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JP4516386B2 - 薄膜磁気ヘッド構造体およびその製造方法、ならびに薄膜磁気ヘッドの製造方法 - Google Patents

薄膜磁気ヘッド構造体およびその製造方法、ならびに薄膜磁気ヘッドの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、少なくとも記録用の誘導型磁気変換素子を備えた薄膜磁気ヘッドを製造するために利用される薄膜磁気ヘッド構造体およびその製造方法、ならびに薄膜磁気ヘッド構造体を利用した薄膜磁気ヘッドの製造方法に関する。
近年、例えばハードディスクなどの磁気記録媒体(以下、単に「記録媒体」という。)の面記録密度の向上に伴い、例えばハードディスクドライブ(HDD;Hard Disk Drive )などの磁気記録装置に搭載される薄膜磁気ヘッドの性能向上が求められている。この薄膜磁気ヘッドの記録方式としては、例えば、信号磁界の向きを記録媒体の面内方向(長手方向)に設定する長手記録方式や、信号磁界の向きを記録媒体の面と直交する方向に設定する垂直記録方式が知られている。現在のところは長手記録方式が広く利用されているが、記録媒体の面記録密度の向上に伴う市場動向を考慮すれば、今後は長手記録方式に代わり垂直記録方式が有望視されるものと想定される。なぜなら、垂直記録方式では、高い線記録密度を確保可能な上、記録済みの記録媒体が熱揺らぎの影響を受けにくいという利点が得られるからである。
垂直記録方式の薄膜磁気ヘッドは、磁束を発生させる薄膜コイルと、エアベアリング面から後方に向かって延在し、薄膜コイルにおいて発生した磁束を記録媒体に向けて放出する磁極層とを備えている。この磁極層は、例えば、記録媒体の記録トラック幅を規定する幅(一定幅)を有するトラック幅規定部分を含んでいる。この磁極層のうちのトラック幅規定部分の高さ、すなわちトラック幅規定部分の前端(エアベアリング面に露出した端縁)から後端(エアベアリング面から遠い側の端縁)に至る寸法は、薄膜磁気ヘッドの記録性能に寄与する重要な因子であるネックハイトである。この垂直記録方式の薄膜磁気ヘッドでは、薄膜コイルが通電されることにより記録用の磁束が発生すると、磁極層のうちのトラック幅規定部分の先端から磁束が放出されることにより記録用の磁界(垂直磁界)が発生するため、その垂直磁界に基づいて記録媒体の表面が磁化される。これにより、記録媒体に情報が磁気的に記録される。
この薄膜磁気ヘッドとして、最近では、例えば、記録媒体に対して記録処理を施す(記録媒体に情報を磁気的に記録する)機能だけでなく、その記録媒体に対して再生処理を施す(記録媒体に記録されている情報を磁気的に読み出す)機能も併せて備えた複合型の薄膜磁気ヘッド(以下、単に「複合型薄膜磁気ヘッド」という。)が普及している。この複合型薄膜磁気ヘッドは、例えば、上記した垂直記録方式の記録処理を実行する記録ヘッド部と共に、磁気抵抗効果(MR;Magneto-Resistive effect)を利用して再生処理を実行する再生ヘッド部とを併せて備えている。この再生ヘッド部は、再生処理の実行主体として、エアベアリング面から後方に向かって延在するMR素子を含んで構成されている。このMR素子の高さ、すなわちMR素子の前端(エアベアリング面に露出した端縁)から後端(エアベアリング面から遠い側の端縁)に至る寸法は、薄膜磁気ヘッドの再生性能に寄与する重要な因子であるMRハイトである。
複合型薄膜磁気ヘッドは、一般に、複数の複合型薄膜磁気ヘッドを一括して製造することを目的として、ウェハ上に複数の薄膜磁気ヘッド前駆体が設けられた構成を有する薄膜磁気ヘッド構造体を使用して製造されている。この薄膜磁気ヘッド前駆体は、薄膜磁気ヘッドを形成するための前準備体であり、ウェハ上に複数列に渡って配列されている。特に、薄膜磁気ヘッド前駆体は、エアベアリング面が未だ形成されていない点を除き、再生ヘッド部および記録ヘッド部の双方を含む完成後の複合型薄膜磁気ヘッドと同様の構成を有している。
この複合型薄膜磁気ヘッドの製造工程では、薄膜磁気ヘッド前駆体の配列方向に沿って薄膜磁気ヘッド構造体を切断することにより複数の薄膜磁気ヘッドバーを形成したのち、再生ヘッド部および記録ヘッド部のそれぞれの研磨後寸法が所定の寸法となるまで、具体的には再生ヘッド部のMRハイトが所定の寸法になると共に記録ヘッド部のネックハイトが所定の寸法になるまで、薄膜磁気ヘッドバーのうちの一端面(薄膜磁気ヘッド構造体を切断した際の切断面)を研磨してエアベアリング面を形成することにより、薄膜磁気ヘッドを完成させている。こののち、エアベアリング面が形成された薄膜磁気ヘッドバーは、各薄膜磁気ヘッドごとに切断されることにより、複数の磁気ヘッドスライダとなる。
この複合型薄膜磁気ヘッドの製造工程に関しては、エアベアリング面を形成するための研磨工程において研磨処理の進行度を制御するために、既にいくつかの技術が提案されている。具体的には、例えば、薄膜磁気ヘッド前駆体の形成工程において、その薄膜磁気ヘッド前駆体中にモニタリング用のダミーセンサを形成しておくことにより、そのダミーセンサを利用してMRハイトを計測しながら研磨処理を実行する技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。また、例えば、MRハイトを計測する代わりに、複数の薄膜磁気ヘッド前駆体のうちの複数のMR素子の電気抵抗を測定し、その電気抵抗の平均値を算出しながら研磨処理を実行する技術が知られている(例えば、特許文献2参照。)。これらの技術によれば、いずれの場合においてもMRハイトが所定の寸法となるように研磨量を制御することが可能である。
特開平11−000863号公報 特開平02−095572号公報
ところで、複合型薄膜磁気ヘッドの作動性能を確保するためには、例えば、記録性能に寄与するネックハイトおよび再生性能に寄与するMRハイトの双方を高精度に決定する必要がある。しかしながら、従来の複合型薄膜磁気ヘッドの製造方法では、薄膜磁気ヘッドバーを研磨する際に、複数の薄膜磁気ヘッド前駆体間においてMRハイトを所定の寸法となるように決定するために研磨処理の進行度を制御しているものの、複数の薄膜磁気ヘッド前駆体間においてネックハイトを所定の寸法となるように決定するために研磨処理の進行度を制御していないため、MRハイトおよびネックハイトの双方を高精度に決定する観点において未だ改善の余地がある。したがって、複合型薄膜磁気ヘッドの作動性能を確保するためには、エアベアリング面を形成するための研磨工程においてMRハイトおよびネックハイトの双方を高精度に決定することが可能な複合型薄膜磁気ヘッドの製造技術の確立が望まれるところである。この場合には、特に、上記した複合型薄膜磁気ヘッドの製造技術を確立するために、その製造技術に利用する薄膜磁気ヘッド構造体およびその製造方法を確立することも重要である。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その第1の目的は、MRハイトおよびネックハイトの双方の高精度決定に寄与することが可能な薄膜磁気ヘッド構造体を提供することにある。
また、本発明の第2の目的は、薄膜磁気ヘッド構造体を容易に製造することが可能な薄膜磁気ヘッド構造体の製造方法を提供することにある。
さらに、本発明の第3の目的は、MRハイトおよびネックハイトの双方を高精度に決定することが可能な薄膜磁気ヘッドの製造方法を提供することにある。
本発明に係る薄膜磁気ヘッド構造体は、基体の一面に、再生ヘッド部および記録ヘッド部の双方を含むと共に記録媒体に対向する記録媒体対向面を有する複数の薄膜磁気ヘッドを形成するための前準備体として、再生ヘッド部および記録ヘッド部の双方を含む複数の薄膜磁気ヘッド前駆体と、基体と共に薄膜磁気ヘッド前駆体を併せて研磨して記録媒体対向面を形成することにより薄膜磁気ヘッドを形成する際に、再生ヘッド部に対する研磨処理の進行度を制御するために使用されると共に、幅および高さが異なる複数の形状を有する複数の第1の抵抗膜パターンと、基体と共に薄膜磁気ヘッド前駆体を併せて研磨して記録媒体対向面を形成することにより薄膜磁気ヘッドを形成する際に、記録ヘッド部に対する研磨処理の進行度を制御するために使用される複数の第2の抵抗膜パターンとを備えたものである。
本発明に係る薄膜磁気ヘッド構造体では、基体の一面に、薄膜磁気ヘッドを形成するための前準備体としての複数の薄膜磁気ヘッド前駆体と、薄膜磁気ヘッドを形成する際に再生ヘッド部に対する研磨処理の進行度を制御するために使用されると共に幅および高さが異なる複数の形状を有する複数の第1の抵抗膜パターンと、薄膜磁気ヘッドを形成する際に記録ヘッド部に対する研磨処理の進行度を制御するために使用される複数の第2の抵抗膜パターンとが備えられている。
本発明に係る薄膜磁気ヘッド構造体の製造方法は、基体の一面に、再生ヘッド部および記録ヘッド部の双方を含むと共に記録媒体に対向する記録媒体対向面を有する複数の薄膜磁気ヘッドを形成するための前準備体として、再生ヘッド部および記録ヘッド部の双方を含むように複数の薄膜磁気ヘッド前駆体をパターン形成する第1の工程と、基体と共に薄膜磁気ヘッド前駆体を併せて研磨して記録媒体対向面を形成することにより薄膜磁気ヘッドを形成する際に、再生ヘッド部に対する研磨処理の進行度を制御可能となると共に、幅および高さが異なる複数の形状を有するように複数の第1の抵抗膜パターンを形成する第2の工程と、基体と共に薄膜磁気ヘッド前駆体を併せて研磨して記録媒体対向面を形成することにより薄膜磁気ヘッドを形成する際に、記録ヘッド部に対する研磨処理の進行度を制御可能となるように複数の第2の抵抗膜パターンを形成する第3の工程とを含むものである。
本発明に係る薄膜磁気ヘッド構造体の製造方法では、基体の一面に、薄膜磁気ヘッドを形成するための前準備体としての複数の薄膜磁気ヘッド前駆体と、薄膜磁気ヘッドを形成する際に再生ヘッド部に対する研磨処理の進行度を制御するために使用されると共に幅および高さが異なる複数の形状を有する複数の第1の抵抗膜パターンと、薄膜磁気ヘッドを形成する際に記録ヘッド部に対する研磨処理の進行度を制御するために使用される複数の第2の抵抗膜パターンとが備えられた薄膜磁気ヘッド構造体を製造するために、既存の薄膜プロセスのみを使用し、新規かつ煩雑な製造プロセスを使用しない。
本発明に係る薄膜磁気ヘッドの製造方法は、本発明の薄膜磁気ヘッド構造体を使用して薄膜磁気ヘッドを製造する方法であり、複数の薄膜磁気ヘッド前駆体の配列方向に沿って薄膜磁気ヘッド構造体を切断することにより、複数の薄膜磁気ヘッド前駆体と、再生ヘッド部に対する研磨処理の進行度を制御するために使用されると共に幅および高さが異なる複数の形状を有する複数の第1の抵抗膜パターンと、記録ヘッド部に対する研磨処理の進行度を制御するために使用される複数の第2の抵抗膜パターンとを含むように複数の薄膜磁気ヘッドバーを形成する第1の工程と、第1の抵抗膜パターンの電気抵抗値または第2の抵抗膜パターンの電気抵抗値を検出する工程と、第1の抵抗膜パターンの電気抵抗値および第2の抵抗膜パターンの電気抵抗値を検する工程とを含み、それらの電気抵抗値の研磨量に応じた変化に基づき、その研磨量を把握しながら、薄膜磁気ヘッドバーのうちの基体と共に薄膜磁気ヘッド前駆体を併せて研磨して記録媒体対向面を形成することにより、再生ヘッド部および記録ヘッド部の双方を含むと共に記録媒体対向面を有するように薄膜磁気ヘッドを形成する第2の工程とを含むものである。
本発明に係る薄膜磁気ヘッドの製造方法では、複数の薄膜磁気ヘッド前駆体の配列方向に沿って薄膜磁気ヘッド構造体が切断されることにより、複数の薄膜磁気ヘッド前駆体と、再生ヘッド部に対する研磨処理の進行度を制御するために使用されると共に幅および高さが異なる複数の形状を有する複数の第1の抵抗膜パターンと、記録ヘッド部に対する研磨処理の進行度を制御するために使用される複数の第2の抵抗膜パターンとを含むように複数の薄膜磁気ヘッドバーが形成される。また、第1の抵抗膜パターンの電気抵抗値または第2の抵抗膜パターンの電気抵抗値を検出する工程と、第1の抵抗膜パターンの電気抵抗値および第2の抵抗膜パターンの電気抵抗値を検する工程とを含み、それらの電気抵抗値の変化に基づいて研磨量が制御されながら、薄膜磁気ヘッドバーのうちの基体と共に薄膜磁気ヘッド前駆体が併せて研磨されて記録媒体対向面が形成されることにより、薄膜磁気ヘッドが形成される。この場合には、研磨処理を経て記録媒体対向面が形成される過程において、再生ヘッド部および記録ヘッド部のそれぞれに対する研磨処理の進行度が適正に制御されるため、再生ヘッド部のMRハイトが目標寸法に到達すると共に、記録ヘッド部のネックハイトが目標寸法に到達する。
本発明に係る薄膜磁気ヘッド構造体またはその製造方法では、第1の抵抗膜パターンが研磨量に応じて電気抵抗が変化することにより、その電気抵抗の変化に基づいて再生ヘッド部の研磨量を把握するために使用されるものであり、第2の抵抗膜パターンが研磨量に応じて電気抵抗が変化することにより、その電気抵抗の変化に基づいて記録ヘッド部の研磨量を把握するために使用されるものである。この場合には、複数の薄膜磁気ヘッド前駆体が複数列に渡って配列されており、複数の第1の抵抗膜パターンおよび複数の第2の抵抗膜パターンが複数の薄膜磁気ヘッド前駆体の配列方向に対応して複数列に渡って配列されていてもよい。
