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JP3471077B2 - 真空容器の圧力制御方法 - Google Patents

真空容器の圧力制御方法

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Publication number
JP3471077B2
JP3471077B2 JP14557294A JP14557294A JP3471077B2 JP 3471077 B2 JP3471077 B2 JP 3471077B2 JP 14557294 A JP14557294 A JP 14557294A JP 14557294 A JP14557294 A JP 14557294A JP 3471077 B2 JP3471077 B2 JP 3471077B2
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JP
Japan
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pressure
vacuum container
gas
exhaust
main
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JP14557294A
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謙治 本間
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Tokyo Electron Ltd
Original Assignee
Tokyo Electron Ltd
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Publication date
Application filed by Tokyo Electron Ltd filed Critical Tokyo Electron Ltd
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Publication of JPH07227534A publication Critical patent/JPH07227534A/ja
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Publication of JP3471077B2 publication Critical patent/JP3471077B2/ja
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Expired - Lifetime legal-status Critical Current

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、真空容器の圧力制御方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】被処理体である例えば半導体ウエハの製
造においては、成膜、エッチング、イオン注入等の各種
の処理が行われるが、これらの処理は処理室、処理炉、
反応管等と称する真空容器内で行われている。
【0003】例えば、成膜処理の工程では、図10にタ
イムチャートで示すように熱処理装置の反応管内に被処
理体である半導体ウエハを大気圧(760Torr)下
で搬入した後、反応管内を所定の圧力例えば1×10-3
Torr程度まで減圧し、この減圧下で所要の処理ガス
を供給して半導体ウエハの表面にポリシリコン膜、シリ
コン窒化膜、シリコン酸化膜等の処理膜を成膜する処理
が行われる。そして、前記処理後は、反応管内に不活性
ガスである窒素(N2)ガスを供給して反応管内の圧力
を大気圧まで復帰させ、その反応管内から半導体ウエハ
を搬出する。
【0004】前記半導体ウエハの成膜工程においては、
製造する半導体素子の微細化に伴いごみ(塵埃)の付着
(汚染)の少ないことが要求されており、熱処理装置の
反応管等は定期的に取り外して洗浄された綺麗な反応管
等と交換するようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、たとえ
綺麗な反応管を用いたとしても、半導体ウエハの表面に
おけるごみの付着が確認されており、このため半導体ウ
エハ上に形成する半導体素子の歩留りが低下する問題が
あった。因みに、半導体ウエハの表面に付着した直径
0.2μm以上のごみの数をレーザー照射式ごみ検査装
置で計測した結果、6インチウエハ1枚当り100個以
上のごみの付着が確認されている。
【0006】これは前述した真空容器である反応管内の
減圧工程及び常圧復帰工程での圧力制御方法に起因して
いるものと考えられる。例えば、従来の熱処理装置にお
ける減圧工程では、図2に曲線Cで示すように先ず排気
流量の小さい副排気系を動作させて反応管内の圧力を大
気圧から所定の圧力例えば10Torr程度までゆっく
りと減圧し、次に排気流量の大きい主排気系を動作させ
て目的の圧力例えば1×10-3Torrまで短時間で減
圧していた。また、常圧復帰工程では、図6に曲線Dで
示すように反応管内に窒素ガスを例えば1000cc/
分と大量に供給して反応容器内を短時間で常圧まで復帰
させていた。
【0007】従って、いずれの工程においても急激な圧
力変化を伴うため、図11の(a)〜(d)に示すよう
に断熱膨張により気体中(常圧復帰工程では窒素ガス
中)に含まれる水分mが反応管内の微細なごみ成分gを
核として水滴nとなり、この水滴nが半導体ウエハwの
表面に付着して、その後水分が蒸発することにより核と
なったごみ成分gだけがそのまま残ることによるものと
