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JP4423072B2 - 液体トナー受容層形成用インクを用いた静電印刷用シート - Google Patents

液体トナー受容層形成用インクを用いた静電印刷用シート Download PDF

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Description

本発明は、液体トナー受容層形成用インクを用いた静電印刷用シートに関するものである。
最近、電子写真法を用いたプラスチックフィルム、紙等に対する画像形成方法が注目されている。この方法は衆知のごとく製版工程が不要であるため、少量多品種の印刷物を製造するには最適な方法である。特に、液体トナーを使用した電子写真現像法は粉体トナーを使用した場合と比較して出力画像が高精細で品質が良く、画像品質の面ではグラビア印刷方式、オフセット印刷方式に匹敵するレベルまで達している。
しかしながら、液体トナーを使用した場合、液体トナーとの密着性の問題などプリント適性の点から使用できる用紙がコート紙に限定されるため、コストアップになる問題があるとともに、鉛筆、水性ペン、ボールペンなどで良好に筆記できない、筆記後に消しゴムで良好に消せないなどの問題があった。
この問題を改善するために、水系連続相を有するエチレン・アクリル酸系樹脂を含むエマルジョンを用いた液体トナー受容層形成用インクが提案されている(特許文献1〜4参照)。
特開2003−195548 特開2003−195549 特開2003−195550 特開2003−215831
これらの水系連続相を有するエチレン・アクリル酸系樹脂を含むエマルジョンを用いた液体トナー受容層形成用インクは安価で塗工性がよく、抄紙後すぐに塗工できるなどの利点があるが、事前に部分印刷され乾燥された紙に部分塗工すると、紙が伸びたり、波打つたりするために、全面塗工する必要があり、そのため一工程で製造が完了せず工程が複雑になり、コストアップになる問題があるとともに、全面塗工すると液体トナーをプリントしない箇所にも液体トナー受容層が形成され、材料が無駄になって環境に負荷を与えることになる問題があった。
本発明の目的は、従来の問題を解決し、部分印刷され乾燥された紙に容易に部分塗工することができ、そして液体トナーの定着性に優れるので使用する用紙はコート紙に限定されず、普通の紙や合成紙、プラスチックフィルムなどを使用できる上、鉛筆、水性ペン、ボールペンなどによる筆記性に優れ、また筆記後に消しゴムで良好に消すことができ、また水性ペンで筆記後に市販のインク消し剤できれいに消すこともできるなどの特性を有する液体トナー受容層を用紙(シート基材)上に形成できるインクを用いてシート基材上に液体トナー受容層を形成した静電印刷用シートを提供することである。
すなわち、本発明の請求項1は、紙からなるシート基材面の所定箇所に、水系連続相を有するエチレン・アクリル酸系樹脂および親水性を有する紫外線硬化型アクリル系成分を含むエマルジョン中の水を系外に分離して、前記アクリル系成分からなる油系連続相に変換したエチレン・アクリル酸系樹脂を必須成分として含む液体トナー受容層形成用インクを用いて液体トナー受容層を設けてなることを特徴とする静電印刷用シートである。
本発明の請求項2は、請求項1記載の静電印刷用シートにおいて、前記液体トナー受容層形成用インクにさらに微細粒子を配合したことを特徴とする
そして、本発明の請求項3は、請求項2記載の静電印刷用シートにおいて、エチレン・アクリル酸系樹脂と前記微細粒子の配合比が、エチレン・アクリル酸系樹脂:前記微細粒子=1:9〜9:1(質量比)であることを特徴とする。
(削除)
