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JP4461951B2 - エンジンの冷却装置 - Google Patents

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JP4461951B2
JP4461951B2 JP2004233019A JP2004233019A JP4461951B2 JP 4461951 B2 JP4461951 B2 JP 4461951B2 JP 2004233019 A JP2004233019 A JP 2004233019A JP 2004233019 A JP2004233019 A JP 2004233019A JP 4461951 B2 JP4461951 B2 JP 4461951B2
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Description

本発明は、エンジンの冷却装置に関する。
従来、エンジンの冷却装置におけるシリンダブロック及びシリンダヘッド内に冷却水を循環させる方式の1つに、例えば特開2002−115600号公報に開示されるように、シリンダブロック側に設けられたウォータジャケットにブロック一端側から冷却水を送り込み、直列気筒の左右両側で並行に流し、その途中数カ所にシリンダヘッドのウォータジャケットに冷却水を持ち上げる小孔を設けて、ヘッドにも左右両側で並行な冷却水の流れをつくった後、ブロック他端側でブロックを通過した後の冷却水をシリンダヘッドへ持ち上げて、シリンダブロックと同様に直列気筒の左右両側で並行に流し、その後、ヘッド他端側でヘッド及びブロックを通過した冷却水を取り出してラジエータに送る方式が知られている。しかし、この方式では、シリンダブロック側で、シリンダヘッドに冷却水を移動させる箇所のウォータジャケット下部に冷却水の澱みが生じ易く、また、シリンダヘッド側では、ヘッドの前記一端側ウォータジャケット上部で、冷却水の澱みが生じ易く、温度分布が不均一になるという問題がある。この問題は、気筒内の燃焼効率の低下、すなわち燃費性能の低下の要因となる。
これを解決する方式として、従来、例えば特開平7−224651号公報に開示されるように、ブロック一端側から冷却水を送り込み、まず、シリンダブロック側で、直列気筒の左右片側に流し、ブロック他端側でUターンさせ、直列気筒の反対側に流す方式(所謂Uターン方式)が知られている。このUターン方式では、冷却水がブロック内に形成された通路を一方向に流れるため、冷却水の澱みが生じ難く、良好な温度分布の均一性が実現可能である。
特開2002−115600号公報 特開平7−224651号公報
ところで、より良好なエンジン冷却性を実現するには、冷却装置における冷却通路を構成する上で、エンジンの各種構成の構造及び配置に依存する温度分布を考慮する必要がある。エンジンにおいては、シリンダヘッドの排気系が設けられた側で高温になることが知られているが、これに対処して、従来、クロスフロー型のエンジンに装備され、シリンダブロックからシリンダヘッドの順で冷却水を循環させる冷却装置においては、まず、シリンダブロック側で、吸気側から排気側へUターン方式で冷却水を流し、その後、シリンダヘッド側に移動させて、排気側から吸気側へ同じくUターン方式で冷却水を流すことが行われる。つまり、シリンダヘッド側で排気側を優先的に冷却するために、シリンダブロック側では吸気側に先に冷却水が流れることになる。特に、シリンダブロックのウォータジャケットが上方に開放したオープンデッキタイプのシリンダブロックにおいては、Uターン方式が用いられた場合に冷却水の澱みが生じ難く、また、シリンダヘッドに対してシリンダブロックが熱的には厳しくないため、シリンダブロックの排気側又は吸気側のどちら側から若しくはスラスト側又は反スラスト側のどちら側から冷却水を流しても影響は少ないが、シリンダブロックがウォータジャケット上部にデッキ部を備えたクローズドデッキタイプのシリンダブロックにおいては、鋳造時にガス抜き用の孔に冷却水のエアが溜まったり、冷却水の澱みが生じたりする惧れがあるため、特にシリンダヘッドからの熱伝達が多いシリンダブロックの上部では、Uターン方式での冷却を行う場合に、排気側又は吸気側のどちら側から冷却水を流すか、また、スラスト側又は反スラスト側のどちら側から冷却水を流すかは重要な問題となる。
