以下、本発明を具体化した光走査装置の一実施の形態について、図面を参照して説明する。まず、図1を参照して、本発明にかかる光走査装置を備えた画像形成装置の一例であるレーザプリンタ1の全体の構成について説明する。図1は、レーザプリンタ1の中央断面図である。
図1に示すように、レーザプリンタ1は、断面視、本体ケース2内に、被記録媒体としての用紙3を給紙するためのフィーダ部4や、給紙された用紙3に印刷するための画像形成部を構成するスキャナユニット200、プロセスカートリッジ17および定着器18等を備えている。なお、レーザプリンタ1において、図中右手方向が前面となる。
排紙トレイ46は、本体ケース2の上部中央より前側にかけての位置に、印刷された用紙3を積層保持できるように、本体ケース2の前側ほど傾斜が小さくなるように凹部形成されている。また、本体ケース2の前面の上寄り部位には、プロセスカートリッジ17の挿入のための一部開放状の空間があり、プロセスカートリッジ17は、本体ケース2の前面側(図中右手側)のカバー54を下向きに回動させて大きく開いた状態で着脱される。
本体ケース2内の後部(図中左手側)には、本体ケース2内の下部後端側に設けられた定着器18から排出された用紙3が上部に設けられた排紙トレイ46に導かれるように、本体ケース2の背面に沿って上下方向に半弧を描くように排紙パス44が設けられ、この排紙パス44に、用紙3の搬送を行う排紙ローラ45が設けられている。
フィーダ部4は、本体ケース2内の底部に設けられた給紙ローラ8と、レーザプリンタ1の前面より前後方向に着脱可能に装着される給紙カセット6と、給紙カセット6内に設けられ、用紙3を積層保持して用紙3を給紙ローラ8に圧接する用紙押圧板7と、給紙カセット6の一端側端部の上方に設けられ、給紙ローラ8に向かって押圧され、給紙時に給紙ローラ8と協働して用紙3を一枚毎に分離する分離パッド9と、給紙ローラ8に対して用紙3の搬送方向の下流側に設けられ、用紙3の搬送を行う搬送ローラ11と、その搬送ローラ11に用紙3を介して接触して紙粉を除去するとともに搬送ローラ11と協働して用紙3の搬送を行う紙粉取りローラ10と、搬送ローラ11に対し用紙3の搬送方向の下流側に設けられ、印刷の際の用紙3の送り出しのタイミングを調整するレジストローラ12とを備えている。
用紙押圧板7は、用紙3を積層状にスタックすることができ、給紙ローラ8に対して遠い方の端部に設けられた支軸7aが給紙カセット6の底面に支持されることによって、この支軸7aを回動中心として、近い方の端部が上下方向に移動可能とされており、また、その裏側からバネ7bによって給紙ローラ8の方向に付勢されている。そのため、用紙押圧板7は、用紙3の積層量が増えるにともない、支軸7aを支点としてバネ7bの付勢力に抗して下向きに揺動される。そして、給紙ローラ8および分離パッド9は互いに対向するように配設され、分離パッド9の裏側に配設されるバネ13によって、分離パッド9が給紙ローラ8に向かって押圧されている。
なお、給紙の際に用紙3と分離パッド9との摩擦によって発生される紙粉は、分離パッド9の下流にて給紙ローラ8と協働するように配設された紙粉取りローラ14に静電吸着し、スポンジ14aによって絡め取られて除去されるようになっている。そして、紙粉取りローラ14で除去しきれなかった紙粉は、画像形成部に侵入されないように紙粉取りローラ10によって除去される。
また、給紙カセット6の上方には、両面印刷ユニット26が配設されている。両面印刷ユニット26には、反転搬送ローラ50a,50b,50cが略水平方向に設けられており、その両末端にはそれぞれ反転搬送パス47a,47bが接続されている。反転搬送パス47aは背面カバー48の内面側に設けられ、用紙3の搬送方向における排紙パス44の末端位置で、用紙3が逆方向に搬送される際に排紙パス44から分岐され、両面印刷ユニット26に導かれるように、反転搬送パス47aを介して排紙ローラ45と反転搬送ローラ50aとを接続している。反転搬送パス47bは、その用紙3を画像形成部に導くように、反転搬送ローラ50cとレジストローラ12とを接続している。
なお、両面印刷が行われる場合には、まず、一方の面に画像形成が行われた用紙3が搬送され、その一部が一旦排紙トレイ46に排出される。そして、その用紙3の後端が排紙ローラ45に挟まれたときに、排紙ローラ45が正転を停止し、逆転を行う。すると、用紙3の後端が排紙パス44の弧面に当接し、弧面に沿って、定着器18の方向には戻らずに反転搬送パス47aに導かれる。用紙3は、反転搬送パス47aから反転搬送ローラ50a,50b,50cに搬送されて反転搬送パス47bに送出され、この反転搬送パス47bに沿ってレジストローラ12に導かれる。このような搬送経路を辿ることによって、用紙3が排紙ローラ45からレジストローラ12に搬送される場合に、用紙3が前後逆向きに搬送され、また、すでに印刷が行われた面が下向きに反転されて画像形成部に送られることになる。そして、画像形成部では、用紙3の他方の面にも画像が形成される。
