JP2009015083A - トナーおよびその製造方法、二成分現像剤、現像装置ならびに画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 結着樹脂および外添剤粒子として用いる材料の選択幅が広く、かつ外添剤粒子の母体粒子からの離脱を防止することができるトナーおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】 噴霧炉内で母体粒子を流過させるための回転部材の最外周の周速が30m/s以上であり、かつ炉内の温度が母体粒子のガラス転移温度以下である噴霧炉内において、外添剤粒子と低級アルコール溶液とを含む外添剤分散液を、噴霧手段を用いて母体粒子に噴霧することによって、外添剤粒子を母体粒子に外添し、トナーを製造する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、電子写真法あるいは静電印刷法等における潜像を現像するのに用いられるトナーおよびその製造方法、二成分現像剤、現像装置ならびに画像形成装置に関する。
潜像を顕像化するトナーは、種々の画像形成プロセスに用いられており、その一例として電子写真法が知られている。
電子写真方式を用いて画像を形成する画像形成装置は、帯電、露光、現像、転写、定着およびクリーニングの各工程に従って画像を形成する。帯電工程では、静電潜像を形成するための像担持体である感光体の表面を帯電させる。露光工程では、帯電された感光体表面に画像情報に応じた光を照射することによって、感光体表面に静電潜像を形成する。現像工程では、形成された静電潜像にトナーを付着させ、トナーによって可視化される可視像(以下「トナー像」という)を感光体表面に形成する。転写工程では、感光体表面に形成されるトナー像を電気的な力によって記録紙上に転写する。定着工程では、記録紙上に転写されたトナー像を熱によって溶融させ、記録紙上に定着させる。クリーニング工程では、たとえばクリーニングブレードなどのクリーニング部材によって、トナー像転写後の感光体表面に残留するトナーを掻取り、感光体表面を清浄化する。
電子写真方式を用いて画像を形成する画像形成装置は、帯電、露光、現像、転写、定着およびクリーニングの各工程に従って画像を形成する。帯電工程では、静電潜像を形成するための像担持体である感光体の表面を帯電させる。露光工程では、帯電された感光体表面に画像情報に応じた光を照射することによって、感光体表面に静電潜像を形成する。現像工程では、形成された静電潜像にトナーを付着させ、トナーによって可視化される可視像(以下「トナー像」という)を感光体表面に形成する。転写工程では、感光体表面に形成されるトナー像を電気的な力によって記録紙上に転写する。定着工程では、記録紙上に転写されたトナー像を熱によって溶融させ、記録紙上に定着させる。クリーニング工程では、たとえばクリーニングブレードなどのクリーニング部材によって、トナー像転写後の感光体表面に残留するトナーを掻取り、感光体表面を清浄化する。
最近では、電子写真方式におけるカラー化の技術が急速に発展し、フルカラー画像形成装置が開発され市場に提供されている。フルカラー画像形成装置の市場は、モノクロ画像形成装置の普及とともに拡大している。一般に、フルカラー画像形成装置における色の再現には、減法混色の3原色であるイエロー(Y)、マゼンタ(M)、およびシアン(C)の3色、あるいはこの3色に黒(K)を加えた4色のトナーが用いられる。色の再現の手順としては、Y、M、CおよびKの各色に対して、画像形成工程のうち帯電、露光、現像および転写までの工程を各色ごとに繰返し、記録紙上に複数色のトナーから成るトナー像を重ねてフルカラートナー像を形成する。そして定着工程においてフルカラートナー像を溶融させ、記録紙上に定着させる。定着工程においてフルカラートナー像が溶融されることによって、複数色のトナーが混合されるので、減法混色の原理に従って色が再現される。
このようなフルカラーの画像形成においては、複数回の現像が行われ、転写工程において同一の記録紙上に色の異なる複数種のトナー像が重ね合わせられ、定着工程において複数色のトナーが溶融されて記録紙上に定着される。フルカラー画像の良好な色再現性を安定して維持するためには、まず現像工程において、所定量のトナーを感光体に付着させる必要がある。また転写工程において、所定量のトナーを記録紙上に転写させる必要がある。現像工程における感光体へのトナーの付着量および転写工程における記録紙上へのトナーの転写量は、トナーの帯電立上がり特性、環境安定性、経時安定性、耐久性、流動特性、非静電的な付着力などのトナーの特性によって大きく影響される。
したがってトナーには、たとえば帯電量、流動性、転写性などを改善および調整するために、結着樹脂および着色剤が含まれる母体粒子に、粒子状の外添剤(以下「外添剤粒子」という)が添加されている。特に外添剤粒子として1次粒子の個数平均粒径が40nm以上の大粒径粒子を用いる場合、トナー同士の付着力、トナーとキャリアとの付着力、およびトナーと各種部材との付着力を低減させるスペーサ効果が得られる。またこのような大粒径粒子は、現像性および転写性向上を目的として球形化されたトナーにおけるクリーニング性の低下を防止するスペーサ効果を発揮する。
また最近では、高精細かつ高解像の画像を形成するために、トナーの小径化が進められている。このトナーの小径化によって、母体粒子の単位重量あたりの表面積が大きくなり、外添剤粒子の添加量が増加する傾向にある。さらに現像性および転写性向上を目的として球形化されたトナーを用いる場合、クリーニング性を向上させるために、大粒径粒子の添加量を増加させることが必要となっている。
外添剤粒子は、前述のようにトナーの性能を確保する点において重要な役割を果たしており、一定の割合で母体粒子表面に付着していることが望ましい。しかしながら一旦母体粒子から外添剤粒子が離脱してしまうと、離脱した外添剤粒子がキャリアに付着してキャリアスペントを発生させたり、各種部材に付着して機内を汚染したり、感光体のフィルミングを発生させたりするので、画像形成に悪影響が及ぶ。また外添剤粒子が母体粒子から離脱することによって、離脱前と離脱後とでトナーの特性を変化させることとなり、画像形成において経時安定性を得ることができない。
また外添剤粒子の離脱量は、外添剤粒子の粒径および添加量に大きく依存するので、それらを規定範囲にすることによって離脱を抑える方法が検討されている。しかしながら特に大粒径粒子の添加量が増加してくると、単なる混合による流動エネルギーの付与では外添剤粒子と母体粒子の付着力を増大させることができず、外添剤粒子の母体粒子からの離脱を抑制することができない。
このような問題に鑑み、外添剤粒子の母体粒子からの離脱を抑制することを目的とした外添剤粒子の母体粒子への添加方法が提案されている(たとえば、特許文献1および2参照)。
特許文献1では、水およびアルコールの少なくともいずれか一方を含む溶媒(以下「水系溶媒」という)中で外添剤粒子を母体粒子に外添処理する方法が開示されている。具体的には、水系媒体中に分散させた母体粒子に、無機酸化物である外添剤粒子を投入し、母体粒子表面に付着させる。次いで加熱によって水系溶媒を除去し、外添剤粒子を母体粒子に固定する。これによって、外添剤粒子を母体粒子表面に均一に分散させることができる。
特許文献2では、外添剤粒子を母体粒子に添加した状態で、熱処理して固定化する方法が開示されている。具体的には、粉砕法などによって得られた不定形の母体粒子と、表面改質用の無機粒子である外添剤粒子とを混合し、母体粒子の表面上に外添剤粒子を予め均一に付着させる。この混合された粒子を、150〜450℃の熱風を利用して瞬間的に加熱し、母体粒子の表面上の外添剤粒子を母体粒子に固定化する。このような方法によれば、母体粒子の形状を不定形に維持したまま外添剤粒子を強固に固着させることができるので、クリーニング性の低下を防止することができる。
しかしながら特許文献1では、水系溶媒中で外添剤粒子を母体粒子に外添するものであり、トナーを大量に生産する場合、大量のトナー分散スラリーから濾過ケーキを作製し、その後循風乾燥機などを用いて濾過ケーキを乾燥させてトナーを得るので、工程が複雑であるとともに、生産性が悪い。
特許文献1に開示される方法では、母体粒子表面を若干軟化させて付着力を高めることができるけれども、水系溶媒中における処理では外添剤粒子と母体粒子との衝突力を大きくすることができず、外添剤粒子を母体粒子にめり込ませることができない。このような状態では、外添剤粒子と母体粒子との接触面積が小さいので、外添剤粒子と母体粒子との付着力が多少大きくなったとしても、外添剤粒子の母体粒子からの離脱が容易に発生する。
また特許文献2に開示される方法では、母体粒子表面を加熱することによって外添剤粒子を固定化しているけれども、使用する外添剤粒子の材料が、母体粒子に対して親和性を有する材料に限定されてしまい、外添剤粒子としての材料の選択において制約がある。
本発明の目的は、結着樹脂および外添剤粒子として用いる材料の選択幅が広く、かつ外添剤粒子の母体粒子からの離脱を防止することができるトナーおよびその製造方法、二成分現像剤、現像装置ならびに画像形成装置を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、回転部材を回転させることによって少なくとも結着樹脂および着色剤を含む母体粒子を噴霧炉内で流過させ、この母体粒子に外添剤粒子を噴霧するトナーの製造方法において、回転部材の最外周の周速が30m/s以上であるとともに、炉内の温度が母体粒子のガラス転移温度以下の噴霧炉中で、結着樹脂および着色剤を含む母体粒子に、外添剤粒子と分散媒とを含む外添剤分散液を噴霧することによって、高速で噴霧炉内を流過する母体粒子の表面が軟化している状態に、外添剤粒子の一部を埋没させることが可能となることを見出した。
本発明は、回転部材を備える噴霧炉内で、回転部材を回転させることによって少なくとも結着樹脂および着色剤を含む母体粒子を気体とともに流過させながら、母体粒子に外添剤粒子を噴霧するトナーの製造方法において、
回転部材の最外周の周速が30m/s以上であり、かつ炉内の温度が母体粒子のガラス転移温度以下である噴霧炉内で、外添剤粒子と低級アルコール溶液とを含む外添剤分散液を母体粒子に噴霧することを特徴とするトナーの製造方法である。
回転部材の最外周の周速が30m/s以上であり、かつ炉内の温度が母体粒子のガラス転移温度以下である噴霧炉内で、外添剤粒子と低級アルコール溶液とを含む外添剤分散液を母体粒子に噴霧することを特徴とするトナーの製造方法である。
また本発明は、外添剤分散液には、分散媒100重量部に対して外添剤粒子が0.1重量部以上50重量部以下含まれることを特徴とする。
また本発明は、外添剤分散液が、母体粒子100重量部に対して毎分0.1重量部以上10重量部以下の速度で噴霧されることを特徴とする。
また本発明は、外添剤粒子は、1次粒子の個数平均粒径が40nm以上300nm以下であることを特徴とする。
また本発明は、母体粒子と、1次粒子の個数平均粒径が30nm以下の前処理用外添剤粒子とを混合した後に、母体粒子に外添剤分散液を噴霧することを特徴とする。
また本発明は、前記本発明のトナーの製造方法によって製造されることを特徴とするトナーである。
また本発明は、上記のトナーとキャリアとを含むことを特徴とする二成分現像剤である。
また本発明は、上記の二成分現像剤を用いて現像を行うことを特徴とする現像装置である。
また本発明は、上記の現像装置を備えることを特徴とする画像形成装置である。
また本発明は、上記の現像装置を備えることを特徴とする画像形成装置である。
本発明によれば、母体粒子を噴霧炉内で流過させる回転部材の最外周の周速(以下単に「回転部材の周速」という場合がある)が30m/s以上であり、かつ炉内の温度が母体粒子のガラス転移温度以下である噴霧炉内において、外添剤粒子と分散媒とを含む外添剤分散液を母体粒子に噴霧することによって、外添剤粒子を母体粒子に外添し、トナーを製造する。外添剤粒子を、低級アルコールを含む分散媒に分散させて成る外添剤分散液を母体粒子に噴霧すると、外添剤分散液に含まれる分散媒によって母体粒子表面が軟化する。このように表面が軟化した母体粒子に外添剤粒子が接触することによって、外添剤粒子の一部を母体粒子に埋没させることができ、外添剤粒子と母体粒子との付着力を高めることができる。特に、分散媒が低級アルコールを含むので、外添剤粒子の母体粒子に対する濡れ性を高めることができ、母体粒子の表面全面または大部分に外添剤粒子を付着させることが容易となる。また分散媒が低級アルコールを含むと、分散媒を除去するときの乾燥時間を一層短縮することができ、母体粒子同士の凝集を抑制することができる。
また回転部材の周速が30m/s以上であるので、母体粒子が噴霧炉内を高速で流過する状態を形成することができる。このような噴霧炉内では、母体粒子と外添剤粒子との衝突力が増大し、外添剤粒子は母体粒子にめり込んで一部が埋没する。これによって、母体粒子と外添剤粒子との接触面積を増加させることができ、さらに前述のように分散媒によって外添剤粒子と母体粒子との付着力が増大するので、母体粒子と外添剤粒子との付着が非常に強固となり、外添剤粒子の母体粒子からの離脱を確実に防止することができる。また噴霧炉内の温度が母体粒子のガラス転移温度以下に設定されるので、母体粒子の変形量が小さく、母体粒子の形状を維持したまま外添剤粒子を外添することができる。これによって、たとえば不定形の母体粒子が球形に変形することによるクリーニング性の低下などの問題が発生しない。さらにこのようなトナーの製造においては、結着樹脂および外添剤粒子として用いる材料は特に限定されないので、材料の選択幅が拡大される。
また本発明によれば、外添剤分散液には、分散媒100重量部に対して外添剤粒子が1重量部以上100重量部以下含まれる。このような割合で分散媒と外添剤粒子とが含まれると、外添剤分散液の粘度が好適であり、噴霧手段による外添剤分散液の噴霧が容易である。また分散媒と外添剤粒子との割合が好適であるので、母体粒子表面の軟化状態を好適に保持することができる。
また本発明によれば、外添剤分散液は、母体粒子100重量部に対して毎分0.1重量部以上10重量部以下の速度で噴霧される。このような噴霧速度で外添剤分散液が噴霧されることによって、母体粒子の表面に均一に外添剤粒子を付着させることができる。また外添剤粒子の外添に要する時間の短縮化を図ることができ、生産性を向上させることができる。
