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JP4466658B2 - 信号処理装置、信号処理方法、プログラム - Google Patents

信号処理装置、信号処理方法、プログラム Download PDF

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Description

本発明は、信号処理装置として、特に測定対象の系に測定信号を出力した結果得られる応答信号について少なくとも周波数解析を行う信号処理装置とその方法とに関する。また、このような信号処理装置において実行されるべきプログラム、及び測定信号についての信号生成方法に関する。
特開平3−6467号公報
従来より、オーディオ信号を再生出力するオーディオシステムなどでは、例えばTSP(Time Stretched Pulse)信号等の測定信号をスピーカから出力して、これを別途設けたマイクロフォンにより収音した結果に基づき、測定対象の系についての周波数−振幅特性の測定や、スピーカ〜マイクロフォン間の伝播時間測定を行うものがある。
ここで、TSP信号は、少なくとも以下のような条件を満たす信号に基づき生成されたものとなる。すなわち、信号のサンプル数を「N」、サンプリング周波数(動作クロック周波数)を「Fs」とした場合に、0Hz〜Fs/2Hzまでの信号がFs/NHz刻みでそれぞれ同じゲインで含まれるというものである。
例えば、サンプリング周波数Fs=48kHz、サンプル数N=4096とされる場合、周波数軸上では0Hz〜24(48/2)kHzまで信号が約11.7(48000÷4096)Hz刻みでそれぞれ同じゲインで含まれることになる。
但し、この条件のみが満たされる信号については、これを測定信号として時間波形で出力した場合、非常に短時間の波形となってしまい、またそのエネルギーも非常に少ないものとなる。そこで、一般的にTSP信号と呼ばれる測定信号においては、そこに含まれる所定周波数成分に対し、その周波数に応じた位相回転を与えるということが行われる。この位相回転が施されることで、時間波形とされたときにエネルギーが時間軸方向に分散された信号とすることができる。
一方、このような位相回転を施すと振幅は小さくなる傾向となるので、位相回転後の信号に対しては、測定に必要な分のボリューム(ゲイン)アップを行うようにされる。
このようにして位相回転、及びボリュームアップが行われた信号を、TSP信号として音響測定に用いるようにされている。
上記のようなTSP信号の具体例として、従来では次に説明するようなOA−TSP信号が一般的に広く知られている(例えば上記特許文献参照)。
OA−TSP信号は、周波数軸上で以下の式1、式2による条件を満たす信号を逆フーリエ変換して時間軸波形としたものとして定義される。

Figure 0004466658
Figure 0004466658
上式において、サンプル数N=4096,m=2048としたときのOA−TSP信号の概形を、図20に示す。なお、この図では振幅方向を1.0にて正規化して示している。
例えばこの図20に示すようなTSP信号をスピーカで再生し、これをマイクロフォンで収音した結果に基づき、上述したような周波数−振幅特性やスピーカ〜マイクロフォン間の伝播時間などの音響測定が行われることになる。
このような音響測定では、SN比を大きくとるために、このTSP測定信号を周期的に連続再生し、その周期(ここでは4096サンプル)単位にて、応答波形の同期加算平均を行うのが通常である。
測定されたTSP応答信号をFFT(Fast Fourier Transform:高速フーリエ変換)などにより周波数解析すれば、スピーカ、測定対象空間、マイクロフォンの各伝達関数Hsp、Haco、Hmicが合成された周波数−振幅特性などが得られる。
また、この応答信号に対し、下記の式3、式4(周波数軸上での条件を表す)により定義される逆フィルタ(逆TSP信号)を直線上又は循環上にて畳み込むことで、伝達関数の正確な位相情報を得ることができ、さらにIFFTを行い時間軸信号に戻すことにより、インパルス応答を求めることができる。

