JP4463804B2 - 剃刀カートリッジ - Google Patents

Description

発明の分野
本発明は、概略的にはウエットシェービング剃刀に係り、さらに特定的には、複数の剃刀ブレードをもつウエットシェービング剃刀カートリッジに関する。

剃刀の与える独特な快適さや性能は、その剃刀の商業上の成功にとって重要である。ウエットシェービング作業において使用されて毛深い表面の毛を剃るための近年の安全剃刀は、類型的には２つのタイプの中から利用できる。この２つのタイプには、使い捨ての剃刀カートリッジを使用するハンドルをもつ交換可能なタイプと、破壊しないと取り外しできないように剃刀カートリッジが結合されたハンドルをもつ使い捨てタイプとがあり、これらの一方又は両方を利用できる。それぞれのタイプにおいて使用される剃刀カートリッジの中には、多くのデザイン上の類似点が存在する。

一般的には、剃刀カートリッジは、各々が刃先を画定するいくつかのブレードを含んでいる。複数の刃先を採用すると、一回のパスにおいて剃られる毛を増加させ、それによって、特定の毛深い表面を良好に剃るために必要なストロークの数を減少させることでシェービング効率を増大させる。与えられた表面について必要なストローク数が少ないほど、その表面を刺激する可能性が少ない。
一般的なマルチブレードの剃刀カートリッジは、２以上の剃刀ブレードを支持するフレームを有している。一般的なフレームは、プラスチックの一体成形品、または、複数の組立部品からなる。このフレームは、通常は、その刃先が略平行になるように先行表面と後方表面とを備えている。使用上、剃られるべき毛深い表面は、リーディング面、刃先及びトレイリング面の順に接触する。

リーディング面とトレイリング面とは、フレームにより画定される開口の概ね両側に向かい合っており、その開口の中で刃先の少なくとも一部分が突出量している。リーディング面及びトレイリング面は、開口を覆うように伸びており、リーディング面とトレイリング面とに略接する平面を画定するのに用いられ得る。この平面は、本願発明が属する技術の当業者により”接触平面”として参照され、刃先の突出量の調整と定量化の双方のための参照として用いられる。

この接触平面に関して、刃先は中立、プラス又はマイナスの突出量をもつように調整される。刃先は、その全体が接触平面上にある場合には、中立の突出量をもつ。刃先は、接触平面上にない場合及び接触平面を通過していない場合には、マイナスの突出量をもつ。同様に、刃先が接触面を通過している場合には、その突出量はプラスである。

過去の実情からみると、刃先の突出量は中立であったが、これが受け入れ可能な快適さのレベルに最も近い髭剃を必ずしも与えるわけではない。

従って、本発明の概括的な目的は、先行技術に関連付けられた問題を改善又は除去する剃刀カートリッジを提供することにある。

本発明は、一の観点において、フレームをもつ剃刀カートリッジを指向しており、このフレームは、リーディング面及びトレイリング面により一部が画定された開口を有し、このリーディング面及びトレイリング面は協働してこれらの接線方向に向けて開口を横切って伸びる接触平面を規定している。少なくとも２枚の剃刀ブレードは、それぞれ刃先を有し、各刃先が開口内の少なくとも一部に配置された状態でフレームに連結される。刃先の全ては、共通にプラスの刃先突出量又は共通のマイナスの刃先突出量のいずれかを有する。

本発明によれば、すべてがプラスかマイナスのいずれかの突出量を有する一組のブレードの接触平面からの距離は、ブレードからブレードまでにおいて、変化し得る。代替的には、接触平面からの距離は、各刃先について一定である。さらに、接触平面からの距離は、線形又は非線形な機能に従ってブレードからブレードまでにおいて変化し得る。

本発明の一実施形態では、少なくとも一枚のブレードが、他のブレードに対して角度上偏奇又は傾斜している。傾斜したブレードは、平行なブレードと比べて、より効果的な洗浄作用を与えて屑が除去されやすくなる。一のブレードが他のブレードに対して傾斜する場合を記載したが、本発明はこれに限定されず、本発明のより広い観点から逸脱しないで、いくかの、あるいは、全てのブレードが傾斜するものとすることができる。

図１に示すように、ウエットシェービング剃刀は、全体が参照符号１０により参照され、カートリッジ１４に連結されたハンドル１２を有する。この連結は、一時的又は永久的のいずれかであり、剃刀１０は、交換式又は使い捨て式のいずれかである。いずれの場合にも、採用される剃刀カートリッジ１４は全般的に類似している。

