JP4439669B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の画像形成部を有し、各画像形成部は、像担持体と、像担持体に導電性磁性粒子を当接させて帯電を行う磁気ブラシ帯電手段を含む作像プロセス手段を具備していて像担持体にトナー像を形成するものであり、各画像形成部の転写部を順次に経由させて被転写材を通過させることで被転写材に各画像形成部の像担持体に形成のトナー像を順次転写する画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、例えばカラー電子写真装置の構成として、カラー画像の色分解成分像に対応する、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のトナー像をそれぞれ形成する4つの電子写真画像形成部を具備させ、各画像形成部の転写部を順次に経由させて被転写材(用紙)を通過させることで被転写材上に各画像形成部の被帯電体である像担持体(感光体)に形成のトナー像を1パスで順次に4色重ねて転写させてカラー画像を合成形成するタンデム方式の装置が開発されている。このタンデム方式のカラー電子写真装置は高速でカラー記録が行えるというメリットがある。
【0003】
一方、被記録画像に対応して像担持体に形成された静電潜像を、現像剤により現像して用紙等に記録する画像形成装置の小型化が進んできたが、帯電、露光、現像、転写、定着、クリーニングの各作像工程手段がそれぞれ小型になるだけでは限界があった。
【0004】
また、転写後に像担持体上に若干残留した転写残トナーはクリーナーによって回収されて廃トナーとなるが、この廃トナーは環境保護の面からも無いことが好ましい。
【0005】
そこで、クリーナーを取り外し、転写残トナーを現像装置によって現像同時クリーニングを行なう、クリーナーレスシステムの画像形成装置も出現している。現像同時クリーニングとは、転写後に感光ドラム上に若干残留したトナーを次工程以後の現像時にかぶり取りバイアス(現像手段に印加する直流電圧と感光ドラムの表面電位間の電位差であるかぶり取り電位差Vback)によって回収する方法である。
【0006】
この方法によれば、転写残トナーは現像手段に回収されて次工程以後用いられるため、廃トナーをなくし、メンテナンスに手を煩わせることも少なくすることができる。また、クリーナーレスであることでスペース面での利点も大さく、画像形成装置を大幅に小型化できるようになる。
【0007】
さらに、低オゾン、低電力等の利点を有することから像担持体の一様帯電手段として接触帯電装置、すなわち像担持体に対し電圧を印加した帯電部材を当接させて帯電を行う方式の装置が実用化されてきている。
【0008】
このような接触帯電装置としては磁気ブラシ方式の接触帯電装置(磁気ブラシ帯電装置、注入帯電器)が帯電接触の安定性という点から好ましく用いられている。磁気ブラシ帯電装置では、磁気ブラシ帯電部材として導電性の磁性粒子を直接マグネット、あるいはマグネットを内包するスリーブ上に磁気ブラシの形態で磁気的に拘束させ、停止、あるいは回転しながら像担持体に接触させ、これに電圧を印加することによって帯電が開始される。
【0009】
磁気ブラシ帯電装置を用い、像担持体として通常の有機感光体上に導電性微粒子を分散させた表層を有するものや、アモルファスシリコン感光体などを用いると、接触帯電部材である磁気ブラシ帯電部材に印加したバイアスのうちの直流成分と略同等の帯電電位を像担持体表面に得ることが可能である。このような帯電方法のことを注入帯電と称する。この注入帯電を用いれば、像担持体への帯電がコロナ帯電器を用いて行われるような放電現象を利用しないので完全なオゾンレス、かつ低電力消費型帯電が可能となり注目されてきている。
【0010】
【発明が解決しようとしている課題】
このよう磁気ブラシ帯電装置を用いた画像形成装置においては画像形成を繰り返すと、顕画剤であるトナー粒子等が磁気ブラシ帯電部材の磁気ブラシに混入してしまうことが多々ある。
【0011】
特に、転写残のトナーを像担持体から除去するためのクリーニング装置を有しない系、いわゆるクリーナーレスシステムの画像形成装置においては磁気ブラシに転写残のトナーが多く混入する。クリーナーレスシステムでは磁気ブラシに転写残トナーを一旦回収させ、それを再び像担持体上に吐き出させ現像装置で回収させる。しかし画像形成を繰り返していくと、磁気ブラシに回収された転写残トナーが磁気ブラシを構成している導電性の磁性粒子と融着し、再び像担持体上に吐き出されないトナーが現われて来る。
【0012】
通常、トナー粒子の電気抵抗は比較的高いものが用いられているので、導電性の磁性粒子にトナー粒子が融着してしまうと導電性の磁性粒子の抵抗が上昇してしまい、像担持体が所望の電位にまで帯電できなくなったり、帯電むらが生じたりしてしまい、かぶりやゴーストといった画像不良が発生してしまうという欠点があった。
【0013】
また前述例のような4色の画像形成部をもち、1パスで順次被転写材上に4色重ねるタンデム方式のカラー電子写真装置においては、前の画像形成部で像担持体から被転写材上に転写されたトナーが、後ろの画像形成部で再び被転写材上から像担持体へ転写してしまう再転写という現象が報告されている。
【0014】
特にクリーナーレスシステムでは転写残トナーの他に再転写トナーが磁気ブラシ帯電部材の磁気ブラシで回収されるので、後ろの画像形成部にいくほど磁気ブラシ内の混入トナーが多くなる。よって後ろの画像形成部に行くほどかぶりやゴーストなどの帯電不良による画像不良が出やすくなった。
【0015】
実際に、クリーナーレスシステムで4色タンデム方式のカラー電子写真装置を用い通紙試験を行うと、4つの画像形成部について被転写材が通過していく順に第1,第2,第3,第4としたとき、最初の第1の画像形成部では5万枚まで画像不良がなく良好な安定した画像を維持したのに対し、第2の画像形成部では4.5万枚、第3の画像形成部では4万枚、第4の画像形成部では3万枚でかぶりやゴーストなどの画像不良が発生した。