考えられる。また、成膜工程等で反応管の内壁等に付着
した反応生成物等が急激な圧力変化により反応管の内壁
等から剥離されて巻き上げられ、これがごみとなって反
応管内を浮遊して半導体ウエハの表面に付着することに
よるものと考えられる。
【0008】このような問題を解決するためには、急激
な圧力変化を起こさないように例えば常圧復帰工程では
図6に曲線Eで示すようにゆっくりと圧力を変化させれ
ばよいが、このような制御方法を採用すると、時間が多
くかかってしまうため、高価な熱処理装置の稼働率が低
下する問題がある。また、前記減圧工程では、高真空例
えば1×10-5Torr程度まで減圧する場合がある
が、この場合、反応管の内壁に吸着した水分等の吸着分
子の放出がなかなか行われず、吸着分子の放出ガスに起
因して減圧に多大な時間を要し、熱処理装置の稼働率が
低下する問題もある。
【0009】そこで、本発明の目的は、減圧工程及び常
圧復帰工程における被処理体表面へのごみの付着を減少
させることができ、しかもこれらの工程に要する時間の
短縮が図れる真空容器の圧力制御方法を提供することに
ある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、排気流量の大きい主排気系
と排気流量の小さい副排気系を備えた真空容器の圧力を
大気圧から所定の圧力まで減圧するに際して、前記副排
気系を動作させて前記真空容器内を減圧する副排気減圧
工程と、この副排気減圧工程後に前記主排気系を動作さ
せて前記真空容器内を減圧する主排気減圧工程とを備
え、少なくとも主排気減圧工程を前記真空容器内の気体
に含まれる水分の凝縮液化が生じない最大の減圧速度で
実行することを特徴とする。
【0011】請求項2記載の発明は、排気流量の大きい
主排気系と排気流量の小さい副排気系を備えた真空容器
の圧力を大気圧から所定の圧力まで減圧するに際して、
前記真空容器内の気体を水分の除去された不活性ガスに
より置換するガス置換工程と、このガス置換工程後に
記副排気系を動作させて前記真空容器内を減圧する副排
気減圧工程と、この副排気減圧工程後に前記主排気系を
動作させて前記真空容器内を減圧する主排気減圧工程と
を具備したことを特徴とする。
【0012】請求項3記載の発明は、排気流量の大きい
主排気系と排気流量の小さい副排気系を備えた真空容器
の圧力を大気圧から所定の圧力まで減圧するに際して、
前記真空容器内に水分の除去された不活性ガスを供給し
状態で前記副排気系を動作させて前記真空容器内を
減圧する副排気減圧工程と、この副排気減圧工程後に前
記主排気系を動作させて前記真空容器内を減圧する主排
気減圧工程とを具備したことを特徴とする。
【0013】請求項4記載の発明は、比較的大径の主排
気管と比較的小径の副排気管とを備えた真空容器の圧力
を大気圧から所定の圧力まで排気するに際して、前記真
空容器内を前記副排気管の弁開度を連続的に開いて排気
する第1の排気工程と、この第1の排気工程後に前記主
排気管の弁開度を連続的に開いて排気する第2の排気工
程とを具備したことを特徴とする。
【0014】請求項5記載の発明は、真空容器の圧力を
所定の減圧状態から大気圧まで復帰させるに際して、前
記真空容器内を排気しながら同真空容器内に水分の除去
された気体を供給して所定の圧力まで復帰させる初期圧
力復帰工程と、この初期圧力復帰工程後に前記排気を停
止させると共に、前記真空容器内に前記気体を供給して
大気圧まで復帰させる主圧力復帰工程とを具備したこと
を特徴とする。
【0015】請求項6記載の発明は、請求項5記載の発
明において、前記気体の供給流量が前記初期圧力復帰工
程から主圧力復帰工程にかけて小から大に制御されるこ
とを特徴とする。
【0016】請求項7記載の発明は、請求項5又は6記
載の発明において、前記気体が水分除去装置で水分を除
去された不活性ガスであることを特徴とする。
【0017】請求項8記載の発明は、比較的大径の主気
体供給管と比較的小径の副気体供給管とを備えた真空容
器の圧力を真空状態から大気圧に解放するに際して、前
記真空容器内に前記副気体供給管の弁開度を連続的に開
いて気体を供給する第1の気体供給工程と、この第1の
気体供給工程後に前記主気体供給管の弁開度を連続的に
開いて気体を供給する第2の気体供給工程とを具備した
ことを特徴とする。
【0018】
【作用】請求項1記載の発明によれば、少なくとも主排
気減圧工程を真空容器内の気体に含まれる水分の凝縮液
化が生じない最大の減圧速度で実行するため、真空容器
の圧力が急激に減圧されることなく速やかに減圧され
る。従って、圧力容器内の気体に含まれる水分の凝縮液
化に起因する被処理体表面へのごみの付着が解消される
と共に、減圧工程に要する時間が短縮される。
【0019】請求項2記載の発明はによれば、真空容器
内の気体を水分の除去された不活性ガスにより置換した
後、副排気系を動作させて前記真空容器内を減圧する副
排気減圧工程と、この副排気減圧工程後に主排気系を動
作させて前記真空容器内を減圧する主排気減圧工程とを
行うため、真空容器内の気体の凝縮液化を伴わずに真空
容器の圧力を迅速に減圧することが可能となり、被処理
体表面へのごみの付着の防止及び減圧時間の短縮が図れ
る。
【0020】請求項3記載の発明によれば、真空容器内
に水分の除去された不活性ガスを供給し状態で前記
副排気系を動作させて前記真空容器内を減圧する副排気
減圧工程と、この副排気減圧工程後に前記主排気系を動
作させて前記真空容器内を減圧する主排気減圧工程とを
具備しているため、真空容器内の気体の凝縮液化を抑え
て真空容器の圧力を迅速に減圧することが可能となり、
被処理体表面へのごみの付着の減少及び減圧時間の短縮
が図れる。また、この場合、真空容器内に供給される不
活性ガスの気体分子の持つ運動エネルギーによって、そ
の気体分子が真空容器の内壁に吸着した吸着分子に衝突
することにより吸着分子が真空容器の内壁から放出され
