JP4529229B2 - アンチスキッド制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の制動状態に応じて各車輪のホイールシリンダのブレーキ液圧を制御するアンチスキッド制御装置に関し、特に制動時の荷重変動に対し適切に対処し得るアンチスキッド制御装置に係る。
【0002】
【従来の技術】
車両制動時に車輪がロック状態となってスリップすることを防止する装置として、種々のアンチスキッド制御装置が提案されているが、近時のRV車の普及に伴い、重心が高い車両は荷重変動し易いことから、制動時にピッチングを惹起するため、このような車両に対するアンチスキッド制御特有の問題が注目されている。例えば、特許第2727907号公報には、ドライアスファルト等の高μ路面における急ブレーキ時、フロント側への荷重移動によりリヤ側の輪(軸)荷重がなくなり、リヤリフトアップ(荷重移動によりリヤ側が持ち上がる現象)が発生するとし、このリヤリフトアップを防止することを目的としたブレーキ制御装置が提案されている。
【0003】
同公報には、車体減速度を検出する車体減速度検出手段と、制動開始後の車体減速度が予め設定された所定値を越えるとき高G制動と判定する高G制動判定手段と、制動開始後の車体減速度の時間的変化量が予め設定された所定値を越えるとき急ブレーキと判定する急ブレーキ判定手段と、高G制動判定手段及び急ブレーキ判定手段による両判定が成立したときには、前輪に対する制動力を緩やかに増加させるアクチュエータ出力判定手段とを備えたブレーキ制御装置が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記公報に記載の装置においては、制動開始後の車体減速度が予め設定された所定値を越え、且つ制動開始後の車体減速度の時間的変化量が予め設定された所定値を越えたときに、前輪に対する制動力を緩やかに増加させることとしているので、前輪に対し荷重変動が生ずる状況下でも、荷重変動に応じて制動力制御が行なわれ、極端な荷重変動を低減することができる。ところが、上記装置では、前輪に対し大きな荷重変動が生じたときには、強制的に前輪の制動力を緩やかに増加しているため、前輪に関しアンチスキッド制御が開始するまでの間、制動力の損失が大となって制動効率が低下する。
【0005】
また、上記のように荷重変動が生ずる前輪の制動力制御に関し、特に、左右の前輪に位相差が生じた場合(一方側が減圧モードで、他方側がパルス増圧モード)には、先に減圧モードとなった側は荷重が低下し、その分パルス増圧モード側の荷重が増加するので、更に増圧方向に調整される。この結果、左右の前輪に制動力差が生じ、車両の安定性が損なわれるおそれがある。
【0006】
そこで、本発明は、上記のような荷重変動が生ずる状況下で、車両の前輪に対し適切に減圧制御を行ない、極端な荷重変動を低減して効率的な制動力制御を行ない得ると共に、前輪に関しアンチスキッド制御が開始するまでの間も制動力を確保し得るアンチスキッド制御装置を提供することを課題とする。
【0007】
更に、本発明は、上記のような荷重変動が生ずる状況下で、左右の前輪に対する液圧制御に位相差が生じた場合にも、適切に減圧制御を行ない、車両の安定性を維持しつつ効率的な制動力制御を行ない得るアンチスキッド制御装置を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を達成するため、本発明は、請求項1に記載のように、車両の各車輪に装着したホイールシリンダと、ブレーキ操作部材の操作に応じてブレーキ液圧を出力する液圧発生手段と、該液圧発生手段と前記各車輪のホイールシリンダとの間に介装し、前記車両の制動状態に応じて前記各車輪のホイールシリンダのブレーキ液圧を制御する液圧制御手段とを備えたアンチスキッド制御装置において、前記車両の車体速度