JP4467084B2 - 核酸を細胞に導入するための化合物、その製法及びその使用 - Google Patents
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Description
バイオテクノロジーの発展に伴い、核酸を細胞に有効に導入できることが必要になっている。例えば組換えタンパク質の製造や、実験室で遺伝子発現の調節の研究、遺伝子クローニング又は他の任意のDNA操作を行うには核酸のin vitro細胞導入が必要である。また、例えばトランスジェニック動物の創製、ワクチンの製造、標識試験又は治療アプローチには核酸のin vivo細胞導入が必要である。更に、骨髄移植、免疫療法又は後で再投与する目的で生物から抽出した細胞に遺伝子を導入する他の方法のアプローチでは核酸のex vivo細胞導入が必要である。
核酸の細胞導入を改善するために種々の合成ベクターが開発されている。これらのベクターのうちで、カチオン脂質は有利な性質をもつ。これらベクターは核酸と相互作用する極性カチオン部分と、細胞侵入を助長する疎水性脂質部分から構成される。カチオン脂質の特定例は特にモノカチオン脂質(DOTMA:Lipofectin(登録商標))、所定のカチオン洗剤(DDAB)、リポポリアミン及び特にジオクタデシルアミドグリシルスペルミン(DOGS)又は例えばその製法が特許出願EP394111に記載されているパルミトイルホスファチジルエタノールアミンの5−カルボキシスペルミラミド(DPPES)である。別のリポポリアミン系は参考資料として本明細書の一部とする特許出願WO97/18185に記載されている化合物に代表される。
本発明は特に有利な性質をもつ新規型の核酸導入剤に関する。より詳細には、本発明の化合物は改善された性質を分子に与える独自のカチオン領域をもつカチオン脂質である。このカチオン部分はより詳細には1個以上のアミジン基をもつ特定ポリアミンである。
本発明の第1の目的はより詳細には一般式(I):
[式中、
−R1、R2及びR3は相互に独立して水素原子又は−(CH2)q−NRR’を表し、
・qは1〜6の整数であり、qの値はR1、R2及びR3各基の間で相互に独立しており、
・R及びR’は相互に独立して水素原子又は式(II):
(式中、rは0〜6の整数であり、R5基は相互に独立して水素原子又は炭化水素残基を表し、
但し、R1、R2及びR3基の少なくとも1種は少なくとも1個の式(II)の基を含む)の基を表し、
−m及びnは相互に独立して1〜6の整数を表し、nが1よりも大きいときにはmは種々の値をとることができ、R3は一般式(I)において種々の意味をもち、
−pは1〜6の整数を表し、
−R4は一般式(III):
(式中、
・R7及びR8は相互に独立して水素原子又は親油基を表し、R7及びR8の少なくとも一方は水素以外のものであり、
・tは0〜10から選択される整数であり、R6、X、Y及びsはtが1よりも大きい整数であるときには種々のモチーフ[X−(CHR6)s−Y]において異なる意味をもつことができ、
・Xは酸素もしくは硫黄原子又はアミノもしくはアルキルアミノ基を表し、アルキル置換基は直鎖でも分枝鎖でもよく、1〜8個の炭素原子を含み、
・Yはカルボニル基又はメチレン基を表し、
・R6は水素原子又は場合により置換基をもつ天然アミノ酸の側鎖を表し、
・sは1〜10の整数を表し、sが1であるときにはR6は場合により置換基をもつ天然アミノ酸の側鎖を表し、sが1よりも大きいときにはR6は水素原子を表す)の基を表す]のD、L又はDL形態の化合物とその塩に関する。
上記に使用したような「DL形態」なる用語は、任意割合、例えば等しい割合のD形態とL形態の混合物を意味する。
本発明では「炭化水素残基」とは、場合によりハロゲン化された任意アルキル、カルバミン酸又は脂肪族もしくは芳香族アシル置換基を意味する。脂肪族残基としては、特に場合によりハロゲン化された飽和又は不飽和、直鎖又は分枝鎖、環状又は非環状脂肪族残基を挙げることができる。炭素原子数1〜10の脂肪族残基がより好ましい。特に、アルカノイル、アルキル及びアルキルカルバミン酸置換基(例えばホルミル、ブチル、第3級ブチル又は第3級ブチルカルバミン酸置換基)を挙げることができる。本発明の変形例によると、R5は第3級ブチルカルバミン酸を表す。
芳香族残基のうちでは、特にベンジルとその誘導体(例えばクロロベンジル、ベンジルカルバミン酸又はクロロベンジルカルバミン酸)を挙げることができる。
R5は第3級ブチルカルバミン酸、ベンジルカルバミン酸又はクロロベンジルカルバミン酸を表すことが好ましい。
本発明の第1の変形例では、R5基の一方が水素原子を表し、他方が炭素原子数1〜10の脂肪族残基を表す。
本発明の第2の変形例では、R5基の一方が水素原子を表し、他方が好ましくはベンジルとその誘導体から選択される芳香族残基を表す。
本発明の別の変形例では、2個のR5基が水素原子を表す。
R1、R2及び/又はR3が水素以外のものであり、一般式(II)を含むときには、qは2又は3であるrは0にすると有利である。
一般式(I)においてmは2、3及び4から選択することが好ましい。
上述のように、式(III)においてR7及びR8基の少なくとも一方は親油基を表す。本発明で「親油基」とは、細胞侵入を助長する当業者に公知の任意の脂質型疎水基を意味する。特に、1個以上の脂肪鎖、ステロイド誘導体、好ましくはラメラもしくは六方相を形成することが可能な天然もしくは合成脂質、又は場合によりその組み合わせを挙げることができる。より詳細には、場合によりハロゲン化された飽和又は不飽和、直鎖又は分枝鎖の炭素原子数5〜22の脂肪族基を挙げることができる。更に、ステロイド誘導体や、例えばコレステリルホルメート、アラキドニル又はコリン酸等の(CH2)u−NH−R9基(式中、uは2〜6の整数であり、R9はアシル基である)も挙げられる。
ステロイド誘導体の他の例は特にコレステロール、コレスタノール、3−α−5−シクロ−5−コレスタン−6−β−オール、コリン酸、コレステリルホルメート、コレスタニルホルメート、3α,5−シクロ−5α−コレスタン−6β−イルホルメート、コレステリルアミン、6−(1,5−ジメチルヘキシル)−3a,5a−ジメチルヘキサデカヒドロシクロペンタ[a]シクロプロパ[2,3]シクロペンタ[1,2−f]ナフタレン−10−イルアミン、又はコレスタニルアミンである。
好ましくは、親油基は炭素原子数10〜22、好ましくは炭素原子数14、16、17、18又は19の脂肪族基である。特に、親油基(CH2)13CH3、(CH2)15CH3、(CH2)16CH3、(CH2)17CH3、(CH2)18CH3及びオレイルを挙げることができる。
特定実施態様では、R7及びR8基の両方が上記のような親油基を表す。特に、好ましい実施態様では、R7及びR8基の各々が炭素原子数5〜22、より好ましくは炭素原子数12〜22の脂肪鎖を表す。
本発明の変形例によると、R6は天然アミノ酸の側鎖を表す。特に、天然アミノ酸の側鎖は例えばアルギニンの側鎖のようにアミジニウムモチーフを含むことができる。この側鎖R6は上述のように、炭素原子数1〜24の飽和又は不飽和、直鎖、分枝鎖又は環状脂肪族基で置換してもよい。例えばコレステリル基、アラキドニル基、レチノイル基、モノ又はポリ芳香族基(例えば置換もしくは非置換ベンジルオキシカルボニル、ベンジルエステル、ローダミニル又はビオチニル誘導体)により置換されたアミノ酸の側鎖を挙げることができる。
特に有利な実施態様では、本発明の化合物は更に化合物が結合した核酸の導入を導くことが可能なターゲティングエレメントを更に含む。このターゲティングエレメントはR6置換基により示されるアミノ酸側鎖のレベルで一般式(I)の化合物に組み込むことが好ましい。ターゲティングエレメントは共有又は非共有的に本発明の化合物に結合するとより好ましい。
このようなエレメントとしては、所望される所定細胞型又は所定組織(腫瘍細胞、肝細胞、造血細胞等)に核酸導入を導くことが可能な細胞外ターゲティングエレメントを挙げることができる。例えば標的細胞型の表面に存在する細胞レセプターのリガンド(例えば糖、葉酸、トランスフェリン、インスリン、アシアロオロソムコイドタンパク質又は細胞外レセプターにより認識される任意生物活性分子)を挙げることができる。また、所定の優先細胞区画(ミトコンドリア、核等)に向けて核酸の導入を導くことが可能な細胞内ターゲティングエレメント(例えば核の内部にトランスフェクトしたDNAを優先的に蓄積する核局在シグナル(nls)配列)でもよい。
より一般には、本発明の範囲で利用可能なターゲティングエレメントとしては、糖、ペプチド、オリゴヌクレオチド、ステロイド又は脂質が挙げられる。糖及び/又はペプチド(例えば抗体又は抗体フラグメント、細胞レセプター又はそのフラグメントのリガンド、レセプター又はレセプターフラグメント等)が好ましい。特に、増殖因子レセプター、サイトカインレセプター、細胞レクチンレセプター又は接着タンパク質のレセプター(例えばインテグリン)のリガンドが挙げられる。トランスフェリン、脂質HDL及びLDLのレセプターも挙げることができる。ターゲティングエレメントはレクチンをターゲティングすることが可能な糖(例えばアシアログリコプロテインレセプター)や、イムノグロブレンのFcフラグメントのレセプターをターゲティングすることが可能な抗体のFabフラグメントでもよい。