また、本発明に係る薄膜磁気ヘッド構造体またはその製造方法では、薄膜磁気ヘッド前駆体が基体の一面のうちの第1の領域に配置されており、第1の抵抗膜パターンおよび第2の抵抗膜パターンが基体の一面のうちの第1の領域とは異なる第2の領域に配置されていてもよい。この場合には、再生ヘッド部が記録媒体対向面から後方に向かって延在して再生処理を実行する磁気抵抗効果素子を含む積層構造を有していると共に、記録ヘッド部が記録媒体対向面から後方に向かって延在すると共に記録媒体の記録トラック幅を規定するトラック幅規定部分を有して記録処理を実行する磁極層を含む積層構造を有しており、第1の抵抗膜パターンが再生ヘッド部のうちの磁気抵抗効果素子と同一階層に配置されており、第2の抵抗膜パターンが記録ヘッド部のうちの磁極層と同一階層に配置されていてもよい。この第1の抵抗膜パターンは磁気抵抗効果素子の延在方向におけるその磁気抵抗効果素子の寸法が所定の寸法となるように再生ヘッド部の研磨量を把握するために使用されるものであり、第2の抵抗膜パターンは磁極層の延在方法におけるトラック幅規定部分の寸法が所定の寸法となるように記録ヘッド部の研磨量を把握するために使用されるものである。この場合には、第1の抵抗膜パターンが磁気抵抗効果素子と並列的に形成されたものであり、第2の抵抗膜パターンが磁極層と並列的に形成されたものであってもよい。
なお、本発明に係る薄膜磁気ヘッド構造体では、磁極層が記録媒体をその表面と直交する方向に磁化させるための磁束を放出するように構成されていてもよい
本発明に係る薄膜磁気ヘッドの製造方法では、第1の工程において、再生ヘッド部が記録媒体対向面から後方に向かって延在して再生処理を実行する磁気抵抗効果素子を含む積層構造を有すると共に記録ヘッド部が記録媒体対向面から後方に向かって延在すると共に記録媒体の記録トラック幅を規定するトラック幅規定部分を有して記録処理を実行する磁極層を含む積層構造を有する薄膜磁気ヘッド前駆体を使用し、第2の工程において、電気抵抗値に基づいて、磁気抵抗効果素子の延在方向におけるその磁気抵抗効果素子の寸法が所定の寸法となるように再生ヘッド部を研磨すると共に、磁極層の延在方法におけるトラック幅規定部分の寸法が所定の寸法となるように記録ヘッド部を研磨するのが好ましい。この場合には、第2の工程が、第1の抵抗膜パターンの電気抵抗値または第2の抵抗膜パターンの電気抵抗値に基づいて、磁気抵抗効果素子の延在方向におけるその磁気抵抗効果素子の寸法が目標寸法よりも大きなプレ寸法となるまで薄膜磁気ヘッドバーをプレ研磨する工程と、第1の抵抗膜パターンの電気抵抗値および第2の抵抗膜パターンの電気抵抗値に基づいて、プレ寸法を維持したまま薄膜磁気ヘッドバーの研磨面の傾きを調整する工程と、第1の抵抗膜パターンの電気抵抗値または第2の抵抗膜パターンの電気抵抗値に基づいて、磁気抵抗化素子の延在方向におけるその磁気抵抗効果素子の寸法がプレ寸法から目標寸法となるまで薄膜磁気ヘッドバーを仕上げ研磨する工程とを含むようにしてもよい。
本発明に係る薄膜磁気ヘッド構造体によれば、基体の一面に、薄膜磁気ヘッドを形成するための前準備体としての複数の薄膜磁気ヘッド前駆体と、薄膜磁気ヘッドを形成する際に再生ヘッド部に対する研磨処理の進行度を制御するために使用されると共に幅および高さが異なる複数の形状を有する複数の第1の抵抗膜パターンと、薄膜磁気ヘッドを形成する際に記録ヘッド部に対する研磨処理の進行度を制御するために使用される複数の第2の抵抗膜パターンとが備えられている構成的特徴に基づき、この薄膜磁気ヘッド構造体を利用して薄膜磁気ヘッドを製造することにより、MRハイトおよびネックハイトの双方の高精度決定に寄与することができる。
また、本発明に係る薄膜磁気ヘッド構造体の製造方法によれば、基体の一面に、薄膜磁気ヘッドを形成するための前準備体としての複数の薄膜磁気ヘッド前駆体と、薄膜磁気ヘッドを形成する際に再生ヘッド部に対する研磨処理の進行度を制御するために使用されると共に幅および高さが異なる複数の形状を有する複数の第1の抵抗膜パターンと、薄膜磁気ヘッドを形成する際に記録ヘッド部に対する研磨処理の進行度を制御するために使用される複数の第2の抵抗膜パターンとが備えられた薄膜磁気ヘッド構造体を製造するために、既存の薄膜プロセスのみを使用し、新規かつ煩雑な製造プロセスを使用しない製法的特徴に基づき、その既存の薄膜プロセスのみを使用して薄膜磁気ヘッド構造体を容易に製造することができる。
さらに、本発明に係る薄膜磁気ヘッドの製造方法によれば、複数の薄膜磁気ヘッド前駆体の配列方向に沿って薄膜磁気ヘッド構造体を切断することにより、複数の薄膜磁気ヘッド前駆体と、再生ヘッド部に対する研磨処理の進行度を制御するために使用されると共に幅および高さが異なる複数の形状を有する複数の第1の抵抗膜パターンと、記録ヘッド部に対する研磨処理の進行度を制御するために使用される複数の第2の抵抗膜パターンとを含むように複数の薄膜磁気ヘッドバーを形成したのち、第1の抵抗膜パターンの電気抵抗値または第2の抵抗膜パターンの電気抵抗値を検出する工程と、第1の抵抗膜パターンの電気抵抗値および第2の抵抗膜パターンの電気抵抗値を検する工程とを含み、それらの電気抵抗値の変化に基づいて研磨量を把握しながら、薄膜磁気ヘッドバーのうちの基体と共に薄膜磁気ヘッド前駆体を併せて研磨して記録媒体対向面を形成することにより薄膜磁気ヘッドを形成する製法的特徴に基づき、研磨処理を経て記録媒体対向面が形成される過程において再生ヘッド部および記録ヘッド部のそれぞれに対する研磨処理の進行度が適正に制御されるため、MRハイトおよびネックハイトの双方を高精度に決定することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
まず、図1を参照して、本発明の一実施の形態に係る薄膜磁気ヘッド構造体の構成について説明する。図1は、薄膜磁気ヘッド構造体100の平面構成(Z軸方向から見た平面構成)を表している。
以下の説明では、図1に示したX軸方向の寸法を「幅」、Y軸方向の寸法を「高さまたは長さ」、Z軸方向の寸法を「厚さ」とそれぞれ表記する。また、Y軸方向のうちのエアベアリング面となる位置に近い側(またはエアベアリング面に近い側)を「前方」、その反対側を「後方」とそれぞれ表記する。これらの表記内容は、後述する図2以降においても同様とする。
本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッド構造体100は、例えばハードディスクドライブ(HDD;Hard Disk Drive )などの磁気記録装置に搭載される薄膜磁気ヘッドを製造するために使用されるものであり、より具体的には再生ヘッド部および記録ヘッド部の双方を含むと共に例えばハードディスクなどの磁気記録媒体(以下、単に「記録媒体」という。)に対向する記録媒体対向面(エアベアリング面)を有する複数の複合型薄膜磁気ヘッドを製造するために使用されるものである。
この薄膜磁気ヘッド構造体100は、例えば、図1に示したように、ウェハ101の一面(素子形成面101M)に、薄膜磁気ヘッドを形成するための前準備体として、再生ヘッド部および記録ヘッド部の双方を含む複数の薄膜磁気ヘッド前駆体110を備えた構成を有している。特に、薄膜磁気ヘッド構造体100は、ウェハ101の素子形成面101Mに、上記した複数の薄膜磁気ヘッド前駆体110と共に、後述する2種類のRLG(Resistance Lapping Guide)センサ(再生ヘッド部用RLGセンサ200,記録ヘッド部用RLGセンサ300;図2参照)と、同様に後述するMセンサ400(図3参照)とを併せて備えている。なお、図1では、複数の薄膜磁気ヘッド前駆体110を模式的に示している。
ウェハ101は、複数の薄膜磁気ヘッド前駆体110を支持するための基体であり、例えば、アルティック(Al2 3 ・TiC)などのセラミック材料により構成されている。このウェハ101は、例えば、外周の一部に位置確認用の直線部(オリフラ101E)が設けられた略円盤状構造を有している。
薄膜磁気ヘッド前駆体110は、上記したように、薄膜磁気ヘッドを形成するための前準備体であり、ウェハ101の素子形成面101Mに複数列に渡って配列されている。具体的には、薄膜磁気ヘッド前駆体110は、例えば、後述する薄膜磁気ヘッドの製造方法においてウェハ101を切断する際(図14参照)に、そのウェハ101のうちの薄膜磁気ヘッド前駆体110が設けられている部分を効率よく切断可能とするために、オリフラ101Eに沿ってマトリクス状に配列されている。なお、図1では、例えば、ウェハ101の素子形成面101Mに、12行×20列の配列構成となるように複数の薄膜磁気ヘッド前駆体110が配列されている場合を示している。この「列」とは、横方向(X軸方向)に沿った薄膜磁気ヘッド前駆体110の配列構成をいい、「行」とは、縦方向(Y軸方向)に沿った薄膜磁気ヘッド前駆体110の配列構成をいう。確認までに説明しておけば、薄膜磁気ヘッド前駆体110の配列構成は必ずしも12行×20列に限られず、自由に変更可能である。
次に、図1〜図3を参照して、薄膜磁気ヘッド構造体100の詳細な構成について説明する。図2は図1に示した薄膜磁気ヘッド構造体100の平面構成の一部領域(領域R)を拡大して表しており、図3は図2に示した薄膜磁気ヘッド構造体100の平面構成のうちの一部領域(領域R2Aのみ)を抜粋して模式的に示している。図2に示した一点鎖線は、薄膜磁気ヘッド構造体100を使用して薄膜磁気ヘッドを製造する際にウェハ101が切断される箇所を表す仮想線(切断線C)を示している。なお、図2では、切断線Cのうち、横方向(X軸方向)に沿って延在する線分を切断線C1と示し、縦方向(Y軸方向)に沿って延在する線分を切断線C2と示している。
図1に示した薄膜磁気ヘッド構造体100のうちの領域Rでは、例えば、図2に示したように、一方の列(ここでは上側の列)において4つの薄膜磁気ヘッド前駆体110がX軸方向に沿って配列されていると共に、他方の列(ここでは下側の列)においても同様に4つの薄膜磁気ヘッド前駆体110がX軸方向に沿って配列されている。具体的には、上記した2つの列において、薄膜磁気ヘッド前駆体110は、X軸方向において所定の間隔(領域R2)を隔てながら繰り返し設けられた領域R1(第1の領域)に配置されている。
また、隣り合う2つの薄膜磁気ヘッド前駆体110間の領域、すなわち隣り合う2つの領域R1間に設けられた領域R2(第2の領域)には、例えば、図2に示したように、薄膜磁気ヘッド構造体100を使用して薄膜磁気ヘッドを形成する際、より具体的にはウェハ101と共に薄膜磁気ヘッド前駆体110を併せて研磨してエアベアリング面を形成することにより薄膜磁気ヘッドを形成する際に、研磨処理の進行度を制御するために使用される複数の再生ヘッド部用RLGセンサ200および複数の記録ヘッド部用RLGセンサ300が設けられている。これらの再生ヘッド部用RLGセンサ200および記録ヘッド部用RLGセンサ300は、薄膜磁気ヘッド前駆体110の配列方向に対応して複数列に渡って配列されており、すなわち薄膜磁気ヘッド前駆体110と同様にX軸方向に沿って繰り返し配置されている。具体的には、再生ヘッド部用RLGセンサ200および記録ヘッド部用RLGセンサ300は、例えば、領域R2に交互に配置されており、すなわち領域R2のうち、1つおきに設けられた領域R2Aに再生ヘッド部用RLGセンサ200が配置されていると共に、その領域R2Aを除いて1つおきに設けられた領域R2Bに記録ヘッド部用RLGセンサ300が配置されている。
特に、再生ヘッド部用RLGセンサ200が設けられている一連の領域R2Aのうち、所定数の領域R2Aおきに設定された特定の領域R2Aには、例えば、図3に示したように、薄膜磁気ヘッド前駆体110のうちの主要部(後述するMR素子6;図4〜図6参照)の電気抵抗を把握するために使用されるMセンサ400が設けられており、すなわち一連の領域R2Aに設けられた複数の再生ヘッド部用RLGセンサ200のうち、その再生ヘッド部用RLGセンサ200のうちの一部がMセンサ400に置き換えられている。図3では、例えば、一連の領域R2Aのうち、3つの領域R2Aおきに設定された特定の領域R2AにMセンサ400が配置されており、すなわち後述する3つの抵抗膜201(201A,201B,201C)およびMセンサ400の組み合わせが領域R2Aに繰り返し設けられている場合を示している。ここで、抵抗膜201A〜201Cの寸法例を挙げると、抵抗膜201Aの幅WA=20μm,高さHA=20μm、抵抗膜201Bの幅WB(=WA)=20μm,高さHB(=HA−10μm)=10μm、抵抗膜201Cの幅WC(=WA+10μm)=30μm,高さHC(HA−10μm)=10μmである。
なお、図2に示した領域R1,R2(R2A,R2B)以外の領域、すなわち薄膜磁気ヘッド前駆体110、再生ヘッド部用RLGセンサ200、記録ヘッド部用RLGセンサ300およびMセンサ400のいずれもが配置されていない領域R3は、薄膜磁気ヘッド構造体100を使用して薄膜磁気ヘッドを製造するためにウェハ101が切断線C1に沿って切断された際に、余剰部分として廃棄されることとなる余剰スペースである。
薄膜磁気ヘッド前駆体110は、例えば、図2に示したように、実質的な薄膜磁気ヘッドの前準備構造体である積層構造体111と、この積層構造体111に配線パターン112を介して電気的に接続された電極パッド113とを含んで構成されている。図2では、例えば、積層構造体111に4本の配線パターン112を介して4つの電極パッド113が接続されている場合を示している。確認までに説明しておけば、配線パターン112の本数、電極パッド113の個数、ならびに配線パターン112および電極パッド113の配置構成(例えば位置や形状等)は、必ずしも上記した配置構成に限られず、自由に変更可能である。この薄膜磁気ヘッド前駆体110では、薄膜磁気ヘッドの製造工程においてウェハ101が切断線C1に沿って切断された際に、その切断面(後述する切断面101K1;図14参照)に積層構造体111のうちの主要部(後述するMR素子6および磁極層20;図4〜図6参照)が露出されるように、領域R1内において上記した主要部が領域R3に隣接するように積層構造体111が位置合わせされている。