図２ないし図５に示すように、剃刀カートリッジ１４は、複数枚のブレード２０（図４では４枚、図５では５枚）をもつフレーム１６を有し、ブレード２０はフレーム１６に連結されている。フレーム１６は、ベース２４を有し、このベース２４はスペーサ２８により分離された複数のスロット２６を画定している。各々のスロット２６は、剃刀ブレード２０を要求される方向に保持すると共に刃先２２を互いに間隔を置いて並べるように設計されている。

フレーム１６は、リーディング面３０と、これと概ね反対側のトレイリング面３２とを有する。シェービング動作中、毛深い面はリーディング面３０、刃先２２及びトレイリング面３２の順に接触する。リーディング面３０は、キャップ３４により画定され、トレイリング面３２はガード３６により画定され、キャップとガードの双方は、ベース２４に搭載されている。フレーム１６は、キャップ３４とベース２４を含むように図示及び記述されているが、本発明はこれに限定されるわけではない。例えば、キャップ３４は、コンフォートストリップで置き換え得る。加えて、キャップ３４及びガード３６は、フレーム１６に一体成型されて、ベース２４に取り付けられる分離部品ではないものとすることができる。

リーディング面及びトレイリング面３０及び３２は、それぞれ協働してその接線方向の接触平面３８を画定し、この接触平面３８は開口１８を横切って伸びている。図解した実施形態では、接触平面３８は、一連の略平行な線により作られる面によって画定され、これらの線は開口１８を横切りつつリーディング面３０とトレイリング面３２の間で伸びていると共にリーディング面３０とトレイリング面３２に接触している。図４及び図５に示すように、接触平面３８を画定する複数の線は、湾曲したリーディング面３０と湾曲したトレイリング面３２とに接線方向において接触しており、リーディング面及びトレイリング面の双方と接触する一方の線を画定している。平面的な接触平面が図解されたが、本発明はこれに限定されるわけではなく、接触平面３８は殆どあらゆる輪郭から構成できる。例えば、先行エッジ３０及び後方エッジ３２がそれぞれ波状である場合には、接触平面３８もまた波状にすればよい。

接触平面３８は、中立、プラス又はマイナスに分類される各々の剃刀ブレード２０の刃先２２の刃先突出量を許容している。刃先２２は、刃先全体が接触平面上にある場合には、中立の刃先突出量を有する。刃先２２は、刃先のいずれの部分も接触平面３８を通過して伸びている場合には、プラスの刃先突出量を有する。刃先２２は、刃先が接触平面３８に触れておらず、接触平面３８を通過して伸びてもいない場合には、マイナスの刃先突出量を有する。

ベース２４は、一連の剃刀ブレードの間及び剃刀ブレードとフレーム１６との間に配置されたフロー部材４０を有する。フロー部材４０はいくつあってもよく、等間隔あるいは不等間隔に配置され得る。フロー部材４０は、接触平面３８において、あるいは、接触平面３８の近くで毛深い面と係合する。フロー部材３８は、好適には、半径が約０．０２から０．５ｍｍの小さいチップを有する。しかしながら、本発明はこれに限定されるわけではなく、他の半径を採用することも可能である。シェービング動作中に、フロー部材４０は、毛深い面を支持し、剃刀ブレード２０の間及び剃刀ブレードとフレーム１６との間の隙間の領域に毛深い面が侵入するのを防ぎ、その結果、毛深い表面の剃刀負けあるいは切り傷を減じる。フロー部材４０の数と寸法は、刃先２２との干渉をできるだけ少なくするように選択される。

図４を参照すると、刃先２２は一本の線４２上に配置されて、刃先２２は共通のプラスの刃先突出量をもち、各剃刀ブレード２０が接触平面３８を突き抜ける。図５を参照すると、刃先２２は一本の線４４上に配置されて、刃先２２は共通のマイナスの刃先突出量をもつ。この場合には、剃刀ブレードは接触平面３８を突き抜けない。

図６Ａないし図６Ｄを参照すると、いくつかのパターンからなる共通のマイナスの刃先構成が図解されている。
図６Ａは共通のマイナスの刃先構成のみを描写しているが、同じく共通のプラスの刃先構成が可能であることは容易に理解される。

