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JP4415093B2 - 標識化複合体並びにその製造方法及び使用方法 - Google Patents

標識化複合体並びにその製造方法及び使用方法 Download PDF

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JP4415093B2
JP4415093B2 JP2000561303A JP2000561303A JP4415093B2 JP 4415093 B2 JP4415093 B2 JP 4415093B2 JP 2000561303 A JP2000561303 A JP 2000561303A JP 2000561303 A JP2000561303 A JP 2000561303A JP 4415093 B2 JP4415093 B2 JP 4415093B2
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雅之 町田
秀二 田島
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Precision System Science Co Ltd
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
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Description

技術分野
本発明は、標識化複合体並びにその製造方法および使用方法に関する。単位体積当たりの表面積が大きい微小粒子等の担体は、生物学的分子を取り着けるための優れた固体を提供するとともに、これらの担体を蛍光等の発光物質で標識化することは、高い感度でのそれらの検出を可能にする。本発明は、農学、薬学、医学、化学または生物学等の理学、工学の分野で、遺伝子操作や医療、薬品、生理衛生、保健、生物、食品または材料等の種々の領域で、検査、測定、反応、生産、抽出または観察等を行うために用いるものである。
技術の背景
従来から、微小物質を標識化して、高い感度で識別するために、蛍光等の発光物質が用いられている。例えば、試料中の核酸を測定するため、蛍光性微小粒子を結合したDNAプローブと、異なるDNAプローブと結合した粒径の大きい非蛍光性微小粒子とを用いて、試料中のDNAプローブとハイブリダイズして、二本鎖を形成させる。その後、2種類の微小粒子の粒径の中間径のフィルタで、未結合の余剰蛍光粒子を除去し、制限酵素を作用させて、2本鎖部位を切断し、遊離した蛍光性微小粒子をフィルタで分別し、フローセルに導入して蛍光によって粒子を識別し粒子数を計数することによって、試料中のDNAプローブの濃度の測定の自動化を行うものがあった(特開平6−343496)。
または、被検物質中の特異性のある部分Aに結合する物質を結合させた蛍光波長Xの蛍光微粒子Pと、被検物質中の上記部分Aとは異なる、特異性のある部分Bに結合する物質を結合させた蛍光波長Yの蛍光微粒子Qとを用いて、被検物質中に蛍光微粒子P,Qの両者を特異的に結合させて、得られた混合液をフローサイトメータに一定量流し、上記溶液中の蛍光微粒子P,Qの発する前方散乱光、上記蛍光波長X,Yをそれぞれ含む2種類の蛍光を測定することによって、リガンドとの反応によるラテックス凝集を識別し、粒子計測装置で測定するものがあった(特開平5−107249)。
ところで、以上説明したように、従来では、各粒子にはせいぜい1種類の蛍光物質が付着させるか、または、蛍光物質そのものを微小粒子状に形成し、その粒子に結合物質を付着させて用いるものであった。一方、DNA等の生体化合物に悪影響を与えずに、且つ高感度で識別可能な蛍光物質の種類は限られ、せいぜい数十種類である。そのため、従来のやり方では、せいぜい数十通りの識別を実現することしかできず、例えば、数千、または数万の種類の目的物を蛍光物質だけで識別することはできなかった。
一方、多数の種類の目的物を複数種類の蛍光物質によって、識別可能とするために、これらの蛍光物質を組み合わせて微小粒子に付着させて抗原および/または抗体を検出するものがあった(特開昭60−35265)。しかし、微小粒子表面のような狭い領域に、多数の蛍光物質を高密度に付着することは、蛍光物質間のエネルギ移動やクエンチング(消光)が発生して、スペクトルの識別および蛍光強度に悪影響を与える。そのため、安定した状態で、何千または何万以上の目的物の種類を、蛍光物質で微小粒子を標識化して識別するのは不可能であるという問題点を有していた。また、微小粒子表面への蛍光物質の付着量を増加させて、発光強度や識別数を増加させることと、微小粒子表面へ目的物質を捕獲させる能力を増加させたり、微小粒子表面が保有する情報量を増加させるために情報を保有するための領域面積を増加させることとは相矛盾し、その双方の能力を満足させることができないという問題点を有していた。
そこで、本発明は、第一には、コンビナトリアル・ケミストリにおける多分子マーキングとして、数百、数千、数万のオーダー以上の種々の微小物を高感度、高精度、安定的、且つ明瞭に峻別することを可能とする標識化複合体並びにその製造および使用方法を提供するものである。
第二には、物質の捕獲能力や情報保持能力の向上と、識別感度や識別数等の識別能力の向上との全てを同時に満足することができる優れた標識化複合体並びにその製造および使用方法を提供するものである。
第三には、微小粒子等の担体を用いることで、単位体積または単位質量当たり多くの情報量を標識化することによって、多数の標識化した容器の使用を省略することができるので、省空間、装置規模の縮小を図るとともに、一斉に同一の条件で処理を加えることによって、精度が高く、効率的且つ迅速な処理を行うことができる標識化複合体並びにその製造および使用方法を提供するものである。
第四には、磁性体粒子等の担体を標識化することによって、種々の多様な処理の自動化を分注から測定まで一貫して実現することができることによって、磁性体粒子の機能を飛躍的に増大することができる標識化複合体並びにその製造および使用方法を提供するものである。
第五には、安価に、容易に、且つ安定した品質で製造することができるとともに、識別または測定が容易、高精度、且つ信頼性が高い標識化複合体並びにその製造および使用方法を提供するものである。
第六には、汎用性または多様性のある使用をすることができる標識化複合体並びにその製造および使用方法を提供するものである。
第七には、種々の蛋白質等の物質と、種々の塩基配列に対して転写の制御を行うことができる転写制御因子および異なる塩基配列を有するDNA断片等の対応物質との間の関連性を見極めるためにきめ細かい標識化を可能にし、ガンや生物の発生等の研究、医薬や化学品製造や遺伝子技術等への多大の寄与をすることができる標識化複合体並びにその製造および使用方法を提供するものである。
発明の開示
以上の技術的課題を解決するために、第一の発明は、1個の担体と、その担体に結合した多数の標的保有体と、その担体が結合した部位と異なる部位で各標的保有体に結合した標識物質とからなり、その標的保有体は、1または2以上の種類の標的を保有しまたは保有可能であり、その標識物質の全体は、所定の種類が所定の量比含まれたものである。
ここで、「担体」は、特定の物質を保持可能であって、溶液に懸濁して用いられる微小物体であって、例えば、粒子状、繊維状もしくはゲル状等の物体(特に形状にはとらわれない)を含む。また、親水性ポリマー等からなる、溶媒に可溶性の高分子の物体を含めても良い。形状に特に限定はないが、例えば、球状である。その粒径の大きさは特に限定されるものではないが、好ましくは、約0.1μm〜約1mmのオーダをもつものである。その微小粒子は、例えば、ポリスチレン、ナイロン等の合成樹脂のビーズ、ラテックス粒子、ガラスビーズ、ゲル状物質、または磁性粒子等の金属粒子で形成されるのが好ましい。
「標識物質」には、蛍光や燐光等の励起用光を必要とする発光物質に限られず、励起用光を必要としない化学発光、生物発光であっても良い。その他、例えば、特定の物質と特異的に反応する物質や、放射性同位元素等の放射性物質、赤外線等の電磁波放射物質等であっても良い。また、これらを組み合わせて用いることも可能である。尚、1個の担体に関する標識物質の全体は、1個の担体と結合する標的保有体の全てまたは略全てに分配されて結合されるのが好ましい。これは分配された個々の標識物質間が離れてクエンチングを防止することができるとともに、製造を容易にするからである。各標的保有体への分配のしかたは、例えば、標識物質の1分子毎、等分子量毎、等量毎または1種類毎等がある。
標識物質および標的保有体を別個に各々微小粒子等の担体に結合させずに、標識物質が結合した標的保有体をその担体に結合するのは次の理由からである。
(1)数千または数万以上の種類を識別するために「種類」および「量比」を変えた大量の標識物質を限られた担体の表面に直接結合させることは、検査用物質や標的を結合または保有するための領域を狭め保有または捕獲能力を劣化させるおそれがある。しかし、標的保有体自体に標識物質を結合させれば、標的や検査用物質の保有捕獲能力と識別能力の双方の能力の向上を図ることができる。
(2)標的保有体に標識物質を結合させることによって、標識物質を微小粒子等の担体に直接取り付ける場合に比較して、標識物質間の間隔、距離を広げ、標識物質間のエネルギ移動やクエンチングの発生を防止し、大量の標識物質をその担体にもたせても安定した発光等による識別の可能性をより確実に保証することができる。
