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JP4522569B2 - 熱処理方法 - Google Patents

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JP4522569B2
JP4522569B2 JP2000334259A JP2000334259A JP4522569B2 JP 4522569 B2 JP4522569 B2 JP 4522569B2 JP 2000334259 A JP2000334259 A JP 2000334259A JP 2000334259 A JP2000334259 A JP 2000334259A JP 4522569 B2 JP4522569 B2 JP 4522569B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は薄膜製造方法に関し、特に、半導体の配線膜となる金属薄膜の熱処理技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、半導体の配線膜の製造方法として、基板表面に電解メッキにより配線膜となる銅薄膜を形成する電解メッキ法が用いられている。
電解メッキ法により形成された銅薄膜を室温に放置した場合、時間の経過と共に、銅薄膜中で銅の結晶粒が成長する現象(セルフアニ−リング現象)が知られており、結晶粒が成長するとともに、銅薄膜の抵抗値は低下し、通常、100時間程度室温に放置すると、配線膜の抵抗値が銅本来の抵抗値とほぼ等しくなる。
このような配線膜はアルミニウムから成る配線膜に比べ、エレクトロマイグレーションの寿命が10倍以上長いという長所がある。
【0003】
しかしながら、配線膜中の結晶粒が経時的に成長することは、半導体を製造する上で好ましくない。
そこで、特開平2000−77527で公知のように、一般には基板表面に電解メッキ法によって銅薄膜を形成した後、全体を加熱して銅薄膜中の結晶粒を成長させる熱処理が行われている(特開平2000−77527)。
【0004】
図6の符号100は、このような銅薄膜の熱処理に用いられる熱処理装置を示している。
この熱処理装置100は石英チューブ113を有しており、この石英チューブ113の周囲には、石英チューブ113を加熱する加熱機構115が配置されている。また、石英チューブ113には不図示の真空ポンプが接続されており、この真空ポンプによって石英チューブ113内が真空排気されるよう構成されている。
【0005】
このような熱処理装置100を用いて処理対象物を加熱するには、先ず、石英チューブ113内を真空排気しながら、加熱機構115を用いて石英チューブ113内を所定温度まで昇温させる。
次いで、処理対象物を複数枚石英ボートに搭載し、石英チューブ113の真空雰囲気を維持したまま、石英ボートを石英チューブ113内に搬入する。
【0006】
図6の符号110は石英ボートと共に石英チューブ113内に搬入された処理対象物を示しており、同図111はその石英ボートを示している。
処理対象物110はその表面に電解メッキ法によって形成された銅薄膜を有しており、結晶粒の成長速度は温度が高いほど速いので、処理対象物110が石英チューブ113内で所定温度まで加熱されると、銅薄膜の結晶粒が短時間で成長する。
【0007】
しかしながらウェーハ110を加熱すると、ウェーハ110の基板や配線膜の表面、及び、真空槽113内壁に吸着した水分が蒸発し、蒸発した水分によって配線膜が酸化される。
【0008】
ウェーハ110を加熱する前に、予め、真空槽113内に窒素やアルゴンなどの不活性ガスを導入しておけば、配線膜の酸化をある程度抑制することが可能であるが、加熱温度が高温(数百℃)の場合には、不活性ガスが導入されていても、吸着水分によって配線膜表面が酸化されてしまう。
特に、電解メッキ法で配線膜となる銅薄膜を形成した場合には、ウェーハ110の表面に多量の水分が付着しているため、銅薄膜の酸化がより深刻になる。
【0009】
