JP4524708B2 - 再生装置、再生方法 - Google Patents
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Description
図64、図65は、コアキシャル方式によるホログラム記録再生の手法について説明するための図として、図64は記録手法、図65は再生手法についてそれぞれ示している。
先ず、図64において、記録時には、光源からの入射光に対し、SLM(空間光変調器)101にて空間光強度変調(以下、単に強度変調とも言う)を施すことで、図のように同軸上に配置された信号光と参照光とを生成するようにされる。SLM101は、例えば液晶パネルなどで構成されるものである。
このとき、上記信号光としては、画素単位で記録データに応じた強度変調を施して生成されたものとなる。また、上記参照光は、所定パターンによる強度変調を施して生成される。
ホログラム記録再生方式では、或る位相構造を有する参照光を用いて記録したホログラムページ(データ)は、再生時において同一の位相構造による参照光を照射することによってのみ読み出すことができる。この点を利用し、記録時にそれぞれ異なる位相構造による参照光を用いてデータを多重記録し、再生時にはそれらの各位相構造による参照光を択一的に照射することで、多重記録されたそれぞれのデータを選択的に読み出すことができるものである。
信号光に対する位相変調パターンとしては、例えば「0」「π」の2値によるランダムパターンを設定するものとされている。すなわち、位相変調を行わないピクセル(つまり位相=0)と、位相をπ(180°)だけ変調するピクセルとが半々となるようにして設定したランダムな位相変調パターンを設定するものである。
上記位相マスク102による位相パターンは、ランダムパターンとされている。これによって、SLM101から出力される信号光内の光強度「1」のピクセルを振幅「1」と「−1」とにランダム(半々)に分けることができるようにされている。このように振幅「1」と「−1」とにランダムに分けられることで、フーリエ面(周波数平面:この場合はメディア上での像と考えればよい)において均質にスペクトルをばらまくことができ、これによって信号光におけるDC成分の抑圧を図ることができる。
ここで、信号光にDC成分が生じることによっては、該DC成分によって記録材料が大きく反応し、先の図66に示したような多重記録を行うことができなくなってしまう。すなわち、DC成分が記録された部分に対しては、それ以上データを多重させて記録することができなくなってしまうからである。
上記のようなランダム位相パターンによってDC成分の抑圧が図られれば、データの多重記録が可能となり、高記録密度化が図られる。
上記位相マスク102による位相変調を受けた信号光、参照光は、共に対物レンズ103によって集光されてホログラム記録媒体HMに対して照射される。これにより、ホログラム記録媒体HMにおいては、信号光(記録像)に応じた干渉縞(回折格子:ホログラム)が形成される。すなわち、該干渉縞の形成によってデータの記録が行われるものである。
このとき、上記のようにして参照光は記録時と同じ位相パターンが与えられたものとなっている。このような参照光がホログラム記録媒体HMに照射されることにより、図65(b)に示すように、記録されたホログラムに応じた回折光が得られ、該回折光がホログラム記録媒体HMからの反射光として出力されることになる。すなわち、記録データに応じた再生像(再生光)が得られる。
ここで、上記により説明したホログラム記録再生の手法では、記録時において、位相マスク102により信号光のDC成分の抑圧を図ることで高記録密度化を図るものとしている。このような位相マスク102を用いる手法は、ホログラムページの多重記録を可能とするという面で高記録密度化を達成するものなる。
具体的には、次の図68に示されるように、記録時にホログラム記録媒体HMに照射される信号光(及び参照光)が入射されるようにしてアパーチャー105を設けておき、該アパーチャー105によって信号光の光軸中心から所定範囲の光のみを透過させるようにするものである。このアパーチャー105としては、上述したフーリエ面(つまりメディアに対するホログラムページの記録面と同様の周波数平面)となる位置に対して設けられる。
このようにフーリエ面に対して設けたアパーチャー105により、ホログラム記録媒体HMに記録されるホログラムページのサイズの縮小化を図ることができ、結果、メディア上における各ホログラムページの占有面積の縮小化の面での高記録密度化を達成することができる。
ところで、上記により説明したホログラム記録再生系において、ホログラムページ内に含まれる0,1のデータを正しく再生するためには、これら0,1のデータビットの区切りとなる各データピクセル(SLM101の各画素)の位置が、イメージセンサ104で得られた画像信号中のどの位置に該当するかの対応関係がわかっている必要がある。
このとき、SLM101の各画素(データピクセル)とイメージセンサ104の各画素(ディテクタピクセル)とが厳密に一対一で対応するように光学が調整されていれば、対応関係を特定するための処理は特に不要とすることができる。つまり、このように厳密に光学的なピクセルマッチングがとられている状態であれば、イメージセンサ104の或る画素で受光された像が、SLM101のどの画素を介して記録された像であるかが自明となるので、対応関係の特定のための処理は特段行う必要性はない。
このため従来では、厳密な意味での光学的なピクセルマッチングはとられないことを前提として、イメージセンサ104による読み出し信号から各データピクセル位置を特定するための信号処理を行うようにされている。
このとき、データピクセル数:ディテクタピクセル数による比率が1:1である場合には、上記のようなディテクタピクセルに対するデータピクセルのずれに対する分解能が1倍となるため、画素未満単位でのずれに対応することができなくなってしまう。このため、データピクセル位置の特定処理にあたっては、例えば次の図69に示されるようにして、SLM101の1画素分の像が、イメージセンサ104上のn画素(n>1)で受光されるように、SLM101・イメージセンサ104の画素数、及び光学系を調整しておくようにされる。
このようにしてSLM101の1画素分の像がイメージセンサ104のn画素分で受光されるようにして再生像のサンプリングを行う手法は、オーバーサンプリングと呼ばれる。
なお、この図69ではSLM101の1画素分の像をイメージセンサ104上の4画素(2×2)分で受光するようにされ、オーバーサンプリングレートが2倍とされる場合を例示しているが、もちろんオーバーサンプリングレートはこれに限定されるものではない。
先ず、データピクセル位置の特定を行うにあたっては、予め記録時において、ホログラムページ(信号光)内にシンクと呼ばれる所定のデータパターンを挿入しておくようにされる。
図70は、信号光へのシンクの挿入例を示している。
この図70の例では、図中の白抜き四角印で示されるシンクが、縦方向、横方向で共に所定の間隔が空けられるようにして挿入されている場合を示している。
この点から、再生時には、イメージセンサ104による読み出し画像中から各シンクの挿入位置が特定できれば、あとは記録フォーマットの情報に従って、各データピクセルの位置を推定することができる。
そして、このようにシンクの挿入位置を特定すると、記録フォーマットの情報に従って、各データピクセルの位置を特定する。例えば記録フォーマットによれば、特定したシンクから対象とするデータピクセルまでの距離(何ピクセル分離れているか)が分かるので、その情報に基づき、特定したシンク位置の情報から各データピクセル位置の特定を行う。
また、従来のホログラム記録再生装置では、上記のようなデータピクセル位置の特定を行った後に、特定したデータピクセル位置での振幅値を、該特定したデータピクセル位置の周囲の振幅値を用いて線形補間により計算するということも行われる。
ここで、一般的にデータストレージシステムの再生系では、符号間の干渉(ホログラム記録においてはピクセル間の干渉)は同一の信号特性の線形重ね合わせであるとみなすことができる。従ってこの前提に立てば、隣接する各データピクセルの振幅値は所定の線形な関係を有しているとみなすことができる。
ここでの線形補間処理としては、このような線形性を前提として、周囲の振幅値から対象とするデータピクセルの振幅値を求める処理となる。
ところで、ここまで説明してきたホログラム記録再生方式について、その再生系の動作は、先の図65(a)を参照しても理解されるように、おおまかに見れば、再生像としての、元の連続的な信号(アナログ信号)を、イメージセンサ104の各画素でサンプリング(デジタルサンプリング)していることに相当するものとなる。
ここで、ナイキストのサンプリング定理によれば、元の連続的な信号を、そこに含まれる最高周波数の2倍よりも高い周波数のクロックでサンプリングして離散化(デジタルデータ)しておけば、適切なLPF(Low Pass Filter)を通すことで、デジタルデータから元のアナログ信号を正確に復元することができる、ということになる。
一方、サンプリング周波数は、オーバーサンプリングレートによって決定するものである。
従って、ナイキストのサンプリング定理によれば、
オーバーサンプリングレートがアパーチャーサイズよりも大であれば、元の信号(つまり再生像)を復元できるということになる。すなわち、ホログラムの記録再生系において、オーバーサンプリングレートとアパーチャーサイズとの関係は、理論的には、
オーバーサンプリングレート > アパーチャーサイズ
であればよい。
この点で、従来のホログラム記録再生系は非線形性を有している。
この図71の(a)(b)各図では、ホログラム記録再生系のシミュレータを用いて計算した、本来得られるべき読み出し信号の振幅と、イメージセンサ104により実際に読み出される信号の振幅との比較結果を示している。本来得られるべき読み出し信号の振幅は、シミュレータによりイメージセンサ104の各ピクセルに入射した信号をそのままピクセルの大きさに応じて積分して求めたものである。また、実際にイメージセンサ104により読み出される信号の振幅は、イメージセンサ104に入射した信号を2乗してピクセルの大きさに応じて積分した結果の平方根を計算することで求めたものである。
各図では、本来得られるべき読み出し信号振幅を横軸に、実際にイメージセンサ104により読み出される信号振幅を縦軸にとり、それらの関係をプロットして示している。横軸=入力に対し、縦軸=出力が線形な関係にあれば、プロットは直線になるので、一般にこのような図は「線形性を見るための図」と呼ばれている。
また、アパーチャーサイズはナイキスト・アパーチャーサイズの1.2×1.2に設定した。
確認のために述べておくと、この図71、及び後の図72のシミュレーションでは、意図的に再生像の照射位置ずれを生じさせるといったことは行っていない。よって、上記2×2のオーバーサンプリング(つまり整数倍のオーバーサンプリング)とされる場合、イメージセンサ104の2×2ピクセルの領域内に1つのデータピクセルが収まることになる(図69の状態と同じ)。また、このことからも理解されるように、この場合のシミュレーションでは、データピクセル位置は予め分かっているものであり、位置特定のための処理は行っていないものである。
図71(a)を参照して分かるように、位相マスク無しの場合であっても、信号内にある負の振幅が整流されて折り返しが発生していることが確認できる。
また、図71(b)の位相マスク有りの場合には、横軸の本来の信号の振幅が負となる領域では、全く線形性を有していないことがはっきりと確認できる。
また、図72(b)では、横軸を先の図71(b)で計算した2×2のオーバーサンプリングの結果を単純に間引きして得た1×1ピクセルの振幅値とし、縦軸を1.33×1.33のオーバーサンプリングの結果から対象とするデータピクセル位置の振幅値を線形補間で計算した結果として、それらの関係をプロット点で示している。
確認のために述べておくと、上述のようにこの場合のシミュレーションでは意図的に再生像をずらすといったことは行っていないので、横軸の値は、図中に示すようにピクセルマッチングがとられているときの信号の振幅として扱うことができるものである。
このような非線形性の問題から、従来の記録再生システムでは、上述したサンプリング定理が適正に成立しないものとなってしまっている。すなわち、従来の非線形なシステムでは、
オーバーサンプリングレート > アパーチャーサイズ
の条件を設定しても、適正にデータ再生を行うことができない場合がある。
ここで、先に述べたように、アパーチャーサイズは、その値を小さくすることで高記録密度化を図ることができる。従ってこの観点からすれば、アパーチャーサイズとしては、極力小さくできることが望ましい。
しかしながら、アパーチャーサイズは、上記非線形の問題から、上述の2.0以下に下げることが困難とされている。つまり、アパーチャーサイズを縮小化した場合、高域成分の帯域制限幅も拡大されるので、その分、イメージセンサ104による読み出し信号に歪みが生じやすくなるが、非線形な系では、このような読み出し信号に生じた歪みを適正に補正することが非常に困難となってしまい、その結果、アパーチャーサイズを所定以下に低下させること、具体的には上述の2.0程度より低下させることが困難とされていた。
オーバーサンプリングレートが大きいと、データ再生にあたって扱うデータ量は増大化する傾向となり、高転送レート化の妨げとなってしまう。このことから、アパーチャーサイズについての制約が解消できなければ、転送レートの向上も図られないものとなってしまう。
つまり、本発明の再生装置は、画素単位の光強度差の情報によってビットデータが配列された信号光と、参照光とが干渉して上記信号光に応じたホログラムページが記録されたホログラム記録媒体について再生を行う再生装置であって、上記ホログラム記録媒体に記録された上記ホログラムページについての再生像を得るにあたって照射されるべき上記参照光を生成する参照光生成手段を備える。
また、強度が上記再生像の振幅の最小値の絶対値よりも大きく、位相が上記再生像と同位相となるコヒーレント光を生成するコヒーレント光生成手段を備える。
また、入射像を画素単位で受光して画像信号を得るイメージセンサを備える。
また、上記参照光を上記ホログラム記録媒体に導くと共に、上記参照光の照射に応じて上記ホログラム記録媒体から得られる上記再生像と、上記コヒーレント光とを上記イメージセンサに対して導くように構成された光学系とを備える。
このとき、本発明では、上記再生像中において1データビット分の情報を表す1データピクセル分の像を上記イメージセンサ側の何画素で受光するかの割合を表すオーバーサンプリングレートが、少なくとも1よりも大となるようにして上記イメージセンサの画素数及び上記光学系が調整されている。
その上で、上記イメージセンサによる受光動作に基づき得られた画像信号を入力し、該画像信号を構成する各値の平方根を計算する平方根計算手段と、上記平方根計算手段による平方根計算結果としての画像信号から上記コヒーレント光の成分を除去する除去手段とを備える。
また、上記除去手段による除去処理後の画像信号から上記再生像に含まれる各データピクセルの位置を特定するピクセル位置特定手段を備える。
さらに、上記ピクセル位置特定手段により特定された各データピクセルの位置の情報に基づき、上記画像信号中における各データピクセル位置での振幅値を取得するピクセル振幅値取得手段と、上記ピクセル振幅値取得手段により取得された各データピクセル位置での振幅値に基づき、記録データを再生する再生手段とを備えるものである。
このように再生像の振幅の最小値(例えば−1)の絶対値よりも大きな値(例えば1.5)を加算し、その2乗値として検出される画像信号の各値について平方根を計算した上で、さらに加算したコヒーレント光成分を除去することによっては、負の振幅(−1)が適正に読み出されることになる。すなわち、これによって位相マスクが用いられて「0」「+1」「0」「−1」による3値が記録される場合にも、それら「+1」「0」「−1」を適正に読み出すことができ、これによって線形な読み出しが実現される。
なお、本発明では、コヒーレント光の位相を再生像と同位相とすることを条件としているが、これは、仮に同位相としない場合には再生像にコヒーレント光に応じた振幅値を適正に加算することができないためである。
そして、アパーチャーサイズの縮小化が可能となれば、ナイキストのサンプリング定理(オーバーサンプリングレート>アパーチャーサイズの条件)より、オーバーサンプリングレートについても従来より低下させることができる。
<第1の実施の形態>
[再生装置の構成]
図1は、本発明の再生装置の一実施形態としての、記録再生装置1の内部構成について示したブロック図である。なお、図1では主に記録再生装置1の光学系、記録データの変調系、及び再生系の構成のみを抽出して示しており、他の部分については省略している。
またこの場合、図中のホログラム記録媒体HMとしては、反射膜を備えたいわゆる反射型のホログラム記録媒体とされ、記録再生装置1は該反射型のホログラム記録媒体HMに対応した構成が採られる。