(3)微小粒子等の担体に担持させているので、液体中での懸濁や分布を一様且つ均一に行うことができるので、統計上の誤差を小さくして信頼性および精度の高い処理を行うことができる。
標的保有体を微小粒子等の担体に固定するには、例えば、担体が有する多数の穴、間隙若しくは凹凸による付着、吸着、接着、ビオチンとアビジン等の特異的相互作用等の物理的若しくは化学的結合等を含む結合を利用して行われる。
「標的」は、例えば、遺伝情報、免疫情報等の生物情報や化合物の構造等の情報そのもの、または、その情報を有するDNA等、アミノ酸、糖等の生体化合物を含む化合物や、細胞、ウィルス、細菌等の生物体や生物体の一部や、その他の種々の物質があり得る。また、「標的を保有し」とは、標的保有体が標的自体または標的を含有しまたは標的保有体が標的を吸着、反応、相互作用等によって保持する場合も含む。
「1または2以上の種類の標的」であるので、例えば、1担体につき複数種類の標的群毎に標識化することができるので、その標的群毎の共通の性質等を検査測定することができる。
「担体が結合した部位」および「異なる部位」は、各々2箇所以上であっても良い。また、「担体が結合した部位」と「異なる部位」が離れていればいる程、クエンチング防止の効果は高い。したがって、「担体が結合した部位」が標的保有体の一端であり、「異なる部位」が標的保有体の他端であれば最も好ましい。一端および他端にはその近傍も含む。
本発明によれば、標識物質の種類および量比を種々に特定することによって、数百、数千、数万のオーダー以上の種々の標的を対応付けて識別することが可能となる。また、種々の標識化複合体を同一容器に混合して一斉に処理を行っても、各標的は標識化されているので、各標的毎に処理結果を得ることができる。従って、各標的を識別するために多数の容器を用意する必要がなく、迅速且つ効率的に行うことができる。
本発明によると、前述したように、微小粒子等の担体の表面上において、標識用領域の増加と、標的保有用領域の増加とが拮抗せず、むしろ、標的保有体の増加は、標的保有能力の増加と標識物質量の増加との双方をもたらし、識別数を含む識別能力を増加させることになる。また、標的保有体のみを変えることによって、多様で汎用的な処理が可能となる。また、本発明は標的保有体を介して標識物質を結合させ、微小粒子等の担体に直接標識物質を結合させるものではない。従って、標識物質間の間隔を、担体に直接結合するものに比べ、より広くとることができるので、標識物質間のエネルギ移動やクエンチング(発光物質を用いた場合)等の相互作用を防止して、多数の物質を高精度且つ安定的に識別することを可能とする。
第二の発明は、第一の発明において、前記標識物質の全体は、1個の担体と結合する標的保有体の略全てに分配され、1個の標的保有体は1種類の標識物質と結合したものである。本発明によると、結合する標識物質の種類が異なる標的保有体の個数を量比に応じて定めることができるので、構成が簡単かつ製造が容易となる。
第三の発明は、第一の発明または第二の発明のいずれかにおいて、前記標的保有体は、ある部位で前記担体と結合し、他の部位で前記標識物質と結合した線状、糸状、毛状、または棒状等の長細形状に形成されたものである。
「長細形状」のサイズには、特に限定はないが、例えば、前記微小粒子の粒径に比較して、その粒径よりも太さは十分に細く、長さがその太さよりも長く、例えば、その粒径と同程度またはそれ以上に十分に長い形状であり、例えば、粒径の約10倍程度、例えば、約10μmである。
長細形状に形成するのは、その端に発光物質等の標識物質を取り付けることによって、標識物質を微小粒子等の担体に直接取り付ける場合に比較して、担体との間隔、さらには標識物質間の間隔、距離を広げ標識物質間のエネルギ移動やクエンチングの発生を防止し、大量の標識物質を担体にもたせても安定した発光等の識別の可能性をより確実に保証するスペーサとしての役割を担わせるためである。本発明によれば、標識物質間の間隔を、担体に直接結合するものに比べてより広くとることができるので、標識物質間のエネルギ移動やクエンチング(発光物資の場合)等による相互作用を防止して、例えば、数千、数万以上というような多数の物質を高精度且つ安定的に識別することができる。
第四の発明は、第一の発明ないし第三の発明のいずれかにおいて、前記標的保有体は、例えば、核酸、ペプチド、蛋白質、多糖体若しくは脂質等の生体高分子を含む化合物、または、ウィルス若しくは細菌等の生物体若しくはその一部、または、これらを保持し若しくは保持可能な物質である。本発明によれば、前記標的保有体として、核酸、または核酸以外の物質を用いることができる。例えば、核酸を用いた場合には、種々の蛋白質の中から、種々の塩基配列に対して転写の制御を行うことができる転写制御因子や異なる塩基配列を有するDNA断片を、多数の蛋白質または塩基配列等の物質をきめ細かく標識化することによって、迅速且つ容易に発見することができる。これによって、ガンや生物の発生等の研究への多大の寄与をすることができる。その他、種々の物質を用いることによって種々の物質間の関連性、例えば、相互作用の強さ、構造の類似性等を認識することができる。
ここで、「核酸」は、狭義には、デオキシリボ核酸(DNA)およびリボ核酸(RNA)であり、広義には、PNA(Peptide Nucleic Acid)を含めても良い。RNAには、mRNA,tRNA、rRNAがある。また、DNA、RNA体のみならず、そのDNA,RNAの断片である場合も含む。尚、蛋白質、多糖体、脂質等には、抗原または抗体も含む。
第五の発明は、第一の発明ないし第四の発明のいずれかにおいて、前記標的保有体は、二本鎖の所定塩基配列をもつ核酸からなり、前記標識物質は、ある部位における一本鎖にのみ結合し、他の部位における他の一本鎖に前記担体が結合したものである。標識物質が結合した部位と、担体が結合した部位はできるだけ離れた位置であるのが好ましい。二本鎖の一端と他端に相当する部位が最も好ましい。尚、例えば、標識物質として蛍光物質を用いた場合には、DNAまたはRNAに蛍光物質を結合させる方法としては、例えば、チオカルバミド結合等の共有結合によるものがある。本発明によれば、二本鎮の核酸を標識物質によって、明瞭に識別することができる。
第六の発明は、第一の発明ないし第五の発明のいずれかにおいて、前記標的保有体は、二本鎖の所定塩基配列をもつ核酸からなり、前記標識物質は、一本鎖のある部位にのみ結合し、その一本鎖の他の部位に前記担体が固定したものである。本発明によれば、その標的保有体を一本鎖に変性することによって、相補性や相同性等の関連性の高い塩基配列の組み合わせをハイブリダイズによって、迅速且つ確実に見極めることができる。
第七の発明は、第一の発明ないし第五の発明のいずれかにおいて、前記標的保有体は一本鎖の核酸である。ここで、一本鎖を得るには、例えば、熱処理や、アルカリ性溶液等を加える変性によって行うことができる。本発明によれば、その標的保有体を一本鎖に変性することによって、相補性や相同性等の関連性の高い塩基配列の組み合わせをハイブリダイズによって、迅速且つ確実に見極めることができる。
第八の発明は、第一の発明ないし第五の発明において、前記標識物質は、蛍光物質、燐光物質または化学発光等の発光物質である。
ここで、蛍光物質は、例えば、FITC(フルオレッセイン イソチオシアネート)、ローダミン、イソチオシアネート、IRD40、CY3若しくはCY5等の有機物質またはユウロピウム錯体等の長寿命の蛍光を発する無機物質がある。本発明は、標識物質として、蛍光または燐光等のルミネッセンス等による発光物質を用いたものである。これによって、標的の識別能力を高めるとともに、安定して且つ高い信頼性を得ることができる。
第九の発明は、第一の発明ないし第八の発明のいずれかにおいて、前記発光物質は、励起波長、発光波長、発光強度、発光偏光度、発光位相または発光寿命のいずれかによって、その種類識別可能である。ここで、「発光偏光度」とは、偏光した励起用光で蛍光分子を励起することにより、発生した蛍光がどの程度偏光しているかを測定する方法である。本発明によって、発光物質の種々の性質の相違を利用して、多数種類の標識化を可能とする。
第十の発明は、第九の発明において、前記担体には、アビジンおよびビオチン等の特異的に結合する化合物対の一方の化合物がコーティングされ、前記標的保有体は所定塩基配列をもつDNA断片であり、その一端には前記化合物対の他方の化合物が結合し、他端には前記蛍光物質が結合したものである。ここで、[特異的に結合する化合物対」には、アビジンおよびビオチンの対の他DIG(ジゴキシンゲニン)およびアンチDIG抗体の対等のような抗原および抗体の対がある。本発明によれば、安価、簡単且つ確実に、標的保有体を担体に固定化することができる。
第十一の発明は、第一の発明ないし第十の発明のいずれかにおいて、前記担体は、遠隔操作可能な磁性体粒子等の遠隔作用体を有するものである。ここで、遠隔作用体には、磁性体粒子、荷電粒子、誘電体、走性徴生物等がある。磁性体粒子を用いた場合には、例えば、磁力体を組み込んだピペット手段によって作業を自動化することができる。荷電粒子を担体に用いた場合には、標識物質に同じ電荷をもつようにすれば、互いに反発しあって、標識物質を互いに離間させることができる。特に、磁性体粒子で担体を形成した場合には、磁力手段をピペット手段の液通路内に及ぼす装置を用いることによって、分注、移動、懸濁、攪拌、分離、洗浄、回収、再懸濁等の処理を処理の開始から測定に至るまでを完全に自動化することができる。