また、両面印刷ユニット26と画像形成部との間の位置には、低圧電源基板90、高圧電源基板95およびエンジン基板85が設けられており、これら各基板を定着器18やプロセスカートリッジ17などの他の装置から隔離するために、各基板と画像形成部との間にはシュート80が設けられ、その上部に設けられたガイド板81が、用紙3の搬送路の一部を構成している。なお、シュート80は、レーザプリンタ1の各構成装置を挟んで支持する左右の本体フレーム(図示外)間を架設支持している。
低圧電源基板90は、レーザプリンタ1の外部から供給された、例えば単相100Vの電圧を、レーザプリンタ1の内部の各部に供給するために、例えば24Vの電圧に降下させるための回路基板である。また、高圧電源基板95は、後述するプロセスカートリッジ17の各部に印加する高電圧のバイアスを発生する回路基板である。エンジン基板85は、レーザプリンタ1の各ローラ等の機械的な動作をともなう部品の駆動源であるDCモータ(図示外)や、その駆動系の動作方向の切り換えを行うためのソレノイド(図示外)等を駆動させるための回路基板である。
次に、画像形成部のプロセスカートリッジ17は、ドラムカートリッジ23と、ドラムカートリッジ23に着脱可能な現像カートリッジ24とから構成されている。ドラムカートリッジ23は、感光体ドラム27、スコロトロン型帯電器29、転写ローラ30等を備えている。現像カートリッジ24は、現像ローラ31、供給ローラ33、トナーホッパー34等を備えている。
ドラムカートリッジ23の感光体ドラム27は、現像ローラ31と接触する状態で矢印方向(図中時計方向)に回転可能に配設されている。この感光体ドラム27は、導電性基材の上に、正帯電の有機感光体を塗布したものであり、電荷発生材料が電荷輸送層に分散された正帯電有機感光体である。感光体ドラム27はレーザ光等の照射を受けると、光吸収によって電荷発生材料で電荷が発生され、電荷輸送層で感光体ドラム27の表面と、導電性基材とにその電荷が輸送されて、スコロトロン型帯電器29に帯電されたその表面電位をうち消すことで、照射を受けた部分の電位と、受けていない部分の電位との間に電位差を設けることができるようになっている。印刷データに基づいてレーザ光を露光走査することにより、感光体ドラム27には静電潜像が形成されるのである。
帯電手段としてのスコロトロン型帯電器29は、感光体ドラム27の上方に、感光体ドラム27に接触しないように、所定の間隔を隔てて配設されている。スコロトロン型帯電器29は、タングステンなどの放電用のワイヤからコロナ放電を発生させるスコロトロン型の帯電器であり、高圧電源基板95の帯電バイアス回路部(図示外)によりオンされて感光体ドラム27の表面を一様に正極性に帯電させるように構成されている。
また、現像カートリッジ24がドラムカートリッジ23に装着された状態では、現像ローラ31は、感光体ドラム27の回転方向(図中時計方向)におけるスコロトロン型帯電器29の配置位置より下流に配設されており、矢印方向(図中反時計方向)に回転可能に配設されている。この現像ローラ31は、金属製のローラ軸に導電性のゴム材料からなるローラが被覆されており、高圧電源基板95の現像バイアス回路部(図示外)から現像バイアスが印加される。
次に、供給ローラ33は、現像ローラ31の側方位置で、現像ローラ31を挟んで感光体ドラム27の反対側の位置に回転可能に配設されており、現像ローラ31に対して圧縮するような状態で当接されている。この供給ローラ33は、金属製のローラ軸に、導電性の発泡材料からなるローラが被覆されており、現像ローラ31に供給するトナーを摩擦帯電するようになっている。このため、供給ローラ33は、現像ローラ31と同方向である矢印方向(図中反時計方向)に回転可能に配設されている。
また、トナーホッパー34は、供給ローラ33の側方位置に設けられており、その内部に供給ローラ33を介して現像ローラ31に供給される現像剤を充填している。本実施の形態では、現像剤として正帯電性の非磁性1成分のトナーが使用されており、このトナーは、重合性単量体、例えばスチレンなどのスチレン系単量体やアクリル酸、アルキル(C1〜C4)アクリレート、アルキル(C1〜C4)メタアクリレートなどのアクリル系単量体を、懸濁重合などの公知の重合方法によって共重合させることにより得られる重合トナーである。このような重合トナーには、カーボンブラックなどの着色剤やワックスなどが配合されるとともに、流動性を向上させるために、シリカなど外添剤が添加されている。その粒子径は、約6〜10μm程度である。
アジテータ36は、断面視、略くの字形状を有し、軸方向(図中紙面表裏方向)に伸びる粗い網目状の板体であり、一端に回転軸35が設けられ、他端と、くの字形状の中腹部分との2箇所に、トナーホッパー34の内壁を摺擦するように構成されているフィルム部材36aがそれぞれ設けられている。そして、トナーホッパー34の長手方向の両端中心位置で軸35が支持されたアジテータ36が矢印方向(図中時計方向)へ回転することによって、トナーホッパー34内に収容されたトナーが攪拌される。
また、感光体ドラム27の回転方向の現像ローラ31の下流で、感光体ドラム27の下方位置には、転写ローラ30が配設されており、矢印方向(図中反時計方向)に回転可能に支持されている。この転写ローラ30は、金属製のローラ軸に、イオン導電性のゴム材料からなるローラが被覆されており、転写時には、高圧電源基板95の転写バイアス回路部(図示外)から転写バイアスが印加されるように構成されている。転写バイアスとは、感光体ドラム27の表面上に静電付着したトナーが転写ローラ30の表面上に電気的に吸引される方向に電位差が生じるように転写ローラ30に印加するバイアスである。