レーザダイオード2からの出射光はコリメータレンズ3を介して平行光となるようにされた後、SLM(空間光変調部)4に入射する。
ここで、SLM4による空間光変調によっては、ホログラム記録媒体HMに対するデータ記録を行うにあたって必要な、信号光、及び参照光を生成するようにされる。信号光は、記録データに応じた強度変調を受けた光となり、参照光は、上記信号光と干渉してホログラム記録媒体HMへの干渉縞を形成させるために必要な光となる。
なお、上記ギャップエリアA3は、参照光が信号光エリアA2に漏れ込んでノイズになることを避けるための領域として定められている。
これらSLM4と強度・位相制御部12とにより実現される実施の形態としての具体的な空間光変調動作の内容については後述するが、この場合の空間光変調によっても、従来と同様に、記録時において上記信号光と上記参照光とが生成され、また、再生時には、上記参照光が生成される点については変わりはない。
アパーチャー6は、光軸中心から所定範囲内の入射光のみを透過するようにして構成されている。記録時には、このアパーチャー6により信号光のサイズの縮小化が図られ、高記録密度化が達成されるように図られている。
偏光ビームスプリッタ8に入射した再生光は、該偏光ビームスプリッタ8にて反射され、図のようにイメージセンサ11に対して導かれる。
データ再生部13は、上記画像信号に対する所定の再生信号処理、及びデコード処理を行うことで、記録データの再生を行う。なお、データ再生部13による動作、及びその内部構成については後述する。
ここで、図1に示されるようなホログラム記録再生系では、光学的な歪みや倍率などの問題から、再生像に内におけるSLM4の各画素(データピクセルと呼ぶ)の像と、イメージセンサ11側の各画素(ディテクタピクセルとも呼ぶ)とを厳密に1対1に合わせることが非常に困難とされている。すなわち、このような厳密な意味でのピクセルマッチングがとられるように光学系を構成することは、現実的には不可能に近い。
そのため、本実施の形態としても、厳密に光学的なピクセルマッチングはとられないことを前提として、イメージセンサ11で得られる画像信号中のどの位置に各データピクセルが位置しているかを特定する処理を行うものとしている。そして、このようなデータピクセル位置の特定を有効に行うことができるように、オーバーサンプリングを行うようにしている。
このようなオーバーサンプリングを行うのは、再生像のずれが画素未満単位で生じた場合にも対応可能となるように、検出画像側の解像度を上げるためである。
例えば、オーバーサンプリングレートが2×2=4倍に設定される場合(つまり1データピクセル分の像をイメージセンサ11の2×2=4画素分の領域で受光する場合)、イメージセンサ11からは、4倍の解像度を有する画像信号が出力されることになる。
上記説明からも理解されるように、図1に示す記録再生装置1では、アパーチャー6が設けられていることで、信号光のサイズの縮小化が図られ、メディア上におけるホログラムページの占有面積の縮小化に伴う、高記録密度化が達成されることになる。
なお確認のために述べておくと、ホログラムページとは、信号光と参照光との1度の照射により形成される干渉縞と同義である。換言すれば、このホログラムページは、ホログラム記録媒体HMに記録することのできるデータの最小単位を指すものとも定義することができる。
図3は、図1に示されるSLM4と、強度・位相制御部12の内部構成について主に示した図である。なおこの図では、レーザダイオード2とホログラム記録媒体HMと共に、さらにレーザダイオード2から出射されSLM4に導かれる光と、SLM4を介してホログラム記録媒体HMに対して導かれる光についても併せて示している。
本実施の形態の場合、この位相変調器4bとしては、画素単位で可変的な位相変調が可能な透過型の液晶パネルを用いるものとしている。
図4(a)では、液晶パネル内の液晶素子に駆動電圧を印加していない状態(つまり駆動電圧OFFの状態)での液晶分子の様子を示し、図4(b)では液晶素子に所定レベルでの駆動電圧を印加した状態(駆動電圧ONの状態)での液晶分子の様子を示している。
図示するようにして図4(a)の駆動電圧OFFの状態では、液晶分子は水平配向となり、また図4(b)に示す駆動電圧ONの状態では液晶分子は垂直配向に変化することになる。
このとき、液晶素子の屈折率nについて、駆動電圧OFFによる上記水平配向時の屈折率をnh、所定レベルでの駆動電圧ONによる上記垂直配向時の屈折率をnvとすると、液晶素子の厚さをdとした場合、駆動電圧OFF時に与えられる位相変化量は「d×nh」となり、駆動電圧ON時に与えられる位相変化量は「d×nv」となる。従ってこのことから、駆動電圧のON/OFFによって与えることのできる位相差Δndとしては、
Δnd=d×nh−d×nv
により表されるものとなる。
この関係式より、画素単位で所要の位相差を与えるにあたっては、液晶素子の厚さdを調整すればよいことがわかる。
本実施の形態の位相変調器4bとしては、液晶素子の厚さdを調整することで、例えば位相差Δnd=πとなるように設定している。すなわち、これによって各画素ごとに、上記ON/OFFとしての駆動電圧の切換を行うことで「0」と「π」の2値による光位相変調を施すことが可能とされているものである。
SLM4は、このように画素ごとに可変的な位相変調を行うことが可能な位相変調器4bが、強度変調器4aに対して一体的に形成されて成る。すなわち、強度変調器4aの各画素と位相変調器4bの各画素とが1対1の位置関係でそれぞれの範囲が一致するように位置決めされてこれら強度変調器4aと位相変調器4bとが一体的に形成されているものである。
このような構造とされることで、強度変調器4aを透過して得られる信号光、参照光となるべき光のそれぞれに対し、画素単位で厳密に一致させた位相変調パターンにより位相変調を施すことが可能となっている。
つまり、位相マスクとしてDC成分の抑圧を図るにあたっては、記録時において、信号光に対して例えば「0」「π」の2値ランダム位相パターンによる位相変調を施すものとなるが、本例の場合、再生時には、後述するコヒーレント光の加算を行うため、信号光エリアA2内は全画素所定の位相(具体的には「π/2」の位相変調)を与える必要がある。この点から本例の場合は、記録時と再生時とでそれぞれ信号光エリアA2内に与える位相の切り替えが可能となるようにされている必要があり、そのため、可変的な位相変調が可能な位相変調器4bを用いる必要があるものである。
具体的に、本例の記録フォーマットでは、上記シンクを、信号光エリアA2内に所定のピクセル間隔で等間隔に挿入するように定められている。
より具体的に、この場合の各シンクのサイズは、4×4ピクセルであるとする。信号光エリアA2内には、シンクが横方向及び縦方向の双方向で所定の間隔i_sperおきに配置される(例えば図70や図10を参照)。
この図3において、強度・位相制御部12内には、符号化部15、マッピング部16、強度変調ドライバ17、及び位相変調パターン生成部18、位相変調ドライバ19が備えられる。
このようにして生成された強度変調器4aの全有効画素分のデータパターンは、強度変調ドライバ17に供給され、当該強度変調ドライバ17は、このデータパターンに基づき強度変調器4aの各画素を駆動制御する。
これにより、記録データに応じたパターンにより強度変調の施された、信号光の元となる光と、さらに所定パターンで強度変調された参照光の元となる光とが生成される。
先ず、位相変調パターン生成部18は、位相マスクとしての位相変調を行うために、予め設定された所定のデータパターンに基づき、位相変調器4bの信号光エリアA2内に設定すべき位相変調パターンを生成する。本実施の形態の場合も、位相マスクとしての位相変調パターンについては、2値ランダム位相パターンが設定されているものとする。
また、これと共に位相変調パターン生成部18は、位相変調器4bの参照光エリアA1に設定すべき位相変調パターンとして、所定の位相変調パターンを生成する。
そして位相変調パターン生成部18は、このようにして生成した信号光エリアA2と参照光エリアA1についてのそれぞれの位相変調パターン(対応する各画素の制御パターン)を併せて、位相変調器4bの全有効画素分の位相変調パターンを生成する。このとき、信号光エリアA2と参照光エリアA1以外の画素については、例えば位相「0」に対応した値を設定するものとすればよい。
そして、このようにして生成した位相変調パターンを位相変調ドライバ19に供給する。
すなわち、強度変調器4aの出力画像は、図67(a)に示されるように、信号光エリアA2内にはビット「0」「1」のパターン配列が得られる。また、参照光エリアA1については、所定の「0」「1」のパターンに基づく強度変調が行われることで、図のような「0」「1」のパターンが発生することになる。
また、多重記録されたホログラムページの再生時には、参照光のパターン(強度、位相)を記録時と同じパターンに設定することで、対象とするホログラムページを選択的に読み出すことができる。
ここで、先に述べたように、再生時において参照光のみを照射する従来のホログラム記録再生系では、再生像についての画像信号を得るイメージセンサが、位相情報までを検出することができないという意味で、非線形性を有するものとなっている。
そして、このような非線形性の問題から、従来の記録再生装置では、アパーチャーサイズ(アパーチャー6における入射光の透過領域のサイズによって決定する)を所定以下に縮小化することができず、ホログラム記録媒体HMに対するデータの高記録密度化を図ることが困難とされていた。
このコヒーレント光は、振幅、位相が均一となるようにされた光を意味する。具体的に、本実施の形態におけるコヒーレント光は、その位相が、参照光の照射に応じてホログラム記録媒体HMから得られる再生像内の基準位相と同位相とされ、且つ、強度が再生像の振幅の最小値の絶対値よりも大きくなるようにして設定された光を指す。
ここで、上記「再生像内の基準位相」とは、記録時において、位相「0」による変調が与えられて記録されたデータピクセルの位相であるとする。
ここで、先の説明によると、再生時において強度・位相制御部12内のマッピング部16では、参照光エリアA1のみを記録時と同様の「0」「1」のパターンとし、他の領域をすべて「0」としたデータパターンを生成するものとし、強度変調ドライバ17がこのデータパターンに基づき強度変調器4aの各画素を駆動制御するものとしたが、本実施の形態では、さらに信号光エリアA2内も光を透過させることで、均一な光強度によるコヒーレント光を生成する。
具体的に上記マッピング部16は、参照光エリアA1を記録時と同様の「0」「1」のパターンとした上で、さらに信号光エリアA2の全域を「0」以外の所定の値とし、他の領域をすべて「0」としたデータパターンを生成する。そして、このデータパターンを強度変調ドライバ17に供給する。
これに対応し、強度変調ドライバ17は、マッピング部16から供給される「1」(例えば256階調であれば「255」に対応する値)に応じては光強度=最強とする駆動電圧レベルで該当する画素を駆動し、「0」に応じては光強度=最弱となる駆動電圧レベルにより該当する画素を駆動するようにされる。強度変調ドライバ17は、上記のようにしてマッピング部16から信号光エリアA2内のデータパターンとして「0」以外の所定の値が割り当てられると、その値に応じた駆動電圧レベルにより強度変調器4aの信号光エリアA2内の各画素を駆動する。すなわち、このようにしてマッピング部16で信号光エリアA2内に割り当てた値に応じた強度によるコヒーレント光が得られるようになっている。
この図5(a)では、振幅「1」を白、振幅「0」を黒により示しているが、上記説明によれば、この場合は信号光エリアA2が所定レベルの駆動電圧で駆動されることで、信号光エリアA2で光が透過していることがわかる。この図では信号光エリアA2全体の値を「1」とした場合を示しており、信号光エリアA2は全域で白色となる。
なお、参照光エリアA1についてはこの場合も記録時と同様の「0」「1」のパターンが得られる。
すなわち、位相変調パターン生成部18は、位相変調器4bの参照光エリアA1について、記録時と同様の位相変調パターンとしてのデータパターンを生成すると共に、さらに信号光エリアA2について、その全域を所定の値で埋めたデータパターンを生成する。そして、これらのデータパターンを合わせて位相変調器4b全有効画素分のデータを生成し、これを位相変調ドライバ19に対して供給する。
上記のようにして位相変調パターン生成部18により生成されたデータパターンで信号光エリアA2内が所定値で埋められた場合、位相変調ドライバ19は、位相変調器4bの信号光エリアA2内の各画素をその値に応じた駆動電圧レベルで駆動する。これによって信号光エリアA2を透過して得られるコヒーレント光の位相を、上記所定値に応じて可変的に設定できるようにされている。
すなわち、ホログラム記録再生方式では、ホログラム記録媒体HMに対して参照光を照射して再生像を得たとき、当該再生像の位相が、記録信号の位相からπ/2だけずれるという現象が起こる(この点については下記の参考文献1を参照)。この点から、再生像内の基準位相は「0」のままではなく、「π/2」だけずれるものであり、これに対応させるべく、コヒーレント光に与える位相としても「π/2」に設定すればよいものである。
参考文献1・・・Kogelnik,H "Coupled wave theory for thick hologramgrating". Bell System Technical Journal,48,2909-47
このような位相「π/2」による変調を与えるために、上述した位相変調パターン生成部18では、信号光エリアA2内の値として「0.5」(256階調の場合「127」に対応する値)を割り振る。
このとき、コヒーレント光の位相は再生像と同位相とされているので、コヒーレント光は、イメージセンサ11に結像するときに再生像と同位相の成分として加算される。これによりイメージセンサ11は、再生像に対してコヒーレント光が加算された成分についての読み出し信号を得るようにされる。
なお、これらの図では再生像の振幅を濃淡値で示しており、濃色側が振幅=小、淡色側が振幅=大であることを示す。
また、図6、図7を対比すると、コヒーレント光の加算量を大きくした場合は、全体的にコントラストの中心が白色側にシフトするようにして低下しているように見える。このことは、コヒーレント光の加算量に比例して、再生像の振幅を全域で一様に増幅させることができるということを表している。
上記コヒーレント光の成分の除去については、具体的には、加算したコヒーレント光の強度の値を、上記平方根計算結果の値から減算することで行う。一例として、再生像の振幅の最小値が−0.078であるとして、コヒーレント光の強度がその絶対値0.078よりも大きな0.1に設定されている場合であれば、平方根の計算結果値から、この0.1の値を減算するというものである。
先ず、先の図1に示した記録再生装置1の光学系も含め、一般的にホログラム記録再生装置における光学系は、SLM、対物レンズ、メディア、接眼レンズ、イメージセンサのそれぞれがレンズの焦点距離だけ離間して配置されている、4f光学系に基づく構成となっている。いわゆるフーリエ変換ホログラムと呼ばれる構成である。
このようなフーリエ変換ホログラムの構成では、先に説明した記録再生の一連の動作を、以下のようにしてみなすことができる。
すなわち、SLMの記録データパターンはフーリエ変換されてメディアに投影され、メディアの読み出し信号(再生像)は逆フーリエ変換されてイメージセンサに投影される。そして、イメージセンサでは、そこに入力される光の波面の振幅の絶対値が2乗された、光の強度を検出しているというものである。
上記前提によると、この場合の再生像の振幅の最大値、最小値に応じて得られるイメージセンサ11の出力値は、その2乗値である6.1E-3という同じ値で得られることになる。このようにイメージセンサ11にて「+1」と「−1」に相当する値が同じ値で検出されることで、以降でどのような信号処理を行っても、失われた位相情報を正確に復元することはできない。つまり、非線形な歪みが発生しているものである。
先の図6、図7によれば、このような現象が実証されていることがわかる。
このようにして本例によれば、位相マスクにより付加した位相情報が失われない、線形な読み出しを実現することができる。
つまり、コヒーレント加算の大きさは、イメージセンサ11による強度検出(2乗値化)に対して負の折り返しを生じさせないように、「再生像の振幅の最小値の絶対値よりも大きな値」という条件が満たされればよいだけである。
次の図8は、図1に示したデータ再生部13の内部構成を示している。
図示するようにしてデータ再生部13は、線形化処理部20、アップコンバート部21、等化フィルタ22、リサンプリング部23、データ識別部24、スパース符号デコード部25を備える。
図示するように線形化処理部20は、平方根計算部20a、及び減算部20bを備えている。
平方根計算部20aは、イメージセンサ11によって得られる画像信号を構成する各値について、その平方根を計算し、その結果を減算部20bに供給する。