前述した態様では、シリンダヘッドの排気側での冷却性を確保することのみ考慮されるが、シリンダヘッド側での場合に比べて影響が少ないものの、実際には、シリンダブロック側においても、排気側が吸気側よりも高温になることから、両者間には温度差が生じる。したがって、より良好なエンジン冷却性を確保するには、シリンダブロック及びシリンダヘッドの両方において、冷却水を排気側に優先的に流すことが望ましい。
また、更に良好なエンジン冷却性を実現するには、上記排気側及び吸気側以外の影響を考慮することが必要である。例えば、エンジンにおいては、クランク軸の回転方向に従って気筒のスラスト側及び反スラスト側が決まるが、特にスラスト側では、ピストンと気筒内壁との間に生じる摩擦熱が大きく、スラスト側と反スラスト側との間には温度差が生じることとなる。したがって、この要因を考慮しつつ、冷却装置における冷却水通路を構成することが望ましい。
この発明は、上記技術的課題に鑑みてなされたもので、エンジンの各種構成の構造及び配置を考慮しつつ、エンジンにおける温度分布の均一性を高め、より良好なエンジン冷却性を実現し得るエンジンの冷却装置を提供することを目的とする。
そこで、本願の請求項1に係る発明は、吸気系と排気系とが互いにシリンダヘッドの反対側に配置されたクロスフロー型の直列多気筒エンジンを冷却する冷却装置において、シリンダブロックの一端側又はその近傍に設けられた冷却水流入ポートに連通する通路であって、上記直列多気筒のスラスト側側面に沿って延び、更に、該シリンダブロックの他端側を介し反スラスト側側面に沿って延び、該シリンダブロックの一端側で仕切られたブロック冷却通路と、上記ブロック冷却通路の上流位置にて、上記シリンダブロックの一端側かつスラスト側で、上記ブロック冷却通路に連通し上記シリンダヘッドの一端側に至る第1の連通路と、上記ブロック冷却通路の下流位置にて、上記シリンダブロックの一端側かつ反スラスト側で、上記ブロック冷却通路に連通しシリンダヘッドの一端側に至る第2の連通路と、上記第1及び第2の連通路に連通するシリンダヘッドの一端側から冷却水流出ポートが設けられた該シリンダヘッドの他端側へ延びるヘッド冷却通路と、を有していて、上記シリンダヘッドには、上記第1の連通路を介して送られてきた冷却水を排気側に偏流させるべく、該シリンダヘッドの長手方向に沿って延びる所定高さの縦リブが形成されていることを特徴としたものである。
また、本願の請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において、上記直列多気筒が車幅方向に沿って配列するように横置搭載され、車両前後方向における本体後方に、上記スラスト側に対応して排気系が配置される所謂後方排気レイアウトのエンジンに装備される冷却装置であり、上記エンジン本体前方にラジエータが配設されるとともに、上記シリンダブロックの一端側でエンジン本体前方側面にウォータポンプが配設され、上記ブロック冷却通路の一部として、上記シリンダブロックの一端側で、上記ラジエータにより冷却された冷却水を、上記エンジン本体前方からブロック冷却通路のスラスト側へ供給する冷却通路が構成されていることを特徴としたものである。
更に、本願の請求項3に係る発明は、請求項2に係る発明において、上記第1及び第2の連通路を含み、上記ブロック冷却通路及び上記ヘッド冷却通路に連通する連通路が複数設けられており、上記シリンダブロックの一端側及びその近傍に設けられた連通路の開口面積が比較的大きく設定されていることを特徴としたものである。
また、更に、本願の請求項に係る発明は、請求項1〜に係る発明のいずれかにおいて、上記シリンダブロックが、ウォータジャケットの上部にデッキ部を備えたクローズドデッキタイプのブロックであり、上記デッキ部には、上記ブロック冷却通路に対応して、複数のガス抜き用の孔が形成されていることを特徴としたものである。
