JP4501328B2 - ポリマー電解質と該電解質を用いたポリマー二次電池 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、分岐ポリエーテル、リン酸エステルおよび電解質塩化合物からなるポリマー電解質と該ポリマー電解質を用いた二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、高電圧、高エネルギー密度の観点から非水電解液を用いたリチウムイオン二次電池が多く利用されるようになってきた。しかし、低粘度、低沸点の電解液を含むリチウムイオン二次電池には漏液や高温域での安全性に問題がある。このため、電解質の全部または一部に高分子マトリクスを使用したポリマー二次電池の研究開発が盛んになってきている。高分子マトリクスとしてはポリフッ化ビニリデンなどのように、それ自身にはイオン伝導性を示さないものと、ポリエチンオキシドに代表されるイオン伝導性ポリマーに大別される。イオン輸送の観点からはイオン伝導性に優れたエーテル結合を有する非晶質分岐ポリマーマトリクスを用いる方が、より特性の高いポリマー二次電池を得やすい。
【0003】
ポリマーのみを電解質として用いると漏液が無く、揮発性の溶媒を含まないために爆発や発火の危険性が極めて低いが、低温でのイオン伝導性が不足していることや、イオン輸率の低いことなどが問題として挙げられる。また、伝導度向上の目的で、ポリマーに従来の非水電解液を添加すると安全性の低下につながるという問題があった。
【0004】
分岐ポリエーテルは、高分子化合物の中では高いイオン伝導性を示すが、非水系電解液に比べると伝導度が低く、特に室温以下での伝導度の向上が望まれている。正極、負極および分岐ポリエーテル電解質から構成される電気化学セルの充放電試験を行うと、低温(例えば、10℃)において、充放電容量が顕著に低い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、分岐ポリエーテルとリン酸エステルを組み合わせることにより、電解質の固体化と低温での伝導度向上をはかり、かつ燃焼性の低いポリマー電解質を得ることおよび、その電解質を用いた低温特性と安全性に優れたポリマー二次電池を得ることを課題とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、分岐ポリエーテル、リン酸エステルおよび電解質塩化合物を含んでなり、非水電解液を含まないポリマー電解質であって、
リン酸エステルがトリエステルであり、
分岐ポリエーテルとリン酸エステルの合計量に対して、分岐ポリエーテルの量が3〜95重量%であり、リン酸エステルの量が97〜5重量%であるポリマー電解質を提供する。
分岐ポリエーテルにリン酸エステルを混合すると電解質として難燃性を有し、かつイオンの移動性を向上させる事が可能になる。
【0007】
分岐ポリエーテルとは、ポリエーテル主鎖の炭素原子に、水素原子に代えて、2つ以上の原子から構成される置換基が結合しているポリエーテルである。ポリエーテル主鎖は、一般に、ポリオキシエチレン鎖である。分岐ポリエーテルにおける置換基を構成する原子の例は、炭素原子、酸素原子、水素原子である。
【0008】
分岐ポリエーテルにおける置換基の例は、次のとおりである。
アルキル基、例えば、炭素数1〜10のアルキル基、および
−CH2−O−(CH2−CH2−O)p−A基
[上記式中、Aは、炭素数1〜10のアルキル基、pは、0〜10、例えば、0〜7、特に3〜7の整数である。]
【0009】
分岐ポリエーテルは、式:
−CH2-CH2-O− (i)
で示される繰り返し単位、および式:
−CH2-CHR11-O− (ii)
で示される繰り返し単位
[式中、R11は、メチル基または−CH2−O−(CH2−CH2−O)p−A基(Aは炭素数1〜10のアルキル基、pは0〜10の整数である。)である。]
を有することが好ましい。例えば、繰り返し単位(i)および繰り返し単位(ii)の合計モル量に対して、繰り返し単位(i)の量は50〜99モル%、繰り返し単位(ii)の量は1〜50モル%であってよい。
【0010】
大きな分子セグメント運動を生じさせるオキシエチレン単位(例えば、置換基R11としての−CH2−O−(CH2−CH2−O)p−CH3において、pが例えば0〜7、特に3〜7である単位)を側鎖として有する分岐ポリエーテルが好ましい。