を検出する車体速度検出手段と、前記車両の車体加速度を検出する車体加速度検出手段と、前記車体速度検出手段が検出した車体速度に基づき、前記各車輪のホイールシリンダに対するブレーキ液圧の減圧作動を開始するときの減圧開始基準速度を設定する減圧基準設定手段と、前記車体加速度検出手段が検出した車体加速度を所定の加速度と比較し、検出車体加速度が所定の加速度以下と判定したときに前記車両の前輪の荷重変動が過大と判定する荷重変動判定手段と、該荷重変動判定手段が前記前輪の荷重変動が過大と判定したときには、前記検出車体加速度の低下に応じて前記前輪に対する減圧開始基準速度を高くするように調整する減圧感度調整手段とを備えることとしたものである。
【0009】
尚、前記荷重変動判定手段は、検出車体加速度が所定の加速度以下と判定したときに前輪の荷重変動が過大と判定するものであるが、特に高摩擦係数路面を走行中の車両の制動時において、前輪の荷重変動が過大であると判定することができる。また、前記減圧感度調整手段において、前輪に対する減圧開始基準速度を高くするように調整することにより、所謂スリップ感度が浅くなり、減圧制御への移行が容易となる方向に制御される。
【0010】
更に、前記減圧感度調整手段は、請求項2に記載のように、前記荷重変動判定手段が前記前輪の荷重変動が過大と判定したときには、前記検出車体加速度の低下に応じて前記前輪に対する減圧開始基準速度を高くすると共に、前記車体速度検出手段が検出した車体速度の低下に応じて前記前輪に対する減圧開始基準速度を高くするように調整する構成とするとよい。
【0011】
特に、請求項3に記載のように、前記各車輪の車輪速度を検出する車輪速度検出手段を具備したものとし、前記車体速度検出手段は、前記車輪速度検出手段の検出車輪速度に基づき前記車両の推定車体速度を演算する推定車体速度演算手段を含み、前記車体加速度検出手段は、前記推定車体速度演算手段が演算した推定車体速度に基づき推定車体加速度を演算する推定車体加速度演算手段を含み、前記減圧基準設定手段は、前記推定車体速度演算手段が演算した推定車体速度に基づき前記各車輪に対する減圧開始基準速度を設定し、前記荷重変動判定手段は、前記推定車体加速度演算手段が演算した推定車体加速度を所定の加速度と比較し、推定車体加速度が所定の加速度以下と判定したときに前記前輪に対する荷重変動が過大と判定し、前記減圧感度調整手段は、前記荷重変動判定手段が前記前輪の荷重変動が過大と判定したときには、前記推定車体加速度演算手段が演算した推定車体加速度の低下に応じて前記前輪に対する減圧開始基準速度を高くするように調整する構成とするとよい。
【0012】
また、前記減圧感度調整手段は、請求項4に記載のように、前記荷重変動判定手段が前記前輪の荷重変動が過大と判定したときには、前記推定車体加速度演算手段が演算した推定車体加速度の低下に応じて前記前輪に対する減圧開始基準速度を高くすると共に、前記推定車体速度演算手段が演算した推定車体速度の低下に応じて前記前輪に対する減圧感度を高くするように調整する構成とするとよい。
【0013】
あるいは、前記減圧感度調整手段は、請求項5に記載のように、前記液圧制御手段が前記車両の前輪の一方側のホイールシリンダのブレーキ液圧を減圧しているときには、他方側の前輪に対する減圧開始基準速度を高くするように調整する構成とすることができる。
【0014】
更に、前記液圧制御手段は、請求項6に記載のように、前記車両の前輪の一方側のホイールシリンダのブレーキ液圧を減圧しているときには、他方側のホイールシリンダのブレーキ液圧の増圧勾配が緩やかになるように制御する構成とすることもできる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施形態に係るアンチスキッド制御装置を示すもので、液圧発生手段としてはマスタシリンダ2a及びブースタ2bを備え、これらがブレーキペダル3によって駆動される。各車輪FR,FL,RR,RLにはホイールシリンダ51乃至54が装着されている。尚、車輪FRは運転席からみて前方右側の車輪を示し、以下車輪FLは前方左側、車輪RRは後方右側、車輪RLは後方左側の車輪を示しており、図1に明らかなように所謂ダイアゴナル配管が構成されているが、所謂前後配管としてもよい。