同様に、例えばビオチン、ローダミン、葉酸型のマーカー物質をアミノ酸側鎖R6で一般式(I)の化合物に結合することも考えられる。このマーカー物質はインテグリン型の接着タンパク質の一次及び/又は二次レセプターの認識エピトープArg−Gly−Aspを含む直鎖又は環状ペプチド又はプソイドペプチド配列でもよい。
本発明の化合物の特定系は、R1が式(II)の基を含み、R2とR3が水素原子である系である。
本発明の化合物の第2の特定系はR1とR2が各々式(II)の基を含み、R3が水素原子である系である。
本発明の化合物の別の特定系はR1とR3が各々式(II)の基を含み、R2が水素原子である系である。
本発明の化合物の別の特定系はR1、R2及びR3が各々式(II)の基を含む系である。
本発明の一般式(I)の新規化合物は塩の形態でもよく、非毒性で医薬的に許容可能であることが好ましい。これらの非毒性塩は鉱酸(塩酸、硫酸、臭化水素酸、リン酸、硝酸)、有機酸(酢酸、プロピオン酸、コハク酸、マレイン酸、ヒドロマレイン酸、安息香酸、フマル酸、メタンスルホン酸又は蓚酸)、無機塩基(ナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム)又は有機塩基(トリエチルアミン等の第3級アミン、ピペリジン、ベンジルアミン)と共に形成される塩を含む。
より詳細には、下記一般式により表される本発明の化合物を挙げることができる。
(式中、R4及びR5は上記と同義である)。
本発明の核酸導入剤の例として、下式の化合物を挙げることができる。
本発明の化合物は種々の方法で製造することができ、特に溶液中で合成及び/又はポリマー支持体上で固相合成により製造することができる。
第1の合成経路によると、一般式(I)の本発明の化合物は場合によりアミンを保護した尿素のチオ又はオキソ誘導体を式(VIII):
[式中、
R’1、R’2、R’3は相互に独立して水素原子又は(CH2)q−NR9R10基を表し、qは1〜6であり、各qは相互に独立しており、
R9及びR10は相互に独立して水素原子又は式(CH2)r−NH2の基を表し、rは相互に独立して1〜6であり、
m、n、p及びR4は上記と同義である]のリポポリアミンに作用させることにより得られる。
尿素誘導体の作用は一般に適当なプロトン又は非プロトン性溶剤中で塩基の存在下に0℃〜100℃の温度で実施される。
使用する塩基は一般に例えば第3級アミン、炭酸ナトリウム又は重炭酸ナトリウム等の非求核性塩基である。例えばトリエチルアミン(TEA)又はN−エチルジイソプロピルアミン(DIEA)等の第3級アミンを使用すると有利である。
反応は、水、アルコール(メタノール、エタノール、イソプロパノール)、ジメチルホルムアミド、ジクロロメタン、クロロホルム、トルエン、四塩化炭素、ベンゼン、アセトニトリル、N−メチルピロリドン等の溶剤中で実施すると有利である。反応温度は好ましくは20℃〜60℃、より好ましくは30℃〜50℃とする。
特に有利な尿素誘導体は例えばO−メチルイソ尿素(J.Med.Chem.,38(1995),16,3053−3061)、S−メチルイソチオ尿素の半硫酸塩(Int.J.Pept.Prot.Res.,40(1992),119−126)、ビス−Boc−チオ尿素(Tet.Lett.48(1993),7677−7680)、N,N’−ビス(ベンジルオキシカルボニル)−S−メチルイソチオ尿素又はN,N’−ビス(tert−ブトキシカルボニル)−S−メチルイソチオ尿素(Synth.Commun.,26(1996),2,407−413)である。
一般式(VIII)のリポポリアミンは参考資料として本明細書の一部とする特許出願WO97/18185に記載されている方法又は当業者に公知の任意の類似方法により得られる。
本発明によると、一般式(I)の導入剤は一般式(IX):
の酸と脂質分子R4H(式中、R1、R2、R3、m、n、p及びR4は上記と同義である)のペプチド結合によっても得られる。
ペプチド結合は慣用方法(Bodanski M.,Principles and Practices of Peptides Synthesis,Springe−Verlag編)又は当業者に公知の任意の類似方法により実施される。
特に、反応は一般に適当な非プロトン性溶剤中で非求核性塩基の存在下に0〜100℃の温度、9〜11のpHで実施される。
例えば、クロロホルム、ジメチルホルム、N−メチルピロリドン、アセトニトリル、ジクロロメタン、トルエン又はベンゼンを溶剤として使用することができる。
使用する非求核性塩基は第3級アミン、炭酸カルシウム又は重炭酸カルシウムが好ましい。使用するアミンは例えばトリエチルアミン(TEA)やN−エチルジイソプロピルアミン(DIEA)等の第3級アミンがより好ましい。
反応は0℃〜50℃、より好ましくは10℃〜30℃の温度で実施すると有利である。
R4が上記と同義である式RH4の脂質分子は一般式(X):
の市販化合物と式NHR7R8(式中、X、Y、s、t、R6、R7及びR8は上記と同義である)のアミンのペプチド結合により得られる。
ペプチド結合は慣用方法(Bodanski M.,Principles and Practices of Peptides Synthesis,Springe−Verlag編)又は当業者に公知の任意の類似方法により実施される。
特に、反応は上述のように一般に適当な非プロトン性溶剤中で非求核性塩基の存在下に0〜100℃の温度、9〜11のpHで実施される。
一般式(IX)の酸は下記3段階で固相合成経路により得られる。
−一般式(XI):
(式中、R’1、R’2、R’3、m及びnは上記と同義である)のポリアミンをポリマー支持体Pにグラフトし、一般式(XII):
のグラフト化合物を得る。
反応は例えば、クロロホルム、ジクロロメタン、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、アセトニトリル、トルエン、ベンゼン等の適当な非プロトン性溶剤の存在下に0〜100℃の温度で実施するのが好ましい。反応温度は周囲温度とすると有利である。
種々のポリマー支持体を利用できる。市販の固相ペプチド合成(メリフィールド合成)用樹脂を選択すると有利である。特に、遊離酸基をもつ生成物を提供する塩化o−クロロトリチル樹脂又はHMP樹脂や、Rink型の樹脂を選択することができる。ポリアミノ酸は、固相で予め合成したブロモアルキル基又はω−アルデヒド酸をもつペプチドで直接合成することができる。
適当な樹脂を得るために使用するアルキル化剤はアルキル化方法に応じて選択する。慣用アルキル化には、例えばブロモ酢酸又はω−ハロゲノカルボン酸を選択する。還元アルキル化には、例えばω−アルデヒドカルボン酸(例えばグリオキサル酸、コハク酸セミアルデヒド等)、又はケト酸(例えばアセト酢酸又はピルビン酸等)を選択する。
一般式(XI)の出発ポリアミンは、例えばスペルミジン、スペルミン、トリス−(2−アミノエチル)アミン、フェニレンジアミン、ジアミノエタン(プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン等)等の市販品でもよいし、例えばジアミノエタン(プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン等)、アミン、スペルミジン、スペルミン等の市販アミンのシアノエチル化等の慣用方法により合成して分枝鎖ポリアミンを得ることもできる。
−第2段階では、一般式(XII)のグラフト化合物を場合によりアミンを保護した尿素のチオ又はオキソ誘導体と反応させ、一般式(XIII):
(式中、R1、R2、R3、m、n及びpは上記と同義である)のグラフトポリアミノアミジン化合物を得る。
反応は当業者に公知の方法(Bergeron,R.J.とMcManis,Total synthesis of 15−Deoxyspergualin,J.Org.Chem.,1987,52,1700−1703)又は類似方法により実施される。
反応は特にプロトン又は非プロトン性溶剤の存在下に−20℃〜100℃の温度で実施される。
例えば、水、アルコール(メタノール、エタノール、イソプロパノール等)、ジメチルホルムアミド、ジクロロメタン、クロロホルム、芳香族溶剤(トルエン、ベンゼン等)、四塩化炭素、アセトニトリル、N−メチルピロリドン等を溶剤として使用する。
特に有利な尿素誘導体は例えばO−メチルイソ尿素(J.Med.Chem.,38(1995),16,3053−3061)、S−メチルイソチオ尿素の半硫酸塩(Int.J.Pept.Prot.Res.,40(1992),119−126)、ビス−Boc−チオ尿素(Tet.Lett.48(1993),7677−7680)、N,N’−ビス(ベンジルオキシカルボニル)−S−メチルイソチオ尿素又はN,N’−ビス(tert−ブトキシカルボニル)−S−メチルイソチオ尿素(Synth.Commun.,26(1996),2,407−413)である。
