JP4407031B2 - 位相同期ループ回路および遅延同期ループ回路 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は位相同期ループ回路および遅延同期ループ回路に関し、例えばデジタルTVにおけるドットクロックを発生させる位相同期ループ回路および遅延同期ループ回路に関する。
【0002】
パーソナルコンピュータのディスプレイにおける映像信号の表示や、テレビモニタのOSD(On Screen Display )文字の表示には、水平同期信号HSYNCを基準クロック信号としてPLL(Phase Locked Loop )回路により逓倍したドットクロックが用いられている。PLL回路のジッタが大きいと、画面上にフリッカーやウェービングが現われて、これらが視覚で捕らえられてしまうため、ドットクロックの発生回路には低ジッタのPLL回路が必要とされている。
【0003】
PLL回路の基準クロック信号あるいは固有周波数よりもゆっくりした電圧条件などの変化は、PLL回路自身のフィードバックループにより補正されるが、基準クロック信号の周期よりも短い周期で発生するデジタルノイズは、基準クロック信号の周期毎にランダムな成分と考えられ、フィードバックループによって十分に補正されないため、PLLがロックした後のジッタの原因となる。
【0004】
PLLのロック後に発生する長期的な継続性が少ないランダムなジッタに対しては、ループフィルタのコンデンサを充放電させることによる周波数引込を主体にして周波数の変化を引き起こすよりも、基準クロック信号の周期毎に行われる位相引込を主体として、ジッタの分の位相を毎周期補正するようにしたほうが効果的である。ただし、位相引き込み時にVCO回路へ入力されるパルス信号の電圧変化はあまり大きくできないので、位相引込だけでジッタをちょうど100%補正させるように設計するのは困難である。したがって、PLL回路の位相引き込みによる位相の補正に加えて、ドットクロックの発生時にジッタの位相補正をデジタル的に行なう方法を併用するのが最適と考えられる。例えば、水平同期信号HSYNCの立ち下がりエッジ(画面左端)から最も早く立ち上がるクロックを、複数の位相がずれたクロックから選択し、これを用いてドットクロックを発生させることにより、ジッタの位相補正が行われる。
【0005】
位相引き込みを主体として位相の補正を行わせる場合、PLL回路やDLL(Delay Locked Loop )回路のループフィルタにはラグリードフィルタが適している。ラグリードフィルタは、例えば抵抗とキャパシタとの直列回路によるフィルタであり、低域で遅れた位相が高域で戻る位相特性を有している。
【0006】
ループフィルタにラグリードフィルタを用いた場合、位相比較器が出力するパルス信号(UP信号およびDOWN信号)に対応した矩形状の波形と、チャージポンプ回路によるキャパシタの充放電で発生する時間軸方向に平坦な波形とが合成された波形を有する制御電圧が生成される。矩形状の波形においては主として位相引込みがおこなわれ、時間軸方向に平坦な波形においては周波数引き込みが行われるとともに間接的に位相引込みが行われる。このため、高域の波形が鈍ってしまうラグフィルタを用いた場合に比べて大きな位相引き込みが得られるので、チャージポンプ回路の出力電流を小さ目に設計でき、ループのフィルタのキャパシタの充放電による制御電圧変化が小さくなる。したがって、矩形状の制御電圧波形による位相引き込み後の制御電圧変化を小さくすることでき、周波数ジッタを小さくすることができる。
【0007】
また、水平同期信号HSYNCの立ち上がりエッジ(画面右端)で位相比較することにより、帰線期間においてチャージポンプ回路が動作するので、ラグリードフィルタを用いた場合に発生するクロック位相の大きな変化が画面表示に影響を与えることはない。さらに、チャージポンプ回路の動作が終了して制御電圧が十分に安定した後、水平同期信号HSYNCの立ち下がりエッジ(画面左端)でジッタの位相補正をデジタル的に行なってドットクロックを発生することにより、フリッカーやウェービングが非常に小さい画面が得られる筈である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ノイズの影響を低減するためラグリードフィルタの後にロウパスフィルタを設けた場合や、バイアス回路の出力と接地ラインあるいは電源ラインの間に制御電圧安定化用のコンデンサを設けた場合、電圧制御発振器や電圧制御遅延回路の制御電圧における矩形状の波形が鈍ってしまう。このため水平同期信号HSYNCの立ち下がり(画面左端)後も制御電圧の変化が収束していないために位相が変動してしまうので、水平同期信号HSYNCの立ち下がりにおけるデジタル的な位相補正の効果が低減してしまい、ラグリードフィルタを用いたメリットが損なわれてしまう問題があった。
以下、ラグリードフィルタを用いた従来のPLL回路における上述の問題について詳しく説明する。
【0009】
図11は、ラグリードフィルタを用いた従来のPLL回路の第1の形態を示す構成図である。
図11に示すPLL回路は、位相比較器101、チャージポンプ回路102、ラグリードフィルタ103、ロウパスフィルタ104、電圧制御発振器105、および分周器106を有する。
【0010】
位相比較器101は、基準クロック信号φREFと分周器106の出力信号NOUT との位相を比較し、この比較結果に応じたアップ信号/UPおよびダウン信号DOWNを出力する。
【0011】
チャージポンプ回路102は、位相比較器101からのアップ信号/UPおよびダウン信号DOWNを受けて充放電電流ICPをラグリードフィルタ3に出力する。
【0012】
ラグリードフィルタ103は、例えばチャージポンプ回路102の出力と接地ラインとの間に直列接続された抵抗RF1とキャパシタCF1とにより構成されており、充放電電流ICPを受けて発生する直列回路の電圧FILを、ロウパスフィルタ104に出力する。
【0013】
ロウパスフィルタ104は、例えばチャージポンプ回路102の出力と接地ラインとの間に直列接続された抵抗RLPとキャパシタCLPとにより構成されており、ラグリードフィルタ103の電圧FILを受けて、これに応じたキャパシタCLPの電圧LPOを電圧制御発振器105に出力する。
【0014】
電圧制御発振器105は、ロウパスフィルタ104の出力電圧LPOを受けて、これに応じた周波数を有する信号φVCOを出力する。
分周器106は、電圧制御発振器105の出力信号φVCOを所定の分周比で分周した信号NOUT を位相比較器101に出力する。
【0015】
基準クロック信号φREFが、例えば水平同期信号HSYNCの周波数12kHz〜106kHz程度の低い周波数であるとすると、ラグリードフィルタ103のキャパシタCF1を半導体チップに内蔵することは難しくなり、好適には外付けの部品となる。
【0016】
半導体チップに内蔵された電圧制御発振器105の接地点と、ラグリードフィルタ103の外付けキャパシタCF1の接地点は異なっているため、ラグリードフィルタ103の電圧FILをそのまま電圧制御発振器105の制御電圧として用いると、2つの接地点間の電位差が、電圧制御発振器105から見て制御電圧に重畳されたノイズとなり、これによってPLL回路のジッタが増大してしまう。そのため、ラグリードフィルタ103と電圧制御発振器105の間に、好適には半導体チップに内蔵されたロウパスフィルタ104が設けられている。キャパシタCLPの接地点と電圧制御発振器105の接地点を同じ所からとることで、前記の2つの接地点間の電位差によるノイズを低減させている。
【0017】
電圧制御発振器105の接地点と外付け部品キャパシタCF1の接地点との電位差による制御電圧のノイズにおいて、ロウパスフィルタ104の入力のおけるノイズの振幅△VNOISE 、ノイズの時間幅τNOIZE 、およびノイズの周波数fNOISE と、ロウパスフィルタ104の遮断周波数fLP1 、および時定数τLP1 により、ロウパスフィルタ104から出力されるノイズ電圧△VNOISE _LPは次のように表される。
【0018】
【数1】
△VNOISE _LP≒△VNOISE /(fNOISE /fLP1 )
≒△VNOISE ×(τNOISE /τLP1 )・・・(1)
【0019】
例えば、ノイズ電圧△VNOISE が10mV、時定数τNOISE が2.8nsec、時定数τLP1 が280nsecの場合、ノイズ電圧△VNOISE _LPは約100μVとなる。
【0020】
図12は、従来のPLL回路の第1の形態の動作を説明するための波形図である。
図12の波形図(A)は、基準クロック信号φREFの波形を示す。
図12の波形図(B)は、分周器106の出力信号NOUT の波形を示す。
図12の波形図(C)は、位相比較器101のアップ信号/UPの波形を示す。
図12の波形図(D)は、位相比較器101のダウン信号DOWNの波形を示す。
図12の波形図(E)は、ラグリードフィルタ103の出力電圧FILの波形を示す。
図12の波形図(F)は、ロウパスフィルタ104の出力電圧LPOの波形を示す。
【0021】
位相比較器1において、基準クロック信号φREFの立ち上がりエッジと分周器106の出力信号NOUT の立ち下がりエッジのタイミングが比較され、基準クロック信号φREFの立ち上がりエッジに対して信号NOUT の立ち下がりエッジが遅れている場合には、ローレベルのパルス信号であるアップ信号/UPが出力される。また、信号NOUT の立ち下がりエッジが進んでいる場合にはハイレベルのパルス信号であるダウン信号DOWNが出力される。
【0022】
アップ信号/UPは、例えばチャージポンプ回路102の図示しない電源ライン側のpチャンネル型MOSトランジスタのゲートに入力されており、アップ信号/UPにローレベルのパルス信号が入力されることによって、このpチャンネル型MOSトランジスタが導通し、ラグリードフィルタ103に充電電流ICPが供給される。
またダウン信号DOWNは、例えばチャージポンプ回路102の図示しない接地ライン側のnチャンネル型MOSトランジスタのゲートに入力されており、ダウン信号DOWNにハイレベルのパルス信号が入力されることによって、このnチャンネル型MOSトランジスタが導通し、ラグリードフィルタ103に放電電流ICPが供給される。
チャージポンプ回路102から出力される充放電電流ICPによりラグリードフィルタ103の出力電圧FIL、およびロウパスフィルタ104の出力電圧LPOが変化し、これによって電圧制御発振器105の発振周波数が上昇または低下する。
【0023】
アップ信号/UPあるいはダウン信号DOWNが発生している期間△tにおいて、チャージポンプ回路102の出力電流ICPは、ラグリードフィルタ103の抵抗RF1とロウパスフィルタ104の抵抗RLPを通して、ラグリードフィルタ103のキャパシタCF1とロウパスフィルタ104のキャパシタCLPを充放電する。ラグリードフィルタ103の出力電圧FILは、抵抗RF1と抵抗RLPの並列抵抗に電流ICPが流れることにより発生する矩形状の電圧波形S1FILと、キャパシタCF1とキャパシタCLPの並列容量にICP×△tの電荷が充放電され保持されることにより発生する時間軸に沿って平坦な電圧波形S2FILとが合成された波形となる。
【0024】
ラグリードフィルタ103の出力電圧FILにおいて、電圧波形S1FILの電圧変化△V1FIL、および電圧波形S2FILの電圧変化△V2FILは、抵抗RF1が抵抗RLPに比べて十分小さく、キャパシタCF1がキャパシタCLPに比べて十分大きい場合、次のように表される。
【0025】
【数2】
△V1FIL=ICP/{(1/RF1)+(1/RLP)}
≒ICP×RF1 ・・・・・・(2)
【0026】
【数3】
△V2FIL=(ICP×△t)/(CF1+CLP)}
≒(ICP×△t)/CF1 ・・・・・・(3)
【0027】
したがって、ラグリードフィルタ103の出力電圧FILには、ロウパスフィルタ104がない場合とほぼ同じ波形が現われる。
