JP4531936B2 - 凹凸表面を有する物品の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、表面に微細な凹凸形状を有する物品、特に微小光学素子および情報記録媒体基板、の製法およびそのための調合組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
回折光学素子、フレネルレンズ、平板マイクロレンズ(多数の微小レンズを平板上に平行配列したレンズ列)などの光学部品、CD−ROM、その他の情報記録媒体は、その表面に微小な凹凸構造を具備している。この表面の微小な凹凸部は、光学部品においては、光の集束もしくは拡散を行い、回折格子もしくはマイクロレンズとして機能し、そして、情報記録媒体においては、ピットまたはトラッキングガイドとして機能する。
【0003】
これら表面の凹凸部を形成させるために、以下の(1)〜(4)の方法が知られている。
(1)紫外線硬化樹脂を基板上に均一に展開させ、凹凸部を具えた成形型で押圧しながら樹脂に紫外線を照射する方法(特開昭63−49702号公報)が知られている。
【0004】
(2)特開昭62−102445号公報には、ガラス基板上にシリコンアルコキシドを含む溶液を塗布し、凹凸部を具えた成形型を押し当てながら加熱して凹凸部を形成させるいわゆるゾルゲル法による製造方法が記載されている。
【0005】
(3)特開平6−242303号公報には、ゾルゲル法を用い、数μm以上の厚さの膜を形成する場合、基板の上に複数の層を形成する方法が記載されている。この場合、各層の構成成分を溶液もしくはゾルで展開し、成形型で押圧しながら加圧加熱し、ついで、完全に固化した層の上に、さらに溶液もしくはゾルを注ぎ、上層を成形していた。
【0006】
(4)J.Am.Ceram.Soc.,81巻、11号、頁2849〜2852、(1998年)には、メチルトリエトキシシランとテトラエトキシシランを含む溶液を基板上に塗布して微細溝構造を形成された光ディスクを製造する方法が開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来の技術には、次のような問題点があった。先ず、上記方法(1)については紫外線硬化樹脂は、耐熱性が低く、250℃以上になると分解や黄変が発生する。従って、紫外線硬化樹脂の凹凸部を有する基板は、はんだ付けなどの加熱加工ができず、装置などへの取り付けが難しかった。
【0008】
これに対し、上記(2)のゾルゲル法で形成されたシリコンアルコキシドの凹凸部は、耐熱性が高く、はんだ付けなどが可能である。しかし、このゾルゲル法では、厚い膜の成形ができないという問題があった。実際にこのゾルゲル法により、数μmのシリコンアルコキシドの層を成形すると、その表面に微小なひび(以下、クラックと称する)が発生する。これは、シリコンアルコキシド溶液がゲル化および固化する際に、この層の表面と内部とで重縮合反応の進行度に差ができるため、表面に大きな応力が発生するからである。さらに、この応力が原因となって、この層と基板とが剥離する場合もあった。
【0009】
また、方法(3)については、オルガノポリシロキサン層を順次成形して多層化する方法で数十μmの膜厚の凹凸形状を持ったオルガノポリシロキサン層を形成できる。しかし製造工程が長くなるので、コスト上昇の要因となり、また、下層が完全に硬化してから、次の層を注入するので、成形型と溶液もしくはゾルとの間に不要な空気が入りやすく、凹凸の寸法精度が高くなかった。
【0010】
さらに方法(4)については、ゾルゲル膜の最大膜厚みが300nmより小さい光ディスクを製造することができる。しかしながら膜厚みが500nm〜数μmに及ぶ、例えば回折光学素子を形成する場合については、形成された膜を半田処理に必要な温度、例えば350℃まで加熱しその後に冷却すると膜にクラックが発生するなどの問題があった。
【0011】
この発明は、このような従来技術に存在する問題に着目してなされたものである。その目的とするところは、耐熱性が高く、500nm(0.5μm)〜数μmの厚い1層の膜であってもその表面にクラックが発生せずかつ基板と剥離しない寸法精度の高い微細凹凸表面を有する物品の製造方法を提供することにある。本発明の他の目的は本発明方法で製造された凹凸を有する物品を提供することにある。また本発明のさらに他の目的および利点は以下の説明から明らかになる。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、下記化学式(1)で表されるシラン化合物(A)、下記化学式(2)で表されるシラン化合物(B)、炭素数1〜4の低級アルコール、水および触媒を含有する原溶液を加水分解および脱水縮合反応させてなる膜形成用液を、基材と成形型との間に密着させて膜状に配置し、ついで加熱して前記成形型の表面形状を反転させた形状の表面を有する凹凸膜が基材表面に被覆された、凹凸表面を有する物品の製造方法において、前記原溶液が前記(A)成分1モルに対して0.05〜1モルの割合で前記(B)成分を含有し、前記触媒は有機酸であり、前記膜形成用液が、前記原溶液を室温で20〜120分間撹拌しながら加水分解させ、そして20℃〜60℃で1〜20時間加熱して脱水縮合反応を進行させて調製したものであって、その中にそれぞれ未加水分解物の形の前記シラン化合物(A)および(B)を、前記原溶液中の前記シラン化合物(A)および(B)の含有量に対して、それぞれ0.5〜40重量%および0.5〜60重量%の量で含有し、そして、前記膜形成用液中の、前記脱水縮合反応の結果生成された縮合体が300〜1900の分子量を有することを特徴とする凹凸表面を有する物品の製造方法である。
[化1]
RSiX3 (1)
ここでRは非加水分解性の有機基であり、そしてXは加水分解性基である。
[化2]
SiX'4 (2)
ここでX'は加水分解性基である。
【0013】