−最後に、最終段階で一般式(XIII)のグラフトポリアミノアミジンをポリマー支持体から分離し、上記のような一般式(IX)の酸を得る。分離は当業者に公知の慣用方法により実施される。特に、分子の残余を分解しない弱酸の作用により操作する。好ましい弱酸は例えばフッ化アルコール、特に1,1,1−トリフルオロエタン−2−オールである。
酸、アミノ、アルキルアミノ及び/又はアミジン基を含む一般式(XIII)のポリアミノアミジンは、場合によりポリマー支持体から分離する前に保護することが好ましい。保護は、その使用と脱離が分子の残余を変化させないような任意の適合可能な基により実施することができる。特に、T.W.GREENE,Protective Groups in Organic Synthesis,A.Wiley−Interscience Publication(1981)又はMcOmie,Protective Groups in Organic Chemistry,Plenum Press(1973)に記載されている方法に従って操作する。
場合により実施する保護基の脱離は、当業者に公知の慣用方法に従い、ポリマー支持体から分離後に得られる一般式(IX)の酸と一般式R4Hの化合物のペプチド結合の前に実施される。
例えば、保護基はトリメチルシリル、ベンズヒドリル、テトラヒドロピラニル、ホルミル、アセチル、クロロアセチル、トリクロロアセチル、トリフルオロアセチル、エトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル、トリクロロエトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、フルオレニルオキシカルボニル等の基から選択することができる。
本発明の核酸導入剤を生成する当業者に公知の他の任意方法、特にBodanski M.,Principles and Practices of Peptides Synthesis,Springe−Verlag編に記載されている方法も本発明の範囲に含まれる。
本発明の別の目的は、上記のような物質と核酸を含む組成物に関する。化合物と核酸は、好ましくは核酸の負電荷に対する化合物の正電荷の比Rが0.1〜50、より好ましくは0.1〜20となるような量で存在する。この比は使用する化合物、核酸及び所期用途(特にトランスフェクトしようとする細胞型)に応じて当業者が容易に調節することができる。
本発明では「核酸」とはデオキシリボ核酸とリボ核酸を意味する。核酸は天然配列でも合成配列でもよく、特にゲノムDNA(gDNA)、相補的DNA(cDNA)、メッセンジャーRNA(mRNA)、トランスファーRNA(tRNA)、リボソームRNA(rRNA)、ハイブリッド配列、合成又は半合成配列、修飾又は非修飾オリゴヌクレオチドが挙げられる。これらの核酸はヒト、動物、植物、細菌、ウイルス等の起源とすることができる。これらの核酸は当業者に公知の任意方法により得られ、特にバンクスクリーニング、化学合成、又はバンクスクリーニングにより得られた配列の化学もしくは酵素修飾を含む混合法により得られる。核酸は化学的に修飾することができる。
特にデオキシリボ核酸については、1本鎖でも2本鎖でもよいし、短いオリゴヌクレオチドでもより長い配列でもよい。特に、核酸はプラスミド、ベクター、エピソーム、発現カセット等から構成すると有利である。これらのデオキシリボ核酸は標的細胞で機能的又は非機能的な複製起点と、1個以上のマーカー遺伝子と、転写又は複製の調節配列と、着目治療遺伝子と、修飾又は非修飾アンチセンス配列と、他の細胞成分との結合領域等を含むことができる。
核酸は標的細胞で活性な1種以上のプロモーターと転写ターミネーターの制御下におかれた1種以上の着目治療遺伝子から構成される発現カセットを含むことが好ましい。
本発明では、着目治療遺伝子とは特に治療効果をもつタンパク性物質をコードする任意遺伝子を意味する。このようにコードされるタンパク性物質は特にタンパク質又はペプチドであり得る。このタンパク性物質は標的細胞に対して同種の外来又は内因物質、即ち標的細胞が疾病をもたないときに標的細胞で正常に発現される物質とすることができる。この場合には、タンパク質が発現されると、例えば細胞で不十分な発現や修飾により不活性又は活性が弱まっているタンパク質の発現を補ったり、このようなタンパク質を過剰に発現することができる。着目治療遺伝子は安定性の増加、活性の変化等を示す細胞タンパク質の突然変異体をコードするものでもよい。タンパク性物質は標的細胞に対して異種でもよい。この場合には、発現されるタンパク質は例えば細胞に欠失している活性を補充又は付加し、疾病に対抗できるようにしたり、免疫応答を刺激したりすることができる。
本発明の意味での治療物質としては、酵素、血液誘導体、ホルモン、リンホカイン(インターロイキン、インターフェロン、TNF等(FR92/03120))、増殖因子、神経伝達物質又はその前駆物質もしくは合成酵素、栄養因子(BDNF、CNTF、NGF、IGF、GMF、aFGF、bFGF、NT3、NT5、HARP/プレイオトロフィン等)、アポリポタンパク質(ApoAI、ApoAIV、ApoE等、FR93/05125)、ジストロフィン又はミニジストロフィン(FR91/11947))、膵臓線維症に関連するタンパク質CFTR、腫瘍抑制遺伝子(p53、Rb、Rap1A、DCC、k−rev等、FR93/04745号)、凝血に関与する因子(VII、VIII、IX因子)をコードする遺伝子、DNAの修復に関与する遺伝子、自殺遺伝子(チミジンキナーゼ、シトシンデアミナーゼ)、ヘモグロビン又は他のタンパク質体の遺伝子、代謝酵素、同化酵素等を特に挙げることができる。
着目治療核酸は更に、標的細胞で発現されると遺伝子発現又は細胞mRNA転写を調節することが可能なアンチセンス遺伝子又は配列でもよい。このような配列は、例えば特許EP140308に記載の技術に従って、標的細胞で細胞mRNAの相補的RNAに転写され、こうしてそのタンパク質翻訳を阻止することができる。治療遺伝子は更に、標的RNAを選択的に破壊することが可能なリボソームをコードする配列も含む(EP321201)。
核酸は更に、ヒト又は動物で免疫応答を発生することが可能な抗原ペプチドをコードする1個以上の遺伝子を含んでいてもよい。従って、この特定態様によると、本発明はヒト又は動物で特に微生物、ウイルス又は癌に対するワクチン又は免疫治療を実現することができる。特に、エプスタイン・バールウイルス、HIVウイルス、B型肝炎ウイルス(EP185573)、偽狂犬病ウイルス、シンシチウム形成ウイルス、他のウイルスの特異的抗原ペプチド又は腫瘍特異的抗原ペプチド(EP259212)を挙げることができる。
好ましくは、核酸は更に所望細胞又は臓器において着目治療遺伝子及び/又は抗原ペプチドをコードする遺伝子の発現を可能にする配列も含む。このような配列としては、これらの配列が感染細胞で機能できるときに該当遺伝子の発現に天然に関与する配列が挙げられる。異なる起源の配列でもよい(他のタンパク質の発現に関与する配列でもよいし、あるいは合成配列でもよい)。特に、真核又はウイルス遺伝子のプロモーター配列が挙げられる。例えば、感染させたい細胞のゲノムに由来するプロモーター配列が挙げられる。また、ウイルスのゲノムに由来するプロモーター配列でもよい。この点では、例えばE1A、MLP、CMV、RSV等の遺伝子のプロモーターを挙げることができる。更に、活性化配列や調節配列等を付加してこれらの発現配列を修飾してもよい。誘導又は抑制プロモーターでもよい。
更に、核酸は合成された治療物質を標的細胞の分泌経路に導くシグナル配列も特に着目治療遺伝子の上流に含んでいてもよい。このシグナル配列は着目治療物質の天然シグナル配列でもよいし、他の任意の機能的シグナル配列又は人工シグナル配列でもよい。核酸は更に合成治療物質を特定細胞区画に導くシグナル配列も含んでいてもよい。
別の態様において、本発明は核酸と、上記のようなトランスフェクション剤と、トランスフェクション剤/核酸複合体に結合してトランスフェクト能を改善することが可能な1種以上のアジュバントを含む組成物に関する。この種のアジュバント(脂質、ペプチド又はタンパク質)が存在すると、トランスフェクト能を増加できるという利点がある。
この点で、本発明の組成物はアジュバントとして1種以上の中性脂質を含むことができる。このような組成物は特に核脂質複合体のR比が小さいときに特に有利である。本願出願人は実際に、中性脂質を加えると核脂質粒子の形成を改善し、細胞膜を不安定にして粒子の細胞侵入を助長できることを立証した。
より好ましくは、本発明の範囲内で使用する中性脂質は2個の脂肪鎖をもつ脂質である。生理的条件下で両性イオン性又はイオン電荷をもたない天然又は合成脂質を使用すると特に有利である。脂質は特にジオレオイルホスファチジルエタノールアミン(DOPE)、オレオイルパルミトイルホスファチジルエタノールアミン(POPE)、ジステアロイルホスファチジルエタノールアミン、ジパルミトイルホスファチジルエタノールアミン、ジミリストイルホスファチジルエタノールアミン及びその1〜3倍N−メチル化誘導体、ホスファチジルグリセロール、ジアシルグリセロール、グリコシルジアシルグリセロール、セレブロシド(例えば特にガラクトセレブロシド)、スフィンゴ脂質(例えば特にスフィンゴミエリン)又はアシアロガングリオシド(例えば特にアシアロGM1及びGM2)から選択することができる。
