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JP2017167231A - レプリカ光学素子 - Google Patents

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JP2017167231A JP2016050411A JP2016050411A JP2017167231A JP 2017167231 A JP2017167231 A JP 2017167231A JP 2016050411 A JP2016050411 A JP 2016050411A JP 2016050411 A JP2016050411 A JP 2016050411A JP 2017167231 A JP2017167231 A JP 2017167231A
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智史 倉本
Satoshi Kuramoto
智史 倉本
浩行 笹井
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浩行 笹井
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Abstract

【課題】迷光の発生を軽減することが可能なレプリカ光学素子を提供する。
【解決手段】型板30の溝面上に溝形状の離型剤膜43を形成する離型剤膜形成工程と、離型剤膜43上に溝形状の金属膜44を形成する金属膜形成工程と、接着用樹脂を介して金属膜44上面とガラス基板11下面とを密着させる接着工程と、ガラス基板11を型板30から取り外すことで、ガラス基板11に接着用樹脂層12及び金属膜44が接着されたレプリカ光学素子10’を作製する反射型光学素子作製工程とを含む製造方法で作製されたレプリカ光学素子10であって、ガラスのd線に対する屈折率をnとし、接着用樹脂のd線に対する屈折率をnとしたときに、垂直反射率Rが式(1)を満足する。
【選択図】図1

Description

本発明は、分光光度計等の各種光学機器に使用されるレプリカ光学素子に関し、特に、スペクトログラフ中に設置角度が固定されて取り付けられるレプリカ回折格子に関する。
従来より、回折格子を量産する際に、マスター回折格子からレプリカ回折格子を作製する製造方法(White&Fraserレプリカ法)が採用されている(例えば、特許文献1参照)。
「White&Fraserレプリカ法」では、まず、マスター基板(ガラス基板)の上面にアルミニウム等の金属を蒸着してマスター金属薄膜を形成し、そのマスター金属薄膜に格子溝を形成することによりマスター回折格子を作製する。次に、このマスター回折格子を母型として、その格子面(マスター金属薄膜)の上面に薄く油膜(離型剤膜)を形成し、油膜の上面に真空蒸着によりレプリカ金属薄膜を形成して、格子溝形状のレプリカ金属薄膜を形成する。次に、このレプリカ金属薄膜の上面に接着剤を介してレプリカ基板(ガラス基板)を接着し、接着剤が硬化した後にレプリカ基板を母型から外す。これにより、油膜の上面に形成されていたレプリカ金属薄膜がレプリカ基板に移ってレプリカ反射型回折格子が得られる。
さらに、水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)等を用いたウエットエッチングを実行してレプリカ金属薄膜を溶解させることで、レプリカ透過型回折格子が得られる。
そして、このようなレプリカ反射型回折格子やレプリカ透過型回折格子は、主として分光器(スペクトログラフ)に利用されている。
特開平7−261010号公報
ところで、分光器のスペクトルモードで試料を分析する場合には、レプリカ透過型回折格子で波長分離させた単色光を試料に入射してその吸収度合を計測するが、入射光にその単色光以外の波長の光、つまり迷光が混じると、それがノイズとなって分析感度や分析精度を低下させる要因となる。こうした迷光は、取り扱う光の波長が比較的長い場合、具体的には赤外光や可視光の場合はあまり問題とならないが、特に、取り扱う波長を短波長化する場合、例えば軟X線等の分光を行う際には問題となっていた。