【0011】
分岐ポリエーテルは、例えば、式:
−(CH2-CH2-O)a−(CH2-CHR11-O)b−(CH2-CHZ-O)c− [式中、R11はメチル基又は−CH2−O−(CH2−CH2−O)p−CH3基を表し、Zは反応性官能基を表す。a、b及びcは繰り返し単位の比率を表し、aは50〜99モル%、bは1〜50モル%、cは0〜10モル%である。pは0〜7の整数である。]
で示される共重合体であってよい。
【0012】
分岐ポリエーテルの例は、エチレンオキシド/プロピレンオキシド共重合体、エチレンオキシド/メチルグリシジルエーテル共重合体、エチレンオキシド/メトキシエトシキエチルグリシジルエーテル共重合体、エチレンオキシド/2-(2-メトキシエトキシ)エチルグリシジルエーテル共重合体などである。
【0013】
分岐ポリエーテルはDSC(示差走査熱量分析)による融解熱量が40J/g以下であるものが好ましい。
分岐ポリエーテルは、(特に未架橋状態で)重量平均分子量(Mw)が100,000以上のものが好ましい。さらに重量平均分子量(Mw)が200,000から3,000,000のものがより好ましい。
【0014】
また、分岐ポリエーテルは、エチレン性不飽和基、反応性ケイ素基、エポキシ基またはハロゲン原子などの反応性官能基を有する繰り返し単位を含む3元以上の共重合体(例えば、3元共重合体)であっても構わない。反応官能基を有する繰り返し単位として、式(iii):
−CH2-CHZ-O− (iii)
[式中、Zは反応性官能基を表す。]
が挙げられる。
【0015】
反応性官能基を有する繰り返し単位は、反応性官能基を有するオキシラン化合物から誘導することができる。
エチレン性不飽和基を含有するオキシラン化合物としてはアリルグリシジルエーテル、ビニルグリシジルエーテル及びメタクリル酸グリシジル等が挙げられる。反応性ケイ素基を含有するオキシラン化合物としては3-グリシドキシプロピルトリメトキシシランや2-グリシドキシエチルトリメトキシシランがある。両末端にエポキシ基を有するオキシラン化合物には2,3-エポキシプロピル-2‘-3’-エポキシ-2‘-メチルプロピルエーテルなどがある。ハロゲン原子を含有するオキシラン化合物にはエピクロロヒドリン、エピブロモヒドリンがある。
【0016】
リン酸エステルは、リン酸の水素原子が炭素原子含有基で置換された化合物である。リン酸エステルは、トリエステルである。
【0017】
リン酸エステルは、式(I):
(O=)P(OR21)(OR22)(OR23) (I)
[式中、R21、R22、R23は同一又は異なっていてもよい炭素数1〜10のアルキル基、ハロゲン原子置換アルキル基、−(CH2−CH2−O)q−R24で示されるエーテル基(R24は、炭素数1〜4のアルキル基を表し、qは1〜6の整数である。)、複素環基(炭素数4〜10)、アラルキル基(炭素数4〜10)を表す。R21およびR22は一体となってシクロアルキル基(炭素数4〜10)を形成してもよい。]
で示されるリン酸エステルが好ましい。揮発性の点からは、大気圧での沸点が180℃以上のリン酸エステルがより好ましい。
【0018】
分岐ポリエーテルを除いて、電解質塩化合物とリン酸エステルの混合物の0℃でのイオン伝導度が1×10−6S/cm以上のリン酸エステルが好ましく、0℃でのイオン伝導度が1×10−5S/cm以上のリン酸エステルが特に好ましい。
【0019】
具体的なリン酸エステルの例としては、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリプロピルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、ジメチルエチルホスフェート、メチルジエチルホスフェート、メチルエチルプロピルホスフェート、トリス(ブトキシエチル)ホスフェート、トリス(メトキシエチル)ホスフェート、トリス(メトキシエトキシエチル)ホスフェート、ビス(メトキシエトキシエチル)ブトキシエチルホスフェート、ビス(メトキシエチル)メトキシエトキシエチルホスフェート、トリクレジルホスフェート等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0020】