銅薄膜の酸化を防止するためには、水素のような還元性の高いガスを真空槽113内に導入して加熱処理を行い、銅薄膜表面に生じる酸化銅を還元する方法が容易に考案される。しかしながら、一旦酸化された後還元された部分はそうでない部分に比べて、結晶粒の成長が遅くなるため、銅薄膜の結晶粒サイズが一定にならないという問題がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記従来技術の不都合を解決するために創作されたものであり、配線膜表面の酸化を防止し、且つ、熱処理を迅速に行うことを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は基板を加熱する加熱条件として、真空槽内の水分分圧と加熱温度に着目し、これらの加熱条件と酸化との関係について実験調査を行った。
図3はその結果を示しており、縦軸は水分分圧(Pa)を、横軸は温度(℃)をそれぞれ示している。図2の直線Lは銅薄膜表面が酸化される境界を示しており、基板を200℃に加熱した場合には、水分分圧が5×10-5Pa以下でないと、銅薄膜表面が酸化されてしまうことが判明した。
【0012】
更に、本発明者等は電解メッキ法により形成された膜厚400nmの銅薄膜を異なる加熱温度で30分間加熱し、加熱後の結晶粒の成長を観察した。
図4はその結果を示しており、加熱温度200℃以下、加熱時間30分の条件では、結晶粒が殆ど成長しないことが確認された。
【0013】
本発明は上記知見に基づいて創作されたものであり、請求項1記載の発明は 表面に、電解メッキ法により形成された銅薄膜からなる金属薄膜を有する処理対象物を加熱する熱処理方法であって、前記処理対象物が置かれた雰囲気を真空排気、又は、置換しながら、前記処理対象物を100℃以上200℃未満の範囲にある第一の加熱温度まで昇温させる第一の加熱工程と、前記処理対象物の温度が前記第一の加熱温度である状態で、前記処理対象物の置かれた雰囲気の水分分圧を測定する測定工程と、前記水分分圧の測定値が×10-5Pa以下になった後、前記処理対象物を200℃以上の第二の加熱温度まで昇温させる第二の加熱工程とを有する熱処理方法である。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の熱処理方法であって、前記処理対象物の置かれた雰囲気の圧力が1Pa以下である熱処理方法である。
請求項3記載の発明は、請求項1記載の熱処理方法であって、前記処理対象物の置かれた雰囲気は、不活性ガスが充填され、前記不活性ガスによって前記雰囲気の圧力が1気圧以下にされた熱処理方法である。
請求項4記載の記載の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の熱処理方法であって、前記第一の加熱工程が第一の処理室内で行われ、前記第二の加熱工程は、前記第一の処理室とは別の第二の処理室で行われ、前記処理対象物は前記第一の処理室と前記第二の処理室との間を大気にさらされないで搬送される熱処理方法である。
請求項5記載の発明は、請求項4記載の熱処理方法であって、前記第一の処理室は前記処理対象物を大気雰囲気中から搬入する搬出入室である熱処理方法である。
請求項6記載の発明は、請求項5記載の熱処理方法であって、前記処理対象物を前記第一の処理室に搬入する前に、前記第一の処理室に予め窒素ガスを充填させておく熱処理方法である。
【0014】
本発明は上記のように構成されており、本発明の熱処理方法によれば、先ず、第一の加熱工程で処理対象物が第一の加熱温度まで昇温される。
第一の加熱温度は100℃以上200℃以下の範囲にあり、第一の加熱工程で処理対象物を処理する雰囲気が1気圧にされている場合でも、水分の蒸発が起こるので、第一の加熱工程で処理対象物から水分を除去することができる。
【0015】
また、上記図4のグラフに示したように、200℃以下では銅の結晶粒の成長速度が極端に遅いので、第一の加熱工程で銅薄膜の酸化還元反応が起こるような場合でも、銅薄膜に結晶粒が成長した部分とそうでない部分が生じることがない。
【0016】
