JP4458590B2 - ガイドブッシュ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、旋削加工中の棒材をその被加工部位近傍で支持するガイドブッシュに関する。さらに本発明は、そのようなガイドブッシュを備えた自動旋盤に関する。
【0002】
【従来の技術】
NC旋盤等の、種々の自動旋削加工を実施できる工作機械(以下、自動旋盤と総称する)の分野において、工具による加工作業位置の近傍で旋盤機台上に設置され、回転主軸に掴持された棒状の被加工素材(以下、棒材と称する)を、その先端の被加工部位の近傍で支持する補助支持装置としてのガイドブッシュが知られている。ガイドブッシュは、旋削加工中に棒材をその被加工部位に振れが生じないように支持し、それにより比較的細長い棒材から製品を高精度に加工成形することを可能にするものである。
【0003】
従来、この種のガイドブッシュでは、回転する棒材に対して固定的に配置される固定型のガイドブッシュと、棒材と共に回転する回転型のガイドブッシュとが、適宜選択して使用されている。固定型ガイドブッシュは、すり割り構造を有する棒材支持部を備え、棒材支持部の筒状の内周面がすべり軸受面として摺動式に棒材外周面を支持する。回転型ガイドブッシュは、同様にすり割り構造の棒材支持部を備え、棒材支持部の内周面を棒材外周面に実質的に接触させた状態で棒材と共に回転する。
【0004】
ところで、製品となる棒材先端の加工長さ部分を加工作業位置に供給するため、及び加工途上でそのような加工長さ部分の長手方向所望位置に工具刃先を配置するために、棒材を掴持した回転主軸が軸線方向へ移動する構成を有した自動旋盤は周知である。この自動旋盤では、ガイドブッシュは、固定型及び回転型のいずれの形式においても、棒材を心出し支持(すなわち棒材軸線を回転軸線に合致させる支持)した状態で、回転主軸の軸線方向移動により軸線方向へ送られる棒材を摺動可能に支持できることが要求される。そこで従来のガイドブッシュでは、加工作業開始前に、すり割り構造の棒材支持部を弾性変形させてその内周面の径寸法を加工対象の棒材の外径寸法に合わせて微調整し、棒材の心出し支持と軸線方向摺動支持との双方を達成できるようにしている。
【0005】
旋盤で加工される棒材として、所定径に引抜き加工された引抜き材をそのまま使用する場合と、引抜き材の外周面を研削加工して外径寸法精度を向上させた研削材を使用する場合とがある。一般に引抜き材は、そのままでは外径寸法精度が低く、1本の引抜き材における外径寸法の長手方向へのばらつきや、同一名目径の多数の引抜き材相互間の外径寸法のばらつきが大きいだけでなく、長手方向に沿ってうねりや曲がりを生じているものもある。これに対し研削材は、引抜き材に比較して高価ではあるが、このような寸法のばらつきが少なく、ガイドブッシュの棒材支持部の内径寸法を一旦調整すれば、研削材の全長に渡って高精度な心出し支持を実施できる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来、ガイドブッシュを備えた自動旋盤では、多様な外径寸法を有する異種棒材(丸棒、角棒)を高精度加工できるように、棒材支持部の内径寸法が異なる複数種類のガイドブッシュを用意し、棒材の外径寸法の変更に対応してガイドブッシュを交換していた。また、長時間の加工作業により棒材支持部の内周面が磨耗したときにも、ガイドブッシュの交換が必要となっていた。一般にガイドブッシュは、棒材支持部のすり割り構造やその内周面の耐磨耗性構造等の構造的要因から、それ自体比較的高価なものであり、したがって、在庫として多数のガイドブッシュを保管することにより、自動旋盤における製品の製造コストの削減が妨げられる懸念があった。
【0007】
また、ガイドブッシュを備えた自動旋盤において、棒材として前述した研削材を加工する場合、棒材の軸線方向送り時に、ガイドブッシュの棒材支持部の内周面と棒材の外周面との摺動接触に起因して、棒材の外周面にμm オーダの微小傷や曇りが生じることがある。研削材は通常、その外周面がそのまま製品の外周面として使用されるが、このような微小傷や曇りは製品の品質を劣化させるので、可及的に回避することが要求されている。
【0008】
本発明の目的は、自動旋盤に設置されるガイドブッシュにおいて、棒材支持部の内径寸法の変更や内周面の磨耗に対応すべく多数のガイドブッシュの在庫が必要な場合にも、自動旋盤における製品の製造コストへの影響を可及的に低減できるガイドブッシュを提供することにある。