第十二の発明は、第一の発明ないし第十一の発明のいずれかに係る標識化複合体を製造する方法において、標識物質と結合し、且つ特定の標的を保有しまたは保有可能な標的保有体を生成する工程と、その標的保有体を担体に結合する工程とを有するものである。2つの工程の順序は問わず、また同時に行われても良い。本発明によれば、標識物質を、例えば、微小等量、等分子量ずつ多数形成し、多数の標的保有体とともに、懸濁または混合等を行えば、容易かつ均一に標識物質と結合した標的保有体を生成することができる。同様に、多数の標的保有体と多数の担体とを懸濁または混合等を行うことによって、統計的誤差内で、多数の均質な標識化複合体を容易に製造することができる。また、本発明によって製造された標識化複合体は、担体表面上、標識用領域の増加と、標的保有用領域の増加とが狭い担体表面で拮抗せず、むしろ、標的保有体の増加は、標的保有能力の増加と標識物質量の増加との双方をもたらし、識別数を含む識別能力を増加させることになる。また、標的保有体のみを変えることによって、多様で汎用的な処理が可能となる。また、本発明によって製造された標識化複合体は標的保有体を介して標識物質を結合させ、担体に直接標識物質を結合させるものではない。従って、標識物質間の間隔を、担体に直接結合するものに比べ、より広くとることができるので、標識物質間のエネルギ移動やクエンチング(発光物質を用いた場合)等の相互作用を防止して、多数の物質を高精度且つ安定的に識別することを可能とする。
第十三の発明は、第十二の発明において、前記担体に標的保有体を結合する工程は、標識物質の全体が、その標的保有体の種類またはその種類および個数比に応じて定められた種類およびその量比となるように、標識物質と結合した標的保有体を多数懸濁させた液体中に、その標的保有体が結合されるべき担体を混合することによって行うものである。ここで、「多数」は統計誤差が無視できる程の数である必要がある。「量比」は、その統計誤差を越えるような大きさの明確なオーダーの比をもつように定める必要がある。また、「懸濁」は標的保有体が十分に均質になるように攪拌するのが好ましい
本発明によれば、標識物質の特定した種類が特定した量比をもつように結合した標的保有体を多数懸濁させた液体中に担体を混合させるようにしている。担体は多数のその標的保有体の中からランダムに選択した標的保有体の一部と接触し且つ結合することになる。従って、担体と接触且つ結合した標的保有体のもつ標識物質の種類および量比は、懸濁させた標的保有体全体がもつその標識物質の種類および量比を統計誤差内で反映し、標的保有体はランダムに選択されるので、意図した種類および量比を統計誤差内で忠実に反映した標識物質をもった標識化複合体を簡単に且つ精度良く製造することができる。
尚、標識物質と結合した標的保有体を生成する工程についても、標識物質の全体を、結合されるべき標的保有体の種類またはその種類および個数比に応じて定められた種類およびその量比となるように懸濁した液と、多数のその標的保有体とを混合することによって行うことができる。
第十四の発明は、第十二の発明において、前記標的保有体を生成する工程は、標識物質と結合し、所定塩基配列をもつ一本鎖の核酸を合成し、その塩基配列と関連性の高い、前記担体と結合可能に加工された他の一本鎖の核酸を合成し、これらをアニーリングによって二本鎖の核酸を生成する工程を有するものである。ここで、「関連性が高い」には、相補性または相同性の高い場合を、相互作用が強い(親和性が高い)場合を含む。本発明によれば、安価に且つ容易に種々の標的保有体を生成することができる。
第十五の発明は、第十三の発明において、前記標的保有体を生成する工程は、前記標識物質と結合し、所定塩基配列をもつ一本鎖の核酸の複製用の第1のプライマと、前記担体と結合すべき他の一本鎖の核酸の複製用の第2のプライマとを用いて、二本鎖のその核酸を合成しおよび増幅する工程を有するものである。第十六の発明によれば、容易、迅速且つ大量に標的保有体従って標識化複合体を製造することができる。
第十六の発明は、第十二の発明において、前記標的保有体を担体に結合する工程または前記標的保有体を生成する工程は、前記標識物質または前記担体のどちらか一方と結合し、所定塩基配列をもつ一本鎖の核酸の複製用の第1のプライマを用いて、二本鎖のその核酸を合成および増幅するとともに、前記標識物質または担体が結合している端部と反対側の端部に制限酵素処理を施し、制限酵素処理が施された端部にDNAリガーゼ等からなるアダプタを介して担体または標識物質を、前記標識物質または担体が結合している一本鎖側に結合して、標的保有体を担体に結合し、または標的保有体を生成するものである。本発明によれば、標識の標的である塩基配列と相補性または相同性等の関連性の高い塩基配列を見出すための標識化複合体を容易且つ大量に製造することができる。
第十七の発明は、第十六の発明において、前記標的保有体を生成する工程は、前記標識物質および前記担体と結合していない方の一本鎖を変性によって除去する工程を含むものである。本発明によれば、標識の標的である塩基配列と相補性または相同性等の関連性の高い塩基配列を見出すための標識化複合体を容易且つ大量に製造することができる。
第十八の発明は、第十二の発明において、前記担体に標的保有体を結合する工程は、担体が有する多数の穴、間隙若しくは凹凸による付着、吸着、接着、ビオチンとアビジン等の特異的相互作用等の物理的または化学的結合を含む結合を利用して、前記標的保有体と担体とを懸濁することによって、前記標的保有体と担体とを結合するものである。これによって、種々の標識化複合体を得ることができるので多様な処理に使用することができる。
第十九の発明は、第十二の発明において、前記標的保有体を生成する工程は、ある部位で標識物質に結合し、他の部位で特異的に結合する化合物対の一方が結合した複数個の標的保有体を生成する工程であり、その標的保有体を担体に結合する工程は、前記化合物対の他方がコーティングされた担体と、その標識物質が結合した前記標的保有体とを液体中で懸濁することによって、その標的保有体を担体に結合する工程である。
第二十の発明は、第一の発明ないし第十一の発明のいずれかに係る標識化複合体の標的およびその標的に対応付けられた標識物質の種類若しくは量比が相互に異なる複数種類の標識化複合体を多数有する標識化複合体群の中から、目的とする種類の標識化複合体を選別する工程と、選別されたその標識化複合体が標識化した標的を識別する工程とを有するものである。
本発明によれば、標識物質の種類および量比を種々に特定することによって、数百、数千、数万のオーダー以上の種々の標的を対応付けて識別することが可能となる。本発明によれば、種々の標識化複合体を同一容器に混合して一斉に処理を行っても、各標的は標識化されているので、各標的毎に処理結果を得ることができる。従って、各標的を識別するために多数の容器を用意する必要がなく、迅速且つ効率的に行うことができる。
第二十一の発明は、第二十の発明において、前記選別工程は、液通路と、その液通路内に磁場作用を及ぼすことが可能な磁力手段とを有し、液体の吸引または吐出を行うピペット手段を用いて、前記標識化複合体に対して、またはその標識化複合体および選別用物質に対して、定量、分離、分取、分注、清澄、懸濁、攪拌、濃縮、希釈、混合、接触、保持、捕獲、洗浄、変性、インキュベーショシ、温度制御、抽出、回収または移送等の作業によりまたはこれらの作業の組み合わせによって、処理が行われるものである。
ここで、前記ピペット手段は、単一のもののみならず、複数の先端部、液通路、および貯溜部を集積化した装置であっても良い。また、液通路は、先端部と貯溜部とを有するピペット手段において、その先端部とその貯溜部とを結ぶものであっても良い。流体の吸引吐出は、液通路内の圧力を制御する圧力制御手段によって行う。本発明によれば、各種作業またはその組み合わせを自動的に、迅速、容易、効率的且つ精度良く実行することができる。
第二十二の発明は、第二十の発明または第二十一の発明のいずれかにおいて、前記選別工程は、前記標識化複合体群を懸濁する工程と、その標識化複合体群が懸濁した懸濁液と、目的とする標識化複合体を選別するための選別用物質とを接触させる工程と、その選別用物質と結合した標識化複合体を抽出または分離する工程とを有するものである。ここで、「接触」は、例えば、両者を混合することによって、または、一方が固定された容器へ他方を注入すること等によって行う。本発明によれば、各標的と親和性の高い、または何らかの相互作用のある標的保有体の組み合わせを知ることができる。これによって、相補性、相同性または類似性のある構造等の何らかの関連性を知ることができるので、例えば、転写制御因子や異なる塩基配列を有するDNA断片を見極めることができる。
第二十三の発明は、第二十二の発明において、前記選別工程は、前記選別用物質を、標識化複合体に含有される標識物質とは異なる種類の標識物質により標識化するとともに、その標識物資に基づいて、その選別用物質と結合した標識化複合体を抽出または分離する工程とを有するものである。本発明によれば、確実かつ容易に目的とする標識化複合体の選別および識別を行うことができる。
第二十四の発明は、第二十の発明または第二十一の発明のいずれかにおいて、前記識別工程は、前記標識物質が発光物質である場合には、その標識化複合体が発する発光波長の各強度の測定結果に基づいて、その種類の量比を割出して、該当する標的を識別するものである。本発明によれば、容易に且つ確実に該当する標的を識別することができる。