るため、真空容器を短時間で高真空に減圧することが可
能となる。
【0021】請求項4記載の発明によれば、真空容器
圧力を大気圧から所定の圧力まで排気するに際して、前
記真空容器内を比較的小径の副排気管の弁開度を連続的
に開いて排気した後、比較的大径の主排気管の弁開度を
連続的に開いて排気するため、急激な圧力変化を伴わ
ず、気体の凝縮液化やごみの巻き上げを抑えて真空容器
内を迅速に真空引きすることが可能となる。
【0022】請求項5記載の発明によれば、先ず真空容
器内を排気しながら同真空容器内に水分の除去された気
体を供給して所定の圧力まで復帰させるため、気体の供
給による真空容器内のごみの巻き上げがあったとして
も、この巻き上げられたごみが真空容器外に排出され
る。そして、前記排気を停止させると共に、前記真空容
器内に前記気体を供給して大気圧まで復帰させるため、
気体の凝縮液化を伴わずに真空容器の圧力を迅速に大気
圧まで復帰させることが可能となり、被処理体表面への
ごみの付着の防止及び常圧復帰時間の短縮が図れる。
【0023】請求項6記載の発明によれば、前記気体の
供給流量が前記圧力復帰工程で小から大に制御されるた
ため、常圧復帰時間を更に短縮できる。また、請求項7
記載の発明によれば、前記気体が水分除去装置で水分を
除去された不活性ガスであるため、容易に水分を除去さ
れた不活性ガスを真空容器内に速やかに供給することが
可能となり、被処理体表面へのごみの付着の防止及び常
圧復帰時間の短縮が更に助長される。
【0024】請求項8記載の発明によれば、真空容器内
を真空状態から大気圧に解放するに際して、前記真空容
器内に比較的小径の副気体供給管の弁開度を連続的に開
いて気体を供給した後、比較的大径の主気体供給管の弁
開度を連続的に開いて気体を供給するため、急激な圧力
変化を伴わず、気体の凝縮液化やごみの巻き上げを抑え
て真空容器内を迅速に大気圧に解放することが可能とな
る。
【0025】
【実施例】以下に、本発明の実施例を添付図面に基づい
て詳述する。図1は本発明を熱処理装置に適用した一実
施例を示す構成図である。この熱処理装置1は、バッチ
処理式の減圧CVDに適する構成としたものであり、ベ
ースプレート2に取付けられた耐熱・耐食性金属例えば
ステンレススチールからなる円筒状のマニホールド3を
備えており、このマニホールド3の上端部には縦型炉を
構成する真空容器として上端が閉塞され下端が開放され
た耐熱性材料例えば石英からなる反応管4が気密材であ
る例えばOリング5を介して気密に取付けられている。
【0026】この反応管4内には均熱及び重金属汚染防
止等を目的として例えば石英製の円筒状の内管6が同軸
で設けられ、反応管4の周囲には反応管4内を高温例え
ば800〜1200℃程度に加熱する加熱手段である例
えばカンタル線等の発熱抵抗線を螺旋状に巻いてなるヒ
ータ7、断熱材8及び水冷ジャケット構造のシェル9が
順に設けられている。
【0027】前記マニホールド3の下端開口部(炉口)
にはこれを開閉する例えばステンレススチール製の蓋体
10が昇降機構11により昇降可能に設けられ、この蓋
体10上には被処理体である多数枚例えば150枚程度
の半導体ウエハWを水平状態で上下方向に間隔をおいて
多段に保持するウエハボート12が石英製の保温筒13
を介して載置されている。なお、蓋体10には保温筒1
3を回転駆動する回転機構14等が設けられている。
【0028】また、マニホールド3にはガス導入管15
が接続されており、このガス導入管15には処理ガス供
給源16が開閉弁17及び流量調節器18を介して接続
されると共に、不活性ガスである例えば窒素(N2)ガ
スの供給源19が開閉弁20、流量調節器21及び水分
除去装置22を介して接続されている。この水分除去装
置22は例えば液体窒素冷却器からなり、供給される窒
素ガス中に含まれる水分を液体窒素により−100℃以
下に冷却された配管の管壁に凝結させて窒素ガスの水分
含有量を例えば10ppm以下に低減させるように構成
されている。なお、水分除去装置22としては、ピュー
リファイヤを使用して水分含有量を1ppb以下に低減
させるものであってもよい。
【0029】更に、前記マニホールド3には工場排気系
に通じる排気流量の大きい主排気系としての比較的大径
の主排気管23が接続され、この主排気管23には上流
側より開閉弁24、圧力調節器25及び減圧ポンプ26
が順に介設されていると共に、その減圧ポンプ26より
も上流で前記開閉弁24及び圧力調節器25をバイパス
する排気流量の小さい副排気系としての比較的小径の小
さい副排気管(バイパス管)27が接続されている。こ
の副排気管27には開閉弁28及び圧力調節器29が介
設されている。なお、前記流量調節器18,21及び圧
力調節器25,29はガスを完全に遮断できる機能を有
しないため開閉弁17,20,24,28を必要として
いるが、ガスを完全に遮断できる機能を有するものであ
れば必ずしも開閉弁17,20,24,28を必要とす
るものではない。
【0030】前記主排気管23の上流部には管内の圧力
を検出する圧力センサ30が設けられている。そして、
前記反応管4内の圧力を制御するために制御装置31が
採用され、この制御装置31は前記圧力センサ30から
の圧力信号が入力され、予め入力されたデータ及びプロ
グラムに基づいて前記流量調節器18,21、圧力調節
器25,29及び開閉弁17,20,24,28を後述
の如く制御するように構成されている。
【0031】次に、前記熱処理装置1における反応管4
内の圧力制御方法について、反応管4内の圧力を大気圧
から所定の圧力に減圧する減圧工程と、反応管4内の圧
力を所定の減圧状態から大気圧に復帰させる常圧復帰工
程とに分けて説明する。なお、減圧工程では、減圧工程
1〜3の計三つの実施例について述べる。
【0032】[減圧工程1]この工程を行うに際して、
流量調節器18,21、圧力調節器25,29及び開閉