本発明の他の目的は、自動旋盤に設置されるガイドブッシュにおいて、外径寸法精度の高い研削材を加工する場合に、棒材の軸線方向送りによって生じ得る棒材外周面の微小傷や曇りを可及的に削減して、高品質の製品を製造できるようにするガイドブッシュを提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、そのようなガイドブッシュを備えた高性能の自動旋盤を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、中空筒状の基部と、基部の軸線方向一端に隣接して設けられ、棒材を軸線方向送り可能に支持する中空筒状の棒材支持部とを具備するガイドブッシュにおいて、棒材支持部は、基部に一体的に連結される径方向へ弾性変形可能な外筒部分と、外筒部分の内側に着脱自在に取付けられる径方向へ弾性変形可能な内筒部材とを具備し、外筒部分は、基部から離れた前端側の開口端面と、開口端面から基部に至る範囲に周方向へ間隔を空けて形成される複数のスリットと、それらスリットを介して互いに周方向へ隣接して配置され、各々の基端で基部に一体的に連結されて基端を支点として径方向へ弾性変形できる複数の縦割片とを備え、それら縦割片の各々が、内面と、開口端面に沿って内面から径方向内方へ突出する爪とを有し、内筒部材は、外筒部分の複数の縦割片の内面に当接される外面を有して、内筒部材の全体が外筒部分に収容され、複数の縦割片の内面によって規定される外筒部分の内周面の内径寸法、複数の縦割片の爪によって規定される環状突縁の内径寸法、及び内筒部材の外面の外径寸法は、内筒部材を外筒部分の内部に押し込む間に、内筒部材の外面が複数の縦割片の爪を径方向外方へ押すことにより、複数の縦割片が全体として径方向外方へ弾性的に撓み、内筒部材の全体を外筒部分の内側に嵌入することにより、爪に負荷される径方向外方への押圧力が解除されて、複数の縦割片が弾性的に復元し、かつ、複数の縦割片の弾性復元力により、内筒部材が外筒部分の内側の所定位置に固定的に保持されるように、設定されていることを特徴とするガイドブッシュを提供する。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のガイドブッシュにおいて、内筒部材が、棒材を軸線方向送り可能に支持する内面と、内面から離れて放射状に形成され、外面に開口する複数のスリットとを有するガイドブッシュを提供する。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のガイドブッシュにおいて、外筒部分の開口端面に隣接する内筒部材の軸線方向端面を保護する保護部材が、外筒部分の内側に着脱自在に取付けられるガイドブッシュを提供する。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載のガイドブッシュにおいて、外筒部分に対する内筒部材の回転を阻止する回り止めを有するガイドブッシュを提供する。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載のガイドブッシュにおいて、外筒部分の、基部に一体的に連結される領域に、肉薄の蛇腹状連結部が設けられるガイドブッシュを提供する。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載のガイドブッシュにおいて、外筒部分は、爪から軸線方向へ離れた位置で径方向内方へ延設される肩面を備え、爪と肩面との間隔が、内筒部材の外面の軸線方向全長よりも長く設定されるガイドブッシュを提供する。
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか1項に記載のガイドブッシュを、棒材の加工作業位置近傍に設置してなる自動旋盤を提供する。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。図面において、同一又は類似の構成要素には共通の参照符号を付す。
図面を参照すると、図1〜図4は、本発明の第1の実施形態によるガイドブッシュ10を示す。ガイドブッシュ10は、自動旋盤において、回転主軸に掴持された棒材をその先端の被加工部位の近傍で支持する中空筒状の補助支持装置として、工具による加工作業位置の近傍で旋盤機台上に設置されるものであり、回転型ガイドブッシュ及び固定型ガイドブッシュのいずれにも適用できる。
【0014】
ガイドブッシュ10は、中空筒状の基部12と、基部12の軸線方向一端に隣接して設けられ、自動旋盤で加工される棒材を軸線方向送り可能に支持する中空筒状の棒材支持部14とを備える。基部12は、棒材支持部14から離れた後端側に、自動旋盤の旋盤機台上で回転主軸から送出された棒材を導入する開口端面12aを有し、開口端面12aに隣接して、棒材を非接触に受容する円筒状の内周面16と、外周面の雄ねじ部18とが形成される。
【0015】