また、電圧波形S1FILの面積ZS1FILと、電圧波形S2FILの面積ZS2FILは次のように表される。
【0028】
【数4】
ZS1FIL=△V1FIL×△t ・・・・・(4)
【0029】
【数5】
ZS2FIL≒△V2FIL×T ・・・・・(5)
【0030】
ここで、面積ZS1FILと面積ZS2FILの和(ZS1FIL+ZS2FIL)は位相引込に関与し、面積ZS2FILは電圧変化△V2FILに比例するので周波数変動(引込)に関与する。例えば、周波数変動が位相引込の2分の1となるように設計した場合、面積ZS1FILと面積ZS2FILがほぼ等しくなるので次式が成立する。
【0031】
【数6】
△V2FIL≒△V1FIL×(△t/T) ・・・・(6)
【0032】
期間△tは周期Tに比べて十分小さいので、電圧△V2FILは電圧△V1FILに比べて十分小さくなる。
【0033】
ロウパスフィルタ104の出力電圧LPOには、ラグリードフィルタ103の出力電圧FILを鈍らせた波形が現われるが、電圧波形S1FILおよび電圧波形S2FILと同様にして、出力電圧LPOを、矩形の電圧波形S1FILに対応する電圧波形S1LP と、平坦な電圧波形S2FILに対応する電圧波形S2LP に分けて考えることができる。
【0034】
電圧波形S1LP は、ロウパスフィルタ104の時定数で指数関数的に増減する鈍った立ち上がり波形を有している。電圧0から電圧△V1FILに向かって指数関数的に立ち上がる電圧△V1LPOは、次式のよう近似される。
【0035】
【数7】
△V1LPO(t)=△V1FIL×{1−exp(−t/τLP1 )}
≒△V1FIL×(t/τLP1 ) ・・・・・・(7)
ただし、τLP1 =CLP×RLP
【0036】
したがって、期間△tがロウパスフィルタ104の時定数τLP1 に比べて十分短い場合、ピーク電圧△V1LPOは次式のように表される。
【0037】
【数8】
△V1LPO≒△V1FIL×(△t/τLP1 ) ・・・・(8)
【0038】
一方、ピーク電圧△V1LPOから電圧△V2FILに向かって指数関数的に立ち下がる電圧波形S1LP の立ち下がり波形は、次式のように近似される。
【0039】
【数9】
△V1LPO( t)=(△V1LPO−△V2FIL)×exp(−t /τLP2 )+△V2FIL
≒△V1LPO×exp(−t /τLP2 ) ・・・・(9)
ただし、τLP2 ≒CLP×(RLP+RF1)
【0040】
また基準クロック信号φREFの立ち下がりエッジ、すなわち、時刻t=αT(α≒1/10)において、鈍った電圧波形S1LP が指数関数的に減衰した電圧は、次式のように表すことができる。
【0041】
【数10】
△V1LPO(αT)≒△V1LPO ×exp(−αT/τLP2 )
≒△V1FIL×(△t/τLP1 )×exp(−αT/τLP2 )
・・・・・・・(10)
【0042】
画像表示や文字表示を行なうためには、基準クロック信号φREFの立ち下がりエッジ、すなわち、画面左端において、電圧波形S1LP の電圧が十分に減衰していなければならない。したがって、次式を満足することが設計の目安となる。
【0043】
【数11】
△V1LPO(αT)≦△V2FIL ・・・・(11)
【0044】
式(10)と式(6)を式(11)に代入して変形することにより次式が得られる。
【0045】
【数12】
T/τLP1 ≦exp(αT/τLP2 ) ・・・・(12)
【0046】
式(12)において、α=1/10のときは次式が成立する。
【0047】
【数13】
τLP1 ≒τLP2 ≦35.8 ・・・・(13)
【0048】
例えば、
T=64μsecの場合、τLP1 ≦1.8μsec
T=10μsecの場合、τLP1 ≦280nsec
となる。
【0049】
式(1)より、ノイズ電圧△VNOISE _LPの値を小さくするためには、時定数τLP1 の値をある程度大きくする必要がある。しかしその場合、逆に式(11)を満足させることが困難になってしまう。
すなわち、ノイズの影響を低減するためにロウパスフィルタ104の時定数τLP1 を大きくすると、基準クロック信号φREFの立ち下がり後も制御電圧の変化が続いて、基準クロック信号φREFの立ち下がりエッジで行なわれる位相補正の効果が低減してしまうという問題が発生する。
【0050】
なお、時定数τLP1 が周期Tに比べて十分小さい場合、鈍った電圧波形S1LPの面積は、おおむね次式で与えられる。
【0051】
【数14】
【0052】
上式より、鈍った電圧波形S1LP の面積は、ロウパスフィルタ104が無い場合のラグリードフィルタの矩形のリードパルスの面積と一致することが分かる。
【0053】
次に、ラグリードフィルタを用いた従来のPLL回路の第2の形態について説明する。
図13は、ラグリードフィルタを用いた従来のPLL回路の第2の形態を示す構成図である。
図11と図13の同一符号は同一の構成要素を示す。その他、図13に示すPLL回路は、バイアス回路7、キャパシタCPB、およびキャパシタCNBを有する。
【0054】
第2の形態の第1の形態に対する違いは、ラグリードフィルタ103と電圧制御発振器105の間に、ロウパスフィルタ104の代わりにバイアス回路107が挿入されている点にある。
バイアス回路107は、ラグリードフィルタ103の出力電圧FILを受けて、バイアス電圧NBIASおよびバイアス電圧PBIASを発生し、これを電圧制御発振器105に出力する。バイアス回路は、例えば、カレントミラー回路の組合せなどで構成されている。
【0055】
ここで、バイアス回路107と電圧制御発振器105について説明する。
図15は、電圧制御発振器の回路例を示す図である。
図15に示す電圧制御発振器は、遅延ブロック51−1〜遅延ブロック51−n、およびNAND回路56を有する。
また、遅延ブロック51−1〜遅延ブロック51−nは、pMOSトランジスタQp50、pMOSトランジスタQp51、nMOSトランジスタQn50、およびnMOSトランジスタQn51からなる2段のインバータ型の遅延段をそれぞれ有するとともに、出力バッファBUFをそれぞれ有する。
【0056】
pMOSトランジスタQp51とnMOSトランジスタQn50は、互いに接続されたゲートに前段からの信号を入力し、互いに接続されたドレインから次段に信号を出力する。pMOSトランジスタQp51のソースは、pMOSトランジスタQp50のドレインとソースを介して電源ラインVddに接続され、nMOSトランジスタQn50のソースは、nMOSトランジスタQn51のドレインとソースを介して接地ラインに接続される。pMOSトランジスタQp50のゲートにはバイアス電圧PBIASが印加されており、nMOSトランジスタQn51のゲートにはバイアス電圧NBIASが印加される。
各遅延ブロックにおいて、このインバータ型遅延段が2段縦続接続されており、遅延ブロックの出力には出力バッファBUFが挿入されている。
【0057】
図15の回路例に示すように、電圧制御発振器105を構成する各遅延ブロックは、例えば、バイアス電圧PBIASによって制御される電源ライン側の電流源トランジスタ(pMOSトランジスタQp50)と、バイアス電圧NBIASによって制御される接地ライン側の電流源トランジスタ(nMOSトランジスタQn51)とを設けたインバータ型の遅延段2段と、バッファ用のインバータ1段(出力バッファBUF)で構成される。
信号PWONがハイレベルに設定されると、NAND回路56によるゲートが導通して縦続接続された遅延ブロックの終段からの信号が初段に帰還されて発振が開始される。このとき、各遅延ブロックからはクロック信号φ{0 }〜クロック信号φ{π}が出力される。
【0058】
図16は、バイアス回路の回路例を示す図である。
図16に示すバイアス回路は、pMOSトランジスタQp101、pMOSトランジスタQp102、nMOSトランジスタQn101、およびnMOSトランジスタQn102を有する。
【0059】
nMOSトランジスタQn101は、ゲートに電圧FILを受けており、ソースが接地ラインに接続され、ドレインがpMOSトランジスタQp101のドレインに接続される。
pMOSトランジスタQp101は、ソースが電源ラインVddに接続され、ゲートが自身のドレインに接続されているとともに、このゲートからバイアス電圧PBIASを出力する。
pMOSトランジスタQp102は、ゲートにバイアス電圧PBIASを受けており、ソースが電源ラインVddに接続され、ドレインがnMOSトランジスタQn102のドレインに接続される。
nMOSトランジスタQn102は、ソースが接地ラインに接続され、ゲートが自身のドレインに接続されるとともに、このゲートからバイアス電圧NBIASを出力する。
【0060】
図16の例に示すカレントミラー型のバイアス回路は、例えば、電圧FILが入力される第1のカレントミラー回路(nMOSトランジスタQn101およびpMOSトランジスタQp101)によりバイアス電圧PBIASを発生し、さらにこのバイアス電圧PBIASが入力される第2のカレントミラー回路(pMOSトランジスタQp102およびnMOSトランジスタQn102)によりバイアス電圧NBIASを発生する。
【0061】
図16に示すバイアス回路によって発生したバイアス電圧を電圧制御発振器5に供給することにより、ラグリードフィルタ103の出力電圧FILが変化しても、バイアス電圧PBIASに応じて制御される電源ライン側の電流源トランジスタ(pMOSトランジスタQp50)に流れる電流と、バイアス電圧NBIASに応じて制御される接地ライン側の電流源トランジスタ(nMOSトランジスタQn51)に流れる電流とが、おおむね釣り合うように制御される。また、標準的な条件においては、各々のインバータ型の遅延段の出力立ち上がり時の遅延時間と出力立ち下がり時の遅延時間は、電圧FILが多少変化しても同じように釣り合って変化する。さらに、バッファ用のインバータについても立ち上がりの遅延時間と立ち下がりの遅延時間が釣り合うようにpMOSとnMOSのトランジスタサイズの比が決められている。したがって、電圧FILの変動や、プロセスのばらつき、電源電圧の変動などによって、電圧制御発振器105から出力されるクロック信号のデューティーがばらつくのを防止できる。
【0062】
ところで、上述したバイアス回路107に大きな消費電力を注入すると、PLL回路全体の消費電力がますます増大してしまうため、通常バイアス回路107の消費電力は電圧制御発振器105の消費電力よりも低く抑えられる。このため、バイアス回路107の出力抵抗RNBO および出力抵抗RPBO は、比較的大きな値を持つことになる。
【0063】
一方、電圧制御発振器が動作しているときには、バイアス電圧NBIASやバイアス電圧PBIASが入力する遅延段を構成する電流源トランジスタや、あるいは、分岐トランジスタのゲート容量を介して、各遅延段の出力電圧の変化が伝播してくる。このため、バイアス回路の出力抵抗RNBO および出力抵抗RPBO が比較的大きな値を持つ場合には、電圧制御発振器の発振周波数対制御電圧の特性がずれてしまったり、バイアス回路の出力がノイズに負けて発振してしまったりすることがある(特開平11−27106『電圧制御発振回路』参照)。
【0064】
このような問題を消費電力を増やさずに防止するため、図13に示すように、バイアス回路107の出力と電源ラインあるいは接地ラインの間にキャパシタCNBやキャパシタCPBを設けて、バイアス電圧NBIASやバイアス電圧PBIASを安定化させることが、経験的に行なわれている。
【0065】
遅延段が動作するときに電流源トランジスタのドレイン電圧が中間電圧まで変化する、すなわち電源電圧Vdd/2だけ変化することで、電流源トランジスタのゲート下の電圧が変化すると仮定すると、安定化のためのキャパシタを設けない場合、ゲート電圧にのる発振振幅△VOSC は、電圧制御発振器105の遅延段を構成する電流源トランジスタのゲート容量Cg 、および遅延段の段数Nにより次式のよう表される。
【0066】
【数15】