分岐ポリエーテルとリン酸エステルの混合比率は分岐ポリエーテルが3〜95重量%、リン酸エステルが97〜5重量%で混合することが好ましく、分岐ポリエーテルが10〜90重量%、リン酸エステルが90〜10重量%で混合することがより好ましい。分岐ポリエーテルが3重量%よりも少なくなると電解質の固体化が困難になる。また分岐ポリエーテルが95重量%よりも多くなると低温での伝導度向上の効果が小さくなる。
【0021】
分岐ポリエーテルとリン酸エステルを混合した複合物は、各種の電解質塩化合物の共存下、ポリマー電解質として使用することができる。電解質塩化合物としては、金属陽イオン、アンモニウムイオン、アミジニウムイオン、及びグアジニウムイオンから選ばれた陽イオンと、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン、過塩素酸イオン、チオシアン酸イオン、テトラフルオロホウ素酸イオン、硝酸イオン、AsF6 −、PF6 −、ステアリルスルホン酸イオン、オクチルスルホン酸イオン、ドデシルベンゼンスルホン酸イオン、ナフタレンスルホン酸イオン、ドデシルナフタレンスルホン酸イオン、7,7,8,8−テトラシアノ−p−キノジメタンイオン、X1SO3 −、[(X1SO2)(X2SO2)N]−、[(X1SO2)(X2SO2)(X3SO2)C]−、及び[(X1SO2)(X2SO2)YC]−から選ばれた陰イオンとなる化合物が挙げられる。但し、X1、X2、X3及びYは電子吸引性基である。好ましくはX1、X2、及びX3は各々独立して炭素数が1から6迄のパーフルオロアルキル基又はパーフルオロアリール基であり、Yはニトロ基、ニトロソ基、カルボニル基、カルボキシル基又はシアノ基である。X1、X2、及びX3は各々同一であっても、異なっていても良い。
【0022】
金属陽イオンとしては遷移金属の陽イオンを用いることが出来る。好ましくはMn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、及びAg金属から選ばれた金属の陽イオンが用いられる。また、Li、Na、K、Rb、Cs、Mg、Ca及びBa金属から選ばれた金属の陽イオンを用いても好ましい結果が得られる。電解質塩化合物として前述の化合物を2種類以上併用することは自由である。Liイオン電池においては電解質塩化合物としてはLi塩化合物が好ましく、より好ましくは過塩素酸リチウム、四フッ化ホウ素リチウム、六フッ化リン酸リチウム、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム、ビストリフルオロメタンスルホン酸イミドリチウム(LiTFSI)などが具体例として挙げられるがこれらに限定されるものではない。また、ポリマー電解質には強度向上や水分トラップのためのマグネシア、シリカ、アルミナおよびチタン酸バリウムなどの無機酸化物微粒子を混在させてもよい。
電解質塩化合物の量は、分岐ポリエーテルとリン酸エステルの合計量100重量部に対して、2〜400重量部、例えば5〜100重量部であってよい。
【0023】
ポリマー電解質は、一次電池または二次電池、例えばリチウム二次電池において使用できる。電池におけるポリマー電解質の厚さは、特に限定されるものではないが、例えば、2μm〜2mmであってよい。
二次電池の正極活物質としてはコバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウム、スピネル型マンガン酸リチウム或いはマンガンの一部をニッケルやコバルトで置換したスピネル化合物、酸化バナジウム、層状マンガン酸リチウム、硫化チタンおよびオリビン型リン酸鉄リチウムなどが挙げられる。負極として用いることの出来る材料には特に制限がないが、炭素系材料、金属リチウム、リチウムアルミニウム合金、ウッド合金、チタン及びスズのリチウム複合酸化物などが挙げられる。
【0024】
【実施例】
以下、本発明に係わるポリマー電解質と二次電池について実施例を挙げて具体的に説明する。実施例におけるポリマー電解質の低温でのイオン伝導性の向上においては、10℃における交流法によるイオン伝導度の測定を行い、また二次電池の低温特性向上においては、25℃における充放電効率と充放電容量が向上することを実施例を挙げて明らかにする。