本発明の請求項1の静電印刷用シートは、紙からなるシート基材面の所定箇所に、水系連続相を有するエチレン・アクリル酸系樹脂および親水性を有する紫外線硬化型アクリル系成分を含むエマルジョン中の水を系外に分離して、前記アクリル系成分からなる油系連続相に変換したエチレン・アクリル酸系樹脂を必須成分として含部分印刷され乾燥された紙に容易に部分塗工することもでき、そして印刷生産性が高い液体トナー受容層形成用インクを用いて液体トナー受容層(例えば薄膜コーテイング)を形成すると、この液体トナー受容層は液体トナーの密着性、定着性に優れており、例えば液体トナー受容層上に液体トナーをプリントしたプリント部にセロハンテープを貼着した後、セロハンテープを剥離してもプリント部が剥離しないので、使用するシート基材は高価なコート紙に限定されず、普通の紙を使用できる上、この液体トナー受容層は鉛筆、水性ペン、ボールペンなどによる筆記性に優れており、また筆記後に消しゴムで良好に消すことができ、また水性ペンで筆記後に市販のインク消し剤できれいに消すこともでき、しかも安価であるという顕著な効果を奏する。
本発明の請求項2は、請求項1記載の静電印刷用シートにおいて、前記液体トナー受容層形成用インクに、さらに微細粒子を配合したことを特徴とするものであり、形成された液体トナー受容層は液体トナーの密着性、定着性により優れるという、さらなる顕著な効果を奏する。
本発明の請求項3は、請求項2記載の静電印刷用シートにおいて、エチレン・アクリル酸系樹脂と前記微細粒子の配合比が、エチレン・アクリル酸系樹脂:前記微細粒子=1:9〜9:1(質量比)であることを特徴とするものであり、印刷生産性がより高く、形成された液体トナー受容層は液体トナーの密着性、定着性により優れるという、さらなる顕著な効果を奏する。
(削除)
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1は、本発明のシートの一実施形態を示す断面説明図である。
図1において、本発明のシート1は、本発明で用いるインクを使用して、シート基材2の表面には全面に、その裏面には所定箇所に液体トナー受容層3が形成してある。4は、液体トナー受容層3の上に図示しないプリンタで印字された印字である。
本発明で用いるエチレン・アクリル酸系樹脂は、エチレンとアクリル酸とを共重合して得られる樹脂であり、アクリル酸比率は特に限定されないが、アクリル酸比率が2〜30モル%、重量平均分子量がおよそ8000〜20000のものが好適に用いられる。エチレン・アクリル酸系樹脂は水に分散/または有機溶剤に溶解した形態で用いられる。しかし、エチレン・アクリル酸系樹脂は、通常、アクリル酸をアンモニア、アミン等のアルカリ塩またはナトリウム、亜鉛等の金属塩にして水に分散した形態で用いられる。
本発明で用いる親水性を有するアクリル系成分とは、常温の水によく溶解し放置しても分離したり沈殿を生じたりないアクリル系成分であって、公知の親水性を有するアクリル系モノマーおよび/または親水性を有するアクリル系オリゴマーから任意に選んで用いることができる。
親水性を有するアクリル系モノマーとしては、具体的には、例えばエチレングリコール単位を分子内にもつポリエチレングリコール(nは3以上であり、およそ14以下)ジアクリレート、トリメチロールプロパンEO変性(nは3以上であり、およそ14以下)トリアクリレート、フェノールEO変性(nは3以上であり、およそ14以下)変性アクリレートや、水酸基を分子内にもつ2−ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、フタル酸モノヒドロキシエチルアクリレートなどを挙げることができる。
これらの親水性を有するモノマーは単独で用いてもよいし2種以上組み合わせて用いてもよい。
エチレングリコール単位を分子内にもつアクリル系成分の場合、ポリエチレングリコール単位は、nは3以上であり、nが3未満であると親水性が劣るので好ましくない。nの上限は特に限定されないが、入手可能な市販品の場合はおよそ14以下である。
本発明においては、エチレン・アクリル酸系樹脂に適宜ポリイミン系樹脂を配合して用いることが液体トナーの密着性、定着性を向上できるので好ましい。ポリイミン系樹脂としては、分子骨格中に第一級、第二級および第三級アミノ基の一種またはそれ以上を含むポリマーであれば特に制限されるものではない。