【0016】
そして、マスタシリンダ2aとホイールシリンダ51乃至54との間に、アンチスキッド制御(ABS)用のアクチュエータ30が介装されている。このアクチュエータ30は本発明の液圧制御手段を構成するもので、図1に二点鎖線で示すようにマスタシリンダ2aの一方の出力ポートとホイールシリンダ51,54の各々を接続する液圧路に夫々常開の電磁弁31,37が介装され、これらとマスタシリンダ2aとの間に液圧ポンプ21の吐出側が接続されている。同様に、マスタシリンダ2aの他方の出力ポートとホイールシリンダ52,53の各々を接続する液圧路に夫々常開の電磁弁33,35が介装され、これらとマスタシリンダ2aとの間に液圧ポンプ22の吐出側が接続されている。液圧ポンプ21,22は電動モータ20によって駆動され、その作動時に上記の各液圧路に所定の圧力に昇圧されたブレーキ液が供給される。
【0017】
ホイールシリンダ51,54は更に常閉の電磁弁32,38に接続されており、これらの下流側はリザーバ23に接続されると共に、液圧ポンプ21の吸入側に接続されている。ホイールシリンダ52,53は同じく常閉の電磁弁34,36に接続され、これらの下流側はリザーバ24に接続されると共に、液圧ポンプ22の吸入側に接続されている。リザーバ23,24は夫々ピストンとスプリングを備えており、電磁弁32,34,36,38を介して排出される各ホイールシリンダのブレーキ液を収容する。
【0018】
電磁弁31乃至38は2ポート2位置電磁切替弁であり、夫々ソレノイドコイル非通電時には図1に示す第1位置にあって、各ホイールシリンダ51乃至54はマスタシリンダ2aに連通している。ソレノイドコイル通電時には第2位置となり、各ホイールシリンダ51乃至54はマスタシリンダ2aとは遮断され、リザーバ23あるいは24と連通する。尚、図1においてはPVはプロポーショニングバルブ、DPはダンパ、CVはチェックバルブ、ORはオリフィス、FTはフィルタを示し、図1中同一記号のものは同一の部品を示す。チェックバルブCVはホイールシリンダ51乃至54及びリザーバ23,24側からマスタシリンダ2a側への還流を許容し、逆方向の流れを遮断するものである。
【0019】
而して、これらの電磁弁31乃至38のソレノイドコイルに対する通電、非通電を制御することによりホイールシリンダ51乃至54内のブレーキ液圧を増圧、減圧又は保持することができる。即ち、電磁弁31乃至38のソレノイドコイル非通電時にはホイールシリンダ51乃至54にマスタシリンダ2a及び液圧ポンプ21あるいは22からブレーキ液圧が供給されて増圧し、通電時にはホイールシリンダ51乃至54がリザーバ23あるいは24側に連通し減圧する。また、電磁弁31,33,35,37のソレノイドコイルに通電しその他の電磁弁のソレノイドコイルを非通電とすれば、ホイールシリンダ51乃至54内のブレーキ液圧が保持される。従って、上記ソレノイドコイルに対する通電、非通電の時間間隔を調整することにより、後述するようにパルス増圧モード(ステップ増圧モードとも呼ばれる)における液圧制御を行ない、緩やかに増圧するように制御することができ、またパルス減圧モード時には緩やかに減圧するように制御することができる。
【0020】
