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JP4445983B2 - トナーの製造方法 - Google Patents

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JP4445983B2 JP2007178960A JP2007178960A JP4445983B2 JP 4445983 B2 JP4445983 B2 JP 4445983B2 JP 2007178960 A JP2007178960 A JP 2007178960A JP 2007178960 A JP2007178960 A JP 2007178960A JP 4445983 B2 JP4445983 B2 JP 4445983B2
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Description

本発明は、トナーの製造方法に関する。
潜像を顕像化するトナーは、種々の画像形成プロセスに用いられており、その一例として電子写真法が知られている。
電子写真方式の画像形成装置は、感光体と、感光体表面を帯電させる帯電手段と、帯電状態にある感光体表面に信号光を照射して画像情報に対応する静電潜像を形成する露光手段と、感光体表面に静電潜像に現像剤中のトナーを供給してトナー像を形成する現像手段と、感光体表面のトナー像を記録媒体に転写する転写ローラを備える転写手段と、トナー像を記録媒体に定着させる定着ローラを備える定着手段と、トナー像転写後の感光体表面を清浄化するクリーニング手段といった画像形成プロセスを含み、現像剤としてトナーを含む1成分現像剤またはトナーとキャリアとを含む2成分現像剤を用いて静電潜像を現像し、画像を形成する。電子写真方式の画像形成装置は、画質品位の良好な画像を高速でかつ安価に形成できるので、複写機、プリンタ、ファクシミリなどに利用され、最近における普及は目覚しいものがある。それに伴って、画像形成装置に対する要求は一層厳しくなっている。なかでも、画像形成装置によって形成される画像の高精細化、高解像化、画像品位の安定化、画像形成速度の高速化などが特に重視される。これらを達成するには、画像形成プロセスおよび現像剤の両面からの検討が必要不可欠になっている。
画像の高精細化、高解像化に関し、現像剤の面からは、静電潜像を忠実かつ精確に再現することが重要との観点から、トナー粒子の小径化が解決すべき課題の1つになる。トナー粒子は一般的にマトリックスである結着樹脂中に着色剤、離型剤としてのワックスなどが分散した樹脂粒子であり、一般的な小径化トナー粒子の製造方法では、結着樹脂中に分散するワックスの小径化が困難である。このため、製造された小径化トナー粒子から経時的にワックスがブリードアウトし、感光体へのフィルミングの原因になるという問題がある。また、トナー粒子表面に多量のワックスがブリードアウトし、特に高温になるとワックスが溶融して粘着性を有するようになる。その結果、トナーが記録媒体に転写または定着されずに、転写ローラ、定着ローラなどにトナーが付着するオフセット現象が非常に発生し易くなる。
ワックスを小径化する方法としては、たとえば、少なくとも熱可塑性樹脂100重量部およびワックス1〜7重量部を混合する混合工程と、該混合工程で得られる混合物を溶融混練する工程であって、溶融混練温度が(Tm−20)℃〜(Tm+20)℃(Tmは熱可塑性樹脂の溶融温度である)の範囲にあり、溶融混練後の溶融混練物の温度が(Tm+35)℃以下である溶融混練工程と、溶融混練工程で得られる溶融混練物を冷却して粉砕分級する粉砕分級工程を含むトナーの製造方法が提案される(たとえば、特許文献1参照)。また、トナー原料混合物を溶融混練し、得られる溶融混練物を冷却し、粉砕および分級するトナーの製造方法において、トナー原料混合物を、該トナー原料混合物を混練搬送するための混練搬送部材を内部に有するシリンダ部の出口に下方傾斜した滑り台状の排出部が連接されている混練押出装置を用いて溶融混練するトナーの製造方法が提案される(たとえば、特許文献2参照)。
これらの製造方法は、トナー粒子に含まれるワックスを小径化することによって、ワックスのブリードアウトに伴う感光体へのフィルミング、オフセット現象などの発生を防止しようとするものである。しかしながら、これらの方法は基本的には従来から知られる溶融混練法であるため、ワックスの小径化は達成できたとしても、トナー粒子自体の充分な小径化には寄与しない。したがって、得られるトナー粒子は、画像再現性、特に精細性および解像性の点で充分満足できるものではない。
一方、乳化分散手段と、導通路と、熱交換手段と、多段減圧手段とを含む乳化分散装置が提案される(たとえば、特許文献3参照)。乳化分散手段は、剪断力によって乳化用材料をマトリックスになる液体中に乳化・分散させて乳化液を調製する。導通路は、乳化分散手段によって得られる加圧された乳化液を多段減圧手段に供給する。熱交換手段は、導通路上に設けられて乳化液を冷却する。多段減圧手段は、導通路から供給される乳化液を大気圧中に排出しても突沸(バブリング)が発生しない圧力まで乳化液の圧力を減圧して排出する。この乳化分散装置では、まず、加圧下に液体中に乳化用材料を分散させることによって、乳化用材料が均一に分散した乳化液を調製する。次にこの乳化液の圧力を段階的に減圧し、最終的にバブリングが発生しない程度の圧力まで減圧する。これによって、乳化液中に分散する乳化用材料粒子の粗大化を防止し、粒子径の均一な乳化用材料粒子が分散した乳化液を得ようとする。この乳化分散装置によれば、多段減圧手段を備えることによって、乳化分散手段において高い剪断力を付与できるので、たとえば、水とオイルとのエマルジョンなどを容易に製造できる。しかしながら、この装置でトナー粒子を製造する場合には、粒径制御が困難であり、所望の小径化トナー粒子が得られないという問題がある。また、トナー粒子の小径化だけでなく、トナー粒子中にトナー粒子よりもさらに小径化されたワックスが均一に分散したトナーが得られることについては特許文献3には全く示唆がない。さらに、特許文献3には、この乳化分散装置をトナー粒子の製造に適用することについて記載がない。
特開平6−161153号公報 特開平9−277348号公報 国際公開第03/059497号パンフレット
本発明の目的は、画像再現性に優れ、高精細および高解像度の高品位画像を形成できるとともに、ワックスのブリードアウトに基因する感光体へのフィルミング、高温域でのオフセット現象などの発生が起こらないトナーの製造方法を提供することである。
本発明は、液体中にてトナー原料の溶融混練物を粉砕してトナー粗粉を含む粗粉スラリーを得る予備粉砕工程と、
予備粉砕工程で得られる粗粉スラリーを加熱加圧下で耐圧ノズルに通過させてトナー粗粉をさらに粉砕し、トナー粗粉よりも体積平均粒子径の小さいトナー微粉を含みかつ加熱加圧状態にある微粉スラリーを得る微粉砕工程と、
微粉砕工程で得られる微粉スラリーを、加圧加熱下でコイル状配管に流過させることで、微粉スラリー中に渦流を発生させてトナー微粉を凝集させるとともに、得られるトナー微粉の凝集物を粉砕して凝集物の粒度を調整する凝集粉砕工程と、
凝集粉砕工程で得られる微粉スラリーを冷却する冷却工程と、
冷却工程で冷却される微粉スラリーを減圧する減圧工程とを含み、
微粉砕工程では、前記耐圧ノズルとして、複数の液体流過路が長手方向に平行に形成された耐圧性の多重ノズルを用い、
予備粉砕工程では、回転自在に設けられる円筒状ステータ部材と、円筒状ステータ部材の内部において回転自在に設けられる円柱状ロータ部材とを含み、円筒状ステータ部材と円柱状ロータ部材との間隙が50μm以下であるコロイドミルを用い、トナー原料の溶融混練物と液体との混合物をコロイドミルにおける円筒状ステータ部材と円柱状ロータ部材との間隙に通過させることによってトナー粗粉の、下記式で表わされる変動係数が25〜45%になるようにトナー原料の溶融混練物を粉砕することを特徴とするトナーの製造方法である。
変動係数(%)=(体積粒度分布における標準偏差/体積平均粒子径)×100
また本発明のトナーの製造方法は、予備粉砕工程において、分散剤の非存在下にトナー原料の溶融混練物を粉砕することを特徴とする。
さらに本発明のトナーの製造方法は、予備粉砕工程において、粒径500μmを超えるトナー粗粉粒子を含まない粗粉スラリーを得ることを特徴とする。
さらに本発明のトナーの製造方法は、液体が水であることを特徴とする。
さらに本発明のトナーの製造方法は、予備粉砕工程と微粉砕工程との間に、予備粉砕工程で得られる粗粉スラリーに分散剤を添加する粗粉スラリー安定化工程を設けることを特徴とする。
さらに本発明のトナーの製造方法は、微粉スラリーを収容する容器と、容器内に設けられて容器に収容される微粉スラリーを撹拌する撹拌部材と、撹拌部材を囲むように設けられて厚み方向に貫通する複数の微粉スラリー流過孔が形成される2以上のスクリーン部材とを含む造粒装置を用いて、減圧工程後の微粉スラリーに含まれるトナー微粉を凝集させる凝集工程をさらに含むことを特徴とする。
本発明によれば、予備粉砕工程と、微粉砕工程と、凝集粉砕工程と、冷却工程と、減圧工程とを含むトナーの製造方法が提供される。予備粉砕工程では、液体中にてトナー原料の溶融混練物を粉砕してトナー粗粉を含む粗粉スラリーを得る。微粉砕工程では、予備粉砕工程で得られる粗粉スラリーを加熱加圧下で耐圧ノズルに通過させてトナー粗粉をさらに粉砕し、トナー粗粉よりも体積平均粒子径の小さいトナー微粉を含みかつ加熱加圧状態にある微粉スラリーを得る。凝集粉砕工程では、微粉砕工程で得られる微粉スラリーを、加圧加熱下でコイル状配管に流過させることで、微粉スラリー中に渦流を発生させてトナー微粉を凝集させるとともに、得られるトナー微粉の凝集物を粉砕して凝集物の粒度を調整する。冷却工程では、凝集粉砕工程で得られる微粉スラリーを冷却する。減圧工程では、冷却工程で冷却される微粉スラリーを減圧する。
また微粉砕工程では、前記耐圧ノズルとして、複数の液体流過路が長手方向に平行に形成された耐圧性の多重ノズルを用い、予備粉砕工程では、回転自在に設けられる円筒状ステータ部材と、円筒状ステータ部材の内部において回転自在に設けられる円柱状ロータ部材とを含み、円筒状ステータ部材と円柱状ロータ部材との間隙が50μm以下であるコロイドミルを用い、トナー原料の溶融混練物と液体との混合物をコロイドミルにおける円筒状ステータ部材と円柱状ロータ部材との間隙に通過させることによってトナー粗粉の、変動係数が25〜45%になるようにトナー原料の溶融混練物を粉砕する。
本発明の製造方法によれば、予備粉砕工程において、トナー原料の溶融混練物(以下特に断わらない限り単に「溶融混練物」とする)を乾式粉砕するのではなく、液体中にて湿式粉砕することが重要である。これによって、溶融混練物の粉砕物であるトナー粗粉表面に気泡が付着することが少なくなる。トナー粗粉表面に気泡が付着すると、微粉砕工程において耐圧ノズルを通過させて衝撃を付加して微粉化する際に、気泡が衝撃吸収材として機能し、トナー粗粉の微粒化が妨げられるという問題が発生する。このため、所望の小径化トナーを得るためには、微粉砕工程を繰り返し何度も実施する必要が生じる。微粉砕工程の繰り返しには長時間を要し、トナーの製造コストを増大させ、トナーの製品収率を低下させるとともに、得られるトナーの粒度分布幅を大きくする。これに対し、予備粉砕工程において溶融混練物を湿式粉砕する場合には、前述のように生成するトナー粗粉表面に気泡が付着し難いので、微粉砕工程の繰り返し回数を低減化させ得る。これによって、形状が揃い、粒径3.5〜6.5μm程度に小径化され、さらに粒度分布幅の狭いトナー粒子を、短い製造時間で安価に製造できる。また、微粉砕工程の後に冷却工程を設けることによって、小径化されたトナー粒子中に粒径30〜300nm程度に微粒化されたワックスが均一に分散する。
また、予備粉砕工程において、トナー粗粉の変動係数が25〜45%になるようにトナー原料の溶融混練物を均一粉砕することによって、微粒化工程に要する時間を短縮化し、かつ電力、燃料などのエネルギー減の使用量を一層低減化できる。
また、予備粉砕工程において、溶融混練物を粉砕する粉砕装置として、回転自在に設けられる円筒状ステータ部材と円筒状ステータ部材の内部において回転自在に設けられる円柱状ロータ部材とを含むコロイドミルを用いるのが好ましい。すなわち、トナー原料の溶融混練物と液体との混合物をコロイドミルにおける円筒状ステータ部材と円柱状ロータ部材との間隙に通過させることによって、トナー粗粉を効率良くかつ比較的短時間で得ることができ、トナー粗粉表面に付着する気泡数がより一層減少する。また、トナー粗粉の形状が揃い、粒度分布が狭くなる。
さらに、円筒状ステータ部材と円柱状ロータ部材との間隙を50μm以下、好ましくは40〜50μm(40μm以上、50μm以下)にすることによって、適度に小径化されたトナー粗粉が得られる。これは、微粉砕工程における耐圧ノズルの目詰まり防止などに有効である。
本発明によれば、予備粉砕工程において、分散剤の非存在下にトナー原料の溶融混練物を粉砕することによって、生成するトナー粗粉表面に付着する気泡の数が一層減少し、微粉砕工程におけるトナー粗粉の粉砕をさらに円滑に実施できる。湿式粉砕においては分散剤を使用し、被粉砕物の分散を促すことが一般的である。しかしながら、分散剤の存在下に溶融混練物を粉砕するためのシェアを付加すると、キャビテーションが起こって気泡が発生し、粉砕によって生成するトナー粗粉表面に付着する。気泡のうち、マクロな泡は脱気処理などによって除去できるが、ミクロな泡は完全に除去することはできない。トナー粗粉の表面にミクロな泡が付着した状態で、トナー粗粉が微粉砕工程に供されると、前述のようにミクロな泡が衝撃吸収材として作用し、トナー粗粉の粉砕効率が低下する。また、気泡がトナー粒子内部に入り込んで空洞を形成し、トナー粒子の耐久性が低下するおそれもある。予備粉砕工程において分散剤を添加しないことによって、微粉砕工程における粉砕効率が顕著に高まり、微粉砕工程の繰り返し回数をさらに低減化でき、形状および大きさが一層均一な小径化トナーを収率良く製造できる。したがって、この製造方法は、工業的規模にスケールアップに非常に有利である。
本発明によれば、予備粉砕工程において粒径500μmを超えるトナー粗粉粒子を含まない粗粉スラリーを得ることによって、微粉砕工程における耐圧ノズルのトナー粗粉による目詰まりなどを確実に防止できる。その結果、微粉砕工程が一層円滑に実行され、得られるトナー微粉の粒度分布の幅をさらに狭くできる。
本発明によれば、溶融混練物を湿式粉砕する液体として水を用いることによって、形状、大きさ、特性などが揃ったトナーを安定的に製造できる。また、他の液体を用いる場合に比べて作業者に対する安全性が高く、各工程における工程管理などを簡略化でき、トナー粒子製造後の廃液処理も比較的容易である。したがって、水を用いることによって、トナー粒子の生産性が向上し、低コスト化を図り得る。