【0016】
本発明は,上述例の磁気ブラシ接触帯電方式・4色タンデム方式のカラー電子写真装置ように、複数の画像形成部を有し、各画像形成部は、像担持体と、像担持体に導電性磁性粒子を当接させて帯電を行う磁気ブラシ帯電手段を含む作像プロセス手段を具備していて像担持体にトナー像を形成するものであり、各画像形成部の転写部を順次に経由させて被転写材を通過させることで被転写材に各画像形成部の像担持体に形成のトナー像を順次転写する画像形成装置における上述のような問題、即ち後ろの画像形成部に行くほど帯電不良による画像不良が出やすくなること防止することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明は下記の構成を特徴とする画像形成装置である。
【0018】
(1)複数の画像形成部を有し、各画像形成部は、感光体と、感光体に導電性磁性粒子を当接させて帯電する磁気ブラシ帯電手段と、帯電された感光体に露光して潜像を形成する像露光手段と、潜像をトナーで現像するとともに、形成されたトナー像を被転写材に転写した後に感光体に付着しているトナーを回収する現像手段と、感光体上に形成されたトナー像を転写部において被転写材に転写する転写手段と、を備え、各画像形成部の感光体上に形成されたトナー像を各転写部において順次に被転写材に転写する画像形成装置において、第1の画像形成部が備える磁気ブラシ帯電手段の感光体と接触している導電性磁性粒子の単位面積あたりの量は、前記第1の画像形成部の転写部よりも被転写材の移動方向下流に配置された第2の画像形成部が備える磁気ブラシ帯電手段の感光体と接触している導電性磁性粒子の単位面積あたりの量よりも少ないことを特徴とする画像形成装置。
【0019】
(2)磁気ブラシ帯電手段は導電性磁性粒子を担持する担持体と、前記担持体の表面に薄層形成するための規制部材とを備え、
前記第1の画像形成部が備える担持体と規制部材との最近接距離は、前記第2の画像形成部が備える担持体と規制部材との最近接距離よりも狭いことを特徴とする(1)に記載の画像形成装置。
【0020】
(3)複数の画像形成部を有し、各画像形成部は、感光体と、感光体に導電性磁性粒子を当接させて帯電する磁気ブラシ帯電手段と、帯電された感光体に露光して潜像を形成する像露光手段と、潜像をトナーで現像するとともに、形成されたトナー像を被転写材に転写した後に感光体に付着しているトナーを回収する現像手段と、感光体上に形成されたトナー像を転写部において被転写材に転写する転写手段と、を備え、各画像形成部の感光体上に形成されたトナー像を各転写部において順次に被転写材に転写する画像形成装置において、第1の画像形成部が備える磁気ブラシ帯電手段と感光体によって形成されるニップの幅は、前記第1の画像形成部の転写部よりも被転写材の移動方向下流に配置された第2の画像形成部が備える磁気ブラシ帯電手段と感光体によって形成されるニップの幅よりも狭いことを特徴とする画像形成装置。
【0021】
(4)磁気ブラシ帯電手段は導電性磁性粒子を担持する担持体を備え、前記第1の画像形成部が備える担持体と感光体との最近接距離は、前記第2の画像形成部が備える担持体と感光体との最近接距離よりも広いことを特徴とする(3)に記載の画像形成装置。
【0024】
(5)感光体は表面に電荷注入層を有することを特徴とする(1)乃至(4)の何れか1項に記載の画像形成装置。
【0027】
〈作 用〉
即ち、磁気ブラシ帯電手段の像担持体に接触している導電性磁性粒子の単位面積あたりの量(M/S)が多いほど、また磁気ブラシ帯電手段の像担持体に接触している導電性磁性粒子の接触幅が広いほど、像担持体と導電性磁性粒子との接触時間が増え、像担持体の像担持体ヘの帯電性が上がるので、各画像形成部の磁気ブラシ帯電手段の像担持体に接触している導電性磁性粒子の単位面積あたりの量について次工程の画像形成部が前の画像形成部よりも多い構成にすることで、即ち、第1の画像形成部が備える磁気ブラシ帯電手段の感光体と接触している導電性磁性粒子の単位面積あたりの量は、第1の画像形成部の転写部よりも被転写材の移動方向下流に配置された第2の画像形成部が備える磁気ブラシ帯電手段の感光体と接触している導電性磁性粒子の単位面積あたりの量よりも少ない構成にすることで、また各画像形成部の磁気ブラシ帯電手段の像担持体に接触している導電性磁性粒子の接触幅について次工程の画像形成部が前の画像形成部よりも広い構成にすることで、即ち、第1の画像形成部が備える磁気ブラシ帯電手段と感光体によって形成されるニップの幅は、第1の画像形成部の転写部よりも被転写材の移動方向下流に配置された第2の画像形成部が備える磁気ブラシ帯電手段と感光体によって形成されるニップの幅よりも狭い構成にすることで、下流の画像形成部の磁気ブラシ帯電装置内の残留トナーが多くなっても、帯電不良による画像不良が発生しなくなった。
【0028】
磁気ブラシ帯電手段の像担持体に接触している導電性磁性粒子の単位面積あたりの量は、例えば、磁気ブラシ帯電手段の導電性磁性粒子担持体と導電性磁性粒子担持体の表面に導電性磁性粒子を薄層形成するための規制部材との最近接距離(S−Bギャップ)を広狭調節することで調整できる。
【0029】
また、磁気ブラシ帯電手段の像担持体に接触している導電性磁性粒子の接触幅は、例えば、磁気ブラシ帯電手段の導電性磁性粒子担持体と像担持体との最近接距離(S−Dギャップ)を広狭調節することで調整できる。
【0030】
【発明の実施の形態】
[実施例1]
(1)画像形成装置例
図1は本実施例における画像形成装置の概略構成模型図である。本例の画像形成装置は4つの画像形成部を並列に並べて各画像形成部で独立に作像工程を行い、1パスで各画像形成部で形成されたトナー画像を順次に被転写材上に4色重ねてフルカラートナー画像を合成形成する4色タンデム方式のカラー電子写真装置である。