なお確認のために述べておくと、イメージセンサ11では、検出された光の強度を例えば256階調などの所定階調による振幅値で表すものとなっている。平方根計算部20aは、このようなイメージセンサ11の各画素の振幅値について、平方根計算を行うことになる。
このための構成として、データ再生部13には、アップコンバート部21〜スパース符号デコード部25が設けられている。
このアップコンバート部21では、上記読み出し信号に対して例えば補間処理などを行うことによって、上記読み出し信号を所定倍率にアップコンバートする。
ここで、先に述べたようにして本実施の形態の記録再生装置1では、予め1データピクセル分の像をイメージセンサ11におけるn画素(n>1)分で受光するという、オーバーサンプリングを行うようにされている。すなわち、上記アップコンバート部21によれば、このようなオーバーサンプリングされた画像信号に対して、さらにアップコンバート処理による高解像度化が図られるものとなる。
例えば、オーバーサンプリングレートが2倍(2×2=4)、アップコンバートの倍率が2倍(2×2=4)であれば、1データピクセル分の像に対する解像度は、4×4=16ピクセルとすることができる。
このように解像度の向上が図られることで、再生像の照射位置ずれに応じた位置合わせがより高精度に行われるようにすることができる。
等化フィルタ22は、上記アップコンバート後の画像信号を入力し、符号間干渉防止のための波形等化処理を行う。
なお、このような符号間干渉防止のための等化処理は、光ディスクや通信などの分野でも多用されている1次元信号についての波形等化処理を、2次元に拡張したものとして理解すればよい。
このように読み出し画像信号中から各データピクセルの位置を特定して、各データピクセル位置での振幅値を取得する処理のことを、ここでは「リサンプリング処理」と称している。
ここで、先の説明によると、記録時においては記録データの8ビットがスパース符号化によって4×4=16ビットのブロック形状のデータ配列(シンボル)に変換され、これらシンボルがホログラムページ内にマッピングされる。
このスパース符号化としては、例えば16ビットのうちm個のビットのみを「1」、それ以外を全て「0」とするような符号化が行われるものである。これに応じデータ識別部24は、シンボル単位ごとに各データピクセルの振幅値のうち値の大きい上位m個のデータピクセルのビットを「1」とし、それ以外の全てのデータピクセルのビットを「0」とするデータ識別を行う(ソート検出と呼ばれる)。
そして、このようなソート検出によるシンボル単位でのデータ識別によってシンボル単位で得られる各ビット値を、後段のスパース符号デコード部25に対して供給する。
上記により説明したコヒーレント加算による読み出しを行う本実施の形態の記録再生装置1によれば、ホログラム記録媒体HMに記録された位相の情報も適正に読み出すことができ、線形読み出しを実現することができる。
線形読み出しが実現されることで、従来の非線形なシステムが有していたアパーチャーサイズについての制約は無くすことができる。そして、このようにアパーチャーサイズについての制約が無くなれば、オーバーサンプリングレートとアパーチャーサイズとを決定付ける条件は、ナイキストのサンプリング定理のみとすることが可能となる。すなわち、オーバーサンプリングレートとアパーチャーサイズとを決定するための制約条件は、「オーバーサンプリングレート>アパーチャーサイズ」のみとすることが可能となる。
なおこの意味で、線形読み出しが可能となれば、サンプリング定理が適正に成立する条件が整うということができる。
図9の(a)(b)各図は、先の図71と同様に、本来得られるべき読み出し信号の振幅と、イメージセンサ11により実際に読み出される信号の振幅との比較結果を示す図である。本来得られるべき読み出し信号の振幅は、シミュレータによりイメージセンサ11の各ピクセルに入射した信号をそのままピクセルの大きさに応じて積分して求めたものである。また、実際にイメージセンサ11により読み出される信号の振幅は、この場合は、イメージセンサ11に入射した信号を2乗してピクセルの大きさに応じて積分した結果の平方根を計算した上で、そこからコヒーレント光の強度に応じた値を減算することで求めたものである。
なお、この場合の「イメージセンサ11により実際に読み出される信号の振幅」は、コヒーレント加算が行われたものであり、上記「イメージセンサ11に入射した信号」には、再生像内の基準位相と同位相で且つ強度が再生像の振幅の最小値の絶対値よりも大きなコヒーレント光の成分を加算している。
各図では、本来得られるべき読み出し信号の振幅を横軸に、実際にイメージセンサ11により読み出される信号の振幅を縦軸にとり、それらの関係をプロット点で示している。
また、この場合もアパーチャーサイズはナイキスト・アパーチャーサイズの1.2×1.2に設定した。
また、この場合も、シミュレーションでは意図的に再生像の位置ずれを生じさせるといったことは行っていない。
先の図71に示した「線形性を見るための図」と比較して分かるように、コヒーレント加算読み出しを行う本実施の形態の場合は、位相マスク無し/位相マスク有りの何れの場合にも縦軸・横軸の値がほぼ完全に一致しており、ほぼ完璧な線形性が得られるものとなる。
1)記録フォーマット
続いて、先の図8に示したリサンプリング部23によって行われる、第1の実施の形態としてのリサンプリング処理について、次の図10〜図16を用いて説明する。
先ずは図10により、先に説明した記録フォーマットに基づくホログラムページ内のデータ配列について再考してみる。
なおこの図10では、信号光エリアA2内のデータ配列例として、最小敷き詰め単位=1シンボル(4×4=16ピクセル)、シンク間隔i_sper=24ビット(ピクセル)、信号光エリアA2の半径i_rad=156ピクセルとした場合の例を示している。
この図において、白抜き部分は4個のシンクに囲まれた領域、波線部分は3個のシンクに囲まれた領域、斜線部分は2個のシンクに囲まれた領域、スクリーン部分は1個のシンクに囲まれた領域、黒塗り部分はシンクに囲まれていない領域またはシンク自身を示してる。
先ず図11により、ページの中心位置の検出手法について説明する。
このページの中心位置の検出は、ホログラムページの中心のシンボル位置となるようにして配置されている中心シンクを基準として、ページ全体の大まかな位置合わせを行うものである。
このようなページ内の中心シンクに基づくページ全体の大まかな位置合わせを行っておくことで、後に説明する各シンク位置の検出を行うにあたっての探索の範囲の縮小化を図ることができ、これによってページ内の各シンク位置検出時の計算処理負担の削減、及び検出時間の短縮化が図られる。
具体的には、図11に示されているようにして、ページ中心のシンクも含めて、その直近の周囲8つのシンクも合わせた計9個のシンクを用いて中心のシンク位置の検出を行うものとしている。他の言い方をすれば、上記中心のシンクを中心とする縦3×横3の正方形状に配列される計9個のシンクを用いて、中心のシンク位置の検出を行うものである。
そして、図11に示すような予め定められた間隔・位置関係となる9個のシンクを、その中心のシンクを上記推定された中心のシンクがあるべき位置を含む所定範囲内で動かすようにして動かしたときの、各シンク位置(この場合は9箇所となる)での振幅値とシンクパターンとの相関値をそれぞれ計算し、その合計値を計算する。この結果、最終的に各シンク位置での相関値の合計値が最も大きかったときの上記中心のシンクの位置を、ページ中心の位置として特定する。
本例の場合、この各シンク位置の検出も、対象とするシンクを基準として選出した複数のシンクを用いて行う。
先ず、基本的には、図中(a)と示すようにして、対象とするシンクを中心として、このシンクと、その上下左右に隣接する4つのシンクとの計5つのシンクを用いて、上記対象とするシンクの検出を行う。
具体的に、先ずは検出されたページ中心位置を基準として、記録フォーマットから、等化フィルタ22による等化処理後の画像信号中における対象とするシンクがあるべき位置を推定する。例えば記録フォーマットに基づくことで、ページ中心から対象とするシンクまでの距離がわかるので、検出されたページ中心のシンク位置からその距離だけ離れた位置を対象とするシンク位置として推定すればよい。
そして、図12の(a)に示すような予め定められた間隔・位置関係となる5個のシンクについて、その中心のシンク(つまり対象とするシンク)を上記推定された対象とするシンクがあるべき位置を含む所定範囲内で動かすようにして全体的に動かしたときの、各シンク位置での振幅値とシンクパターンとの相関値をそれぞれ計算し、その合計値を計算する。その上で、最終的に上記各シンク位置での相関値の合計値が最も大きかったときの上記中心のシンクの位置を、対象とするシンクの位置として特定する。
このようにして対象とするシンクの推定位置の精度が高いことから、上記のようなシンクの検出時における相関計算の範囲(探索範囲)は、ページ中心位置の検出を行わない場合よりも狭く設定したとしても、検出精度の悪化を抑制することができる。すなわち、この点から、ページ中心位置の検出後その中心位置に基づき各シンク位置の検出を行う本例の場合では、探索範囲(相関計算範囲)の縮小化、及びこれに伴う計算処理負担の削減・検出時間の短縮化が図られるものである。
具体的には、図12(b)に示すようにして上下左右のうち1つのシンクのみが存在しない場合と、図12(c)に示すようにして上下左右のうち2つのシンクが存在しない場合とがある。
この場合も検出動作自体は、上述した5個のシンクを用いる場合と同様の相関検出方式により行うものとすればよい。確認のために述べておくと、先ずは検出されたページ中心位置を基準として、記録フォーマットから、等化処理後の画像信号中における対象とするシンクがあるべき位置を推定する。そして、図12の(b)に示すような予め定められた間隔・位置関係となる4個のシンクについて、その中心のシンク(つまり対象とするシンク)を上記推定された対象とするシンクがあるべき位置周辺の所定範囲内で動かすようにして全体的に動かしたときの、各シンク位置での振幅値とシンクパターンとの相関値をそれぞれ計算した上でその合計値を計算し、最終的にその合計値が最も大きかったときの上記中心のシンクの位置を、対象とするシンクの位置として特定するものである。
この場合もシンクの検出動作自体は、上記と同様の相関検出方式に基づく動作を行う。
上記のようにしてページ内の各シンク位置の検出を行った後には、SLM4の1画素単位に相当する各データピクセルの値(記録ビットの値)をデータ識別するために、各データピクセルの位置の特定、及び各データピクセルの位置における振幅値計算を行う。
ここで、従来の一般的な手法としては、ホログラムページ内を「サブページ」と呼ばれる単位で分割し、該サブページ内に1つずつ「サブページシンク」と呼ばれるシンクを挿入するという手法が採られてきた。そしてこれに応じ、各データピクセル位置の特定にあたっては、先ずは対象とするサブページ内のサブページシンクの位置を特定し、該サブページシンクの位置に基づき、サブページ内の各データピクセルの位置を特定するものとされていた。つまりこの点から、従来の一般的な手法では、対象とするデータピクセル位置の特定は上記サブページシンクとしての1つのシンクのみに基づき行うようにされていたものである。
これに対し本例では、各データピクセルの位置の特定を、複数のシンクを用いて行うものである。
ここで、これら図13〜図15の各図においては、ホログラムページ内における24ピクセル×24ピクセルの領域を1ユニットとして、2×2=4ユニット分の領域のみを抽出して示しており、この4ユニット分の領域内のそれぞれ1ユニット分に相当する各領域において挿入されているべきシンクを、左上端→右上端→左下端→右下端の順にsync_1、sync_2、sync_3、sync_4と名付けている。
また、以下の説明においては、縦軸をi、横軸をjとした座標平面を設定しており、sync_1〜sync_4の座標について以下のように定義する。
sync_1(i,j,1)・・・sync_1の縦座標
sync_1(i,j,2)・・・sync_1の横座標
sync_2(i,j,1)・・・sync_2の縦座標
sync_2(i,j,2)・・・sync_2の横座標
sync_3(i,j,1)・・・sync_3の縦座標
sync_3(i,j,2)・・・sync_3の横座標
sync_4(i,j,1)・・・sync_4の縦座標
sync_4(i,j,2)・・・sync_4の横座標
また、以下で登場する「s_row」と「s_col」はシンボル単位(4ピクセル×4ピクセル)でのシンク間隔を示すものであるとし、本例のように間隔i_sper=24とされる場合にはs_row=s_col=24/4=6となる。
図13(a)は、取り囲むべきシンクとしてsync_1が無い場合、図13(b)はsync_2が無い場合、図13(c)はsync_3が無い場合、図13(d)はsync_4が無い場合を示している。
先ずは、図13(a) のsync_1が無い場合を例に説明すると、
sync_1(i,j,1) ← sync_2(i,j,1);
によりsync_2の縦座標をsync_1の縦座標に代入し、
sync_1(i,j,2) ← sync_4(i,j,2);
によってsync_4の横座標をsync_1の横座標として代入する。これにより、この場合に存在しなかったsync_1を外挿することができる。
・図13(b)の場合:sync_2を外挿
sync_2(i,j,1) ← sync_1(i,j,1);
sync_2(i,j,2) ← sync_3(i,j,2);
・図13(c)の場合:sync_3を外挿
sync_3(i,j,1) ← sync_4(i,j,1);
sync_3(i,j,2) ← sync_2(i,j,2);
・図13(d)の場合:sync_4を外挿
sync_4(i,j,1) ← sync_3(i,j,1);
sync_4(i,j,2) ← sync_1(i,j,2);
sync_1(i,j,1) ← 2*sync_1(i+s_row,j,1)−sync_1(i+2*s_row,j,1);
によりsync_1の縦座標を求めることができる。
また、sync_1の横座標であるsync_1(i,j,2) は、sync_4(i,j,2)=sync_1(i+s_row,j,2)と同じであると仮定し、
sync_1(i,j,2) ← sync_4(i,j,2);
によりsync_1の横座標を代入することができる。
sync_2(i,j,1) ← 2*sync_2(i+s_row,j,1)−sync_2(i+2*s_row,j,1);
によりsync_2の縦座標を求めることができ、また、sync_2の横座標であるsync_2(i,j,2) は、sync_3(i,j,2)=sync_2(i+s_row,j,2)と同じであると仮定して、
sync_2(i,j,2) ← sync_3(i,j,2);
により代入することができる。
・図14(b)の場合:sync_2とsync_3とを外挿
sync_2(i,j,1) ← sync_1(i,j,1);
sync_2(i,j,2) ← 2*sync_2(i,j−s_col,2)−sync_2(i,j−2*s_col,2);
sync_3(i,j,1) ← sync_4(i,j,1);
sync_3(i,j,2) ← 2*sync_3(i,j−s_col,2)−sync_3(i,j−2*s_col,2);
・図14(c)の場合:sync_3とsync_4を外挿
sync_3(i,j,1) ← 2*sync_3(i−s_row,j,1)−sync_3(i−2*s_row,j,1);
sync_3(i,j,2) ← sync_2(i,j,2);
sync_4(i,j,1) ← 2*sync_4(i−s_row,j,1)−sync_4(i−2*s_row,j,1);
sync_4(i,j,2) ← sync_1(i,j,2);
・図14(d)の場合:sync_4とsync_1を外挿
sync_4(i,j,1) ← sync_3(i,j,1);
sync_4(i,j,2) ← 2*sync_4(i,j+s_col,2)−sync_4(i,j+2*s_col,2);
sync_1(i,j,1) ← sync_2(i,j,1);
sync_1(i,j,2) ← 2*sync_1(i,j+s_col,2)−sync_1(i,j+2*s_col,2);
sync_1(i,j,1) ← sync_2(i,j,1);
sync_1(i,j,2) ← sync_4(i,j,2);
により外挿する。また、sync_3に関しては、縦座標はsync_4と一致し横座標はsync_2と一致すると仮定して、
sync_3(i,j,1) ← sync_4(i,j,1);
sync_3(i,j,2) ← sync_2(i,j,2);
により外挿することができる。
sync_2(i,j,1) ← sync_1(i,j,1);
sync_2(i,j,2) ← sync_3(i,j,2);
sync_4(i,j,1) ← sync_3(i,j,1);
sync_4(i,j,2) ← sync_1(i,j,2);
