JP4533488B2 - 定量排出型ホッパー - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ホッパー本体内に貯留された粉体材料を、定量的に安定して排出できるようにした定量排出型ホッパーに関する。
【0002】
【従来の技術】
粉体材料を貯留し、目的とする場所や装置に、粉体材料を供給する際には、ホッパーが用いられている。
【0003】
図14は、そのような粉体材料を貯留するホッパーを概略的に示す一部切欠き断面図である。
【0004】
ホッパー101は、ホッパー本体102と、ホッパー本体102の排出口102aに設けられた材料切出弁103とを備える。
【0005】
ホッパー本体102は、その下部に、下方に円錐状に先すぼんだ形状のコーン部102cを備え、コーン部102cにより、ホッパー本体102内に貯留した粉体材料が、排出口102aから排出されやすくしてある。
尚、104で示す部材は、ホッパー本体102の材料投入口102bに、着脱可能に設けられる蓋体を示している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のホッパー101は、ホッパー本体102内に貯留した粉体材料に、固結部Psや、ブリッジ現象が生じたりする場合があり、このような固結部Psや、ブリッジ現象が生じることで、材料切出弁103を開いても、排出口102aから排出される粉体材料の量が、バラツクといった問題があった。
【0007】
更には、固結部Psや、ブリッジ現象が生じることで、材料切出弁103を開いても、排出口102aから粉体材料が、全く排出されないような場合もある。
【0008】
このような場合、従来は、ホッパー本体102をノッカーで叩く等により、ホッパー本体102に振動を与え、ホッパー本体102内に貯留した粉体材料中に生じている固結部Psやブリッジを壊すようなことが行われている。
【0009】
しかしながら、このような方法では、ホッパー本体102をノッカーで叩くことで、粉体材料中の固結部Psやブリッジが崩れると、突然、排出口102aから、一時に、大量の粉体材料が排出されるような場合があり、従来のホッパー101は、排出口102aから、定量的に、長時間、安定して、粉体材料を排出するのが難しいという問題がある。
【0010】
また、このようなホッパー101を、導管の途中に接続し、導管の一端から、気力輸送用の空気を供給し、材料切出弁103を開いたり閉じたりすることで、導管内に、ホッパー本体102内に貯留された粉体材料を排出し、導管の他端から、気力輸送用の空気とともに、粉体材料を噴霧するような装置を構成しても、上述したように、従来のホッパー101を使用した場合には、材料切出弁103を開いた際に、排出口102aから排出される粉体材料の量にバラツキがあるため、これを定量噴霧装置として用いることは不可能である。
【0011】
本発明は、以上のような問題を解決するためになされたものであって、ホッパー本体102内に貯留された粉体材料を、定量的に、長時間、安定して、粉体材料を排出することができる、新規な定量排出型ホッパー、及び、この定量排出型ホッパーを用いた、新規な定量噴霧装置を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の定量排出型ホッパーは、筒状形状のホッパー本体と、ホッパー本体の底面をなすように設けられ、貫通孔を有する弾性体膜と、ホッパー本体の上方開口部に、着脱可能に設けられた蓋体と、ホッパー本体又は蓋体に設けられた空気供給口とを備え、空気供給口から、正圧の脈動空気振動波を供給することで、弾性体膜を振動させ、弾性体膜に設けられている貫通孔から、ホッパー本体内の弾性体膜上に貯留された粉体材料を、排出するようにした。
【0013】
この定量排出型ホッパーでは、空気供給口から、正圧の脈動空気振動波を供給すると、弾性体膜が、正圧の脈動空気振動波により振動する。
【0014】
この弾性体膜の振動により、弾性体膜に設けられた貫通孔から、ホッパー本体内に貯留された粉体材料が排出される。
【0015】
この弾性体膜は、正圧の脈動空気振動波の振幅、波長、振動数が一定である限り、一定の振動を行う。
【0016】
即ち、弾性体膜に設けられた貫通孔から、ホッパー本体内に貯留された粉体材料の排出量は、正圧の脈動空気振動波に依存する。
従って、空気供給口から供給する、正圧の脈動空気振動波を一定に保てば、常に、弾性体膜の貫通孔から、一定量の粉体材料を排出することができる。
【0017】
即ち、この定量排出型ホッパーは、正圧の脈動空気振動波を一定に保てば、弾性体膜の貫通孔から、常に、安定して、長時間、粉体材料を、一定量の割合で排出することができる。
【0018】
更に、この定量排出型ホッパーは、弾性体膜の貫通孔が、ホッパー本体のコーン部と同様の形状となるため、ホッパー本体内に貯留された粉体材料を最後まで、無駄なく、弾性体膜の貫通孔から排出することができる。
【0019】
また、この定量排出型ホッパーでは、弾性体膜の振動により、ホッパー本体内に貯留した粉体材料中に、固結部やブリッジ部が生じない。
【0020】
即ち、この定量排出型ホッパーでは、ホッパー本体内に貯留した粉体材料中に、固結部やブリッジ部が生じないため、従来のホッパーのように、排出口からの排出量が変化するといったような現象が一切生じない。
【0021】
また、この定量排出型ホッパーでは、弾性体膜の貫通孔から排出される粉体材料の排出量が、正圧の脈動空気振動波に依存しているので、空気供給口から供給する、正圧の脈動空気振動波の条件(振幅、波長、波形、振動数等)を変えるだけで、弾性体膜の貫通孔から排出される粉体材料の排出量を変更できるという長所もある。
【0022】
更に、この定量排出型ホッパーは、弾性体膜の貫通孔から排出される粉体材料の排出量の定量性が優れているので、この定量排出型ホッパーの弾性体膜の貫通孔が設けられた側を、導管の途中に接続し、導管の一端から、気力輸送用の定常圧空気、又は、正圧の脈動空気振動波を供給するようにし、導管の他端から、粉体材料を、噴霧するようにすれば、導管の他端から、常に安定して、一定濃度の粉体材料を噴霧することができる。
【0023】
請求項2に記載の定量排出型ホッパーは、請求項1に記載の定量排出型ホッパーの、弾性体膜は、弾性体膜取付具を用いて、ホッパー本体の下部に取り付けられており、弾性体膜取付具は、中空を有する台座と、台座の表面上に起立するように設けられ、中空を有する突き上げ部材と、突き上げ部材の外周よりやや大きめの中空を有する押さえ部材とを備え、台座の表面には、台座に形成された中空の外方の、押さえ部材の外周より外側の位置に、台座に形成された中空をリング状に取り囲むように設けられたV溝が形成されており、押さえ部材の、台座に向き合う表面には、台座の表面に設けられたV溝に嵌り合うように、且つ、リング形状の、V字形状の突起が設けられており、台座の表面に、突き上げ部材を載置し、突き上げ部材上に、弾性体膜を載置し、突き上げ部材及び弾性体膜をともに覆うように、押さえ部材を台座に対して締め付けることで、弾性体膜を、突き上げ部材により、押さえ部材方向に突き上げすることにより、その内方側から外周側に引き伸ばした状態にし、突き上げ部材により引き伸ばされた弾性体膜の外周部分を、突き上げ部材の外周と、押さえ部材の中空を形成する面との間に挟持するとともに、台座の表面に設けられたV溝と、押さえ部材の、台座に向き合う表面に設けられたV字形状の突起との間に、更に、引き伸ばして挟持するようにし、押さえ部材の上面が、筒状形状のホッパー本体の下部に取り付けられている。
【0024】