また、第一の加熱工程で、処理対象物が置かれる雰囲気は真空排気されており、処理対象物から蒸発した水分は真空排気によって除去されるので、その雰囲気の水分分圧が上昇しない。
【0017】
従って、第一の加熱工程後、処理対象物は水分分圧が十分に低い(水分分圧
5×10-5Pa以下)雰囲気に置かれており、この状態で処理対象物を第一の加熱温度よりも高い温度に昇温させれば(第二の加熱工程)、処理対象物の銅薄膜が酸化されることなく結晶粒が均一に成長するので、結晶粒の平均粒子径が均一な銅薄膜を得ることができる。
【0018】
第一、第二の加熱工程での雰囲気が1Pa以下となるように、真空排気の排気速度を大きくすると、処理対象物から脱離した水分が再吸着することなく、速やかに処理雰囲気から除去される。
また、第一、第二の加熱工程が行われる雰囲気が、それぞれ不活性ガスが充填されている場合も、同様の効果が得られる。
【0019】
本発明では、金属の酸化反応を阻害するガスを不活性ガスと定義している。即ち、本発明では、一般に不活性ガスと称される希ガスだけでは無く、窒素ガスのような反応性の低いガスや、水素などの還元性の高いガスも用いることができる。この場合、不活性ガスとして水分を殆ど含まないものを用いることが好ましく、例えば、処理対象物が置かれる雰囲気に不活性ガスを充填した場合、その水分分圧が5×10-5Pa以下になるものが適している。
【0020】
第一の処理室を搬出入室として用い、第一の処理室に処理対象物を搬入後、所定の真空度まで真空排気後、第二の処理室へ処理対象物を移送するようにすれば、第二の処理室を常に真空雰囲気に維持しておくことができる。
この場合、第一の加熱工程を、第一の処理室で行えば、より効率良く処理対象物を加熱処理することができる。
尚、第二の加熱温度は第一の加熱温度以上の温度であれば良いが、処理対象物が銅薄膜を有する場合は、200℃以上であることが望ましい。
【0021】
第二の加熱温度の上限は、本発明では特に限定されるものでは無い。第二の加熱温度は、熱処理の目的に応じて異なり、例えば、シリコン基板表面に形成されたチタン薄膜を熱処理によってシリサイド化させるような場合には、第二の加熱温度が600℃以上であることが好ましい。
【0022】
また、半導体のウェーハ表面には、通常、樹脂から成る絶縁層が形成されている場合もあり、このような絶縁層は500℃以上に加熱されると劣化するので、半導体ウェーハを熱処理するような場合には、第二の加熱工程の温度を500℃未満にすると良い。
【0023】
また、処理対象物が加熱される雰囲気の水分分圧は5×10-5Pa以下に限定されるものでは無く、処理対象物が銅薄膜を有する場合は、加熱される雰囲気の水分分圧が、加熱温度に対して、上記図3のグラフに示した「酸化の無い領域」にあれば良い。
しかしながら、第二の加熱工程で処理対象物が置かれる雰囲気の水分分圧は5×10-5Pa以下、より好ましくは、1×10-5Pa以下の範囲にあることが好ましい。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明者等は、直径20.32cmの円板状のシリコン基板表面に、膜厚400nmの銅薄膜を電解メッキ法によって形成したウェーハを作成し、そのウェーハに吸着する不純物について昇温脱離法(Thermal Desorption Spectoroscopy)による分析を行った。ここではウェーハから切り出した3cm四方の試料片について分析を行った。
【0025】
図5はその分析結果を示す図であり、縦軸は測定温度と各気体の分圧をそれぞれ示し、横軸は加熱時間を示している。また、曲線a、b、cはそれぞれ水(水蒸気)、一酸化炭素、水素の分圧を、曲線dは試料片の温度を示している。
【0026】
図5から明らかなように、試料片を2000秒かけて20℃(室温)から200℃まで昇温させた場合、その水分分圧は曲線aの最大値である3×10-8Paであり、4000秒かけて試料片を20℃(室温)から400℃まで昇温させた場合の水分分圧は1×10-8Paであった。
【0027】