棒材支持部14は、基部12に一体的に連結される径方向へ弾性変形可能な外筒部分20と、外筒部分20の内側に着脱自在に取付けられる径方向へ弾性変形可能な内筒部材22とを備えて構成される。図5及び図6に示すように、外筒部分20は、各々の基端24aで基部12に一体的に連結される複数(図示実施形態では6個)の縦割片24を有する。それら縦割片24は、外筒部分20の周方向へ等間隔に設けられる複数(図示実施形態では6個)のスリット26を介して、互いに周方向へ隣接して配置される。それらスリット26は、基部12から離れた前端側の外筒部分20の開口端面20aから基部12に至る範囲で、棒材支持部14の中心軸線14aに平行に、かつ中心軸線14aに関して放射状に形成される。それにより各縦割片24は、基端24aを支点として、外筒部分20の径方向へ板ばね状に弾性変形できるようになっている。
【0016】
外筒部分20を構成する6個の縦割片24は、弓形に湾曲する内面28をそれぞれに有し、それら内面28が互いに協働して、外筒部分20の実質的円筒状の内周面を構成する。全ての縦割片24が弾性変形していない状態で、それらの内面28によって規定される実質的円筒状の内周面は、内筒部材22の外径寸法よりも好ましくは僅かに小さい内径寸法を呈する。
【0017】
図7及び図8に示すように、内筒部材22は、外筒部分20の6個の縦割片24の内面28に当接される実質的円筒状の外面30と、棒材を軸線方向送り可能に支持する円筒状の内面32とを、その中心軸線22aに関して同心に有する円筒状部材である。内筒部材22はさらに、その外面30に沿って、周方向へ等間隔に設けられる複数(図示実施形態では6個)のスリット34を備える。それらスリット34は、内筒部材22の軸線方向全長に渡って外面30に開口するとともに、内面32から離れて(すなわち内面32に開口することなく)中心軸線22aに平行に、かつ中心軸線22aに関して放射状に形成される。その結果、内筒部材22には、複数(図示実施形態では6個)の扇形壁部分36と、それら扇形壁部分36をそれぞれの径方向内端で周方向へ一体的に相互連結する複数(図示実施形態では6個)の肉薄連結部分38とが形成される。
【0018】
このような構成を有する内筒部材22では、その外面30に径方向内方への押圧力が負荷されたときに、6個の肉薄連結部分38に応力が集中して、それら肉薄連結部分38がそれぞれ多様に弾性変形する。それに伴い、6個の扇形壁部分36は、隣合う扇形壁部分36が互いに接触するまでの範囲で、径方向内方へ僅かに変位する。それにより、内筒部材22の内面32は本来の円筒形状から歪みを生じ、結果として内筒部材22の実質的内径寸法が僅かに減少する。
【0019】
なお、内筒部材22の6個の扇形壁部分36は、内筒部材22の外面30に隣接して、中心軸線22aに略直交して延びる環状の軸線方向後端面40を規定し、各扇形壁部分36に、後端面40から内面32までテーパ状に延びる案内面42が形成される。それら案内面42は互いに協働して、ガイドブッシュ10の基部12に受容された棒材を、内筒部材22の内面32の内側に円滑に導入するように作用する。また、6個の扇形壁部分36によって規定される内筒部材22の環状の軸線方向前端面44は、外面30及び内面32の双方に隣接して、中心軸線22aに略直交して延びる。
【0020】
内筒部材22は、外筒部分20の6個の縦割片24の弾性を利用して、外筒部分20の内側の所定位置に固定的に保持される。詳述すれば、図5及び図6に示すように、外筒部分20の各縦割片24には、開口端面20aに沿って内面28から径方向内方へ僅かに突出する爪46が形成される。それら爪46は、互いに協働して実質的環状の突縁を形成する。6個の縦割片24が弾性変形していない状態で、それらの爪46によって規定される実質的環状の突縁は、内筒部材22の外面30の外径寸法よりも僅かに小さい内径寸法を呈する。
【0021】
外筒部分20の各縦割片24にはさらに、基端24aの近傍で内面28から径方向内方へ直立状に延設される肩面48が形成される。それら肩面48は、互いに協働して実質的環状面を形成する。6個の縦割片24が弾性変形していない状態で、それらの肩面48によって規定される実質的環状面は、内筒部材22の外面30の外径寸法よりも小さい内径寸法を呈し、それにより、内筒部材22が基部12内へ移動することを阻止する。各縦割片24の爪46と肩面48との間隔は、内筒部材22の外面30の軸線方向全長よりも僅かに長く設定される。
【0022】
内筒部材22を外筒部分20の内側に装着する際には、内筒部材22の後端面40の外縁領域を、外筒部分20の6個の縦割片24の爪46によって規定される実質的環状の突縁に当接し、その状態で、内筒部材22を外筒部分20の内部に押し込むようにする。それにより、外筒部分20の全ての縦割片24は、それらの爪46が内筒部材22の外面30によって径方向外方へ押され、全体として径方向外方へ弾性的に撓む。その後、内筒部材22の全体が外筒部分20の内側に嵌入されると、各縦割片24の爪46に負荷される径方向外方への押圧力が解除されて、各縦割片24が弾性的に復元するとともに、その弾性復元力により内筒部材22が、それら縦割片24の内面28によって規定される実質的円筒状の内周面の内側に固定的に保持される。内筒部材22が外筒部分20の内側の所定位置に保持されたときに、内筒部材22の中心軸線22aは、棒材支持部14の中心軸線14aに合致する(図1)。