上記電磁弁31乃至38は電子制御装置10に接続され、各々のソレノイドコイルに対する通電、非通電が制御される。電動モータ20も電子制御装置10に接続され、これにより駆動制御される。また、車輪FR,RL,RR,FLには車輪速度検出手段たる車輪速度センサ41乃至44が配設され、これらが電子制御装置10に接続されており、各車輪の回転速度、即ち車輪速度信号が電子制御装置10に入力されるように構成されている。電子制御装置10には、更に、ブレーキペダル3が踏み込まれたときオンとなるブレーキスイッチ4等が接続されている。尚、電子制御装置10は、一般的なマイクロコンピュータで構成されており、図示は省略するが、バスを介して相互に接続されたプロセシングユニット(CPU)、メモリ(ROM、RAM)、タイマ、入出力インターフェース等から成り、プロセシングユニット内には本発明の推定車体速度演算手段、推定車体加速度演算手段、荷重変動判定手段、減圧基準設定手段、及び減圧感度調整手段等が構成されている。
【0021】
上記のように構成された本実施形態においては、電子制御装置10によりアンチスキッド制御のための一連の処理が行なわれアクチュエータ30の作動が制御されるが、以下、図2のフローチャートに基づいて説明する。イグニッションスイッチ(図示せず)が閉成されると、先ず図2のステップ101にて初期化が行なわれ、各種の演算値がクリアされる。続いて、ステップ102において車輪速度センサ41乃至44からの出力信号に基づき各車輪の車輪速度(代表してVwで表す)が演算され、更にステップ103にて車輪速度Vwが微分されて車輪加速度DVwが求められる。
【0022】
次に、ステップ104においてアンチスキッド制御時の減圧作動を開始する減圧開始基準速度Vrが設定されるが、これについては図3を参照して後述する。そして、ステップ105にてアンチスキッド制御中か否かが判定され、未だアンチスキッド制御中でなければステップ106に進み、車輪速度Vwに基づきアンチスキッド制御の開始条件を充足しているか否かが判定される。開始条件を充足していると判定されればステップ107以降に進み、充足していなければステップ113にジャンプする。
【0023】
そして、ステップ107において、各車輪のロック状態に応じて減圧モード、パルス増圧モード及び保持モードの何れかの液圧モードに設定され、この液圧モードがステップ108において減圧モードと判定されると、ステップ109にて減圧信号が出力される。減圧モードでなければステップ110に進み、パルス増圧モードか否かが判定され、パルス増圧モードと判定されると、ステップ111にてパルス増圧信号が出力され、パルス増圧モードではなく保持モードと判定されると、ステップ112にて保持信号が出力される。而して、減圧、パルス増圧及び保持の各液圧信号出力に応じて、前述のように電磁弁31乃至38の各々のソレノイドコイルに対する通電、非通電が制御され、ホイールシリンダ51乃至54内のブレーキ液圧(ホイールシリンダ液圧)が増圧、減圧又は保持される。
【0024】
而して、ステップ113において四つの車輪に関する演算処理が完了したか否かが判定され、完了していなければステップ102に戻り、上記の処理が繰り返される。四つの車輪の全てに関し演算処理が完了したと判定されると、ステップ114に進み各車輪の車輪速度Vwに基づき推定車体速度Vsoが演算される。尚、例えば対地センサ等によって直接車体速度を検出することもでき、本発明の車体速度検出手段を構成することができる。続いてステップ115に進み、推定車体速度Vsoが微分され推定車体加速度DVsoが演算される。これについても、例えば加速度センサ等によって直接車体加速度を検出することもでき、本発明の車体加速度検出手段を構成することができる。
【0025】