更に、試料片を加熱した場合の水分分圧から、同一の真空槽内で100枚のウェーハを加熱した場合の水分分圧を求めると、200℃における水分分圧は1×10-4Pa、400℃における水分分圧は3×10-5Paとなり、電解メッキ法により銅薄膜を形成した場合、ウェーハ表面に多量の水が吸着していることが確認された。
【0028】
以下で図面を参照し、本発明の熱処理方法で上記のようなウェーハを処理対象物として熱処理する工程について説明する。
図1の符号1は、本発明の熱処理方法に用いられる縦型真空熱処理装置の第一の例を示している。
【0029】
この縦型真空熱処理装置1は、第一の処理室12と、第二の処理室13とを有している。第一の処理室12と第二の処理室13の間には真空バルブ28が設けられており、真空バルブ28を開けると第一の処理室13と第二の処理室13とが接続されるよう構成されている。図1では、真空バルブ28が開けられた状態が示されている。
【0030】
第一の処理室12の側面には扉14が設けられており、この扉14を開けると、第一の処理室12が大気雰囲気と接続される。
第一、第二の処理室12、13には、それぞれ真空ポンプ17、18が接続されており、扉14と真空バルブ28を閉めた状態で、これら真空ポンプ17、18を起動すれば、第一、第二の処理室12、13内が真空排気されるよう構成されている。
【0031】
また、第一の処理室12にはガス導入系25が接続されており、扉14を閉めた状態でガス導入系25を起動すると、第一の処理室12が窒素ガスで充填されるよう構成されている。
第二の処理室13は細長の石英チューブから成り、細長の一端が封止され、他端が第二の処理室に真空バルブ28を介して接続されている。第二の処理室13の周囲には、加熱機構15が設けられており、この加熱機構15によって第二の処理室13の壁全体が加熱され、その内壁が100℃以上500℃以下の範囲で昇温するよう構成されている。
【0032】
第一、第二の処理室12、13の外部には、それらの内部の全圧を測定する圧力計21、22がそれぞれ設けられている。
また、第二の処理室13の内部雰囲気にはガス分析装置24が接続されており、このガス分析装置24によって第二の処理室13内に存するガス種と、各ガス種の圧力の比率が求められ、更に、それらの測定結果と、圧力計22によって測定される全圧とから各ガスの分圧が求められる。
【0033】
上記の構成の縦型真空熱処理装置1を用いて、ウェーハの加熱処理を行うには、先ず、扉14と真空バルブ28を閉めた状態で、真空ポンプ17、18を起動して第一、第二の処理室12、13を所定の真空度(ここでは1Pa以下)まで真空排気し、第二の処理室13周囲の加熱機構15に通電し、第二の処理室13の内壁を昇温させると、その内壁表面に吸着した水分が蒸発し、蒸発した水分が真空排気によって除去される。
【0034】
第二の処理室13の内壁温度が第一の加熱温度(ここでは第一の加熱温度を200℃とした)に達したところで加熱機構15への通電量を調整し、その温度を維持した状態で真空排気を続けると、第二の処理室13内の圧力が1Pa以下となり、その水分分圧が銅薄膜が酸化しない程度まで低下する(ここでは水分分圧が5×10-5Pa以下まで低下する)。
【0035】
次いで、第一の処理室の真空排気を停止し、ガス導入系25によって第一の処理室12内を窒素ガスで充填する。
第一の処理室12内の圧力が1気圧となったところで窒素ガスの導入を止めて扉14を開け、処理対象物であるウェーハ(ここではシリコン基板表面に電解メッキ法により銅薄膜が形成された直後のものを用いた)が複数枚搭載された石英ボートを搬入する。
このとき、第一の処理室12内には窒素ガスが流されているため、第一の処理室内に大気が浸入しない。
【0036】
石英ボートの搬入後、扉14を閉め、第一の処理室12の真空排気を再開し、第一の処理室12内の圧力を1Paとし、次いで、真空バルブ28を開け、第一、第二の処理室12、13を接続する。このとき、第一の処理室12内の圧力は、第二の処理室13内の圧力と同じ1Paにされているので、第二の処理室13に第一の処理室12内の残留ガス(窒素ガス)が混入しない。
【0037】