本発明に係る定量排出型ホッパーでは、弾性体膜が、ホッパー本体に、底面をなすように、均等に張られていないと、正圧の脈動空気振動波を一定にした場合に、弾性体膜の振動が一定にならず、弾性体膜に設けられた貫通孔から排出される粉体材料の排出量にバラツキが生じる虞れがある。
【0025】
この定量排出型ホッパーは、このような問題を解決するために、弾性体膜を、弾性体膜取付具を用いて、ホッパー本体に取り付けるようにしている。
【0026】
この弾性体膜取付具は、台座上に載置した突き上げ部材上に、弾性体膜を載置し、押さえ部材を台座に対して締め付けていくと、弾性体膜は、突き上げ部材により、押さえ部材方向に突き上げられる。この結果、弾性体膜は、押さえ部材方向により突き上げられることで、弾性体膜の内側から外周側に引き伸ばされる。
【0027】
最初のうちは、突き上げ部材により、引き伸ばされた弾性体膜は、突き上げ部材の外周面と、押さえ部材の中空を形成する面(内周面)との間の隙間を介して、台座の表面に設けられているV溝と、押さえ部材の、台座に向き合う表面に設けられているV字形状の突起との間に嵌挿されていく。
【0028】
更に、ボルト等の締付手段により、押さえ部材を台座に対して締め付けていくと、弾性体膜は、突き上げ部材により、押さえ部材方向に突き上げられた状態のまま、突き上げ部材の外周面と、押さえ部材の中空の内周面との間に、挟持される。且つ、突き上げ部材により、押さえ部材方向により突き上げられることで、弾性体膜の内側から外周側に引き伸ばされた部分が、台座の表面に設けられているV溝と、押さえ部材の、台座に向き合う表面に設けられているV字形状の突起との間に、挟持される。
即ち、この弾性体膜取付具では、台座上に載置した突き上げ部材上に、弾性体膜を載置し、押さえ部材を台座に対して締め付けていくと、弾性体膜が、突き上げ部材により、押さえ部材方向に突き上げられ、これにより、弾性体膜が、その内方側から外周側に引き伸ばされた状態にされ、更に、このようにして、突き上げ部材により引き伸ばされた弾性体膜の外周部分が、台座の表面に設けられたV溝と、押さえ部材の、台座に向き合う表面に設けられたV字形状の突起に挟持される結果、この弾性体膜取付具では、台座上に載置した突き上げ部材上に、弾性体膜を載置し、押さえ部材を台座に対して締め付けていくという簡単な操作で、弾性体膜を、均等に張った状態にすることができる。
請求項3に記載の定量噴霧装置は、請求項1又は請求項2に記載の定量排出型ホッパーを用いた定量噴霧装置であって、導管を備え、定量排出型ホッパーのホッパー本体が、導管の途中に接続され、導管の一端から、気力輸送用の空気を供給し、定量排出型ホッパーのホッパー本体内に貯留され、定量排出型ホッパーの弾性体膜に設けられた貫通孔から導管内に排出された、粉体材料を、導管の他端から、気力輸送用の空気とともに、噴霧するようにした。
【0029】
この定量噴霧装置では、粉体材料の排出量の定量性に優れた、請求項1又は請求項2に記載の定量排出型ホッパーを用いているので、導管の他端から、一定の濃度の粉体材料を、安定して噴霧できる。
【0030】
請求項4に記載の定量噴霧装置は、請求項3に記載の定量噴霧装置の、気力輸送用の空気が、正圧の脈動空気振動波である。
【0031】
この定量噴霧装置では、定量排出型ホッパーから導管内に排出された粉体材料を、導管の他端まで、正圧の脈動空気振動波を用いて気力輸送するようにしているので、導管内へ、定常圧空気を供給した場合に見られたような、導管内への粉体材料の付着・堆積や、吹き抜け現象が生じない。
【0032】
これにより、導管の他端から、粉体材料が、弾性体膜に設けられた貫通孔から排出された際の濃度を維持して噴霧されるので、この定量噴霧装置は、導管の他端から噴霧される、粉体材料の定量性に優れている。
請求項5に記載の定量噴霧装置は、請求項1又は請求項2に記載の定量排出型ホッパーを用いた定量噴霧装置であって、導管と、正圧の脈動空気振動波を発生する脈動空気振動波発生装置とを備え、導管は、その一端が、脈動空気振動波発生装置に接続され、且つ、途中で分岐して、2本の分岐管となり、一方の分岐管は、定量排出型ホッパーのホッパー本体又は前記蓋体に設けられた空気供給口に接続されており、他方の分岐管の途中には、定量排出型ホッパーのホッパー本体が接続されており、脈動空気振動波発生装置を駆動することによって、一方の分岐管の端から、定量排出型ホッパーのホッパー本体内に貯留され、定量排出型ホッパーの弾性体膜に設けられた貫通孔から導管内に排出された、粉体材料を、脈動空気振動波発生装置を駆動することによって発生させた、正圧の脈動空気振動波とともに、噴霧されるようにした。
この定量噴霧装置では、1台の脈動空気振動波発生装置を設ける構成にしているので、装置構成を簡単なものとすることができる。
【0033】
のみならず、この定量噴霧装置では、脈動空気振動波発生装置を駆動すれば、同一位相の、正圧の脈動空気振動波を、2本の分岐管に供給できる。
【0034】
これにより、2本の分岐管の長さを調製すれば、定量排出型ホッパーの空気供給口から供給される、正圧の脈動空気振動波の位相と、他方の分岐管の、他方の分岐管と定量排出型ホッパーとの接続部における正圧の脈動空気振動波との位相とを同じにしたり、異ならせたりすることで、弾性体膜の振動の振幅を大きくしたり小さくしたりすることができる。また、2本の分岐管への脈動空気供給量を各々調整することによっても同様に弾性体膜の振動を制御できる。
【0035】
この定量噴霧装置では、この正圧の脈動空気振動波の位相調整により、弾性体膜の振動の振幅を異ならせることで、他方の分岐管の端から噴霧される粉体材料の濃度を変えることもできる。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施例について、更に詳しく説明する。
図1は、本発明に係る定量排出型ホッパーを概略的に示す図であり、図1(a)は、本発明に係る定量排出型ホッパーを模式的に示す外観斜視図であり、また、図1(b)は、図1(a)に示す定量排出型ホッパーの模式的な断面図である。
【0037】
この定量排出型ホッパー1は、筒状形状のホッパー本体2と、弾性体膜3と、ホッパー本体2の上方開口部(材料投入口)2bに、着脱可能に設けられた蓋体4とを備える。
【0038】
図2は、弾性体膜3を概略的に示す平面図である。
【0039】
弾性体膜3は、シリコーンゴム等の合成ゴム等の弾性材料で製されており、その中央に貫通孔3aを有する。この例では、弾性体膜3の貫通孔3aは、スリット形状にされている。
【0040】
蓋体4は、ホッパー本体2の上方開口部(材料投入口)2bに、着脱自在に、且つ、気密に取り付けられるようになっている。
【0041】
また、蓋体4には、空気供給口4aが設けられている。
【0042】
空気供給口4aは、導管T1を介して、空気脈動波発生装置5に接続されている。
【0043】
空気脈動波発生装置5は、導管T2を介して、ブロアー等の空気源9に接続されており、空気源9を駆動することにより発生させた圧縮空気を、正圧の空気脈動波に変換して、導管T1内へと供給するようになっている。
図3は、正圧の空気脈動波を例示的に示す説明図である。
【0044】
導管T1に供給される、正圧の脈動空気振動波は、図3(a)に示すように、脈動空気振動波の振幅の山が、正圧で、谷が、大気圧の脈動空気振動波であってもよく、また、図3(b)に示すように、脈動空気振動波の振幅の山と谷とがともに正圧の脈動空気振動波であってもよい。
弾性体膜3は、ホッパー本体2の底面をなすように設けられていれば良いが、この例では、弾性体膜3は、弾性体膜取付具6を用いて取り付けられている。
以下、弾性体膜取付具6の構成について、更に詳しく説明する。
【0045】