再生ヘッド部用RLGセンサ200は、薄膜磁気ヘッド構造体100を使用して薄膜磁気ヘッドを形成する際、より具体的にはウェハ101と共に薄膜磁気ヘッド前駆体110を併せて研磨してエアベアリング面を形成することにより薄膜磁気ヘッドを形成する際に、再生ヘッド部に対する研磨処理の進行度を制御するために使用されるものである。特に、再生ヘッド部用RLGセンサ200は、例えば、上記したように薄膜磁気ヘッド前駆体110に研磨処理を施すことにより薄膜磁気ヘッドを形成する際に、その研磨処理の進行度を制御する上で、後述するように研磨面の傾きを調整するための補助的なセンサとして使用される記録ヘッド部用RLGセンサ300とは異なり、実質的に研磨量を調整するための主要なセンサとして使用されるものである。この再生ヘッド部用RLGセンサ200は、例えば、図2に示したように、実質的なセンサ部分である抵抗膜201と、この抵抗膜201に配線パターン202を介して電気的に接続された電極パッド203とを含んで構成されている。この抵抗膜201は、研磨量(研磨処理に伴う抵抗膜201の寸法変化)に応じて電気抵抗が変化することにより、その電気抵抗の変化に基づいて再生ヘッド部の研磨量を把握するために使用される第1の抵抗膜パターンである。図2では、例えば、抵抗膜201に2本の配線パターン202を介して2つの電極パッド203が接続されている場合を示している。確認までに説明しておけば、配線パターン202の本数、電極パッド203の個数、ならびに配線パターン202および電極パッド203の配置構成(例えば位置や形状等)は、必ずしも上記した配置構成に限られず、自由に変更可能である。この再生ヘッド部用RLGセンサ200では、薄膜磁気ヘッドの製造工程においてウェハ101が切断線C1に沿って切断された際に、その切断面に抵抗膜201が露出されるように、領域R2A内において一端が領域R3に隣接するように抵抗膜201が位置合わせされている。
記録ヘッド部用RLGセンサ300は、薄膜磁気ヘッド構造体100を使用して薄膜磁気ヘッドを形成する際、より具体的にはウェハ101と共に薄膜磁気ヘッド前駆体110を併せて研磨してエアベアリング面を形成することにより薄膜磁気ヘッドを形成する際に、記録ヘッド部に対する研磨処理の進行度を制御するために使用されるものである。この記録ヘッド部用RLGセンサ300は、例えば、図2に示したように、再生ヘッド部用RLGセンサ200と同様の構成を有しており、すなわち実質的なセンサ部分である抵抗膜301と、この抵抗膜301に配線パターン302を介して電気的に接続された電極パッド303とを含んで構成されている。この抵抗膜301は、研磨量(研磨処理に伴う抵抗膜301の寸法変化)に応じて電気抵抗が変化することにより、その電気抵抗の変化に基づいて記録ヘッド部の研磨量を把握するために使用される第2の抵抗膜パターンである。図2では、例えば、再生ヘッド部用RLGセンサ200と同様に、抵抗膜301に2本の配線パターン302を介して2つの電極パッド303が接続されている場合を示している。確認までに説明しておけば、配線パターン302の本数、電極パッド303の個数、ならびに配線パターン302および電極パッド303の配置構成(例えば位置や形状等)は、必ずしも上記した配置構成に限られず、自由に変更可能である。この記録ヘッド部用RLGセンサ300では、再生ヘッド部用RLGセンサ200と同様に、薄膜磁気ヘッドの製造工程においてウェハ101が切断線C1に沿って切断された際に、その切断面に抵抗膜301が露出されるように、領域R2B内において一端が領域R3に隣接するように抵抗膜301が位置合わせされている。
Mセンサ400は、上記したように、薄膜磁気ヘッド構造体100を使用して薄膜磁気ヘッドを形成する際に、積層構造体111のうちの主要部(後述するMR素子6;図4〜図6参照)の電気抵抗を把握するために使用されるものである。このMセンサ400の幅WMおよび高さHMは、上記したMR素子6の寸法と同様の寸法となるように設定されている。なお、図3に示したように、抵抗膜201A〜201CおよびMセンサ400では、薄膜磁気ヘッドの製造工程においてエアベアリング面が形成される側と反対側の端縁(図3に示した上端)がX軸に平行な仮想線(基準線J)に沿うように位置合わせされている。
次に、図1〜図6を参照して、薄膜磁気ヘッド前駆体110のうちの積層構造体111の詳細な構成について説明する。図4〜図6は積層構造体111の構成を表しており、図4は断面構成(YZ面に沿った断面構成)を示し、図5は他の断面構成(XZ面に沿った断面構成)を示し、図6は平面構成(Z軸方向から見た平面構成)を示している。図5では、(A)が図2に示したVA−VA線に沿った断面を示し、(B)が図2に示したVB−VB線に沿った断面を示し、(C)が図2に示したVC−VC線に沿った断面を示している。なお、図4および図5に示した上向きの矢印Mは、後述する薄膜磁気ヘッドに対して記録媒体(図示せず)が相対的に移動する方向(媒体進行方向M)を示している。
積層構造体111は、薄膜磁気ヘッドの製造工程において研磨処理を経てエアベアリング面が形成されることにより薄膜磁気ヘッドとなるものであり、図2に示したように、ウェハ101の素子形成面101Mのうちの領域R1に配置されている。この積層構造体111は、例えば、図4および図5(A)に示したように、ウェハ101上に、例えば酸化アルミニウム(Al2 3 ;以下、単に「アルミナ」という。)などの非磁性絶縁材料により構成された絶縁層2と、磁気抵抗効果(MR;Magneto-Resistive effect)を利用して再生処理を実行する再生ヘッド部111Aと、例えばアルミナなどの非磁性絶縁材料により構成された分離層7と、垂直記録方式の記録処理を実行するシールド型の記録ヘッド部111Bと、例えばアルミナなどの非磁性絶縁材料により構成されたオーバーコート層18とがこの順に積層された積層構造を有している。
再生ヘッド部111Aは、例えば、下部リードシールド層3と、シールドギャップ膜4と、上部リードシールド層5とがこの順に積層された積層構造を有している。このシールドギャップ膜4には、再生素子としてのMR素子6が埋設されている。
下部リードシールド層3および上部リードシールド層5は、いずれもMR素子6を周囲から磁気的に分離するものであり、エアベアリング面となる側(図4中の左側、あるいは図6中の下側)から後方に向かって延在している。これらの下部リードシールド層3および上部リードシールド層5は、例えば、いずれもニッケル鉄合金(NiFe(例えばNi:80重量%,Fe:20重量%);以下、単に「パーマロイ(商品名)」という。)などの磁性材料により構成されており、それらの厚さは約1.0μm〜2.0μmである。
シールドギャップ膜4は、MR素子6を周囲から電気的に分離するものであり、例えば、アルミナなどの非磁性絶縁材料により構成されている。
MR素子6は、例えば、巨大磁気抵抗効果(GMR;Giant Magneto-Resistive effect)またはトンネル磁気抵抗効果(TMR;Tunneling Magneto-Resistive effect)などを利用して磁気的処理(再生処理)を実行するものであり、エアベアリング面となる側から後方に向かって延在している。
記録ヘッド部111Bは、例えば、絶縁層9,12により周囲を埋設された磁極層20と、磁気連結用の開口(バックギャップ13BG)が設けられたギャップ層13と、絶縁層16により埋設された薄膜コイル15と、ライトシールド層30とがこの順に積層された積層構造を有している。
磁極層20は、薄膜コイル15において発生した磁束を収容し、その磁束を記録媒体に向けて放出することにより磁気的処理(記録処理)を実行するものであり、エアベアリング面となる側から後方に向かって延在し、具体的にはギャップ層13に設けられたバックギャップ13BGまで延在している。この磁極層20は、例えば、磁束の放出部分として機能する主磁極層11と、この主磁極層11の磁気ボリューム(磁束収容量)を確保するために磁束の収容部分として機能する補助磁極層8と、これらの主磁極層11と補助磁極層8との間に挟まれたシード層10とが積層された3層構造を有している。なお、絶縁層9,12は、それぞれ補助磁極層8および主磁極層11を周囲から電気的に分離するものであり、例えば、いずれもアルミナなどの非磁性絶縁材料により構成されている。
補助磁極層8は、主磁極層11のリーディング側においてその主磁極層11よりも後退した位置から後方に向かって延在し、具体的にはバックギャップ13BGまで延在しており、その主磁極層11にシード層10を介して連結されている。この「連結」とは、単に物理的に接触しているだけでなく、物理的に接触した上で磁気的導通が可能な状態にあることを意味している。この「連結」の意味するところは、以降においても同様である。この補助磁極層8は、例えば、主磁極層11の構成材料と同様の材料により構成されており、例えば、図6に示したように、幅W2を有する矩形型の平面形状を有している。なお、「リーディング側」とは、図4および図5に示した媒体進行方向Mに向かって移動する記録媒体の移動状態を1つの流れと見た場合に、その流れの流入する側(媒体進行方向M側と反対側)をいい、ここでは厚さ方向(Z軸方向)における下側をいう。これに対して、流れの流出する側(媒体進行方向M側)は「トレーリング側」と呼ばれ、ここでは厚さ方向における上側をいう。
主磁極層11は、補助磁極層8のトレーリング側においてエアベアリング面となる側から後方に向かって延在し、具体的には補助磁極層8と同様にバックギャップ13BGまで延在しており、例えば、パーマロイまたは鉄コバルト系合金などの磁性材料により構成されている。この「鉄コバルト系合金」としては、例えば、鉄コバルト合金(FeCo)や鉄コバルトニッケル合金(FeCoNi)などが挙げられる。特に、主磁極層11は、例えば、上記した鉄コバルト系合金などの高飽和磁束密度を有する磁性材料により構成されているのが好ましい。この主磁極層11は、例えば、図6に示したように、エアベアリング面となる側から順に、記録媒体の記録トラック幅を規定する一定幅W1(例えばW1=約0.15μm)を有し、その記録トラック幅を規定するトラック幅規定部分として機能する先端部11Aと、この先端部11Aの幅W1よりも大きな幅W2(W2>W1)を有する後端部11Bとが連結された構成を有している。後端部11Bの幅は、例えば、後方において一定(幅W2)であり、前方において先端部11Aに近づくにしたがって一定(幅W1)となるように次第に狭まっている。この主磁極層11の幅が先端部11A(幅W1)から後端部11B(幅W2)へ拡がる位置は、薄膜磁気ヘッドの記録性能を決定する重要な因子のうちの1つである「フレアポイントFP」である。
シード層10は、例えば、めっき膜を成長させるための電極膜として使用されるものであり、より具体的にはめっき処理を使用して主磁極層11を形成するために使用されるものである。このシード層10は、例えば、主磁極層11の構成材料と同様の磁性材料や、あるいは主磁極層11の構成材料とは異なる非磁性材料により構成されており、その主磁極層11の平面形状に対応したパターン形状を有している。上記した「非磁性材料」としては、例えば、ルテニウム(Ru)やチタン(Ti)などが挙げられる。なお、図6では、シード層10の図示を省略している。
ギャップ層13は、磁極層20とライトシールド層30とを互いに磁気的に分離させるためのギャップ(磁気的ギャップ)を構成するものである。このギャップ層13は、例えば、アルミナなどの非磁性絶縁材料により構成されており、その厚さは約0.2μm以下である。
薄膜コイル15は、記録用の磁束を発生させるものであり、例えば、銅(Cu)などの高導電性材料により構成されている。この薄膜コイル15は、例えば、図4および図6に示したように、バックギャップ13BGを中心として巻回された巻線構造(スパイラル構造)を有している。なお、図4および図6では、薄膜コイル15を構成する複数の巻線のうちの一部のみを示している。
絶縁層16は、薄膜コイル15を覆って周囲から電気的に分離するものであり、バックギャップ13BGを塞がないようにギャップ層13上に配置されている。この絶縁層16は、例えば、加熱されることにより流動性を示すフォトレジスト(感光性樹脂)やスピンオングラス(SOG;Spin On Glass )などの非磁性絶縁材料により構成されており、その絶縁層16の端縁近傍部分は、丸みを帯びた斜面を構成している。この絶縁層16の最前端の位置は、薄膜磁気ヘッドの記録性能を決定する重要な因子のうちの他の1つである「スロートハイトゼロ位置TP」である。
ライトシールド層30は、磁極層20から放出された磁束の広がり成分を取り込み、その磁束の広がりを防止する磁気遮蔽層である。なお、ライトシールド層30は、例えば、上記したように磁束の広がりを防止する機能と共に、磁極層20から記録媒体へ向けて磁束が放出された際に、その記録媒体を経由した(記録処理に利用された)磁束を回収することにより磁極層20へ再供給し、すなわち薄膜磁気ヘッドと記録媒体との間で磁束を循環させる機能を担っている。このライトシールド層30は、磁極層20のトレーリング側においてエアベアリング面となる側から後方に向かって延在することにより、前方においてギャップ層13により磁極層20から隔てられると共に後方においてバックギャップ13BGを通じて磁極層20に連結されている。
特に、ライトシールド層30は、例えば、ギャップ層13に隣接しながらエアベアリング面となる側から後方に延在し、具体的にはエアベアリング面となる位置とバックギャップ13BGとの間の位置まで延在するTH規定層14と、このTH規定層14のトレーリング側においてエアベアリング面となる側から後方に延在し、具体的にはバックギャップ13BGまで延在するヨーク層17とが連結された構成を有しており、すなわちTH規定層14上にヨーク層17が積層された2層構造を有している。
TH規定層14は、主要な磁束の取り込み口として機能するものである。このTH規定層14は、例えば、パーマロイ、鉄ニッケル合金(FeNi)または鉄コバルト系合金などの磁性材料により構成されており、例えば、図6に示したように、主磁極層11の幅W2よりも大きな幅W3(W3>W2)を有する矩形型の平面形状を有している。このTH規定層14には、薄膜コイル15を埋設している絶縁層16が隣接しており、すなわちTH規定層14は、絶縁層16の最前端位置(スロートハイトゼロ位置TP)を規定する役割を担っている。