図15(a)はsync_4のみがある場合、図15(b)はsync_3のみがある場合、図15(c)はsync_2のみがある場合、図15(d)はsync_1のみがある場合を示している。 図15(a)のsync_4のみがある場合を例に説明すると、この場合は、sync_1の縦座標sync_1(i,j,1) は、1つ下にあるsync_4の縦座標sync_4(i,j,1)=sync_1(i+s_row,j,1) と2つ下にあるsync_1(i+2*s_row,j,1) との差が、sync_1(i,j,1)とsync_1(i+s_row,j,1)との差と等しいと仮定して、
sync_1(i,j,1) ← 2*sync_1(i+s_row,j,1)−sync_1(i+2*s_row,j,1);
により外挿することができる。この場合、sync_1の横座標sync_1(i,j,2)については、sync_4の横座標sync_4(i,j,2)と同じでよい。
また、sync_3の縦座標sync_3(i,j,1) は、sync_4(i,j,1)と同じでよい。そしてsync_3の横座標sync_3(i,j,2)は、1つ左にあるsync_4の横座標sync_4(i,j,2)=sync_3(i,j−s_col,2)と2つ左にあるsync_3(i,j−2*s_col,2)との差が、sync_3(i,j,2)とsync_3(i,j−s_col,2)との差と等しいと仮定して、
sync_3(i,j,2) ← 2*sync_3(i,j−s_col,2)−sync_3(i,j−2*s_col,2);
により外挿することができる。
さらに、sync_2に関しては、縦座標はsync_1と等しく、横座標はsync_3と等しいと仮定して、
sync_2(i,j,1) ← sync_1(i,j,1);
sync_2(i,j,2) ← sync_3(i,j,2);
により外挿することができる。
・図15(b)の場合:sync_2、sync_4、sync_1を外挿
sync_2(i,j,1) ← 2*sync_2(i+s_row,j,1)−sync_2(i+2*s_row,j,1);
sync_2(i,j,2) ← sync_3(i,j,2);
sync_4(i,j,1) ← sync_3(i,j,1);
sync_4(i,j,2) ← 2*sync_4(i,j+s_col,2)−sync_4(i,j+2*s_col,2);
sync_1(i,j,1) ← sync_2(i,j,1);
sync_1(i,j,2) ← sync_4(i,j,2);
・図15(c)の場合:sync_1、sync_3、sync_4を外挿
sync_1(i,j,1) ← sync_2(i,j,1);
sync_1(i,j,2) ← 2*sync_1(i,j+s_col,2)−sync_1(i,j+2*s_col,2);
sync_3(i,j,1) ← 2*sync_3(i−s_row,j,1)−sync_3(i−2*s_row,j,1);
sync_3(i,j,2) ← sync_2(i,j,2);
sync_4(i,j,1) ← sync_3(i,j,1);
sync_4(i,j,2) ← sync_1(i,j,2);
・図15(d)の場合:sync_2、sync_4、sync_3を外挿
sync_2(i,j,1) ← sync_1(i,j,1);
sync_2(i,j,2) ← 2*sync_2(i,j−s_col,2)−sync_2(i,j−2*s_col,2);
sync_4(i,j,1) ← 2*sync_4(i−s_row,j,1)−sync_4(i−2*s_row,j,1);
sync_4(i,j,2) ← sync_1(i,j,2);
sync_3(i,j,1) ← sync_4(i,j,1);
sync_3(i,j,2) ← sync_2(i,j,2);
本例では、このようにしてすべてのデータピクセル位置が四方からシンクに囲まれる状態とした上で、対象とするデータピクセル位置を、そのデータピクセル位置を囲う4つのシンクを用いた線形補間を行うことで計算により求める(特定する)ものとしている。
なお、この図16(a)では、四隅のシンク(sync_1〜sync_4)で囲われる領域が4×4=16ピクセル分の領域として示されているが、先にも説明したように本例の記録フォーマットとしてシンク間隔i_sper=24ビットが設定される場合には、4つのシンク(sync_1〜sync_4)で囲われる領域は1ユニット分(6シンボル×6シンボル)の領域となる。
ph_1・4_i={(i_sper−nr)*sync_1(i,j,1)+nr*sync_4(i,j,1)}/i_sper;
ph_2・3_i={(i_sper−nr)*sync_2(i,j,1)+nr*sync_3(i,j,1)}/i_sper;
を行って図中のph_1・4_i、ph_2・3_iを計算した後、さらにこれらph_1・4_i、ph_2・3_iを用いた縦方向の線形補間、
phi={(i_sper−mc)*ph_1・4_i+mc*ph_2・3_i}/i_sper;
を行うことで求めることができる。この値は、オーバーサンプリング・アップコンバート後における位置合わせ(各シンク位置の検出)が行われる関係で、小数点以下の値を持つことが予想されるので、
phi_int=floor(phi);
phi_flt=phi−phi_int;
として、縦座標の整数部phi_intと 縦座標の小数部phi_fltとに分けておく。
ph_1・4_j={(i_sper−nr)*sync_1(i,j,2)+nr*sync_4(i,j,2)}/i_sper;
ph_2・3_j={(i_sper−nr)*sync_2(i,j,2)+nr*sync_3(i,j,2)}/i_sper;
による横方向の線形補間を行った後、さらにこれらph_1・4_j、ph_2・3_jを用いた横方向の線形補間、
phj={(i_sper−mc)*ph_1・4_j+mc*ph_2・3_j}/i_sper;
を行って求められる。これも、
phj_int=floor(phj);
phj_flt=phj−phj_int;
により、横座標の整数部phj_intと横座標の小数部phj_fltとに分けておく。
このような線形補間によるデータピクセル位置の計算を行うことで、光学的な歪み等によってSLM4の各画素の光がイメージセンサ11上の理想的な位置に照射されない場合に対応して、適正に各データピクセル位置の特定を行うことができる。
上記のようにして、対象とするデータピクセル位置の縦座標phi・横座標phjの算出を行った後には、そのデータピクセルの位置における振幅値を計算により求める。
図16(b)は、本例としてのピクセル振幅値計算手法について示している。
本例においては、データピクセル位置の振幅値の計算についても、線形補間を用いた手法を採るものとしている。具体的には、上述のようにして特定された対象とするデータピクセルの位置を囲う四隅の振幅値(図中rd_1、rd_2、rd_3 、rd_4 )を用いた線形補間を行って、上記対象とするデータピクセル位置の振幅値計算を行うものである。
rd_1=i_rdata(phi_int,phj_int);
rd_2=i_rdata(phi_int,phj_int+1);
rd_3=i_rdata(phi_int+1,phj_int);
rd_4=i_rdata(phi_int+1,phj_int+1);
すなわち、これら振幅値rd_1、rd_2、rd_3 、rd_4は、上述の計算で算出した縦座標の整数部phi_intと横座標の整数部phj_intのみで対象とするデータピクセルの位置を特定したときの、それを取り囲む四隅の位置での信号振幅値となるものである。
なお、これら四隅の信号振幅値rd_1、rd_2、rd_3 、rd_4のうち、厳密に言うと左上端の振幅値rd_1は、対象とするデータピクセル位置内部の値となるが、ここでは説明の便宜上、このrd_1も含むrd_2、rd_3、rd_4のことを、対象とするデータピクセル位置を取り囲む四隅の位置の振幅値であると定義する。
rd_1・4=(1−phi_flt)*rd_1+phi_flt*rd_4;
rd_2・3=(1−phi_flt)*rd_2+phi_flt*rd_3;
最後に、この縦方向の線形補間を行って得られたrd_1・4、rd_2・3と小数座標とを用いて、横方向の線形補間を以下のように行う。
rd_sample=(1−phj_flt)*rd_1・4+phj_flt*rd_2・3;
ここで得られたrd_sampleが、対象とするデータピクセル位置での振幅値となる。図16(b)には、このような縦方向の線形補間と横方向の線形補間とで定まるrd_sampleのイメージが示されている。
このような線形補間を用いたデータピクセルの振幅値の計算手法としたことで、光学的な歪み等によってSLM4の各画素の光がイメージセンサ11上の理想的な位置に照射されない場合に対応して適正に各データピクセルの振幅値計算を行うことができる。
上記のような位置特定(計算)・振幅値計算をページ内の各データピクセルの位置について行うことで、ホログラムページ内の各データピクセルごとの振幅値を得ることができる。すなわち、これによって1×1にリサンプリングすることができる。
ここで、先に述べたように、ページ内のデータは、シンボル単位でスパース符号化されているので、これに対応してソート検出によるデータ識別を行うことで、「0」「1」の各記録ビットの値を検出することになる。
そして、検出した各ビット値については、シンボルごとにスパース符号のデコードを行って、最終的に1シンボル→1バイト=8ビットに変換する。このようにデコードされた1シンボル(1バイト)分のデータを、そのシンボルのデータ番号順に出力することで、記録データを再生することができる。すなわち、これにより再生データを得ることができる。
上記により説明した第1の実施の形態としてのリサンプリング処理を実現するための、先の図8に示したリサンプリング部23の内部構成を、次の図17に示す。
なお、この図17ではリサンプリング部23と共に、図8に示したアップコンバート部21、等化フィルタ22、及びデータ識別部24も併せて示している。
シンク検出部23aは、上記等化フィルタ22から入力された画像信号、及び予め定められた記録フォーマットの情報に基づき、各シンク位置の検出を行う。
具体的には、先の図11で説明したようにしてページ中心のシンク(中心シンク)位置を検出する。その上で、検出した中心シンク位置に基づき、先の図12により説明したように各シンク位置の検出を行う。
具体的には、先の図16(a)により説明した手順により、線形補間によって縦座標の整数部phi_intと 縦座標の小数部phi_flt、及び横座標の整数部phj_intと横座標の小数部phj_fltとを各データピクセルの位置ごとに計算する。
具体的には、各データピクセルの位置ごとの縦座標の整数部phi_intと 縦座標の小数部phi_flt、及び横座標の整数部phj_intと横座標の小数部phj_fltと、振幅値rd_1,rd_2,rd_3,rd_4とに基づき、先の図16(b)にて説明した線形補間を行って各データピクセル位置での振幅値を計算により求める。
このデータ識別部24と図8に示したスパース符号デコード部25とについては既に図8において説明済みであるので改めての説明は省略する。
図18〜図20には、上記により説明した本実施の形態としてのリサンプリング手法の有効性について説明するための実験結果(シミュレーション結果)を示す。
これら図18〜図20では、本実施の形態の記録フォーマットによって記録されたデータについて実際にリサンプリングを行ってデータ再生した実験結果として、図18では本実施の形態としてのリサンプリング手法を適用した場合、図19は従来のリサンプリング手法を適用した場合の実験結果を示している。また、図20では、本例のリサンプリング手法のうち各シンク検出(ページ中心シンクの検出は除く)のみを適用し、その後の各データピクセル位置の特定・各データピクセル位置での振幅値取得については従来手法に準ずる手法を適用した場合の実験結果を示してる。具体的にこの従来手法に準ずる各データピクセル位置の特定・各データピクセル位置での振幅値取得手法については、最も近いシンクに基づき対象とするデータピクセルの位置を4×4の読み出し信号から選択し、その値を振幅値とする手法であるものとする。
なお、このことからも理解されるように、各図の結果は、リサンプリング後のデータ識別までを行って得られたものとなる。データ識別の手法は本例/従来の何れの手法においても先に説明したものと同様の手法となる。
この結果から、本実施の形態のリサンプリング手法によれば、従来のリサンプリング手法よりも適正にデータ再生を行うことが可能であることが理解できる。
この図20の結果より、本実施の形態のように複数のシンクを用いてそれぞれのシンクを検出することの有効性が実証されている。
図21〜図23を用いて、コヒーレント加算による信号読み出し後、上述した第1の実施の形態としてのリサンプリングまでを行った上での再生特性について説明する。
先ず、図21には、第1の実施の形態によるリサンプリングを行った場合と、ピクセルマッチングがとられている場合とでの比較結果を示す。
この図21において、図21(a)(b)の各図では、横軸を、先の図9(a)(b)で計算した2×2のオーバーサンプリングの結果を単純に間引きして得た1×1ピクセルの振幅値としている。また、縦軸は、光学的なピクセルマッチングをとらず本例の線形補間を利用したリサンプリングを行った結果となるが、ここでは線形補間によるリサンプリングの有効性が表されるべく、オーバーサンプリングレートについては1.33×1.33として、整数倍でない中途半端なレートを設定した場合のリサンプリング結果をとるものとしている。
これら図21(a)(b)の何れの場合も、先の図9と同様に、横軸と縦軸の値はほぼ一致するものとなっている。これは、光学的なピクセルマッチングがとられていない場合であっても、上述した第1の実施の形態としての線形補間を利用したリサンプリングを行うことで、位相マスク無し/有りの場合で共に、光学的なピクセルマッチングがとられる場合とほぼ同様の再生信号特性が得られることを表している。
なお、下記NMSEの定義式において、
「A」=「光学的なピクセルマッチングがとられている場合に取得されたデータピクセル位置での振幅値」
「B」=「本例の線形補間を利用したリサンプリングにより計算したデータピクセル位置での振幅値」である。
NMSE = (A−B)の2乗平均/Aの平均パワー
この定義式から理解されるように、NMSEは、光学的なピクセルマッチングがとられる場合との誤差が少ないほど(つまり再生特性が良好であるほど)小さな値をとる。
図22(a)(b)は、アパーチャーサイズとオーバーサンプリングレートとの関係をMNSEにより表す図として、1.0×1.0、1.143×1.143、1.333×1.333、1.6×1.6、2.0×2.0という5通りのオーバーサンプリングレートの設定時のそれぞれにおける、アパーチャーサイズ1.0〜2.0までの範囲に対するMNSEの値の変化をグラフ化して示している。
これらの図において、横軸は、ナイキスト・アパーチャー比のアパーチャーサイズであり、縦軸がMNSEである。
図示されているように、オーバーサンプリングレート=2.000倍(2.0×2.0)の場合の結果は×印のプロットにより示し、オーバーサンプリングレート=1,600倍(1.6×1.6)の場合の結果は□印のプロットにより示している。以下同様に、オーバーサンプリングレート=1.333倍(1.333×1.333)の場合は△印、1.143倍(1.143×1.143)は▽印、1.000倍(1.0×1.0)は○印のプロットによりその結果を示している。
図22(a)は位相マスク無しの場合、図22(b)は位相マスク有りの場合の結果を示している。これら図22の各図の結果は、本実施の形態のコヒーレント加算による線形読み出しを行った後に、線形補間を利用したリサンプリングを行った場合の結果を示すものである。
この場合もシミュレータについては先の図9にて説明したものと同様のものを用いた。
図23(a)は位相マスク無しの場合、図23(b)は位相マスク有りの場合を示す。
図23(b)の位相マスク有りの場合については、オーバーサンプリングレートを2.0×2.0に設定し、アパーチャーサイズを充分に小さくしたとてもNMSEの値は10%程度に止まる。この点から、従来において記録時に位相マスクとしての位相変調を行う場合には、オーバーサンプリングレートは2.0×2.0以下に下げることはできないことになる。
具体的に、ナイキストのサンプリング定理「オーバーサンプリングレート>アパーチャーサイズ」の条件が満たされる範囲であれば、NMSEの値は1%よりも小さくなっていることが確認できる。
換言すれば、コヒーレント加算による線形読み出しを行うことで、光学的なピクセルマッチングがとられない場合にも、オーバーサンプリングとリサンプリング処理とによって、光学的なピクセルマッチングがとられる場合と同様の再生信号特性を得ることができる。
さらに言えば、光学的なピクセルマッチングがとられない場合で、且つオーバーサンプリングレートが整数倍以外の中途半端な値に設定される場合であっても、線形補間を利用したリサンプリングによって適正にデータ再生を行うことができるものである。