【0025】
電池の充放電は25℃で0.1Cのレートで4.2Vと3.0Vの間で充放電試験を行い、2サイクル目の充放電容量と充放電効率の測定を行った。ここで、放電容量は正極活物質単位重量当たりの放電容量(mAh/g)で表わされ、充放電効率は放電容量/充電容量(%)で表わされる。
なお、本発明におけるポリマー電解質と二次電池は下記の実施例に示したものに限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施できるものである。
【0026】
重合例1 ポリエーテルの調製
表1に示すポリマー1〜6を以下の手順で合成した。脱水されたヘキサン中に下記組成のモノマー成分を仕込み、有機錫−リン酸エステル縮合物触媒を用いて25℃で16時間かけてポリエーテルの調製を行った。表1に得られた各ポリマーの性状を示す。
重量平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定を行い、標準ポリスチレン換算による分子量を算出した。島津製作所(株)製RID-6A測定装置と昭和電工(株)製カラム、ショウデックスKD-807を用いた。ポリマー組成は1H核磁気共鳴スペクトルを用いて確認した。融解熱量は示差走査熱量分析(DSC)を用いて測定した。
【0027】
【表1】
【0028】
表1中のEOはエチレンオキシド、POはプロピレンオキシド、MGEはメチルグリシジルエーテル、AGEはアリルグリシジルエーテル、GMAはメタクリル酸グリシジル、EM1はメトキシエトシキエチルグリシジルエーテルおよびEM2は2-(2-メトキシエトキシ)エチルグリシジルエーテルを表す。表中のEO/EM1=85/15はエチレンオキシドとメトキシエトシキエチルグリシジルエーテルの2元共重合体を表し、共重合体におけるモノマーのモル比率がエチレンオキシド:メトキシエトシキエチルグリシジルエーテル=85:15であることを表す。同様にEO/EM2/AGE=86/11/3はエチレンオキシド、2-(2-メトキシエトキシ)エチルグリシジルエーテル及びアリルグリシジルエーテルの3元共重合体を表し、共重合体におけるモノマーのモル比率がエチレンオキシド:2-(2-メトキシエトキシ)エチルグリシジルエーテル:アリルグリシジルエーテル=86:11:3であることを表す。表中のポリマー6はポリエチレンオキシドを表す。
【0029】
実施例1 正極板の調製
本荘FMCエナジーシステムズ(株)製コバルト酸リチウム90重量部に電気化学工業(株)製アセチレンブラックとポリフッ化ビニリデンを各々5重量部加え、N-メチル-2-ピロリドン分散液中で1時間混合し、ペースト状としてアルミニウム箔上に乾燥膜厚15μmとなるよう均一に塗布し、130℃で2時間乾燥後、ロールプレス機(サンク株式会社製チビロールプレス)でプレスした。得られたフィルム状電極から直径10mmの円板に切り抜いて正極板を調製した。
【0030】
実施例2 負極の調製
人造黒鉛(大阪ガスケミカル(株)製MCMB25-28、粒子径25μm)90重量部にポリフッ化ビニリデンを10重量部加え、N-メチル-2-ピロリドン分散液中で1時間混合し、ペースト状として銅箔上に乾燥膜厚20μmとなるよう均一に塗布し、130℃で2時間乾燥後、ロールプレス機(サンク株式会社製チビロールプレス)でプレスした。得られたフィルム状電極から直径10mmの円板に切り抜いて負極板を調製した。
【0031】
実施例3 ポリマー電解質の調製
ポリマー1、トリス(メトキシエトキシエチル)ホスフェートおよびビストリフルオロメタンスルホン酸イミドリチウム(LiTFSI)を重量比で1:1:0.54となるように秤量した。秤量後、アセトニトリルをポリマー100重量部に対して500重量部を加えて均一になるまで撹拌混合した。混合溶液を2時間静置して脱泡した後、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムに乾燥厚みが50μmとなるよう均一に塗布した。100℃で10分間加熱して溶媒を除去後、60℃で24時間真空乾燥を行った。これを電解質aとする。電解質aを直径15mmのSUS316電極で挟み10℃にてイオン伝導度を測定したところ8.2×10−5S/cmであった。
【0032】