本件発明者らは、上記課題を解決するために、迷光の発生を軽減することが可能なレプリカ光学素子について鋭意検討を行った。
ここで、レプリカ基板のガラス「BK7(合成石英の一種)」の屈折率nは1.518(d線)であり、接着用樹脂の屈折率nは1.56(d線)であり、レプリカ基板と接着用樹脂層との界面で反射して、正規の回折光と同じ方向に反射散乱光が出射して迷光となっている。これらの事実から、d線に対する垂直反射率Rが2×10−4であると、迷光が問題になることがわかった。
また、レプリカ基板と接着剤との付着性を良好にする目的で、接着面積を広げるためにレプリカ基板の接着剤の塗布面が微小凹凸状のスリ面となったものが利用されている。しかしながら、このスリ面が迷光の原因となっている。そこで、面粗さSが14μmRmsであると、迷光が問題になることがわかった。
すなわち、本発明のレプリカ光学素子は、型板の溝面上に溝形状の離型剤膜を形成する離型剤膜形成工程と、前記離型剤膜上に溝形状の金属膜を形成する金属膜形成工程と、接着用樹脂を介して前記金属膜上面とガラス基板下面とを密着させる接着工程と、前記ガラス基板を前記型板から取り外すことで、前記ガラス基板に接着用樹脂層及び前記金属膜が接着されたレプリカ光学素子を作製する反射型光学素子作製工程とを含む製造方法で作製されたレプリカ光学素子であって、前記ガラスのd線に対する屈折率をnとし、前記接着用樹脂のd線に対する屈折率をnとしたときに、垂直反射率Rが下記式(1)を満足するようにしている。
R=(n−n/(n+n≦1.0×10−5 ・・・ (1)
なお、本発明では、上下方向を逆転させて逆向きにして用いた場合も含まれるものとする。
以上のように、本発明のレプリカ光学素子によれば、垂直反射率Rが式(1)を満足することにより、反射光と散乱光とが少なくなり、迷光を低減することができる。また、これにより、分光器に使用すると分析精度や分析感度を向上させることができ、特に軟X線等の短波長領域における分析精度の大幅な向上に寄与する。
(他の課題を解決するための手段および効果)
また、本発明のレプリカ光学素子において、前記ガラス基板下面の面粗さSは、下記式(2)を満足するようにしてもよい。
S≦1.0(nmRms) ・・・ (2)
本発明のレプリカ光学素子によれば、面粗さSが式(2)を満足することにより、さらに反射光と散乱光とが少なくなり、迷光を低減することができる。
また、本発明のレプリカ光学素子において、前記接着用樹脂は、カップリング剤を含有したものとしてもよい。
本発明のレプリカ光学素子によれば、接着用樹脂には例えば有機成分と無機成分との結合性を向上させるシランカップリング剤を代表とするカップリング剤が混合されているので、レプリカ基板の接着面がスリ面ではなく光沢面であっても高い接着性を確保することができ、金属膜をレプリカ基板にしっかりと貼着することができる。
また、本発明のレプリカ光学において、前記接着工程において、前記接着用樹脂を介して前記金属膜上面とガラス基板下面とを密着させる前に、前記ガラス基板下面にカップリング剤が塗布されたものであるようにしてもよい。
本発明のレプリカ光学素子によれば、光沢面となっているレプリカ基板の接着面にカップリング剤を塗布し、その上に接着用樹脂を塗布又は盛ることにより、カップリング剤の接着性を高めて金属膜をレプリカ基板にしっかりと貼着することができる。
そして、本発明のレプリカ光学素子において、前記レプリカ反射型光学素子から前記金属膜が除去されることで、溝面を有する前記接着用樹脂層と前記ガラス基板とからなるレプリカ透過型光学素子としてもよい。
さらに、本発明のレプリカ光学素子において、前記型板は、マスター回折格子又はネガ回折格子であり、前記レプリカ光学素子は、レプリカ回折格子であるようにしてもよい。