続いて、第2の実施の形態について説明する。
第2の実施の形態は、先の第1の実施の形態で説明したコヒーレント加算による線形読み出しを行う点については共通とした上で、リサンプリング処理を、第1の実施の形態の場合とは異なる手法とするものである。
ここで、先の第1の実施の形態のリサンプリング処理では、ホログラムページ内に挿入されたシンクの位置を検出した上で、各データピクセル位置は、このシンクの位置に基づき特定するという手法を採るものとしていた。すなわち、シンク依存のリサンプリングを行っていた。
しかしながら、このようなシンク依存のリサンプリングを行う場合、データピクセル位置の特定精度を或る程度確保するためには、実際には、ホログラムページ内に多くのシンクを埋め込むことが望ましいものとなる。この意味で、シンク依存のリサンプリングを行う手法は、ユーザデータの記録容量拡大を図る上での困難性を有する。
このような二次元クロックに基づくデータピクセル位置の特定が可能となれば、データピクセル位置の特定にあたり、シンクは不要とすることができる。
以下、第2の実施の形態の記録再生装置の構成について説明するが、第2の実施の形態の記録再生装置としては、先の第1の実施の形態の記録再生装置1と比較して、データ再生部13内の構成が異なるのみで、他の部分の構成については図1及び図3に示したものと同様となる。
従って以下では、第2の実施の形態の記録再生装置が備えるデータ再生部13の内部構成について説明する。
なおこの図24において、既に図8にて説明した部分については同一符号を付して説明を省略する。
この図24と先の図8とを比較して分かるように、第2の実施の形態の場合のデータ再生部13は、先の図8に示した第1の実施の形態の場合のデータ再生部13と比較して、リサンプリング部23に代えてリサンプリング部30が設けられると共に、該リサンプリング部30とデータ識別部24との間に、ページシンク位置合わせ部33及びシンボル抽出部34が挿入される点が異なる。
図示するように、二次元クロック抽出・データピクセル位置特定部31には、等化フィルタ22による等化処理後の画像信号が供給される。二次元クロック抽出・データピクセル位置特定部31は、上記等化フィルタ22から入力される画像信号から二次元クロックの抽出処理、及び二次元クロックに基づく各データピクセル位置の特定を行う。
なお、この二次元クロック抽出・データピクセル位置特定部31による二次元クロック抽出処理、及び二次元クロックに基づく各データピクセル位置の特定処理の具体的内容、及びその内部構成については後に改めて説明する。
ピクセル振幅値取得部32は、上記二次元クロック抽出・データピクセル位置特定部31からの各データピクセル位置の情報に基づき、上記等化フィルタ22からの画像信号中における各データピクセル位置での振幅値を取得する。
なお、このピクセル振幅値取得部32による振幅値取得処理の具体的内容についても後述する。
また、シンボル抽出部34は、上記ページシンク位置合わせ部33によって特定された、各データピクセルの記録フォーマット上での位置の情報に基づき、ホログラムページ内の各シンボルの抽出を行う。
第2の実施の形態の場合、データピクセルごとの振幅値はこのシンボル抽出部34によってシンボル単位にまとめられてデータ識別部24に入力されることになる。
なお、上記ページシンク位置合わせ部33によるページシンク位置合わせ処理、及び上記シンボル抽出部34によるシンボル抽出処理の具体的内容についても後述する。
以下、第2の実施の形態としてのリサンプリング処理の具体的な内容について説明していく。
なお、説明は以下の項分けに従って行う。
1.X方向及びY方向微分
2.非線形処理
3.2次元のフーリエ変換処理
4.クロック信号成分の抽出
5.位相シフト処理
6.逆フーリエ変換処理
7.ゼロクロス線の抽出
8.ゼロクロス線の格子点抽出
先ずは、次の図25、図26に、イメージセンサ11の検出画像信号としてのセンサ出力画像、及びアップコンバート部21によるアップコンバート後の画像を示す。
なお、これら図25、図26を始めとして、以降で画像を扱う図に関しては、全体画像では詳細な様子が掴みずらいため、位置はそれぞれ共通とした上で一部のみを拡大した図を用いる。
なお、この割合はほぼ一定と考えてよいが、位置合せの状態(位相)はさまざまに変化し、画像内でも変動する。また、ほぼ一定ではあるものの、オーバーサンプリングレートも変化するし、画像内での変動もあると考えるべきである。また、センサ出力画像には種々の変動・歪み・劣化が含まれることも注意しておく。
また、この2048×2048ピクセルによる画像サイズは、先に述べたSLM4の512×512ピクセルのサイズに対して縦横それぞれ4倍となっていることがわかる。これは、2×2のオーバーサンプリング後に2×2のアップコンバートが行われたことで、総合的に4×4へのアップコンバートが行われた結果である。
図27は、この場合の微分処理で用いる画像処理マスクを示している。図27(a)はX方向微分で用いるX方向微分マスクを、図27(b)はY方向微分で用いるY方向微分マスクを示している。
図示するようにして、これらのマスクとしては、中心位置を原点とする2次元インパルス応答であって、これを画像に対して畳み込むことにより、それぞれX方向およびY方向の微分処理が行われることになる。
なお、画像処理マスクという呼び方のほかに、オペレータと言う場合もあることは周知である。また、これらのマスクとしては、後述もする画像処理におけるSobelのオペレータを構成するX方向微分とY方向微分であって、微分処理においてよく使われるものである。
このように輝度の勾配が大きい部分をエッジという。クロック抽出にはこのエッジの成分が重要な情報源となる。
また、ここで挙げたマスクは、3×3サイズの奇数×奇数であり、畳み込んだ後も注目する画素の位置(位相)がずれないものとなっている。この点、別途に位置合せを考慮する必要がなく好ましい。
上記の微分処理により、X方向微分の行われた2次元画像信号とY方向微分の行われた2次元画像信号とが得られる。
これらの2次元画像信号に対しては、さらに非線形処理を施す。この場合、非線形処理としては、絶対値をとる処理(絶対値処理)を行う。
先ず、これらの図から判る通り、X方向タイミングパルス信号、Y方向タイミングパルス信号は2値信号ではなく、多値信号である(さらに言えば濃淡画像である)。なお、もちろん2値化してもよいのではあるが、本例では多値信号からクロック抽出を行うことにしている。その理由は、サンプリングレートが4×4と比較的少ないので、2値化せずに多値のままとしてエッジ信号の強度と波形を保持させることにより、その位相情報(タイミング情報)を良好に保持させるためである。後の処理でクロック信号がそれらにフィットするものとして適切に抽出される。
同様に、図29と先の図25、図26を比較すると、Y方向微分・絶対値処理によっては、元の画像中のY方向のエッジ部分が抽出されていることがわかる。
上記のようにしてX方向微分・絶対値処理で得られたX方向タイミングパルス信号と、Y方向微分・絶対値処理で得られたY方向タイミングパルス信号のそれぞれに対しては、個別に2次元のフーリエ変換処理を施してそれぞれの周波数解析を行う。この解析結果から、X方向のクロック成分とY方向のクロック成分とを抽出することができる。
ここで、X方向タイミングパルス信号、Y方向タイミングパルス信号は、それぞれ画像サイズは2048×2048画素となっている。これを2次元FFTすると、それぞれ2048×2048のサイズの複素数配列になる。
先ず、以下では、この2次元FFTによる解析結果についての説明に先立ち、2次元FFTの概念について説明しておく。
FFTとIFFT(Inverse FFT:逆高速フーリエ変換)の元となる、DFTとIDFT(Inverse DFT:逆離散的フーリエ変換)の定義は次の[式1][式2]に示す通りである。
また、f(x、y)は2048×2048画素の画像を表す。右方向にx軸、下方向にy軸をとり、
x= 0, 1, …, 2047の整数、
y= 0, 1, …, 2047の整数
であり、各座標に濃淡値をもつ。
F(fx, fy)が2次元FFTの変換結果である。これは複素数となる。
fxとfyは周波数領域の変数であり、fxはX方向周波数、fyはY方向周波数で、
fx= 0, 1, …, 2047の整数、
fy= 0, 1, …, 2047の整数
である。
基本的には、単位長あたりに正弦波が何サイクル入るかを定義とすべきであるが、ここでは、以後の説明を理解しやすくするために、与えられた画像サイズを単位長とする。X方向周波数を例に挙げれば、X方向に画像の横幅(M画素、即ち2048画素)分進んだときに正弦波の1サイクルが何個入っているか、がX方向周波数である。Y方向周波数も同様に、Y方向にN画素(2048画素)進んだときに何サイクル入っているかである。
fxとfyは、定義では上記の通り負でない整数であるが、その上位半分は、負の周波数成分と一致する。
[証明:式1にて、fx=−kおよびfx=M−k(kは整数)を代入してみれば、xが整数であることから、
F(−k, fy)= F(M−k, fy)
となって等しいことがわかる。]
負の周波数とみることにすると、周波数が原点対称となり理解しやすいし、後でパワースペクトルの俯瞰図をみるときも中央を周波数0とすることと合致するので、以後、上位半分は負の周波数と見なす。
そこで、
fx= 0, 1, …, 1023, 1024, …, 2046, 2047
は、その上位半分を、
fx= 0, 1, …, 1023, -1024, …, -2, -1
というふうに負の周波数とみなし、さらに上位半分を手前に移動して、
fx= -1024, …, -1, 0, +1, …, +1023
なる周波数の順序に変換して理解してもよい。
fyについても同様である。
よって、2048×2048ポイントの周波数解析結果は、実装上適切な配列のインデックス変換を行う等により、いつでも、
fx= -1024, …, -1, 0, +1, …, +1023
fy= -1024, …, -1, 0, +1, …, +1023
なる正と負の周波数の解析結果と理解するものとする。
なお、周波数 +1024は負の-1024とせずに+1024のままでもよいが、ここでは負とする。
先の[式2]の通り、画像はさまざまな周波数成分に分解することができ、逆にその和として表される。その周波数成分とは、[式2]のΣ内部の各項であって、次の[式3]で表される。
F(fx, fy)は上記平面波の強度と位相を与える。
先の[式3]は複素数であるが、ここでは実数値である濃淡画像を周波数解析するので、原点対象の負の周波数成分F(−fx, −fy)が必ずF(fx, fy)と複素共役となり、両者の和をとると虚数部分が消えて実数になる。よって、[式3]の複素数をそのまま周波数成分と考えていてよく、周波数も正のものだけに注目していればよい。周波数成分の個別な波形が実際に必要なときに実部をとればよい。
実際に実数で考えると次の[式4]に表される平面波となる。
上記平面波の波面は直線でその法線方向はベクトル(fx/M, fy/N)の方向であり、周期Lは次の[式5]となる。
このように2次元FFTを用いて周波数解析を行って、[式1]に従い、与えられた濃淡画像をさまざまな周波数(fx, fy)の平面波であるところの成分に分解して、その構成の内訳を知ることができる。そして、[式2]の通り、すべての成分の和をとれば、元の画像が復元する。
図30では、図28に示したX方向タイミングパルス信号を2次元FFTして得られる各周波数成分の強度(F(fx, fy)の2乗)を俯瞰図で示している。また、図31では、図29に示したY方向タイミングパルス信号を2次元FFTして得られる各周波数成分の強度を同様に俯瞰図で示している。
これらの図に示されるように、2次元FFTの解析結果では、周波数軸はfxとfyの2軸であり、原点は両軸の交点となる。また、fxとfyはそれぞれ正と負の周波数をもつことになる。
なお、2次元FFTの結果は2048×2048ポイントであるが、そのままでは情報が多すぎて意味不明な図になってしまうため、図30、図31では解像度を1/32に落として示している。当然のことながら、本来の内部処理では解像度は落とす必要はない。
また、ここでは図示の都合上、強度のみをパワースペクトルとして示し、複素数としてのF(fx, fy)のもつ位相情報は示していないが、内部処理としては複素数として扱っていて位相情報も欠落せずに取り扱われていることを注意しておく。
これは理にかなうことである。そもそも2次元FFT処理に対する入力画像である図28の画像は、X方向のエッジ成分を多数含む。そして、そのX方向エッジのX方向の基本間隔は4であって、多数の任意のエッジ間距離は短いものから長いものまであるにせよ、この基本間隔4の倍数となっている。なぜなら、オーバーサンプリング・アップコンバートによる総合的な倍率が4倍であり、エッジの発生する位置は、SLM4のデータピクセルの境界(つまりデータピクセル単位の区切り)となるからである。このような際立った特徴が、図30の解析においてfx=512, fy=0でのピークを生み出している。
もし仮に、ピーク部分の中心成分のみをIFFTすれば、X方向タイミングパルス信号であるX方向エッジ信号の中心成分の波形に対応したクロック信号としての平面波を得ることができる。つまり、それぞれのエッジは画像内でまばらに発生しているが、その中心成分は、周期が4で、位相もエッジの発生位置に同期した、単一の平面波による波形が抽出されるものである。
また、ピーク部分の中心成分と共にその周辺の周波数成分をIFFTすれば、X方向エッジ信号の主要な成分の波形に応じたクロック信号としての平面波が得られる。このようにピークを与えるひとつの周波数成分だけではなく、その周辺の周波数成分も含めてIFFTした場合は、単一平面波ではなくそれに近い平面波が得られることになる。周辺の周波数成分は側波帯成分であって、単一平面波の振幅と位相にわずかに変動を与えるものであり、その変動はいわば、画像内でのジッターを反映したものとなる。従って、この側波帯を含めてIFFTすることで、画像の各種変動(拡大/縮小、回転、歪み)をより忠実に反映したクロック信号を得ることができる。
〜クロック信号成分の探索範囲〜
上記のようにして2次元FFTによる解析結果からピーク部分を探索する際には、予め所定の探索範囲を定めておくものとしている。
具体的に、このような探索範囲としては、図30に示したX方向の2次元FFTの解析結果ではfx=512,fy=0の点を中心とした所定範囲とし、また図31に示したY方向の2次元FFTの解析結果ではfx=0,fy=512の点を中心とした所定範囲を設定する。
但し実際には、再生像に拡大/縮小や回転、歪みなどの変動が生じることになるので、これに応じてピーク位置は上記の理想点を基準としてそこからずれた位置に現れることになる。この際、ピーク位置の原点からの距離はクロック信号の周波数であり、また、原点を基準とするピーク位置の方向は、クロック信号としての平面波の法線方向に一致する。例えば典型的な例として、再生画像が拡大/縮小した場合には、クロック信号の周波数は低下/上昇し、原点からピーク位置までの距離は減少/増大する。また、再生画像が回転した場合、クロック信号としての平面波の法線方向もそれと同一の角度だけ回転し、ピーク位置が軸外へずれることになる。
なお、図30、図31で示した結果は、変動のないきれいな画像を前提としたので、それぞれfx=512,fy=0とfx=0,fy=512の理想的な位置にピークが存在していることが示されている。
これらに鑑み本例では、各基準点を中心とした再生画像範囲の±10%程度の矩形領域を探索範囲としている。基準点の値はそれぞれfx=512、fy=512であるので、その10%はおよそ50(512×0.1)であり、従ってこの場合は101(50+1+50)×101(50+1+50)の矩形領域を探索範囲として設定している。
なお、探索範囲のサイズは上記サイズに限定されず任意に設定できる。また探索範囲の形状は矩形に限定されるものではなく、例えば円形などの他の形状とすることもできる。
上記の探索の結果、X方向の解析結果とY方向の探索結果とからそれぞれのピーク部分が検出される。続いては、検出されたピーク部分の中心成分とその周囲の成分と合わせて、X方向、Y方向の各クロック信号成分を抽出する。
なお、このように検出されたピーク部分の中心成分とその周囲の成分と合わせたものを、本実施の形態ではそれぞれ「Xクロック信号成分」「Yクロック信号成分」と呼ぶ。
これらの図に示されるように、探索により検出されたピーク部分については、その中心を基準として例えば11×11のサイズの矩形領域を抽出する。これは、側波帯サイズを5とし、中心の1点を基準としてプラス側とマイナス側を合わせた2×5+1=11の領域を設定したものである。
〜jωxの乗算、 jωyの乗算〜
後述もするが、上記のようにして抽出したXクロック信号成分とYクロック信号成分とについては、それぞれをIFFTして実画像に変換してXクロック信号とYクロック信号を得るという処理を行う。しかしながら、抽出した各クロック信号成分をそのままIFFTした結果得られる各クロック信号では、振幅のピーク部分でエッジタイミングが表されるものとなってしまうので、後に行われるべきエッジタイミングのサンプリング時に扱いにくいものとなってしまう。そのため、より扱い易いゼロクロスのタイミングでエッジタイミングが得られるように、位相シフト処理、具体的には微分処理を行うものとしている。