△VOSC ≒{(Cg /2)/(N×Cg )}×(Vdd/2)
≒Vdd/4N ・・・・・・・・(15)
【0067】
例えば電源電圧Vddが3.3Vで、遅延段の段数Nが17の場合、ゲート電圧にのる発振振幅△VOSC は約50mVとなる。この値は電圧制御発振器5の制御電圧に求められる精度よりも約3桁大きな値である。
また、制御電圧安定化のためのキャパシタCBOを設けた場合は、次式のようになる。
【0068】
【数16】
△VOSC ≒{(Cg /2)/(N×Cg +CBO)}×(Vdd/2)
≒(Cg /4CBO)×Vdd ・・・・・・・・・(16)
【0069】
ゲート容量Cg は数+fFであるので、キャパシタCBOを10pF程度とすると発振振幅△VOSC は数百μVとなり、電圧制御発振器105の制御電圧に求められる精度よりも約1桁大きな値まで低減される。
【0070】
図14は、従来のPLL回路の第2の形態の動作を説明するための波形図である。
図14の波形図(A)は、基準クロック信号φREFの波形を示す。
図14の波形図(B)は、分周器106の出力信号NOUT の波形を示す。
図14の波形図(C)は、位相比較器101のアップ信号/UPの波形を示す。
図14の波形図(D)は、位相比較器101のダウン信号DOWNの波形を示す。
図14の波形図(E)は、ラグリードフィルタ103の出力電圧FILの波形を示す。
図14の波形図(F)は、バイアス電圧PBIASの波形を示す。
図14の波形図(G)は、バイアス電圧NBIASの波形を示す。
【0071】
アップ信号/UPあるいはダウン信号DOWNが発生している△tの期間、チャージポンプ回路102の出力電流ICPは、ラグリードフィルタ103の抵抗RF1を通して、ラグリードフィルタ103のキャパシタCF1を充放電する。ラグリードフィルタ103の出力電圧FILには、抵抗RF1に電流ICPが流れることにより矩形のパルス電圧波形S1 が発生し、キャパシタCF1にICP×△tの電荷が充放電されて保存されることにより時間軸に沿って平坦な電圧波形S2 が発生する。
【0072】
ラグリードフィルタ103の出力電圧FILにおける電圧波形S1 の電圧変化△V1 、電圧S2 の電圧変化△V2 は次式で表される。
【0073】
【数17】
△V1 =ICP×RF1 ・・・・(17)
【0074】
【数18】
△V2 =(ICP×△t)/CF1 ・・・・(18)
【0075】
また、電圧波形S1 の面積ZS1 、電圧波形S2 の面積ZS2 は次式で表される。
【0076】
【数19】
ZS1 =△V1 ×△t ・・・(19)
【0077】
【数20】
ZS2 ≒△V2 ×T ・・・(20)
【0078】
ここで、面積ZS1 と面積ZS2 の和(ZS1 +ZS2 )は位相引込に関与し、面積ZS2 は周波数変動(引込)に関与する。例えば、周波数変動が位相引込の2分の1となるように設計した場合、面積ZS1FILと面積ZS2FILがほぼ等しくなるので次式が成立する。
【0079】
【数21】
△V2 ≒△V1 ×(△t/T) ・・・・(21)
【0080】
期間△tは周期Tに比べて十分小さいので、電圧△V2 は電圧△V1 に比べて十分小さくなる。
【0081】
バイアス回路107の出力であるバイアス電圧NBIASには、鈍った矩形波の電圧波形S1NB と、平坦な電圧波形S2NB が発生する。電圧波形S1NB は、電圧FILの矩形のパルス波形がキャパシタCNBによって鈍ったものであり、バイアス回路107の出力抵抗RNBO と電圧安定化のためのキャパシタCNBによる時定数で指数関数的に増減する。電圧波形S2NB は電圧波形S2 に対応した波形である。
ここでは説明を簡単にするためバイアス回路107のゲインが1倍の場合について説明する。指数関数的に増減する鈍ったパルス電圧波形S1NB の立ち上がり波形は次式のように近似される。
【0082】
【数22】
△V1NB (t)=△V1 ×{1−exp(−t/τNB)}
≒△V1 ×(t/τNB) ・・・・・・(22)
ただし、τNB=CNB×RNBO
【0083】
したがって、ピーク電圧△V1NB は次式のように表される。
【0084】
【数23】
△V1NB ≒△V1 ×(△t/τNB) ・・・・・(23)
【0085】
一方、鈍った電圧波形S1NB の立ち下がり波形は次式のように近似される。
【0086】
【数24】
△V1NB (t)=(△V1NB ―△V2 )×exp(−t/τNB)+△V2
≒△V1NB ×exp(−t/τNB) ・・・・・・(24)
【0087】
基準クロック信号φREFの立ち下がりエッジ、すなわち、時刻t=αT(≒T/10)において、電圧波形S1NB が指数関数的に減衰した電圧は次式のように表される。
【0088】
【数25】
△V1NB (αT)≒△V1NB ×exp{−(αT)/τNB}
≒△V1 ×(△t/τNB)×exp{−(αT)/τNB}
・・・・・・(25)
【0089】
画面表示や文字表示を行なうためには、基準クロック信号φREFの立ち下がりエッジ、すなわち、画面の左端において、電圧波形S1NB の電圧は十分減衰していなければならないので、次式を満足することが設計の目安となる。
【0090】
【数26】
△V1NB (αT)≦△V2 ・・・・(26)
【0091】
式(25)と式(21)を式(26)に代入して変形することにより次式が得られる
【0092】
【数27】
T/τNB≦exp(αT/τNB) ・・・・(27)
【0093】
したがって、第1の形態における式(12)と同じような関係式が得られる。α=1/10のとき、次式が成立する。
【0094】
【数28】
τNB≦T/35.8 ・・・・・(28)
【0095】
ところで、第2の形態のようにバイアス回路107においてバイアス電圧NBIASとバイアス電圧PBIASが生成される場合、図16の回路例において示すように、片方のバイアス電圧を受けて、もう一方のバイアス電圧が生成されることが良くおこなわれている。図14の波形図は、バイアス電圧NBIASを受けてバイアス電圧PBIASを発生させた場合のものである。
【0096】
この場合、バイアス電圧PBIASの波形は、バイアス電圧NBIASの鈍ったパルス波形S1NB が反転されて更に鈍った電圧波形S1PB と、バイアス電圧NBIASの平坦な電圧波形S2NB に対応した平坦な電圧波形S2PNBとが合成された波形を有している。
【0097】
ここで説明を分かりやすくするためにバイアス電圧PBIASは反転していないものとし、『立ち下がり』と『立ち上がり』という言葉を入れ替えて以下の説明を行なう。
【0098】
指数関数的に増減する非常に鈍った波形S1PB の立ち上がり波形は、最初のうちはバイアス電圧NBIASのピーク電圧△V1NB に向かって立ち上がるので、次式のように近似される。
【0099】
【数29】
|△V1PB (t)|≒△V1NB ×{1−exp(−t/τPB1 )}
・・・・(29)
ただし、τPB1 =CPB×RPB0
【0100】
しかしながら、バイアス電圧NBIASの電圧が次第に減少してくるので、バイアス電圧PBIASの電圧変化は次第に頭打ちになり、時定数τNB≒τPB1 の場合、時刻t≒τNB付近において、バイアス電圧NBIASとバイアス電圧PBIASがクロスし、そのとき、バイアス電圧PBIASはピーク電圧△V1PB になる。すなわち、時刻t≒τNB付近において電圧△V1NB (τNB)=△V1NB (0)/eであるから、バイアス電圧PBIASの電圧変化△V1PB は次式のように表される。
【0101】
【数30】
|△V1PB (t)|≒△V1NB /e ・・・・(30)
【0102】
バイアス電圧PBIASがピークから下がり始めたときの電圧波形S1PB は、おおむね次式のように近似される。
【0103】
【数31】
|△V1PB (t)|≒|△V1PB |×exp{−(t−τPB2 )/τPB2 }
≒△V1NB ×exp(−t/τPB2 ) ・・・(31)
ただし、τPB2 ≒√e×τPB1 ≒√e×CPB×RPB0
【0104】
さらに、電圧波形S1PB が裾を引いた部分の波形は、おおむね次式のように近似される。
【0105】
【数32】
|△V1PB (t)|
≒△V1NB ×[exp(-t/τNB) +exp {-t/√( τNB2 +τPB12) }]
≒△V1NB ×[ exp(-t/ τNB) +exp {-t/( √2×τPB1)}]
・・・・(32)
【0106】
画面表示や文字表示を行なうためには、基準クロック信号φREFの立ち下がりエッジ、すなわち、画面の左端において、非常に鈍った電圧波形S1PB が十分減衰していなければならないので、次式を満足することが設計の目安となる。
【0107】
【数33】
△V1PB (αT)≦△V2 ・・・・(33)
【0108】
時定数τNB≒τPB1 ≒τB0として、式(32)と式(21)を式(33)に代入して変形することにより次式が得られる。
【0109】
【数34】
T/τB0≦1/[exp( −αT/τB0) +exp {−αT/(√2×τB0)}]
・・・・(34)
【0110】
したがって、第1の形態における式(12)と同じような関係式が得られ、α=1/10のとき次式が成立する。
【0111】
【数35】
τB0≦T/60.2 ・・・・(35)
【0112】
式(35)において例えば、
T=64μsecの場合、τB0≦1.06μsec
T=10μsecの場合、τB0≦166nsec
となる。
【0113】
バイアス回路107の消費電力を低減させるために、バイアス回路107の出力抵抗RNB0 や出力抵抗RPB0 の値を大きく設定すると、時定数τB0の値も大きくなり、式(33)を満足させることが困難になってしまう。すなわち、基準クロック信号φREFの立ち下がり後もバイアス電圧の変動が続いて、基準クロック信号φREFの立ち下がりエッジで行なわれる位相補正の効果が低減してしまうという問題が発生する。
【0114】
式(11)や式(33)を満足するように設計することは、標準状態ではあまり問題とならないが、電源電圧や温度、プロセスのばらつきを考慮すると、例えば2倍程度のマージンをさらに確保する必要があるので、簡単なことではない。また、図示はしないが、ロウパスフィルタ104とバイアス回路107の両方によって電圧制御発振器105の入力電圧波形に2重の鈍りが起こる場合には、この問題がさらに強く現れることは言うまでもない。
【0115】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ノイズによる周波数変動を低減できるとともに、基準クロック信号の周期毎に行われる位相引き込み動作後の周波数変動を低減できる位相同期ループ回路および遅延同期ループ回路を提供することにある。
【0116】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明の位相同期ループ回路は、基準信号に対する帰還信号の進み位相または遅れ位相の大きさを検出し、上記進み位相の大きさに応じたパルス幅を有する進み位相信号、または上記遅れ位相の大きさに応じたパルス幅を有する遅れ位相信号を出力する位相比較手段と、パルス振幅調節信号に応じて、上記進み位相信号および上記遅れ位相信号のパルス振幅を調節するパルス制御回路と、上記パルス制御回路から出力された上記進み位相信号または上記遅れ位相信号を平滑した制御信号を出力する平滑手段と、上記パルス制御回路から出力された上記進み位相信号または上記遅れ位相信号を上記平滑手段から出力された制御信号に重畳する重畳手段と、上記重畳手段により信号を重畳された制御信号を受けて、当該制御信号に応じた周波数を有する上記帰還信号を上記位相比較手段に出力する発振回路とを有する。
【0117】
また、上記重畳手段は、一方の端子に上記進み位相信号または上記遅れ位相信号を受け、他方の端子が上記平滑手段の上記制御信号の出力ラインに接続されたキャパシタを含む。
【0118】