図3は、上記ステップ104で行なわれる減圧開始基準速度Vrの設定処理を示すもので、減圧開始基準速度Vrは以下のように求められる。先ず、ステップ201において、前輪が制御対象か否かが判定され、そうであればステップ202に進み、前輪の減圧感度A(%)が、ステップ115で演算された推定車体加速度DVsoの関数として設定される(A=f(DVso))。即ち、図4に示すように、推定車体加速度DVsoの低下(負の方向への増加)に応じて、前輪の減圧感度Aが減少するように設定される。換言すれば、前輪の減圧感度は、後述のステップ209で設定される減圧開始基準速度Vrが高くなるように設定される。続いて、ステップ203に進み、推定車体加速度DVsoが所定の加速度Kd(例えば、−0.8G)と比較され、推定車体加速度DVsoが所定の加速度Kd以上である場合にはそのままステップ209に進む。
【0026】
推定車体加速度DVsoが所定の加速度Kdを下回っている場合には、前輪の荷重変動が過大と判定し、ステップ204以降で減圧開始基準速度Vrが高くなるように設定される。即ち、前輪の荷重変動が過大と判定されると、更にステップ204,205に進み推定車体速度Vsoが所定速度Kv1(例えば50km/h),Kv2(例えば25km/h)と比較される。ステップ204において推定車体速度Vsoが所定速度Kv1以上と判定された場合にはそのままステップ209に進むが、推定車体速度Vsoが所定速度Kv1を下回っている場合には、更にステップ205に進み推定車体速度Vsoが所定速度Kv2と比較される。ステップ205において推定車体速度Vsoが所定速度Kv2以上と判定された場合には、ステップ202で設定された前輪の減圧感度Aから例えば2%減算された値(A−2%)が、前輪の減圧感度Aとして更新される。ステップ205において推定車体速度Vsoが所定速度Kv2を下回っていると判定された場合には、ステップ202で設定された前輪の減圧感度Aから例えば5%減算された値(A−5%)が、前輪の減圧感度Aとして更新される。
【0027】
以上要するに、推定車体速度Vsoが所定速度Kv1以上の高速域では、前輪の減圧感度はステップ202で設定された値Aのままとされ、これより低速で所定速度Kv1未満所定速度Kv2以上の中速域では、前輪の減圧感度は中間の値(A−2%)とされ、更に所定速度Kv2未満の低速域では、前輪の減圧感度は最小の値(A−5%)とされる。換言すれば、前輪の減圧感度は、推定車体速度Vsoの低下に応じて、前輪に対する減圧開始基準速度Vrが高くなるように(後述のステップ209にて)設定される。
【0028】
一方、ステップ201において、前輪が制御対象でなく後輪が制御対象と判定された場合にはステップ208に進み、後輪の減圧感度Aが固定値の10%とされてステップ209に進む。このようにして設定された前輪及び後輪の減圧感度Aに基づき、ステップ209において、推定車体速度Vsoに対して所定の割合(1−A)の値、即ち(1−A)・Vsoが、減圧開始基準速度Vrとされる。例えば前輪の減圧感度Aが5%であれば、前輪の減圧開始基準速度Vrは推定車体速度Vsoの95%の値となり、後輪(減圧感度A=10%)に比べて、減圧制御が容易に行なわれる方向に調整されることになり、推定車体速度Vso近傍で液圧制御が行なわれる。
【0029】
特に本実施形態では、前述のように、推定車体加速度DVsoの低下に応じて、前輪の減圧感度Aが減少するように設定されると共に、高速域、中速域、低速域と推定車体速度Vsoが小さくなるに従って前輪の減圧感度が減少するように設定されるので、前輪の減圧開始基準速度Vrは、推定車体加速度DVsoの低下に応じて所謂スリップ感度が浅くなり、減圧制御が容易に行なわれる方向に調整されると共に、推定車体速度Vsoが小さい程、スリップ感度が浅くなり、減圧制御が容易に行なわれる方向に調整されることになる。
【0030】
また、前述のように、荷重変動が生ずる前輪の制動力制御に関し、左右の前輪に位相差が生じた場合には、先に減圧モードとなった側は荷重が低下し、その分パルス増圧モード側の荷重が増加するので、左右の前輪に制動力差が生じ、車両の安定性が損なわれるおそれがある。これに対し、図5又は図6に示すように構成すれば、左右の前輪に対する液圧制御に位相差が生じた場合にも、適切に減圧制御を行なうことができる。