【0031】
I・II・III・IVは右側から左側に順にタンデムに配列した第1から第4の4つの画像形成部である。本例において、第1の画像形成部Iはイエロー画像形成部、第2の画像形成部IIはマゼンタ画像形成部、第3の画像形成部IIIはシアン画像形成部、第4の画像形成部はブラック画像形成部である。
【0032】
第1〜第4の各画像形成部I・II・III・IVは何れも磁気ブラシ帯電方式・反転現像方式・クリーナーレスシステムの電子写真作像機構であり、像担持体としての電子写真感光ドラム1と、磁気ブラシ帯電装置2と、画像情報書き込み装置としての例えばレーザービームスキャナーやLEDアレー等の像露光装置3と、現像装置4と、補助帯電器としての導電性ブラシ5等を備えている。
【0033】
第1の画像形成部Iの現像装置4は現像剤にイエロートナーを有する現像装置であり、第2の画像形成部IIの現像装置4は現像剤にマゼンタトナーを有する現像装置であり、第3の画像形成部IIIの現像装置4は現像剤にシアントナーを有する現像装置であり、第4の画像形成部IVの現像装置4は現像剤に黒トナーを有する現像装置である。
【0034】
6は第1〜第4の各画像形成部I・II・III・IVの下側に各画像形成部に渡らせて左右方向にほぼ水平に配設した転写ベルト装置であり、左右側の懸回ローラ(駆動プーリーと従動プーリー)62・62間に被転写材担持体としての無端状の転写ベルト61を懸架してあり、この転写ベルト61は矢印の反時計方向に回動される。転写ベルト61の内側には各画像形成部I・II・III・IVの感光ドラム1の下面部に対して転写ベルト61の上行側ベルト部分を加圧当接させて第1〜第4の転写部(転写ニップ部)6a・6b・6c・6dを形成する4つの転写帯電ブレード63を配設してある。
【0035】
7は給紙カセット、71は給紙ローラ、72はレジストローラである。8は転写ベルト装置6の次位に配設した熱定着装置(熱定着器)である。
【0036】
各画像形成部I・II・III・IVにおける作像動作は同じである。すなわち、感光ドラム1は矢示の時計方向に所定のプロセススピード(周速度)で回転駆動され、その回転過程において磁気ブラシ帯電装置2によりその外周面が一様に−700Vに帯電処理される。この回転感光ドラム1の一様帯電面に対して像露光装置3により画像情報に対応した像露光がなされ、光照射された露光部の電位が落ち(明部電位)、照射されなかった非露光部の電位(暗部電位)とのコントラストにより、像露光パターンに対応した静電潜像が形成される。
【0037】
第1の画像形成部Iの感光ドラム1面にはフルカラー画像のイエロー成分像に対応する像露光がなされてその静電潜像が形成される。第2の画像形成部IIの感光ドラム1面にはマゼンタ成分像に対応する像露光がなされてその静電潜像が形成される。第3の画像形成部IIIの感光ドラム1面にはシアン成分像に対応する像露光がなされてその静電潜像が形成される。第4の画像形成部IVの感光ドラム1面にはブラック成分像に対応する像露光がなされてその静電潜像が形成される。
【0038】
そして、第1の画像形成部Iの感光ドラム1の静電潜像は現像装置4によりイエロートナー画像として反転現像される。第2の画像形成部IIの感光ドラム1の静電潜像は現像装置4によりマゼンタトナー画像として反転現像される。第3の画像形成部IIIの感光ドラム1の静電潜像は現像装置4によりシアントナー画像として反転現像される。第4の画像形成部IVの感光ドラム1の静電潜像は現像装置4により黒トナー画像として反転現像される。
【0039】
一方、給紙カセット7内に積載収納されている被転写材Pが給紙ローラ71により一枚宛繰り出されて給送され、レジストローラ72により所定の制御タイミングにて転写ベルト装置6の転写ベルト61の上行側ベルト上に給紙される。各転写帯電ブレード63にはそれぞれ不図示の転写バイアス印加電源より所定の転写バイアスが所定の制御タイミングで印加される。
【0040】
転写ベルト61上に給紙された被転写材Pはベルト面に静電吸着保持されて転写ベルト61の回動に伴い第1〜第4の転写部6a〜6dを順次に搬送され、第1の転写部6aにおいて第1の画像形成部Iの感光ドラム1面のイエロートナー画像の転写、第2の転写部6bにおいて第2の画像形成部IIの感光ドラム1面のマゼンタトナー画像の転写、第3の転写部6cにおいて第3の画像形成部IIIの感光ドラム1面のシアントナー画像の転写、第4の転写プ部6dにおいて第4の画像形成部IVの感光ドラム1面の黒トナー画像の転写の都合4回のトナー画像の重畳転写を受ける。すなわち、各転写帯電ブレード63は被転写材Pの裏面からトナーと逆極性の帯電を行なう。これにより転写部6a〜6dを順に通る被転写材Pの面に回転感光ドラム1側のトナー像が順次に静電転写されていく。これにより被転写材面には目的のフルカラートナー画像が合成形成される。
【0041】
各画像形成部I〜IVにおけるトナー画像の作像は所定に同期を取ってなされ、各画像形成部I〜IVのトナー画像が転写ベルト装置6で搬送される同一の被転写材P面に所定に位置合わせされて順次に重なるように転写される。
【0042】
転写ベルト61で搬送され、最終の第4の転写部6dを通過した被転写材は転写ベルト61上から分離されて熱定着装置8へ導入されて被転写材面の未定着のフルカラートナー画像が熱と圧力で固着画像として定着される。
【0043】
各画像形成部I〜IVにおいて被転写材Pへのトナー画像転写後の感光ドラム1の面には転写残トナーが残留する。本例の場合はその転写残トナーを除去する専用のクリーナーは具備させないで、現像装置4により現像同時回収させるようにしている(クリーナーレスシステム)。これについては後述する。
【0044】
(2)感光ドラム1