上記の構成を有する位相同期ループ回路によれば、上記位相比較手段において、上記基準クロック信号に対する上記帰還信号の進み位相または遅れ位相の大きさが検出され、上記進み位相の大きさに応じたパルス幅を有する進み位相信号、または上記遅れ位相の大きさに応じたパルス幅を有する遅れ位相信号が出力される。
上記平滑手段の上記電流出力手段において、上記進み位相信号に応じた電流、または上記遅れ位相信号に応じた電流が出力され、上記直列回路に流れる当該出力電流に応じた電圧が、上記ノイズフィルタに入力される。上記ノイズフィルタにおいて、上記直列回路の電圧に含まれるノイズ成分を除去した上記制御信号が出力される。
上記制御信号は、上記重畳手段のキャパシタを介して上記進み位相信号または上記遅れ位相信号が重畳されて上記発振回路に入力される。そして上記発振回路において、入力された上記制御信号に応じた周波数を有する上記帰還信号が出力される。
【0119】
本発明の位相同期ループ回路は、基準信号に対する帰還信号の進み位相および遅れ位相の大きさを検出し、上記進み位相の大きさに応じたパルス幅を有する進み位相信号、または上記遅れ位相の大きさに応じたパルス幅を有する遅れ位相信号を出力する位相比較手段と、パルス振幅調節信号に応じて、上記進み位相信号および上記遅れ位相信号のパルス振幅を調節するパルス制御回路と、上記パルス制御回路から出力された上記進み位相信号または上記遅れ位相信号を平滑した制御信号を出力する平滑手段と、上記平滑手段の出力に接続され、上記制御信号に応じて該制御信号と同位相のパルス波形の第1のバイアス信号および上記制御信号と逆位相のパルス波形の第2のバイアス信号を出力するバイアス信号生成手段と、上記第1のバイアス信号および上記第2のバイアス信号に含まれるノイズ成分を除去するノイズフィルタと、上記第1のバイアス信号に、上記パルス制御回路から出力された上記進み位相信号または上記遅れ位相信号を重畳する第1の重畳手段と、上記第2のバイアス信号に、上記パルス制御回路から出力された上記進み位相信号または上記遅れ位相信号を重畳する第2の重畳手段と、上記第1の重畳手段により信号を重畳された上記第1のバイアス信号に応じて可変される第1の電流と、上記第2の重畳手段により信号を重畳された上記第2のバイアス信号に応じて可変される第2の電流とが供給されてトランジスタの制御電圧が可変され、発振信号のパルスの遅延量を可変して出力する複数の遅延段を含み、終段の上記遅延段の出力信号を初段の上記遅延段の入力に帰還させ、一の上記遅延段の出力信号を上記帰還信号として上記位相比較手段に出力する発振回路とを有する。
【0120】
また、上記第1の重畳手段は、一方の端子に上記進み位相信号または上記遅れ位相信号を受けて、他方の端子が上記バイアス信号生成手段の上記第1のバイアス信号の出力ラインに接続されたキャパシタを含む。上記第2の重畳手段は、一方の端子に上記進み位相信号または上記遅れ位相信号を受けて、他方の端子が上記平滑手段の上記第2のバイアス信号の出力ラインに接続されたキャパシタを含む。上記平滑手段は、上記進み位相信号に応じた電流、上記遅れ位相信号に応じた電流を出力する電流出力手段と、上記電流出力手段の出力電流を受ける抵抗とキャパシタとの直列回路とを含む。上記バイアス信号生成手段は、上記直列回路の出力電圧に応じて上記同位相のパルス波形の第1のバイアス信号および上記逆位相のパルス波形の第2のバイアス信号を生成する。
【0121】
上記の構成を有する位相同期ループ回路によれば、上記位相比較手段において、上記基準信号に対する上記帰還信号の進み位相または遅れ位相の大きさが検出され、上記進み位相の大きさに応じたパルス幅を有する進み位相信号、または上記遅れ位相の大きさに応じたパルス幅を有する遅れ位相信号が出力される。上記平滑手段の上記電流出力手段において、上記進み位相信号に応じた電流、または上記遅れ位相信号に応じた電流が出力され、上記電流出力手段の出力電流を受ける上記直列回路の出力電圧に応じた上記同位相のパルス波形の第1のバイアス信号および上記逆位相のパルス波形の第2のバイアス信号が、上記バイアス信号生成手段において生成される。上記ノイズフィルタにおいてノイズ成分が除去された上記第1のバイアス信号は、上記第1の重畳手段のキャパシタを介して上記進み位相信号または上記遅れ位相信号を重畳されて上記発振回路に入力される。上記ノイズフィルタにおいてノイズ成分が除去された上記第2のバイアス信号は、上記第2の重畳手段のキャパシタを介して上記進み位相信号または上記遅れ位相信号を重畳されて、上記発振回路に入力される。上記発振回路の遅延段においては、上記第1のバイアス信号に応じて可変される第1の電流と、上記第2のバイアス信号に応じて可変される第2の電流とが、入力信号のレベルに応じて切り換えて出力される。この遅延段の終段の出力信号が初段の上記遅延段の入力に帰還されることにより発振が起こる。この遅延段のうちの一の上記遅延段の出力信号が、上記帰還信号として出力される。
【0122】
本発明の遅延同期ループ回路は、基準信号に対する帰還信号の進み位相または遅れ位相の大きさを検出し、上記進み位相の大きさに応じたパルス幅を有する進み位相信号、または上記遅れ位相の大きさに応じたパルス幅を有する遅れ位相信号を出力する位相比較手段と、パルス振幅調節信号に応じて、上記進み位相信号および上記遅れ位相信号のパルス振幅を調節するパルス制御回路と、上記パルス制御回路から出力された上記進み位相信号または上記遅れ位相信号を平滑した制御信号を出力する平滑手段と、上記パルス制御回路から出力された上記進み位相信号または上記遅れ位相信号を上記平滑手段から出力された制御信号に重畳する重畳手段と、上記重畳手段により信号を重畳された制御信号および上記基準信号を受けて、上記基準信号に対して当該制御信号に応じた遅延を有する上記帰還信号を上記位相比較手段に出力する遅延回路とを有する。
【0123】
また、上記重畳手段は、一方の端子に上記進み位相信号または上記遅れ位相信号を受け、他方の端子が上記平滑手段の上記制御信号の出力ラインに接続されたキャパシタを含む。
【0124】
上記の構成を有する遅延同期ループ回路によれば、上記位相比較手段において、上記基準クロック信号に対する上記帰還信号の進み位相または遅れ位相の大きさが検出され、上記進み位相の大きさに応じたパルス幅を有する進み位相信号、または上記遅れ位相の大きさに応じたパルス幅を有する遅れ位相信号が出力される。
上記平滑手段の上記電流出力手段において、上記進み位相信号に応じた電流、または上記遅れ位相信号に応じた電流が出力され、上記直列回路に流れる当該出力電流に応じた電圧が、上記ノイズフィルタに入力される。上記ノイズフィルタにおいて、上記直列回路の電圧に含まれるノイズ成分を除去した上記制御信号が出力される。
上記制御信号は、上記重畳手段のキャパシタを介して上記進み位相信号または上記遅れ位相信号が重畳されて上記遅延回路に入力される。そして上記遅延回路において、入力された上記制御信号に応じた遅延を有する上記帰還信号が出力される。
【0125】
本発明の遅延同期ループ回路は、基準信号に対する帰還信号の進み位相および遅れ位相の大きさを検出し、上記進み位相の大きさに応じたパルス幅を有する進み位相信号、または上記遅れ位相の大きさに応じたパルス幅を有する遅れ位相信号を出力する位相比較手段と、パルス振幅調節信号に応じて、上記進み位相信号および上記遅れ位相信号のパルス振幅を調節するパルス制御回路と、上記パルス制御回路から出力された上記進み位相信号または上記遅れ位相信号を平滑した制御信号を出力する平滑手段と、上記平滑手段の出力に接続され、上記制御信号に応じて該制御信号と同位相のパルス波形の第1のバイアス信号および上記制御信号と逆位相のパルス波形の第2のバイアス信号を出力するバイアス信号生成手段と、上記第1のバイアス信号および上記第2のバイアス信号に含まれるノイズ成分を除去するノイズフィルタと、上記第1のバイアス信号に、上記パルス制御回路から出力された上記進み位相信号または上記遅れ位相信号を重畳する第1の重畳手段と、上記第2のバイアス信号に、上記パルス制御回路から出力された上記進み位相信号または上記遅れ位相信号を重畳する第2の重畳手段と、上記第1の重畳手段により信号を重畳された上記第1のバイアス信号に応じて可変される第1の電流と、上記第2の重畳手段により信号を重畳された上記第2のバイアス信号に応じて可変される第2の電流とが供給されてトランジスタの制御電圧が可変され、発振信号のパルスの遅延量を可変して出力する複数の遅延段を含み、上記基準信号を上記遅延段の初段に入力し、一の上記遅延段の出力信号を上記帰還信号として上記位相比較手段に出力する遅延回路とを有する。
【0126】
また、上記第1の重畳手段は、一方の端子に上記進み位相信号または上記遅れ位相信号を受けて、他方の端子が上記バイアス信号生成手段の上記第1のバイアス信号の出力ラインに接続されたキャパシタを含む。上記第2の重畳手段は、一方の端子に上記進み位相信号または上記遅れ位相信号を受けて、他方の端子が上記平滑手段の上記第2のバイアス信号の出力ラインに接続されたキャパシタを含む。
【0127】
上記の構成を有する位相同期ループ回路によれば、上記位相比較手段において、上記基準信号に対する上記帰還信号の進み位相または遅れ位相の大きさが検出され、上記進み位相の大きさに応じたパルス幅を有する進み位相信号、または上記遅れ位相の大きさに応じたパルス幅を有する遅れ位相信号が出力される。
上記平滑手段の上記電流出力手段において、上記進み位相信号に応じた電流、または上記遅れ位相信号に応じた電流が出力され、上記電流出力手段の出力電流を受ける上記直列回路の電圧に応じた上記第1のバイアス信号および上記第2のバイアス信号が、上記バイアス信号生成手段において生成される。
上記ノイズフィルタにおいてノイズ成分が除去された上記第1のバイアス信号は、上記第1の重畳手段のキャパシタを介して上記進み位相信号または上記遅れ位相信号を重畳されて上記遅延回路に入力される。上記ノイズフィルタにおいてノイズ成分が除去された上記第2のバイアス信号は、上記第2の重畳手段のキャパシタを介して上記進み位相信号または上記遅れ位相信号を重畳されて、上記遅延回路に入力される。
上記遅延回路の遅延段においては、上記第1のバイアス信号に応じて可変される第1の電流と、上記第2のバイアス信号に応じて可変される第2の電流とが、入力信号のレベルに応じて切り換えて出力される。この遅延段の初段に上記基準クロック信号が入力され、一の上記遅延段の出力信号が、上記帰還信号として出力される。
【0128】
【発明の実施の形態】
<第1の実施形態>
図1は、本発明のPLL回路の第1の実施形態を示す構成図である。
図1に示すPLL回路は、位相比較器1、チャージポンプ回路2、ラグリードフィルタ3、ロウパスフィルタ4、電圧制御発振器5、分周器6、キャパシタCU 、およびキャパシタCD を有する。
【0129】
位相比較器1は、基準クロック信号φREFと分周器6の出力信号NOUT との位相を比較し、この比較結果に応じたアップ信号UP、およびこの反転信号であるアップ信号/UP、ならびにダウン信号DOWN、およびこの反転信号であるダウン信号/DOWNを出力する。
【0130】
チャージポンプ回路2は、位相比較器1からのアップ信号/UPおよびダウン信号DOWNを受けて充放電電流ICPをラグリードフィルタ3に出力する。
【0131】
ラグリードフィルタ3は、例えばチャージポンプ回路2の出力と接地ラインとの間に直列接続された抵抗RF1とキャパシタCF1とにより構成されており、充放電電流ICPを受けて発生する直列回路の電圧FILを、ロウパスフィルタ4に出力する。
【0132】
ロウパスフィルタ4は、例えばチャージポンプ回路2の出力と接地ラインとの間に直列接続された抵抗RLPとキャパシタCLPとにより構成されており、ラグリードフィルタ3の電圧FILを受けて、これに応じたキャパシタCLPの電圧LPOを電圧制御発振器5に出力する。
【0133】
電圧制御発振器5は、ロウパスフィルタ4の出力電圧LPOを受けて、これに応じた周波数を有する信号φVCOを出力する。