本発明において、加水分解および脱水縮合して膜形成用液となる前の原溶液が含有する上記化学式(1)で表されるシラン化合物(A)中、Rは非加水分解性基、例えばアルキル基、フェニル基、ビニル基、N-(2-アミノエチル)3-アミノプロピル基、3-アミノプロピル基、3-グリシドキシプロピル基、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチル基、3-クロロプロピルメチル基、3-クロロプロピル基、3-メタクリロキシプロピル基、3-メルカプトプロピル基、N-[2-(ビニルベンジルアミノ)エチル]-3-アミノプロピル基等である。また、Xは加水分解性基、例えばアルコキシル基またはハロゲン原子である。このRのアルキル基は直鎖状であっても分岐鎖状であってもよく、好ましくは炭素数1〜3のアルキル基である。また、Xの上記アルコキシル基は直鎖状であっても分岐鎖状であってもよく、好ましくは炭素数1〜4のアルコキシル基であり、特に好ましくは炭素数1〜2のアルコキシキル基である。Xの上記ハロゲン原子としては例えばフッ素、塩素、臭素を挙げることができ、その中で特に塩素が好ましく用いられる。しかし本発明による凹凸表面を有する物品が各種メモリーその他の電子回路に近接して用いられる場合には、本発明の物品中に塩素が含有しているとこれら電子回路の寿命を低下させるおそれがあるので、Xとしてはアルコキシル基を用いることが好ましい。
【0014】
また上記原溶液が含有する上記化学式(2)で表されるシラン化合物(B)中、X'は加水分解性基、例えばアルコキシル基またはハロゲン原子である。4個のX’は同種の基である必要はなく、それぞれ独立に異なる基であってもよい。X’のアルコキシル基は直鎖状であっても分岐鎖状であってもよく、好ましくは炭素数1〜4のアルコキシル基であり、特に好ましくは炭素数1〜2のアルコキシル基である。X’のハロゲン原子としては例えばフッ素、塩素、臭素を挙げることができ、その中で特に塩素が好ましく用いられる。しかし本発明による凹凸表面を有する物品が各種メモリーその他の電子回路に近接して用いられる場合には、本発明の物品中に塩素が含有しているとこれら電子回路の寿命を低下させるおそれがあるので、X’としてはアルコキシル基を用いることが好ましい。
【0015】
化学式(1)で表されるシラン化合物(A)としては、例えば、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、メチルトリクロロシラン、エチルトリクロロシラン、プロピルトリクロロシラン、ブチルトリクロロシラン、ヘキシルトリクロロシラン、オクチルトリクロロシラン、メチルトリブロモシラン、エチルトリブロモシラン、プロピルトリブロモシラン、ブチルトリブロモシラン、ヘキシルトリブロモシラン、オクチルトリブロモシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、N-(2-アミノエチル)3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-(2-アミノエチル)3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3-クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3-クロロプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、N-[2-(ビニルベンジルアミノ)エチル]-3-アミノプロピルトリメトキシシランなどを列挙することができる。これらの中で、炭素数1〜3のアルキル基および炭素数1〜2のアルコキシキル基を有するシラン化合物(A)、すなわち、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリエトキシシランが、加水分解反応で生じるアルコールが揮発しやすくなるので、特に好ましく用いられる。
【0016】
上記化学式(2)で表されるシラン化合物(B)としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシシラン、テトラブトキシシラン、テトラクロロシラン、トリクロロメトキシシラン、トリクロロエトキシシラン、ジクロロジメトキシシラン、ジクロロジエトキシシラン、モノクロロトリメトキシシランなどを挙げることができる。これらの中で、比較的分子量の小さなもの、例えば炭素数が1〜2のアルコキシル基を有するテトラアルコキシシラン、すなわち、テトラメトキシシランおよびテトラエトキシシランが、加水分解反応で生じるアルコールが揮発しやすくなって緻密な膜となりやすいので好ましく用いられる。
【0017】
前記原溶液は上記化学式(1)で表されるシラン化合物(A)、および上記化学式(2)で表されるシラン化合物(B)を、(A)成分1モルに対して(B)成分を0.05〜1モルの割合で含有する。
【0018】
前記原溶液は、前記(B)成分の一部または全部を、下記化学式(3)で表されるシラン化合物(C)により、前記(B)成分1モルに対して1/(n+1)モルの割合で、置換させたものも含有される。
[化3]
X'' X''
| |
X''−(Si−O−)nSi−X'' (3)
| |
X'' X''
ここでX''は加水分解を受けるアルコキシル基またはハロゲン原子であり、nは1〜10の整数でありより好ましくは1〜5の整数である。
【0019】
上記式(3)で表されるシラン化合物(C)としては、上記式(2)で表されるシラン化合物(B)の部分加水分解縮合物を挙げることができる。例えば、ヘキサエトキシジシロキサン(n=1)、オクタエトキシトリシロキサン(n=2)、デカエトキシテトラシロキサン(n=3)、エトキシポリシロキサン(n≧4)などが使用できる。単量体(n=0)と縮合体(n≧1)の混合物からなる「エチルシリケート40」(商品名、コルコート社製)〔組成は、J.Cihlarの文献、Colloids and Surfaces A : Physicochem. Eng. Aspects 70 (1993年) 253頁から268頁 に記載されており、重量分率で単量体:12.8重量%、2量体:10.2重量%、3量体:12.0重量%、4量体:7.0重量%、多量体(n≧4):56.2重量%、エタノール:1.8重量%)である〕などが好適に使用できる。
【0020】