Figure 0004466658
Figure 0004466658
参考として、求められたインパルス応答の例を次の図21に示しておく。
このようなインパルス応答を解析することで、スピーカ〜マイクロフォン間の伝播時間を測定できる。
オーディオシステムでは、上記のようにして得られる音響測定結果を、音場補正機能に使用するようにされている。
具体的に、周波数−振幅特性(単に周波数特性とも言う)は、現在の特性を周波数軸上でフラット(または任意の周波数カーブ)に近づけるよう、イコライザを調整するための評価指標として用いられる。
また、周波数−振幅特性からは、その環境におけるゲイン情報を算出することができる。なお、ここで言うゲイン情報の「ゲイン」とは、スピーカの能率や空間による吸音・反射特性などを含んだ情報であり、通常、周波数特性のうち使用目的に応じた特定帯域の平均レベルから算出されるものである。
また、周波数特性からは、使用したスピーカの低域再生能力を解析・判定し、必要に応じて再生ソースの低域信号をサブウーファに送る「バスマネージメントシステム」の使用推奨の提示や、自動設定を行うこともできる。
さらに、インパルス応答に基づき取得されたスピーカ〜マイクロフォン間の空間伝播時間の情報からは、スピーカ〜マイクロフォン間の距離の情報を得ることができ、これに基づいてスピーカから出力される音声についての遅延時間調整(タイムアライメント)を行うようにされる。
これらの音響測定に基づく音場補正処理により、部屋などのある空間において設置された各スピーカの能率の違いや、聴取者位置(マイク位置)までの距離の違い、環境の違い(壁が近い、障害物がある)などをそれぞれ補正することができる。これにより、コンテンツ作成者の意図どおりの正しい音のイメージをユーザに体感させることが可能となる。
このような音場補正処理は、オーディオシステムがユーザ操作等に基づき自動的に行うものとされるが、このような自動音場補正機能は、特にマルチチャンネルのような多数個のスピーカを用いる場合にユーザ自身が各種パラメータの設定変更を手動で行うことが非常に煩雑で困難性を有することや、全て同じ特性のスピーカを揃えるといったことが困難であることを鑑みると、非常に有効な機能となる。
ここで、上記のような音場補正を行うにあたっては、周波数−振幅特性を取得するために測定信号(応答信号)について周波数解析を行うことが必須となるが、従来より、このような音響測定時における周波数解析では、その周波数分解能(解像度)に関する問題が指摘されている。
図22は、TSP信号のサンプル数N=4096、サンプリング周波数Fs=48kHzとした場合の周波数解析結果を示している。この図において、横軸は周波数(Hz)、縦軸はゲイン(dB)である。
先にも例示したように、このようなサンプル数N=4096、サンプリング周波数Fs=48kHzとした場合、周波数解析結果における周波数分解能はFs/N=48000÷4096より11.7Hzとなる。
このとき、周波数分解能の数値としては全帯域で11.7Hzと同じ数値にはなるものの、人間の聴覚に従うと図のようにして周波数軸は対数で示されるため、聴感上は、例えば図中「B」と示す中・高域部分ほど周波数の解像度は高くなる傾向となり、逆に「A」と示す低域部分となるのに従っては周波数の解像度が低くなる傾向となってしまう。
この際、特にサブウーファを用いるマルチチャンネルシステムでは、上述したような低域におけるバスマネージメント処理を行うものもあるが、このようにして低域ほど周波数分解能が低い傾向となると、サブウーファ側に信号を送るか否かを適切に判定することができなくなる可能性があり、これによって適切な音場補正を行うことができなくなってしまう虞がある。
ここで、先の説明によると、周波数分解能はFs/Nにより表される。これによれば、分解能を向上させるとした場合には、Nの数、すなわちTSP信号の時間軸方向のサンプル数を増加させればよいことがわかる。例えば、サンプル数Nを4096×2=8192とした場合、48000÷8192より分解能は2倍の5.85Hzとすることができる。
上記のようにして周波数分解能の向上は、TSP信号のサンプル数Nの数を増やすという手法を採ることで可能となる。
しかしながら、このサンプル数Nの数値は2の乗数であるため、上述のように2倍分解能とするにあたっては8192サンプル、4倍分解能では16384サンプルと増大させねばならない。これに伴っては、周波数解析に必要なメモリ容量やFFTの処理負担の増大化を招いてしまうことになる。
また、ここでは、上述したバスマネージメント処理の問題のように、特に低域における周波数分解能の低下を問題としている。上記サンプル数Nの増加による分解能向上手法では、全帯域にわたって分解能が向上されるものとなるが、先に述べたように中・高域の分解能は例えば11.7Hz程度で充分であるとすると、その分無駄な処理を行っていることに相当し、この点でも好ましいものではないと言える。
そこで、本発明では以上のような問題点に鑑み、信号処理装置として以下のように構成することとした。
つまり、n、dを自然数としたとき、時間軸波形周期が2nサンプルとされる周期信号が2d個接続された信号に対し、その2d個の接続期間内での波数が2dの倍数以外となる正弦波が合成された測定信号を出力する信号出力手段を備える。
そして、上記信号出力手段により出力された上記測定信号が収音されて得られる応答信号に基づき、上記2 n サンプルの周期信号の成分のみについて周波数解析した第1の周波数解析結果と、上記合成された正弦波の成分のみについて周波数解析した第2の周波数解析結果とを得ると共に、これら第1,第2の周波数解析結果を統合して上記応答信号についての周波数解析結果を得る解析手段を備えるようにしたものである。
上記のようにして、2d個接続した周期信号に対し、この2d個分の接続期間内での波数が2dの倍数以外となる正弦波が合成されれば、上記測定信号中には、上記周期信号に含まれる各正弦波成分の中間的な周期を有する正弦波成分が含まれるようにすることができる。
例えば上記2nサンプルの周期信号として、n=12とした4096サンプルのTSP信号を想定してみる。TSP信号には、その1周期分の期間内に整数周期の正弦波成分のみが含まれていることになる。
例えばd=1として、TSP信号を21個接続したとし、この接続した2個分のTSP信号に対し、この2個分の接続期間(4096×2=8192サンプルの期間)内での波数が21の倍数以外となる正弦波を合成したとする。
ここで、上記のようにしてTSP信号の2個分の期間内で波数が2の倍数以外、すなわち奇数となる正弦波は、半分の4096サンプルでみると、その波数は整数ではなく、整数間を補う数となる。上記のようにして、4096サンプルのTSP信号には整数周期の正弦波成分のみが含まれるので、これによると、正弦波が合成された上記測定信号中には、TSP信号単体で得られる整数周期の正弦波成分に対し、その中間的な周期を有する正弦波成分が含まれることになる。
本発明では、このような測定信号に基づき周波数解析が行われる。これによれば、測定信号中に合成された、上記のような整数間を補う波数による正弦波成分についても周波数解析を行うことが可能となり、これによって周波数解像度の向上が図られる。
また、上記のような本発明の測定信号によれば、周波数分解能の向上にあたっては、向上したい帯域の周波数に応じた周期の正弦波のみを合成すればよく、また解析時には、このようにして合成された正弦波成分についてのみ追加的に解析を行えばよいものとすることができる。
従って、上記本発明によれば、分解能向上を図るにあたり、例えば単純に測定信号のサンプル数を増加させる従来のように必要なメモリ容量・計算量も倍数的に増加してしまうといった問題は生じず、その増加量は格段に抑えることができる。
このようにして本発明によれば、周波数分解能の向上にあたっては、分解能を向上させたい周波数帯域に応じた周期による正弦波のみを合成するものとすればよく、また解析側では、合成された正弦波についてのみ解析を行えばよいものとすることができる。これによれば、例えば従来のように測定信号のサンプル数を増加させて周波数解像度の向上を図る場合と比較して、必要なメモリ容量、及び解析のための計算量の増加を大幅に低減することができる。
以下、発明を実施するための最良の形態(以下実施の形態とする)について説明していく。
図1は、本発明の実施の形態としての信号処理装置が備えられるAV(Audio Visual)アンプ1を中心として構成された、AVシステムの概要について示している。
図1において、この場合のAVシステムは、5.1chサラウンドシステムとして構成される。図示するようにAVアンプ1に対しては、前方正面スピーカSP-FC、前方右スピーカSP-FR、前方左スピーカSP-FL、後方右スピーカSP-RR、後方左スピーカSP-RLの5chスピーカと、サブウーファSP-SBの計6つのスピーカが接続される。
また、音響測定のために必要なマイクロフォンMが聴取位置P-lにセッティングされ、このマイクロフォンMもAVアンプ1と接続されている。
AVアンプ1は、外部入力されるオーディオ信号(音声信号)に基づき、各スピーカSPに対してそれぞれ対応するオーディオ信号を供給し、音声出力させる。
また、このAVアンプ1は、例えば周波数−振幅特性の解析結果に基づくイコライザ調整や、スピーカSP〜マイクロフォンM間の伝播時間測定結果に基づくタイムアライメント処理等、各種音場補正処理を装置側で自動的に行う自動音場補正機能を有する。
図2は、図1に示されるAVアンプ1の内部構成について示したブロック図である。
なお、この図2においては、図1に示される計6つのスピーカSP(SP-FC、SP-FR、SP-FL、SP-RR、SP-RL、SP-SB)を、説明の便宜上、1つのスピーカSPとして示している。
スピーカSPは、図示するようにAVアンプ1におけるスピーカ出力端子Toutに対して接続される。
また、図1に示したマイクロフォンMはマイク入力端子Tmに対し接続される。
また、AVアンプ1には、上記マイク入力端子Tmに加え、図示する音声入力端子Tinが設けられ、当該入力端子Tinを介して外部からのオーディオ信号が入力される。
スイッチSWは、入力信号の切り替えのために備えられる。このスイッチSWは、図示する端子t3に対して端子t1または端子t2を択一的に選択するように構成されている。端子t1には上記音声入力端子Tinが接続され、端子t2には、上述したマイク入力端子Tmからの入力信号がマイクアンプ2を介して増幅されて供給される。また、上記端子t3にはA/Dコンバータ3が接続されている。
このスイッチSWにおいては、端子t1が選択されることで音声入力端子Tinを介した外部からの入力信号がA/Dコンバータ3に供給され、また端子t2が選択されることでマイク入力端子Tmを介したマイクロフォンMからの入力信号がA/Dコンバータ3に供給されるようになっている。
スイッチSWの端子切り替え制御は、後述するCPU9が行うようにされる。
A/Dコンバータ3は、スイッチSWからの入力信号についてA/D変換を行う。このA/Dコンバータ3においてデジタル信号に変換されたオーディオ信号は、DSP(Digital Signal Processor)4に入力される。
DSP4は、入力オーディオ信号について各種測定・解析処理及び音声信号処理を行う。
特に、この場合のDSP4は、例えば周波数−振幅特性や各スピーカSP−マイクロフォンM間の伝播時間など、自動音場補正のために必要な音響特性について測定動作を行う。このような音響特性についての測定は、スピーカSPから測定信号を出力し、これをマイクロフォンMを介して収音した結果に基づき行われる。
なお、この音響特性についての測定動作は、CPU9からの指示に基づきDSP4が行うものとされるが、本実施の形態としての測定動作の内容、及びそれを実現するためのDSP4の内部構成については後述する。
また、DSP4は、上記のような音響特性についての測定結果から、周波数−振幅特性の補正、バスマネージメント処理、タイムアライメント処理を行う。
周波数−振幅特性の補正としては、測定動作により得られた周波数−振幅特性の解析結果に基づき、現在の特性を周波数軸上でフラット(または任意の周波数カーブ)に近づけるよう、イコライザを用いて周波数バンドごとにゲインを調整することで行う。
また、バスマネージメント処理は、周波数−振幅特性について特に低域の詳細解析を行った基づき、サブウーファSP−SB以外の他のスピーカSPの低域再生能力を判定し、再生不能とされた低域信号をサブウーファSP−SB側に供給して出力させる。或いは、低域信号の再生が不能とされた場合は、サブウーファSP−SB側への低域信号の供給を推奨するための画面表示が行われるようにCPU9に対して指示を行うようにすることもできる。
また、タイムアライメント処理としては、各スピーカSP−マイクロフォンM間の伝播時間の測定結果に基づき、スピーカSP〜マイクロフォンM間の距離の情報を得た上で、その情報に基づきスピーカSPごとにオーディオ信号出力の遅延時間調整を行う。
これらの音響測定結果に基づく音場補正処理により、部屋などのある空間において設置された各スピーカの能率の違いや、聴取者位置(マイク位置)までの距離の違い、環境の違い(壁が近い、障害物がある)などをそれぞれ補正することができる。これにより、コンテンツ作成者の意図どおりの正しい音のイメージをユーザに体感させることができる。
上記DSP4により処理されたオーディオ信号は、D/Aコンバータ5においてアナログ信号に変換された後、アンプ6にて増幅されスピーカ出力端子Toutに供給されることで、スピーカSPから音声出力されるようになっている。
また、図2において、CPU(Central Processing Unit)9は、ROM(Read Only Memory)10、RAM(Random Access Memory)11を備え、当該AVアンプ1の全体制御を行う。
図示するようにしてCPU9は、バス7を介してDSP4、ROM10、RAM11、及び表示制御部12の各部と接続されている。
上記ROM10には、CPU9の動作プログラムや各種の係数などが格納されている。また、上記RAM11はCPU9のワーク領域として利用される。
また、CPU9に対しては操作部8が接続される。
この操作部8には、当該AVアンプ1の筐体外部に表出するようにして設けられた各種の操作子が備えられ、操作に応じた操作信号をCPU9に供給する。CPU9は操作部8からの操作信号に応じ必要な各部の制御を実行する。これにより、AVアンプ1がユーザの操作入力に応じた動作を実行するようにされる。
なお、操作部8としては、リモートコマンダから発せられた例えば赤外線信号等に依るコマンド信号を受信するコマンド受信部を備えるようにすることもできる。すなわち、このコマンド受信部として、上記リモートコマンダから操作に応じて発信されるコマンド信号を受信してこれをCPU9に供給するように構成するといったものである。
表示制御部12は、CPU9の制御に基づき表示部13を駆動制御する。表示部13は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)などの表示デバイスとされる。表示制御部12は、CPU9から供給される表示データに基づきこの表示部13を駆動制御する。
なお、図2に示したAVアンプ1の構成はあくまで一例であって、これに限定されるべきものではない。例えば、音声入力端子Tinは、アナログ入力端子に限らず、S/PDIF(Sony/Philips Digital Interface Format)端子等のデジタル音声入力端子を備えるようにすることもできる。その場合、5.1chのマルチチャンネルオーディオ信号が当該S/PDIF端子を介してDSP4に直接的にデジタル入力されるようにすることができる。
また、複数系統の音声入力端子Tinを備え、それらからの入力を択一的に出力するセレクタとして機能するように構成することもできる。
さらには、同期出力されるべきオーディオ信号・ビデオ信号を入力する複数組の音声入力端子・映像入力端子を備えた上で、映像出力端子を1系統追加し、選択されたオーディオ・ビデオ信号のみをスピーカ出力端子・映像出力端子から出力するように構成することもできる。すなわち、オーディオ信号と共にビデオ信号のセレクタとしても機能するように構成するものである。
この場合、上記同期出力されるべきビデオ・オーディオ信号を入力する端子としてHDMI(High-Definition Multimedia Interface)端子を備えるようにすることもできる。
また、例えばビデオ信号のアップコンバート機能を与え、例えば走査線数を増やしたりインターレース→プログレッシブ変換出力が可能となるように構成するなどといったこともできる。
[実施の形態の測定信号]