第二十五の発明は、第二十の発明または第二十一の発明のいずれかにおいて、前記選別工程は、前記標的保有体が二本鎖の所定塩基配列をもつ核酸であって、前記標識物質および前記担体はその片側の一本鎖にのみ結合している場合には、他方の一本鎖は変性によって除去するとともに、前記選別用物質として、所定塩基配列をもつ核酸を用いたものである。これによって、選別用物質の検査用塩基配列と相補性または相同性が高い構造をもつ標的保有体にハイブリダイズする。その標識物質を捕獲した標識化複合体を識別することによって、その標的の構造がわかる。本発明によれば、容易且つ効率的に、特定の塩基配列とハイブリダイズする、相補性または相同性等の関連性の高い塩基配列を見出すことができる。
第二十六の発明は、第二十の発明または第二十一の発明のいずれかにおいて、前記選別工程は、選別用物質が固定された固定相と前記標識化複合体群が懸濁した液とを接触させる工程と、洗浄して懸濁液を除去することによって、固定相にその選別用物質と結合した標識化複合体を選別する工程とを有するものである。本発明によれは、固定相に捕獲された標識化複合体以外のものを洗浄して除去して標識化複合体を選別するので、選別が容易且つ確実である。
第二十七の発明は、第二十六の発明において、前記選別工程は、前記固定相から物理的または化学的に標識化複合体を溶出して抽出、分離または洗浄等によって選別する工程を有するものである。ここで、「物理的な溶出」には、振動、衝撃、圧力、熱等を与える場合があり、「化学的な溶出」には、溶液等を加える場合がある。本発明によれば、確実且つ容易に標識化複合体を識別することができる。
第二十八の発明は、第二十六の発明において、前記固定相として磁性体粒子を用い、前記標識化複合体の担体は磁性体粒子または非磁性体粒子で形成されるとともに、その標識化複合体の磁性体粒子は、固定相の磁性体粒子と比較して、同一の外部磁場に対してより小さい磁力を受けるものである。本発明によれば、遠隔操作を利用することができるので、作業や処理を自動化し、迅速且つ容易に処理を行うことができる。
第二十九の発明は、第二十六の発明において、前記選別用物質は、特異的な結合をする化合物対の一方を標識物質として標識化されるとともに、前記・別工程において、前記化合物対の他方を固定化した固定相にその選別用物質および標識化複合体の結合体を懸濁した液を接触させて、前記固定相にその結合体を結合させ、その固定相に結合した物以外の物を洗浄して除去し、前記標的保有体を変性して一本鎖にして標識化複合体を溶出して抽出または分離によって回収するものである。本発明によれば、先ず、複合体を固定相に捕獲するとともに、捕獲された複合体を抽出して選別するようにしているので、標識化複合体を確実に且つ精度良く識別することができる。
第三十の発明は、第二十の発明または第二十一の発明のいずれかにおいて、前記選別工程は、前記標識化複合体を発光物質によって標識化し、選別用物質をその標識物質とは異なる種類の発光物質により標識化するとともに、その標識化複合体群が懸濁した液と選別用物質とを混合して接触させる工程と、透光性の細管内に、その選別用物質と結合した標識化複合体を含む標識化複合体群の懸濁液を通過させる工程とを有し、前記識別工程は、前記標識化複合体群の懸濁液の前記細管の通過の際に受光する工程と、その選別用物質が発する光の強度の測定により選別された標識化複合体について、その標識化複合体が発する光の強度の測定結果に基づいて、その種類およびその量比を割り出して、該当する標的を識別する工程とを有するものである。
ここで、懸濁液のその細管内の流速は、例えば、その細管内において標識化複合体が1粒子ずつ重ならないように通過するように調節するようにしても良い。その流速は、細管の内径、懸濁液の濃度等によって定まる。本発明によれば、光の強度の測定によって、標識化複合体の選別と標的の識別を同時に行うことができるので、効率良く且つ信頼性良く標的を検出することができる。
第三十一の発明は、第三十の発明において、前記識別物質または選別用物質が蛍光物質または燐光物質である場合には、前記懸濁液を前記細管内を通過させる工程において、前記細管に向けて、その物質を励起させる励起用光を照射するものである。本発明によれば、確実かつ信頼性高く標的を検出することができる。
第三十二の発明は、標識化複合体群が懸濁する液を搬送するための搬送用ポンプと、その懸濁液が内部を通過する透光性の細管と、その細管を通過する際に、その標識化複合体の識別物質および選別用物質からの光を受光する受光手段と、前記受光手段が受光した光の強度を解析して、その標識化複合体を選別し、且つ、標的を識別する解析手段と、を有するものである。
前記搬送用ポンプは、例えば、前記細管内で、標識化複合体が重ならないように流れるような流速を与えるように制御する。本発明によれば、光の強度の測定によって、標識化複合体の選別と標的の識別を同時に行うことができるので、効率良く且つ信頼性良く標的を検出ことができる。
また、前記細管の径は、使用する標識化複合体の大きさや濃度、流速、液体の量等に応じて定める。
第三十三の発明は、第三十二の発明において、前記識別物質または選別用物質が蛍光物質または燐光物質である場合には、前記細管に向けて、該物質を励起させる励起用光または該物質からの散乱光を得るための散乱用光を外部から照射する照射手段をさらに設けたものである。
第三十四の発明は、第三十二の発明において、前記細管は、閉路の一部を形成するとともに、該閉路によって前記標識化複合体群の懸濁液を循環させるものである。
本発明によれば、懸濁液を循環させて繰り返して測定を行うことができるので、測定の精度を高めることができる。
本発明を実施する最良の形態
続いて、本発明の実施の形態に係る標識化複合体並びにその製造方法および使用方法について、第1図〜第10図に基づいて説明する。また、この実施例の形態は特に指定のない限り本発明を制限するものではない。
第1図には、第一の実施の形態に係る標識化複合体としての標識化複合粒子10および標識化複合粒子16を示す。該標識化複合粒子10は、第1図(a)に示すように、1個の担体である微小粒子としての磁性体粒子11と、全体として所定の種類(説明の簡単のため2種類としている)が所定の量比で含まれる標識物質としての蛍光物質13(○),15(△)と、一端14で該微小粒子11にビオチンとアビジンとの特異的結合、吸着または共有結合等の化学的物理的結合を含む結合を利用して前記磁性体粒子11に結合され、他端が蛍光物質13、15に結合し、所定の塩基配列をもつDNA断片(実線)を標的として保有する多数本の標的保有体12とを有する。尚、前記蛍光物質13は、例えば、FITC(緑色)であり、蛍光物質15は、例えば、ローダミン(オレンジ色)またはCy5(サイ・ファイブ、赤色)である。該蛍光物質13と蛍光物質15は、励起波長、発光波長等で識別されるものである。
第1図(a)では、蛍光物質13と蛍光物質15との量比が、全体として例えば4対1の場合を、説明の簡単のために5本の標的保有体12で図示する。他方、第1図(b)に示す標識化複合粒子16は、前記標的保有体12であるDNA断片とは異なる種類の塩基配列をもつDNA断片(点線)をもつ標的保有体17を示す。尚、第1図(a)と同一の符号は同一の物を示すものである。本実施の形態では、微小粒子に磁性体粒子11を用いているので、単に標的保有体12をまとめて担持するだけでなく、磁場によって標識化複合粒子11、16を遠隔操作することができる。特に、磁力手段を設けたピペット手段を用いることによって、種々の操作を自動化することができる。
次に、このような標識化複合粒子が、蛍光を用いた標識物質によって識別可能であることを簡単な実施例で以下に示す。
該実施例では、ビーズ(微小粒子)に、前記標的保有体として適当な塩基配列をもつDNA断片の一端を固定し、他端に2種類の蛍光物質、ここでは、Cy5(赤色)とFITC(緑色)の量比を変えたものを結合した標識化複合粒子について、個々に蛍光強度を測定して、測定結果について統計処理を行ったものである。
本実施例では、2種類の蛍光物質、Cy5とFITCの総量を変えず全光量を略一定にし、量比のみを8通りに変えて標識化した標識化複合粒子について、識別の程度を測定したものである。やり方は、個々のビーズのCy5とFITCとの各蛍光強度を測定して数値化し、Cy5とFITCの蛍光強度の比を計算し、第2図に示すビーズの蛍光強度の分布を示す実験結果を得たものである。
第2図中「N」,「Min」,「Max」,「Avr.」,「SD」は、それぞれ、測定したビーズの個数、比の最小値、比の最大値、比の平均、比の標準偏差を示すものである。サンプルf01は、Cy5:FITC=0.1:0.9,サンプルf02は、Cy5:FITC=0.2:0.8 …のように、総量を一定にし、量比のみを8通り変えたものを用意している。蛍光強度の分布が正規分布をしていると仮定すると、Avr.−SDとAvr.+SDの範囲に入る蛍光強度比を有するビーズは約68%であり、Avr.−2SDからAvr.+2SDの範囲に入るものは約95%となる。第2図のAVr.−2SDとAvr.+2SDの列をみていくと、
f01 0.14〜0.37
f03 0.46〜0.47
f04 0.49〜0.86
f08 0.89〜1.00
となる。このように選択するとどの区分も重なり合わないことから、少なくともこの4階調は危険率5%以下で分離、識別できることになる。この実験例では、時間を節約するために、個々の測定したビーズの蛍光の絶対強度が異常なものや複数のビーズが重なったもの等を完全には除外していないが、これらを除外することによってさらに階調度の分離精度を上げることができる。また、サンプル数を増加させることによって、統計誤差をさらに小さくすることができる。