ポリイミン系樹脂としては、具体的には、例えば、ポリエチレンイミン、ポリプロピレンイミンなどのポリアルキレンイミン;ポリアルキレンイミンとアルデヒド化合物、ケトン化合物、アルキルハライド化合物、イソシアネート化合物、チオイソシアネート化合物、活性オレフィン化合物、エポキシ化合物、シアナミド化合物、グアニジン化合物、尿素、チオ尿素、カルボキシ化合物、酸無水物、アシルハライド化合物などとの反応物;カルボキシ含有アクリル樹脂とアルキレンイミンとの反応物であるアミノ基含有アクリル樹脂、ポリアルキレンイミンとポリアルキレンオキシドとのブロック重合体、アルキレンジクロライドとアルキレンポリアミンとの重縮合物;ポリアルキレンポリアミン、ポリアミドポリアミン、ポリアミドポリアミン・エピクロヒドリン樹脂、ポリビニルポリアミン、ポリアリルポリアミン、ポリアクリルアミドとホルマリン、アミン化合物とのマンニッヒ反応物;ビニルラクタム化合物とアクリルアミドの共重合体;ポリビニルピリジン、ポリビニルイミダゾリン、ポリアルキルアミノエチルアクリレート、キトサン、アニリンとホルマリンとの重縮合物、アルキレンジアミンとエピクロロヒドリンとの重縮合物などを挙げることができる。
本発明においては、これらのなかでも、ポリエチレンイミンおよびその誘導体は好ましく使用できる。本発明で用いるポリイミン系樹脂の分子量は、100以上が好ましく、特に300〜100万が好ましい。
本発明でポリイミン系樹脂を配合して用いる場合、エチレン・アクリル酸系樹脂とポリイミン系樹脂との配合比は特に限定されるものではないが、エチレン・アクリル酸系樹脂:ポリイミン系樹脂=1:5〜5:1(質量比)であることが好ましく、さらに好ましくは1:4〜4:1、特に好ましくは1:2〜2:1である。エチレン・アクリル酸系樹脂の配合比が1未満であると他の特性はよいがプリントしたインクが消えにくくインク消し適性が悪くなる恐れがある。エチレン・アクリル酸系樹脂の配合比が5を超えると筆記性および消しゴム適性が悪化する。ポリイミン系樹脂の配合比が1未満であると筆記性および消しゴム適性が悪くなる恐れがあり、ポリイミン系樹脂の配合比が5を超えると他の特性はよいがプリントしたインクが消えにくくインク消し適性が悪くなる恐れがある。
本発明で用いる液体トナー受容層形成用インクを得るためには、出発原料として水系連続相を有するエチレン・アクリル酸系樹脂および親水性を有するアクリル系成分あるいはさらにポリイミン系樹脂を含む水系エマルジョンを併用したり、さらにその他の水系連続相を有する樹脂を併用して用いて、水系エマルジョン中の水を、真空蒸留、フラッシング、熱風乾燥などの公知の手段を用いて固化、発泡、固液分離、突沸などを起こすことなく、気化させて、気化した水を系外に分離する。
水を系外に分離することにより、エチレン・アクリル酸系樹脂などを凝集させることなく、親水性を有するアクリル系成分からなる油系連続相に変換し、この油系連続相中にエチレン・アクリル酸系樹脂を必須成分としあるいはさらにポリイミン系樹脂などの微粒子をエマルジョン状態で含む本発明で用いる液体トナー受容層形成用インクを得ることができる。
本発明で用いる微細粒子は特に限定されるものではなく、親水性微細粒子や疎水性微細粒子やこれらの混合物を使用できる。
本発明で用いる微細粒子の具体例としては、例えば、シリカ微細粒子では、東ソーシリカ社製 Nipsil SS−10F,SS−15,SS−10A,SS−20,SS−30P,SS−30S,SS−40,SS−50,SS−50A,SS−60,SS−70,SS−100,SS−10F,SS−50F,SS−50B,SS−50C,SS−72F,SS−170X,SS−178Bなど、トクヤマ社 ファインシールA,B,USF,E50,E70,T32,X12,X30,X37,X37B,X40,X45,X60,X70,X80,RX70,K41,F80,F80B,P8,CMFなど、コロイダルシリカ(キャボット社、キャボスパースII)、さらに、二酸化チタン微細粒子(日本アエロジル社 T805)、アルミナ微細粒子、天然ゼオライト微細粒子、合成ゼオライト微細粒子、炭酸カルシウム微細粒子(Brillant−15、白石カルシウム社製)、活性白土微細粒子、ガラス微細粒子、シラスバルーン微細粒子などが挙げられる。これらは、単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。