本発明に係るレプリカ透過型回折格子の一例を示す断面図。 本発明に係るレプリカ透過型回折格子の製造方法の説明図。 本発明に係るレプリカ透過型回折格子の製造方法の説明図。 本発明に係るレプリカ透過型回折格子の製造方法の説明図。 本発明に係るレプリカ透過型回折格子の製造方法の説明図。 マスター回折格子の一例を示す断面図。 回折光の波長と光強度との関係を示すグラフ。 絶対回折効率を示すグラフ。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。なお、本発明は、以下に説明するような実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の態様が含まれる。
図1は、本発明に係るレプリカ透過型回折格子の一例を示す断面図である。
レプリカ透過型回折格子10は、レプリカ基板11と、接着用樹脂層12とを備える。
レプリカ基板11は、上下の面と前後左右の側面とからなる6面を有し、例えば、厚さ11mm、前後60mm、左右60mmの平板形状である。
上記レプリカ基板の上面の面粗さSは、1.0(nmRms)以下であることが好ましく、0.5(nmRms)以下であることがより好ましい。また、上記レプリカ基板の下面には、所定の厚さ(例えば70nm)のMgF等のARコート(中心波長400nm)が施されていることが好ましい。
接着用樹脂層12は、レプリカ基板11の上面に形成され、接着用樹脂層12の上面(格子面)には格子溝(例えば溝本数200本/mm、ブレーズ角8.6°の鋸歯形状)が形成されている。
上記レプリカ基板の材質としては、例えば、石英ガラス、ゼロデュア(ZERODUR(登録商標):SCHOTT社製)等の低膨張性結晶ガラス、BK7、パイレックス(PYREX(登録商標))ガラス、ソーダガラス等が挙げられる。
また、上記接着用樹脂層の材質としては、例えば、尿素樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化樹脂や紫外線硬化樹脂等が挙げられる。
なお、本発明では、レプリカ基板11の材質のd線に対する屈折率をnとし、接着用樹脂12のd線に対する屈折率をnとしたときに、垂直反射率Rが式(1)を満足することになる。
R=(n−n/(n+n≦1.0×10−5 ・・・ (1)
つまり、垂直反射率Rが1.0×10−5以下であり、4×10−7以下であることが特に好ましい。
ここで、本発明に係るレプリカ透過型回折格子10の製造方法の一例について図2を用いて説明する。その製造方法は、マスター回折格子準備工程(A−1)と、離型剤膜形成工程(B−1)と、ネガ金属膜形成工程(B−2)と、接着工程(B−3)と、ネガ回折格子作製工程(B−4)と、離型剤膜形成工程(C−1)と、レプリカ金属膜形成工程(C−2)と、接着工程(C−3)と、反射型回折格子作製工程(C−4)と、透過型回折格子作製工程(C−5)とを含む。
(A−1)マスター回折格子準備工程
まず、マスター回折格子20を準備する。図3は、マスター回折格子の一例を示す断面図である。マスター回折格子20は、マスター基板21と、マスター金属薄膜22とを備える。
マスター基板21は、上面(格子面)と下面及び前後左右の側面とからなる6面を有し、マスター基板21の上面には格子溝(例えば溝本数200本/mm、ブレーズ角8.6°の鋸歯形状)が形成されている。
また、上記マスター基板の材質としては、例えば、上記レプリカ基板と同様の、石英ガラス、ゼロデュア等の低膨張性結晶ガラス、BK7、パイレックスガラス、ソーダガラス等が挙げられる。
マスター金属薄膜22は、マスター基板21の上面(格子面)に所定の厚さとなるように形成されたものである。すなわち、マスター金属薄膜22は格子溝形状となっている。
上記マスター金属薄膜の所定の厚さは、0.1μm以上2μm以下であることが好ましく、上記マスター金属薄膜の材質としては、例えば、アルミニウム、金、白金、クロム、ニクロム、ニッケル等が挙げられる。