【0023】
反対に、内筒部材22を外筒部分20から脱離する際には、例えば基部12の内側から内筒部材22の後端面40を外筒部分20の開口端面20aに接近する方向へ押圧する。それにより、外筒部分20の全ての縦割片24は、それらの爪46が内筒部材22の外面30によって径方向外方へ押され、全体として径方向外方へ弾性的に撓む。その結果、内筒部材22を外筒部分20の開口端面20aから押し出すことができる。
【0024】
外筒部分20の1つの縦割片24には、その内面28から径方向内方へ突出する突起50が形成される。これに対応して、内筒部材22の1つの扇形壁部分36には、外面30に沿って軸線方向へ直線状に延びる溝52が形成される。外筒部分20に内筒部材22を装着する際に、外筒部分20に設けた突起50は、内筒部材22に設けた溝52に軸線方向摺動可能に受容され、溝52と協働して、外筒部分20に対する内筒部材22の回転を阻止する回り止めとして作用する。図示実施形態では、外筒部分20の各スリット26と内筒部材22の各スリット34とが互いに径方向へ整列する位置で、内筒部材22が回転方向へ固定される(図3)。
【0025】
なお本発明では、外筒部分20の各スリット26と内筒部材22の各スリット34とは、図示実施形態の配置に限らず、周方向へ互いにずれて配置されてもよい。また、外筒部分20と内筒部材22とが所望の弾性変形を生じ得ることを前提条件として、外筒部分20のスリット26の個数と内筒部材22のスリット34の個数とは、互いに異なっていてもよく、また6個以外の様々な個数とすることもできる。
【0026】
内筒部材22を外筒部分20の内側の所定位置に保持した状態で、外筒部分20の6個の縦割片24に径方向内方への外力を加えると、各縦割片24が弾性変形すると同時に、各縦割片24の内面28に接触する内筒部材22の外面30に、各縦割片24から径方向内方への外力が負荷される。それにより前述したように、内筒部材22の各肉薄連結部分38が弾性変形して各扇形壁部分36が径方向内方へ僅かに変位し、結果として内筒部材22の実質的内径寸法が僅かに減少する。この状態から、各縦割片24への径方向外力を弱めると、各縦割片24が弾性復元し、それに伴い内筒部材22の各肉薄連結部分38が弾性復元して、内筒部材22の実質的内径寸法が僅かに増加する。このようにガイドブッシュ10では、棒材支持部14に径方向内方へ負荷する外力すなわち押圧力を調節することによって、内筒部材22すなわち棒材支持部14の実質的内径寸法を調節することができる。なお、棒材支持部14を構成する外筒部分20の各縦割片24の外周面には、径方向内方への外力を受けるためのテーパ面54が設けられる(図5)。
【0027】
図示実施形態では、内筒部材22の後端面40の外縁領域が、外筒部分20の6個の縦割片24の肩面48によって規定される実質的環状面に当接された時点で、内筒部材22の前端面44と各縦割片24の爪46との間には僅かな隙間が形成される。この隙間には、内筒部材22の前端面44を保護する環板状の保護部材56が着脱自在に嵌入される。図9及び図10に示すように、保護部材56は、その中心軸線56aに関して同心配置される円筒状の外周面58及び内周面60を有する。保護部材56の外周面58は、内筒部材22の外面30の径寸法と実質的同一の径寸法を有し、外周面58に隣接して、外筒部分20の6個の縦割片24の爪46に係合可能な切頭円錐状の外係合面62と、外係合面62の裏側で内筒部材22に係合可能な切頭円錐状の内係合面64とが形成される。また、保護部材56の内周面60は、内筒部材22の内面32の径寸法よりも僅かに大きな径寸法を有する。
【0028】
保護部材56は、内筒部材22と同様に、外筒部分20の6個の縦割片24の弾性を利用して、外筒部分20の内側の所定位置に固定的に保持される。すなわち、保護部材56の外周領域を、例えばその周方向所望部位から徐々に、内筒部材22の前端面44と各縦割片24の爪46との隙間に押し込むようにすると、各縦割片24が径方向外方へ押されて弾性変形した後、保護部材56の外周領域が隙間に嵌入された時点で、各縦割片24が弾性的に復元する。このとき、図11に拡大して示すように、保護部材56の外係合面62は、各縦割片24の爪46の内面46aに対面係合し、内係合面64は、内筒部材22の前端面44の切頭円錐状の外縁領域44aに対面係合する。その結果、保護部材56は、外筒部分20の6個の縦割片24の弾性復元力の下で、内筒部材22の前端面44と各縦割片24の爪46との間に固定的に保持される。それと共に、内筒部材22は、外筒部分20の各縦割片24の肩面48と保護部材56との間に固定的に保持される。