このレーザプリンタ1では、転写ローラ30によって感光体ドラム27から用紙3にトナーが転写された後に、感光体ドラム27の表面上に残存する残存トナーを現像ローラ31で回収する、いわゆるクリーナーレス現像方式を採用している。
次に、画像形成部の定着器18は、プロセスカートリッジ17の側方下流側に配設され、定着ローラ41、この定着ローラ41を押圧する加圧ローラ42、およびこれら定着ローラ41,加圧ローラ42の下流側に設けられる一対の搬送ローラ43を備えている。定着ローラ41は、中空のアルミ製の軸にフッ素樹脂がコーティングされ焼成されたローラであり、筒状のローラの内部に加熱のためのハロゲンランプ41aを備えている。加圧ローラ42は、低硬度シリコンゴムからなる軸にフッ素樹脂のチューブが被膜されたローラであり、スプリング(図示外)によってその軸が上方に付勢されることで、定着ローラ41に対して押圧されている。定着器18では、プロセスカートリッジ17において用紙3上に転写されたトナーを、用紙3が定着ローラ41と加圧ローラ42との間を通過する間に加圧加熱定着させ、その後、その用紙3を搬送ローラ43によって、排紙パス44に搬送するようにしている。
次に、図1〜図3を参照して、スキャナユニット200について説明する。図2は、スキャナユニット200の上蓋部材201を外して上方から見た斜視図である。図3は、スキャナユニット200の上蓋部材201およびトレー203を外して図2とは別角度から見た斜視図である。
図1に示すように、スキャナユニット200の筐体は、ガラス繊維等の強化剤が混合された樹脂製のスキャナフレーム202と、その上方を覆い塞ぐ鉄製の上蓋部材201と、スキャナフレーム202の下方を支持し、レーザプリンタ1の左右の本体フレーム(図示外)間にネジ止め固定される鋼板製のトレー203とから構成されている。なお、スキャナフレーム202が、本発明における「フレーム」である。
図2に示すように、トレー203は、略長方形の板材の四辺が同一方向に折り曲げられた浅い箱状に形成されており、短手方向をレーザプリンタ1の前後方向とし、長手方向にて左右の本体フレーム(図示外)間に架橋され固定されるように、長手方向の両端の折り曲げ部分にネジ止め用の孔が2つずつ、それぞれに穿孔されている。また、トレー203の略中央の位置には、長手方向に細長く開口された開口部203a(図1参照)が設けられている。スキャナフレーム202は、トレー203の底面よりやや小さめの範囲を一部切欠状の略矩形に取り巻いて、トレー203の底面と略垂直な方向に立てられた外壁202aと、その外壁202aで囲った内側で、外壁202aの中腹付近にてスキャナフレーム202を上下の2層に分割する隔壁202bとで構成されている。
スキャナフレーム202の隔壁202bより上の上層には、スキャナフレーム202の長手方向の一端に配置され、後述するレーザ光を出射するレーザユニット300と、レーザユニット300から出射されるレーザ光を上下方向に屈折させてしてポリゴンミラー220上で結像させるシリンドリカルレンズ210と、短手方向の一端に配置され、6角形の回転体の周囲に6つの鏡面が設けられ、その鏡面上で結像されたレーザ光を水平方向に走査するポリゴンミラー220と、ポリゴンミラー220に反射され等角速度に走査されたレーザ光を等速度走査に変換するfθレンズ230と、短手方向の他端に配置され、fθレンズ230を通過したレーザ光をスキャナフレーム202の下層側に反射して中継するミラー240とが配設されている。
図1に示すように、スキャナフレーム202の下層側には、ミラー240に中継されたレーザ光を、スキャナフレーム202の内部方向に折り返すミラー250と、ポリゴンミラー220における面倒れの補正のため、レーザ光の光束を上下方向に屈折させるシリンドリカルレンズ260と、シリンドリカルレンズ260を通過したレーザ光を、トレー203の開口部203aを介してスキャナユニット200より出射させ、感光体ドラム27表面上で結像されるように反射するミラー270とが配設されている。なお、fθレンズ230と、ミラー240,250,270と、シリンドリカルレンズ260とが、本発明における「結像手段」である。
また、図2、図3に示すように、レーザユニット300が配置されたスキャナフレーム202の短手側の外壁面に沿って、ポリゴンミラー220を回転駆動させるモータ221やレーザユニット300から出射させるレーザ光の出力などを調整するための回路基板204が設けられている。この回路基板204には調整孔205が穿設されており、またその調整孔205に対応するスキャナフレーム202の外壁にも貫通孔202dが穿設されており、後述するレーザユニット300の光軸調整時にドライバ等を挿入できるようになっている。また、ポリゴンミラー220に対して出射されるLD350から出射されるレーザ光の光軸(図中2点鎖線で示す)の延長線上にあたるスキャナフレーム202の壁面には、光軸検査用の検査孔202cが設けられている。なお、モータ221が、本発明における「駆動手段」である。