本発明によれば、予備粉砕工程と微粉砕工程との間に、粗粉スラリー安定化工程を設けてもよい。粗粉スラリー安定化工程では、予備粉砕工程で得られる粗粉スラリーに分散剤を添加する。これによって、微粉砕工程を分散剤の存在下で実施できるので、耐圧ノズルの目詰まりなどがさらに防止され、粉砕効率が一層向上する。また、生成するトナー微粉の過度の凝集などが防止される。
本発明によれば、容器と、撹拌部材と、スクリーン部材とを含む造粒装置を用いることによっても、凝集剤などを用いることなく、加熱することなく、トナー微粉を凝集させることができる。前記造粒装置において、容器は減圧工程後の微粉スラリーを収容する。撹拌部材は容器内に収容される微粉スラリーを撹拌する。スクリーン部材は、撹拌部材を囲むように設けられて厚み方向に貫通する複数の微粉スラリー流過孔が形成される。この造粒装置を用いる方法でも、粒径および粒度分布の調整が容易であり、帯電性能その他の特性が整ったトナー粒子が得られる。
図1は、本発明の実施の第1形態であるトナーの製造方法を概略的に示すフローチャートである。本発明の製造方法は、予備粉砕工程S1と、微粉砕工程S2と、冷却工程S3と、減圧工程S4とを含む。なお、本発明の製造方法では、S1〜S4までの工程を1度だけ実施してもよく、S1〜S4までの工程を1度実施した後、S2〜S4までの工程を繰返し実施してもよい。
本発明の製造方法において、スタートS0ではトナー原料の溶融混練物を調製する。ここでトナー原料としては、結着樹脂、着色剤、離型剤(ワックス)、電荷制御剤などが挙げられる。結着樹脂としては、溶融状態で造粒可能であれば特に制限されず、公知のものを使用でき、たとえば、ポリエステル、アクリル樹脂、ポリウレタン、エポキシ樹脂などが挙げられる。
ポリエステルとしては公知のものを使用でき、多塩基酸と多価アルコールとの重縮合物などが挙げられる。多塩基酸としては、ポリエステル用モノマーとして知られるものを使用でき、たとえば、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族カルボン酸類、無水マレイン酸、フマル酸、琥珀酸、アルケニル無水琥珀酸、アジピン酸などの脂肪族カルボン酸類、これら多塩基酸のメチルエステル化物などが挙げられる。多塩基酸は1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。多価アルコールとしてもポリエステル用モノマーとして知られるものを使用でき、たとえば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリンなどの脂肪族多価アルコール類、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールAなどの脂環式多価アルコール類、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物などの芳香族系ジオール類などが挙げられる。多価アルコールは1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。多塩基酸と多価アルコールとの重縮合反応は常法に従って実施でき、たとえば、有機溶媒の存在下または非存在下および重縮合触媒の存在下に、多塩基酸と多価アルコールとを接触させることによって行われ、生成するポリエステルの酸価、軟化点などが所定の値になったところで終了する。これによって、ポリエステルが得られる。多塩基酸の一部に、多塩基酸のメチルエステル化物を用いると、脱メタノール重縮合反応が行われる。この重縮合反応において、多塩基酸と多価アルコールとの配合比、反応率などを適宜変更することによって、たとえば、ポリエステルの末端のカルボキシル基含有量を調整でき、ひいては得られるポリエステルの特性を変性できる。また、多塩基酸として無水トリメリット酸を用いると、ポリエステルの主鎖中にカルボキシル基を容易に導入することによっても、変性ポリエステルが得られる。
アクリル樹脂としても公知のものを使用でき、その中でも、酸性基含有アクリル樹脂を好ましく使用できる。酸性基含有アクリル樹脂は、たとえば、アクリル樹脂モノマーまたはアクリル樹脂モノマーとビニル系モノマーとを重合させるに際し、酸性基もしくは親水性基を含有するアクリル樹脂モノマーおよび/または酸性基もしくは親水性基を有するビニル系モノマーを併用することによって製造できる。アクリル樹脂モノマーとしては公知のものを使用でき、たとえば、置換基を有することのあるアクリル酸、置換基を有することのあるメタアクリル酸、置換基を有することのあるアクリル酸エステルおよび置換基を有することのあるメタアクリル酸エステルなどが挙げられる。アクリル樹脂モノマーは1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。ビニル系モノマーとしても公知のものを使用でき、たとえば、スチレン、α−メチルスチレン、臭化ビニル、塩化ビニル、酢酸ビニル、アクリロニトリルおよびメタアクリロニトリルなどが挙げられる。ビニル系モノマーは1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。重合は、一般的なラジカル開始剤を用い、溶液重合、懸濁重合および乳化重合などにより行われる。
ポリウレタンとしても公知のものを使用でき、その中でも、酸性基または塩基性基含有ポリウレタンを好ましく使用できる。酸性基または塩基性基含有ポリウレタンは、公知の方法に従って製造できる。たとえば、酸性基または塩基性基含有ジオール、ポリオールおよびポリイソシアネートを付加重合させればよい。酸性基または塩基性基含有ジオールとしては、たとえば、ジメチロールプロピオン酸およびN−メチルジエタノールアミンなどが挙げられる。ポリオールとしては、たとえば、ポリエチレングリコールなどのポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、アクリルポリオールおよびポリブタジエンポリオールなどが挙げられる。ポリイソシアネートとしては、たとえば、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートおよびイソホロンジイソシアネートなどが挙げられる。これら各成分はそれぞれ1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。
エポキシ樹脂としても公知のものを使用でき、その中でも、酸性基または塩基性基含有エポキシ系樹脂を好ましく使用できる。酸性基または塩基性基含有エポキシ樹脂は、たとえば、ベースになるエポキシ樹脂にアジピン酸および無水トリメリット酸などの多価カルボン酸またはジブチルアミン、エチレンジアミンなどのアミンを付加または付加重合させることによって製造できる。
これらの結着樹脂の中でも、ポリエステルが好ましい。ポリエステルは透明性に優れ、得られるトナー粒子に良好な粉体流動性、低温定着性および二次色再現性などを付与することができるので、カラートナーの結着樹脂に好適である。また、ポリエステルとアクリル樹脂とをグラフト化して用いてもよい。
また、造粒操作を容易に実施すること、着色剤との混練性並びに得られるトナー粒子の形状および大きさを均一にすることなどを考慮すると、軟化点が150℃以下の結着樹脂が好ましく、60〜150℃の結着樹脂が特に好ましい。その中でも、重量平均分子量が5000〜500000の結着樹脂が好ましい。結着樹脂は、1種を単独で使用でき、または、異なる2種以上を併用できる。さらに、同じ樹脂であっても、分子量、単量体組成などのいずれかがまたは全部が異なるものを複数種用いることができる。
なお、本発明の製造方法によってカプセルトナーを製造する場合、芯材になる結着樹脂と、外殻層を形成する結着樹脂とを使用する。
芯材になる結着樹脂は、スチレン系単量体、マレイン酸モノエステルおよびフマール酸モノエステル系単量体から選ばれる1種または2種以上を含むものが好ましい。スチレン系単量体を含む場合、単量体全量の30〜95重量%が好ましく、40〜95重量%が特に好ましい。マレイン酸モノエステルおよび/またはフマール酸モノエステル系単量体を含む場合、単量体全量の5〜70重量%が好ましく、5〜50重量%が特に好ましい。
芯材になる結着樹脂に含まれるスチレン系単量体としては、たとえば、スチレン、α−メチルスチレン、ハロゲン化スチレン、ビニルトルエン、4−スルホンアミドスチレン、4−スチレンスルホン酸、ジビニルベンゼンなどが挙げられる。マレイン酸モノエステル系単量体としては、たとえば、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジプロピル、マレイン酸ジブチル、マレイン酸ジペンチル、マレイン酸ジヘキシル、マレイン酸ヘプチル、マレイン酸オクチル、マレイン酸エチルブチル、マレイン酸エチルオクチル、マレイン酸ブチルオクチル、マレイン酸ブチルヘキシル、マレイン酸ペンチルオクチルなどが挙げられる。フマール酸モノエステル系単量体としては、たとえば、フマール酸ジエチル、フマール酸ジプロピル、フマール酸ジブチル、フマール酸ジペンチル、フマール酸ジヘキシル、フマール酸ヘプチル、フマール酸オクチル、フマール酸エチルブチル、フマール酸エチルオクチル、フマール酸ブチルオクチル、フマール酸ブチルヘキシル、フマール酸ペンチルオクチルなどが挙げられる。
さらに、芯材になる結着樹脂は、前記単量体のほかに、(メタ)アクリル酸エステル系単量体、(メタ)アクリルアミドアルキルスルホン酸系単量体、(メタ)アクリル系多官能性単量体、過酸化物系単量体などが挙げられる。(メタ)アクリル酸エステル系単量体としては、たとえば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸フルフリル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシルエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノメチルエステル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸2−クロロエチルなどが挙げられる。
(メタ)アクリルアミドアルキルスルホン酸系単量体としては、たとえば、アクリルアミドメチルスルホン酸、アクリルアミドエチルスルホン酸、アクリルアミドn−プロピルスルホン酸、アクリルアミドイソプロピルスルホン酸、アクリルアミドn−ブチルスルホン酸、アクリルアミドs−ブチルスルホン酸、アクルアミドt−ブチルスルホン酸、アクリルアミドペンタンスルホン酸、アクリルアミドヘキサンスルホン酸、アクリルアミドヘプタンスルホン酸、アクリルアミドオクタンスルホン酸、メタアクリルアミドメチルスルホン酸、メタアクリルアミドエチルスルホン酸、メタアクリルアミドn−プロピルスルホン酸、メタアクリルアミドイソプロピルスルホン酸、メタアクリルアミドn−ブチルスルホン酸、メタアクリルアミドs−ブチルスルホン酸、メタアクルアミドt−ブチルスルホン酸、メタアクリルアミドペンタンスルホン酸、メタアクリルアミドヘキサンスルホン酸、メタアクリルアミドヘプタンスルホン酸、メタアクリルアミドオクタンスルホン酸などが挙げられる。
(メタ)アクリル系多官能性単量体としては、たとえば、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクレート、1,6−ヘキサンジオールジアクレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール#400ジアクリレート、ポリエチレングリコール#600ジアクリレート、ポリプロピレンジアクリレート、N,N'−メチレンビスアクリルアミド、ペンタエリストールトリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールプロパントリアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタアクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタアクリレート、1,5−ペンタンジオールジメタアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタアクレート、1,6−ヘキサンジオールジメタアクレート、ジエチレングリコールジメタアクリレート、トリエチレングリコールジメタアクリレート、テトラエチレングリコールジメタアクリレート、ポリエチレングリコールジメタアクリレート、ポリエチレングリコール#400ジメタアクリレート、ポリエチレングリコール#600ジメタアクリレート、ポリプロピレンジメタアクリレート、N,N'−メチレンビスメタアクリルアミド、ペンタエリストールトリメタアクリレート、トリメチロールプロパントリメタアクリレート、テトラメチロールプロパントリメタアクリレート、1,4−ブタンジオールジメタアクリレート、2,2−ビス(4−メタアクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、メタアクリル酸アルミニウム、メタアクリル酸カルシウム、メタアクリル酸亜鉛、メタアクリル酸マグネシウムなどが挙げられる。
過酸化物系単量体としては、たとえば、t−ブチルペルオキシメタクリレート、t−ブチルペルオキシクロトネート、ジ(t−ブチルペルオキシ)フマレート、t−ブチルペルオキシアリルカーボネート、過トリメリット酸トリ−t−ブチルエステル、過トリメリット酸トリ−t−アミノエステル、過トリメリット酸トリ−t−ヘキシルエステル、過トリメリット酸トリ−t−1,1,3,3−テトラメチルブチルエステル、過トリメリット酸トリ−t−クミルエステル、過トリメリット酸トリ−t−(p−イソプロピル)クミルエステル、過トリメシン酸トリ−t−ブチルエステル、過トリメシン酸トリ−t−アミノエステル、過トリメシン酸トリ−t−ヘキシルエステル、過トリメシン酸トリ−t−1,1,3,3−テトラメチルブチルエステル、過トリメシン酸トリ−t−クミルエステル、過トリメシン酸トリ−t−(p−イソプロピル)クミルエステル、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ヘキシルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4,4−ジ−t−アミルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4,4−ジ−t−オクチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4,4−ジ−α−クミルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)ブタン、2,2−ビス(4,4−ジ−t−オクチルパーオキシシクロヘキシル)ブタンなどが挙げられる。