【0029】
なお、保護部材56が所定位置に保持されたときに、保護部材56の中心軸線56aは、棒材支持部14の中心軸線14aに合致する(図1)。また、前述したように外筒部分20の各縦割片24を径方向内方へ弾性変形させる際に、各縦割片24の弾性変形を保護部材56が妨害しないように、各縦割片24の内面28には、保護部材56の外周領域を受容可能な逃げ溝28aが、爪46の内面46aに隣接して凹設される(図11)。
【0030】
上記構成を有するガイドブッシュ10では、被加工素材としての棒材を軸線方向送り可能に支持する棒材支持部14が、基部12に一体的に連結される径方向へ弾性変形可能な外筒部分20と、外筒部分20の内側に着脱自在に取付けられる径方向へ弾性変形可能な内筒部材22とから構成されるので、支持対象の棒材外径寸法に対応して棒材支持部14の内径寸法を変更するときには、外筒部分20から内筒部材22を取り外して、内面32の径寸法が異なる他の内筒部材22に交換すればよい。したがって、ガイドブッシュ10を搭載した自動旋盤で多様な外径寸法を有する異種棒材(丸棒、角棒)を加工する際には、それら異種棒材に対応した異なる内径寸法を有する多種類の内筒部材22を用意し、基部12と外筒部分20とからなる部材をマスターガイドブッシュとして自動旋盤の旋盤機台に取付けたままで、内筒部材22のみを適宜交換することにより、異種棒材の高精度加工を順次実施できる。また、長時間の加工作業により内筒部材22の内面32が磨耗したときにも、マスターガイドブッシュは交換せずに、内筒部材22のみを適宜交換すればよい。このように、ガイドブッシュ10によれば、基部12と外筒部分20とからなるマスターガイドブッシュは、共用部品として使用するのでその在庫を減らすことができ、また比較的構造の単純な多種類の内筒部材22を在庫として保管しておけば、棒材支持部14の内径寸法の変更や内筒部材22の内面32の磨耗に対応できるので、自動旋盤における製品の製造コストへの影響を可及的に低減することができる。
【0031】
ガイドブッシュ10で棒材を軸線方向送り可能に心出し支持するためには、通常、棒材の外周面と内筒部材22の内面32との間に、μm オーダの微細な隙間を形成することが要求される。したがって、内筒部材22の内面32の径寸法は、対応の棒材の外径寸法よりも僅かに大きく設定される。そして、棒材の加工作業開始前に、ガイドブッシュ10の内筒部材22に棒材を挿入し、内筒部材22の内面32の径寸法を棒材の外径寸法に合わせて微調整することにより、μm オーダの所望の微細隙間を得る。このときガイドブッシュ10では、弾性変形可能な外筒部分20の内側に弾性変形可能な内筒部材22を取付けたので、前述したように外筒部分20の6個の縦割片24に径方向内方へ負荷する押圧力を調節することにより、内筒部材22の実質的内径寸法を微調整することができる。
【0032】
上記実施形態では、内筒部材22の内面32の径寸法が、外筒部分20の内面28の径寸法に比べてかなり小さいので、内筒部材22の弾性変形を容易にするために、その外面30に沿って6個のスリット34を形成している。これに対し、図12及び図13に示すように、上記した内筒部材22の内径寸法よりも大きな内径寸法を有する内筒部材22′は、その外面30′の径寸法(すなわち外筒部分20の内面28の径寸法)と内面32′の径寸法との差が小さく、比較的肉薄の円筒壁36′を有する構成となっているので、弾性変形を容易にするためのスリットが排除されている。このように、内筒部材22に設けるスリット34の個数及び寸法は、外筒部分20の内側で所望の弾性変形態様が得られるように、内筒部材22の材料や寸法に対応して適宜選択される。また、所望の弾性変形態様が得られることを前提に、スリット34以外の様々な空隙部分を内筒部材22の壁に設けることもできる。さらに、内筒部材22の内面32は、上記実施形態のような円筒面に限らず、棒材の外形に対応した多角柱状の内面32を採用することもできる。
【0033】
上記構成を有するガイドブッシュ10の内筒部材22、22′は、様々な材料から形成できる。例えば、軸受材料として「ターカイトB」の商品名で知られているフッ素樹脂系エンジニアリングプラスチック等の樹脂材料や、超鋼等の金属材料から、内筒部材22、22′を形成できる。特に、「ターカイトB」等の優れた自己潤滑性を有する材料から内筒部材22、22′を形成した場合には、ガイドブッシュ10に支持された棒材を軸線方向へ送る際に、内筒部材22の内面32と棒材の外周面とが摺動接触していても、棒材の外周面にμm オーダの微小傷や曇りが生じることを効果的に防止することができる。したがって、ガイドブッシュ10を搭載した自動旋盤で、棒材として外径寸法精度の高い研削材を加工する場合にも、棒材の軸線方向送りによって生じ得る棒材外周面の微小傷や曇りを可及的に削減して、高品質の製品を製造することが可能になる。