ヨーク層17は、TH規定層14から取り込まれた磁束の流路として機能するものである。このヨーク層17は、例えば、エアベアリング面となる側からバックギャップ13BGまで延在することにより、前方においてTH規定層14に部分的に乗り上げていると共に後方においてバックギャップ13BGを通じて磁極層20に連結されている。このヨーク層17は、例えば、TH規定層14の構成材料と同様の磁性材料により構成されており、例えば、図6に示したように、幅W3を有する矩形型の平面形状を有している。
なお、図2に示したウェハ101の素子形成面101Mのうちの領域R2A,R2Bには、例えば、図5(B),(C)に示したように、領域R1に設けられている積層構造体111とほぼ同様の積層構造を有する積層構造体が設けられている。
具体的には、領域R2Aには、図5(B)に示したように、例えば、MR素子6に代えて抵抗膜201を含んでいると共に、磁極層20、薄膜コイル15およびライトシールド層30を含んでいないことを除いて、積層構造体111と同様の構造を有する積層構造体が設けられており、すなわち領域R2Aに設けられている再生ヘッド部用RLGセンサ200のうちの抵抗膜201は、領域R1に設けられている再生ヘッド部111AのうちのMR素子6と同一階層に配置されている。この抵抗膜201は、ウェハ101の素子形成面101Mに薄膜磁気ヘッド前駆体110が形成される過程において、MR素子6と並列的に形成されたものである。なお、領域R2Aに設けられたMセンサ400は、例えば、上記したようにMR素子6の電気抵抗を把握するために、そのMR素子6と同様の寸法となるように並列的に形成されたものである。
一方、領域R2Bには、図5(C)に示したように、例えば、磁極層20に代えて抵抗膜301を含んでいると共に、MR素子6、薄膜コイル15およびライトシールド層30を含んでいないことを除いて、積層構造体111と同様の構造を有する積層構造体が設けられており、すなわち領域R2Bに設けられている記録ヘッド部用RLGセンサ300のうちの抵抗膜301は、領域R1に設けられている記録ヘッド部111Bのうちの磁極層20と同一階層に配置されている。この抵抗膜301は、ウェハ101の素子形成面101Mに薄膜磁気ヘッド前駆体110が形成される過程において、磁極層20と並列的に形成されたものである。なお、図5(C)では、例えば、抵抗膜301が磁極層20のうちのシード層10と同一階層に配置されており、すなわち抵抗膜301がシード層10と並列的に形成された場合を示している。
ここで、図4〜図6を参照して、図2に示した再生ヘッド部用RLGセンサ200および記録ヘッド部用RLGセンサ300の機能に関してより具体的に説明しておくと、以下の通りである。すなわち、再生ヘッド部用RLGセンサ200のうちの抵抗膜201は、薄膜磁気ヘッドの製造工程においてMR素子6の延在方向におけるそのMR素子6の寸法が所定の寸法となるように、再生ヘッド部111Aの研磨量を把握するために使用されるものである。上記した「MR素子6の寸法」とは、エアベアリング面が形成された完成後の薄膜磁気ヘッドにおいて、MR素子6の前端(エアベアリング面に露出した端縁)から後端(エアベアリング面から遠い側の端縁)に至る高さであり、すなわち薄膜磁気ヘッドの再生性能に寄与する重要な因子であるMRハイトである。また、記録ヘッド部用RLGセンサ300のうちの抵抗膜301は、薄膜磁気ヘッドの製造工程において磁極層20の延在方向における先端部11Aの寸法が所定の寸法となるように、記録ヘッド部111Bの研磨量を把握するために使用されるものである。上記した「先端部11Aの寸法」とは、エアベアリング面が形成された完成後の薄膜磁気ヘッドにおいて、先端部11Aの前端(エアベアリング面に露出した端縁)から後端(エアベアリグ面から遠い側の端縁、すなわち先端部11Aと後端部11Bとの連結位置)に至る高さであり、すなわち薄膜磁気ヘッドの記録性能に寄与する重要な因子であるネックハイトである。ただし、抵抗膜301の高さとネックハイト(先端部11Aの高さ)との間には、例えば、適切なオフセットが設けられる場合がある。なお、上記したMRハイトおよびネックハイトは、後述する図20および図21において「MRハイトMH」および「ネックハイトNH」として具体的に示されている。
次に、図1〜図12を参照して、図1〜図6に示した薄膜磁気ヘッド構造体100の製造方法について説明する。図7〜図12は薄膜磁気ヘッド構造体100の製造方法として、その薄膜磁気ヘッド構造体100のうちの主要部(磁極層20および抵抗膜301)の形成工程を説明するためのものであり、(A)は図2に示した領域R1のうちの一部を拡大して示し、(B)は図2に示した領域R2Bのうちの一部を拡大して示している。以下では、まず、図1〜図6を参照して薄膜磁気ヘッド構造体100(薄膜磁気ヘッド前駆体110,再生ヘッド部用RLGセンサ200,記録ヘッド部用RLGセンサ300)の製造工程の概略について説明したのち、図1〜図12を参照して積層構造体111および抵抗膜201,301の形成工程について詳細に説明する。なお、薄膜磁気ヘッド構造体100を構成する一連の構成要素の材質、寸法ならびに構造的特徴に関しては既に詳述したので、それらの説明を随時省略するものとする。
この薄膜磁気ヘッド構造体100は、主に、めっき処理またはスパッタリングなどの成膜技術、フォトリソグラフィ処理などのパターニング技術、ならびにドライエッチングまたはウェットエッチングなどのエッチング技術等を含む既存の薄膜プロセスを使用して、各構成要素を順次形成して積層させることにより製造される。
すなわち、薄膜磁気ヘッド構造体100を製造する際には、図1〜図6に示したように、ウェハ101を準備したのち、まず、ウェハ101の素子形成面101Mのうち、領域R1に積層構造体111を複数列に渡って配列されるように形成すると共に、同様に領域R2に抵抗膜201,301およびMセンサ400を積層構造体111の配列方向に対応して複数列に渡って配列されるように併せて形成する。これらの抵抗膜201,301を形成する際には、例えば、領域R2のうちの一部の領域R2Aに抵抗膜201を配置させると共に、残りの領域R2Bに抵抗膜301を配置させることにより、領域R2(R2A,R2B)において抵抗膜201,301を交互に配置させるようにし、特に、抵抗膜201のうちの一部をMセンサ400に置き換えるようにする。なお、ウェハ101の素子形成面101Mに積層構造体111および抵抗膜201,301を形成する際には、例えば、図2に示したように、領域R1,R2(R2A,R2B)以外に余剰部分として領域R3が確保されるようにする。
続いて、領域R1に、積層構造体111から導出されるように配線パターン112を形成すると共に、同様に領域R2に、配線パターン202,302を形成する。これらの配線パターン202,302を形成する際には、領域R2Aにおいて、抵抗膜202から導出されるように配線パターン203を形成すると共に、領域R2Bにおいて、抵抗膜302から導出されるように配線パターン303を形成する。
最後に、領域R1に、配線パターン112を介して積層構造体111と電気的に接続されるように電極パッド113を形成すると共に、領域R2に、電極パッド203,303を形成する。これらの電極パッド203,303を形成する際には、領域R2Aにおいて、配線パターン202を介して抵抗膜201と電気的に接続されるように電極パッド203を形成すると共に、領域R2Bにおいて、配線パターン302を介して抵抗膜301と電気的に接続されるように電極パッド303を形成する。これにより、領域R1に、積層構造体111に配線パターン112を介して電極パッド113が電気的に接続された構造を有するように薄膜磁気ヘッド前駆体110が形成されると共に、領域R2Aに、抵抗膜201に配線パターン202を介して電極パッド203が電気的に接続された構造を有するように再生ヘッド部用RLGセンサ200が形成され、同様に領域R2Bに、抵抗膜301に配線パターン302を介して電極パッド303が電気的に接続された構造を有するように記録ヘッド部用RLGセンサ300が形成されるため、図1〜図6に示した薄膜磁気ヘッド構造体100が完成する。
なお、上記した薄膜磁気ヘッド構造体100の製造工程では、薄膜磁気ヘッド前駆体110を形成する際に、配線パターン112を積層構造体111とは別個に形成するようにしたが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、配線パターン112を積層構造体111と並列的に形成するようにしてもよい。もちろん、配線パターン202,302に関しても同様に、例えば、配線パターン202,302をそれぞれ抵抗膜201,301と並列的に形成するようにしてもよい。
積層構造体111および抵抗膜201,301を形成する際には、図2、図4および図5(A)に示したように、ウェハ101の素子形成面101Mのうちの領域R1に絶縁層2を形成したのち、まず、絶縁層2上に、下部リードシールド層3と、MR素子6が埋設されたシールドギャップ膜4と、上部リードシールド層5とをこの順に積層させることにより、下部リードシールド層3から上部リードシールド層5に至る積層構造を有するように再生ヘッド部111Aを形成する。この場合には、図5(B),(C)に示したように、領域R1と共に領域R2A,R2Bにも同様に絶縁層2、下部リードシールド層3、シールドギャップ膜4および上部リードシールド層5を並列的に形成することにより積層させる。
特に、領域R1にMR素子6を形成する際には、図2、図3および図5(B)に示したように、領域R1にMR素子6をパターン形成すると同時に、そのMR素子6の形成工程を流用して領域R2AにMR素子6と同様の構造物をパターン形成することにより、その領域R2AにMR素子6と並列的に抵抗膜201およびMセンサ400を形成する。これらの抵抗膜201およびMセンサ400を形成する際には、例えば、図3に示したように、互いに異なるパターン寸法を有する3種類の抵抗膜201A〜201Cを含むようにすると共に、Mセンサ400がMR素子6のパターン寸法と同様のパターン寸法を有するようにする。このMR素子6と並列的に形成される抵抗膜201(201A〜201C)およびMセンサ400は、当然ながら、MR素子6の形成材料と同一の材料を含むように形成される。なお、抵抗膜201およびMセンサ400をパターン形成するためには、フォトリソグラフィ処理を利用したパターン形成技術を使用するが、そのパターン形成技術の詳細に関しては後述する。
続いて、図2、図4および図5(A)に示したように、領域R1において再生ヘッド部111A上に分離層7を形成したのち、この分離層7上に、絶縁層9,12により周囲を埋設された磁極層20を形成する。この磁極層20を形成する際には、絶縁層9により周囲を埋設されるように補助磁極層8を形成したのち、それらの絶縁層9および補助磁極層8上に、絶縁層12により周囲を埋設されるようにシード層10および主磁極層11を形成することにより、補助磁極層8、シード層10および主磁極層11がこの順に積層された3層構造を有するようにする。この場合には、図5(B),(C)に示したように、領域R1と共に領域R2A,R2Bにも同様に絶縁層9,12を並列的に形成することにより積層させる。
特に、領域R1に磁極層20を形成する際には、例えば、以下の手順を経ることにより、図2および図5(C)に示したように、領域R1に磁極層20を形成すると同時に、その磁極層20の形成工程を流用して領域R2Bに磁極層20と同様の構造物をパターン形成することにより、その領域R2Bに磁極層20と並列的に抵抗膜301を形成する。
すなわち、磁極層20と並列的に抵抗膜301を形成する際には、まず、図7(A),(B)に示したように、例えばスパッタリング法を使用して、ウェハ101の素子形成面101Mのうちの領域R1,R2Bの双方を覆うように、シード層10を形成する。このシード層10の形成材料としては、例えば、後工程において形成される主磁極層11の形成材料と同様の材料、具体的にはパーマロイ(NiFe)や鉄コバルトニッケル合金(FeCoNi)などの導電性磁性材料を使用してもよいし、あるいは主磁極層11の形成材料とは異なる材料、具体的にはルテニウム(Ru)やチタン(Ti)などの導電性非磁性材料を使用してもよい。
続いて、シード層10の表面にフォトレジストを塗布することによりフォトレジスト膜を形成したのち、フォトリソグラフィ処理を使用してフォトレジスト膜をパターニング(現像,露光)することにより、図8(A),(B)に示したように、フォトレジストパターン501を形成する。このフォトレジストパターン501を形成する際には、領域R1,R2B間においてパターニング形状を異ならせることにより、図8(A)に示したように、領域R1において、後工程において形成される主磁極層11の平面形状に対応した開口パターンを有するように開口501K1を形成すると共に、図8(B)に示したように、領域R2Bにおいて、後工程において形成される抵抗膜301の平面形状(例えば矩形状)に対応した開口パターンを有するように開口501K2を形成する。特に、フォトレジストパターン501に開口501K1,501K2を設ける際には、開口501K1の開口パターンに基づいてフレアポイントFPが実質的に決定されることを考慮して、そのフレアポイントFPが所望の位置となるように開口501K1を位置合わせすると共に、後工程において形成される抵抗膜301のうちの後端(エアベアリング面となる側と反対側の端縁)の位置がフレアポイントFPに一致するように開口501K2を位置合わせする。ただし、必ずしも抵抗膜301のうちの後端の位置がフレアポイントFPに一致するように開口501K2を位置合わせしなければならないわけではなく、例えば、抵抗膜301のうちの後端の位置とフレアポイントFPとの間に適切なオフセットS(例えば0μm<S≦1.0μm)が設けられるように開口501K2を位置合わせする場合もある。
続いて、フォトレジストパターン501を使用して、シード層10を電極膜として開口501K1,501K2内にめっき膜を選択的に成長させることにより、図9(A)に示したように、領域R1において、フォトレジストパターン501のうちの開口501K1に主磁極層11をパターン形成すると共に、図9(B)に示したように、領域R2Bにおいて、フォトレジストパターン501のうちの開口501K2にダミーパターン11DPを形成する。このダミーパターン11DPは、後工程においてシード層10をエッチングするためにマスクとして使用されるものである。