本発明において、前記(A)成分、(B)成分、炭素数1〜4の低級アルコール、水および触媒を含有する前記原溶液を加水分解および脱水縮合して膜形成用液を調製し、それを基材に被覆して最終的に得られた膜内に(A)成分の非加水分解性の有機基、例えばアルキル基が適度の量で残留する。アルキル基は膜の脆さを減少させて膜に弾性を付与する働きをするので、膜内部に生じる熱応力を抑制することができ、従って膜のクラック発生および物品基材からの膜の剥離が防止される。
【0021】
以下、説明の利便のため、(A)成分がアルキルトリアルコキシシランであり、(B)成分がテトラアルコキシシランである場合をとりあげ説明する。
【0022】
本発明による膜は、トリアルコキシシランとテトラアルコキシシランが混合されることにより、アルキル基を有する3官能シランとアルキル基を有さない4官能シランが三次元的に結合するので、アルキル基によって三次元骨格にゆとりが生じ、この膜構造が、膜に弾性を与え、膜の脆さを低減させ、厚い膜を形成することを可能にするものと推察される。
【0023】
本発明による膜がアルキルシリル基を含むことにより、膜中の酸化物骨格構造をバルキーにして膜の脆さを抑えて膜に弾性を与え、しかも、膜に高温での安定性を有せしめる。
【0024】
次に、本発明の(A)成分および(B)成分の加水分解および脱水縮合反応について説明する。本発明の(A)成分および(B)成分の加水分解反応の程度が低い場合は、脱水縮合反応後の膜形成用液中に大量のアルコキシル基が残存しており、この膜形成用液を基材と成形型との間に密着させて膜状に配置し、加熱してゲル化膜を得る際に収縮が起こり寸法精度を悪くしたり、引き続いて300℃以上に加熱して冷却する際に、膜剥がれを起こしたり、クラックを入りやすくするため好ましくない。またガラス基板に塗布する際に、膜形成用液中に大量のアルコキシル基が残存すると、基板表面に対する膜形成用液の親和性が悪くなり、膜形成用液が基板表面からはじかれるなどの現象が起こるなどの欠点を生ずる。逆に加水分解の速度が速すぎると、引き続いて起こる脱水縮合反応も必要以上に進行するため、膜形成用液中の(A)成分、(B)成分の各成分のみからなる縮合体の分子量が大きくなりすぎて、膜中における(A)成分または/および(B)成分の分相が生じ、そのために、成形工程中に膜剥がれが生じやすくなったり、300℃以上の加熱および冷却の際に膜内部に収縮度の異なる部分が生じて膜にクラックが入りやすくなるので好ましくない。また逆に(A)成分、および(B)成分の加水分解反応の程度が高すぎて膜形成用液中のアルコキシル基残存量が低すぎる場合には、得られる膜の弾力性が不十分となり、膜にクラックが発生する。原溶液中の(A)成分および(B)成分の加水分解および脱水縮合反応により、得られる膜形成用液中には、(A)成分の縮合体、(B)成分の縮合体、(A)成分と(B)成分の共縮合体、(A)成分の加水分解物、(B)成分の加水分解物、それぞれ未加水分解物の状態の(A)成分および(B)成分が含有されている。膜形成用液は、その中に未加水分解物の形の前記シラン化合物(A)を、前記原溶液中の前記シラン化合物(A)の含有量に対して、0.5〜40重量%、より好ましくは2〜30重量%の量で含有し、そして未加水分解物の形の前記シラン化合物(B)を、前記原溶液中の前記シラン化合物(B)の含有量に対して、0.5〜60重量%、より好ましくは3〜55重量%の量で含有する。膜形成用液中の未加水分解物の残量はガスクロマトグラフィーにより測定することができ、原溶液中に配合した前記シラン化合物(A)および(B)の量と上記残量値とから膜形成用液中の未加水分解物の割合(未加水分解率)を計算することができる。
【0025】
次に、本発明の(A)成分および(B)成分の脱水縮合反応の程度について説明する。
本発明の原料成分の加水分解および脱水縮合反応により膜形成用液中に生成する縮合体の分子量が大きすぎると、著しく溶液の粘度が上昇し、塗布時における膜厚のむらが生じやすくなり、加熱およびその後の冷却時の収縮度に差を生ずるため、形成された膜面にクラックが入りやすくなる。また(A)成分と(B)成分の混合状態における均質性が悪くなる。また、脱水縮合反応が進みすぎると、ガラス基板表面に親和性の高い、(A)成分と(B)成分の加水分解物のOH基の数が少なくなり、膜剥がれなどの欠点を引き起こすようになる。従って膜形成用液中の縮合体は300〜1900の分子量(重量平均)を有するものにする。
【0026】
前記原溶液(および膜形成用液)中の(A)成分と(B)成分の割合については、(B)成分が(A)成分に対して少なすぎると、膜と基板との密着性が悪くなり、最終加熱時(焼成時)に、あるいは耐久性試験後に膜が剥がれやすくなる。また、(B)成分が(A)成分に対して多すぎると、膜の柔軟性が損なわれ、0.5μm以上の厚さの膜は その最終加熱時または最終加熱後の冷却時に亀裂(クラック)が生じやすくなる。従って前述のように、前記原溶液は、(A)成分1モルに対して(B)成分を0.05〜1モルの割合とし、好ましくは0.05〜0.5モルの割合で、さらに好ましくは0.05〜0.1モルの割合で含有する。なお、(B)成分の一部または全部を(C)成分(重合度M=n+1)で置換する場合、例えば全量置換の場合は、原溶液は、(A)成分1モルに対して(C)成分を、好ましくは(0.05/M〜1/M)モルの割合で、より好ましくは(0.05/M〜0.5/M)モルの割合で、さらに好ましくは(0.05/M〜0.1/M)モルの割合で含有する。
【0027】
本発明におけるゾルゲル材料の原料である原溶液としては、(A)成分および(B)成分の混合液に溶媒としてアルコールを加える。加えるアルコールとしては、炭素数1〜4の低級アルコールを用い、特に沸点が小さいメタノールまたはエタノールが好適に用いられる。その理由は加水分解後および成形工程中に、比較的に低い温度の熱処理で速やかに溶液中からアルコールを除去できるからである。加えるアルコールの量は、モル比で表して、(A)成分と(B)成分の合計に対して0.3〜5倍が好ましく、より好ましくは0.5〜1.5倍である。
【0028】
この原溶液には(A)成分および(B)成分を加水分解するための触媒が添加される。