このようなマスター回折格子20の製造方法の一例を述べると、まず、60mm×60mm×11mmの大きさのガラス基板(フロートガラス)21に、フォトレジスト(感光レジスト膜)としてOFPR(登録商標)5000(東京応化工業株式会社製)を0.4μm厚さでコーティングし、このフォトレジストにホログラフィック露光法(レーザ波長:441.6nm)により格子溝(密度:200本/mm)のレジストパターンを露光して、現像液に適切な時間浸漬させた後に、レジストパターンを形成する。次に、そのレジストパターンをマスクとして異方性イオンビームエッチングにより、溝断面形状がブレーズ角8.6°の鋸歯形状の格子溝を形成する。次に、その格子溝上に膜厚0.2μmのマスター金属薄膜22を真空蒸着により形成する。このようにして、マスター回折格子20が完成する。なお、刻線は、回折格子彫刻装置による機械刻線でも、イオンビームエッチングによる刻線でもよい。
(B−1)離型剤膜形成工程(図2(a)参照)
マスター回折格子20の格子面上に、所定の厚さとなるように油膜(離型剤膜)41を形成する。
上記油膜の形成方法としては、真空蒸着法等が挙げられ、真空蒸着法を用いる際には、蒸着源に対して一定距離を保ち、格子面に対して均一に成膜が形成されるように、例えば公転回転又は遊星回転(公転回転+自転回転)させておくことが好ましい。また、上記油膜の所定の厚さは、4nm以上10nm以下であることが好ましく、上記油膜の材質としては、例えば、シリコーンオイル等が挙げられる。
(B−2)ネガ金属膜形成工程(図2(b)参照)
油膜41上に、所定の厚さとなるようにネガ金属薄膜42を形成する。すなわち、ネガ金属薄膜42は格子溝形状となる。
上記ネガ金属薄膜の形成方法としては、上記した真空蒸着法等が挙げられる。また、上記ネガ金属薄膜の所定の厚さは、0.1μm以上2μm以下であることが好ましく、上記ネガ金属薄膜の材質としては、例えば、アルミニウム、金、白金、クロム、ニクロム、ニッケル等が挙げられる。
(B−3)接着工程
平板形状の青板31を用意し、青板31の下面に接着用樹脂を塗布して接着用樹脂層32’を形成する(図2(c)参照)。次に、接着用樹脂層32’を介してネガ金属薄膜42に青板31を適度な圧力で押し付ける(図2(d)参照)。このとき、接着用樹脂層32’がネガ金属薄膜42の断面鋸歯形状の格子溝を埋めるように広がることにより、下面に格子溝形状を有した接着用樹脂層32となる。次に、ベーク炉に収容し、60℃、約24時間の条件で熱を加えたり、接着用樹脂層32に紫外線を照射したりすることで硬化させる。
上記青板の下面の面粗さSは、スリ面であることが好ましく、また、上記接着用樹脂層の材質としては、例えば、尿素樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化樹脂や紫外線硬化樹脂等が挙げられる。
(B−4)ネガ回折格子作製工程(図2(e)参照)
青板31をマスター回折格子20から上方側に取り外すと、油膜(離型剤膜)41を境にして、ネガ金属薄膜42と接着用樹脂層32とが青板31とともに取り外される。なお、ネガ金属薄膜42の下面に残った油膜41はフッ素系溶剤(AK−255:旭硝子株式会社製)等で洗浄して除去する。
その結果、青板31に接着用樹脂層32とネガ金属薄膜42とが接着されたネガ回折格子30が作製される。
(C−1)離型剤膜形成工程(図2(f)参照)
ネガ回折格子30の格子面上に、所定の厚さとなるように油膜(離型剤膜)43を形成する。
上記油膜の形成方法としては、先に述べた真空蒸着法等が挙げられる。また、上記油膜の所定の厚さは、4nm以上10nm以下であることが好ましく、上記油膜の材質としては、例えば、シリコーンオイル等が挙げられる。
(C−2)レプリカ金属膜形成工程(図2(g)参照)
油膜43上に、所定の厚さとなるようにレプリカ金属薄膜44を形成する。すなわち、レプリカ金属薄膜44は格子溝形状となる。