本願の請求項1に係る発明によれば、ブロック冷却通路において、まずスラスト側に冷却水が送られるため、比較的高温のスラスト側での冷却性を改善することができ、また、冷却水が気筒の周囲に一方向に送られることで、冷却水の澱みを抑制し、各気筒の温度の均一性を高めることができる。また、これにより、直列した気筒の変形が抑制され、また、吸気系による吸気充填の均一性が高まることで、燃費性能が改善される。更に、ヘッド冷却通路においては、シリンダヘッドの一端側で、第1の連通路を介して送られてくる比較的低温の冷却水が確保されるため、シリンダヘッド側での冷却性を改善することができる。さらに、比較的低温の冷却水で排気側が冷却されるため、シリンダヘッドにおける排気側と吸気側との間の温度差を抑制し、エンジンの温度分布の均一性を高めることができる。
また、本願の請求項2に係る発明によれば、所謂後方排気エンジンで、走行風による冷却性が期待できず、高温となる排気側でのエンジン冷却性を改善することができる。また、ブロック冷却通路及びエンジン本体外部で冷却通路をなす各種の配管を簡素化することができる。
更に、本願の請求項3に係る発明によれば、上記シリンダブロックの一端側及びその近傍に設けられた連通路の開口面積が比較的大きく設定されることから、シリンダブロックの一端側で比較的大流量の冷却水がシリンダヘッド側へ移動させられ、ブロック側より高温となるシリンダヘッド側での冷却性を改善することができる。
また、更に、本願の請求項に係る発明によれば、上部にデッキ部を備えたシリンダブロックが採用されることから、ブロック自体の剛性を確保し、気筒の変形を抑制し、また、ノッキングセンサによるノック振動の検出性能を確保することができるというクローズドタイプのシリンダブロックのメリットを活かしつつ、デッキ部に鋳造時のガス抜き用の孔が設けられた場合でも、そのガス抜き用孔部でのエア溜まりや冷却水の澱みを抑制して、エンジンの冷却性を改善することができる。
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の実施形態1に係るエンジンを概略的に示す斜視図である。エンジン1は、4つの気筒2A〜2D(図2参照)がクランク軸(不図示)の長手方向に沿って直列するように設けられた直列4気筒エンジンである。このエンジン1では、アルミニウム合金製のシリンダブロック10と該シリンダブロック10の上側に組み付けられる同じくアルミニウム合金製のシリンダヘッド20とにより、エンジン本体部4が構成されており、更に、シリンダヘッド20の上側には、シリンダヘッドカバー40が配設されている。
本実施形態では、エンジン1が、車両前部に設けられたエンジンルーム(不図示)内に、クランク軸が車幅方向に沿って延びるように横置搭載される。このようにエンジン1が搭載された状態で、図1の紙面右手前側は、車両前後方向におけるエンジン1の前方側に対応し、他方、紙面左奥側は、エンジン1の後方側に対応する。また、かかる状態では、変速機70がエンジン本体部4の左側部(図1の紙面右奥側)に配設される。
なお、以下で用いる「前方側」は、車両前後方向における前方側を、また、「後方側」は、車両前後方向における後方側をあらわすものとする。
更に、エンジン本体部4の前方側には、各気筒2A〜2D(図2参照)内に吸気を導入するための吸気マニホールド50が配設される。吸気マニホールド50は4本の分岐管を備え、各分岐管は、エンジン本体部4内に構成される各気筒2A〜2Dに対して連通する。他方、エンジン本体部4の後方側には、排気系(排気マニホールド等)が配設される。
エンジン本体部4の内部には、シリンダブロック10及びシリンダヘッド20においてそれぞれ冷却通路をなすウォータジャケット5及び25(図2及び図5参照)が構成される。このウォータジャケット5及び25への冷却水の流入口となる冷却水流入ポート9(図3参照)に対して、冷却水を循環させるためのウォータポンプ52の吐出口が接続される。ウォータポンプ52は、渦巻き型の遠心式ポンプであり、図1から分かるように、シリンダブロック10の一端側(右端側)かつ前方側に配設され、シリンダブロック10の一端面(右端面)に設けられたクランクプーリ53に対してVベルト(不図示)により駆動連結される。これにより、ウォータポンプ52は、クランク軸により駆動されることとなる。