【0034】
次に図14を参照して、上記構成を有するガイドブッシュ10を組込んで備えた自動旋盤70の主要部分の構成を説明する。ガイドブッシュ10は、スリーブ部材72、軸受装置74及びフランジ部材76を介して、旋盤機台上に設定された工具78による加工作業位置の近傍で、機台上のコラム80に回転可能に設置される。ガイドブッシュ10は、スリーブ部材72の前端(図で左端)領域に軸線方向へ摺動可能にかつ相対回転不能に収納される。なお、ガイドブッシュの基部12の外周面には、スリーブ部材72に対する回転を係止するための回り止め(図示せず)を受容する溝18a(図3)が設けられる。
【0035】
スリーブ部材72の内周面前端には、ガイドブッシュ10の棒材支持部14の外周面に設けた複数のテーパ面54に接触可能な対応テーパ面82が形成される。スリーブ部材72の後端(図で右端)領域には、ガイドブッシュ10の基部12の外周面に設けた雄ねじ部18(図1)に螺合する雌ねじ部を有した調節ナット86が、軸線方向へ固定して回転可能に収納される。それにより、調節ナット86が回転すると、ガイドブッシュ10がスリーブ部材72内で軸線方向へ移動する。
【0036】
スリーブ部材72の外周面の後端領域には、キー88を介して被動歯車90が取付けられる。被動歯車90は、図示しない動力伝達機構を介して図示しないガイドブッシュ駆動源に連結され、ガイドブッシュ駆動源により、コラム80の後方に設置される回転主軸92の回転速度と同一の回転速度で回転駆動される。その結果、被動歯車90、調節ナット86、スリーブ部材72及びガイドブッシュ10が、フランジ部材76の内部で一体的に、回転主軸92の回転速度と同一の回転速度で回転する。
【0037】
フランジ部材76は、例えばボルト94によりコラム80に固定される。このように、ガイドブッシュ10、スリーブ部材72、フランジ部材76、調節ナット86及び被動歯車90は、予め組立てた回転型ガイドブッシュ装置として、自動旋盤70のコラム80の所定位置に取付けることができる。なお、ガイドブッシュ10を固定型ガイドブッシュ装置として使用する場合は、軸受装置74、被動歯車90、ガイドブッシュ駆動源等が省略される。
【0038】
回転主軸92は、旋削加工すべき棒材Wを掴持して、図示しない主軸駆動源により回転駆動される。回転主軸92は、コラム80の後方で、ガイドブッシュ10の回転軸線と回転主軸92の回転軸線とが互いに一致するようにして、軸線方向移動可能に設置される。回転主軸92の前端領域には、棒材Wを掴持可能な開閉式のチャック96が収容される。チャック96は、先端にすり割り部を有したいわゆるコレットチャックであり、すり割り部に径方向内方への外力すなわち押圧力が加わることにより、先端の棒材掴持孔98が縮径してチャック96が閉じ、棒材Wを強固に固定的に掴持するようになっている。すり割り部への径方向外力が解除されると、すり割り部が復元して棒材掴持孔98が拡径し、チャック96が開いて棒材Wを解放する。チャック96のすり割り部外周には、径方向内方への外力を受けるためのテーパ面100が設けられる。
【0039】
回転主軸92にはさらに、中空筒状の作動部材102が軸線方向へ移動可能に収容される。作動部材102はその前端領域にチャック96を収容し、チャック96の外周に設けたテーパ面100に当接可能な対応テーパ面104を前端に備える。図示しないチャック駆動源により、作動部材102を軸線方向前方(図で左方)へ移動することによって、対応テーパ面104がチャック96のテーパ面100に当接され、テーパ面100を介してチャック96のすり割り部に径方向内方への押圧力が加わり、チャック96が閉じられる。その状態から、作動部材102を軸線方向後方(図で右方)へ移動すれば、対応テーパ面104がチャック96のテーパ面100から脱離して、チャック96が開かれる。
【0040】
なお、回転主軸92の構成は上記に限定されるものではない。例えばチャック96の開閉作動機構として、チャック後端に連結した作動部材をチャックとともに軸線方向後方へ移動することにより、チャックのテーパ面に径方向内方への押圧力を加える構成を採用することもできる。
【0041】