上記レプリカ金属薄膜の形成方法としては、先に述べた真空蒸着法等が挙げられる。また、上記レプリカ金属薄膜の所定の厚さは、0.1μm以上2μm以下であることが好ましく、上記レプリカ金属薄膜の材質としては、例えば、アルミニウム、金、白金、クロム、ニクロム、ニッケル等が挙げられる。
(C−3)接着工程
レプリカ基板11を用意し、レプリカ基板11の上面を所定の面粗さSに研磨し、フッ素系溶剤等で洗浄した後に、レプリカ基板11の上面に接着用樹脂を塗布して接着用樹脂層12’を形成する(図2(h)参照)。
上記レプリカ基板の上面の研磨方法としては、両面ラップ研磨加工等が挙げられる。
このとき、レプリカ基板11の上面に接着用樹脂を塗布する前に、接着用樹脂にカップリング剤を含有させたり、カップリング剤をレプリカ基板11の上面に塗布したりすることが好ましい。
上記カップリング剤は、有機質材料と無機質材料とのバインダとして作用するものであり、例えばシランカップリング剤等が挙げられ、このシランカップリング剤の具体例としては、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(「KBM−403」、信越化学工業株式会社製)等が有用である。
そして、接着用樹脂層12’を介してレプリカ金属薄膜44にレプリカ基板11を適度な圧力で押し付ける(図2(i)参照)。このとき、接着用樹脂層12’がレプリカ金属薄膜44の断面鋸歯形状の格子溝を埋めるように広がることにより、上面に格子溝形状を有した接着用樹脂層12となる。次に、ベーク炉に収容し、60℃、約24時間の条件で熱を加えたり、接着用樹脂層12に紫外線を照射したりすることで硬化させる。
(C−4)反射型回折格子作製工程(図2(j)参照)
レプリカ基板11をネガ回折格子30から下方側に取り外すと、油膜(離型剤膜)44を境にして、レプリカ金属薄膜44と接着用樹脂層12とがレプリカ基板11とともに取り外される。なお、レプリカ金属薄膜44の上面に残った油膜43はフッ素系溶剤等で洗浄して除去する。
その結果、レプリカ基板11に接着用樹脂層12とレプリカ金属薄膜44とが接着されたレプリカ反射型回折格子10’が作製される。
(C−5)透過型回折格子作製工程
レプリカ反射型回折格子10’を水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)溶液に浸漬して、レプリカ金属薄膜44を溶解させた後に苛性ソーダ溶液から取り出して純水で洗浄し、スピンナ等を用いて乾燥させる。これにより、レプリカ基板11と格子面を有する接着用樹脂層12とからなるレプリカ透過型回折格子10(図1参照)を作製することができる。
以上のように、本発明に係るレプリカ透過型回折格子10によれば、垂直反射率Rが式(1)を満足することにより反射光と散乱光とが少なくなり、迷光を低減することができる。
<他の実施形態>
なお、本発明は、例えば非球面光学レプリカ素子や球面光学レプリカ素子や平面光学レプリカ素子等にも適用することができる。
以下、実施例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらによりなんら制限されるものではない。
<実施例1>
上述したような製造方法で、面粗さSが1nmRms、材質の屈折率nが1.562(d線)となる厚さ11mm、前後60mm、左右60mmの平板形状のレプリカ基板「N−SK11(SCHOTT社製)」を用いるとともに、接着用樹脂の屈折率nが1.56(d線)となる接着用樹脂を用いて、溝本数200本/mm、ブレーズ角8.6°の鋸歯形状の格子面を有する実施例1に係るレプリカ透過型回折格子を作製した。なお、垂直反射率Rは4×10−7となっている。
<実施例2>
面粗さSが1nmRmsのレプリカ基板の代わりに、面粗さSが14μmRmsとなるレプリカ基板を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例2に係るレプリカ透過型回折格子を作製した。なお、垂直反射率Rは4×10−7となっている。
<比較例1>