ここで、図2に示した実施の形態のAVアンプ1としても、周波数−振幅特性の補正やタイムアライメント処理など、音場補正機能を有している。そして、このような音場補正を行うために、周波数−振幅特性やスピーカSP〜マイクロフォンM間の伝播時間などの音響特性についての測定動作を行うようにされている。
先にも述べたように、これらの音響測定にあたっては、測定信号として、従来よりTSP(Time Stretched Pulse)信号が用いられている。但し、このTSP信号を測定信号とした場合には、聴感上、低域側での周波数分解能の低下が問題となる(先の図22参照)。
このような低域側での周波数分解能の低下によっては、特に本例のようにバスマネージメント処理を行うシステムにおいて、周波数解析結果からサブウーファSP−SB側に信号を送るか否かを適切に判定することができなくなる可能性がある。つまり、この判定が不適切であった場合、本来は出力されるべきでない低域信号がサブウーファSP−SBから出力されてしまうことになり、その結果として音場再現性の低下を招くなど、適切な音場補正とすることができなくなってしまう。
このような低域側での周波数分解能の低下については、先に述べたようにTSP信号のサンプル数Nを増やすという対策を採ることができる。つまり、周波数分解能は、TSP信号のサンプル数をN、DSP4のサンプリング周波数(動作クロック周波数)をFsとした場合にFs/Nで表されるため、サンプル数Nを増やすことでその分周波数分解能を向上させることができるものである。
しかしながら、サンプル数Nは2の乗数であるため、上記のようなサンプルNを増やす手法により分解能の向上を図る場合には、サンプル数Nを2の乗数倍で増やさなければならないことになる。例えば、サンプリング周波数Fs=48kHz、サンプル数N=4096として、周波数分解能=11.7Hzとした場合を基準として考えると、2倍分解能とするためにはサンプル数Nをその2倍の8192とする必要があり、また4倍分解能とするにはサンプル数Nをさらに倍の16384サンプルに増大させねばならない。
これらの点から、サンプルNを増やすという従来手法によっては、周波数解析に必要なメモリ容量やFFT(Fast Fourier Transform:高速フーリエ変換)に要する処理負担の増大化を招いてしまうことになる。
また、ここでは、上述したバスマネージメント処理の問題のように、特に低域における周波数分解能の低下を問題としている。上記サンプル数Nの増加による分解能向上手法では、全帯域にわたって分解能が向上されるものとなるが、中・高域の分解能は例えば上記によるサンプル数N=4096とした場合の11.7Hz程度で充分であるとすると、その分無駄な処理を行っていることに相当し、この点でも好ましいものではないと言える。
これらの問題点に鑑み、本実施の形態では新たな測定信号を提案する。
先ず、本例の測定信号の説明に先立ち、従来のTSP信号について再考してみる。
一般的に用いられるTSP信号は、OA−TSP信号として知られている。このOA−TSP信号については、先の式1、式2により定義したとおりである。
従来のTPS信号においては、先に述べたようにして所要の位相回転・ボリューム(ゲイン)アップが施されることで、時間軸方向にエネルギーが分散されるように図られており、これによって或る程度のSN比を確保することができるようにされている。
ここで、通常、TSP信号を用いた音響測定を行う環境としては、一般家庭などが主に想定されるが、その場合、暗騒音の問題が生じる。
一般的な暗騒音は、特に低域成分が大きいことが知られているが、これによって測定時の収音信号としては、特に低域部分のSN比が悪化してしまうという問題が生じる。
暗騒音への対策としては、TSP信号の再生回数(すなわち応答信号の加算平均回数)を増やす、またはTSP信号の再生音量を上げるなどの手法が挙げられる。しかしながら、前者は測定に要する時間の増加を招き、後者はスピーカSPを破損する危険性や、破損を免れたとしても近隣の迷惑になるなどの可能性があり、何れの手法ともユーザに不便を強いることとなってしまう。
本実施の形態では、先ずはこのような暗騒音への対策を念頭におき、従来のTSP信号(OA−TSP信号)に改良を加えた信号を、測定信号生成の元とするものとしている。
先ず、最も根源的となるベース信号については、この場合も以下で定義される信号を用いる。すなわち、サンプル数を「N」、サンプリング周波数(動作クロック周波数)を「Fs」とした場合に、0Hz〜Fs/2Hzまでの信号がFs/NHz刻みでそれぞれ同じゲインで含まれるというものである。例えば、当該ベース信号のサンプル数Nを4096とし、サンプリング周波数(DSP4の動作クロック周波数)Fsを48kHzとした場合、当該ベース信号は、周波数軸上において0Hz〜24(48/2)kHzまで信号が約11.7(48000÷4096)Hz刻みでそれぞれ同じゲインで含まれることになる。
そして、このベース信号に対し、TSP信号で一般的に行われているように位相回転・ボリュームアップを施すが、特に本例の場合、暗騒音への対策として、ボリュームアップについては次の図3に示すような特性による振幅カーブを与えるものとしている。
この図3では、横軸を周波数(Hz)、縦軸をゲイン(dB)として示しており、図3(a)では20Hz〜2.0kHzの広帯域で見た場合の特性を示し、図3(b)では20Hz〜500Hzの低域で見た場合の特性を示している。
この図3に示されるようにして、本実施の形態では、概略して言うと、高域から中域の一部にかけては一定ゲインで、以降低域にかけては周波数が低くなるのに従って徐々にゲインが上昇するような特性としている。
上記のような特性によりボリュームアップが行われることで、本実施の形態の測定信号としては特に低域成分の振幅が増強され、これによって暗騒音による低域のSN比悪化を効果的に抑制することができる。
また、図4は、本実施の形態においてベース信号に対して与えられるべき位相回転の特性について、横軸を周波数(Hz)、縦軸を位相(deg.)としてその周波数−位相特性を例示している。この場合も図4(a)では20Hz〜2.0kHz、図4(b)は20Hz〜500Hzの帯域を示している。
なお、ここでは説明の便宜上、ベース信号に対して与えるゲインの特性についてその概略のみの説明に留めたが、本実施の形態において与えられるべきゲインの特性については後述する。
また、位相については、図4に示したものに限定されるべきものではなく、ベース信号を時間軸波形にした際に時間軸方向にエネルギーが分散されるようにして設定されたものであれば任意とすることができる。
本実施の形態では、ベース信号に対し上記のような特性による位相回転・ボリュームアップが施されて生成された4096サンプルの周期信号を元として、音響測定のための測定信号を生成するものとしている。
図5は、本実施の形態の測定信号の生成手法を模式的に示している。
先ず、図5(a)は、上記のようにしてベース信号を元に生成された4096サンプルの周期信号を時間軸波形により示している。
本実施の形態の測定信号は、この4096サンプルの周期信号に対し、図5(b)に示されるような正弦波を合成して生成される。
この正弦波としては、図示するようにして4096サンプルの2倍の8192サンプル分の長さを有し、且つこの8192サンプルの期間内においてその波数が奇数の(言い換えれば波数が2の倍数以外の)正弦波とされる。そして、このような8192サンプルの正弦波を、次の図5(c)に示されるようにして、図5(a)の4096サンプルの周期信号を2つ連続して接続したものに対し合成するものとしている。
図6は、上記手法によって生成される本例の測定信号を、横軸にサンプル数をとり、縦軸を振幅値としてより詳細に示している。
この図6に示される測定信号の波形は、一見すると4096サンプルの周期信号の繰り返し波形のように見えるが、8192サンプルで1周期となる信号(つまり8192サンプルの周期信号)となる。
このことは、図5(b)の正弦波の波形を参照すれば理解できる。図5(b)を参照すると、各正弦波は、4096サンプル目ではそれぞれ正→負のゼロクロスとなるのに対し、8192サンプル目では負→正のゼロクロスとなる波形とされている。従って、この図5(b)に示されるような正弦波が合成されて得られる図6の測定信号としては、前半の4096サンプル分と後半の4096サンプル分とでそれぞれ微妙に波形が異なるようにされ、結果、8192サンプルで1周期となる周期信号となる。
ここで、上記のような構成とされる本例の測定信号について考察してみると、先ず、その元となる図5(a)に示した周期信号としては、先のベース信号の定義からも明らかなように、周波数軸上で見れば(Fs/N)*k, (k=0〜N/2の整数)上にしか、その振幅成分を持たないものとなる。すなわち、このNサンプルの周期信号には、その波数が整数の正弦波の成分のみが存在しているということと等価である。
本例の測定信号は、このような図5(a)の周期信号を2つ接続した信号に対し、8192サンプルの期間内での波数がそれぞれ奇数となる正弦波を合成して生成される。
上記周期信号を2個接続した場合、その中に含まれる各正弦波の波数はそれぞれ2倍となる。つまり、4096サンプルの周期信号では波数が整数の正弦波のみが含まれているとすると、それを2個接続した8192サンプルの信号中には、波数が偶数の正弦波成分のみが含まれていることになる。本例では、このような8192サンプルの信号に対し、同じ8192サンプル期間内の波数が奇数とされる正弦波を合成するものとしている。これによれば、本例の測定信号中においては、図5(a)の周期信号中に元々含まれる各正弦波成分に対し、その中間的な周期となる正弦波成分を含ませることができる。つまり、このような中間的な正弦波成分の追加により、これを周波数解析結果した際に、その周波数解像度が向上されるようにすることができるものである。
具体的にみると、この場合は各偶数間の奇数成分が補われるので、分解能は2倍に向上させることができる。
また、上記構成による本例の測定信号によれば、合成する正弦波の波数(周期)の選定によって、周波数分解能を向上させる帯域を選択的に設定することができる。
このことを、次の図7を参照して説明する。図7は、横軸を(周波数)インデックス、縦軸をゲインとして本例の測定信号を周波数解析した結果を示している。
なお、この図では、8192サンプルの本例の測定信号を、同じ8192サンプル単位で周波数解析した結果を示しているが、これは説明の便宜を図るためであって、本例の測定信号についての周波数解析がこのような8192サンプル単位で行われるということを意味しているものではない。
先ず、上述もしたように、図5(a)に示した4096サンプルの周期信号を2個接続した場合には、波数が偶数の正弦波成分のみが含まれるものとなる。このことからも理解されるように、本例の測定信号を8192サンプル単位で周波数解析した結果では、図中の太線で示されるように、偶数インデックスにのみ振幅値が得られることになる。
このとき、波数は2倍となるが周波数自体は変化しないので、これらの偶数インデックスの周波数としては、図示するようにして先に述べた11.7Hz刻みとなる。
ここで、例えば図中の「分解能向上帯域」として示すように、例えば46.9Hz〜199.2Hzまでの帯域にて周波数分解能を2倍とすることについて考えてみる。
この場合は、図中の細線により示すようにして、周波数インデックス「8」〜周波数インデックス「34」までの各偶数インデックスの間の奇数インデックスに振幅値が得られるようにすればよいことになる。具体的には、周波数インデックス「9」、「11」・・・「33」の奇数インデックスに振幅値が得られればよい。
これらの奇数インデックスの振幅値を得るにあたっては、先の図5(b)に示した8192サンプルの正弦波として、その波数が「9」、「11」・・・「33」となる正弦波を合成すればよい。
このようにして、「分解能向上帯域」としての、一部の帯域内における偶数インデックス間を補うための奇数波数による正弦波のみを合成することで、効率的に周波数分解能の向上が図られるようにすることができる。
ここで、周波数分解能の向上を図る上で、このように向上させたい帯域の周波数に応じた波数の正弦波のみを合成する本例の測定信号によれば、その周波数解析時には、このようにして追加された正弦波成分のみについて追加的に解析を行うといったことが可能となる。
これによれば、単にサンプル数Nを増やして分解能を向上させる場合のように、解析のための計算量や必要なメモリ容量が2の乗数倍で増えるといったことは防止することができ、分解能向上のために要する計算量、メモリ容量の増加を効果的に抑えることができる。
以上の説明では、理解の簡単のため、周波数分解能を2倍に向上させる場合の測定信号について述べてきたが、本例の測定信号としては、4倍、8倍というように2倍以上の分解能向上が図られるようにすることもできる。
先ず、図8を参照して、分解能を8倍とする場合の測定信号について考察してみる。
図8は、先の図7と同様に横軸を周波数インデックス、縦軸をゲインとして、分解能を8倍とする場合の測定信号を(4096×8=32768サンプル単位で)周波数解析した結果を示している。
先の分解能2倍とする場合は、4096サンプルの周期信号を2個接続するものとしていた。この2個接続により、元の周期信号の成分が偶数インデックスにのみ得られるようにし、これに応じてその中間の奇数インデックスが埋められるように奇数正弦波を合成することで2倍分解能が得られるようにしたと捉えることができる。
これに倣うと、分解能8倍とする場合には、4096サンプルの周期信号を8個接続し、元の周期信号の成分が8の倍数の周波数インデックスにのみ得られるようにする。その上で、これら8の倍数の周波数インデックス間の整数インデックスが埋められるように、8の倍数以外の波数による正弦波を合成するものとすればよい。具体的に言うと、8個接続した周期信号(4096×8=32768サンプル)に対し、この32768サンプルの期間内での波数が8の倍数以外となる正弦波を合成すれば、周波数軸上では8の倍数以外の周波数インデックスを埋めることができ、これにより、分解能は8倍とすることができるようになる。
なお、この図では、分解能向上帯域として図のように35.2Hz〜199.2Hzの帯域を設定する場合を例示している。具体的にみると、この場合の分解能向上帯域としては、周波数インデックスで言えば「24」〜「136」までとなる。従ってこれら「24」〜「136」の区間内の全ての整数インデックスが満たされるように、この区間の8の倍数以外の周波数インデックス「25」、「26」、「27」・・・「135」が満たされるようにすればよい。
このためには、上述のようにして8個接続した4096サンプルの周期信号に対し、それと同じ長さとなる32768サンプルの長さを有し、且つこの32768サンプル分の期間内での波数が上記「25」、「26」、「27」・・・「135」となる正弦波を合成すればよい。
この結果、上記分解能向上帯域内においてのみ8倍の分解能が得られるようにすることができる。
ここで、これまでの2倍、8倍の例を一般化すると、本例の測定信号は、以下のように定義することができる。
すなわち、本例の測定信号としては、「時間軸波形周期が2nサンプルとされる周期信号を2d個接続し、この2d個接続した周期信号に対し、その2d個の接続期間内での波数が2dの倍数以外となる正弦波を合成した信号」であるとして定義することができる。なお、この場合において、n、dは自然数であるとする。
このような定義による測定信号とされることで、分解能は「2d」倍向上させることができる。具体的には、例えばn=12、d=1として、212=4096サンプルとされる周期信号を21個接続した信号に対し、この21個の接続期間内での波数が21の倍数以外となる正弦波を合成した信号を合成すれば、先に例示したように、分解能は2倍とすることができる。
また、例えばn=12、d=3として、212=4096サンプルとされる周期信号を23(=8)個接続した信号に対し、その23個の接続期間内での波数が23の倍数以外となる正弦波を合成した信号とすれば、分解能は23(=8)倍とすることができるものである。
ところで、ここまでの説明では、本例の測定信号について、主に時間軸を基準としてその構成を説明したが、以下では本例の測定信号を周波数軸上で設計した場合の定義について述べておく。本例の測定信号は、以下で説明する各種条件・数式に基づき周波数軸上で設計された信号を、IFFTなど逆フーリエ変換を施して時間軸波形にしたものとしても捉えることができる。
先ず、以下の説明にあたり、本例の測定信号の生成にあたってその元とする周期信号のサンプル数Nについては、それが2の乗数で表現できることより「2n」とも表記する。すなわち、周期信号のサンプル数N=2nである。
そして、本例の測定信号は、このようなN=2nサンプルの周期信号を2d個接続したN×2dサンプルで1周期の信号となる。
このような本例の測定信号の1周期分のサンプル数を「Nd」とすると、当該サンプル数Ndについては、
Nd=N×2d=2n×2d=2n+d
より、Nd=2n+dとも表すことができる。
なお、これら「N」「Nd」「n」「d」の各数値の関係は、先の図7、図8においても示してある。
上記のようにして、その1周期がサンプル数Nd=2n+dで表される本例の測定信号は、以下のようにして周波数軸上で表現することができる。なお、下記式において、「k」は周波数インデックスを表す。