上記構成を有する自動旋盤70において、研削材からなる棒材Wの加工作業を実施する際には、まず、ガイドブッシュ10の外筒部分20に、加工対象の棒材Wの外径寸法に対応する内径寸法を有した内筒部材22を選択して取付け、コラム80に搭載されたスリーブ部材72に装着する。次いで、外筒部分20に径方向内方への外力を加えない状態で、回転主軸92に掴持した棒材Wを回転主軸92の軸線方向移動により、ガイドブッシュ10の後方から内筒部材22に挿入する。その状態から、調節ナット86を回してガイドブッシュ10を軸線方向後方へ移動し、外筒部分20のテーパ面54をスリーブ部材72の対応テーパ面82に押付ける。それにより、外筒部分20の6個の縦割片24(図1)を弾性変形させるとともに、内筒部材22を弾性変形させて、内筒部材22の内面32と棒材Wの外周面との間にμm オーダの所望の微小隙間を形成する。ここで、ガイドブッシュ10の内筒部材22が、前述した「ターカイトB」等の優れた自己潤滑性を有する材料から形成される場合には、棒材送り時に相互接触面間に生じる摩擦抵抗が著しく小さくなるので、内筒部材22の内面32と棒材Wの外周面との間の隙間を実質的に排除することも可能である。
【0042】
このようにして、ガイドブッシュ10の内筒部材22の内面32の径寸法を調節した後、ガイドブッシュ10により棒材Wの被加工部位近傍を心出し支持しつつ、例えば工具78により旋削加工を実施する。ここで、ガイドブッシュ10の内筒部材22が、前述した「ターカイトB」等の優れた自己潤滑性を有する材料から形成される場合には、棒材送り時に棒材外周面に生じ得る微小傷や曇りを可及的に削減して、高品質の製品を製造することが可能になる。また、ガイドブッシュ10の前端に取付けた保護部材56は、棒材Wの切削加工中に飛散する切粉から、内筒部材22の前端面44を効果的に保護する。なお、ガイドブッシュ10の内筒部材22を交換する際には、調節ナット86を緩めてガイドブッシュ10をスリーブ部材72から取り外せばよい。
【0043】
ところで、ガイドブッシュ10では、上記した自動旋盤70の調節ナット86を回して外筒部分20のテーパ面54をスリーブ部材72の対応テーパ面82に押付けたときに、6個の縦割片24は、それぞれ片持ちばねの構造を有するので、外筒部分20の開口端面20a側でより大きく撓むことになる。それに伴い、内筒部材22の内面32の径寸法も、前端面44側が後端面40側よりも大きく縮小する。その結果、内筒部材22の内面32が前端面44近傍の局部的領域でのみ棒材Wを支持することになり、加工中の棒材Wの被加工部位の振れを完全には排除できない場合が生じる。
【0044】
図15及び図16は、このような縦割片24の片持ちばね構造に伴う懸念を排除できる本発明の第2の実施形態によるガイドブッシュ110を示す。ガイドブッシュ110は、外筒部分20の、基部12に一体的に連結される領域が、肉薄の蛇腹状構造を有する点以外は、前述した第1実施形態によるガイドブッシュ10と実質的同一の構成を有する。したがって、対応する構成要素には同一の参照符号を付して、その説明を省略する。
【0045】
ガイドブッシュ110では、外筒部分20を構成する各縦割片24の、基部12に一体的に連結される基端24aの隣接領域に、肉薄の蛇腹状連結部112が設けられる。それら蛇腹状連結部112は、ガイドブッシュ110の基部12の壁厚及び各縦割片24の内面28に対応する壁厚よりも肉薄であって、各々の軸線方向略中央を頂点として径方向外方へ膨出する形状を有する。したがって、ガイドブッシュ110に軸線方向引張力が負荷されると、6個の縦割片24の蛇腹状連結部112は弾性変形して、各々の外方膨出部分が径方向内方へ変位する。ガイドブッシュ110への軸線方向引張力が解除されると、それら蛇腹状連結部112は図示形状に弾性的に復元する。
【0046】
上記構成を有するガイドブッシュ110を自動旋盤70に搭載すれば、前述した調節ナット86を回して外筒部分20のテーパ面54をスリーブ部材72の対応テーパ面82に押付けたときに、ガイドブッシュ110に軸線方向引張力が負荷されるので、6個の縦割片24の蛇腹状連結部112が弾性変形して、各々の外方膨出部分が径方向内方へ変位する。このとき各縦割片24は、外筒部分20の開口端面20aに隣接する部分が径方向内方へ変位すると同時に、蛇腹状連結部112の径方向内方への変位挙動に追従して蛇腹状連結部112に隣接する部分が径方向内方へ変位する。したがって各縦割片24は、その内面28が可及的平行に変位することになり、それにより内筒部材22の外面30にその軸線方向全長に渡って実質的一様に押圧力を負荷する。その結果、内筒部材22の内面32の径寸法も軸線方向全長に渡って実質的一様に縮小するので、棒材Wを内面32全体で心出し支持することができ、以て、加工中の棒材Wの被加工部位の振れを可及的に排除することが可能になる。
【0047】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、ガイドブッシュの棒材支持部の内径寸法の変更や内周面の磨耗に対応すべく、多数のガイドブッシュの在庫が必要な場合にも、内筒部材のみを交換することができるので、自動旋盤における製品の製造コストへの影響を可及的に低減することが可能になる。また、内筒部材を自己潤滑性に優れた材料から作製すれば、棒材として外径寸法精度の高い研削材を加工する場合にも、棒材の軸線方向送りによって生じ得る棒材外周面の微小傷や曇りを可及的に削減して、高品質の製品を製造することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態によるガイドブッシュを、図2の線I−Iに沿った断面図で示す。