分周器6は、電圧制御発振器5の出力信号φVCOを所定の分周比で分周した信号NOUT を位相比較器1に出力する。
【0134】
キャパシタCU およびキャパシタCD は、位相比較器1によるアップ信号UPおよびダウン信号/DOWNをロウパスフィルタ4の出力電圧に重畳する。
【0135】
図1に示す本発明のPLL回路と図9に示す従来のPLL回路との相違点は、図1のPLL回路において、ロウパスフィルタ4の出力ラインにキャパシタCUとキャパシタCD を設けて、これらのキャパシタに位相比較器1の出力であるアップ信号UPとダウン信号/DOWNのパルスを入力させ、ロウパスフィルタ4のキャパシタCLPとこれらのキャパシタとの容量の分圧比によって、電圧制御発振器5の入力に矩形のパルス波形を発生させている点にある。
【0136】
図2は、本発明のPLL回路の第1の実施形態の動作を説明するための波形図である。
図2の波形図(A)は、基準クロック信号φREFの波形を示す。
図2の波形図(B)は、分周器6の出力信号NOUT の波形を示す。
図2の波形図(C)は、位相比較器1のアップ信号/UPの波形を示す。
図2の波形図(D)は、位相比較器1のダウン信号DOWNの波形を示す。
図2の波形図(E)は、ラグリードフィルタ3の出力電圧FILの波形を示す。
図2の波形図(F)は、位相比較器1のアップ信号UPの波形を示す。
図2の波形図(G)は、位相比較器1のダウン信号/DOWNの波形を示す。
図2の波形図(H)は、ロウパスフィルタ4の出力電圧VCNT の波形を示す。
【0137】
位相比較器1において、基準クロック信号φREFの立ち上がりエッジと分周器6の出力信号NOUT の立ち下がりエッジのタイミングが比較され、基準クロック信号φREFの立ち上がりエッジに対して信号NOUT の立ち下がりエッジが遅れている場合には、ローレベルのパルス信号であるアップ信号/UPが出力される。また、信号NOUT の立ち下がりエッジが進んでいる場合にはハイレベルのパルス信号であるダウン信号DOWNが出力される。
【0138】
アップ信号/UPは、例えばチャージポンプ回路の図示しない電源ライン側のpチャンネル型MOSトランジスタのゲートに入力されており、アップ信号/UPにローレベルのパルス信号が入力されることによって、このpチャンネル型MOSトランジスタが導通し、ラグリードフィルタ3に充電電流ICPが供給される。
またダウン信号DOWNは、例えばチャージポンプ回路の図示しない接地ライン側のnチャンネル型MOSトランジスタのゲートに入力されており、ダウン信号DOWNにハイレベルのパルス信号が入力されることによって、このnチャンネル型MOSトランジスタが導通し、ラグリードフィルタ3に放電電流ICPが供給される。
チャージポンプ回路2から出力される充放電電流ICPによりラグリードフィルタ3の出力電圧FIL、およびロウパスフィルタ4の出力電圧VCNT が変化し、これによって電圧制御発振器5の発振周波数が上昇または低下する。
【0139】
アップ信号/UPあるいはダウン信号DOWNが発生している期間△tにおいて、チャージポンプ回路2の出力電流ICPは、ラグリードフィルタ3の抵抗RF1とロウパスフィルタ4の抵抗RLPを通して、ラグリードフィルタ3のキャパシタCF1とロウパスフィルタ4のキャパシタCLPを充放電する。ラグリードフィルタ3の出力電圧FILは、抵抗RF1と抵抗RLPの並列抵抗に電流ICPが流れることにより発生する矩形状の電圧波形S1 と、キャパシタCF1とキャパシタCLPの並列容量にICP×△tの電荷が充放電され保持されることにより発生する時間軸に沿って平坦な電圧波形S2 とが合成された波形となる。
【0140】
また、本発明の第1の実施形態においては、位相比較器1の出力パルスが、キャパシタCU およびキャパシタCD を介してロウパスフィルタ4の出力電圧に重畳されるため、従来の第1の実施形態に比較して、ロウパスフィルタ4の出力電圧FILにおけるパルス波形の鈍りを非常に小さくすることが可能である。
【0141】
キャパシタCU =CD =CACとおくと、位相比較器1の出力抵抗RBF0 により、ロウパスフィルタ4の出力電圧FILにおけるパルス波形S1VC の立ち上がり立ち下がり時間τACは次式のように表される。
【0142】
【数36】
τAC≒CAC×RBF0 ・・・・(36)
【0143】
一方、位相比較器1の出力振幅VB0により、キャパシタを介して伝わるパルス波形S1VC の電圧変化△V1AC は次式のように表される。
【0144】
【数37】
△V1AC ={CAC/(CLP+2CAC)}×VB0 ・・・・(37)
【0145】
例えば、位相比較器1の振幅VB0=電源電圧Vdd=2V〜3.6V、パルス波形S1VC の電圧変化△V1AC =0.1V〜0.2Vとすると、式(37)より、(CLP+2CAC)=10pFの場合、キャパシタCACは0.3pF〜1pFとなる。そこで、例えばキャパシタCAC=0.5pF、抵抗RBF0 =2.2KΩとすると、この場合式(36)より時定数τAC≒1.1nsとなる。
【0146】
位相比較器1の出力パルスが終わった後に残る電圧波形S1VC において裾を引いた部分の波形△Vtailは、次式のように近似される。
【0147】
【数38】
△Vtail(t)≒(△V1 −△V1AC )×exp(−t/τLP2 )
・・・・・・(38)
ただし、τLP2 =(CLP+2CAC)×(RLP+RF1)
【0148】
キャパシタCF1と電圧制御発振器5の接地点が異なることによるノイズは、時定数τLP2 のロウパスフィルタ4で低減され、さらに、標準条件あるいはワースト条件で△V1 =△V1AC になるように設計することにより、基準クロック信号φREFの立ち下がりエッジから裾を引いた部分の波形△Vtail(t)≒0とすることができる。これにより、基準クロック信号φREFの立ち下がりエッジの後におけるロウパスフィルタ4出力のパルス波形の電圧変化を、標準条件あるいはワースト条件で非常に小さくすることが可能である。
【0149】
ラグリードフィルタ3出力の電圧変化△V1 のばらつきは、主にチャージポンプ回路2の出力電流のばらつきにより、例えば−33%〜+50%程度に抑えることが可能である。また、ロウパスフィルタ4出力の電圧変化△V1AC のばらつきは、主に電源電圧のばらつきにより、例えば−10%〜+10%程度に抑えることが可能である。また、チャージポンプ回路2の出力電流が−33%の場合に電源電圧が−10%、チャージポンプ出力電流が+50%の場合に電源電圧が+10%であると考えて良いので、次式が成り立つ。
【0150】
【数39】
△Vtail=−0.23×△V1 〜0.4×△V1 ・・・・(39)
【0151】
すなわち、基準クロック信号φREFの立ち下がりエッジにおけるロウパスフィルタ4の出力でのパルス波形の電圧変化を、ばらつきを考慮しても、約1/3に小さくすることが可能である。
【0152】
<第2の実施形態>
図3は、本発明のPLL回路の第2の実施形態を示す構成図である。
図3に示すPLL回路は、位相比較器1、チャージポンプ回路2、ラグリードフィルタ3、バイアス回路7、電圧制御発振器5、分周器6、キャパシタCPB、キャパシタCNB、キャパシタCPU、キャパシタCPD、キャパシタCNU、およびキャパシタCNDを有する。
図3と図1の同一符号は同一の構成要素を示す。
【0153】
電圧制御発振器5は、例えば上述した図15に示す回路を有する。
またバイアス回路7は、例えば上述した図16に示す回路を有する。
【0154】
図3に示すの本発明のPLL回路と図13に示す従来のPLL回路との相違点は、図3のPLL回路において、バイアス電圧NBIASの出力ラインにキャパシタCNUとキャパシタCNDを設けて、位相比較器1の出力であるアップ信号UPとダウン信号/DOWNのパルスをこれらのキャパシタに入力させ、これらのキャパシタとキャパシタCNBとの容量の分圧比によりバイアス電圧NBIASにパルスを重畳させている点と、バイアス電圧PBIASの出力ラインにも同じようにキャパシタCPUとキャパシタCPDを設けて、アップ信号/UPとダウン信号DOWNのパルスをバイアス電圧PBIASに重畳させている点にある。
【0155】
図4は、本発明のPLL回路の第2の実施形態の動作を説明するための波形図である。
図4の波形図(A)は、基準クロック信号φREFの波形を示す。
図4の波形図(B)は、分周器6の出力信号NOUT の波形を示す。
図4の波形図(C)は、位相比較器1のアップ信号/UPの波形を示す。
図4の波形図(D)は、位相比較器1のダウン信号DOWNの波形を示す。
図4の波形図(E)は、ラグリードフィルタ3の出力電圧FILの波形を示す。
図4の波形図(F)は、バイアス電圧PBIASの波形を示す。
図4の波形図(G)は、バイアス電圧NBIASの波形を示す。
【0156】
本発明の第2の実施形態においては、位相比較器1の出力パルスが、キャパシタCNU、キャパシタCND、キャパシタCPU、およびキャパシタCPDを介して伝えられるため、従来の第2の形態に比較して、バイアス回路7の出力におけるパルス波形の鈍りを非常に小さくすることが可能である。
【0157】
位相比較器1の出力抵抗RBF0 がバイアス回路7の出力抵抗RNB0 および出力抵抗RPB0 に比べて十分小さく、またCNU=CND=CACあるいはCPU=CPD=CACとおくと、バイアス電圧NBIASのパルス波形S1NB およびバイアス電圧PBIASのパルス波形S1PB の立ち上がり立ち下がりの時間τACは、式(36)と同じ
τAC≒CAC×RBF0
で与えられる。
【0158】
一方、キャパシタを介して伝わるパルス波形S1NB の電圧変化△V1NAC、およびパルス波形S1PB の電圧変化△V1PACは、位相比較器1の出力振幅VB0により次式で表される。
【0159】
【数40】
△V1NAC={CAC/(CNB+2CAC)}×VB0 ・・・(40)
【0160】
【数41】
|△V1PAC|={CAC/(CPB+2CAC)}×VB0 ・・・(41)
【0161】
位相比較器1の出力パルスが終わった後に残るパルス波形S1NB の裾を引いた部分の波形△VtailN は、次式のように近似される。
【0162】
【数42】
△VtailN (t)≒(△V1 −△V1NAC)×exp(−t/τNB)
・・・・(42)
ただし、τNB=(CNB+2CAC)×RNB0
【0163】
また、位相比較器1の出力パルスが終わった後に残るパルス波形S1PB の裾を引いた部分の波形△VtailP は、次式のように近似される。
【0164】
【数43】
|△VtailP (t) |≒(△V1 −|△V1PAC|)×exp(−t /τPB)
・・・・(43)
【0165】
ここで、バイアス電圧PBIASにはバイアス電圧NBIASにおける波形の鈍りも影響するので、式(43)の時定数τPBは次式のように表される。
【0166】
【数44】
τPB≒k×(CPB+2CAC)×RPB0 ・・・・(44)
ただし、k=√e〜√2
【0167】
バイアス回路7のゲインが1倍の場合、好適には標準条件あるいはワースト条件で△V1 =△V1NAC=△V1PACになるように設計することで、バイアス回路7の出力においても、基準クロック信号φREFの立ち下がりエッジにおけるパルス波形の電圧変化を小さくすることができる。
【0168】
<第3の実施形態>
図5は、本発明のPLL回路の第3の実施形態を示す構成図である。
図5に示すPLL回路は、位相比較器1、チャージポンプ回路2、ラグフィルタ4、電圧制御発振器5、分周器6、キャパシタCU 、およびキャパシタCD を有する。
図5と図1の同一符号は同一の構成要素を示す。
【0169】
図1に示す本発明の第1の実施形態と図5に示す本発明の第3の実施形態との相違点は、図1のPLL回路においてロウパスフィルタ4とチャージポンプ回路2の間に挿入されていたラグリードフィルタ3が、図5のPLL回路において削除されている点にある。
【0170】