弁17,20,24,28は閉にされ、ウエハボート1
2に支持された多数枚の半導体ウエハWが昇降機構11
により反応管4内に搬入されると共に蓋体10が閉じら
れる(以下、これを準備工程という。)。そして、制御
装置31により先ず副排気系である副排気管27の開閉
弁28が開にされ、圧力センサ30で主排気管23内の
圧力(反応管4内の圧力とほぼ同じ)を検出しながら予
め定められた減圧特性すなわち反応管4内の気体(大
気)に含まれる水分の凝縮液化が生じない最大の減圧速
度となるように圧力調整器29の開度を制御して反応管
4内の圧力を所定の圧力例えば10Torr程度まで減
圧する(以下、これを副排気減圧工程という。)。
【0033】次に、前記制御装置31により副排気系の
開閉弁28及び圧力調整器29が閉に、且つ主排気系の
開閉弁24が開にされ、同じく予め定められた減圧特性
となるように圧力調整器25の開度を制御して反応管4
内の圧力を目的の圧力例えば1×10-5Torr程度ま
で減圧する(以下、これを主排気減圧工程という。)。
このような減圧工程における圧力と時間の関係を示す
と、図2の曲線A1に示す通りである。そして、反応管
4内の圧力が目的の圧力に到達したら、この減圧状態を
維持しつつ処理ガス供給源16の開閉弁17を開に、且
つ流量調節器18の開度を制御して処理ガス供給源16
から処理ガスをガス導入管15を介して反応管4内に供
給し、半導体ウエハWに所定の成膜処理を施す。
【0034】このように副排気減圧工程及び主排気減圧
工程を反応管4内の気体(大気)に含まれる水分の凝縮
液化が生じない最大の減圧速度で実行するため、反応管
4の圧力が急激に減圧されることなく速やかに減圧され
る。従って、反応管4内の気体に含まれる水分の凝縮液
化に起因する半導体ウエハW表面へのごみの付着を解消
することができると共に、たとえ反応管4の内壁にごみ
が付着していたとしてもそのごみが巻き上げられて半導
体ウエハWの表面に付着するということもなく、しかも
減圧工程に要する時間を短縮することができる。なお、
この工程では副排気減圧工程及び主排気減圧工程の両方
で所定の減圧特性となる圧力制御を行ったが、副排気減
圧工程では排気流量が小さく急激な圧力変化が生じ難い
ため、主排気減圧工程のみで所定の減圧特性となる圧力
制御を行ってもよい。
【0035】[減圧工程2]先ず、準備工程後に、制御
装置31により窒素ガス供給源19の開閉弁20が開に
され、流量調整器21の開度を例えば500cc/分程
度に設定して窒素ガス供給源19から水分除去装置22
を介して水分の殆どが除去された乾燥窒素ガスを反応管
4内に供給する。この状態で、副排気系の開閉弁28が
開にされ、且つ圧力調整器29の開度が主排気管内の圧
力を760Torrに保つように制御されることによ
り、反応管4内の気体(大気)が乾燥窒素ガスで置換さ
れる(以下、これをガス置換工程という。)。
【0036】このガス置換工程後に、例えば前述した副
排気減圧工程及び主排気減圧工程を順に行って反応管4
内を目的の圧力に減圧すればよい。このような減圧工程
における圧力と時間の関係を示すと、図3の曲線A2に
示す通りである。このように反応管4内の気体(大気)
を水分の除去された乾燥窒素ガスにより置換した後、前
記反応管4内を減圧するため、反応管4内の気体の凝縮
液化を伴わずに反応管4の圧力を迅速に減圧することが
でき、半導体ウエハW表面へのごみの付着の防止及び減
圧時間の短縮が図れる。なお、この減圧工程では、水分
の除去された乾燥窒素ガスを反応管4内から排気して減
圧するため、凝結液化が発生し難いので、副排気減圧工
程を前記[減圧工程1]よりも急激な排気により行うこ
とができる。
【0037】[減圧工程3]先ず、準備工程後に、制御
装置31により窒素ガス供給源19の開閉弁20が開に
され、流量調節器21の開度を例えば100cc/分程
度に設定して窒素ガス供給源19から水分除去装置22
を介して水分の殆どが除去された乾燥窒素ガスを反応管
4内に供給する。この状態で、副排気減圧工程及び主排
気減圧工程を順に行って、反応管4内の圧力を所定の圧
力例えば1×10-1程度まで減圧する。次に、前記窒素
ガス供給源19の開閉弁20及び流量調節器21を閉に
し、主排気系の圧力調節器25の開度を制御しながら反
応管4内の圧力を目的の圧力(1×10-5Torr程
度)まで減圧する。このような減圧工程における圧力と
時間の関係を示すと、図4の曲線A3に示す通りであ
る。
【0038】このように反応管4内に水分の除去された
乾燥窒素ガスを供給しながら同反応管4内を減圧するた
め、反応管4内の気体の凝縮液化を抑えて反応管4の圧
力を迅速に減圧することができ、半導体ウエハW表面へ
のごみの付着の減少及び減圧時間の短縮が図れる。ま
た、この場合、反応管4内に供給される窒素ガスの気体
分子の持つ運動エネルギーによって、その気体分子が反
応管4の内壁に吸着した水分の吸着分子に衝突すること
により吸着分子が反応管4の内壁から放出されるため、
反応管4を短時間で高真空に減圧することができる。な
お、この減圧工程では、乾燥窒素ガスの供給を連続的で
はなく、例えば図5に示すように供給と停止をパルス状
に繰り返して行ってもよく、またこれを目的の圧力に到
達する間で行ってもよい。更に、乾燥窒素ガスの供給量
を一定とせずに、減圧工程の進行に伴ってなだらかに変
化(増減を含む)させたり、或いは階段状に変化させて
よい。
【0039】[常圧復帰工程]半導体ウエハWの所定の
成膜処理が終了したなら、処理ガス供給源16の開閉弁
17及び流量調節器18を閉にし、主排気系の動作を続
けて反応管4内に残存する処理ガスを排出する。そし
て、前記反応管4内の圧力をこの所定の減圧状態(1×
10-5Torr程度)から大気圧に復帰させるに際し
て、先ず制御装置31により主排気系の開閉弁24及び
圧力調節器25が閉に、副排気系の開閉弁28が開にさ