これらの種々の脂質は当業者に周知の慣用技術により合成するか又は臓器(例えば脳)もしく胎児から抽出することにより得られる。特に、天然脂質の抽出は有機溶剤を用いて実施することができる(Lehninger,Biochemistry参照)。
ごく最近になって本願出願人は前記核酸の圧縮レベルに直接又は間接的に作用する化合物をアジュバントとして使用すると特に有利であることも立証した(WO96/25508)。本発明の組成物中にこのような化合物が存在すると、トランスフェクタント化合物の量を低減でき、トランスフェクト活性を損なわずに毒物学的面で有益な結果が得られる。核酸の圧縮レベルに作用する化合物とは、核酸を直接又は間接的に圧縮する化合物として定義される。より詳細には、この化合物はトランスフェクトしようとする核酸のレベルに直接作用するか、又はこの核酸の圧縮に直接関与する付加化合物のレベルに作用することができる。核酸のレベルに直接作用するものが好ましい。例えば、予備圧縮剤は任意ポリカチオン、例えばポリリジンとすることができる。好ましい態様によると、核酸の圧縮レベルに作用するこの物質は全体又は一部がプロタミン、ヒストン又はヌクレオリン及び/又はそれらの誘導体の1種から誘導される。このような物質は全体又は一部をペプチドモチーフ(KTPKKAKKP)及び/又は(ATPAKKAA)から構成してもよく、モチーフ数は2〜10である。本発明による化合物の構造において、これらのモチーフは連続又は不連続的に反復し得る。従って、これらのモチーフは生化学的結合(例えば1個以上のアミノ酸)又は化学的結合により分離することができる。
好ましくは、本発明の組成物は核酸1当量当たりアジュバント0.01〜20当量(モル/モル)、より好ましくは0.5〜5当量を含む。
特に有利な実施態様では、本発明の組成物は更に核酸の導入を導くことが可能なターゲティングエレメントを含む。このターゲティングエレメントは所望の所定細胞型又は所定組織(腫瘍細胞、肝細胞、造血細胞等)へのDNAの導入を導くことが可能な細胞外ターゲティングエレメントとすることができる。所定の優先細胞区画(ミトコンドリア、核等)への核酸の導入を導くことが可能な細胞内ターゲティングエレメントでもよい。ターゲティングエレメントは上述のように本発明の核酸導入剤又は核酸に結合することができる。
本発明の範囲で利用可能なターゲティングエレメントとしては、糖、ペプチド、タンパク質、オリゴヌクレオチド、脂質、神経伝達物質、ホルモン、ビタミン又はその誘導体が挙げられる。糖、ペプチド又はタンパク質(例えば抗体又は抗体フラグメント、細胞レセプター又はそのフラグメントのリガンド、レセプター又はレセプターフラグメント等)が好ましい。特に、増殖因子レセプター、サイトカインレセプター、細胞レクチン型レセプター又は接着タンパク質レセプター(例えばインテグリン)に対して親和性をもつRGD配列をもつリガンドが挙げられる。トランスフェリン、脂質HDL及びLDLのレセプター又は葉酸の輸送体も挙げることができる。ターゲティングエレメントはアシアログリコプロテイン又はシアリド(例えばシアリドルイスX)に対するレセプター等のレクチンをターゲティングすることが可能な糖や、抗体のFabフラグメント又は1本鎖抗体(ScFv)でもよい。
ターゲティングエレメントと核脂質複合体の結合は、当業者に公知の任意方法により実施することができ、例えば疎水性部分又は本発明の導入剤の核酸と相互作用する部分又は本発明の導入剤もしくは核酸と相互作用する基と結合することにより実施することができる。該当相互作用は好ましい態様によるとイオン性又は共有性である。
本発明は更に核酸(より一般にはポリアニオン)を細胞に導入するための上記化合物の使用にも関する。
例えば遺伝子調節研究、疾病動物モデルの作製又は治療にin vivo使用するには、本発明の組成物を局所、皮膚、経口、直腸、膣、非経口、鼻腔内、静脈内、筋肉内、皮下、眼内、経皮、気管内、腹腔内等の経路で投与するように調剤することができる。好ましくは、本発明の組成物は特に所望臓器のレベルに直接注射するための注射用製剤又は局所投与(皮膚及び/又は粘膜)用として医薬的に許容可能なキャリヤーを含有する。このようなキャリヤーとしては、特に等張滅菌溶液又は場合に応じて滅菌水もしくは生理的血清を加えると注射可能な溶質を構成することが可能な乾燥組成物、特に凍結乾燥組成物が挙げられる。注射に使用する核酸の用量及び投与回数は種々のパラメーター、特に使用する投与方法、該当疾病、発現させようとする遺伝子、又は所望の治療期間に応じて選択できる。特に投与方法については、組織(例えば腫瘍レベル)又は循環経路への直接注射や、培養細胞処理後の注射又は移植によるin vivo再移植が挙げられる。本発明の範囲に該当する組織又は循環経路は例えば筋肉、皮膚、脳、肺、肝臓、脾臓、骨髄、胸腺、心臓、リンパ、血液、骨、軟骨、膵臓、腎臓、膀胱、胃、腸、精巣、卵巣、直腸、神経系、眼、腺、結合組織等である。
本発明は更に、
(1)核酸を上記導入剤と接触させて複合体を形成する段階と、
(2)(1)で形成された複合体と細胞を接触させる段階を含む核酸の細胞導入法にも関する。
細胞と複合体の接触は、細胞をこの複合体と共にインキュベートする(in vitro又はex vivo使用)か、複合体を生物に注入する(in vivo使用)ことにより実施することができる。インキュベーションは例えば細胞106個当たり核酸0.01〜1000μgの存在下に実施すると好ましい。in vivo投与では、例えば0.01〜10mgの核酸用量を使用することができる。
本発明の組成物が更に上述のような1種以上のアジュバント及び/又はターゲティングエレメントを含む場合には、アジュバント及び/又はターゲティングエレメントを本発明の導入剤又は核酸に予め混合しておく。
従って、本発明は核酸導入、特に疾病治療に特に有利な方法を提供するものであり、上記条件下で一般式(I)の導入剤に結合した前記疾病を治療することが可能な核酸をin vitro、in vivo又はx vivo投与を特徴とする。より詳細には、この方法はタンパク性又は核酸物質の不足に起因する疾病に適用することができ、投与する核酸は前記タンパク性物質をコードするか、核酸物質に転写されるか、又は前記核酸物質を構成する。
本発明は、in vivo、ex vivo又はin vitro細胞トランスフェクションのための本発明の一般式(I)の導入剤の全使用に及ぶ。
本発明の化合物は特に初代細胞又は樹立系に核酸を導入するために使用することができる。このような細胞としては、分化又は多能性(前駆物質)形態の繊維芽細胞、筋細胞、神経細胞(ニューロン、星状細胞、グリア細胞)、肝細胞、造血系細胞(リンパ球、CD34、樹状細胞等)、上皮細胞等が挙げられる。
上記構成に加え、本発明は以下の実施例及び図面に明示される他の特徴及び利点も含むが、以下の実施例及び図面は例示に過ぎず、本発明を制限するとみなすべきではない。
図面
図1/15:本発明の化合物の合成スキーム。
図2/15:血清タンパク質の不在下における本発明の化合物1とそのアミン類似体(RPR120535)のNIH3T3、HepG2及びHeLa細胞in vitroトランスフェクション効率の比較測定結果。
「アミン類似体」とは、アミジン及び/又はグアニジン基をアミノ基に置き換えた以外は同一のカチオン脂質を意味する。測定は横軸に示す種々の電荷比で実施した。縦軸にルシフェラーゼの発現をウェル当たりRLU(相対光単位)で示す。
図3/15:血清タンパク質の不在下(白いバー)及び存在下(黒いバー)における本発明の化合物1とそのアミン類似体(RPR120535)のNIH3T3、HepG2及びHeLa細胞in vitroトランスフェクション効率の比較測定結果。
測定は横軸に示す種々の電荷比で実施した。縦軸にルシフェラーゼの発現をウェル当たりRLU(相対光単位)で示す。
図4/15:血清タンパク質の不在下における本発明の化合物2のHeLa細胞in vitroトランスフェクション効率の測定結果。測定はミセル形態と中性補助脂質(DOPE及びコレステロール)を加えた化合物2で実施した。
横軸はカチオン脂質とDNAの間に形成される複合体の電荷比を示す。縦軸は各々100000個の細胞を含むウェル当たりpgとしてルシフェラーゼの発現を示す。
図5/15:血清タンパク質の不在下における本発明の化合物3のHeLa細胞in vitroトランスフェクション効率の測定結果。測定はミセル形態と中性補助脂質(DOPE及びコレステロール)を加えた化合物3で実施した。
横軸はカチオン脂質とDNAの間に形成される複合体の電荷比を示す。縦軸は各々100000個の細胞を含むウェル当たりpgとしてルシフェラーゼの発現を示す。
図6/15:血清タンパク質の不在下における本発明の化合物5のHeLa細胞in vitroトランスフェクション効率の測定結果。測定はミセル形態と中性補助脂質(DOPE及びコレステロール)を加えた化合物5で実施した。