この実施例では、全量がCy5の場合を含めると、5階調を分離することができることになる。同様にして、さらに蛍光物質の種類を増やし、単純にこのような組み合わせを、例えば9組用いれば、約200万種類を識別することができることになる。
続いて、第二の実施の形態に係る標識化複合体の製造方法について、第3図に基づいて説明する。
第3図に示すように、標識化複合体としての標識化複合粒子10を製造するには、例えば、二本鎖のDNA20について、DNA領域20aの一本鎖に対応するDNA断片を第1のプライマ21とし、DNA領域20cの他の一本鎖に対応するDNA断片を第2のプライマ22とする。第1のプライマ21は、蛍光物質13または蛍光物質15と共有結合等で予め結合させている。また、第2のプライマ22はビオチン18と予め共有結合等で結合している。こうして、PCR法(ポリメラーゼ連鎖反応法)によって、2種類の前記プライマ21、22とDNA合成酵素(ポリメラーゼ)によってDNA合成反応を繰り返すことによって、一端に蛍光物質、他端にビオチンを有するDNA断片20全体を、無制限に増幅することができる。この時、蛍光物質13と蛍光物質15が4対1の本数比で結合した第1のプライマを用いることにより、第2図(c)に示すような、二本鎖のDNA断片20の一本鎖23に蛍光13が結合し、他の一本鎖24にビオチン18が結合した標的保有体と、一本鎖23に蛍光15が結合し、他の一本鎖24にビオチン18が結合した標的保有体とが、4対1の本数比で増幅して得られる。
このようにして得られた数万以上というオーダの標的保有体12が懸濁した溶液の中に、磁性体粒子で形成された複数個の微小粒子(ビーズ)11が懸濁した液または微小粒子11のみを、例えば、液通路と、磁力手段をその液通路に近接且つ離間可能に備えたピペット手段を用いて、分注することによって混合、懸濁または攪拌する。
その微小粒子11は、予め、前記ビオチン18と特異的に反応して結合するアビジンを表面にコーティングしておく。すると、その微小粒子11を標的保有体12の懸濁液中に混合、懸濁または攪拌することによって、各微小粒子11の表面にビオチン18が結合している標的保有体12の一端が反応して結合し固定化される。その際、標的保有体12の数が多数であるため、微小粒子11に結合した標的保有体12の他端に結合されている前記蛍光物質13および蛍光物質15の量比は、その懸濁液中の量比をほぼ忠実に反映し、一定の統計誤差内で4対1で結合することになる。この統計誤差は、一様且つ均一に懸濁している前記標的保有体12の量を増加させるに従って、殆ど無視しうる程度にまで収束する。
その微小粒子11に結合する標的保有体12の数は、標的保有体12の数や、反応時間等の条件を変えることによって、コントロールすることができる。その数については、蛍光物質間にエネルギ移動やクエンチングによる大きな影響が生じない範囲で、増加させることにより、発光強度や捕獲能力を高めることができる。
次に、第4図に基づいて、第三の実施の形態に係る該標識化複合体の製造方法について説明する。
第4図(a)に示すように、蛍光物質25と結合したプライマ26、および5’末端に制限酵素の認識配列29を有するプライマ28を用いて、前述したPCRによって、標的保有体27を複製且つ増幅する。二本鎖の前記鋳型DNA断片27とプライマ26および28を用いて、DNA合成酵素によって、DNA断片27を例えば数十万倍以上に増幅する。
第4図(b)に示すように、このようにして得られた二本鎖のDNA断片に対し、制限酵素を加える。制限酵素は、その蛍光物質25が結合していない方に存在する前記切断可能配列29を認識して、そのDNA断片を切断する。
第4図(c)で、切断処理された端部と結合可能なDNAリガーゼからなるアダプタ31と結合したビオチン30をそのDNA断片の懸濁液に加える。その際、そのビオチン30は、前記蛍光が結合している方の一本鎖側に結合するようにアダプタ31と結合する。第4図(d)で、そのビオチン30はアダプタ31を介して前記切断処理された標的保有体に結合することになる。このようにして、一本鎖の片側にのみ蛍光物質25と、ビオチン30が結合している標的保有体が得られたことになる。尚、その標的保有体を微小粒子に結合して固定化する工程は、既に説明した工程と同様なので、説明を省略する。
続いて、第四の実施の形態に係る標識化複合体の使用方法について説明する。
ここでは、蛋白質32と相互作用を有するDNA断片の塩基配列を見出すために標識化複合粒子を用いるものである。
第5図に示すように、複数種類の標識化複合粒子群、ここでは、説明の簡単のために2種類の標識化複合粒子33、34を用意する。標識化複合粒子33と標識化複合粒子34が含有する標的保有体は異なり、別種の塩基配列をもつDNA断片で形成されている。その標的保有体の一端は両粒子33、34とも各微小粒子に固定されているが、その他端は2種類の蛍光物質13(○)、15(△)が、標識化複合粒子33では4対1の量比で結合し、標識化複合粒子34では1対4の異なる量比で結合している。この量此の差によってその標識化複合粒子33、34が有する塩基配列を標識化している。
最初に、その標識化複合粒子33、34を混合した懸濁液を容器に収容しておく。その容器内に、その標識化複合粒子33、34を標識化した標識物質である蛍光物質13(○)、15(△)と異なる蛍光物質19(□)で標識化した選別用物質である蛋白質32を加える。一定時間経過後にその蛍光物質19を追跡することによって、蛋白質32がどちらの標識化複合粒子33、34に保持されたか、または保持されなかったかを調べる。蛋白質32が標識化複合粒子33、34のどちらにも保持されなかった場合には、その蛋白質32とそのDNA断片の塩基配列との間の関連性がないまたは極めて低いことが見出される。
一方、蛋白質32が標識化複合粒子33、34のいずれかに保持されたと解析した場合には、その蛋白質32が結合した標識化複合粒子(33)を選別する。選別された標識化複合粒子(33)の前記蛍光物質13(○)、15(△)の発光強度を測定することによって、その量比を算定し、蛋白質32を保持した標識化複合粒子33から、標識化された塩基配列を識別することができる。これによって、蛋白質32と結合しうる親和性の高い、または関連性の高い塩基配列が特定される。
もし、その標識化複合粒子33、34の双方に蛋白質32が保持されたことを解析した場合には、蛋白質32との親和性等の関連性の程度は、各標識化複合粒子33、34が保持した蛋白質32の量の比較または蛋白質32を保持した標識化複合粒子33、34の個数比によって親和性の程度等の関連性の高低を判断することもできる。
本実施の形態において、前記標的保有体を複数種類のDNA断片で形成する代わりに、複数種類の蛋白質等で形成し、その標識化複合粒子を懸濁した液に、選別用物質として、その標識化複合粒子に用いた標識物質と異なる種類の標識物質で標識化した特定の塩基配列をもつDNA断片を混合するようにしても良い。この場合には、その塩基配列をもつDNA断片と親和性の高い蛋白質が逆に特定されことになる。
本実施の形態は、蛋白質とDNA断片との間に限られず、DNA断片同士間についても適用することができる。これによって、DNA断片の塩基配列間の相補性、相同性の高い構造、相互作用の強さ等の関連性を見出すことができる。また、蛋白質同士間についても適用することができる。これによって、蛋白質間の相互作用を見いだすことができる。尚、本実施形態では、各標識化複合粒子に磁性体粒子を用い、磁力手段を設けたピペット手段またはこれらのピペット手段を複数集積化した装置を用いることによって、その懸濁、攪拌、分離、移送等の作業を自動化することができる。
次に、第五の実施の形態に係る標識化複合体の使用方法について、第6図に基づいて説明する。
第6図(a)に示すように、複数種類の標識化複合粒子、例えば、2種類の標識化複合粒子35、36を用意する。各標識化複合粒子35と標識化複合粒子36が含有する標的保有体は異なり、別種の塩基配列をもつDNA断片で形成されている。その標的保有体の一端は両粒子35、36とも各微小粒子に固定されているが、その他端は2種類の蛍光物質13(○)、15(△)が、標識化複合粒子35では4対1の量比で結合し、標識化複合粒子36では1対4の量比で結合したものである。その2種類の標識化複合粒子35、36を混合した懸濁液を、選別用物質であるDNA結合蛋白質38が固定化されたマトリクス(固定相)37と接触させるために、そのマトリクス37が設けられている容器に分注する。
すると、そのDNA蛋白質38と特異的に反応して結合する塩基配列をもつDNA断片の標的保有体をもつ標識化複合粒子35がその蛋白質38と結合してそのマトリクス37に捕獲される。その後、そのマトリクス37に捕獲されていない標識化複合粒子35、36を洗浄した後、捕獲されたその標識化複合粒子35を塩溶液で溶出することによって該当する標識化複合粒子35が選別され、蛍光スペクトルを観測して標識化複合粒子35を識別する。
このようにして、その塩基配列との結合に特異性をもつ蛋白質を同定することによって、転写制御因子のような、遺伝子をコントロールすることのできる蛋白質を見出し、生物の発生、ガン等の研究に役立たせることができる。