これらの中でもシリカ微細粒子、炭酸カルシウム微細粒子から選ばれる1種以上の微細粒子は好ましく使用できる。
本発明で用いるエチレン・アクリル酸系樹脂と微細粒子との配合比は特に限定されるものではないが、エチレン・アクリル酸系樹脂:微細粒子=1:9〜9:1(質量比)であることが好ましく、さらに好ましくは1:4〜4:1、特に好ましくは1:2〜2:1である。エチレン・アクリル酸系樹脂の配合比が1未満であると液体トナーの定着性が悪くなり、セロハンテープを貼着・剥離するとプリント部が剥離する恐れがある。エチレン・アクリル酸系樹脂の配合比が9を超えると筆記性および消しゴム適性が悪化する。微細粒子の配合比が1未満であると筆記性が悪くなる恐れがあり、微細粒子の配合比が9を超えると印刷インク適性が低下する恐れがある上、液体トナー受容層の表面強度が低下し、液体トナーの定着性も悪化する恐れがあるので、いずれも好ましくない。
本発明で用いるインクを紫外線により硬化を行わせるために、本発明で用いるインクに光重合開始剤を配合することができる。光重合開始剤としては、通常使用されているものがいずれも好ましく使用できる。代表的なものは分子内結合開放型および分子間水素引抜き型ある。分子内結合開放型は分子開裂によりラジカルを発生するタイプであって、例として、ベンゾイル・アルキル・エーテル、ベンジルジメチルケタール、ジエトキシアセトフェノン、アシロキシムエステル、塩素化アセトフェノン、ヒドロキシアセトフェノンなどが挙げられる。分子間水素引抜き型は分子間の水素引抜きでラジカルを発生するタイプであって、例として、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ジベンゾスベロン、2−エチルアンスラキノン、イソブチルチオキサンソンなどが挙げられる。光重合開始剤と併用するものとして光重合開始助剤または増感剤があり、アミン類、スルホン類、ホスフィン類が使用できる。
本発明で用いるインクには、必要に応じ公知の添加剤を添加することができる。添加剤としては、例えば、粘度調整剤、老化防止剤、pH調節剤、消泡剤、各種安定剤、着色剤、グリセリンなどのロール転写性向上剤などを挙げることができる。
液体トナー受容層の膜厚は、薄くてよく特に限定されないが、例えば0.01〜5.0μm、さらには0.05〜1.0μm程度であることが好ましい。エチレン・アクリル酸系樹脂と微細粒子との配合比にもよるが、液体トナー受容層の膜厚が0.01μm未満であると安定した液体トナーの定着性が得られ難く、5.0μmを超えると巻き取った後ブロッキングが生じる恐れがある。
本発明で用いるインクの塗工法は特に限定されるものではなく、例えば刷毛塗りなど手動で塗工する方法、あるいは自動的に塗工する方法を挙げることができる。
本発明で用いるインクは例えばグラビアコーター、フレキソ、エアナイフコーター、バーコーター、ブレードコーター、リバースロールコーター、キスロールコーター、キャストコーター、カーテンコーターなどの塗工手段によりシート基材の少なくとも一方の面の所定部に塗工し、必要に応じて乾燥、硬化することにより本発明の静電印刷用シートを製造することができる。本発明で用いるインクは各コ−タ−に適する濃度に最適な溶剤等で希釈されることもある。
本発明で用いるシート基材としては、通常の紙の他に、合成紙、あるいはポリエチレン、透明性を有するポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、塩化ビニルなどの合成フィルムを用いることもできる。これらの合成フィルムを用いる場合には基材の表面をマット処理、コロナ処理などの表面処理を施すのが好ましい。シート基材面への本発明で用いるインクの塗工量は、液体トナー受容層の膜厚が0.01〜5.0μm程度になるような塗工量であればよく、特に限定されないが、例えば0.5〜30g/m2 、好ましくは3〜20g/m2 、さらに好ましくは5〜15g/m2 である。