続いて、フォトレジストパターン501を除去することにより、図10(A),(B)に示したように、領域R1,R2Bにおいて、主磁極層11およびダミーパターン11DPのそれぞれの周辺にシード層10を露出させる。
続いて、主磁極層11およびダミーパターン11DPの双方をマスクとして、例えばイオンミリングを使用してシード層10を選択的にエッチングすることにより、図11(A),(B)に示したように、シード層10のうち、主磁極層11およびダミーパターン11DPのそれぞれの周辺部分を選択的に除去する。このエッチング処理により、図11(A)に示したように、領域R1において、主磁極層11の下方、すなわち主磁極層11のパターン形状に対応する領域のみに、その主磁極層11の平面形状に対応したパターン形状を有するようにシード層10が残存すると共に、図11(B)に示したように、領域R2Bにおいて、ダミーパターン11DPの下方、すなわちダミーパターン11DPのパターン形状に対応する領域のみに、そのダミーパターン11DPの平面形状に対応したパターン形状を有するようにシード層10が残存する。
最後に、図12(A),(B)に示したように、領域R1において、主磁極層11を維持したまま、領域R2Bにおいて、ダミーパターン11DPを選択的に除去する。これにより、図12(A)に示したように、領域R1において、シード層10および主磁極層11が形成されるため、図4に示したように、補助磁極層8、シード層10および主磁極層11がこの順に積層された3層構造を有するように磁極層20が形成されると共に、図12(B)に示したように、領域R2Bにおいて、シード層10の残存物として抵抗膜301が形成される。
引き続き、積層構造体111および抵抗膜201,301の形成工程について説明する。磁極層20および抵抗膜301を形成したのち、図2、図4および図5(A)に示したように、領域R1において主磁極層11および絶縁層12上に、バックギャップ13BGが設けられたギャップ層13と、薄膜コイル15が埋設された絶縁層16と、ライトシールド層30(TH規定層13,ヨーク層16)とをこの順に積層させることにより、絶縁層9,12および磁極層20からライトシールド層30に至る積層構造を有するように、記録ヘッド部111Bを形成する。この場合には、図5(B),(C)に示したように、領域R1と共に領域R2A,R2Bにも同様にギャップ層13および絶縁層16を並列的に形成することにより積層させる。
最後に、図2、図4および図5(A)に示したように、領域R1において、例えばスパッタリングを使用して、記録ヘッド部111Bを覆うようにオーバーコート層18を形成する。この場合には、図5(B),(C)に示したように、領域R1と共に領域R2A,R2Bにも同様にオーバーコート層18を並列的に形成することにより積層させる。これにより、記録ヘッド部111Aおよび再生ヘッド部111Bを含むように積層構造体111が形成されるため、積層構造体111および抵抗膜201,301が完成する。
本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッド構造体では、ウェハ101の素子形成面101Mに、薄膜磁気ヘッドを形成するための前準備体としての複数の薄膜磁気ヘッド前駆体110と、ウェハ101と共に薄膜磁気ヘッド前駆体110を研磨してエアベアリング面を形成することにより薄膜磁気ヘッドを形成する際に、再生ヘッド部111Aに対する研磨処理の進行度を制御するために使用される複数の再生ヘッド部用RLGセンサ200と、同様にウェハ101と共に薄膜磁気ヘッド前駆体110を研磨してエアベアリング面を形成することにより薄膜磁気ヘッドを形成する際に、記録ヘッド部111Bに対する研磨処理の進行度を制御するために使用される複数の記録ヘッド部用RLGセンサ300とを備えるようにしたので、この薄膜磁気ヘッド構造体100を利用して後述する薄膜磁気ヘッドの製造方法を使用しながら薄膜磁気ヘッドを製造することにより、MRハイトおよびネックハイトの双方の高精度決定に寄与することができる。
詳細には、本実施の形態では、再生ヘッド部用RLGセンサ200のうちの抵抗膜201と記録ヘッド部用RLGセンサ300のうちの抵抗膜301とが互いに異なる階層に設けられており、具体的には再生ヘッド部111AのうちのMR素子6と同一階層に抵抗膜201が配置されていると共に記録ヘッド部111Bのうちの磁極層20と同一階層に抵抗膜301が配置されているため、2つの抵抗膜201,301が互いに異なる階層に配置されていることに基づき、薄膜磁気ヘッド構造体100にエアベアリング面を形成するための研磨処理を施す際に、再生ヘッド部用RLGセンサ200および記録ヘッド部用RLGセンサ300を使用して再生ヘッド部111Aに対する研磨処理の進行度および記録ヘッド部111Bに対する研磨処理の進行度の双方を把握可能となる。したがって、再生ヘッド部111Aに対する研磨処理の進行度および記録ヘッド部111Bに対する研磨処理の進行度の双方を把握しながら、最終的にMRハイトおよびネックハイトの双方が目標寸法に到達するように研磨処理を実施可能なため、MRハイトおよびネックハイトの双方の高精度決定に寄与することができるのである。
また、上記した他、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッド構造体の製造方法では、ウェハ101の素子形成面101Mに、上記した複数の薄膜磁気ヘッド前駆体110、複数の再生ヘッド部用RLGセンサ200および複数の記録ヘッド部用RLGセンサ300を備えた薄膜磁気ヘッド構造体100を製造するために、成膜技術、パターニング技術およびエッチング技術に代表される既存の薄膜プロセスのみを使用し、新規かつ煩雑な製造プロセスを使用しない。したがって、既存の薄膜プロセスのみを使用して薄膜磁気ヘッド構造体100を容易に製造することができる。
特に、本実施の形態では、ウェハ101の素子形成面101Mのうちの領域R1にMR素子6を形成する際に、そのMR素子6の形成工程を流用することにより、領域R2AにMR素子6と並列的に抵抗膜201を形成するようにしたので、単一の工程においてMR素子6および抵抗膜201の双方が形成される。この場合には、MR素子6の形成工程を流用せず、すなわちMR素子6の形成工程とは別個の形成工程において抵抗膜201を形成することにより、MR素子6および抵抗膜201の双方を形成するために2工程を要する場合とは異なり、それらのMR素子6および抵抗膜201の双方を形成するために1工程しか要しないため、薄膜磁気ヘッド構造体100を製造するために要する製造工程数が減少する。したがって、この観点においても、薄膜磁気ヘッド構造体100を容易に製造することができる。
また、本実施の形態では、ウェハ101の素子形成面101Mのうちの領域R1に磁極層20を形成する際に、その磁極層20の形成工程を流用することにより、領域R2Bに磁極層20と並列的に抵抗膜301を形成し、より具体的には磁極層20のうちのシード層10と並列的に抵抗膜301を形成するようにしたので、磁極層20の形成工程において磁極層20および抵抗膜301の双方が形成される。したがって、抵抗膜301を形成する上で、磁極層20の形成工程以外に新規な工程を要する場合とは異なり、その抵抗膜301を形成するために新規な工程を要しないため、MR素子6の形成工程を流用して抵抗膜201を形成した場合と同様に、薄膜磁気ヘッド構造体100を製造するために要する製造工程数が減少する。したがって、この観点においても、やはり薄膜磁気ヘッド構造体100を容易に製造することができる。
なお、本実施の形態では、図2および図3に示したように、ウェハ101の素子形成面101Mのうちの領域R2において、再生ヘッド部用RLGセンサ200および記録ヘッド部用RLGセンサ300を交互に設け、具体的には領域R2Aに再生ヘッド部用RLGセンサ200を配置させると共に領域R2Bに記録ヘッド部用RLGセンサ300を配置させるようにしたが、必ずしもこれに限られるものではなく、再生ヘッド部用RLGセンサ200および記録ヘッド部用RLGセンサ300の設置態様、すなわち再生ヘッド部用RLGセンサ200および記録ヘッド部用RLGセンサ300のそれぞれの配置パターンや配置個数等は自由に変更可能である。具体的な一例を挙げれば、領域R2に再生ヘッド部用RLGセンサ200および記録ヘッド部用RLGセンサ300を交互に設ける代わりに、各領域R2に再生ヘッド部用RLGセンサ200および記録ヘッド部用RLGセンサ300の双方を設けるようにしてもよい。これらの再生ヘッド部用RLGセンサ200および記録ヘッド部用RLGセンサ300の設置態様を変更した場合においても、上記実施の形態と同様の効果を得ることができる。
以上をもって、本発明の一実施の形態に係る薄膜磁気ヘッド構造体およびその製造方法についての説明を終了する。
次に、図1〜図22を参照して、本発明の薄膜磁気ヘッド構造体を利用した薄膜磁気ヘッドの製造方法について説明する。図13〜図22は薄膜磁気ヘッドの製造方法を説明するためのものであり、図13は薄膜磁気ヘッドの製造工程の流れを説明し、図14〜図22は薄膜磁気ヘッドの具体的な製造手順を説明している。なお、図14、図19および図22は図2に対応する平面構成を示し、図20は図4に対応する断面構成を示し、図21は図6に対応する平面構成を示している。
薄膜磁気ヘッドを製造する際には、図1〜図6に示した薄膜磁気ヘッド構造体100を準備したのち、まず、図2に示した切断線C1に沿って薄膜磁気ヘッド構造体100を切断し、すなわち複数の薄膜磁気ヘッド前駆体110の配列方向に沿って薄膜磁気ヘッド構造体100を切断することにより、図14に示したように、複数の薄膜磁気ヘッドバー600を形成する(図13;ステップS101)。この薄膜磁気ヘッドバー600は、切断線C1に沿って薄膜磁気ヘッド構造体100が切断され、すなわち薄膜磁気ヘッド構造体100が切断線C1に沿って複数に分割されることにより形成されたバー状構造体である。各薄膜磁気ヘッドバー600は、一連の領域R1に設けられ、後工程において研磨処理を経ることにより後述する薄膜磁気ヘッド110H(図19参照)となる複数の薄膜磁気ヘッド前駆体110と、一連の領域R2Aに設けられ、再生ヘッド部111A(図4参照)に対する研磨処理の進行度を制御するために使用される複数の再生ヘッド部用RLGセンサ200と、一連の領域R2Bに設けられ、記録ヘッド部111B(図4参照)に対する研磨処理の進行度を制御するために使用される複数の記録ヘッド部用RLGセンサ300とを含むように形成される。なお、図14には示していないが、各薄膜磁気ヘッドバー600は、例えば、上記した薄膜磁気ヘッド前駆体110、再生ヘッド部用RLGセンサ200および記録ヘッド部用RLGセンサ300と共に、一部の領域R2Aに再生ヘッド部用RLGセンサ200に代えて設けられたMセンサ400(図3参照)も併せて含むように形成される。
切断線C1に沿って薄膜磁気ヘッド構造体100を切断することにより薄膜磁気ヘッドバー600を形成した際に、その薄膜磁気ヘッドバー600に形成された2つの面(切断面)のうち、積層構造体111および抵抗膜201,301が露出している一方の面は、後工程において研磨処理が施されることによりエアベアリング面となる切断面101K1であり、積層構造体111および抵抗膜201,301が露出していない他方の面は、後工程において薄膜磁気ヘッドバー600を固定するために使用される切断面101K2である。なお、切断線C1に沿って薄膜磁気ヘッド構造体100を切断することにより各薄膜磁気ヘッドバー600間に形成される部分(領域R3)、すなわち薄膜磁気ヘッド前駆体110、再生ヘッド部用RLGセンサ200および記録ヘッド部用RLGセンサ300のいずれもが設けられていない部分(余剰バー601)は、後工程において使用されない不要部分であるため、必要に応じて廃棄される。
続いて、薄膜磁気ヘッドバー600に研磨処理を施すことによりエアベアリング面を形成するために、固定用の治具を使用して薄膜磁気ヘッドバー600を固定する。具体的には、例えば、図15に示したように、固定治具700の一面(被固定面700M)に、接着剤800を介して薄膜磁気ヘッドバー600の切断面101M2を接着させることにより、その固定治具700に薄膜磁気ヘッドバー600を固定させる。図15は、固定治具700に薄膜磁気ヘッドバー600を固定させた場合の側面構成を示しており、後述する図16〜図18でも同様に、図15に対応する側面構成を示している。この固定治具700は、研磨処理を実施する際に薄膜磁気ヘッドバー600を固定させるために使用される治具であり、例えば、図示しない角度調整用の螺子を備えており、その螺子が操作されることにより回転軸(X軸に平行な軸)Sを中心として回転可能になっている。この固定治具700に薄膜磁気ヘッドバー600を固定させる際には、例えば、接着剤800として両面テープを使用する。なお、図15では、例えば、固定治具700に接着剤800を介して薄膜磁気ヘッドバー600を接着させた際に、その薄膜磁気ヘッドバー600の切断面101K1が人為的要因に起因して固定治具700の被固定面700Mに対して角度(傾き角度)θだけ意図せずに傾いた場合を示している。