第五の実施の形態の他の応用例として、第6図(d)に示す例を説明する。第6図(d)に示すように、例えば、2種類の標識化複合粒子35a,36aを用意する。標識化複合粒子35aと標識化複合粒子36aが含有する標的保有体は異なり、別種の塩基配列をもつDNA断片で形成されている。標的保有体には、2種類の蛍光物質13(○)、15(△)が、その標識化複合粒子35aでは4対1の量比で結合し、標識化複合粒子36aでは1対4の量比で結合している。本実施の形態では、その2種類の標識化複合粒子35a,36aの微小粒子は磁性体粒子で形成され、外部磁場が及ぼされると磁化され外部磁場が除去されると消磁される。その2種類の標識化複合粒子35a,36aを混合した懸濁液を、選別用物質であるDNA結合蛋白質38が固定化された磁性体粒子37aと接触させるために、ピペット手段等によって、その磁性体粒子37aが懸濁する液が収容された容器またはカラム39等に分注する。
ここで、前記標識化複合粒子35a,36aが有する磁性体粒子は、DNA結合蛋白質38が固定化された磁性体粒子37aに比べ同一磁場から受ける磁力が小さいものとする。受ける磁力を小さくするには、同一素材で径を小さく形成するかまたは磁化率の小さい素材を用いる。磁力体がピペット手段の液通路の外部に組み込まれて、液通路内へ磁場を及ぼしまたは除去可能なピペット手段を用いることによって、標識化複合粒子35a,36aや磁性体粒子37aの移送や分離等の作業が容易化され且つ自動化される。
また、その磁性体粒子37aは、同一の磁場に対して、その標識化複合粒子35a,36aに含有する磁性体粒子よりも強い磁力を受ける。したがって、その磁性体粒子37aおよび標識化複合粒子35a,36aが懸濁する液体が収容された容器、ピペット手段の液通路やカラム39に所定の磁場をかけた状態で、その懸濁液を所定の流速で流すことによって、その磁性体粒子37aのDNA結合蛋白質38に捕獲された標識化複合粒子は、磁性体粒子37aとともに、その容器等の内壁に吸着して分離されるが、その磁性体粒子37aに捕獲されなかった標識化複合粒子は、内壁に吸着する磁力が弱いため、懸濁液とともに流出することによって選別される。
尚、前記標識化複合粒子の微小粒子として、非磁性体粒子を用いても良い。この場合には、標識化複合粒子に対する磁場の影響は0であるので、捕獲されなかった標識化複合粒子の流出を確実に行うことができる。
続いて、第六の実施の形態に係る標識化複合粒子の使用方法について、第7図に基づいて説明する。
第7図(a)に示すように、例えば、2種類の標識化複合粒子40、41を用意する。標識化複合粒子40と標識化複合粒子41が含有する標的保有体は異なり、別種の塩基配列をもつ二本鎖のDNA断片で形成されている。その標識化複合粒子40、41を標識化するために、その標的保有体の他端には、2種類の蛍光物質13(○)、蛍光物質15(△)が標識化複合粒子40では4対1の量比で結合したものであり、標識化複合粒子41では1対4の量比で結合したものである。第7図(b)で、その2種類の標識化複合粒子40、41の標的保有体をアルカリ性溶液等で変性して一本鎖化する。
第7図(c)で、検査用DIG42で標識化された選別用物質である一本鎖DNA断片43を、前記変性された標識化複合粒子40、41が懸濁している懸濁液中に混合し、第7図(d)で示すように、その一本鎖DNA断片43と、その標識化複合粒子40、41の一方とハイブリダイズするか否かを試みる。ここでは、DIG42は、アンチDIG抗体44と特異的に反応する性質をもつ標識化物質として利用したものである。第7図(e)で、その一本鎖DNA断片43がハイブリダイズした標識化複合粒子40とハイブリダイズしなかった標識化複合粒子41の混合した懸濁液を、アンチDIG抗体44が固定化されたマトリクス45を収容した容器に分注する。第7図(f)で、そのマトリクス45に捕獲されなかった標識化複合粒子40、41を洗浄して選別した後、変性して標識化複合粒子40を溶出し、蛍光スペクトルで識別する。
第六の実施の形態に係る標識化複合体の使用方法の他の応用例として、第7図(g)に基づいて説明する。
第7図(g)に示すように、例えば、標識化複合体として2種類の標識化複合粒子40a,41aを用意する。標識化複合粒子40aと標識化複合粒子41aが含有する各標的保有体は異なり、別種の塩基配列をもつDNA断片で形成されている。標的保有体には、2種類の蛍光物質13(○)、15(△)が、その標識化複合粒子40aでは4対1の量比で結合し、標識化複合粒子41aでは、1対4の量比で結合している。本例では、その2種類の標識化複合粒子40a,41aの微小粒子は磁性体粒子で形成され、外部磁場が及ぼされると磁化され外部磁場が除去されると消磁される。その2種類の標識化複合粒子40a、41aの標的保有体はアルカリ性溶液等で変性して一本鎖化されている。
検査用のDIG42で標識化された一本鎖DNA断片43を前記変性された標識化複合粒子40a,41aが懸濁している懸濁液中に混合し、その一本鎖DNA断片43と、その標識化複合粒子40a,41aの一方とハイブリダイスするか否かを試みる。第7図(g)に示すように、その一本鎖DNA断片43がハイブリダイズした標識化複合粒子40とハイブリダイズしなかった標識化複合粒子41の混合した懸濁液を、アンチDIG抗体44が固定化された磁性体粒子45aの懸濁液を収容した容器、カラム39等に分注する。ここで、その標識化複合粒子40a,41aが有する磁性体粒子は、アンチDIG抗体44が固定化された磁性体粒子45aに比べ同一磁場から受ける磁力が小さいものとする。磁力体がピペット手段の液通路の外部に組み込まれて、液通路内への磁場を及ぼしまたは除去可能なピペット手段を用いることによって、標識化複合粒子40a、41aや磁性体粒子45aの移送や分離等の作業が容易化され且つ自動化される。
また、その磁性体粒子45aは、同一の磁場に対して、その標識化複合粒子40a,41aに含有する磁性体粒子よりも強い磁力を受ける。したがって、その磁性体粒子45aおよび標識化複合粒子40a,41aが懸濁する液体が収容された容器、ピペット手段の液通路やカラム39に所定の磁場をかけた状態で、その懸濁液を所定の収束で流すことによって、その磁性体粒子45aのアンチDIG抗体44に捕獲された標識化複合粒子は、磁性体粒子45aとともに、その容器等の内壁に吸着して分離されるが、その磁性体粒子45aに捕獲されなかった標識化複合粒子は、内壁に吸着する磁力が弱いため、懸濁液とともに流出して選別することができる。
尚、前記標識化複合粒子の微小粒子として、非磁性体粒子を用いても良い。この場合には、標識化複合粒子に対する磁場の影響は0であるので、捕獲されなかった標識化複合粒子の流出による選別はより確実に行うことができる。
第七の実施の形態に係る標識化複合体の使用方法について、第8図に基づいて説明する。
第8図(a)に示すように、例えば、標識化複合体として2種類の標識化複合粒子46、47を用意する。標識化複合粒子46と標識化複合粒子47が含有する標的保有体は異なり、別種の塩基配列をもつDNA断片で形成されている。標的保有体には、2種類の蛍光物質13(○)、蛍光物質15(△)がその標識化複合粒子46では4対1で結合し、その標識化複合粒子47では1対4の量比で結合している。第8図(b)で、その2種類の標識化複合粒子46、47を混合した懸濁液中1、蛍光物質48で標識化された標的であるDNA結合蛋白質48が混合される。
第8図(c)で、その標識化複合粒子46にそのDNA結合蛋白質48が結合したとする。第8図(d)でDNA結合蛋白質48が標識化する蛍光物質48の蛍光スペクトルを測定することによって、そのDNA結合蛋白質48が捕獲された標識化複合粒子46を選別する。その後、第8図(e)で、標識化されたその蛋白質48を除去した後、その標識化複合粒子46を蛍光で識別する。
次に、第八の実施の形態に係る標識化複合体の使用方法について、第9図に基づいて説明する。
第9図(a)に示すように、例えば、標識化複合体として2種類の標識化複合粒子50、51を用意する。各標識化複合粒子50、51には、各々標的保有体がその一端で固定きれている。標識化複合粒子50と標識化複合粒子51の標的保有体は異なり、別種の塩基配列をもつDNA断片で形成されている。標的保有体の他端は、2種類の蛍光物質13(○)、蛍光物質15(△)が、標識化複合粒子50では4対1の量比で結合し、標識化複合粒子51では1対4の量比で結合している。第9図(b)で、その2種類の標識化複合粒子50、51を変性して一本鎖化する。第9図(c)で、選別用物質として蛍光52で標識化した一本鎖DNA53を前記懸濁液中に混合させる。
第9図(d)で、例えば、標識化複合粒子50の標的保有体とのハイブリダイズによって捕獲される。第9図(e)で、蛍光スペクトルで各標識化複合粒子50、51で1粒子毎に、前記蛍光52の有無を蛍光スペクトルを測定することによって、標識化されたその一本鎖DNAを捕獲した標識化複合粒子50を選別する。その後、第9図(f)で、標識化されたその一本鎖53を除去した後、その標識化複合粒子50を蛍光で識別する。
第九の実施の形態として、明瞭に外見上個々には現れにくい影響や変化を明瞭且つ効率良く識別観測するために標識化複合体を使用する方法について説明する。
温度、放射線量、圧力、重力、磁場、電場、濃度(毒性、試薬等)、電磁波(可視光線、紫外線、X線等)、粒子線、音響等またはこれらを組み合わせたものによる影響が明瞭に外見上の差異が現れにくい程度である場合に、その影響を顕在化しまたは統計的に測定するために標識化複合粒子を使用するものである。本例では、蛋白質やDNA断片等の同一の標的を多数含有したサンプル群を予め用意し、各サンプルに前記影響を及ぼし若しくは段階的に変えたレベル若しくはそれらの組み合わせを及ぼしたものと、及ぼさなかったものとを作る。これらの各サンプルを識別するために、そのサンプル数分の種類の標識化複合粒子の懸濁液を用意して、各サンプルと混合させて前記標的を各標的保有体に保持させて標識化する。ここで、各標識化複合粒子の標的保有体は、例えば、特殊なノリ物質が繊維状物質に付着され、種々の標的を保有することができるものである。