感光ドラム1としては、通常用いられている有機感光体等を用いることができるが、望ましくは、有機感光体上にその抵抗が1×102〜1×1014Ω・cmの材質を有する表面層を持つものや、アモルファスシリコン感光体等を用いると、電荷注入帯電(直接帯電)を実現でき、オゾン発生の防止、ならびに消費電力の低減に効果がある。また、帯電性についても向上させることが可能となる。
【0045】
本例において使用の感光ドラム1は、表面に電荷注入層を設けた、負帯電の有機感光体であり、直径30mmのアルミニウム製のドラム基体(以下、アルミ基体と記す)上に下記の第1〜第5の5つの層1a〜1fを下から順に設けたものである。図2はその層構成模型図である。
【0046】
第1層1b;下引き層であり、アルミ基体1aの欠陥等をならすために設けられている厚さ20μmの導電層である。
【0047】
第2層1c;正電荷注入防止層であり、アルミ基体1aから注入された正電荷が感光体表面に帯電された負電荷を打ち消すのを防止する役割を果たし、アミラン樹脂とメトキシメチル化ナイロンによって1×106 Ω・cm程度に抵抗調整された厚さ1μmの中抵抗層である。
【0048】
第3層1d;電荷発生層であり、ジスアゾ系の顔料を樹脂に分散した厚さ約0.3μmの層であり、露光を受けることによって正負の電荷対を発生する。
【0049】
第4層1e;電荷輸送層であり、ポリカーボネイト樹脂にヒドラゾンを分散したものであり、P型半導体である。従って、感光体表面に帯電された負電荷はこの層を移動することができず、電荷発生層1dで発生した正電荷のみを感光体表面に輸送することができる。
【0050】
第5層1f;電荷注入層であり、絶縁性樹脂のバインダーに導電性粒子1gとしてのSnO2 超微粒子を分散した材料の塗工層である。具体的には絶縁性樹脂に光透過性の絶縁フィラーであるアンチモンをドーピングして低抵抗化(導電化)した粒径約0.03μmのSnO2 粒子を樹脂に対して70重量パーセント分散した材料の塗工層である。
【0051】
このように調合した塗工液をディッピング塗工法、スプレー塗工法、ロール塗工法、ビーム塗工法等の適当な塗工法にて厚さ約3μmに塗工して電荷注入層とした。
【0052】
(3)磁気ブラシ帯電装置2
図3は本例における磁気ブラシ帯電装置2の概略構成図である。
【0053】
21は帯電装置ハウジング、22はこのハウジング内に配設した接触帯電部材としての磁気ブラシ帯電部材である。本例の磁気ブラシ帯電部材22は回転スリーブタイプのものであり、非回転に固定支持させたマグネットロール23と、このマグネットロールの外回りに同心に回転自由に外嵌させた、導電性磁性粒子担持体としての、外径16mmの非磁性のスリーブ(非磁性・導電性・帯電用電極スリーブ)24と、この非磁性スリーブの外周面にスリーブ内部のマグネットロール23の磁力により吸着保持させて形成させた磁性粒子(導電性磁性粒子、帯電用磁性キャリア:以後注入キャリアと称す)の磁気ブラシ25等からなる。26は磁気ブラシ25の層厚規制ブレードであり、ハウジング21に固定して配設してある。層厚規制ブレード26が、非磁性スリーブ24の表面に導電性磁性粒子を薄層形成するための規制部材である。
【0054】
非磁性スリーブ24と規制ブレード26の最短距離(隙間:最近接距離)αをS−Bギャップと称す。また感光ドラム1と非磁性スリーブ24の最短距離(間隙:最近接距離)βをS−Dギャップと称す。S−Bギャップα、S−Dギャップβとも500μmとした。また帯電装置内に充填した注入キャリアは70gとした。
【0055】
帯電装置2は磁気ブラシ帯電部材22の磁気ブラシ25を感光ドラム1面に接触させて感光ドラム1と略並行にして配設してある。この場合、感光ドラム1に対して形成される磁気ブラシ25の接触ニップ幅(接触幅)が所定になるように調整して配設した。本実施例では感光ドラム1に対して形成されるニップ幅を略6mmになるように調整した。磁気ブラシ25と感光ドラム1との接触部が帯電領域である。
【0056】
磁気ブラシ25を構成させる注入キャリアとしては、平均粒径が10〜100μm、飽和磁化が20〜250kA/m、抵抗が1×102 〜1×1010Ω・cmのものが好ましい。感光ドラム1にピンホールのような絶縁欠陥が存在することを考慮すると、抵抗が1×106 Ω・cm以上のものを用いることが好ましい。帯電性能を良くするにはできるだけ抵抗の小さいものを用いる方がよいので、本例においては、平均粒径25μm、飽和磁化200kA/m、抵抗が5×106 Ω・cmの磁性粒子を用いた。
【0057】
ここで、注入キャリアの抵抗値は、底面積が228mm2の金属セルに注入キャリアを2g入れた後、荷重6.6kgを加え、100Vの電圧を印加して測定している。
【0058】
注入キャリアとしては、樹脂中に磁性材料としてマグネタイトを分散し、導電化、及び抵抗調整のためにカーボンブラックを分散して形成した樹脂キャリア、あるいは、フェライト等のマグネタイト単体表面を酸化、還元処理して抵抗調整を行なったもの、あるいはフェライト等のマグネタイト単体表面を樹脂でコーティングし抵抗調整を行なったもの等が用いられ得る。
【0059】
磁気ブラシ帯電部材22の注入スリーブ24は帯電領域において感光ドラム1の回転方向とは逆方向(カウンター方向)となる矢印の時計方向に回転させた。本実施例においては、感光ドラム1の回転速度100mm/secに対し注入スリーブ24は150mm/secで回転している。この注入スリーブ24の回転に伴い注入キャリアの磁気ブラシ25も同方向に回転搬送され、層厚規制用ブレード26の位置で層厚規制を受け、帯電領域において感光ドラム1面が磁気ブラシ25でまんべんなく摺擦される。
【0060】
注入スリーブ24にはバイアス電源E1から所定の帯電バイアスを印加することにより磁気ブラシ25の注入キャリアから電荷が感光ドラム1上に与えられ、帯電電圧に対応した電位に帯電される。回転速度については速いほど帯電均一性が良好になる。
【0061】
本例では−700Vの直流電圧DCと交番電圧(交流電圧)ACを重畳した振動電圧を帯電バイアスとして印加した。
【0062】