なお、この図34ではX方向のみについて示しているが、Y方向についても同様に考えればよい。
そして、このようなX方向タイミングパルス信号を2次元FFTしてクロック信号成分を抽出し、IFFTすると、図中のX方向微分前のXクロック信号として示すようなcosine波が再生されることになる。
以降の処理で、この負のピーク位置が検出できればよいのであるが、検出の容易さからすると、ゼロクロス位置での検出ができた方が好ましい。そこで、このcosine波を微分して位相をシフトさせる。
周波数領域での微分は、虚数jωを乗算することと等しい。よって、前段にて求まった、周波数領域でのクロック信号成分にjωを乗算する。抽出したクロック信号成分内の各成分の周波数に応じて、jωを乗算する。
微分する方向はクロック信号成分により変わり、Xクロック信号成分についてはX方向に、Yクロック信号成分についてはY方向に微分する。従って、それぞれX方向角周波数jωx、Y方向角周波数jωyを乗算する。
〜Xクロック信号、Yクロック信号〜
本実施の形態の場合、上述のようにして2次元フーリエ変換による解析結果からピーク探索して得られた周波数領域でのクロック信号成分を逆フーリエ変換することで、実画像によるクロック信号を得るものとしている。
この場合、周波数解析はFFTにより行ったので、逆フーリエ変換処理としてはIFFTを行う。具体的な処理としては、上述のようにjωが乗算されたXクロック信号成分とYクロック信号成分とをそれぞれIFFTすることになる。
先の説明からも理解されるように、これらの画像は、それぞれセンサ出力画像中に含まれるエッジ位置と強度について、X方向とY方向における主要成分としての波の周期と位相と法線方向の情報を含む。本実施の形態では、このようにして2次元フーリエ変換による解析結果から抽出したピーク成分(Xクロック信号成分・Yクロック信号成分)について逆フーリエ変換して得られた画像のことを、それぞれXクロック信号、Yクロック信号と呼ぶ。
すなわち、図35に示されるXクロック信号では、その正のゼロクロス位置がX方向においてのデータピクセル単位の区切り(各データピクセルの中心位置)を表す。同様に図36に示すYクロック信号としても、その正のゼロクロス位置がY方向におけるデータピクセル単位の区切りを表すものとなる。実際、先の図26(及び図25)に対して、これら図35、図36の画像をそれぞれ照らし合わせてみるとこのことが理解できる。
そこで、後述するようにしてこれらXクロック信号とYクロック信号の正のゼロクロス線を抽出した上で、それらの交点を求めることで、リサンプリング位置の特定を行うことができる。
ここで、ゼロクロス線を抽出する処理を行う上で、X方向とY方向の解像度とを異ならせる処理を行うものとしている。すなわち、図35、図36の画像をサーチしてゼロクロス位置を求めるのに先立ち、ゼロクロス位置をサーチする方向の解像度を高め、他の方向の解像度は低める処理を行っている。具体的には、Xクロック信号についてはX方向の解像度を高め、Y方向の解像度を低下させている。また、Yクロック信号についてはY方向の解像度を高め、X方向の解像度を低下させている。
解像度を高める目的は、ゼロクロス位置をサーチして決定する処理を、容易にかつ正確に行えるようにするためである。解像度を高めないとすると、この場合のサンプルレートはアップコンバート分も含め4×4であるから、クロック信号の基本周期は画像データ上で、設計標準値の4画素程度になる。つまり、クロック信号の1周期の波形が約4画素の濃淡値で表現されることになる。このような信号波形から正のゼロクロス位置を抽出することは、不可能ではないが、容易ではない。そこで、解像度を数倍にアップして、正確な結果を容易な処理で得られるようにする。
一方、ゼロクロス位置をサーチする方向ではない方向について解像度を低下させる目的は、前記の解像度の拡大に伴う計算量の増加を防止するためである。
このとき、他方の方向について解像度を低下させないとすると、サンプルレートが4×4であるから、当該方向において、1つのデータピクセルにつきゼロクロス位置情報が約4個の割合で算出されることになる。これは過剰であって、この数分の1としてもよい。当該方向について、データピクセルの周期よりも短い周期でゼロクロス位置を求めておかなければならないほどデータピクセルのサンプル位置が短い周期であるか、或いは急激に変動することは実際には発生せず、従って、ゼロクロス線はそのような変動を表現できる必要はないからである。
このため、本実施の形態では、クロック信号成分をIFFTして画像信号に変換する際には、ゼロクロス位置をサーチする方向の解像度を拡大させ、他の方向については解像度を低下させるものとしている。
具体的に本例の場合、Xクロック信号についてはX方向の解像度を4倍(2048×4=8192)に拡大し、Yクロック信号についてはY方向の解像度を4倍に拡大している。
そして、Xクロック信号については、Y方向の解像度を1/4(2048÷4=512)に低下させ、Yクロック信号についてはX方向の解像度を1/4に低下させる。
なお、このようにしてX方向とY方向とで解像度を異ならせてIFFTすることは非常に容易に実現できる。具体的に言うと、Xクロック信号について、X方向での解像度を上げるとした場合は、周波数領域でfx方向でのポイント数を高域側に伸ばして4倍にして、増えたところはゼロで埋める。また、Y方向での解像度を下げるにあたっては、周波数領域のfy方向でのポイント数を低域側の1/4にする。この結果は8192×512ポイントになるので、これをIFFTすることでXクロック信号を生成できる。
Yクロック信号についても同様の手法でポイント数を512×8192に調整した上で、これをIFFTすればよい。
また、例えば、上記の具体例のように一方を4倍したことに対応させて他方を1/4に低下させれば、その処理負担は、解像度の拡大を行わない通常のIFFTを行う場合と同等に抑えることができる。
上記のようなIFFTによってXクロック信号、Yクロック信号を得たうえで、それらから正のゼロクロス線の抽出を行う。
図37は、ゼロクロス線の抽出手法について説明するための図である。
先の解像度拡大処理により、Xクロック信号は、X方向の1行が8192個のサンプル値で形成され、このX方向の1行がY方向に512個で構成されることになる。同様に、Yクロック信号は、Y方向の1列が8192個のサンプル値で形成され、このY方向の1列がX方向に512個で構成されることになる。
図37(a)は、各行、各列のサンプル値を波形化して示している。つまり、Xクロック信号であれば、この図に示す波形の1つ1つがX方向の1行分のサンプル値を含むもとなり、これがY方向に512あることになる。またYクロック信号であれば、図の波形の1つ1つがY方向の1列分のサンプル値を含むものとなり、これがX方向に512あることになる。
図示するようにして、先の解像度拡大処理により、1データピクセルの周期に対応する波形の1周期内には、16個のサンプル値(サンプリング値)が存在することになる。
正のゼロクロス点の抽出は、具体的には直線補間を利用して行うものとしている。つまり、図中の破線丸印により示すように、各行又は各列の波形から負→正への極性変化点を挟む2点を見つけ、それら2点のサンプリング値を結ぶ直線と0レベルとの交点を正のゼロクロス点として抽出する。
また、Yクロック信号について各列で得られたそれぞれの正のゼロクロス点をそれぞれX方向に向けて結ぶと、図39に示すようなYクロック信号についての正のゼロクロス線が得られることになる。
なお、図38、図39においては、それぞれの正のゼロクロス線を実線により示し、また背景にはそれぞれ図35、図36に示したものと同様のXクロック信号の画像、Yクロック信号の画像を示している。
上記のような処理によってXクロック信号の正のゼロクロス線群、Yクロック信号の正のゼロクロス線群がそれぞれ求まるが、その結果は、次のように配列変数に格納する。
例えば、Xクロック信号については次の通りである。
clkx_timing(i, j):サイズは512×512で、実数変数。
意味:y=iの行の、左からj番目のXクロック信号の正のゼロクロス位置(実数)を示す。
つまり、Y座標は整数座標として、X方向クロックの正のゼロクロス位置を、整数ではない実数として保持する。このようにすることで、前記の解像度のY方向の減少と適合しつつ、精度についても問題なくX方向のタイミング線群を保持することができる。
clky_timing(i, j):サイズは512×512で、実数変数。
意味:x=jの列の、上からi番目の Yクロック信号の正のゼロクロス位置(実数)を示す。
これは、従来のストレージ装置でのPLL回路方式によるクロック再生方法で発生していた、サイクルスリップという現象が発生しないということを意味する。
各クロック信号のゼロクロス点を検出しながら、上記のようなデータ形式に格納する処理は、具体的には以下のようにして行うのが好ましい。
先ず、信号光エリアA2の中央位置と推定される位置付近で、ひとつのゼロクロス位置を見つける。そして、それを頼りに、上下又は左右にゼロクロス位置をたどるという処理を行う。
このようにして、ゼロクロス点の検出を中央付近から周囲に拡大していくようにして行えば、信号光エリアにおいてゼロクロス位置の前後左右の順序関係が一致するような正しいゼロクロス線群を、容易に確実に抽出することができる。これは、イメージセンサ11と信号光との関係を考えれば理解できる。
例えば、図41に示すようにて、イメージセンサ11の形状は正方形状であり、信号光エリアA2としては略円形状となるので、Xクロック信号として得られる画像において、その周囲の部分は信号光としての記録データをあまり反映せず、逆に濃淡値の低いべたの背景を反映したものとなることが予想できる。従って、Xクロック信号、Yクロック信号としての画像の周囲で得られるゼロクロス点としては、その信頼性が低いものとなっている可能性が高い。
そこで、上記のようにしてゼロクロス点の抽出を画像の中央付近から次第に拡大していくようにして行うことで、信号光エリアにおいてゼロクロス位置の前後左右の順序関係が一致するような正しいゼロクロス線群を、容易に確実に抽出することができる。
上記の処理により、Xクロック信号とYクロック信号の各ゼロクロス線群と、それらの各ゼロクロス線が画像内のX方向/Y方向の何番目に位置するか(具体的には512本中の何本目の線であるか)の情報が得られる。
あとは、それらXクロック信号の各ゼロクロス線群とYクロック信号の各ゼロクロス線群との交点(格子点)をそれぞれ求めることで、各データピクセルの位置を特定することができる。
上記のようにして各格子点によりデータピクセル位置(リサンプリング位置)が特定される。あとは、先の図26に示したアップコンバート後の画像上における、この格子点から特定されるリサンプリング位置の再生画像の濃淡値(振幅値)を取得すれば、SLM4のデータピクセル単位での振幅値が得られる。すなわち、これによって1×1のリサンプリングが完了する。
なお、このようにして特定されたリサンプリング位置の情報に基づく、各データピクセル位置での振幅値の取得処理は、先の図24に示したピクセル振幅値取得部32にて行われるものとなるが、これについては次項にて説明する。
続いては、次の図43により、上記により説明した第2の実施の形態としてのリサンプリング処理を実現するための、二次元クロック抽出・データピクセル位置特定部31の内部構成について説明する。
なお、この図43では、二次元クロック抽出・データピクセル位置特定部31の内部構成と共に、等化フィルタ22、及びピクセル振幅値取得部32、ページシンク位置合わせ部33、シンボル抽出部34も併せて示している。
この図43では、二次元クロック抽出・データピクセル位置特定部31による動作と共に、上記ピクセル振幅値取得部32、ページシンク位置合わせ部33、シンボル抽出部34による具体的な動作についても説明する。
また、Y絶対値処理部41yは、上記Y方向微分処理部40yによるY方向微分処理後の画像中の各値を絶対値化する処理を行って、その結果をY−FFT処理部42yに対して供給する。
この結果として、先の図30、図31に示したような解析結果が得られる。
またY−IFFT処理部45yも同様に、上記Y位相シフト処理部44yによって処理されたYクロック信号成分をIFFTすることで、Yクロック信号を得る。
なお、先の説明からも理解されるように、この場合のX−IFFT処理部45xでは、X方向の解像度が4倍、Y方向の解像度が1/4となるようにしてIFFTを行う。また、Y−IFFT処理部45yでは、Y方向の解像度が4倍、X方向の解像度が1/4となるようにしてIFFTを行う。
なお、先にも述べたように、ゼロクロス点の抽出は、先ずは信号光エリアA2の中心位置として推定される位置付近から行い、そこから徐々に周囲に拡大していくようにして行う。
ここで、上記のように各ゼロクロス線抽出部46にて配列変数による各ゼロクロス点の格納が行われた状態では、各行ごと及び各列ごとのゼロクロス点の集合のままであるが、このような各行ごと及び各列ごとのゼロクロス点の集合をゼロクロス線として扱うことができる。具体的には、各行ごと及び各列ごとに格納されたゼロクロス点の集合を直線補間して、各ゼロクロス線の情報を得る。
ゼロクロス線格子点抽出部47は、このような処理を行ってXクロック信号の各ゼロクロス線群、Yクロック信号の各ゼロクロス線群を得た上で、それらの各交点(各格子点)を抽出する。これら各格子点により、画像内におけるSLM4のデータピクセル単位での位置が求まる。すなわち、リサンプリング位置が求まる。
ピクセル振幅値取得部32は、上記二次元クロック抽出・データピクセル位置特定部31の処理結果として得られる各データピクセルの位置の情報と、等化フィルタ21から入力される画像信号(画像信号)とを入力し、上記画像信号中における各データピクセル位置での振幅値を取得する(1×1のリサンプリング)。
このような各データピクセル位置が求まった後の振幅値取得処理としては、サンプリング定理に基づいて2次元信号の補間を行えばよい。或いは、従来の画像処理の分野で一般的に行われている補間処理を行ってもよい。例えば、
・最近傍法(Nearest neighbor method)
・双線形補間法(Bi-linear interpolation method)
・3次補間法(Cubic convolution method)
・双3次スプライン法 (Bicubic spline method)
の何れかの補間処理によって行うことができる。
これらのうち、例えば最近傍法は、最もタイミングの近い読み出し信号をそのピクセルの振幅値として選択するもので、オーバーサンプリングレートが大きいときに有効である。この最近傍法は関数などに基づく計算処理が不要であるという点で、処理時間が短くできるというメリットがある。
また、3次補間法は、サンプリング定理に基づいて補間するときに使用する関数sin(x)/xの区分的3次多項式近似であり、処理負担は上記最近傍法より大であるが、高精度な結果が得られるというメリットがある。本例の場合、振幅値取得処理には、この3次補間法(単にCubic補間とも言う)を採用している。
上記により説明した第2の実施の形態としてのリサンプリング手法によれば、読み出し画像信号について2次元のフーリエ変換を行った解析結果から、第1の所定範囲内でのパワースペクトルのピーク部分と、第2の所定範囲内でのパワースペクトルのピーク部分とを抽出した結果に基づき、画像中のX方向のクロックの成分の波の周期と位相と方向を表す情報としてのXクロック信号(クロック情報)と、画像中のY方向のクロックの成分の波の周期と位相と方向を表す情報としてのYクロック信号(クロック情報)とをそれぞれ取得することができる。そして、これらXクロック情報とYクロック信号とに基づき、ホログラム記録媒体HMに記録されたホログラムページ中の各データピクセルの位置を特定することができ、その位置情報に基づき各データピクセルの振幅値を取得することができる。
また、上述のようにして、シンクとユーザデータの区別なく画像全体を利用してデータピクセル位置を特定することから、記録変調符号になんらの制限を加えるものではない。
これらのことから、第2の実施の形態によれば、記録フォーマット設計の自由度を格段に向上させることができる。
このことで、解析結果上で得られる各クロック信号成分のピークレベルがより確実に得られるようにすることができ、これによってクロック信号成分の誤検出を強固に防止することができる。
そこで、先に説明したようにページシンクによる位置合わせを行ってフォーマット上での位置を特定する(ページシンク位置合わせ部33)のであるが、このようなフォーマット上での位置合わせに必要なページシンクとしては、次の図44に示されるようにして1個のみとすることができる。