【0031】
図5は、このような左右の前輪に対する液圧制御に位相差が生ずる場合において、制御対象輪の減圧開始基準速度Vrの設定処理を示すもので、制御対象輪に対し左右対称の関係にある車輪が減圧モードか否かによって、制御対象輪の減圧感度が以下のように補正される。先ず、ステップ301で制御対象輪の減圧感度がA(%)に設定され、ステップ302において、制御対象輪に対し左右対称の関係にある車輪(以下、左右対称輪という)が減圧モードか否かが判定される。左右対称輪が減圧モードでなければそのままステップ304に進むが、左右対称輪が減圧モードである場合にはステップ303に進み、減圧感度Aから補正値B(Aより小の値で、例えば5%)減算された値(A−B)が、制御対象輪の減圧感度Aとされる。
【0032】
そして、ステップ304においては、推定車体速度Vsoに対して所定の割合の値(1−A)・Vsoが、減圧開始基準速度Vrとされる。この結果、制御対象輪の減圧開始基準速度Vrは、その左右対称輪が減圧モードである場合には、そうでない場合に比べて、スリップ感度が浅くなるように補正され、減圧制御が容易に行なわれる方向に調整される。
【0033】
更に、左右の前輪に対する液圧制御に位相差が生ずる場合の対応として、前輪の一方側のホイールシリンダのブレーキ液圧を減圧しているときには、他方側のホイールシリンダのブレーキ液圧の増圧勾配が緩やかになるように制御することとしてもよく、その一例を図6に示す。図6は、図2のステップ111で出力されるパルス増圧信号に関し、その増圧及び保持の時間(周期)の設定処理を示すものである。尚、図6における「増圧」及び「保持」はパルス増圧信号を構成するものであり、図6の「保持」は図2のステップ112の保持モードを表す「保持」とは異なる。
【0034】
先ず、図6のステップ401において保持が終了したか否か、即ち保持の時間Thを経過したか否かが判定され、この判定結果によってステップ402又は407に分かれ、保持が終了しておればステップ402において前回が増圧か否かが判定される。前回が増圧でなければステップ403に進み、増圧時間Taが例えば5msに設定される。そして、ステップ404において左右対称輪が減圧モードか否かが判定され、左右対称輪が減圧モードでなければそのままステップ406に進み出力されるが、左右対称輪が減圧モードである場合にはステップ405にて増圧時間Taが補正された後、ステップ406に進み出力される。即ち、ステップ405においては、増圧時間Ta(=5ms)から例えば2ms減算された値(3ms)が、補正後の増圧時間Taとされる。
【0035】
一方、ステップ401において保持が終了していないと判定されたときには、ステップ407に進み、前回が保持か否かが判定される。前回が保持でなければステップ408に進み、保持時間Thが例えば60msに設定され、ステップ409に進み出力される。而して、保持時間Thが60msに設定されると共に、増圧時間Taが、通常は5msに設定され(ステップ403)、左右対称輪が減圧モードである場合には3msに設定される(ステップ405)。
【0036】
図7は、図1乃至図4に示した実施形態による制御状況を、従来技術と比較して示すもので、本実施形態を実線で示し、従来技術を破線で示している。図7の上段には、車輪速度Vwの変化を示し、推定車体速度Vsoを一点鎖線で示している。図7の中段には、夫々のホイールシリンダ液圧の変化を示し、その下段に推定車体加速度DVsoの変化を示している。図7において、本実施形態では、推定車体加速度DVsoが所定の加速度Kd(=−0.8G)を下回る場合には、前輪に対する荷重変動が過大と判定され、図3のフローチャートに従い減圧開始基準速度Vrが高い値Vr1に設定される。従って、図7のt1時に減圧が開始し、ホイールシリンダ液圧が図7の中段に実線で示すように変化し、高めの値に維持されるので、大きな制動力が付与される。