本例の場合は前述したように感光ドラム1はその表面に電荷注入層1fを具備させたものであるから、電荷注入帯電により感光ドラム1の帯電処理がなされる。即ち、注入スリーブ24に印加したDC+ACバイアスのうちの直流成分DC(−700V)とほぼ同等の帯電電位を感光ドラム表面に得ることができる。
【0063】
(4)現像装置4
図4は本実施例で用いた現像装置4の概略構成を示すものである。本例の現像装置4は、非磁性のネガトナー粒子と磁性のキャリア粒子を混合したものを現像剤として用い、該現像剤を現像剤担持体に磁気力によって磁気ブラシ層として保持させて現像部に搬送し感光ドラム1面に接触させて静電潜像をトナー像として反転現像する2成分磁気ブラシ接触現像方式の装置である。
【0064】
41は現像容器、42は現像剤担持体としての現像スリーブ、43はこの現像スリーブ42内に固定配置された磁界発生手段としてのマグネットローラ、44は現像スリーブ表面に現像剤の薄層を形成するための現像剤層厚規制ブレード、45は現像剤攪拌搬送スクリュー、46は現像容器41内に収容した2成分現像剤であり、非磁性のネガトナー粒子tと磁性のキャリア粒子Cを混合したものである。
【0065】
本実施例において用いた2成分現像剤46は、トナー粒子tは粉砕法によって製造された平均粒径6μmのネガ帯電トナー(以後、粉砕トナーと称する)に対して平均粒径20nmの酸化チタンを重量比1%外添したものを用い、現像用磁性キャリアCとしては飽和磁化が205kA/mの平均粒径25μmの磁性キャリアを用いた。そしてこのトナーtと現像用磁性キャリアを重量比6:94で混合したものである。
【0066】
現像スリーブ42は少なくとも現像時においては、感光ドラム1に対し最近接距離(隙間)が約500μmになるように配置され、該現像スリーブ42の外面に担持させた現像剤磁気ブラシ薄層46aが感光ドラム1の面に接触するように設定されている。この現像剤磁気ブラシ層46aと感光ドラム1の接触部が現像領域である。
【0067】
現像スリーブ42は固定配設のマグネットローラ43の外回りを矢示の反時計方向に所定の回転速度で駆動され、現像容器41内においてスリーブ外面にマグネットローラ43の磁力により現像剤46の磁気ブラシが形成される。その現像剤磁気ブラシはスリーブ42の回転とともに搬送され、ブレード44により層厚規制を受けて所定層厚の現像剤磁気ブラシ薄層46aとして現像容器外に持ち出されて現像領域へ搬送されて感光ドラム1面に接触し、引き続くスリーブ42の回転で再び現像容器41内に戻し搬送される。
【0068】
即ち、先ず、現像スリーブ42の回転に伴いマグネットローラ43のN3 極で汲み上げられた現像剤46はS2 極→N1 極と搬送される過程において、現像スリーブ42に対して垂直に配置された規制ブレード44によって規制されて、現像スリーブ42上に現像剤46の薄層46aが形成される。薄層形成された現像剤層46aが現像領域の現像主極S1に搬送されてくると磁気力によって穂立ちが形成される。この穂状に形成された現像剤層46aによって感光ドラム1の静電潜像がトナー像として現像され、その後N2 極−N3 極の反発磁界によって現像スリーブ42上の現像剤は現像容器41内に戻される。
【0069】
現像スリーブ42と感光ドラム1の導電性ドラム基体との間には現像バイアス印加電源E2により、本例では、負の直流電圧:−500Vと、交番電圧:振幅Vpp=1500V、周波数Vf=3000Hzを重畳した振動電圧を現像バイアスとして印加している。
【0070】
一般に2成分現像法においては交番電圧を印加すると現像効率が増し、画像は高品位になるが、逆にかぶりが発生しやすくなるという危険も生じる。このため、通常、現像装置4に印加する直流電圧と感光ドラム1の表面電位間に電位差を設けることによって、かぶりを防止することを実現している。このかぶり防止のための電位差をかぶり取り電位(Vback)と呼ぶが、この電位差によって現像時に感光ドラム1の非画像領域にトナーが付くのを防止する。
【0071】
現像容器41内の現像剤46のトナー濃度(キャリアとの混合割合)はトナー分が静電潜像の現像に消費されて逐次減少していく。現像容器41内の現像剤46のトナー濃度は不図示の検知手段により検知されて所定の許容下限濃度まで低下するとトナー補給部47から現像容器内の現像剤46にトナーtの補給がなされて現像容器41内の現像剤46のトナー濃度を常に所定の許容範囲内に保つようにトナー補給制御される。
【0072】
(5)クリーナーレスシステム
▲1▼.第1〜第4の各画像形成部I〜IVにおいて、被転写材Pに対するトナー像転写後の感光ドラム1面に残留する転写残トナーは引き続く感光ドラム1面の回転で、転写部と帯電領域との間において感光ドラム1の面に接触させて設けた補助帯電器としての導電性ブラシ5に持ち運ばれる。
【0073】
この導電性ブラシ5は本実施例では毛足長さが6mm,導電性繊維のレイヨンであり,感光ドラム1との当接ニップは7mmである。この導電性ブラシ5にはトナーのマイナス帯電極性とは逆極性のプラス500Vの直流電圧を電源E3から印加した。
【0074】
転写残トナーには、正規の帯電極性であるマイナスに帯電しているトナー、転写時の転写バイアスや剥離放電等により帯電極性がプラスに反転しているトナー、マイナス帯電が弱められたり除電状態になっているトナーが混在している。この転写残トナーは導電性ブラシ5と感光ドラム1との接触部位において導電性ブラシ5により攪乱され、かつ正規の帯電極性であるマイナスに帯電しているトナー、マイナス帯電が弱められたり除電状態になっているトナー、プラスに反転しているトナーでもその帯電が弱いトナーは導電性ブラシ5のプラスの印加バイアスによる電気的引力で導電性ブラシ5に積極的に付着・混入しブラシとの摩擦やプラスの印加バイアスにより帯電極性がプラスに反転帯電され、そのプラスに反転帯電されたトナーが導電性ブラシ5に対するプラスの印加バイアスとの電気的反発力で導電性ブラシ5から感光ドラム1面に吐き出されて再び付着する。