また本発明によれば、外添剤粒子は、1次粒子の個数平均粒径が40nm以上300nm以下である。このような大粒径の外添剤粒子が外添され、かつこの外添剤粒子の離脱が防止されることによって、スペーサ効果を長期にわたって維持することができる。スペーサ効果とは、トナー同士の付着力、トナーとキャリアとの付着力、およびトナーと各種部材との付着力を低減させることによる現像性、転写性およびクリーニング性の向上、またたとえば大粒径粒子と粒径が40nm未満の小粒径粒子とが併用される場合においては小粒径粒子の埋没の抑制によるトナー性能の維持などである。
また本発明によれば、母体粒子と、1次粒子の個数平均粒径が30nm以下の前処理用外添剤粒子とを混合した後に、母体粒子に外添剤分散液を噴霧する。したがって1次粒子の個数平均粒径が30nm以下の前処理用外添剤粒子が混合した状態の母体粒子に対して、外添剤分散液が噴霧される。母体粒子に小粒径の前処理用外添剤粒子が添加されると、噴霧処理中における噴霧炉内での母体粒子の流動性を向上させることができ、これによって母体粒子同士の融着、母体粒子の噴霧炉への融着を防止することができ、一層均一な外添剤分散液の噴霧を行うことができる。
また本発明によれば、トナーが前記効果を有するトナーの製造方法によって製造される。このようなトナーは、長期使用によっても外添剤粒子の母体粒子からの離脱が防止されるので、現像特性、帯電特性、流動特性、定着特性などのトナー特性の経時変化を防止することができる。また外添剤粒子の離脱による感光体へのフィルミング、機内汚染、キャリアスペントなどを防止することができる。さらに結着樹脂および外添剤粒子として用いる材料が特に限定されないので、トナー特性を所望のものとする材料を用いることができ、トナー特性の一層の向上を図ることができる。
また本発明によれば、上記のトナーとキャリアとを含むことによって、二成分現像剤は長期使用によっても現像特性、帯電特性、流動特性、定着特性などのトナー特性の経時変化がなく、感光体へのフィルミング、機内汚染、キャリアスペントなどによる不具合のない、高画質画像を形成することができる。
また本発明によれば、上記の二成分現像剤を用いて現像を行うことによって、現像装置は、感光体上に長期使用による経時変化のないトナー像を形成することができる。
また本発明によれば、上記の現像装置を備えることによって、画像形成装置は長期にわたり、画像欠損のない高画質画像を形成することができる。
本発明のトナーの製造方法は、回転部材を備える噴霧炉内において、回転部材を回転させることによって少なくとも結着樹脂および着色剤を含む母体粒子を気体とともに流過させながら、母体粒子に外添剤粒子を噴霧するトナーの製造方法であって、回転部材の最外周の周速が30m/s以上であり、かつ炉内の温度が母体粒子のガラス転移温度以下である噴霧炉内において、外添剤粒子と低級アルコール溶液とを含む外添剤分散液を母体粒子に噴霧することを特徴とする。
回転部材とは、たとえばロータである。回転部材の最外周の周速とは、回転部材の回転軸から最も遠い部分の周速度である。回転部材の最外周の周速を、単に「回転部材の周速」という場合がある。
図1は、本発明の実施の形態である外添剤のトナーへの埋没を模式的に示した図であり、図2は、従来の方法により外添された外添剤のトナー表面を模式的に示した図である。図3は、本発明の実施の一形態であるトナーの製造方法の手順を示す系統図である。本実施の形態のトナーの製造方法は、原料混合工程と、溶融混練工程と、粉砕工程と、分級工程と、前処理用外添剤粒子外添工程と、分散液調製工程と、噴霧工程と、表面改質剤添加工程とを含む。本実施の形態において、原料混合工程と、溶融混練工程と、粉砕工程と、分級工程とが母体粒子を作製するための工程である。分散液調製工程は、噴霧工程の前であればいつ行われてもよい。また前処理用外添剤粒子外添工程および表面改質剤添加工程は必須の構成ではない。
このような製造方法を経て製造されたトナーは、噴霧工程において噴霧される外添剤分散液によって母体粒子表面が軟化し、図1に示すように、外添剤粒子2の一部を母体粒子1に埋没させることができ、外添剤粒子2と母体粒子1との付着力を高めることができる。これに対し従来の製造方法によって外添された場合は、外添剤粒子2が母体粒子に埋没せず、外添剤粒子2の離脱という問題がある。
[原料混合工程]
原料混合工程では、母体粒子1の原料である結着樹脂および着色剤、ならびに離型剤、電荷制御剤などの添加剤を混合する。
原料混合工程では、母体粒子1の原料である結着樹脂および着色剤、ならびに離型剤、電荷制御剤などの添加剤を混合する。
(a)結着樹脂
結着樹脂としては、特に限定されるものではなく、黒トナーまたはカラートナー用の公知の結着樹脂を使用することができる。たとえば、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸エステル共重合樹脂などのスチレン系樹脂、ポリメチルメタクリレートなどのアクリル系樹脂、ポリエチレンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂などが挙げられる。また原料モノマー混合物に離型剤を混合し、重合反応を行って得られる樹脂を用いてもよい。結着樹脂は一種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。
結着樹脂としては、特に限定されるものではなく、黒トナーまたはカラートナー用の公知の結着樹脂を使用することができる。たとえば、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸エステル共重合樹脂などのスチレン系樹脂、ポリメチルメタクリレートなどのアクリル系樹脂、ポリエチレンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂などが挙げられる。また原料モノマー混合物に離型剤を混合し、重合反応を行って得られる樹脂を用いてもよい。結着樹脂は一種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。
ポリエステルは透明性に優れ、凝集粒子に良好な粉体流動性、低温定着性および二次色再現性などを付与できるので、カラートナー用の結着樹脂に好適である。ポリエステルとしては公知のものを使用でき、多塩基酸と多価アルコールとの重縮合物などが挙げられる。多塩基酸としては、ポリエステル用モノマーとして知られるものを使用でき、たとえば、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族カルボン酸類、無水マレイン酸、フマル酸、琥珀酸、アルケニル無水琥珀酸、アジピン酸などの脂肪族カルボン酸類、これら多塩基酸のメチルエステル化物などが挙げられる。多塩基酸は1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。多価アルコールとしても、ポリエステル用モノマーとして知られるものを使用でき、たとえば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリンなどの脂肪族多価アルコール類、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールAなどの脂環式多価アルコール類、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物などの芳香族系ジオール類などが挙げられる。多価アルコールは1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。多塩基酸と多価アルコールとの重縮合反応は常法に従って実施でき、たとえば、有機溶媒の存在下または非存在下および重縮合触媒の存在下に、多塩基酸と多価アルコールとを接触させることによって行われ、生成するポリエステルの酸価、軟化点などが所定の値になったところで終了する。これによって、ポリエステルが得られる。多塩基酸の一部に、多塩基酸のメチルエステル化物を用いると、脱メタノール重縮合反応が行われる。この重縮合反応において、多塩基酸と多価アルコールとの配合比、反応率などを適宜変更することによって、たとえば、ポリエステルの末端のカルボキシル基含有量を調整でき、ひいては得られるポリエステルの特性を変性できる。また多塩基酸として無水トリメリット酸を用いると、ポリエステルの主鎖中にカルボキシル基を容易に導入することによっても、変性ポリエステルが得られる。なお、ポリエステルの主鎖および/または側鎖にカルボキシル基、スルホン酸基などの親水性基を結合させ、水中での自己分散性ポリエステルも使用できる。またポリエステルとアクリル樹脂とをグラフト化して用いてもよい。
結着樹脂は、ガラス転移点が50℃以上80℃以下であることが好ましい。結着樹脂のガラス転移点が50℃未満であると、画像形成装置内部においてトナーが熱凝集するブロッキングを発生しやすくなり、保存安定性が低下するおそれがある。結着樹脂のガラス転移点が80℃を超えると、記録媒体へのトナーの定着性が低下し、定着不良が発生するおそれがある。
(b)着色剤
着色剤としては、電子写真分野で常用される有機系染料、有機系顔料、無機系染料、無機系顔料などを使用できる。
着色剤としては、電子写真分野で常用される有機系染料、有機系顔料、無機系染料、無機系顔料などを使用できる。
黒色の着色剤としては、たとえば、カーボンブラック、酸化銅、二酸化マンガン、アニリンブラック、活性炭、非磁性フェライト、磁性フェライトおよびマグネタイトなどが挙げられる。
黄色の着色剤としては、たとえば、黄鉛、亜鉛黄、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、ミネラルファストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキ、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー138などが挙げられる。
橙色の着色剤としては、たとえば、赤色黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダスレンブリリアントオレンジGK、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ43などが挙げられる。
赤色の着色剤としては、たとえば、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀、カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウオッチングレッド、カルシウム塩、レーキレッドC、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3B、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド222などが挙げられる。
紫色の着色剤としては、たとえば、マンガン紫、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキなどが挙げられる。
青色の着色剤としては、たとえば、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダスレンブルーBC、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー60などが挙げられる。
緑色の着色剤としては、たとえば、クロムグリーン、酸化クロム、ピクメントグリーンB、マイカライトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG、C.I.ピグメントグリーン7などが挙げられる。
白色の着色剤としては、たとえば、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛などの化合物が挙げられる。
着色剤は1種を単独で使用でき、または2種以上の異なる色のものを併用できる。また同色であっても、2種以上を併用できる。着色剤の使用量は特に制限されないけれども、好ましくは結着樹脂100重量部に対して5〜20重量部、さらに好ましくは5〜10重量部である。
着色剤は、合成樹脂用添加剤を混練物中に均一に分散させるために、マスターバッチ化して用いてもよい。また合成樹脂用添加剤の2種以上を複合粒子化して用いてもよい。複合粒子は、たとえば、合成樹脂用添加剤の2種以上に適量の水、低級アルコールなどを添加し、ハイスピードミルなどの一般的な造粒機で造粒し、乾燥させることによって製造できる。
(c)電荷制御剤
電荷制御剤としてはこの分野で常用される正電荷制御用および負電荷制御用のものを使用できる。正電荷制御用の電荷制御剤としては、たとえば、ニグロシン染料、塩基性染料、四級アンモニウム塩、四級ホスホニウム塩、アミノピリン、ピリミジン化合物、多核ポリアミノ化合物、アミノシラン、ニグロシン染料およびその誘導体、トリフェニルメタン誘導体、グアニジン塩、アミジン塩などが挙げられる。負電荷制御用の電荷制御剤としては、オイルブラック、スピロンブラックなどの油溶性染料、含金属アゾ化合物、アゾ錯体染料、ナフテン酸金属塩、サリチル酸およびその誘導体の金属錯体および金属塩(金属はクロム、亜鉛、ジルコニウムなど)、ホウ素化合物、脂肪酸石鹸、長鎖アルキルカルボン酸塩、樹脂酸石鹸などが挙げられる。電荷制御剤は1種を単独で使用できまたは必要に応じて2種以上を併用できる。電荷制御剤の使用量は特に制限されず広い範囲から適宜選択できるけれども、好ましくは、結着樹脂100重量部に対して0.5〜3重量部である。
電荷制御剤としてはこの分野で常用される正電荷制御用および負電荷制御用のものを使用できる。正電荷制御用の電荷制御剤としては、たとえば、ニグロシン染料、塩基性染料、四級アンモニウム塩、四級ホスホニウム塩、アミノピリン、ピリミジン化合物、多核ポリアミノ化合物、アミノシラン、ニグロシン染料およびその誘導体、トリフェニルメタン誘導体、グアニジン塩、アミジン塩などが挙げられる。負電荷制御用の電荷制御剤としては、オイルブラック、スピロンブラックなどの油溶性染料、含金属アゾ化合物、アゾ錯体染料、ナフテン酸金属塩、サリチル酸およびその誘導体の金属錯体および金属塩(金属はクロム、亜鉛、ジルコニウムなど)、ホウ素化合物、脂肪酸石鹸、長鎖アルキルカルボン酸塩、樹脂酸石鹸などが挙げられる。電荷制御剤は1種を単独で使用できまたは必要に応じて2種以上を併用できる。電荷制御剤の使用量は特に制限されず広い範囲から適宜選択できるけれども、好ましくは、結着樹脂100重量部に対して0.5〜3重量部である。