芯材になる結着樹脂は、前記単量体の1種または2種以上を2段重合により重合させたものであることが好ましい。2段重合は、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法などによって実施でき、その中でも溶液重合法が好ましい。2段重合によって得られる結着樹脂は、分子量分布曲線において、低分子側と高分子側とに少なくとも1つずつ極大値を有する。芯材中には、前述の結着樹脂とともに、たとえば、スチレン−アクリル系樹脂、ポリウレタン、スチレン−ブタジエン系樹脂、ポリエステル、エポキシなどが含まれていてもよい。
一方、外殻層は熱可塑性樹脂によって形成され、該熱可塑性樹脂としては、たとえば、ビニル系重合体、ポリエステル、エポキシ樹脂、ポリウレタンなどが挙げられる。このうち、ビニル系重合体、ポリエステルなどが好ましく、具体的には、たとえばスチレン−n−ブチルアクリレート共重合体、スチレン−メチルメタクリレート−n−ブチルメタクリレート共重合体、テレフタル酸−ビスフェノールAプロピレンオキサイド縮合体などが挙げられる。
着色剤としては、電子写真分野で常用される有機系染料、有機系顔料、無機系染料、無機系顔料などを使用できる。黒色の着色剤としては、たとえば、カーボンブラック、酸化銅、二酸化マンガン、アニリンブラック、活性炭、非磁性フェライト、磁性フェライトおよびマグネタイトなどが挙げられる。黄色の着色剤としては、たとえば、黄鉛、亜鉛黄、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、ミネラルファストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキ、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94およびC.I.ピグメントイエロー138などが挙げられる。
橙色の着色剤としては、たとえば、赤色黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダスレンブリリアントオレンジGK、C.I.ピグメントオレンジ31およびC.I.ピグメントオレンジ43などが挙げられる。
赤色の着色剤としては、たとえば、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀、カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウオッチングレッド、カルシウム塩、レーキレッドC、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3B、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178およびC.I.ピグメントレッド222などが挙げられる。紫色の着色剤としては、たとえば、マンガン紫、ファストバイオレットBおよびメチルバイオレットレーキなどが挙げられる。
青色の着色剤としては、たとえば、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダスレンブルーBC、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー16およびC.I.ピグメントブルー60などが挙げられる。緑色の着色剤としては、たとえば、クロムグリーン、酸化クロム、ピクメントグリーンB、マイカライトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンGおよびC.I.ピグメントグリーン7などが挙げられる。白色の着色剤としては、たとえば、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白および硫化亜鉛などの化合物が挙げられる。
着色剤は1種を単独で使用でき、または2種以上の異なる色のものを併用できる。また、同色であっても、2種以上を併用できる。結着樹脂と着色剤との使用割合は特に制限されないけれども、通常は結着樹脂100重量部に対する着色剤の使用量が好ましくは0.1〜20重量部、さらに好ましくは0.2〜10重量部である。
離型剤としてはこの分野で常用されるものを使用でき、たとえば、パラフィンワックスおよびその誘導体、マイクロクリスタリンワックスおよびその誘導体などの石油系ワックス、フィッシャートロプシュワックスおよびその誘導体、ポリオレフィンワックスおよびその誘導体、低分子量ポリプロピリンワックスおよびその誘導体、ポリオレフィン系重合体ワックス(低分子量ポリエチレンワックスなど)およびその誘導体などの炭化水素系合成ワックス、カルナバワックスおよびその誘導体、ライスワックスおよびその誘導体、キャンデリラワックスおよびその誘導体、木蝋などの植物系ワックス、蜜蝋、鯨蝋などの動物系ワックス、脂肪酸アミド、フェノール脂肪酸エステルなどの油脂系合成ワックス、長鎖カルボン酸およびその誘導体、長鎖アルコールおよびその誘導体、シリコーン系重合体、高級脂肪酸などが挙げられる。なお、誘導体には、酸化物、ビニル系モノマーとワックスとのブロック共重合物、ビニル系モノマーとワックスとのグラフト変性物などが含まれる。ワックスの使用量は特に制限されず広い範囲から適宜選択できるけれども、好ましくは、結着樹脂100重量部に対して0.2〜20重量部である。
電荷制御剤としてはこの分野で常用される正電荷制御用および負電荷制御用のものを使用できる。正電荷制御用の電荷制御剤としては、たとえば、ニグロシン染料、塩基性染料、四級アンモニウム塩、四級ホスホニウム塩、アミノピリン、ピリミジン化合物、多核ポリアミノ化合物、アミノシラン、ニグロシン染料およびその誘導体、トリフェニルメタン誘導体、グアニジン塩、アミジン塩などが挙げられる。負電荷制御用の電荷制御剤としては、オイルブラック、スピロンブラックなどの油溶性染料、含金属アゾ化合物、アゾ錯体染料、ナフテン酸金属塩、サリチル酸およびその誘導体の金属錯体および金属塩(金属はクロム、亜鉛、ジルコニウムなど)、脂肪酸石鹸、長鎖アルキルカルボン酸塩、樹脂酸石鹸などが挙げられる。電荷制御剤は1種を単独で使用できまたは必要に応じて2種以上を併用できる。電荷制御剤の使用量は特に制限されず広い範囲から適宜選択できるけれども、好ましくは、結着樹脂100重量部に対して0.5〜3重量部である。
さらにトナー原料は、必要に応じて、一般的なトナー用添加剤を含むことができる。
トナー原料の溶融混練物は、たとえば、各種トナー原料を混合機で乾式混合した後、結着樹脂の溶融温度以上の温度(通常は80〜200℃程度、好ましくは100〜150℃程度)に加熱しながら、溶融混練することにより製造できる。ここで混合機としては公知のものを使用でき、たとえば、ヘンシェルミキサ(商品名、三井鉱山(株)製)、スーパーミキサー(商品名、(株)カワタ製)、メカノミル(商品名、岡田精工(株)製)などのヘンシェルタイプの混合装置、オングミル(商品名、ホソカワミクロン(株)製)、ハイブリダイゼーションシステム(商品名、(株)奈良機械製作所製)、コスモシステム(商品名、川崎重工業(株)製)などが挙げられる。溶融混練には、二軸押し出し機、三本ロール、ラボブラストミルなどの一般的な混練機を使用できる。さらに具体的には、たとえば、TEM−100B(商品名、東芝機械(株)製)、PCM−65/87(商品名、(株)池貝製)などの1軸もしくは2軸の押出機、ニーディックス(商品名、三井鉱山(株)製)などのオープンロール方式のものが挙げられる。
[予備粉砕工程S1]
予備粉砕工程S1では、液体中にてトナー原料の溶融混練物(以下特に断わらない限り単に「溶融混練物」とする)を粉砕して、トナー粗粉を含む粗粉スラリーを調製する。予備粉砕工程S1では、具体的には、液体と溶融混練物との混合物に対して、湿式粉砕が可能な粉砕装置によって粉砕処理を施すことにより行われる。ここで、液体としては、トナー粗粉を溶解せずかつ均一に分散させ得る液体であれば特に制限されないけれども、工程管理の容易さ、全工程終了後の廃液処理などを考慮すると、水が好ましい。また、液体と溶融混練物との使用割合は特に制限されず、使用する粉砕装置に応じて、粉砕処理が円滑に進行する使用割合を適宜選択すればよい。粉砕装置としては、湿式粉砕が可能なものであれば特に制限されず、たとえば、振動ミル、自動乳鉢、サンドミル、ダイノーミル、コボールミル、アトライター、遊星ボールミル、ボールミル、コロイドミルなどが挙げられる。これらの中でも、コロイドミルが好ましい。
図2は、コロイドミル1の要部の構成を模式的に示す図面である。図2(a)はコロイドミル1の斜視図である。図2(b)はコロイドミル1の長手方向における断面図である。コロイドミル1は、ステータ部材2と、ロータ部材3とを含む。ステータ部材2は、鉛直方向に延びるように設けられる円筒状部材である。ステータ部材2の内周面2aにはやすり目である凹凸が形成される。ロータ部材3は、ステータ部材2の内部において、その外周面3aがステータ部材2の内周面2aに対して間隙を有して離隔し、かつ図示しない駆動手段によって軸線回りすなわち矢符4の方向に回転駆動可能に設けられる円柱状部材である。ロータ部材3の外周面3aには、ステータ部材2の内周面2aと同様に、やすり目である凹凸が形成される。また、ロータ部材3の鉛直方向における一端部3xは、鉛直方向に垂直な方向の断面径が鉛直方向下方に行くほど徐々に大きくなって他端部3yに繋がる。他端部3yは鉛直方向に垂直な方向の断面径がどの部分でも同じである。ロータ部材3がこのような形状を有することによって、ステータ部材2とロータ部材3との間隙が鉛直方向下方に行くほど徐々に狭まり、途中からは一定になる。ここで、ステータ部材2とロータ部材3の他端部3yとの間隙を間隙d1とする。
コロイドミル1において、ロータ部材3の回転下に、液体と溶融混練物との混合物をステータ部材2とロータ部材3との間隙に通過させることによって、溶融混練物が粉砕されてトナー粗粉が生成する。このとき、間隙d1は好ましくは50μm以下、さらに好ましくは40〜50μmに調整するのがよい。間隙d1をこの範囲に調整することによって、変動係数が好ましくは25〜45、さらに好ましくは25〜40であるトナー粗粉が得られる。このとき、トナー粗粉の体積平均粒子径は20〜100μm程度,好ましくは20〜70μm程度である。また、次工程である微粉砕工程S2において、耐圧ノズル内での目詰まりなどの発生が防止され、微粉砕を円滑に実施するために、粗粉スラリー中における粒径500μmを超えるトナー粗粉の含有量を低減化するのが好ましい。1つの目安としては、トナー粗粉の体積平均粒子径が100μm未満になるまで、前記間隙を通過させる粉砕を繰り返し行えば、粒径500μmを超えるトナー粗粉の含有量が次工程で支障を来たすほど多くない粗粉スラリーが得られる。このようにトナー粗粉の粒度分布を調整し、かつ粒径500μmを超えるトナー粗粉の量が低減化されるように粉砕することによって、次工程である微粉砕工程S2において、耐圧ノズル内での目詰まりなどの発生が防止され、微粉砕を円滑に実施できる。また、液体と溶融混練物との混合物の流速は特に制限されないが、好ましくは30〜70kg/h、さらに好ましくは45〜55kg/hである。また、液体と溶融混練物との混合物の間隙への流過は、通常は常温常圧下に行われるが、必要に応じて加圧下または減圧下および加熱下または冷却下に行ってもよい。コロイドミルとしては市販品を使用でき、たとえば、PUCコロイド・ミル60型(商品名、日本ボールバルブ(株)製)、ディスパミルD(商品名、ホソカワミクロン(株)製)などが挙げられる。これらの市販品では、ステータ部材と、ロータ部材の他端部との間隙は、たとえば、40〜200μmの範囲で調整可能である。
また、予備粉砕工程S1において、液体と溶融混練物との混合物には分散剤を添加しないことが好ましい。ここで、分散剤とはトナー粗粉を液体中において凝集などを起さずに安定的に分散させるために用いられる有機化合物である。分散剤を添加しないことによって、生成するトナー粗粉の表面に気泡が付着するのが防止され、次工程である微粉砕工程S2において、トナー粗粉を効率良く微粉砕できる。分散剤としては、トナーの製造技術の分野で従来から用いられるものが全て包含されるが、主に使用されるのは水溶性高分子分散剤である。水溶性高分子分散剤としては、たとえば、(メタ)アクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマール酸、マレイン酸、無水マレイン酸などのアクリル系単量体、アクリル酸β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸β−ヒドロキシエチル、アクリル酸β−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルなどの水酸基含有アクリル系単量体、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステルなどのエステル系単量体、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなどのビニルアルコール系単量体、ビニルアルコールとのエーテル類、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテルなどのビニルアルキルエーテル系単量体、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニルなどのビニルアルキルエステル系単量体、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンなどの芳香族ビニル系単量体、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、これらのメチロール化合物などのアミド系単量体、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのニトリル系単量体、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドなどの酸クロライド系単量体、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミンなどのビニル窒素含有複素環系単量体、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、メタクリル酸アリル、ジビニルベンゼンなどの架橋性単量体などから選ばれる1種または2種の親水性単量体を含む(メタ)アクリル系ポリマー、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステルなどのポリオキシエチレン系ポリマー、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース系ポリマー、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル硫酸カリウム、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンオレイルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンセチルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンオレイルフェニルエーテル硫酸アンモニウムなどのポリオキシアルキレンアルキルアリールエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸カリウム、ポリオキシエチレンオレイルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンセチルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンオレイルエーテル硫酸アンモニウムなどのポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩などが挙げられる。水溶性高分子分散剤は1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。