【0037】
これに対し、従来の減圧開始基準速度Vr2は本実施形態の減圧開始基準速度Vr1より低いため、本実施形態の減圧が開始するt1時より後のt2時に減圧が開始する。このため、ホイールシリンダ液圧は図7の中段に破線で示すように、最初の減圧量が大きくなり、図7の下段に破線で示すように、推定車体加速度DVsoが大きく上昇する(減速度が低下する)。つまり、減圧による荷重変動が生じ、これにより、従来の推定車体加速度DVsoの変動幅がLpとなり、本実施形態における変動幅Liに比べて大きな変動幅となるので、大きな制動力損失を惹起することとなる。
【0038】
図8は、図1乃至図4に示した実施形態による制御時のμ・W−S特性を従来技術と比較して示すもので、図7と同様に本実施形態を実線で示し、従来技術を破線で示している。ここで、Sはスリップ率、μは摩擦係数、Wは荷重であり、μ・Wで制動力を表すことになる。尚、図8中、2点鎖線は荷重変動前の特性を表し、実線は本実施形態の特性を表し、破線が従来の特性を表す。また、図8中の点a,b(本実施形態)及び点A,B(従来)は図7中の点a,b及び点A,Bに夫々対応している。而して、前輪の減圧に起因する荷重変動により、図8に矢印で示すように、従来は点Aから点Bに大きく移動(制動力の低下)するのに対し、本実施形態では点aから点bという小さな移動に留められるので、効率的な制動力制御となる。
【0039】
【発明の効果】
本発明は上述のように構成されているので以下の効果を奏する。即ち、請求項1及び3に記載のように構成されたアンチスキッド制御装置においては、前輪の荷重変動が過大と判定されたときには、車体加速度の低下に応じて前輪に対する減圧開始基準速度が高くなるように調整されるので、前輪に対し荷重変動が生ずる状況下で、前輪に対し適切に減圧制御を行ない、極端な荷重変動を低減して効率的な制動力制御を行なうことができると共に、前輪に対し大きな荷重変動が生じたときにも、前輪に関しアンチスキッド制御が開始するまでの間は前輪の制動力を抑制する必要がなく、結果、制動力を確保することができる。
【0040】
また、請求項2及び4に記載のアンチスキッド制御装置においては、上記に加え、車体速度の低下に応じて前輪に対する減圧開始基準速度が高くなるように調整されるので、前輪に対し荷重変動が生ずる状況下で、前輪に対し適切に減圧制御を行ない、一層効率的な制動力制御を行なうことができる。
【0041】
更に、請求項5又は6に記載のように構成されたアンチスキッド制御装置において、上記のような荷重変動が生ずる状況下で、左右の前輪に対する液圧制御に位相差が生じた場合にも、適切に減圧制御を行ない、車両の安定性を維持しつつ効率的な制動力制御を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係るアンチスキッド制御装置の全体構成を示すブロック図である。
【図2】 本発明の一実施形態におけるアンチスキッド制御のための処理を示すフローチャートである。
【図3】 図2における減圧開始基準速度設定の処理を示すフローチャートである。
【図4】 本発明の一実施形態における前輪減圧感度を設定するための特性を示すグラフである。
【図5】 本発明の他の実施形態における減圧開始基準速度設定の処理を示すフローチャートである。
【図6】 本発明の他の実施形態におけるパルス増圧出力の増圧時間及び保持時間を設定する処理を示すフローチャートである。
【図7】 本発明の一実施形態による制御状況を従来技術と比較して示すグラフである。
【図8】 本発明の一実施形態による制御時のμ・W−S特性を従来技術と比較して示すグラフである。
【符号の説明】
2a マスタシリンダ, 3 ブレーキペダル, 10 電子制御装置,