その標的を保持した各標識化複合粒子を同一容器に混合して、同一時間、同一濃度等の同一条件で同一処理を一斉に加える。この処理とは、例えば、その蛋白質とDNA断片との親和性への影響を見るため、選別用物質として、別種の標識物質で標識化されたそのDNA断片を多数混合させる。その標識物質を解析することによって、そのDNA断片が保持された前記標識化複合粒子を選別し、その標識化複合粒子の標識物質を解析することによって、最初に受けた影響を統計的に明瞭に顕在化させて迅速、且つ効率的に測定することができる。また、本例によれば、木目の細かいレベルによる標識化が可能なので、所定の影響を受ける臨界レベル等を精密に測定または見出すことができる。
第十の実施の形態に係る標識化複合体の使用方法および使用装置について、第10図に基づいて説明する。
本実施の形態に係る標識化複合体の使用方法に用いる使用装置である標的解析装置60は標識化複合粒子の選別および標的の識別に使用するものである。ここでは、蛍光物質または燐光物質をその標識化複合粒子および選別用物質の標識物質として用いた例について説明する。その装置60は、液体が内部を通過する管路(または流路)61を有し、その管路61は内部を液体が循環可能となるように閉路を形成している。その管路61の一部は、透明ガラス等の透光性の部材で形成された細管62が設けられている。その細管62の外部には、前記蛍光物質または燐光物質を励起するための励起用光を細管62内に照射する照射手段63が設けられている。また、その細管62の外部には、その細管62を挟んで前記照射手段63に向き合うように受光手段64が設けられている。照射手段63は、レーザ光源、キセノンランプやキセノン−水銀ランプ等の光源を具備し、前記蛍光物質等に応じて波長幅を選択する。受光手段は光電子増倍管を具備している。また、各手段においてフィルタを用いて必要な波長を選択するようにしても良い。受光手段64には、光の波長とその強度を測定する測定手段を具備している。
さらに、標的解析装置60は、その受光手段64が受光した光の波長の強度を解析して、選別用物質が結合した標識化複合粒子を選別し、選別された標識化複合粒子の標識物質の種類および量比からその標識化複合粒子の標的を識別する解析手段65を具備している。その解析手段65は、測定された各波長から、蛍光物質等の種類、その相対的な光の強度からその量比を割り出すための演算を行い、その種類または量比と、対応する標的との関係を示す情報等を格納するためのCPU、メモリ、表示手段等からなる情報処理装置を有している。
その標的解析装置60の前記管路61に沿った適当な位置には、その管路61内に液体を流すための搬送用ポンプ66を設ける。また、その管路61は、前記選別用物質を含む前記標識化複合粒子の懸濁液を収容する容器67、廃棄すべき液を収容する廃棄用タンク68、流路内の液体を収容するタンク69と、前記容器67に収容されている懸濁液を管路61内に吸引するための吸引機構70とが設けられている。これらの要素は、開閉自在に分岐接続する弁71、72、73、74を介して連通する。ここで、前記吸引機構70は、吸引吐出手段を有する前記ピペット手段を用いても良いし、その吸引吐出手段を直接設けたものであっても良い。管路または細管の内径は、使用する標識化複合粒子の径、流速等に応じて定められる。
続いて、本実施の形態に係る標識化複合体使用方法について説明する。
蛍光物質または燐光物質を標識物質に用いた前記標識化複合粒子が懸濁した液と、その標識物質とは異なる種類の発光物質により標識化した選別用物質とを混合する。すると、選別されるべき標識化複合粒子にその選別用物質が結合する。選別用物質と結合した標識化複合粒子を含む標識化複合粒子群の懸濁液を前記容器67に収容し、弁71を開いて、吸引機構70によって管路61系内にその懸濁液を吸引する。次に弁71の容器67側を閉じて容器67との間を遮断し、弁73を開いてタンク69から必要量の液体を取り入れた後弁73を閉じて、搬送用ポンプ66を駆動させ懸濁液を管路61系内を循環させる。流速は、前記細管62内において、各標識化複合粒子が測定可能な速度に設定する。このような流速は、管路や細管の内径、その標識化複合粒子の径、濃度等によって定められる。
その懸濁液が細管62を通過する際に、細管62の外部からその細管62に照射手段63から励起用光を照射し、識別化複合粒子が発するその細管62からの光を受光手段64によって受光する。受光手段64は各粒子毎に光を受光することが可能なので、受光手段64が得た各波長の光の強度の測定から、前記解析手段65は選別用物質が結合している標識化複合粒子を割り出し、割り出された標識化複合粒子の標識物質の種類およびその量比から、標的を識別する。尚、受光手段64が複数の標識化複合粒子が重なった光を受光したとしても、本実施の形態では、その管路61系は閉じているので、十分な測定精度を得るために、必要な回数繰り返して懸濁液を循環させることによって、このような誤検出を排除することできる。処理が終了した後は、弁72を開いて廃棄用タンク68に収容する。
本実施の形態によれば、標識化複合粒子の選別と識別とを同時に行うことができるので処理の効率が良く、信頼性が高い。また、本実施の形態によれば、懸濁液を循環させることができるので、精度の高い測定を行うことができるのでやはり信頼性が高い。
以上説明した各実施の形態は、本発明をより良く理解させるために具体的に説明したものであって、別形態を制限するものではない。したがって、発明の主旨を変更しない範囲で変更可能である。例えば、以上の説明では、担体として微小粒子を用いた標識化複合粒子の場合についてのみ説明したが、その場合に限られることなく、例えば、繊維状物質やゲル状物質等の物質や、不定形の物質等を用いたものであっても良い。また標識物質として2種類の蛍光物質を用いたが、その場合に限られることなく多種類または燐光物質であっても良い。また、あたかも5個の標的保有体が微小粒子に固定されている場合のみについて説明したが、これは説明の簡単のためで、量比を説明しやすくするために用いたものであって、実際には多数の標識物質を用いるものである。さらに、以上の説明は、標的保有体として、DNA断片を用いた場合のみを説明したがこの場合に限定されるものではない。また、以上の実施の形態では、標識化複合粒子を製造する際に、核酸をPCR法を用いて合成および増幅する場合について説明したが、その場合に限られることなく、例えば、互いに相補的な一本鎖を合成してアニーリングによって二本鎖を形成することによって製造するものであっても良い。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の第一の実施の形態に係る標識化複合粒子を示す図である。
第2図は、本発明の第一の実施の形態に係る標識化複合粒子の実施例を示す図である。
第3図は、本発明の第二の実施の形態に係る標識化複合粒子の製造方法を示す図である。
第4図は、本発明の第三の実施の形態に係る標識化複合粒子の製造方法を示す図である。
第5図は、本発明の第四の実施の形態に係る標識化複合粒子の使用方法を示す図である。
第6図は、本発明の第五の実施の形態に係る標識化複合粒子の使用方法を示す図である。
第7図は、本発明の第六の実施の形態に係る標識化複合粒子の使用方法を示す図である。
第8図は、本発明の第七の実施の形態に係る標識化複合粒子の使用方法を示す図である。
第9図は、本発明の第八の実施の形態に係る標識化複合粒子の使用方法を示す図である。
第10図は、本発明の第十の実施の形態に係る標識化複合粒子の使用装置を示す図である。

Claims (30)

  1. 1個の担体と、その担体に結合した多数の標的保有体と、その担体が結合した部位と異なる部位で各標的保有体に結合した標識物質とからなり、その標的保有体は、核酸を含む化合物からなり、前記2つの部位間で1または2以上の種類の標的を保有しまたは保有可能であり、1個の担体上の標識物質の全体は、前記標的保有体の種類に応じて定められ、2以上の所定の種類が所定の量比含まれたものであることを特徴とする標識化複合体。
  2. 前記標識物質の全体は、1個の担体と結合する標的保有体の略全てに分配され、1個の前記標的保有体は1種類の標識物質と結合したものであることを特徴とする請求項1に記載の標識化複合体。
  3. 前記標的保有体は、二本鎖の所定塩基配列をもつ核酸からなり、前記標識物質は、ある部位における一本鎖とのみ結合し、他の部位における他の一本鎖が前記担体と結合したものであることを特徴とする請求項1または請求項のいずれかに記載の標識化複合体。
  4. 前記標的保有体は、二本鎖の所定塩基配列をもつ核酸からなり、前記標識物質は、一本鎖のある部位にのみ結合し、その一本鎖の他の部位に前記担体が固定したものであることを特徴とする請求項1または請求項のいずれかに記載の標識化複合体。
  5. 前記標的保有体は、一本鎖の核酸であることを特徴とする請求項1または請求項のいずれかに記載の標識化複合体。
  6. 前記標識物質は、蛍光物質、燐光物質、および化学発光による発光物質の中から選択された物質であることを特徴とする請求項1、請求項2、または請求項4のいずれかに記載の標識化複合体。