図4は、定量排出型ホッパー1で用いる弾性体膜取付具6に、弾性体膜3を取り付けた状態を概略的に示す斜視図であり、図5は、図4に示す弾性体膜取付具の構成を概略的に示す分解斜視図であり、また、図6は、図4に示す弾性体膜取付具の構成を概略的に示す断面図である。
【0046】
この弾性体膜取付具6は、台座62と、突き上げ部材63と、押さえ部材64とを備える。
台座62には、中空h1が設けられており、中空h1の外周には、突き上げ部材63を載置するための、リング状の載置面S1が設けられている。更に、台座62には、中空h1をリング状に取り囲むようにV溝Dvが設けられている。
突き上げ部材63は、中空h2を有する。この例では、突き上げ部材63は、図6に示すように、その下面に、段差部Q1が設けられており、台座62上に、突き上げ部材3を載置すると、段差部Q1が、台座62の載置面S1上に位置するようにされている。
【0047】
また、この例では、突き上げ部材63を台座62上に載置した際に、突き上げ部材63の段差部Q1より下方に延設するように設けられている下方延設部Q2が、台座62の中空h1内に収まるようにされている。即ち、突き上げ部材63の下方延設部Q2は、その外径D2が、台座62の中空h1の内径D1に等しいか、やや小さい寸法に精密加工されている。
更に、この例では、突き上げ部材63は、その上方部Q3の外周に、断面視した場合、上側から下側が広がる傾斜面が設けられている。
【0048】
押さえ部材64は、中空h3を有する。また、押さえ部材64の、台座62に向き合う表面S64には、台座62の表面に設けられたV溝Dvに嵌まり合うように、平面視した場合、リング形状の、断面視した場合には、V字形状の突起Cvが設けられている。
【0049】
尚、図4及び図5中、65で示す部材は、ボルト等の締付手段を示している。
【0050】
また、図5中、h4で示す孔は、台座62に形成された、締付手段65の固定孔を、また、h6で示す孔は、押さえ部材64に形成された、締付手段65の固定孔を、各々、示している。また、図5中、h5で示す孔は、台座62に形成され、目的とする装置へ、弾性体膜取付具6を、ボルト等の固定手段(図示せず。)により取り付けるための固定孔を、また、h7で示す孔は、押さえ部材64に形成され、目的とする装置へ、弾性体膜取付具6を、ボルト等の固定手段(図示せず。)により取り付けるための固定孔を、各々、示している。
【0051】
この例では、押さえ部材64の中空h3の内径D4は、突き上げ部材63の外径D3に等しいか、やや大きい寸法に精密加工されている。
【0052】
次に、この弾性体膜取付具6に弾性体膜3を取り付ける手順について説明する。
【0053】
弾性体膜取付具6に弾性体膜3を取り付ける際には、まず、台座2の表面に、突き上げ部材63を載置する。
【0054】
次いで、突き上げ部材63上に、弾性体膜3を載置する。
【0055】
次に、突き上げ部材63及び弾性体膜3をともに覆うように、突き上げ部材63上に押さえ部材64を載置する。この時、台座62に形成された固定孔h4・・・の各々と、押さえ部材64に形成された固定孔h6・・・の各々とを整列させるようにする。
【0056】
次に、ボルト等の締付手段65・・・の各々を、固定孔h4・・・、及び、固定孔h6・・・の各々に螺合等することで、台座62に対して、押さえ部材64を締め付けていく。
【0057】
この弾性体膜取付具6では、台座62上に載置した突き上げ部材63上に、弾性体膜3を載置し、押さえ部材64を台座62に対して締め付けていくと、弾性体膜3は、突き上げ部材63により、押さえ部材64方向に突き上げられる。この結果、弾性体膜3は、押さえ部材64方向により突き上げられることで、弾性体膜3の内側から外周側に引き伸ばされる。
【0058】
最初のうちは、突き上げ部材63により、引き伸ばされた弾性体膜3は、突き上げ部材63の外周面Q3と、押さえ部材64の中空h3を形成する面(内周面)との間の隙間を介して、台座62の表面に設けられているV溝Dvと、押さえ部材64の、台座62に向き合う表面に設けられているV字形状の突起Cvとの間に嵌挿されていく。
【0059】
更に、ボルト等の締付手段65・・・の各々により、押さえ部材64を台座62に対して締め付けていくと、弾性体膜3は、突き上げ部材63により、押さえ部材64方向に突き上げられた状態のまま、突き上げ部材63の外周面Q3と、押さえ部材64の中空h3の内周面との間に、挟持される。且つ、突き上げ部材63により、押さえ部材64方向により突き上げられることで、弾性体膜3の内側から外周側に引き伸ばされた部分が、台座62の表面に設けられているV溝Dvと、押さえ部材64の、台座62に向き合う表面に設けられているV字形状の突起Cvとの間に、挟持される。
即ち、この弾性体膜取付具6では、台座62上に載置した突き上げ部材63上に、弾性体膜3を載置し、押さえ部材64を台座62に対して締め付けていくと、弾性体膜3が、突き上げ部材63により、押さえ部材64方向に突き上げられ、これにより、弾性体膜3が、その内方側から外周側に引き伸ばされた状態にされ、更に、このようにして、突き上げ部材63により引き伸ばされた弾性体膜3の外周部分が、台座62の表面に設けられたV溝Dvと、押さえ部材64の、台座62に向き合う表面に設けられたV字形状の突起Cvに挟持される結果、この弾性体膜取付具6では、台座62上に載置した突き上げ部材63上に、弾性体膜3を載置し、押さえ部材64を台座62に対して締め付けていくという簡単な操作で、弾性体膜3を、ピンと張った状態(均一に張った状態)にすることができる。
【0060】
更に、この弾性体膜取付具6では、突き上げ部材63の外周に、断面視した場合、上側から下側が広がる傾斜面Q3を設けている。
この傾斜面Q3は、この弾性体膜取付具6では、重要な要素になっているので、この作用について、以下に詳しく説明する。
【0061】
即ち、この弾性体膜取付具6では、突き上げ部材63の外周に、断面視した場合、上側から下側が広がる傾斜面Q3を設けているので、弾性体膜3は、押さえ部材64方向により突き上げられることで、弾性体膜3の内側から外周側に引き伸ばされた部分が、台座62の表面に、リング状に設けられているV溝Dvと、押さえ部材64の、台座62に向き合う表面に、リング状に設けられているV字形状の突起Cvとの間に、移行し易い。
【0062】
より具体的に説明すると、突き上げ部材63の傾斜面Q3の外径が、押さえ部材64の中空h3の内径D4より十分に小さい関係にある時は、弾性体膜3は、突き上げ部材63の傾斜面Q3と、押さえ部材64の中空h3を形成している表面との間の隙間(間隔)が十分にあるため、突き上げ部材63により、弾性体膜3の内側から外側に引き伸ばされた部分は、この隙間(間隔)を通って、台座62の表面に、リング状に設けられているV溝Dv方向へ、たやすく、誘導される。
【0063】
また、突き上げ部材63の外周に設けられている傾斜面Q3は、断面視した場合、上側から下側が広がるようにされているので、突き上げ部材63により、弾性体膜3の内側から外側に引き伸ばされた部分は、この傾斜面Q3の表面に沿って、台座62の表面に、リング状に設けられているV溝Dv方向へ誘導される。そして、ボルト等の締付手段65・・・の各々を、固定孔h4・・・、及び、固定孔h6・・・の各々に螺合等して、台座62に対して、押さえ部材64を締め付けていくことで、突き上げ部材63の傾斜面Q3の外径が、押さえ部材64の中空h3の内径D4に次第に接近し、突き上げ部材63の傾斜面Q3の傾斜面Q3と、押さえ部材64の中空h3を形成している表面との間の隙間(間隔)が、概ね、弾性体膜3の厚み(肉厚)程度になると、弾性体膜3は、突き上げ部材63の傾斜面Q3と、押さえ部材64の中空h3を形成している表面との間に挟持されることになる。