また、シリンダブロック10の前方側には、吸気マニホールド50とウォータポンプ52との間に配置され、ウォータポンプ52の吸込口に連通するサーモスタットハウジング54が設けられる。このサーモスタットハウジング54は、その上面にて開口したラジエータバイパス流入ポート54aを有するとともに、その側面に設けられたヒータ流入ポート54bと、ラジエータ流入ポート54cとを有している。ラジエータバイパス流入ポート54aには、ラジエータバイパス経路を構成するラジエータバイパスパイプ56が接続される。また、ヒータ流入ポート54bには、室内暖房用ヒータ(不図示)とサーモスタットハウジング54との間でヒータ戻り経路を構成するヒータ戻りパイプ57が接続される。更に、ラジエータ流入ポート54cには、ラジエータ(不図示)とサーモスタットハウジング54との間でラジエータ戻り経路を構成するラジエータ戻りパイプ58が接続される。
エンジン本体部4(厳密にはシリンダヘッド20)の左側部(紙面右奥側)には、ウォータアウトレット部材64が、エンジン本体部4の内部に形成されたウォータジャケット5及び25の冷却水流出側に該ウォータジャケット5及び25と連通するように取り付けられる。ウォータアウトレット部材64は、3つの流出ポート、すなわち、ヒータ流出ポート,ラジエータ流出ポート,バイパス流出ポートを有している。ヒータ流出ポートには、ヒータとウォータアウトレット部材64との間でヒータ経路を構成するヒータパイプ66が接続されている。また、ラジエータ流出ポートには、ラジエータとウォータアウトレット部材64との間でラジエータ経路を構成するラジエータパイプ67が接続され、更に、バイパス流出ポートには、ラジエータバイパス経路68が接続されている。
続いて、シリンダブロック10のウォータジャケット5について詳細に説明する。図2は、シリンダブロック10のウォータジャケット5の構成を示す断面説明図である。本実施形態では、また、直列気筒2A,2B,2C及び2Dの直列方向に対して平行に支持されるクランク軸が、気系が設けられたエンジン本体部4の後方側及び気系が設けられたエンジン本体部4の前方側がそれぞれスラスト側及び反スラスト側となるように回転させられる。図2では、直列気筒2A〜2Dの中心線が符号Cを付して示されるが、この中心線Cの上側がスラスト側に対応し、また、中心線Cの下側が反スラスト側に対応する。
このシリンダブロック10には、気筒2A〜2Dの周囲にUターン方式のウォータジャケット5が形成されている。ウォータジャケット5は、シリンダブロック10の一端側(図2の左端側)で、反スラスト側に設けられた冷却水流入ポート9からスラスト側に至る通路5aと、気筒2A〜2Dのスラスト側側壁に沿った通路5bと、シリンダブロック10の他端側(図2の右側)で、スラスト側から反スラスト側に至る通路5cと、気筒2A〜2Dの反スラスト側側壁に沿った通路5dとから構成される。通路5dと通路5aとは、仕切り壁8により区画されている。仕切り壁8には、シリンダブロック10に対してシリンダヘッド20を取り付けるためのボルト締結用の雌ネジ孔7が形成されている。また、シリンダブロック10の周縁部には、仕切り壁8に形成されたネジ孔7を含み、複数のネジ孔7が形成されている。
また、図3は、シリンダブロック10の平面図である。このシリンダブロック10は、その上部にトップデッキ12を有するクローズドデッキタイプのブロックである。トップデッキ12は、気筒2A〜2D及びネジ孔7の開口面をなしつつ、図2に示すウォータジャケット5を覆い、シリンダブロック10側に構成されるウォータジャケット5の上壁をなしている。そして、このトップデッキ12には、ウォータジャケット5を構成する各通路5a〜5dに対応して、シリンダブロック10側のウォータジャケット5とシリンダヘッド20側のウォータジャケット25(図4参照)とを互いに連通させる連通路が形成されている。より具体的には、ウォータジャケット5の上流位置において、通路5aに対応して、反スラスト側に配置された連通路13A、及び、スラスト側に配置された連通路13Bが形成され、また、通路5bに対応して、連通路13Cが形成されている。更に、ウォータジャケット5の下流位置において、通路5dに対応して、連通路13Dが形成されている。連通路13A〜13Dは、共に、シリンダブロック10の一端側(図3の左端側)近傍に形成されるもので、符号別に異なる形状及び開口面積を有している。なお、図3に示す形態では、これら連通路13A〜13Dの開口面積S1〜S4の間には、
S2>S1>S4>S3
の大小関係がある。