図5のPLL回路においては、ラグフィルタ(ロウパスフィルタ)4の出力に、キャパシタCU とキャパシタCD を設けて、これらのキャパシタを介して、位相比較器の出力であるアップ信号UPとダウン信号/DOWNのパルスをキャパシタCLPとの容量の分圧比で伝える。これにより、ラグフィルタ4の出力電圧VCNT には矩形のパルス波形が発生し、ラグリードフィルタと同様の動作する。本実施形態においては、位相比較器の出力パルスが終わった後に裾を引いた波形が残ることはほとんどなく、また、デュアルチャージポンプ回路方式のラグリードフィルタ(IEEE 1993 CUSTOM INTEGRATED CIRCUITS CONFERENCE 10.2.1図13参照)と同じように、パルス波形の電圧変化とキャパシタの充放電による電圧変化を独立して設計できるので、広い周波数領域の基準クロック信号φREFに対応したPLL回路を設計しやすい。
【0171】
また、電圧制御発振器5に入力されるパルス波形の電圧変化は式(37)で表現できるので、図1のPLL回路におけるラグリードフィルタ3において抵抗RF1に電流ICPが流れることにより矩形のパルス波形を発生させる方式よりも、ばらつきを小さくすることが可能である。
ただし、CU =CD =CAC:CLP≒1:20程度と考えられるので、ラグフィルタ4が半導体チップに内蔵されている場合でなければ適用が困難である。
【0172】
<第4の実施形態>
図6は、本発明のPLL回路の第4の実施形態を示す構成図である。
図6に示すPLL回路は、位相比較器1、チャージポンプ回路21、チャージポンプ回路22、ラグリードフィルタ3、ロウパスフィルタ4、電圧制御発振器5、分周器6、キャパシタCU 、およびキャパシタCD を有する。
図6と図1の同一符号は同一の構成要素を示す。
【0173】
図1に示した本発明の第1の実施形態と図6に示した本発明の第4の実施形態との相違点は、図6の発明例において、チャージポンプ回路を2つ設けてデュアルチャージポンプ回路方式をとっている点にある。デュアルチャージポンプ回路方式でも本発明の第1の実施形態と同じ効果が得られるのは言うまでもない。すなわち、基準クロック信号φREFの立ち下がりエッジの後におけるロウパスフィルタ4出力での電圧変化を小さくすることができる。
デュアルチャージポンプ回路方式をとっている場合は、広い周波数領域の基準クロック信号φREFに対応したPLL回路を設計しやすい。
【0174】
<第5の実施形態>
図7は、本発明のPLL回路の第5の実施形態を示す構成図である。
図7に示すPLL回路は、位相比較器1、チャージポンプ回路21、チャージポンプ回路22、ラグリードフィルタ3、バイアス回路7、電圧制御発振器5、分周器6、キャパシタCPB、キャパシタCNB、キャパシタCPU、キャパシタCPD、キャパシタCNU、およびキャパシタCNDキャパシタCU 、およびキャパシタCD を有する。
図7と図3の同一符号は同一の構成要素を示す。
【0175】
図3に示した本発明の第2の実施形態と図7に示した本発明の第5の実施形態との相違点は、図7の発明例において、チャージポンプ回路を2つ設けてデュアルチャージポンプ回路方式をとっている点にある。デュアルチャージポンプ回路方式でも本発明の第2の実施形態と同じ効果が得られるのは言うまでもない。すなわち、基準クロック信号φREFの立ち下がりエッジの後におけるバイアス回路7の出力の電圧変化を小さくすることが可能である。
デュアルチャージポンプ回路方式をとっている場合には、広い周波数領域の基準クロック信号φREFに対応したPLL回路を設計しやすい。
【0176】
<第6の実施形態>
図8は、本発明のPLL回路の第6の実施形態を示す構成図である。
図8に示すPLL回路は、位相比較器1、パルス制御回路8、チャージポンプ回路21、チャージポンプ回路22、ラグリードフィルタ3、ロウパスフィルタ4、バイアス回路7、電圧制御発振器5、分周器6、キャパシタCPB、キャパシタCPU、キャパシタCPD、キャパシタCNU、およびキャパシタCNDを有する。
図8と図7の同一符号は同一の構成要素を示す。
【0177】
図8に示す本発明の第6の実施形態と図7に示す本発明の第5の実施形態との相違点は、図8に示す本実施形態において、位相比較器1とチャージポンプ回路との間にパルス制御回路8が設けられて、チャージポンプ22の出力電流ICP2の大きさが電流選択信号SELICPn −1〜SELICP0 に応じて可変される点と、ラグリードフィルタ3とバイアス回路7との間にロウパスフィルタ4が設けられて、ロウパスフィルタ4の出力からバイアス信号が得られる点にある。
【0178】
本発明の第6の実施形態においては、半導体集積回路にしたときに広い周波数領域の基準クロック信号φREFに対応できるデュアルチャージポンプ回路方式が用いられている。チャージポンプ回路は、固定のチャージポンプ出力電流ICP1 を供給するチャージポンプ回路21と、可変のチャージポンプ出力電流ICP2を供給するチャージポンプ回路22とで構成される。
【0179】
ラグリードフィルタ3は、チャージポンプ回路21の出力電流ICP1 およびチャージポンプ回路22の出力電流ICP2 を受けて、矩形のパルス波形と平坦な電圧波形とが合成された波形を有する電圧を、ロウパスフィルタ4に出力する。チャージポンプ回路21の出力電流ICP1 がラグリードフィルタ3の抵抗RF1を流れるこにより、ラグリードフィルタ3の出力には矩形のパルス波形が発生する。また、抵抗RF1を流れる電流ICP1 とチャージポンプ回路22の出力電流ICP2 とがラグリードフィルタ3のキャパシタCF1を充放電することにより、ラグリードフィルタ3の出力には時間軸に沿って平坦な電圧波形が発生する。
基準クロック信号φREFの周期が画像表示用の水平同期信号のように長い場合、ラグリードフィルタ3のキャパシタCF1は大きな値になるので、キャパシタCF1は外付け部品となる。
【0180】
ロウパスフィルタ4は、ラグリードフィルタ3の出力電圧に含まれるノイズを低減させた電圧を、バイアス電圧NBIASとして電圧制御発振器5およびバイアス回路7に供給する。ロウパスフィルタ4は、好適には電圧制御発振器5と同じ半導体チップに内蔵されており、外付けのキャパシタCF1の接地点と電圧制御発振器5の接地点とが異なることで発生する電圧制御発振器5から見た制御電圧のノイズを除去する。
【0181】
バイアス回路7は、ロウパスフィルタ4の出力を受けて、好適には次式に示す基準電圧VL に対してバイアス電圧NBIASを反転させたバイアス電圧PBIASを生成し、これを電圧制御発振器5に供給する。ただし、Vthn は電圧制御発振器5の各遅延段において接地ライン側へ流れ込む電流を制御するnMOSトランジスタ(例えば図15のnMOSトランジスタQn51)のしきい値電圧を示し、Vthp は電圧制御発振器5の遅延段において電源ライン側から流れだす電流を制御するpMOSトランジスタ(例えば図15のpMOSトランジスタQp50)のしきい値電圧を示す。
【0182】
【数45】
VL ={(Vdd−Vthn −|Vthp |)/2+Vthn }
≒Vdd/2 ・・・・(45)
【0183】
ロウパスフィルタ4の出力にはキャパシタCNUおよびキャパシタCNDが接続され、これらのキャパシタにパルス制御回路8が出力するアップ信号UPn+1 およびダウン信号/DOWNn+1 が入力される。これによりバイアス電圧NBIASには、キャパシタCNUおよびキャパシタCNDとキャパシタCLPとの容量分圧比に応じたパルス波形が重畳される。
【0184】
バイアス回路7の出力にはキャパシタCPUおよびキャパシタCPDが接続され、これらのキャパシタにパルス制御回路8が出力するアップ信号/UPn+1 およびダウン信号DOWNn+1 が入力される。これによりバイアス電圧PBIASには、キャパシタCPUおよびキャパシタCPDとキャパシタCPBとの容量分圧比に応じたパルス波形が重畳される。
【0185】
パルス制御回路8は、位相比較器1のアップ信号UP、ダウン信号DOWNを受けて、アップ信号/UPn およびダウン信号DOWNn をチャージポンプ回路21に供給する。
【0186】
またパルス制御回路8は、例えば、基準クロック信号φREFの周波数に応じて、電流選択信号SELICPn-1 〜SELICP0 を設定し、それによって動作する組合せが変更できるアップ信号/UPn-1 〜アップ信号/UP0 、ダウン信号DOWNn-1 〜ダウン信号DOWN0 をチャージポンプ回路22に供給する。これにより、チャージポンプ回路22から出力される電流ICP2 の大きさが可変される。
例えば、基準クロック信号φREFの周波数よりも低い周波数のノイズが十分小さい場合には、PLL回路がロックした後にチャージポンプ回路22の出力電流ICP2 の値を小さくすることにより、ロック後の周波数ジッタを小さくすることが可能である。
【0187】
またパルス制御回路8は、位相比較器1のアップ信号UP、ダウン信号DOWNを受けてロウパスフィルタ4の出力に接続されたキャパシタCNUおよびキャパシタCNDにアップ信号UPn+1 およびダウン信号/DOWNn+1 を供給するとともに、バイアス回路7の出力に接続されたキャパシタCPUおよびキャパシタCPDにアップ信号/UPn+1 およびダウン信号DOWNn+1 を供給する。
【0188】
またパルス制御回路8は、モード選択信号SELMODm-1 〜モード選択信号SELMOD0 に応じて、キャパシタを駆動するアップ信号UPn+1 、アップ信号/UPn+1 、ダウン信号DOWNn+1 、ダウン信号/DOWNn+1 の出力を活性化または非活性化する。
例えば、PLL回路が画像表示や文字表示などの用途に使用される場合には、このモード選択信号によってキャパシタを駆動するアップ信号UPn+1 、アップ信号/UPn+1 、ダウン信号DOWNn+1 、ダウン信号/DOWNn+1 の出力を活性化させる。これにより、基準クロック信号φREFの立ち下がりエッジにおけるバイアス電圧NBIASやバイアス電圧PBIASのパルス波形の電圧変化を低減できる。
また、記録データ再生用などのサンプリングクロックに使用する場合には電圧制御発振器5に入力されるパルス波形を鈍らせないといけないので、モード選択信号によってキャパシタを駆動するこれらの信号の出力を非活性化させて使用できる。
すなわち、本発明の第6の実施形態によれば、モード選択信号によって設定を切り替えることにより、PLL回路を様々な用途に活用できる。
【0189】
またパルス制御回路8は、位相比較器1のアップ信号UP、ダウン信号DOWNを受けて、例えば、チャージポンプ回路の駆動信号やキャパシタの駆動信号の鈍り方に応じて、好適にはチャージポンプ回路出力で不感帯がゼロになるようにパルス幅の調整を行なう。
【0190】
またパルス制御回路8は、モード選択信号SELMODm-1 〜SELMOD0に応じて、例えば、キャパシタを駆動するアップ信号UPn+1 、アップ信号/UPn+1 、ダウン信号DOWNn+1 、およびダウン信号/DOWNn+1 のパルス幅や、チャージポンプ回路21を駆動するアップ信号/UPn およびダウン信号DOWNn のパルス幅、すなわち、電圧制御発振器5に入力される矩形波状のバイアス信号のパルス幅だけ伸縮させる。これにより、ロック後の位相ジッタの補正を強力にすることができる。
【0191】
またパルス制御回路8は、モード選択信号SELMODm-1 〜SELMOD0に応じて、例えば、PLL回路を搭載したLSIがスタンバイモードのとき、チャージポンプ回路21およびチャージポンプ回路22の出力に、バイアス回路7や電圧制御発振器5において貫通電流が流れないような電圧を強制的に出力するか、あるいは、強制的に出力を高インピーダンスにする。(バイアス回路7や電圧制御発振器5に貫通電流が流れないようにするためのスイッチング素子をできるだけ追加しなくても良いようにする。)このような機能を設けることで、システムの待機電力の低減に寄与できる。
【0192】
またパルス制御回路8は、モード選択信号SELMODm-1 〜SELMOD0に応じて、例えば、PLL回路を搭載したLSIをテストするときに、強制的にUP時あるいはDOWN時のチャージポンプ出力電流を流させたり、あるいは外部から電圧を供給して電圧制御発振器5のテストできるように出力を高インピーダンスにする。