面粗さSが1nmRms、材質の屈折率nが1.562(d線)となるレプリカ基板の代わりに、面粗さSが14μmRms、材質の屈折率nが1.518(d線)となるレプリカ基板「BK7」を用いたこと以外は実施例1と同様にして、比較例1に係るレプリカ透過型回折格子を作製した。なお、垂直反射率Rは2×10−4となっている。
<評価1>回折光の強度
実施例1、2及び比較例1に係るレプリカ透過型回折格子の下面に光を照射し、上面から出射された回折光を検出した。図4は、回折光の波長と光強度との関係を示すグラフである。
図4に示すように、比較例1に係るレプリカ透過型回折格子による回折光は、迷光が多くブロードとなっているが、実施例1、2に係るレプリカ透過型回折格子による回折光は、迷光がほとんどなくシャープな形状を示している。すなわち、実施例1、2に係るレプリカ透過型回折格子は、比較例1に係るレプリカ透過型回折格子と比べて1/10程度に迷光が抑えられた。
<評価2>絶対回折効率(入射光強度に対する次数1の回折光強度比)
実施例1、2及び比較例1に係るレプリカ透過型回折格子の下面に光を照射し、上面から出射された回折光を検出した。図5は、絶対回折効率を示すグラフである。
図5に示すように、比較例1に係るレプリカ透過型回折格子、実施例2に係るレプリカ透過型回折格子、実施例1に係るレプリカ透過型回折格子の順に、絶対回折効率が大きくなった。すなわち、実施例1、2に係るレプリカ透過型回折格子は、比較例1に係るレプリカ透過型回折格子と比べて絶対回折効率が10%程度向上した。
本発明は、分光光度計等の各種光学機器に使用されるレプリカ光学素子等に好適に利用できる。
10 レプリカ透過型回折格子
10’ レプリカ反射型回折格子
11 レプリカ基板(ガラス基板)
12 接着用樹脂層
20 マスター回折格子
30 ネガ回折格子(型板)
41 油膜(離型剤膜)
43 油膜(離型剤膜)
44 レプリカ金属薄膜(金属膜)

Claims (6)

  1. 型板の溝面上に溝形状の離型剤膜を形成する離型剤膜形成工程と、
    前記離型剤膜上に溝形状の金属膜を形成する金属膜形成工程と、
    接着用樹脂を介して前記金属膜上面とガラス基板下面とを密着させる接着工程と、
    前記ガラス基板を前記型板から取り外すことで、前記ガラス基板に接着用樹脂層及び前記金属膜が接着されたレプリカ光学素子を作製する反射型光学素子作製工程とを含む製造方法で作製されたレプリカ光学素子であって、
    前記ガラスのd線に対する屈折率をnとし、前記接着用樹脂のd線に対する屈折率をnとしたときに、垂直反射率Rが下記式(1)を満足することを特徴とするレプリカ光学素子。
    R=(n−n/(n+n≦1.0×10−5 ・・・ (1)
  2. 前記ガラス基板下面の面粗さSは、下記式(2)を満足することを特徴とする請求項1に記載のレプリカ光学素子。
    S≦1.0(nmRms) ・・・ (2)
  3. 前記接着用樹脂は、カップリング剤を含有したものであることを特徴とする請求項2に記載のレプリカ光学素子。
  4. 前記接着工程において、前記接着用樹脂を介して前記金属膜上面とガラス基板下面とを密着させる前に、前記ガラス基板下面にカップリング剤が塗布されたものであることを特徴とする請求項2に記載のレプリカ光学素子。
  5. 前記レプリカ反射型光学素子から前記金属膜が除去されることで、溝面を有する前記接着用樹脂層と前記ガラス基板とからなるレプリカ透過型光学素子とすることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のレプリカ光学素子。
  6. 前記型板は、マスター回折格子又はネガ回折格子であり、
    前記レプリカ光学素子は、レプリカ回折格子であることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のレプリカ光学素子。
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