■条件(A1)

k: 0≦k≦2n+d/2を満たす整数、且つ0を含む2dの倍数であるとき、
(または、0≦h≦2n/2を満たし、h=k/2dで表される整数であるとき)、

Figure 0004466658
Figure 0004466658
Figure 0004466658

■条件(A2)

k: 0<k<2n+d/2を満たす整数、且つ条件(A1)に合致せず、且つ、
Fs/2n+d*k[Hz]が、分解能向上帯域内にあるとき、

Figure 0004466658

■条件(A3)

k: 0<k<2n+d/2の整数、且つ条件(A1)に合致せず、且つ、
Fs/2n+d*k[Hz]が、分解能向上帯域内にないとき、

Figure 0004466658

■条件(A4)

k: 2n+d/2+1≦k≦ 2n+d−1の整数において、

Figure 0004466658
上記一連の式にわたり、A(k)は周波数軸上で規定され、基本的には、実数からなる任意の振幅カーブとすればよい。
本実施の形態の場合は、先に述べたようにして一般家庭での使用時に問題となる暗騒音への対策として、低域側で大きな振幅が得られるような振幅カーブを適用するものとしている(図3参照)。 なお、先の図7、図8においても、低域側でゲインが高くなるようにして振幅カーブが設定されていることが示されている。
また、条件 (A1)であるが、これは2n+dのサンプル数の時間軸波形を周波数軸で見たとき、インデックスkの前半(0≦k≦2n+d/2)のうち、kが2dの倍数に該当する場合の条件を示している。例えば、先に例示したようなn=12、d=3とした場合(N=4096、8倍分解能とする場合)は、212+3=32768個の前半のインデックスのうち、k=0,8,16,32,・・・になる数を意味する。この条件(A1)の記述には、これを簡略化したhを表記してあるが、この場合、h=k/23であるので、h=0,1,2,3,4,・・・となる。
この条件(A1)の前提として、下記の参考文献にあるように、時間軸一定振幅を持つ正弦波スイープ信号においては、「エネルギースペクトル・群遅延・位相」は、それぞれが周波数に関して微分積分の関係になることが知られている。
式5〜式7に関して、φ(k)は位相情報、D(k)は群遅延としており、A(k)2は振幅の2乗値であることからエネルギーを意味する。式6は周波数軸上k=2n+d/2の点で不連続になるのを防ぐための位相正規化の手段である。また、式6では、Mは測定信号の時間軸振幅一定区間に関係する任意の整数値(参考文献参照)を示し、このMの大小により時間波形の連続振幅部の長さを規定することができる。

[参考文献]"インパルス応答計測のための最適信号の検討"(電子情報通信学会、信学技報:守谷、金田)
また、条件(A2)であるが、これは2d倍の周波数分解能の向上を意図した分解能向上帯域内に適用される条件であり、周波数振幅はA(k)の振幅カーブに従うが、位相条件は基本的に任意で構わない。なお、条件(A2)に記述した通り、分解能向上帯域内であっても条件(A1)に該当するインデックスに関しては、条件(A1)に従うものとする。
条件(A3)では、条件(A1)、条件(A2)に該当する点以外の値をゼロとするものである。
なお、確認のために述べておくと、条件(A4)は、周波数軸上で定義した本例の測定信号の波形が、正しく時間軸に実数として表現可能にするために必要な一般条件である。
ここで、上述もしたように測定信号に対し設定されるべき振幅カーブは、基本的には任意とされればよいが、本実施の形態では、先に述べたようにして暗騒音への対策として特に低域の振幅を増大化するものとしている。
また、位相条件についても、先の条件(A2)にて述べたように基本的には任意とされればよいが、本例では測定信号が大きな時間振幅値とならないように考慮した位相条件を設定するものとしている。
具体的には、条件(A1)におけるMをM=5000とし、振幅カーブを表す関数を次の式11のように定義するものとしている。なお、この式11では一例として、サンプリング周波数Fs=48kHz、n=12、d=1とした場合(Nd=8192、2倍分解能とする場合)での関数を示している。

Figure 0004466658
このような式11、及び前述の各条件・定義に従って周波数軸上で信号を設計し、その時間波形を求めたものが先の図6である。また、この時間軸波形を改めて周波数振幅、周波数位相として表したのが先の図3、図4である。
[第1の実施の形態としての測定動作]

