の金属である。また、空胴共振
器の下壁部を構成する放射板22の中央には、下側導体
26が設けられている。下側導体26は、アンテナ13
と同軸に設けられた円柱状(内部が空洞でもよい)であ
り、材質的には空胴共振器2と同様の金属である。
【0046】空胴共振器2の内径が350mm、マイク
ロ波発生器1の発振周波数が500MHzの場合、上側
導体25と下側導体26の合計の長さ(L1+L2)は
100mmで、上側導体25と下側導体26の太さ(外
径)は70mm程度とされる。尚、アンテナ13は、上
側導体25の下端から少し(17mm程度)突出した状
態とされる。このような寸法で構成することで、最適な
共振状態を得ることができる。
ロ波発生器1の発振周波数が500MHzの場合、上側
導体25と下側導体26の合計の長さ(L1+L2)は
100mmで、上側導体25と下側導体26の太さ(外
径)は70mm程度とされる。尚、アンテナ13は、上
側導体25の下端から少し(17mm程度)突出した状
態とされる。このような寸法で構成することで、最適な
共振状態を得ることができる。
【0047】冒頭に述べたように、本願発明は非平衡プ
ラズマいわゆる低温プラズマを用いて表面反応を進行さ
せる場合に利用されるが、これに限られるものではな
く、その他のプラズマを用いたり、その他の表面処理を
行なう場合にも有効であることは言うまでもない。
ラズマいわゆる低温プラズマを用いて表面反応を進行さ
せる場合に利用されるが、これに限られるものではな
く、その他のプラズマを用いたり、その他の表面処理を
行なう場合にも有効であることは言うまでもない。
【0048】また、処理対象物である基板30は、円形
の場合に限らず、液晶基板のように方形であってもよ
い。方形の基板の場合には、方形の対角線と同等かそれ
以上の直径を有する空胴共振器2を使用し、やはり、基
板の中心と空胴共振器2の中心軸とを一致させるように
する。尚、円形や方形以外の形状の基板や板状ではない
ものを処理対象物としても良いことは勿論である。
の場合に限らず、液晶基板のように方形であってもよ
い。方形の基板の場合には、方形の対角線と同等かそれ
以上の直径を有する空胴共振器2を使用し、やはり、基
板の中心と空胴共振器2の中心軸とを一致させるように
する。尚、円形や方形以外の形状の基板や板状ではない
ものを処理対象物としても良いことは勿論である。
【0049】
【発明の効果】以上説明した通り、本願の請求項1記載
の発明によれば、低UHF帯のマイクロ波を使用するた
め、処理領域が大きくなった場合でも均一な表面処理が
行なえる。TM010 モードで共振する空胴共振器を使用
することから、さらに均一な表面処理が可能になる。空
胴共振器は完全軸対称性を有する電界結合方式により励
振されており、このことが、均一なプラズマによる均一
な表面処理に貢献している。また、請求項2記載の発明
によれば、上記請求項1の発明の効果に加え、処理対象
物が半導体ウェハのような円形の基板の場合に最適な構
成となる。また、請求項3記載の発明によれば、上記請
求項1又は2の効果に加え、空胴共振器がリエントラン
ト形であるので、空胴共振器の大きさやマイクロ波発生
器の発振周波数の設定に対して自由度が増える。さら
に、請求項4の発明によれば、上記請求項1、2又は3
の効果に加え、空胴共振器と処理容器とが分離されて空
胴共振器内とは別の場所でプラズマが生成されるので、
プラズマの有無による共振条件の変化を小さくできる。
の発明によれば、低UHF帯のマイクロ波を使用するた
め、処理領域が大きくなった場合でも均一な表面処理が
行なえる。TM010 モードで共振する空胴共振器を使用
することから、さらに均一な表面処理が可能になる。空
胴共振器は完全軸対称性を有する電界結合方式により励
振されており、このことが、均一なプラズマによる均一
な表面処理に貢献している。また、請求項2記載の発明
によれば、上記請求項1の発明の効果に加え、処理対象
物が半導体ウェハのような円形の基板の場合に最適な構
成となる。また、請求項3記載の発明によれば、上記請
求項1又は2の効果に加え、空胴共振器がリエントラン
ト形であるので、空胴共振器の大きさやマイクロ波発生
器の発振周波数の設定に対して自由度が増える。さら
に、請求項4の発明によれば、上記請求項1、2又は3
の効果に加え、空胴共振器と処理容器とが分離されて空
胴共振器内とは別の場所でプラズマが生成されるので、
プラズマの有無による共振条件の変化を小さくできる。
【図1】本願発明の実施形態に係わる表面処理装置を示
す正面図である。
す正面図である。
【図2】図1の装置において電界結合されたTM010 モ
ードの共振について示す模式図であり、(A)は空胴共
振器2の軸方向の断面図、(B)は軸に垂直な方向での
断面図である。
ードの共振について示す模式図であり、(A)は空胴共
振器2の軸方向の断面図、(B)は軸に垂直な方向での