横軸はカチオン脂質とDNAの間に形成される複合体の電荷比を示す。縦軸は各々100000個の細胞を含むウェル当たりpgとしてルシフェラーゼの発現を示す。
図7/15:血清タンパク質の不在下における本発明の化合物6のHeLa細胞in vitroトランスフェクション効率の測定結果。測定はミセル形態と中性補助脂質(DOPE及びコレステロール)を加えた化合物6で実施した。
横軸はカチオン脂質とDNAの間に形成される複合体の電荷比を示す。縦軸は各々100000個の細胞を含むウェル当たりpgとしてルシフェラーゼの発現を示す。
図8/15:化合物2により形成される核脂質複合体の物理化学相(A、B又はC相)をそのアミン類似体と比較して電荷比の関数として示す表。
相の測定はミセル形態と中性補助脂質(DOPE及びコレステロール)を加えた化合物2とそのアミン類似体で実施した。
2つの表を比較すると、化合物2では不安定なB相が低電荷比側に移っている。
図9/15:化合物3により形成される核脂質複合体の物理化学相(A、B又はC相)をそのアミン類似体と比較して電荷比の関数として示す表。
相の測定はミセル形態と中性補助脂質(DOPE及びコレステロール)を加えた化合物3とそのアミン類似体で実施した。
2つの表を比較すると、化合物3では不安定なB相が低電荷比側に移っている。
図10/15:化合物5により形成される核脂質複合体の物理化学相(A、B又はC相)をそのアミン類似体と比較して電荷比の関数として示す表。
相の測定はミセル形態と中性補助脂質(DOPE及びコレステロール)を加えた化合物5とアミン類似体で実施した。
2つの表を比較すると、化合物5では不安定なB相が低電荷比側に移っている。
図11/15:化合物6により形成される核脂質複合体の物理化学相(A、B又はC相)をそのアミン類似体と比較して電荷比の関数として示す表。
相の測定はミセル形態と中性補助脂質(DOPE及びコレステロール)を加えた化合物6とそのアミン類似体で実施した。
2つの表を比較すると、化合物6では不安定なB相が低電荷比側に移っている。
図12/15:ミセル形態の化合物2、3、5及び6で臭化エチジウムの添加後の蛍光低下を示す表。DNAの臭化エチジウムが脂質で置換されると、DNAに結合したと判断される。DNA単独に得られる蛍光を100%と定義する。
図13/15:コレステロールの存在下の化合物2、3、5及び6で臭化エチジウムの添加後の蛍光低下を示す表。DNAの臭化エチジウムが脂質で置換されると、DNAに結合したと判断される。DNA単独に得られる蛍光を100%と定義する。
図14/15:DOPEの存在下の化合物2、3、5及び6で臭化エチジウムの添加後の蛍光低下を示す表。DNAの臭化エチジウムが脂質で置換されると、DNAに結合したと判断される。DNA単独に得られる蛍光を100%と定義する。
図15/15:プラスミドpXL3031の地図。
略語及び記号
AcOEt:酢酸エチル
BOC:tert−ブトキシカルボニル
BOP:ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート
DCC:ジシクロヘキシルカルボジイミド
DCU:ジシクロヘキシル尿素
DIEA:N−エチルジイソプロピルアミン
DMAP:4−ジメチルアミノピリジン
DMF:ジメチルホルムアミド
DMSO:ジメチルスルホキシド
DODA:ジオクタデシルアミン
EP:石油エーテル
EtOH:エタノール
NEt3:トリエチルアミン
Rf:前端保持率
TEA:トリエチルアミン
TFA:トリフルオロ酢酸
THF:テトラヒドロフラン
TMS:テトラメチルシラン
UV:紫外線
SPPS:固相ペプチド合成
HPLC:高圧液体クロマトグラフィー
Z:ベンジルオキシカルボニル
ClZ:p−クロロベンジルオキシカルボニル
化学合成用材料及び方法
a)化合物
−出発ポリアミンは例えばスペルミジン、スペルミン、トリス(2−アミノエチル)アミン、フェニレンジアミン、ジアミノエタン(プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン等)等の市販品でもよいし、例えばジアミノエタン(プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン等)、アミン、スペルミジン、スペルミン等の市販アミンをシアノエチル化して分枝鎖ポリアミンを得ることにより慣用方法で合成してもよい。
−使用するポリマーは固相ペプチド合成(メリフィールド合成)用として市販されている樹脂、特に遊離酸基をもつ生成物を提供する塩化o−クロロトリチル樹脂やHMP樹脂又はRink型の樹脂である。ポリアミノ酸は、固相で予め合成したブロモアルキル基又はω−アルデヒド酸をもつペプチド上で直接合成することができる。
−ジオクタデシルアミン、トリエチルアミン、トリフルオロ酢酸、BOP、DMAP、クロロギ酸ベンジルは市販品である。NaClとNaHCO3の溶液は飽和溶液であり、KHSO4溶液は0.5Mである。
b)物理的測定
陽子NMRスペクトルはスペクトロメーターBruker400及び600MHzで記録した。
質量スペクトル(MS)はAPI−MS/IIIで測定した。
c)精製及び分析方法
a)順相クロマトグラフィー条件
−薄層クロマトグラフィー(TLC)は厚さ0.2mmのMerckシリカゲルプレートで実施した。
検出には紫外線(254nm)を使用し、アミン又はアミドは150℃に加熱しながらニンヒドリンのエタノール溶液(40mg/100ml EtOH)を噴霧(弱いスプレー)することによりニンヒドリンで検出し、第1級アミンは溶液(40mg/100mlアセトン)を噴霧することによりフルオレサミンで検出し、あるいはヨード粉末でプレートを覆うことによりヨードで検出する。
−順相カラムクロマトグラフィーは粒度0.063〜0.200mmのシリカゲル60 Merckで実施した。
b)分析クロマトグラフィー方法
HPLC(高性能液体クロマトグラフィー)分析は積分計算器D2500 HITACHI、オートサンプラーAS−2000A、インテリジェントポンプL−6200A及び分析分離用に220nmに波長を調節可能な紫外−可視検出器L−4000を備えるMerck−Hitachi装置で実施した。分析分離用カラムはPerkin−Elmer製カラムBU−300aquapore Butyl 7m,300A 300×4.6mmである。移動相は0.1%TFAを含む脱イオン水と0.1%TFAを含むアセトニトリルである。100μl蛇の目弁に約1mg/mlの溶液20μlを注入する。分析流速は1ml/分に調節する。
分離条件:
溶剤A
脱イオン水 2500ml
トリフルオロ酢酸 2ml
溶剤B
HPLC用アセトニトリル 2500ml
トリフルオロ酢酸 2ml
勾配:
c)分取クロマトグラフィー方法
装置はUV検出可能な勾配モード液相クロマトグラフィー用装置である。この分取系は下記エレメントから構成される。
ポンプA:50SCヘッドを備えるGILSONモデル305。
ポンプB:50SCヘッドを備えるGILSONモデル303。
注入リング:25SCヘッドを備えるGILSONモデル303。
圧力モジュール:GILSONモデル806。
混合機:23mlヘッドを備えるGILSONモデル811C。
UV検出器:分取セルを備えるGILSONモデル119。
フラクションコレクター:No.21キャリヤーを備えるGILSONモデル202。
積分器:SHIMADZUモデルC−R6A。
カラム:VYDACモデル214TP1022として市販されている長さ25cm及び直径2.2cmのステンレス鋼カラムC4(10mm)。
精製しようとする生成物の溶液を15ml/分の流速で注入ポンプからカラムに充填し、溶出液を30秒間チューブからフラクション毎に回収する。検出器は波長220nm及び235nmに調節する。
移動相は次のように定義される。
溶剤A
脱イオン水 2500ml
トリフルオロ酢酸 2ml
溶剤B
HPLC用アセトニトリル 2500ml
トリフルオロ酢酸 2ml
勾配:
d)固相ペプチド合成(SPPS)方法
固相合成は手動製造用SPPSペプチド合成用手動反応器で実施し、撹拌機はFlask Shaker モデルA5−6021を用いる。SPPSでポリアミンの固相結合とポリアミンの保護後にカイザー試験を行う[Kaiser,E.,Colescolt,D.L.,Bossinger,C.D.及びCook,P.I.Anal.Biochem.34(2),595(1970)]。実施例でSPPSに使用した樹脂はNOVABIOCHEM製「塩化クロロトリチル樹脂」である。
実施例
実施例1:化合物RPR120535(その製法は参考資料として本明細書の一部とする特許出願WO97/18185に記載されている)から化合物1(N−ジオクタデシルカルバモイルメチル−2−{3−[4−(3−グアニジノプロピルアミノ)ブチルアミノ]プロピルアミノ}アセトアミド)の合成
合成スキームは図1/15に示す。
磁気バーを備える丸底フラスコに入れたメタノール25mlに0.784mmolのRPR120535を溶かす。この溶液にトリエチルアミンTEA10.21mmolを加える。次に、水9mlにo−メチルイソ尿素/硫酸H2SO4を溶かした溶液1.173mmolを混合物にゆっくりと(5分間)注ぐ。注ぎ終ると、混濁が現れる。混合物を40℃に16時間維持した後、溶液を乾燥蒸発させる。得られた生成物を次に分取HPLCにより精製する。有用フラクションを集めて凍結乾燥する。