【0075】
従って、転写残トナーは導電性ブラシ5で帯電極性が正規帯電極性のマイナスとは逆極性のプラスに実質的に揃えられて、プラストナーもしくは除電された低帯電量のマイナストナーのみということになり、引き続く感光ドラム1との回転で帯電領域に持ち運ばれる。
【0076】
▲2▼.帯電領域に持ち運ばれた感光ドラム1上の転写残トナーは磁気ブラシ帯電部材22の磁気ブラシ25に取り込まれて帯電同時一時回収される。この場合、帯電領域に持ち運ばれた転写残トナーは上記のように帯電極性がプラスに実質的に揃えられているので、帯電領域において感光ドラム1面から、マイナスの帯電バイアスが印加されている磁気ブラシ帯電部材22の磁気ブラシ25に対して電気的引力により取り込まれやすく効率的に一時回収される。このとき、交番電圧を磁気ブラシ帯電部材22に印加すると感光ドラム1ー注入スリーブ24間の電界による振動効果によって、磁気ブラシ25への転写残トナーの取り込みが容易に行なわれる。
【0077】
磁気ブラシ25に一時回収された転写残トナーは磁気ブラシ帯電部材22に印加のマイナスの帯電バイアスにより、また磁気ブラシ25との摩擦により、プラスの反転帯電状態から正規帯電極性であるマイナスの帯電状態に効率的に戻し帯電される。
【0078】
そしてその磁気ブラシ25に一時回収されて正規帯電極性であるマイナスの帯電状態に効率的に戻し帯電された転写残トナーは磁気ブラシ帯電部材22に印加のマイナスの帯電バイアスとの電気的反発力で磁気ブラシ25から感光ドラム1面に吐き出されて付着する。
【0079】
▲3▼.磁気ブラシ25から感光ドラム1面に吐き出された、正規帯電極性であるマイナスの帯電状態に戻し帯電されているトナーは、引き続く感光ドラム1の回転で像露光装置3による像露光部位を通って現像装置4の現像領域に至り、現像装置4の現像部材で現像同時クリーニング(現像同時回収)される。即ち,次画像の露光部であればそのまま感光ドラム1に残留し,未露光部であれば現像装置に回収され,再現像剤としてリユースされる。
【0080】
ここで、帯電装置2の磁気ブラシから感光ドラム1面へのトナーの吐き出しは均一な分布でなされ、量的にも少なくて、像露光部位を通っても実質的に像露光の妨げにはならない。
【0081】
現像同時クリーニングは、現像手段がトナー像を被転写材に転写したあとに像担持体に残留した残トナー粒子を回収するクリーニング手段も兼ねる。即ち、転写後の感光ドラム1上に残留した転写残トナーを次行程以降の現像時、即ち引き続き感光ドラム1を帯電し、像露光して潜像を形成し、該潜像の現像時にかぶり取りバイアス(現像装置4に印加する直流電圧と感光ドラム1の表面電位間の電位差であるかぶり取り電位差Vback)によって回収する方法である。反転現像の場合では、この現像同時クリーニングは、感光ドラムの暗部電位部分から現像部材にトナーを回収する電界と、現像部材から感光ドラム1の明部電位部分へトナーを付着させる電界の作用でなされる。現像同時回収は、感光ドラム回転方向の画像領域が、感光ドラム1の周長よりも長い場合には、その他の帯電、露光、現像、転写といった画像形成行程と同時進行で行われる。
【0082】
上記▲1▼〜▲3▼のクリーナーレスシステムについて今少し説明する。クリーナーレスシステムは、上述したように、転写残トナーを現像部位において現像装置4で現像同時クリーニングにより回収するのであるが、トナー像転写後の感光ドラム1の面の転写残トナーはまず、そのまま帯電装置2の帯電領域を通過させるとゴーストが発生してしまう。すなわち感光ドラム1と接触した磁気ブラシ下を転写残トナーが通過しても、ほとんどの場合前画像の形状を留めたままであり、適正な帯電条件における磁気ブラシの設定下では均一に分散しているようなことはなかった。
【0083】
そこで、感光ドラム1の回転に伴い帯電領域に到達した転写残トナーを磁気ブラシ25にとりこみ、前画像の履歴を消してしまうことが必要となる。このとき、直流電圧を磁気ブラシ帯電部材22に印加するのみでは磁気ブラシ25へのトナーの取り込みは十分に行われないが、交番電圧を磁気ブラシ帯電部材22に印加すると感光ドラム1ー注入スリーブ24間の電界による振動効果によって、比較的磁気ブラシ25へのトナーの取り込みが容易に行なわれる。
【0084】
しかしながら、帯電領域に到達した転写残トナーの帯電量によって磁気ブラシ25ヘの取り込みが非常に困難な場合が生じる。つまり転写残トナーが帯電している以上、磁気ブラシ25と感光ドラム1間の電位差や、トナーと感光ドラム間の鏡映カが取り込み性に大きく効いてくるのである。
【0085】
ここで、磁気ブラシ帯電部材22の印加電圧に対し、通過する感光ドラムの表面電位は等しく帯電されることが理想であるが、実際には磁気ブラシ25と感光ドラム1の接触部である帯電領域にも幅があり、最終的にはほぼ等しい電位に帯電されるとしても、帯電領域通過初期には十分な帯電が得られていないため、そこに磁気ブラシと感光ドラム間の電位差が生じている。本実施例の場合、磁気ブラシ帯電装置のVdc(暗部電位)を−700Vと設定しているため、帯電領域通過初期で感光ドラム表面電位がそれより低い領域では、正帯電トナーは磁気ブラシ方向へ取り込まれ易いが、負荷電トナーは取り込まれない。また、転写残トナーの帯電量が極端に大きく、感光ドラムとの鏡映力が大さすぎても感光ドラム上に残ってしまう。よって本来負帯電性のトナーではあるが転写残トナーは正帯電されていることが望ましい。但し正帯電されていなくても、帯電量の絶対値が十分小さければ、磁気ブラシによって強制的にかきとられる効果は期待できる。
【0086】
実際、転写残トナーは転写時の剥離放電等により、帯電極性が反転してしまうことも多いが、等しい転写効率であっても、転写電流によって転写残トナーの帯電量分布は大きく異なり、また長期にわたり使用すると現像剤自体が劣化し、転写効率が低下してくるため、負荷電のまま感光ドラム上に残るトナー比率も増えてくる。そこで転写電流を強めたり、転写残トナーを反対極性に帯電せしめる手段を持つことが好ましい。