前記膜形成用液が、その中にそのまま未加水分解物の形態にある前記シラン化合物(A)および(B)を、前記原溶液中の前記シラン化合物(A)および(B)の含有量に対して、0.5〜40重量%および0.5〜60重量%の量でそれぞれ含有させるためには、弱酸である有機酸触媒が用いられ、有機酸触媒には、蟻酸、酢酸、テトラフロロ酢酸、プロピオン酸、しゅう酸のうち少なくとも一つの酸を水溶液の形で用いることが好ましい。添加する有機酸触媒の量は、少なすぎると加水分解および脱水縮合反応の進行が遅くなり、多すぎると縮合反応が進みすぎて分子量が大きくなりすぎて沈殿物や塗布液のゲル化が生じやすくなるので好ましくない。有機酸の中で、特に蟻酸が、分子量が小さく蒸発しやすいので好ましく用いられる。添加する酸触媒の量は、例えば、有機酸触媒として蟻酸を用いる場合については、モル比で表して、(A)成分と(B)成分および/または(C)成分の合計を1モルとした場合、0.5ミリモル〜5ミリモルが好ましく、より好ましくは0.7ミリモル〜2ミリモルである。また、水は加水分解に必要な化学量論比以上加えることが好ましい。水の添加量が化学量論比より少ないとゲル化のための熱処理時に未反応のシラン化合物(A)および(B)が揮発しやすくなるからである。通常、水の添加量は、触媒水溶液の水も含めて、必要な化学量論比の1.1〜30倍であり、モル比で表して、(A)成分と(B)または/および(C)成分の合計に対して2〜20倍が好ましく、より好ましくは3〜10倍である。なお、本発明の凹凸表面を有する物品が各種メモリーその他の電子回路に近接して用いられる場合には、本発明の物品中に塩素が含有しているとこれら電子回路の寿命を低下させるおそれがあるので、上記有機酸触媒として塩素を含まないものを使用することが好ましい。
【0029】
本発明において、ゾルゲル材料の原料である膜形成用液は、(A)成分、(B)成分、炭素数1〜4の低級アルコール溶媒、水および触媒からなる原溶液を、室温で、20〜120分間、撹拌しながら保持して両アルコキシシランを加水分解させて調製される。その後、さらに室温(20℃)〜60℃、より好ましくは30〜50℃で、1〜20時間保持して脱水による重縮合反応を進行させる。これにより、成膜後の収縮をできるだけ抑制して膜のクラック発生を防止するとともに、最終加熱時に膜中に気泡を生じさせることなく硬化膜を形成できる。この脱水による重縮合反応を進めすぎると、溶液の粘度が高くなり過ぎて成形型または基材表面への被覆が困難となる。また逆に脱水による重縮合反応を進め方が不足すると、塗布時に基板に対して塗布液のはじきが起こったり、最終加熱時の膜中の気泡発生を防止できなくなる。溶液の粘度が10cP以下になるように温度、保持時間を選択することにより、脱水による重縮合反応の進め方を調節することが好ましい。
【0030】
本発明において、上記脱水による重縮合反応を進める前後の溶液に、界面活性剤、レベリング剤、フローコントロール剤を、塗布液の総量に対し、重量基準で、好ましくは5%以下、より好ましくは0.001〜0.5%、さらに好ましくは0.001〜0.1%、添加してもよい。上記添加により、塗布時における膜の欠点を改善することができる。
【0031】
上記界面活性剤、レベリング剤、フローコントロール剤としては、シリコーン化合物、フッ素化シリコーン化合物などの化合物が好ましく用いられる。
【0032】
以上のようにして得られたゾルゲル材料を物品基材と成形型との間に密着させて膜状に配置し、加熱して、前記成形型の表面形状を反転させた形状の表面を有するゲル膜が被覆された、凹凸表面を有する物品が製造される。この微小凹凸膜を成形するプロセスとしては、代表的に下記の方法を挙げることができる。
【0033】
ゲル膜の成形方法は膜形成用液を基板表面に、スピンコート法、ディップコート法、スクリーン印刷法、グラビアコート法、フレキソ印刷法、メニスカスコート法などのコーティング方法により均一な膜厚を有する膜を形成し、加熱してその液膜が可塑性を持った時に成形型を物品基板表面の膜に押し当て、そのままの状態で加熱し、転写成形後、成形型を離型し、最終加熱を実施する方法である。すなわち、物品基材の被覆すべき表面を水平に保ち、粘度が10cP以下の液状のゾルゲル材料をその基材の上に注いで所定の厚みになるようにゾルゲル材料を基材上にスピンコート法、ディップコート法などにより膜状に広げる(工程1)。その状態で、60〜80℃で10〜120分間保持して、脱水による重縮合反応を進ませる(工程2)。ついで微小な凹凸形状を有する成形型を膜状のゾルゲル材料の上に押し当てて圧力0.5〜120kg/cm2、温度60℃〜80℃で60秒〜60分間保持して、ゾルゲル材料の脱水による重縮合反応をほぼ完了させてゲル化させる(工程3)。そして成形型を引き剥がすことにより、成形型の凹凸形状を反転させた凹凸形状を表面に有するゲル化膜であるポリシロキサン膜が基材の表面に接合された状態で形成される(工程4)。ついでこれを例えば180〜350℃で10〜150分間最終加熱することにより、ポリシロキサン膜の残留シラノール基を重縮合させるとともに、この重縮合で発生した水分を気化させて、膜は厚み方向にわずかに体積収縮して緻密な膜となる(工程5)。このようにして成形型の表面形状を反転させた形状の表面を有する膜が被覆された、凹凸表面を有する物品が得られる。なお工程2〜4のうち少なくとも一つの工程は、減圧下で行ってもよい。
【0034】
上記成形型については、例えば表面が平坦なガラス基板の表面を精密にエッチングして、目的とする形状の、例えば凹型を形成する。これを種型として、無電解および電解めっき法で凸型の金属母型を作製できる。また上記凹型を母型として、上記めっき法で凸型の金属種型を作製し、さらにこの種型に上記めっき法で、凹型の金属母型を作製できる。これら凸型または凹型の母型を、成形型として用いることができる。なお上記のめっき法ではニッケル、クロム等の金属が好ましく用いられる。
【0035】
本発明におけるポリシロキサン膜はその断面において、1個または複数の山形、鋸歯形、円弧、または楕円弧等の形状を有するものである。この凸部の形状を変えることにより、基材に様々な機能を付与することができる。例えば微細凹凸形状の変更によりグレーティングとしての機能や平板マイクロレンズアレイとしての機能やプリズムアレイとしての機能を付与することができる。