この状態で、石英ボートを第一、第二の処理室12、13間を移動させるための機構であるボートローダー29によって、石英ボートを第一の処理室12から第二の処理室13内へ移載すると、ボートローダー29の底部が第一の処理室12の内壁に当接され、ボートローダー29自体で第一、第二の処理室12、13が遮断される。
【0038】
図1はその状態を示しており、第二の処理室13の内壁が加熱機構15によってが第一の加熱温度に加熱されているため、第二の処理室13に搬入された石英ボート11とウェーハ10が第二の処理室13内壁からの放射熱によって第一の加熱温度まで昇温される。
【0039】
このとき、石英ボート11とウェーハ10の表面に吸着した水分が蒸発し、蒸発した水分が真空排気によって除去されるので、第二の処理室13内の水分分圧が上昇しない。従って、ここでは、ウェーハの銅薄膜内で結晶粒が成長しないだけでは無く、銅薄膜の酸化が殆ど起こらない。
【0040】
その状態で30分間加熱を続け(第一の加熱工程)、ガス分析装置によって第二の処理室13内の水分分圧が十分に低い(ここでは5×10-5Pa以下)ことを確認した後、加熱機構15への通電量を増加させて第二の処理室13内壁の温度を更に昇温させ、その内壁の温度を第二の加熱温度(ここでは第二の加熱温度を500℃とした)にする。
【0041】
第二の処理室13内壁の昇温に伴って、ウェーハ10も昇温し、ウェーハ10の温度が第一の加熱温度よりも高くなると、ウェーハ10の銅薄膜内で結晶粒が成長する。このとき、第二の処理室13内は真空排気が続けられており、第二の処理室13内の水分分圧が十分に低くされているので、銅薄膜が酸化しない。
【0042】
ウェーハ10の温度が500℃に昇温された状態で30分間加熱を続け、その銅薄膜の結晶粒が十分に成長(平均粒子径が1.8μm程度)したところで加熱を終了する(第二の加熱工程)。
【0043】
次いで、ボートローダー29を用いて石英ボート11を第一の処理室12へ戻すと、ボートローダー29の底部が第一の処理室12の内壁から離れる。次いで、真空バルブ28を閉じ、再び第一の処理室12と第二の処理室13とを遮断した後、大気雰囲気と同じ圧力になるまでアルゴンガス、又は、窒素ガスを充填する。
次いで扉14を開ければ第一、第二の加熱工程終了後のウェーハ10を石英ボート11と共に、縦型真空熱処理装置1外へ取り出すことができる。
【0044】
以上は第一、第二の加熱工程を予め所定の真空度(1Pa)以下にされた第二の処理室13で行う方法について説明したが本発明はこれに限定されるものでは無い。
図2の符号51は本発明の熱処理方法に用いられる縦型真空熱処理装置の第二の例を示している。
【0045】
この縦型真空熱処理装置51は第一例の縦型真空熱処理装置1と同様に、真空バルブ28を介して接続された第一、第二の処理室12、13を有している。
これらのうち、第一の処理室12には、真空ポンプ18、ガス導入系25、圧力計21とは別に、第二の処理室13に接続されたものと同様のガス分析装置23が接続されており、このガス分析装置23と圧力計21によって、第二の処理室13内に存するガス種と、各ガスの分圧が測定されるよう構成されている。また、第一の処理室12内には加熱機構19が設けられている。
【0046】
このような縦型真空熱処理装置51を用いてウェーハ(処理対象物)の熱処理を行うには、先ず、扉14と真空バルブ28を閉じた状態で、第一、第二の処理室12、13内を所定の真空度(ここでは1Pa以下)まで真空排気した後、第二の処理室13周囲の加熱機構15に通電して、第二の処理室13の内壁を昇温させる。このとき、第二の処理室13の内壁表面に吸着する水分が蒸発し、蒸発した水分が真空排気によって除去される。
【0047】
第二の処理室13の内壁の温度が第二の加熱温度(ここでは第二の加熱温度を500℃とした)に達したところで加熱機構15の通電量を調整し、第二の処理室13の内壁温度をその温度で維持した状態で、真空排気を続けると、第二の処理室13内の圧力が1Pa以下になり、水分分圧が十分に低下する。ここでは第二の処理室13内の水分分圧を5×10-5Pa以下にした。