(d)離型剤
離型剤としてはこの分野で常用されるものを使用でき、たとえば、パラフィンワックスおよびその誘導体、マイクロクリスタリンワックスおよびその誘導体などの石油系ワックス、フィッシャートロプシュワックスおよびその誘導体、ポリオレフィンワックス(ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなど)およびその誘導体、低分子量ポリプロピリンワックスおよびその誘導体、ポリオレフィン系重合体ワックス(低分子量ポリエチレンワックスなど)およびその誘導体などの炭化水素系合成ワックス、カルナバワックスおよびその誘導体、ライスワックスおよびその誘導体、キャンデリラワックスおよびその誘導体、木蝋などの植物系ワックス、蜜蝋、鯨蝋などの動物系ワックス、脂肪酸アミド、フェノール脂肪酸エステルなどの油脂系合成ワックス、長鎖カルボン酸およびその誘導体、長鎖アルコールおよびその誘導体、シリコーン系重合体、高級脂肪酸などが挙げられる。なお、誘導体には、酸化物、ビニル系モノマーとワックスとのブロック共重合物、ビニル系モノマーとワックスとのグラフト変性物などが含まれる。ワックスの使用量は特に制限されず広い範囲から適宜選択できるけれども、好ましくは結着樹脂100重量部に対して0.2〜20重量部、さらに好ましくは0.5〜10重量部、特に好ましくは1.0〜8.0重量部である。
離型剤としてはこの分野で常用されるものを使用でき、たとえば、パラフィンワックスおよびその誘導体、マイクロクリスタリンワックスおよびその誘導体などの石油系ワックス、フィッシャートロプシュワックスおよびその誘導体、ポリオレフィンワックス(ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなど)およびその誘導体、低分子量ポリプロピリンワックスおよびその誘導体、ポリオレフィン系重合体ワックス(低分子量ポリエチレンワックスなど)およびその誘導体などの炭化水素系合成ワックス、カルナバワックスおよびその誘導体、ライスワックスおよびその誘導体、キャンデリラワックスおよびその誘導体、木蝋などの植物系ワックス、蜜蝋、鯨蝋などの動物系ワックス、脂肪酸アミド、フェノール脂肪酸エステルなどの油脂系合成ワックス、長鎖カルボン酸およびその誘導体、長鎖アルコールおよびその誘導体、シリコーン系重合体、高級脂肪酸などが挙げられる。なお、誘導体には、酸化物、ビニル系モノマーとワックスとのブロック共重合物、ビニル系モノマーとワックスとのグラフト変性物などが含まれる。ワックスの使用量は特に制限されず広い範囲から適宜選択できるけれども、好ましくは結着樹脂100重量部に対して0.2〜20重量部、さらに好ましくは0.5〜10重量部、特に好ましくは1.0〜8.0重量部である。
原料混合工程では、結着樹脂、着色剤およびその他の添加剤を含む母体粒子1の原料を、混合機で乾式混合する。混合機としては公知のものを使用でき、たとえば、ヘンシェルミキサ(商品名、三井鉱山株式会社製)、スーパーミキサ(商品名、株式会社カワタ製)、メカノミル(商品名、岡田精工株式会社製)などのヘンシェルタイプの混合装置、オングミル(商品名、ホソカワミクロン株式会社製)、ハイブリダイゼーションシステム(商品名、株式会社奈良機械製作所製)、コスモシステム(商品名、川崎重工業株式会社製)などが挙げられる。原料混合工程において母体粒子1の原料が混合されると、溶融混練工程に移る。
[溶融混練工程]
溶融混練工程では、原料混合工程にて得られた母体粒子1の原料混合物を溶融混練し、結着樹脂中に着色剤および添加剤を分散させる。
溶融混練工程では、原料混合工程にて得られた母体粒子1の原料混合物を溶融混練し、結着樹脂中に着色剤および添加剤を分散させる。
混練機としても公知のものを使用でき、たとえば、二軸押出し機、三本ロール、ラボブラストミルなどの一般的な混練機を使用できる。さらに具体的には、たとえば、TEM−100B(商品名、東芝機械株式会社製)、PCM−65/87、PCM−30(以上いずれも商品名、株式会社池貝製)などの1軸または2軸のエクストルーダ、ニーデックス(商品名、三井鉱山株式会社製)などのオープンロール方式の混練機が挙げられる。これらの中でも、オープンロール方式の混練機が好ましい。溶融混練工程にて溶融混練が行われ、結着樹脂中に着色剤などの成分が分散すると、粉砕工程に移る。
[粉砕工程]
粉砕工程では、溶融混練工程にて得られた溶融混練物を冷却して固化させ、粉砕する。粉砕は、粉砕に用いられる粉砕機としては、公知のものを用いることができ、たとえば超音速ジェット気流を利用して粉砕するジェット式粉砕機、高速で回転する回転子(ロータ)と固定子(ライナー)との間に形成される空間に粗粉砕物を導入して粉砕する衝撃式粉砕機などを用いることができる。粉砕工程にて粉砕がされると、分級工程に移る。
粉砕工程では、溶融混練工程にて得られた溶融混練物を冷却して固化させ、粉砕する。粉砕は、粉砕に用いられる粉砕機としては、公知のものを用いることができ、たとえば超音速ジェット気流を利用して粉砕するジェット式粉砕機、高速で回転する回転子(ロータ)と固定子(ライナー)との間に形成される空間に粗粉砕物を導入して粉砕する衝撃式粉砕機などを用いることができる。粉砕工程にて粉砕がされると、分級工程に移る。
[分級工程]
分級工程では、粉砕工程で得られた粉砕物中の微粉を除去し、母体粒子1を得る。分級には、遠心力による分級、または風力による分級によって微粉を除去する公知の分級機を用いることができる。
分級工程では、粉砕工程で得られた粉砕物中の微粉を除去し、母体粒子1を得る。分級には、遠心力による分級、または風力による分級によって微粉を除去する公知の分級機を用いることができる。
以上のような原料混合工程、溶融混練工程、粉砕工程および分級工程を経て得られる母体粒子1は、体積平均粒径が4μm以上8μm以下であることが好ましい。母体粒子1の体積平均粒径が4μm以上8μm以下であると、高精細な画像を長期にわたって安定して形成することができる。またこの範囲まで小粒径化することによって、少ない付着量でも高い画像濃度が得られ、トナー消費量を削減できる効果も生じる。母体粒子1の体積平均粒径が4μm未満であると、母体粒子1の粒径が小さくなり過ぎ、高帯電化および低流動化が起こるおそれがある。この高帯電化および低流動化が発生すると、感光体にトナーを安定して供給することができなくなり、地肌かぶりおよび画像濃度の低下などが発生するおそれがある。母体粒子1の体積平均粒径が8μmを超えると、母体粒子1の粒径が大きく、形成画像の層厚が高くなり著しく粒状性を感じる画像となり、高精細な画像を得ることができないので望ましくない。また母体粒子1の粒径が大きくなることによって比表面積が減少し、トナーの帯電量が小さくなる。トナーの帯電量が小さくなると、トナーが感光体に安定して供給されず、トナー飛散による機内汚染が発生するおそれがある。
[前処理用外添剤粒子外添工程]
前処理用外添剤粒子外添工程では、母体粒子1に外添剤分散液を噴霧する噴霧工程の前に、母体粒子1と、1次粒子の個数平均粒径が30nm以下の前処理用外添剤粒子2とを混合する。
前処理用外添剤粒子外添工程では、母体粒子1に外添剤分散液を噴霧する噴霧工程の前に、母体粒子1と、1次粒子の個数平均粒径が30nm以下の前処理用外添剤粒子2とを混合する。
母体粒子1にこのような小粒径の前処理用外添剤粒子2を添加すると、噴霧処理中における噴霧炉内での母体粒子1の流動性を向上させることができ、これによって母体粒子1同士の融着、母体粒子1の噴霧炉への融着を防止することができ、一層均一な外添剤分散液の噴霧を行うことができる。このような前処理用外添剤粒子2は、外添剤の添加のための外添剤分散液の噴霧によって、母体粒子1に一部が埋没するので、前処理用外添剤粒子2が離脱することによる問題は生じない。
前処理用外添剤粒子2としては、たとえば、二酸化ケイ素、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化セリウム、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化ジルコニウムなどの無機微粉体、またポリスチレン、アクリル樹脂、スチレン−アクリル樹脂、ポリエステル、ポリオレフィン、セルロース、ポリウレタン、ベンゾグアナミン、メラミン樹脂、ナイロン、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、フッ化ビニリデンなどの樹脂微粉体が挙げられる。無機微粉体は、シリコーンオイル、シランカップリング剤、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)などの疎水化処理剤で表面処理されてもよい。これらの中でも、流動性向上、摩擦帯電性向上、耐熱性、長期保存性改善、クリーニング特性改善および感光体表面磨耗特性制御の点において優れる二酸化ケイ素および酸化チタンが特に好ましい。二酸化ケイ素および酸化チタンは、表面が疎水化処理されることがさらに好ましい。
また前処理用外添剤粒子2は、1次粒子の個数平均粒径が5nm以上30nm以下であることが好ましい。前処理用外添剤粒子2の1次粒子の個数平均粒径が30nmを超えると、流動性を向上させる効果が得られず、母体粒子1への外添剤粒子2の添加が不均一となる。また外添剤の添加のために外添剤分散液を噴霧しても、母体粒子1にこのような粒径の大きい前処理用外添剤粒子2の一部を埋没させることはできず、前処理用外添剤粒子2が離脱するおそれがある。前処理用外添剤粒子2の1次粒子の個数平均粒径が5nm未満であると、前処理用外添剤粒子2が凝集し、母体粒子1の流動性を向上させる効果が得られないおそれがある。母体粒子1に対する前処理用外添剤粒子2の添加は、公知の混合機によって行うことができる。
[分散液調製工程]
分散液調製工程では、外添剤粒子2と分散媒とを含む外添剤分散液を調製する。外添剤粒子2としては、従来公知のものを使用することができる。外添剤粒子2としては、たとえば、二酸化ケイ素、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化セリウム、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化ジルコニウムなどの無機微粉体、またポリスチレン、アクリル樹脂、スチレン−アクリル樹脂、ポリエステル、ポリオレフィン、セルロース、ポリウレタン、ベンゾグアナミン、メラミン樹脂、ナイロン、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、フッ化ビニリデンなどの樹脂微粉体が挙げられる。無機微粉体は、シリコーンオイル、シランカップリング剤、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)などの疎水化処理剤で表面処理されてもよい。これらの中でも、流動性向上、摩擦帯電性向上、耐熱性、長期保存性改善、クリーニング特性改善および感光体表面磨耗特性制御の点において優れる二酸化ケイ素および酸化チタンが特に好ましい。二酸化ケイ素および酸化チタンは、表面が疎水化処理されることがさらに好ましい。
分散液調製工程では、外添剤粒子2と分散媒とを含む外添剤分散液を調製する。外添剤粒子2としては、従来公知のものを使用することができる。外添剤粒子2としては、たとえば、二酸化ケイ素、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化セリウム、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化ジルコニウムなどの無機微粉体、またポリスチレン、アクリル樹脂、スチレン−アクリル樹脂、ポリエステル、ポリオレフィン、セルロース、ポリウレタン、ベンゾグアナミン、メラミン樹脂、ナイロン、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、フッ化ビニリデンなどの樹脂微粉体が挙げられる。無機微粉体は、シリコーンオイル、シランカップリング剤、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)などの疎水化処理剤で表面処理されてもよい。これらの中でも、流動性向上、摩擦帯電性向上、耐熱性、長期保存性改善、クリーニング特性改善および感光体表面磨耗特性制御の点において優れる二酸化ケイ素および酸化チタンが特に好ましい。二酸化ケイ素および酸化チタンは、表面が疎水化処理されることがさらに好ましい。
外添剤粒子2は、1次粒子の個数平均粒径が40nm以上300nm以下であることが好ましい。このような大粒径の外添剤粒子2が外添され、かつこの外添剤粒子2の離脱が防止されることによって、スペーサ効果を長期にわたって維持することができる。スペーサ効果とは、トナー同士の付着力、トナーとキャリアとの付着力、およびトナーと各種部材との付着力を低減させることによる現像性、転写性およびクリーニング性の向上、小粒径外添剤の埋没の抑制によるトナー性能の維持などである。1次粒子の個数平均粒径が40nm未満であると、上記スペーサ効果を発揮することができないおそれがある。また1次粒子の個数平均粒径が300nmを超えると、トナーの定着性を損なうおそれがある。
分散媒としては、微小樹脂粒子の母体粒子1に対する濡れ性を向上させることができる液体を用いることができる。分散媒は、母体粒子1を溶解しない液体であることが好ましい。また分散媒は、微小樹脂粒子のコーティング後に除去される必要があるので、蒸発し易い液体であることが好ましい。
分散媒としては、低級アルコールを含むことが好ましい。低級アルコールとしては、たとえば、メタノール、エタノール、プロパノールなどが挙げられる。分散媒がこのような低級アルコールを含むと、外添剤粒子2の母体粒子1に対する濡れ性を高めることができ、母体粒子1の表面全面または大部分に外添剤粒子2を付着させることが容易となる。また分散媒が分散媒を除去するときの乾燥時間を一層短縮することができ、母体粒子1同士の凝集を抑制することができる。
分散液調整工程では、外添剤粒子2と分散媒とを含む外添剤分散液を調製する。外添剤分散液の作製は、分散媒に外添剤粒子2を添加し、スターラ、超音波式ホモジナイザなどを用いて外添剤粒子2を分散媒中に分散させることによって行われる。