なお、予備粉砕工程S1で得られる粗粉スラリーを微粉砕工程S2に供する前に、粗粉スラリーに分散剤を添加してもよい。この工程を「粗粉スラリー安定化工程」とする。粗粉スラリーの状態で分散剤を添加しても、トナー粗粉の表面に気泡が付着し、微粉砕に悪影響を及ぼすおそれがない。分散剤の添加量は特に制限はないけれども、好ましくは水と分散剤との合計量の0.05〜10重量%、さらに好ましくは0.1〜3重量%である。この範囲で分散剤を添加することによって、微粉砕工程S2における微粉砕が円滑に進行する。また、カプセルトナーを製造する場合には、分散剤とともにメタノールを添加するのが好ましい。メタノールの添加量は特に制限されないけれども、好ましくは水とメタノールとの合計量の1〜5重量%である。粗粉スラリーと分散剤との混合は、一般的な混合機を用いて行われ、それによって分散剤を含む粗粉スラリーが得られる。粗粉スラリーと分散剤との混合は、加熱下、冷却下または室温下のいずれで実施してもよい。
[微粉砕工程S2]
微粉砕工程S2では、予備粉砕工程S1で得られる粗粉スラリーを加熱加圧下で耐圧ノズルに通過させてトナー粗粉をさらに粉砕し、トナー粗粉よりも体積平均粒子径の小さいトナー微粉を含みかつ加熱加圧状態にある微粉スラリーを調製する。なお、粗粉スラリーは耐圧ノズルを1度も通過していないスラリーであり、微粉スラリーは耐圧ノズルを少なくとも1度通過したスラリーである。
粗粉スラリーの加圧加熱条件は特に制限されないが、50〜250MPaに加圧されかつ50℃以上に加熱されるのが好ましく、50〜250MPaに加圧されかつ90℃以上に加熱されるのがさらに好ましく、50〜250MPaに加圧されかつ90〜Tm+25℃(Tm:フローテスターの1/2軟化温度)に加熱されるのが特に好ましい。50MPa未満では、せん断エネルギー小さくなり、小粒子径化が充分に出来ないおそれがある。250MPaを超えると、実際の生産ラインにおいて危険性が大きくなり過ぎ、現実的ではない。粗粉スラリーは、前記範囲の圧力および温度で耐圧ノズルの入口から耐圧ノズル内に導入される。耐圧ノズルは1つ設けてもよく、または複数設けてもよい。複数設けるのが好ましい。耐圧ノズルを複数設ける場合、2〜10個程度が適当である。また、耐圧ノズルを1つ設け、微粉スラリーを繰り返し耐圧ノズルに通してもよい。その場合、耐圧ノズルに通す回数は、2〜10回程度が好ましい。
耐圧ノズルとしては、液体流過が可能な一般的な耐圧ノズルを使用できるけれども、たとえば、液体流過路を複数有する多重ノズルを好ましく使用できる。多重ノズルの液体流過路は多重ノズルの軸心を中心とする同心円状に形成してもよく、または複数の液体流過路が多重ノズルの長手方向にほぼ平行に形成されたものでもよい。本発明の製造方法において使用する多重ノズルの一例としては、入口径および出口径0.05〜0.35mm程度、並びに長さ0.5〜5cmの液体流過路が1または複数、好ましくは1〜2程度形成されたものが挙げられる。また、図3に示す耐圧ノズル5も使用できる。図3は、耐圧ノズル5の構成を模式的に示す長手方向断面図である。耐圧ノズル5はその内部に液体流過路6を有し、液体流過路6は鉤状に屈曲し、矢符8の方向から流過路内に進入するトナー粗粉を含むスラリーが衝突する衝突壁7を少なくとも1つ有する。トナー粗粉を含むスラリーは衝突壁7に対してほぼ直角に衝突し、これによってトナー粗粉が粉砕され、トナー粗粉よりも体積平均粒子径の小さいトナー微粉となって耐圧ノズル5から排出される。
耐圧ノズルの出口から排出されるスラリーは、たとえば、体積平均粒子径0.4〜3.0μm程度のトナー微粉を含み、60〜Tm+60℃(Tmは前記に同じ)に加熱され、かつ10〜50MPa程度に加圧されている。
なお、本明細書において、体積平均粒子径および変動係数(CV値)は次のようにして求められる値である。電解液(商品名:ISOTON−II、ベックマン・コールター社製)50mlに、試料20mgおよびアルキルエーテル硫酸エステルナトリウム1mlを加え、超音波分散器により超音波周波数20kzで3分間分散処理して測定用試料を調製した。この測定用試料について、粒度分布測定装置(商品名:Multisizer2、ベックマン・コールター社製)を用い、アパーチャ径:100μm、測定粒子数:50000カウントの条件下に測定を行い、試料粒子の体積粒度分布から体積平均粒子径および体積粒度分布における標準偏差を求めた。変動係数(CV値、%)は、下記式に基づいて算出した。
CV値(%)=(体積粒度分布における標準偏差/体積平均粒子径)×100
[冷却工程S3]
冷却工程S3では、微粉砕工程S2で得られる加熱加圧状態にある微粉スラリーを冷却する。具体的には、たとえば、微粉砕工程S2において耐圧ノズルから排出される微粉スラリーを液体冷却機に導入することによって冷却する。冷却温度には制限はないけれども、1つの目安を挙げれば、たとえば、液温30℃以下まで冷却すると、該スラリーに付加される圧力は5〜80MPa程度に減圧される。
液体冷却機としては公知のものを使用でき、その中でも蛇管式冷却機のように冷却面積の大きい液体冷却機が好ましい。また、冷却機入口から冷却機出口に向けて、冷却勾配が小さくなるように(または冷却能力が低くなるように)構成するのが好ましい。これによって、ワックスの微小化、微小化されたワックスのトナー粒子内での均一分散などが一層効率的に達成される。また、トナー微粉同士の再付着による粗大化を防止し、小径化トナー粒子の収率を向上させ得る。冷却機は1つ設けてもよくまたは複数設けてもよい。
微粉砕工程S2において耐圧ノズルから排出される微粉スラリーは、たとえば、冷却機入口から冷却機内部に導入され、冷却勾配を有する冷却機内部での冷却を受け、冷却機出口から排出される。
[減圧工程S4]
減圧工程S4では、冷却工程S3で得られる微粉スラリーに付加される圧力を、バブリング(泡の発生)が起こらない程度の圧力まで減圧する。冷却工程S3から減圧工程S4に供給される微粉スラリーは、5〜80MPa程度に加圧された状態にある。減圧工程では、徐々に段階的に減圧されるように操作するのが好ましい。この減圧操作には、国際公開第03/059497号パンフレットに記載の多段減圧装置を用いるのが好ましい。
前記多段減圧装置は、入口通路と、出口通路と、多段減圧手段とを含む。入口通路は、加圧された微粉スラリーを多段減圧装置内に導入する。出口通路は、入口通路に連通するように設けられ、減圧された微粉スラリーを多段減圧装置の外部に排出する。多段減圧手段は、入口通路と出口通路との間に設けられて、2以上の減圧部材と減圧部材を連結する連結部材とを含む。隣り合う減圧部材は連結部材を介して連結される。減圧部材としては、たとえば、パイプ状部材が挙げられる。連結部材としては、たとえば、リング状シールが挙げられる。内径の異なる複数のパイプ状部材をリング状シールにて連結することによって多段減圧手段が構成される。たとえば、入口通路から出口通路に向けて、同じ内径を有するパイプ状部材を2〜4個連結し、次にこれらよりも2倍程度内径の大きなパイプ状部材を1個連結し、さらに、2倍程度内径の大きいパイプ状部材よりも5〜20%程度内径の小さいパイプ状部材を1〜3個程度連結することによって、パイプ状部材内を流過する微粉スラリーが徐々に減圧され、最終的にはバブリングが起こらない程度の圧力、好ましくは大気圧まで減圧される。多段減圧装置は1つ設けてもよくまたは複数設けてもよい。多段減圧手段の周囲に冷媒または熱媒を用いる熱交換手段を設け、微粉スラリーに付加される圧力値に応じて、冷却または加熱を行ってもよい。
なお、冷却工程S3における冷却機の排出口と、減圧工程S4における多段減圧装置の入口通路の受入口とは耐圧性配管によって連接される。耐圧性配管上に供給ポンプおよび供給バルブを設けることによって、微粉スラリーが冷却工程S3から減圧工程S4における多段減圧装置の入口通路に導入される。
本発明の製造方法では、減圧装置として、図4に示す減圧ノズル10を使用してもよい。図4は、減圧ノズル10の構成を模式的に示す長手方向断面図である。減圧ノズル10には、その内部を長手方向に貫通する流路11が形成される。微粉スラリーは、流路11の入口11aから流路11内部に導入され、流路11の出口11bから流路11外部に排出される。流路11は、入口径が出口径よりも大きくなるように形成される。さらに、流路11は、微粉スラリーの流過方向である矢符12の方向に垂直な方向の断面が、入口11aから出口11bに近づくにつれて徐々に小さくなり、かつ該断面の中心(軸線)が矢符12の方向に平行な同一軸線(減圧ノズル10の軸線)上に存在する。減圧ノズル10によれば、加圧加熱状態にある粗粉スラリーが入口11aから流路11内に導入され、減圧された後、出口11bから排出される。このような減圧ノズル10は1または複数を設けることができる。複数設ける場合は、直列に設けてもよく、並列に設けてもよい。
冷却工程S3および減圧工程S4において、トナー微粉同士が適度に凝集して融着し、小径化トナー粒子が形成される。したがって、減圧工程S4終了後のスラリーは、主に小径化トナー粒子を含む。小径化トナー粒子は、濾過、遠心分離などの一般的な分離手段によってスラリー中から単離され、必要に応じて純水、イオン水などで洗浄された後、乾燥し、分級することによって、粒径が3.5〜6.5μm程度である本発明の小径化トナーが得られる。
また、本発明の製造方法では、微粉砕工程S2と冷却工程S3との間に、凝集粉砕工程を設けてもよい。凝集粉砕工程を設けることによって、トナー微粉の凝集体として得られる本発明のトナーにおいて、形状の均一化がさらに進み、かつ粒度分布の幅が一層狭くなり、帯電特性が一層均一になる。凝集粉砕工程では、微粉砕工程S2で得られる微粉スラリー中に渦流を発生させてトナー微粉を凝集させるとともに、得られるトナー微粉の凝集物を粉砕して凝集物の粒度調整を実施する。微粉スラリー中に渦流を発生させる方法としては、たとえば、微粉スラリーを加圧加熱下にコイル状配管に流過させる方法が挙げられる。
微粉スラリーは、好ましくはトナー微粉のガラス転移温度〜トナー微粉の軟化温度(℃)、さらに好ましくは60〜90℃に加熱され、かつ好ましくは5〜100MPa、さらに好ましくは5〜20MPaに加圧される。加熱温度がトナー微粉のガラス転移温度未満では、トナー微粉の凝集が起こり難くなり、凝集粒子の収量が低下するおそれがある。加熱温度がトナー微粉の軟化温度を超えると、過凝集が起こり、粒径制御が困難になる。圧力が5MPa未満では、微粉スラリーをコイル状配管内で円滑に流過させ得ない。加圧圧力が100MPaを超えると、トナー微粉の凝集が非常に起こり難くなる。
微粉スラリーを流過させるコイル状配管は、内部に流路を有するパイプ状配管がコイル状または螺旋状に巻かれた部材である。コイル状配管のコイル巻き数は、好ましくは1〜200、さらに好ましくは5〜80、特に好ましくは20〜60である。コイル巻き数が1未満では、トナー微粉の凝集ではなく、凝集が成長して適度な粒径になった凝集粒子がさらに凝集し、粗大粒子が生成する。コイル巻き数が200を超えると、遠心力を付加される時間が長くなるので、粒径制御が困難になる。その結果、適度な粒径を有する凝集粒子の収率が低下する。コイル巻き数が20〜60の範囲にあれば、粒径制御が特に容易であり、形状および粒径の揃った凝集粒子を収率良く得ることができる。また、1個のコイルにおけるコイル半径は特に制限されないけれども、好ましくは25〜200mm、特に好ましくは30〜80mmである。コイル半径が25mm未満では、コイル状配管の流路内で角速度が支配的になり、トナー微粉が流路の内壁面およびその近傍に安定的に偏在する傾向がある。その結果、トナー微粉の過凝集が起こり易くなり、粒径制御が困難になり、適度の粒径を有する凝集粒子の収率が低下する。コイル半径が200mmを超えると、流路内で遠心力が大きくなって乱流が発生し難くなり、トナー微粉同士が衝突する機会が減少し、トナー微粉の凝集が起こり難くなる。したがって、粒径制御が困難になり、適度な粒径を有する凝集粒子の収量が低下する。
微粉スラリーが加熱加圧状態でコイル状配管を流過することによって、凝集が起こる理由は充分明らかではないけれども、次のように考えられる。微粉スラリーは、直線状配管の流路内では層流を形成して流過する。層流では、流路の中心には粒径の大きな粒子がほぼ整列して流れ、流路の内壁面近傍には粒径の小さな粒子がほぼ整列して流れる。この時は、流れに乱れがないので、粒子同士が衝突することは少なく、凝集はほとんど起こらない。これに対し、微粉スラリーがパイプ状配管の流路内に導入されると、流路の内壁面近傍では流路の外方へ向う遠心力が強くなる。これに対し、流路の中心では遠心力と剪断力とが掛かることによって乱流(渦流)が発生する。粒径の大きい粒子は遠心力によって流路の内壁面近傍に集まり、遠心力が強いことから不規則な挙動を示すことなくほぼ整列して流過し、粒子同士の衝突も少なく、凝集は起こり難い。一方、トナー微粉のような粒径(または質量)の小さい粒子は流路の中心部分において渦流に巻き込まれながら流過するので、粒子同士の衝突回数が増加し、凝集が頻発する。そして、凝集粒子が適度な大きさになると、該凝集粒子は遠心力によって流路の内壁面近傍に移動するので、中心部分においても過凝集が発生し難い。また、一部の粒子が粗大粒子に成長しても、粒子同士の衝突、流路内壁面との衝突などによって適度な粒径の凝集粒子に粉砕される。このようにして、トナー微粉のみをほぼ選択的に凝集させ得る。