れ、且つ圧力調節器29を所定の開度にした状態で反応
管4内を排気しながら、窒素ガス供給源19の開閉弁2
0を開にして、且つ流量調節器21の開度を例えば10
00cc/分程度に設定して窒素ガス供給源19から水
分除去装置22を介して水分の殆どが除去された乾燥窒
素ガスを反応管4内に供給し、この状態を所定時間例え
ば1分程度続けることにより反応管4内の圧力を所定の
圧力例えば5Torr程度まで復帰させる(以下、これ
を初期圧力復帰工程という。)。
【0040】次に、副排気系の開閉弁28及び圧力調節
器29を閉にして排気を停止させると共に、窒素ガス供
給源19の流量調節器21の開度を例えば5000cc
/分程度に設定して乾燥窒素ガスを反応管4内に供給
し、これ状態を所定時間例えば20分程度続けることに
より反応管4内の圧力を大気圧まで復帰させる(以下、
これを主圧力復帰工程という。)。このような常圧復帰
工程における圧力と時間の関係を示すと、図6の曲線B
に示す通りである。反応管4内の圧力が大気圧まで復帰
したら、窒素ガス供給源19の開閉弁20及び流量調節
器21を閉にして窒素ガスの供給を停止し、昇降機構1
1により蓋体10を下方へ開放して反応管4内から半導
体ウエハWを搬出すればよい。
【0041】このように、先ず反応管4内を排気しなが
ら同反応管4内に水分の除去された乾燥窒素ガスを供給
して所定の圧力まで復帰させるため、窒素ガスの供給に
よる反応管4内のごみの巻き上げがあったとしても、こ
の巻き上げられたごみが反応管外に排出される。そし
て、前記排気を停止させると共に、前記反応管4内に乾
燥窒素ガスを供給して大気圧まで復帰させるため、大気
の凝縮液化を伴わずに反応管4内の圧力を迅速に大気圧
まで復帰させることができ、半導体ウエハW表面へのご
みの付着の防止及び常圧復帰時間の短縮が図れる。ま
た、窒素ガスの供給流量が前記初期圧力復帰工程から主
圧力復帰工程にかけて小から大に制御されるたため、常
圧復帰時間を更に短縮できる。更に、窒素ガスを水分除
去装置22を介して反応管4内に供給するため、容易に
且つ十分に水分の除去された窒素ガスを反応管4内に速
やかに供給することができる。
【0042】なお、前記初期圧力復帰工程では、例えば
副排気系の圧力調節器29の開度を全開状態から徐々に
閉じて行くことにより、排気能力を徐々に低下させ、急
激な排気能力の変化を生じさせないようにしてもよい。
また、前記初期圧力復帰工程及び主圧力復帰工程におけ
る反応管4内への乾燥窒素ガスの供給は連続的でなく、
供給と停止を繰り返して断続的に行ってもよい。更に、
この常圧復帰工程で使用される乾燥気体としては、乾燥
窒素ガスでなく、乾燥大気であってもよい。また、前記
減圧工程及び常圧復帰工程で使用される不活性ガスとし
ては、窒素ガス以外に、例えばアルゴンガス、ヘリウム
ガス等が適用可能である。
【0043】図7は本発明の別の実施例を示す概略ブロ
ック図である。この実施例の装置例えば熱処理装置の全
体は、被処理体処理室例えば熱処理炉40と、この熱処
理炉40に被処理体例えば半導体ウエハWを予め真空引
きした後に移すための真空容器としての予備室41と、
真空引き機構42と、大気圧解放機構43とから主に構
成されている。前記熱処理炉40と予備室41とは遮断
弁(ゲートバルブ)44により開閉可能に遮断されてい
る。前記真空引き機構42は、減圧ポンプ(真空ポン
プ)45と、その減圧ポンプ45と前記予備室41を結
ぶ真空引き配管機構46とから主に構成されている。前
記真空引き配管機構46は、比較的大径の主排気管47
と、比較的小径の副排気管48が並列に連結された状態
で構成されている。また、前記減圧ポンプ45付近の主
排気管47には管内真空度を測定する真空度測定端子
(圧力センサ)49が設けられている。前記主排気管4
7と副排気管48にはそれぞれの真空引き能力を遮断す
る遮断弁50,51が取付けられ、副排気管48には真
空引き能力すなわち開度を連続的に調整できる可変制御
弁52が取付けられ、減圧ポンプ45に接続された主排
気管47には同様に開度を連続的に調整できる可変制御
弁53が取付けられている。
【0044】一方、前記大気圧解放機構43は、前記真
空引き機構42と類似した機構であり、これら大気圧解
放機構43と真空引き機構42との差異は前記真空引き
機構42の減圧ポンプ45の代りに前記予備室41を大
気圧に解放するための気体例えば窒素(N2)ガスを供
給する気体供給機構54が接続されている点である。こ
の大気圧解放機構43は、比較的大径の主気体供給管5
5と比較的小径の副気体供給管56を並列に連結した大
気圧解放配管機構57を備えており、その主気体供給管
55と副気体供給管56には遮断弁57,58が取付け
られている。副気体供給管56には開度を連続的に調整
できる可変制御弁60が取付けられ、気体供給機構54
に接続された主排気管55には同様に開度を連続的に調
整できる可変制御弁61が取付けられている。なお、6
2は気体供給機構54に設けられた気圧測定端子(圧力
センサ)、63は予備室41に設けられた真空度測定端
子(圧力センサ)である。前記弁44,50,51,5
2,53,58,59,60,61等は、予め記憶され
たプログラムを有するマイクロコンピュータからなる制
御装置64により、自動制御される構成になっている。
【0045】このように構成された熱処理装置において
は、先ず前記予備室41と外部との間に設けられた大気
遮断弁(ゲートバルブ、図示せず)を開けて予備室41
を予め大気圧に解放した後、半導体ウエハWを前記予備
室41に搬送機構(図示せず)により搬入する。その
後、前記搬送機構を元の位置、つまり前記予備室41か
ら外部の所定位置に戻す。その後、前記大気遮断弁を閉
じ、予備室41を気密にする。この時の前記大気遮断弁
の開閉及び前記搬送機構の制御は全て制御装置64によ
り実行する。
【0046】次に、前記真空引き機構42が制御装置6