外添剤分散液には、分散媒100重量部に対して外添剤粒子2が0.1重量部以上50重量部以下含まれることが好ましく、1重量部以上30重量部以下含まれることがさらに好ましい。このような割合で分散媒と外添剤粒子2とが含まれると、外添剤分散液の粘度が好適であり、噴霧手段による外添剤分散液の噴霧が容易である。また分散媒と外添剤粒子2との割合が好適であるので、母体粒子1表面の軟化状態を好適に保持することができる。分散媒100重量部に対する外添剤粒子2の割合が0.1重量部未満であると、分散媒の割合が多くなり過ぎ、母体粒子1表面が軟化し過ぎるおそれがある。また分散媒の割合が多くなり過ぎ、分散媒を除去するための時間が長くなり過ぎる。分散媒100重量部に対する外添剤粒子2の割合が50重量部を超えると、外添剤分散液の粘度が高くなり、噴霧手段のノズルが目詰まりするなど、外添剤分散液の噴霧が困難となるおそれがある。
分散液調製工程において外添剤分散液が得られると、この外添剤分散液を、前処理用外添剤粒子外添工程にて前処理用外添剤粒子2が外添された母体粒子1に噴霧する噴霧工程に移る。
[噴霧工程]
噴霧工程では、分散液調整工程で得られた外添剤分散液を母体粒子1に噴霧する。噴霧工程は、回転部材を備える噴霧炉を含む表面改質装置を用いて行われる。表面改質装置は、母体粒子1を内部に収容する噴霧炉と、噴霧炉内部に外添剤分散液を噴霧する噴霧手段と、噴霧炉内で母体粒子1を流過させるための回転部材とを備える装置である。
噴霧工程では、分散液調整工程で得られた外添剤分散液を母体粒子1に噴霧する。噴霧工程は、回転部材を備える噴霧炉を含む表面改質装置を用いて行われる。表面改質装置は、母体粒子1を内部に収容する噴霧炉と、噴霧炉内部に外添剤分散液を噴霧する噴霧手段と、噴霧炉内で母体粒子1を流過させるための回転部材とを備える装置である。
母体粒子1を内部に収容する噴霧炉としては、閉鎖系の容器を用いることができる。噴霧手段は、外添剤分散液を貯留する分散液貯留部と、キャリアガスを貯留するキャリアガス貯留部と、外添剤分散液とキャリアガスとを混合し、得られる混合物を噴霧炉内に収容される母体粒子1に向けて噴射し、外添剤分散液の液滴を母体粒子1に噴霧する液体噴霧ユニットとを備える。キャリアガスとしては、圧縮エアなどを用いることができる。液体噴霧ユニットとしては、市販品を用いることができ、たとえば、付着補助剤をチューブポンプ(商品名:MP−1000A、東京理化器械株式会社製)を通して二流体ノズル(商品名:AM6型、株式会社アトマックス製)に定量送液するように接続したものを使用することができる。回転部材としては、回転することによって母体粒子1を噴霧炉内で流過させることができる撹拌ロータなどが用いられる。
回転部材および噴霧炉を備える装置としては、市販品を用いることができ、たとえば、ヘンシェルミキサ(商品名、三井鉱山株式会社製)、スーパーミキサ(商品名、株式会社カワタ製)、メカノミル(商品名、岡田精工株式会社製)などのヘンシェルタイプの混合装置、オングミル(商品名、ホソカワミクロン株式会社製)、ハイブリダイゼーションシステム(商品名、株式会社奈良機械製作所製)、コスモシステム(商品名、川崎重工業株式会社製)などが挙げられる。このような混合機の噴霧炉内に液体噴霧ユニットを取付けることによって、この混合機を本実施の形態の表面改質装置として用いることができる。
噴霧工程における外添剤分散液の噴霧は、次のようにして行う。まず温度が母体粒子1のガラス転移温度以下に設定される噴霧炉内に母体粒子1を投入し、回転部材の最外周の周速を30m/s以上に設定して母体粒子1を噴霧炉内に流過させる。噴霧炉内で母体粒子1が流過する状態で、噴霧炉内部に外添剤分散液を噴霧手段によって噴霧する。母体粒子1は、噴霧炉内を流過している状態で外添剤分散液に含まれる分散媒が噴霧され、かつ撹拌による熱的エネルギーが加えられることによって、その表面が膨潤軟化する。このような母体粒子1に、外添剤分散液に含まれる外添剤粒子2が衝突することによって、外添剤粒子2が母体粒子1表面にめり込み、その一部が母体粒子1表面に埋没する。これによって、母体粒子1と外添剤粒子2との接触面積を増加させることができ、さらに母体粒子1の表面が膨潤軟化することによって外添剤粒子2と母体粒子1との付着力が増加するので、外添剤粒子2が母体粒子1に対して非常に強固に付着する。母体粒子1に対する外添剤粒子2の外添量が所望の量となると、噴霧手段からの外添剤分散液の噴霧を終了する。
本実施の形態では、2流体ノズルは、噴霧炉内において、母体粒子1が流過する方向とほぼ同じ方向に外添剤分散液を噴霧するように設けられる。母体粒子1が流過する方向と2流体ノズルの噴霧方向との成す角度である噴霧角度は特に限定されないけれども、0°以上80°以下であることが好ましい。噴霧角度がこのような範囲であると、噴霧によって外添剤分散液が噴霧炉12の内壁に不必要に付着することが防止される。また2流体ノズルによる噴霧の拡がり角度は、30°以上135°以下であることが好ましい。拡がり角度がこの範囲から外れると、母体粒子1に対する外添剤分散液の均一な噴霧が困難となるおそれがある。
噴霧手段による外添剤分散液の噴霧速度は、母体粒子100重量部に対して毎分0.1重量部以上10重量部以下であることが好ましい。このような噴霧速度で外添剤分散液が噴霧されることによって、母体粒子1の表面に均一に外添剤粒子2を付着させることができる。また外添剤粒子2の外添に要する時間の短縮化を図ることができ、生産性を向上させることができる。噴霧速度が母体粒子100重量部に対して毎分0.1重量部未満であると、外添剤粒子2の外添に要する時間が長くなり、生産性が低下する。また噴霧速度が母体粒子100重量部に対して毎分10重量部を超えると、分散媒の乾燥速度が噴霧速度に比べて遅くなり過ぎ、乾燥するまでに母体粒子1同士が凝集するおそれがある。
前述のように、回転部材の周速は、30m/s以上に設定される。回転部材の周速が30m/s未満であると、母体粒子1の流過速度が小さく、分散媒で母体粒子1の表面を軟化させた状態であっても、母体粒子1に対して流動エネルギーが充分に付与されていないので、母体粒子1と外添剤粒子2との衝突力が不充分であり、外添剤粒子2の一部を埋没させることができない。回転部材の周速は、大きいほど好ましいけれども、30m/s以上100m/s以下であることが好ましい。回転部材の周速が100m/sを超えると、回転部材の回転が速くなり過ぎ、装置に負担がかかるおそれがある。
また前述のように、噴霧炉内の温度は、母体粒子1のガラス転移温度以下に設定される。また噴霧炉内の温度は、30℃以上母体粒子1のガラス転移温度以下であることがさらに好ましい。噴霧炉内の温度は、母体粒子1の流過によって、噴霧炉内のどの部分においてもほぼ均一となる。噴霧炉内の温度が母体粒子1のガラス転移温度以上を超えると、外添剤分散液の噴霧時に噴霧炉内で母体粒子1が軟化し過ぎ、母体粒子1の凝集が発生するおそれがある。また噴霧炉内の温度が30℃未満であると、分散液の乾燥速度が遅くなり生産性が低下してしまう。したがって母体粒子1の凝集を防止するために、噴霧炉内の温度を母体粒子1のガラス転移温度以下に維持すべく、噴霧炉には必要に応じて温度測定手段および冷却手段を設けることが必要である。
外添剤粒子2の外添量としては、特に限定されないけれども、母体粒子1の表面全面を被覆することができる使用割合であることが好ましい。外添剤粒子2は、母体粒子100重量部に対して、0.1重量部以上10重量部以下の使用割合で用いられることが好ましい。外添剤粒子2が0.1重量部未満であると、スペーサ効果を得ることができないおそれがある。外添剤粒子2が10重量部を超えると、被覆層の厚みが大きくなり過ぎ、外添剤粒子2の構成材料によっては、トナーの定着性が低下するおそれがある。また外添剤粒子2の離脱が発生するおそれがある。
また外添剤分散液の使用量は、外添剤粒子2と分散媒との使用割合にもよるけれども、外添剤粒子2が前記使用割合となる量であるとともに、分散媒が母体粒子1の表面全面を濡らす程度の量であることが好ましい。外添剤分散液の使用量は、母体粒子1の使用量によって決定される。また外添剤分散液は、噴霧手段による噴霧時間、噴霧回数などによってその量を調整することができる。したがって母体粒子1の平均粒径、母体粒子1と外添剤粒子2との使用割合、母体粒子1の材料および外添剤粒子2の材料などに応じて噴霧手段による単位時間当りの噴霧量を設定し、たとえば噴霧装置内の母体粒子1の表面全面に外添剤粒子2が付着した時点で、噴霧手段による外添剤分散液の噴霧を終了すればよい。
母体粒子1に付着している分散媒は、装置の一部からエアを抜くことによって乾燥される。また母体粒子1に付着している分散媒を除去する工程を設けてもよい。分散媒の除去は、たとえば、乾燥機で分散媒を気化させることによって行われる。分散媒の除去には、たとえば、熱風受熱式乾燥機、伝導伝熱式乾燥機、凍結乾燥機などの通常用いられる乾燥機が用いられる。
本発明のトナーの製造方法によれば、回転部材の周速が30m/s以上であり、かつ炉内の温度が母体粒子1のガラス転移温度以下である噴霧炉内において、外添剤粒子2と分散媒とを含む外添剤分散液を母体粒子1に噴霧することによって、外添剤粒子2を母体粒子1に外添し、トナーを製造する。外添剤粒子2を分散媒に分散させて成る外添剤分散液を母体粒子1に噴霧すると、外添剤分散液に含まれる分散媒によって母体粒子1表面が軟化する。このように表面が軟化した母体粒子1に外添剤粒子2が接触することによって、母体粒子1と外添剤粒子2とを融着させることができ、外添剤粒子2と母体粒子1との付着力を高めることができる。
また回転部材の周速が30m/s以上であるので、母体粒子1が噴霧炉内を高速で流過する状態を形成することができる。このような噴霧炉内では、母体粒子1と外添剤粒子2との衝突力が増大し、外添剤粒子2は母体粒子1にめり込んで一部が埋没する。これによって、母体粒子1と外添剤粒子2との接触面積を増加させることができ、さらに分散媒によって外添剤粒子2と母体粒子1との付着力が増大するので、母体粒子1と外添剤粒子2との付着が非常に強固となり、外添剤粒子2の母体粒子1からの離脱を確実に防止することができる
また噴霧炉内の温度が母体粒子1のガラス転移温度以下に設定されるので、装置へのトナー母粒子の融着およびトナー同士の凝集を抑制することができる。また母体粒子1の変形量が小さく、母体粒子1の形状を維持したまま外添剤粒子2を外添することができる。これによって、たとえば不定形の母体粒子1が球形に変形することによるクリーニング性の低下などの問題が発生しない。仮に母体粒子1が球形化されて、母体粒子1のクリーニング性が低下したとしても、大粒径の外添剤粒子2によってスペーサ効果が得られるので、トナーとしてのクリーニング性は向上する。さらにこのようなトナーの製造においては、結着樹脂および外添剤粒子2として用いる材料は特に限定されないので、材料の選択幅が拡大される。
このような製造方法によって得られる本発明のトナーは、長期使用によっても外添剤粒子2の母体粒子1からの離脱が防止されるので、現像特性、帯電特性、流動特性、定着特性などのトナー特性の経時変化を防止することができる。また外添剤粒子2の離脱による感光体へのフィルミング、機内汚染、キャリアスペントなどを防止することができる。さらに結着樹脂および外添剤粒子2として用いる材料が特に限定されないので、トナー特性を所望のものとする材料を用いることができ、トナー特性の一層の向上を図ることができる。
以上のようにして母体粒子1に外添剤分散液が噴霧され、外添剤粒子2が母体粒子1に外添されるトナーが得られると、表面改質剤添加工程に移る。
[表面改質剤添加工程]
噴霧工程で外添剤粒子2が添加されたトナーには、さらに表面改質剤を添加してもよい。表面改質剤としては、たとえば、二酸化ケイ素、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化セリウム、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化ジルコニウムなどの無機微粉体、またポリスチレン、アクリル樹脂、スチレン−アクリル樹脂、ポリエステル、ポリオレフィン、セルロース、ポリウレタン、ベンゾグアナミン、メラミン樹脂、ナイロン、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、フッ化ビニリデンなどの樹脂微粉体が挙げられる。無機微粉体は、シリコーンオイル、シランカップリング剤、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)などの疎水化処理剤で表面処理されてもよい。このような表面改質剤を用いることによって、流動性向上、摩擦帯電性向上、耐熱性、長期保存性改善、クリーニング特性改善、感光体表面磨耗特性制御などの効果を得ることができる。
噴霧工程で外添剤粒子2が添加されたトナーには、さらに表面改質剤を添加してもよい。表面改質剤としては、たとえば、二酸化ケイ素、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化セリウム、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化ジルコニウムなどの無機微粉体、またポリスチレン、アクリル樹脂、スチレン−アクリル樹脂、ポリエステル、ポリオレフィン、セルロース、ポリウレタン、ベンゾグアナミン、メラミン樹脂、ナイロン、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、フッ化ビニリデンなどの樹脂微粉体が挙げられる。無機微粉体は、シリコーンオイル、シランカップリング剤、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)などの疎水化処理剤で表面処理されてもよい。このような表面改質剤を用いることによって、流動性向上、摩擦帯電性向上、耐熱性、長期保存性改善、クリーニング特性改善、感光体表面磨耗特性制御などの効果を得ることができる。
表面改質剤の粒径としては、1次粒子の個数平均粒径が5nm以上40nm未満であることが好ましい。このような粒径の表面改質剤を用いることによって、表面改質剤のトナーからの脱離を防止することができる。また表面改質剤は、トナー100重量部に対して0.1重量部以上5重量部以下添加されることが好ましい。表面改質剤は、従来公知の混合機を用いてトナーに添加される。
以上のような本発明のトナーの製造方法は、上記の構成に限定されることなく、種々の変更が可能である。たとえば、本実施の形態では、溶融混練によって得られる混練物を冷却固化し、固化物を粉砕機によって粉砕した後、分級による粒度調整を行う粉砕法によって母体粒子1を得るけれども、これに限定されることなく、一般的なトナーの製造方法に従って母体粒子1を製造してもよい。たとえば、懸濁重合法、乳化凝集法、分散重合法、溶解懸濁法、溶融乳化法などの湿式法によって母体粒子1を製造してもよい。