塩に転化した0.157mmolの化合物1が得られる(収率20.1%)。
分析HPLC:Rt=14.94分。
1 HNMRスペクトル(400MHz,(CD3)2SO d6,d(ppm)):0.86(t,J=7Hz,6H:脂肪鎖のCH3);1.24(mt,60H:脂肪鎖の中心の(CH2)15);1.43及び1.53(2mt,各2H:各脂肪鎖の1CH2);1.63(mt,4H:ブチルの中心の(CH2)2);1.81及び1.96(2mt,各2H:プロピルの中心のCH2):2.85〜3.10及び3.22(2mt,合計16H:ブチルのNCH2−プロピルのNCH2及び脂肪鎖のNCH2);3.81(広幅s,2H:NCH2CON);4.03(d,J=4.5Hz,2H:グリシルのCONCH2CON);7.32−7.97−8.62−8.75及び9.02(夫々mf−t−t−mf及びmf:交換可能な陽子に対応するH)。
MH + =863。
実施例2:化合物RPR120527(その製法は参考資料として本明細書の一部とする特許出願WO97/18185に記載されている)から化合物2(2−{2−[ビス−(2−グアニジノエチル)アミノ]エチルアミノ}−N,N−ジオクタデシルアセトアミド)の合成
メタノール10mlに48μmolのRPR120527を溶かした後、DIEA85μl(10当量)と1,3−ビス(tert−ブトキシカルボニル)−2−メチル−2−チオプソイド尿素32mg(2.3当量)を加える。反応後にHPLCを実施する。24時間後に溶剤を蒸発させ、得られた残渣に1:1容量TFA/ジクロロメタン溶液20mlを加える。減圧蒸発後、分取HPLCにより残渣を精製する。有用フラクションを混合し、液体窒素で凍結後、凍結乾燥する。
0.035mmolの化合物2が得られる(収率73%)。
分析HPLC:Rt=16.20分。
1 HNMRスペクトル(400MHz,(CD3)2SO d6,d(ppm)):0.9(m:6H:CH3);1.2(m:60H:CH2);1.6(m:4H:CH2CH2N);2.7−2.9(m:6H:CH2N(CH2)2);3.0(m:2H:CH2CH2N(CH2)2);3.2(m:8H:CH2N);3.8(m:4H:CH2NCOCH2N)。
MH + =793。
実施例3:化合物RPR122766(その製法は参考資料として本明細書の一部とする特許出願WO97/18185に記載されている)から化合物3(N−ジテトラデシルカルバモイルメチル−2−{3−[4−(3−グアニジノプロピルアミノ)ブチルアミノ]プロピルアミノ}アセトアミド)の合成
磁気バーを備える丸底フラスコに入れたメタノール25mlに0.784mmolのRPR122766を溶かす。この溶液にトリエチルアミンTEA10.21mmolを加える。次に、水9mlにo−メチルイソ尿素/硫酸H2SO4を溶かした溶液1.173mmolを混合物にゆっくりと(5分間)注ぐ。注ぎ終ると、混濁が現れる。混合物を40℃に16時間維持した後、溶液を乾燥蒸発させる。得られた生成物を次に分取HPLCにより精製する。有用フラクションを集めて凍結乾燥する。
0.2289mmolの化合物3が得られる(収率29%)。
分析HPLC:Rt=9.8分。
1 HNMRスペクトル(400MHz,(CD3)2SO d6,d(ppm)):0.87(t,J=7Hz,6H:脂肪鎖のCH3);1.15〜1.40(mt,44H:脂肪鎖の中心の(CH2)11);1.46及び1.55(2mt,各2H:脂肪鎖の中心の1CH2);1.63(mt,4H:ブチルの中心の2CH2);1.81及び1.95(2mt,各2H:プロピルの中心のCH2):2.85〜3.10(mt,10H;ブチルのNCH2−2個のプロピルの一方の2NCH2及び他方のプロピルの2NCH2の1個);3.15〜3.25(mt,6H:他方のプロピルの他方のNCH2及び脂肪鎖のNCH2);3.82(mf,2H:NCH2CON);4.04(d,J=5Hz,2H:グリシルのCONCH2CON);7.00〜7.60−8.60〜8.75及び9.00(夫々広幅mf及び2mf,3H−5H及び2H:NH3 +CF3COO-−NH2 +CF3COO-及び=NH);7.78(広幅t,J=5.5Hz,1H:N=CNH);8.65(mf:CONHに対応する1H)。
MH + =751。
実施例4:化合物4(2−{2−[ビス−(2−グアニジノエチル)アミノ]エチルアミノ}−N−ジテトラデシルカルバモイルメチルアセトアミド)の合成。
段階A:10モル倍のトリス(アミノエチル)アミンをジクロロメタン50mlに溶かし、(ブロモ酢酸をクロロトリチル樹脂と反応させることにより予め得られた)ブロモアセチル(クロロ)トリチル樹脂を入れた反応器に溶液を導入する。反応器を2時間周囲温度で撹拌する。溶剤を濾過し、樹脂をジクロロメタンとイソプロパノール10×50mlで洗浄する。カイザー試験は陽性である。
段階B:得られた樹脂をジクロロメタンに溶かした1,3−ビス(tert−ブトキシカルボニル)−2−メチル−2−チオプソイド尿素10倍当量と撹拌下に24時間接触させる。溶剤を濾過し、樹脂をジクロロメタンとイソプロパノール10×50mlで洗浄する。3分間の常温カイザー試験は陰性である。
段階C:DIEA50mmolをジクロロメタン50mlに溶かし、段階Bで得られた生成物を入れた反応器に混合物を導入する。次に、ジ−tert−ブチルジカーボネート48mmolを注ぐ。反応器を一晩撹拌する。翌日、カイザー試験は陰性である。溶剤を濾過し、樹脂をジクロロメタンとイソプロパノール10×50ml、メタノール2×50ml及びエーテル2×50mlで交互に洗浄する。次に樹脂を窒素流下に乾燥する。カイザー試験は依然として陰性である。
段階D:段階Cで得られた樹脂を磁気バーを備える250ml容丸底フラスコに導入する。ジクロロメタン50mlと1,1,1−トリフルオロエタン−2−オール25mlからなる溶液を加え、混合物を2時間撹拌する。溶液を濾過し、樹脂をジクロロメタン2×10mlで洗浄する。こうして得られた有機相を集めて減圧蒸発させる。次に生成物をシリカゲルで精製する(溶離剤:8:2容量クロロホルム/メタノール)。有用フラクションを合わせた後、減圧蒸発させると、下記構造:
の生成物168mgが得られる(収率20%)。
TLC:Rf=0.9。
MH + =789。
段階E:磁気バーを備える丸底フラスコにBoc−グリシジルジテトラデシルアミド9mmolを導入する。4℃のトリフルオロ酢酸30mlを加える。溶液を1時間撹拌し、TFAを減圧蒸発させる。得られた生成物に再びDMF70mlを加えて溶かした後、TEA30mmolと先に得られた酸9mmolを加える。pHを10に調整し、BOP33mmolを加える。溶液を2時間撹拌した後、TLCを行う。結合したら硫酸カリウム溶液700mlを加え、生成物を酢酸エチル3×100mlで抽出する。有機相を硫酸カリウム3×50ml、炭酸ナトリウム3×50ml及び塩化ナトリウム3×50mlで洗浄する。次に、有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧蒸発させる。得られた生成物をNMR、TLC及びMSにより分析し、予備精製せずに得られた生成物にTFA50mlを加えて脱保護する。次に、溶液を1.5時間撹拌する。最後に、TFAを蒸発させ、最終生成物を半分取HPLCにより精製する。
最終的に8.1mmolの化合物4が得られる(この最終段階の収率90%)。
分析HPLC:Rt=11.4分。
1 HNMR(400MHz,(CD3)2SO d6,d(ppm)):0.89(t,J=7Hz,6H:脂肪鎖のCH3);1.15−1.35(mt,44H:脂肪鎖の中心の(CH2)11)1.45及び1.54(2mt,各2H:各脂肪鎖の1CH2);2.65−2.78−3.06及び3.23(夫々t,J=6.5Hz−広幅t,J=6.5Hz−mf及びmt,夫々4H−2H−2H及び8H:NCH2CH2N−2NCH2CH2NC=N及び脂肪鎖のNCH2);3.83(広幅s,2H:NCH2CON);4.04(d,J=5Hz,2H:グリシルのCONCH2CON);7.34(広幅mf,=NH及びNH2);7.61(t,J=5.5Hz,2H:NH);8.65(t,J=5Hz,1H:NH);8.75(mf:NH)。
MH + =733。
段階Eで使用するグリシニルジテトラデシルアミドは予め次のように得られる。
Boc置換基により保護したグリシン10mmolとジテトラデシルアミン10mmolを250ml容丸底フラスコに導入する。クロロホルム100mlを加え、完全に溶けるまで混合物を撹拌する。次にTEA30mmolとBOP33mmolを加える。pHをトリエチルアミンで10に維持する。反応混合物を2時間撹拌する。反応後にTLCを行い、クロロホルムを蒸発させる。得られた固体を再び酢酸エチル300mlに溶かす。次に有機相を硫酸カリウム4×100ml、炭酸ナトリウム4×100ml及び塩化ナトリウム4×100mlで洗浄する。次に、有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧蒸発させる。得られた生成物をTLC、NMR及びMSにより分析し、精製せずに使用する。