凝集粉砕工程において、微粉スラリーにはカチオン系分散剤を添加してもよい。カチオン系分散剤の添加によって、微粉スラリーにおけるトナー微粉の分散性が低下する。この状態でパイプ状配管を微粉スラリーが流過することによって、トナー微粉の凝集が無理なく円滑に進行し、形状および粒子径のばらつきが少ない凝集粒子が得られる。すなわち、本発明では、カチオン系分散剤は凝集剤として作用する。カチオン系分散剤としては公知のものを使用できるけれども、たとえば、アルキルトリメチルアンモニウム型カチオン系分散剤、アルキルアミドアミン型カチオン系分散剤、アルキルジメチルベンジルアンモニウム型カチオン系分散剤、カチオン化多糖型カチオン系分散剤、アルキルベタイン型カチオン系分散剤、アルキルアミドベタイン型カチオン系分散剤、スルホベタイン型カチオン系分散剤、アミンオキサイド型カチオン系分散剤などが好ましい。これらの中でも、アルキルトリメチルアンモニウム型カチオン系分散剤がさらに好ましい。アルキルトリメチルアンモニウム型カチオン系分散剤の具体例としては、たとえば、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化トリ(ポリオキシエチレン)ステアリルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウムなどが挙げられる。カチオン系分散剤は1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。カチオン系分散剤は、たとえば、混在スラリーに添加して用いられる。カチオン系分散剤の添加量は特に制限されず広い範囲から適宜選択できるけれども、好ましくは微粉スラリー全量の0.1〜5重量%である。添加量が0.1重量%未満では、トナー微粉の分散性を弱める能力が不充分になり、トナー微粉の凝集が不充分になるおそれがある。添加量が5重量%を超えると、カチオン系分散剤の分散効果が発現するようになり、凝集が不充分になるおそれがある。
さらに、凝集粉砕工程において、微粉スラリーには、カチオン系分散剤とともにアニオン系分散剤を添加してもよい。アニオン系分散剤は、トナー微粉のマトリックス成分である合成樹脂が自己分散型樹脂以外の樹脂である場合に、微粉スラリーに添加するのが好ましい。アニオン系分散剤はトナー微粉の水中での分散性を向上させる。したがって、微粉スラリーにアニオン系分散剤を添加しておき、さらにカチオン性分散剤を添加することによって、トナー微粉の凝集が円滑に進行するとともに過凝集の発生が防止され、粒度分布幅の狭い凝集粒子を収率良く製造できる。なお、アニオン系分散剤は粗粉スラリーを調製する段階で、粗粉スラリーに添加しても良い。アニオン系分散剤としては公知のものを使用できるけれども、スルホン酸型アニオン系分散剤、硫酸エステル型アニオン系分散剤、ポリオキシエチレンエーテル型アニオン系分散剤、リン酸エステル型アニオン系分散剤、ポリアクリル酸塩などが挙げられる。アニオン系分散剤の具体例としては、たとえば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリオキシエチレンフェニルエーテルなどを好ましくは使用できる。アニオン系分散剤は1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。アニオン系分散剤の添加量は特に制限されないけれども、好ましくは微粉スラリー全量の0.1〜5重量%である。0.1重量%未満ではアニオン系分散剤によるトナー微粉の分散効果が不充分になり、過凝集が起こるおそれがある。5重量%を超えて添加しても分散効果はそれ以上向上せず、却って微粉スラリーの粘性が高くなることによってトナー微粉の分散性が低下する。その結果過凝集が起こるおそれがある。また、カチオン系分散剤とアニオン系分散剤との使用割合は特に制限されず、カチオン系分散剤の使用によってアニオン系分散剤の分散効果が低下する使用割合であれば特に制限されない。ただし、凝集粒子の粒径制御の容易性、凝集の起こり易さ、過凝集の発生防止、凝集粒子の粒度分布幅のさらなる狭小化などを考慮すると、アニオン系分散剤とカチオン系分散剤とを、重量比で、好ましくは10:1〜1:10、さらに好ましくは10:1〜1:3、特に好ましくは5:1〜1:2の割合で用いるのがよい。
また、本発明の製造方法では、減圧工程S4の後に、凝集工程を設けてもよい。凝集工程を設けることによって、トナー微粉の凝集体として得られる本発明のトナーにおいて、形状の均一化がさらに進み、かつ粒度分布の幅が一層狭くなり、帯電特性が一層均一になる。凝集工程では、容器と、撹拌手段と、複数のスクリーン部材とを含む造粒装置を用いて、減圧工程S4を経た微粉スラリーを処理し、微粉スラリーに含まれるトナー微粉を凝集させる。容器は微粉スラリーを収容する。撹拌部材は、前記容器内に設けられて容器内に収容される微粉スラリーを撹拌する。スクリーン部材は撹拌部材を囲むように設けられて、厚み方向に貫通する複数の微粉スラリー流過孔が形成される。造粒装置の具体例としては、図5に示す造粒装置100が挙げられる。図5は、造粒装置100の構成を模式的に示す断面図である。図6は、図5に示す造粒装置100に含まれる撹拌手段3を切断面線VI−VIから見た断面図である。造粒装置100は、撹拌容器21と、撹拌手段23と、スクリーン部材27とを含む。
撹拌容器21は、鉛直方向上方に向けて開口する円筒状の有底容器部材であり、微粉スラリー22を収容する。本実施の形態では、撹拌容器21は大気開放型のバッチ式容器である。また本実施の形態では、撹拌容器21の内径Dは10.5cmである。本実施の形態では、撹拌容器21として大気開放型のバッチ式容器を用いるけれども、これに限定されることなく、密閉連続式(インライン式)の流通式容器を用いてもよい。撹拌容器21は、図示しない加熱手段によって加熱され、これによって微粉スラリー22の液温を60〜100℃に加熱する。
撹拌手段23は、撹拌容器21内に配置される。本実施の形態の撹拌手段23は、微粉スラリー22中のトナー微粉を凝集させるときに、撹拌容器21内に収容される微粉スラリー22を高速回転で撹拌することによって、トナー微粉の凝集体である凝集粒子の粒径を均一化する撹拌手段23は、第1カバープレート24と、第2カバープレート25と、インペラ26とを含む。
第1カバープレート24は円板状部材であり、円板の中心部には、厚み方向に貫通し、後述する第1スクリーン部材28aの内径よりも小さい径を有する円形のスラリー流入孔30が形成される。第1カバープレート24の周縁部近傍には、円周方向に図示しない3つのボルト穴が形成される。また第1カバープレート24の厚み方向における一方の面には、第1カバープレート24の円周方向に延びる3つの円形状の凹所が互いに同じ間隔をあけて形成される。この凹所に、略円筒形状を有する第1、第2および第3スクリーン部材28a,28b,28cの軸方向一端部を嵌入させることによって、第1、第2および第3スクリーン部材28a,28b,28cが、第1カバープレート24により支持される。
第2カバープレート25は、第1カバープレート24と等しい外径を有する円板状部材であり、円板の中心部には、インペラ26の回転軸31を挿通するための図示しない軸穴が形成される。第2カバープレート25の周縁部近傍には、第1カバープレート24と同様に、円周方向に図示しない3つのボルト穴が形成される。また第2カバープレート25の厚み方向における第1カバープレート24を臨む面には、第2カバープレート25の円周方向に延びる3つの円形状の凹所が互いに同じ間隔をあけて形成される。この凹所に、円筒形状を有する第1、第2および第3スクリーン部材28a,28b,28cの軸方向他端部を嵌入させることによって、第1、第2および第3スクリーン部材28a,28b,28cが第2カバープレート25によって支持される。
第1カバープレート24と第2カバープレート25とは、各ボルト穴と嵌合または螺合する3本のボルト32によって、第1カバープレート24と第2カバープレート25の中心軸方向に所定の距離を隔てて連結される。これによって、第1カバープレート24と第2カバープレート25との間に、プレート間空間部33が形成される。
インペラ26は、撹拌容器21内の微粉スラリー22を撹拌する高速回転式の撹拌部材であり、回転軸31と撹拌翼34とを含む。インペラ26は、スラリー流入孔30の中心軸線と、回転軸31の軸線とが一致するように設けられる。また本実施の形態では、インペラ26は、その回転軸31の軸線の延びる方向と鉛直方向とがほぼ一致するように設けられる。回転軸31は、図示しない駆動手段によってその軸線回りに回転駆動可能に設けられる。駆動手段は、たとえば、モータと、モータに駆動用電力を供給する電源とを含む。撹拌翼34は回転軸31を介して対向しかつ回転軸31によって支持される4枚の長方形状の板状部材を含み、回転軸31の回転に伴って回転する。撹拌翼34は、それぞれ、回転軸31の軸線を中心にする仮想円において、回転軸31によって支持される部分から半径方向に延びるように設けられる。また、撹拌翼34は、前記仮想円における半径方向において、撹拌翼34の回転軸31に支持される側とは反対側の端面34aが第1スクリーン部材28aの内壁面を臨み、該内壁面に対して間隙を有して離隔するように設けられる。また、本実施の形態では、1つの撹拌翼34における端面34aから、前記撹拌翼34と回転軸31を介して対向する撹拌翼34における端面34aまでの幅寸法Wが2.4cmである。また、撹拌翼34の鉛直方向(長手方向)の長さ(高さ寸法)hが1.3cmである。幅寸法Wおよび/または高さ寸法hは撹拌容器21の大きさなどに応じて適宜決定されるが、幅寸法Wが撹拌容器21における内部底面の直径の6分の1〜3分の1にするのが好ましい。撹拌翼14の先端速度(以下「撹拌翼先端速度」とする)は、微粉スラリー22中のトナー微粉に含まれるトナー原料の種類、微粉スラリー22の量、撹拌容器21の大きさなどに応じて適宜選択するのがよい。撹拌翼先端速度を適切な範囲に設定することによって、気泡の発生量を低減化してトナー微粉の過凝集による粗大化を抑制しつつ、トナー微粉の凝集が適度に進行するように樹脂スラリー2を撹拌できる。
スクリーン部材27は、インペラ26を囲むように設けられる。これによって、撹拌容器21内に収容される微粉スラリー22中に渦流が発生し、微粉スラリー22が空気をかみ込むのが防止される。すなわち、流体に接する気相を連続的に取り込むことにより生じる大きな気体の泡であるマクロの泡が発生せず、インペラ26の回転によって取込まれる空気の量を低減化できる。その結果、トナー微粉の過凝集、凝集粒子への気泡の混入などを防止でき、粒度分布幅が狭く、かつ機械的強度の高い凝集粒子であるトナーが得られる。また、スクリーン部材27を設けることによって、渦流の発生が防止され、回転速度の増大による気泡の混入量の増大が起こらない。したがって、気泡の混入を考慮することなく、インペラ26の回転速度を決定できる。これによって、インペラ26が微粉スラリー22に付与できる剪断力を増大させ得るので、一層小径化されかつ粒度分布幅の狭い凝集粒子が得られる。
スクリーン部材27は、第1、第2、第3スクリーン部材28a,28b,28cを含む。これら3つのスクリーン部材28a,28b,28cは内径の異なる円筒状部材であり、第1スクリーン部材28aの内径が最も小さく、第3スクリーン部材28cの内径が最も大きい。また、スクリーン部材28a,28b,28cをそれぞれの軸線が一致するように配置したとき、第1スクリーン部材28aの外周面と第2スクリーン部材28bの内周面とが間隙を有して離隔し、第2スクリーン部材28bの外周面と第3スクリーン部材28cの内周面とが間隙を有して離隔するような、内径の大きさの関係を有する。また、第1、第2、第3スクリーン部材28a,28b,28cは、それぞれの鉛直方向における一端部が第2カバープレート25に形成される円形状凹所に嵌入される。また、それぞれの鉛直方向における他端部は第1カバープレート24に形成される円形状凹所に嵌入される。これによって、第1、第2、第3スクリーン部材28a,28b,28cが第1カバープレート24と第2カバープレート25とによって支持される。
第1スクリーン部材28aは、インペラ26における幅寸法Wよりも若干大きい内径を有し、鉛直方向に延びる円筒状部材であり、プレート間空間部33内においてインペラ26を囲むように設けられる。本実施の形態では、第1スクリーン部材28aの内径R1は2.7cmであり、鉛直方向の高さ寸法h1が2.5cmである。また、第1スクリーン部材28aには、その周面を厚み方向に貫通して鉛直方向に延びる複数のスリット35が形成される。スリット35を介して、微粉スラリー22が第1スクリーン27aの内部から外部に向けて、また外部から内部に向けて流過する。スリット35の円周方向における幅および鉛直方向における長さ、ならびに隣り合うスリット35同士の円周方向における間隔は、得ようとする凝集粒子の粒径などに応じて適宜決定される。たとえば体積平均粒子径が3μm〜6μmの凝集粒子を得よるためには、幅2mm、長さ17mm、間隔3mmになるようにスリット35が形成される。
第2スクリーン部材28bは、第1スクリーン部材28aの外径よりも大きい内径を有し、鉛直方向に延びる円筒状部材であり、プレート間空間部33内において第1スクリーン部材28aを囲むように設けられる。本実施の形態では、第2スクリーン部材28bの内径R2は3.7cmであり、鉛直方向における第2スクリーン部材28bの高さ寸法は、第1スクリーン部材28aの高さ寸法h1と同じ2.5cmである。また、第2スクリーン部材28bには、その周面を厚み方向に貫通して鉛直方向に延びる複数のスリット35が形成される。このスリット35は、第1スクリーン部材28aにおけるスリット35と同様に機能する。
第3スクリーン部材28cは、第2スクリーン部材28bの外径よりも大きい内径を有し、鉛直方向に延びる円筒状部材であり、プレート間空間部33内において第2スクリーン部材28bを囲むように設けられる。本実施の形態では、第3スクリーン部材28cの内径R3は4.6cmであり、鉛直方向における第3スクリーン部材28cの高さ寸法は、第1スクリーン部材28aの高さ寸法h1と同じ2.5cmである。また、第3スクリーン部材28cには、その周面を厚み方向に貫通して鉛直方向に延びる複数のスリット35が形成される。このスリット35は、第1スクリーン部材28aにおけるスリット35と同様に機能する。
本実施の形態では、3つのスクリーン部材28a,28b,28cが設けられるが、これに限定されることなく、2以上のスクリーン部材を設ければよい。スクリーン部材が1つであると、撹拌手段23による高速回転撹拌によって微粉スラリー22中に渦流が発生し、微粉スラリー22中に取り込まれる空気量が増大し、凝集粒子の生成に悪影響を及ぼす。インペラ26の回転によって取込まれる空気の量を低減するためには、スクリーン部材は2つ以上が必要であり、さらに3つ以上が設けられることが凝集粒子への気泡の混入を確実に防止する点で好ましい。
撹拌手段23は、撹拌容器21の底面に載置され、撹拌容器21内に収容される微粉スラリー22中に浸漬した状態で用いられる。撹拌容器21の底面において撹拌手段23が載置される位置は、微粉スラリー22におけるトナー微粉に含まれるトナー原料の種類、微粉スラリー22の量、撹拌容器21の大きさなどに応じて適宜選択される。載置される位置の選択によって、生成する凝集粒子であるトナーの粒度分布幅を狭小化できるとともに、気泡の発生量を低減化できる。撹拌手段23を載置する位置は、たとえば、撹拌容器21内の微粉スラリー22液面と、第1カバープレート24を臨む側の撹拌翼14上端との距離Hと、撹拌容器21の内径Dとの比率(H/D)を適宜設定すること、撹拌容器21の底面と、第2カバープレート25の第1カバープレート24を臨む側と反対側の面との距離d1を適宜設定することによって決定される。撹拌手段23は、本実施の形態に限定されず、市販品および特許文献に記載のものを使用できる。撹拌手段23の市販品としては、たとえば、ニュージェネレーションミキサNGM−1.5TL(商品名、(株)美粒製)などを使用できる。また特許文献に記載の撹拌手段としては、特開2004−8898号公報に記載のものなどが挙げられる