断面図である。
【図3】図1及び図2に示す本実施形態の装置の効果を
確認した実験の結果を示す図である。
確認した実験の結果を示す図である。
【図4】本願発明の他の実施形態の表面処理装置を示す
正面図である。
正面図である。
【図5】特開昭56―96841号公報に示された従来
の表面処理装置を示す図である。
の表面処理装置を示す図である。
【図6】特公平8―31444号公報に示された従来の
表面処理装置を示す図である。
表面処理装置を示す図である。
【図7】低UHF帯のマイクロ波を使用するものとして
発明者が試作した従来の表面処理装置の構造を示す正面
図である。
発明者が試作した従来の表面処理装置の構造を示す正面
図である。
【図8】図7の装置において磁界結合されたTM010 モ
ードの共振について示す模式図であり、(A)は空胴共
振器2の軸方向の断面図、(B)は軸に垂直な方向での
断面図である。
ードの共振について示す模式図であり、(A)は空胴共
振器2の軸方向の断面図、(B)は軸に垂直な方向での
断面図である。
1 マイクロ波発生器 10 マイクロ波導入手段 11 同軸線路 13 アンテナ 2 空胴共振器 22 放射板 23 放射穴 25 中心導体 3 処理容器 30 基板 31 保持手段としての基板載置台 311 支柱 312 絶縁体 32 ガス供給口 33 排気口 34 容器フランジ 41 誘電体板 42 金属製フランジ 43 装着フランジ 5 ガス供給系 51 配管 52 バルブ 6 排気系 7 高周波電源 9 シール部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01L 21/3065 H01L 21/31 C 21/31 21/302 B (72)発明者 金 京植 東京都府中市四谷5丁目8番1号アネルバ 株式会社内 (72)発明者 塚田 勉 東京都府中市四谷5丁目8番1号アネルバ 株式会社内
Claims (4)
- 【請求項1】 300MHzから1GHzの低UHF帯
のマイクロ波を発生させるマイクロ波発生手段と、この
マイクロ波発生手段が発生させるマイクロ波がTM010
モードで共振するよう形成された円筒形の空胴共振器
と、マイクロ波発生手段が発生させたマイクロ波をこの
空胴共振器に導入するマイクロ波導入手段と、空胴共振
器からマイクロ波が放射されるように空胴共振器に接続
された気密な処理容器と、放射されたマイクロ波のエネ
ルギーによってプラズマ化するガスを処理容器内に供給
するガス供給系と、プラズマによって処理される位置に
処理対象物を保持する保持手段とを備え、前記マイクロ
波導入手段は、空胴共振器の中心軸と同軸上に配置され
たアンテナを有しており、このアンテナからマイクロ波
が電界結合方式により励振されて空胴共振器内に導入さ
れることを特徴とする表面処理装置。 - 【請求項2】 前記処理対象物は、円形の基板であり、
前記保持手段は、前記円筒形の空胴共振器と同軸上の位
置でこの基板を保持するものであることを特徴とする請
求項1記載の表面処理装置。 - 【請求項3】 前記空胴共振器は、リエントラント形で
あることを特徴とする請求項1又は2記載の表面処理装
置。 - 【請求項4】 前記空胴共振器と前記処理容器との間に
は、マイクロ波を透過させる誘電体板が設けられて両者
が区画されていることを特徴とする請求項1、2又は3
記載の表面処理装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9369355A JPH11195500A (ja) | 1997-12-31 | 1997-12-31 | 表面処理装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9369355A JPH11195500A (ja) | 1997-12-31 | 1997-12-31 | 表面処理装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11195500A true JPH11195500A (ja) | 1999-07-21 |
Family
ID=18494214
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9369355A Pending JPH11195500A (ja) | 1997-12-31 | 1997-12-31 | 表面処理装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11195500A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2002058441A1 (fr) * | 2001-01-18 | 2002-07-25 | Tokyo Electron Limited | Dispositif plasma et procede de generation de plasma |