4により自動的に作動し、後述する手順で前記予備室4
1の真空引きを行う。前記予備室41の圧力が熱処理炉
40とほぼ同一の所定の真空度に達すると、前記遮断弁
44が開いて半導体ウエハWを前記予備室41内にある
搬送ロボットすなわち真空室内搬送機構(図示せず)に
より前記熱処理炉40内に搬入する。この場合、前記熱
処理炉40を予備室41よりも僅かに陽圧にすると、搬
入操作時の熱処理炉40内へのごみの巻き込みを防止で
きる。その後、前記遮断弁44を前記制御装置64の制
御により自動的に気密に閉じる。その後、熱処理炉40
内において、前記半導体ウエハWの所定の処理、例えば
熱酸化処理を行う。この処理は、例えば酸素(O2)ガ
スと水素(H2)ガスを燃焼化合させて発生した水蒸気
を熱処理炉40内に導入し、600〜700℃に加熱さ
れた半導体ウエハWの表面に供給し、表面酸化膜を形成
する。
【0047】このような処理及び監視を前記制御装置6
4で自動的に行い、処理が完了すると、遮断弁44を開
け、処理後の半導体ウエハWを前記真空室内搬送機構に
より予備室41に移す。その後、前記遮断弁44が自動
的に閉じ、前記予備室41を大気圧解放機構43により
後述する手順で大気に解放した後、前記大気遮断弁を開
け、処理後の半導体ウエハWを搬送機構により予備室4
1から外部に搬出する。このような搬出入時、予備室4
1を外部よりも僅かに陽圧にすると、大気中のごみの巻
き込みを防止できる。その後、前記大気遮断弁を閉じ
る。以下に、予備室41、熱処理炉40の真空引き(減
圧)と大気圧解放(常圧復帰)の手順について説明す
る。
【0048】[真空引き工程]先ず、真空引き工程につ
いて説明すると、最初、全ての前記弁50,51,5
2,53,58,59,60,61等が閉じた状態にな
っている。前記制御装置の予め記憶されたプログラムに
基づいて、真空引き工程をスタートさせると、副排気管
48の遮断弁51が開き、やや遅れて少しずつ前記可変
制御弁52が自動的に開いて前記予備室41内の真空引
きを副排気管48を介して開始する。なお、可変制御弁
53は構造上、閉じ状態でも完全に遮断できないもので
ある場合にはそのままでもよく、完全に遮断できるもの
である場合には少し例えば可変制御弁52の最大開度と
同程度に開けておく。この状態で、前記可変制御弁52
の開度を徐々に連続的に開きながら排気すなわち真空引
きを行い(第1の排気工程)、所定の時間経過後に予め
定められた所定の真空度に達すると、前記可変制御弁5
2(若しくは遮断弁51)が自動的に閉じて副排気管4
8による真空引きを完了する。次いで、主排気管47の
遮断弁50が開き、可変制御弁53による主排気管47
を介した真空引き工程に移る。この時、前記可変制御弁
53は予め定められた所定量開いた状態である。すなわ
ち、副排気管48により達した前記予備室41の真空度
に対して急激な真空度の変化が生じないように、前記可
変制御弁53の開度が予め制御機構64により設定され
ている。
【0049】そして、前記可変制御弁53を予め定めら
れた開放値まで漸次連続的に開いて主排気管47による
真空引きを進行させ(第2の排気工程)、最終的にプロ
セス可能真空度に達する。このプロセス可能真空度と
は、次の工程つまり熱処理炉40内への半導体ウエハW
の搬入可能な真空度をいう。これらの真空引き工程の様
子をグラフに示すと、図8の曲線A4に示す通りであ
る。このグラフにおいて、時間帯aは真空引きを開始し
てから副排気管48による真空引き工程を、時間帯bは
主排気管47による真空引き工程を示している。また、
グラフ上の点cは前記時間帯aと時間帯bとの接点であ
り、前記時間帯aにおける予備室41の最後の真空度
と、前記時間帯bにおける予備室41の最初の真空度と
が一致する点であり、つまり前記予備室41内の圧力が
連続的に下がっていることを示している。
【0050】前記図7に示した真空引き工程の制御方法
は、予め実験により求められる二つの条件、つまり急激
な真空引きにより前記予備室41内の気体中の水分凝結
が発生しないこと及び前記予備室41内のごみを巻き上
げないことの条件を満たし、この条件下における最大限
の真空引き能力すなわち最小の真空引き時間が実現する
ように予め設定されている。そして、その実行制御は、
前記制御装置64が真空度測定端子49,63からの検
出値をフィードバックし、遮断弁50,51及び可変制
御弁52,53を総合的に制御することにより行ってい
る。このように真空容器である予備室41内を真空引き
するに際して、予備室41内を比較的小径の副排気管4
8の弁開度を連続的に開いて排気し、次いで比較的大径
の主排気管47の弁開度を連続的に開いて排気するた
め、急激な圧力変化を伴わず、気体の凝縮液化やごみの
巻き上げを抑えて予備室41内を迅速に真空引きするこ
とができる。
【0051】[大気圧解放工程]次に大気圧解放工程に
ついて説明する。前記予備室41を真空状態から大気圧
に解放するとき、前記弁50,51,52,53,5
8,59,60,61等は閉じた状態になっている。そ
して、前記制御装置64の予め定められたプログラムに
基づいて大気圧解放工程をスタートさせると、先ず副気
体供給管56の遮断弁59が開く。次に可変制御弁60
が制御装置64の予め記憶された速度で少しずつ連続的
に開いて前記予備室41内に大気圧解放用気体例えば窒
素(N2)ガスを導入する(第1の気体供給工程)。な
お、可変制御弁61は構造上、閉じ状態でも完全に遮断
できないものである場合にはそのままでもよく、完全に
遮断できるものである場合には少し例えば可変制御弁6
0の最大開度と同程度に開けておく。この状態で一定時
間経過後、前記遮断弁59(若しくは可変制御弁60)
が閉じ、続いて遮断弁58が開いて主気体供給管55を
介した大気圧解放工程に移る。この工程では、前記可変
制御弁61が徐々に連続的に開き(第2の気体供給工