【0036】
このポリシロキサン膜の厚み(最終加熱後)は膜の凸部と凹部の平均高さで表して0.5μm〜5.0mmである。膜厚が0.5μm以上の場合、その膜厚の最小値dmin(凹凸膜の凹部底部と基材との距離)と最大値dmax(凹凸膜の凸部頂上と基材との距離)の比が0.25以上、すなわちdmin/dmax≧0.25であることが、基材と膜との剥離防止および膜の亀裂防止のために望ましい。膜厚の最小値と最大値の比(最小値/最大値)が0.25未満の場合には、膜の成形過程において、膜厚が最小の部分で基板と膜が界面で剥離したりあるいは膜に亀裂を生じやすいからである。さらにdmaxおよびdminは下記数式(1)〜(3)のすべてを満たすことが好ましく、さらに下記数式(4)〜(6)のすべてを満たすことがさらに好ましい。
【0037】
[数1]
0.5μm≦(dmax−dmin)≦1.5μm (1)
[数2]
dmax≦5μm (2)
[数3]
dmin≧0.5μm (3)
[数4]
0.6μm≦(dmax−dmin)≦1.1μm (4)
[数5]
dmax≦4μm (5)
[数6]
dmin≧0.5μm (6)
【0038】
前記原溶液として、メチルトリアルコキシシランを(A)成分として含有し、(A)成分1モルに対して(B)成分を、0.05〜0.5モルの割合で含有するものを用いる場合、得られる凹凸表面を有する物品の凹凸膜は、下記化学式(4)で表されるメチルシリル基(D)および下記化学式(5)で表されるおよびシロキシ基(E)を、(E)成分1モルに対して(D)成分を2〜20モルの割合で含有する。
[化4]
CH3SiO3/2 (4)
[化5]
SiO4/2 (5)
【0039】
このようにして、本発明によれば、350℃に耐える耐熱性に優れ、膜厚が0.5μm〜5μmで、一般のガラスの屈折率に近い1.440〜1.460の屈折率を有し、微細な凹凸形状を持つオルガノポリシロキサンからなる単一層の膜が物品基材に形成される。この膜を構成するオルガノポリシロキサンはアルキル基例えばメチル基を11〜21重量%含有している。この膜は基板との密着性が強く、膜の強度が高く膜に亀裂が発生し難い。そして膜の内部には成型時の発泡は認められず、膜表面の微細凹凸形状の寸法精度がきわめて高い優れた転写性が実現できる。具体的には、例えば高さが2μmの凸部を多数形成する場合、膜表面凸部の高さのばらつきは、0.2μm以下である。また膜表面の凸部間隔の成形型からのズレは測定精度(0.2μm)以下である。本発明による凹凸表面を有する物品は耐熱性が優れているので、例えば本発明により製造された回折格子を、樹脂製の回折格子の成形型としても使用することができる。
【0040】
この発明に用いる物品基材としては、平板状、曲板状、棒状等の任意の形状のものが用いられる。基材として200℃と20℃における基材表面の反り量(基材の表面方向の単位長さあたりのその表面に垂直な方向の熱変形長さ)が1cmあたり±5μm以内であることが望ましい。反り量がこの範囲を超えると膜の成形過程において基板と膜が界面で剥離もしくは膜に亀裂を生じるおそれがあるので、基材の材料、寸法、形状を選ぶことが好ましい。
【0041】
また、この基材は1.5×10-5/℃以下の線膨張率を有することが好ましい。基材の線膨張率が1.5×10-5/℃を超えると、例えばポリプロピレン(9〜15×10-5/℃)のような高い熱膨張係数を有するプラスチックス基材の場合、オルガノポリシロキサン膜の成形過程において基材と膜が界面で剥離したり、膜に亀裂を生じるからである。通常の無機ガラスは1.5×10-5/℃以下の線膨張率を有する。また基材の少なくとも表面は酸化物であることが好ましい。もしオルガノポリシロキサン膜と接する基材表面が酸化物でない場合、膜の成形過程において付着強度が小さくなる傾向があり、場合によっては基材と膜が界面で剥離を生じることもある。好ましい基材の材質の例として、珪酸塩系ガラス、ホウ酸系ガラス、リン酸系ガラス等の酸化物ガラス、石英、セラミックス、金属、エポキシ樹脂、ガラス繊維強化ポリスチレンなどを挙げることができる。金属はそのままではオルガノポリシロキサン膜が接合しないが、あらかじめ金属の表面を酸化剤で処理しておけば基材として好適に使用することができる。
【0042】
また本発明における基材として、所望の波長の光、例えば可視域、紫外域、または赤外域の光に対して透明な物体が用いられる場合、本発明の凹凸表面を有する物品は、回折格子(レリーフ型回折格子およびブレーズド回折格子)、レンズ、プリズムなどの透過型光学素子としての機能を発揮することができる。また、基材として透明体または不透明体を使用する場合は、膜の上に金属(アルミニウム、銀、等)や誘電体膜(フッ化マグネシウム、酸化チタン等)を形成するなどして反射型回折格子、フレネルリフレクタ等の反射型光学素子、CD−ROMその他の情報記録媒体としての利用が適当である。
【0043】
本発明における凹凸表面を有する物品が回折格子である場合、この回折格子はその他の光学素子と組み合わせて、集積光学装置としても使用できる。例えば光通信、特に高密度多重化/多重分離化用波長モニタモジュールにおける波長分離光学素子として使用できる。高密度波長分割多重化(DWDM)技術は、複数の信号を単一光路上に同時に伝送する技術であり、光ファイバ通信システムにおいて、経費を大きく増大せずに、通信容量を増大できるため、きわめて重要な技術である。すなわち、光ファイバで搬送できる通信チャンネル数を増大することにより、システム容量を増大できる。光通信に用いられている信号は、波長が1.55μmおよび1.3μmの光が用いられている。これらの波長の光を高効率で回折しかつ波長分解能の優れた回折格子が好ましく用いられる。本発明の方法を用いて製造された回折光学素子については、耐熱性、耐環境性に優れているため、高精度が要求される微小光学素子として好ましく用いられる。本発明の回折格子を高密度多重化/多重分離化用波長モニタモジュールとして用いる場合については、光ファイバ、コリメータレンズ、感光性半導体素子などと組み合わせて用いられる。またコリメータレンズと回折格子の間に偏光フィルタ、偏波コンバータを挿入することにより、偏光特性の改善された集積光学素子を作製することができる。またコリメーターレンズとアレイ状感光性半導体素子との間に、アレイ状のマイクロレンズを、アレイ状感光性半導体素子に接するように配置してもよい。このアレイ状のマイクロレンズはNSG America,Inc.によって「PML」(商品名)として市販されている。このようなレンズを用いることにより、アレイ状感光性半導体素子の隣接クロストークを小さくすることができる。