図６Ａにおいて、全てマイナスの２枚ブレード構成が示され、刃先２２は一本の線４６に沿って配置され、各刃先は接触平面３８から同様の距離”ｕ”にある。接触平面から接触平面までの距離は、約０．２ｍｍ程度であることが好ましく、この距離は、例えば、隣接する刃先２２間や刃先とこれに隣接する表面（例えば、リーディング面３４やトレイリング面３６）との間である。しかしながら、本発明はこれに限定されない。

図６Ｂに示すように、全てマイナスの４枚ブレード構成では、１本の線４８に沿って配置された刃先２２を有し、線４８は適正な機能ｆ（ａ）を規定する。本実施形態では、剃刀ブレード０は、隣接する剃刀ブレード間に一定の分離距離ｘを付与するように概ね平行であるように描写されている。隣接する刃先２２の間の距離は、好適には、０．３から１．０ｍｍの間、さらに好適には、０．５ｍｍである。しかしながら、本発明はこれに限定されない。隣接する刃先２２の間の距離は、均等である必要はない。また、本実施形態に示すように、少なくとも１枚の剃刀ブレード２０はそれ自体に、流体が通過するのを許容して剃刀ブレード間及び剃刀ブレードとフレーム１６との間に溜まるシェービング屑の除去を助ける少なくとも一つの穴５０を有している。

図６Ｃは全てがマイナスの４枚ブレード構成を示しており、隣り合わない剃刀ブレード２０の２つのペアは接触平面３８から全て同じ距離ｕ及びｖにある。一方のペアの刃先２２は、一の線５２上にあり、他方のペアはもう一本の線５４上にある。第１のペアは、ｕで指示される距離だけ接触平面３８から離れており、第２のペアは、ｖで指示される距離だけ接触平面３８から離れている。この実施形態は、剃刀ブレード２０が互いに平行である必要はないことをさらに示している。外側の剃刀ブレード２０の一つは、隣り合う剃刀ブレードに対して角度αで傾斜している。刃先２２からの剃刀ブレード２０の角度の広がりは、剃刀ブレードの間からの屑の除去を助ける。

図６Ｄは、マイナスの４枚ブレード構成を示しており、各刃先２２は接触面３８から異なる距離にあり、異なる間隔（ｘ、ｙ、ｚ）をもつ。この構成において、一番目の刃先２２は第１の線５６上にあり、２番目の刃先は第２の線５８上にあり、３番目の刃先は第３の線６０上にあり、４番目の刃先は第４の線６２上にある。

本発明は、特定の好ましい形態を参照して相当詳細に説明されているが、その他の形態が可能であり、特に、接触面や剃刀ブレードが平面的でないものや、刃先が線以外の幾何学形状を有する形態である。したがって、本発明の精神及び範囲は、本明細書に含まれる好ましい形態の記載に限定されるべきではない。

図１は剃刀の斜視図である。 図２は剃刀カートリッジの上面図である。 図３は剃刀カートリッジの正面図である。 図４は本発明に係る４枚ブレードの剃刀カートリッジの側面側の断面図である。 図５は本発明に係る５枚ブレードの剃刀カートリッジの側面側の断面図である。 図６Ａは、接触平面に対する剃刀ブレードの一の位置を図解した図である。 図６Ｂは、接触平面に対する剃刀ブレードの他の位置を図解た図である。 図６Ｃは、接触平面に対する剃刀ブレードのさらに他の位置を図解した図である。 図６Ｄは、接触平面に対する剃刀ブレードのさらに他の位置を図解した図である。

Claims (1)

1. リーディング面（３０）とこれに概ね向かい合うトレイリング面（３２）とにより一部が画定される開口（１８）を有し、前記リーディング面（３０）と前記トレイリング面（３２）とが協働して接線方向に前記開口（１８）を横切って伸びる接触平面（３８）を画定するフレーム（１６）と、
   前記フレーム（１６）に連結されると共に、前記開口（１８）内の少なくとも一部に配置された刃先（２２）をそれぞれ画定する少なくとも４枚の剃刀ブレード（２０）と、を有し、
   前記刃先（２２）の全ては、前記接触平面（３８）に対してマイナスの刃先突出量をもち、
   前記接触平面（３８）と前記刃先（２２）との間の距離は、前記リーディング面（３０）から前記トレイリング面（３２）にかけてブレードからブレードに向かって、徐々に減少している、剃刀カートリッジ（１４）。

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