続いては、上記により説明した本実施の形態としての測定信号を用いた測定動作について説明する。
先ず、前提として、実施の形態としての測定動作は、先に述べた音場補正処理において、各種の音響測定を行うためにDSP4が実行するものとなるが、この場合、音場補正処理は、ユーザ操作などに応じてAVアンプ1が自動で行うものとされる。
具体的には、図2に示した操作部8を介したユーザ操作などにより、CPU9に対して自動音場補正処理の開始が指示される。これに応じCPU9は、先ずはスイッチSWを制御して端子t2を選択させ、これによってマイクロフォンMからの信号の入力が可能な状態となるようにする。その上でCPU9は、DSP4に対して測定動作の開始を指示する。
以下で説明する実施の形態としての測定動作は、このようなCPU9からの開始指示に応じて実行されるものである。
図9は、第1の実施の形態としての測定動作を実現するための、DSP4の内部構成を示したブロック図である。なお、この図9においては、説明の便宜上、周期信号、測定信号のサンプル数、各種メモリ容量の数値として、n=12、d=1(N=4096、Nd=8192)とした場合の数値を示している。
図9において、DSP4内には、図示するようにして収音バッファメモリ20、加算平均処理部21、加算平均バッファメモリ22、FFT処理部23、DFT(Discrete Fourier Transform:離散的フーリエ変換)処理部24、累積用メモリ25、メモリ26、インパルス応答演算部27、測定信号出力制御部28、正弦波信号発生部29、加算器30、伝播時間測定処理部31、統合部32、特性解析処理部33の各部が設けられる。
先ず、測定信号出力制御部28、正弦波信号発生部29、加算器30は、本実施の形態としての測定信号を発生・出力するために設けられる。本実施の形態では、これら測定信号出力制御部28、正弦波信号発生部29、加算器30を設けることで、測定信号の出力に要するメモリ容量の削減を図っている。
先ず、図示するようにしてメモリ26内には、周期信号データ26aとして、先の図5(a)に示したようなN=2nサンプルの周期信号がデータにより格納されている。測定信号出力制御部28は、メモリ26に格納される周期信号データ26aの値を順次読み出してこれを加算器30に出力する。このような加算器30への周期信号データ26aの値の出力は、2nサンプルの周期信号が2dの倍数回出力されるようにして行う。
また、これと同時に信号出力制御部28は、正弦波信号発生部29を制御して加算器30への正弦波の出力を実行させる。この場合、正弦波信号発生部29は、例えばsin関数(sinテーブル)に基づき、予め定められた分解能向上帯域内における2dの倍数以外のインデックスに対応した波数による正弦波を発生するように構成される。具体的に、例えば先の図7の例とする場合は、Nd=8192サンプルの期間内での波数がそれぞれ9,11,13,・・・,33となる正弦波を発生するものである。
信号出力制御部28は、このような正弦波信号発生部29による各正弦波信号の出力が、上記周期信号データ26aの値の出力と同じ時間長だけ行われるようにして制御する。
このような構成により、加算器30からは、2nサンプルの周期信号が2d個接続されたNd=2n+dサンプルの信号に対し、同じNd=2n+dサンプルの期間内での波数が2dの倍数以外となる正弦波が合成された本例の測定信号が、周期連続再生されるようにすることができる。
なお、確認のために述べておくと、このようにして測定信号を周期連続再生するようにして出力するのは、測定時においては、後述するように収音信号を同期加算平均することでSN比を向上させる必要があるためである。
ここで、上記構成によれば、測定信号の出力に必要なメモリ容量は、周期信号データ26aを格納するための2nサンプル分に抑えることができる。例えば、単純にNd=2n+dサンプルによる本例の測定信号をそのままメモリ26内に格納しておくことも可能であるが、その場合と比較すると、必要なメモリ容量は1/2dに抑えることができる。また、同じ分解能とするにあたり、従来のように測定信号のサンプル数をd倍とする場合には、その出力時に必要なメモリ容量はNd=2n+dサンプル分となり、この場合と比較してもメモリ容量は1/2dに削減することができる。
上記加算器30から合成出力される上記測定信号は、図示するようにしてDSP4外部のD/Aコンバータ5に供給される。先の図2においても説明したように、このD/Aコンバータ5に供給された信号はアナログ信号に変換された後、アンプ6にて増幅されスピーカ出力端子Toutを介してスピーカSPから音声出力される。
スピーカSPから出力された測定信号は、測定対象の空間を伝播した応答信号として、マイクロフォンMにて検出された後、スイッチSW→A/Dコンバータ3を介してDSP4内の収音バッファメモリ20に供給され、ここでバッファリングされる。この場合、収音バッファメモリ20のメモリ容量は例えば2nサンプル分(図中では4096サンプル)としている。
収音バッファメモリ20によるバッファリングを経た測定信号(収音信号・応答信号)は、順次加算平均処理部21に供給されて同期加算処理、及びその結果の平均化処理(これらをまとめて同期加算平均処理と言う)が施される。この加算平均処理部21は、図示するようにして4096サンプル(N=2nサンプル)分のメモリ容量を有する加算平均バッファメモリ22を用いて、収音信号についてN=2nサンプル単位での同期加算平均処理を行う。
ここで、測定信号としてTSP信号を用いる従来の測定手法では、同期加算平均は、測定信号のサンプル数Nの単位で行うようにされている。これに従うと、Nd=2n+dサンプルで1周期となる本例の測定信号(の収音信号)については、同じNdサンプル単位で同期加算平均処理を行うのが順当であると考えることもできる。
しかしながら、収音信号に基づいては、周波数−振幅特性と共に、インパルス応答の演算が行われることになる。インパルス応答を演算するためには、同期加算平均結果として、元のN=2nサンプルの周期信号の応答信号成分のみが得られるようにしなければならない。すなわち、2nサンプルの周期信号が2d個接続され且つ正弦波が合成された状態にある本例の測定信号(の応答信号)について、単にNdサンプル単位での同期加算平均処理を行ってしまったのでは、その結果に基づいて適正にインパルス応答を演算することができなくなってしまうものである。
このため、上記加算平均処理部21では、収音信号について2nサンプル単位での同期加算を行うものとしている。
但し、単に2nサンプル単位での同期加算としたのみでは、同期加算平均結果として、元の2nサンプルの周期信号の応答信号成分のみが得られるようにすることはできない。
ここで、本例の測定信号の構成を振り返ってみると、例えばn=12、d=1とした場合、先の図5に示したように、8192サンプルの測定信号中には、元の4096サンプルの周期信号に基づく偶数波数の正弦波に対し、奇数波数の正弦波が合成されたものとなっている。そして、このような構成により、先に述べたようにして8192サンプル中の4096サンプルごとに見ると、前半と後半とで、合成された正弦波の位相が180度異なるようにされたものとなっている。
このような測定信号の性質を利用すれば、測定信号の収音信号について偶数回(つまり2の倍数回)同期加算を行えば、合成された奇数成分のみが打ち消し合って相殺されるようにすることができる。
この様子を次の図10、図11に示す。
図10は、波数が偶数の正弦波が同期加算平均される様子を示している。
この図では一例として、8192サンプルの期間内での波数が2波、4波となる正弦波を示している。確認のために述べておくと、これら8192サンプルでの波数が2波、4波となる正弦波成分は、それぞれインデックスk=「2」「4」となる。
これら8192サンプルでの波数が2波、4波となる正弦波について、図中の縦矢印により示すようにして4096サンプル単位で同期加算平均を行った場合は、4096サンプルごとの位相はそれぞれ同位相となるので、加算が行われるごとにその信号成分は強められることになる。つまり、偶数波数による正弦波、換言すれば元の4096サンプルの周期信号中の各成分については、同期加算平均により通常通りSN比の向上が図られるようになっている。
一方、図11は、波数が奇数の場合について示している。図では、波数が3波,5波とされる正弦波を例示している。これら波数3、波数5の正弦波のインデックスkはそれぞれ「3」「5」となる。
図示するようにして奇数波数の正弦波については、上述のように前半4096サンプルと後半4096サンプルとで位相が180度異なるようにされるため、上記のようにして偶数回の同期加算平均が行われると、それそれの成分が打ち消しあって相殺され、消去されることになる。
このようにして、例えばn=12、d=1とした場合は、8192サンプルの測定信号(の収音信号)について、4096サンプル単位の同期加算を偶数回(2の倍数回)行うようにすることで、元の4096サンプルの周期信号に対して合成された正弦波成分のみを打ち消すことができる。すなわち、このような同期加算による結果を平均化して得られる加算平均結果としては、合成前の元の4096サンプルの周期信号の応答信号成分のみが得られるようにすることができる。
なお、上記説明では、n=12、d=1として分解能を2倍向上する場合について述べているので、同期加算回数は偶数回(2の倍数回)と定義したが、同様の目的、つまり同期加算結果として元の2nサンプルの周期信号に応じた応答信号成分のみが得られるようにするという目的のために設定されるべき同期加算回数としては、一般化すると「2dの倍数回」と定義することができる。
つまり、換言すれば、少なくともNd=2n+dサンプルの測定信号(収音信号)に含まれる2d個すべての2nサンプル単位の収音信号を1巡して同期加算するものとすればよいものである。
上記定義によれば、例えばd=3として8倍分解能とする場合には、Nd=2n+dサンプルの測定信号(収音信号)をN=2nサンプル単位で同期加算する回数は、23=8の倍数回とすればよいことになる。換言すれば、少なくともNd=2n+dサンプルの測定信号(収音信号)に含まれる8個のN=2nサンプルの収音信号のすべてを1巡して同期加算すればよいものである。
上記のようにして、同期加算としてはN=2nサンプル単位で2dの倍数回行えばよいものとして定義することができるが、実際における同期加算回数として、本実施の形態では、n=12、d=1とする場合を前提として、具体的に10回行うものとしている。
図12は、4096サンプル(2nサンプル)単位での同期加算をこのように10回行う際の測定信号の再生回数(出力回数)とその収音回数との関係を示している。
4096サンプル単位での同期加算を10回行うにあたり、4096サンプル×10個分の収音信号を得るためには、単純に考えれば8192サンプルの測定信号を5回再生出力すれば十分である。しかしながら、実際においては、図示するようなスピーカSP〜マイクロフォンMへの空間伝播時間の関係で最初のブロックでは連続した応答波形を収音することができずに、過渡応答が観測されてしまうため、この最初の収音ブロック分のデータは破棄する必要がある。そのために、連続周期再生による測定では、再生を収音より1回分多くするのが通常となっている。つまり、この場合であれば測定信号は少なくとも6回出力する必要がある。
なお、d>1としてさらなる分解能の向上を図る場合においても、同様に最初の2nサンプル分の収音信号を破棄して、次の2nサンプルの収音信号から同期加算を開始するものとすればよい。
説明を図9に戻す。
上記の同期加算平均処理により、元の2nサンプルの周期信号の応答信号成分のみが求まる。従って、この同期加算平均結果に基づき、インパルス応答を適正に算出することが可能となる。
インパルス応答の演算は、インパルス応答演算部27により行われる。
ここで、先に述べたようにインパルス応答は、収音された応答信号に対し、測定信号の逆信号を周波数乗算しIFFTなど逆フーリエ変換を施して求めることができる。このようなインパルス応答を求めるための逆信号として、メモリ26内には逆周期信号データ26bが格納されている。
上記逆周期信号は、本例で用いる2nサンプルの周期信号の生成にあたりその元とした、ベース信号に対して行った位相回転・ボリュームアップの逆特性を与えるための信号として理解することができる。
本例の周期信号に対応する上記逆周期信号は、周波数軸上で以下のように表される。