【0044】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施形態について詳細に説明する。
本発明の製造方法は、概略以下の(1)、(2)、(3)および(4)手順で順次行われる。(1)オルガノポリシロキサン塗布液の調製、(2)基材への塗布液の塗布および熱処理、(3)接合、熱処理および離型、(4)最終加熱(焼成)。
【0045】
[膜形成用塗布液(溶液A1、A2、A3、A4、A5およびA6)の調製]メチルトリエトキシシラン0.09モル(16.0g)とテトラエトキシシラン0.01モル(2.08g)をビーカーに入れ撹拌した。この液にエタノール0.1モルを加えそして撹拌し、水0.4モル(7.3g)に蟻酸を0.1重量%になるように溶解した水溶液を、さらにこれに加え、0.5時間撹拌した(溶液A1)。この溶液をオーブン内にて40℃で1時間加熱した(溶液A2)。これを1晩室温で静置した(溶液A3)。これをさらに6日間室温で静置した(溶液A4)。
【0046】
メチルトリエトキシシラン0.08モル(14.3g)とテトラエトキシシラン0.02モル(4.16g)をビーカーに入れ撹拌した。この液にエタノール0.1モルを加えそして撹拌し、水0.4モル(7.3g)に蟻酸を0.1重量%になるように溶解した水溶液を、さらにこれに加え、0.5時間撹拌した後、この溶液をオーブン内にて40℃で1時間加熱した(溶液A5)。これを1晩室温で静置した(溶液A6)。
【0047】
[膜形成用塗布液(溶液B1、B2、B3、およびB4)の調製]
メチルトリエトキシシラン0.09モル(16.0g)とテトラエトキシシラン0.01モル(2.08g)をビーカーに入れ撹拌した。この液にエタノール0.1モルを加え撹拌し、水0.4モル(7.3g)に塩酸を0.1重量%になるように溶解した水溶液を、さらにこれに加え、0.5時間撹拌した(溶液B1)。これをさらに6日間室温で静置した(溶液B2)。
【0048】
メチルトリエトキシシラン0.09モルとテトラエトキシシラン0.01モルをビーカーに入れそして撹拌した。この液にエタノール0.4モルを加えそして撹拌し、水0.4モル(7.3g)に塩酸を0.1重量%になるように溶解した水溶液を、さらにこれに加え、0.5時間撹拌した(溶液B3)。これをさらに6日間室温で静置した(溶液B4)。
【0049】
[膜形成用塗布液(溶液C1、C2、C3、およびC4)の調製]
メチルトリエトキシシラン0.09モルと「エチルシリケート40」の0.01モル[縮合体はテトラエトキシシランに換算](テトラエトキシシラン換算、1.53g)をビーカーに入れ撹拌した。この液にエタノール0.1モルを加え撹拌し、水0.4モル(7.3g)に蟻酸を0.1重量%になるように溶解した水溶液を、さらにこれに加え、0.5時間撹拌した(溶液C1)。この溶液をオーブン内にて40℃で1時間加熱した(溶液C2)。これを1晩室温で静置した(溶液C3)。これをさらに2日間室温で静置した(溶液C4)。
【0050】
[膜形成用塗布液(溶液D1、D2、D3、およびD4)の調製]
テトラエトキシシラン0.01モル(2.08g)をビーカーに入れ、この液にエタノール0.1モルを加え撹拌し、水0.4モル(7.3g)に蟻酸を0.1重量%になるように溶解した水溶液を、さらにこれに加え、60℃で0.5時間撹拌した。この液にメチルトリエトキシシラン0.09モル(16.0g)を加え、オーブン内にて40℃で1時間加熱した(溶液D1)。これを1晩室温で静置した(溶液D2)。これをさらに2日間室温で静置した(溶液D3)。これをさらに3日間室温で静置した(溶液D4)。
【0051】
[膜形成用塗布液(溶液E1)の調製]
メチルトリエトキシシラン0.09モル(16.0g)をビーカーに入れ撹拌した。この液にエタノール0.1モルを加え撹拌し、水0.4モル(7.3g)に蟻酸を0.1重量%になるように溶解した水溶液を、さらにこれに加え、60℃で0.5時間撹拌した。この液にテトラエトキシシラン0.01モル(2.08g)を加え、オーブン内にて40℃で1時間加熱した(溶液E1)。
【0052】
[膜形成用塗布液(溶液F1)の調製]
フェニルトリエトキシシラン0.05モル(12.02g)とテトラエトキシシラン0.05モル(10.4g)をビーカーに入れ撹拌した。この液にエタノール0.1モルを加え撹拌し、水0.4モル(7.3g)に蟻酸を0.1重量%になるように溶解した水溶液を、さらにこれに加え、0.5時間撹拌した。この溶液をオーブン内にて40℃で1時間加熱した(溶液F1)。
【0053】
上記溶液A1〜A6,B1〜B4、C1〜C4、D1〜D4、E1およびF1の中の未加水分解物の量を測定し、溶液の原料中の前記シラン化合物(A)(メチルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン)および(B)(テトラエトキシシラン、「エチルシリケート40」)の各モル数に対して、溶液中で、加水分解せずにそのまま残っている上記シラン化合物(A)および(B)の割合を計算して、未加水分解物量(%)とした。加水分解せずにそのまま残っている上記シラン化合物(A)、(B)とは、シラン化合物の中の複数の加水分解性基が全く加水分解していないものを指し、加水分解性基の一つでも加水分解しているシラン化合物は除外している。未加水分解物量の測定はガスクロマトグラフィーにより行った。なお、上記膜形成用塗布液の縮合体の分子量(重量平均)は、ゲル濾過クロマトグラフィーを用いて、分子量が既知のポリスチレンで検量線を作成してポリスチレン換算の重量平均分子量として算出することによって行った。
【0054】