20 電動モータ, 21,22 液圧ポンプ, 23,24 リザーバ,
30 アクチュエータ, 31〜36 電磁弁,
41〜44 車輪速度センサ, 51〜54 ホイールシリンダ
Claims (6)
- 車両の各車輪に装着したホイールシリンダと、ブレーキ操作部材の操作に応じてブレーキ液圧を出力する液圧発生手段と、該液圧発生手段と前記各車輪のホイールシリンダとの間に介装し、前記車両の制動状態に応じて前記各車輪のホイールシリンダのブレーキ液圧を制御する液圧制御手段とを備えたアンチスキッド制御装置において、前記車両の車体速度を検出する車体速度検出手段と、前記車両の車体加速度を検出する車体加速度検出手段と、前記車体速度検出手段が検出した車体速度に基づき、前記各車輪のホイールシリンダに対するブレーキ液圧の減圧作動を開始するときの減圧開始基準速度を設定する減圧基準設定手段と、前記車体加速度検出手段が検出した車体加速度を所定の加速度と比較し、検出車体加速度が所定の加速度以下と判定したときに前記車両の前輪の荷重変動が過大と判定する荷重変動判定手段と、該荷重変動判定手段が前記前輪の荷重変動が過大と判定したときには、前記検出車体加速度の低下に応じて前記前輪に対する減圧開始基準速度を高くするように調整する減圧感度調整手段とを備えたことを特徴とするアンチスキッド制御装置。
- 前記減圧感度調整手段は、前記荷重変動判定手段が前記前輪の荷重変動が過大と判定したときには、前記検出車体加速度の低下に応じて前記前輪に対する減圧開始基準速度を高くすると共に、前記車体速度検出手段が検出した車体速度の低下に応じて前記前輪に対する減圧開始基準速度を高くするように調整することを特徴とする請求項1記載のアンチスキッド制御装置。
- 前記各車輪の車輪速度を検出する車輪速度検出手段を具備し、前記車体速度検出手段は、前記車輪速度検出手段の検出車輪速度に基づき前記車両の推定車体速度を演算する推定車体速度演算手段を含み、前記車体加速度検出手段は、前記推定車体速度演算手段が演算した推定車体速度に基づき推定車体加速度を演算する推定車体加速度演算手段を含み、前記減圧基準設定手段は、前記推定車体速度演算手段が演算した推定車体速度に基づき前記各車輪に対する減圧開始基準速度を設定し、前記荷重変動判定手段は、前記推定車体加速度演算手段が演算した推定車体加速度を所定の加速度と比較し、推定車体加速度が所定の加速度以下と判定したときに前記前輪に対する荷重変動が過大と判定し、前記減圧感度調整手段は、前記荷重変動判定手段が前記前輪の荷重変動が過大と判定したときには、前記推定車体加速度演算手段が演算した推定車体加速度の低下に応じて前記前輪に対する減圧開始基準速度を高くするように調整することを特徴とする請求項1記載のアンチスキッド制御装置。
- 前記減圧感度調整手段は、前記荷重変動判定手段が前記前輪の荷重変動が過大と判定したときには、前記推定車体加速度演算手段が演算した推定車体加速度の低下に応じて前記前輪に対する減圧開始基準速度を高くすると共に、前記推定車体速度演算手段が演算した推定車体速度の低下に応じて前記前輪に対する減圧感度を高くするように調整することを特徴とする請求項3記載のアンチスキッド制御装置。
- 前記減圧感度調整手段は、前記液圧制御手段が前記車両の前輪の一方側のホイールシリンダのブレーキ液圧を減圧しているときには、他方側の前輪に対する減圧開始基準速度を高くするように調整することを特徴とする請求項1記載のアンチスキッド制御装置。
- 前記液圧制御手段は、前記車両の前輪の一方側のホイールシリンダのブレーキ液圧を減圧しているときには、他方側のホイールシリンダのブレーキ液圧の増圧勾配が緩やかになるように制御することを特徴とする請求項1記載のアンチスキッド制御装置。
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