また前述のように、前処理用外添剤粒子外添工程および表面改質剤添加工程は必須の構成ではないので、これらの工程のうちいずれか一方または両方を実施することなく本発明のトナーを製造することもできる。
本発明のトナーは、それ自体で1成分現像剤として用いることも可能であるが、キャリアと混合して二成分現像剤として用いることもできる。キャリアとしては特に制限されず、この分野で常用されるものを使用できる。
キャリアには、磁性材料粒子を樹脂で被覆したものが一般に用いられ、これを本発明でも用いることができる。またこの他にも磁性材料のみからなる粒子、樹脂粒子中に磁性粒子を分散した樹脂分散型キャリアなど、他の形態のキャリアを用いてもよい。
キャリア表面を被覆する樹脂としては公知のものを使用でき、たとえば、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、アクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸エステル共重合体、シリコーン樹脂、フッ素含有樹脂、ポリアミド樹脂、アイオノマー樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、およびこれらの混合物などを用いることができる。
キャリアコアの磁性材料としても特に制限されず、フェライト、鉄過剰型フェライト、マグネタイト、γ−酸化鉄などの酸化物、鉄、コバルト、ニッケルなどの金属あるいはこれらの合金を用いることができる。またこれらの磁性材料に含まれる元素としては、鉄、コバルト、ニッケル、アルミニウム、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウムなどが挙げられる。
樹脂分散型キャリアに用いられる樹脂としても特に制限されないけれども、たとえば、スチレンアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素系樹脂、およびフェノール樹脂などが挙げられる。
いずれも、トナー成分に応じて選択するのが好ましく、1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。
キャリアの形状は、球形または扁平形状が好ましい。またキャリアの粒径は特に制限されないけれども、高画質化を考慮すると、好ましくは10〜100μm、さらに好ましくは20〜50μmである。さらにキャリアの抵抗率は、好ましくは108Ω・cm以上、さらに好ましくは1012Ω・cm以上である。キャリアの抵抗率は、キャリアを0.50cm2の断面積を有する容器に入れてタッピングした後、容器内に詰められた粒子に1kg/cm2の荷重を掛け、荷重と底面電極との間に1000V/cmの電界が生ずる電圧を印加したときの電流値を読取ることから得られる値である。抵抗率が低いと、現像スリーブにバイアス電圧を印加した場合にキャリアに電荷が注入され、感光体にキャリア粒子が付着し易くなる。またバイアス電圧のブレークダウンが起こり易くなる。
キャリアの磁化強さ(最大磁化)は、好ましくは10〜60emu/g、さらに好ましくは15〜40emu/gである。磁化強さは現像ローラの磁束密度にもよるけれども、現像ローラの一般的な磁束密度の条件下においては、10emu/g未満であると磁気的な束縛力が働かず、キャリア飛散の原因となるおそれがある。また磁化強さが60emu/gを超えると、キャリアの穂立ちが高くなり過ぎる非接触現像では、像担持体と非接触状態を保つことが困難になる。また接触現像ではトナー像に掃き目が現れ易くなるおそれがある。
二成分現像剤におけるトナーとキャリアとの使用割合は特に制限されず、トナーおよびキャリアの種類に応じて適宜選択できるけれども、樹脂被覆キャリア(密度5〜8g/cm2)に例をとれば、現像剤中に、トナーが現像剤全量の2〜30重量%、好ましくは2〜20重量%含まれるように、トナーを用いればよい。また二成分現像剤において、トナーによるキャリアの被覆率は、40〜80%であることが好ましい。
図4は、本発明の実施形態である画像形成装置100の構成を模式的に示す断面図である。画像形成装置は、複写機能、プリンタ機能およびファクシミリ機能を併せ持つ複合機であり、伝達される画像情報に応じて、記録媒体上にフルカラーまたはモノクロの画像を形成する。すなわち、画像形成装置においては、コピアモード(複写モード)、プリンタモードおよびファクシミリモードという3種の印刷モードを有しており、図示しない操作部からの操作入力、パーソナルコンピュータ、携帯端末装置、情報記録記憶媒体、メモリ装置を用いた外部機器からの印刷ジョブの受信などに応じて、図示しない制御部により、印刷モードが選択される。画像形成装置は、トナー像形成手段102と、転写手段103と、定着手段104と、記録媒体供給手段105と、排出手段106とを含む。トナー像形成手段102を構成する各部材および中間転写手段103に含まれる一部の部材は、カラー画像情報に含まれるブラック(b)、シアン(c)、マゼンタ(m)およびイエロー(y)の各色の画像情報に対応するために、それぞれ4つずつ設けられる。ここでは、各色に応じて4つずつ設けられる各部材は、各色を表すアルファベットを参照符号の末尾に付して区別し、総称する場合は参照符号のみで表す。
トナー像形成手段102は、感光体ドラム111と、帯電手段112と、露光ユニット113と、現像手段114と、クリーニングユニット115とを含む。帯電手段112、現像手段114およびクリーニングユニット115は、感光体ドラム111まわりに、この順序で配置される。帯電手段112は、現像手段114およびクリーニングユニット115よりも鉛直方向下方に配置される。
感光体ドラム111は、図示しない駆動手段により、軸線回りに回転駆動可能に支持され、図示しない、導電性基体と、導電性基体の表面に形成される感光層とを含む。導電性基体は種々の形状を採ることができ、たとえば、円筒状、円柱状、薄膜シート状などが挙げられる。これらの中でも円筒状が好ましい。導電性基体は導電性材料によって形成される。導電性材料としては、この分野で常用されるものを使用でき、たとえば、アルミニウム、銅、真鍮、亜鉛、ニッケル、ステンレス鋼、クロム、モリブデン、バナジウム、インジウム、チタン、金、白金などの金属、これらの2種以上の合金、合成樹脂フィルム、金属フィルム、紙などのフィルム状基体にアルミニウム、アルミニウム合金、酸化錫、金、酸化インジウムなどの1種または2種以上からなる導電性層を形成してなる導電性フィルム、導電性粒子および/または導電性ポリマーを含有する樹脂組成物などが挙げられる。なお、導電性フィルムに用いられるフィルム状基体としては、合成樹脂フィルムが好ましく、ポリエステルフィルムが特に好ましい。また、導電性フィルムにおける導電性層の形成方法としては、蒸着、塗布などが好ましい。
感光層は、たとえば、電荷発生物質を含む電荷発生層と、電荷輸送物質を含む電荷輸送層とを積層することにより形成される。その際、導電性基体と電荷発生層または電荷輸送層との間には、下引き層を設けるのが好ましい。下引き層を設けることによって、導電性基体の表面に存在する傷および凹凸を被覆して、感光層表面を平滑化する、繰り返し使用時における感光層の帯電性の劣化を防止する、低温および/または低湿環境下における感光層の帯電特性を向上させるといった利点が得られる。また最上層に感光体表面保護層を設けた耐久性の大きい三層構造の積層感光体であっても良い。
電荷発生層は、光照射により電荷を発生する電荷発生物質を主成分とし、必要に応じて公知の結着樹脂、可塑剤、増感剤などを含有する。電荷発生物質としては、この分野で常用されるものを使用でき、たとえば、ペリレンイミド、ペリレン酸無水物などのペリレン系顔料、キナクリドン、アントラキノンなどの多環キノン系顔料、金属および無金属フタロシアニン、ハロゲン化無金属フタロシアニンなどのフタロシアニン系顔料、スクエアリウム色素、アズレニウム色素、チアピリリウム色素、カルバゾール骨格、スチリルスチルベン骨格、トリフェニルアミン骨格、ジベンゾチオフェン骨格、オキサジアゾール骨格、フルオレノン骨格、ビススチルベン骨格、ジスチリルオキサジアゾール骨格またはジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料などが挙げられる。これらの中でも、無金属フタロシアニン顔料、オキソチタニルフタロシアニン顔料、フローレン環および/またはフルオレノン環を含有するビスアゾ顔料、芳香族アミンからなるビスアゾ顔料、トリスアゾ顔料などは高い電荷発生能を有し、高感度の感光層を得るのに適する。電荷発生物質は1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。電荷発生物質の含有量は特に制限はないけれども、電荷発生層中の結着樹脂100重量部に対して好ましくは5〜500重量部、さらに好ましくは10〜200重量部である。電荷発生層用の結着樹脂としてもこの分野で常用されるものを使用でき、たとえば、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリウレタン、アクリル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、ポリカーボネート、フェノキシ樹脂、ポリビニルブチラール、ポリアリレート、ポリアミド、ポリエステルなどが挙げられる。結着樹脂は1種を単独で使用できまたは必要に応じて2種以上を併用できる。
電荷発生層は、電荷発生物質および結着樹脂ならびに必要に応じて可塑剤、増感剤などのそれぞれ適量を、これらの成分を溶解または分散し得る適切な有機溶媒に溶解または分散して電荷発生層塗液を調製し、この電荷発生層塗液を導電性基体表面に塗布し、乾燥することにより形成できる。このようにして得られる電荷発生層の膜厚は特に制限されないが、好ましくは0.05〜5μm、さらに好ましくは0.1〜2.5μmである。
電荷発生層の上に積層される電荷輸送層は、電荷発生物質から発生する電荷を受け入れて輸送する能力を有する電荷輸送物質および電荷輸送層用の結着樹脂を必須成分とし、必要に応じて公知の酸化防止剤、可塑剤、増感剤、潤滑剤などを含有する。電荷輸送物質としてはこの分野で常用されるものを使用でき、たとえば、ポリ−N−ビニルカルバゾールおよびその誘導体、ポリ−γ−カルバゾリルエチルグルタメートおよびその誘導体、ピレン−ホルムアルデヒ縮合物およびその誘導体、ポリビニルピレン、ポリビニルフェナントレン、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、9−(p−ジエチルアミノスチリル)アントラセン、1,1−ビス(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパン、スチリルアントラセン、スチリルピラゾリン、ピラゾリン誘導体、フェニルヒドラゾン類、ヒドラゾン誘導体、トリフェニルアミン系化合物、テトラフェニルジアミン系化合物、トリフェニルメタン系化合物、スチルベン系化合物、3−メチル−2−ベンゾチアゾリン環を有するアジン化合物などの電子供与性物質、フルオレノン誘導体、ジベンゾチオフェン誘導体、インデノチオフェン誘導体、フェナンスレンキノン誘導体、インデノピリジン誘導体、チオキサントン誘導体、ベンゾ[c]シンノリン誘導体、フェナジンオキサイド誘導体、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、プロマニル、クロラニル、ベンゾキノンなどの電子受容性物質などが挙げられる。電荷輸送物質は1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。電荷輸送物質の含有量は特に制限されないけれども、好ましくは電荷輸送物質中の結着樹脂100重量部に対して10〜300重量部、さらに好ましくは30〜150重量部である。電荷輸送層用の結着樹脂としては、この分野で常用されかつ電荷輸送物質を均一に分散できるものを使用でき、たとえば、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリビニルブチラール、ポリアミド、ポリエステル、ポリケトン、エポキシ樹脂、ポリウレタン、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリアクリルアミド、フェノール樹脂、フェノキシ樹脂、ポリスルホン樹脂、これらの共重合樹脂などが挙げられる。これらの中でも、成膜性、得られる電荷輸送層の耐摩耗性、電気特性などを考慮すると、ビスフェノールZをモノマー成分として含有するポリカーボネート(以後「ビスフェノールZ型ポリカーボネート」と称す)、ビスフェノールZ型ポリカーボネートと他のポリカーボネートとの混合物などが好ましい。結着樹脂は1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。
電荷輸送層には、電荷輸送物質および電荷輸送層用の結着樹脂と共に、酸化防止剤が含まれるのが好ましい。酸化防止剤としてもこの分野で常用されるものを使用でき、たとえば、ビタミンE、ハイドロキノン、ヒンダードアミン、ヒンダードフェノール、パラフェニレンジアミン、アリールアルカンおよびそれらの誘導体、有機硫黄化合物、有機燐化合物などが挙げられる。酸化防止剤は1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。酸化防止剤の含有量は特に制限されないけれども、電荷輸送層を構成する成分の合計量の0.01〜10重量%、好ましくは0.05〜5重量%である。電荷輸送層は、電荷輸送物質および結着樹脂ならびに必要に応じて酸化防止剤、可塑剤、増感剤などのそれぞれ適量を、これらの成分を溶解または分散し得る適切な有機溶媒に溶解または分散して電荷輸送層用塗液を調製し、この電荷輸送層用塗液を電荷発生層表面に塗布し、乾燥することにより形成できる。このようにして得られる電荷発生層の膜厚は特に制限されないが、好ましくは10〜50μm、さらに好ましくは15〜40μmである。なお、1つの層に、電荷発生物質と電荷輸送物質とが存在する感光層を形成することもできる。その場合、電荷発生物質および電荷輸送物質の種類、含有量、結着樹脂の種類、その他の添加剤などは、電荷発生層および電荷輸送層を別々に形成する場合と同様でよい。
本実施の形態では、前述のような、電荷発生物質および電荷輸送物質を用いる有機感光層を形成してなる感光体ドラムを用いるけれども、それに代えて、シリコンなどを用いる無機感光層を形成してなる感光体ドラムを使用できる。