この図45に示すようにして複数個のページシンクを挿入した場合、ページシンク位置合わせ部33では、これら複数のページシンクを、場所は分散して配置されているけれどもそれらを統合して一体のページシンク(テンプレート)として扱い、相関演算によるテンプレートマッチングにより位置合わせを行う。
また、ページシンクを複数個挿入する場合、それらは統合されて一体としてページシンクとして機能するのであるから、個々のページシンクのパターンは、それぞれ異なるものとなっていても全く問題がない。一体としてのページシンクの相関特性をよくするために、意図的にそのようにすることもできる。
ここで、ページシンクが1つの場合は、そのシンクがダメージを受けた場合ページ全体の情報が復号できなくなる。これに対し、上記のようにしてページシンクを複数箇所に分散して設けた場合は、そのうちの幾つかがダメージを受けた場合でも、ページ位置合せ処理の結果に与える影響はないものとでき、ページ全体の情報を失うことがないというメリットがある。
第2の実施の形態としても、上記のようにして最終的なフォーマット上での位置を確認するためのページシンクは必要となるが、この場合の位置合わせ時には、既に各データピクセル位置が特定されて振幅値取得(リサンプル)も完了しており、位置合わせはこのリサンプルしたデータに対して行うので、シンク依存のデータピクセル位置特定を行う場合と比較すれば、シンクサイズを大きくする必要はない。つまりこの点でも、第2の実施の形態によればユーザデータの記録密度向上を図ることができるものである。
次の図46〜図49に、先に説明した第2の実施の形態としてのリサンプリング手法の有効性を実証するための実験結果を示す。
なお、これら図46〜図49に示す実験結果を得るにあたって設定した記録フォーマットは以下の通りである。
データ敷き詰めの最小単位=1シンボル(4ビット×4ビット=16ビット)
シンクサイズ=1シンボル
シンク間隔i_sper=48ピクセル
信号光エリアA2の半径i_rad=169ピクセル
なおこの場合、シンク間隔i_sperは先の第1の実施の形態の場合の2倍の間隔となり、ページ内のシンク配置数は大幅に減少することになる。ちなみに、この場合の1ページ内に敷き詰め可能な有効なデータ容量は5555シンボル(バイト)である。
なお、ここで言う「従来のリサンプリング手法」は、先の図19で説明した実験で従来手法としたものと同様であるとする。具体的には、最も近いシンクに基づき対象とするデータピクセルの位置を4×4の読み出し信号から選択し、その値を振幅値とする手法である。
また、図47は、第2の実施の形態のリサンプリング手法によりデータ再生を行った場合のページ内のエラー分布、SER(シンボルエラーレート)、SNR(S/N比)を示している。
これらの図において、ページ内のエラーは図中の白抜き四角により示しており、二重四角となっている部分については、その内枠がビット単位でのエラー(ビットエラー)を示し、外枠がシンボル単位でのエラー(シンボルエラー)を示している。
この場合、SERは704シンボル/5555シンボルで1.27E−001であった。またSNRは2.40であった。
この図では画像の縮小/拡大率を横軸にとり、エラー数(シンボルエラー数)を縦軸にとった上で、図中の破線により従来のリサンプリング手法を採用した場合の結果を示し、実線により第2の実施の形態のリサンプリング手法を採用した場合の結果を示している。
図示するようにして従来手法の場合は、拡大/縮小率が±1%程度のところで急激にエラー数が増加していることがわかる。すなわち、従来手法の拡大/縮小に対するマージンはおよそ±1%程度に止まる。
これに対し第2の実施の形態の場合は、拡大/縮小率がおよそ±9%程度のところまでエラー数がほとんど変化せず、従って拡大/縮小に対するマージンは従来よりも大幅に拡大されていることがわかる。
そして、これらの図に示す探索範囲とピーク部分とを参照すると、先の拡大/縮小マージンの数値(±9%程度)は、探索範囲によって決定付けられたものであることがわかる。すなわち、先に述べた本例の探索範囲(101×101)の設定に対しては、マージンが±9%程度となるものであり、これを換言すれば、探索範囲を拡大すればさらなる拡大/縮小マージンの拡大を図ることができるというものである。
このことは、先の図48の特性図において、従来手法の場合は拡大/縮小が生じた時点からエラー数の増加が顕著であるのに対し、第2の実施の形態の場合はマージン幅ぎりぎりまでエラー数の増加がほとんど生じていないことからも明らかである。
この図においても縦軸はエラー数(シンボルエラー数)であり、横軸が画像の回転角度となる。また、破線は従来のリサンプリング手法を採用した場合の結果を示し、実線が第2の実施の形態のリサンプリング手法を採用した場合の結果を示している。
図示するようにして回転に対するマージンついても、従来手法から大幅に改善されていることがわかる。従来手法の場合、回転が生じることに応じて直ちにエラー数の顕著な増加がみられ、回転角度が0.5度程度のところでエラー数が急激に上昇する特性となる。
これに対し第2の実施の形態の場合は、5度程度までエラー数はほぼ変化せず、従って回転に対するマージンは従来比でおよそ10倍程度拡大されることがわかる。
図示するようにして回転時において得られるピーク部分は、その周波数は変化せずに、画像の回転方向に応じた軸外の方向にシフトすることになる。このような現象より、解析結果上でのピーク部分の基準点からの軸外へのずれの方向と量が、それぞれ回転の方向、回転の角度を表すことが理解できる。
また、この図を参照しても、上述した5度というマージンの数値は、この場合に設定されたピーク探索範囲により制限されたものであるということがわかる。すなわち、回転に対するマージンとしても、探索範囲の拡大によってさらにその拡大を図ることができる。
〜変形例1〜
これまでの説明では、各データピクセル位置の特定にあたり、2次元FFTの解析結果からピーク部分を探索し、そのピーク部分をIFFTすることで2次元画像としてのクロック信号を得るものとしたが、このような2次元画像によるクロック信号を得ずともデータピクセル位置の特定を行うことができる。
先にも述べたように、ピーク部分の中心成分は、クロック信号をよく近似する単一平面波に対応し、その周期と位相と法線方向は、フーリエ領域上でのピーク位置と値(複素数)から定まる。すなわち、ピーク位置の原点からの距離が周波数であり、その逆数が周期となる。また、原点を基準としたピーク位置の方向が平面波の法線方向となる。またピーク位置での値(複素数)が平面波の位相を決定づける。従って探索の結果得られたピーク部分の中心成分の位置と値から、クロックの情報を得ることができる。
P(m, n)=P0+m*Lclky+n*Lclkx
但しm, nは整数である。
また、
P(m, n) : X方向でn番目、y方向でm番目のリサンプリング位置の座標、
P0 : リサンプリング位置座標の基準点、X方向のクロックとY方向のクロックとから求まる最適サンプル位置の解のひとつ(解は多数あるが、画像中央付近のものを選んでおき、m, nを整数にとるのが自然である)、
Lclkx : X方向のクロック(単一平面波)の基本周期ベクトル、
Lclky : Y方向のクロック(単一平面波)の基本周期ベクトル、
である。
なお、基本周期ベクトルとは、大きさが波長に等しく、方向が波の伝播方向に一致するベクトルである。
これによれば、データピクセル位置の特定にあたって比較的処理負担の大きいIFFT処理を行う必要がなくなるなど、計算処理負担は大幅に軽減することができる。
具体的な処理としては、先ず各領域ごとに2次元FFTを行い、それぞれの領域でピーク探索を行う。そして、領域ごとにピークの中心成分に基づいて上述の線形演算を行ってデータピクセル位置を特定することになる。
この場合もゼロクロス線群の抽出までは各領域で処理内容を同一とできるので、それらについて並列処理を行うハードウエア構成とすることで処理時間の短縮化を図ることができる。
変形例2は、周波数解析結果の低域成分を利用して、イメージセンサ11上の信号光の照射エリア(つまり有効な再生エリア)を大まかに位置決めするものである。第2の実施の形態では、タイミングパルス信号をFFTして周波数解析結果を得るが、この過程で、低域成分も得られる。これを流用して、低解像度画像を得て、それに基づき粗な位置決めを行うものである。
図52(a)は、周波数解析結果から得られた低域成分をIFFTして得られる低解像度画像を示す。なお、図52(a)では、一例として2次元FFTの結果の周波数成分が3以下のものを抜き出して、IFFTにより64×64サイズの画像としたものを示している。
画像サイズが小なので、ここで必要な計算量は全体から見ればわずかである。
この環状テンプレートとしては、その最外周の環状部分の値が「−1」(図中黒色部分)、その内側に隣接する環状部分の値が「+1」(図中白色部分)、それ以外の値はすべて「0」(図中グレー部分)としている。信号光エリアA2の形状が略円形であるので、その濃淡画像のエッジ部分のみで位置合わせを行い、内部の記録データに応じた濃淡値のムラには影響を受けないようにすることを狙っている。
先ず、1つには、ページシンク検出時に利用することが考えられる。すなわち、上記位置決め部で特定された位置情報に基づいて、ページシンク位置合わせ部33がページシンクの探索範囲を設定するようにする。
有効な再生エリアのおおまかな位置がわかっていれば、ページシンク検出のための探索範囲は、その位置情報に基づきより狭い範囲に限定することができる。このため、よりロバストになり、また計算量の削減を図ることができる。
先の説明によれば、ゼロクロス点の抽出時には先ず信頼できる中心付近のゼロクロス点から抽出を開始することになるが、予め有効な再生エリアの位置が特定されていれば、その位置情報に基づきおよその中心位置が求まるので、その位置付近からゼロクロス点の抽出を開始すればよい。具体的には、上述した位置決め部で特定された位置情報に基づき、Xゼロクロス線抽出部46x、Yゼロクロス線抽出部46yのそれぞれがゼロクロス点の抽出を開始するように構成する。
続いて、変形例3について説明する。
先の説明によれば、2次元FFTの解析結果からピーク部分の探索を行う際、Xクロック信号成分抽出部43x、Yクロック信号成分抽出部43yとがそれぞれ独立してピーク探索を行う場合を例示したが、X方向とY方向とのピークを探索する際には、直交する関係にあるそれぞれの成分に基づき、X方向とY方向のピーク探索を総合的に行うようにすることもできる。
ここで、そもそも本例の場合、SLM4のピクセルは512×512であることから、X方向のクロックとY方向のクロックとの関係としては、その周波数はfx=fy=512でほぼ同じであり、また画像の微少な変動による影響は受けるものの、それらの平面波の波面の法線ベクトルはほぼ直交した関係にあることになる。
そこで、「X方向のクロックとY方向のクロックは、それぞれ周波数は同一で、波の向きは直交している」という拘束条件を課し、そのような拘束条件を満たすX方向の探索範囲の点とY方向の探索範囲での点の組ごとに、総合的にパワースペクトルの評価を行い、その評価値の最大を与える各点をX方向探索範囲内のピークとY方向探索範囲内のピークとしてそれぞれ取得する。
そこで、上記により求めたそれぞれのピークは仮のピークであるとし、この仮のピーク位置を基準として設定したより狭い範囲内で再度、X方向とY方向それぞれ独立してより詳細なピーク探索を行ってその結果を最終的なX方向探索範囲内、Y方向探索範囲内のピークとして取得する。
先ず、上記の拘束条件を満たすX方向探索範囲内、Y方向探索範囲内の各点の組み合わせについて、パワースペクトルの検出を行う順序を予め定めておく。Xクロック信号成分抽出部43x、Yクロック信号成分抽出部43yのそれぞれでは、その順序に従ってそれぞれの探索範囲内の点のパワースペクトルを検出する。その上で、これらクロック信号成分抽出部43の何れか一方、或いは別途新たに設けたピーク判定部が、上記のようにして得られる各点のパワースペクトルに基づく評価値を計算し、最終的に評価値を最大とした組み合わせをX方向探索範囲内のピーク、Y方向探索範囲内のピークとして取得する。
変形例4は、微分処理に改良を加えるものである。
これまでの説明では、微分処理はそれぞれアップコンバート後の画像を分岐させてX方向微分、Y方向微分を分けてそれぞれ独立したタイミングパルス信号としての画像を得るようにしたが、これらX方向微分とY方向微分とをアップコンバート後の共通の画像に対して同時に行うこともできる。
また、この図において既に先の図43にて説明した部分については同一符号を付して説明を省略する。
この場合、図43に示したX方向微分処理部40x、Y方向微分処理部40y、X絶対値処理部41x、Y絶対値処理部41y、X−FFT処理部42x、Y−FFT処理部42yは省略され、代わりにSobelオペレータ処理部50、FFT処理部51が設けられる。
なお、Sobelのオペレータについては次の文献にも記載されている。
・「画像認識論」長尾真、コロナ社、昭和58年2月15日初版
この図から、Sobelのオペレータ処理によると、X方向のエッジとY方向のエッジとが融合されている画像が得られることがわかる。このことは、この図55と、先の図28、図29に示したX方向タイミングパルス信号、Y方向タイミングパルス信号の画像とを照らし合わせてみるとよく理解できる。
このようにしてSobelのオペレータ処理結果を2次元FFTすると、同一のフーリエ面上におけるX軸近傍とY軸近傍において、それぞれ設計上予想される位置に明瞭にピークが存在していることがわかる。このことから、Sobelのオペレータ処理結果を2次元FFTした解析結果から、X方向クロック信号成分とY方向クロック信号成分を問題なく抽出できることが理解できる。
なお、この変形例4の手法は、X方向とY方向とで相互に信号が妨害する要因は増すことになるが、タイミングパルス信号は基本的には直交する位置関係にあるので、概ね問題ないと考えられる。
これまでの説明では、タイミングパルス信号の生成にあたっては微分処理・非線形処理(絶対値処理)の双方を行うものとしたが、タイミングパルス信号としては、微分処理を行わずに非線形処理のみを行って生成することもできる。
ここで、微分処理を行えば、クロック成分に伴うエッジを強調してより確実なクロック信号抽出を促すことができるが、周波数領域にてクロック信号成分を引き出す本質は、非線形処理によってスペクトルを画像に応じて広範に広げるところにあることから、非線形処理のみによってタイミングパルス信号を生成することで、先に説明した具体例の場合とほぼ同等のクロック信号抽出を行うことができる。
また、図58には、この絶対値処理後の画像についての2次元FFTによる解析結果を示している。この図58と先の図56とを比較してわかるように、絶対値処理のみを行った場合としても、微分処理を行う場合と同様にX軸近傍・Y軸近傍のそれぞれの基準点を中心としてパワースペクトルのピークが得られる。
変形例6は、タイミングパルス信号生成のための明示的な非線形信号処理(微分し絶対値をとる処理など)を一切行わずに、アップコンバート後の画像をそのままタイミングパルス信号として扱うものである。
ここで、これまでの説明によると、X方向、Y方向の各タイミングパルス信号としては、アップコンバート後の画像について絶対値処理(非線形処理)がされることでX方向、Y方向のエッジが強調される。但し、そのような明示的なエッジ強調処理を行わなくても、システムに潜む非線形性を利用して、クロック信号成分の抽出を行うことができる。
例えば2次元受光素子のγ特性をはじめとして、記録再生系には光学的および電気的に非線形な入出力特性が内在するので、読み取り信号をそのまま周波数解析しても、クロック信号成分を抽出することができる。
なお、ここで言う「非線形性」とは、ホログラム記録媒体HMに記録された位相情報を再生できないという意味での非線形性とは異なるものである点を注意しておく。
これらの図を参照すると、アップコンバート後の画像をそのまま2次元FFTした場合は、もとの再生画像を反映して種々の周波数成分が含まれ、ピークが多数存在していることが確認できる。但し、よく観察してみると、それぞれのクロック信号成分が、それぞれ在るべき位置に弱いながらも存在していることが確認できる。
例えば、システムの設計を非常に厳しくでき、画像の変動が非常に小さい場合等には、ピークの探索範囲はより狭めることができる。従ってそのような条件が満たされる場合には、変形例6による手法を好適に適用することができる。
これまでの説明から理解されるように、クロック信号成分の抽出にあたっては、2次元FFTを行うが、2次元のFFTは、行と列方向に1次元FFTを繰り返し実行することにより実現することができる。この手法は行−列分解法として知られている。
1次元FFTの計算量のオーダーはN・log(N)である。上記のようにして通常の行−列分解法は1次元FFTを行でN回、列でN回行うことから合計2N回の1次元FFTを行うことになるので、2次元FFTの計算量のオーダーは合計で2N2Log(N) となる。
そこで、次の図63に示されるようにして、X方向、Y方向の何れか一方のみについては、必要とされる範囲内でのみ1次元FFTを行う。