このようなテスト機能を設けることで、チャージポンプ回路の出力電流と電圧制御発振器5との発振周波数対制御電圧の特性測定が容易になる。
【0193】
<第7の実施形態>
図9は、本発明のPLL回路の第7の実施形態を示す構成図である。
図9に示すPLL回路は、位相比較器1、パルス制御回路8、チャージポンプ回路21、チャージポンプ回路22、ラグリードフィルタ3、ロウパスフィルタ4、バイアス回路7、電圧制御発振器5、分周器6、キャパシタCPB、キャパシタCPU1 、キャパシタCPD1 、キャパシタCPU2 、キャパシタCPD2 、キャパシタCNU1 、キャパシタCND1 、キャパシタCNU2 、およびキャパシタCND2 を有する。
図9と図8の同一符号は同一の構成要素を示す。
【0194】
図8に示した本発明の第6の実施形態と図9に示した本発明の第7の実施形態の相違点は、第7の実施形態において、バイアス電圧NBIASおよびバイアス電圧PBIASにパルスを重畳するキャパシタが増えた点と、電流選択信号SELICPn が増えた点にある。
【0195】
バイアス回路7の出力には、キャパシタCPU1 、キャパシタCPD1 、キャパシタCPU2 およびキャパシタCPD2 が接続され、これらのキャパシタには、パルス制御回路8によるアップ信号/UPn+1 、アップ信号/UPn+2 、ダウン信号DOWNn+1 およびダウン信号DOWNn+2 がそれぞれ入力される。また、電源ラインとの間に、バイアス電圧PBIASを安定化させるためのキャパシタCPBが接続される。
【0196】
ロウパスフィルタ4の出力には、キャパシタCNU1 、キャパシタCND1 、キャパシタCNU2 およびキャパシタCND2 が接続され、これらのキャパシタには、パルス制御回路8によるアップ信号UPn+1 、アップ信号UPn+2 、ダウン信号/DOWNn+1 およびダウン信号/DOWNn+2 がそれぞれ入力される。
【0197】
パルス制御回路8は、電流選択信号SELICPn に応じて、チャージポンプ回路21の出力電流ICP1 と、容量の分圧比で発生するパルス波形の電圧変化△V1AC を制御する。
例えばSELICPn がロウレベルの場合、出力電流ICP1 として小さな出力電流ICP1Sが出力される。また、アップ信号UPn+1 、アップ信号/UPn+1 、ダウン信号DOWNn+1 およびダウン信号/DOWNn+1 のみが活性化され、小さなパルス電圧△V1ACSが発生される。
逆にSELICPnがハイレベルの場合、出力電流ICP1Sに比べて大きな出力電流ICP1Lを出力される。また、アップ信号UPn+1 、アップ信号/UPn+1 、DOWNn+1 、/DOWNn+1 側に加えて、アップ信号UPn+2 、アップ信号/UPn+2 、ダウン信号DOWNn+2 およびダウン信号/DOWNn+2 が活性化されて、大きなパルス電圧△V1ACLが発生される。
【0198】
例えば、
CLP=CPB=C1 、CNU1 =CND1 =CPU1 =CPD1 =CAC1
CNU2 =CND2 =CPU2 =CPD2 =CAC2
として、キャパシタを駆動するパルスの振幅が電圧Vddの場合、好適には、次式が成り立つように設計する。
【0199】
【数46】
ICP1S×RF1≒{CAC1 /(C1 +2CAC1 +2CAC2 )}×Vdd
・・・・(46)
【0200】
【数47】
ICP1L×RF1≒{( CAC1 +CAC2 )/( C1 +2CAC1 +2CAC2)}×Vdd
・・・・(47)
【0201】
上式に合わせて設計することにより、電圧制御発振器5に入力されるパルス波形の電圧が異なる場合においても、基準クロック信号φREFの立ち下がりエッジ後におけるパルス波形の電圧変化を小さくすることができる。
【0202】
また、特開平10−242851や特開平11−195982においては、位相差が小さくなると自動的にループのフィードバック量が小さくなるPLL回路が明らかにされているが、本実施例によれば、例えば、アップ信号UPn+1 、アップ信号/UPn+1 、ダウン信号DOWNn+1 およびダウン信号/DOWNn+1のパルス幅と、アップ信号UPn+2 、アップ信号/UPn+2 、ダウン信号DOWNn+2 およびダウン信号/DOWNn+2 のパルス幅とをパルス制御回路8により異なるパルス幅に設定させたり、あるいはアップ信号/UPn およびダウン信号DOWNn のパルス幅と、アップ信号/UPn-1 〜アップ信号/UP0 およびダウン信号DOWNn-1 〜ダウン信号DOWN0 のパルス幅とをパルス制御回路8により異なるパルス幅に設定させることで、パルス波形S1 による画面上は周波数変化を伴わない位相引込の量と、パルス波形S2 による周波数変化を伴う位相引込の量を、例えば、独立した位相差によって、各々、自動的に切り替えることが可能なPLL回路やDLL回路を実現できる。
【0203】
以上、PLL回路を例にして本発明の詳しい説明を行なったが、他のラグリードフィルタを用いた回路、例えば、DLL回路などにも適用できることは言うまでもない。
また、複数の位相比較器や、チャージポンプ回路や、フィルタや、バイアス回路、あるいはこれらの回路中に分岐を有する回路により、複数の分岐したフィードバックループを有するPLL回路やDLL回路において、本発明の実施例として紹介しなかったものについても応用できることは言うまでもない。
【0204】
<本発明の応用例>
図10は、本発明のPLL回路を適用したデジタルTV用のドットクロック発生回路およびVBIサンプリングクロック発生回路の構成図である。
図10に示すドットクロック発生回路およびVBIサンプリングクロック発生回路は、制御回路10、VBIサンプリングクロック発生回路11、ドットクロック発生回路12A、ドットクロック発生回路12B、システムクロック分周器9、およびPLL回路100を有する。
【0205】
PLL回路100は、例えば図8に示したPLL回路であり、制御部10から基準クロック信号HSNCSLを受けて、これに同期したクロック信号φVCO10をVBIサンプリングクロック発生回路11に出力するとともに、クロック信号VCO20およびクロック信号VCO21を、ドットクロック発生回路12Aおよびドットクロック発生回路12Bに出力する。
【0206】
制御部10は、2つの水平同期信号HSYNC0および水平同期信号HSYNC1と、システムクロック分周器9の出力クロック信号QNの中からPLL回路の基準クロック信号HSNCSLを選択し、位相比較器1に入力する。また、基準クロック信号HSNCSLの周波数に対応して、分周器6の分周比とチャージポンプ回路23の出力電流値を最適な値に設定する。古い設定値から新しい設定値への変更は、水平同期HSYNC0、水平同期信号HSYNC1、垂直同期信号VSYNC0、および垂直同期信号VSYNC1に同期して行なわれる。
【0207】
例えば、基準クロック信号として水平同期信号が選択された場合、バイアス電圧NBIASおよびバイアス電圧PBIASにパルス信号を重畳するアップ信号UPn+1 、ダウン信号/DOWNn+1 、アップ信号/UPn+1 およびダウン信号DOWNn+1 が活性化される。これにより、バイアス電圧NBIASおよびバイアス電圧PBIASには、基準クロック信号HSNCSLの立ち上がりエッジに同期した鈍りのないシャープなパルス波形が発生され、基準クロック信号HSNCSLの立ち下がり後の周波数変動が抑えられる。
【0208】
また例えば、コンピュータ画面などで、基準クロック信号としてシステムクロックを分周した信号が選択された場合には、アップ信号UPn+1 、ダウン信号/DOWNn+1 、アップ信号/UPn+1 およびダウン信号DOWNn+1 が非活性化される。これにより、基準クロック信号HSNCSLの立ち上がりエッジには非常に鈍ったパルス波形を発生させて、画面状に斜めドットクロックの幅が変化した領域が発生しないようにする。
【0209】
TVの字幕放送などで、VBIサンプリングクロックを発生する場合には、水平同期信号を基準クロック信号として、(VBIデータの周波数)×(サンプリング回数)×NVBIの周波数を有するクロック信号φVCO10が電圧制御発振器5において発生される。このクロック信号φVCO10がVBIサンプリングクロック発生回路11においてNVBI分周されることにより、VBIサンプリングクロックが得られる。
【0210】
ドットクロック発生回路12Aおよび12Bは、親画面と子画面に対応させるためのそれぞれ独立したドットクロックを発生する。電圧制御発振器5による2つの位相がずれた出力信号φVCO20およびφVCO21を受けて、これらの反転信号も含めた4つのクロック信号の中から、水平同期信号のバッファ出力HSYNC0BあるいはHSYNC1Bの立ち下がりエッジ後に最も早く立ち上がるクロック信号が選択される。この選択されたクロック信号が適当な文字の幅になるように分周されて、ドットクロック0あるいはドットクロック1が発生される。
【0211】
本発明のPLL回路を用いることによって、VBIサンプリングクロック発生回路11やドットクロック発生回路12Aおよび12Bに供給されるクロック信号のジッタが低減されるので、フリッカーやウェービングの見えない画面表示が得られる。
【0212】
【発明の効果】
本発明によれば、ノイズ低減のためにループフィルタにロウパスフィルタが含まれる場合や、電圧制御発振器の制御電圧ラインに制御電圧を安定化するためのキャパシタが設けられている場合でも、基準クロック信号の周期毎に行われる位相引き込み動作において、鈍りのないシャープなパルス波形を有する制御電圧が電圧制御発振器に入力され、位相引き込み動作の後、短時間で制御電圧を安定させることができる。すなわち、基準クロック信号の周期毎に行われる位相引き込み動作後の周波数変動を低減させることができる。
また、基準クロック信号の周期毎に行われる位相引き込み動作において、鈍りのないシャープなパルス波形を有する制御電圧を発生させるか、あるいは非常に鈍った制御電圧を発生させるかを、任意に選択することができる。これにより、基準クロック信号の周波数やデューティ、回路の使用方法やノイズレベルなどに応じて適切な設定が選択できるので、PLL回路を様々な用途に活用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のPLL回路の第1の実施形態を示す構成図である。
【図2】本発明のPLL回路の第1の実施形態の動作を説明するための波形図である。
【図3】本発明のPLL回路の第2の実施形態を示す構成図である。
【図4】本発明のPLL回路の第2の実施形態の動作を説明するための波形図である。
【図5】本発明のPLL回路の第3の実施形態を示す構成図である。
【図6】本発明のPLL回路の第4の実施形態を示す構成図である。
【図7】本発明のPLL回路の第5の実施形態を示す構成図である。
【図8】本発明のPLL回路の第6の実施形態を示す構成図である。
【図9】本発明のPLL回路の第7の実施形態を示す構成図である。
【図10】本発明のPLL回路を適用したデジタルTV用のドットクロック発生回路およびVBIサンプリングクロック発生回路の構成図である。
【図11】ラグリードフィルタを用いた従来のPLL回路の第1の形態を示す構成図。
【図12】従来のPLL回路の第1の形態の動作を説明するための波形図である。
【図13】ラグリードフィルタを用いた従来のPLL回路の第2の形態を示す構成図である。
【図14】従来のPLL回路の第2の形態の動作を説明するための波形図である。
【図15】電圧制御発振器の回路例を示す図である。
【図16】バイアス回路の回路例を示す図である。
【符号の説明】
1…位相比較器、2,21,22…チャージポンプ回路、3…ラグリードフィルタ、4…ロウパスフィルタ、5…電圧制御発振器、6…分周器、7…バイアス回路、8…パルス制御回路、CF1,CLP,CPB,CNB,CPU1 ,CPD1 ,CPU2,CPD2 ,CNU1 ,CND1 ,CNU2 ,CND2 …キャパシタ、RF1,RLP…抵抗