【0064】
以上の作用によっても、この弾性体膜取付具6では、台座62上に載置した突き上げ部材63上に、弾性体膜3を載置し、その後、ボルト等の締付手段65・・・の各々を用いて、押さえ部材64を台座62に対して締め付けていくという簡単な操作で、弾性体膜3を、均等に張った状態にすることができる。
【0065】
また、ボルト等の締付手段65・・・の各々を用いて、押さえ部材64を台座62に対して締め付けていくと、突き上げ部材63の外周の傾斜面Q3と、押さえ部材64の中空の内周面との間隔が次第に狭くなり、突き上げ部材63の外周面Q3と、押さえ部材64の中空h3の内周面との間に、しっかりと挟持されるため、押さえ部材64を台座62に締め付けた後において、弾性体膜3が弛むことがない。
【0066】
また、この弾性体膜取付具6では、弾性体膜3を取り付ければ、弾性体膜3が、突き上げ部材63の傾斜面Q3と、押さえ部材64の中空h3を形成している表面との間と、押さえ部材64の、台座62に向き合う表面に、リング状に設けられているV字形状の突起Cvと、台座62に、リング状に設けられているV字形状の溝Dvとの間とに、2重にロックされた状態になるため、押さえ部材64を台座62に締め付けた後において、弾性体膜3が弛むことがない。
【0067】
次に、この定量排出型ホッパー1の動作について説明する。
図7は、定量排出型ホッパー1の動作を概略的に示す説明図である。
【0068】
この定量排出型ホッパー1を使用する際には、まず、ホッパー本体2内に、粉体材料を貯留する。
【0069】
次いで、蓋体4を、ホッパー本体2に気密に取り付ける(図1を参照)。
空気源(図1に示す空気源9)及び脈動空気振動波発生装置(図1に示す脈動空気振動波発生装置5)を停止状態にしている際には、弾性体膜3は、図7(a)に示すように初期状態にある。尚、図7(a)では、ホッパー本体2に、粉体材料を収容していない状態を示しているので、弾性体膜3は、その初期状態が、横方向にまっすぐな状態として表されているが、実際には、ホッパー本体2内に貯留されている粉体材料の重量により、弾性体膜3は、その中央が下方に湾曲し、弾性体膜3が、従来のホッパー(図14に示すホッパー101を参照。)のコーン部(図14に示すコーン部102cを参照。)を形成する。
【0070】
次に、空気源(図1に示す空気源9)及び脈動空気振動波発生装置(図1に示す脈動空気振動波発生装置5)を駆動し、蓋体(図1に示す蓋体4)に設けられている空気供給口(図1に示す空気供給口4a)から、正圧の脈動空気振動波を供給する。
空気供給口(図1に示す空気供給口4a)からの、正圧の脈動空気振動波の供給量が少ない時(正圧の脈動空気振動波が、その振幅の谷の状態にある時)には、弾性体膜3は、図7(b)に示すように、図7(a)に示す初期状態より、その中心が下方に湾曲した状態になる。
【0071】
空気供給口(図1に示す空気供給口4a)からの、正圧の脈動空気振動波の供給量が多くなってくる状態(正圧の脈動空気振動波が、その振幅の谷から山へ向かっている状態)にある時には、弾性体膜3は、図7(c)に示すように、図7(b)に示す状態より、その中心が下方に湾曲した状態になる。
【0072】
更に、空気供給口(図1に示す空気供給口4a)からの、正圧の脈動空気振動波の供給量が多くなった状態(正圧の脈動空気振動波が、その振幅の山の状態)にある時には、図7(d)に示すように、図7(c)に示す状態より、その中心が下方に湾曲した状態になる。
【0073】
その後、空気供給口(図1に示す空気供給口4a)からの、正圧の脈動空気振動波の供給量が少なくなってくる状態(正圧の脈動空気振動波が、その振幅の山から谷へ向かっている状態)にある時には、弾性体膜3は、図7(c)に示す状態になる。
【0074】
更に、空気供給口(図1に示す空気供給口4a)からの、正圧の脈動空気振動波の供給量がより少なくなった状態(正圧の脈動空気振動波が、その振幅の谷に近づいた状態)になると、弾性体膜3は、図7(b)に示す状態になる。
【0075】
そして、空気供給口(図1に示す空気供給口4a)からの、正圧の脈動空気振動波の供給量が少なくなった状態(正圧の脈動空気振動波が、その振幅の谷の状態)になると、弾性体膜3は、図7(a)に示す状態になる。
【0076】
弾性体膜3は、空気供給口(図1に示す空気供給口4a)から、正圧の脈動空気振動波が供給されている間、弾性体膜3の中央を振幅の腹として、また、弾性体膜3の周辺部を振幅の節として、図7(a)に示す初期状態から、図7(d)に示す状態のように、その中心が下方に湾曲した状態に、または、図7(d)に示す、弾性体膜3の中心が下方に湾曲した状態から、図7(a)に示す初期状態に戻る振動を繰り返して行う。
【0077】
この弾性体膜3の振動により、弾性体膜3に設けられた貫通孔3aから、ホッパー本体2内に貯留された粉体材料が排出される。
【0078】
ところで、この弾性体膜3は、正圧の脈動空気振動波の振幅、波長、振動数が一定である限り、一定の振動を行う。
【0079】
即ち、弾性体膜3に設けられた貫通孔3aから排出される、粉体材料の排出量は、空気供給口(図1に示す空気供給口4a)から供給する、正圧の脈動空気振動波に依存する。
従って、空気供給口(図1に示す空気供給口4a)から供給する、正圧の脈動空気振動波を一定に保てば、常に、弾性体膜3の貫通孔3aから、一定量の粉体材料を排出することができる。
【0080】
即ち、この定量排出型ホッパー1は、正圧の脈動空気振動波を一定に保てば、弾性体膜3の貫通孔3aから、常に、安定して、長時間、粉体材料を、一定量の割合で排出することができる。
【0081】
更に、図7(a)から図7(d)に示したように、この定量排出型ホッパー1は、弾性体膜3の貫通孔3aが、ホッパー本体2のコーン部と同様の形状となるため、ホッパー本体2内に貯留された粉体材料を最後まで、無駄なく、弾性体膜3の貫通孔3aから排出することができる。
【0082】
また、ホッパー本体2内に貯留した粉体材料中に、固結部やブリッジ部が生じるようなことがあっても、そのような固結部やブリッジ部は、弾性体膜3の振動により直ちに崩されるため、ホッパー本体2内に貯留した粉体材料中に、固結部やブリッジ部が生じない。
【0083】
即ち、この定量排出型ホッパー1では、ホッパー本体2内に貯留した粉体材料中に、固結部やブリッジ部が生じないため、従来のホッパー(図14に示すホッパー101を参照。)のように、ホッパー本体(図14に示すホッパー本体102を参照。)内に貯留した粉体材料中に、固結部(図14に示す固結部Ps)やブリッジ部によって、排出口(図14に示す排出口102a)からの排出量が変化するといったような現象が一切生じない。
【0084】
また、この定量排出型ホッパー1では、上述したように、弾性体膜3の貫通孔3aから排出される粉体材料の排出量が、正圧の脈動空気振動波に依存しているので、空気供給口(図1に示す空気供給口4a)から供給する、正圧の脈動空気振動波の条件(振幅、波長、波形、振動数等)を変えるだけで、弾性体膜3の貫通孔3aから排出される粉体材料の排出量を変更できるという長所もある。
【0085】
更に、この定量排出型ホッパー1は、弾性体膜3の貫通孔3aから排出される粉体材料の排出量の定量性が優れているので、この定量排出型ホッパー1の弾性体膜3の貫通孔3aが設けられた側を、導管(図示せず。)の途中に接続し、導管(図示せず。)の一端から、気力輸送用の定常圧空気、又は、正圧の脈動空気振動波を供給するようにし、導管(図示せず。)の他端から、粉体材料を、噴霧するようにすれば、導管(図示せず。)の他端から、常に安定して、一定濃度の粉体材料を噴霧することができる。