程)、予備室41が最終的に大気圧まで解放される。
【0052】以上の大気圧解放工程の様子をグラフに示
すと、図8の曲線B2に示す通りである。このグラフに
おいて、時間帯dは副気体供給管56による大気圧解放
工程を示し、時間帯eは主気体供給管55による大気圧
解放工程を示している。また、グラフ上の点fは前記時
間帯dと時間帯eとの接点であり、前記時間帯dにおけ
る予備室41の最後の真空度と、前記時間帯eにおける
予備室41の最初の真空度とが一致する点であり、つま
り前記予備室41内の圧力が連続的上がっていることを
示している。
【0053】前記図8に示した大気圧解放工程の制御方
法は、予め実験により求められる二つの条件、つまり急
激な大気圧解放により前記予備室41内に気体中の水分
の凝結が発生しないこと及び前記予備室41内のごみを
巻き上げないことの条件を満たし、この条件下における
最大限の大気圧解放能力すなわち最小の大気圧解放時間
が実現するように予め設定されている。そして、その実
行制御は、前記制御装置64が真空度測定端子63及び
気圧測定端子62からの検出値をフィードバックし、遮
断弁58,59及び可変制御弁60,61を総合的に制
御することにより行っている。このように真空容器であ
る予備室41内を真空状態から大気圧に解放するに際し
て、前記予備室41内に比較的小径の副気体供給管56
の弁開度を連続的開いて気体を供給し、次いで比較的大
径の主気体供給管55の弁開度を連続的に開いて気体を
供給するため、急激な圧力変化を伴わず、気体の凝縮液
化やごみの巻き上げを抑えて予備室41内を迅速に大気
圧に解放することができる。
【0054】なお、本発明は、前記実施例に限定される
ものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施
が可能である。例えば、被処理体としては、少なくとも
面状の被処理体であればよく、半導体ウエハW以外に、
例えばLCD基板等が適用可能である。更に、本発明
は、熱処理装置1に限らず半導体ウエハWやLCD基板
の如くごみの付着を防いで大気圧から所定の圧力に減圧
したり、逆に所定の減圧状態から大気圧に復帰させる装
置であれば、どのようなものにも適用することができ、
例えばエッチング装置、スパッタ装置、イオン注入装
置、枚葉処理式CVD装置、PVD装置やこれら装置の
ロードロック室(予備室)等にも適用可能である。特
に、クラスタロール構造の各室の真空引きに有効であ
る。
【0055】
【発明の効果】以上要するに本発明によれば、次のよう
な優れた効果が得られる。
【0056】(1)請求項1記載の発明によれば、少な
くとも主排気減圧工程を真空容器内の気体に含まれる水
分の凝縮液化が生じない最大の減圧速度で実行するた
め、真空容器の圧力が急激に減圧されることなく速やか
に減圧されることになり、圧力容器内の気体に含まれる
水分の凝縮液化に起因する被処理体表面へのごみの付着
が解消されると共に、減圧工程に要する時間が短縮され
る。
【0057】(2)請求項2記載の発明によれば、真空
容器内の気体を水分の除去された不活性ガスにより置換
した後、副排気系を動作させて前記真空容器内を減圧す
る副排気減圧工程と、この副排気減圧工程後に主排気系
を動作させて前記真空容器内を減圧する主排気減圧工程
とを行うため、真空容器内の気体の凝縮液化を伴わずに
真空容器の圧力を迅速に減圧することが可能となり、被
処理体表面へのごみの付着の防止及び減圧時間の短縮が
図れる。
【0058】(3)請求項3記載の発明によれば、真空
容器内に水分の除去された不活性ガスを供給し状態
前記副排気系を動作させて前記真空容器内を減圧す
る副排気減圧工程と、この副排気減圧工程後に前記主排
気系を動作させて前記真空容器内を減圧する主排気減圧
工程とを具備しているため、真空容器内の気体の凝縮液
化を抑えて真空容器の圧力を迅速に減圧することが可能
となり、被処理体表面へのごみの付着の減少及び減圧時
間の短縮が図れる。また、この場合、真空容器内に供給
される不活性ガスの気体分子の持つ運動エネルギーによ
って、その気体分子が真空容器の内壁に吸着した吸着分
子に衝突することにより吸着分子が真空容器の内壁から
放出されるため、真空容器を短時間で高真空に減圧する
ことが可能となる。
【0059】(4)請求項4記載の発明によれば、真空
容器の圧力を大気圧から所定の圧力まで排気するに際し
て、前記真空容器内を比較的小径の副排気管の弁開度を
連続的に開いて排気した後、比較的大径の主排気管の弁
開度を連続的に開いて排気するため、急激な圧力変化を
伴わず、気体の凝縮液化やごみの巻き上げを抑えて真空
容器内を迅速に真空引きすることが可能となる。
【0060】(5)請求項5記載の発明によれば、先ず
真空容器内を排気しながら同真空容器内に水分の除去さ
れた気体を供給して所定の圧力まで復帰させるため、気
体の供給による真空容器内のごみの巻き上げがあったと
しても、この巻き上げられたごみを真空容器外に排出す
ることができ、次に前記排気を停止させると共に、前記
真空容器内に前記気体を供給して大気圧まで復帰させる
ため、気体の凝縮液化を伴わずに真空容器の圧力を迅速
に大気圧まで復帰させることができ、被処理体表面への
ごみの付着の防止及び常圧復帰時間の短縮が図れる。
【0061】(6)請求項6記載の発明によれば、前記
気体の供給流量が前記圧力復帰工程で小から大に制御さ
れるたため、常圧復帰時間を更に短縮できる。
【0062】(7)請求項7記載の発明によれば、前記
気体が水分除去装置で水分を除去された不活性ガスであ
るため、容易に水分を除去された不活性ガスを真空容器
内に速やかに供給することができ、被処理体表面へのご
みの付着の防止及び常圧復帰時間の短縮を更に助長でき
る。
【0063】(8)請求項8記載の発明によれば、真空
容器内を真空状態から大気圧に解放するに際して、前記
真空容器内に比較的小径の副気体供給管の弁開度を連続