[基材への溶液の塗布、プレスおよび熱処理]
上記膜形成用塗布液をスピンコート法で石英ガラス基板上に塗布し、60℃のホットプレート上で20分間乾燥し、この乾燥ゲル膜に成形型を押し当て、2kg/cm2のプレス圧力でプレスしながら、60℃で30分、減圧下で加熱処理を実施した。その後、離型した。その結果、成形型の形状を転写した微細凹凸板が得られた。
【0055】
[最終加熱]
離型して得られた微細凹凸板を350℃で15分間加熱して、凹凸表面を有する物品が得られた。
得られた凹凸表面を有する物品を下記の方法で性能および特性を評価した。
【0056】
[凸部高さのばらつき測定]
最外層の凸部高さのばらつき測定は、レーザ顕微鏡による高さ測定により実施した。
【0057】
[耐熱性、光学特性測定]
実施例および比較例で製造した凹凸表面を有する物品について、350℃で2時間保持する耐熱試験を行った後、室温に戻して、亀裂(クラック)の発生の有無を観察して耐熱性を評価した。また、He−Neレーザを用いて、回折格子の回折パターンを、耐熱試験の前後で測定し、評価した。
【0058】
[実施例1]
ガラス基板として厚み3.0mmで2.5cm角の石英ガラスの基板(線膨張率:1.0×10-5/℃)を準備した。また成形型として樹脂製ブレーズド回折格子(ピッチ1.1μm、溝深さ0.8μm、鋸歯状、表面にCr/Auコーティング膜を有する。平均厚み約50μm)を準備した。その溝断面形状を図1に示す。使用する膜形成用塗布液A2中の、加水分解せずにそのまま残っている上記シラン化合物(A)および(B)の割合、および塗布液A2中の縮合体の分子量を表1に示す。上記基板上に、0.5mlの膜形成用塗布液A2を滴下し、500rpmの回転速度でスピンコーティングを行った。これを60℃に加熱したホットプレート上で15分間乾燥し、上記成形型をゾルゲル材料の上に押し当てて圧力50kg/cm2、温度60℃で90分間減圧下で保持した。そして常圧に戻して成形型を引き剥がした。ついでこれを350℃で20分間最終加熱することにより、石英ガラスの基板の上に、成形型の表面形状を転写した表面形状を有するオルガノポリシロキサン凹凸膜が被覆されたブレーズド回折格子が得られた。そしてこのオルガノポリシロキサン凹凸膜は、前記化学式(4)で表されるメチルシリル基(D)および前記化学式(5)で表されるおよびシロキシ基(E)を、(E)成分1モルに対して(D)成分を9モルの割合で含有していた。
【0059】
【表1】
【0060】
以上のようにして作製したオルガノポリシロキサン膜は透明であり、凸部分の膜厚み(dmax)3.0μmであった。また凹部分の膜厚み(dmin)2.2μmであった。dmaxおよびdminは、
0.6μm≦(dmax−dmin=0.8μm)≦1.1μm
(dmax=3.0μm)≦4.0μm
(dmin=2.2μm)≧0.5μm
となり、前述の式(4)、(5)、(6)の範囲を満足した。
【0061】
膜形成用塗布液A2をスピンコーティングする際に基板上に滴下した塗布液は、表2に示すように液はじきはなかった。また成形型を引き剥がす際に、表2に示すように、膜剥がれは生じなかった。この回折格子の耐熱性評価(350℃加熱急冷試験)を行った結果、表2に示すように、膜中に亀裂(クラック)は発生せず、外観、および、膜の凸部の高さ、その標準偏差、および回折パターンは耐熱試験前の値に比して変化は見られなかった。
【0062】
【表2】
────────────────────────────────────
実施例 塗布液番号 スピンコート プレス成形 350℃加熱急冷試験
────────────────────────────────────
実施例
1 A2 液はじきなし 膜剥がれなし クラックなし
2 A3 液はじきなし 膜剥がれなし クラックなし
3 C1 液はじきなし 膜剥がれなし クラックなし
4 C2 液はじきなし 膜剥がれなし クラックなし
5 C3 液はじきなし 膜剥がれなし クラックなし
6 C4 液はじきなし 膜剥がれなし クラックなし
7 D1 液はじきなし 膜剥がれなし クラックなし
8 D2 液はじきなし 膜剥がれなし クラックなし
9 D3 液はじきなし 膜剥がれなし クラックなし
10 D4 液はじきなし 膜剥がれなし クラックなし
11 A5 液はじきなし 膜剥がれなし クラックなし
12 A6 液はじきなし 膜剥がれなし クラックなし
13 F1 液はじきなし 膜剥がれなし クラックなし
比較例
1 A1 液はじきあり 膜剥がれなし クラックあり
2 A4 液はじきなし 膜剥がれあり 評価不可能
3 B1 液はじきなし 膜剥がれあり 評価不可能
4 B2 液はじきなし 膜剥がれあり 評価不可能
5 B3 液はじきなし 膜剥がれあり 評価不可能
6 B4 液はじきなし 膜剥がれあり クラックあり
7 E1 液はじきあり 膜剥がれあり 評価不可能
────────────────────────────────────
【0063】
[実施例2〜13]
実施例1で用いた膜形成用塗布液A2に代えて、膜形成用塗布液A3,A5,A6、C1〜C4、D1〜D4、F1を用いた以外は実施例1と同様に行った。各膜形成用塗布液中の、加水分解せずにそのまま残っている上記シラン化合物(A)および(B)の割合、および塗布液中の縮合体の分子量を表1に示す。またスピンコートの際の液はじき、プレス成形の際の膜剥がれ、および回折格子の耐熱性は表2に示すように、実施例1と同じく、液はじきはなく、膜剥がれもなく、耐熱性も良好であり、また、外観、および、膜の凸部の高さ、その標準偏差、および回折パターンは耐熱試験前の値に比して変化は見られなかった。
【0064】
[実施例14]