実施例4 ポリマー電解質の調製
ポリマー2を用いた以外は実施例3と同様にして電解質を得た。これを電解質bとする。実施例3と同様にして電解質bのイオン伝導度を測定したところ6.1×10−5S/cmであった。
【0033】
実施例5 ポリマー電解質の調製
ポリマー3、トリス(メトキシエトキシエチル)ホスフェートおよびLiTFSIを重量比で1:1:0.54となるように秤量した。ポリマー100重量部に対して500重量部のアセトニトリルを加えて均一に溶解させた後、架橋開始剤として過酸化ベンゾイルを1重量部、ビスマレイミド架橋助剤を2重量部加えた。混合溶液を2時間静置して脱泡した後PETフィルムに乾燥厚みが50μmとなるよう均一に塗布した。100℃で10分間加熱して溶媒を除去後、100℃で2時間加熱し架橋を行った。架橋後、60℃で24時間真空乾燥を行い、これを電解質cとする。実施例3と同様にして電解質cのイオン伝導度を測定したところ、8.4×10−5S/cmであった。
【0034】
実施例6 ポリマー電解質の調製
ポリマー4を用いた以外は実施例5と同様にして電解質を得た。これを電解質dとする。実施例3と同様にして電解質dのイオン伝導度を測定したところ8.5×10−5S/cmであった。
【0035】
実施例7 ポリマー電解質の調製
ポリマー5を用いた以外は実施例5と同様にして電解質を得た。これを電解質eとする。実施例3と同様にして電解質eのイオン伝導度を測定したところ4.7×10−5S/cmであった。
【0036】
比較例1
ポリマー6、トリス(メトキシエトキシエチル)ホスフェートおよびLiTFSIを重量比で1:1:0.54となるように秤量した。秤量後、アセトニトリルをポリマー100重量部に対して500重量部を加えて均一になるまで撹拌混合した。混合溶液を2時間静置して脱泡した後、PETフィルムに乾燥後厚みが50μmになるように塗工した。100℃で10分間加熱して溶媒を除去後、60℃で24時間真空乾燥を行った。これを電解質fとする。電解質fを直径15mmのSUS316電極で挟み10℃にてイオン伝導度を測定したところ2.3×10−6S/cmであった。
【0037】
実施例8 ポリマー電解質の調製
ポリマー4、トリブチルホスフェートおよびLiTFSIを重量比で1:0.66:0.49となるように秤量した。ポリマー100重量部に対して500重量部のアセトニトリルを加えて均一に溶解させた後、架橋開始剤として過酸化ベンゾイルを1重量部、ビスマレイミド架橋助剤を2重量部加えた。混合溶液を2時間静置して脱泡した後PETフィルムに乾燥厚みが50μmとなるよう均一に塗布した。100℃で10分間加熱して溶媒を除去後、100℃で2時間加熱し架橋を行った。架橋後、45℃で24時間真空乾燥を行い、これを電解質gとする。実施例3と同様にして電解質gのイオン伝導度を測定したところ、7.9×10−5S/cmであった。
【0038】
実施例9 ポリマー電解質の調製
ポリマー4、トリス(ブトキシエチル)ホスフェートおよびLiTFSIを重量比で1:1.5:0.55となるように秤量した。ポリマー100重量部に対して500重量部のアセトニトリルを加えて均一に溶解させた後、架橋開始剤として過酸化ベンゾイルを1重量部、ビスマレイミド架橋助剤を2重量部加えた。混合溶液を2時間静置して脱泡した後PETフィルムに乾燥厚みが50μmとなるよう均一に塗布した。100℃で10分間加熱して溶媒を除去後、100℃で2時間加熱し架橋を行った。架橋後、60℃で24時間真空乾燥を行い、これを電解質hとする。実施例3と同様にして電解質hのイオン伝導度を測定したところ、1.2×10−4S/cmであった。
【0039】
比較例2
ポリマー4およびLiTFSIを重量比で1:0.39となるように秤量した。ポリマー100重量部に対して500重量部のアセトニトリルを加えて均一に溶解させた後、架橋開始剤として過酸化ベンゾイルを1重量部、ビスマレイミド架橋助剤を2重量部加えた。混合溶液を2時間静置して脱泡した後PETフィルムに乾燥厚みが50μmとなるよう均一に塗布した。100℃で10分間加熱して溶媒を除去後、100℃で2時間加熱し架橋を行った。架橋後、60℃で24時間真空乾燥を行い、これを電解質iとする。実施例3と同様にして電解質iのイオン伝導度を測定したところ、8.3×10−6S/cmであった。