【0086】
即ち、筒状形状のホッパー本体2を、導管(図示せず。)の途中に接続し、導管(図示せず。)の一端から、気力輸送用の空気を供給し、導管(図示せず。)の他端から、ホッパー本体2内に貯留され、弾性体膜3に設けられた貫通孔3aから導管(図示せず。)内に排出された、粉体材料を、気力輸送用の空気とともに、噴霧するようにした装置を組み立てれば、この装置は、定量噴霧装置として機能する。
【0087】
尚、このように、定量排出型ホッパー1を、定量噴霧装置として用いる場合には、定量噴霧装置を使用している間、弾性体膜3の中央が、初期状態から下方に湾曲した状態、又は、下方に湾曲した状態から初期状態で常に振動するように、弾性体膜3上に貯留されている粉体材料の重量Wと、ホッパー本体2内の圧力P2とを合計した、弾性体膜3に加わるエネルギーが、導管(図示せず。)内の圧力Ptに比べ、大きい関係になるように維持するのが好ましい(W+P2>Pt)。
【0088】
図8は、定量排出型ホッパー1を用いた定量噴霧装置の一例を概略的に示す構成図である。
【0089】
この定量噴霧装置11は、定量排出型ホッパー1と、空気源9と、脈動空気振動波発生装置5とを備える。
【0090】
空気源9と脈動空気振動波発生装置5との間は、導管T2により接続されており、空気源9を駆動すれば、脈動空気振動波発生装置5に、導管T2を介して、定常圧の圧縮空気が供給されるようになっている。
そして、空気源9を駆動し、脈動空気振動波発生装置5を駆動すれば、導管T2を介して脈動空気振動波発生装置5に供給された、定常圧の圧縮空気が、正圧の脈動空気振動波に変換され、導管T1に供給されるようになっている。
脈動空気振動波発生装置5には、導管T1の一端が接続されている。
導管T1は、途中で分岐して、2本の導管(分岐管)T1a、T1bとなっている。
【0091】
一方の導管(分岐管)T1aの途中には、開閉弁V1と、圧力調整弁Vp1とが設けられている。
尚、導管(分岐管)T1aの途中に設けられているF1で示す部材装置は、必要により設けられる、空気源9及び脈動空気振動波発生装置5を駆動することで発生させた、正圧の脈動空気振動波中に含まれる粉塵を取り除く、除塵フィルターを示している。
また、他方の導管(分岐管)T1bの途中には、定量排出型ホッパー1が接続されている。
【0092】
より特定的に説明すると、他方の導管(分岐管)T1bの途中には、定量排出型ホッパー1の弾性体膜3に設けられた貫通孔3a側が接続されている。
また、他方の導管(分岐管)T1bの途中には、導管(分岐管)T1bと定量排出型ホッパー1との接続部Cより、脈動空気振動波発生装置5に近い側に、開閉弁V2と、圧力調整弁Vp2とが設けられている。
尚、他方の導管(分岐管)T1bの途中に設けられているF2で示す部材装置は、必要により設けられる、空気源9及び脈動空気振動波発生装置5を駆動することで発生させた、正圧の脈動空気振動波中に含まれる粉塵を取り除く、除塵フィルターを示している。
次に、この定量噴霧装置11の動作について説明する。
【0093】
この定量噴霧装置11の他方の導管(分岐管)T1bの他端eT1bから、一定濃度の粉体材料を定量的に噴霧する際には、まず、粉体材料をホッパー本体2内に収容する。
【0094】
次に、ホッパー本体2の材料投入口2bに、蓋体4を気密に取り付ける。
次に、開閉弁V1、V2を開いた状態にし、圧力調整弁Vp1、Vp2の開閉量を適宜調節する。
【0095】
この時、この定量噴霧装置11の導管(分岐管)T1bの他端eT1bから、一定濃度の粉体材料を定量的に噴霧している間、弾性体膜3が、図7(a)から図7(d)及びこれとは逆の振動をするように、弾性体膜3上に貯留されている粉体材料の重量Wと、ホッパー本体2内の圧力P2とを合計した、弾性体膜3に加わるエネルギーが、導管(図示せず。)内の圧力Ptに比べ、大きい関係になるように調節する(W+P2>Pt)。
次いで、空気源9を所定の駆動量で駆動し、脈動空気振動波発生装置5を所定の駆動量で駆動することで、導管T1内に、所定の正圧の脈動空気振動波を供給する。
導管T1内に供給された、正圧の脈動空気振動波は、圧力調整弁Vp1により、所定の圧力に調節された後、導管(分岐管)T1aを介し、空気供給口4aからホッパー本体2内へ供給される。
【0096】
また、導管T1内に供給された、正圧の脈動空気振動波は、圧力調整弁Vp2により、所定の圧力に調節された後、導管(分岐管)T1b内に供給される。
【0097】
弾性体膜3は、ホッパー本体2内に供給される、正圧の脈動空気振動波と、導管(分岐管)T1b内に供給されている、正圧の脈動空気振動波とにより、定常振動を行う。
【0098】
この定常振動は、弾性体膜3上に貯留されている粉体材料の重量Wと、ホッパー本体2内の圧力P2とを合計した、弾性体膜3に加わるエネルギーが、導管(図示せず。)内の圧力Ptに比べ、大きい関係になるように調節されているので、弾性体膜3が、図7(a)から図7(d)及びこれとは逆の振動をする。
【0099】
この弾性体膜3の定常振動により、弾性体膜3に設けられた貫通孔3aから、一定量の粉体材料が排出される。
【0100】
弾性体膜3に設けられた貫通孔3aから、導管(分岐管)T1b内へと排出された粉体材料は、導管(分岐管)T1b内に供給されている、正圧の脈動空気振動波に混和し、分散して、導管(分岐管)T1bの他端eT1b迄気力輸送され、他端eT1bから、空気とともに噴霧される。
【0101】
この定量噴霧装置11では、導管(分岐管)T1b内へ、正圧の脈動空気振動波を供給するようにしているので、導管(分岐管)T1b内へ、定常圧空気を供給した場合に見られたような、導管(分岐管)T1b内への粉体材料の付着・堆積や、吹き抜け現象が生じない。
【0102】
これにより、導管(分岐管)T1bの他端eT1bから、粉体材料が、弾性体膜3に設けられた貫通孔3aから排出された際の濃度を維持して噴霧されるので、この装置11は、導管(分岐管)T1bの他端eT1bから噴霧される、粉体材料の定量性に優れている。
また、この装置11では、空気源及び脈動空気振動波発生装置の各々を1台ずつ設ける構成にしているので、装置構成を簡単なものとすることができる。
【0103】
のみならず、脈動空気振動波発生装置を1台にした場合には、導管(分岐管)T1aと、導管(分岐管)T1bとの長さを調節すれば、ホッパー本体2内に供給される、正圧の脈動空気振動波と、導管(分岐管)T1bの、導管(分岐管)T1bと定量排出型ホッパー1との接続部Cに供給される、正圧の脈動空気振動波との位相を任意に変えることができ、これにより、弾性体膜3の振幅を任意に変化させることができる。
【0104】
例えば、導管(分岐管)T1aと、導管(分岐管)T1bとの長さを調節すれば、ホッパー本体2内に供給される、正圧の脈動空気振動波が振幅の山の時に、導管(分岐管)T1bの、導管(分岐管)T1bと定量排出型ホッパー1との接続部Cに供給される、正圧の脈動空気振動波を、その振幅の山にすることができ、この場合には、弾性体膜3の振幅を小さくすることができる。
【0105】
また、例えば、導管(分岐管)T1aと、導管(分岐管)T1bとの長さを調節すれば、ホッパー本体2内に供給される、正圧の脈動空気振動波が振幅の山の時に、導管(分岐管)T1bの、導管(分岐管)T1bと定量排出型ホッパー1との接続部Cに供給される、正圧の脈動空気振動波を、その振幅の谷にすることができ、この場合には、弾性体膜3の振幅を大きくすることができる。
【0106】