帯電手段112は、感光体ドラム111を臨み、感光体ドラム111の長手方向に沿って感光体ドラム111表面から間隙を有して離隔するように配置され、感光体ドラム111表面を所定の極性および電位に帯電させる。帯電手段112には、帯電ブラシ型帯電器、チャージャー型帯電器、鋸歯型帯電器、イオン発生装置などを使用できる。本実施の形態では、帯電手段112は感光体ドラム111表面から離隔するように設けられるけれども、それに限定されない。たとえば、帯電手段112として帯電ローラを用い、帯電ローラと感光体ドラムとが圧接するように帯電ローラを配置しても良く、帯電ブラシ、磁気ブラシなどの接触帯電方式の帯電器を用いても良い。
露光ユニット113は、露光ユニット113から出射される各色情報の光が、帯電手段112と現像手段114との間を通過して感光体ドラム111の表面に照射されるように配置される。露光ユニット113は、画像情報を該ユニット内でb、c、m、yの各色情報の光に分岐し、帯電手段112によって一様な電位に帯電された感光体ドラム111表面を各色情報の光で露光し、その表面に静電潜像を形成する。露光ユニット113には、たとえば、レーザ照射部および複数の反射ミラーを備えるレーザスキャニングユニットを使用できる。他にもLEDアレイ、液晶シャッタと光源とを適宜組み合わせたユニットを用いてもよい。
図5は、本発明の実施形態である現像手段114の構成を模式的に示す断面図である。現像手段114は、現像槽120とトナーホッパ121とを含む。現像槽120は感光体ドラム111表面を臨むように配置され、感光体ドラム111の表面に形成された静電潜像にトナーを供給して現像し、可視像であるトナー像を形成する容器状部材である。現像槽120は、その内部空間にトナーを収容しかつ現像ローラ、供給ローラ、撹拌ローラなどのローラ部材またはスクリュー部材を収容して回転自在に支持する。現像槽120の感光体ドラム111を臨む側面には開口部が形成され、この開口部を介して感光体ドラム111に対向する位置に現像ローラが回転駆動可能に設けられる。現像ローラは、感光体ドラム111との圧接部または最近接部において感光体111表面の静電潜像にトナーを供給するローラ状部材である。トナーの供給に際しては、現像ローラ表面にトナーの帯電電位とは逆極性の電位が現像バイアス電圧(以下単に「現像バイアス」とする)として印加される。これによって、現像ローラ表面のトナーが静電潜像に円滑に供給される。さらに、現像バイアス値を変更することによって、静電潜像に供給されるトナー量(トナー付着量)を制御できる。供給ローラは現像ローラを臨んで回転駆動可能に設けられるローラ状部材であり、現像ローラ周辺にトナーを供給する。攪拌ローラは供給ローラを臨んで回転駆動可能に設けられるローラ状部材であり、トナーホッパ121から現像槽120内に新たに供給されるトナーを供給ローラ周辺に送給する。トナーホッパ121は、その鉛直方向下部に設けられるトナー補給口(図示せず)と、現像槽120の鉛直方向上部に設けられるトナー受入口(図示せず)とが連通するように設けられ、現像槽120のトナー消費状況に応じてトナーを補給する。またトナーホッパ121を用いず、各色トナーカートリッジから直接トナーを補給するよう構成しても構わない。
本発明の二成分現像剤を用いて現像することにより、感光体上に高精細かつ高解像度の高品位なトナー像を形成することができる。
クリーニングユニット115は、記録媒体にトナー像を転写した後に、感光体ドラム111の表面に残留するトナーを除去し、感光体ドラム11の表面を清浄化する。クリーニングユニット115には、たとえば、クリーニングブレードなどの板状部材が用いられる。なお、本発明の画像形成装置においては、感光体ドラム111として、主に有機感光体ドラムが用いられ、有機感光体ドラムの表面は樹脂成分を主体とするものであるため、帯電装置によるコロナ放電によって発生するオゾンの化学的作用によって表面の劣化が進行しやすい。ところが、劣化した表面部分はクリーニングユニット115よる擦過作用を受けて摩耗し、徐々にではあるが確実に除去される。したがって、オゾンなどによる表面の劣化の問題が実際上解消され、長期間にわたって、帯電動作による帯電電位を安定に維持することができる。本実施の形態ではクリーニングユニット115を設けるけれども、それに限定されず、クリーニングユニット15を設けなくてもよい。
トナー像形成手段102によれば、帯電手段112によって均一な帯電状態にある感光体ドラム111の表面に、露光ユニット113から画像情報に応じた信号光を照射して静電潜像を形成し、これに現像手段114からトナーを供給してトナー像を形成し、このトナー像を中間転写ベルト125に転写した後に、感光体ドラム111表面に残留するトナーをクリーニングユニット115で除去する。この一連のトナー像形成動作が繰り返し実行される。
転写手段103は、感光体ドラム111の上方に配置され、中間転写ベルト125と、駆動ローラ126と、従動ローラ127と、中間転写ローラ128(b、c、m、y)と、転写ベルトクリーニングユニット129、転写ローラ130とを含む。中間転写ベルト125は、駆動ローラ126と従動ローラ127とによって張架されてループ状の移動経路を形成する無端ベルト状部材であり、矢符Bの方向に回転駆動する。中間転写ベルト125が、感光体ドラム111に接しながら感光体ドラム111を通過する際、中間転写ベルト125を介して感光体ドラム111に対向配置される中間転写ローラ128から、感光体ドラム111表面のトナーの帯電極性とは逆極性の転写バイアスが印加され、感光体ドラム111の表面に形成されたトナー像が中間転写ベルト125上へ転写される。フルカラー画像の場合、各感光体ドラム111で形成される各色のトナー画像が、中間転写ベルト125上に順次重ねて転写されることによって、フルカラートナー像が形成される。駆動ローラ126は図示しない駆動手段によってその軸線回りに回転駆動可能に設けられ、その回転駆動によって、中間転写ベルト125を矢符B方向へ回転駆動させる。従動ローラ127は駆動ローラ126の回転駆動に従動回転可能に設けられ、中間転写ベル1ト25が弛まないように一定の張力を中間転写ベルト125に付与する。中間転写ローラ128は、中間転写ベルト125を介して感光体ドラム111に圧接し、かつ図示しない駆動手段によってその軸線回りに回転駆動可能に設けられる。中間転写ローラ128は、前述のように転写バイアスを印加する図示しない電源が接続され、感光体ドラム111表面のトナー像を中間転写ベルト125に転写する機能を有する。転写ベルトクリーニングユニット129は、中間転写ベルト125を介して従動ローラ127に対向し、中間転写ベルト125の外周面に接触するように設けられる。感光体ドラム111との接触によって中間転写ベルト125に付着するトナーは、記録媒体の裏面を汚染する原因となるので、転写ベルトクリーニングユニット129が中間転写ベルト125表面のトナーを除去し回収する。転写ローラ130は、中間転写ベルト125を介して駆動ロー1ラ26に圧接し、図示しない駆動手段によって軸線回りに回転駆動可能に設けられる。転写ローラ130と駆動ローラ126との圧接部(転写ニップ部)において、中間転写ベルト125に担持されて搬送されて来るトナー像が、後述する記録媒体供給手段105から送給される記録媒体に転写される。トナー像を担持する記録媒体は、定着手段104に送給される。転写手段103によれば、感光体ドラム111と中間転写ローラ128との圧接部において感光体ドラム111から中間転写ベルト125に転写されるトナー像が、中間転写ベルト125の矢符B方向への回転駆動によって転写ニップ部に搬送され、そこで記録媒体に転写される。
定着手段104は、転写手段103よりも記録媒体の搬送方向下流側に設けられ、定着ローラ131と加圧ローラ132とを含む。定着ローラ131は図示しない駆動手段によって回転駆動可能に設けられ、記録媒体に担持される未定着トナー像を構成するトナーを加熱して溶融させ、記録媒体に定着させる。定着ローラ131の内部には図示しない加熱手段が設けられる。加熱手段は、定着ローラ131表面が所定の温度(加熱温度)になるように定着ローラ131を加熱する。加熱手段には、たとえば、ヒータ、ハロゲンランプなどを使用できる。加熱手段は、後記する定着条件制御手段によって制御される。定着条件制御手段による加熱温度の制御については、後に詳述する。定着ローラ131表面近傍には温度検知センサが設けられ、定着ローラ131の表面温度を検知する。温度検知センサによる検知結果は、後記する制御手段の記憶部に書き込まれる。加圧ローラ132は定着ローラ131に圧接するように設けられ、加圧ローラ132の回転駆動に従動回転可能に支持される。加圧ローラ132は、定着ローラ131によってトナーが溶融して記録媒体に定着する際に、トナーと記録媒体とを押圧することによって、トナー像の記録媒体への定着を補助する。定着ローラ131と加圧ローラ132との圧接部が定着ニップ部である。定着手段104によれば、転写手段103においてトナー像が転写された記録媒体が、定着ローラ131と加圧ローラ132とによって挟持され、定着ニップ部を通過する際に、トナー像が加熱下に記録媒体に押圧されることによって、トナー像が記録媒体に定着され、画像が形成される。
記録媒体供給手段105は、自動給紙トレイ135と、ピックアップローラ136と、搬送ローラ137と、レジストローラ138、手差給紙トレイ139を含む。自動給紙トレイ135は画像形成装置の鉛直方向下部に設けられ、記録媒体を貯留する容器状部材である。記録媒体には、普通紙、カラーコピー用紙、オーバーヘッドプロジェクタ用シート、葉書などがある。ピックアップローラ136は、自動給紙トレイ135に貯留される記録媒体を1枚ずつ取り出し、用紙搬送路S1に送給する。搬送ローラ137は互いに圧接するように設けられる一対のローラ部材であり、記録媒体をレジストローラ138に向けて搬送する。レジストローラ138は互いに圧接するように設けられる一対のローラ部材であり、搬送ローラ137から送給される記録媒体を、中間転写ベルト125に担持されるトナー像が転写ニップ部に搬送されるのに同期して、転写ニップ部に送給する。手差給紙トレイ139は、手動動作によって記録媒体を画像形成装置内に取り込む装置であり、手差給紙トレイ139から取り込まれる記録媒体は、搬送ローラ37によって用紙搬送路S2内を通過し、レジストローラ138に送給される。記録媒体供給手段105によれば、自動給紙トレイ135または手差給紙トレイ139から1枚ずつ供給される記録媒体を、中間転写ベルト125に担持されるトナー像が転写ニップ部に搬送されるのに同期して、転写ニップ部に送給する。
排出手段106は、搬送ローラ137と、排出ローラ140と、排出トレイ141とを含む。搬送ローラ137は、用紙搬送方向において定着ニップ部よりも下流側に設けられ、定着手段104によって画像が定着された記録媒体を排出ローラ140に向けて搬送する。排出ローラ140は、画像が定着された記録媒体を、画像形成装置の鉛直方向上面に設けられる排出トレイ141に排出する。排出トレイ141は、画像が定着された記録媒体を貯留する。
画像形成装置100は、図示しない制御手段を含む。制御手段は、たとえば、画像形成装置の内部空間における上部に設けられ、記憶部と演算部と制御部とを含む。制御手段の記憶部には、画像形成装置の上面に配置される図示しない操作パネルを介する各種設定値、画像形成装置内部の各所に配置される図示しないセンサなどからの検知結果、外部機器からの画像情報などが入力される。また、各種手段を実行するプログラムが書き込まれる。各種手段とは、たとえば、記録媒体判定手段、付着量制御手段、定着条件制御手段などである。記憶部には、この分野で常用されるものを使用でき、たとえば、リードオンリィメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、ハードディスクドライブ(HDD)などが挙げられる。外部機器には、画像情報の形成または取得が可能であり、かつ画像形成装置に電気的に接続可能な電気・電子機器を使用でき、たとえば、コンピュータ、デジタルカメラ、テレビ、ビデオレコーダ、DVDレコーダ、HDVD、ブルーレイディスクレコーダ、ファクシミリ装置、携帯端末装置などが挙げられる。演算部は、記憶部に書き込まれる各種データ(画像形成命令、検知結果、画像情報など)および各種手段のプログラムを取り出し、各種判定を行う。制御部は、演算部の判定結果に応じて該当装置に制御信号を送付し、動作制御を行う。制御部および演算部は中央処理装置(CPU、Central Processing Unit)を備えるマイクロコンピュータ、マイクロプロセッサなどによって実現される処理回路を含む。制御手段は、前述の処理回路とともに主電源を含み、電源は制御手段だけでなく、画像形成装置内部における各装置にも電力を供給する。
本発明の現像装置を備える画像形成装置を用いて画像形成することにより、長期にわたり、画像欠損のない高画質画像を形成することができる。
(実施例)
以下に実施例および比較例を挙げ、本発明を具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、特に限定されるものではない。以下において、「部」および「%」は特に断らない限りそれぞれ「重量部」および「重量%」を意味する。実施例および比較例における結着樹脂および母体粒子1のガラス転移温度、結着樹脂の軟化温度、離型剤の融点、母体粒子1の体積平均粒径、ならびに外添剤粒子2および前処理用外添剤粒子2の1次粒子の個数平均粒径は、以下のようにして測定した。
以下に実施例および比較例を挙げ、本発明を具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、特に限定されるものではない。以下において、「部」および「%」は特に断らない限りそれぞれ「重量部」および「重量%」を意味する。実施例および比較例における結着樹脂および母体粒子1のガラス転移温度、結着樹脂の軟化温度、離型剤の融点、母体粒子1の体積平均粒径、ならびに外添剤粒子2および前処理用外添剤粒子2の1次粒子の個数平均粒径は、以下のようにして測定した。
[結着樹脂および母体粒子のガラス転移温度]
示差走査熱量計(商品名:DSC220、セイコー電子工業株式会社製)を用い、日本工業規格(JIS)K7121−1987に準じ、試料1gを昇温速度毎分10℃で加熱してDSC曲線を測定した。得られたDSC曲線のガラス転移に相当する吸熱ピークの高温側のベースラインを低温側に延長した直線と、ピークの立上がり部分から頂点までの曲線に対して勾配が最大になるような点で引いた接線との交点の温度をガラス転移温度(Tg)として求めた。