続いて、図16〜図19に示したように、薄膜磁気ヘッドバー600に設けられている複数の再生ヘッド部用RLGセンサ200および複数の記録ヘッド部用RLGセンサ300を使用して、各抵抗膜201間または各抵抗膜301間における電気抵抗値R1(第1の電気抵抗値)、ならびに抵抗膜201と抵抗膜301との間における電気抵抗値R2(第2の電気抵抗値)を検出し、上記した電気抵抗値R1,R2に基づいて研磨処理の進行度を制御しながら、薄膜磁気ヘッドバー600のうちのウェハ101と共に薄膜磁気ヘッド前駆体110を併せて研磨してエアベアリング面40を形成することにより、薄膜磁気ヘッド110Hを形成する。具体的には、研磨量に応じた電気抵抗値R1,R2のそれぞれの変化に基づき、その研磨量を把握しながら薄膜磁気ヘッドバー600を研磨し、すなわち図4を参照すると、電気抵抗値R1,R2に基づいて、MR素子6の延在方向におけるそのMR素子6の寸法(いわゆるMRハイト)が所定の寸法となるように再生ヘッド部111Aを研磨すると共に、磁極層20の延在方向における先端部11Aの寸法(いわゆるネックハイト)が所定の寸法となるように記録ヘッド部111Bを研磨する。なお、上記した電気抵抗値R1,R2の検出作業は、例えば、コンピュータの演算処理を利用して実施される。この研磨処理の詳細な手順は、以下の通りである。
すなわち、まず、例えば、複数の再生ヘッド部用RLGセンサ200を使用して、電気抵抗値R1として各抵抗膜201間における電気抵抗値を検出しながら、図16に示したように、薄膜磁気ヘッドバー600をプレ研磨する(図13;ステップS102)。具体的には、薄膜磁気ヘッドバー600の切断面101K1に研磨処理を施すことにより、ウェハ101と共に、薄膜磁気ヘッド前駆体110のうちの積層構造体111と、再生ヘッド部用RLGセンサ200のうちの抵抗膜201とを併せて研磨する。もちろん、薄膜磁気ヘッドバー600の切断面101K1に研磨処理を施すことにより、上記した抵抗膜201と共に、Mセンサ400と、記録ヘッド部用RLGセンサ300のうちの抵抗膜301も併せて研磨される。この「プレ研磨」とは、最終的にエアベアリング面40を形成するための精細研磨(後述する仕上研磨)とは異なり、その精細研磨を実施するための前準備として実施される粗研磨である。
薄膜磁気ヘッドバー600をプレ研磨する際には、例えば、一連の再生ヘッド部用RLGセンサ200を使用して、薄膜磁気ヘッドバー600の各位置(各再生ヘッド部用RLGセンサ200の設置位置)における電気抵抗値R1、すなわち各抵抗膜201間における電気抵抗値を検出することにより、各抵抗膜201の電気抵抗値が均一化されるように研磨処理の進行度を制御する。詳細には、抵抗膜201が研磨されて寸法が変化した際に、その寸法変化に応じて抵抗膜201の電気抵抗値が変化する現象を利用することにより、複数の薄膜磁気ヘッド前駆体110の配列方向において、各抵抗膜201の電気抵抗値が互いに等しくなるように研磨量を調整する。このプレ研磨処理では、例えば、最終的に製造される薄膜磁気ヘッド110Hにおいて、再生ヘッド部111AのMRハイトMHの目標寸法をHM1としたとき、各抵抗膜201の電気抵抗値に基づいて、MRハイトMHが目標寸法HM1よりも大きなプレ寸法HM0(HM0>HM1)となるまで薄膜磁気ヘッドバー600に研磨処理を施すようにする。なお、上記したように、抵抗膜201が研磨される場合には抵抗膜301も併せて研磨されることから、その抵抗膜201が研磨された研磨量と同等の研磨量だけ抵抗膜301が研磨されたと仮定すれば、最終的に製造される薄膜磁気ヘッド110Hにおいて、記録ヘッド部111BのネックハイトNHの目標寸法をHN1としたとき、そのネックハイトNHが目標寸法HN1よりも大きなプレ寸法HN0(HN0>HN1)となっているはずである。このプレ研磨処理では、各薄膜磁気ヘッド前駆体110間において、再生ヘッド部111Aに対する研磨量がばらつくことが抑制される。
ここで、図3を参照して、複数の再生ヘッド部用RLGセンサ200を使用した具体的な研磨手順について簡単に説明する。すなわち、図3に示したように、抵抗膜201Aの抵抗RA,幅WA,高さHA、抵抗膜201Bの抵抗RB,幅WB=WA,高さHB=HA−10(μm)、抵抗膜201Cの抵抗RC,幅WC=WA+10(μm),高さHC=HA−10(μm)のとき、リード抵抗RL,クラウディング抵抗C,シート抵抗RSとすると、抵抗RA,RB,RCはそれぞれRA=RL+(C+S×WA)/HA,RB=RL+(C+S×WA)(HA−10),RC=RL+(C+S×WA+S×10)(HA−10)と表される。この場合には、上記した抵抗RA,RB,RCに関する三元連立方程式を解くと、リード抵抗RL,シート抵抗S,仮想抵抗RV(=C+S×WA)はそれぞれRL=RA+(HA−10)(RA−RB)/10,S=(HA−10)(RC−RB)/10,RV(=C+S×WA)=−HA(HA−10)(RA−RB)/10の関係が導き出されるため、リード抵抗RL,シート抵抗S,仮想抵抗RVが研磨処理前に既知となる。したがって、複数の再生ヘッド部用RLGセンサ200を使用して検出される電気抵抗値R1とリード抵抗RL、仮想抵抗RVおよびMRハイトMHとの間に一般的にR1=RL+RV/MHの関係があることから、この関係を利用すれば、リード抵抗RLおよび仮想抵抗RVが既知である場合に電気抵抗値R1を検出することにより、MRハイトMHを算出することが可能となる。これにより、研磨処理時において所定の時間間隔ごとに電気抵抗値R1を検出することによりMRハイトMHを算出すれば、研磨途中においてMRハイトMHを把握しながら研磨処理を実施することが可能となり、すなわち所定の研磨量となるまで研磨処理を実施することが可能となる。なお、MRハイトMHの算出処理は、上記したように、コンピュータの演算処理を利用して実施される。
引き続き、薄膜磁気ヘッドの製造方法について説明する。薄膜磁気ヘッドバー600をプレ研磨したのち、複数の再生ヘッド部用RLGセンサ200および複数の記録ヘッド部用RLGセンサ300を使用して、電気抵抗値R2として抵抗膜201と抵抗膜301との間における電気抵抗値を検出することにより、薄膜磁気ヘッドバー600の研磨面の傾きを検出する(図13;ステップS103)。この「薄膜磁気ヘッドバー600の研磨面の傾き」とは、図15に示した傾き角度θに起因した薄膜磁気ヘッドバー600の傾き、すなわち基準面(切断面101K2)に対する研磨面(切断面101K1)の傾きであり、ネックハイトNHのずれ量(プレ寸法HN0に対するずれ量)の発生要因となるものである。
薄膜磁気ヘッドバー600の研磨面の傾きを検出する際には、例えば、一連の再生ヘッド部用RLGセンサ200を使用して各抵抗膜201の電気抵抗値R1を検出すると共に、一連の記録ヘッド部用RLGセンサ300を使用して、薄膜磁気ヘッドバー600の各位置(各記録ヘッド部用RLGセンサ300の設置位置)における電気抵抗値、すなわち各抵抗膜301間の電気抵抗値R2を検出することにより、それらの電気抵抗値R1,R2に基づいて薄膜磁気ヘッドバー600の姿勢の傾き状態を検出する。詳細には、電気抵抗値R1,R2に基づいて再生ヘッド部111Aおよび記録ヘッド部111Bの研磨量を把握したのち、再生ヘッド部111Aの研磨量と記録ヘッド部111Bの研磨量との間の差異を算出することにより、その差異に基づいて薄膜磁気ヘッドバー600の傾き角度θを特定する。なお、例えば、図15に示したように、薄膜磁気ヘッドバー600が傾き角度θだけ傾いた状態において、図16に示したように、薄膜磁気ヘッドバー600をプレ研磨した場合には、積層構造体111に対する研磨量がリーディング側(再生ヘッド部111A側)よりもトレーリング側(記録ヘッド部111B側)において過剰となるため、再生ヘッド部111Aの研磨量よりも記録ヘッド部111Bの研磨量が大きくなる。
続いて、傾き角度θに基づいて薄膜磁気ヘッドバー600の姿勢を調整することにより、その薄膜磁気ヘッドバー600の研磨面の傾きを調整する(図13;ステップS104)。
薄膜磁気ヘッドバー600の研磨面の傾きを調整する際には、後工程において薄膜磁気ヘッドバー600に引き続き研磨処理を施した場合に、最終的に再生ヘッド部111AのMRハイトMHが目標寸法HM1に到達すると共に記録ヘッド部111BのネックハイトNHが目標寸法HN1に到達することとなるように、回転軸Sを中心として固定治具700を回転させることにより、薄膜磁気ヘッドバー600の姿勢を変更する。ここでは、例えば、図16に示したように、薄膜磁気ヘッドバー600の切断面101K1が切断面101K2に対して傾き角度θだけ傾いていたため、その傾き角度θが解消されるように固定治具700を角度θだけ右回りに回転させることにより、図17に示したように、切断面101K1が固定治具700の被固定面700Mに対して角度θだけ逆方向(図15に示した傾き方向に対して逆の傾き方向)に傾くように、薄膜磁気ヘッドバー600を意図的に傾かせる。
最後に、例えば、複数の再生ヘッド部用RLGセンサ200を使用して、電気抵抗値R1として各抵抗膜201間における電気抵抗値を検出しながら、図18に示したように、薄膜磁気ヘッドバー600を仕上研磨することにより、エアベアリング面40を形成する(図13;ステップS105)。具体的には、薄膜磁気ヘッドバー600の切断面101K1に引き続き研磨処理を施すことにより、ウェハ101と共に、薄膜磁気ヘッド前駆体110のうちの積層構造体111と、再生ヘッド部用RLGセンサ200のうちの抵抗膜201とを併せて研磨する。もちろん、薄膜磁気ヘッドバー600の切断面101K1に研磨処理を施すことにより、上記した抵抗膜201と共に、Mセンサ400と、記録ヘッド部用RLGセンサ300のうちの抵抗膜301も併せて研磨される。この「仕上研磨」とは、最終的にエアベアリング面40を形成するための精細研磨である。
薄膜磁気ヘッドバー600を仕上研磨する際には、例えば、薄膜磁気ヘッドバー600をプレ研磨した場合と同様に、一連の再生ヘッド部用RLGセンサ200を使用して各抵抗膜201間の電気抵抗値を検出することにより、各抵抗膜201の電気抵抗値が均一化されるように研磨処理の進行度を制御する。この仕上研磨処理では、例えば、各抵抗膜201の電気抵抗値に基づいて、再生ヘッド部111AのMRハイトMHが目標寸法HM1となるまで薄膜磁気ヘッドバー600に研磨処理を施すようにする。この場合には、上記したように、薄膜磁気ヘッドバー600の研磨面の傾きが調整された状態において、再生ヘッド部111Aと共に記録ヘッド部111Bも併せて研磨されるため、再生ヘッド部111AのMRハイトMHが目標寸法HM1に到達した時点において、記録ヘッド部111BのネックハイトNHも目標寸法HN1に到達する。すなわち、仕上研磨処理では、各薄膜磁気ヘッド前駆体110間において再生ヘッド部111Aに対する研磨量がばらつくことが抑制されると共に、各薄膜磁気ヘッド前駆体110間において再生ヘッド部111Aと記録ヘッド部111Bとの間で研磨量がばらつくことが抑制される。この仕上研磨処理により、薄膜磁気ヘッドバー600の切断面101K1がエアベアリング面40となるため、図19に示したように、エアベアリング面40が形成された薄膜磁気ヘッド前駆体110として、再生ヘッド部111Aおよび記録ヘッド部111Bの双方を含むように薄膜磁気ヘッド110Hが完成する。なお、薄膜磁気ヘッド110Hの断面構成(YZ面に沿った断面構成)および平面構成(Z軸方向から見た平面構成)は、それぞれ図20および図21に示した通りである。
なお、薄膜磁気ヘッド110Hを完成させたのちには、図19に示した切断線C2に沿って薄膜磁気ヘッドバー600を切断し、すなわち複数の薄膜磁気ヘッド110Hが互いに分離されるように薄膜磁気ヘッドバー600を切断することにより、図22に示したように、複数の磁気ヘッドスライダ900を形成する(図13;ステップS106)。この磁気ヘッドスライダ900は、磁気的な再生処理および記録処理の双方を実行可能な磁気デバイスとして、ハードディスクドライブなどの磁気記録装置に搭載されるものである。この薄膜磁気ヘッドバー600を切断することにより複数の磁気ヘッドスライダ900を形成した場合に、その磁気ヘッドスライダ900から分離された複数の再生ヘッド部用RLGセンサ200および複数の記録ヘッド部用RLGセンサ300は、既に使用済みのため、必要に応じて廃棄される。
この薄膜磁気ヘッドの製造方法では、上記実施の形態において説明した薄膜磁気ヘッド構造体100を切断することにより薄膜磁気ヘッドバー600を形成したのち、再生ヘッド部用RLGセンサ200および記録ヘッド部用RLGセンサ300を使用して電気抵抗値R1,R2を検出しながら薄膜磁気ヘッドバー600に研磨処理を施してエアベアリング面40を形成し、より具体的には再生ヘッド部用RLGセンサ200を使用して電気抵抗値R1を検出しながら薄膜磁気ヘッドバー600をプレ研磨し、引き続き再生ヘッド部用RLGセンサ200および記録ヘッド部用RLGセンサ300の双方を使用して電気抵抗値R1,R2を検出することにより薄膜磁気ヘッドバー600の研磨面の傾きを調整したのち、再び再生ヘッド部用RLGセンサ200を使用して電気抵抗値R1を検出しながら薄膜磁気ヘッドバー600を仕上研磨するようにしたので、再生ヘッド部111Aおよび記録ヘッド部111Bの双方を含むように薄膜磁気ヘッド110Hが製造される。この場合には、上記したように、研磨処理を経てエアベアリング面40が形成される過程において、再生ヘッド部111Aおよび記録ヘッド部111Bのそれぞれに対する研磨処理の進行度が適正に制御されるため、再生ヘッド部111AのMRハイトMHが目標寸法HM1に到達すると共に、記録ヘッド部111BのネックハイトNHが目標寸法HN1に到達する。したがって、エアベアリング面40を形成することにより薄膜磁気ヘッド110Hを製造した場合に、MRハイトMHを目標寸法HM1となるように決定可能であると共に、ネックハイトNHを目標寸法HN1となるように決定可能であるため、MRハイトMHおよびネックハイトNHの双方を高精度に決定することができる。