WO2002065533A1 (fr) * | 2001-02-16 | 2002-08-22 | Tokyo Electron Limited | Appareil a plasma et procede de fabrication |
WO2004073363A1 (ja) * | 2003-02-14 | 2004-08-26 | Tokyo Electron Limited | プラズマ発生装置およびプラズマ発生方法ならびにリモートプラズマ処理装置 |
JP2005511915A (ja) * | 2001-12-06 | 2005-04-28 | イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー | 造形された非熱可塑性繊維状材料に保留性を与えるための方法 |
CN1293789C (zh) * | 2001-01-18 | 2007-01-03 | 东京毅力科创株式会社 | 等离子体装置及等离子体生成方法 |
WO2008013112A1 (fr) * | 2006-07-28 | 2008-01-31 | Tokyo Electron Limited | Source de plasma à micro-ondes et appareil de traitement plasma |
-
1997
- 1997-12-31 JP JP9369355A patent/JPH11195500A/ja active Pending
Cited By (12)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2002058441A1 (fr) * | 2001-01-18 | 2002-07-25 | Tokyo Electron Limited | Dispositif plasma et procede de generation de plasma |
JP2002289398A (ja) * | 2001-01-18 | 2002-10-04 | Tokyo Electron Ltd | プラズマ装置およびプラズマ生成方法 |
CN1293789C (zh) * | 2001-01-18 | 2007-01-03 | 东京毅力科创株式会社 | 等离子体装置及等离子体生成方法 |
US7243610B2 (en) | 2001-01-18 | 2007-07-17 | Tokyo Electron Limited | Plasma device and plasma generating method |
WO2002065533A1 (fr) * | 2001-02-16 | 2002-08-22 | Tokyo Electron Limited | Appareil a plasma et procede de fabrication |
US7302910B2 (en) | 2001-02-16 | 2007-12-04 | Tokyo Electron Limited | Plasma apparatus and production method thereof |
JP2005511915A (ja) * | 2001-12-06 | 2005-04-28 | イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー | 造形された非熱可塑性繊維状材料に保留性を与えるための方法 |
WO2004073363A1 (ja) * | 2003-02-14 | 2004-08-26 | Tokyo Electron Limited | プラズマ発生装置およびプラズマ発生方法ならびにリモートプラズマ処理装置 |
JP2004266268A (ja) * | 2003-02-14 | 2004-09-24 | Tokyo Electron Ltd | プラズマ発生装置およびプラズマ発生方法ならびにリモートプラズマ処理装置 |
JP4588329B2 (ja) * | 2003-02-14 | 2010-12-01 | 東京エレクトロン株式会社 | プラズマ発生装置およびリモートプラズマ処理装置 |
WO2008013112A1 (fr) * | 2006-07-28 | 2008-01-31 | Tokyo Electron Limited | Source de plasma à micro-ondes et appareil de traitement plasma |
JP5161086B2 (ja) * | 2006-07-28 | 2013-03-13 | 東京エレクトロン株式会社 | マイクロ波プラズマ源およびプラズマ処理装置 |
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