通常の紙としては、木材パルプと顔料を主成分として構成される。木材パルプとしてはLBKP、NBKP、などの化学パルプ、GP、PGW、RMP、TMP、CTMP、CMP、CGPなどの機械パルプ、DIPなどの古紙パルプなどのパルプを含み、必要に応じて従来の顔料やバインダーおよびサイズ剤や定着剤、歩留り向上剤、カチオン化剤、紙力増強剤などの各種添加剤を1種以上用いて混合し、長網抄紙機、円網抄紙機、ツインワイヤ抄紙機などの各種装置で製造が可能であり、酸性、中性、アルカリ性で抄造できる。
静電荷現像用液体トナーとしては、特に限定はなく、従来公知のトナー粒子を水および/または有機溶剤に分散したものを用いることができる。一般的に、トナー粒子は、トナー粒子を定着固定するための定着樹脂と、可視化するための着色剤、液体トナーの電気的特性を調整するための電荷調整剤等からなる。
定着樹脂としては、従来、静電荷現像用液体トナーに使用されてきた公知の樹脂を用いることができるが、特に熱可塑性樹脂が好ましく、例えば、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸共重合体、ポリアクリル酸、ポリエチレン、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド等を単体もしくは混合して用いることができる。
着色剤としては、従来、静電荷現像用液体トナーに使用されてきた公知の顔料および/または染料を用いることができる。着色剤としては、例えば、ハンザエロ−、ベンジジンエロ−、ベンジジンオレンジ、ファ−ストレッド、ブリリアントカ−ミン3B、銅フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、スピリットブラック、オイルブルー、アルカリブルー、ロ−ダミン6B、ニグロシン、カ−ボンプラック、ジクロロキナクリドン、イソインドリン、酸化チタンなどが挙げられる。
電荷調整剤としては、ナフテン酸、オクテン酸、オレイン酸、ステアリン酸等の脂肪酸の金属塩、スルホコハク酸エステルの金属塩、ポリオキシエチル化アルキルアミンのような非イオン性界面活性剤、レシチン、アマニ油などの油脂類、ポリビニルピロリドン、多価アルコ−ルの有機酸エステルなど公知の電荷調整剤を挙げることができる。
以下実施例および比較例により本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に何ら制約されるものではない。
真空ポンプを連結した300mlの密閉容器(攪拌機付)に、50質量%のエチレン・アクリル酸系樹脂(商品名:AD−37F1(東洋モートン社製))水系エマルジョン80質量部(固形分40質量部)と、ポリエチレングリコールジアクリレート(商品名:アロニックス M−240(東亜合成社製))50質量部を混合する。得られた混合液を45℃に加温し、さらに真空引きを行って密閉容器内の気圧を10Pa程度にまで減圧し、3〜4時間程度この状態を保持しながら水分を除去し、水分量を1質量%以下まで下げる。
得られた液に炭酸カルシウム微細粒子(商品名:Brillant−15、白石カルシウム社製)7質量部を混練する。さらに光重合開始剤(商品名:バイキュア55(アクゾノーベル社製))5質量部と添加剤してアクリル酸ダイマー(商品名:アロニックス M−5600(東亜合成社製))3質量部を添加した後、三本ロールミルを使用して混練することにより本発明で用いる液体トナー受容層形成用インクを得た。
調製した本発明で用いるインクを樹脂凸版を使用して上質紙(70kg連量)上に2.5g/m2 になるようにオフセット印刷を行い液体トナー受容層を形成し、続いて紫外線ランプ(高圧水銀ランプ、オゾンレス、160w/cm、2灯)を用いて紫外線照射を行い、液体トナー受容層を硬化処理した。
下記の試験法により(1)液体トナー定着性、(2)筆記性、(3)消しゴム適性、(4)インク消し適性、(5)部分塗工適正を評価し、評価結果を表1に示す。
試験法:
(1)液体トナー定着性:デジタル印刷機(UltraStream(ヒューレットパッカード社))にて液体トナー受容層上にプリントを行った。このプリント部に市販のセロハンテープを約10cmの長さに貼付し、重さ2kgのローラ(幅50mm)を一往復させることにより充分に貼付する。テープを貼付した試料を温度23℃、湿度50%の雰囲気に1時間放置した後、ゆっくりと剥離させる。そして剥離後の液体トナープリント部を観察・評価する。
評価基準:
○:プリント部が全くとられていない。
△:細かい点状にとられた跡がある。
×:プリント部が大きく剥ぎとられている。
(2)筆記性:液体トナー受容層上に描画試験機(鉛筆硬度:HB、描画荷重:200g)を使用して、筆記を行う。そして筆記性を評価する。
評価基準:
○:抵抗なく筆記できる。
△:やや抵抗がある。
×:抵抗がありきれいに筆記できない。
(3)消しゴム適性:液体トナー受容層上に描画試験機(鉛筆硬度:HB、描画荷重:200g)を使用して、筆記を行う。そして筆記部をプラスチック消しゴムで消して評価する。
評価基準:
○:きれいに消せる。
△:やや消せず、やや跡が残る。
×:ほとんど消せない。
(4)インク消し適性:液体トナー受容層上に水性の赤ペン(赤インクの万年筆)を使用して、筆記を行う。そして筆記部が充分乾いた後、市販のインク消し剤(丸十化成社製)を使用して、インク消し適性を評価する。
評価基準:
○:きれいに消せる。
△:やや消せず、やや跡が残る。
×:ほとんど消せない。
(5)部分塗工適性:液体トナー形成用インクを上質紙(70kg連量)上に5cm×5cmに塗工し、乾燥後の紙面状態を観察した。そしてその表面状態を評価する。
評価基準:
○:波打つなどの現象もなく、塗工面以外の他の部分と全く変わらない。
△:用紙にやや波打が見られるが、実用上使用可能な範囲である。
×:紙面が波打ち、用紙としては使用不可能である。
実施例1で使用したエチレン・アクリル酸系樹脂を60質量部(固形分:30質量部)に変更し、ポリエチレングリコールジアクリレートを60質量部に変更した以外は実施例1と同様にして本発明で用いる液体トナー受容層形成用インクを調製し、液体トナー受容層を設けた上質紙(本発明のシート)を得た。
実施例1と同様にして(1)液体トナー定着性、(2)筆記性、(3)消しゴム適性、(4)インク消し適性、(5)部分塗工適正を評価し、評価結果を表1に示す。
実施例1で使用したエチレン・アクリル酸系樹脂を40質量部(固形分:20質量部)に変更し、ポリエチレングリコールジアクリレートを80質量部に変更した以外は実施例1と同様にして本発明で用いる液体トナー受容層形成用インクを調製し、液体トナー受容層を設けた上質紙(本発明のシート)を得た。
実施例1と同様にして(1)液体トナー定着性、(2)筆記性、(3)消しゴム適性、(4)インク消し適性、(5)部分塗工適正を評価し、評価結果を表1に示す。
実施例1で使用したエチレン・アクリル酸系樹脂を他のエチレン・アクリル酸系樹脂(商品名:ゼイクセンA(住友精化社製))に変更した以外は実施例1と同様にして本発明で用いる液体トナー受容層形成用インクを調製し、液体トナー受容層を設けた上質紙(本発明のシート)を得た。
実施例1と同様にして(1)液体トナー定着性、(2)筆記性、(3)消しゴム適性、(4)インク消し適性、(5)部分塗工適正を評価し、評価結果を表1に示す。
実施例1で使用した炭酸カルシウム微細粒子をシリカ微細粒子(商品名:アエロジル 200CF(日本アエロジル社製))に変更した以外は実施例1と同様にして本発明で用いる液体トナー受容層形成用インクを調製し、液体トナー受容層を設けた上質紙(本発明のシート)を得た。
実施例1と同様にして(1)液体トナー定着性、(2)筆記性、(3)消しゴム適性、(4)インク消し適性、(5)部分塗工適正を評価し、評価結果を表1に示す。
(比較例1)
上質紙に特別な塗工を行わなかった(液体トナー受容層を設けなかった)以外は実施例1と同様にして、(1)液体トナー定着性、(2)筆記性、(3)消しゴム適性、(4)インク消し適性、(5)部分塗工適正を評価し、評価結果を表1に示す。
(比較例2)