ところで、ポリゴンミラー220はモータ221によって回転駆動されるが、これによりスキャナユニット200内では空気の流れが生ずる。すると、スキャナユニット200の内部に埃やトナー粉末等が吸い込まれてしまうことがあり、それら埃等がレンズやミラー面に付着してレーザ光の透過率や反射率を低下させてしまうと、感光体ドラム27を露光するレーザ光の光強度が低下して露光不充分となり、例えば用紙3へのトナーの付着量が下がって印刷結果が薄くなってしまうなどの悪影響を及ぼす。これを防止するため、スキャナユニット200では、スキャナフレーム202の外壁202aと上蓋部材201およびトレー203とが当接する部分にはウレタンフォーム等の弾性部材が間に挟み込んであり、スキャナユニット200はほぼ密閉された状態となっている。このウレタンフォームは、モータ221の回転にともなって発生する振動がトレー203に伝わりにくいようにするための緩衝材としても機能する。
次に、図4,図5を参照して、レーザユニット300の構成について説明する。図4は、レーザユニット300の展開図である。図5は、レーザユニット300を示す斜視図である。図6は、図5とは別角度から見たレーザユニット300を示す斜視図である。なお、以下の図面においてレーザユニット300におけるレーザ光の光軸方向をZ軸方向、レーザユニット300のスキャナフレーム202への取付時の上下方向,左右方向をそれぞれY軸方向,X軸方向とする。
図4に示すように、レーザユニット300は、1枚のアルミ板から折り曲げ加工によって形成され、LD350を支持するLD支持部310と、略矩形のアルミ板で、板面のほぼ中央にコリメートレンズ360を支持するレンズ支持部320と、水平方向に細長いスリットが設けられたスリット板330とから構成される。なお、このアルミ板の表面には、光の反射率を高める光輝処理が施されていることが、後述するレンズ支持部320の固定の点から望ましい。
LD支持部310は、レンズ支持部320とスリット板330とを固定する固定部311と、LD350を固定する保持部312と、LD350の光軸方向における位置調整を行うための調整部313とから構成される。固定部311は、略矩形の底板311aと、その短手方向の一端側(−X方向側)から底板311aと略同幅で底板311aの短手方向の長さよりやや短めに延設された側板311bと、底板311aの他端側(+X方向側)の縁端で、底板311aの長手方向の略中央より−Z方向側の端部までの縁端より側板311bと略同じ長さ分延設された側板311cとから構成されている。これら側板311b,311cは、図5,図6に示すように、それぞれ底板311aに対して略直交する同方向(+Y方向)に折り曲げられ、このとき、側板311b,311cのそれぞれの面方向が略平行となるように対向して配置される。また、底板311aの+Z方向側の端部には、スリット板330の位置決めを行う位置決め突起311dと、スリット板330をネジで締結するためのネジ孔311eとが設けられている。
図4に示すように、保持部312は、側板311bの−Z方向側の縁端よりその方向に底板311aの短手方向よりも長く延設されている。側板311bと保持部312との接続部分314には略中央の位置にて穿孔され、接続部分314を延設幅方向に2つに分けて接続幅を小さくしている。これは、後述するこの接続部分314での折り曲げ時に、接続部分314における剛性を下げて撓みやすくするためである。図5,図6に示すように、側板311bが底板311aに対して折り曲げられたときに、保持部312は、その延設端部312aが側板311cの方向に向かうように、側板311bとの接続部分314にて折り曲げられる。すなわち、保持部312の面は固定部311の板面の各面に対して略直交するが、折り曲げ位置は側板311bの縁端からアルミ板の厚み程度、保持部312寄りの位置にあるので、保持部312は底板311aとは接触しない。折り曲げ後の保持部312の上下方向(Y軸方向)の略中央で底板311aの短手方向の略中央に当たる部分にはLD350を圧入して支持するための支持孔312bが穿設されている。その周囲に2箇所、圧入したLD350の端子を固定するLD基板206(図2参照)をネジ止めするためのネジ孔312cが設けられている。また、延設端部312aには、保持部312の延設方向に長軸を有する長円形の調整孔312dが穿設されている。なお、LD基板206は、図示外のフラットケーブルにて回路基板204(図2参照)と接続される。なお、保持部312が、本発明における「第2の支持板」である。また、接続部分314が、本発明における「接続部」であり、LD350が、本発明における「光源」である。