このように、この定量噴霧装置11では、導管(分岐管)T1aと、導管(分岐管)T1bとの長さの調節により、弾性体膜3の振幅を任意に変化させることによっても、弾性体膜3の貫通孔3aから排出される粉体材料の排出量を変化させて、定量的に、導管(分岐管)T1bの他端eT1bから、粉体材料を、安定して噴霧できるという効果をも有している。
【0107】
尚、導管(分岐管)T1bの他端eT1bから噴霧される粉体材料の濃度は、貫通孔3aの大きさ形状を変えることによっても変えることができる。
更に、上記した発明の実施の形態では、弾性体膜3に、1個の貫通孔3aが設けられた例を中心に説明したが、導管(分岐管)T1bの他端eT1bから噴霧される粉体材料の濃度は、弾性体膜3に複数の貫通孔3a・・・を設けることによっても変えることができる。
【0108】
即ち、弾性体膜3の代わりに、図9に示す弾性体膜3Aのように、複数の貫通孔3a・・・を設けたものを用いることによっても、導管(分岐管)T1bの他端eT1bから噴霧される粉体材料の濃度を変えることができる。
【0109】
尚、導管(分岐管)T1bの他端eT1bには、用いる粉体材料の種類や、粉体材料を噴霧する対象物の種類によって、通常、種々の形状のノズルヘッドが接続される。
【0110】
図10は、比較的、広範囲に、一様に、粉体材料を均一に塗布するのに適したノズルヘッドを例示的に示す分解斜視図である。
【0111】
このノズルヘッド12は、筒体をその軸方向に沿って概ね半分に切断したような形状の笠体13と、笠体13内に設けられる、筒状の噴霧ヘッド14とを備える。
噴霧ヘッド14には、スリット状の開口部14aが設けられている。
【0112】
更に、噴霧ヘッド14には、スリット状の開口部14aが設けられている側と反対側に、接続部材15が接続されている。
接続部材15は、接続管15aと、接続管15aから分岐した導管(分岐管)T3a、T3b、T3c、T3d、T3eとを備える。
導管(分岐管)T3a、T3b、T3c、T3d、T3eの各々の長さは、等しい長さにされている。
【0113】
且つ、導管(分岐管)T3a、T3b、T3c、T3d、T3eの各々は、噴霧ヘッド14に対し、概ね等間隔に接続されている。
【0114】
接続管15aは、導管(分岐管)T1bの他端eT1bに接続される。
このノズルヘッド12では、スリット状の開口部14aが設けられている噴霧ヘッド14の、スリット状の開口部14aが設けられている側と反対側の位置に、等しい長さの導管(分岐管)T3a、T3b、T3c、T3d、T3eを等間隔離れるように接続している。
【0115】
これにより、導管(分岐管)T1bの他端eT1b迄気力輸送されてきた粉体材料は、同じ負荷が加わって、導管(分岐管)T3a、T3b、T3c、T3d、T3eの各々内を気力輸送されるので、導管(分岐管)T3a、T3b、T3c、T3d、T3eの各々と、噴霧ヘッド14の接続部において、同じ濃度の粉体材料が供給される。
【0116】
また、上述したように、導管(分岐管)T3a、T3b、T3c、T3d、T3eを噴霧ヘッド14に対し、等間隔に接続している。
【0117】
これにより、噴霧ヘッド14の一端から他端まで、ほぼ同じ濃度の粉体材料が供給され、更に、噴霧ヘッド14に供給された粉体材料は、噴霧ヘッド14内の中空部で分散させられた後に、スリット状の開口部14aから噴霧されるため、スリット状の開口部14aの一端から他端まで、概ね同一濃度で、粉体材料が噴霧されることになる。
【0118】
また、噴霧ヘッド14は、笠体13内に収容されているため、笠体13の開口部以外の方向へ、粉体材料が飛び散ることもない。
【0119】
即ち、このノズルヘッド12は、比較的、広範囲に、一様に、粉体材料を均一に塗布するのに適している。
【0120】
より特定的には、このノズルヘッド12は、ホッパー本体2内に離型剤粉末を貯留するようにし、例えば、射出成形機の金型の鋳型面のような広い領域に、均一に、離型剤粉末を塗布するノズルヘッド等として適している。
次に、脈動空気振動波発生装置5の構成について更に詳しく説明する。
【0121】
図11は、脈動空気振動波発生装置5の構成を、概略的に示す断面図である。脈動空気振動波発生装置5は、空気供給ポート52aと、空気排出ポート52bとを備える中空室52と、中空室52内に設けられた弁座53と、弁座53を開閉するための弁体54と、弁座53に対して弁体54を開閉させるための回転カム55とを備える。
空気供給ポート52aには、導管T2が接続されており、また、空気排出ポート52bには、導管T1が接続される。
また、図11中、52cで示す部分は、中空室52に、必要により設けられる、圧力調整ポートを示しており、圧力調整ポート52cには、圧力調整バルブ57が、大気との導通・遮断をするように設けられている。
【0122】
また、図11中、導管T2の途中に設けられている58で示す部材装置は、空気源9を駆動することにより発生させた圧縮空気の流量を調整する流量制御装置(流量制御弁)を示しており、この流量制御装置(流量制御弁)58は、必要により設けられるものである。
弁体54は、軸体54aを備え、軸体54aの下端には、回転ローラ56が回転可能に設けられている。
また、脈動空気振動波発生装置5の装置本体51には、弁体54の軸体54aを、気密に且つ上下方向に移動可能に収容するための、軸体収容孔h51が形成されている。
回転カム55は、内側回転カム55aと、外側回転カム55bとを備える。
【0123】
内側回転カム55a及び外側回転カム55bの各々には、回転ローラ56の概ね直径分の距離を隔てるようにして、所定の凹凸パターンが形成されている。
【0124】
回転カム55は、粉体材料の物性に応じて、粉体材料が混和し、分散し易い凹凸パターンを有するものが用いられる。
回転カム55の内側回転カム55aとの外側回転カム55bとの間には、回転ローラ56が、回転可能に、嵌挿されている。
【0125】
尚、図11中、axで示す部材は、モータ等の回転駆動手段(図示せず。)の回転軸を示しており、回転軸axには、回転カム55が、交換可能に取り付けられるようになっている。
【0126】
次に、脈動空気振動波発生装置5により、導管T1内へ、正圧の脈動空気振動波を供給する方法について説明する。
導管T1内へ、正圧の脈動空気振動波を供給する際には、まず、回転駆動手段(図示せず。)の回転軸axに、粉体材料の物性に応じて、粉体材料が混和し、分散し易い凹凸パターンを有する回転カム55を取り付ける。
【0127】
次に、空気源9を駆動することにより、導管T2内へ、圧縮空気を供給する。導管2内へ供給された圧縮空気は、流量制御装置(流量制御弁)58が設けられている場合にあっては、流量制御装置(流量制御弁)58により、所定の流量に調整された後、空気供給ポート52aから中空室52内へと供給される。
また、空気源9を駆動するとともに、回転駆動手段(図示せず。)を駆動することで、回転駆動手段(図示せず。)の回転軸axに取り付けた回転カム55を所定の回転速度で回転させる。
【0128】
これにより、回転ローラ56が、所定の回転速度で回転駆動している回転カム55の内側回転カム55aとの外側回転カム55bとの間で、回転し、回転カム55に設けられている凹凸パターンに従って、再現性良く、上下運動する結果、弁体54が、回転カム55に設けられている凹凸パターンに従って、弁座53を開閉する。
【0129】
また、中空室52に、圧力調整ポート52cや圧力調整バルブ57が設けられている場合にあっては、圧力調整ポート52cに設けられている圧力調整バルブ57を適宜調整することにより、導管T1に供給する、正圧の脈動空気振動波の圧力を調節する。
【0130】
以上の操作により、導管T1に、正圧の脈動空気振動波が供給される。
【0131】