ここで、上記した薄膜磁気ヘッドの製造方法に基づいて得られる効果を具体的に説明すると、以下の通りである。図23は本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法に基づく利点を説明するためのものであり、(A)は本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法に基づく利点を示し、(B),(C)は本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法に対する比較例としての薄膜磁気ヘッドの製造方法に起因する問題点を示している。この比較例の薄膜磁気ヘッドの製造方法は、再生ヘッド部用RLGセンサ200および記録ヘッド部用RLGセンサ300の双方を使用している本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法とは異なり、記録ヘッド部用RLGセンサ300を使用せずに再生ヘッド部用RLGセンサ200のみを使用している点を除き、本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法と同様の工程内容を有するものである。図23では、本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法および比較例の薄膜磁気ヘッドの製造方法のそれぞれに関して、「薄膜磁気ヘッドの製造状態」として薄膜磁気ヘッドの側面構成(図20に示した断面構成を模式的に表した側面構成)を示し、「磁極層の形成状態」として磁極層の平面構成(図21に示した平面構成を模式的に表した平面構成)を示し、「MH,NH」として薄膜磁気ヘッドのMRハイトMHおよびネックハイトNHを示している。なお、「薄膜磁気ヘッドの製造状態」および「磁極層の形成状態」に関して図23(A)〜(C)に示した一点鎖線は、目標としたエアベアリング面40の形成位置を示している。
再生ヘッド部用RLGセンサ200のみを使用した比較例の薄膜磁気ヘッドの製造方法(図23(B),(C)参照)では、その再生ヘッド部用RLGセンサ200を使用して研磨処理の進行度を制御しながら薄膜磁気ヘッドバー600を研磨して薄膜磁気ヘッド110Hを製造することにより、MRハイトMHをほぼ目標寸法HM1となるように決定することはできるが、ネックハイトNHを目標寸法HN1となるように決定することは困難である。なぜなら、図15および図16を参照して一例を説明したように、固定治具700に固定させる際に薄膜磁気ヘッドバー600が傾いていると、その薄膜磁気ヘッドバー600の傾きに起因して研磨面が傾くため、MRハイトMHが目標寸法HM1となるように薄膜磁気ヘッドバー600を研磨しても、ネックハイトNHが目標寸法HN1とならないからである。具体的には、例えば、MRハイトMHが目標寸法HM1となるように再生ヘッド部111Aを研磨した状態において、記録ヘッド部111Bが過剰に研磨されていると、図23(B)に示したように、再生ヘッド部111Aよりも記録ヘッド部111Bが後退するようにエアベアリング面40が傾くことに起因して磁極層11の形成長さが意図せずに短くなるため、MRハイトMHがほぼ目標寸法HM1となる一方で(MH≒HM1)、ネックハイトNHが目標寸法HN1よりも短くなってしまう(NH<HN1)。また、例えば、MRハイトMHが目標寸法HM1となるように再生ヘッド部111Aを研磨した状態において、記録ヘッド部111Bに対する研磨量が足りないと、図23(C)に示したように、再生ヘッド部111Aよりも記録ヘッド部11Bが突出するようにエアベアリング面40が傾くことに起因して磁極層11の形成長さが意図せずに長くなるため、MRハイトMHがほぼ目標寸法HM1となる一方で(MH≒HM1)、ネックハイトNHが目標寸法HN1よりも長くなってしまう(NH>HN1)。
これに対して、再生ヘッド部用RLGセンサ200および記録ヘッド部用RLGセンサ300の双方を使用した本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法(図23(A)参照)では、それらの再生ヘッド部用RLGセンサ200および記録ヘッド部用RLGセンサ300を使用して研磨処理の進行度を制御しながら薄膜磁気ヘッドバー600を研磨して薄膜磁気ヘッド110Hを製造することにより、MRハイトMHを目標寸法HM1となるように決定可能であると共に、ネックハイトNHも目標寸法HN1となるように決定可能である。なぜなら、固定治具700に固定させる際に薄膜磁気ヘッドバー600が傾いていたとしても、再生ヘッド部用RLGセンサ200および記録ヘッド部用RLGセンサ300の双方を使用して薄膜磁気ヘッドバー600の研磨面の傾きが検出され、その薄膜磁気ヘッドバー600の研磨面の傾きが研磨途中(プレ研磨処理と仕上研磨処理との間)において矯正されるからである。具体的には、例えば、MRハイトMHが目標寸法HM1となるように再生ヘッド部111Aを研磨した状態において、記録ヘッド部111BのネックハイトNHも目標寸法HN1となるように研磨される結果、図23(A)に示したように、エアベアリング面40が適正に形成されることに基づいて磁極層11の形成長さが適正に決定されるため、MRハイトMHが目標寸法HM1となるように決定されると共に(MH=HM1)、ネックハイトNHも目標寸法HN1となるように決定される(NH=HN1)。したがって、本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法では、MRハイトMHおよびネックハイトNHの双方を高精度に決定することができるのである。
特に、薄膜磁気ヘッドの製造方法では、再生ヘッド部用RLGセンサ200を使用して薄膜磁気ヘッドバー600をプレ研磨(粗研磨)し、引き続き再生ヘッド部用RLGセンサ200および記録ヘッド部用RLGセンサ300の双方を使用して薄膜磁気ヘッドバー600の研磨面の傾きを調整したのち、再び再生ヘッド部用RLGセンサ200を使用して薄膜磁気ヘッドバー600を仕上研磨(精細研磨)するようにしたので、粗研磨処理を使用して薄膜磁気ヘッドバー600が相対的に大きな研磨量となるように短時間で研磨されると共に、仕上研磨処理を使用して薄膜磁気ヘッドバー600が相対的に小さな研磨量となるように高精度に研磨される。したがって、薄膜磁気ヘッドバー600を研磨してエアベアリング面40を形成することにより薄膜磁気ヘッド110Hを製造する際に、その薄膜磁気ヘッド600を短時間で高精度に製造することができる。
なお、上記した薄膜磁気ヘッドの製造方法では、再生ヘッド部用RLGセンサ200を使用して薄膜磁気ヘッドバー600をプレ研磨すると共に、再び再生ヘッド部用RLGセンサ200を使用して薄膜磁気ヘッドバー600を仕上研磨するようにしたが、必ずしもこれに限られるものではなく、MRハイトMHおよびネックハイトNHの双方が高精度に決定されるように薄膜磁気ヘッド110Hを形成可能な限り、プレ研磨処理および仕上研磨処理を実施する際に使用するRLGセンサの種類は自由に変更可能である。具体的には、例えば、プレ研磨処理や仕上研磨処理を実施する場合に、再生ヘッド部用RLGセンサ200に代えて、記録ヘッド部用RLGセンサ300を使用してもよいし、あるいは再生ヘッド部用RLGセンサ200および記録ヘッド部用RLGセンサ300の双方を使用してもよい。
次に、本発明に関する実施例について説明する。
上記実施の形態において説明した薄膜磁気ヘッド構造体の製造方法を使用して薄膜磁気ヘッド構造体を製造したのち、その薄膜磁気ヘッド構造体を利用して上記した薄膜磁気ヘッドの製造方法を使用しながら薄膜磁気ヘッドを製造したところ、以下の一連の結果が得られた。
まず、本発明の薄膜磁気ヘッド構造体に設けられる記録ヘッド部用RLGセンサの電気特性を調べたところ、図24および図25に示した結果が得られた。図24および図25は記録ヘッド部用RLGセンサののうちの抵抗膜の抵抗特性を表しており、図24は第1の抵抗膜の抵抗特性を示し、図25は第2の抵抗膜の抵抗特性を示している。図24および図25中、「横軸」はハイトH(=抵抗膜の高さ;μm)を示し、「縦軸」は電気抵抗R(=抵抗膜の電気抵抗;Ω)を示している。図24に示した第1の抵抗膜に関しては、抵抗膜の形成材料としてルテニウム(Ru)、パーマロイ(NiFe)またはコバルト鉄ニッケル合金(CoFeNi)を使用すると共に、その抵抗膜の比抵抗=18μΩcm,厚さ=0.05μm,幅=20μmとした。また、図25に示した第2の抵抗膜に関しては、抵抗膜の形成材料としてチタン(Ti)を使用すると共に、その抵抗膜の比抵抗=77μΩcm,厚さ=0.04μm,幅=20μmとした。なお、図24および図25に示した「24A,25A」は、いずれもハイトHの変化に対する電気抵抗Rの変化を表す特性パターンを示しており、「24B,25B」は、それぞれ「24A,25A」として示した特性パターンに基づいて算出した感度(×10-2Ω/0.005μm)を示している。
図24および図25に示した結果から判るように、第1の抵抗膜および第2の抵抗膜のいずれの場合においても、抵抗膜のハイトHが変化するにしたがって電気抵抗Rが変化し、具体的にはハイトHが減少するにしたがって電気抵抗Rが増加した。この場合には、特に、第1の抵抗膜と第2の抵抗膜との間における比抵抗の差異に基づき、第1の抵抗膜よりも第2の抵抗膜において感度(抵抗変化率)が大きくなった。このことから、本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法では、記録ヘッド部用RLGセンサを使用しながら、エアベアリング面を形成して薄膜磁気ヘッドを製造するために薄膜磁気ヘッド構造体に研磨処理を施すことにより、抵抗膜の抵抗変化に基づいて寸法変化、すなわち研磨処理の進行度を制御可能であることが確認された。
続いて、本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法を使用して薄膜磁気ヘッドを製造した際の加工精度を調べたところ、表1に示した結果が得られた。表1は、薄膜磁気ヘッドの加工精度を表している。表1では、「加工角度ω」として図23に示したウェハ101の延在面(ウェハ101の延在方向に沿った面)とエアベアリング面40との間の角度を示していると共に、「標準偏差σ」として加工角度ωの標準偏差を示している。なお、本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法を使用して製造した薄膜磁気ヘッドの加工精度を調べる際には、その結果を表1に「本発明」と掲載した上、加工精度を比較評価するために、図23(B),(C)を参照して説明した比較例の薄膜磁気ヘッドの製造方法を使用して製造した薄膜磁気ヘッドに関しても加工角度ωおよび標準偏差σを調べることにより、その結果を表1に「比較例」として併せて示した。
Figure 0004516386
表1に示した結果から判るように、加工角度ωおよび標準偏差σはいずれも比較例よりも本発明において小さくなり、具体的には比較例では加工角度ω=90.0°±2.0°,標準偏差σ=0.2〜0.3であるのに対して、本発明では加工角度ω=90.0°±0.3°,標準偏差σ=0.06未満であった。このことから、本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法を使用して薄膜磁気ヘッドを製造することにより、研磨処理後において加工角度ωが直角に近づき、すなわち再生ヘッド部に対する研磨量と記録ヘッド部に対する研磨量とが互いにほぼ等しくなるため、図23(A)に示したように、MRハイトMHおよびネックハイトNHの双方を高精度に決定可能であることが確認された。
以上、実施の形態および実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態および実施例に限定されず、種々の変形が可能である。具体的には、例えば、上記実施の形態および実施例では、本発明をシールド型ヘッドに適用する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、単磁極型ヘッドに適用してもよい。また、上記実施の形態および実施例では、本発明を複合型薄膜磁気ヘッドに適用する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、書き込み用の誘導型磁気変換素子を有する記録専用の薄膜磁気ヘッドや、記録・再生兼用の誘導型磁気変換素子を有する薄膜磁気ヘッドにも適用可能である。もちろん、本発明を、書き込み用の素子および読み出し用の素子の積層順序を逆転させた構造の薄膜磁気ヘッドについても適用可能である。
また、上記実施の形態および実施例では、本発明を垂直記録方式の薄膜磁気ヘッドに適用する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、本発明を長手記録方式の薄膜磁気ヘッドに適用することも可能である。
本発明に係る薄膜磁気ヘッド構造体およびその製造方法は、例えば、ハードディスクに情報を磁気的に記録するハードディスクドライブなどの磁気記録装置に搭載される薄膜磁気ヘッドの製造方法に適用することが可能である。
本発明の一実施の形態に係る薄膜磁気ヘッド構造体の平面構成(Z軸方向から見た平面構成)を表す平面図である。 図1に示した薄膜磁気ヘッド構造体の平面構成の一部領域を拡大して表す平面図である。 図2に示した薄膜磁気ヘッド構造体の平面構成のうちの一部領域のみを抜粋して模式的に表す平面図である。 図1に示した薄膜磁気ヘッド構造体のうちの積層構造体の断面構成(YZ面に沿った断面構成)を表す断面図である。 図1に示した積層構造体の他の断面構成(XZ面に沿った断面構成)を表す断面図である。 図1に示した積層構造体の平面構成(Z軸方向から見た平面構成)を表す平面図である。 本発明の一実施の形態に係る薄膜磁気ヘッド構造体の製造方法として、その薄膜磁気ヘッド構造体のうちの主要部の形成工程を説明するための平面図である。 図7に示した工程に続く工程を説明するための平面図である。 図8に示した工程に続く工程を説明するための平面図である。 図9に示した工程に続く工程を説明するための平面図である。 図10に示した工程に続く工程を説明するための平面図である。 図11に示した工程に続く工程を説明するための平面図である。 本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法の流れを説明するための流れ図である。 薄膜磁気ヘッドの具体的な製造手順を説明するための平面図である。 図14に示した手順に続く製造手順を説明するための側面図である。 図15に示した手順に続く製造手順を説明するための側面図である。 図16に示した手順に続く製造手順を説明するための側面図である。 図17に示した手順に続く製造手順を説明するための側面図である。 図18に示した側面構成に対応する平面図である。 本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法を使用して製造される薄膜磁気ヘッドの断面構成(YZ面に沿った断面構成)を表す断面図である。 図20に示した薄膜磁気ヘッドの平面構成(Z軸方向から見た平面構成)を表す平面図である。 図19に示した手順に続く製造手順を説明するための平面図である。 本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法に基づく利点を説明するための図である。 第1の抵抗膜の抵抗特性を表す図である。 第2の抵抗膜の抵抗特性を表す図である。