【0048】
次いで、第一の処理室12の真空排気を停止し、ガス導入系25によって第一の処理室12内に窒素ガスを導入する。
第一の処理室12内の圧力が1気圧になったところで窒素ガスを流しながら扉14を開け、上記第一例の縦型真空熱処理装置1の場合と同様に、石英ボートに載置したウェーハを第一の処理室12内に搬入して扉14を閉じる。このとき、第一の処理室12内は窒素ガスで充填されているため、第一の処理室12内には大気が殆ど浸入しない。
【0049】
次いで、真空排気を再開し、第一の処理室12内の圧力の低下が所定の真空度まで低下したところで、加熱機構19に通電し、加熱機構19からの放射熱によってウェーハを昇温させる。
【0050】
このとき、ウェーハと共に、石英ボートや第一の処理室12の内壁も昇温し、ウェーハと石英ボートの表面、及び、第一の処理室12の内壁に吸着した水分が蒸発し、蒸発した水分が真空排気によって除去される。
【0051】
第一の処理室12の内壁温度が第二の加熱温度よりも低い第一の加熱温度(ここでは第一の加熱温度を200℃とした)に達したところで加熱機構19への通電量を調整し、その温度を維持した状態で真空排気を続けると、第一の処理室12内の圧力が1Pa以下となり、水分分圧が銅薄膜が酸化されない程度に低下する。ここでは水分分圧を5×10-5Pa以下に低下させた。この状態では、銅薄膜内で結晶粒が殆ど成長しない。
【0052】
ウェーハと石英ボートから水分を完全に除去した後、真空バルブ28を開けて第一の処理室12と第二の処理室13とを接続し、ボートローダー29を用いて石英ボートを第一の処理室12から、第二の処理室13へ搬送する。
【0053】
図2はその状態を示している。ウェーハ10及び石英ボート11の表面に吸着されていた水分は第一の加熱工程で完全に除去されており、第二の処理室13内も予め水分分圧が5×10-5Pa以下にされているので、ウェーハ10は、その表面の銅薄膜が酸化することなく第二の処理室13で第二の加熱温度まで昇温し、銅薄膜で銅の結晶粒が成長する(第二の加熱工程)。
銅薄膜の結晶粒を十分に成長させた後、第一例の縦型真空熱処理装置1の場合と同じ工程でウェーハ10を縦型真空熱処理装置51外へ取り出すことができる。
【0054】
以上は、第一、第二の処理室12、13内の圧力が1Pa以下になるよう真空排気しながら熱処理を行う場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものでは無い。
例えば、第一、第二の処理室に、水分分圧が5×10-5Pa以下の不活性ガスを導入し、第一、第二の処理室内にその不活性ガスが充填した状態で熱処理を行ってもよい。
【0055】
この場合は、熱処理の工程で不活性ガスの導入を続けながら真空排気をすれば、第一、第二の処理室内が水分分圧5×10-5Pa以下の不活性ガスに置換されるので、銅薄膜が酸化されない。
不活性ガスとしては、例えば、アルゴン等の希ガスや、窒素などの反応性の低いガスなどが用いることができる。更に、本発明では、不活性ガスとして水素などの還元性の高い気体も用いることができる。
【0056】
上記のような不活性ガスを用いる場合は、第一、第二の処理室12、13内が真空雰囲気である必要が無く、その内部圧力が大気圧以下(大気圧も含む)であれば良い。しかしながら、不活性ガスとして、水素等の可燃ガスを使用する場合や、第一の加熱工程において短時間でウェーハの水分を除去するような場合には、減圧しながら熱処理を行う方が望ましい。
【0057】
また、以上は、電解メッキ法により形成された銅薄膜を熱処理し、銅薄膜の結晶粒を成長させる場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものでは無く、種々の金属薄膜を種々の目的で熱処理をすることができる。
例えば、ウェーハ上にCVD法やスパッタリングによって銅薄膜を形成した場合に、本発明の熱処理方法によってその銅薄膜のリフロー等の熱処理を行うことができる。
【0058】