図4に示すように、調整部313は、側板311cの−Z方向側の縁端よりその方向に側板311cの同程度の長さ分、延設された側板313aと、その側板313aの底板311a側(−X方向側)の縁端から側板313aとほぼ同じ大きさ分延設された底板313bとから構成される。図5,図6に示すように、側板311bが底板311aに対して折り曲げられたときに、側板313aは、側板311cから底板311aに対する反対側方向(+X方向)に折り曲げられる。すると、側板313aの面が底板311aおよび側板311cのそれぞれの面に対して直交する。底板313bは、側板311cの面に折り曲げられ、底板311aと平行となる。底板313bにはスキャナフレーム202に固定されるためのネジ孔dが穿設されている。また、この状態で側板313aは保持部312の延設端部312aと対向し、調整孔312dの略中央に対応する位置に円形のネジ孔313cが穿設されている。なお、延設端部312aと側板313aとは、その面同士の距離が、ネジ370の長さ以上に開かない程度の間隔を開けて対峙させ、接触しないように、保持部312の折り曲げが行われる。そして、調整孔312d側からネジ370が挿入されネジ孔313cにて締結される際の締め具合によって、後述する位置調整が行われる。なお、調整部313と保持部312の延設端部312aとネジ370とが、本発明における「調整手段」である。
図4に示すように、レンズ支持部320は、略矩形の板体であり、短手方向の幅Bが底板311aの短手方向の折り曲げ後の内側寸法幅A、すなわち平行に配置される側板311b,311c(図5参照)間の長さよりも100μm以上、細幅となるように設計されている。そして、その中央にはコリメートレンズ360を支持するための支持孔320aが穿設されている。この支持孔320aは、レンズ支持部320のX軸方向における中央の位置に、コリメートレンズ360のレンズ中心がくるように穿設されている。また、長手方向の一端側の角部は欠かれており、他端近傍には、レンズ支持部320の位置調整を行う際に保持器具(図示外)で保持するための保持孔320bが穿設されている。図5,図6に示すように、LD支持部310の固定部311に固定される場合には、レンズ支持部320は、その面が底板311a,側板311b,311cのそれぞれの面に対して直交する。すなわち、レンズ支持部320の面は、保持部312の面と略平行方向に配置される。このとき、レンズ支持部320の支持孔320aの位置は、保持部312の支持孔312bの位置にZ軸方向においてほぼ重なる位置となる。
図4に示すように、スリット板330は、底板311aの短手方向の長さにほぼ同じ長手方向の長さを有する底板330aと、その短手方向の一端から、短手方向の長さよりやや短めの幅にて突設された側板330bとから構成される。底板330aには底板311aの位置決め突起311dおよびネジ孔311eにそれぞれ対応する位置決め孔330cとネジ孔330dとが穿設されている。また、側板330bの底板330a側の縁端より、固定部311の側板311bの短手方向の長さの約半分の長さ分の位置には、X軸方向に細長く穿孔されたスリット孔330eが設けられている。図5,図6に示すように、スリット板330は、底板330aに対して側板330bが略直交方向に曲げられ、位置決め突起311dによって底板311a上で位置決めされ、ネジ380でLD支持部310ごとスキャナフレーム202に固定される。LD支持部310は、調整部313の底板313bのネジ孔313dにもネジ380が挿入され、スキャナフレーム202に固定される。なお、図示しないが、底板311a,313bにはLD支持部310をスキャナフレーム202に固定する際の位置決めを行う切欠が設けられている。なお、スリット板330が、本発明における「スリット部材」である。
次に、図5,図6を参照して、レーザユニット300の取り付けおよび調整について説明する。図5,図6に示すように、レーザユニット300は、前述したように、図4に示す破線で谷折りに、1点鎖線で山折りに折り曲げられた後、LD支持部310の支持孔312bに、LD350がそのレーザ光の発光方向をスリット板330の方向にあわせて圧入される。そして、LD支持部310は、スリット板330とともにスキャナフレーム202にネジ380で固定される。保持部312の調整孔312d側から挿入されたネジ370がネジ孔313cで締められて仮止めされる。
一方、レンズ支持部320の支持孔320aには、コリメートレンズ360が嵌められて支持される。このレンズ支持部320には、コリメートレンズ360の光軸方向がレンズ支持部320の板面に直交するように、コリメートレンズ360が支持される。なお、コリメートレンズ360が、本発明における「レンズ」に相当する。
そして、レンズ支持部320は、保持器具(図示外)に保持孔320bで保持され、その板面を側板311b,311cの対向方向と平行に向けた状態、すなわち、コリメートレンズ360の光軸方向がZ軸方向と略平行な状態で、固定部311に位置される。この工程に先立って、レンズ支持部320が位置されたときにその板厚方向の断面と対向する固定部311の側板311b,311cのそれぞれの対向位置には、あらかじめ接着剤が塗布される。この接着剤はUV光の照射を受けると硬化する既知のUV接着剤である。