撹拌容器21に微粉スラリー22が収容された状態で、撹拌手段23のインペラ26が回転すると、スラリー流入孔30の上方に存在する微粉スラリー22がスラリー流入孔30を介して矢符36方向に流れてプレート間空間部33に流入する。また第1スクリーン部材28aよりも内側の微粉スラリー22は、インペラ26の回転によって、インペラ26の回転軸31を中心とし、インペラ26の回転軸に垂直な平面内に存在する仮想円の半径方向外方に吐出される。吐出された微粉スラリー22は、第1スクリーン部材28akスリット35、第2スクリーン部材28aのスリット35および第3スクリーン部材28cのスリット35を順に流過し、プレート間空間部33から流出する。プレート間空間部33から流出する微粉スラリー22は、インペラ26の回転軸に垂直な平面内に存在する仮想円の円周方向の流れ成分を含まない。したがって、微粉スラリー22は半径方向外方に放射状に撹拌手段23から流出し、撹拌容器21の内壁面に衝突するとき、微粉スラリー22には渦流が発生しない。
造粒装置100では、撹拌手段23によって発生する微粉スラリー22の波の高さを0〜15mmにできるので、気泡の発生量ひいては凝集粒子への空気の混入量を低減化できる。ここで微粉スラリー22の波の高さとは、微粉スラリー22の液面と、微粉スラリー22の気泡が発生しない部分の液面に最も近い部分との鉛直方向の距離である。この距離は定規などを用いて測定できる。気泡の発生は、微粉スラリー22の液面を観察することによってわかる。気泡が全く発生しない場合、波の高さは0mmとなる。造粒装置10によれば、撹拌容器21内に収容される微粉スラリー22を高速回転撹拌することによって、微粉スラリー22が第1〜第3スクリーン部材28a,28b,28cのスリット35を流過する際に、微粉スラリー22に剪断力が付与される。これによってトナー微粉の過剰な凝集を防止でき、小粒径かつ粒度分布幅の小さい凝集粒子である本発明のトナーが得られる。なお、凝集粉砕工程および凝集工程は、通常はいずれか一方の工程を実施するが、両方を実施しても差し支えない。
凝集工程では、造粒装置100によって微粉スラリー22を回転撹拌する際に、微粉スラリー22に凝集剤を添加するのが好ましい。凝集剤としては、1価の塩、2価の塩、3価の塩などが挙げられる。1価の塩としては、たとえば、塩化アルキルトリメチルアンモニウムなどのカチオン系凝集剤、塩化ナトリウム、塩化カリウムなどのアルカリ金属の塩化物、塩化アンモニウムなどの塩化物が挙げられる。2価の塩としては、たとえば、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化亜鉛、塩化銅(II)、硫酸マグネシウム、硫酸マンガンなどが挙げられる。3価の塩としては、たとえば、塩化アルミニウム、塩化鉄(III)などが挙げられる。これらの中でも、塩化アルキルトリメチルアンモニウムが好ましい。塩化アルキルトリメチルアンモニウムの具体例としては、たとえば、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化トリ(ポリオキシエチレン)ステアリルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウムなどが挙げられる。凝集剤の添加量は特に制限されないが、好ましくは微粉スラリー100重量部に対して0.1〜5重量部である。凝集剤の添加量が0.1重量部未満では、トナー微粉の分散性を弱める能力が不充分になり、トナー微粉の凝集が不充分になるおそれがある。凝集剤の添加量が5重量部を超えると、凝集剤が凝集効果ではなく分散効果を発現し出すので、やはり凝集が不充分になるおそれがある。
減圧工程S4の終了、または凝集工程が実施される場合は凝集工程の終了で本発明の製造方法は終了し、エンドS5になる。エンドS5では、減圧工程S4または凝集工程において得られるスラリーから凝集粒子を単離することによって、本発明のトナーが得られる。凝集粒子の単離は、通常の湿式のトナー製造方法と同様にして実施できる。たとえば、前記スラリーから凝集粒子を分離し、洗浄し、乾燥させることによって本発明のトナーが得られる。凝集粒子の分離には一般的な固液分離手段を採用できる。固液分離手段としては、たとえば、ろ過、遠心分離、デカンテーションなどが挙げられる。洗浄は、未凝集のトナー微粉、分散剤などの不要物を除去するために行われる。たとえば、凝集粒子と水とを混合し、この混合物から凝集粒子を分離するという操作を、不要物の除去の程度に応じて繰り返し実施すればよい。ここで使用する水は、不純物の含有量が極めて少ない水が好ましく、たとえば、導電率20μS/cm以下の純水である。この純水を用いる場合は、凝集粒子と水との混合物から凝集粒子を分離した後に残る水の導電率が50μS/cm以下になるまで、前記操作を繰り返し実施すればよい。洗浄後、乾燥を行う。乾燥には一般的な乾燥手段を採用でき、たとえば、気流式乾燥法、真空乾燥法、自然乾燥法などが挙げられる。本発明によれば、粒径3.5〜6.5μm程度に小径化され、粒度分布の幅が従来のトナーよりも狭く、形状の揃ったトナーを容易に製造できる。
以上のようにして製造されたトナー粒子には、たとえば、粉体流動性向上、摩擦帯電性向上、耐熱性、長期保存性改善、クリーニング特性改善および感光体表面磨耗特性制御などの機能を担う外添剤を混合してもよい。外添剤としては、たとえば、シリカ微粉末、酸化チタン微粉末およびアルミナ微粉末などが挙げられる。外添剤は1種を単独で使用でき、または2種以上を併用できる。外添剤の添加量としては、トナーに必要な帯電量、外添剤を添加することによる感光体の摩耗に対する影響およびトナーの環境特性などを考慮して、トナー粒子100重量部に対し0.1重量部以上10重量部以下が好適である。
本発明のトナーは、そのまま1成分現像剤として使用でき、またはキャリアと混合した2成分現像剤としても使用できる。キャリアとしては、公知の磁性粒子を使用できる。磁性粒子の具体例としては、たとえば、鉄、フェライト、マグネタイトなどの金属、これらの金属とアルミニウム、鉛などの金属との合金などが挙げられる。これらの中でも、フェライトが好ましい。キャリアの表面に樹脂層を設けてもよい。樹脂層に用いられる合成樹脂としては、たとえば、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、スチレン/アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、エステル系樹脂、フッ素含有重合体系樹脂などが挙げられる。
キャリアの形状は、球形または扁平形状が好ましい。またキャリアの粒径は特に制限されないけれども、高画質化を考慮すると、好ましくは10〜100μm、さらに好ましくは20〜50μmである。さらにキャリアの抵抗率は、好ましくは10Ω・cm以上、さらに好ましくは1012Ω・cm以上である。キャリアの抵抗率は、キャリアを0.50cmの断面積を有する容器に入れてタッピングした後、容器内に詰められた粒子に1kg/cmの荷重を掛け、荷重と底面電極との間に1000V/cmの電界が生ずる電圧を印加したときの電流値を読取ることから得られる値である。抵抗率が低いと、現像スリーブにバイアス電圧を印加した場合にキャリアに電荷が注入され、感光体にキャリア粒子が付着し易くなる。またバイアス電圧のブレークダウンが起こり易くなる。
キャリアの磁化強さ(最大磁化)は、好ましくは10〜60emu/g、さらに好ましくは15〜40emu/gである。磁化強さは現像ローラの磁束密度にもよるけれども、現像ローラの一般的な磁束密度の条件下においては、10emu/g未満であると磁気的な束縛力が働かず、キャリア飛散の原因となるおそれがある。また磁化強さが60emu/gを超えると、キャリアの穂立ちが高くなり過ぎる非接触現像では、像担持体と非接触状態を保つことが困難になる。また接触現像ではトナー像に掃き目が現れ易くなるおそれがある。
二成分現像剤におけるトナーとキャリアとの使用割合は特に制限されず、トナーおよびキャリアの種類に応じて適宜選択できるけれども、樹脂被覆キャリア(密度5〜8g/cm)を例にとれば、現像剤中に、トナーが現像剤全量の2〜30重量%、好ましくは2〜20重量%含まれるように、トナーを用いればよい。また二成分現像剤において、トナーによるキャリアの被覆率は、40〜80%であることが好ましい。
本発明の製造方法により得られたトナーを含む二成分現像剤を用いることにより、ワックスのブリードアウトによる感光体へのフィルミング、高温域におけるオフセット現象の発生などがなく、高精細かつ高解像度の高品位画像を形成することができる。
図7は、画像形成装置100の構成を模式的に示す断面図である。画像形成装置は、複写機能、プリンタ機能およびファクシミリ機能を併せ持つ複合機であり、伝達される画像情報に応じて、記録媒体上にフルカラーまたはモノクロの画像を形成する。すなわち、画像形成装置においては、コピアモード(複写モード)、プリンタモードおよびファクシミリモードという3種の印刷モードを有しており、図示しない操作部からの操作入力、パーソナルコンピュータ、携帯端末装置、情報記録記憶媒体、メモリ装置を用いた外部機器からの印刷ジョブの受信などに応じて、図示しない制御部により、印刷モードが選択される。画像形成装置は、トナー像形成手段102と、転写手段103と、定着手段104と、記録媒体供給手段105と、排出手段106とを含む。トナー像形成手段102を構成する各部材および中間転写手段103に含まれる一部の部材は、カラー画像情報に含まれるブラック(b)、シアン(c)、マゼンタ(m)およびイエロー(y)の各色の画像情報に対応するために、それぞれ4つずつ設けられる。ここでは、各色に応じて4つずつ設けられる各部材は、各色を表すアルファベットを参照符号の末尾に付して区別し、総称する場合は参照符号のみで表す。
トナー像形成手段102は、感光体ドラム111と、帯電手段112と、露光ユニット113と、現像手段114と、クリーニングユニット115とを含む。帯電手段112、現像手段114およびクリーニングユニット115は、感光体ドラム111まわりに、この順序で配置される。帯電手段112は、現像手段114およびクリーニングユニット115よりも鉛直方向下方に配置される。
感光体ドラム111は、図示しない駆動手段により、軸線回りに回転駆動可能に支持され、図示しない、導電性基体と、導電性基体の表面に形成される感光層とを含む。導電性基体は種々の形状を採ることができ、たとえば、円筒状、円柱状、薄膜シート状などが挙げられる。これらの中でも円筒状が好ましい。導電性基体は導電性材料によって形成される。導電性材料としては、この分野で常用されるものを使用でき、たとえば、アルミニウム、銅、真鍮、亜鉛、ニッケル、ステンレス鋼、クロム、モリブデン、バナジウム、インジウム、チタン、金、白金などの金属、これらの2種以上の合金、合成樹脂フィルム、金属フィルム、紙などのフィルム状基体にアルミニウム、アルミニウム合金、酸化錫、金、酸化インジウムなどの1種または2種以上からなる導電性層を形成してなる導電性フィルム、導電性粒子および/または導電性ポリマーを含有する樹脂組成物などが挙げられる。なお、導電性フィルムに用いられるフィルム状基体としては、合成樹脂フィルムが好ましく、ポリエステルフィルムが特に好ましい。また、導電性フィルムにおける導電性層の形成方法としては、蒸着、塗布などが好ましい。
感光層は、たとえば、電荷発生物質を含む電荷発生層と、電荷輸送物質を含む電荷輸送層とを積層することにより形成される。その際、導電性基体と電荷発生層または電荷輸送層との間には、下引き層を設けるのが好ましい。下引き層を設けることによって、導電性基体の表面に存在する傷および凹凸を被覆して、感光層表面を平滑化する、繰り返し使用時における感光層の帯電性の劣化を防止する、低温および/または低湿環境下における感光層の帯電特性を向上させるといった利点が得られる。また最上層に感光体表面保護層を設けた耐久性の大きい三層構造の積層感光体であっても良い。
電荷発生層は、光照射により電荷を発生する電荷発生物質を主成分とし、必要に応じて公知の結着樹脂、可塑剤、増感剤などを含有する。電荷発生物質としては、この分野で常用されるものを使用でき、たとえば、ペリレンイミド、ペリレン酸無水物などのペリレン系顔料、キナクリドン、アントラキノンなどの多環キノン系顔料、金属および無金属フタロシアニン、ハロゲン化無金属フタロシアニンなどのフタロシアニン系顔料、スクエアリウム色素、アズレニウム色素、チアピリリウム色素、カルバゾール骨格、スチリルスチルベン骨格、トリフェニルアミン骨格、ジベンゾチオフェン骨格、オキサジアゾール骨格、フルオレノン骨格、ビススチルベン骨格、ジスチリルオキサジアゾール骨格またはジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料などが挙げられる。これらの中でも、無金属フタロシアニン顔料、オキソチタニルフタロシアニン顔料、フローレン環および/またはフルオレノン環を含有するビスアゾ顔料、芳香族アミンからなるビスアゾ顔料、トリスアゾ顔料などは高い電荷発生能を有し、高感度の感光層を得るのに適する。電荷発生物質は1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。電荷発生物質の含有量は特に制限はないけれども、電荷発生層中の結着樹脂100重量部に対して好ましくは5〜500重量部、さらに好ましくは10〜200重量部である。電荷発生層用の結着樹脂としてもこの分野で常用されるものを使用でき、たとえば、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリウレタン、アクリル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、ポリカーボネート、フェノキシ樹脂、ポリビニルブチラール、ポリアリレート、ポリアミド、ポリエステルなどが挙げられる。結着樹脂は1種を単独で使用できまたは必要に応じて2種以上を併用できる。
電荷発生層は、電荷発生物質および結着樹脂ならびに必要に応じて可塑剤、増感剤などのそれぞれ適量を、これらの成分を溶解または分散し得る適切な有機溶媒に溶解または分散して電荷発生層塗液を調製し、この電荷発生層塗液を導電性基体表面に塗布し、乾燥することにより形成できる。このようにして得られる電荷発生層の膜厚は特に制限されないが、好ましくは0.05〜5μm、さらに好ましくは0.1〜2.5μmである。