【0040】
実施例10 ポリマー二次電池の作製
ポリマー1、トリス(メトキシエトキシエチル)ホスフェートおよびLiTFSIを重量比で1:1:0.54となるように秤量した。秤量後、アセトニトリルをポリマー100重量部に対して500重量部を加えて均一になるまで撹拌混合した。実施例1で調製した正極板と実施例2で調製した負極板に調製した溶液を塗布し電解質組成物を充填した後60℃で24時間真空乾燥を行った。この正負極間に、実施例3で調製した電解質aを挟み3分間プレスした後、コイン型セル2032に挿入し封缶した。作製したコインセルの充放電試験を行ったところ放電容量は133mAh/g、効率は98%であった。
【0041】
実施例11 ポリマー二次電池の作製
ポリマー4、トリス(メトキシエトキシエチル)ホスフェートおよびLiTFSIを重量比で1:1:0.54となるように秤量した。秤量後、アセトニトリルをポリマー100重量部に対して500重量部を加えて均一になるまで撹拌混合した。実施例1で調製した正極板に調製した溶液を塗布し電解質組成物を充填した後60℃で24時間真空乾燥を行った。この正極板と金属リチウム負極間に、実施例6で調製した電解質dを挟み3分間プレスした後、コイン型セル2032に挿入し封缶した。作製したコインセルの充放電試験を行ったところ放電容量は138mAh/g、効率は98%であった。
【0042】
比較例3
ポリマー6を用いた以外は実施例11と同様にして溶液の調製を行い、正負極に電解質組成物を充填した。この正負極間に比較例1で作成した電解質fを挟み実施例11と同様にして電池を作成し、充放電試験を行った。放電容量は25mAh/g、効率は72%であった。
【0043】
【発明の効果】
本発明の複合ポリマー電解質は、加工性、成形性、機械的強度や柔軟性に優れていて、かつ高いイオン導電性を持つ。本発明の複合ポリマー電解質は、低温での優れたイオン導電性を有し、該電解質を用いたLi二次電池は低温での優れた充放電効率と高い放電容量を併せ持つ優れた二次電池として機能する。
Claims (8)
- 分岐ポリエーテル、リン酸エステルおよび電解質塩化合物を含んでなり、非水電解液を含まないポリマー電解質であって、
リン酸エステルがトリエステルであり、
分岐ポリエーテルとリン酸エステルの合計量に対して、分岐ポリエーテルの量が3〜95重量%であり、リン酸エステルの量が97〜5重量%であるポリマー電解質。 - 分岐ポリエーテルの融解熱量が40J/g以下であり、重量平均分子量が100,000以上である請求項1に記載のポリマー電解質。
- 分岐ポリエーテルが、式(i):
−CH2-CH2-O− (i)
で示される繰り返し単位、および式(ii):
−CH2-CHR11-O− (ii)
[式中、R11は、メチル基または−CH2−O−(CH2−CH2−O)p−A基(Aは炭素数1〜10のアルキル基、pは0〜10の整数である。)である。]
で示される繰り返し単位を有する請求項1または請求項2に記載のポリマー電解質。 - 分岐ポリエーテルが、さらに、式(iii):
−CH2−CHZ−O− (iii)
[式中、Zは反応性官能基を表す。]
で示される繰り返し単位を有する請求項1〜3のいずれかに記載のポリマー電解質。 - 分岐ポリエーテルが、反応性官能基を利用して架橋された架橋物である請求項1〜4のいずれかに記載のポリマー電解質。
- リン酸エステルが、式(I):
(O=)P(OR21)(OR22)(OR23) (I)
[式中、R21、R22、R23は同一又は異なっていてもよい炭素数1〜10のアルキル基、ハロゲン原子置換アルキル基、−(CH2−CH2−O)q−R24で示されるエーテル基(R24は、炭素数1〜4のアルキル基を表し、qは1〜6の整数である。)、複素環基(炭素数4〜10)、アラルキル基(炭素数4〜10)を表す。R21およびR22は一体となってシクロアルキル基(炭素数4〜10)を形成してもよい。]
で示されるリン酸エステルである請求項1〜5のいずれかに記載のポリマー電解質。 - 電解質塩化合物がリチウム塩である請求項1〜6のいずれかに記載のポリマー電解質。
- 請求項1〜7のいずれかに記載のポリマー電解質を用いたポリマー二次電池。
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