また、連通路13A〜13Dに加えて、トップデッキ12には、通路5b,5c及び5dの各々に対応して、シリンダヘッド20側のウォータジャケット25に連通する鋳造時のガス溜まり防止用のガス抜き孔18が形成されている。このガス抜き孔18は、シリンダブロック10側のウォータジャケット5からシリンダヘッド20側のウォータジャケット25への冷却水通路となっており、冷却水のエア溜まり防止をも兼ねている。なお、実際には、ヘッドガスケットに、この孔18と対応した孔が形成されているが、本図では、簡略のため、ガスケットを省略している。かかるガス抜き孔18が設けられることで、シリンダブロック10側のウォータジャケット5内でのエア溜まりが抑制され、良好な冷却水の流通が実現され得る。なお、ガス抜き孔18の開口面積は、前述した連通路13A〜13Dの開口面積S1〜S4と比較して小さく設定されている。
以上のようにシリンダブロック10に構成されたUターン方式のウォータジャケット5に対して、ラジエータ(不図示)で冷却された冷却水が、反スラスト側に設けられた冷却水流入ポート9から送り込まれるが、この場合には、冷却水の一部が、ウォータジャケット5への流入直後に、連通路13A〜13Cを介して、シリンダヘッド20側のウォータジャケット25へ移動させられる。そして、残りの冷却水が、図2中の二点鎖線の矢印で示されるルートで通路5a〜5dを順次通過し、シリンダブロック10の一端側に戻ってきた後に、連通路13Dを介して、シリンダヘッド20側のウォータジャケット25へ移動させられる。本実施形態では、連通路13A〜13Cを介してシリンダヘッド20側へ移動させられる冷却水が、連通路13Dを介してシリンダ20側へ移動させられる冷却水とほぼ同じ流量若しくはそれ以上の流量になるように、各連通路13A〜13Dの開口面積が設定される。
かかるシリンダブロック10側のウォータジャケット5が構成されることにより、冷却水流入ポート9から流入された冷却水が、まず、エンジン稼働中にピストンと気筒2A〜2Dの内壁との間に生じる摩擦熱によって高温になるスラスト側に送られ、スラスト側が優先的に冷却されることで、エンジン本体の効率的な冷却が可能である。また、ウォータジャケット5への流入直後に、ウォータジャケット5の上流位置に設けられた連通路13A〜13Cを介して、比較的大流量の冷却水がシリンダヘッド20側へ移動させられるため、シリンダヘッド20側のウォータジャケット25にて比較的低温の冷却水を確保することができる。
続いて、シリンダヘッド20側に構成されたウォータジャケット25について説明する。前述したように、シリンダブロック10側には、スラスト側及び反スラスト側に順次冷却水が流通させられるUターン方式のウォータジャケット5が構成されるが、これに対して、シリンダヘッド20側には、並列方式のウォータジャケット25が構成され、シリンダブロック10から移動してきた冷却水が、シリンダヘッド20の一端側から他端側へ向けて、スラスト側及び反スラスト側別に同時に流通させられる。図4及び図5は、それぞれ、シリンダブロック10のトップデッキ12上に取り付けられたシリンダヘッド20の平面図及び断面説明図である。なお、図4では、シリンダブロック10との位置関係を明確にするために、図2及び図3であらわされた直列気筒2A〜2Dの中心軸Cが付されている。すなわち、図4では、図2及び図3における場合と同様に、中心線Cの上側がスラスト側に対応し、中心線Cの下側が反スラスト側に対応する。
シリンダヘッド20には、各気筒2A〜2Dの排気口(不図示)に連通される複数の排気弁孔31と、各気筒2A〜2Dの吸気口(不図示)に連通される複数の吸気弁孔32と、が設けられている。また、シリンダヘッド20には、シリンダブロック10に設けられた雌ネジ孔7に対応して開口し、ボルト(不図示)を挿通させるための挿通孔34が形成されている。なお、このシリンダヘッド20は、かかる構成以外にも、従来公知の構成を有するものであるが、ここでは、他の構成についての説明を省略する。
本実施形態では、更に、シリンダヘッド20におけるウォータジャケット25が構成される部位に、シリンダヘッド20の長手方向に沿って延びる所定高さの縦リブ26が形成されている。この縦リブ26は、ウォータジャケット25の全長にわたり延びるもので、これにより、ウォータジャケット25は、スラスト側と反スラスト側でシリンダヘッド20の長手方向に沿って走る通路25a及び25bをなすように区画される。縦リブ26の高さは、通常、正常なエンジン稼働状態において、各通路25a及び25bに流入してきた冷却水が通路25a及び25b間で移動することが防止されるように設定されている。なお、この縦リブ26は、例えばエンジン1がエンジンルーム内でスラントして搭載される場合に対応して、ウォータジャケット25内でのエア溜まりを防止すべく、排気側及び吸気側を完全に仕切らないように設けられる。特にエンジン1がスラントして搭載されかつ排気系が後方側に配設される場合には、エア溜まりによって冷却装置の性能が大きく低下する可能性が大きく、かかる縦リブ26の構成は有効である。