ところで、スキャナユニット200の生産工程において、そのUV接着剤は、レンズ支持部320を所定の位置に配置する前に、垂直な面に厚さ1〜2mmで塗布した方が作業性がよい。この厚さで塗布した場合でも、UV接着剤は、垂れたりすることがないような粘性を有していることが望まれる。このため、UV接着剤のチクソ比は、1.9〜10であることが好ましい。なお、チクソ比は、いわゆる垂れにくさの指標であり、チクソ比が1.9以上であれば、UV接着剤は、塗布厚さ2mm程度では垂れることがなく、生産工程において、レンズ支持部320の位置調整作業にかかる時間を含めた塗布後放置される可能性がある時間(例えば、約20分)内であれば、塗布した状態の形を保持していることがわかっている。また、チクソ比が10以下であれば、UV接着剤の塗布位置にレンズ支持部320を挿入した際、UV接着剤がレンズ支持部320の接着部(側板311b,311cに対向するレンズ支持部320の板厚方向の断面を含むその近傍)になじみ、レンズ支持部320の位置調整時もUV接着剤が自由に変形し、保持器具にかかる力も弱いため、目的とするレンズ支持部320の高精度な位置調整を容易に行うことができる。また、UV接着剤の硬化後、レンズ支持部320と側板311b,311cとの間で、X,Y,Z軸方向それぞれに充分な接着力が得られる。
次いで、LD350とコリメートレンズ360の光軸合わせが行われるが、この工程はスキャナフレーム202にポリゴンミラー220が固定される前に行われる。光軸合わせの工程では、回路基板204(図2参照)を介してLD350に所定の電圧が印加され、LD350よりレーザ光が出射される。レーザ光はコリメートレンズ360およびスリット孔330eを通過し、光路上にポリゴンミラー220がないため、スキャナフレーム202の検査孔202cを通って外部に出射され、そこに設置された測定器(図示外)に入光される。そして、測定器によって、LD350とコリメートレンズ360との光軸が正しく調整されているかどうかが測定される。この測定結果をもとに保持器具(図示外)によってレンズ支持部320の位置がX軸方向およびY軸方向に移動され、光軸調整が行われる。このレンズ支持部320には未硬化のUV接着剤が接触しているが、前述したように、このUV接着剤が保持器具にかける力は弱く、その動作を妨げないので、保持器具によるレンズ支持部320の位置調整を阻害することはない。よって、調整ずれの許容範囲(例えば10μm未満)に対して充分なマージンをもって、目標とする調整位置から、例えば数μm以内のレベルまでレンズ支持部320の位置を調整することができる。なお、前述したように、レンズ支持部320の短手方向の幅Bが底板311aの短手方向の幅Aよりも100μm以上、細幅となっており、レンズ支持部320のX軸方向における位置の調整が可能である。この光軸合わせが行われるときに、LD350とコリメートレンズ360との光軸方向の距離が、後述する保持部312の移動による調整が可能な所定の範囲におさまるようにレンズ支持部320が配置される。
前記数μm以内におけるLD350とコリメートレンズ360との光軸調整が済むと、UV接着剤にUV光が照射され、硬化される。このとき、レーザユニット300の材質が光輝アルミであるので、照射されたUV光がレーザユニット300の各面で反射される。これにより、UV接着剤にあたるUV光の光量が増加するので、UVの硬化速度が速まり、本実施の形態では10秒程度で充分硬化する。こうしてレンズ支持部320は、LD支持部310の固定部311に固定される。
また、このUV接着剤には、収縮防止剤としてガラスビーズが混合されている。なお、収縮防止剤としてはガラス粉、雲母であってもよい。これにより、UV接着剤の硬化時にその体積が減少する減少率が低減されるので、LD350とコリメートレンズ360の光軸調整後のずれが発生しにくくなり、調整ずれの許容範囲内に充分収めることができる。
次に、回路基板204およびスキャナフレーム202の貫通孔202d(図3参照)を介してドライバ等が挿入されてネジ370が回される。これにより、保持部312にて、側板311bとの接続部分314を支点、調整孔312dの位置を力点、LD350の支持孔312bの位置を作用点とするテコの性質を利用して、LD350とコリメートレンズ360との光軸方向の相対位置調整が行われる。力点における移動量と作用点における移動量とは支点からのそれぞれの距離の比に比例するので、支点からの距離が作用点よりも遠くなるように設定された力点では、力点の位置を大きく移動させても作用点の移動を小さくすることができる。従って、ネジ370の回転によって保持部312の延設端部312aと側板313aとの距離を調整することで、1μm以下の充分なレベルでの最終調整が必要なLD350とコリメートレンズ360との距離を微調整することができる。LD350の位置は、ネジ370の締め付けにより+Z方向に調整され、ネジ370をゆるめると、もともと接触しないように対峙された保持部312の延設端部312aと側板313aとの間の距離が離れる方向にアルミ板が弾性復帰するので、LD350の位置は、−Z方向に調整される。また、調整孔312dがX軸方向に長軸を有する長円形であるので、ネジ370によって保持部312の縦方向(Y軸方向)への大きな動きが規制され、万一ずれが発生した場合でも調整ずれの許容範囲内に収まるようずれが防止されている。
このようにして、レーザユニット300のLD350とコリメートレンズ360との相対位置調整が済むと、スキャナフレーム202にはポリゴンミラー220が配設され、トレー203に固定されてから上蓋部材201でほぼ密閉状態にされ、レーザプリンタ1の左右の本体フレーム(図示外)間に固定される。なお、レーザユニット300のLD支持部310とレンズ支持部320とが同一素材からなるので線膨張係数が同じであり、周囲の環境からの温度変化(例えばLD350の発熱等による)の影響をうけても、LD支持部310とレンズ支持部320とが同じ比率で膨張するので、調整された位置を安定して維持することができる。