実施例1で使用したエチレン・アクリル酸系樹脂を使用しなかった以外は実施例1と同様にして比較のためのインクを調製し、液体トナー受容層を設けた上質紙(比較のシート)を得た。実施例1と同様にして(1)液体トナー定着性、(2)筆記性、(3)消しゴム適性、(4)インク消し適性、(5)部分塗工適正を評価し、評価結果を表1に示す。
(比較例3)
実施例1で行った真空引きを行わなかった以外は実施例1と同様にして比較のためのインクを調製し、実施例1と同様にして上質紙上にオフセット印刷しようとしたが、オフセット印刷はできなかった。
(比較例4)
実施例1で使用したエチレン・アクリル酸系樹脂を150質量部(固形分:75質量部)に、実施例1で使用した炭酸カルシウム微細粒子を15質量部にあらかじめ蒸留水に分散した分散液500質量部(固形分:75質量部)を混合し、適量の増粘剤を添加して150mPa・sの比較のための液体トナー受容層形成用インクを得た。得られたインクについてフレキソ塗工機を使用して、上質紙(70kg連量)上に4g/m2 になるように部分塗工(5cm×5cm)を行い、続いて熱風乾燥を行い、液体トナー受容層を設けた上質紙(比較のシート)を得た。実施例1と同様にして(1)液体トナー定着性、(2)筆記性、(3)消しゴム適性、(4)インク消し適性、(5)部分塗工適正を評価し、評価結果を表1に示す。
Figure 0004423072
表1から、実施例1〜5の本発明のシートは(1)液体トナー定着性、(2)筆記性、(3)消しゴム適性、(4)インク消し適性、(5)部分塗工適正いずれも優れていることが判る。
それに対して、比較例1〜2の比較のためのシートは(1)液体トナー定着性が劣り、比較例3の水系連続相を有するインクはオフセット印刷ができなかったのでその他の評価ができず、比較例4の水系連続相を有するインクはフレキソ印刷できたが、(5)部分塗工適正が劣り、用紙としては使用不可能であった。
本発明の静電印刷用シートは、紙からなるシート基材面の所定箇所に、水系連続相を有するエチレン・アクリル酸系樹脂および親水性を有する紫外線硬化型アクリル系成分を含むエマルジョン中の水を系外に分離して、前記アクリル系成分からなる油系連続相に変換したエチレン・アクリル酸系樹脂を必須成分として含み、部分印刷され乾燥された紙に容易に部分塗工することもでき、そして印刷生産性が高い液体トナー受容層形成用インクを用いて液体トナー受容層(例えば薄膜コーテイング)を形成すると、この液体トナー受容層は液体トナーの密着性、定着性に優れており、例えば液体トナー受容層上に液体トナーをプリントしたプリント部にセロハンテープを貼着した後、セロハンテープを剥離してもプリント部が剥離しないので、使用するシート基材は高価なコート紙に限定されず、普通の紙を使用できる上、この液体トナー受容層は鉛筆、水性ペン、ボールペンなどによる筆記性に優れており、また筆記後に消しゴムで良好に消すことができ、また水性ペンで筆記後に市販のインク消し剤できれいに消すこともでき、しかも安価であるという顕著な効果を奏するので、産業上の利用価値が高い。
本発明のシートの一実施形態を示す断面説明図である。
1 本発明のシート
2 シート基材
3 液体トナー受容層
4 印字

Claims (3)

  1. 紙からなるシート基材面の所定箇所に、水系連続相を有するエチレン・アクリル酸系樹脂および親水性を有する紫外線硬化型アクリル系成分を含むエマルジョン中の水を系外に分離して、前記アクリル系成分からなる油系連続相に変換したエチレン・アクリル酸系樹脂を必須成分として含む液体トナー受容層形成用インクを用いて液体トナー受容層を設けてなることを特徴とする静電印刷用シート。
  2. 前記液体トナー受容層形成用インクに、さらに微細粒子を配合したことを特徴とする請求項1記載の静電印刷用シート。
  3. エチレン・アクリル酸系樹脂と前記微細粒子の配合比が、エチレン・アクリル酸系樹脂:前記微細粒子=1:9〜9:1(質量比)であることを特徴とする請求項2記載の静電印刷用シート。
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