電荷発生層の上に積層される電荷輸送層は、電荷発生物質から発生する電荷を受け入れて輸送する能力を有する電荷輸送物質および電荷輸送層用の結着樹脂を必須成分とし、必要に応じて公知の酸化防止剤、可塑剤、増感剤、潤滑剤などを含有する。電荷輸送物質としてはこの分野で常用されるものを使用でき、たとえば、ポリ−N−ビニルカルバゾールおよびその誘導体、ポリ−γ−カルバゾリルエチルグルタメートおよびその誘導体、ピレン−ホルムアルデヒ縮合物およびその誘導体、ポリビニルピレン、ポリビニルフェナントレン、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、9−(p−ジエチルアミノスチリル)アントラセン、1,1−ビス(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパン、スチリルアントラセン、スチリルピラゾリン、ピラゾリン誘導体、フェニルヒドラゾン類、ヒドラゾン誘導体、トリフェニルアミン系化合物、テトラフェニルジアミン系化合物、トリフェニルメタン系化合物、スチルベン系化合物、3−メチル−2−ベンゾチアゾリン環を有するアジン化合物などの電子供与性物質、フルオレノン誘導体、ジベンゾチオフェン誘導体、インデノチオフェン誘導体、フェナンスレンキノン誘導体、インデノピリジン誘導体、チオキサントン誘導体、ベンゾ[c]シンノリン誘導体、フェナジンオキサイド誘導体、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、プロマニル、クロラニル、ベンゾキノンなどの電子受容性物質などが挙げられる。電荷輸送物質は1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。電荷輸送物質の含有量は特に制限されないけれども、好ましくは電荷輸送物質中の結着樹脂100重量部に対して10〜300重量部、さらに好ましくは30〜150重量部である。電荷輸送層用の結着樹脂としては、この分野で常用されかつ電荷輸送物質を均一に分散できるものを使用でき、たとえば、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリビニルブチラール、ポリアミド、ポリエステル、ポリケトン、エポキシ樹脂、ポリウレタン、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリアクリルアミド、フェノール樹脂、フェノキシ樹脂、ポリスルホン樹脂、これらの共重合樹脂などが挙げられる。これらの中でも、成膜性、得られる電荷輸送層の耐摩耗性、電気特性などを考慮すると、ビスフェノールZをモノマー成分として含有するポリカーボネート(以後「ビスフェノールZ型ポリカーボネート」と称す)、ビスフェノールZ型ポリカーボネートと他のポリカーボネートとの混合物などが好ましい。結着樹脂は1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。
電荷輸送層には、電荷輸送物質および電荷輸送層用の結着樹脂と共に、酸化防止剤が含まれるのが好ましい。酸化防止剤としてもこの分野で常用されるものを使用でき、たとえば、ビタミンE、ハイドロキノン、ヒンダードアミン、ヒンダードフェノール、パラフェニレンジアミン、アリールアルカンおよびそれらの誘導体、有機硫黄化合物、有機燐化合物などが挙げられる。酸化防止剤は1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。酸化防止剤の含有量は特に制限されないけれども、電荷輸送層を構成する成分の合計量の0.01〜10重量%、好ましくは0.05〜5重量%である。電荷輸送層は、電荷輸送物質および結着樹脂ならびに必要に応じて酸化防止剤、可塑剤、増感剤などのそれぞれ適量を、これらの成分を溶解または分散し得る適切な有機溶媒に溶解または分散して電荷輸送層用塗液を調製し、この電荷輸送層用塗液を電荷発生層表面に塗布し、乾燥することにより形成できる。このようにして得られる電荷発生層の膜厚は特に制限されないが、好ましくは10〜50μm、さらに好ましくは15〜40μmである。なお、1つの層に、電荷発生物質と電荷輸送物質とが存在する感光層を形成することもできる。その場合、電荷発生物質および電荷輸送物質の種類、含有量、結着樹脂の種類、その他の添加剤などは、電荷発生層および電荷輸送層を別々に形成する場合と同様でよい。
本実施の形態では、前述のような、電荷発生物質および電荷輸送物質を用いる有機感光層を形成してなる感光体ドラムを用いるけれども、それに代えて、シリコンなどを用いる無機感光層を形成してなる感光体ドラムを使用できる。
帯電手段112は、感光体ドラム111を臨み、感光体ドラム111の長手方向に沿って感光体ドラム111表面から間隙を有して離隔するように配置され、感光体ドラム111表面を所定の極性および電位に帯電させる。帯電手段112には、帯電ブラシ型帯電器、チャージャー型帯電器、鋸歯型帯電器、イオン発生装置などを使用できる。本実施の形態では、帯電手段112は感光体ドラム111表面から離隔するように設けられるけれども、それに限定されない。たとえば、帯電手段112として帯電ローラを用い、帯電ローラと感光体ドラムとが圧接するように帯電ローラを配置しても良く、帯電ブラシ、磁気ブラシなどの接触帯電方式の帯電器を用いても良い。
露光ユニット113は、露光ユニット113から出射される各色情報の光が、帯電手段112と現像手段114との間を通過して感光体ドラム111の表面に照射されるように配置される。露光ユニット113は、画像情報を該ユニット内でb、c、m、yの各色情報の光に分岐し、帯電手段112によって一様な電位に帯電された感光体ドラム111表面を各色情報の光で露光し、その表面に静電潜像を形成する。露光ユニット113には、たとえば、レーザ照射部および複数の反射ミラーを備えるレーザスキャニングユニットを使用できる。他にもLEDアレイ、液晶シャッタと光源とを適宜組み合わせたユニットを用いてもよい。
図8は、現像手段114の構成を模式的に示す断面図である。現像手段114は、現像槽120とトナーホッパ121とを含む。現像槽120は感光体ドラム111表面を臨むように配置され、感光体ドラム111の表面に形成された静電潜像にトナーを供給して現像し、可視像であるトナー像を形成する容器状部材である。現像槽120は、その内部空間にトナーを収容しかつ現像ローラ、供給ローラ、撹拌ローラなどのローラ部材またはスクリュー部材を収容して回転自在に支持する。現像槽120の感光体ドラム111を臨む側面には開口部が形成され、この開口部を介して感光体ドラム111に対向する位置に現像ローラが回転駆動可能に設けられる。現像ローラは、感光体ドラム111との圧接部または最近接部において感光体111表面の静電潜像にトナーを供給するローラ状部材である。トナーの供給に際しては、現像ローラ表面にトナーの帯電電位とは逆極性の電位が現像バイアス電圧(以下単に「現像バイアス」とする)として印加される。これによって、現像ローラ表面のトナーが静電潜像に円滑に供給される。さらに、現像バイアス値を変更することによって、静電潜像に供給されるトナー量(トナー付着量)を制御できる。供給ローラは現像ローラを臨んで回転駆動可能に設けられるローラ状部材であり、現像ローラ周辺にトナーを供給する。攪拌ローラは供給ローラを臨んで回転駆動可能に設けられるローラ状部材であり、トナーホッパ121から現像槽120内に新たに供給されるトナーを供給ローラ周辺に送給する。トナーホッパ121は、その鉛直方向下部に設けられるトナー補給口(図示せず)と、現像槽120の鉛直方向上部に設けられるトナー受入口(図示せず)とが連通するように設けられ、現像槽120のトナー消費状況に応じてトナーを補給する。またトナーホッパ121を用いず、各色トナーカートリッジから直接トナーを補給するよう構成しても構わない。
本発明の二成分現像剤を用いて現像することにより、感光体上に高精細かつ高解像度の高品位なトナー像を形成することができる。
クリーニングユニット115は、記録媒体にトナー像を転写した後に、感光体ドラム111の表面に残留するトナーを除去し、感光体ドラム11の表面を清浄化する。クリーニングユニット115には、たとえば、クリーニングブレードなどの板状部材が用いられる。なお、本発明の画像形成装置においては、感光体ドラム111として、主に有機感光体ドラムが用いられ、有機感光体ドラムの表面は樹脂成分を主体とするものであるため、帯電装置によるコロナ放電によって発生するオゾンの化学的作用によって表面の劣化が進行しやすい。ところが、劣化した表面部分はクリーニングユニット115よる擦過作用を受けて摩耗し、徐々にではあるが確実に除去される。したがって、オゾンなどによる表面の劣化の問題が実際上解消され、長期間にわたって、帯電動作による帯電電位を安定に維持することができる。本実施の形態ではクリーニングユニット115を設けるけれども、それに限定されず、クリーニングユニット15を設けなくてもよい。
トナー像形成手段102によれば、帯電手段112によって均一な帯電状態にある感光体ドラム111の表面に、露光ユニット113から画像情報に応じた信号光を照射して静電潜像を形成し、これに現像手段114からトナーを供給してトナー像を形成し、このトナー像を中間転写ベルト125に転写した後に、感光体ドラム111表面に残留するトナーをクリーニングユニット115で除去する。この一連のトナー像形成動作が繰り返し実行される。
転写手段103は、感光体ドラム111の上方に配置され、中間転写ベルト125と、駆動ローラ126と、従動ローラ127と、中間転写ローラ128(b、c、m、y)と、転写ベルトクリーニングユニット129、転写ローラ130とを含む。中間転写ベルト125は、駆動ローラ126と従動ローラ127とによって張架されてループ状の移動経路を形成する無端ベルト状部材であり、矢符Bの方向に回転駆動する。中間転写ベルト125が、感光体ドラム111に接しながら感光体ドラム111を通過する際、中間転写ベルト125を介して感光体ドラム111に対向配置される中間転写ローラ128から、感光体ドラム111表面のトナーの帯電極性とは逆極性の転写バイアスが印加され、感光体ドラム111の表面に形成されたトナー像が中間転写ベルト125上へ転写される。フルカラー画像の場合、各感光体ドラム111で形成される各色のトナー画像が、中間転写ベルト125上に順次重ねて転写されることによって、フルカラートナー像が形成される。駆動ローラ126は図示しない駆動手段によってその軸線回りに回転駆動可能に設けられ、その回転駆動によって、中間転写ベルト125を矢符B方向へ回転駆動させる。従動ローラ127は駆動ローラ126の回転駆動に従動回転可能に設けられ、中間転写ベル1ト25が弛まないように一定の張力を中間転写ベルト125に付与する。中間転写ローラ128は、中間転写ベルト125を介して感光体ドラム111に圧接し、かつ図示しない駆動手段によってその軸線回りに回転駆動可能に設けられる。中間転写ローラ128は、前述のように転写バイアスを印加する図示しない電源が接続され、感光体ドラム111表面のトナー像を中間転写ベルト125に転写する機能を有する。転写ベルトクリーニングユニット129は、中間転写ベルト125を介して従動ローラ127に対向し、中間転写ベルト125の外周面に接触するように設けられる。感光体ドラム111との接触によって中間転写ベルト125に付着するトナーは、記録媒体の裏面を汚染する原因となるので、転写ベルトクリーニングユニット129が中間転写ベルト125表面のトナーを除去し回収する。転写ローラ130は、中間転写ベルト125を介して駆動ロー1ラ26に圧接し、図示しない駆動手段によって軸線回りに回転駆動可能に設けられる。転写ローラ130と駆動ローラ126との圧接部(転写ニップ部)において、中間転写ベルト125に担持されて搬送されて来るトナー像が、後述する記録媒体供給手段105から送給される記録媒体に転写される。トナー像を担持する記録媒体は、定着手段104に送給される。転写手段103によれば、感光体ドラム111と中間転写ローラ128との圧接部において感光体ドラム111から中間転写ベルト125に転写されるトナー像が、中間転写ベルト125の矢符B方向への回転駆動によって転写ニップ部に搬送され、そこで記録媒体に転写される。
定着手段104は、転写手段103よりも記録媒体の搬送方向下流側に設けられ、定着ローラ131と加圧ローラ132とを含む。定着ローラ131は図示しない駆動手段によって回転駆動可能に設けられ、記録媒体に担持される未定着トナー像を構成するトナーを加熱して溶融させ、記録媒体に定着させる。定着ローラ131の内部には図示しない加熱手段が設けられる。加熱手段は、定着ローラ131表面が所定の温度(加熱温度)になるように定着ローラ131を加熱する。加熱手段には、たとえば、ヒータ、ハロゲンランプなどを使用できる。加熱手段は、後記する定着条件制御手段によって制御される。定着条件制御手段による加熱温度の制御については、後に詳述する。定着ローラ131表面近傍には温度検知センサが設けられ、定着ローラ131の表面温度を検知する。温度検知センサによる検知結果は、後記する制御手段の記憶部に書き込まれる。加圧ローラ132は定着ローラ131に圧接するように設けられ、加圧ローラ132の回転駆動に従動回転可能に支持される。加圧ローラ132は、定着ローラ131によってトナーが溶融して記録媒体に定着する際に、トナーと記録媒体とを押圧することによって、トナー像の記録媒体への定着を補助する。定着ローラ131と加圧ローラ132との圧接部が定着ニップ部である。定着手段104によれば、転写手段103においてトナー像が転写された記録媒体が、定着ローラ131と加圧ローラ132とによって挟持され、定着ニップ部を通過する際に、トナー像が加熱下に記録媒体に押圧されることによって、トナー像が記録媒体に定着され、画像が形成される。
記録媒体供給手段105は、自動給紙トレイ135と、ピックアップローラ136と、搬送ローラ137と、レジストローラ138、手差給紙トレイ139を含む。自動給紙トレイ135は画像形成装置の鉛直方向下部に設けられ、記録媒体を貯留する容器状部材である。記録媒体には、普通紙、カラーコピー用紙、オーバーヘッドプロジェクタ用シート、葉書などがある。ピックアップローラ136は、自動給紙トレイ135に貯留される記録媒体を1枚ずつ取り出し、用紙搬送路S1に送給する。搬送ローラ137は互いに圧接するように設けられる一対のローラ部材であり、記録媒体をレジストローラ138に向けて搬送する。レジストローラ138は互いに圧接するように設けられる一対のローラ部材であり、搬送ローラ137から送給される記録媒体を、中間転写ベルト125に担持されるトナー像が転写ニップ部に搬送されるのに同期して、転写ニップ部に送給する。手差給紙トレイ139は、手動動作によって記録媒体を画像形成装置内に取り込む装置であり、手差給紙トレイ139から取り込まれる記録媒体は、搬送ローラ37によって用紙搬送路S2内を通過し、レジストローラ138に送給される。記録媒体供給手段105によれば、自動給紙トレイ135または手差給紙トレイ139から1枚ずつ供給される記録媒体を、中間転写ベルト125に担持されるトナー像が転写ニップ部に搬送されるのに同期して、転写ニップ部に送給する。