【図2】図1のガイドブッシュを矢印IIの方向から見た端面図である。
【図3】図1のガイドブッシュを矢印III の方向から見た端面図である。
【図4】図1のガイドブッシュの正面図である。
【図5】図1のガイドブッシュの基部及び外筒部分を、図6の線V−Vに沿った断面図で示す。
【図6】図5の基部及び外筒部分を矢印VIの方向から見た端面図である。
【図7】図1のガイドブッシュの内筒部材を、図8の線 VII−VII に沿った断面図で示す。
【図8】図7の内筒部材を矢印VIIIの方向から見た端面図である。
【図9】図1のガイドブッシュの保護部材を、図10の線IX−IXに沿った断面図で示す。
【図10】図9の保護部材を矢印Xの方向から見た端面図である。
【図11】図1のガイドブッシュの部分拡大断面図である。
【図12】変形例による内筒部材を、図13の線 XII−XII に沿った断面図で示す。
【図13】図12の内筒部材を矢印XIIIの方向から見た端面図である。
【図14】図1のガイドブッシュを搭載した自動旋盤の主要部を示す縦断面図である。
【図15】本発明の第2の実施形態によるガイドブッシュの、図1に対応する断面図である。
【図16】図15のガイドブッシュの正面図である。
【符号の説明】
10、110…ガイドブッシュ
12…基部
14…棒材支持部
20…外筒部分
22…内筒部材
24…縦割片
26、34…スリット
28、32…内面
30…外面
46…爪
48…肩面
50…突起
52…溝
56…保護部材
70…自動旋盤
92…回転主軸
112…蛇腹状連結部
Claims (7)
- 中空筒状の基部と、該基部の軸線方向一端に隣接して設けられ、棒材を軸線方向送り可能に支持する中空筒状の棒材支持部とを具備するガイドブッシュにおいて、
前記棒材支持部は、前記基部に一体的に連結される径方向へ弾性変形可能な外筒部分と、該外筒部分の内側に着脱自在に取付けられる径方向へ弾性変形可能な内筒部材とを具備し、
前記外筒部分は、前記基部から離れた前端側の開口端面と、該開口端面から前記基部に至る範囲に周方向へ間隔を空けて形成される複数のスリットと、それらスリットを介して互いに周方向へ隣接して配置され、各々の基端で前記基部に一体的に連結されて該基端を支点として径方向へ弾性変形できる複数の縦割片とを備え、それら縦割片の各々が、内面と、前記開口端面に沿って該内面から径方向内方へ突出する爪とを有し、
前記内筒部材は、前記外筒部分の前記複数の縦割片の前記内面に当接される外面を有して、前記内筒部材の全体が前記外筒部分に収容され、
前記複数の縦割片の前記内面によって規定される前記外筒部分の内周面の内径寸法、前記複数の縦割片の前記爪によって規定される環状突縁の内径寸法、及び前記内筒部材の前記外面の外径寸法は、
前記内筒部材を前記外筒部分の内部に押し込む間に、前記内筒部材の前記外面が前記複数の縦割片の前記爪を径方向外方へ押すことにより、前記複数の縦割片が全体として径方向外方へ弾性的に撓み、
前記内筒部材の全体を前記外筒部分の内側に嵌入することにより、前記爪に負荷される径方向外方への押圧力が解除されて、前記複数の縦割片が弾性的に復元し、かつ、
前記複数の縦割片の弾性復元力により、前記内筒部材が前記外筒部分の内側の所定位置に固定的に保持されるように、設定されていること、
を特徴とするガイドブッシュ。 - 前記内筒部材が、棒材を軸線方向送り可能に支持する内面と、該内面から離れて放射状に形成され、前記外面に開口する複数のスリットとを有する請求項1に記載のガイドブッシュ。
- 前記外筒部分の前記開口端面に隣接する前記内筒部材の軸線方向端面を保護する保護部材が、前記外筒部分の内側に着脱自在に取付けられる請求項1又は2に記載のガイドブッシュ。
- 前記外筒部分に対する前記内筒部材の回転を阻止する回り止めを有する請求項1〜3のいずれか1項に記載のガイドブッシュ。
- 前記外筒部分の、前記基部に一体的に連結される領域に、肉薄の蛇腹状連結部が設けられる請求項1〜4のいずれか1項に記載のガイドブッシュ。
- 前記外筒部分は、前記爪から軸線方向へ離れた位置で径方向内方へ延設される肩面を備え、前記爪と該肩面との間隔が、前記内筒部材の前記外面の軸線方向全長よりも長く設定される請求項1〜5のいずれか1項に記載のガイドブッシュ。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載のガイドブッシュを、棒材の加工作業位置近傍に設置してなる自動旋盤。
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