■条件 (B1)
h: 0≦h≦2n/2を満たす整数であるとき、

Figure 0004466658
Figure 0004466658
Figure 0004466658

■条件 (B2)
h: 2n/2+1≦h≦2n−1を満たす整数であるとき、

Figure 0004466658
インパルス応答演算部27は、このようにして表される上記逆周期信号データ26bと、加算平均処理部21の同期加算平均結果とに基づく演算を行ってインパルス応答を算出する。具体的には、上記同期加算平均結果と逆周期信号データ26bとを周波数軸上で乗算し、その結果についてIFFTを行うことでインパルス応答を取得する。
インパルス応答演算部27により得られたインパルス応答データは、伝播時間測定処理部32に供給される。伝播時間測定処理部32は、当該インパルス応答データに基づき、スピーカSP〜マイクロフォンM間の伝播時間を測定し、スピーカSP〜マイクロフォンM間の距離情報を得る。この距離情報は、先にも説明したようにタイムアライメント処理に用いられる。
なお、上記説明からも理解されるように、インパルス応答の算出にあたっては、同期加算平均結果についてFFT(フーリエ変換)を行う必要がある。ここでは説明の便宜上、インパルス応答演算部27には同期加算平均処理部21の処理結果がそのまま入力されるものとして説明したが、実際の構成においては、FFT処理部23によるFFT結果をインパルス応答演算部27に入力するように構成すればよい。これにより無駄なFFT処理を省略することができる。
続いて、本例の測定信号についての周波数解析について説明する。
上記もしているように加算平均処理部21の同期加算平均結果としては、元の2nサンプルの周期信号の応答信号成分のみが求まる。従って、この同期加算平均結果について周波数解析を行えば、従来と同様N/Fs[Hz]の分解能による解析結果を得ることができる。
本実施の形態では、図示するようにして加算平均処理部21の同期加算平均結果に対して2nサンプル単位でFFTを行うFFT処理部23を設けており、これにより先ずはFs/N[Hz]刻みによる周波数解析結果を得るようにされている。換言すれば、2dの倍数インデックスのみが埋められた解析結果を得るようにされている。
本実施の形態の測定動作では、このようにして同期加算平均結果から2dの倍数インデックスの振幅データを得る一方で、測定信号に合成された正弦波成分については別途の系により周波数解析を行ってその振幅データを得るようにしている。すなわち、これらそれぞれ系で得られた振幅データを統合することで、結果的に周波数分解能が向上されるようにするものである。
測定信号に合成された正弦波成分についての周波数解析は、図示するDFT処理部24により行う。
DFT処理部24は、収音バッファメモリ20より得られる収音信号を入力し、測定信号に合成されたそれぞれの正弦波成分に対応するsin信号、cos信号を用いてDFTを行う。
図13は、上記DFT処理部24が行うDFTの処理概念について示している。なお図13ではn=12、d=1(N=4096、Nd=8192)とした場合において、波数9による正弦波成分について周波数振幅値を得る場合を例示している。
この場合のDFTとしては、予め算出目的の正弦波成分についてのsin、cosのテーブルを用意、または算出しておき、収音データの先頭から図のようにDFT計算ポインタをずらしていくようにしてsinデータ、cosデータと乗算・累積し、実質DFTを行う。この際、sinデータ、cosデータとの乗算結果の累積は、図9に示した累積用メモリ25において行う。
上記sinデータ、cosデータとの乗算・累積を、収音データ先頭から8192サンプル(Ndサンプル)目まで1セット行えば、その正弦波成分についての最終的な累積値(スカラー)を求めることができる。すなわち、その結果を当該正弦波成分についての周波数振幅値として得ることができる。
DFT処理部25は、このような手法によるDFT処理を、測定信号に合成された各正弦波成分についてそれぞれ行う。例えば、先の図7の例のように8192サンプルの波数が9,11,13,・・・,33となる正弦波を合成した場合には、DFT処理部24において、それら9,11,13,・・・,33の各波数の正弦波のsin信号、cos信号を用意しておく。そして、収音データ先頭から8192サンプル目まで、それらのsin、cosのデータと収音データの値との乗算を行い、その結果をそれぞれ累積メモリ25において累積していく。このように8192サンプル目までの乗算・累積が少なくとも1セット行われることで、合成した各正弦波成分についての周波数解析結果を得ることができる。
ここで、上記のようにしてDFTは少なくともNdサンプル目まで1セット行えば周波数解析結果を求めることができるが、SN比向上のため、このDFTの系においても同期加算を行うものとしている。この場合、上述のようにして応答信号収音を2nサンプル単位で10回分行うようにされていることに対応させて、DFT処理部24では、10/2=5セット分上記の8192サンプル単位の乗算・累積処理を行い、その結果を平均化するものとしている。
以上のようなDFT処理部24による周波数解析手法によれば、応答収音データ自体は、累積メモリ25への累積後にその破棄が可能となる。
例えば、合成正弦波成分を周波数解析するにあたっては、収音信号に対しNdサンプル単位でFFTを行うことも考えられるが、その場合は、Ndサンプル分のメモリ容量を要することになる。
これに対し、上記DFTによる周波数解析によれば、必要なメモリ容量は累積メモリ25において各正弦波成分ごとのsin・cosデータとの乗算結果を累積するための容量のみとすることができる。つまり、例えば9,11,13,・・・,33までの計12個であれば、必要なメモリ容量は12サンプル分に抑えることができる。
なお、確認のために、上記手法によるDFTによって振幅値を算出する式を次の式16、式17に示しておく。各式において、g(n)は収音データを表す。

Figure 0004466658

これらの式を参照しても、上記のように収音先頭から値を乗算・累積するようにしておけば、応答収音データ自体は累積メモリ25への累積後に破棄が可能であることがわかる。
上記DFT処理部25、及び上述したFFT処理部23による周波数解析結果は、図示するようにして統合部32に対して供給される。
統合部32は、上記FFT処理部23による周波数解析結果(図中では偶数インデックスと表記)、及びDFT処理部25による周波数解析結果(図中では分解能向上帯域の奇数インデックスと表記)とを統合し、最終的な周波数解析結果を得る。すなわち、これによって分解能向上帯域内の中間的なインデックスが補われ、分解能向上帯域が完成する。
特性解析処理部33は、上記統合部32にて得られた周波数解析結果に基づき、周波数−振幅特性の解析など各種処理を行う。
この特性解析処理部33においては、先ず、上記統合部32にて得られた周波数解析結果の各周波数振幅値がFlat基準となるようにして振幅値補正を行う。
そして、その補正結果について、周波数−振幅特性の解析、及びゲイン解析を行う。先にも述べたように、周波数−振幅特性の解析結果はイコライザ(EQ)の調整設定に用いられる。また、ゲイン解析結果は、ゲイン設定に用いられる。なお、先にも述べたが、ここで言うゲインとは、スピーカの能率や空間による吸音・反射特性などを含んだ情報であり、通常、周波数特性のうち使用目的に応じた特定帯域の平均レベルから算出されるものである。
また、特性解析処理部33では、上記補正後の周波数解析結果について低域詳細解析を行う。すなわち、特に分解能向上帯域の振幅特性に基づき、各スピーカSPの低域再生能力判定を行う。その判定結果は、先に説明したバスマネージメント処理に用いられることになる。
以上のようにして本実施の形態の測定動作では、2nサンプル単位の同期加算平均結果から2nサンプルの周期信号の応答信号成分のみについての周波数解析結果を得ると共に、合成正弦波成分については実質DFTを行ってその成分のみについての周波数解析結果を得るものとしている。
このような本実施の形態の測定動作とする場合において、分解能向上のために必要なメモリ容量の増加量は、DFT処理で用いる累積用メモリ25の容量(少なくとも合成した正弦波の数と同じサンプル数分の容量)のみでよいことになる。また、計算量についても、通常分解能とする場合からの増加は、このDFT処理の計算分のみとすることができる。
このことからも、本実施の形態の測定動作によれば、分解能向上にあたって必要なメモリ容量・計算量の増加が、例えば従来のように測定信号のサンプル数Nを増やす手法を採る場合のように2の乗数倍で増加してしまうといったことが防止されることが理解できる。すなわち、本実施の形態によれば、分解能向上のために必要なメモリ容量・計算量の増加は格段に少ないものとすることができる。
[ソフトウエアによる実現]

ところで、これまでの説明では、本実施の形態の測定動作が、図9に示したようなハードウエア構成により実現される場合を例示したが、例えば次の図14に示されるようにしてDSPコア(CPU)41、メモリ42を備えたDSP40の構成とした場合には、ソフトウエア処理により実現することもできる。
図14において、このDPS40に対しても、先の図2に示したA/Dコンバータ3からのオーディオ信号が供給されるようになっている。DSP40においては、DSPコア41の制御に基づき、A/Dコンバータ3からのオーディオ信号をメモリ42にバッファリングすることができる。
また、このようにメモリ42内にバッファリングされたオーディオ信号を、DSPコア41の制御に基づきD/Aコンバータ5に出力することができる。
メモリ42は、DSPコア41が備えるメモリを包括的に示しており、図示するようにして本例の測定動作に必要な周期信号データ26a、逆周期信号データ26bはこのメモリ42内に格納される。また、特にこの場合のメモリ42内には、本例の測定動作をDSP40のソフトウエア処理により実現するために必要な測定用プログラム42aが格納されている。
図15は、図14に示す構成により本例の測定動作を実現する場合に、DSPコア41により行われるべき処理動作について示したフローチャートである。この図に示す処理動作は、DSPコア41がメモリ42内の測定用プログラム42aに基づき実行するものである。
また、図15においては、本例の測定信号の応答信号に基づく測定処理として、周波数−振幅特性の測定に係る処理のみについて示しており、インパルス応答の測定に係る処理については省略して示している。
また、この図に示す処理動作は、例えば先に述べたユーザ操作などに基づく音場補正処理の開始指示に応じて行われる、CPU9からの測定動作開始指示に応じて開始するものとすればよい。
図15において、先ず、ステップS101では、測定信号出力処理を実行するようにされる。すなわち、先に述べた本例の測定信号を所定回周期連続出力するための処理を実行する。
具体的には、D/Aコンバータ5に対し、メモリ42に格納されている周期信号データ26aの値の出力を開始すると共に、同じくメモリ42内格納されたsin関数(sinテーブル:図示は省略)に基づき、分解能向上帯域内における2dの倍数以外のインデックスに対応した波数による正弦波信号の値の合成出力を開始する。
先の説明から理解されるように、このような周期信号と正弦波信号の合成出力は、本例の測定信号の1周期分であるNd(2n+d)サンプル分の出力が所定回(先の説明によれば、分解能2倍とする場合は6回)行われるまで繰り返し行うようにされる。
なお、確認のために述べておくと、この場合もD/Aコンバータ5に供給された信号はアナログ信号に変換された後、図2に示したアンプ6にて増幅されスピーカ出力端子Toutを介してスピーカSPから出力される。
続くステップS102では、収音処理を開始する。すなわち、ステップS101の出力処理に応じてA/Dコンバータ3から入力される、本例の測定信号の応答信号についての収音処理を開始する。具体的には、上記ステップS101で測定信号出力処理を開始したタイミングから2nサンプル分の時間長の経過後に、A/Dコンバータ3からの入力オーディオ信号についてのメモリ42へのバッファリングを開始する(図12参照)。先の説明によれば、n=12、d=1を前提とした場合、2nサンプル単位での同期加算平均処理を10回行うようにされているので、その場合は当該ステップS102の収音処理としても同じく2nサンプル単位で10回行う。
なお、この図15では、図示の都合上、ステップS102における収音処理(及び次に説明するステップS103の同期加算平均処理、ステップS105のDFT処理)が、ステップS101の測定信号出力処理の完了後に実行されるものとして示されているが、図12を参照してわかるように、ステップS102(及びステップS103、S105)の処理は、実際には測定信号出力処理と一部オーバーラップして行われることになる。
ステップS102による収音処理の開始後には、その収音結果に対する処理として、ステップS103・ステップS104による2nサンプル単位での同期加算平均処理・FFT処理と、ステップS105によるDFT処理とが並行して行われることになる。
先ず、ステップS103では、ステップS102による収音処理によってメモリ42にバッファリングされた収音信号(収音応答信号)を、2nサンプル単位で同期加算平均する処理を実行する。先の説明から理解されるように、この2nサンプル単位での同期加算平均処理は、2dの倍数回行うようにされる。
なお、この同期加算平均処理に要する収音信号のバッファリング領域は、メモリ42内に確保されている。
続くステップS105では、加算平均結果についてFFT処理を実行する。すなわち、上記ステップS104の処理によってメモリ42内に得られた2nサンプルの同期加算平均結果について、同じく2nサンプル単位でのFFTを行うことで、測定信号の生成時に元とした2nサンプルの周期信号の応答信号成分についての周波数解析結果を得る。換言すれば、測定信号中に含まれる2dの倍数以外の波数の正弦波成分のみについての周波数解析結果を得る。
一方、ステップS105においては、分解能向上帯域内の2dの倍数以外のインデックス部分に関して収音信号先頭からDFTを実行する。つまり、ステップS102による収音処理によってメモリ42にバッファリングされた収音信号と、測定信号に合成されたそれぞれの正弦波成分に対応するsin信号、cos信号とに基づくDFTを行う。
具体的には、先に述べたようにして収音信号の先頭からNd(2n+d)サンプル目までを1セットとして、DFT計算ポインタをずらしていくようにして各合成正弦波成分についてのsinデータ、cosデータと乗算・累積する、という処理を所定回繰り返し行う。そして、それによって得られた合成正弦波成分ごとの累積結果を累積回数で除算し平均化することで、合成正弦波成分ごとの周波数振幅値(合成正弦波成分のみについての周波数解析結果)を得る。
なお、この場合の上記sinデータ・cosデータの生成には、先のステップS101の処理時に用いたメモリ42内のsin関数(テーブル)を共用することができる。また、上記DFT処理で要する累積用のメモリ領域としても、メモリ42内に確保されている。
続いて、ステップS106では、先のステップS104によるFFT結果と、上記ステップS105によるDFT結果とを統合する処理を行う。これにより、分解能向上帯域として予め定められた所定帯域内においては、FFT結果により得られた2dの倍数インデックスの間の、2dの倍数以外のインデックス部分が埋められたことになり、分解能向上帯域が完成する。
続くステップS107では、振幅値補正処理を実行する。すなわち、上記ステップS106の統合処理によって得られた周波数解析結果の各周波数振幅値がFlat基準となるようにして振幅値補正を行う。
そして、次のステップS108では、各種解析処理を実行する。つまり、振幅値補正後の周波数解析結果に基づき、周波数−振幅特性の解析、ゲイン解析、及び低域詳細解析の各解析処理を行う。
なお、この図15での図示は省略したが、収音応答信号に基づきインパルス応答を取得するにあたっては、図14に示したメモリ42内に格納される逆周期信号データ26bと、ステップS103による同期加算平均結果(或いはステップS104によるFFT結果)とに基づく演算を行ってインパルス応答を算出する処理を追加するものとすればよい。具体的には、上記同期加算平均結果(或いは上記FFT結果)と逆周期信号データ26bとを周波数軸上で乗算し、その結果についてIFFTを行うという処理を追加すればよい。
[第2の実施の形態]