【0087】
本実施例では、転写部と帯電領域との間において感光ドラム1に補助帯電器としての導電性ブラシ5を当接させ、帯電バイアスと逆極性のバイアスを印加する。正極性の転写残トナーは導電性ブラシ5を通過し、負極性の転写残トナーは一時的に導電性ブラシ5に捕獲され、除電された後に再び感光ドラム1上に送り出される。これにより転写残トナーは磁気ブラシ方向へより取り込まれやすくなり、ゴーストが発生する要因が除去される。
【0088】
補助帯電器としての導電性ブラシ5は導電性ゴムローラ等他の形態の補助帯電器であっても良い。
【0089】
(6)画像形成部間の通紙耐久揃え
このような4色タンデム方式・クリーナーレスの画像形成装置において、前の画像形成部で感光ドラム1から被転写材P上に転写されたトナーが、後ろの画像形成部で再び被転写材P上から感光ドラム1へ転写してしまう再転写トナーが存在し、磁気ブラシ帯電装置2では転写残トナーの他に再転写トナーが接触帯電部材である磁気ブラシ帯電部材22の磁気ブラシ25で回収されるので、後ろの画像形成部にいくほど磁気ブラシ帯電装置2内の混入トナーが多くなった。よって後ろの画像形成部に行くほどかぶりやゴーストなどの帯電不良による画像不良が出やすくなった。
【0090】
このような構成で第1〜第4の各画像形成部I〜IVにおいて、各色それぞれ画像比率6%の原稿による通紙耐久を重ねていくと、最初の第1の画像形成部Iでは5万枚まで画像不良がなく良好な安定した画像を維持したのに対し、第2の画像形成部IIでは4.5万枚、第3の画像形成部IIIでは4万枚、第4の画像形成部IVでは3万枚でかぶりやゴーストなどの画像不良が発生した。
【0091】
図5は磁気ブラシ帯電装置2のS−Bギャップαと感光ドラム1に接触している磁気ブラシ帯電部材22の注入キャリアの単位面積当たりの量(M/Sと称する)との関係を示したグラフである。このグラフよりS−Bギャップα(μm)を広げるとM/S(g/cm2)が多くなるのがわかる。
【0092】
そこで第1〜第4の全ての画像形成部IからIVにおける磁気ブラシ帯電装置2のS−Bギャップαを600μmから650μmに広げた。M/Sが多ければ多いほど、感光ドラム1と磁気ブラシ帯電部材22の磁気ブラシ25を構成している注入キャリアとの接触時間が増え、感光ドラム1ヘの帯電性が上がるので、下流(被転写材の移動方向下流)の画像形成部の磁気ブラシ帯電装置2内の残留トナーが多くなっても、帯電不良による画像不良が発生しなくなった。
【0093】
しかしM/Sが増えると1個の注入キャリアに対する磁気束縛カが減少する。注入キャリアに働く感光ドラム方向へのクーロンカが磁気束縛力に打ち勝ったとき、注入キャリアは磁気ブラシ25側から離脱して感光ドラム1ヘ付着(以後キャリア付着と呼ぶ)してしまい、図6にM/Sと通紙枚数1000枚あたりの感光ドラム1へキャリア付着した量の関係を示すが、このグラフよりこのキャリア付着はM/Sを多くした時に顕著に発生する。
【0094】
いったん感光ドラム1ヘキャリア付着し、転写部まで注入キャリアが到達すると、感光ドラム1と被転写部材Pとの間に入り込み、感光ドラム表面を傷つける場合がある。
【0095】
またその注入キャリアは被転写材Pに転写される。例えば第1の画像形成部Iでキャリア付着した注入キャリアが転写部を介して下流の転写部を通過していくと、注入キャリアによる転写部での感光ドラム傷が下流の第2・第3・第4の画像形成部II・III・IVでも発生する可能性があり、いったん感光ドラムが傷つくとスジかぶりなどの画像不良が生じる。
【0096】
そこでなるべく下流側の画像形成部への影響を押さえるために、下流の画像形成部にいくほど磁気ブラシ帯電装置2のS−Bギャップαを広げる構成にした。
【0097】
式で記すと、第1・第2・第3・第4の各画像形成部I・II・III・IVにおける磁気ブラシ帯電装置2のS−BギャップαをそれぞれαI・αII・αIII・αIVとすると
αI<αII<αIII<αIV
のような構成をとった。
【0098】
実際、本実施例では第1・第2・第3・第4の各画像形成部I・II・III・IVにおける磁気ブラシ帯電装置2のS−BギャップαI・αII・αIII・αIVをそれぞれ500μm、550μm、600μm、650μmとした。
【0099】
このような構成において、画像比率6%の原稿による通紙耐久を行った結果、5万枚まで第2・第3・第4の画像形成部I・II・IVともかぶりやゴーストなどの画像不良がなく良好な安定した画像を維持した。
【0100】
[実施例2]
図7は磁気ブラシ帯電装置2のS−Dギャップβと、感光ドラム1と磁気ブラシ帯電部材22の磁気ブラシ25との接触部(帯電領域)であるニップ幅との関係を示したグラフである。図3のように感光ドラム1と注入キャリアで構成される磁気ブラシ25はカウンターで当接されてあり、感光ドラム回転方向下流では注入キャリア溜りが存在する。S−Dギャップβを狭めると感光ドラム回転方向下流の注入キャリア溜りが増え、S−Dギャップβを狭めると図7のようにニップ幅が広くなった。
【0101】
そこで第1〜第4の全ての画像形成部I・II・III・IVにおける磁気ブラシ帯電装置2のS−Dギャップβを500μmから380μmに狭めた。ニップ幅が広ければ広いほど、感光ドラム1と磁気ブラシ25の注入キャリアとの接触時間が増え、感光ドラム1ヘの帯電性が上がるので、下流の画像形成部の磁気ブラシ帯電装置2内の残留トナーが多くなっても、帯電不良による画像不良が発生しなくなった。
【0102】
しかし注入キャリア溜りが増えるとその部分でのM/Sが増え、1個の注入キャリアに対する磁気束縛力が減少する。注入キャリアに働く感光ドラム方向へのクーロンカが磁気束縛力に打ち勝ったとき、磁気ブラシ25の注入キャリアは感光ドラム1へキャリア付着してしまい、図6のようにこのキャリア付着はM/Sを多くした時に顕著に発生する。