また、他の例として、シリコン基板上にチタンから成る薄膜を形成し、このウェーハについて本発明の熱処理方法によって熱処理を行えば、チタン薄膜を酸化させることなくシリサイド化することができる。
また、基板の材質もシリコンに限定されるものでは無く、耐熱性を有する物質であれば、種々のものを用いることができる。
また、ウェーハの銅薄膜が形成された面に絶縁層を設けることもできる。この場合の絶縁層の材質は耐熱性の樹脂が好ましい。
【0059】
以上は、第一の加熱温度を200℃とした場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものでは無く、100℃以上200℃以下の範囲にあれば良い。
また、処理対象物が電解メッキ法に形成された銅薄膜を有する場合、第一の加熱工程で処理対象物が置かれる水分分圧は、図3のグラフに示した酸化の無い領域にあれば良く、例えば、第一の加熱温度が100℃の場合は、6×10-5Pa以下であれば良い。
【0060】
また、第二の加熱工程においても、処理対象物が置かれる雰囲気の水分分圧が5×10-5Pa以下に限定されるものではない。第二の加熱工程における水分分圧は第一の加熱工程における水分分圧よりも低い方が好ましく、上記図3のグラフに示したように、例えば、第二の加熱温度が500℃の場合は、水分分圧が2×10-5Pa以下、より好ましくは2×10-6Pa以下の範囲にあれば、処理対象物の金属薄膜の酸化を十分に防止できる。
【0061】
【発明の効果】
本発明によれば、複数の処理対象物を短時間で効率良く熱処理することができる。処理対象物が水分を多く含んでいる場合でも、加熱時に酸化されることが無い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に用いられる第一例の縦型真空熱処理装置を説明する断面図
【図2】本発明の実施形態に用いられる第二例の縦型真空熱処理装置を説明するための図
【図3】銅薄膜の酸化と、加熱雰囲気の水分分圧と、加熱温度との関係を説明するためのグラフ
【図4】銅薄膜中での結晶粒の成長と加熱温度との関係を説明するためのグラフ
【図5】ウェーハについて行った昇温脱離ガス分析の測定結果を示すグラフ
【図6】従来技術によるウェーハの熱処理工程を説明するための図
【符号の説明】
10……処理対象物(ウェーハ)
12……第一の処理室(搬出入室)
13……第二の処理室

Claims (6)

  1. 表面に、電解メッキ法により形成された銅薄膜からなる金属薄膜を有する処理対象物を加熱する熱処理方法であって、
    前記処理対象物が置かれた雰囲気を真空排気、又は、置換しながら、前記処理対象物を100℃以上200℃未満の範囲にある第一の加熱温度まで昇温させる第一の加熱工程と、
    前記処理対象物の温度が前記第一の加熱温度である状態で、前記処理対象物の置かれた雰囲気の水分分圧を測定する測定工程と、
    前記水分分圧の測定値が×10-5Pa以下になった後、前記処理対象物を200℃以上の第二の加熱温度まで昇温させる第二の加熱工程とを有する熱処理方法。
  2. 前記処理対象物の置かれた雰囲気の圧力が1Pa以下である請求項1記載の熱処理方法。
  3. 前記処理対象物の置かれた雰囲気は、不活性ガスが充填され、前記不活性ガスによって前記雰囲気の圧力が1気圧以下にされた請求項1記載の熱処理方法。
  4. 前記第一の加熱工程が第一の処理室内で行われ、前記第二の加熱工程は、前記第一の処理室とは別の第二の処理室で行われ、前記処理対象物は前記第一の処理室と前記第二の処理室との間を大気にさらされないで搬送される請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の熱処理方法。
  5. 前記第一の処理室は前記処理対象物を大気雰囲気中から搬入する搬出入室である請求項4記載の熱処理方法。
  6. 前記処理対象物を前記第一の処理室に搬入する前に、前記第一の処理室に予め窒素ガスを充填させておく請求項5記載の熱処理方法。
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