図63(a)は、Xクロック信号成分の探索範囲とYクロック信号成分の探索範囲とを示しているが、クロック信号成分の抽出時に必要な解析結果は、これらの部分のみとなる。従って図63(b)に示すように、例えばX方向については各行で1次元FFTを行った後、Y方向については、それぞれの探索範囲が含まれる列についてのみ1次元FFTを行う。
また、上記変形例7としての手法は、例えばDFTなどのFFT以外の他のフーリエ変換手法を採用する場合にも適用できる。
また、ここで言う「フーリエ変換」とは、例示したFFTに限定されるべきものではなく、2次元のベクトル・ラディックスFFTや、さらにはFFTのみならずDFTを定義通りに計算する方法、フィルタバンクを構成して周波数成分に分解する方法など、周波数解析を行うあらゆる手法を包含するものであるとする。
なお、これまでの説明では、アップコンバートや微分の処理を個別のステップに分けて説明したが、これはあくまでもアルゴリズムを説明する上で分かりやすくするために配慮したものであって、これに限定されるものではない。
例えば、説明したアルゴリズムの一部は、周波数領域においてより計算量を少なくして行うことができる。この点に関しては実際のシステムに応じて適宜、計算量が削減できる手法を選択すればよい。
具体例を挙げると、例えば微分処理は、周波数領域にて行うこともできる。微分処理は線形フィルタであり、畳み込み演算で表される。畳み込み演算は、周波数領域においては各周波数成分毎に積をとることと等しく、計算量も少なくてよいことは周知である。また、微分処理はあらかじめ畳み込んでおけるから、その分も計算量を削減できる。
また、例えばアップコンバート処理も、周波数領域において、サイズを拡張してゼロで埋めればよいことは周知である。
このようなことを組み合わせて、予め計算できることはしておき、周波数領域で演算を行うことにより計算量のさらなる削減を図ることができる。
但し、フィルタのタップ数が少ない場合には、実画像領域で畳み込みを行う方が計算量が小となることもあるので、適宜選択すればよい。
このような手法によってもクロックを抽出することができるが、絶対値処理を行う場合のように正と負のエッジの両方を利用することにより得られるメリットが失われることになる。すなわち、絶対値処理を行っておけば、クロック信号が正と負のエッジの両方にフィットするように抽出されるので、サンプル位置がどちらかに偏ったりせずに、正と負のエッジ位置のずれの偏りが中和されたものとして精度よく位置特定を行うことができるが、上記手法によるとこの点での精度に欠けるものとなってしまう。
また、絶対値処理を行った場合、エッジ情報の量が相対的に2倍になるので、クロック信号成分の強度が大となりS/N比が向上するという効果も得られる。
以上、本発明の各実施の形態について説明したが、本発明としてはこれまでに説明した例に限定されるべきものではない。
また、このようなシンクの検出時には必ず対象とするシンクも含めた複数のシンクを用いるものとしたが、対象とするシンク以外のその周囲の複数のシンクのみを用いて上記対象とするシンクの検出を行うこともできる。
何れにしても第1の実施の形態のシンク検出については、対象とするシンクの位置を基準として選出した複数のシンクの位置に基づいて上記対象とするシンクの位置を検出するものとすれば、シンクの割合の低下によるシンク位置検出精度の低下を抑制することができる。
その場合、対象とするデータピクセルの位置の周囲四方のいずれかのシンクがないときには、例えば四方のうち存在するすべてシンクの位置に基づいて対象とするデータピクセルの位置を計算するものとすればよい。或いは、対象とするデータピクセルの位置に直近のシンク位置のみに基づいてデータピクセルの位置の計算を行うなどの手法を採ることもできる。
また、スパース符号化が行われる場合には、相関検出方式として、リサンプリングにより得た1シンボル分の各ピクセルの振幅値と、1シンボルのデータパターンとして生じ得る全データパターン(振幅値で表したもの)との相関計算を行い、そのうち相関値が最も大きかったデータパターンをそのシンボルのデータパターンとして検出するといったこともできる。
2光束方式の場合、記録時には、参照光と信号光とをそれぞれ異なる角度でホログラム記録媒体HMに照射するが、再生時については、実施の形態のようにコヒーレント光を参照光と同軸に配置して読み出しを行うことに変わりはない。すなわち、2光束方式の場合において、実施の形態の記録再生装置1のように記録と再生が可能な装置構成とするときには、図1の構成と比較して、記録時に信号光を生成するための第1のレーザダイオードと強度・位相変調が可能な第1のSLMの組と、参照光を生成するための第2のレーザダイオードと強度・位相変調が可能な第2のSLMの組とを別々に設け、さらにそれぞれで生成される信号光・参照光を別々の角度でホログラム記録媒体HMに導くように光学系を変更するという点で異なることになる。但し、再生時についてのみ見れば、参照光を生成するためのSLMを用いて同軸上に参照光とコヒーレント光とを生成する点では実施の形態の場合と同様の構成となる。
また、この説明からも理解されるように、再生専用の装置構成とする場合には 図1に示した再生系の構成と同様の構成とすればよいことになる。
また、強度変調器としては実施の形態で例示した透過型の液晶パネルとする以外にも、反射型の液晶パネルとすることもできる。
Claims (20)
- 画素単位の光強度差の情報によってビットデータが配列された信号光と、参照光とが干渉して上記信号光に応じたホログラムページが記録されたホログラム記録媒体について再生を行う再生装置であって、
上記ホログラム記録媒体に記録された上記ホログラムページについての再生像を得るにあたって照射されるべき上記参照光を生成する参照光生成手段と、
強度が上記再生像の振幅の最小値の絶対値よりも大きく、位相が上記再生像内の基準位相と同位相となるコヒーレント光を生成するコヒーレント光生成手段と、
入射像を画素単位で受光して画像信号を得るイメージセンサと、
上記参照光を上記ホログラム記録媒体に導くと共に、上記参照光の照射に応じて上記ホログラム記録媒体から得られる上記再生像と、上記コヒーレント光とを上記イメージセンサに対して導くように構成された光学系とを備え、且つ、
上記再生像中において1データビット分の情報を表す1データピクセル分の像を上記イメージセンサ側の何画素分の領域で受光するかの割合を表すオーバーサンプリングレートが、少なくとも1よりも大となるようにして上記イメージセンサの画素数及び上記光学系が調整されていると共に、
上記イメージセンサによる受光動作に基づき得られた画像信号を入力し、該画像信号を構成する各値の平方根を計算する平方根計算手段と、
上記平方根計算手段による平方根計算結果としての画像信号から上記コヒーレント光の成分を除去する除去手段と、
上記除去手段による除去処理後の画像信号から上記再生像に含まれる各データピクセルの位置を特定するピクセル位置特定手段と、
上記ピクセル位置特定手段により特定された各データピクセルの位置の情報に基づき、上記画像信号中における各データピクセル位置での振幅値を取得するピクセル振幅値取得手段と、
上記ピクセル振幅値取得手段により取得された各データピクセル位置での振幅値に基づき、記録データを再生する再生手段と
を備える再生装置。 - 請求項1に記載の再生装置において、
上記除去手段は、
上記平方根計算結果から上記コヒーレント光の強度に応じた値を減算して上記コヒーレント光の成分を除去する。 - 請求項2に記載の再生装置において、
上記ホログラムページ内には、所定の複数位置に対して所定データパターンによるシンクデータが挿入されており、
上記ピクセル位置特定手段は、
上記除去手段による除去処理後の画像信号中における上記所定データパターンと相関性を有する位置を探索して上記画像信号中における各シンクデータの挿入位置を特定すると共に、該特定した各シンクデータの位置に基づいて各データピクセルの位置を特定する。 - 請求項3に記載の再生装置において、
上記ピクセル位置特定手段は、
各シンクデータの挿入位置を特定するにあたり、特定対象とするシンクデータの挿入位置を基準として選出した複数のシンクデータを上記画像信号中における所定範囲内にて一体的に動かしたときの各シンクデータ位置での相関性検出を行い、その結果最も相関性を有するとされた位置を上記特定対象とするシンクデータの挿入位置として特定する。 - 請求項4に記載の再生装置において、
上記画像信号中に含まれるすべてのデータピクセルの位置が四方から上記シンクデータに囲まれるようにして上記シンクデータを外挿するシンク外挿手段をさらに備える。 - 請求項5に記載の再生装置において、
上記ピクセル位置特定手段は、
特定対象とするデータピクセルの位置を取り囲む4つのシンクデータの位置と、上記記録フォーマットから推定される上記特定対象とするデータピクセルの位置とに基づく線形補間を行って、上記特定対象とするデータピクセルの位置を特定する。 - 請求項6に記載の再生装置において、
上記ピクセル振幅値取得手段は、
対象とするデータピクセル位置の振幅値を、該対象とするデータピクセル位置を取り囲む4つの位置の振幅値を用いた線形補間により計算して取得する。 - 請求項2に記載の再生装置において、
上記ピクセル位置特定手段は、
上記除去手段による除去処理後の画像信号中に含まれる二次元クロック情報を抽出した結果に基づき、各データピクセル位置の特定を行う。 - 請求項8に記載の再生装置において、
上記ピクセル位置特定手段は、
上記除去手段による除去処理後の画像信号について2次元的なフーリエ変換を行って、上記画像信号中に含まれる平面波要素について周波数解析を行う解析処理と、
上記解析処理による解析結果に対して、第1の所定範囲内と第2の所定範囲内でそれぞれパワースペクトルのピーク部分の探索を行い、上記第1の所定範囲内で検出されたピーク部分に基づき特定される平面波の周期と位相と法線方向とを表す第1方向クロック情報と、上記第2の所定範囲内で検出されたピーク部分に基づき特定される平面波の周期と位相と法線方向とを表す第2方向クロック情報とを取得するクロック情報取得処理と
を行った上で、上記第1方向クロック情報と上記第2方向クロック情報とに基づき、上記画像信号中における各データピクセルの位置を特定する。 - 請求項9に記載の再生装置において、
上記除去手段により上記コヒーレント光の成分が除去された画像信号に対して微分処理を施す微分処理手段と、
上記微分処理手段により微分処理された上記画像信号に対して非線形処理を施す非線形処理手段とをさらに備え、
上記ピクセル位置特定手段による上記解析処理では、
上記非線形処理手段による非線形処理後の上記画像信号に対して上記2次元的なフーリエ変換を行う。 - 請求項10に記載の再生装置において、
上記非線形処理手段は、
上記非線形処理として、上記画像信号の絶対値をとる、又は2乗値をとる処理を実行する。 - 請求項11に記載の再生装置において、
上記ピクセル位置特定手段は、
上記クロック情報取得処理として、
上記第1の所定範囲内で検出されたピーク部分に基づく成分に対して逆フーリエ変換を行って実画像に変換した第1方向2次元クロック画像を上記第1方向クロック情報として取得し、また、上記第2の所定範囲内で検出されたピーク部分に基づく成分に対して逆フーリエ変換を行って実画像に変換した第2方向2次元クロック画像を上記第2方向クロック情報として取得すると共に、
上記第1方向2次元クロック画像が表す第1方向の周期ラインと、上記第2方向2次元クロック画像が表す第2方向の周期ラインとを抽出し、各周期ラインが交わる各格子点を求めた上で、それら各格子点の位置に基づいて各データピクセルの位置を特定する。 - 請求項12に記載の再生装置において、
上記ピクセル位置特定手段は、
上記クロック情報取得処理として、
上記第1の所定範囲内で検出されたピーク部分の中心成分とその近傍成分とを含めた成分に対して逆フーリエ変換を行って得られた実画像を上記第1方向2次元クロック画像として取得し、また、上記第2の所定範囲内で検出されたピーク部分の中心成分とその近傍の成分とを含めた成分に対して逆フーリエ変換を行って得た実画像を上記第2方向2次元クロック画像として取得すると共に、
上記第1方向2次元クロック画像が表す第1方向の周期ラインと、上記第2方向2次元クロック画像が表す第2方向の周期ラインとを抽出し、各周期ラインが交わる各格子点を求めた上で、それら各格子点の位置に基づいて各データピクセルの位置を特定する。 - 請求項13に記載の再生装置において、
上記微分処理手段は、
上記除去手段により上記コヒーレント光の成分が除去された画像信号について、それぞれ第1方向微分処理と第2方向微分処理とを行い、
上記非線形処理手段は、
上記第1方向微分処理後の画像信号に対して非線形処理を施す第1方向非線形処理と、上記第2方向微分処理後の画像信号に対して非線形処理を施す第2方向非線形処理とを行い、
上記ピクセル位置特定手段は、
上記解析処理として、
上記非線形処理手段による上記第1方向非線形処理後の画像信号と上記第2方向非線形処理後の画像信号とについて、それぞれ個別に上記2次元的なフーリエ変換を施し、
さらに上記クロック情報取得処理として、
上記解析処理により得られた上記第1方向非線形処理後の画像信号についての解析結果に基づき上記第1方向クロック情報を取得し、上記解析処理に得られた上記第2方向非線形処理後の画像信号についての解析結果に基づき上記第2方向クロック情報を取得する。 - 請求項14に記載の再生装置において、
上記ホログラムページ内には、ページシンクとしての予め定められた所定のデータパターンが挿入されており、
上記再生手段は、
上記ピクセル振幅値取得手段により取得された各データピクセルの振幅値と上記ページシンクとしての所定のデータパターンとに基づいて上記画像信号中における上記ページシンク位置の探索を行った結果に基づき、各データピクセルの記録フォーマット上での位置を特定すると共に、該特定した各データピクセルの記録フォーマット上での位置の情報と各データピクセルの振幅値の情報とに基づき、記録されたデータを再生する。 - 請求項15に記載の再生装置において、
上記ページシンクは複数挿入されており、
上記再生手段は、
それら複数のページシンクを一体のページシンクとして探索を行った結果に基づき各データピクセルの記録フォーマット上での位置を特定する。 - 請求項16に記載の再生装置において、
上記ピクセル位置特定手段による上記クロック情報取得処理では、
上記信号光の生成にあたり画素単位による空間光変調を施した空間光変調器のX方向とY方向の画素数と、上記イメージセンサにおけるX方向とY方向のサンプリングレートとに基づいてそれぞれ推定されるX方向のクロック周波数、Y方向のクロック周波数を基準としてそれぞれ設定された上記第1の所定範囲内と上記第2の所定範囲内において、それぞれクロック情報を得るためのピーク部分の探索を行う。 - 請求項17に記載の再生装置において、
上記ピクセル振幅値取得手段は、
上記ピクセル位置特定手段により特定されたデータピクセルの位置の周辺の値を用いた補間処理を行って各データピクセルの振幅値を計算により取得する。 - 請求項3又は請求項8に記載の再生装置において、
上記除去手段により上記コヒーレント光の成分が除去された画像信号を線形補間により所定倍率にアップコンバートするアップコンバート手段をさらに備える。 - 画素単位の光強度差の情報によってビットデータが配列された信号光と、参照光とが干渉して上記信号光に応じたホログラムページが記録されたホログラム記録媒体についての再生を、入射像を画素単位で受光して画像信号を得るイメージセンサを用いて行う再生方法であって、
上記ホログラム記録媒体に記録された上記ホログラムページについての再生像を得るにあたって照射されるべき上記参照光を生成する参照光生成手順と、
強度が上記再生像の振幅の最小値の絶対値よりも大きく、位相が上記再生像内の基準位相と同位相となるコヒーレント光を生成するコヒーレント光生成手順と、
上記参照光生成手順により生成した上記参照光が照射されることに応じて上記ホログラム記録媒体から得られる上記再生像と、上記コヒーレント光生成手順により生成した上記コヒーレント光とを、上記再生像中において1データビット分の情報を表す1データピクセル分の像を上記イメージセンサ側の何画素分の領域で受光するかの割合を表すオーバーサンプリングレートが少なくとも1よりも大となる状態で上記イメージセンサにより受光する受光手順と、
上記受光手順により上記イメージセンサで得られた画像信号を入力し、該画像信号を構成する各値の平方根を計算する平方根計算手順と、
上記平方根計算手順による平方根計算結果としての画像信号から上記コヒーレント光の成分を除去する除去手順と、
上記除去手順による除去処理後の画像信号から上記再生像に含まれる各データピクセルの位置を特定するピクセル位置特定手順と、
上記ピクセル位置特定手順により特定した各データピクセルの位置の情報に基づき、上記画像信号中における各データピクセル位置での振幅値を取得するピクセル振幅値取得手順と、
上記ピクセル振幅値取得手順により取得した各データピクセル位置での振幅値に基づき、記録データを再生する再生手順と
を備える再生方法。
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