Claims (21)
- 基準信号に対する帰還信号の進み位相または遅れ位相の大きさを検出し、上記進み位相の大きさに応じたパルス幅を有する進み位相信号、または上記遅れ位相の大きさに応じたパルス幅を有する遅れ位相信号を出力する位相比較手段と、
パルス振幅調節信号に応じて、上記進み位相信号および上記遅れ位相信号のパルス振幅を調節するパルス制御回路と、
上記パルス制御回路から出力された上記進み位相信号または上記遅れ位相信号を平滑した制御信号を出力する平滑手段と、
上記パルス制御回路から出力された上記進み位相信号または上記遅れ位相信号を上記平滑手段から出力された制御信号に重畳する重畳手段と、
上記重畳手段により信号を重畳された制御信号を受けて、当該制御信号に応じた周波数を有する上記帰還信号を上記位相比較手段に出力する発振回路と
を有する位相同期ループ回路。 - 上記重畳手段は、一方の端子に上記進み位相信号または上記遅れ位相信号を受けて、他方の端子が上記平滑手段の上記制御信号の出力ラインに接続されたキャパシタを含む、
請求項1に記載の位相同期ループ回路。 - 上記平滑手段は、
上記進み位相信号に応じた電流、または上記遅れ位相信号に応じた電流を出力する電流出力手段と、
上記電流出力手段の出力電流を平滑した上記制御信号を出力するフィルタとを含む、
請求項2に記載の位相同期ループ回路。 - 上記パルス制御回路は、モード選択信号に応じて、上記重畳手段への上記進み位相信号および上記遅れ位相信号の出力を活性化または非活性化する、
請求項1に記載の位相同期ループ回路。 - 上記パルス制御回路は、パルス振幅調節信号に応じて、複数の上記進み位相信号または上記遅れ位相信号から、少なくとも1つの上記進み位相信号または上記遅れ位相信号を選択して上記重畳手段に出力し、
上記重畳手段は、一方の端子に上記の進み位相信号または上記遅れ位相信号を受けて、他方の端子が上記平滑手段の上記制御信号の出力ラインに接続された少なくとも1つのキャパシタを含む、
請求項1に記載の位相同期ループ回路。 - 基準信号に対する帰還信号の進み位相および遅れ位相の大きさを検出し、上記進み位相の大きさに応じたパルス幅を有する進み位相信号、または上記遅れ位相の大きさに応じたパルス幅を有する遅れ位相信号を出力する位相比較手段と、
パルス振幅調節信号に応じて、上記進み位相信号および上記遅れ位相信号のパルス振幅を調節するパルス制御回路と、
上記パルス制御回路から出力された上記進み位相信号または上記遅れ位相信号を平滑した制御信号を出力する平滑手段と、
上記平滑手段の出力に接続され、上記制御信号に応じて該制御信号と同位相のパルス波形の第1のバイアス信号および上記制御信号と逆位相のパルス波形の第2のバイアス信号を出力するバイアス信号生成手段と、
上記第1のバイアス信号および上記第2のバイアス信号に含まれるノイズ成分を除去するノイズフィルタと、
上記第1のバイアス信号に、上記パルス制御回路から出力された上記進み位相信号または上記遅れ位相信号を重畳する第1の重畳手段と、
上記第2のバイアス信号に、上記パルス制御回路から出力された上記進み位相信号または上記遅れ位相信号を重畳する第2の重畳手段と、
上記第1の重畳手段により信号を重畳された上記第1のバイアス信号に応じて可変される第1の電流と、上記第2の重畳手段により信号を重畳された上記第2のバイアス信号に応じて可変される第2の電流とが供給されてトランジスタの制御電圧が可変され、発振信号のパルスの遅延量を可変して出力する複数の遅延段を含み、終段の上記遅延段の出力信号を初段の上記遅延段の入力に帰還させ、一の上記遅延段の出力信号を上記帰還信号として上記位相比較手段に出力する発振回路と
を有する位相同期ループ回路。 - 上記第1の重畳手段は、一方の端子に上記進み位相信号または上記遅れ位相信号を受けて、他方の端子が上記バイアス信号生成手段の上記第1のバイアス信号の出力ラインに接続されたキャパシタを含み、
上記第2の重畳手段は、一方の端子に上記進み位相信号または上記遅れ位相信号を受けて、他方の端子が上記バイアス信号生成手段の上記第2のバイアス信号の出力ラインに接続されたキャパシタを含む、
請求項6に記載の位相同期ループ回路。 - 上記平滑手段は、
上記進み位相信号に応じた電流、または上記遅れ位相信号に応じた電流を出力する電流出力手段と、
上記電流出力手段の出力電流を受ける抵抗とキャパシタとの直列回路とを含み、
上記バイアス信号生成手段は、上記直列回路の出力電圧に応じて上記同位相のパルス波形の第1のバイアス信号および上記逆位相のパルス波形の第2のバイアス信号を生成する、
請求項6に記載の位相同期ループ回路。 - 上記パルス制御回路は、モード選択信号に応じて、上記第1および第2の重畳手段への上記進み位相信号および上記遅れ位相信号の出力を活性化または非活性化する、
請求項6に記載の位相同期ループ回路。 - 上記パルス制御回路は、パルス振幅調節信号に応じて、複数の上記進み位相信号または上記遅れ位相信号から、少なくとも1つの上記進み位相信号または上記遅れ位相信号を選択して上記第1の重畳手段および上記第2の重畳手段に出力し、
上記第1の重畳手段は、一方の端子に上記進み位相信号または上記遅れ位相信号を受けて、他方の端子が上記バイアス信号生成手段の上記第1のバイアス信号の出力ラインに接続された少なくとも1つのキャパシタを含み、
上記第2の重畳手段は、一方の端子に上記進み位相信号または上記遅れ位相信号を受けて、他方の端子が上記バイアス信号生成手段の上記第2のバイアス信号の出力ラインに接続された少なくとも1つのキャパシタを含む、
請求項6に記載の位相同期ループ回路。 - 基準信号に対する帰還信号の進み位相または遅れ位相の大きさを検出し、上記進み位相の大きさに応じたパルス幅を有する進み位相信号、または上記遅れ位相の大きさに応じたパルス幅を有する遅れ位相信号を出力する位相比較手段と、
パルス振幅調節信号に応じて、上記進み位相信号および上記遅れ位相信号のパルス振幅を調節するパルス制御回路と、
上記パルス制御回路から出力された上記進み位相信号または上記遅れ位相信号を平滑した制御信号を出力する平滑手段と、
上記パルス制御回路から出力された上記進み位相信号または上記遅れ位相信号を上記平滑手段から出力された制御信号に重畳する重畳手段と、
上記重畳手段により信号を重畳された制御信号および上記基準信号を受けて、上記基準信号に対して当該制御信号に応じた遅延を有する上記帰還信号を上記位相比較手段に出力する遅延回路と
を有する遅延同期ループ回路。 - 上記重畳手段は、一方の端子に上記進み位相信号または上記遅れ位相信号を受けて、他方の端子が上記平滑手段の上記制御信号の出力ラインに接続されたキャパシタを含む、
請求項11に記載の遅延同期ループ回路。 - 上記平滑手段は、
上記進み位相信号に応じた電流、または上記遅れ位相信号に応じた電流を出力する電流出力手段と、
上記電流出力手段の出力電流を平滑した上記制御信号を出力するフィルタとを含む、
請求項12に記載の遅延同期ループ回路。 - 上記平滑手段は、
上記進み位相信号に応じた電流、または上記遅れ位相信号に応じた電流を出力する第1の電流出力手段および第2の電流出力手段と、
上記第1の電流出力手段の出力電流を受ける抵抗と、当該抵抗の電流および上記第2の電流出力手段の出力電流を受けるキャパシタとの直列回路と、
上記直列回路の電圧を受けて、当該電圧に含まれるノイズ成分を除去した上記制御信号を出力するノイズフィルタとを含む、
請求項12に記載の遅延同期ループ回路。 - 上記パルス制御回路は、モード選択信号に応じて、上記重畳手段への上記進み位相信号および上記遅れ位相信号の出力を活性化または非活性化する、
請求項11に記載の遅延同期ループ回路。 - 上記パルス制御回路は、パルス振幅調節信号に応じて、複数の上記進み位相信号または上記遅れ位相信号から、少なくとも1つの上記進み位相信号または上記遅れ位相信号を選択して上記重畳手段に出力し、
上記重畳手段は、一方の端子に上記の進み位相信号または上記遅れ位相信号を受けて、他方の端子が上記平滑手段の上記制御信号の出力ラインに接続された少なくとも1つのキャパシタを含む、
請求項11に記載の遅延同期ループ回路。 - 基準信号に対する帰還信号の進み位相および遅れ位相の大きさを検出し、上記進み位相の大きさに応じたパルス幅を有する進み位相信号、または上記遅れ位相の大きさに応じたパルス幅を有する遅れ位相信号を出力する位相比較手段と、
パルス振幅調節信号に応じて、上記進み位相信号および上記遅れ位相信号のパルス振幅を調節するパルス制御回路と、
上記パルス制御回路から出力された上記進み位相信号または上記遅れ位相信号を平滑した制御信号を出力する平滑手段と、
上記平滑手段の出力に接続され、上記制御信号に応じて該制御信号と同位相のパルス波形の第1のバイアス信号および上記制御信号と逆位相のパルス波形の第2のバイアス信号を出力するバイアス信号生成手段と、
上記第1のバイアス信号および上記第2のバイアス信号に含まれるノイズ成分を除去するノイズフィルタと、
上記第1のバイアス信号に、上記パルス制御回路から出力された上記進み位相信号または上記遅れ位相信号を重畳する第1の重畳手段と、
上記第2のバイアス信号に、上記パルス制御回路から出力された上記進み位相信号または上記遅れ位相信号を重畳する第2の重畳手段と、
上記第1の重畳手段により信号を重畳された上記第1のバイアス信号に応じて可変される第1の電流と、上記第2の重畳手段により信号を重畳された上記第2のバイアス信号に応じて可変される第2の電流とが供給されてトランジスタの制御電圧が可変され、発振信号のパルスの遅延量を可変して出力する複数の遅延段を含み、上記基準信号を上記遅延段の初段に入力し、一の上記遅延段の出力信号を上記帰還信号として上記位相比較手段に出力する遅延回路と
を有する遅延同期ループ回路。 - 上記第1の重畳手段は、一方の端子に上記進み位相信号または上記遅れ位相信号を受けて、他方の端子が上記バイアス信号生成手段の上記第1のバイアス信号の出力ラインに接続されたキャパシタを含み、
上記第2の重畳手段は、一方の端子に上記進み位相信号または上記遅れ位相信号を受けて、他方の端子が上記バイアス信号生成手段の上記第2のバイアス信号の出力ラインに接続されたキャパシタを含む、
請求項17に記載の遅延同期ループ回路。 - 上記平滑手段は、
上記進み位相信号に応じた電流、または上記遅れ位相信号に応じた電流を出力する第1の電流出力手段および第2の電流出力手段と、
上記第1の電流出力手段の出力電流を受ける抵抗と、当該抵抗の電流および上記第2の電流出力手段の出力電流を受けるキャパシタとの直列回路とを含み、
上記バイアス信号生成手段は、上記直列回路の出力電圧に応じて上記同位相のパルス波形の第1のバイアス信号および上記逆位相のパルス波形の第2のバイアス信号を出力する、
請求項17に記載の遅延同期ループ回路。 - 上記パルス制御回路は、モード選択信号に応じて、上記第1および第2の重畳手段への上記進み位相信号および上記遅れ位相信号の出力を活性化または非活性化する、
請求項17に記載の遅延同期ループ回路。 - 上記パルス制御回路は、パルス振幅調節信号に応じて、複数の上記進み位相信号または上記遅れ位相信号から、少なくとも1つの上記進み位相信号または上記遅れ位相信号を選択して上記第1の重畳手段および上記第2の重畳手段に出力し、
上記第1の重畳手段は、一方の端子に上記進み位相信号または上記遅れ位相信号を受けて、他方の端子が上記バイアス信号生成手段の上記第1のバイアス信号の出力ラインに接続された少なくとも1つのキャパシタを含み、
上記第2の重畳手段は、一方の端子に上記進み位相信号または上記遅れ位相信号を受けて、他方の端子が上記バイアス信号生成手段の上記第2のバイアス信号の出力ラインに接続された少なくとも1つのキャパシタを含む、
請求項17に記載の遅延同期ループ回路。
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