続いて、第2の実施の形態について説明する。
先の第1の実施の形態では、分解能の向上のために合成した正弦波成分のみについての解析結果を得るにあたり、収音信号に対しDFTを行うものとしたことで、必要なメモリ容量、計算量の削減を図るものとしたが、これに代えて、第2の実施の形態では、収音信号に対し間引き加算平均を行い、その間引き加算平均結果に対しFFTを行って合成正弦波成分のみの解析結果を得るようにすることで、必要なメモリ容量・計算量の削減を図るようにしたものである。
図16は、第2の実施の形態のAVアンプ1内に備えられる、DSP45の内部構成について示している。なお、この図16において、既に第1の実施の形態において説明した部分(図2、図9にて説明した部分)については同一符号を付して説明を省略する。
この図16に示される第2の実施の形態の場合のDSP45の構成としては、先のDSP4の場合に備えられていたDFT処理部24、累積用メモリ25は省略され、代わりに間引き加算平均処理部46、間引き加算バッファメモリ47、FFT処理部48、対象インデックス抽出部49の各部が備えられる。
先ず、間引き加算平均処理部46は、収音バッファメモリ20により得られる収音信号について、間引き加算平均バッファメモリ47を用いた間引き加算平均処理を行う。
図17は、上記間引き加算平均処理部46による間引き加算平均の処理概念について説明するための図である。この図17の(a)(b)各図において、上段は収音バッファメモリ20に順次得られる収音データを2nサンプル単位で時間軸方向に並べて示しており、下段は間引き加算バッファメモリ47へのバッファリングの様子を模式的に示している。
なお、この図ではn=12、d=1(N=4096、Nd=8192)とした場合を例示している。
先ず、この場合における間引き率としては、1/64(64サンプルに1回)と設定しておく。そして、これに対応させ、間引き加算バッファメモリ47の容量としては128サンプル分を設定しておく。これらの数値の設定により、図17(a)に示されるように、この場合は4096×2=8192サンプルの測定信号の1周期で、128サンプル分の間引き加算バッファメモリ47が1回埋まることになる(8192÷64=128)。
そして、測定信号(収音信号)の以降の各周期についても、次の図17(b)に示されるようにして同様に間引きを行い、その結果を間引き加算バッファメモリ47にて同期加算していく。具体的には、例えば1サンプル目の値は加算バッファメモリ47に保持される1サンプル目の値に加算し、2サンプル目の値は加算バッファメモリ47に保持される2サンプル目の値に加算するといったように、測定信号の各周期内で同じ間引き位置となるサンプル値同士を加算していく。
このような間引き加算処理を予め設定された所定回数行い、それによって間引き加算バッファメモリ47に得られた128サンプルの各値を、加算回数で除算し平均化する。
先の説明によれば、n=12、d=1とする場合は、収音動作は8192サンプル単位で5回行うものとされているので、これに対応させ、その場合の間引き加算の回数は5回を設定すればよい。
説明を図16に戻す。
上記のような処理によって間引き加算平均処理部46で得られた間引き加算平均結果は、FFT処理部48に供給され、ここでFFTが行われる。
ここで、このようにして間引き加算平均結果に対してFFTを行って得られる周波数解析結果を、次の図18に示す。
この図18に示されるように、間引き加算平均結果に対しFFTを行った場合、本来はFs/2Hzまでの範囲内に振幅値が得られるものが、間引き率に応じた周波数までの範囲内にのみ振幅値が得られることになる。具体的に、この場合の間引き率1/64、Nd=8192の設定によると、有効なインデックスは(Fs/2)/64=375Hz(Fs=48kHzの場合)までである。
通常、バスマネージメントシステムに関して測定が必要な帯域は、サブウーファとの境界周波数で200Hz程度までであることから、このようなFs=48kHzに対する1/64の間引き処理による375Hzまでの解析結果が得られれば、必要充分であることがわかる。
図16において、対象インデックス抽出部49は、このようにして低域の一部のみに振幅値が得られているFFT処理部48の周波数解析結果を入力し、この解析結果から、予め定められた分解能向上帯域内の2dの倍数以外のインデックスの振幅値のみを抽出する。そして、抽出した2dの倍数以外のインデックスの振幅値を統合部32に供給する。
以上のような構成により、この場合の統合部32においても、FFT処理部23にて得られた2dの倍数インデックスの振幅値と、分解能向上帯域における2dの倍数以外のインデックスの振幅値とが統合されることになる。すなわち、これによって分解能向上帯域を完成することができる。
上記により説明した第2の実施の形態の手法によれば、分解能向上にあたり必要なメモリ容量の増加は、例示したNd=8192の場合には、間引き加算バッファメモリ47による128サンプル分でよいことになる。
また、分解能向上にあたり必要な計算量の増加は、間引き加算平均結果を得るための計算量と、FFT処理部48の計算量のみとすることができる。この場合、FFT処理部48では、間引きによって少ないデータ量とされた収音信号に対しFFTを行うことになるので、その計算量は非常に少ないものとすることができる。すなわち、例えば測定信号のサンプル数Ndの単位でFFTを行って合成正弦波成分についての周波数解析結果を得る場合と比較すれば、計算量の増加は格段に少ないものとできる。
ここで、確認のために述べておくと、上記第2の実施の形態の手法では、間引き加算平均処理部46にて設定する間引き率の値の設定によって、FFT処理部48の解析結果で観測できる上限の周波数を決定することができる。上述の例では、n=12、d=1としてNd=8192とする場合を挙げたが、d>1とする場合にも、同様に間引き率を1/64としたときには、周波数解析結果では同様に375Hzまでが観測されるようにすることができる。
このことからも理解されるように、第2の実施の形態の手法としては、先ず、FFT処理部48による解析結果として、予め設定した分解能向上帯域内の振幅値が得られるようにして間引き加算平均処理部46における間引き率を設定することになる。そして、このように分解能向上帯域に応じて間引き率が決定されれば、測定信号のサンプル数Ndの値に応じて、間引き加算時に必要なメモリ容量が自動的に定まるので、それに応じて間引き加算バッファメモリ47の容量を選定することになる。
なお、上記説明によると、測定信号のサンプル数Nd(=2n+d)の値を大きくする(すなわちdの値を大きくしてより高い周波数分解能とする)場合には、それに応じて間引き加算バッファメモリ47のメモリ容量が増加し、またそれに応じてFFT処理部48の計算量も増加する傾向となる。しかしながら、単に測定信号のサンプルNdの単位で収音信号に対しFFTを実行して合成正弦波成分のみについての周波数解析結果を求めるようにする場合と比較すれば、その増加量は格段に少ないものにできることに変わりはない。
ところで、上記のような間引き処理は、一般的にはダウンサンプリングとして知られるものである。通常、このようなダウンサンプリングを行った場合は、折り返し雑音を防ぐためにLPF(Low Pass Filter)を用いることが行われるが、上記による第2の実施の形態の手法では、これを不要とすることができる。
これは、本実施の形態では、特に低域の分解能向上を意図していることによる。つまり、このような意図から、間引き率(ダウンサンプリングレート)としては例えば1/64程度と比較的高い値を設定することになるので、先の図18からも理解されるように、間引き加算平均成分には低域(ここでは上限周波数200Hz程度)以外にデータが存在しないようにできる。そして、この結果、それより高い周波数からの折りかえし雑音は、例えばN=2nのインデックス以外では原理上存在しないようにできるからである。
なお、測定空間での雑音発生が測定値に影響を与えるほど大きければ、そのときは収音データに対してLPFによる帯域制限処理を行った後に、間引き加算を行うようにしてもかまわない。
ここで、上記のような第2の実施の形態としても、先の第1の実施の形態の場合と同様に、その測定動作はソフトウエア処理によって実現されるようにすることもできる。
なお、上記により説明した第2の実施の形態としての測定動作をソフトウエア処理により実現するとした場合の構成としても、先の図14に示したものと同様となるので、ここでの改めての説明は省略する。但し、この場合、測定用プログラム42aとしては第2の実施の形態としての測定動作を実現するための処理動作をDPSコア41に実行させるためのプログラムを格納しておくようにする。
図19は、上記のような第2の実施の形態としての測定用プログラム42aに基づきDSPコア41が行うことになる、第2の実施の形態としての測定動作を実現するための処理動作について示したフローチャートである。
先ず、ステップS201による測定信号出力処理、及びステップS202による収音処理については、先の図15に示したステップS101の処理、ステップS102の処理とそれぞれ同一処理となる。
また、この場合も、ステップS202の収音処理によって得られた収音信号に対する処理としては、ステップS203・S204による元の2nサンプルの周期信号の応答信号成分についての周波数解析結果を得るための処理と、ステップS205・S206・S207による合成正弦波成分のみについての周波数解析結果を得るための処理とが並行して行われることとなるが、上記ステップS203・S204による処理は、それぞれ図15に示したステップS103・S104の処理と同様となるので改めての説明は省略する。
上記ステップS205では、ステップS202の処理によって得られた収音信号について、間引き加算平均処理を行う。すなわち、予め設定された間引き率(この場合は例えば1/64)により収音信号の各周期ごとにデータを間引き、間引き結果をメモリ42にて同期加算する。そして、この同期加算を所定回数分行った後、その結果を加算回数で除算し平均化する。
続くステップS206では、上記ステップS205による間引き加算平均結果についてFFTを実行する。さらに、次のステップS207では、ステップS206によるFFT結果から分解能向上帯域内の2dの倍数以外のインデックスの振幅値を抽出する処理を実行する。
以降、ステップS208・S209・S210では、先の図15に示したステップS106・S107・S108と同様の処理を実行する。すなわち、ステップS208では、ステップS204によるFFT処理結果とステップS207によるインデックス抽出結果(振幅値抽出結果)とを統合し、これにより分解能向上帯域を完成させる。
そして、ステップS209では、ステップS208により統合された周波数解析結果について振幅値補正処理を行い、次のステップS210ではステップS209の振幅値補正結果に基づき、先に説明した周波数−振幅特性の解析、ゲイン解析、低域詳細解析の各解析処理を実行する。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明としてはこれまでに説明した具体例に限定されるべきものではない。
例えば、これまでの説明では、実施の形態のAVアンプ1が5.1chサラウンドシステムに対応する構成とされる場合を例示したが、例えば7.1ch、2.1chなど他のサラウンドシステムや、或いはL/R2chのステレオシステムに対応する構成とすることも可能である。その場合においても、測定動作としては、接続される個々のスピーカSPごとに測定信号を出力し、その収音結果について解析を行うことに変わりはない。
また、これまでの説明では、本発明の信号処理装置がAVアンプに対して適用される場合を例示したが、AVアンプ以外の他の電子機器に対して適用することもできる。
また、これまでの説明では、測定信号の生成にあたりその元とする2nサンプルの周期信号として、従来から用いられているTSP信号のように、そのサンプル数を「N」、サンプリング周波数を「Fs」とした場合に0Hz〜Fs/2Hzまでの信号がFs/NHz刻みでそれぞれ同じゲインで含まれるベース信号に対し、所定の位相回転及びボリュームアップを施した信号を用いるものとしたが、これに代えて、例えば2nサンプルで1周期となる疑似ランダム信号を用いるといったことも可能である。その場合、測定信号の収音結果に基づいてインパルス応答を求めることができない場合もあるが、周波数解析については、例えば各実施の形態で例示した測定動作と同様にして行うことで、同様に周波数分解能の向上を図ることができる。すなわち、周波数解析結果における周波数分解能の向上を図ることのみを考慮するのであれば、本発明で用いる周期信号としては、単に2nサンプルの周期信号とされればよいものとなる。
なお、各実施の形態で例示したように同じ測定信号に基づいて周波数解析結果の分解能向上とインパルス応答の取得とを同時的に行うとする場合には、上記2nサンプルの周期信号として、サンプル数を「N」、サンプリング周波数を「Fs」とした場合に少なくとも0Hz〜Fs/2Hzまでの信号がFs/NHz刻みで含まれるという条件を満たす信号を用いるものとすればよい。
また、これまでの説明では、収音信号についての同期加算平均結果に対する周波数解析(2nサンプルの周期信号の応答信号成分のみについての周波数解析)をFFTにより行う場合を例示したが、例えばDFTなど他の周波数解析手法を採用することもできる。
また、第2の実施の形態においては、間引き加算平均結果についての周波数解析を同様にFFTにより行うものとしたが、これについてもDFTなど他の周波数解析手法を採用することができる。
また、これまでの説明では、測定動作により得られた周波数−振幅特性の解析結果に基づき低域詳細解析を行う際、分解能向上帯域内の全インデックスの振幅値を用いて低域詳細解析を行うことを前提として説明を行ったが、分解能向上帯域内の一部のインデックスのみを用いて低域詳細解析を行うこともできる。例えば、オクターブ単位の区切りとなるインデックスの振幅値のみを用いる、或いはオクターブ単位の区切りの周波数に最も近いインデックスの振幅値のみを用いるといったことも可能である。
実施の形態のAVアンプを中心として構成されるAVシステムの概要について示した図である。 本発明の実施の形態としての信号処理装置を備えて構成されるAVアンプの内部構成を示すブロック図である。 実施の形態としての測定信号のベース信号に対して与えられる振幅カーブの特性(ゲインアップの特性)について説明するための図である。 実施の形態としての測定信号のベース信号に対して与えられる位相回転の特性について説明するための図である。 実施の形態の測定信号の生成手法を模式的に示した図である。 実施の形態の測定信号を時間軸波形で表した図である。 n=12、d=1の条件で生成した測定信号を周波数解析した結果を示した図である。 n=12、d=3の条件で生成した測定信号を周波数解析した結果を示した図である。 第1の実施の形態の信号処理装置の内部構成を示すブロック図である。 波数が偶数の正弦波が同期加算平均される様子について示した図である。 波数が奇数の正弦波が同期加算平均される様子について示した図である。 測定信号の再生回数(出力回数)とその収音回数との関係を示した図である。 第1の実施の形態の測定動作で行われるDFT処理について説明するための図である。 実施の形態としての測定動作をソフトウエア処理により実現する場合の信号処理装置の構成について示したブロック図である。 第1の実施の形態としての測定動作を実現するために行われるべき処理動作を示したフローチャートである。 第2の実施の形態としての信号処理装置の内部構成を示すブロック図である。 第2の実施の形態の測定動作で行われる間引き加算平均処理について説明するための図である。 間引き加算平均結果をFFTした結果を例示した図である。 第2の実施の形態としての測定動作を実現するために行われるべき処理動作を示したフローチャートである。 TSP信号の例を示した図である。 TSP信号を測定信号とした場合のインパルス応答の例を示した図である。 TSP信号のサンプル数N=4096、サンプリング周波数Fs=48kHzとした場合の周波数解析結果を示した図である。
符号の説明
1 AVアンプ、2 マイクアンプ、3 A/Dコンバータ、4,45 DSP、5 D/Aコンバータ、6 アンプ、7 バス、8 操作部、9 CPU、10 ROM、11 RAM、12 表示制御部、13 表示部、SW スイッチ、M マイクロフォン、SP スピーカ、20 収音バッファメモリ、21 加算平均処理部、22 加算平均バッファメモリ、23 FFT処理部、24 DFT処理部、25 累積用メモリ、26 メモリ、26a 周期信号データ、26b 逆周期信号データ、27 インパルス応答演算部、28 測定信号出力制御部、29 正弦波信号発生部、30 加算器、31 伝播時間測定処理部、32 統合部、33 特性解析処理部、40 DSP(CPU)、41 DSPコア、42 メモリ、42a 測定用プログラム、46 間引き加算平均処理部、47 間引き加算バッファメモリ、48 FFT処理部、49 対象インデックス抽出部