実施例5:化合物5(N−ジテトラデシルカルバモイルメチル−2−{(3−グアニジノプロピル)−[4−(3−グアニジノプロピルアミノ)ブチル]アミノ}アセトアミド)の合成
出発ポリアミンとしてスペルミンから出発する以外は化合物4について上述したと同様に操作し、下記構造:
の酸を得る。樹脂から分離後、この残渣をシリカゲルで精製する(溶離剤:8:2容量クロロホルム/メタノール)。有用フラクションを混合した後、減圧蒸発させると、上記分子0.69mmolが得られる(収率50%)。
TLC:Rf=0.5。
MH + =845。
化合物5は実施例4に記載したと同一の方法により、予め合成しておいた酸とグリシニルジテトラデシルアミドの結合により得られる。グリシニルジテトラデシルアミドも上記と同様に得られる。
こうして0.65mmolの化合物5が得られる(この段階の収率94%)。
分析HPLC:Rt=10.1分。
1 HNMRスペクトル(400MHz,(CD3)2SO d6,温度393K,d(ppm)):0.92(t,J=7Hz,6H:脂肪鎖のCH3);1.25−1.45(mt,44H:脂肪鎖の中心の(CH2)11);1.57(mt,4H:ブチルの中心の2CH2);1.57及び1.67(2mt,各2H:各脂肪鎖の1CH2);1.74及び1.91(2mt,各2H:プロピルの中心のCH2);2.62−2.85−3.20〜3.35(3mt,合計16H:脂肪鎖のNCH2−CH2NC=N及びNCH2);3.17(s,2H:NCH2CON);4.02(d,J=5Hz,2H:グリシルのCONCH2CON);6.89−7.30〜7.55及び7.65(夫々mf−広幅mf及びmf:交換可能なH)。
MH + =845。
実施例6:化合物6(2−{3−[{4−[ビス−(3−グアニジノプロピル)アミノ]ブチル}−(3−グアニジノプロピル)アミノ]プロピルアミノ}−N−ジテトラデシルカルバモイルメチルアセトアミド)の合成
出発ポリアミンとしてN,N,N’,N’−(テトラアミノプロピル)ブチレンジアミンから出発する以外は化合物4及び5について上述したと同様に操作し、下記構造:
の酸を得る。樹脂から分離後、得られた残渣をシリカゲルで精製する(溶離剤:8:2容量クロロホルム/メタノール)。有用フラクションを混合した後、減圧蒸発させると、生成物0.099mmolが得られる(収率20%)。
TLC:Rf=0.3。
MH + =1201。
化合物6は実施例4に記載したと同一の方法により、予め合成しておいた酸とグリシニルジテトラデシルアミドの結合により得られる。グリシニルジテトラデシルアミドも上記と同様に得られる。
こうして0.09mmolの化合物6が得られる(この段階の収率90%)。
分析HPLC:Rt=11.2分。
1 HNMRスペクトル(400MHz,(CD3)2SO d6にCD3COOD d4を数滴添加,δ(ppm)):0.87(t,J=7Hz,6H:脂肪鎖のCH3);1.20−1.40(mt,44H:脂肪鎖の中心の(CH2)11);1.45及び1.54(2mt,各2H:各脂肪鎖の1CH2);1.67(mt,4H:ブチルの中心のCH2);1.80−2.10(mt,8H:プロピルの中心のCH2);2.95−3.30(mt,20H:プロピルのNCH2及びブチルのNCH2);3.15−3.30(mt,4H:脂肪鎖のNCH2);3.84(s,2H:NCH2CON);4.05(s,2H:グリシルのCONCH2CON)。
MH + =949。
実施例7:遺伝子材料のin vitroトランスフェクションのための化合物1の使用
使用した遺伝子材料
使用した核酸はヒトサイトメガロウイルス(CMV)のプロモーターの制御下にルシフェラーゼをコードする遺伝子を含むプラスミドpXL2774(WO97/10343)である。
核酸溶液を生理的血清(塩化ナトリウムNaCl0.15M)で20μg/mlまで希釈する。
トランスフェクション溶液(現場調製物)
本発明に記載する生成物を60〜240μMの濃度で水に溶かし、DNA溶液と等容量混合する。最終塩濃度は75mMとする。
トランスフェクション
細胞を24穴マイクロプレートで適当な条件下に培養し(2cm2/ウェル)、指数増殖期で50〜70%コンフルエントになったらトランスフェクトする。
血清タンパク質を含まない培地2×500μlで細胞を洗浄し、無血清培地(血清の不在下のトランスフェクション)又は完全培地(血清の存在下のトランスフェクション)で再び増殖させる。トランスフェクタント混合物50μl(即ちDNA0.5μg/ウェル)を細胞に加える(ウェル3個/ベクター−DNA条件)。血清の不在下で細胞にトランスフェクトする場合には、トランスフェクションから2時間後に適量の血清を増殖培地に補充する。
トランスフェクションから48時間後に、Promegaキット(Luciferase Assay System)の使用に推奨されている方法に従ってルシフェラーゼの発現を測定することによりトランスフェクション効率を評価する。細胞溶解液中のタンパク質濃度を測定することによりトランスフェクタント混合物の毒性を推定する。
結果
DNAベクターとして化合物1を(参考資料として本明細書の一部とする特許出願WO97/18185に記載されている)カチオン脂質RPR120535(TFAの塩)と比較使用し、NIH3T3細胞、HepG2細胞及びHeLa細胞の3種の異なる細胞系にトランスフェクトした。これらの3種の細胞型では、実施例1にその製法を記載した化合物1の有意毒性は検出されなかった。化合物nmol/μgDNAの比を3〜12とし、3種の細胞型における化合物1と比較カチオン脂質のトランスフェクション効率を図2/15に示す。
図2/15から推察できるように、最大トランスフェクション効率はNIH3T3細胞ではカチオン脂質6nmol/μgDNA、HeLa又はHepG2細胞ではカチオン脂質9nmol/μgDNAの比で得られる。血清の不在下のトランスフェクションでは、HeLa又はHepG2細胞で得られる発現レベルは化合物1のほうが比較試験物質よりも2〜4倍高い。
図3/15は上記と同一の参考カチオン脂質(RPR120535)とDNAの複合体に比較した化合物1/DNA複合体のトランスフェクション効率を示す。白いバーは2時間血清の不在下の核脂質複合体のトランスフェクション効率を示す。黒いバーは血清の存在下の核脂質複合体のトランスフェクション効率を示す。
こうして本発明の導入剤が特に有利であることを図3/15から立証できる。実際に、本発明の化合物1の場合には血清タンパク質の有無に拘わらずトランスフェクションレベルは同一であるが、比較カチオン脂質では血清タンパク質の存在による強い阻害が認められる。この点は、in vivoトランスフェクションに特に有利な性質である。
実施例8:遺伝子材料のin vitroトランスフェクションのための化合物2、3、5及び6の使用
使用した遺伝子材料:
使用した核酸はヒトサイトメガロウイルス(CMV)のプロモーターの制御下にルシフェラーゼをコードする遺伝子を含むプラスミドpXL3031である。このプラスミドpXL3031を図15/15に示す。このプラスミドは当業者に公知の標準プロトコール、特にManiatis T.,Fritsch E.F.及びSambrook J.,Methods in Molecular Biology:a Laboratory Manual,1982,83〜94頁,Cold Spring Harbor Lab.,NYに従って単離した。
より具体的には、使用した方法はアルカリ溶解法と塩化セシウム勾配精製である。
トランスフェクション:
細胞を24穴マイクロプレートで適当な条件下に培養する。一晩増殖後、各ウェルの細胞数は約100000個になる。
血清の不在下にDMEM0.5ml中にDNA1μgを含むトランスフェクタント混合物を各ウェルに導入する。トランスフェクションから5時間後に、増殖培地に適量の血清(DMEMとウシ胎児血清,10%)を補充する。トランスフェクションから24時間後に細胞溶解液を回収し、Promegaキット(Luciferase Assay System)の使用に推奨されている方法に従ってルシフェラーゼの発現を測定することによりトランスフェクション効率を評価する。
結果:
トランスフェクションレベルを図4/15、5/15、6/15及び7/15に示す。
各場合にミセル形態及び補助脂質(DOPE又はコレステロール)との混合物としての脂質についてトランスフェクション効率を測定した。これらの表から推察できるように、電荷比が非常に低くてもトランスフェクションレベルは非常に高いので、毒性に有益な効果がある。この点は本発明の化合物の利点の1つである。実際に、アミジン基を含まないカチオン脂質では、このようなトランスフェクションレベルを得るためには電荷比を非常に高くする必要があることが多く、一般に特性が増す。
実施例9:化合物2、3、5及び6のDNA親和性の試験
使用した核酸は上記実施例に記載したようなプラスミドpXL3031である。