尚、導管T1内に供給される正圧の脈動空気振動波の波長は、回転カム55に設けられている凹凸パターン及び/又は回転カム55の回転速度により、適宜調節される。
【0132】
また、正圧の脈動空気振動波の波形は、回転カム55に設けられている凹凸パターンにより、調節することができ、正圧の脈動空気振動波の振幅は、空気源9の駆動量を調節したり、流量制御装置(流量制御弁)58が設けられている場合にあっては、流量制御装置(流量制御弁)58を調節したり、更に、圧力調整ポート52cに圧力調整弁バルブ57が設けられている場合にあっては、圧力調整ポート52cに設けられている圧力調整バルブ57を適宜調整したり、又は、これらを組み合わせて調節すること等により調節できる。
【0133】
尚、脈動空気振動波発生装置は、図11に示した、脈動空気振動波発生装置5に限られることはなく、他の脈動空気振動波発生装置を用いることもできる。
【0134】
図12は、そのような脈動空気振動波発生装置の他例を概略的に示す説明図である。
【0135】
この脈動空気振動波発生装置5Aは、脈動空気振動波発生装置5とは、以下の構成以外は、同様の構成であるので、相当する部材装置については、相当する参照符号を付して、その説明を省略する。
脈動空気振動波発生装置5Aは、円筒形の筒状体72と、筒状体72内を概ね2分割するように、筒状体72の中心軸を回転軸72aとして、回転軸72aに取り付けられたロータリ弁73とを備える。回転軸72aは、電動モータ等の回転駆動手段(図示せず。)により、所定の回転速度で回転するようになっている。
筒状体72の外周壁には、導管T2と、導管T1とが、所定の隔たりを設けて、接続されている。
【0136】
脈動空気振動波発生装置5Aを用いて、導管T1内に、所望の正圧の脈動空気振動波を供給する際には、空気源9を駆動して、導管T2内に、所定の圧縮空気を供給する。
【0137】
また、導管T2の途中に、流量制御装置(流量制御弁)58が設けられている場合にあっては、流量制御装置(流量制御弁)58を適宜調節することで、導管T2内へ供給する圧縮空気の流量を調節する。
【0138】
また、電動モータ等の回転駆動手段(図示せず。)により、回転軸72aを所定の回転速度で回転させることで、回転軸72aに取り付けられたロータリ弁73を所定の回転速度で回転させる。
【0139】
すると、例えば、ロータリ弁73が実線で示すような位置にあるときは、導管T2と、導管T1とが導通状態になっているので、空気源9より発生させた圧縮空気は、導管T2から導管T1へと供給される。
【0140】
また、例えば、ロータリ弁73が想像線で示すような位置にあるときは、導管T2と、導管T1とが、ロータリ弁73により、遮断された状態になる。
【0141】
この時、筒状体72内の、ロータリ弁73により仕切られた一方の空間Saには、導管T2から圧縮空気が供給され、この空間Saでは空気の圧縮が行われる。
【0142】
一方、筒状体72内の、ロータリ弁73により仕切られた一方の空間Sbでは、空間Sb内に蓄えられていた圧縮空気が、導管T1内へと供給される。
【0143】
このような動作が、ロータリ弁73の回転により繰り返し行われることにより、導管T1内へ、正圧の脈動空気振動波が送られる。
【0144】
また、図13は、脈動空気振動波発生装置の他の例を概略的に説明する分解斜視図である。
脈動空気振動波発生装置5Bは、円筒形の筒状体82と、筒状体82内に、回転可能に設けられた回転弁体83とを備える。
筒状体82は、一方端82eが開口し、他方端が、蓋体82cにより閉じられた構造になっており、その側周面S82には、吸気口82aと、送波口82bとを備える。
【0145】
吸気口82aには、空気源9に接続される導管T2が接続され、送波口82bには、定量フィーダ装置51に接続される導管T1が接続される。
【0146】
尚、図13中、82dで示す部分は、回転弁体83を枢着する回転軸受け孔を示している。
回転弁体83は、中空h83を有する円筒形状をしており、その側周面S83には、開口部h84が設けられている。また、回転弁体83は、一方端83eが、開口しており、他方端が、蓋体83cにより閉じられた構造になっている。
【0147】
また、回転弁体83は、その回転中心軸に、回転軸85が延設されている。回転軸85には、電動モータ等の回転駆動手段(図示せず。)が接続されており、回転駆動手段(図示せず。)を駆動すると、回転弁体83が、回転軸
85を中心にして回転するようになっている。
回転弁体83の側周面S83の外径は、筒状体82の内径に概ね一致しており、回転弁体83を、筒状体82内に収容し、回転弁体83を回転させると、回転弁体83の側周面S83が、筒状体82の内周面に沿って摺動するようになっている。
【0148】
尚、図13中、83dで示す部分は、筒状体82の蓋体82cに設けられている回転軸受け孔82dに回転可能に収容される回転軸を示している。
回転弁体83は、筒状体82内に、回転軸83dを回転軸受け孔82dに取り付けた状態で、回転可能に設けられている。
【0149】
この脈動空気振動波発生装置5Bを用いて、導管T1内に、所望の正圧の脈動空気振動波を供給する際には、空気源9を駆動して、導管T2内へ圧縮空気を供給する。
【0150】
また、導管T2の途中に、流量制御装置(流量制御弁)(図示せず。)が設けられている場合にあっては、流量制御装置(流量制御弁)(図示せず。)を適宜調節することで、導管T2内へ供給する圧縮空気の流量を調節する。
【0151】
また、電動モータ等の回転駆動手段(図示せず。)により、回転軸85を所定の回転速度で回転させることで、回転弁体83を所定の回転速度で回転させる。
【0152】
すると、例えば、回転弁体83の開口部h84が、送波口82bの位置にある時には、導管T2と導管T1とが導通状態になり、この時、導管T1に圧縮空気が送り出される。
【0153】
また、例えば、回転弁体83の側周面S83が、送波口82bの位置にある時は、導管T2と導管T1との間が、側周面S83により遮断されるので、この時、導管T1に圧縮空気が送り出されない。
【0154】
このような動作が、回転弁体83の回転により繰り返し行われることにより、導管T1内へ、正圧の脈動空気振動波が送られる。
尚、以上の発明の実施の形態では、空気供給口4aが、蓋体4に設けられた例について説明したが、空気供給口4aは、ホッパー本体2の側面上方に設けられていてもよい。
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、請求項1に記載の定量排出型ホッパーでは、空気供給口から、正圧の脈動空気振動波を供給すると、弾性体膜が、正圧の脈動空気振動波により振動する。
【0155】
この弾性体膜の振動により、弾性体膜に設けられた貫通孔から、ホッパー本体内に貯留された粉体材料が排出される。
【0156】
この弾性体膜は、正圧の脈動空気振動波の振幅、波長、振動数が一定である限り、一定の振動を行う。
【0157】
即ち、弾性体膜に設けられた貫通孔から、ホッパー本体内に貯留された粉体材料の排出量は、正圧の脈動空気振動波に依存する。
従って、空気供給口から供給する、正圧の脈動空気振動波を一定に保てば、常に、弾性体膜の貫通孔から、一定量の粉体材料を排出することができる。
【0158】
即ち、この定量排出型ホッパーは、正圧の脈動空気振動波を一定に保てば、弾性体膜の貫通孔から、常に、安定して、長時間、粉体材料を、一定量の割合で排出することができる。
【0159】
更に、この定量排出型ホッパーは、弾性体膜の貫通孔が、ホッパー本体のコーン部と同様の形状となるため、ホッパー本体内に貯留された粉体材料を最後まで、無駄なく、弾性体膜の貫通孔から排出することができる。
【0160】