示差走査熱量計(商品名:DSC220、セイコー電子工業株式会社製)を用い、日本工業規格(JIS)K7121−1987に準じ、試料1gを昇温速度毎分10℃で加熱してDSC曲線を測定した。得られたDSC曲線のガラス転移に相当する吸熱ピークの高温側のベースラインを低温側に延長した直線と、ピークの立上がり部分から頂点までの曲線に対して勾配が最大になるような点で引いた接線との交点の温度をガラス転移温度(Tg)として求めた。
[結着樹脂の軟化温度]
流動特性評価装置(商品名:フローテスターCFT−100C、株式会社島津製作所製)において、荷重20kgf/cm2(9.8×105Pa)を与えて試料1gがダイ(ノズル口径1mm、長さ1mm)から押出されるように設定し、昇温速度毎分6℃で加熱し、ダイから試料の半分量が流出したときの温度を求め、軟化温度(Tm)とした。
流動特性評価装置(商品名:フローテスターCFT−100C、株式会社島津製作所製)において、荷重20kgf/cm2(9.8×105Pa)を与えて試料1gがダイ(ノズル口径1mm、長さ1mm)から押出されるように設定し、昇温速度毎分6℃で加熱し、ダイから試料の半分量が流出したときの温度を求め、軟化温度(Tm)とした。
[離型剤の融点]
示差走査熱量計(商品名:DSC220、セイコー電子工業株式会社製)を用い、試料1gを温度20℃から昇温速度毎分10℃で150℃まで昇温させ、次いで150℃から20℃に急冷させる操作を2回繰返し、DSC曲線を測定した。2回目の操作で測定されるDSC曲線の融解に相当する吸熱ピークの頂点の温度を離型剤の融点として求めた。
示差走査熱量計(商品名:DSC220、セイコー電子工業株式会社製)を用い、試料1gを温度20℃から昇温速度毎分10℃で150℃まで昇温させ、次いで150℃から20℃に急冷させる操作を2回繰返し、DSC曲線を測定した。2回目の操作で測定されるDSC曲線の融解に相当する吸熱ピークの頂点の温度を離型剤の融点として求めた。
[母体粒子の体積平均粒径]
電解液(商品名:ISOTON−II、ベックマン・コールター社製)50mlに、試料20mgおよびアルキルエーテル硫酸エステルナトリウム1mlを加え、超音波分散器(商品名:UH−50、STM社製)によって超音波周波数20kHzで3分間分散処理して測定用試料を調製した。この測定用試料について、粒度分布測定装置(商品名:Multisizer3、ベックマン・コールター社製)を用い、アパーチャ径:20μm、測定粒子数:50000カウントの条件下に測定を行い、試料粒子の体積粒度分布から体積平均粒径を求めた。
電解液(商品名:ISOTON−II、ベックマン・コールター社製)50mlに、試料20mgおよびアルキルエーテル硫酸エステルナトリウム1mlを加え、超音波分散器(商品名:UH−50、STM社製)によって超音波周波数20kHzで3分間分散処理して測定用試料を調製した。この測定用試料について、粒度分布測定装置(商品名:Multisizer3、ベックマン・コールター社製)を用い、アパーチャ径:20μm、測定粒子数:50000カウントの条件下に測定を行い、試料粒子の体積粒度分布から体積平均粒径を求めた。
[外添剤粒子および前処理用外添剤粒子の1次粒子の個数平均粒径]
外添剤粒子2および前処理用外添剤粒子2の各粒子から無作為に取り出したそれぞれ100個の粒子を電子顕微鏡によって10000倍に拡大して観察し、画像解析によって1次粒子の粒径を測定した。さらに、得られた測定値から個数平均粒径を算出した。
外添剤粒子2および前処理用外添剤粒子2の各粒子から無作為に取り出したそれぞれ100個の粒子を電子顕微鏡によって10000倍に拡大して観察し、画像解析によって1次粒子の粒径を測定した。さらに、得られた測定値から個数平均粒径を算出した。
(実施例1)
〔母体粒子1の作製〕
・ポリエステル樹脂
(商品名:タフトン、花王株式会社製、ガラス転移温度70℃、軟化温度130℃)
87.5%(100部)
・C.I.Pigment Blue 15:3 5.0%(5.7部)
・パラフィンワックス(商品名:HNP−10、日本精鑞株式会社製、融点70℃)
6.0%(6.9部)
・有機ホウ素化合物(商品名:LR−147、日本カーリット株式会社製)
1.5%(1.7部)
〔母体粒子1の作製〕
・ポリエステル樹脂
(商品名:タフトン、花王株式会社製、ガラス転移温度70℃、軟化温度130℃)
87.5%(100部)
・C.I.Pigment Blue 15:3 5.0%(5.7部)
・パラフィンワックス(商品名:HNP−10、日本精鑞株式会社製、融点70℃)
6.0%(6.9部)
・有機ホウ素化合物(商品名:LR−147、日本カーリット株式会社製)
1.5%(1.7部)
以上の各構成成分を、ヘンシェルミキサ(商品名:FM20C、三井鉱山株式会社製)にて前混合した後、二軸押出混練機(商品名:PCM65、株式会社池貝製)にて溶融混練した。この溶融混練物をカッティングミル(商品名:VM−16、オリエント株式会社製)で粗粉砕した後、ジェットミル(ホソカワミクロン株式会社製)にて微粉砕し、さらに風力分級機(ホソカワミクロン株式会社製)で分級し、体積平均粒径6.5μmであり、ガラス転移温度が67℃の母体粒子1を作製した。
〔外添剤分散液の調製〕
外添剤粒子2として、疎水性シリカ微粒子(商品名:KE−P10、株式会社日本触媒製、1次粒子の個数平均粒径100nm)を1.0部、分散媒として、低級アルコール(商品名:特級エタノール99.5、キシダ化学株式会社製)を9.0部用い、これらを超音波式ホモジナイザ(商品名:US−300T、株式会社日本精機製作所製)を用いて、出力40μAにて4分間処理し、分散媒中に外添剤粒子2を分散させた。
外添剤粒子2として、疎水性シリカ微粒子(商品名:KE−P10、株式会社日本触媒製、1次粒子の個数平均粒径100nm)を1.0部、分散媒として、低級アルコール(商品名:特級エタノール99.5、キシダ化学株式会社製)を9.0部用い、これらを超音波式ホモジナイザ(商品名:US−300T、株式会社日本精機製作所製)を用いて、出力40μAにて4分間処理し、分散媒中に外添剤粒子2を分散させた。
〔外添剤粒子の外添〕
作製した母体粒子100重量部に対して、外添剤分散液5重量部を、ハイブリダイゼーションシステム(株式会社奈良機械製作所製)に2流体ノズルを取付けた装置で噴霧した。具体的には、ハイブリダイゼーションシステムに備えられる回転部材の最外周の周速を60m/sとした。また回転部材の周速が高速になると炉内温度が高温になるので、冷却装置を用いて炉内温度を60℃に制御した。その制御した炉内へ、母体粒子1供給シュートから作製した母体粒子1を投入した。その後、外添剤分散液を噴霧手段から毎分0.7gの速度で噴霧し、全体の処理時間を10分で終了するように制御した。この段階で外添剤粒子2の母体粒子1への埋没状況を、後述する透過型電子顕微鏡を用いて確認した。
作製した母体粒子100重量部に対して、外添剤分散液5重量部を、ハイブリダイゼーションシステム(株式会社奈良機械製作所製)に2流体ノズルを取付けた装置で噴霧した。具体的には、ハイブリダイゼーションシステムに備えられる回転部材の最外周の周速を60m/sとした。また回転部材の周速が高速になると炉内温度が高温になるので、冷却装置を用いて炉内温度を60℃に制御した。その制御した炉内へ、母体粒子1供給シュートから作製した母体粒子1を投入した。その後、外添剤分散液を噴霧手段から毎分0.7gの速度で噴霧し、全体の処理時間を10分で終了するように制御した。この段階で外添剤粒子2の母体粒子1への埋没状況を、後述する透過型電子顕微鏡を用いて確認した。
さらに得られた母体粒子100部に、表面改質剤として、1次粒子の平均粒径が12nmの疎水性シリカ微粒子1.0部と、1次粒子の平均粒径が30nmの疎水性チタン酸化物0.5重量部とを加え、ヘンシェルミキサ(商品名:FM20C、三井鉱山株式会社製)を用いて回転部材の周速を35m/sとして3分間混合し、実施例1のトナーを得た。
(実施例2)
外添剤粒子2の外添において、ハイブリダイゼーションシステムにおける回転部材の周速を30m/sとしたこと以外は実施例1と同様にして、実施例2のトナーを得た。
外添剤粒子2の外添において、ハイブリダイゼーションシステムにおける回転部材の周速を30m/sとしたこと以外は実施例1と同様にして、実施例2のトナーを得た。
(実施例3)
外添剤分散液の調製において、疎水性シリカ微粒子として、1次粒子の個数平均粒径が300nmのものを用いること以外は実施例1と同様にして、実施例3のトナーを得た。
外添剤分散液の調製において、疎水性シリカ微粒子として、1次粒子の個数平均粒径が300nmのものを用いること以外は実施例1と同様にして、実施例3のトナーを得た。
(実施例4)
外添剤分散液の調製において、疎水性シリカ微粒子として、1次粒子の個数平均粒径が40nmのものを用いること以外は実施例1と同様にして、実施例4のトナーを得た。
外添剤分散液の調製において、疎水性シリカ微粒子として、1次粒子の個数平均粒径が40nmのものを用いること以外は実施例1と同様にして、実施例4のトナーを得た。
(実施例5)
外添剤分散液の調製において、疎水性シリカ微粒子として、1次粒子の個数平均粒径が30nmのものを用いること以外は実施例1と同様にして、実施例5のトナーを得た。
外添剤分散液の調製において、疎水性シリカ微粒子として、1次粒子の個数平均粒径が30nmのものを用いること以外は実施例1と同様にして、実施例5のトナーを得た。
(実施例6)
外添剤分散液の調製において、疎水性シリカ微粒子として、1次粒子の個数平均粒径が350nmのものを用いること以外は実施例1と同様にして、実施例6のトナーを得た。
外添剤分散液の調製において、疎水性シリカ微粒子として、1次粒子の個数平均粒径が350nmのものを用いること以外は実施例1と同様にして、実施例6のトナーを得た。
(実施例7)
外添剤分散液が噴霧される前に、1次粒子の個数平均粒径が12nmの前処理用外添剤粒子2である疎水性シリカ微粒子0.5重量部と、母体粒子100重量部とを、ヘンシェルミキサによって混合したこと以外は実施例1と同様にして、実施例7のトナーを得た。
外添剤分散液が噴霧される前に、1次粒子の個数平均粒径が12nmの前処理用外添剤粒子2である疎水性シリカ微粒子0.5重量部と、母体粒子100重量部とを、ヘンシェルミキサによって混合したこと以外は実施例1と同様にして、実施例7のトナーを得た。
(実施例8)
外添剤分散液が噴霧される前に、1次粒子の個数平均粒径が40nmの前処理用外添剤粒子2である疎水性シリカ微粒子0.5重量部と、母体粒子100重量部とを、ヘンシェルミキサによって混合したこと以外は実施例1と同様にして、実施例8のトナーを得た。
外添剤分散液が噴霧される前に、1次粒子の個数平均粒径が40nmの前処理用外添剤粒子2である疎水性シリカ微粒子0.5重量部と、母体粒子100重量部とを、ヘンシェルミキサによって混合したこと以外は実施例1と同様にして、実施例8のトナーを得た。
(比較例1)
外添剤粒子2の外添において、ハイブリダイゼーションシステムにおける回転部材の周速を20m/sとしたこと以外は実施例1と同様にして、比較例1のトナーを得た。
外添剤粒子2の外添において、ハイブリダイゼーションシステムにおける回転部材の周速を20m/sとしたこと以外は実施例1と同様にして、比較例1のトナーを得た。
(比較例2)
実施例1と同様にして得られた母体粒子100部と、外添剤粒子2として1次粒子の個数平均粒径が100nmの疎水性シリカ微粒子を1部とを、ハイブリダイゼーション(株式会社奈良機械製作所製)に投入し、機内温度を60℃、回転部材の周速を60m/sとして、外添剤粒子2を母体粒子1に添加した。その後実施例1と同様に表面改質剤を添加し、比較例2のトナーを得た。
実施例1と同様にして得られた母体粒子100部と、外添剤粒子2として1次粒子の個数平均粒径が100nmの疎水性シリカ微粒子を1部とを、ハイブリダイゼーション(株式会社奈良機械製作所製)に投入し、機内温度を60℃、回転部材の周速を60m/sとして、外添剤粒子2を母体粒子1に添加した。その後実施例1と同様に表面改質剤を添加し、比較例2のトナーを得た。
(比較例3)
外添剤粒子2の外添において、ハイブリダイゼーションシステムにおける炉内温度を75℃に設定したこと以外は実施例1と同様にして、比較例3のトナーを得た。しかしながら比較例3のトナーは外添剤粒子2の添加中に噴霧炉内の温度が母体粒子1のガラス転移温度を超えたので、トナー同士の融着および凝集が発生し、トナーとして使用することができなかった。
外添剤粒子2の外添において、ハイブリダイゼーションシステムにおける炉内温度を75℃に設定したこと以外は実施例1と同様にして、比較例3のトナーを得た。しかしながら比較例3のトナーは外添剤粒子2の添加中に噴霧炉内の温度が母体粒子1のガラス転移温度を超えたので、トナー同士の融着および凝集が発生し、トナーとして使用することができなかった。
(比較例4)
分散媒を特級エタノールから1級テトラヒドロフラン(THF、キシダ化学株式会社製)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、比較例4のトナーを得た。しかしながら比較例4のトナーは分散媒として低級アルコールに比べて蒸発速度が遅く、またトナーの溶解速度が速いTHFを用いたので、トナーが過剰に溶解してトナー同士の融着および凝集が発生し、トナーとして使用することができなかった。
分散媒を特級エタノールから1級テトラヒドロフラン(THF、キシダ化学株式会社製)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、比較例4のトナーを得た。しかしながら比較例4のトナーは分散媒として低級アルコールに比べて蒸発速度が遅く、またトナーの溶解速度が速いTHFを用いたので、トナーが過剰に溶解してトナー同士の融着および凝集が発生し、トナーとして使用することができなかった。
実施例および比較例のトナーにおける外添剤粒子2の埋没状態を、以下のようにして評価した。
〔外添剤の埋没状態〕
実施例および比較例のトナーを常温硬化性のエポキシ樹脂に包埋して得られた硬化物を、ダイヤモンド歯を備えたミクロトームを用い、約100μmに超薄切片化し、透過型電子顕微鏡(TEM、商品名:H−8100、株式会社日立製作所製)によって20000倍に拡大してトナーの断面観察を行った。このような断面観察では、図2または図3のような断面が観察される。母体粒子1に外添剤粒子2の一部が埋没していれば○、埋没がなければ×とした。