シリンダヘッド20の一端側(図4の左端側)で、スラスト側の通路25aは、シリンダブロック10側に形成された連通路13B及び13Cに連通し、他方、反スラスト側の通路25bは、シリンダブロック10側に形成された連通路13A及び13Dに連通する。シリンダブロック10側のウォータジャケット5から連通路13B及び13Cを介して流入してきた冷却水、及び、連通路13及び13を介して流入してきた冷却水は、それぞれ、縦リブ26で区画されてなる通路25a及び25b内で、シリンダヘッド20の一端側から他端側へ流通する。シリンダヘッド20の他端側(図4の右端側)に到達した冷却水は、ウォータジャケット25の流出側に取り付けられたウォータアウトレット部材64を介して、エンジン本体部4の外部へ流出する。
本実施形態では、前述したように、シリンダブロック10側のウォータジャケット5への流入直後に、連通路13A〜13Cを介して、比較的大流量の冷却水がシリンダヘッド20側へ移動させられ、シリンダヘッド20の一端側で低温の冷却水が確保される。また、かかる低温の冷却水は、連通路13A及び13Dを介して流入してきた冷却水と隔離されて、縦リブ26により排気側にあたるスラスト側に構成された通路25a内に偏流させられるため、エンジン稼働中に温度の高くなる排気側の冷却性が高まり、排気側と吸気側との温度差を抑制することができる。
以上の説明から明らかなように、本実施形態に係るエンジン1の冷却装置によれば、シリンダブロック10側のウォータジャケット5において、まずスラスト側に冷却水が送られるため、エンジン稼働中に比較的高温となるスラスト側での良好な冷却性を確保することができ、また、冷却水が気筒2A〜2Dの周囲に一方向に送られることで、冷却水の澱みを抑制し、各気筒2A〜2Dの温度の均一性を高めることができる。これにより、直列した気筒2A〜2Dの変形が抑制され、また、吸気系による吸気充填の均一性が高まることで、燃費性能が改善され得る。更に、シリンダヘッド20側のウォータジャケット25においては、シリンダヘッド20の一端側で、第1の連通路を介して送られてくる比較的低温の冷却水が確保されるため、シリンダヘッド20側での冷却性を改善することができる。
また、エンジン本体が車両前部のエンジンルーム内で、クランク軸が車幅方向に沿って延びるよう横置搭載される場合には、外部の配管を含めたエンジンの小型化が望ましい。本実施形態では、エンジン本体部4の内部で前述したウォータジャケット5及び25が構成されるのに対して、エンジン本体部4の外部では、図1に示すように、エンジン本体部4の一端側で、ウォータポンプ52がシリンダブロック10の前方側に取り付けられる一方、エンジン本体部4の他端側で、ウォータアウトレット部材64が取り付けられ、更に、ウォータポンプ52及びウォータアウトレット部材64が、それぞれ、エンジン本体部4の前方側に配設されるラジエータ(不図示)の冷却水流入口及び流出口と接続される。これにより、エンジン本体部4の前方側で、ウォータジャケット5及び25とラジエータとに接続し冷却通路の一部をなす配管を簡素化することができ、エンジンを小型化することができる。
更に、本実施形態に係るエンジン1の冷却装置によれば、シリンダブロック10の一端側に設けられた連通路13A〜13Dの開口面積が比較的大きく設定されることから、シリンダブロック10の一端側で比較的大流量の冷却水がシリンダヘッド20側へ移動させられることから、シリンダブロック10よりも熱的に厳しいシリンダヘッド20側での良好な冷却性を確保することができる。