Claims (8)

  1. n、dを自然数としたとき、時間軸波形周期が2nサンプルとされる周期信号が2d個接続された信号に対し、その2d個の接続期間内での波数が2dの倍数以外となる正弦波が合成された測定信号を出力する信号出力手段と、
    上記信号出力手段により出力された上記測定信号が収音されて得られる応答信号に基づき、上記2 n サンプルの周期信号の成分のみについて周波数解析した第1の周波数解析結果と、上記合成された正弦波の成分のみについて周波数解析した第2の周波数解析結果とを得ると共に、これら第1,第2の周波数解析結果を統合して上記応答信号についての周波数解析結果を得る解析手段
    を備える信号処理装置。
  2. 上記解析手段は、
    上記測定信号の応答信号を2nサンプル単位で2dの倍数回同期加算平均し、その同期加算平均結果についてFFTまたはDFTを行うことで上記第1の周波数解析結果を取得すると共に、上記測定信号の応答信号の先頭から順に上記合成された正弦波に対応するsinデータ・cosデータを乗算・累積した結果に基づき上記第2の周波数解析結果を取得す
    請求項1に記載の信号処理装置。
  3. 上記解析手段は、
    上記測定信号の応答信号を2nサンプル単位で2dの倍数回同期加算平均し、その同期加算平均結果についてFFTまたはDFTを行うことで上記第1の周波数解析結果を取得すると共に、上記測定信号の応答信号をダウンサンプリングした結果についてFFTまたはDFTを行った結果に基づき上記第2の周波数解析結果を取得す
    請求項1に記載の信号処理装置。
  4. 上記信号出力手段は、
    予め記憶された上記2nサンプルの周期信号を連続して出力するのと同時に、sin関数に基づき発生させた上記正弦波を出力してリアルタイムに合成することで上記測定信号を出力す
    求項1に記載の信号処理装置。
  5. 上記信号出力手段は、
    上記測定信号として、所定の周波数帯域のゲインが持ち上げられた信号を出力する請求項1に記載の信号処理装置。
  6. 上記周期信号は、そのサンプル数を「N」、サンプリング周波数を「Fs」とした場合に、0Hz〜Fs/2Hzまでの信号がFs/NHz刻みで含まれた信号に基づき生成されたものであり、
    上記解析手段は、
    上記測定信号の応答信号を2nサンプル単位で2dの倍数回同期加算平均すると共に、この同期加算平均結果と上記周期信号の逆信号とに基づく演算を行ってインパルス応答を算出す
    求項1に記載の信号処理装置。
  7. n、dを自然数としたとき、時間軸波形周期が2nサンプルとされる周期信号が2d個接続された信号に対し、その2d個の接続期間内での波数が2dの倍数以外となる正弦波が合成された測定信号を出力する信号出力手順と、
    上記信号出力手順により出力した上記測定信号が収音されて得られる応答信号に基づき、上記2 n サンプルの周期信号の成分のみについて周波数解析した第1の周波数解析結果と、上記合成された正弦波の成分のみについて周波数解析した第2の周波数解析結果とを得ると共に、これら第1,第2の周波数解析結果を統合して上記応答信号についての周波数解析結果を得る解析手順
    を備える信号処理方法。
  8. n、dを自然数としたとき、時間軸波形周期が2nサンプルとされる周期信号が2d個接続された信号に対し、その2d個の接続期間内での波数が2dの倍数以外となる正弦波が合成された測定信号を出力する信号出力処理と、
    上記信号出力処理により出力した上記測定信号が収音されて得られる応答信号に基づき、上記2 n サンプルの周期信号の成分のみについて周波数解析した第1の周波数解析結果と、上記合成された正弦波の成分のみについて周波数解析した第2の周波数解析結果とを得ると共に、これら第1,第2の周波数解析結果を統合して上記応答信号についての周波数解析結果を得る解析処理
    信号処理装置に実行させるプログラム。
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