  7. 前記発光物質は、励起波長、発光波長、発光強度、発光偏光度、発光位相または発光寿命のいずれかによって、その種類が識別可能であることを特徴とする請求項に記載の標識化複合体。
  8. 前記担体には、特異的に結合する化合物対の一方の化合物がコーティングされ、前記標的保有体は所定塩基配列をもつDNA断片であり、ある部位には前記化合物対の他方の化合物が結合し、他の部位には前記蛍光物質が結合したものであることを特徴とする請求項1または請求項のいずれかに記載の標識化複合体。
  9. 前記担体は、遠隔操作可能な遠隔作用体を有することを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3ないし請求項のいずれかに記載の標識化複合体。
  10. 請求項1、請求項2、または、請求項4ないし請求項のいずれかに係る標識化複合体を製造する方法において、ある部位で標識物質と結合し、且つ特定の標的を保有しまたは保有可能な標的保有体を生成する工程と、その標的保有体を担体に結合する工程とを有することを特徴とする標識化複合体製造方法。
  11. 前記担体に標的保有体を結合する工程は、標識物質の全体が、その標的保有体の種類に応じて定められた種類およびその量比となるように、その標識物質と結合した標的保有体を多数懸濁させた液体中に、その標的保有体が結合されるべき担体を混合することによって行うことを特徴とする請求項10に記載の標識化複合体製造方法。
  12. 前記標的保有体を生成する工程は、標識物質と結合し且つ所定塩基配列をもつ一本鎖の核酸を合成し、その塩基配列と関連性の高い、前記担体と結合可能に加工された他の一本鎖の核酸を合成し、これらをアニーリングによって二本鎖の核酸を生成する工程を有することを特徴とする請求項10に記載の標識化複合体製造方法。
  13. 前記標的保有体を生成する工程は、前記標識物質と結合し且つ所定塩基配列をもつ一本鎖の核酸の複製用の第1のプライマと、前記担体と結合すべき他の一本鎖の核酸の複製用の第2のプライマとを用いて、二本鎖のその核酸を合成しかつ増幅する工程を有することを特徴とする請求項10に記載の標識化複合体製造方法。
  14. 前記標的保有体を担体に結合する工程または前記標的保有体を生成する工程は、前記標識物質または前記担体のどちらか一方と結合し且つ所定塩基配列をもつ一本鎖の核酸の複製用の第1のプライマを用いて、二本鎖のその核酸を合成および増幅するとともに、前記標識物質または担体が結合している端部と反対側の端部に制限酵素処理を施し、制限酵素処理が施された端部にアダプタを介して担体または標識物質を、前記標識物質または担体が結合している一本鎖側に結合して、標的保有体を担体に結合し、または標的保有体を生成することを特徴とする請求項10に記載の標識化複合体製造方法。
  15. 前記標的保有体を生成する工程は、前記標識物質および前記担体と結合していない方の一本鎖を変性によって除去する工程を含むことを特徴とする請求項14に記載の標識化複合体製造方法。
  16. 前記担体に標的保有体を結合する工程は、担体が有する多数の穴、間隙若しくは凹凸による付着、吸着、接着、および特異的相互作用の中から選択された物理的若しくは化学的結合を含む結合を利用して、前記標的保有体と担体とを懸濁することによって、前記標的保有体と担体とを結合することを特徴とする請求項10に記載の標識化複合体製造方法。
  17. 前記標的保有体を生成する工程は、ある部位でその標識物質と結合し且つ他の部位で特異的に結合する化合物対の一方と結合した多数の標的保有体を生成する工程であり、前記標的保有体を担体に結合する工程は、前記化合物対の他方がコーティングされた担体と、その標識物質が結合した前記標的保有体とを液体中で懸濁することによって、その標的保有体を担体に結合することを特徴とする請求項10に記載の標識化複合体製造方法。
  18. 請求項1、請求項2、または請求項4ないし請求項のいずれかに係る標識化複合体の標的およびその標的に対応付けられた標識物質の種類若しくは量比が相互に異なる複数種類の標識化複合体を多数有する標識化複合体群の中から、目的とする種類の標識化複合体を選別する工程と、選別されたその標識化複合体が標識化した標的を識別する工程とを有することを特徴とする標識化複合体使用方法。
  19. 前記選別工程は、液通路と、その液通路内に磁場作用を及ぼすことが可能な磁力手段とを有し、液体の吸引または吐出を行うピペット手段を用いて、前記標識化複合体に対して、またはその標識化複合体および選別用物質に対して、定量、分離、分取、分注、清澄、懸濁、攪拌、濃縮、希釈、混合、接触、捕獲、保持、洗浄、変性、インキュベーション、温度制御、抽出、回収および移送の中から選択された作業によりまたはこれらの作業の組み合わせによって、行われることを特徴とする請求項18に記載の標識化複合体使用方法。
  20. 前記選別工程は、前記標識化複合体群を懸濁する工程と、その標識化複合体群が懸濁した懸濁液と、目的とする標識化複合体を選別するための選別用物質とを接触させる工程と、その選別用物質と結合した標識化複合体を抽出または分離する工程とを有することを特徴とする請求項18または請求項19のいずれかに記載の標識化複合体使用方法。
  21. 前記選別工程は、前記選別用物質を、標識化複合体に含有される標識物質とは異なる種類の標識物質により標識化するとともに、その標識物質に基づいて、その選別用物質と結合した標識化複合体を抽出または分離する工程を有することを特徴とする請求項20に記載の標識化複合体使用方法。
  22. 前記識別工程は、前記標識物質が発光物質である場合には、その標識化複合体が発する発光波長の各強度の測定結果に基づいて、その種類の量比を割出して、該当する標的を識別することを特徴とする請求項18または請求項19のいずれかに記載の標識化複合体使用方法。
  23. 前記選別工程は、前記標的保有体が二本鎖の所定塩基配列をもつ核酸であって、前記標識物質および前記担体はその片側の一本鎖にのみ結合している場合には、他方の一本鎖は変性によって除去するとともに、前記選別用物質として、所定塩基配列をもつ核酸を用いたことを特徴とする請求項18または請求項19のいずれかに記載の標識化複合体使用方法。
  24. 前記選別工程は、選別用物質が固定された固定相と前記標識化複合体群が懸濁した液とを接触させる工程と、洗浄して懸濁液を除去することによって、固定相にその選別用物質と結合した標識化複合体を選別する工程とを有することを特徴とする請求項18または請求項19のいずれかに記載の標識化複合体使用方法。
  25. 前記選別工程は、前記固定相から物理的または化学的に標識化複合体を溶出して抽出、分離、および洗浄の中から選択されたものによって選別する工程を有することを特徴とする請求項24に記載の標識化複合体使用方法。
  26. 前記固定相として磁性体粒子を用い、前記標識化複合体の担体は磁性体粒子または非磁性体粒子で形成されるとともに、その標識化複合体の磁性体粒子は、固定相の磁性体粒子と比較して、同一の外部磁場に対してより小さい磁力を受けることを特徴とする請求項24に記載の標識化複合体使用方法。
  27. 前記選別用物質は、特異的な結合をする化合物対の一方の標識物質で標識化されるとともに、前記選別工程において、前記化合物対の他方を固定化した固定相にその選別用物質および標識化複合体の結合体を懸濁した液を接触させて、前記固定相にその結合体を結合させ、その固定相に結合した物以外の物を洗浄して除去し、前記標的保有体を変性して一本鎖にして標識化複合体を溶出して抽出または分離によって選別する工程を有することを特徴とする請求項24に記載の標識化複合体使用方法。
  28. 前記選別工程は、前記標識化複合体を発光物質によって標識化し、選別用物質をその標識物質とは異なる種類の発光物質により標識化するとともに、その標識化複合体群が懸濁した液と選別用物質とを混合して接触させる工程と、透光性の細管内に、その選別用物質と結合した標識化複合体を含む標識化複合体群の懸濁液を通過させる工程とを有し、前記識別工程は、前記標識化複合体群の懸濁液の前記細管の通過の際に受光する工程と、その選別用物質が発する光の強度の測定により選別された標識化複合体について、その標識化複合体が発する光の強度の測定結果に基づいて、その種類およびその量比を割り出して、該当する標的を識別する工程とを有することを特徴とする請求項18または請求項19のいずれかに記載の標識化複合体使用方法。
  29. 前記識別物質または選別用物質が蛍光物質または燐光物質である場合には、前記懸濁液を前記細管内を通過させる工程において、前記細管に向けて、その物質を励起させる励起用光を照射することを特徴とする請求項28に記載の標識化複合体使用方法。
  30. 1個の担体と、その担体に結合した多数の標的保有体と、その担体が結合した部位と異なる部位で各標的保有体に結合した標識物質とからなり、その標的保有体は、核酸を含む化合物からなり、1または2以上の種類の標的を保有しまたは保有可能であり、1個の担体上の標識物質の全体は、前記標的保有体の種類に応じて定められ、2以上の所定の種類が所定の量比含まれた標識化複合体について、その標的およびその標的に対応付けられた標識物質の種類若しくは量比が相互に異なる複数種類の標識化複合体を多数有する標識化複合体群を液体中に懸濁した標識化複合体懸濁液。
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