符号の説明
2,9,12,16…絶縁層、3…下部リードシールド層、4…シールドギャップ膜、5…上部リードシールド層、6…MR素子、7…分離層、8…補助磁極層、10…シード層、11…主磁極層、11DP…ダミーパターン、13…ギャップ層、13BG…バックギャップ、14…TH規定層、15…薄膜コイル、17…ヨーク層、18…オーバーコート層、20…磁極層、30…ライトシールド層、40…エアベアリング面、100…薄膜磁気ヘッド構造体、101…ウェハ、101K1,101K2…切断面、101M…素子形成面、101E…オリフラ、110…薄膜磁気ヘッド前駆体、111…積層構造体、111A…再生ヘッド部、111B…記録ヘッド部、112,202,302…配線パターン、113,203,303…電極パッド、200…再生ヘッド部用RLGセンサ、201(201A〜201C),301…抵抗膜、300…記録ヘッド部用RLGセンサ、400…Mセンサ、501…フォトレジストパターン、501K1,501K2…開口、600…薄膜磁気ヘッドバー、601…余剰バー、700…固定治具、700M…被固定面、800…接着剤、C(C1,C2)…切断線、J…基準線、FP…フレアポイント、M…媒体進行方向、MH…MRハイト、NH…ネックハイト、R,R1,R2(R2A,R2B),R3…領域、S…回転軸、TH…スロートハイト、TP…スロートハイトゼロ位置、θ…傾き角度、ω…加工角度。

Claims (18)

  1. 基体の一面に、
    再生ヘッド部および記録ヘッド部の双方を含むと共に記録媒体に対向する記録媒体対向面を有する複数の薄膜磁気ヘッドを形成するための前準備体として、前記再生ヘッド部および前記記録ヘッド部の双方を含む複数の薄膜磁気ヘッド前駆体と、
    前記基体と共に前記薄膜磁気ヘッド前駆体を併せて研磨して前記記録媒体対向面を形成することにより前記薄膜磁気ヘッドを形成する際に、前記再生ヘッド部に対する研磨処理の進行度を制御するために使用されると共に、幅および高さが異なる複数の形状を有する複数の第1の抵抗膜パターンと、
    前記基体と共に前記薄膜磁気ヘッド前駆体を併せて研磨して前記記録媒体対向面を形成することにより前記薄膜磁気ヘッドを形成する際に、前記記録ヘッド部に対する研磨処理の進行度を制御するために使用される複数の第2の抵抗膜パターンと
    を備えたことを特徴とする薄膜磁気ヘッド構造体。
  2. 前記第1の抵抗膜パターンが、研磨量に応じて電気抵抗が変化することにより、その電気抵抗の変化に基づいて前記再生ヘッド部の研磨量を把握するために使用されるものであり、
    前記第2の抵抗膜パターンが、研磨量に応じて電気抵抗が変化することにより、その電気抵抗の変化に基づいて前記記録ヘッド部の研磨量を把握するために使用されるものである
    ことを特徴とする請求項1記載の薄膜磁気ヘッド構造体。
  3. 前記複数の薄膜磁気ヘッド前駆体が、複数列に渡って配列されており、
    前記複数の第1の抵抗膜パターンおよび前記複数の第2の抵抗膜パターンが、前記複数の薄膜磁気ヘッド前駆体の配列方向に対応して複数列に渡って配列されている
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の薄膜磁気ヘッド構造体。
  4. 前記薄膜磁気ヘッド前駆体が、前記基体の一面のうちの第1の領域に配置されており、
    前記第1の抵抗膜パターンおよび前記第2の抵抗膜パターンが、前記基体の一面のうちの前記第1の領域とは異なる第2の領域に配置されている
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の薄膜磁気ヘッド構造体。
  5. 前記再生ヘッド部が、前記記録媒体対向面から後方に向かって延在して再生処理を実行する磁気抵抗効果素子を含む積層構造を有していると共に、前記記録ヘッド部が、前記記録媒体対向面から後方に向かって延在すると共に前記記録媒体の記録トラック幅を規定するトラック幅規定部分を有して記録処理を実行する磁極層を含む積層構造を有しており、
    前記第1の抵抗膜パターンが、前記再生ヘッド部のうちの前記磁気抵抗効果素子と同一階層に配置されており、
    前記第2の抵抗膜パターンが、前記記録ヘッド部のうちの前記磁極層と同一階層に配置されている
    ことを特徴とする請求項4記載の薄膜磁気ヘッド構造体。
  6. 前記第1の抵抗膜パターンが、前記磁気抵抗効果素子の延在方向におけるその磁気抵抗効果素子の寸法が所定の寸法となるように、前記再生ヘッド部の研磨量を把握するために使用されるものであり、
    前記第2の抵抗膜パターンが、前記磁極層の延在方法における前記トラック幅規定部分の寸法が所定の寸法となるように、前記記録ヘッド部の研磨量を把握するために使用されるものである
    ことを特徴とする請求項5記載の薄膜磁気ヘッド構造体。
  7. 前記第1の抵抗膜パターンが、前記磁気抵抗効果素子と並列的に形成されたものであり、
    前記第2の抵抗膜パターンが、前記磁極層と並列的に形成されたものである
    ことを特徴とする請求項5または請求項6に記載の薄膜磁気ヘッド構造体。
  8. 前記磁極層が、前記記録媒体をその表面と直交する方向に磁化させるための磁束を放出するように構成されている
    ことを特徴とする請求項5ないし請求項7のいずれか1項に記載の薄膜磁気ヘッド構造体。
  9. 基体の一面に、
    再生ヘッド部および記録ヘッド部の双方を含むと共に記録媒体に対向する記録媒体対向面を有する複数の薄膜磁気ヘッドを形成するための前準備体として、前記再生ヘッド部および前記記録ヘッド部の双方を含むように、複数の薄膜磁気ヘッド前駆体をパターン形成する第1の工程と、
    前記基体と共に前記薄膜磁気ヘッド前駆体を併せて研磨して前記記録媒体対向面を形成することにより前記薄膜磁気ヘッドを形成する際に、前記再生ヘッド部に対する研磨処理の進行度を制御可能となると共に、幅および高さが異なる複数の形状を有するように、複数の第1の抵抗膜パターンを形成する第2の工程と、
    前記基体と共に前記薄膜磁気ヘッド前駆体を併せて研磨して前記記録媒体対向面を形成することにより前記薄膜磁気ヘッドを形成する際に、前記記録ヘッド部に対する研磨処理の進行度を制御可能となるように、複数の第2の抵抗膜パターンを形成する第3の工程と
    を含むことを特徴とする薄膜磁気ヘッド構造体の製造方法。
  10. 前記第2の工程において、研磨量に応じて電気抵抗が変化することにより、その電気抵抗の変化に基づいて前記再生ヘッド部の研磨量を把握可能となるように、前記第1の抵抗膜パターンを形成し、
    前記第3の工程において、研磨量に応じて電気抵抗が変化することにより、その電気抵抗の変化に基づいて前記記録ヘッド部の研磨量を把握可能となるように、前記第2の抵抗膜パターンを形成する
    ことを特徴とする請求項9記載の薄膜磁気ヘッド構造体の製造方法。
  11. 前記第1の工程において、複数列に渡って配列されるように前記複数の薄膜磁気ヘッド前駆体を形成し、
    前記第2の工程および第3の工程において、前記複数の薄膜磁気ヘッド前駆体の配列方向に対応して複数列に渡って配列されるように、前記複数の第1の抵抗膜パターンおよび前記複数の第2の抵抗膜パターンを形成する
    ことを特徴とする請求項9または請求項10に記載の薄膜磁気ヘッド構造体の製造方法。
  12. 前記第1の工程において、前記基体の一面のうちの第1の領域に配置されるように、前記薄膜磁気ヘッド前駆体を形成し、
    前記第2の工程および前記第3の工程において、前記基体の一面のうちの前記第1の領域とは異なる第2の領域に配置されるように、前記第1の抵抗膜パターンおよび前記第2の抵抗膜パターンを形成する
    ことを特徴とする請求項9ないし請求項11のいずれか1項に記載の薄膜磁気ヘッド構造体の製造方法。
  13. 前記第1の工程において、前記再生ヘッド部が前記記録媒体対向面から後方に向かって延在して再生処理を実行する磁気抵抗効果素子を含む積層構造を有すると共に、前記記録ヘッド部が前記記録媒体対向面から後方に向かって延在すると共に前記記録媒体の記録トラック幅を規定するトラック幅規定部分を有して記録処理を実行する磁極層を含む積層構造を有するように、前記薄膜磁気ヘッド前駆体を形成し、
    前記第2の工程において、前記再生ヘッド部のうちの前記磁気抵抗効果素子と同一階層に配置されるように、前記第1の抵抗膜パターンを形成し、
    前記第3の工程において、前記記録ヘッド部のうちの前記磁極層と同一階層に配置されるように、前記第2の抵抗膜パターンを形成する
    ことを特徴とする請求項12記載の薄膜磁気ヘッド構造体の製造方法。
  14. 前記第2の工程において、前記磁気抵抗効果素子の延在方向におけるその磁気抵抗効果素子の寸法を所定の寸法に設定するために、前記再生ヘッド部の研磨量を把握可能となるように、前記第1の抵抗膜パターンを形成し、
    前記第3の工程において、前記磁極層の延在方法における前記トラック幅規定部分の寸法を所定の寸法に設定するために、前記記録ヘッド部の研磨量を把握するために使用可能となるように、前記第2の抵抗膜パターンを形成する
    ことを特徴とする請求項13記載の薄膜磁気ヘッド構造体の製造方法。
  15. 前記第2の工程において、前記磁気抵抗効果素子と並列的に前記第1の抵抗膜パターンを形成し、
    前記第3の工程において、前記磁極層と並列的に前記第2の抵抗膜パターンを形成する
    ことを特徴とする請求項13または請求項14に記載の薄膜磁気ヘッド構造体の製造方法。
  16. 請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載した薄膜磁気ヘッド構造体を使用した薄膜磁気ヘッドの製造方法であって、
    複数の薄膜磁気ヘッド前駆体の配列方向に沿って前記薄膜磁気ヘッド構造体を切断することにより、複数の薄膜磁気ヘッド前駆体と、再生ヘッド部に対する研磨処理の進行度を制御するために使用されると共に幅および高さが異なる複数の形状を有する複数の第1の抵抗膜パターンと、記録ヘッド部に対する研磨処理の進行度を制御するために使用される複数の第2の抵抗膜パターンとを含むように、複数の薄膜磁気ヘッドバーを形成する第1の工程と、
    前記第1の抵抗膜パターンの電気抵抗値または前記第2の抵抗膜パターンの電気抵抗値を検出する工程と、前記第1の抵抗膜パターンの電気抵抗値および前記第2の抵抗膜パターンの電気抵抗値を検する工程とを含み、それらの電気抵抗値の研磨量に応じた変化に基づき、その研磨量を把握しながら、前記薄膜磁気ヘッドバーのうちの前記基体と共に前記薄膜磁気ヘッド前駆体を併せて研磨して記録媒体対向面を形成することにより、前記再生ヘッド部および前記記録ヘッド部の双方を含むと共に前記記録媒体対向面を有するように、前記薄膜磁気ヘッドを形成する第2の工程と
    を含むことを特徴とする薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  17. 前記第1の工程において、前記再生ヘッド部が前記記録媒体対向面から後方に向かって延在して再生処理を実行する磁気抵抗効果素子を含む積層構造を有すると共に、前記記録ヘッド部が前記記録媒体対向面から後方に向かって延在すると共に前記記録媒体の記録トラック幅を規定するトラック幅規定部分を有して記録処理を実行する磁極層を含む積層構造を有する前記薄膜磁気ヘッド前駆体を使用し、
    前記第2の工程において、電気抵抗値に基づいて、前記磁気抵抗効果素子の延在方向におけるその磁気抵抗効果素子の寸法が所定の寸法となるように前記再生ヘッド部を研磨すると共に、前記磁極層の延在方法における前記トラック幅規定部分の寸法が所定の寸法となるように前記記録ヘッド部を研磨する
    ことを特徴とする請求項16記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  18. 前記第2の工程が、
    前記第1の抵抗膜パターンの電気抵抗値または前記第2の抵抗膜パターンの電気抵抗値に基づいて、前記磁気抵抗効果素子の延在方向におけるその磁気抵抗効果素子の寸法が目標寸法よりも大きなプレ寸法となるまで前記薄膜磁気ヘッドバーをプレ研磨する工程と、
    前記第1の抵抗膜パターンの電気抵抗値および前記第2の抵抗膜パターンの電気抵抗値に基づいて、前記プレ寸法を維持したまま前記薄膜磁気ヘッドバーの研磨面の傾きを調整する工程と、
    前記第1の抵抗膜パターンの電気抵抗値または前記第2の抵抗膜パターンの電気抵抗値に基づいて、前記磁気抵抗効果素子の延在方向におけるその磁気抵抗効果素子の寸法が前記プレ寸法から前記目標寸法となるまで前記薄膜磁気ヘッドバーを仕上げ研磨する工程と
    を含むことを特徴とする請求項17記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
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