また、更に、本実施形態に係るエンジン1の冷却装置によれば、シリンダヘッド20側で、比較的低温の冷却水で排気側が冷却されるため、シリンダヘッド20における排気側と吸気側との間の温度差を抑制し、エンジン全体の温度の均一性を高めることができる。また、更に、トップデッキ12を備えたシリンダブロック10が採用されることから、ブロック10の剛性が確保され、例えば高熱の影響による気筒2A〜2Dの変形が抑制され、更に、エンジン1において各気筒2A〜2D毎に設定されたノッキングセンサ(不図示)によるノック振動の検出性能が確保されるとともに、トップデッキ12に鋳造時のガス抜き用の孔18が設けられた場合にも、そのガス抜き用の孔18でのエア溜まりや冷却水の澱みが抑制され、良好なエンジン冷却性が確保され得る。
なお、本発明は、例示された実施形態に限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計上の変更が可能であることは言うまでもない。
本願発明に係るエンジンの冷却装置は、自動車等の車両を含み、エンジンが搭載されるものであれば、いかなるものにも適用可能である。
本願発明に係るエンジンを概略的に示す斜視図である。 シリンダブロックのウォータジャケットの構成を示す断面説明図である。 トップデッキを備えたシリンダブロックの平面図である。 シリンダ上側にシリンダヘッドが取り付けられた状態を概略的に示す平面図である。 上記シリンダヘッドの縦断面説明図である。
符号の説明
1…エンジン
2A,2B,2C,2D…気筒
5…シリンダブロック側ウォータジャケット
10…シリンダブロック
13A,13B,13C,13D…連通路
18…ガス抜き用孔
20…シリンダヘッド
25…シリンダヘッド側ウォータジャケット
25a…スラスト側通路
25b…反スラスト側通路
26…縦リブ

Claims (4)

  1. 吸気系と排気系とが互いにシリンダヘッドの反対側に配置されたクロスフロー型の直列多気筒エンジンを冷却する冷却装置において、
    シリンダブロックの一端側又はその近傍に設けられた冷却水流入ポートに連通する通路であって、上記直列多気筒のスラスト側側面に沿って延び、更に、該シリンダブロックの他端側を介し反スラスト側側面に沿って延び、該シリンダブロックの一端側で仕切られたブロック冷却通路と、
    上記ブロック冷却通路の上流位置にて、上記シリンダブロックの一端側かつスラスト側で、上記ブロック冷却通路に連通し上記シリンダヘッドの一端側に至る第1の連通路と、
    上記ブロック冷却通路の下流位置にて、上記シリンダブロックの一端側かつ反スラスト側で、上記ブロック冷却通路に連通しシリンダヘッドの一端側に至る第2の連通路と、
    上記第1及び第2の連通路に連通するシリンダヘッドの一端側から冷却水流出ポートが設けられた該シリンダヘッドの他端側へ延びるヘッド冷却通路と、を有していて、
    上記シリンダヘッドには、上記第1の連通路を介して送られてきた冷却水を排気側に偏流させるべく、該シリンダヘッドの長手方向に沿って延びる所定高さの縦リブが形成されていることを特徴とするエンジンの冷却装置。
  2. 上記直列多気筒が車幅方向に沿って配列するように横置搭載され、車両前後方向における本体後方に、上記スラスト側に対応して排気系が配置されるエンジンに装備される冷却装置であり、
    上記エンジン本体前方にラジエータが配設されるとともに、上記シリンダブロックの一端側でエンジン本体前方側面にウォータポンプが配設され、
    上記ブロック冷却通路の一部として、上記シリンダブロックの一端側で、上記ラジエータにより冷却された冷却水を、上記エンジン本体前方からブロック冷却通路のスラスト側へ供給する冷却通路が構成されていることを特徴とする請求項1記載のエンジンの冷却装置。
  3. 上記第1及び第2の連通路を含み、上記ブロック冷却通路及び上記ヘッド冷却通路に連通する連通路が複数設けられており、
    上記シリンダブロックの一端側及びその近傍に設けられた連通路の開口面積が比較的大きく設定されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のエンジンの冷却装置。
  4. 上記シリンダブロックが、ウォータジャケットの上部にデッキ部を備えたクローズドデッキタイプのブロックであり、上記デッキ部には、上記ブロック冷却通路に対応して、複数のガス抜き用の孔が形成されていることを特徴とする請求項1〜のいずれか一に記載のエンジンの冷却装置。
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