次に、図1,図2を参照して、レーザプリンタ1の印刷時の動作について説明する。給紙カセット6の用紙押圧板7上に積層されたうちの最上位にある用紙3は、用紙押圧板7の裏側からバネ7bによって給紙ローラ8に向かって押圧されている。ホストコンピュータ(図示外)からの印刷データの受信に基づいて印刷が開始されると、用紙3は、回転する給紙ローラ8との間の摩擦力によって送られ、給紙ローラ8と分離パッド9との間に挟まれる。単葉に分離された用紙3はレジストローラ12に送られる。
一方、スキャナユニット200では、エンジン基板85で生成されたレーザ駆動信号に基づいてレーザユニット300のLD350より出射されたレーザ光は、コリメートレンズ360によりほぼ平行光にコリメートされ、スリット孔330eで光束の広がりを規制され、シリンドリカルレンズ210で上下方向に屈折されてポリゴンミラー220上で結像される。ポリゴンミラー220は、レーザ光を、反射する際に水平方向に走査してfθレンズ230に入射させる。等角速度に走査されたレーザ光は、fθレンズ230を通過する際に等線速度走査に変換され、ミラー240,250を介し、シリンドリカルレンズ260によってポリゴンミラー220による垂直方向の面倒れが補正され、さらにミラー270を介して感光体ドラム27の表面上に結像される。
また、感光体ドラム27は、スコロトロン型帯電器29によって、その表面電位が、例えば約1000Vに帯電される。矢印方向(図中時計方向)に回転する感光体ドラム27は、次に、レーザ光の照射を受ける。レーザ光は用紙3の主走査線上において、現像を行う部分は照射、行わない部分は非照射となるように出射され、レーザ光の照射を受けた部分(明部)は、その表面電位が、例えば約200Vに下がる。そして、感光体ドラム27の回転によって、レーザ光は副走査方向(用紙3の搬送方向)にも照射され、レーザ光が照射されなかった部分(暗部)と明部とで、感光体ドラム27表面上には電気的な不可視画像、すなわち静電潜像が形成される。
また、トナーホッパー34内のトナーは、アジテータ36の回転により供給ローラ33に供給され、次に、供給ローラ33の回転により、現像ローラ31に供給される。このとき、トナーは、供給ローラ33と現像ローラ31との間で正に摩擦帯電され、さらに、一定厚さの薄層となるように調整されて現像ローラ31上に担持される。この現像ローラ31には約400Vの正のバイアスが印加されている。現像ローラ31の回転により、現像ローラ31上に担持され、かつ正帯電されているトナーは、感光体ドラム27に対向して接触するときに、感光体ドラム27の表面上に形成されている静電潜像に転移する。すなわち、現像ローラ31の電位は、暗部の電位(+1000V)より低く、明部の電位(+200V)より高いので、トナーは電位の低い明部に対して選択的に転移する。こうして、感光体ドラム27の表面上に、トナーによる現像剤像としての可視像が形成され、現像が行われる。
レジストローラ12は用紙3をレジストし、回転する感光体ドラム27の表面上に形成された可視像の先端と用紙3の先端とが一致するタイミングで用紙3を送り出す。そして、感光体ドラム27と転写ローラ30との間を用紙3が通過する際に、転写ローラ30の電位が明部の電位(+200V)よりさらに低くなる(例えば約−1000V)ように、転写ローラ30には負の定電流を印加することで、感光体ドラム27の表面上に形成された可視像が用紙3上に転写される。
そして、トナーが転写された用紙3は、定着器18に搬送される。定着器18は、トナーの載った用紙3に、定着ローラ41による約200℃の熱と加圧ローラ42による圧力とを加え、トナーを用紙3上に溶着させて永久画像を形成する。なお、定着ローラ41と加圧ローラ42とはそれぞれダイオードを介して接地されており、定着ローラ41の表面電位より加圧ローラ42の表面電位が低くなるように構成されている。そのため、用紙3の定着ローラ41側に載置されている正帯電性のトナーは、用紙3を介して加圧ローラ42に電気的に吸引されるので、定着時に定着ローラ41にトナーが引き寄せられることによる画像の乱れが防止されている。
トナーが加圧加熱定着された用紙3は、搬送ローラ43によって定着器18はら排出され、排紙パス44上を搬送されて、排紙ローラ45によって印刷面を下向きにして排紙トレイ46に排出される。次に印刷される用紙3も同様に、先に排出された用紙3の上に印刷面を下にして排紙トレイ46に積層される。こうして、利用者は、印刷順に整列された用紙3を得ることができる。
以上説明したように、本実施の形態のレーザユニット300は、1枚の光輝アルミ板から形成されたLD支持部310にLD350を支持し、また、コリメートレンズ360を支持したレンズ支持部320を保持器具で保持し、UV接着剤が事前に塗布されたLD支持部310の側板311b,311cの間に挿入する。レンズ支持部320の固定前にLD350とコリメートレンズ360とのX,Y方向における光軸調整を行い、その調整位置を維持したままUV光を照射して固定する。次いで、コリメートレンズ360が固定された状態で、保持部312にて、側板311bとの接続部分314を支点、調整孔312dの位置を力点、LD350の支持孔312bの位置を作用点とするテコの性質を利用してLD350を光軸方向に微動させ、LD350とコリメートレンズ360との光軸方向における相対位置調整を行うことができる。光軸方向における相対位置調整時にネジで締められる延設端部312aと側板313aとは面接触しないので、締結時に接触面間で発生しやすいひずみから解放される。従って、ひずみが原因の光軸のずれは発生せず、調整された位置を安定して維持することができる。