実施例および比較例のトナーを常温硬化性のエポキシ樹脂に包埋して得られた硬化物を、ダイヤモンド歯を備えたミクロトームを用い、約100μmに超薄切片化し、透過型電子顕微鏡(TEM、商品名:H−8100、株式会社日立製作所製)によって20000倍に拡大してトナーの断面観察を行った。このような断面観察では、図2または図3のような断面が観察される。母体粒子1に外添剤粒子2の一部が埋没していれば○、埋没がなければ×とした。
また以上のようにして得られた実施例および比較例のトナーと、体積平均粒子径が60ミクロンであるシリコーンコートフェライトコアキャリアとを、トナー濃度が5%となるように調製し、二成分現像剤を作製した。作製した二成分現像剤を市販の二成分現像装置を有する複写機(商品名:MX−2300G、シャープ株式会社製)に投入し、画像形成を行った。この画像形成において、感光体へのフィルミング性、クリーニング性、流動性および転写効率を以下のようにして評価した。
〔フィルミング性〕
日本工業規格(JIS)P0138に規定されるA4判の記録用紙上に、前記複写機にて印字率が5%の原稿を3000枚連続印字した後、目視によって感光体に曇りがあるか否かを確認した。感光体に曇りがない場合を○(良好、フィルミングが発生していない)、曇りがある場合を×(不良、フィルミングが発生している)として評価した。
日本工業規格(JIS)P0138に規定されるA4判の記録用紙上に、前記複写機にて印字率が5%の原稿を3000枚連続印字した後、目視によって感光体に曇りがあるか否かを確認した。感光体に曇りがない場合を○(良好、フィルミングが発生していない)、曇りがある場合を×(不良、フィルミングが発生している)として評価した。
〔クリーニング性〕
A4判の記録用紙上に、前記複写機にて印字率が5%の原稿を10万枚連続印字した後、クリーニングブレード通過後の感光体表面に透明テープ(商品名:メンディングテープ、住友スリーエム株式会社製)を貼付けて剥離した。感光体表面に貼付け剥離した透明テープを白紙に貼付け、分光測色濃度計(商品名:X−rite938、エス・ディー・ジー株式会社製)によって濃度を測定した。また予め透明テープを白紙に貼付けておき、その透明テープの部分の濃度についても前記分光測色濃度計で測定した。感光体表面に貼付け剥離した透明テープを白紙に貼付けた部分の濃度と、予め白紙に透明テープが貼付けられた部分との差を算出し、この差からクリーニング性を評価した。クリーニング性は、前記差が0.005以下を○(良好)0.005より大きく0.016未満を△(実使用可)、0.016以上を×(実使用不可)として評価した。
A4判の記録用紙上に、前記複写機にて印字率が5%の原稿を10万枚連続印字した後、クリーニングブレード通過後の感光体表面に透明テープ(商品名:メンディングテープ、住友スリーエム株式会社製)を貼付けて剥離した。感光体表面に貼付け剥離した透明テープを白紙に貼付け、分光測色濃度計(商品名:X−rite938、エス・ディー・ジー株式会社製)によって濃度を測定した。また予め透明テープを白紙に貼付けておき、その透明テープの部分の濃度についても前記分光測色濃度計で測定した。感光体表面に貼付け剥離した透明テープを白紙に貼付けた部分の濃度と、予め白紙に透明テープが貼付けられた部分との差を算出し、この差からクリーニング性を評価した。クリーニング性は、前記差が0.005以下を○(良好)0.005より大きく0.016未満を△(実使用可)、0.016以上を×(実使用不可)として評価した。
〔流動性〕
嵩比重測定器(JISかさ比重測定器、筒井理化学器械株式会社製)を用い、JIS K−5101−12−1(顔料および体質顔料の静置法による見掛け密度又は見掛け比容を測定する一般試験方法)に従って、流動性評価を行った。嵩比重値が大きいほど、流動性が良好である。嵩比重値が0.360g/cm3未満であれば×(実使用不)、0.360g/cm3以上0.380g/cm3未満であれば△(実使用可)、0.380g/cm3以上であれば○(良好)として評価した。
嵩比重測定器(JISかさ比重測定器、筒井理化学器械株式会社製)を用い、JIS K−5101−12−1(顔料および体質顔料の静置法による見掛け密度又は見掛け比容を測定する一般試験方法)に従って、流動性評価を行った。嵩比重値が大きいほど、流動性が良好である。嵩比重値が0.360g/cm3未満であれば×(実使用不)、0.360g/cm3以上0.380g/cm3未満であれば△(実使用可)、0.380g/cm3以上であれば○(良好)として評価した。
〔転写効率〕
A4判の記録用紙上に、トナー付着量が0.6mg/cm2になるように調整して、縦20mm、横50mmの長方形状のべた画像部を形成した。転写効率は、転写前の感光体上のトナーの重量と、紙面上に転写されたトナーの重量とをそれぞれ測定し、下記式に従って転写効率を算出した。
転写効率=(紙面上に転写されたトナーの重量)
/(転写前の感光体上のトナーの重量)×100(%)
A4判の記録用紙上に、トナー付着量が0.6mg/cm2になるように調整して、縦20mm、横50mmの長方形状のべた画像部を形成した。転写効率は、転写前の感光体上のトナーの重量と、紙面上に転写されたトナーの重量とをそれぞれ測定し、下記式に従って転写効率を算出した。
転写効率=(紙面上に転写されたトナーの重量)
/(転写前の感光体上のトナーの重量)×100(%)
転写効率が95%以上であれば◎(非常に良好)、90%以上95%未満であれば○(良好)、88%以上90%未満であれば△(実使用可)、88%未満であれば×(不良)として評価した。
〔総合評価〕
以上の保存性、感光体へのフィルミング性、クリーニング性、流動性および転写効率の結果を合わせて、以下のような基準で総合評価を行った。
◎:非常に良好。△と評価された項目および×と評価された項目がない。
○:良好。×と評価された項目がなく、△と評価された項目が1つである。
△:実使用可。×と評価された項目がなく、△と評価された項目が2つ以上である。
×:不良。×と評価された項目が1つ以上あるか、またはトナーとして使用することができなかった。
以上の評価結果を表1に示す。
以上の保存性、感光体へのフィルミング性、クリーニング性、流動性および転写効率の結果を合わせて、以下のような基準で総合評価を行った。
◎:非常に良好。△と評価された項目および×と評価された項目がない。
○:良好。×と評価された項目がなく、△と評価された項目が1つである。
△:実使用可。×と評価された項目がなく、△と評価された項目が2つ以上である。
×:不良。×と評価された項目が1つ以上あるか、またはトナーとして使用することができなかった。
以上の評価結果を表1に示す。
表1のように、本発明のトナーである実施例1〜8のトナーは、比較例1〜4のトナーに比べてフィルミング性、クリーニング性、流動性および転写効率について優れていた。
たとえば、実施例1のトナーは、表1に示されるように、母体粒子1の表面に付着した外添剤粒子2の一部が埋没しており母体粒子1からの離脱が少なく、フィルミング性、クリーニング性、転写性に優れている。また良好な流動性も示している。また実施例2〜4も実施例1と同様に全ての項目において良好な結果が得られた。
実施例5は、外添剤粒子2の1次粒子の個数平均粒径が30nmであり、クリーニング性が低下したものの、母体粒子1の表面に付着した外添剤粒子2の離脱による感光体へのフィルミングは発生せず、良好な結果が得られた。実施例6は、外添剤粒子2の1次粒子の個数平均粒径が350nmであり、流動性は若干低下したものの問題のないレベルであった。
実施例7は、実施例1と同様にすべての項目において良好な結果が得られた。特に転写効率が良好である。これは外添剤粒子2が母体粒子1に一層均一に分散した状態で埋没したためであると考えられる。実施例8は、クリーニング性および転写性効率が若干悪化しているが、外添剤粒子2の離脱によるフィルミングは発生していなかった。
以上のように本発明によれば、耐刷時においても外添剤粒子2の離脱が少ないので、離脱による感光体のフィルミングおよび機内汚染の発生を防止することができる。また特に平均1次粒径が40〜300nmの外添剤粒子2の離脱が抑制されることによって、外添剤粒子2の持つスペーサ効果が長期にわたって得られるので、クリーニング性に優れたトナーが得られる。
これに対して比較例1は、母体粒子1に外添剤粒子2を含む外添剤分散液を噴霧しているけれども、回転部材の周速30m/s以上の流動エネルギーが付与されなかったので、外添剤粒子2が母体粒子1に埋没しておらず、耐刷時においてフィルミングが発生し、さらにクリーニング不良が発生した。また比較例2は、流動エネルギーのみで外添剤粒子2を母体粒子1に付着させているので、外添剤粒子2の一部は埋没しておらず、耐刷時においてフィルミングが発生しさらにクリーニング不良が発生した。
以上のように、本発明による実施例1〜8および比較例1〜4を対比した結果として、外添剤粒子2の離脱が少なくフィルミング性、クリーニング性、流動性および転写性を満足させるためには、回転部材の周速が30m/s以上であり、かつ炉内の温度が母体粒子1のガラス転移温度以下である噴霧炉内で、外添剤粒子2を分散媒に分散させて成る外添剤分散液を母体粒子1に噴霧することが必要である。
また噴霧する外添剤粒子2の1次粒子の個数平均粒径を40〜300nmの範囲にすることによって、転写性を一層向上させることができ、耐刷時においてはクリーニング性も良好であることが立証された。さらに母体粒子1に外添剤粒子2の外添剤分散液を噴霧する前に、1次粒子の個数平均粒径が30nm以下の前処理用外添剤粒子2を添加することによって、転写性が一層向上することが立証された。
本実施例においてはトナーとして、シアントナーを例示した。これは着色剤としてC.I.Pigment Blue 15:3を使用したためであるけれども、この着色剤に代えて、先に例示している各種着色剤を使用することによって、他の色のトナーを同様にして製造することができる。
1 母体粒子
2 外添剤粒子
100 画像形成装置
114 現像手段
2 外添剤粒子
100 画像形成装置
114 現像手段
Claims (9)
- 回転部材を備える噴霧炉内で、回転部材を回転させることによって少なくとも結着樹脂および着色剤を含む母体粒子を気体とともに流過させながら、母体粒子に外添剤粒子を噴霧する電子写真用トナーの製造方法において、
回転部材の最外周の周速が30m/s以上であり、かつ炉内の温度が母体粒子のガラス転移温度以下である噴霧炉内で、外添剤粒子と低級アルコール溶液とを含む外添剤分散液を母体粒子に噴霧することを特徴とするトナーの製造方法。 - 外添剤分散液には、分散媒100重量部に対して外添剤粒子が0.1重量部以上50重量部以下含まれることを特徴とする請求項1記載のトナーの製造方法。
- 外添剤分散液が、母体粒子100重量部に対して毎分0.1重量部以上10重量部以下の速度で噴霧されることを特徴とする請求項1または2記載のトナーの製造方法。
- 外添剤粒子は、1次粒子の個数平均粒径が40nm以上300nm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載のトナーの製造方法。
- 母体粒子と、1次粒子の個数平均粒径が30nm以下の前処理用外添剤粒子とを混合した後に、母体粒子に外添剤分散液を噴霧することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載のトナーの製造方法。
- 請求項1〜5のいずれか1つに記載のトナーの製造方法によって製造されることを特徴とするトナー。
- 請求項6に記載のトナーとキャリアとを含むことを特徴とする二成分現像剤。
- 請求項7に記載の二成分現像剤を用いて現像を行うことを特徴とする現像装置。
- 請求項8に記載の現像装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007177810A JP2009015083A (ja) | 2007-07-05 | 2007-07-05 | トナーおよびその製造方法、二成分現像剤、現像装置ならびに画像形成装置 |
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JP2007177810A JP2009015083A (ja) | 2007-07-05 | 2007-07-05 | トナーおよびその製造方法、二成分現像剤、現像装置ならびに画像形成装置 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2009015083A true JP2009015083A (ja) | 2009-01-22 |
Family
ID=40356030
Family Applications (1)
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JP2007177810A Pending JP2009015083A (ja) | 2007-07-05 | 2007-07-05 | トナーおよびその製造方法、二成分現像剤、現像装置ならびに画像形成装置 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2009015083A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
PT106766B (pt) * | 2013-02-06 | 2017-01-02 | Inst Superior Tecnico | Sensores óticos para deteção de boro baseados na utilização de 2,3,6,7,10,11-hexahidroxitrifenileno ou seus derivados |
US10274853B2 (en) | 2015-06-29 | 2019-04-30 | Ricoh Company, Ltd. | Toner, developer, toner housing unit and image forming apparatus |
-
2007
- 2007-07-05 JP JP2007177810A patent/JP2009015083A/ja active Pending
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