排出手段106は、搬送ローラ137と、排出ローラ140と、排出トレイ141とを含む。搬送ローラ137は、用紙搬送方向において定着ニップ部よりも下流側に設けられ、定着手段104によって画像が定着された記録媒体を排出ローラ140に向けて搬送する。排出ローラ140は、画像が定着された記録媒体を、画像形成装置の鉛直方向上面に設けられる排出トレイ141に排出する。排出トレイ141は、画像が定着された記録媒体を貯留する。
画像形成装置100は、図示しない制御手段を含む。制御手段は、たとえば、画像形成装置の内部空間における上部に設けられ、記憶部と演算部と制御部とを含む。制御手段の記憶部には、画像形成装置の上面に配置される図示しない操作パネルを介する各種設定値、画像形成装置内部の各所に配置される図示しないセンサなどからの検知結果、外部機器からの画像情報などが入力される。また、各種手段を実行するプログラムが書き込まれる。各種手段とは、たとえば、記録媒体判定手段、付着量制御手段、定着条件制御手段などである。記憶部には、この分野で常用されるものを使用でき、たとえば、リードオンリィメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、ハードディスクドライブ(HDD)などが挙げられる。外部機器には、画像情報の形成または取得が可能であり、かつ画像形成装置に電気的に接続可能な電気・電子機器を使用でき、たとえば、コンピュータ、デジタルカメラ、テレビ、ビデオレコーダ、DVDレコーダ、HDVD、ブルーレイディスクレコーダ、ファクシミリ装置、携帯端末装置などが挙げられる。演算部は、記憶部に書き込まれる各種データ(画像形成命令、検知結果、画像情報など)および各種手段のプログラムを取り出し、各種判定を行う。制御部は、演算部の判定結果に応じて該当装置に制御信号を送付し、動作制御を行う。制御部および演算部は中央処理装置(CPU、Central Processing Unit)を備えるマイクロコンピュータ、マイクロプロセッサなどによって実現される処理回路を含む。制御手段は、前述の処理回路とともに主電源を含み、電源は制御手段だけでなく、画像形成装置内部における各装置にも電力を供給する。
本発明の現像装置を備える画像形成装置を用いて画像形成することにより、原稿画像の再現性に優れ、高精細かつ高解像度の高品位画像を形成できる。
以下に実施例および比較例を挙げ、本発明を具体的に説明する。以下において、「部」および「%」は、特に断わらない限り、それぞれ「重量部」および「重量%」を意味する。
(実施例1)
[予備粉砕工程]
ポリエステル(重量平均分子量:80000、Mw/Mn=24)88.5部、帯電制御剤(商品名:N4P、クラリアントジャパン(株)製)2部、カルナバワックス7.5部および着色剤(FC1469)10部を混合機(商品名:ヘンシェルミキサー、三井鉱山(株)製)で混合し、得られたトナー原料混合物を二軸押出機(商品名:PCM−30、(株)池貝製)にてシリンダ温度145℃、バレル回転数300rpmで溶融混練し、トナー原料の溶融混練物を調製した。この溶融混練物10部およびイオン交換水100部をコロイドミル(商品名:PUCコロイド・ミル60型、日本ボールバルブ(株)製、間隙d1:40μm)によって粉砕して粗粉スラリーを調製した。なお、粗粉スラリー中に含まれるトナー粗粉の体積平均粒子径が100μm未満になるまで、粉砕を繰り返し行い、体積平均粒子径が65μm、変動係数(CV値)37、最小粒径7.7μm、最大粒径300.5μmのトナー粗粉を含む粗粉スラリーを調製した。
なお、最小粒径および最大粒径は次のようにして求めた。粗粉スラリーの一部を採取し、水分を除去し、純水で洗浄し、乾燥して試料を作製した。この試料を、走査型電子顕微鏡によって1000倍で100視野について観察して相対的に大きな粗粉粒子および相対的に小さな粗粉粒子の粒径を測定し、最小粒径および最大粒径を求めた。
[粗粉スラリー安定化工程]
粗粉スラリー94部に高分子系分散剤(商品名:ジョングリル70、ジョンソンポリマー社製)6部を添加して混合した。
[微粉砕工程]
粗粉スラリー安定化工程で得られた粗粉スラリーを耐圧性密閉容器中で210MPaおよび70℃に加圧加熱し、耐圧性密閉容器に取り付けられた耐圧性配管から該耐圧性配管の出口に取り付けられた耐圧ノズルに供給してトナー粗粉の微粉砕を行い、体積平均粒径0.97、変動係数31のトナー微粉を含む微粉スラリーを調製した。耐圧ノズルはダイヤモンド製で、孔径0.085mmの液体流過孔2本がノズルの長手方向において1.0mmの間隔をあけてほぼ平行になるように形成された長さ0.5cmの耐圧性多重ノズルである。
スラリーの耐圧ノズル通過回数は4回であった。耐圧ノズル入口における粗粉スラリーの温度は70℃、粗粉スラリーに付加される圧力は210MPaであり、ノズル出口における微粉スラリーの温度は120℃、水性スラリーに付加される圧力は42MPaであった。
[冷却工程]
耐圧ノズルから排出される微粉スラリーを、耐圧ノズルの出口に接続される蛇管式冷却機に導入し、冷却を行った。蛇管式冷却機出口での微粉スラリーの温度は30℃、微粉スラリーに付加される圧力は35MPaであった。
[凝集粉砕工程]
蛇管式冷却機出口から排出される微粉スラリーを、冷却機出口に接続されるコイル状配管内に導入し、トナー微粉の凝集および生成する凝集粒子の粉砕を行い、体積平均粒子径5.3μm、変動係数19の凝集粒子を調製した。コイル状配管は、コイル内径4.0mm、コイル曲率半径38mm、コイル巻き数54であった。
[減圧工程]
コイル状配管出口から排出される微粉スラリー(凝集粒子含有スラリー)を、コイル状配管出口に接続される多段減圧装置に導入し、減圧を行った。多段減圧装置は、内径の異なる5個のステンレス鋼製パイプ状部材をシール部材(Oリング)にて連結してなるものである。パイプ状部材の内径は、多段減圧装置の入口から順番に1mm、0.9mm、0.75mm、0.5mm、0.2mmであった。
[洗浄・乾燥工程]
多段減圧装置から排出されるスラリーから凝集粒子(トナー)を濾取し、純水によって洗浄した後、熱風乾燥し、本発明トナーを製造した。
(実施例2〜3)
微粉砕工程において、微粉スラリーを耐圧ノズルに通過させる回数を10回(実施例2)または2回(実施例3)に変更する以外は、実施例1と同様にして、本発明のトナー(凝集粒子)を製造した。トナー粗粉、トナー微粉およびトナーの体積平均粒子径(μm)および変動係数を表1に示す。
(実施例4)
コロイドミル(PUCコロイド・ミル60型)における間隙d1を40μmから50μmに変更する以外は、実施例1と同様にして、本発明のトナー(凝集粒子)を製造した。トナー粗粉、トナー微粉およびトナーの体積平均粒子径(μm)および変動係数を表1に示す。
(実施例5)
冷却工程の後に減圧工程を行い、かつ減圧工程の後に下記の凝集工程を行う以外は、実施例1と同様にして、本発明のトナー(凝集粒子)を製造した。トナー粗粉、トナー微粉およびトナーの体積平均粒子径(μm)および変動係数を表1に示す。
[凝集工程]
多段減圧装置から排出される微粉スラリー100部と、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム(商品名:コータミン86W、花王(株)製)の20%水溶液5部とを、造粒装置(商品名:ニュージェネレーションミキサNGM−1.5TL、(株)美粒製)に投入し、75℃、2000rpmで30分間撹拌した後、85℃に昇温し、さらに2時間撹拌した。未凝集のトナー微粉を凝集させるために、昇温後に水300gを追加し、室温まで急冷し、微粉スラリー(凝集粒子含有スラリー)を調製した。なお、ここで使用される造粒装置は、図5に示す造粒装置100と同じ構造を有するものである。この造粒装置において、撹拌手段23は、撹拌容器21内の微粉スラリー液面と、第1カバープレート24を臨む側の撹拌翼上端との距離Hが2.0cm、撹拌容器21の底面と第2カバープレート25の第1カバープレート24を臨む側とは反対側の面との距離d2が0.5cmになる位置に配置される。撹拌容器21の内径Dは10.5cm、撹拌翼先端速度は3.14m/s、波の高さは10mmであった。
上記で得られた微粉スラリー(凝集粒子含有スラリー)から凝集粒子(トナー)を濾取し、純水によって洗浄した後、熱風乾燥して本発明トナーを製造した。トナー粗粉、トナー微粉およびトナーの体積平均粒子径(μm)および変動係数を表1に示す。
(比較例1〜2)
微粉砕工程において、微粉スラリーを耐圧ノズルに通過させる回数を15回(比較例1)または1回(比較例2)に変更する以外は、実施例1と同様にして、比較用のトナー(凝集粒子)を製造した。トナー粗粉、トナー微粉およびトナーの体積平均粒子径(μm)および変動係数を表1に示す。
(比較例3)
コロイドミル(PUCコロイド・ミル60型)における間隙d1を40μmから60μmに変更する以外は、実施例1と同様にして操作を行ったところ、微粉砕工程において耐圧ノズル中にてトナー粗粉による目詰まりが発生し、その後の工程を実施できなかった。粗粉スラリーの体積平均粒子径(μm)および変動係数を表1に示す。
(比較例4)
実施例1と同様にして、トナー原料の溶融混練物を調製した。この溶融混練物を室温まで冷却した後、カッターミル(商品名:VM−16、オリエント(株)製)で粉砕し、粒径500〜800μmのトナー粗粉を調製した。このトナー粗粉10部と、高分子系分散剤(ジョングリル70)の30%水溶液1.7部と、イオン交換水90部を混合し、粗粉スラリーを調製した。この粗粉スラリーを168MPaの加圧下に内径0.3mmの流過孔を有するノズル長0.5cmのノズルに通過させて予備粉砕を行い、該スラリー中のトナー粗粉の体積平均粒子径が100μm未満(92μm)になるように調整した。
得られた粗粉スラリーについて、実施例1と同様にして微粉砕工程、冷却工程、凝集粉砕工程、減圧工程および洗浄・乾燥工程を実施し、比較用トナーを製造した。トナー粗粉、トナー微粉およびトナーの体積平均粒子径(μm)および変動係数を表1に示す。
(比較例5)
コロイドミルをPUCコロイド・ミル60型からディスパミルD(商品名、ホソカワミクロン(株)製)に変更し、かつ間隙d1を40μmから200μmに変更する以外は、実施例1と同様にして操作を行ったところ、微粉砕工程において耐圧ノズル中にてトナー粗粉による目詰まりが発生し、その後の工程を実施できなかった。粗粉スラリーの体積平均粒子径(μm)および変動係数を表1に示す。
Figure 0004445983
表1から、本発明の製造方法によれば、CV値(変動係数)が20前後であることから粒子形状が揃って均一である適度に小径化されたトナーが得られることが明らかである。比較例1のトナーは小径になり過ぎ、クリーニング性などのトナー物性が低下する。また、比較例2のトナーは粒径(体積平均粒子径)が7.1μmであり、小径化がなされていないことが判る。
本発明の実施の第1形態であるトナーの製造方法を概略的に示すフローチャートである。 コロイドミルの要部の構成を模式的に示す図面である。図2(a)はコロイドミルの斜視図である。図2(b)はコロイドミルの長手方向における断面図である。 耐圧ノズルの構成を模式的に示す長手方向断面図である。 減圧ノズルの構成を模式的に示す長手方向断面図である。 造粒装置の構成を模式的に示す断面図である。 図5に示す造粒装置に含まれる撹拌手段を切断面線VI−VIから見た断面図である。 像形成装置100の構成を模式的に示す断面図である。 像手段114の構成を模式的に示す断面図である。
符号の説明
1 コロイドミル
2 ステータ部材
3 ロータ部材
4,8,12 矢符
5 耐圧ノズル
6 液体流過路
7 衝突壁
10 減圧ノズル
11 流路
21 撹拌容器
22 微粉スラリー
23 撹拌手段
24 第1カバープレート
25 第2カバープレート
26 インペラ
27 スクリーン部材
30 スラリー流入孔
31 回転軸
33 プレート間空間部
34 撹拌翼
35 スリット
100 画像形成装置
114 現像手段

Claims (6)

  1. 液体中にてトナー原料の溶融混練物を粉砕してトナー粗粉を含む粗粉スラリーを得る予備粉砕工程と、
    予備粉砕工程で得られる粗粉スラリーを加熱加圧下で耐圧ノズルに通過させてトナー粗粉をさらに粉砕し、トナー粗粉よりも体積平均粒子径の小さいトナー微粉を含みかつ加熱加圧状態にある微粉スラリーを得る微粉砕工程と、
    微粉砕工程で得られる微粉スラリーを、加圧加熱下でコイル状配管に流過させることで、微粉スラリー中に渦流を発生させてトナー微粉を凝集させるとともに、得られるトナー微粉の凝集物を粉砕して凝集物の粒度を調整する凝集粉砕工程と、
    凝集粉砕工程で得られる微粉スラリーを冷却する冷却工程と、
    冷却工程で冷却される微粉スラリーを減圧する減圧工程とを含み、
    微粉砕工程では、前記耐圧ノズルとして、複数の液体流過路が長手方向に平行に形成された耐圧性の多重ノズルを用い、
    予備粉砕工程では、回転自在に設けられる円筒状ステータ部材と、円筒状ステータ部材の内部において回転自在に設けられる円柱状ロータ部材とを含み、円筒状ステータ部材と円柱状ロータ部材との間隙が50μm以下であるコロイドミルを用い、トナー原料の溶融混練物と液体との混合物をコロイドミルにおける円筒状ステータ部材と円柱状ロータ部材との間隙に通過させることによってトナー粗粉の、下記式で表わされる変動係数が25〜45%になるようにトナー原料の溶融混練物を粉砕することを特徴とするトナーの製造方法。
    変動係数(%)=(体積粒度分布における標準偏差/体積平均粒子径)×100
  2. 予備粉砕工程において、分散剤の非存在下にトナー原料の溶融混練物を粉砕することを特徴とする請求項1記載のトナーの製造方法。
  3. 予備粉砕工程において、粒径500μmを超えるトナー粗粉粒子を含まない粗粉スラリーを得ることを特徴とする請求項1または2記載のトナーの製造方法。
  4. 液体が水であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1つに記載のトナーの製造方法。
  5. 予備粉砕工程と微粉砕工程との間に、予備粉砕工程で得られる粗粉スラリーに分散剤を添加する粗粉スラリー安定化工程を設けることを特徴とする請求項1〜のいずれか1つに記載のトナーの製造方法。
  6. 微粉スラリーを収容する容器と、容器内に設けられて容器に収容される微粉スラリーを撹拌する撹拌部材と、撹拌部材を囲むように設けられて厚み方向に貫通する複数の微粉スラリー流過孔が形成される2以上のスクリーン部材とを含む造粒装置を用いて、減圧工程後の微粉スラリーに含まれるトナー微粉を凝集させる凝集工程をさらに含むことを特徴とする請求項1〜のいずれか1つに記載のトナーの製造方法。
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