また、この定量排出型ホッパーでは、弾性体膜の振動により、ホッパー本体内に貯留した粉体材料中に、固結部やブリッジ部が生じない。
【0161】
即ち、この定量排出型ホッパーでは、ホッパー本体内に貯留した粉体材料中に、固結部やブリッジ部が生じないため、従来のホッパーのように、ホッパー本体内に貯留した粉体材料中に、固結部やブリッジ部によって、排出口からの排出量が変化するといったような現象が一切生じない。
【0162】
また、この定量排出型ホッパーでは、弾性体膜の貫通孔から排出される粉体材料の排出量が、正圧の脈動空気振動波に依存しているので、空気供給口から供給する、正圧の脈動空気振動波の条件(振幅、波長、波形、振動数等)を変えるだけで、弾性体膜の貫通孔から排出される粉体材料の排出量を変更できるという長所もある。
【0163】
更に、この定量排出型ホッパーは、弾性体膜の貫通孔から排出される粉体材料の排出量の定量性が優れているので、この定量排出型ホッパーの弾性体膜の貫通孔が設けられた側を、導管の途中に接続し、導管の一端から、気力輸送用の定常圧空気、又は、正圧の脈動空気振動波を供給するようにし、導管の他端から、粉体材料を、噴霧するようにすれば、導管の他端から、常に安定して、一定濃度の粉体材料を噴霧することができる。
【0164】
請求項2に記載の定量排出型ホッパーでは、弾性体膜を、簡単に均一に張ることができる弾性体膜取付具を用いて、ホッパー本体の底面をなすように取り付けているので、定量排出性に優れた定量排出型ホッパーを容易に組み立てることができる。
【0165】
請求項3に記載の定量噴霧装置では、粉体材料の排出量の定量性に優れた、請求項1又は請求項2に記載の定量排出型ホッパーを用いているので、導管の他端から、一定の濃度の粉体材料を、安定して噴霧できる。
【0166】
請求項4に記載の定量噴霧装置では、定量排出型ホッパーから導管内に排出された粉体材料を、導管の端まで、正圧の脈動空気振動波を用いて気力輸送するようにしているので、導管内へ、定常圧空気を供給した場合に見られたような、導管内への粉体材料の付着・堆積や、吹き抜け現象が生じない。
【0167】
これにより、導管の端から、粉体材料が、弾性体膜に設けられた貫通孔から排出された際の濃度を維持して噴霧されるので、この定量噴霧装置は、導管の他端から噴霧される、粉体材料の定量性に優れている。
請求項5に記載の定量噴霧装置では、1台の脈動空気振動波発生装置を設ける構成にしているので、装置構成を簡単なものとすることができる。
【0168】
のみならず、この定量噴霧装置では、脈動空気振動波発生装置を駆動すれば、同一位相の正圧の脈動空気振動波を、2本の分岐管に供給できる。
【0169】
これにより、2本の分岐管の長さを調節すれば、定量排出型ホッパーの空気供給口から供給される、正圧の脈動空気振動波の位相と、他方の分岐管の、他方の分岐管と定量排出型ホッパーとの接続部における正圧の脈動空気振動波との位相とを同じにしたり、異ならせたりすることで、弾性体膜の振動の振幅を大きくしたり小さくしたりすることができる。
【0170】
この定量噴霧装置では、この正圧の脈動空気振動波の位相調節により、弾性体膜の振動の振幅を異ならせることで、他方の分岐管の端から噴霧される粉体材料の濃度を変えることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る定量排出型ホッパーを概略的に示す図であり、図1(a)は、本発明に係る定量排出型ホッパーを模式的に示す外観斜視図であり、また、図1(b)は、図1(a)に示す定量排出型ホッパーの模式的な断面図である。
【図2】本発明に係る定量排出型ホッパーで用いる弾性体膜の一例を概略的に示す平面図である。
【図3】図3(a)及び図3(b)の各々は、本発明に係る定量排出型ホッパーで用いる正圧の空気脈動波を例示的に示す説明図である。
【図4】本発明に係る定量排出型ホッパーで用いる弾性体膜取付具に、弾性体膜を取り付けた状態を概略的に示す斜視図である。
【図5】図4に示す弾性体膜取付具の構成を概略的に示す分解斜視図である。
【図6】図4に示す弾性体膜取付具の構成を概略的に示す断面図である。
【図7】本発明に係る定量排出型ホッパーの動作を概略的に示す説明図である。
【図8】本発明に係る定量排出型ホッパーを用いた定量噴霧装置の一例を概略的に示す構成図である。
【図9】本発明に係る定量排出型ホッパーで用いる弾性体膜の他の一例を概略的に示す平面図である。
【図10】本発明に係る定量噴霧装置のノズルヘッドを例示的に示す分解斜視図である。
【図11】本発明に係る定量排出型ホッパー及び本発明に係る定量噴霧装置に好適な脈動空気振動波発生装置の構成を概略的に示す断面図である。
【図12】本発明に係る定量排出型ホッパー及び本発明に係る定量噴霧装置に好適な脈動空気振動波発生装置の他の構成を概略的に示す断面図である。
【図13】本発明に係る定量排出型ホッパー及び本発明に係る定量噴霧装置に好適な脈動空気振動波発生装置の他の構成を概略的に示す断面図である。
【図14】従来のホッパーを概略的に示す一部切欠き断面図である。
【符号の説明】
1 定量排出型ホッパー
2 ホッパー本体
2a 排出口
2b 材料投入口
3、3A 弾性体膜
3a 貫通孔
4 蓋体
4a 空気供給口
5 脈動空気振動波発生装置
6 弾性体膜取付具
9 空気源
62 台座
63 突き上げ部材
64 押さえ部材
h1、h2、h3 中空
Cv 突起
Dv V溝
S1 載置面
Claims (1)
- 筒状形状のホッパー本体と、
前記ホッパー本体の底面をなすように、弾性体膜取付具を用いて、前記ホッパー本体の下部に取り付けられ、貫通孔を有する弾性体膜と、
前記ホッパー本体の上方開口部に、着脱可能に設けられた蓋体と、
前記ホッパー本体又は前記蓋体に設けられた空気供給口とを備え、
前記空気供給口から、正圧の脈動空気振動波を供給することで、
前記弾性体膜を振動させ、
前記弾性体膜に設けられている貫通孔から、前記筒状形状のホッパー本体内の前記弾性体膜上に貯留された粉体材料を、排出するようにした構成とされ、
前記弾性体膜取付具は、
中空を有する台座と、
前記台座の表面上に起立するように設けられ、その外周に、断面視した場合、上側から下側が広がる傾斜面が設けられている、中空を有する突き上げ部材と、
前記突き上げ部材の外周よりやや大きめの中空を有する押さえ部材とを備え、
前記台座の表面には、前記台座に形成された中空の外方の、前記押さえ部材の外周より外側の位置に、前記台座に形成された中空をリング状に取り囲むように設けられたV溝が形成されており、
前記押さえ部材の、前記台座に向き合う表面には、前記台座の表面に設けられたV溝に嵌り合うように、且つ、リング形状の、V字形状の突起が設けられており、
前記台座の表面に、前記突き上げ部材を載置し、
前記突き上げ部材上に、前記弾性体膜を載置し、
前記突き上げ部材及び前記弾性体膜をともに覆うように、前記押さえ部材を前記台座に対して締め付けることで、
前記弾性体膜を、前記突き上げ部材により、前記押さえ部材方向に突き上げすることにより、その内方側から外周側に引き伸ばした状態にし、
前記突き上げ部材により引き伸ばされた弾性体膜の外周部分を、前記突き上げ部材の外周と、前記押さえ部材の中空を形成する面との間に挟持するとともに、
前記台座の表面に設けられたV溝と、前記押さえ部材の、前記台座に向き合う表面に設けられたV字形状の突起との間に、更に、引き伸ばして挟持するようにし、
前記押さえ部材の上面が、前記筒状形状のホッパー本体の下部に取り付けられている、定量排出型ホッパー。
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