また、LD支持部310とレンズ支持部320とは同一素材からなるので線膨張係数が同じであり、また、レンズ支持部320の中央にコリメートレンズ360のレンズ中心がくるように構成されているので、LD350の発熱等の影響でレーザユニット300が熱膨張しても、部品間での膨張差がないので、調整された光軸方向を安定して維持することができる。また、LD支持部310およびレンズ支持部320がアルミで形成されているので、強化剤が混合された樹脂製のスキャナフレーム202とLD支持部310およびレンズ支持部320との線膨張係数がほぼ等しいので、熱膨張しても、部品間での膨張差がなく、調整された光軸方向を安定して維持することができる。なお、アルミで形成されたLD支持部310およびレンズ支持部320の線膨張係数は2.3×10−5/Kである。また、例えばPC(ポリカーボネート)や変性PPE(ポリフェニレンエーテルをポリスチレンによって変性した樹脂)等の樹脂の線膨張係数は6〜8×10−5/Kであり、これにガラス繊維等の強化剤を混合して形成したスキャナフレーム202の線膨張係数は1.8〜3.5×10−5/Kとなる。
なお、本発明は各種の変形が可能なことはいうまでもない。例えば、レーザユニット300のLD支持部310の固定部311の側板311cは側板311bと同じ大きさの方がなお良く、側板311cと311bとの面が略平行であればよい。また、スリット板330を設けずに、レンズ支持部320にスリットを設けるようにしてもよい。また、LD支持部310の保持部312の調整孔312dは長円形であるが円形であってもよい。また、レンズ支持部320を使用せずコリメートレンズ360を側板311cと311bとに直接接着固定してもよい。
また、アルミの線膨張係数にほぼ等しくなるように熱伝導率の高いコンパウンドが混合された樹脂で成形された円筒形のレンズ鏡筒内にコリメートレンズ360を固定して、生産時にレンズに触れにくくし、その取り扱いを容易なものとしてもよい。この場合、レンズ鏡筒とレンズ支持部320との線膨張係数がほぼ等しいので、レンズ鏡筒を支持したレンズ支持部320が、例えばLD350の発熱等による熱の影響を受けた場合でも、コリメートレンズ360周りの部分はほぼ均一に熱膨張し、レンズ中心に対してずれの影響を与えにくくすることができる。この場合、コリメートレンズ360を固定したレンズ鏡筒が、本発明における「レンズホルダ」に相当する。また、前記スリットを、レンズ鏡筒に設けてもよい。
また、図7に示すように、保持部312の力点を、支点に対して作用点と反対側に設けてもよい。すなわち、固定部311の側板311bと保持部312との接続部分314を支点として、これに対し保持部312の延設方向と反対側の方向に側板390,391を、所定の距離を隔てたまま略平行に延設する。そして、側板390,391の突設端近傍を力点として、両者をネジ370によって近接あるいは離間させることによって、接続部分314を支点として側板390と同一平面内にある保持部312が連動され、作用点であるLD350をコリメートレンズ360に離間あるいは近接させることができる。また、図8に示すように、レーザユニット300の構成でスリット板330を別途設け、レンズ支持部320にはLD350を支持し、LD支持部310の保持部312ではコリメートレンズ360を支持するようにしてもよい。この場合の光軸合わせおよび光軸方向の相対位置調整方法も本実施の形態と同様であり、レーザ光は+Z方向に出射される。
また、レーザユニット300の表面上には光輝処理を施したが、高光沢処理でもよく、生産工程にて光量のより大きなUV光が使用可能であれば、光輝処理や高光沢処理を施さないアルミ板、またはその他の金属板から形成してもよい。
また、LD支持部310、レンズ支持部320を樹脂等から成形してもよい。または、金属と樹脂との混合部品から構成してもよい。あるいは、それ以外の材料から構成してもよい。この場合、レーザユニット300を構成する部分のうち、特に保持部312、固定部311およびレンズ支持部320の熱伝導率が0.9W/(m・K)以上である材料から成形されることが望ましい。一般に金属の熱伝導率は高く、樹脂のそれは低い。しかし、一部の部品を樹脂から成形する場合、可能な限り金属の熱伝導率に近い材料を用いることによって、線膨張係数の違いによる部品間のひずみを低減できる。一般的な樹脂の熱膨張率は0.2〜0.3W/(m・K)であるが、株式会社日立製作所より熱伝導率が0.96W/(m・K)のエポキシ樹脂が開発されている。このような樹脂を利用することで、LD350から発生される熱を効率よく発散することができ、LD350を熱的に安定させて動作させることができ、LD350の発光ムラを低減することができる。