所望電荷比に従って本発明に定義するような適量の脂質を用いてDNA0.25mg/mlの濃度で複合体を調製する。5%グルコースと20mM塩化ナトリウム溶液を含む媒体で複合体を調製する。その後、5%グルコースと20mM塩化ナトリウム溶液を含む溶液950μlで核脂質複合体50μlを20倍に希釈する。
Coulter N4+装置を使用して光の動的拡散により流体力学的直径を測定することにより複合体の寸法を測定した。
全化合物で、電荷比に応じて3種の異なる物理化学相が判明した。
−A相はDNAがカチオン脂質により飽和されていない相であり、即ち混合物中に裸のDNAが残っており、DNAは脂質により完全に保護されていないので、酵素分解を受ける可能性がある。形成される複合体は総体的に負に帯電しているので、細胞膜を通過しにくい。従って、DNAをトランスフェクトするためにはこのゾーンにならないようにすることが好ましい。
−B相はDNAがカチオン脂質により完全に飽和されており、複合体が総体的に中性であるか弱く正に帯電している。イオン反発が最大であるので、この相は不安定である。「架橋」現象が生じて複合体が沈殿する可能性がある。従って、この状態の複合体は注入に使用することができない。
−C相はDNAが脂質により過剰飽和されているので、複合体は総体的に正である。従って、DNAは脂質により完全に保護されているので、(一般に負の)細胞膜を通過し易い。従って、C相の複合体は核酸の細胞導入に使用するのに特に適している。
図8/15、9/15、10/15及び11/15は電荷比の関数として複合体の相変化を示す表である。
図8/15、9/15、10/15及び11/15は本発明の化合物とそのアミン類似体即ちアミジン又はグアニジン基をアミノ基で置き換えたカチオン脂質の相を電荷比の関数として比較したものである。B相は著しく低い電荷比に移っていることが認められる。このように、カチオン主鎖にアミジン基を組み込むと、化合物のDNA親和性が増加する。本発明の化合物とDNAにより形成される複合体は電荷比が過度に高くならないようにすればC相で使用することができるので、この点は本発明の化合物の重要な性質であり、毒性に有益な効果がある。
臭化エチジウム添加後の蛍光低下を測定することにより、本発明の化合物のDNA親和性も評価した。実際に、DNAの臭化エチジウムが脂質により置換されると、DNAに結合したと判断される。
従って、調製した複合体に1mg/ml臭化エチジウム溶液4μlを加えた後、励起波長260nm及び発光波長590nmで蛍光を測定する。DNA単独に得られた蛍光を100%と定義する。
結果を図12/15、13/15及び14/15に示す。これらの結果から明らかなように、本発明の化合物は非常に良好なDNA親和性をもち、この点は本発明の化合物の特に有利な性質である。
Claims (27)
- 一般式(I):
[式中、
−R1、R2及びR3は相互に独立して水素原子又は−(CH2)q−NRR’を表し、
・qは1〜6の整数であり、qの値はR1、R2及びR3各基の間で相互に独立しており、
・R及びR’は相互に独立して水素原子又は式(II):
(式中、rは0であり、R5基は水素原子を表し、
但し、R1 及びR2基の少なくとも1種は式(II)の基を含む)の基を表し、
−m及びnは相互に独立して1〜6の整数を表し、nが1よりも大きいときにはmは種々の値をとることができ、R3は一般式(I)において種々の意味をもち、
−pは1〜6の整数を表し、
−R4は一般式(III):
(式中、
・R7及びR8は相互に独立して水素原子又は飽和又は不飽和、直鎖又は分枝鎖の炭素数5〜22の脂肪族基を表し、R7及びR8の少なくとも一方は水素以外のものであり、
・tは0〜10から選択される整数であり、R6、X、Y及びsはtが1よりも大きい整数であるときには種々のモチーフ[X−(CHR6)s−Y]において異なる意味をもつことができ、
・Xは酸素もしくは硫黄原子又はアミノもしくはアルキルアミノ基を表し、アルキル置換基は直鎖でも分枝鎖でもよく、1〜8個の炭素原子を含み、
・Yはカルボニル基又はメチレン基を表し、
・R6は水素原子を表し、
・sは1〜10の整数を表し、sが1よりも大きいときにはR6は水素原子を表す)の基を表す]のD、L又はDL形態の化合物及びその塩。 - R1、R2及び/又はR3が水素以外のものであり、式(II)を含むときにはqが2又は3であり、rが0であることを特徴とする請求項1に記載の化合物。
- 一般式(I)中、mが2、3及び4から選択されることを特徴とする請求項1又は2に記載の化合物。
- 式(III)中、R7及びR8基の少なくとも一方が1個以上の飽和又は不飽和、直鎖又は分枝鎖の炭素数5〜22の脂肪族基を表すことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の化合物。
- 飽和又は不飽和、直鎖又は分枝鎖の炭素数5〜22の脂肪族基がコレステロール、コレスタノール、3−α−5−シクロ−5−コレスタン−6−β−オール、コリン酸、コレステリルホルメート、コレスタニルホルメート、3α,5−シクロ−5α−コレスタン−6β−イルホルメート、コレステリルアミン、6−(1,5−ジメチルヘキシル)−3a,5a−ジメチルヘキサデカヒドロシクロペンタ[a]シクロプロパ[2,3]シクロペンタ[1,2−f]ナフタレン−10−イルアミン、又はコレスタニルアミンから選択されるステロイド誘導体であることを特徴とする請求項4に記載の化合物。
- R7及びR8基の両方が飽和又は不飽和、直鎖又は分枝鎖の炭素数5〜22の脂肪族基を表すことを特徴とする請求項1に記載の化合物。
- R7及びR8基の両方が炭素原子数5〜22、より好ましくは炭素原子数12〜22の脂肪鎖を表すことを特徴とする請求項6に記載の化合物。
- R1が式(II)の基を含み、R2とR3が水素原子であることを特徴とする請求項1に記載の化合物。
- R1とR2が各々式(II)の基を含み、R3が水素原子であることを特徴とする請求項1に記載の化合物。
- R1とR3が各々式(II)の基を含み、R2が水素原子であることを特徴とする請求項1に記載の化合物。
- R1、R2及びR3が各々式(II)の基を含むことを特徴とする請求項1に記載の化合物。
- 細胞外又は細胞内ターゲティングエレメントに結合していることを特徴とする請求項1から11のいずれか一項に記載の化合物。
- 請求項1から14のいずれか一項に記載の化合物と核酸を含む核酸を細胞に導入するための組成物。
- 更に1種以上のアジュバントを含むことを特徴とする請求項15に記載の組成物。
- 更に1種以上の中性脂質を含むことを特徴とする請求項16に記載の組成物。
- 中性脂質が2個の脂肪鎖をもつ脂質であることを特徴とする請求項16又は17に記載の組成物。
- 中性脂質が生理的条件下で両性イオン性又はイオン電荷をもたない天然又は合成脂質であり、例えばジオレオイルホスファチジルエタノールアミン(DOPE)、オレオイルパルミトイルホスファチジルエタノールアミン(POPE)、ジステアロイルホスファチジルエタノールアミン、ジパルミトイルホスファチジルエタノールアミン、ジミリストイルホスファチジルエタノールアミン及びその1〜3倍N−メチル化誘導体、ホスファチジルグリセロール、ジアシルグリセロール、グリコシルジアシルグリセロール、セレブロシド(例えば特にガラクトセレブロシド)、スフィンゴ脂質(例えば特にスフィンゴミエリン)又はアシアロガングリオシド(例えば特にアシアロGM1及びGM2)から選択される請求項16から18のいずれか一項に記載の組成物。
- アジュバントが核酸の圧縮レベルに直接又は間接的に関与する化合物であることを特徴とする請求項16に記載の組成物。
- 前記アジュバントが全体又は一部がプロタミン、ヒストン又はヌクレオリン及び/又はそれらの誘導体の1種から誘導されるか、あるいは全体又は一部がペプチドモチーフ(KTPKKAKKP)及び/又は(ATPAKKAA)から構成され、モチーフ数が2〜10であり、連続又は不連続に反復しし得ることを特徴とする請求項16から18のいずれか一項に記載の組成物。
- 更にターゲティングエレメントを含むことを特徴とする請求項15に記載の組成物。
- 注射用製剤に医薬的に許容可能なキャリヤーを含むことを特徴とする請求項15から22のいずれか一項に記載の組成物。
- 皮膚及び/又は粘膜に塗布するのに医薬的に許容可能なキャリヤーを含むことを特徴とする請求項15から22のいずれか一項に記載の組成物。
- 核酸を細胞に導入するための請求項1から14のいずれか一項に記載の化合物の使用。
- 尿素のチオ又はオキソ誘導体をリポポリアミンに作用させることによりアミジン基を形成するか、ペプチド結合によりポリアミノアミジンを脂質にグラフトすることを特徴とする請求項1から14のいずれか一項に記載の化合物の製造方法。
- (1)請求項1から14のいずれか一項に記載の化合物及び場合により1種以上のアジュバント及び/又はターゲティングエレメントと核酸を接触させて複合体を形成する段階と、
(2)(1)で形成された複合体と細胞を接触させる段階を含むことを特徴とする核酸の細胞導入方法。
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