的に開いて気体を供給した後、比較的大径の主気体供給
管の弁開度を連続的に開いて気体を供給するため、急激
な圧力変化を伴わず、気体の凝縮液化やごみの巻き上げ
を抑えて真空容器内を迅速に大気圧に解放することが可
能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を熱処理装置に適用した一実施例を示す
構成図である。
【図2】減圧工程における圧力と時間の関係を示すグラ
フである。
【図3】減圧工程における圧力と時間の関係を示すグラ
フである。
【図4】減圧工程において窒素ガスを供給する場合の供
給方法及び圧力と時間の関係を示すグラフである。
【図5】減圧工程において窒素ガスを供給する場合の供
給方法を説明するグラフである。
【図6】常圧復帰工程における圧力と時間の関係を示す
グラフである。
【図7】本発明の別の実施例を示す概略ブロック図であ
る。
【図8】真空引き工程における圧力と時間の関係を示す
グラフである。
【図9】大気圧解放工程における圧力と時間の関係を示
すグラフである。
【図10】熱処理装置で半導体ウエハの処理を行う場合
のタイムチャートを示す図である。
【図11】半導体ウエハの表面にごみが付着する状況を
説明する図である。
【符号の説明】
1 熱処理装置 W 半導体ウエハ(被処理体) 4 反応管(真空容器) 23 排気管(主排気系) 27 副排気管(副排気系) 31 制御装置 41 予備室(真空容器) 47 主排気管 48 副排気管 55 主気体供給管 56 副気体供給管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−99051(JP,A) 特開 平6−93427(JP,A) 特開 平3−144281(JP,A) 特開 平2−305383(JP,A) 特開 平6−179063(JP,A) 特開 平4−362712(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01J 3/00 - 3/08

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 排気流量の大きい主排気系と排気流量の
    小さい副排気系を備えた真空容器の圧力を大気圧から所
    定の圧力まで減圧するに際して、前記副排気系を動作さ
    せて前記真空容器内を減圧する副排気減圧工程と、この
    副排気減圧工程後に前記主排気系を動作させて前記真空
    容器内を減圧する主排気減圧工程とを備え、少なくとも
    主排気減圧工程を前記真空容器内の気体に含まれる水分
    の凝縮液化が生じない最大の減圧速度で実行することを
    特徴とする真空容器の圧力制御方法。
  2. 【請求項2】 排気流量の大きい主排気系と排気流量の
    小さい副排気系を備えた真空容器の圧力を大気圧から所
    定の圧力まで減圧するに際して、前記真空容器内の気体
    を水分の除去された不活性ガスにより置換するガス置換
    工程と、このガス置換工程後に前記副排気系を動作させ
    て前記真空容器内を減圧する副排気減圧工程と、この副
    排気減圧工程後に前記主排気系を動作させて前記真空容
    器内を減圧する主排気減圧工程とを具備したことを特徴
    とする真空容器の圧力制御方法。
  3. 【請求項3】 排気流量の大きい主排気系と排気流量の
    小さい副排気系を備えた真空容器の圧力を大気圧から所
    定の圧力まで減圧するに際して、前記真空容器内に水分
    の除去された不活性ガスを供給し状態で前記副排気
    系を動作させて前記真空容器内を減圧する副排気減圧工
    程と、この副排気減圧工程後に前記主排気系を動作させ
    て前記真空容器内を減圧する主排気減圧工程とを具備し
    ことを特徴とする真空容器の圧力制御方法。
  4. 【請求項4】 比較的大径の主排気管と比較的小径の副
    排気管とを備えた真空容器の圧力を大気圧から所定の圧
    力まで排気するに際して、前記真空容器内を前記副排気
    管の弁開度を連続的に開いて排気する第1の排気工程
    と、この第1の排気工程後に前記主排気管の弁開度を連
    続的に開いて排気する第2の排気工程とを具備したこと
    を特徴とする真空容器の圧力制御方法。
  5. 【請求項5】 真空容器の圧力を所定の減圧状態から大
    気圧まで復帰させるに際して、前記真空容器内を排気し
    ながら同真空容器内に水分の除去された気体を供給して
    所定の圧力まで復帰させる初期圧力復帰工程と、この初
    期圧力復帰工程後に前記排気を停止させると共に、前記
    真空容器内に前記気体を供給して大気圧まで復帰させる
    主圧力復帰工程とを備えたことを特徴とする真空容器の
    圧力制御方法。
  6. 【請求項6】 前記気体の供給流量が、前記初期圧力復
    帰工程から主圧力復帰工程にかけて小から大に制御され
    ることを特徴とする請求項5記載の真空容器の圧力制御
    方法。
  7. 【請求項7】 前記気体が、水分除去装置で水分を除去
    された不活性ガスであることを特徴とする請求項5又は
    6記載の真空容器の圧力制御方法。
  8. 【請求項8】 比較的大径の主気体供給管と比較的小径
    の副気体供給管とを備えた真空容器の圧力を真空状態か
    ら大気圧に解放するに際して、前記真空容器内に前記副
    気体供給管の弁開度を連続的に開いて気体を供給する第
    1の気体供給工程と、この第1の気体供給工程後に前記
    主気体供給管の弁開度を連続的に開いて気体を供給する
    第2の気体供給工程とを具備したことを特徴とする真空
    容器の圧力制御方法。
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