図2に示す溝断面形状を有する樹脂製ブレーズド回折格子(ピッチ1.1μm、溝深さ0.8μm、鋸刃状溝断面形状は連続した曲面からなっており、凹部底は約0.3μmの平坦部分を有する。表面にCr/Auコーティング膜を有する。平均厚み約50μm)を準備する。実施例1において成形型として使用した樹脂製ブレーズド回折格子に代えて図2に示す樹脂製ブレーズド回折格子を使用し、実施例1において使用した膜形成用塗布液A2に代えて塗布液A5を使用した他は、実施例1と同様にして基材への溶液の塗布、プレスおよび熱処理ならびに最終加熱をおこなって、凹凸表面を有する物品が得られた。使用した成形型の断面形状が実施例1での成形型に比して、曲面が多く凹部底に平坦部分を有するために、成形型の離型作業が容易であった。得られた凹凸表面を有する物品について、実施例1と同様に耐熱性および光学特性を測定したところ、実施例1と同じく、膜中に亀裂(クラック)は発生せず、外観、および、膜の凸部の高さ、その標準偏差、および回折パターンは耐熱試験前の値に比して変化は見られなかった。
【0065】
[比較例1〜7]
実施例1で用いた膜形成用塗布液A2の代わりに膜形成用塗布液A1、A4、B1〜B4、およびE1を用いた他は実施例1と同じ基板および成形型を用いて実施例1に記載の方法で微細凹凸板を形成した。各膜形成用塗布液中の、加水分解せずにそのまま残っている上記シラン化合物(A)および(B)の割合、および塗布液中の縮合体の分子量を表1に示す。またスピンコートの際の液はじきの有無、プレス成形の際の膜剥がれの有無、および回折格子の耐熱性は表2に示す。
【0066】
表2に示すように、比較例1,7では、スピンコートの際の液はじきが発生し、比較例2〜6ではプレス成形の際の膜剥がれが発生した。また比較例1,6では耐熱性試験の冷却中に膜にクラックが発生し、膜の一部が剥離し、凹凸寸法の評価を行うことはできなかった。この基板の耐熱性評価を行った結果、膜中の亀裂がさらに大きくなって膜が部分的にさらに剥離した。従って耐熱試験後の膜の凸部の高さ、その標準偏差は測定できない程度であり、回折パターンは耐熱試験前に比して大きな変化を示した。また比較例2〜5、7では、膜が成形型に強く付着し、離型作業に手間がかかった。また、離型後の膜の大部分が成形型の方に付着してしまって、ガラス基板上に殆ど膜が残っていない状態であり、その後の評価ができなかった。
【0067】
[実施例15]
表面にスパッタリング法で厚さ5nmのアルミニウム膜を成膜した実施例1で得られた回折格子を用いて、波長分割多重通信システム用波長モニタモジュールを作製した。光ファイバアレイ、コリメータレンズ、本発明の回折格子の順に各光学素子を配列した。コリメータレンズは、その焦点面にファイバアレイが位置するように配置させた。光ファイバアレイから出てくる16チャンネルに多重化された光信号は、コリメータレンズによって平行光線となり回折格子表面に照射された。この照射光は1.55μmの波長の光を選択的にブレーズする様な角度に設置された回折格子表面で、16チャンネルの各波長に応じた回折角度に多重分離化されて反射された。この反射回折光は、コリメータレンズを通り、16個の配列された感光性半導体素子上に、各チャンネル毎に集光された。入射光の挿入損失は5dB、隣接チャンネルクロストークは15dBであり、波長分割多重通信システム用波長モニタモジュール光学集積素子として十分に機能した。また挿入損失値、クロストーク値は、0〜85℃の温度範囲で大きくその値が変わることはなかった。
【0068】
【発明の効果】
本発明によれば、塗布時の液はじきなどによる欠点の少なく、ゲル膜形成時のクラックの入りにくく、しかも膜の中にアルキル基例えばメチル基が適度に残存して膜の弾力性に富み(脆性が少ない)、膜の強度が高く膜に亀裂が発生し難い光学素子その他の凹凸表面を有する物品を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例に使用する成形型の溝形状を示す断面図。
【図2】 本発明の他の実施例に使用する成形型の溝形状を示す断面図。
Claims (6)
- 下記化学式(1)で表されるシラン化合物(A)、下記化学式(2)で表されるシラン化合物(B)、炭素数1〜4の低級アルコール、水および触媒を含有する原溶液を加水分解および脱水縮合反応させてなる膜形成用液を、基材と成形型との間に密着させて膜状に配置し、ついで加熱して前記成形型の表面形状を反転させた形状の表面を有する凹凸膜が基材表面に被覆された、凹凸表面を有する物品の製造方法において、前記原溶液が前記(A)成分1モルに対して0.05〜1モルの割合で前記(B)成分を含有し、前記触媒は有機酸であり、前記膜形成用液が、前記原溶液を室温で20〜120分間撹拌しながら加水分解させ、そして20℃〜60℃で1〜20時間加熱して脱水縮合反応を進行させて調製したものであって、その中にそれぞれ未加水分解物の形の前記シラン化合物(A)および(B)を、前記原溶液中の前記シラン化合物(A)および(B)の含有量に対して、それぞれ0.5〜40重量%および0.5〜60重量%の量で含有し、そして、前記膜形成用液中の、前記脱水縮合反応の結果生成された縮合体が300〜1900の重量平均分子量を有することを特徴とする凹凸表面を有する物品の製造方法。
[化1]
RSiX3 (1)
ここでRは非加水分解性の有機基であり、そしてXは加水分解性基である。
[化2]
SiX'4 (2)
ここでX'は加水分解性基である。 - 前記有機酸は蟻酸である請求項1記載の凹凸表面を有する物品の製造方法。
- 前記原溶液が、前記(B)成分の一部または全部を、下記化学式(3)で表されるシラン化合物(C)により、前記(B)成分1モルに対して1/(n+1)モルの割合で、置換させたものである請求項1ないし2に記載の凹凸表面を有する物品の製造方法。
[化3]
X'' X''
| |
X''−(Si−O−)nSi−X'' (3)
| |
X'' X''
ここでX''は加水分解を受けるアルコキシル基またはハロゲン原子であり、nは1〜10の整数である。 - 前記(C)成分が上記化学式(3)中のX''がアルコキシル基であるシラン化合物である請求項3に記載の凹凸表面を有する物品の製造方法。
- 前記(A)成分の式(1)中のXおよび(B)成分の式(2)中のX'がともにアルコキシル基である請求項1〜4のいずれか1項に記載の凹凸表面を有する物品の製造方法。
- 前記(A)成分はメチルトリエトキシシランであり、前記(B)成分はテトラエトキシシランである請求項1〜5のいずれか1項に記載の凹凸表面を有する物品の製造方法。
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