【0103】
いったん感光ドラム1ヘキャリア付着し、転写部まで注入キャリアが到達すると、感光ドラム1と転写部材61との間に入り込み、感光ドラム表面を傷つける場合がある。
【0104】
またその注入キャリアは被転写材Pに転写される。例えば第1の画像形成部Iでキャリア付着した注入キャリアが転写部6aを介して下流の転写部を通過していくと、注入キャリアによる転写部での感光ドラム傷が下流の第2・第3・第4の画像形成部II・III・IVでも発生する可能性があり、いったん感光ドラムが傷つくとスジかぶりなどの画像不良が生じる。
【0105】
そこでなるべく下流側の画像形成部への影響を押さえるために、下流の画像形成部にいくほど磁気ブラシ帯電装置2のS−Dギャップβを狭める構成にした。
【0106】
式で記すと、第1・第2・第3・第4の各画像形成部I・II・III・IVにおける磁気ブラシ帯電装置2のS−DギャップβをそれぞれβI・βII・βIII・βIVとすると
βI>βII>βIII>βIV
のような構成をとった。
【0107】
実際、本実施例では第1・第2・第3・第4の各画像形成部I・II・III・IVにおける磁気ブラシ帯電装置2のS−DギャップβI・βII・βIII・βIVをそれぞれ500μm、460μm、420μm、380μmとした。
【0108】
このような構成において、画像比率6%の原稿による通紙耐久を行った結果、5万枚まで第2・第3・第4の画像形成部I・II・IVともかぶりやゴーストなどの画像不良がなく良好な安定した画像を維持した。
【0109】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、磁気ブラシ接触帯電方式・4色タンデム方式のカラー電子写真装置ように、複数の画像形成部を有し、各画像形成部は、像担持体と、像担持体に導電性磁性粒子を当接させて帯電を行う磁気ブラシ帯電手段を含む作像プロセス手段を具備していて像担持体にトナー像を形成するものであり、各画像形成部の転写部を順次に経由させて被転写材を通過させることで被転写材に各画像形成部の像担持体に形成のトナー像を順次転写する画像形成装置において、後ろの画像形成部に行くほど帯電不良による画像不良が出やすくなること防止することができて,安定した画像形成を継続して行うことができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例の画像形成装置の概略構成模型図
【図2】 感光ドラムの層構成模型図
【図3】 磁気ブラシ帯電装置の構成模型図
【図4】 現像装置の構成模型図
【図5】 S−BギャップとM/Sとの関係を表したグラフ
【図6】 M/Sと感光ドラムへのキャリア付着量との関係を表したグラフ
【図7】 S−Dギャップとニップ幅との関係を表したグラフ
【符号の説明】
I〜IV・・第1〜第4の画像形成部、2・・磁気ブラシ帯電装置、3・・像露光装置、4・・現像装置、5・・補助帯電器、6・・転写装置、7・・給紙カセット、8・・定着装置
Claims (5)
- 複数の画像形成部を有し、各画像形成部は、感光体と、感光体に導電性磁性粒子を当接させて帯電する磁気ブラシ帯電手段と、帯電された感光体に露光して潜像を形成する像露光手段と、潜像をトナーで現像するとともに、形成されたトナー像を被転写材に転写した後に感光体に付着しているトナーを回収する現像手段と、感光体上に形成されたトナー像を転写部において被転写材に転写する転写手段と、を備え、各画像形成部の感光体上に形成されたトナー像を各転写部において順次に被転写材に転写する画像形成装置において、
第1の画像形成部が備える磁気ブラシ帯電手段の感光体と接触している導電性磁性粒子の単位面積あたりの量は、前記第1の画像形成部の転写部よりも被転写材の移動方向下流に配置された第2の画像形成部が備える磁気ブラシ帯電手段の感光体と接触している導電性磁性粒子の単位面積あたりの量よりも少ないことを特徴とする画像形成装置。 - 磁気ブラシ帯電手段は導電性磁性粒子を担持する担持体と、前記担持体の表面に薄層形成するための規制部材とを備え、
前記第1の画像形成部が備える担持体と規制部材との最近接距離は、前記第2の画像形成部が備える担持体と規制部材との最近接距離よりも狭いことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。 - 複数の画像形成部を有し、各画像形成部は、感光体と、感光体に導電性磁性粒子を当接させて帯電する磁気ブラシ帯電手段と、帯電された感光体に露光して潜像を形成する像露光手段と、潜像をトナーで現像するとともに、形成されたトナー像を被転写材に転写した後に感光体に付着しているトナーを回収する現像手段と、感光体上に形成されたトナー像を転写部において被転写材に転写する転写手段と、を備え、各画像形成部の感光体上に形成されたトナー像を各転写部において順次に被転写材に転写する画像形成装置において、
第1の画像形成部が備える磁気ブラシ帯電手段と感光体によって形成されるニップの幅は、前記第1の画像形成部の転写部よりも被転写材の移動方向下流に配置された第2の画像形成部が備える磁気ブラシ帯電手段と感光体によって形成されるニップの幅よりも狭いことを特徴とする画像形成装置。 - 磁気ブラシ帯電手段は導電性磁性粒子を担持する担持体を備え、
前記第1の画像形成部が備える担持体と感光体との最近接距離は、前記第2の画像形成部が備える担持体と感光体との最近接距離よりも広いことを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。 - 感光体は表面に電荷注入層を有することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の画像形成装置。
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